JP2004049096A - 過熱水蒸気による密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工の方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レトルト殺菌の高温、高圧下のレトルト殺菌の長時間加熱における豆乳粥のレトルト臭や豆乳粥の離水による品質低下を招くことを防止することに併せて高圧下の処理で装置が大重量で大型のために設備費が高額になることやバッチ方式の連続処理に適さず非効率である問題の解決することである。
【解決手段】110℃以上の耐熱性の容器に豆乳粥を真空状態に密封し、常圧下の箱体内を連続して搬送される耐熱容器で密封した豆乳粥に110℃以上、150℃以下の過熱水蒸気を噴射する。この常圧下の箱体内の搬送は搭載部を有するコンベアを用い、このコンベアの搬送速度と過熱水蒸気の温度を制御して密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を特徴とすることである。
【選択図】 図1
【解決手段】110℃以上の耐熱性の容器に豆乳粥を真空状態に密封し、常圧下の箱体内を連続して搬送される耐熱容器で密封した豆乳粥に110℃以上、150℃以下の過熱水蒸気を噴射する。この常圧下の箱体内の搬送は搭載部を有するコンベアを用い、このコンベアの搬送速度と過熱水蒸気の温度を制御して密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を特徴とすることである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過熱水蒸気を用いて耐熱容器内に密封した豆乳粥を殺菌および調理加工を常圧下で効率的に連続処理する方法に関するもの。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐熱容器内に密封した豆乳粥を殺菌および調理加工はレトルト食品でアルミ蒸着フイルムなどの包材で粥を密封して高温、高圧下で殺菌するレトルト殺菌方法により各種の保存食品が実現されているが、このレトルト殺菌は包材を介しての高温、高圧下の加熱となるため、熱が効率的に粥に伝達しにくく、加熱時間がどうしても長引いてしまう。このように長時間の加熱になるとアルミイオンの影響でレトルト臭が粥に付いたり、粥に離水が起こって品質低下を招いている。
【0003】
また、豆乳を用いた粥に関しては特開平11−332484、特開平11−332483において豆乳を加えた粥の調理で粥の食味改善と栄養改善をうたって公開されている。この豆乳粥の殺菌および調理加工では紙パック容器を高温、高圧下のレトルト殺菌がうたわれている。しかし、豆乳粥を紙パック容器に封入して高温、高圧下のレトルト殺菌の長時間加熱における豆乳粥のレトルト臭や豆乳粥の離水、豆乳の変質についての検討がなく、かつ豆乳粥を紙パック容器に封入した状態でレトルト殺菌方法での殺菌および調理加工が可能か否かの検討もされていない。また、この豆乳粥の内容は高温、高圧下のレトルト殺菌方法で殺菌および調理加工するもので、本発明の提案はレトルト殺菌の問題を解決するための方法とは異なるものである
【0004】
レトルト殺菌の長時間加熱の問題を解決する方法として、惣菜類を品質低下させることなく短時間で殺菌調理できる方法(特開平08−256739)、殺菌槽内の温度と圧力を、対象とする含気レトルト食品の加熱殺菌に適切な温度時間推移曲線に適合するように制御し、被殺菌物の容量に影響を受けず、所定の温度時間推移曲線に沿って殺菌処理を行うため、殺菌処理された含気レトルト食品の品質を安定した品質に維持することのできる含気レトルト食品殺菌装置(特開平07−231770)などが開示されているが、いずれもバッチ方式や高圧下の処理で装置が大重量で大型のために設備費が高額になることや連続処理に適さず非効率である問題の解決にいたっていない。
【0005】
さらに、特開2002−17277のお粥の製造方法において、定法の豆腐製造の工程において豆乳に凝固剤を加えて豆乳が凝固して豆腐になる時に豆腐の上に生ずる上澄み液体を水で希釈して粥を調理加工する方法で粥の栄養改善を提唱されている。この粥における製造方法は本発明で提案する方法とは全く異なるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の問題点を解決するため、本発明では常圧下で連続して密封容器内の栄養価が高く、機能性を有する豆乳粥を短時間に殺菌および調理加工を行う方法でレトルト殺菌の高温、高圧下のレトルト殺菌の長時間加熱における豆乳粥のレトルト臭や豆乳粥の離水による品質低下を招くことを防止することに併せて高圧下の処理で装置が大重量で大型のために設備費が高額になることやバッチ方式の連続処理に適さず非効率である問題の解決することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、耐熱容器で密封した豆乳粥を常圧下で110℃以上、150℃以下の過熱水蒸気を噴射し密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を特徴とすることである。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の耐熱容器で密封した豆乳粥は常圧下の箱体内を連続して搬送される密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を特徴とすることである。
請求項3に係る発明は、耐熱容器は110℃以上の耐熱性のある袋体を用いる請求項1、2記載の密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を特徴とすることである。
請求項4に係る発明は、耐熱容器で密封した豆乳粥への過熱水蒸気の噴射は上下左右の複数方向または何れか一方からのノズルで噴射する請求項1から請求項3のいずれか1項記載の密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工することを特徴とすることである。
請求項5に係る発明は、耐熱容器で密封した豆乳粥を常圧の箱体内の搬送は搭載部を有するコンベアを用い、このコンベアの搬送速度と過熱水蒸気の温度を制御する請求項1から請求項4のいずれか1項記載の密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を特徴とすることである。
【0008】
【作用】常圧下で110℃以上150℃以下の過熱水蒸気を短時間でコンベアにて移動する耐熱容器で密封した豆乳粥に噴射するので、過度の加熱調理の問題は生じない。また豆乳と粥を混合して密封する場合、豆乳と粥の混合比率に応じて過熱水蒸気の噴射時間や噴射温度を変えることのできる構造のため、それぞれの目的別の豆乳粥に合わせて過熱水蒸気の噴射時間や噴射温度を決めて殺菌および調理加工するので熱による品質低下が防止できる。また本発明はコンベアで連続して搬送せれる耐熱容器で密封した豆乳粥に過熱水蒸気を噴射するので大量に処理が可能であり、あわせて常圧下の過熱水蒸気は圧力釜の爆発や火災の心配のない安全な密封容器内の豆乳粥の殺菌および調理加工方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。図1は豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を段階をおって略図化したものである。ア豆乳粥調理工程においては、まず米200gを定法の炊飯方法でご飯にして、このご飯に水2.4L、豆乳1Lと塩を若干加えて10分間加熱して豆乳粥を作り、イ包装工程でこの豆乳粥を外シリカ蒸着PET、中をナイロン6、内をCPP(無延伸ポリプロピレン)を積層に組み合わせた耐熱性の高い樹脂製の袋体の容器に詰め込み、簡易真空包装機で袋体の中を脱気し、真空状態にして密封する。次ぎのウ殺菌および調理加工工程においては、前記耐熱容器内に密封した豆乳粥を10過熱水蒸気による殺菌および調理加工の設備の格子状11a搭載部を有する11コンベアの載せて10過熱水蒸気による殺菌および調理加工の設備の過熱水蒸気を噴射する箱体の20高温加熱室に21入口部より搬入し、20高温加熱室内の常圧下で加熱する過熱水蒸気の温度を120℃の合わせ、この120℃の過熱水蒸気を12上ノズル部と14下ノズル部から7分間噴射される搬送速度に11コンベアを24駆動装置で制御して22出口部より搬出された容器内に密封された豆乳粥は、エ冷却工程で2℃の冷水チラで冷却して表1に示す容器内に密封された殺菌および調理加工済み豆乳粥を得ることができる。
【0010】
表1
表1は容器内に密封された殺菌および調理加工済み豆乳粥の製造後0℃以上、10℃以下の冷暗所に保存して14日間経過後の一般細菌ならび大腸菌群の検査結果である。この検査結果で本発明の実施例における耐熱容器で密封した豆乳粥に120℃を7分間噴射する過熱水蒸気により殺菌および調理加工された耐熱容器で密封した豆乳粥は食品衛生法上の検査基準を満たす殺菌および調理加工であることが確認できる。
【0011】
本発明における実施例は、耐熱容器で密封した豆乳粥に120℃を7分間噴射する過熱水蒸気により殺菌および調理加工された耐熱容器で密封した豆乳粥は短時間の殺菌および調理加工のため、従来の高温、高圧下の加熱による、熱が効率的に食品に伝達しにくく、長時間の加熱によるアルミイオンの影響でレトルト臭が食品に付いたり、食品に離水が起こって品質低下を招いているレトルト殺菌の粥と比べて、アルミイオンのレトルト臭がなく、粥の離水による水気がないため一般家庭で作る粥と変わらない粥が味わえる。この耐熱容器で密封した豆乳粥は栄養価の高い豆乳を加えてあるため機能性を有し病人や高齢者介護食品、乳児の離乳食として利用やカロリー低めに調整してダイエット食としても利用できる。さらに佃煮、漬物などをトッピングして飲食後のお茶漬け代わりに美味しくいただけます。
【0012】
本発明における実施例は耐熱容器で密封した豆乳粥で説明したが、現在製品化されている高圧、高温下の容器の中でレトルト殺菌されているレトルト食品のほとんどの調理加工済み流動状惣菜食品や調理加工済み個液混合惣菜食品が本発明における実施例の方法で殺菌および調理加工することは可能である。この調理加工済み流動状惣菜食品や調理加工済み個液混合惣菜食品の殺菌および調理加工方法は耐熱容器の内に調理加工済み流動状惣菜食品や調理加工済み個液混合惣菜食品を封入し、この封入された調理加工済み流動状惣菜食品や調理加工済み個液混合惣菜食品を脱気して真空状態に密封したものを惣菜食品ごとに過熱水蒸気の噴射温度や加熱時間を変えることにより殺菌および調理加工すれば耐熱容器で密封した調理加工済み流動状惣菜食品や調理加工済み個液混合惣菜食品ができあがります。また、耐熱容器の内に一部調理加工済み流動状惣菜の具材や一部調理加工済み個液混合惣菜の具材と調味液を一緒に入れて殺菌および調理加工を同時行う製造も可能である。以上のように食品のごとに殺菌および調理加工する過熱水蒸気の噴射温度や加熱時間を変えることを本発明における実施例の豆乳粥では病院食、介護食、離乳食、ダイエット食など目的に応じてご飯、水、豆乳,塩の分量を変えた時には過熱水蒸気の加熱温度120℃、過熱水蒸気の噴射時間は5〜10分が好ましい耐熱容器で密封した豆乳粥を得ることができる。また、粥に豆乳以外の芋など野菜類、お茶など流動状食材、調理加工済みの魚介類、佃煮、漬物などを混入して耐熱容器に封入し、脱気して真空状態に密封したそれぞれの粥に応じて過熱水蒸気の噴射温度や加熱時間を決めて噴射すれば豆乳以外のそれぞれの粥も殺菌および調理加工することができるのはいうまでもないことである。
【0013】
本発明における実施例では、包材である密封容器の素材は外をシリカ蒸着PET、中をナイロン6、内をCPP(無延伸ポリプロピレン)を積層に組み合わせた耐熱性の高い樹脂製の袋体の容器を用いたが、例えば豆乳粥を冷凍保存にする流通形態を採用するのであれば外をナイロン6、内をCPP(無延伸ポリプロピレン)を積層に組み合わせの包材でも可能であるように、110℃以上の耐熱性を有し、食品に害を及ぼさない食品衛生法上認められものであれば何れの包材であってもよい。
【0014】
本発明における実施例による、耐熱容器で密封した豆乳粥を過熱水蒸気で殺菌および調理加工の方法による必要設備は前処理加工施設、真空包装機、過熱水蒸気噴射装置、冷却装置であれば30〜50平方メートルの小規模食品加工場で稼動はできるので、従来の高圧装置の装置が大重量、大型で設備費が高額である点やバッチ処理で連続処理に適さず非効率であるなどの問題点を解決できる。特に、設備費が高圧、高熱処理のレトルト殺菌の約1/10程度に抑えることもできるので、中小・零細の食品加工業者でも大手並のレトルト食品をレトルト臭がなく、食品の離水による水気がない調理直後のような製品をオリジナル品として開発が可能になる。
【0015】
本発明における実施例では、図2、図3の過熱水蒸気の噴射装置は特開2001−61655のボイラーで過熱水蒸気を得る連続搬送式の装置を使用して耐熱容器で密封した豆乳粥を殺菌および調理加工したが、連続搬送装置のない箱体の中に過熱水蒸気を噴射する装置であっても耐熱容器で密封した豆乳粥を殺菌および調理加工は可能であり、さらに、食品調理における焼成、解凍などを主目的とした過熱水蒸気の噴射装置である特開2001−190410、特開2001−190411、特開平3−83547や面状電磁誘導コイルによる電磁ボイラーで得られる高温蒸気の特開2002−83673の過熱水蒸気発生装置を利用しても常圧下において耐熱容器で密封した豆乳粥を殺菌および調理加工はできることは言うまでもない。本発明は耐熱容器で密封した豆乳粥に過熱水蒸気を噴射して耐熱容器で密封した豆乳粥の殺菌および調理加工する方法であり、前記公報で提案されている過熱水蒸気の噴射により直接食品の焼成、解凍など方法とは異なるものである。
【0016】
【発明の効果】本発明は前述のごとく、常圧下で120℃の過熱水蒸気を短時間にコンベアで連続搬送される耐熱容器で密封した食品に噴射するので、過度の加熱調理の問題は生じない、栄養価が高く機能性を有する耐熱容器で密封した豆乳粥を得ることができる。耐熱容器で密封した豆乳粥は豆乳と粥の比率に応じて過熱水蒸気の噴射時間や噴射温度を変化させ対応できるので、それぞれの目的別に豆乳粥の殺菌および調理加工は加熱による品質低下が防止できる。また本発明はコンベアで連続搬送して過熱水蒸気を耐熱容器で密封した豆乳粥に噴射するので大量に処理が可能であり、あわせて常圧下の過熱水蒸気は圧力釜の爆発や火災の心配のない安全な耐熱容器で密封した豆乳粥の殺菌および調理加工する方法である。さらに、従来のレトルト殺菌方法と比較して装置の設備費が安価で狭い場所でも設置ができるので中小・零細食品加工業者や農水産業者の新規事業参入も容易にできる方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を示す工程の概略図
【図2】過熱水蒸気による殺菌および調理加工の設備の構造図
【図3】図2のA−A矢視断面図
【符号の説明】
ア.豆乳粥調理工程
イ.包装工程
ウ.殺菌および調理加工工程
エ.冷却工程
10.過熱水蒸気による殺菌および調理加工の設備
11.コンベア、11a.搭載部
12.上ノズル部
13.過熱水蒸気流入配管
14.下ノズル部
15.過熱水蒸気流入配管
16.排気口
20.高温加熱室
21.入口部
22.出口部
23.高温処理室
24.駆動装置
27.扉
【発明の属する技術分野】
本発明は、過熱水蒸気を用いて耐熱容器内に密封した豆乳粥を殺菌および調理加工を常圧下で効率的に連続処理する方法に関するもの。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐熱容器内に密封した豆乳粥を殺菌および調理加工はレトルト食品でアルミ蒸着フイルムなどの包材で粥を密封して高温、高圧下で殺菌するレトルト殺菌方法により各種の保存食品が実現されているが、このレトルト殺菌は包材を介しての高温、高圧下の加熱となるため、熱が効率的に粥に伝達しにくく、加熱時間がどうしても長引いてしまう。このように長時間の加熱になるとアルミイオンの影響でレトルト臭が粥に付いたり、粥に離水が起こって品質低下を招いている。
【0003】
また、豆乳を用いた粥に関しては特開平11−332484、特開平11−332483において豆乳を加えた粥の調理で粥の食味改善と栄養改善をうたって公開されている。この豆乳粥の殺菌および調理加工では紙パック容器を高温、高圧下のレトルト殺菌がうたわれている。しかし、豆乳粥を紙パック容器に封入して高温、高圧下のレトルト殺菌の長時間加熱における豆乳粥のレトルト臭や豆乳粥の離水、豆乳の変質についての検討がなく、かつ豆乳粥を紙パック容器に封入した状態でレトルト殺菌方法での殺菌および調理加工が可能か否かの検討もされていない。また、この豆乳粥の内容は高温、高圧下のレトルト殺菌方法で殺菌および調理加工するもので、本発明の提案はレトルト殺菌の問題を解決するための方法とは異なるものである
【0004】
レトルト殺菌の長時間加熱の問題を解決する方法として、惣菜類を品質低下させることなく短時間で殺菌調理できる方法(特開平08−256739)、殺菌槽内の温度と圧力を、対象とする含気レトルト食品の加熱殺菌に適切な温度時間推移曲線に適合するように制御し、被殺菌物の容量に影響を受けず、所定の温度時間推移曲線に沿って殺菌処理を行うため、殺菌処理された含気レトルト食品の品質を安定した品質に維持することのできる含気レトルト食品殺菌装置(特開平07−231770)などが開示されているが、いずれもバッチ方式や高圧下の処理で装置が大重量で大型のために設備費が高額になることや連続処理に適さず非効率である問題の解決にいたっていない。
【0005】
さらに、特開2002−17277のお粥の製造方法において、定法の豆腐製造の工程において豆乳に凝固剤を加えて豆乳が凝固して豆腐になる時に豆腐の上に生ずる上澄み液体を水で希釈して粥を調理加工する方法で粥の栄養改善を提唱されている。この粥における製造方法は本発明で提案する方法とは全く異なるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の問題点を解決するため、本発明では常圧下で連続して密封容器内の栄養価が高く、機能性を有する豆乳粥を短時間に殺菌および調理加工を行う方法でレトルト殺菌の高温、高圧下のレトルト殺菌の長時間加熱における豆乳粥のレトルト臭や豆乳粥の離水による品質低下を招くことを防止することに併せて高圧下の処理で装置が大重量で大型のために設備費が高額になることやバッチ方式の連続処理に適さず非効率である問題の解決することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、耐熱容器で密封した豆乳粥を常圧下で110℃以上、150℃以下の過熱水蒸気を噴射し密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を特徴とすることである。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の耐熱容器で密封した豆乳粥は常圧下の箱体内を連続して搬送される密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を特徴とすることである。
請求項3に係る発明は、耐熱容器は110℃以上の耐熱性のある袋体を用いる請求項1、2記載の密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を特徴とすることである。
請求項4に係る発明は、耐熱容器で密封した豆乳粥への過熱水蒸気の噴射は上下左右の複数方向または何れか一方からのノズルで噴射する請求項1から請求項3のいずれか1項記載の密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工することを特徴とすることである。
請求項5に係る発明は、耐熱容器で密封した豆乳粥を常圧の箱体内の搬送は搭載部を有するコンベアを用い、このコンベアの搬送速度と過熱水蒸気の温度を制御する請求項1から請求項4のいずれか1項記載の密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を特徴とすることである。
【0008】
【作用】常圧下で110℃以上150℃以下の過熱水蒸気を短時間でコンベアにて移動する耐熱容器で密封した豆乳粥に噴射するので、過度の加熱調理の問題は生じない。また豆乳と粥を混合して密封する場合、豆乳と粥の混合比率に応じて過熱水蒸気の噴射時間や噴射温度を変えることのできる構造のため、それぞれの目的別の豆乳粥に合わせて過熱水蒸気の噴射時間や噴射温度を決めて殺菌および調理加工するので熱による品質低下が防止できる。また本発明はコンベアで連続して搬送せれる耐熱容器で密封した豆乳粥に過熱水蒸気を噴射するので大量に処理が可能であり、あわせて常圧下の過熱水蒸気は圧力釜の爆発や火災の心配のない安全な密封容器内の豆乳粥の殺菌および調理加工方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。図1は豆乳粥を殺菌および調理加工する方法を段階をおって略図化したものである。ア豆乳粥調理工程においては、まず米200gを定法の炊飯方法でご飯にして、このご飯に水2.4L、豆乳1Lと塩を若干加えて10分間加熱して豆乳粥を作り、イ包装工程でこの豆乳粥を外シリカ蒸着PET、中をナイロン6、内をCPP(無延伸ポリプロピレン)を積層に組み合わせた耐熱性の高い樹脂製の袋体の容器に詰め込み、簡易真空包装機で袋体の中を脱気し、真空状態にして密封する。次ぎのウ殺菌および調理加工工程においては、前記耐熱容器内に密封した豆乳粥を10過熱水蒸気による殺菌および調理加工の設備の格子状11a搭載部を有する11コンベアの載せて10過熱水蒸気による殺菌および調理加工の設備の過熱水蒸気を噴射する箱体の20高温加熱室に21入口部より搬入し、20高温加熱室内の常圧下で加熱する過熱水蒸気の温度を120℃の合わせ、この120℃の過熱水蒸気を12上ノズル部と14下ノズル部から7分間噴射される搬送速度に11コンベアを24駆動装置で制御して22出口部より搬出された容器内に密封された豆乳粥は、エ冷却工程で2℃の冷水チラで冷却して表1に示す容器内に密封された殺菌および調理加工済み豆乳粥を得ることができる。
【0010】
表1
表1は容器内に密封された殺菌および調理加工済み豆乳粥の製造後0℃以上、10℃以下の冷暗所に保存して14日間経過後の一般細菌ならび大腸菌群の検査結果である。この検査結果で本発明の実施例における耐熱容器で密封した豆乳粥に120℃を7分間噴射する過熱水蒸気により殺菌および調理加工された耐熱容器で密封した豆乳粥は食品衛生法上の検査基準を満たす殺菌および調理加工であることが確認できる。
【0011】
本発明における実施例は、耐熱容器で密封した豆乳粥に120℃を7分間噴射する過熱水蒸気により殺菌および調理加工された耐熱容器で密封した豆乳粥は短時間の殺菌および調理加工のため、従来の高温、高圧下の加熱による、熱が効率的に食品に伝達しにくく、長時間の加熱によるアルミイオンの影響でレトルト臭が食品に付いたり、食品に離水が起こって品質低下を招いているレトルト殺菌の粥と比べて、アルミイオンのレトルト臭がなく、粥の離水による水気がないため一般家庭で作る粥と変わらない粥が味わえる。この耐熱容器で密封した豆乳粥は栄養価の高い豆乳を加えてあるため機能性を有し病人や高齢者介護食品、乳児の離乳食として利用やカロリー低めに調整してダイエット食としても利用できる。さらに佃煮、漬物などをトッピングして飲食後のお茶漬け代わりに美味しくいただけます。
【0012】
本発明における実施例は耐熱容器で密封した豆乳粥で説明したが、現在製品化されている高圧、高温下の容器の中でレトルト殺菌されているレトルト食品のほとんどの調理加工済み流動状惣菜食品や調理加工済み個液混合惣菜食品が本発明における実施例の方法で殺菌および調理加工することは可能である。この調理加工済み流動状惣菜食品や調理加工済み個液混合惣菜食品の殺菌および調理加工方法は耐熱容器の内に調理加工済み流動状惣菜食品や調理加工済み個液混合惣菜食品を封入し、この封入された調理加工済み流動状惣菜食品や調理加工済み個液混合惣菜食品を脱気して真空状態に密封したものを惣菜食品ごとに過熱水蒸気の噴射温度や加熱時間を変えることにより殺菌および調理加工すれば耐熱容器で密封した調理加工済み流動状惣菜食品や調理加工済み個液混合惣菜食品ができあがります。また、耐熱容器の内に一部調理加工済み流動状惣菜の具材や一部調理加工済み個液混合惣菜の具材と調味液を一緒に入れて殺菌および調理加工を同時行う製造も可能である。以上のように食品のごとに殺菌および調理加工する過熱水蒸気の噴射温度や加熱時間を変えることを本発明における実施例の豆乳粥では病院食、介護食、離乳食、ダイエット食など目的に応じてご飯、水、豆乳,塩の分量を変えた時には過熱水蒸気の加熱温度120℃、過熱水蒸気の噴射時間は5〜10分が好ましい耐熱容器で密封した豆乳粥を得ることができる。また、粥に豆乳以外の芋など野菜類、お茶など流動状食材、調理加工済みの魚介類、佃煮、漬物などを混入して耐熱容器に封入し、脱気して真空状態に密封したそれぞれの粥に応じて過熱水蒸気の噴射温度や加熱時間を決めて噴射すれば豆乳以外のそれぞれの粥も殺菌および調理加工することができるのはいうまでもないことである。
【0013】
本発明における実施例では、包材である密封容器の素材は外をシリカ蒸着PET、中をナイロン6、内をCPP(無延伸ポリプロピレン)を積層に組み合わせた耐熱性の高い樹脂製の袋体の容器を用いたが、例えば豆乳粥を冷凍保存にする流通形態を採用するのであれば外をナイロン6、内をCPP(無延伸ポリプロピレン)を積層に組み合わせの包材でも可能であるように、110℃以上の耐熱性を有し、食品に害を及ぼさない食品衛生法上認められものであれば何れの包材であってもよい。
【0014】
本発明における実施例による、耐熱容器で密封した豆乳粥を過熱水蒸気で殺菌および調理加工の方法による必要設備は前処理加工施設、真空包装機、過熱水蒸気噴射装置、冷却装置であれば30〜50平方メートルの小規模食品加工場で稼動はできるので、従来の高圧装置の装置が大重量、大型で設備費が高額である点やバッチ処理で連続処理に適さず非効率であるなどの問題点を解決できる。特に、設備費が高圧、高熱処理のレトルト殺菌の約1/10程度に抑えることもできるので、中小・零細の食品加工業者でも大手並のレトルト食品をレトルト臭がなく、食品の離水による水気がない調理直後のような製品をオリジナル品として開発が可能になる。
【0015】
本発明における実施例では、図2、図3の過熱水蒸気の噴射装置は特開2001−61655のボイラーで過熱水蒸気を得る連続搬送式の装置を使用して耐熱容器で密封した豆乳粥を殺菌および調理加工したが、連続搬送装置のない箱体の中に過熱水蒸気を噴射する装置であっても耐熱容器で密封した豆乳粥を殺菌および調理加工は可能であり、さらに、食品調理における焼成、解凍などを主目的とした過熱水蒸気の噴射装置である特開2001−190410、特開2001−190411、特開平3−83547や面状電磁誘導コイルによる電磁ボイラーで得られる高温蒸気の特開2002−83673の過熱水蒸気発生装置を利用しても常圧下において耐熱容器で密封した豆乳粥を殺菌および調理加工はできることは言うまでもない。本発明は耐熱容器で密封した豆乳粥に過熱水蒸気を噴射して耐熱容器で密封した豆乳粥の殺菌および調理加工する方法であり、前記公報で提案されている過熱水蒸気の噴射により直接食品の焼成、解凍など方法とは異なるものである。
【0016】
【発明の効果】本発明は前述のごとく、常圧下で120℃の過熱水蒸気を短時間にコンベアで連続搬送される耐熱容器で密封した食品に噴射するので、過度の加熱調理の問題は生じない、栄養価が高く機能性を有する耐熱容器で密封した豆乳粥を得ることができる。耐熱容器で密封した豆乳粥は豆乳と粥の比率に応じて過熱水蒸気の噴射時間や噴射温度を変化させ対応できるので、それぞれの目的別に豆乳粥の殺菌および調理加工は加熱による品質低下が防止できる。また本発明はコンベアで連続搬送して過熱水蒸気を耐熱容器で密封した豆乳粥に噴射するので大量に処理が可能であり、あわせて常圧下の過熱水蒸気は圧力釜の爆発や火災の心配のない安全な耐熱容器で密封した豆乳粥の殺菌および調理加工する方法である。さらに、従来のレトルト殺菌方法と比較して装置の設備費が安価で狭い場所でも設置ができるので中小・零細食品加工業者や農水産業者の新規事業参入も容易にできる方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を示す工程の概略図
【図2】過熱水蒸気による殺菌および調理加工の設備の構造図
【図3】図2のA−A矢視断面図
【符号の説明】
ア.豆乳粥調理工程
イ.包装工程
ウ.殺菌および調理加工工程
エ.冷却工程
10.過熱水蒸気による殺菌および調理加工の設備
11.コンベア、11a.搭載部
12.上ノズル部
13.過熱水蒸気流入配管
14.下ノズル部
15.過熱水蒸気流入配管
16.排気口
20.高温加熱室
21.入口部
22.出口部
23.高温処理室
24.駆動装置
27.扉
Claims (5)
- 耐熱容器で密封した豆乳粥を常圧下で110℃以上、150℃以下の過熱水蒸気を噴射し密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工することを特徴とする方法。
- 請求項1記載の耐熱容器で密封した豆乳粥は常圧下の箱体内を連続して搬送される密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工することを特徴とする方法。
- 耐熱容器は110℃以上の耐熱性のある袋体を用いる請求項1、2記載の密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工することを特徴とする方法。
- 耐熱容器で密封した豆乳粥への過熱水蒸気の噴射は上下左右の複数方向または何れか一方からのノズルで噴射する請求項1から請求項3のいずれか1項記載の密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工することを特徴とする方法。
- 耐熱容器で密封した豆乳粥を常圧の箱体内の搬送は搭載部を有するコンベアを用い、このコンベアの搬送速度と過熱水蒸気の温度を制御する請求項1から請求項4のいずれか1項記載の密封容器内の豆乳粥を殺菌および調理加工することを特徴とする方法。
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JP2006238819A (ja) * | 2005-03-04 | 2006-09-14 | Uehara Sangyo:Kk | 粥の製造方法及び該製造方法により製造される粥 |
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CN110463768A (zh) * | 2019-08-19 | 2019-11-19 | 九阳股份有限公司 | 一种豆浆粥的制作方法 |
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- 2002-07-19 JP JP2002210330A patent/JP2004049096A/ja active Pending
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