JP2004049525A - 内視鏡の挿入部構造 - Google Patents

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Yoshihiro Obata
小幡 佳寛
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Abstract

【目的】湾曲部と可撓管部の接続部における充填率を下げ有効内径を増大させることができる挿入部構造を得る。
【構成】湾曲部の可撓管部側の端部湾曲セグメントと、可撓管部の湾曲部側の端部口金とを連結管で接続する内視鏡の挿入部構造において、
連結管に、軸方向に順に、可撓管部の断面円形の端部口金をその外周に嵌合させる円形断面部と、端部口金の挿入深さを規制する外方フランジ部と、周方向に小径部と大径部を交互に有する非円形断面とを設け、
円形断面をなす端部湾曲セグメントに、連結管の大径部を逃がす逃げ凹部と、小径部の外周に嵌まる突出部とを設けた内視鏡の挿入部構造。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、内視鏡の挿入部構造に関し、特にその湾曲部と可撓管部との接続構造に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
内視鏡の挿入部は一般に、その先端側から順に、先端(硬性)部、湾曲部、可撓管部からなっており、先端部には、対物レンズや照明窓が備えられ、処置具挿通チャンネル、送気送水ノズルなどの管路が開口している。対物レンズと照明窓は、イメージファイバ(あるいはCCDと映像信号電送ケーブル)とライトガイドファイバに連なり、処置具挿通チャンネルと送気送水ノズルは、処置具挿通チャンネルと送気送水パイプに連なっていて、これらの各種の長尺で断面円形の多数の要素は、挿入部内に挿通されている。
【0003】
この先端部に連なる湾曲部は多数の湾曲セグメントを湾曲中心となるリベットで順次連結してなっており、その後端部は柔軟な可撓管部に接続されている。この湾曲部と可撓管部との接続には、湾曲部の可撓管部側の端部湾曲セグメントと、可撓管部の湾曲部側の端部口金と接続する連結管が用いられている。ところが、この端部湾曲セグメント、連結管、端部口金の接続部は、嵌合関係にせざるを得ない。このため、連結管部分で有効内径が最も小さくなり、内容物(各種円形断面要素)の充填率が最も高くなっていた。充填率が高い部分は、湾曲部と可撓管部の接続部であり頻繁に湾曲操作されることから、傷みやすく、耐久性劣化の原因となっていた。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、以上の問題意識に基づき、特に湾曲部と可撓管部の接続部における充填率を下げる、つまり有効内径を増大させることができる挿入部構造を得ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、多数の湾曲セグメントを湾曲中心となるリベットで順次連結した湾曲部と、柔軟な可撓管部とを有し、湾曲部の可撓管部側の端部湾曲セグメントと、可撓管部の湾曲部側の端部口金とを連結管で接続する内視鏡の挿入部構造において、連結管に、軸方向に順に、可撓管部の断面円形の端部口金をその外周に嵌合させる円形断面部と、上記端部口金の挿入深さを規制する外方フランジ部と、周方向に小径部と大径部を交互に有する非円形断面とを設け、円形断面をなす端部湾曲セグメントに、連結管の大径部を逃がす逃げ凹部と、小径部の外周に嵌まる突出部とを設けたことを特徴としている。
このように、連結管に大径部と小径部を設けると、実質的に連結管部近傍の内容積を大きくし、充填率を下げることができる。
【0006】
連結管の非円形断面部の大径部の内径と端部湾曲セグメントの内径とはほぼ同一径とすることが望ましい。
連結管の非円形断面部の大径部の内側には、挿入部内に挿入されている円形断面要素を位置させるのがよい。
【0007】
【発明の実施形態】
図5は、内視鏡10の全体構成の一例を示すもので、体腔内に挿入される挿入部11とその基部側に接続された操作部12を有している。挿入部11は、先端側から順に、先端(硬性)部13、湾曲部14及び可撓管部15を有しており、さらに可撓管部15が連結部16を介して操作部12に接続している。操作部12からはユニバーサルチューブ17が延設されており、該ユニバーサルチューブ17の末端に設けたコネクタ部18は、内視鏡本体とは別体の図示しないプロセッサに着脱可能となっている。
【0008】
挿入部11内には、図2に示すように、イメージファイバ21、一対のライトガイドファイバ22、処置具挿通チャンネル23、一対の湾曲操作ワイヤ24が挿通されている。周知のように、イメージファイバ21の先端部の入射端面は、先端部13の端面に位置する対物レンズに対向し、後端部は接眼光学系に導かれている。ライトガイドファイバ22の先端部の光出射端面は同照明窓に対向し、後端部は照明光源に導かれている。処置具挿通チャンネル23の先端部は先端部13の端面に開口し、後端部は操作部12の処置具挿入口19に連通している。この他図示していないが、挿入部11内には、内視鏡仕様に応じ、送気チャンネル、送水チャンネル、副送水チャンネル等のこの他の断面円形要素が挿通される。また、一対の湾曲操作ワイヤ24はステーコイル24a内に挿入されていてその先端部は先端部13に接続されている。操作ワイヤ24の後端部は操作部12の湾曲操作ノブに接続されていて、湾曲操作ノブを操作すると、湾曲部14が湾曲される。
【0009】
本実施形態は、湾曲部14と可撓管部15との接続部構造を特徴としている。図1に示すように、湾曲部14内には、多数の筒状をなす湾曲セグメント14aが整列状態で位置し、これらの湾曲セグメント14aの左右の枢着舌片14bが湾曲中心となる左右のリベット14cで順次枢着されている。一対の枢着舌片14bと一対の湾曲操作ワイヤ24は、互いに直交する平面内に位置している。これらの湾曲セグメント14aの外側には、金属網チューブ14dが被せられ、さらに被覆ゴム管14fで覆われている。最も可撓管部15側の湾曲セグメント14aを端部湾曲セグメント14a’とする。
【0010】
一方、可撓管部15は、内径側から順に、金属螺旋管15a、網状管15b及び被覆ゴム管15cを有しており、その湾曲部14側の端部に、端部口金15dが固定されている。端部口金15dは、断面が正確な円形の環状部材であり、その湾曲部14側の端部に、金属網チューブ14d内に入り込む小径部15d’と、被覆ゴム管14f内に入り込む中径部15d”が形成されている。
【0011】
連結管30は、以上の端部湾曲セグメント14a’と端部口金15dとを接続するものである。図4に単体形状を示すこの連結管30は、軸方向に順に、可撓管部15の断面円形の端部口金15d(小径部15d’)をその外周に嵌合させる円形断面部31と、小径部15d’の挿入深さを規制する外方フランジ部32と、周方向に小径部(凹部)33aと大径部(凸部)33bを交互に有する非円形断面部33とを備えている。また、小径部33aの一部には、湾曲部14側が開放された切欠33cが形成されている。小径部33aと大径部33bの周方向長さには自由度がある。
【0012】
端部湾曲セグメント14a’は、全体として筒状をなし、その内径は、連結管30の小径部33aの外径に対応している。また、連結管30の非円形断面部33の大径部33bの内径と端部湾曲セグメント14a’の内径とはほぼ同一径である。端部湾曲セグメント14a’には、大径部33bを逃げる逃げ凹部14gが形成されており、逃げ凹部14gの間が突出部14hを構成している。この突出部14h(小径部33aとの重合部分)には、半田付け穴14iが形成されている。
【0013】
連結管30によって、端部湾曲セグメント14a’と端部口金15dとを接続する際には、円形断面部31の外側に端部口金15dを嵌め、外方フランジ部32に当接させる。また、非円形断面部33の小径部33aに端部湾曲セグメント14a’の突出部14hを嵌め、大径部33bを逃げ凹部14g内に位置させる。その上で、半田付け穴14iから半田を流入させて、端部湾曲セグメント14a’と連結管30を接合する。この非円形断面部33と端部湾曲セグメント14a’の嵌合関係により、連結管30と端部湾曲セグメント14a’との周方向の位置が定まる。
【0014】
次に、端部湾曲セグメント14a’と小径部15d’の上に、金属網チューブ14dを被せ、小径部15d’の上から固定糸35を巻いて固定する。さらに、以上の金属網チューブ14d及び固定糸35の上に、被覆ゴム管14fを被せ、中径部15d”上において、固定糸36を巻いて被覆ゴム管14fを固定する。
【0015】
そして、以上の端部湾曲セグメント14a’と端部口金15dとの接続部内には、連結管30の大径部33b部分に対応させて、断面円形要素(図2に示すようにイメージファイバ21とライトガイドファイバ22)が収納されている。このように、連結管30に形成した大径部33b内に、断面円形要素を収納(位置)させることにより、連結管30部分での内臓物の充填率を下げ、挿入部11が湾曲するときの内臓物の動きが円滑になる。また、端部湾曲セグメント14a’の内径は、ほぼ大径部33bの内径と等しく設定されているので、連結管30部分の外径が大きくなることもない。
【0016】
挿入部11内に挿入する断面円形要素は、図示例に限らず、例えば電子内視鏡であれば、画像信号伝送ケーブルにすることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、湾曲部と可撓管部の接続部における有効内径を増大させて充填率を下げ、耐久性を向上させた内視鏡を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による内視鏡の挿入部構造の一実施形態を示す、湾曲部と操作部の接続部の縦断面図である。
【図2】図1のII‐II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII部拡大断面図である。
【図4】端部湾曲セグメントと接続管の分解斜視図である。
【図5】内視鏡の全体を示す図である。
【符号の説明】
10 内視鏡
11 挿入部
12 操作部
13 先端部
14 湾曲部
14a’ 端部湾曲セグメント
14c リベット
14g 逃げ凹部
14h 突出部
14i 半田付け穴
15 可撓管部
15d 端部口金
15d’ 小径部
15d” 中径部
21 イメージファイバ(断面円形要素)
22 ライトガイドファイバ(断面円形要素)
23 処置具挿通チャンネル(断面円形要素)
24 湾曲操作ワイヤ(断面円形要素)
30 連結管
31 円形断面部
32 外方フランジ部
33 非円形断面部
33a 小径部
33b 大径部
33c 切欠
35 36 固定糸

Claims (3)

  1. 多数の湾曲セグメントを湾曲中心となるリベットで順次連結した湾曲部と、柔軟な可撓管部とを有し、
    上記湾曲部の可撓管部側の端部湾曲セグメントと、可撓管部の湾曲部側の端部口金とを連結管で接続する内視鏡の挿入部構造において、
    上記連結管に、軸方向に順に、可撓管部の断面円形の端部口金をその外周に嵌合させる円形断面部と、上記端部口金の挿入深さを規制する外方フランジ部と、周方向に小径部と大径部を交互に有する非円形断面とを設け、
    円形断面をなす上記端部湾曲セグメントに、上記連結管の大径部を逃がす逃げ凹部と、小径部の外周に嵌まる突出部とを設けたことを特徴とする内視鏡の挿入部構造。
  2. 請求項1記載の内視鏡の挿入部構造において、上記連結管の非円形断面部の大径部の内径と端部湾曲セグメントの内径とはほぼ同一径である内視鏡の挿入部構造。
  3. 請求項2記載の内視鏡の挿入部構造において、上記連結管の非円形断面部の大径部の内側には、挿入部内に挿入されている円形断面要素が位置している内視鏡の挿入部構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015000285A (ja) * 2013-06-18 2015-01-05 Hoya株式会社 内視鏡挿入部の接続部構造
JP2019180584A (ja) * 2018-04-04 2019-10-24 オリンパス株式会社 内視鏡

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