JP2004048875A - モータ駆動系の異常検出装置 - Google Patents

モータ駆動系の異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡易な構成でセンサの異常検出を行うことのできるモータ駆動系の異常検出装置を提供する。
【解決手段】変位量センサ15は、モータ11の回転を直線運動に変換して駆動される駆動軸20の変位量を検出して、モータ制御CPU31に出力する。モータ制御CPU31は、その入力された実変位量に基づいて駆動回路32に指令信号を出力し、駆動軸20の変位量フィードバック制御を行う。またモータ制御CPU31は、実変位量に基づいてモータ11の回転速度を算出するとともに、更にモータ11の逆起電力に基づいてモータ11の回転速度を算出する。そして算出された2つの回転速度の比較により異常の検出が行われる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータにより被駆動部材を駆動させるモーター駆動系について、その異常の有無を検出するモータ駆動系の異常検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなモータ駆動系において、モータの出力軸や被駆動部材の動作(回転位相や変位等)を検出するセンサを設け、そのセンサの検出結果に基づいて被駆動部材の位置や位相、変位速度、回転速度等をフィードバック制御するものが、幅広い技術分野で使用されている。こうしたモータ駆動系では、上記センサに異常が発生すると、上記位置や位相、変位速度、回転速度等を正しく調整できなくなってしまうため、信頼性の確保のために、センサが異常無く正常に動作しているか否かを監視することが求められる。
【0003】
そこで従来、そうしたモータ駆動系において、フィードバック制御用のセンサの異常の有無を検出する異常検出装置として、例えば特開平11−77197号公報にみられるような装置が知られている。
【0004】
この異常検出装置は、モータ出力軸にピニオンギアを、そのモータにより駆動される被駆動部材にウォームギアをそれぞれ取り付け、モータ出力軸の回転により被駆動部材を直線運動させるモータ駆動系に適用されている。また、この異常検出装置の適用されるモータ駆動系は、直線運動方向での被駆動部材の位置(変位量)を検出する変位量センサを備え、その変位量センサの検出結果をフィードバックして直線方向での被駆動部材の位置合わせを行う構成となっている。
【0005】
この異常検出装置は、変位量センサの異常の検出用に、モータ出力軸の回転位相を検出する位相センサを備えて構成されている。上記のように構成されたモータ駆動系では、モータ出力軸の回転位相と被駆動部材の変位量との間には一義的な相関関係があるため、位相センサの検出結果によっても、直線運動方向での被駆動部材の変位量を求めることができる。そこでこの位相センサの検出結果により求められた被駆動部材の変位量と、上記変位量センサの検出結果により求められた被駆動部材の変位量とを比較し、それらの差が所定値を超えることで、いずれかのセンサに異常有りと判定するようにしている。
【0006】
このように、このフィードバック制御用センサの異常検出装置では、実質的に同等の制御量(変位量)をそれぞれ検出する2つのセンサを備える2重系とし、両センサを相互監視させることで、上記モータ駆動系のフィードバック制御用センサの異常を検出するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、モータ駆動系のフィードバック制御用センサを2重系として相互監視させるようにすれば、そうしたセンサの異常を検出し、その信頼性を高めることは確かに可能である。しかしながら、こうした異常検出装置は、フィードバック制御用センサの異常検出のために、そのフィードバック制御用センサと実質的に同等の制御量(変位量)を検出するもう1つのセンサを備える冗長な構成となるため、コスト面での無駄の多い構成となっている。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡易な構成でモータ駆動系の異常検出を行うことのできるモータ駆動系の異常検出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、モータ駆動系の異常検出装置として、モータと、そのモータにより駆動される被駆動部材と、それらモータの出力軸又は被駆動部材の動作を検出するセンサとを備えて構成されたモーター駆動系についての異常の有無を検出するモータ駆動系の異常検出装置において、前記モータで発生する逆起電力を検出する逆起電力検出手段と、前記センサの検出結果に基づいて前記モータの作動速度を算出する第1算出手段と、前記検出された逆起電力に基づいて前記モータの作動速度を算出する第2算出手段と、前記第1算出手段により算出された作動速度と前記第2算出手段により算出された作動速度との比較により、異常を検出する異常検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成では、モータが作動されると、それにより被駆動部材が駆動され、それらモータの出力軸又は被駆動部材の動作がセンサにより検出されるようになっている。そのため、センサの検出結果から、モータの作動速度を求めることができる。
【0011】
一方、モータの内部では、その作動に伴い、逆起電力(誘電電力)が発生する。逆起電力は、モータの出力軸の作動速度に依存して変化するため、そうした逆起電力を検出すれば、その値からもモータの作動速度を求めることができる。
【0012】
モータ及びセンサのいずれにも異常が無ければ、上記センサの検出結果に基づいて求められるモータの作動速度と、逆起電力に基づき求められるモータの作動速度とは、一致するはずである。そのため、それら算出された2つの作動速度を比較すれば、モータ又はセンサの異常の有無を検出することができる。
【0013】
よって上記構成によれば、同等の検出を行うセンサを更に設けて相互監視させなくても、センサの異常を検出することができる。したがって、より簡易な構成でモータ駆動系に設けられたセンサの異常を検出することができる。
【0014】
ちなみに、モータの作動速度からは、モータの逆起電力やセンサの検出結果を逆算的に求めることもできる。そのため、センサの検出結果より逆起電力を推定して、それを検出された逆起電力と比較したり、或いは逆起電力の検出結果からセンサの検出結果を推定して、それと実際の検出結果を比較したりする態様でも、上記構成と同様の異常検出は可能である。
【0015】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のモータ駆動系の異常検出装置において、前記異常検出手段は、前記第1算出手段により算出された作動速度と前記第2算出手段により算出された作動速度との差が所定の判定値を超えたとき、異常有りと判定することとする。
【0016】
上記構成では、第1算出手段により算出されたモータの作動速度と第2算出手段により算出されたモータの作動速度との差が所定の判定値を超えると、異常有りとの判定がなされるようになっている。
【0017】
センサに異常が発生すれば、モータの出力軸や被駆動部材の動作を適切に検出することができなくなるため、その検出結果に基づき算出されるモータの作動速度が不適切な値となる。一方、モータに異常が発生すれば、モータに発生する逆起電力とモータの作動速度との相関関係が正常時とは自ずと異なったものとなるため、逆起電力に基づき算出されるモータの作動速度が不適切な値となる。そのため、モータ或いはセンサのいずれかに異常が発生すれば、上記算出された2つの作動速度には、有意な差が認められるようになる。したがって、上記構成での異常の有無の判定により、モータ又はセンサの異常を適切に検出することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のモータ駆動系の異常検出装置において、前記逆起電力検出手段は、前記モータに印加される駆動電圧と前記モータに流される駆動電流と前記モータの内部抵抗とに基づいて、前記逆起電力を算出して検出することとする。
【0019】
上記構成では、モータの発生する逆起電力が、モータに印加される駆動電圧と前記モータに流される駆動電流とモータの内部抵抗とに基づいた演算により求められ、検出されるようになっている。
【0020】
モータに発生する逆起電力は、同モータに印加される駆動電圧Em、同モータに流される駆動電流Im、及び同モータの内部抵抗Rmとに基づいて算出することができる。例えば逆起電力(モータの回生により発生された電圧)Edは下記の関係式(1)にて求めることができる。またそうしたモータの回生により発生された電流Idは下記の関係式(2)にて、それぞれ求めることができる。
【0021】
【数1】
Ed=Em−Rm・Im      …(1)
【0022】
【数2】
Id=Em/Rm−Im      …(2)
したがって上記構成によれば、モータの駆動電圧Em、駆動電流Im、及び内部抵抗Rmさえ解れば、モータの逆起電力を求めて好適に異常検出を行うことができる。
【0023】
ちなみに、モータに印加される駆動電圧Emを検出する電圧計やモータに流される駆動電流Imを検出する電流計は、モータの駆動制御に必要とされることが多いため、モータ駆動系の多くにはそうした電圧計や電流計が備えられている。また、内部抵抗Rmについても、下記のようにモータの駆動電圧Emや駆動電流Imから求めることが可能であり、またモータの温度等に応じた変化を無視し得るのであれば、予め求められた定数値として設定しておくことも可能である。そのため、多くのモータ駆動系においては、格別な構成を追加することなく上記構成を実現することができる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のモータ駆動系の異常検出装置において、前記モータの出力軸の作動を強制的に停止させる強制手段と、その強制手段によって前記モータの出力軸の作動を強制的に停止させたときの前記モータの駆動電圧及び駆動電流より前記モータの内部抵抗を算出する内部抵抗算出手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0025】
モータの内部抵抗Rmは、モータの温度等に応じてその値が変化してしまうため、モータの使用状況によっては、予め求めておくことができないことがある。その点、上記構成では、モータの出力軸の作動を強制的に停止させ、そのときのモータの駆動電圧Em及び駆動電流Imよりモータの内部抵抗Rmを算出するようにしている。逆起電力はモータの出力軸の作動に伴い発生するため、出力軸の作動が停止された状態であれば、逆起電力が発生することはない。そのため、そうした状態にあるときの駆動電圧Em及び駆動電流Imにより、現状のモータの内部抵抗Rmを直接求めることができる。例えば、このときの内部抵抗Rmは、下記の関係式(3)より求めることができる。
【0026】
【数3】
Rm=Em/Im        …(3)
したがって、上記構成によれば、温度等に応じたモータの内部抵抗Rmの変化に拘わらず、モータの逆起電力を正確に求められるようになり、異常検出の精度を更に向上することができる。なお、上記強制手段は、モータへの供給電力の調整以外の手段にて、ブレーキ等のように外部からモータ出力軸の作動を強制的に停止させるものであれば、任意の手段を用いることができる。
【0027】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のモータ駆動系の異常検出装置において、前記内部抵抗算出手段により算出された前記モータの内部抵抗に基づいて異常を検出する更なる異常検出手段を更に備えることを特徴とする。
【0028】
上記構成では、上記の如く算出された内部抵抗Rmに基づいてモータの温度異常の検出が行われている。上記のように、モータの内部抵抗Rmには温度への依存性があるため、その値からモータの温度を推定することができる。そのため、上記構成によれば、モータ温度が適正な範囲から逸脱するといったモータの温度異常についても併せて検出できるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。この実施形態の異常検出装置は、図1に示される可変バルブリフト機構200をブラシ式のDCモータ11により駆動するモータ駆動系について、その異常検出を行うものとして構成されている。またその可変バルブリフト機構200は、内燃機関の機関バルブ(本実施の形態では吸気バルブ)のバルブリフト量を可変とする機構で、内燃機関のシリンダヘッド内に配設されている。ここではまず、この可変バルブリフト機構200について、図2及び図3を参照して説明する。
【0030】
図2に示されるように、可変バルブリフト機構200は、カム203の設けられたカムシャフト202、揺動可能に軸支されてたロッカアーム206、及びそのロッカアーム206の揺動に応じて開閉駆動される吸気バルブ201が配設された内燃機関のシリンダヘッド内に設けられている。そして、大きくは駆動軸20、入力アーム204、揺動カム205、及び支持パイプ208を備えて構成されている。
【0031】
ちなみに、この内燃機関では、各気筒にそれぞれ一対の吸気バルブ201及びロッカアーム206が設けられ、一対の吸気バルブ201を1つのカム203で開閉駆動する構成となっている。そして可変バルブリフト機構200には、各気筒の1つのカム203に対応して、1つの入力アーム204が気筒毎に設けられている。またその入力アーム204の両側(図3参照)には、各気筒の一対の吸気バルブ201にそれぞれ対応して、2つの揺動カム205が気筒毎に設けられている。
【0032】
支持パイプ208は、中空円筒状に形成され、カムシャフト202と平行配置されている。この支持パイプ208は、軸方向へ移動したり、回転したりしないようにシリンダヘッドに固定されている。支持パイプ208の内部には、軸方向に摺動可能に駆動軸20が挿入されている。また支持パイプ208の外周には、その軸心を中心として揺動可能で、且つその軸方向には移動しないように、入力アーム204及び2つの揺動カム205がそれぞれ軸支されている。
【0033】
入力アーム204は、その支持パイプ208に軸支された部分から延ばされたアーム部204aと、そのアーム部204aの先端部に回転可能に軸支されたローラ204bとを備え、そのローラ204bはカム203に当接可能となっている。
【0034】
揺動カム205は、その支持パイプ208に軸支された部分から突出形成された略三角形状のノーズ205aを備えている。ノーズ205aの一辺(図2の下方側の辺)は、凹状に湾曲したカム面205bとなっている。このカム面205bには、吸気バルブ201のバルブスプリングの付勢力によって上記ロッカアーム206に回転可能に軸支されたローラ206aが押し付けられている。
【0035】
なお、この可変バルブリフト機構200では、これら入力アーム204及び揺動カム205が一体となって揺動されるようになっている。そのため、カムシャフト202が回転されると、カム203により入力アーム204が揺動され、それに連動して揺動カム205も揺動されるようになる。そして揺動カム205の揺動により、ロッカアーム206を介して吸気バルブ201が開閉駆動されるようになっている。
【0036】
更にこの可変バルブリフト機構200では、支持パイプ208の軸心周りにおける入力アーム204と揺動カム205との相対位相差を変更する機構を備えており、それにより吸気バルブ201のバルブリフト量を可変とすることができるようになっている。すなわち、それらの相対位相差を拡大すれば、入力アーム204及び揺動カム205の揺動角に対するロッカアーム206の揺動角が拡大され、吸気バルブ201のバルブリフト量が増大される。またそれらの相対位相差を縮小すれば、入力アーム204及び揺動カム205の揺動角に対するロッカアーム206の揺動角が縮小され、吸気バルブ201のバルブリフト量が低減される。
【0037】
続いて、こうした可変バルブリフト機構200における上記相対位相差の変更にかかる機構について、図3を併せ参照して説明する。図3に示されるように、入力アーム204及び2つの揺動カム205の支持パイプ208に軸支される部分の内部には空間が形成されている。そしてその空間の内部には、支持パイプ208の外周に、回転可能、且つ軸方向に摺動可能に軸支された状態で、スライダギア207が収容されている。
【0038】
スライダギア207の中央部分には、その外周に右ねじ螺旋状のヘリカルスプラインが形成されたヘリカルギア207bが設けられている。またその左右両側には、ヘリカルギア207bとは逆に、左ねじ螺旋状のヘリカルスプラインがその外周に形成されたヘリカルギア207cがそれぞれ設けられている。
【0039】
これらヘリカルギア207b、207cは、入力アーム204及び2つの揺動カム205の支持パイプ208に軸支される部分の内周には、各ヘリカルギア207b、207cに対応したヘリカルスプラインが形成されている。すなわち、入力アーム204の軸支部分の内周には、右ねじ螺旋状のヘリカルスプラインが形成されており、ヘリカルギア207bに噛み合わされている。また各揺動カム205の軸支部分の内周には、左ねじ螺旋状のヘリカルスプラインがそれぞれ形成され、両ヘリカルギア207cにそれぞれ噛み合わされている。
【0040】
更にスライダギア207にあって、ヘリカルギア207cのうちの一方(同図3では右側のギア)とヘリカルギア207bとの間の部分には、周方向に延びる長穴207aが形成されている。また支持パイプ208には、その長穴207aの一部と重なるように、軸方向に延びる長穴208aが形成されている。そして支持パイプ208の内部に挿通された駆動軸20には、それら2つの長穴207a、208aの重なった部分を通じて突出される係止ピン20aが一体に設けられている。
【0041】
ここで駆動軸20がその軸方向に移動すると、係止ピン20aにより押されるため、それに連動してスライダギア207も各ヘリカルギア207b、207cを伴って軸方向に移動する。そうした各ヘリカルギア207b、207cの軸方向の移動に対し、それらにスプライン係合された入力アーム204及び各揺動カム205は、軸方向に移動しないため、ヘリカルスプラインの噛み合いを通じて支持パイプ208の中心軸周りに回動させられる。ただし入力アーム204と両揺動カム205とでは、ヘリカルスプラインの向きが逆であるため、このときの回動方向は逆方向となる。そのため、駆動軸20の軸方向の移動に応じて、入力アーム204と両揺動カム205との相対位相差が変更され、上述したように吸気バルブ201のバルブリフト量が可変とされるようになる。以上のように、この可変バルブリフト機構200は、駆動軸20の軸方向への移動に応じて駆動され、吸気バルブ201のバルブリフト量を可変としている。
【0042】
続いて、こうした可変バルブリフト機構200を駆動させるべく、駆動軸20を軸方向に移動させるモータ駆動系の構成について説明する。このモータ駆動系は、図1に示すように大きくは、駆動軸20をその軸方向に移動させるモータ駆動部10と、そのモータ駆動部10を制御する制御部30とを有して構成されている。
【0043】
まずは、このモータ駆動系のモータ駆動部10について説明する。モータ駆動部10は、モータ11と、そのモータ11の回転を伝達する2つのギア12,13と、それらギア12,13を介して伝達された回転を駆動軸20の軸方向の直線運動に変換する送りねじ機構14とを備えて構成されている。
【0044】
詳しくは、モータ11の出力軸11aには、ギア12が一体回転可能に取り付けられ、そのギア12は、送りねじ機構14のナット部に一体回転可能に取り付けられたギア13と噛み合わされている。送りねじ機構14のナット部は、駆動軸20の外周に形成された雄ねじ部に噛み合わされており、駆動軸20の軸心周りを回転可能、且つその軸方向の変位を規制された状態で支持されている。このモータ駆動部10では、その送りねじ機構14としてボールねじを用いた機構が採用されている。更にこのモータ駆動系には、駆動軸20上に、その軸方向の変位量Dを検出する変位量センサ15が配設されている。
【0045】
こうしたモータ駆動部10では、モータ11によりその出力軸11aが回転されると、その回転はギア12,13を介して送りねじ機構14のナット部に伝達される。そうしてナット部に伝達された回転は、送りねじ機構14によって駆動軸20の軸方向への直線運動に変換され、駆動軸20が軸方向に移動される。そして移動された駆動軸20の変位量Dは、変位量センサ15によって検出されることとなる。
【0046】
更に内燃機関のシリンダヘッドには、駆動軸20が所定位置に移動したときに、その先端が当接されるストッパ16が固定されている。このストッパ16に駆動軸20の先端が突き当たるとそれ以上の駆動軸20の移動が強制的に停止される。これにより、ストッパ16は、駆動軸20の移動範囲を制限している。
【0047】
なお、このモータ駆動系では、駆動軸20の先端がストッパ16と当接する位置を基準として、駆動軸20の変位量Dの制御が行われている。すなわち、ストッパ16に先端が当接する位置に駆動軸20が位置しているときの変位量Dを「0」とし、その位置から駆動軸20が移動した量を変位量Dとして規定して、その変位量制御が行われている。
【0048】
次に、以上のように構成されたモータ駆動部10の制御を行う制御部30について説明する。制御部30は同図1に示されるように、モータ制御CPU31、駆動回路32を備えて構成されている。
【0049】
上記モータ11の電力供給線は、駆動回路32に接続されている。電力供給線には、モータ11に供される駆動電圧Em及び駆動電流Imをそれぞれ検出する電圧計32a及び電流計32bが配設されている。駆動回路32は、信号線を介してモータ制御CPU31に接続されている。モータ制御CPU31は、更に内燃機関の各種制御を行うエンジン用電子制御装置(ECU)40にも信号線を介して接続されている。またモータ制御CPU31には、上記変位量センサ15、電圧計32a、及び電流計32bとも接続され、それら各センサ類の検出信号が入力されるようにもなっている。
【0050】
このように構成された制御部30は、次のようにして、駆動軸20の変位量のフィードバック制御を行っている。
エンジン用電子制御装置40は、例えばエンジン回転速度やスロットル開度等の機関運転状態に基づいて最適な吸気バルブ201のバルブリフト量を、内燃機関の運転中に繰り返し算出している。そしてエンジン用電子制御装置40は、算出した最適なバルブリフト量を設定するための駆動軸20の変位量の目標値(目標変位量)Dtを算出し、その目標変位量Dtを指令信号としてモータ制御CPU31に送信する。
【0051】
モータ制御CPU31は、変位量センサ15により検出された駆動軸20の実際の変位量(実変位量)Doと受信した目標変位量Dtとを比較する。そしてモータ制御CPU31は、実変位量Doを目標変位量Dtに近づけて最終的に一致させるために必要なモータ11の駆動電圧Em及び駆動電流Imを算出し、それを指令信号として駆動回路32に送信する。
【0052】
駆動回路32は受信した指令信号に基づいて、モータ11に供される駆動電圧Em及び駆動電流Imを調整する。
このように、このモータ駆動系では、機関運転状態に応じたバルブリフト量が得られるように、変位量センサ15の検出結果に基づいた駆動軸20の変位量Dのフィードバック制御を行っている。
【0053】
ところで、こうしたモータ駆動系において、変位量センサ15に異常が発生して実変位量Doに則した検出信号が得られなくなったり、モータ11に異常が発生して指令信号に則して駆動されなくなったりすれば、最適なバルブリフト量が得られなくなってしまう。
【0054】
そこで、この実施の形態では、モータ制御CPU31は、上記変位量Dのフィードバック制御に係る処理を行う傍ら、モータ11及び変位量センサ15の異常の有無を検出する処理を併せて行っている。以下、そうした異常検出処理について、図4〜図7を併せ参照して詳細に説明する。
【0055】
まずここで、モータ制御CPU31により行われる異常検出処理の概要を説明する。この異常検出処理は、次のようなそれぞれ別の検出信号に基づいた2通りの態様で求められたモータ11の回転速度ω1、ω2を比較することで行われる。
【0056】
回転速度ω1は、変位量センサ15により検出された実変位量Doの推移に基づいて求められたモータ11の回転速度である。この回転速度ω1は、実変位量Doの時間微分、各ギア12、13の歯数、送りねじ機構14におけるナット部の1回転当たりの駆動軸20の送り量等の関係より求めることができる。
【0057】
回転速度ω2は、電圧計32a及び電流計32bにより検出された駆動電圧Em及び駆動電流Imから把握されるモータ11の逆起電力Edに基づいて求められたモータ11の回転速度である。なお、逆起電力Edは、それら駆動電圧Em及び駆動電流Imとモータ11の内部抵抗Rmさえ解れば、上述の関係式(1)にて求めることができる。逆起電力Edは、モータ11の回転に伴う回生発電により発生する電圧であり、その逆起電力Edとモータ11の回転速度との相関関係は、モータ11の特性として定まっており、予め実験等で求めておくことができる。ちなみにこのモータ11では、それらの相関関係は、図5に例示される関係となっている。
【0058】
これらの回転速度ω1、ω2は本来一致するはずであり、そうでなければ変位量センサ15又はモータ11に異常が発生したと判断することができる。例えば変位量センサ15又はその検出信号の通信線に異常が発生し、実際の駆動軸20の動作に則さない実変位量Doの検出信号がモータ制御CPU31に入力されるようになったときには、回転速度ω1がその実態にそぐわない不適切な値となる。またモータ11にその内部配線のショートや断線等の異常が発生したときには、駆動電圧Em、駆動電流Im及び内部抵抗Rmの相関関係に変化が生じ、回転速度ω2が不適切な値となる。よって、モータ11及び変位量センサ15のいずれに異常が発生した場合にも、回転速度ω1、ω2は一致しなくなる。
【0059】
そこでモータ制御CPU31は、上記2つの回転速度ω1、ω2を比較した結果、それらに有意な差が認められた場合には、異常信号をエンジン制御ECU40に送信する。
【0060】
このようにこの実施の形態では、駆動軸20が上記被駆動部材に、変位量センサ15がその被駆動部材の動作を検出する上記センサに、電圧計32a、電流計32b及びモータ制御CPU31が上記逆起電力検出手段にそれぞれ対応している。
【0061】
図4は、こうした「異常検出処理」の詳細な処理手順を示すフローチャートである。この処理は、所定時間毎の割り込み処理として、モータ制御CPU31により機関運転中繰り返し実行されている。
【0062】
本処理に移行するとモータ制御CPU31は、まずステップS1において、変位量センサ15により検出された実変位量Doを読み込むとともに、ステップS2において、電圧計32a及び電流計32bにより検出された駆動電圧Em及び駆動電流Imを読み込む。そして続くステップS3において、上記ステップS1で読み込んだ実変位量Doを時間微分して、上記回転速度ω1を算出する。
【0063】
更にモータ制御CPU31は、ステップS4において、上記ステップS2で読み込んだ駆動電圧Em及び駆動電流Im、及び予め求めておいたモータ11の内部抵抗Rmから、上記の関係式(1)により逆起電力Edを算出する。更にその算出された逆起電力Edから上記回転速度ω2を算出する。ここでは、図5に例示したこのモータ11における逆起電力Edとモータ11の回転速度との相関関係を、マップとしてモータ制御CPU31のメモリに予め記憶させておき、そのマップを用いて回転速度ω2を算出するようにしている。
【0064】
その後、モータ制御CPU31は、続くステップS5において、これら算出された2つの回転速度ω1、ω2を比較し、その比較結果に基づいて異常の有無の判定を行う。詳しくは、それら回転速度ω1、ω2の差(|ω1−ω2|)が予め定められた判定値α以下であるときは(S5:NO)、異常無しと判定し、そのまま本処理を一旦終了する。一方、それらの差が判定値αを超えるときには、モータ制御CPU31は異常有りと判定し(S5:YES)、ステップS6においてエンジン用電子制御装置40に対してその旨通知する異常信号を出力した上で、本処理を一旦終了する。
【0065】
なお、この実施の形態では、ステップS3の処理が上記第1算出手段の処理に、ステップS4の処理が上記第2算出手段の処理に、ステップS5の処理が上記異常検出手段の処理にそれぞれ対応している。また、回転速度ω1が上記第1算出手段の算出するモータの作動速度に、回転速度ω2が上記第2算出手段の算出するモータの作動速度にそれぞれ対応している。
【0066】
こうした異常検出処理によれば、駆動軸20の変位量Dのフィードバック制御用のセンサ(変位量センサ15)を2重系として相互監視させるといった構成の複雑化を招くことなく、モータ11及び変位量センサ15のいずれかに異常があることを検出できる。
【0067】
ところで、この実施の形態のモータ11の内部抵抗Rmには、温度依存性があり、状況に応じてその値が変化してしまうことがある。内部抵抗Rmの値が不適切であれば、それを用いて求められる上記回転速度ω2も不適切な値となり、上記異常検出の精度が低下してしまう。そこで、この実施の形態では、下記態様にて、モータ11のフィードバック制御中、機会がある毎に内部抵抗Rmを求めて、その値を更新する処理を行っている。
【0068】
出力軸11aの回転中、上述の通りモータ11は、回生により逆起電力Edを発生する。このとき、内部抵抗Rmの値が不確かであれば、不明なパラメータが逆起電力Edと内部抵抗Rmとの2つとなるため、上記構成にて実測が可能な駆動電圧Em及び駆動電流Imだけでは、逆起電力Ed及び内部抵抗Rmの値を求めることはできない。しかしながら、モータ11の出力軸11aが回転していない状態であれば、逆起電力Edは発生しないため、すなわち逆起電力Edが「0」であるため、そのときの駆動電圧Em及び駆動電流Imを上述の関係式(3)に当てはめることで内部抵抗Rmを求めることができる。
【0069】
一方、この実施の形態のモータ駆動系では上述したように、駆動軸20の先端がストッパ16に突き当たると、すなわち上記変位量Dが「0」となる位置まで駆動軸20が移動されると、ストッパ16側へのそれ以上の駆動軸20の移動が強制的に停止される。そしてそれに連動してモータ11の出力軸11aの回転も、強制的に停止されるようになっている。よって、この実施の形態では、このストッパ16が、モータ11の出力軸11aの作動(回転)を強制的に停止させる上記「強制手段」に相当する構成となっている。
【0070】
そこでモータ制御CPU31は、フィードバック制御中に変位量Dが「0」となる位置に駆動軸20が移動されたとき、あえて変位量Dが小となる方向に、すなわち駆動軸20の先端をストッパ16に押し付ける方向に駆動軸20を駆動させるべく、モータ11への電力供給を継続する。そして、そのときのモータ11の駆動電圧Em及び駆動電流Imを検出し、上記関係式(3)より現状のモータの内部抵抗Rmを算出する。
【0071】
更にこの実施の形態では、こうして求められた内部抵抗Rmを用いて、モータ11の温度異常の検出も併せ行うようにしている。上記のようにモータ11の内部抵抗Rmは温度依存性があり、温度以外の影響を無視できるのであれば、内部抵抗Rmとモータ11の温度との間には一義的な相関関係が成立する。その場合には、内部抵抗Rmからモータ11の温度が求められ、モータ11の異常高温化等の温度異常を検出することができる。このモータ11では、内部抵抗Rmとその温度との間には、図7に例示するような相関関係がある。そこでモータ制御CPU31は、上記態様にて内部抵抗Rmを求めた後、その値がモータ11の許容上限温度に対応する判定値βを超えているか否かにより、温度異常の有無を判定している。
【0072】
図6は、以上説明した内部抵抗Rmの算出、及び温度異常の検出にかかるモータ制御CPU31の処理手順を示したフローチャートである。このフローチャートの処理は、この処理は、所定時間毎の割り込み処理として、モータ制御CPU31により機関運転中繰り返し実行されている。
【0073】
このルーチンに処理が移行すると、モータ制御CPU31は、まずステップS10において、駆動軸20の目標変位量Dtが「0」、且つ実変位量Doが「0」であるか否かを判定する。すなわち、駆動軸20の先端がストッパ16に突き当たった状態に保持されているか否かを判定する。ここで上記条件が不成立であれば(S10:NO)、本処理を一旦終了する。
【0074】
一方、駆動軸20の先端がストッパ16に突き当たった状態に保持されていれば(S10:YES)、モータ制御CPU31は、駆動軸20の変位量Dが小となる方向にモータ11を駆動すべく、駆動回路32に指令信号を出力する。これにより、モータ11には、駆動軸20の変位量Dを小とする方向に駆動するための電力供給がなされるが、駆動軸20の先端がストッパ16に突き当たっているため、実際にその出力軸11aが回転されることはない。
【0075】
こうしてモータ11の出力軸11aの回転を強制的に停止させた後、モータ制御CPU31は、ステップS12において、電圧計32a及び電流計32bから、そのときのモータ11の駆動電圧Em及び駆動電流Imを読み込む。そして続くステップS13において、上記関係式(3)を用いてそのときの内部抵抗Rmを算出する。以上のステップS11〜S13の処理にて、モータ11の現状の内部抵抗Rmが求められる。
【0076】
こうして内部抵抗Rmを求めた後、モータ制御CPU31は、更にステップS14において、その内部抵抗Rmからモータ11の温度異常の有無を判定する。ここで上記求められた内部抵抗Rmが上記判定値β以下であれば(S14:NO)、温度異常無しと判定し、処理をステップS16に移行する。一方、内部抵抗Rmが上記判定値βを超えていれば(S14:YES)、モータ制御CPU31はステップS15において、温度異常が検出された旨の異常信号をエンジン用電子制御装置40に対して出力する。以上のステップS14、S15の処理にて、モータ11の温度異常の検出が行われる。
【0077】
こうして温度異常の検出処理を行った後、モータ制御CPU31は、ステップS16において、上記ステップS11の処理にて開始されたモータ11の駆動を停止させるべく駆動回路32に指令信号を出力し、本処理を一旦終了する。なお、この実施の形態では、こうして内部抵抗Rmの算出及び温度異常の検出が完了すると、上記ステップS10の条件が一旦不成立となり、再成立するまで、本処理は実行されないようになっている。
【0078】
なお、この実施の形態では、ステップS11〜S13の各処理が上記内部抵抗算出手段の処理に、ステップS14、S15の処理が上記更なる異常検出手段の処理にそれぞれ対応している。
【0079】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)この実施の形態では、変位量センサ15の検出結果に基づいて算出されたモータ11の回転速度ω1と、モータ11で発生する逆起電力Edに基づいて算出されたモータ11の回転速度ω2との比較により、異常が検出されている。そのため、フィードバック制御用の変位量センサ15を二重系として相互監視させるといった冗長な構成を採用せずとも、その変位量センサ15の異常を検出することができる。したがって、より簡易な構成でモータ駆動系に設けられたフィードバック制御用のセンサの異常を検出することができる。
【0080】
(2)この実施の形態では、上記回転速度ω1、ω2の差が所定の判定値α以上となったとき、すなわちそれら回転速度ω1、ω2に有意な差が確認されたときに、異常有りとして異常検出が行われている。そのため、モータ11又は変位量センサ15の異常を適切に検出することができる。
【0081】
(3)この実施の形態では、モータ11に供される駆動電圧Em及び駆動電流Imとそのモータ11の内部抵抗Rmとに基づいて、逆起電力Edが算出され検出されている。したがって、逆起電力Edが比較的容易に求められ、上記異常検出の実施がより容易となる。
【0082】
(4)この実施の形態では、モータ11に供される駆動電圧Em及び駆動電流Imを各検出する電圧計32a及び電流計32bの検出結果から逆起電力Edが求められている。これら電圧計32aや電流計32bは、モータを用いたモータ駆動系の多くに既設されており、そうしたモータ駆動系では、格別な構成を追加することなく上記異常検出の実施が可能となる。
【0083】
(5)この実施の形態では、ストッパ16により、モータ11の出力軸11aの回転を強制的に停止させたときのモータ11の駆動電圧Em及び駆動電流Imより現状のモータ11の内部抵抗Rmが算出されている。したがって温度等に応じたモータ11の内部抵抗Rmの変化に拘わらず、モータ11の逆起電力Edを正確に求められるようになり、異常検出の精度を更に向上することができる。
【0084】
(6)この実施の形態では、目標変位量Dt、及び実変位量Doが共に「0」のときに、すなわちストッパ16との当接位置に駆動軸20が保持された状態にあるときに、上記の内部抵抗Rmの算出が行われる。そのため、バルブリフト量の可変制御を中断させることなく、内部抵抗Rmの算出を行うことができる。
【0085】
(7)この実施の形態では、上記算出されたモータ11の内部抵抗Rmに基づいて、更なる異常検出が行われている。これにより、モータ温度が適正な範囲から逸脱するといったモータの温度異常についても併せて検出できるようになる。
【0086】
なお、上記実施の形態は、以下のようにその構成を変更してもよい。
・上記実施の形態では、図6に示される処理において、現状の内部抵抗Rmを求めると共に、その求められた内部抵抗Rmに基づいて、モータ11の温度異常の検出を併せて行っているが、そうした温度異常の検出の必要がなければ、ステップS14、S15の処理を割愛しても良い。
【0087】
・上記実施の形態では、目標変位量Dt及び実変位量Doが共に「0」のときに、すなわち駆動軸20がストッパ16との当接位置に保持されているときに、内部抵抗Rmの算出を実施している。そうした算出の実施条件は、これに限らず適宜変更しても良い。バルブリフト量の可変制御に与える影響を無視できるのであれば、そのときの目標変位量Dtや実変位量Doに関わらず、必要に応じて駆動軸20をストッパ16との当接位置まで強制的に移動させ、内部抵抗Rmを算出させるようにすることもできる。
【0088】
・上記実施の形態では、モータ11の内部抵抗Rmの算出に際し、ストッパ16によって駆動軸20の移動を止めることで、モータ11の出力軸11aの回転を強制的に停止させているが、ブレーキ等の他の手段を用いてモータ11の出力軸11aの作動を強制停止させるようにしても良い。要は、モータ11への電力供給遮断といったモータ供給電力の調整に依らずして、外部からモータ11の出力軸11aの作動を強制停止させるものであれば、任意の手段をストッパ16に代えて採用することができる。
【0089】
・更に、温度等の使用状況に応じたモータ11の内部抵抗Rmの変化が異常検出精度に与える影響を無視できるのであれば、図6のフローチャートに示される処理を割愛しても良い。その場合、内部抵抗Rmを予め定められた定数値として逆起電力Edの算出を行うこととなる。
【0090】
・上記実施の形態では、逆起電力Edを電圧計32a及び電流計32bにより検出されたモータ11の駆動電圧Em及び駆動電流Imと、予め求めておいたモータ11の内部抵抗Rmとから求めているが、他の態様にて逆起電力Edを求めるようにしても良い。例えば逆起電力Edを直接検出が可能であれば、直接それを検出して回転速度ω2を算出することもできる。
【0091】
・更に逆起電力Ed、すなわち回生によりモータ11で生じた電圧を用いる代わりに、逆起電流Id、すなわち回生によりモータ11で生じた電流を用いて回転速度ω2を求めるようにしても良い。その場合の逆起電流Id、駆動電圧Em、駆動電流Im、内部抵抗Rmの関係は、上述の関係式(2)に示された通りである。
【0092】
・上記実施の形態では、回転速度ω1と回転速度ω2との比較により異常を検出していたが、例えば以下の態様に変更しても良い。上記実施の形態のようにモータ11の逆起電力Edを求める一方、実変位量Doに基づいて算出されたモータ11の回転速度ω1から、そのときのモータ11の逆起電力の推定値Ed’を逆算的に求める。そして、その推定値Ed’と上記逆起電力Edとの比較に基づき異常検出を行う。こうした態様でも、上記実施の形態と実質同様の異常検出を行うことができる。
【0093】
・また、逆起電力Edから算出された回転速度ω2の推移から、そのときの駆動軸20の変位量の推定値D’を逆算的に求め、変位量センサ15により検出された実変位量Doとその推定値D’とを比較して異常検出を行うようにしても良い。この場合にも、上記実施の形態と実質同様の異常検出を行うことができる。
【0094】
・上記実施の形態では、変位量センサ15の検出した駆動軸20の実変位量Doより回転速度ω1を求めていたが、この変位量センサ15に代えて、モータ11の出力軸11aの回転位相を検出するセンサを設け、その検出結果より回転速度ω1を求めるようにしても良い。
【0095】
・上記実施形態では、モータ制御CPU31が上記異常検出や、内部抵抗の算出、温度異常の検出に係る各処理を実行していたが、これらの処理の一部若しくはその全部をエンジン用電子制御装置40に行わせるようにしても良い。
【0096】
・上記実施の形態では、モータ駆動系の異常検出装置を可変バルブリフト機構200に適用した場合を説明したが、本発明はこうした構成にその適用が限定されるわけではない。要は、モータと、そのモータにより駆動される被駆動部材と、それらモータの出力軸又は被駆動部材の動作を検出するセンサとを備えて構成されたモーター駆動系であれば、その異常検出装置として本発明を適用することができる。
【0097】
・上記実施形態では、モータの出力軸の回転を直線運動に変換して被駆動部材を駆動する構成のモータ駆動系についての適用例を説明したが、モータの出力軸の回転により被駆動部材を回転駆動させる構成のモータ駆動系についても、本発明を適用することができる。その場合には勿論、被駆動部材の回転(位相)、若しくはモータ出力軸の回転(位相)を検出するセンサの検出結果に基づいて上記回転速度ω1を求めて異常検出を行うこととなる。
【0098】
・上記実施形態では、モータとしてブラシ式のDCモータを採用するモータ駆動系への適用例を説明したが、本発明はそれ以外のタイプのモータを採用したモータ駆動系に対しても適用することができる。要はそれが、モータと、そのモータにより駆動される被駆動部材と、それらモータの出力軸又は被駆動部材の動作を検出するセンサとを備えて構成されたモータ駆動系であって、直接的にせよ、間接的にせよ、そのモータの逆起電力を検出可能であれば、本発明の適用は可能である。
【0099】
次に、上記各実施形態及びその変形例から把握できる他の技術的思想を、その効果とともに、以下に記載する。
(イ)前記更なる異常検出手段は、前記算出された内部抵抗が所定の判定値を超えるときに異常有りと判定する請求項4に記載のモータ駆動系の異常検出装置。一般に、モータの内部抵抗はその温度の上昇とともに増大するため、上記構成の如く異常有りを判定することで、モータの不適切な高温化による異常を好適に検出できる。
【0100】
(ロ)前記モータは、DCモータである請求項1〜5、及び上記(イ)のいずれかに記載のモータ駆動系の異常検出装置。
(ハ)前記モータは、ブラシ式のDCモータである請求項1〜5、及び上記(イ)のいずれかに記載のモータ駆動系の異常検出装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態についてその全体構造の模式図。
【図2】可変バルブリフト機構及びその周辺の断面図。
【図3】可変バルブリフト機構の斜視断面構造を示す断面図。
【図4】同実施形態での異常検出処理のフローチャート。
【図5】逆起電力Edとモータ回転速度との相関関係を示すグラフ。
【図6】同実施形態での内部抵抗算出及び温度異常検出処理のフローチャート。
【図7】内部抵抗Rmとモータ温度との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
10…モータ駆動部、11…モータ、11a…出力軸、12…ギア、13…ギア、14…送りねじ機構、15…変位量センサ、16…ストッパ、20…駆動軸、20a…係止ピン、30…制御部、31…モータ制御CPU、32…駆動回路、32a…電圧計、32b…電流計、40…エンジン用電子制御装置(エンジン用ECU)、200…可変バルブリフト機構、201…吸気バルブ、202…カムシャフト、203…カム、204…入力アーム、204a…アーム部、204b…ローラ、205…揺動カム、205a…ノーズ部、205b…カム面、206…ロッカアーム、206a…ローラ、207…スライダギア、207a…長孔、207b、207c…ヘリカルギア、208…支持パイプ、208a…長孔。

Claims (5)

  1. モータと、そのモータにより駆動される被駆動部材と、それらモータの出力軸又は被駆動部材の動作を検出するセンサとを備えて構成されたモータ駆動系についての異常の有無を検出するモータ駆動系の異常検出装置において、
    前記モータで発生する逆起電力を検出する逆起電力検出手段と、
    前記センサの検出結果に基づいて前記モータの作動速度を算出する第1算出手段と、
    前記検出された逆起電力に基づいて前記モータの作動速度を算出する第2算出手段と、
    前記第1算出手段により算出された作動速度と前記第2算出手段により算出された作動速度との比較により、異常の有無を検出する異常検出手段と、
    を備えることを特徴とするモータ駆動系の異常検出装置。
  2. 前記異常検出手段は、前記第1算出手段により算出された作動速度と前記第2算出手段により算出された作動速度との差が所定の判定値を超えたとき、異常有りと判定する請求項1に記載のモータ駆動系の異常検出装置。
  3. 前記逆起電力検出手段は、前記モータに印加される駆動電圧と前記モータに流される駆動電流と前記モータの内部抵抗とに基づいて、前記逆起電力を算出して検出する請求項1又は2に記載のモータ駆動系の異常検出装置。
  4. 請求項3に記載のモータ駆動系の異常検出装置において、
    前記モータの出力軸の作動を強制的に停止させる強制手段と、
    その強制手段によって前記モータの出力軸の作動を強制的に停止させたときの前記モータの駆動電圧及び駆動電流より前記モータの内部抵抗を算出する内部抵抗算出手段と、
    を更に備えることを特徴とするモータ駆動系の異常検出装置。
  5. 請求項4に記載のモータ駆動系の異常検出装置において、
    前記内部抵抗算出手段により算出された前記モータの内部抵抗に基づいて、異常を検出する更なる異常検出手段を更に備える
    ことを特徴とするモータ駆動系の異常検出装置。
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