JP2004050153A - 混合造粒装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水平方向に配置されている横長の容器(1)と、それぞれの回転速度で駆動されるようになっている2本の回転軸(20、30)とから構成する。回転軸(20、30)には異なる攪拌羽根(28、29、35)を取り付ける。容器(1)には、その一方の端部寄りと他方の端部寄りに材料投入口(2、3、4)を設け、他方の端部寄りに製品排出口(5)を設ける。また、容器(1)の周壁を冷却して被処理物が付着しないようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水平方向に配置されている横長の容器と、該容器内に回転駆動可能に設けられている回転軸と、該回転軸に取り付けられている攪拌羽根とからなる混合造粒装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浄水場の排水処理過程で生じする脱水ケーキ、建設現場で生じる高含水粘土、石炭の焼却灰等は、環境に対する配慮から、さらには資源の有効利用の観点から、単なる投棄処理から、粒状化処理して道路用材料、グランド改良材、園芸用土等に利用することが計られている。そのための処理方法も従来から色々提案されている。例えば、第34回地盤工学研究会では、高含水粘土に植物性天然高分子と合成高分子とからなる高分子系特殊固化剤を加えて粒状化処理することが発表されている。また、第50回全国水道研究会では、浄水場の排水処理過程で生じる脱水ケーキに、安定剤として山砂、セメント系固化剤等を加えて改良土を製造する研究も発表されている。
【0003】
さらには、特開平11−156326号には、石炭火力発電所から排出されるフライアッシュを、埋立て材、盛り土造成材、土木工材等に利用するために、フライアッシュに消石灰と水とを加えて湿潤混練物を得て、これを転動処理して造粒し、炭酸ガス雰囲気中に放置して固化するフライアッシュの固化方法が示されている。
【0004】
一方、造粒装置も、文献名を挙げるまでもなく従来周知で、造粒容器内の被処理物を攪拌羽根で攪拌して造粒する強制攪拌形、筒型容器を回転駆動して内部の被処理物を造粒する転動造粒形、スクリュをシリンダ内で回転駆動してシリンダの先方から押し出し造粒する押出形、被処理物が入れられている槽を振動させる振動形等、多種類の造粒装置が知れれている。そして、これらの造粒装置の中から、脱水ケーキ、粉体、焼却灰等の被処理物の性質に適した造粒装置が適宜選択されて造粒に使用されている。
【0005】
ところで、強制攪拌形の造粒装置は、攪拌羽根で塊状物もある程度破砕され、そして造粒されるので、例えば脱水ケーキのような塊状物の造粒にも適していると言える。この強制攪拌形の造粒装置は、概略的には容器と、この造粒容器の内部で回転駆動される混合撹拌羽根とから構成されている。したがって、造粒容器に被処理物と水とを供給し、混合撹拌羽根を所定時間回転駆動すると、塊状物は破砕され、そして造粒される。このとき、造粒容器に被処理物と水とを供給して造粒し、そして造粒物を排出する、いわゆる供給と、造粒と、排出とを所定のサイクル毎に繰り返すバッチ運転も、また造粒容器の一方端部から被処理物と水とを連続的に供給し、他方の端部から造粒物を連続的に排出するようにした連続運転もできるようになっている。また、混合装置も従来周知で、概略的には混合槽と、この混合槽の内部に回転駆動されるように設けられている混合羽根とから構成されている。したがって、混合槽に複数種の被処理物と水とを供給し、混合羽根を回転駆動すると、塊状物は破砕され、そして均一に混合される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、脱水ケーキ、高含水粘土、焼却灰等の被処理物に、水、固化剤等の添加剤を加えて粒状化する造粒方法も、また被処理物を造粒する造粒装置も共に従来周知であるので、これらの周知技術を適宜組み合わせることにより、被処理物を造粒し、固化することも一応できる。しかしながら、従来の技術では単に造粒することはできるが、色々な要望に応えることができない。例えば、粉体から造粒された粉体造粒物に、大きな再生骨材を混合して造粒物を得ることはできないし、また一旦得た造粒物からさらに大きな造粒物を得ようとすると、すなわち大径の造粒物を得ようとすると、ある大きさになると破壊されて大きな造粒物にはならないという欠点がある。さらには、軽量骨材を混合するときなどは、セメントと珪砂を十分混合した後に、パーライトを加えるが、壊れやすいパーライトを混合するので、混合羽根の回転速度を落とさなければならず、混合処理能力が落ちる。この問題も、性能の異なる造粒装置あるいは混合装置を複数台用意し、これらを使い分けると、ある程度解決されると考えられる。例えば、初めに回転速度の大きい混合装置によりセメントと珪砂とを十分混合し、これを回転速度の小さい混合装置に移し替え、そしてパーライトを加えて混合すると解決されると考えられる。しかしながら、混合装置が少なくとも2台必要となりコスト高になるという別の問題が生じる。また、混合中に被処理物を一方の混合装置から他方の混合装置へ移し替えて、再度混合しなければならないので、処理効率が落ち、実施上問題がある。
【0007】
また、一般に被処理物は水分を含んでいるので、また大気中にも水蒸気の形で水分が含まれているので、混合中に混合造粒容器の内周面に被処理物が付着する。この付着した付着物は、高速で回転駆動される混合撹拌羽根の強い遠心力の作用で内周面に押し付けられて成長するが、混合撹拌羽根の先端部と混合造粒容器の内周面との間の隙間以上に成長する前に混合撹拌羽根の先端部で削り取られる。このとき、付着物は混合撹拌羽根により圧縮されるので、硬い固化物となってしまう。混合撹拌羽根の先端部は、この硬い固化物に接触して回転駆動することになるので、混合撹拌羽根の摩耗が激しくなる。また、摩擦接触して回転駆動されるので、消費動力が大きくもなる。このように、摩耗と消費動力が大きくなると、摩擦発熱による原料の熱変質、摩耗した混合撹拌羽根の材質の製品への混入等により、高純度製品の品質を落とすこともある。特に、処理物が食品の時は衛生上も問題になる。さらには、混合操作終了後は、混合造粒容器の内部は清掃されるが、硬い固化物が清掃の障害にもなっている。このような固化物は、混合造粒容器の蓋体の内面にも生じる。そうして、同様な問題を起こしている。
【0008】
また、被処理物が多量の水分を含んでいるときは、従来の混合造粒装置ではそのままでは造粒処理はできないという問題もある。
【0009】
本発明は、上記したような従来の問題点を解決した混合造粒装置を提供しようとするもので、具体的には壊れやすい被処理物も効率的に且つ安価に混合することができ、また造粒中の造粒物に大きな再生骨剤のような添加物を添加して造粒することも、さらには大径の造粒物を得ることもできる混合造粒装置を提供することを目的としている。また、他の発明は、上記目的に加えて被処理物が混合造粒用の容器の内壁に付着しない混合造粒装置を提供することを、さらには処理中に乾燥等の処理も同時に実施できる混合造粒装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、容器を横長にすると共に、該容器内に回転駆動可能に設けられている回転軸をそれぞれの回転速度で駆動できるように構成することにより達成される。これらの回転軸は、機構上望ましくは第1、2の2本の回転軸から構成され、そして容器内に軸心方向に、しかも同軸的に設けられ、それぞれ異なった速度で回転駆動される。また、これらの回転軸には攪拌羽根が取り付けられるが、第1の回転軸に取りつけられている攪拌羽根と、第2の回転軸に取り付けられる攪拌羽根は、好ましくは形状、構造が異なるように構成される。さらには、容器の内周壁は冷却あるいは加熱されるように構成される。このようにして、請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、水平方向に配置されている横長の容器と、該容器内に回転駆動可能に設けられている回転軸と、該回転軸に取り付けられている攪拌羽根とからなる混合造粒装置であって、前記容器には、その一方の端部寄りに、被処理物、添加剤等の材料投入口が、そして他方の端部寄りに第2の材料投入口と製品排出口が設けられ、前記回転軸は、少なくとも2本の回転軸からなり、これらの回転軸はそれぞれの回転速度で駆動されるように構成されている。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転軸は、2本の回転軸からなり、これらの回転軸は容器内の軸心方向に同軸的に配置され、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の2本の回転軸のそれぞれ取り付けられている攪拌羽根は、構造、形状が異なるように、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の容器の内部には、該容器を横断する形の隔壁が設けられ、その開口部の面積は調節可能であるように、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの項に記載の容器には、互いに独立した複数個の材料投入口が設けられ、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかの項に記載の容器には、互いに独立した複数個の製品排出口が設けられ、そして請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかの項に記載の容器には、被処理物を化学的に中和する中和剤が供給されるように構成され、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかの項に記載の容器の壁部が、冷却または加熱されるように、請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかの項に記載の容器には、加熱気体が供給されるように、そして請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかの項に記載の回転軸の外周面が内部から加熱されるように構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜3により本発明の実施の形態を説明する。図1は、第1の実施の形態に関わる全体の、図2の(イ)は隔壁の、そしてその(ロ)は軸受の他の実施の形態を示す図であるが、図1に示されているように、第1の実施の形態に係わる混合造粒装置は、軸芯が水平方向になるように配置される、横長の混合造粒用の容器1を備えている。そして、この横長の容器1の内部に、本実施の形態では2本の第1、2の回転軸20、30が水平方向に設けられている。
【0012】
混合造粒用の容器1は、略円筒状を呈している。そして、本実施の形態では、粉体、高含水粘土、石炭の焼却灰等の被処理物は、容器1の、図1において左方の端部寄りから供給され、右方へ送られる過程で破砕混合され、造粒され、そして造粒された製品は右端部近傍から排出されるようになっている。そのために、容器1の右端部近傍の上方には、被処理物が投入される第1の材料供給口2が設けられている。そして、その下流側にセメント、固化剤等の添加物を供給するための添加剤供給口3が設けられている。また、図1には示されていないが、その下流側に水、キレート等の液体供給口が設けられいる。なお、液体供給口の先端部には散水ノズルが取り付けられ、水、キレート等の液体は混合中の被処理物に均一に散水されるようになっている。さらに、容器1の下流端部近傍には、砂利、再生砕石、グリ石等が投入される第2の材料供給口4が設けられている。このように、容器1の上方には各種の供給口2、3、4が設けられているが、容器1の右方の下流端部近傍の下側に製品排出口5が設けられている。
【0013】
このように、第1の材料供給口2、製品排出口4等が設けられている容器1の両サイドは側壁7、7’で閉鎖されている。そして、中央部より下流に寄った位置に、隔壁10が取り付けられている。隔壁10は、容器1を横切り閉鎖する形で取り付けられ、本実施の形態では、図2の(イ)に示されているように、2個の材料通過孔11、11が、軸心を中心として左右に分かれて明けられている。これらの材料通過孔11、11の開口面積は、スライド可能な調節板12、12で調節されるが、そのためにこれらの調節板12、12にはネジ棒13、13が取り付けられている。一方、容器1には、その内部に雌ネジが形成されているナット14、14が固定されている。そして、前記ネジ棒13、13は、ナット14、14にそれぞれ螺合している。したがって、ネジ棒13、13の上端部に取り付けられているハンドル15、15を正逆方向に回すと、ネジ棒13、13が図2の(イ)において上下方向に移動し、調節板12、12が上下方向にスライドし、材料通過孔11、11の開口面積が調節されることになる。なお、本実施の形態によると、2個の材料通過孔11、11が明けられているので、攪拌羽根の回転方向に合わせて、一方の開口面積を広くし、他方を狭くする等の調節が自在にできる。
【0014】
このように構成されている容器1の筒状の外周壁および側壁7、7’には、水ジャケット60が設けられている。この水ジャケット60は、容器1の周壁と、この周壁と所定の間隔をおいて設けられている外周壁61とから構成され、本実施の形態では容器1の上方部、すなわち処理中に被処理物が接触しない位置に設けられている。このように構成されている水ジャケット60の内部は、冷却水の流水路となっているが、冷却水が水ジャケット60内で短絡しないように邪魔板、ガイド板等が適宜設けられている。また、容器1の周壁の外面の、水ジャケット60に面した周面には、周壁の冷却効果を高めるために放熱フィンが適宜設けられるが、図1には示されていない。
【0015】
水ジャケット60の、図1において右方の下方端部には、導水コネクタ62が取り付けられている。また、この導水コネクタ62に対向して、水ジャケット60の、図1において左方の上方端部には排水コネクタ63が取り付けられている。そして、導水コネクタ62には給水管64が、排水コネクタ63には戻管65がそれぞれ接続されている。これらの給水管64と戻管65は、後述する冷凍サイクル70に間接的に接続されている。
【0016】
冷凍サイクル70は、従来周知のように、冷媒を圧縮する圧縮機71、この圧縮機71で圧縮されて高温、高圧のガスとなった冷媒を液化する凝縮器72、該凝縮器機72で高温、高圧の液体となった冷媒の温度と圧力とを降下させる膨張弁73、冷媒から熱を奪って蒸発して冷凍作用を奏する蒸発器74等から構成されている。そして、蒸発器74が断熱材で形成されている熱交換容器76内に配置されている。したがって、冷凍サイクル70を運転すると、熱交換容器76の内部が冷却されることになる。
【0017】
熱交換容器76の底部には、前述した給水管74の一方の端部が接続されている。また、戻管75の終端部は、断熱性のクッションタンク78に開放状態で接続され、このクッションタンク78と熱交換容器76は連絡管79で水密状態で接続されている。そして、給水管64に、熱交換容器76の方から水ジャケット60の方へ冷却水を圧送する水ポンプ67が介装されている。したがって、本実施の形態によると、クッションタンク78において一旦開放はされているが、冷却水は循環流れとなる。なお、本実施の形態によると、クッションタンク78には水位計S1が設けられ、クッションタンク78の水位が下がると、バルブV1が開き、水が補給管H1から適宜補給されるようになっている。
【0018】
上記のように構成されている容器1の内部には、その軸心と同軸的に本実施の形態では2本の第1、2の回転軸20、30が水平方向に設けられている。第1の回転軸20は、容器1内の左方すなわち上流位置に設けられ、その一方の端部は、容器1から側壁7を通って外方へ出て、第1の軸受21により回転自在に軸受けされている。そして、第1のモータ22によりベルト等の伝動機構23、あるいは減速機構等を介して回転駆動されるようになっている。本実施の形態によると、第1のモータ22は、ポール数が変更できるモータが採用され、あるいは位相制御されるようになっている。これにより、第1の回転軸20は、その回転速度が任意に調節できることになる。
【0019】
第1の回転軸20の他方の端部は、隔壁10の近傍に設けられている第2の軸受24により軸受けされている。この第2の軸受24は、容器1の内壁に固定されているブラケット25に支持部材26を介して固定されている。したがって、第1の回転軸20は、その両端部で軸受けされていることになる。このような第1の回転軸20に、軸方向および回転角度方向に所定の間隔をおいて複数個のアーム27、27、…が固定され、これらのアーム27、27、…に攪拌羽根28、28、…が取り付けられている。攪拌羽根28、28、…は、本実施の形態では鋤形すなわちショベル形を呈し、被処理物は、これらの攪拌羽根28、28、…により、浮遊拡散混合され、また造粒される。
【0020】
図1に示されている実施の形態によると、容器1の内部には、攪拌羽根28、28、…の他にチョッパー羽根が、望ましくは複数個のチョッパー羽根29、29、…が設けられている。これらのチョッパー羽根29、29、…は、容器1の第1の材料供給口2の下部近傍に、攪拌羽根28、28、…と干渉しない位置に設けられ、攪拌羽根28、28、…により持ち上げられ、そして落下してくる被処理物を剪断、分散するもので、外部に設けられているモータ29’、29’により、攪拌造粒羽根28、28、…とは関係なく独立的に比較的高速で回転駆動されるようになっている。
【0021】
第2の回転軸30は、本実施の形態によると、第1の回転軸20よりも短く、容器1の下流側に設けられている。そして、その一方の端部は、容器1から側壁7’を通って外方へ出て、間隔をおいて設けられている2個の軸受31、31により片持梁的に回転自在に軸受けされている。そして、第2のモータ32によりベルト等の伝動機構33、あるいは減速機構等を介して回転駆動されるようになっている。本実施の形態によると、第2のモータ32もポール数が変更でき、あるいは位相制御され、第2の回転軸30の回転速度も任意に調節できるようになっている。
【0022】
このような第2の回転軸30にも、軸方向および回転角度方向に所定の間隔をおいて複数個のアーム34、34、…が固定され、これらのアーム34、34、…に羽根35、35、…が取り付けられている。なお、本実施の形態に係わる混合造粒装置も制御装置を備え、自動的に造粒することができるが、制御装置は図1には示されていない。
【0023】
次に、上記実施の形態の作用について説明する。本実施の形態によると、第1、2の回転軸20、30は、その回転速度が任意に設定できるので、色々な混合、造粒操作ができる。例えば、第1のモータ22により第1の回転軸20を比較的高速で回転駆動し、第2の回転軸30を第2のモータ32により低速で回転駆動する。そうすると、第1の材料供給口2から供給される被処理物、添加剤供給口3から供給される添加剤、液体供給口から供給される水等は、始めに混合を重視した混合処理を受け、そして、下流側へ送られ、第2の回転軸30の羽根35、35、…により小さな剪断力で混合処理される。同様に造粒処理もされる。以下具体的な混合、造粒例について説明する。
【0024】
(a)軽量骨材を次のようにして混合処理することができる。すなわち、冷凍サイクル70と水ポンプ67とを起動する。そうすると、冷凍サイクル70の蒸発器74により熱交換容器76の中の冷却水が冷却される。冷却された冷却水は、給水管64、水ジャケット60、戻管65、クッションタンク78、連絡管79、熱交換容器76の順に循環する。その間に容器1の側壁および周壁が冷却される。第1のモータ22により比較的高速で撹拌羽根28、28、…を駆動する。また、モータ29’によりチョッパー羽根29、29、…を高速で駆動する。さらには、第2のモータ32により比較的低速で羽根35、35、…を駆動する。そうして、第1の材料供給口2から所定量宛のセメントと珪砂を、そして水供給口から水を連続的に投入する。そうすると、主としてチョッパー羽根29、29、…により、投入されたセメントと珪砂と水は、短時間で混合・剪断・分散される。そうして、撹拌羽根28、28、…により下流側へ連続的に送られながら十分に混合される。次いで、低速で回転駆動されている第2の回転軸30が設けられている低速領域に達する。このとき、隔壁10の材料通過孔11、11の開口面積により、高速領域の滞留時間を調節し混合の度合いを適宜調節する。第2の材料供給口4からパーライトを投入する。そうすると、第2の回転軸30に取り付けられている羽根35、35、…により、パーライトが混合されて製品である軽量骨材が連続的に得られる。
【0025】
このとき、羽根35、35、…は、低速で回転駆動されているので、壊れやすいパーライトも壊れることなく、良質の製品が製品排出口5から排出される。このように、本実施の形態によると、1台の混合造粒装置により高速で混合できる材料に対しては高速で混合するので効率的であり、そして壊れやすい材料に対しては低速で混合するので、良質の製品が安価に得られる。
【0026】
上記のようにして軽量骨材を得ているときに、容器1の側壁および周壁は冷却水で冷却されているので、容器1の内部空間の水分が周壁の内面に結露する。このとき、周壁は積極的に冷却されているので、結露水は多く、厚い水膜が形成される。一方、セメントは容器1に供給するときも、また撹拌羽根28、28、…で混練するときも飛散する。そうして、側壁および周壁にも到達する。ところで、本実施の形態によると、これらの周壁には水膜が形成されているので、周壁に到達しようとするセメントは、水膜に捕捉される。そうして、付着したセメントは、振動その他に原因により剥がれて落ちる。これにより、セメントの付着が防止される。あるいは付着したセメントが除去される。
【0027】
(b)再生砕石を次のようにして得ることができる。この場合も冷凍サイクル70を上記のようにして運転する。そうして、第1のモータ22により比較的高速で撹拌羽根28、28、…を駆動する。また、モータ29’によりチョッパー羽根29、29、…を高速で駆動する。さらには、第2のモータ32により比較的低速で羽根35、35、…を駆動する。そうして、第1の材料供給口2から所定量宛の被処理物例えば石炭燃焼灰を、添加剤供給口3から添加剤例えばセメントを、そして水供給口から水を連続的に投入する。そうすると、主としてチョッパー羽根29、29、…により投入された石炭燃焼灰とセメントと水は、短時間で混合・剪断・分散される。そうして、撹拌羽根28、28、…により下流側へ連続的に送られながら造粒される。次いで、低速で回転駆動されている第2の回転軸30が設けられている低速領域に達する。このとき、隔壁10の材料通過孔11、11の開口面積により、滞留時間を調節して造粒物の大きさを適宜調節する。第2の材料供給口4から例えば再生砕石を少量宛投入する。そうすると、第2の回転軸30に取り付けられている羽根35、35、…により再造粒され、そして製品となり製品排出口5から連続的に排出される。このときも、容器1の側壁および周壁に被処理物が付着することが防止される。
【0028】
このようにして、脱水ケーキ、粘土、焼却灰等の被処理物と、セメント、固化剤等の添加剤と、水、砂利、砂、山砂、グリ石等の素材とから道床材、路盤材、人工石、建設資材等が得られる。これにより、環境を汚染する恐れのある廃棄物を有効に利用することができる。
【0029】
(c)大径の造粒物を次のようにして得ることができる。第1のモータ22により第1の回転軸20を比較的高速で回転駆動し、第2の回転軸30を第2のモータ32により低速で回転駆動する。そうして、第1の材料供給口2から被処理物を、添加剤供給口から添加剤を、水供給口から水を供給する。そうすると、主としてチョッパー羽根29、29、…により、投入された被処理物は、短時間で混合・剪断・分散される。そうして、撹拌羽根28、28、…により下流側へ連続的に送られながら造粒される。このとき、撹拌羽根28、28、…は、比較的高速で回転駆動されているので、混合、造粒効率は高いが、造粒物は互いに衝突して破壊されるので、所定大きさ以上には育たない。次いで、第2の回転軸30が設けられている低速領域に送られる。この低速領域において、造粒物は羽根35、35、…により転がされるような処理を受ける。これにより、大きな造粒物に成長して製品排出口5から排出される。このように、本実施例によると、1台の混合造粒装置により2種類の処理を受けるので、大きな造粒物を安価に得ることができる。このときも、冷凍サイクル70を運転して被処理物の付着を防止する。
【0030】
なお、混合、造粒例として軽量骨材、再生砕石、大径の造粒物等の、主として鉱物の処理例について説明したが、鉱物以外の例えば化学薬品、食品等を同様にして処理できることは明らかである。
【0031】
上記の第1の実施の形態は色々な変形が可能である。例えば、図2の(ロ)に示されているように、第2の軸受24により回転自在に軸受けされている第1の回転軸20の端部に凹部を形成し、この凹部に軸受31’を設けて第2の回転軸30の他端部を軸受けすることもできる。これにより、第2の回転軸30に比較的大きな衝撃的な加重に対しても耐えることができる。また、上記の実施の形態ではチョッパー羽根29、29、…が設けられているので、脱水ケーキのような塊状物も短時間に混合・剪断・分散しされ容易に混合、造粒されるが、被処理物が単なる粉体の時は、チョッパー羽根29、29、…がなくても実施できることは明らかである。さらには、第1の回転軸20は、比較的高速で回転駆動されるので、この第1の回転軸20には比較的短いアーム27、27、…に攪拌羽根28、28、…を取り付け、第1の回転軸20の軸近くで回転するように実施し、そして比較的低速で回転駆動される第2の回転軸30には長いアーム34、34、…に羽根35、35、…を取り付け、容器1の内周壁近くで回転駆動されるように実施することもできる。
【0032】
また、本実施の形態によると、回転軸は第1、2の2本の回転軸20、30からなっているが、第3の回転軸を第1あるいは第2の回転軸20、30に平行に2軸的に設けることもできる。さらには、本実施の形態では第1、2の回転軸20、30は、容器1の軸心位置に、同軸的に設けられているが、必ずしも同軸的に設ける必要がないことは明らかである。また、本実施の形態によると、容器1の内部には隔壁10が設けられているので、この隔壁10に軸受を取り付け、第1、2の回転軸20、30の他方の端部を軸受けできる。なお、攪拌羽根28、28、…および羽根35、35、…の形状が、図示の実施の形態に限定されないことも明らかである。
【0033】
上記実施の形態では、水ジャケット60には冷却水が流されて、容器1の側壁、周壁等に被処理物が付着するのが防止されるようになっているが、被処理物を乾燥するように実施することもできる。このときは、水ジャケットを容器の側壁および全周に設けて、冷却水に代えて加熱水を水ジャケットに流すことになる。加熱水は、冷凍サイクル70の凝縮器72により得ることができるし、またはガスバーナー等の別の加熱装置で得ることもできる。さらには、加熱空気を供給することもできる。加熱空気を使用するときは、被処理物に影響を与えないときは容器1内へ直接供給するように実施することもできる。また、上記実施の形態では冷却媒体として水が使用されているので、熱容量が大きく冷却効果は高いが、水に代えて取扱いの容易な空気でも実施できる。さらには、混練により発熱する原料を混練するときは、混練槽1の内部は高温になるので、周壁3は単なる冷却水で冷却するだけでも温度差が生じ、充分な結露水が得られることも明らかであ
る。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態を図3により説明する。なお、第1の実施の形態の構成要素と同じような構成要素には同じ参照数字を、同じような構成要素にはダッシュ「’」あるいは「”」を付けて簡略的に説明する。また、水ジャケット、冷凍サイクル等は図には示されていない。第2の実施の形態によると、容器1’には、第1の回転軸20に対応した位置に第2、3の製品排出口5’、5”が設けられている。また、第2の回転軸には、羽根に代えて1本のリボン35’が設けられている。このリボン35’は所定幅を有し、回転中に被処理物を掬い上げるように捻ってあり、全体としては螺旋状になっている。このように螺旋状になっているので、被処理物の循環流および軸方向への移送は滑らかになる。
【0035】
また、本実施の形態によると、アルカリ中和装置40も設けられている。アルカリ中和装置40は、炭酸ガスが充填されている炭酸ガスボンベ41、41、…、主管42、第1、2の分岐管47、47’等からなり、主管42に減圧弁43、流量調整弁44、流量計45、電磁開閉弁46等が介装されている。そして、主管42から第1、2の分岐管47、47’が分岐し、これらの第1、2の分岐管47、47’にニードル弁48、48’が介装され、第1の分岐管47は容器1’の第1の材料供給口2の上流側に、そして第2の分岐管47’は、容器1’の中央部より下流側に寄った位置に開口している。なお、容器1’の下方には第1〜3の製品排出口5、5’、5”に対応してベルトコンベヤ50が設けられている。したがって、このベルトコンベヤ50により製品を例えばストックヤード51へ搬送することができる。
【0036】
第2の実施の形態によっても、前記した第1の実施の形態と略同じようにして、混合、造粒することができることが明らかであるので、詳しい説明はしない。すなわち、第2、3の製品排出口5’、5”を蓋体5’a、5”aで閉鎖し、アルカリ中和装置50を使用しないと、第1の実施の形態と同様にして、混合、造粒することができることは明らかである。また、飛灰はキレートと十分に混合する必要があるが、水分を多量に含む脱水ケーキ等は、混合時間が長くなると、練りすぎになる。このようなときは、第2あるいは第3の製品排出口5’、5”を開き、早期に排出してベルトコンベヤ50により製品をストックヤード51へ搬送する。また、石灰系の凝集剤が使用されている脱すケーキは、強アルカリ性を呈するので、これを処理するときは、アルカリ中和装置40の電磁開閉弁46を開いて、容器1’中に炭酸ガスを供給しながら処理する。これにより、中性に中和された製品が得られる。
【0037】
本第2の実施の形態も色々変形可能である。例えば、第2の回転軸30の一方の端部を、図2の(ロ)に示されているように軸受けできるし、またチョッパー羽根29、29、…がなくても実施できることも明らかである。また、上記実施の形態では、中和剤に炭酸ガスが使用されているが、酸性の液体で中和できることもできるし、被処理物が酸性の時はアルカリ性の中和剤で中和するように実施することもできる。
【0038】
上記実施の形態の説明では、第1、2の回転軸20、30は単なる軸として説明されているが、管状の中空体から構成し、そして内部に加熱蒸気を循環供給するするように実施することもできる。このように加熱蒸気を供給すると、第1、2の回転体20、30の外周面は、内部から加熱される。そうすると、被処理物はこれらの回転軸20、30の外周面から剥離され、剥離された被処理物は攪拌羽根28、35あるいはリボン35により、効果的に造粒される。なお、加熱蒸気に代えて加熱水あるいは加熱空気で実施できることは明らかで、さらには電気ヒータで実施できることも明らかである。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、水平方向に配置されている横長の容器と、該容器内に回転駆動可能に設けられている回転軸と、該回転軸に取り付けられている攪拌羽根とからなる混合造粒装置の容器には、その一方の端部寄りに、被処理物、添加剤等の材料投入口が、そして他方の端部寄りに第2の材料投入口と製品排出口が設けられ、回転軸は、少なくとも2本の回転軸からなり、これらの回転軸はそれぞれの回転速度で駆動されるように構成されているので、2本の回転軸を任意の回転速度で駆動できる。したがって、同一容器内で被処理物の性質により高速処理と低速処理ができ、被処理物を効率的に安価に混合処理することも、造粒処理することもできるという本発明に特有の効果が得られる。具体的には、例えば壊れやすい被処理物も効率的に安価に混合することができ、また造粒中の造粒物に大きな再生骨剤のような添加物を添加して造粒することも、さらには大径の造粒物も安価に得ることができる効果が得られる。また、他の発明によると、容器の側壁、周壁等は強制的に冷却されているので、内壁面には多くの結露水が生じる。したがって、飛散して内壁面に到達しようとする被処理物は、結露水に捕捉され、そして結露水と共に流される。これにより、被処理物が容器の内壁面に付着してトラブルを起こすようなことが防止されるという効果が、前述した効果に加えてさらに得られる。また、容器の壁部が加熱されるようになっている発明あるいは容器に加熱気体が供給されるようになっている発明によると、処理中に減水される。したがって、多量の水分を含んでいる被処理物も、前処理することなく、直接的に混合造粒処理ができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を模式的に示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態の細部を示す図で、その(イ)隔壁の側面図、その(ロ)は軸受の他の実施の形態を1部断面にして示す正面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1、1’ 容器 2、3、4 材料供給口
5、5’、5” 製品排出口 10 隔壁
20、30 第1、2の回転軸 28 攪拌羽根
35 羽根 35’ リボン状羽根
40 アルカリ中和装置 60 水ジャケット
70 冷凍サイクル
Claims (10)
- 水平方向に配置されている横長の容器と、該容器内に回転駆動可能に設けられている回転軸と、該回転軸に取り付けられている攪拌羽根とからなる混合造粒装置であって、
前記容器には、その一方の端部寄りに、被処理物、添加剤等の材料投入口が、そして他方の端部寄りに第2の材料投入口と製品排出口が設けられ、
前記回転軸は、少なくとも2本の回転軸からなり、これらの回転軸はそれぞれの回転速度で駆動されるように構成されていることを特徴とする、混合造粒装置。 - 請求項1に記載の回転軸は、2本の回転軸からなり、これらの回転軸は容器内の軸心方向に同軸的に配置されている、混合造粒装置。
- 請求項2に記載の2本の回転軸のそれぞれ取り付けられている攪拌羽根は、構造、形状が異なる、混合造粒装置。
- 請求項1〜3のいずれかの項に記載の容器の内部には、該容器を横断する形の隔壁が設けられ、その開口部の面積は調節可能である、混合造粒装置。
- 請求項1〜4のいずれかの項に記載の容器には、互いに独立した複数個の材料投入口が設けられている、混合造粒装置。
- 請求項1〜5のいずれかの項に記載の容器には、互いに独立した複数個の製品排出口が設けられている、混合造粒装置。
- 請求項1〜5のいずれかの項に記載の容器には、被処理物を化学的に中和する中和剤が供給されるようになっている、混合造粒装置。
- 請求項1〜7のいずれかの項に記載の容器の壁部が、冷却または加熱されるようになっている、混合造粒装置。
- 請求項1〜7のいずれかの項に記載の容器には、加熱気体が供給されるようになっている、混合造粒装置。
- 請求項1〜9のいずれかの項に記載の回転軸の外周面が内部から加熱されるようになっている、混合造粒装置。
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