JP2004049106A - 核酸の分離精製方法 - Google Patents

核酸の分離精製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004049106A
JP2004049106A JP2002210832A JP2002210832A JP2004049106A JP 2004049106 A JP2004049106 A JP 2004049106A JP 2002210832 A JP2002210832 A JP 2002210832A JP 2002210832 A JP2002210832 A JP 2002210832A JP 2004049106 A JP2004049106 A JP 2004049106A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
solid phase
container
opening
hydroxyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002210832A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3890360B2 (ja
Inventor
Toshihiro Mori
森 寿弘
Yoshihiko Makino
牧野 快彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2002210832A priority Critical patent/JP3890360B2/ja
Priority to EP03015675A priority patent/EP1382676B1/en
Priority to AT03015675T priority patent/ATE431408T1/de
Priority to DE60327583T priority patent/DE60327583D1/de
Priority to US10/621,715 priority patent/US7432054B2/en
Publication of JP2004049106A publication Critical patent/JP2004049106A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3890360B2 publication Critical patent/JP3890360B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1003Extracting or separating nucleic acids from biological samples, e.g. pure separation or isolation methods; Conditions, buffers or apparatuses therefor
    • C12N15/1017Extracting or separating nucleic acids from biological samples, e.g. pure separation or isolation methods; Conditions, buffers or apparatuses therefor by filtration, e.g. using filters, frits, membranes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1003Extracting or separating nucleic acids from biological samples, e.g. pure separation or isolation methods; Conditions, buffers or apparatuses therefor
    • C12N15/1006Extracting or separating nucleic acids from biological samples, e.g. pure separation or isolation methods; Conditions, buffers or apparatuses therefor by means of a solid support carrier, e.g. particles, polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6806Preparing nucleic acids for analysis, e.g. for polymerase chain reaction [PCR] assay

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

【課題】異なる長さの核酸を含む核酸混合物から所定の長さの核酸を分離精製する方法を提供すること。
【解決手段】表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に、異なる長さの核酸を含む核酸混合物中の核酸を吸着及び脱着させる工程を含む、該核酸混合物から所定の長さの核酸を分離精製する方法。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核酸を分離精製する方法に関する。より詳細には、本発明は、異なる長さの核酸を含む核酸混合物から所定の長さの核酸を分離精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
核酸は、様々な分野で種々の形態で使用されている。例えば、組換え核酸技術の領域においては、核酸をプローブ、ゲノム核酸、およびプラスミド核酸の形状で用いることを要求する。
【0003】
診断分野においても、核酸は種々の方法で用いられている。例えば、核酸プローブは、ヒトの病原体の検出および診断に日常的に用いられている。同様に核酸は遺伝障害の検出に用いられている。核酸はまた食品汚染物質の検出にも用いられている。さらに、核酸は遺伝地図の作製からクローニングおよび組換え発現におよぶ種々の理由により、興味ある核酸の位置確認、同定および単離において日常的に用いられている。
【0004】
多くの場合、核酸は極めて少量でしか入手できず、そして単離および精製操作が煩雑で時間を要する。このしばしば時間を消費する煩雑な操作は核酸の損失に結びつきやすい。血清、尿およびバクテリアのカルチャーから得られた試料の核酸の精製においては、コンタミネーションおよび疑陽性の結果が生じるという危険性も加わる。
【0005】
広く知られた精製方法の一つに、核酸を二酸化珪素、シリカポリマー、珪酸マグネシウム等の表面に吸着させ、引き続く洗浄、脱着等の操作によって精製する方法がある(例えば、特公平7−51065号公報)。この方法は、分離性能としては優れているが、同一性能の吸着媒体の工業的大量生産が困難であり、かつ取扱いが不便で、種々の形状に加工しがたい等の問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、検体中の核酸を固相表面に吸着させた後、洗浄等を経て脱着させて核酸を分離精製する方法を提供することである。本発明の別の目的は、分離性能に優れ、洗浄効率が良く、加工が容易であり、実質的に同一の分離性能を有するものを大量に生産可能である固相を使用した核酸の分離精製方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、異なる長さの核酸を含む核酸混合物から所定の長さの核酸を分離精製する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、核酸を固相に吸着及び脱着させる過程を含む核酸の分離精製方法において、前記固相として表面に水酸基を有する有機高分子を使用し、二個の開口を有する容器内に上記固相を収容した核酸分離精製ユニットを使用することによって、異なる長さの核酸を含む核酸混合物から所定の長さの核酸を分離することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
【0008】
即ち、本発明によれば、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に、異なる長さの核酸を含む核酸混合物中の核酸を吸着及び脱着させる工程を含む、該核酸混合物から所定の長さの核酸を分離精製する方法が提供される。
【0009】
好ましくは、表面に水酸基を有する有機高分子はアセチルセルロースの表面鹸化物であり、さらに好ましくはトリアセチルセルロースの表面鹸化物である。
好ましくは、アセチルセルロースの表面鹸化率は5%以上であり、さらに好ましくは10%以上である。
好ましくは、アセチルセルロースは多孔膜又は非孔性膜である。
【0010】
好ましくは、アセチルセルロースの表面鹸化物から成る多孔性膜を固相として使用し、アセチルセルロースの表面鹸化率と多孔性膜のポアサイズを選択することによって所定の長さの核酸を分離精製する。
さらに好ましくは、アセチルセルロースの表面鹸化率が10〜100%であり、多孔性膜のポアサイズが0.1μm〜10μmである。
アセチルセルロースはビーズにコーティングされていてもよい。
【0011】
好ましくは、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に、異なる長さの核酸を含む試料溶液中の核酸を吸着及び脱着させる。
好ましくは、試料溶液は、細胞又はウイルスを含む検体を核酸可溶化試薬で処理して得られた溶液に水溶性有機溶媒を添加した溶液である。
好ましくは、核酸可溶化試薬は、グアニジン塩、界面活性剤およびタンパク質分解酵素である。
【0012】
本発明の方法は、好ましくは、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に核酸を吸着させた後、核酸洗浄バッファを用いて固相を洗浄し、次いで固相に吸着した核酸を脱着せしめうる液を用いて固相に吸着した核酸を脱着させる工程を含む。
好ましくは、核酸洗浄バッファは、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はn−プロパノールを20〜100重量%含む溶液である。
好ましくは、固相に吸着した核酸を脱着せしめうる液は、塩濃度が0.5M以下の溶液である。
【0013】
好ましくは、少なくとも2個の開口を有する容器内に表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相を収容した核酸分離精製ユニットを用いて核酸の吸着及び脱着を行う。
さらに好ましくは、(a) 表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相、(b) 前記固相を収容する、少なくとも2個の開口を有する容器、及び(c) 前記容器の一の開口に結合された圧力差発生装置を含む核酸分離精製ユニットを用いて核酸の吸着及び脱着を行う。
【0014】
本発明の方法は以下の工程により行うことができる。
(a) 検体を用いて核酸を含む試料溶液を調製し、核酸分離精製ユニットの一の開口を上記の核酸を含む試料溶液中に挿入する工程、
(b) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして核酸を含む試料溶液を吸引し、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(c) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、吸引された核酸を含む試料溶液を容器外に排出する工程、
(d) 核酸分離精製ユニットの一の開口を核酸洗浄バッファ中に挿入する工程、
(e) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして核酸洗浄バッファを吸引し、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(f) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、吸引された核酸洗浄バッファを容器外に排出する工程、(g) 核酸分離精製ユニットの一の開口を、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液中に挿入する工程、
(h) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を吸引し、固相に接触させる工程、及び
(i) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を容器外に排出する工程。
【0015】
本発明の方法は以下の工程で行うこともできる。
(a) 検体を用いて核酸を含む試料溶液を調製し、核酸分離精製ユニットの一の開口に上記の核酸を含む試料溶液を注入する工程、
(b) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸を含む試料溶液を、他の開口より排出することによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(c) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に核酸洗浄バッファを注入する工程、
(d) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸洗浄バッファを上記他の開口より排出することによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(e) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を注入する工程、
(f) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸を脱着せしめうる液を上記他の開口より排出させることによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着させ、容器外に排出する工程。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の核酸の分離精製方法は、異なる長さの核酸を含む核酸混合物から所定の長さの核酸を分離精製する方法に関するものであり、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に、異なる長さの核酸を含む核酸混合物中の核酸を吸着及び脱着させる工程を含むことを特徴とする。
本発明において「核酸」は一本鎖、二本鎖のいずれでもよく、また、分子量の制限も無い。
【0017】
核酸混合物とは、異なる長さの複数種類の核酸を含む混合物を意味する。核酸混合物中の核酸の長さの種類は2種類以上であれば何種類でもよく、その上限は特に制限されない。個々の核酸の長さも特に限定されず、例えば、数bp〜数Mbpの任意の長さの核酸を使用することができる。取り扱い上の観点からは、核酸の長さは一般的には、数bp〜数百kbp程度である。
【0018】
表面に水酸基を有する有機高分子としては、アセチルセルロースの表面鹸化物が好ましい。アセチルセルロースしては、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの何れでもよいが、特にはトリアセチルセルロースが好ましい。本発明では、表面鹸化したアセチルセルロースを固相として使用することが好ましい。ここで表面鹸化とは、鹸化処理液(例えば、NaOH)が接触する表面だけが鹸化されることを言う。本発明では、固相の構造体はアセチルセルロースのままで、固相の表面だけが鹸化されていることが好ましい。これにより、表面鹸化処理の程度(表面鹸化度)で固相表面の水酸基の量(密度)をコントロールすることができる。
【0019】
表面に水酸基を有する有機高分子の表面積を大きくするためには、表面に水酸基を有する有機高分子を膜化することが好ましい。また、アセチルセルロースは多孔膜でも非孔性膜でもよいが、膜を多孔性とすることが更に好ましい。固相が多孔性膜の場合、膜の構造体はアセチルセルロースのままで、構造体の表面だけを鹸化することが好ましい。これにより、表面鹸化処理の程度(表面鹸化度)×孔径により空間的な水酸基の量(密度)をコントロールすることができる。また、膜の構造体はアセチルセルロースから構成されているため、堅固な固相を得ることができる。ここで、アセチルセルロースを表面鹸化して表面ににのみ水酸基を導入するということは、構造体はアセチルセルロースのままで、表面をセルロース化するということを意味する。なお、セルロースを原材料として用いると、液体にできないため、工業的に多孔膜や平膜を製造することはできない。
【0020】
例えば、トリアセチルセルロースの膜は、商品名TACベースとして富士写真フイルムから市販されており、トリアセチルセルロースの多孔膜としては、ミクロフィルターFM500(富士写真フイルム(株)製)がある。
また、例えばポリエチレン製のビーズの表面にトリアセチルセルロースの膜を形成し、これを表面鹸化して表面に水酸基を持たせることも好ましい。この場合、トリアセチルセルロースはビーズにコーティングされることになる。ビーズの素材は、核酸を汚染等しなければよく、ポリエチレンには限定されない。
【0021】
核酸の分離効率を挙げるためには、水酸基の数が多い方が好ましい。例えば、トリアセチルセルロースなどのアセチルセルロースの場合には、表面鹸化率が約5%以上であることが好ましく、10%以上であることが更に好ましい。
アセチルセルロースを表面鹸化するには、水酸化ナトリウム水溶液中に、表面鹸化したい対象を浸漬する。表面鹸化率を変えるには、水酸化ナトリウムの濃度を変えればよい。表面鹸化率は、NMRにより、残存アセチル基を定量して定められる。
【0022】
本発明の好ましい実施態様では、アセチルセルロースの表面鹸化物から成る多孔性膜を固相として使用し、アセチルセルロースの表面鹸化率と多孔性膜のポアサイズを選択することによって所定の長さの核酸を分離精製することができる。アセチルセルロースの表面鹸化率は好ましくは10〜100%であり、より好ましくは20〜100%であり、さらに好ましくは30〜100%であり、特に好ましくは40〜100%であり、これらの範囲内の表面鹸化率を有する複数の多孔性膜を用意することによって本発明による核酸の分離精製を行うことができる。また、多孔性膜のポアサイズは0.1μm〜10μmであり、より好ましくは0.1μm〜5μmであり、さらに好ましくは0.2μm〜5μmであり、特に好ましくは0.2μm〜3μmであり、これらの範囲内のポアサイズを有する複数の多孔性膜を用意することによって本発明による核酸の分離精製を行うことができる。
【0023】
例えば、低分子DNA(1.3kb)と高分子DNA(48kb)を用いた本明細書中の実施例においては、表面鹸化率100%及びポアサイズ0.2μmのトリアセチルセルロース多孔膜を用いた場合は、低分子DNA(回収率79%)と高分子DNA(回収率99%)の両方が高率で回収できた。また、表面鹸化率50%及びポアサイズ0.2μmのトリアセチルセルロース多孔膜を用いた場合は、低分子DNAの回収率は非常に低く(回収率6%)、高分子DNAの回収率は比較的高かった(回収率54%)。さらに、表面鹸化率100%及びポアサイズ2.5μmのトリアセチルセルロース多孔膜を用いた場合は、低分子DNAの回収率は比較的低く(回収率18%)、高分子DNAの回収率はかなり高かった(回収率78%)。
【0024】
そこで、表面鹸化率50%及びポアサイズ0.2μmのトリアセチルセルロース多孔膜を用いて吸着したDNAを回収することにより、高分子DNAを精製することができる。また、表面鹸化率100%及びポアサイズ2.5μmのトリアセチルセルロース多孔膜を用いて固相に吸着しなかった液を回収し、該回収液を表面鹸化率100%及びポアサイズ0.2μmのトリアセチルセルロース多孔膜に吸着させることにより、低分子DNAを精製することができる。
【0025】
上記の具体例は、1.3kbの低分子DNAと48kbの高分子DNAを用いた実験系に基づくものである。本発明においては、試料として用いる核酸混合物中の各サイズの核酸について、各種の表面鹸化率と各種のポアサイズを有するアセチルセルロース多孔膜を用いて、各々の核酸の回収率を測定し、所望のサイズの核酸を精製するのに最適な表面鹸化率とポアサイズを選択することにより、核酸混合物から所望のサイズの核酸を精製することができる。
より具体的には、本発明によれば、表面鹸化率が低いもの(例えば、50%以下の表面鹸化率)を使用することによって異なる長さの核酸を含む核酸混合物中から比較的長い(例えば、10kb以上、より好ましくは30kb以上)核酸を分離・精製する方法が提供される。さらに、本発明によれば、表面鹸化率が低いもの(例えば、50%以下の表面鹸化率)と高いもの(例えば、50%より高い表面鹸化率、例えば100%の表面鹸化率)を組み合わせて使用することによって、異なる長さの核酸を含む核酸混合物中から比較的短い(例えば、10kb未満、より好ましくは2kb以下)核酸を分離・精製する方法が提供される。
【0026】
本発明の核酸の分離精製方法では、好ましくは、少なくとも2個の開口を有する容器内に表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相を収容した核酸分離精製ユニットを用いて核酸の吸着及び脱着を行うことができる。
【0027】
さらに好ましくは、(a) 表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相、(b) 前記固相を収容する、少なくとも2個の開口を有する容器、及び(c) 前記容器の一の開口に結合された圧力差発生装置を含む核酸分離精製ユニットを用いて核酸の吸着及び脱着を行うことができる。
【0028】
この場合の本発明の核酸の分離精製方法の第一の実施態様は、以下の工程を含むことができる。
(a) 核酸分離精製ユニットの一の開口を核酸を含む試料溶液中に挿入する工程、
(b) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして核酸を含む試料溶液を吸引し、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(c) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、吸引された核酸を含む試料溶液を容器外に排出する工程、
(d) 核酸分離精製ユニットの一の開口を核酸洗浄バッファ溶液中に挿入する工程、
(e) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして核酸洗浄バッファ溶液を吸引し、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(f) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、吸引された核酸洗浄バッファ溶液を容器外に排出する工程、
(g) 核酸分離精製ユニットの一の開口を、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液中に挿入する工程、
(h) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を吸引し、固相に接触させる工程、及び
(i) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を容器外に排出する工程。
【0029】
本発明の核酸の分離精製方法の第二の実施態様は、以下の工程を含むことができる。
(a) 検体を用いて核酸を含む試料溶液を調製し、核酸分離精製ユニットの一の開口に上記の核酸を含む試料溶液を注入する工程、
(b) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸を含む試料溶液を、他の開口より排出することによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(c) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に核酸洗浄バッファを注入する工程、
(d) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸洗浄バッファを上記他の開口より排出することによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(e) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を注入する工程、
(f) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸を脱着せしめうる液を上記他の開口より排出させることによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着させ、容器外に排出する工程。
【0030】
表面に水酸基を有する有機高分子を用いた核酸の分離精製方法についてさらに具体的に説明する。本発明では、好ましくは、核酸を含む試料溶液を表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させることにより試料溶液中の核酸を固相に吸着させ、次いで、固相に吸着させた核酸を、以下に説明する好適な溶液を用いて固相から脱着させる。さらに好ましくは、核酸を含む試料溶液は、細胞又はウイルスを含む検体を細胞膜及び核膜を溶解する溶液で処理することにより核酸を液中に分散させた溶液に水溶性有機溶媒を添加した溶液である。
【0031】
本発明において使用できる核酸を含む試料溶液に制限はないが、例えば診断分野においては、検体として採取された全血、血漿、血清、尿、便、精液、唾液等の体液、あるいは植物(又はその一部)、動物(またはその一部)など、あるいはそれらの溶解物およびホモジネートなどの生物材料から調製された溶液が対象となる。
【0032】
最初にこれらの検体を、細胞膜を溶解して核酸を可溶化する試薬を含む水溶液で処理する。これにより細胞膜および核膜が溶解されて、核酸が水溶液内に分散する。
細胞膜の溶解および核酸の可溶化のためには、例えば、対象となる試料が全血の場合、▲1▼赤血球の除去、▲2▼各種タンパク質の除去、及び▲3▼白血球の溶解及び核膜の溶解が必要となる。▲1▼赤血球の除去および▲2▼各種タンパク質の除去は、固相への非特異吸着および多孔膜の目目詰まりを防ぐために、▲3▼白血球の溶解及び核膜の溶解は、抽出の対象である核酸を可溶化させるためにそれぞれ必要となる。特に、▲3▼白血球の溶解及び核膜の溶解は重要な工程であり、本発明の方法では、この工程で核酸を可溶化することが必要である。例えば、塩酸グアニジン、Triton−X100、プロテアーゼK(SIGMA製)を添加した状態で60℃で10分インキュベートすることによって上記の▲1▼、▲2▼及び▲3▼を同時に達成することができる。
【0033】
本発明で用いる核酸可溶化試薬としては、グアニジン塩、界面活性剤およびタンパク質分解酵素を含む溶液が挙げられる。
グアニジン塩としては、塩酸グアニジンが好ましいが、他のグアニジン塩(イソチオシアン酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン)を使用することもできる。グアニジン塩の溶液中の濃度は、0.5M以上6M以下、好ましくは、1M以上5M以下である。
【0034】
界面活性剤としてはTriton−X100を使用することができるが、この他にも、SDS、コール酸ナトリウム又はサルコシンナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、Tween20又はメガファック等のノニオン性界面活性剤、その他各種両性界面活性剤を使用することもできる。本発明では、ポリオキシエチレンオキチルフェニルエーテル(Triton−X100)等のノニオン性界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤の溶液中の濃度は、通常0.05重量%〜10重量% 特に好ましくは0.1重量%〜5重量%である。
【0035】
タンパク質分解酵素としては、プロテアーゼKを使用することはできるが、他のプロテアーゼでも同様の効果を得ることができる。プロテアーゼは酵素であるため加温するのが好ましく、37℃〜70℃で使用することが好ましく、特に50℃〜65℃で使用することが好ましい。
【0036】
このように核酸が分散した水溶液中に、水溶性有機溶媒を添加して、表面に水酸基を有する有機高分子と接触させる。この操作により、試料溶液中の核酸が表面に水酸基を有する有機高分子に吸着される。本明細書中上記した操作で可溶化された核酸を、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着させるためには、可溶化した核酸混合液に水溶性有機溶媒を混合することと、得られた核酸混合液中に塩が存在することが必要である。
【0037】
即ち、核酸の周りに存在する水分子の水和構造を破壊することにより、核酸は不安定な状態で可溶化することになる。この状態の核酸を、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相と接触させると、核酸表面上の極性基と固相表面の極性基間で相互作用し、核酸は固相表面上に吸着するものと考えられる。本発明の方法では、可溶化した核酸混合液に水溶性有機溶媒を混合することと、得られた核酸混合液中に塩が存在することによって、核酸を不安定な状態にさせることができる。
【0038】
ここで用いる水溶性有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール又はプロパノールなどが挙げられ、中でもエタノールが好ましい。水溶性有機溶媒の濃度は、好ましくは5重量%〜90重量%であり、さらに好ましくは20重量%〜60重量%である。エタノールの添加濃度は、擬集物を生じない程度でできるだけ高くすることが特に好ましい。
【0039】
得られた核酸混合液中に存在する塩としては、各種カオトロピック物質(グアニジウム塩、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム)や塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化アンモニウム等が好ましい。特にグアニジウム塩は、細胞膜の溶解および核酸の可溶化の効果を併有するので特に好ましい。
【0040】
次いで、この核酸が吸着した表面に水酸基を有する有機高分子を核酸洗浄バッファ溶液に接触させる。この溶液は核酸と一緒に表面に水酸基を有する有機高分子に吸着した試料溶液中の不純物を洗い流す機能を有する。従って、表面に水酸基を有する有機高分子から核酸は脱着させないが不純物は脱着させる組成を有する必要がある。核酸洗浄バッファ溶液は主剤と緩衝剤、及び必要に応じて界面活性剤を含む水溶液からなる。主剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−イソプロパノール、ブタノール、アセトン等の約10〜100重量%(好ましくは約20〜100重量%、さらに好ましくは約40〜80重量%)の水溶液が、緩衝剤及び界面活性剤としては、既述の緩衝剤及び界面活性剤が挙げられる。これらの内では、エタノール、Tris及びTriton−X100を含む溶液が好ましい。Tris及びTriton−X100の好ましい濃度は、それぞれ10〜100mM、及び0.1〜10重量%である。
【0041】
次に、表面に水酸基を有する有機高分子に吸着した核酸を脱着せしめうる溶液に、上記洗浄後の表面に水酸基を有する有機高分子を接触させる。この溶液には目的とする核酸が含まれているので、これを回収し、後に続く操作、例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)による核酸の増幅に提供する。核酸を脱着せしめうる溶液としては、塩濃度が低いことが好ましく、特に好ましくは0.5M以下の塩濃度の溶液を使用する。この溶液としては、精製蒸留水、TEバッファ等が使用できる。
【0042】
本発明で使用する核酸分離精製ユニットは、少なくとも2個の開口を有する容器内に表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相を収容した核酸分離精製ユニットである。
容器の材料に特別な限定はなく、表面に水酸基を有する有機高分子が収容でき、かつ少なくとも2個の開口を設けることができればよいが、製造の容易性からプラスチックが好ましい。例えば、ポリスチレン、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート等の透明あるいは不透明の樹脂を用いるのが好ましい。
【0043】
容器の概念図を図1に示す。基本的には、固相の収容部を持ち、収容部に固相を収容でき、固相が試料液等の吸引及び排出時に収容部の外へは出ることがなく、開口に圧力差発生装置、例えば注射器を接合できればよい。このためには、容器が当初は二つの部分に分かれており、固相を収容した後で一体化できることが好ましい。また、固相が収容部から外へでることをさける為には、固相の上下にDNAを汚染しない材料で作成されたメッシュを置くことができる。
【0044】
上記容器に収容される表面に水酸基を有する有機高分子の形状にも特別な限定は無く、円形、正方形、長方形、楕円、膜の場合には筒状、巻物状、あるいは表面に水酸基を有する有機高分子をコーティングしたビーズ等、任意の形状で良いが、製造適性の点からは、円、正方形、円筒状、巻物状等の対称性の高い形状及びビーズが好ましい。
【0045】
上記容器の一の開口を核酸を含む試料溶液中に挿入し、他の一の開口から吸引して表面に水酸基を有する有機高分子に試料溶液を接触させ、これを排出し、次いで核酸洗浄バッファ溶液を吸引・排出し、次いで、表面に水酸基を有する有機高分子に吸着した核酸を脱着せしめうる溶液を吸引・排出して、この排出液を回収することにより、目的とする核酸を得ることができる。
【0046】
表面に水酸基を有する有機高分子を、核酸を含む試料溶液、核酸洗浄バッファ溶液、及び表面に水酸基を有する有機高分子に吸着した核酸を脱着せしめうる溶液中に順次浸漬しても目的とする核酸を得ることができる。
【0047】
本発明で使用する核酸分離精製ユニットは、(a) 表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相、(b) 前記固相を収容する、少なくとも2個の開口を有する容器、及び(c) 前記容器の一の開口に結合された圧力差発生装置、を含むものであることが好ましい。以下、この核酸分離精製ユニットについて説明する。
【0048】
容器は、通常、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相を収容する本体と、蓋体に分けた態様で作製され、いずれにも少なくとも1個の開口が設けられている。一方は核酸を含有する試料溶液、核酸洗浄バッファ溶液及び固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液(以下、「試料溶液等」と記す。)の入口及び出口として使用され、他方は容器内を減圧又は加圧状態にせしめうる圧力差発生装置に接続される。本体の形状に特に限定はないが、製造が容易で、試料溶液等が固相の全面に拡散し易くするには、断面を円形にすることが好ましい。断面を四角形にすることも、固相の裁断屑を発生させないために好ましい。
【0049】
上記蓋は、圧力差発生装置によって容器内部を減圧及び加圧状態にできるように本体に接合されている必要があるが、この状態が達成できれば、接合方法は任意に選択できる。例えば、接着剤の使用、ねじ込み、はめ込み、ネジ止め、超音波加熱による融着等が挙げられる。
【0050】
容器の内容積は処理すべき試料溶液の量のみによって決められるが、通常、収容される固相の体積で表す。即ち、厚さが約1mm以下(例えば、50〜500μm程度)で、直径が約2mm〜20mmの固相を1枚〜6枚程度収容する大きさとすることが好ましい。
【0051】
固相の端面は、試料溶液等が通過しない程度に、容器の内壁面に密着させることが好ましい。
【0052】
試料溶液等の入り口に使用される開口に対向する固相の下は、容器の内壁に密着させずに空間を設け、試料溶液等が固相の全面にできるだけ均等に拡散する構造にする。
【0053】
他の一の開口、即ち圧力差発生装置に結合される開口に対向する固相の上には、ほぼ中央に穴を穿った部材を設けることが好ましい。この部材は、固相を押さえると共に、試料溶液等を効率よく排出する効果を有するものであり、液が中央の穴に集まる様に、漏斗状あるいはお椀状等の斜面を有する形状にすることが好ましい。この穴の大きさ、斜面の角度、部材の厚さは、処理する試料溶液等の量や固相を収容する容器の大きさ等を考慮して、当業者が適宜定めることができる。この部材と当該開口の間には、オーバーフローした試料溶液等を溜めて、圧力差発生装置内に吸引されることを防ぐための空間を設けることが好ましい。この空間の大きさも当業者が適宜選択することができる。なお、核酸を効率良く集めるためには、固相の全体が浸る以上の量の核酸を含む試料溶液を吸引することが好ましい。
【0054】
また、吸引している開口の真下の部分にのみ試料溶液等が集中することを防いで、試料溶液等が固相内を比較的均一に通過できるようにするため、固相とこの部材の間にも空間を設けることが好ましい。このためには、当該部材から固相に向けて複数の突起物を設けることが好ましい。突起物の大きさや数は当業者が適宜選択することができるが、空間を保持しながら固相の開口面積をできる限り大きく保つことが好ましい。
【0055】
なお、容器に3以上の開口を設けた場合には、減圧及び加圧操作に伴う液の吸引及び排出を可能にすべく、余分の開口を一時的に封鎖する必要があることはいうまでもない。
【0056】
圧力差発生装置は、まず固相を収容した容器内を減圧にして核酸を含む試料溶液を吸引する。圧力差発生装置としては、注射器、ピペッタ、あるいはペリスタポンプのような吸引及び加圧が可能なポンプ等が挙げられる。これらの内、手動操作には注射器が、自動操作にはポンプが適している。また、ピペッタは片手操作が容易にできるという利点を有する。好ましくは、圧力差発生装置は、前記容器の一の開口に着脱可能に結合されている。
【0057】
次に、上記した核酸分離精製ユニットを使用した、核酸の精製方法について説明する。先ず、核酸を含む試料溶液中に、上記の核酸分離精製ユニットの一の開口を挿入する。次いで他の一の開口に接続された圧力差発生装置を用いて精製ユニットの内部を減圧にして試料溶液を容器内に吸入する。この操作により、試料溶液が固相と接触して試料溶液中にある核酸が固相に吸着する。この際に、固相のほぼ全体と接触する量の試料溶液を吸引することが好ましいが、圧力差発生装置内に吸引すると装置を汚染するので、適量に調整する。
【0058】
適量の試料溶液を吸引後、圧力差発生装置を用いてユニットの容器内を加圧して、吸引した液を排出する。この操作までに間隔を開ける必要はなく、吸引後直ちに排出してもよい。
【0059】
次に、上記と同様の減圧−加圧操作で核酸洗浄バッファ溶液を容器内に吸引し、これから排出して容器内部を洗浄する。この溶液は容器内に残留する試料溶液を洗い流すと共に、核酸と一緒に固相に吸着した試料溶液中の不純物も洗い流す機能を有する。従って、固相から核酸は脱着させないが不純物は脱着させる組成を有する必要がある。核酸洗浄バッファ溶液は主剤と緩衝剤、及び必要に応じて界面活性剤を含む水溶液からなり、主剤としてはメチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、アセトン等の約10〜90%(好ましくは約50〜90%)の水溶液が、緩衝剤及び界面活性剤としては、既述の緩衝剤及び界面活性剤が挙げられる。これらの内では、エチルアルコール、Tris及びTriton−X100を含む溶液が好ましい。Tris及びTriton−X100の好ましい濃度は、それぞれ10〜100mM、及び0.1〜10%である。
【0060】
次に、固相に吸着した核酸を脱着せしめうる溶液を、上記と同様の減圧−加圧操作によって容器内部に導入し、容器から排出する。この排出液には目的とする核酸が含まれているので、これを回収し、後に続く操作、例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)による核酸の増幅に提供することができる。
【0061】
図2は、本発明の核酸分離精製ユニットの一例の断面図である。但し圧力差発生装置は図示していない。固相を収容する容器1は、本体10と蓋20から成り、透明なポリスチレンで形成されている。本体10は固相30として鹸化したトリアセチルセルロースの膜を収容している。また、試料溶液等を吸引する開口101を有する。開口から続いている底面102は漏斗状に形成され、固相30との間に空間121が設けられている。固相30を支えて空間121を保つために、底面102と一体となった枠103が設けられている。
【0062】
本体は、内径が20.1mm、深さが5.9mm、底面102から開口101までの長さは約70mmである。また、内蔵されている固相30の直径は20.0mm、一枚の厚さは約50〜500μmであり、厚さの一例としては100μmである。
【0063】
図2において、固相の上部には漏斗状の押さえ部材13が設けられている。押さえ部材13の中央には穴131があり、かつ下方に一群の突起132が設けられ、固相30との間に空間122が設けられている。固相30と本体10の壁104の間から試料溶液等が漏れにくい様に、壁104の上部の直径は固相の直径より大きく作成され、段差105の上に押さえ部材13の端が乗っている。
【0064】
蓋20は本体10と超音波加熱により接合されている。蓋20のほぼ中央部には、圧力差発生装置を結合する開口21が設けられている。蓋20と押さえ部材13の間には、穴131から流出する試料溶液等を保持する空間123が設けられている。空間123の容積は約0.1mlである。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0065】
【実施例】
実施例1
(1)核酸精製用カートリッジの作成
内径7mm、厚さ2mmの核酸吸着用の固相を収容する部分を持つ核酸精製用カートリッジをハイインパクトポリスチレンで作成した。作成した核酸精製用カートリッジの構造を図3に示す。この核酸精製用カートリッジは、試料吸引口、核酸吸着固相収納部、及び試料排出口を有しており、試料排出口側に吸引ポンプを接続して、試料を吸引する。
【0066】
(2)核酸精製用固相の作成
表1に示した核酸精製用固相を作成した。鹸化の方法は、50%表面鹸化の場合は、0.1N水酸化ナトリウム水溶液中に30分、100%表面鹸化の場合は2N水酸化ナトリウム水溶液中に1時間、各種ポアサイズのトリアセチルセルロース多孔膜(富士写真フイルム製)を浸して処理した。処理した固相を上記(1)で作成した核酸精製用カートリッジの核酸吸着固相収納部に収容した。
【0067】
【表1】
Figure 2004049106
【0068】
(3)核酸精製用吸着バッファ溶液及び洗浄バッファ溶液の調製
表2に示す処方の核酸精製用吸着バッファ溶液及び洗浄バッファ溶液を調製した。
【0069】
【表2】
Figure 2004049106
【0070】
(4)核酸精製操作
1.3kbpのDNAを含む水溶液(50ng/μl)および48kbpのDNAを含む水溶液(50ng/μl)を用意した。各DNA水溶液200μlに吸着バッファー200μlおよびエタノール200μlを加え、攪拌した。攪拌後、上記(1)及び(2)で作成した核酸精製用固相を有する核酸精製用カートリッジを用いて液を吸引・排出した。
さらに、洗浄バッファ500μlを吸引・排出することにより、カートリッジおよび吸着固相上の不純物を洗浄した。
最後に、蒸留水200μlを吸引し、この液を回収した。
【0071】
(5)核酸の回収量の定量
上記回収した液の260nmの光吸収測定により、DNAの回収量を定量した。その結果を表3、表4及び図4に示す。
【0072】
【表3】
Figure 2004049106
【0073】
【表4】
Figure 2004049106
【0074】
(6)核酸混合物からの低分子核酸と高分子核酸の精製
上記(5)で用いた1.3kbpのDNAを含む水溶液および48kbpのDNAを含む水溶液を混合し、低分子核酸と高分子核酸の混合液を調製した。得られた混合物を用いて、以下の▲1▼〜▲3▼の何れかの方法により上記(4)と同様の操作で核酸を精製した。
▲1▼ 表面鹸化率100%及びポアサイズ0.2μmの吸着固相で回収;
▲2▼ 表面鹸化率50%及びポアサイズ0.2μmの吸着固相で回収;
▲3▼ 表面鹸化率100%及びポアサイズ2.5μmの吸着固相を通過した液を上記▲1▼と同じ固相で回収:
【0075】
上記▲1▼〜▲3▼の回収液および精製前の混合液をアガロースゲル電気泳動し、写真撮影した。結果を図5に示す。図5の結果から明らかなように、固相担体の鹸化率およびポアサイズを選択することにより、所望のサイズの核酸を精製できることが分かった。
【0076】
【発明の効果】
分離性能に優れ、洗浄効率が良く、加工が容易であり、実質的に同一の分離性能を有するものを大量に生産可能である固相を用いた本発明の核酸の分離精製方法により、異なる長さの核酸を含む核酸混合物から所定の長さの核酸を分離精製することができる。更に、本明細書に記載した核酸分離精製ユニットを使用することにより、操作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の核酸分離精製ユニットの概念図である。
【図2】図2は、本発明の核酸分離精製ユニットの一例である。但し、開口21に結合されるべき圧力差発生装置は図示していない。図2において、1は容器、10は本体、101は開口、102は底面、103は枠、104は壁、105は段差、121は空間、122は空間、123は空間、13は押さえ部材、131は穴、132は突起、20は蓋、21は開口、30は固相を示す。
【図3】図3は、実施例で用いた核酸精製カートリッジの模式図である。
【図4】図4は、本発明の方法に従って分離精製した核酸の回収量の定量結果を示す。
【図5】図5は、本発明の方法に従って核酸混合物から低分子核酸と高分子核酸を精製した結果を示す。

Claims (20)

  1. 表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に、異なる長さの核酸を含む核酸混合物中の核酸を吸着及び脱着させる工程を含む、該核酸混合物から所定の長さの核酸を分離精製する方法。
  2. 表面に水酸基を有する有機高分子がアセチルセルロースの表面鹸化物である、請求項1に記載の方法。
  3. 表面に水酸基を有する有機高分子がトリアセチルセルロースの表面鹸化物である、請求項1または2に記載の方法。
  4. アセチルセルロースの表面鹸化率が5%以上である、請求項2または3に方法。
  5. アセチルセルロースの表面鹸化率が10%以上である、請求項2または3に記載の方法。
  6. アセチルセルロースが多孔膜である、請求項2から5の何れかに記載の方法。
  7. アセチルセルロースが非孔性膜である、請求項2から5の何れかに記載の方法。
  8. アセチルセルロースの表面鹸化物から成る多孔性膜を固相として使用し、アセチルセルロースの表面鹸化率と多孔性膜のポアサイズを選択することによって所定の長さの核酸を分離精製する、請求項1に記載の方法。
  9. アセチルセルロースの表面鹸化率が10〜100%であり、多孔性膜のポアサイズが0.1μm〜10μmである、請求項8に記載の方法。
  10. アセチルセルロースがビーズにコーティングされている、請求項2に記載の方法。
  11. 表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に、異なる長さの核酸を含む試料溶液中の核酸を吸着及び脱着させる、請求項1から10の何れかに記載の方法。
  12. 試料溶液が、細胞又はウイルスを含む検体を核酸可溶化試薬で処理して得られた溶液に水溶性有機溶媒を添加した溶液である、請求項11に記載の方法。
  13. 核酸可溶化試薬が、グアニジン塩、界面活性剤およびタンパク質分解酵素である、請求項12に記載の方法。
  14. 表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に核酸を吸着させた後、核酸洗浄バッファを用いて固相を洗浄し、次いで固相に吸着した核酸を脱着せしめうる液を用いて固相に吸着した核酸を脱着させる工程を含む、請求項1から13の何れかに記載の方法。
  15. 核酸洗浄バッファが、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はn−プロパノールを20〜100重量%含む溶液である、請求項14に記載の方法。
  16. 固相に吸着した核酸を脱着せしめうる液が、塩濃度が0.5M以下の溶液である、請求項14または15に記載の方法。
  17. 少なくとも2個の開口を有する容器内に表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相を収容した核酸分離精製ユニットを用いて核酸の吸着及び脱着を行う、請求項1から16の何れかに記載の方法。
  18. (a) 表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相、(b) 前記固相を収容する、少なくとも2個の開口を有する容器、及び(c) 前記容器の一の開口に結合された圧力差発生装置を含む核酸分離精製ユニットを用いて核酸の吸着及び脱着を行う、請求項1から17の何れかに記載の方法。
  19. 以下の工程を含む、請求項18に記載の方法。
    (a) 検体を用いて核酸を含む試料溶液を調製し、核酸分離精製ユニットの一の開口を上記の核酸を含む試料溶液中に挿入する工程、
    (b) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして核酸を含む試料溶液を吸引し、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
    (c) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、吸引された核酸を含む試料溶液を容器外に排出する工程、
    (d) 核酸分離精製ユニットの一の開口を核酸洗浄バッファ中に挿入する工程、
    (e) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして核酸洗浄バッファを吸引し、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
    (f) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、吸引された核酸洗浄バッファを容器外に排出する工程、(g) 核酸分離精製ユニットの一の開口を、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液中に挿入する工程、
    (h) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を吸引し、固相に接触させる工程、及び
    (i) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を容器外に排出する工程。
  20. 以下の工程を含む、請求項18に記載の方法。
    (a) 検体を用いて核酸を含む試料溶液を調製し、核酸分離精製ユニットの一の開口に上記の核酸を含む試料溶液を注入する工程、
    (b) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸を含む試料溶液を、他の開口より排出することによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
    (c) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に核酸洗浄バッファを注入する工程、
    (d) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸洗浄バッファを上記他の開口より排出することによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
    (e) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を注入する工程、
    (f) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸を脱着せしめうる液を上記他の開口より排出させることによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着させ、容器外に排出する工程。
JP2002210832A 2002-07-19 2002-07-19 核酸の分離精製方法 Expired - Fee Related JP3890360B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002210832A JP3890360B2 (ja) 2002-07-19 2002-07-19 核酸の分離精製方法
EP03015675A EP1382676B1 (en) 2002-07-19 2003-07-18 A method for separating and purifying a nucleic acid
AT03015675T ATE431408T1 (de) 2002-07-19 2003-07-18 Methode zur trennung und aufreinigung von nukleinsäuren
DE60327583T DE60327583D1 (de) 2002-07-19 2003-07-18 Methode zur Trennung und Aufreinigung von Nukleinsäuren
US10/621,715 US7432054B2 (en) 2002-07-19 2003-07-18 Method for separating and purifying a nucleic acid

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002210832A JP3890360B2 (ja) 2002-07-19 2002-07-19 核酸の分離精製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004049106A true JP2004049106A (ja) 2004-02-19
JP3890360B2 JP3890360B2 (ja) 2007-03-07

Family

ID=29774668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002210832A Expired - Fee Related JP3890360B2 (ja) 2002-07-19 2002-07-19 核酸の分離精製方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7432054B2 (ja)
EP (1) EP1382676B1 (ja)
JP (1) JP3890360B2 (ja)
AT (1) ATE431408T1 (ja)
DE (1) DE60327583D1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006094857A (ja) * 2004-09-03 2006-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 核酸分離精製方法
JP2006238854A (ja) * 2004-03-26 2006-09-14 Fuji Photo Film Co Ltd 核酸の分離精製方法
US7824855B2 (en) 2004-03-26 2010-11-02 Fujifilm Corporation Method for selectively separating and purifying RNA and method for separating and purifying nucleic acid
JP2011521631A (ja) * 2008-05-30 2011-07-28 キアゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 核酸を単離する方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005095003A (ja) * 2003-09-03 2005-04-14 Fuji Photo Film Co Ltd 核酸の分離精製方法
CN101098962A (zh) * 2005-01-31 2008-01-02 富士胶片株式会社 样品溶液的制备方法和样品溶液的制备装置
US20070116613A1 (en) * 2005-11-23 2007-05-24 Donat Elsener Sample tube and system for storing and providing nucleic acid samples
US9447461B2 (en) 2009-03-24 2016-09-20 California Institute Of Technology Analysis devices, kits, and related methods for digital quantification of nucleic acids and other analytes
US10196700B2 (en) 2009-03-24 2019-02-05 University Of Chicago Multivolume devices, kits and related methods for quantification and detection of nucleic acids and other analytes
US9415392B2 (en) 2009-03-24 2016-08-16 The University Of Chicago Slip chip device and methods
US9464319B2 (en) 2009-03-24 2016-10-11 California Institute Of Technology Multivolume devices, kits and related methods for quantification of nucleic acids and other analytes

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4118336A (en) * 1974-03-25 1978-10-03 Toyo Jozo Company, Ltd. Novel cellulose microcapsules and preparation thereof
US4063017A (en) * 1976-04-22 1977-12-13 Purdue Research Foundation Porous cellulose beads and the immobilization of enzymes therewith
US5187083A (en) * 1990-11-13 1993-02-16 Specialty Laboratories, Inc. Rapid purification of DNA
US5491068A (en) * 1991-02-14 1996-02-13 Vicam, L.P. Assay method for detecting the presence of bacteria
CA2067711C (en) * 1991-05-03 2000-08-08 Daniel Lee Woodard Solid phase extraction purification of dna
DE69326507T2 (de) * 1992-07-02 2000-04-27 Edge Biosystems Inc Verfahren und Material für Reinigung von Nukleinsäuren
US5804684A (en) * 1995-08-24 1998-09-08 The Theobald Smith Research Institute, Inc. Method for isolating nucleic acids
US6056877A (en) * 1997-12-05 2000-05-02 Transgenomic, Inc. Non-polar media for polynucleotide separations
JP2001516731A (ja) * 1997-09-17 2001-10-02 ジエントラ・システムズ・インコーポレーテツド 核酸を単離するための装置および方法
JP3890556B2 (ja) * 2001-11-28 2007-03-07 富士フイルム株式会社 核酸の分離精製方法及び核酸分離精製ユニット

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006238854A (ja) * 2004-03-26 2006-09-14 Fuji Photo Film Co Ltd 核酸の分離精製方法
US7824855B2 (en) 2004-03-26 2010-11-02 Fujifilm Corporation Method for selectively separating and purifying RNA and method for separating and purifying nucleic acid
JP2006094857A (ja) * 2004-09-03 2006-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 核酸分離精製方法
JP2011521631A (ja) * 2008-05-30 2011-07-28 キアゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 核酸を単離する方法

Also Published As

Publication number Publication date
US7432054B2 (en) 2008-10-07
US20040063122A1 (en) 2004-04-01
ATE431408T1 (de) 2009-05-15
EP1382676B1 (en) 2009-05-13
EP1382676A1 (en) 2004-01-21
DE60327583D1 (de) 2009-06-25
JP3890360B2 (ja) 2007-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4810164B2 (ja) 核酸分離精製方法
JP4025135B2 (ja) 核酸の分離精製方法
JP3983125B2 (ja) 核酸の分離精製方法
JP3890360B2 (ja) 核酸の分離精製方法
WO2014048263A1 (zh) 气压式萃取核酸的方法及其装置
JP2002345465A (ja) 核酸精製ユニット及び核酸精製方法
JP3727025B2 (ja) 核酸の分離精製方法
JP2005118007A (ja) 核酸の分離精製方法
JP2004305037A (ja) 核酸の分離精製方法および核酸の分離精製装置
JP2002345462A (ja) 吸着バッファ及び核酸精製方法
JP2006230237A (ja) 核酸の分離精製方法および装置
JP3890361B2 (ja) 核酸の分離精製装置及びそれを用いた核酸の分離精製方法
JP2004242622A (ja) 核酸の分離精製用洗浄液
JP2002345463A (ja) 核酸吸着バッファ及び核酸精製方法
JP2016067291A (ja) 核酸の分離精製方法
JP2005154299A (ja) 核酸の分離精製方法
JP2005168449A (ja) 核酸の分離精製方法並びにそれに用いるカートリッジ及び廃液容器
JP2005137298A (ja) 核酸の分離精製方法
JP2006136285A (ja) 核酸の分離精製方法
JP2006217839A (ja) 核酸の分離精製方法
JP2005118020A (ja) 核酸の分離精製方法
JP2005176678A (ja) 核酸の分離精製方法
JP2005176716A (ja) 核酸の分離精製方法
JP2005137297A (ja) 核酸の分離精製方法
JP2005168450A (ja) 核酸の分離精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041119

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20060531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061010

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3890360

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111215

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111215

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131215

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees