JP2004048712A - 陰極線管、陰極線管装置、画像表示装置およびコイルユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カラー陰極線管装置1は、フェースパネル2、ファンネル3及びネック4とからなるガラスバルブ5と、ファンネル3の外周部に備えられる偏向ヨーク6と、ガラスバルブ5の内部に配置された色選別電極などを有する。フェースパネル2とファンネル3に渡って、上下一対の消磁コイルが巻回され、さらに、ガラスバルブ5外周の色選別電極と偏向ヨーク6の間の部分には、全体の形状がほぼ矩形であって、その上下の長辺部分は、ガラスバルブの管軸に垂直な平面内にあり、かつ、その左右方向の短辺部分が偏向ヨーク6側に折り曲げられた形状の環状コイル10が巻装されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は陰極線管、陰極線管装置、画像表示装置およびコイルユニットとに関し、特に陰極線管における画像表示に対する地磁気の影響を除去する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー陰極線管装置では、電子銃から射出した電子ビームが、色選別電極の電子ビーム通過孔を通って蛍光体スクリーンの電子ビームのランディング点にある赤、緑、青の所定の蛍光体を発光させる。
このカラー陰極線管装置に地磁気などの外部磁界(以下、これを総称して「地磁気」という)が作用すると、電子ビームの軌道が変化して電子ビームが蛍光体スクリーンの所定の位置に到達しないという、いわゆるランディングずれ、すなわちミスランディングが生じ、画面における色ずれ等の不具合が発生する。
【0003】
このようなランディングずれが発生しないように、通常、陰極線管の内部に磁気シールドを設けるようにしているが、全ての方向において地磁気の影響を完全に除去することは困難である。
特に、陰極線管の管軸に平行な地磁気の成分(以下、「地磁気の管軸成分」と略称する。)については、上記磁気シールドによって除去するのは難しい。
【0004】
地磁気の管軸成分により、フェースパネルの内側に設けられた蛍光体スクリーンの周辺部に入射する電子ビームの軌道が、フェースパネル側から見たときに地磁気の管軸成分の磁極の方向に応じて管軸を中心にして右もしくは左回転する方向にずれるため、表示された画像がフェースパネルに対して右もしくは左に傾いて見えることになる。
【0005】
したがって、通常、カラー陰極線管装置では、表示画像の傾きを調整する画像傾き調整の機能を有している。
具体的には、図16に示すように、陰極線管301のガラスバルブ305のファンネル303の外周に、当該ガラスバルブ305の管軸Zに直交する所定の平面β内に配された環状コイル307を巻装する。
【0006】
そして、直流電源308に接続された可変抵抗309により環状コイル307に供給する電流値を調整し、上記地磁気の管軸成分MHをキャンセルする方向の磁界MCを発生させて上記画像の傾きをなくすようにしている。なお、図16における302はフェースパネル、304はネック、306は偏向ヨークを示す。
しかしながら、このような環状コイルより発生された磁界MCは、上記地磁気の管軸成分MHと完全に等価ではないため、目視で問題のない程度に画像の傾きを補正することができたとしても、有効画面の周辺部におけるランディングずれを十分解消するまでには至らず、色ずれは依然として発生しており、画質の点で問題を残していた。
【0007】
このような問題を解消するため、特許文献1には、地磁気によるランディングずれの補正と画像傾き調整を同時に行う構成を有するカラー陰極線管装置が提案されている。
この特許文献1では、上記管軸Zに直交する平面β内に巻回された環状コイル307の管軸Z方向の位置Pを調整することにより、画像の傾きを補正すると共に蛍光スクリーン面へのランディング位置のずれ量(地磁気の影響を受けない場合の電子ビームのランディング位置と、地磁気の影響を受けた場合のランディング位置のずれ量。以下「ランディングずれ量」という。)を小さくする技術が開示されている。
【0008】
すなわち、環状コイル307を設ける位置を偏向ヨーク306側に近付けると、画像傾き補正の感度が向上する一方で、画面周辺部におけるランディングずれの補正量が減少し、反対に環状コイルをフェースパネル側に近付けると画像傾き補正の感度は小さくなるが、ランディングずれの補正量が増加することを解析し、環状コイル307に、画像傾きが「0」となるような大きさの直流電流を供給したときに同時にランディングずれ量を最小とすることができる管軸方向の最適位置を予め実験により求めておき、そのような位置に環状コイル307を配設することを提案している。
【0009】
当該公報では、これにより、画像の傾きを補正しつつ、画面周辺部におけるランディングずれ量を、色ずれが発生しない程度まで低減できるとしている。
【0010】
【特許文献1】
特公平6−69221号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年カラー陰極線管装置のスクリーン面が高精細度化するにつれ、ランディングずれ量が許容範囲を超え、上記公報に開示されている技術によっては画面周辺部での色ずれが顕著となるおそれがある。また、スクリーン面が大画面化するにつれ、ランディングずれ量が大きくなり画面周辺部での色ずれがより顕著になるおそれがある。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、地磁気の影響による画像傾きの調整を行うと共にランディングずれの補正をより高精度に行うことにより、画面全体で色ずれが生じないような陰極線管、陰極線管装置、画像表示装置およびコイルユニットを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る陰極線管は、フェースパネルとファンネルとネックとからなるガラスバルブと、前記ガラスバルブのフェースパネルの内側に配設される色選別電極と、前記ガラスバルブの管軸方向における前記色選別電極の位置と偏向ヨーク取り付け予定位置との間において、前記ガラスバルブの外周を囲むように配設され、所定の大きさの直流電流が供給される環状コイルとを備え、前記環状コイルは、ガラスバルブの管軸とほぼ直交する平面内であって、当該ガラスバルブのほぼ上下方向に位置する第1のコイル部と、ガラスバルブのほぼ左右方向に位置し、ネック方向に折り曲げられた第2のコイル部とからなることを特徴としている。
【0014】
この構成により、環状コイルが同一平面上にない第1コイル部と第2コイル部を有することになり、画面の上下中央部とコーナー部とにおけるランディングの補正量の相対関係を、従来技術に比べ、変化させることができる。
特に、第2のコイル部は偏向ヨークに近い側にあるので、この第2のコイル部によるランディングずれの補正量を小さくすることができる。
【0015】
したがって、上記構成により第1のコイル部によって画面全体のランディングずれの補正量を大きくすると共に、コーナー部における補正量が過補正とならないように補正量を小さくして、画面全体のランディングずれの補正量をバランスのとれた所望の補正量とすることが可能となる。
ここで、フェースパネル内面から前記環状コイルの第1のコイル部の配された位置までの管軸方向における距離をa、第1のコイル部の配された位置からガラスバルブのリファレンスラインまでの管軸方向の距離をbとすると、1.6≦b/a≦10の関係が成立することが望ましい。
【0016】
これにより、画像傾きを補正しつつ従来よりもランディングずれを少なくすることができる。
また、ここで、前記第1のコイル部の水平方向の長さをA、陰極線管の有効画面の水平方向の長さをW、前記環状コイルに通電しないときの有効画面の4隅におけるランディングずれ量の平均値をD、有効画面の上部および下部のそれぞれの中央部におけるランディングずれ量の平均値をNSとすると、0.3×(D/NS)+0.7≦A/W≦0.3×(D/NS)+0.9の関係が成立するようにすることが望ましい。
【0017】
これにより、有効画面の上下中央部と各コーナー部におけるランディングずれ量の補正量のバランスが良好になる。
さらに、ここで、前記第2のコイルの、前記第1のコイル部の位置する平面から一番離れている部分の、前記平面からの管軸方向における距離をL、前記第1のコイル部の水平方向の長さをAとすると、0.08≦(L/A)≦0.16の関係が成立するようにすることが望ましい。
【0018】
これにより、有効画面の上下中央部と各コーナー部におけるランディングずれ量の補正量のバランスがさらに良好になる。
また、本発明に係る陰極線管は、前記ガラスバルブの外周面に、さらに一対の消磁コイルが取り付けられており、前記環状コイルは、前記一対の消磁コイルとクロスする部分で固定されることにより、前記ガラスバルブの外周面に位置決めされることを特徴としている。
【0019】
これにより、環状コイルが、特別な取り付け具なしに消磁コイルを介してガラスバラス外周の所定位置に取り付け可能となる。
ここで、ガラスバルブの下方において、前記環状コイルと前記一対の消磁コイルのうち下方の消磁コイルとは、その一方もしくは双方が相互に近接する箇所が少なくとも1箇所設けられており、その近接位置において、環状コイルが消磁コイルに固定されるようにしてもよく、また、 前記環状コイルの一部が粘着テープにより当該ガラスバルブの下面に固着されるようにしてもよい。
【0020】
このようにすれば、環状コイルの下方の部分が垂れてコイル全体の形状が変形するようなことがなくなり、補正磁界の分布を安定的に保てる。
また、前記環状コイルが、ほぼ前記ガラスバルブの表面に沿うようにして取り付けるようにすることにより、コイル形状が変化しにくく、また、ガラスバルブ表面に近い分だけ内部の電子ビームに作用しやすくなるので、補正の効率を増すことができ省電力化が可能である。
【0021】
また、前記色選別電極は、その周縁部において、フレームにより張力を加えられた状態で保持されており、かつ、色選別電極の上下中央部に加えられる張力は、その4箇所のコーナー部に加えられる張力よりも大きく設定されていることを特徴としている。
このようにすれば、色選別電極の中央部の張力を周辺部よりも強くでき、スピーカなどの振動を受けて色選別電極の中央部が振動して画面が乱れるような不都合を回避できる。一般的に色選別電極には磁歪係数は負である鉄材料が使用されているので、張力の大きな上下中央部は上下周辺部に比べて磁気特性が低くなり、その磁気シールドの効果が低減して管軸方向の地磁気が陰極線管内部に進入し、ランディングずれが生じやすくなるが、環状ループを本発明のような形状にすることにより、上下中央部でのランディングずれの補正量を大きくすると共に上下周辺部でのランディングずれの補正量を相対的に小さくすることができ、有効画面全体にわたって適正なランディングずれ補正が確保できる。
【0022】
また、本発明に係る陰極線管装置は、陰極線管と偏向ヨークを備える陰極線管装置であって、前記陰極線管として上記陰極線管を用いていることを特徴としている。
さらに、本発明に係る画像表示装置は、陰極線管と偏向ヨークとからなる陰極線管装置を備え、画像信号に基づき陰極線管装置に画像を表示する画像表示装置であって、前記陰極線管装置として上記陰極線管装置を用いていることを特徴とする。
【0023】
これらにより上記陰極線管と同等な効果を享受する陰極線管装置もしくは画像表示装置を得ることがでできる。
ここで、上記画像表示装置において、前記ガラスバルブの内部に設けられる内部磁気シールドと、ユーザの入力を受け付けて、前記環状コイルに供給する電流値を変更し、陰極線管の画面に表示されている画像の傾きを調整する画像傾き調整手段と、前記画像傾き調整手段による調整が完了した後、前記内部磁気シールドおよび色選別電極を消磁する消磁手段とを備えるようにしてもよい。
【0024】
この構成により、画像傾き調整が実行された後に消磁処理を行うことになり、環状コイルによって発生された補正磁界の影響を加味した上での消磁処理ができ、よりランディングずれが生じにくい。
また、ここで、前記画像傾き調整手段は、陰極線管装置の画面に水平パターンを表示させるパターン表示手段を備え、ユーザは、当該水平パターンが真の水平方向に表示されるように前記画像傾き調整手段に入力するように構成してもよい。
【0025】
これにより、ユーザによる画像傾き調整が極めて容易になる。
さらに、前記傾き調整手段は、傾き調整完了の入力を受け付ける受付手段と、当該受付手段により傾き調整の完了の入力が受け付けられたときの前記環状コイルに供給される電流値を保持する保持手段とを備え、
前記消磁手段は、一対の消磁コイルを備え、前記受付手段により傾き調整の完了の入力が受け付けられたとき、前記画像傾き調整手段による調整が完了したと判断し、前記一対の消磁コイルに減衰交番電流を供給して、前記内部磁気シールおよび色選別電極を消磁することを特徴としてもよい。
【0026】
これにより、画像傾き調整の完了を確実に判断して、その後に消磁処理を実行できる。
また、本発明に係るコイルユニットは、陰極線管のガラスバルブに取り付けられるコイルユニットであって、前記ガラスバルブの管軸を挟んで上下の位置に配される一対の消磁コイルと、前記ガラスバルブの管軸方向における色選別電極の位置と偏向ヨーク取り付け予定位置との間において、前記ガラスバルブの外周を囲むような形状を有する環状コイルとを備え、前記環状コイルは、ガラスバルブの管軸とほぼ直交する平面内であって、当該ガラスバルブのほぼ上下方向に位置する第1のコイル部と、ガラスバルブのほぼ左右方向に位置し、ネック方向に折り曲げられた第2のコイル部とからなり、かつ、前記ガラスバルブに取り付けられたときに前記一対の消磁コイルとクロスする位置において予め固定されていることを特徴としている。
【0027】
ここで、上記コイルユニットは、前記ガラスバルブに取り付けられたときに、当該ガラスバルブの下方に来る位置において、前記環状コイルと前記一対の消磁コイルのうち下方の消磁コイルとは、その一方もしくは双方が相互に近接する箇所が少なくとも1箇所設けられており、その近接位置において、環状コイルが消磁コイルに固定されていることが望ましい。
【0028】
上記のようなコイルユニットを予め製造しておくことにより、陰極線管装置もしくは画像表示装置における製造ラインにおいて、消磁コイルと環状コイルの組み付けが極めて容易になり、生産効率が極めて向上する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るカラー陰極線管装置1について図面を参照しながら説明する。
図1は、上記カラー陰極線管装置1の外観を示す斜視図である。
同図に示すように、このカラー陰極線管装置1は、フェースパネル2及びこのフェースパネル2の後方に接続されたファンネル3およびネック4とからなるガラスバルブ5と、ネック4に内蔵された電子銃11と、ファンネル3のネック4寄り部分の外周部に備えられる偏向ヨーク6などを備える。
【0030】
フェースパネル2の外縁部には、ガラスバルブ5が爆縮しないように金属製のテンションバンド7が取り付けられており、このテンションバンド7の4箇所のコーナー部には、陰極線管装置1をテレビジョン装置の本体に取り付けるときに利用されるイヤー部71が設けられている。
ガラスバルブ5の外周のほぼ上下対称的な位置には、フェースパネル2とファンネル3に渡って1対の消磁コイル8、9が巻回されている。消磁コイル8、9は、導線を複数ターン巻回し、その表面を、例えば絶縁テープなどで被覆してなり、そのフェースパネル2のコーナー部に位置する部分は、テンションバンド7のイヤー部71に掛け回されて、ガラスバルブ5に対して位置決めされる。
【0031】
消磁コイル8、9に減衰交番電流を供給して、両コイル間で減衰交番磁界を発生させることにより内部磁気シールド15(図2参照)などが消磁される。
また、ガラスバルブ5外周部の、色選別電極13(図2参照)と偏向ヨーク6の間には、環状コイル10が巻回される。当該環状コイル10は、消磁コイル8、9と同じく導線を複数ターン巻回し、その表面を絶縁テープなどで被覆してなり、消磁コイル8、9とクロスするところで、当該消磁コイル8、9にテープ111などにより固定され、これにより環状コイル10がガラスバルブ5に対して位置決めされる。また、環状コイル10のフェースパネル2の下側中央の部分は粘着テープ112によりフェースパネル2に貼着され、その部分が下方に垂れて環状コイル10の全体のコイル形状が変形しないようになっている。
【0032】
図2は、図1の陰極線管装置1の平面図である。なお、本図では、環状コイル10の配設位置を説明することを目的としているため、図面の複雑化を避け、消磁コイル8、9やテンションバンド7などは図示を省略している。
同図に示すように環状コイル10は、その水平方向に伸びる部分が管軸Zに直交する平面α(以下、「コイル位置基準平面」という。)内にあると共に、水平方向の左右の領域が、管軸Zに対してほぼ対称な位置で偏向ヨーク6方向にほぼ90°折り曲げられた形状となっている。
【0033】
なお、本明細書において、例えば「コイルが特定の平面内にある」という表現は、「コイルをの中心がほぼ当該特定の平面内に位置する」ことを意味するものとする。
フェースパネル2の内面12には赤、緑、青の蛍光体が所定のピッチで塗布されて蛍光体スクリーン121が形成されており、フェースパネル2の内側には、シャドウマスク等の色選別電極13が配置されている。14は、この色選別電極13を、一定の張力を加えた状態で保持するフレームである。
【0034】
また、15は、内部磁気シールドであり、地磁気の進入を防ぎ、地磁気の、管軸に垂直な方向の成分が電子ビームの軌道に悪影響を及ぼすのを防ぐ役割を果たす。
また、本図において「a」は、フェースパネル2の内面と管軸の交わる位置から環状コイル10の長辺部が存するコイル位置基準平面αまでの管軸方向における距離であり、「b」は、上記コイル位置基平面からガラスバルブ5のリファレンスラインRLまでの管軸方向の距離である。
【0035】
後述するように、b/aの値が、適切な範囲内に設定されるとき本発明の効果が十分発揮される。
図3(a)は、上記環状コイル10の形状についてさらに詳しく説明するための図である。
同図に示すように、環状コイル10は、ほぼ矩形状のほぼ水平方向側(左右側)に位置するコイルの一部を偏向ヨーク側(紙面上方向)に折り曲げて段差状の折曲部を形成させたものであり、環状コイル10の長辺側の一部分が陰極線管装置1の管軸Zに垂直な平面(コイル位置基準平面)αに存在する共に、環状コイル10の短辺側が平面αから離れた位置に存在する。
【0036】
より具体的には、矩形状環状コイル10は、対向する一対の長辺側コイル部10a、10bと一対の短辺側コイル部10c、10dとからなり、長辺側コイル部10a、10bの短辺側よりのほぼ同じ位置を折り曲げて2つの折曲部101を形成した構造のものである。
すなわち、環状コイル10は、平面αに存在する長辺側コイル部10a、10bと短辺側コイル部10c、10dを含む折曲部101とからなる。本実施の形態において第1コイル部とは、平面αに存在する長辺側コイル10a、10bのことをいい、第2コイル部とは、折曲部101のことをいう。
【0037】
このように環状コイル10に偏向ヨーク側に折り曲げた折曲部101を形成させることにより、この部分でのランディングずれの補正量を小さくすることができる。
したがって、図2に示すように長辺側コイル部10a、10bをフェースパネル2とファンネル3との接合部のフリットシールド付近に配置することにより、小電流でのランディングずれの補正量を大きくしつつも、短辺側コイル部10c、10dをフリットシールド付近から離して偏向ヨーク側に折り曲げた折曲部101を設けることで、当該折曲部101近傍におけるランディングずれの補正量を小さくすることができる。
【0038】
これにより、画像の傾きを補正したときに、画面全域で過不足のない適正なランディングずれ補正を行うことが可能となる。
なお、図3(a)に示すような形状の環状コイル10は、特に、鉄製の薄板を架張した色選別電極(以下、「鉄SSTマスク」という)を使用する場合に格別の効果を奏する。
【0039】
この鉄SSTマスクは、スピーカなどの振動の影響を受けないようにするため、架張タイプの色選別電極に加える張力を、水平方向における中央部が周辺部よりも強くなるように設定しているが、使用している鉄材料の磁歪係数は負なので、張力の大きな上下中央部は上下周辺部に比べて磁気特性が低くなる。
そのため、特に鉄SSTマスクの中央部における磁気シールドの効果が低減し、管軸方向の地磁気が透過して陰極線管内部に進入し、ランディングずれが生じやすい。
【0040】
ところが、図3(a)に示すような環状コイル10を用いて、長辺側コイル部10a、10bをフェースパネル2とファンネル3とのフリットシールド付近に配置し、短辺側コイル部10c、10dをフリットシールド付近から離して偏向ヨーク6側に折曲部101を設けることで、上下中央部でのランディングずれの補正量を大きくし、さらに、折曲部101近傍で上下周辺部でのランディングずれの補正量を上下中央部の補正量よりも小さくすることができるので、特に上記鉄SSTマスクを用いた陰極線管において、本発明が適用されることにより得られる効果は大きい。
【0041】
なお、図3(a)における「A」は、環状コイル10の水平方向における長さを示す。また、図3(b)は、陰極線管装置1の有効画面21の斜視図を示しており、「W」は、その水平方向における長さを示す。後述するように本実施の形態に係る環状コイル10により格別の効果を得るためには、長さAが長さWに対して一定の関係にあることが望ましい。
【0042】
ここで有効画面とは、一般に「フェースパネルにおける画像が表示される領域」として定義される。
次に、本実施の形態に係るカラー陰極線管装置を用いた画像傾き調整とランディングずれ補正の効果について図4を用いて説明する。
なお、本実施の形態に係るカラー陰極線管装置は、32型(有効画面の水平方向の長さW=66cm)のもので、鉄SSTマスクの色選別電極を用い、環状コイルは、直径が0.4mmの導線を160ターン巻回し、そのコイル内周長を2200mmとしたほぼ矩形状のものであって、この長辺側コイル部をフェースパネル2とファンネル3とのフリットシールド部分近傍に配置するとともに、図3(a)に示すように長辺側のコイル部を短辺側から80mmの位置で偏向ヨーク側に折り曲げて、各折曲部101の管軸方向の長さLを80mmとしたものである。
【0043】
因みに、本実験の形態において、図2におけるa=9cm、b=23cmに設定され、また、図3(a)における環状コイル10の水平方向の長さAは、60cmである。
比較例として、折曲部101を形成しない環状コイルをフリットシールド部分の外周部に設けたカラー陰極線管装置を用いた(図16参照)。その他の構成は本実施の形態に係るものと同様である。
【0044】
なお、図4(a)〜4(c)は、本実施の形態に係る環状コイル10を用いた場合の電子ビームのずれ量及び画像の傾きを示したものであり、図4(d)〜4(f)は、比較例に係る環状コイルを用いた場合の電子ビームのランディングずれ量(μm)及び画像の傾きを示したものである。
以上において地磁気の管軸成分は、50μTである。
【0045】
まず、環境磁界をゼロにして消磁処理を行う。すなわち、消磁コイルに一定時間、減衰交流電流を流し、ガラスバルブ内部の磁性体からなる色選別電極、フレーム及び内部磁気シールド等の消磁処理を行う。
次に、電子ビームのランディング位置を測定し、この時のランディング位置を図4(a)、4(d)に示すように基準値(ずれ量が0)とする。このとき、画像の傾きが生じないように偏向ヨークを固定するので画像の傾きは発生していない。
【0046】
次に、カラー陰極線管装置を管軸を北向きに配して消磁処理をし、ランディング位置を測定する。図4(b)、4(e)はこのときのランディングのずれ量を示したものであり、双方とも画像は地磁気の影響により傾いている。
次に、カラー陰極線管装置を管軸が北向きの状態で環状コイルに所定の直流電流を流し、画像の傾きをゼロに補正し、消磁処理を行う。
【0047】
すなわち、環状コイルに直流電流を流すことで、地磁気による管軸方向の磁界と反対方向の磁界が発生するので、地磁気によって受けるローレンツ力とは逆方向の力を電子ビームに作用させることができ、画像の傾きを補正することができる。
このとき本実施の形態に係る環状コイルを用いた場合は、図4(c)に示すように画面全域でずれ量が補正されているのに対し、比較例に係る従来の環状コイルを用いた場合には、図4(f)に示すように上下中央部ではずれ量の絶対値は小さくなっているものの、上下周辺部では過補正となり、むしろ大きなずれが生じてしまっていることが分かる。
【0048】
以上述べたように、本実施の形態のように画像の傾きを補正するための環状コイル10を、図3(a)に示すような形状にしてそのコイル位置基準面を管軸方向の適切な位置に配することにより、従来の環状コイルに比べて、画像の傾きを補正したときに画面全体においてランディングずれ量を少なくでき、色ずれのない良好な画質を得られる。
【0049】
次に、上記環状コイル10について、その望ましい設置位置および形状について実験結果に基づき説明する。
(環状コイル10の好適な設置位置)
まず、環状コイル10の好適な設置位置、すなわちコイル位置基準平面αの管軸方向における位置について考察する。
【0050】
従来技術でも説明したように、一般的に環状コイルがフェースパネルに近付くと、傾き補正の感度が落ちるがランディングずれの補正量が増大し、反対に環状コイルが偏向ヨーク方向に近付くと傾き補正の感度が向上するがランディングずれの補正量が減少する傾向にあることが判明している。
したがって、画像傾き補正の感度やランディングずれ補正量は、単に環状コイルのフェースパネル内面からの距離a(図2参照)だけではなく、当該距離aと偏向中心から環状コイル10までの距離との相対的な関係で決定されるものと考えられる。
【0051】
偏向中心の管軸方向の位置は、図2のリファレンスラインRLとほぼ一致しているので、当該リファレンスラインRLからコイル位置基準平面αまでの距離bと上記距離aの相対比b/aの最適範囲が求められればよい。
そこで、図1の陰極線管装置1と同じ構成を有し、比較的大型なサイズの29型、32型、34型、36型の各陰極線管装置について、b/aの値を様々に変化させ、それぞれの位置で環状コイル(ここでの環状コイルは、図16に示すような1平面内に含まれるコイルが使用される)に通電する電流量を変化させて画像傾きを補正し、そのときにおけるNS部(有効画面の上下中央部:図3(b)参照)のランディングずれ量を測定して、これによりb/aの望ましい範囲を求めた。
【0052】
図5は、その実験結果を示す図である。
同図において、横軸は画面サイズ、縦軸は、b/aの値を示す。
ここで、各サイズの陰極線管装置における縦方向の矢印の範囲は、NS部において、環状コイルを設けていない場合よりもランディングずれ量が減少するb/aの範囲を示しており、それらの共通範囲が2本の一点鎖線(b/a=1.6およびb/a=10)の線上およびそれらで挟まれる範囲である。
【0053】
したがって、1.6≦b/a≦10に設定すれば、実験に用いた全てのサイズの陰極線管装置のNS部において、少なくとも環状コイルを設けない場合よりもランディングずれ量が減少する効果が得られる。
さらに、b/aの値が2本の実線(b/a=2.0およびb/a=3.0)の線上及びそれらで挟まれる範囲である場合には、いずれのサイズの陰極線管装置においても、NS部におけるランディングずれ量を、±10μmの範囲内に収めることができた。
【0054】
因みに、現在最高解像度のカラー陰極線管装置における蛍光体スクリーンの各色の蛍光体のストライプの幅は0.55mmであり、この場合においてランディングずれ量が20μm以下の場合に色ずれは全く生じないとされているので、上述のようにNS部におけるランディングずれ量を、±10μmの範囲内とする効果は大きい。
【0055】
以上から、コイル位置基準平面αの位置を、
1.6≦b/a≦10・・・(1)
とすることにより、従来よりもランディングずれ量低減の効果があり、さらには、
2.0≦b/a≦3.0・・・(2)
の関係を満たすようにすれば、より望ましい効果を得ることができる。
【0056】
(環状コイルの好適な形状)
▲1▼環状コイルの水平方向の長さAの範囲について
この長さAも当該陰極線管装置1のサイズ、特に有効画面の水平方向の長さWに応じて相対的に決められるべきものである。なぜならば、NS部とコーナー部におけるランディングずれの補正量のアンバランスの是正が本発明の課題であり、それは有効画面の水平方向の長さWに対する環状コイルの水平方向の長さA、言い換えれば、どの位置で折曲部101が形成されているかにより大きく左右されると考えられるからである。
【0057】
また、有効画面のNS部とコーナー部におけるランディングずれの補正量を双方とも許容範囲内にするためには、環状コイル10により補正しない状態におけるもともとのランディングずれ量の相対比を考慮することが望ましい。
そこで、環状コイル10に通電しない状態で、陰極線管装置における有効画面の各コーナー部(図3(b)のNE部、NW部、SE部、SW部)におけるランディングずれ量を測定してその平均値をDとし、一方、有効画面の上下の中央部(N部、S部)におけるランディングずれ量の平均値をNSとして、D/NSを求め、このD/NSと上記水平方向における環状コイル10の長さAと有効画面の長さWとの比、A/Wの関係を調べたところ図6のグラフに示すような結果が得られた。
【0058】
なお、ここでは、b/aの範囲は、上記(2)式を満たすように設定し(具体的には図5におけるドットの値)、また、段差Lの大きさを、ほぼ0.12Aに設定している。
図6において、横軸は、D/NSの値、縦軸は、A/Wの値を示す。
ここで、各サイズの陰極線管装置において、当該環状コイルによって補正された後のDの絶対値(以下、「D’」と記す。)が、最も小さくなる点をプロットして結ぶと、次の直線の式が得られる。
【0059】
A/W=0.3×(D/NS)+0.8・・・(3)
そして、環状コイル10に通電せずに全く傾き補正などしない場合のDの絶対値よりもD’が少しでも小さくなっておれば、環状コイルによる一応の効果があるといえるから、各サイズの陰極線管装置においてこれを満たすA/Wの範囲を調べると、それぞれ図6の矢印の範囲となり、これらの範囲を共通に含む点を結ぶと、上限がほぼ、上記(3)式の直線を上方へ0.1だけ平行移動した、
A/W=0.3×(D/NS)+0.9
となり、下限が、ほぼ、上記(3)式を下方へ0.1だけ平行移動した、
A/W=0.3×(D/NS)+0.7
となる。
【0060】
したがって、補正後のコーナー部のランディングずれ量が、環状コイルを使用しない場合よりも小さくなるための条件は次の式で与えられる。
F(D/NS)−0.1≦A/W≦F(D/NS)+0.1 …(4)
但し、F(D/NS)=0.3×(D/NS)+0.8
D、NSの値は実測で求められ、Wは、陰極線管装置1のサイズごとに決まっているので、上記(4)式を満たすAの値が容易に定まる。
【0061】
なお、ここで図16に示す従来の環状コイルで補正した場合のコーナー部のランディングずれ量を基準とせずに、環状コイルで全く補正しない場合のコーナー部のランディングずれ量を基準として、それより望ましい範囲を求めたのは、図4(e)、4(f)のずれ量の数値を見ても分かるように、環状コイルで補正しない方が、図16の環状コイルにより補正したときのそれよりも絶対値が小さいからであり、環状コイルがない場合より改善されれば、必ず従来の環状コイルで補正した場合よりも、コーナー部のランディングずれ量が改善されると言えるからである。この考え方は、次の実験においても同じである。
【0062】
▲2▼段差Lの好適な範囲
次に、環状コイル10の水平方向の長さAとコイル段差Lの関係により、コーナー部のランディングずれ量の改善量を調べて、Aに対するLの好適な範囲を調べた。図7はその実験結果を示すグラフである。
ここで、b/a、A/Wの値は、それぞれ図5、図6の各陰極線管装置のドットの値を採用した。
【0063】
図7において、各サイズの陰極線管装置における矢印の範囲は、コーナー部におけるランディングずれ量が改善されるLの範囲を示すものであり、Lが当該範囲より大きくなるとコーナー部のランディングずれの補正ができず、反対にLが当該範囲より小さくなると、図16に示す環状コイルとほとんど差がなくなり、コーナー部の補正量が過補正となってしまう。
【0064】
そして、各陰極線管装置の許容範囲を含む共通の上限は、L=0.16Aであり、共通の下限は、L=0.08Aと求められた。
すなわち、0.08≦L/A≦0.16・・・(5)の条件を満たせば、従来よりはコーナー部のランディングずれ量を小さくできると言える。
次の図8は、本実施の形態に係る陰極線管装置1の効果を示すための比較実験の結果である。
【0065】
(1)の「ランディングずれ補正前」は、環状コイルを使用していないときのNS部とコーナー部におけるランディングずれ量の実測値のプロットであり、(2)の「従来技術」は、図16で示した従来の環状コイルによる補正を行ったときの、NS部とコーナー部におけるランディングずれ量の実測値のプロットである。
【0066】
また、(3)の「本発明」は、陰極線管装置について図5、図6、図7の全てにおいて望ましい値を設定したときの、NS部とコーナー部におけるランディングずれ量の実測値のプロットである。
なお、それぞれ各サイズの陰極線管装置について複数回実験を行っており、各プロット群において矢印と共に記されている数字は、当該プロット群におけるランディングずれ量の平均値を示す。
【0067】
同実験結果からも分かるように、本発明によれば、NS部、コーナー部共にランディングずれ量は、±10μmの範囲内に収まり、極めて良好な結果を得ることができた。
なお、上記実験では、代表的なサイズである29型、32型、34型、36型の陰極線管装置1について各条件式(特に式(1)、(4)、(5))を導き出したが、他のサイズの陰極線管装置でもこれらの条件式を満たせば、少なくとも従来よりは、NS部およびコーナー部のランディングずれ量が低減されることが、実験により確認された。
【0068】
(画像表示装置)
図9は、本発明に係るカラー受像管装置1が適用される画像表示装置の一例としてのテレビ受像機200の回路構成を示す概略ブロック図である。
同図に示すようにこのテレビ受像機200は、映像信号受信回路202、音声回路203、色信号再生回路204,同期回路205、スピーカ206、垂直偏向回路207、水平偏向回路208、画像傾き調整部210および上記カラー陰極線管装置1などからなる。
【0069】
映像信号受信回路202は、アンテナ201を介して受信したテレビ信号を検波して、音声信号、映像信号および同期信号に分離し、それぞれ音声回路203、色信号再生回路204および同期回路205に送出する。
音声回路203は、上記音声信号に基づいてスピーカ206を駆動して音声を再生する。
【0070】
色信号再生回路204は、映像信号によりR、G、Bの色信号を復調して、カラー受像管装置1のインライン電子銃11に各色信号に応じた電圧を印加してR、G、B用の3本の電子ビームを照射させる。
同期回路205は同期信号から垂直同期信号と水平同期信号を分離してそれぞれ、垂直偏向回路207と水平偏向回路208に出力する。垂直偏向回路207、水平偏向回路208は、入力された各同期信号に基づき、それぞれノコギリ波電流を発生し、垂直偏向電流、水平偏向電流として、偏向ヨーク6内の垂直偏向コイルおよび水平偏向コイル(双方とも不図示)に供給し、これにより各色ごとの電子ビームを規則正しく偏向させて、蛍光体スクリーン121(図2参照)をラスター走査させる。
【0071】
画像傾き調整部210は、ユーザの入力を受け付けて、画像の傾きとランディングずれ量を調整する。
図10は、上記画像傾き調整部210の構成を示すブロックである。
同図に示すようにこの画像傾き調整部210は、CPU211、消磁用電流供給部212、傾き補正用電流供給部213、ROM214、EEPROM215および操作部216などからなる。
【0072】
消磁用電流供給部212は、CPU211からの指示を受けて消磁コイル8,9に減衰交番電流を一定時間供給する。
傾き補正用電流供給部213は、操作部216からのユーザの入力により、環状コイル10に通電する電流の大きさおよび向きを変化させて、画像の傾きを調整する。
【0073】
ROM214には、上記傾き調整のための制御プログラムや水平パターンの画像データなどが格納されており、EEPROM215は、上記傾き調整により最終的に決定された環状コイル10へ通電する電流値を保持する。
図11は、上記操作部216の入力ボタンの構成例である。
ユーザが画像傾き調整ボタン217を押下すると、傾き調整モードに切り替わり、回転ボタン218もしくは219を操作して画像の傾きを修正し、当該修正内容でよければ、確認としてOKボタン220を押下するようになっている。
【0074】
図12は、上記画像傾き調整部210で実行される画像傾き調整処理の内容を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、画像傾き調整ボタン217がONされたか否かを判定し、ONされれば、ステップS2に移って、ROM214から、水平パターンの画像データを読み出して映像信号受信回路に送信して、図13に示すように水平パターン22を画面に表示させる。
【0075】
そして、ユーザが、水平パターン22が真の水平位置に来るように回転ボタン218もしくは219の押下する操作を受け付けて、環状コイル10に供給する電流量およびその方向を決定し、その指示を傾き補正用電流供給部213に送る処理(傾き調整受付処理)を、OKボタン220がONになるまで実行する(ステップS3、S4)。
【0076】
OKボタン220がONになると(ステップS4:Yes)、傾き調整が完了したと判断して、そのときの環状コイル10へ供給していた電流値をその方向も含めてEEPROM215に保持し、以後、当該保持された値の電流を、当該保持された方向で環状コイル10に通電して画像傾き補正を実行する。
そしてステップS6で水平パターン22を消去して、画像傾き調整処理に入る前の画面に戻してから、消磁処理を実行する(ステップS7)。
【0077】
すなわち、消磁用電流供給部212により消磁コイル8、9に減衰交番電流を通電して、両者間で減衰交番磁界を発生して、ガラスバルブ内部の内部磁気シールド15や色選別電極13などの磁性体を消磁させる。
このように画像傾き調整の後において消磁処理を実行することにより、環状コイル10の発生する磁界に対してもガラスバルブ5内部の磁性体を消磁することができるので、より磁気シールド効果が向上し、ランディングずれを少なくすることができる。
【0078】
(変形例)
以上、本実施の形態に係るカラー陰極線管装置の実施の形態について説明したが、その他、次のような変形例を考えることができる。
すなわち、上記実施の形態においては、環状コイル10としてほぼ矩形状のものを用いたが、矩形状に限るものではなく、円形状、楕円形状等のものであっても構わない。但し、組み立て時等において環状コイル10に接触して変形させてしまうおそれもあり、できるだけガラスバルブ5の表面に這うように取り付けるのが望ましい。
【0079】
また、上記実施の形態においては、環状コイル10の短辺側を折り曲げて折曲部101を形成したが、その形状は特に本実施の形態のものに限るものではなく、単にコイルの一部分を偏向ヨーク側に突出させた構造でも、ランディングずれの適正な補正の目的を達成できる。
また、ランディングの状態によっては、折曲部101は、必ずしも左右対称である必要はなく、場合によってはどちらか一方だけを折り曲げるようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、環状コイル10を消磁コイル8,9に、そのクロスする部分でテープなどで固定することにより環状コイル10をガラスバルブ5に位置決めすると共に落下等によるガラスバルブ5からの離脱を防止したが、これ以外の固定方法を用いても構わない。
但し、環状コイル10と消磁コイル8,9をとめるだけの構成によれば、これらをまとめてコイルユニットとして予め作成しておき、これをカラー陰極線管装置1の製造時にガラスバルブ5に装着するようにすれば、製造ラインでの作業が円滑になる。
【0081】
また、上記実施の形態では、ガラスバルブ5の下方の部分の環状コイル10が下方に垂れないように粘着テープ112でとめるようにしたが、コイルユニットとして構成する場合には、この下方の部分でも環状コイル10と消磁コイル9をとめておく方が、製造ラインでわざわざ粘着テープ112を貼る手間が省けて便利である。
【0082】
図14(a)、(b)、(c)および図15(a)、(b)、(c)は、上記固定方法における第1と第2の例を示す概要図であり、それぞれ陰極線管に環状コイル10と消磁コイル8,9を装着した状態における、上面図、背面図、下面図を示している。
各図において○の部分は、環状コイル10と消磁コイル8,9を予めテープなどで巻いて固定している部分であり、また、×の部分は、消磁コイル8,9をテンションベルト7の各コーナー部のイヤー部71に掛け回している位置を示している。また、陰極線管のサイズをアスペクト比が16:9の36型である場合を一例として各寸法が参考として記入されている。
【0083】
第1の例では、図14(c)の下面図に示すように、環状コイル10の下部水平部におけるほぼ中央部の1箇所を消磁コイル9側に湾曲させて近接させ、その部分113でテープなどで両者を固定しており、また、第2の例では、図15(c)の下面図に示すように、環状コイル10の下部水平部における3箇所114、115、116において消磁コイル9側に湾曲させて近接させ、その部分で両者を固定するようにしている。
【0084】
このような状態で予めコイルユニットとして作成しておけば、カラー陰極線管装置1の製造ラインでは、消磁コイル8,9をテンションベルト7の各コーナー部71に掛けるだけで、双方のコイルの取り付けと位置決めが同時に行えて生産性が極めて向上する。
【0085】
【発明の効果】
以上述べたように本発明に係るカラー陰極線管は、ガラスバルブの管軸方向における前記色選別電極の位置と偏向ヨーク取り付け予定位置との間において、前記ガラスバルブの外周を囲むように配設され所定の大きさの直流電流が供給される環状コイルとを備え、前記環状コイルは、ガラスバルブの管軸とほぼ直交する平面内であって、当該ガラスバルブのほぼ上下方向に位置する第1のコイル部と、ガラスバルブのほぼ左右方向に位置し、ネック方向に折り曲げられた第2のコイル部とからなるように構成されている。
【0086】
この構成により、環状コイルが同一平面状にない第1コイル部と第2コイル部を有することになり、偏向ヨークに近い第2コイルによってコーナ部分におけるランディングずれの補正量を小さくすることができる。したがって、この環状コイルにより、画像傾き調整を行うと共に画面全域で均衡の取れたランディングずれ補正を行うことが可能となり、画面全域で色ずれのないカラー陰極線管を提供することができる。
【0087】
また、本発明に係る陰極線管装置および画像表示装置によれば、上記構成の陰極線管を備えているので、これと同様に画像傾きと色ずれのない良好な画質の画面を得ることができる。
さらに、本発明に係るコイルユニットによれば、前記ガラスバルブの管軸を挟んで上下の位置に配される一対の消磁コイルと、前記ガラスバルブの管軸方向における色選別電極の位置と偏向ヨーク取り付け予定位置との間において、前記ガラスバルブの外周を囲むような形状を有する環状コイルとを備え、前記環状コイルは、ガラスバルブの管軸とほぼ直交する平面内であって、当該ガラスバルブのほぼ上下方向に位置する第1のコイル部と、ガラスバルブのほぼ左右方向に位置し、ネック方向に折り曲げられた第2のコイル部とからなり、かつ、前記ガラスバルブに取り付けられたときに前記一対の消磁コイルとクロスする位置において予め固定されているので、このようなコイルユニットを陰極線管のガラスバルブに装着するだけで、上述の効果を有する陰極線管を容易に製造でき、生産効率が極めて向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラー陰極線管装置の外観斜視図である。
【図2】図1のカラー陰極線管装置1の平面図である。
【図3】(a)は、本発明におけるカラー陰極線管装置の環状コイルの形状を説明するための図、(b)は、有効画面を示す図である。
【図4】(a)〜(c)、(d)〜(f)は、それぞれ本発明の実施の形態及び比較例に係るカラー陰極線管装置の電子ビームのランディングずれ量及び画面の傾きを示した図である。
【図5】環状コイルの取り付け位置の好適範囲を示すグラフである。
【図6】環状コイルの水平方向における長さの好適範囲を示すグラフである。
【図7】環状コイルの水平方向で折り曲げた部分の段差の好適範囲を示す範囲である。
【図8】本発明に係るカラー陰極線管装置と従来のカラー陰極線管装置の比較実験の結果を示す図である。
【図9】本発明に係るカラー陰極線管装置を搭載したテレビ受信装置の構成を示す図である。
【図10】画像傾き調整部の構成を示すブロック図である。
【図11】画像傾き調整部の操作部の1例を示す図である。
【図12】画像傾き調整部で実行される処理内容を示すフローチャートである。
【図13】画像傾き調整の際に陰極線管装置の画面に表示される水平パターンの例を示す図である。
【図14】ガラスバルブ下方における環状コイルの消磁コイルへの固定方法の別の例を示す図である。
【図15】ガラスバルブ下方における環状コイルの消磁コイルへの固定方法のさらに別の例を示す図である。
【図16】従来のカラー陰極線管装置における環状コイルの形状を示す図である。
【符号の説明】
1 陰極線管装置
2 フェースパネル
3 ファンネル
4 ネック
5 ガラスバルブ
6 偏向ヨーク
7 テンションバンド
8,9 消磁コイル
10 環状コイル
13 色選別電極
14 フレーム
15 内部磁気シールド
21 有効画面
22 水平パターン
101 折曲部
200 テレビ受像機
210 画像傾き調整部
Claims (16)
- フェースパネルとファンネルとネックとからなるガラスバルブと、
前記ガラスバルブのフェースパネルの内側に配設される色選別電極と、
前記ガラスバルブの管軸方向における前記色選別電極の位置と偏向ヨーク取り付け予定位置との間において、前記ガラスバルブの外周を囲むように配設され、所定の大きさの直流電流が供給される環状コイルとを備え、
前記環状コイルは、
ガラスバルブの管軸とほぼ直交する平面内であって、当該ガラスバルブのほぼ上下方向に位置する第1のコイル部と、
ガラスバルブのほぼ左右方向に位置し、ネック方向に折り曲げられた第2のコイル部とからなる
ことを特徴とする陰極線管。 - フェースパネル内面から前記環状コイルの第1のコイル部の配された位置までの管軸方向における距離をa、第1のコイル部の配された位置からガラスバルブのリファレンスラインまでの管軸方向の距離をbとすると、
1.6≦b/a≦10
の関係が成立することを特徴とする請求項1記載の陰極線管。 - 前記第1のコイル部の水平方向の長さをA、陰極線管の有効画面の水平方向の長さをW、前記環状コイルに通電しないときの有効画面の4隅におけるランディングずれ量の平均値をD、有効画面の上部および下部のそれぞれの中央部におけるランディングずれ量の平均値をNSとすると、
0.3×(D/NS)+0.7≦A/W≦0.3×(D/NS)+0.9
の関係が成立することを特徴とする請求項1または2に記載の陰極線管。 - 前記第2のコイルの、前記第1のコイル部の位置する平面から一番離れている部分の、前記平面からの管軸方向における距離をL、前記第1のコイル部の水平方向の長さをAとすると、
0.08≦(L/A)≦0.16
の関係が成立することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の陰極線管。 - 前記ガラスバルブの外周面に、さらに一対の消磁コイルが取り付けられており、前記環状コイルは、前記一対の消磁コイルとクロスする部分で固定されることにより、前記ガラスバルブの外周面に位置決めされることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の陰極線管。
- ガラスバルブの下方において、前記環状コイルと前記一対の消磁コイルのうち下方の消磁コイルとは、その一方もしくは双方が相互に近接する箇所が少なくとも1箇所設けられており、その近接位置において、環状コイルが消磁コイルに固定されることを特徴とする請求項5に記載の陰極線管。
- 前記環状コイルの一部が粘着テープにより当該ガラスバルブの下面に固着されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の陰極線管。
- 前記環状コイルは、ほぼ前記ガラスバルブの表面に沿うようにして取り付けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の陰極線管。
- 前記色選別電極は、その周縁部において、フレームにより張力を加えられた状態で保持されており、かつ、色選別電極の上下中央部に加えられる張力は、その4箇所のコーナー部に加えられる張力よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の陰極線管。
- 陰極線管と偏向ヨークを備える陰極線管装置であって、
前記陰極線管として請求項1から9のいずれかに記載の陰極線管を用いていることを特徴とする陰極線管装置。 - 陰極線管と偏向ヨークとからなる陰極線管装置を備え、画像信号に基づき陰極線管装置に画像を表示する画像表示装置であって、
前記陰極線管装置として請求項10記載の陰極線管装置を用いていることを特徴とする画像表示装置。 - 前記ガラスバルブの内部に設けられる内部磁気シールドと、
ユーザの入力を受け付けて、前記環状コイルに供給する電流値を変更し、陰極線管の画面に表示されている画像の傾きを調整する画像傾き調整手段と、
前記画像傾き調整手段による調整が完了した後、前記内部磁気シールドおよび色選別電極を消磁する消磁手段と
を備えることを特徴とする請求項11に記載の画像表示装置。 - 前記画像傾き調整手段は、陰極線管装置の画面に水平パターンを表示させるパターン表示手段を備え、
ユーザは、当該水平パターンが真の水平方向に表示されるように前記画像傾き調整手段に入力するように構成されていることを特徴とする請求項12記載の画像表示装置。 - 前記傾き調整手段は、
傾き調整完了の入力を受け付ける受付手段と、
当該受付手段により傾き調整の完了の入力が受け付けられたときの前記環状コイルに供給される電流値を保持する保持手段とを備え、
前記消磁手段は、一対の消磁コイルを備え、前記受付手段により傾き調整の完了の入力が受け付けられたとき、前記画像傾き調整手段による調整が完了したと判断し、前記一対の消磁コイルに減衰交番電流を供給して、前記内部磁気シールおよび色選別電極を消磁することを特徴とする請求項12または13に記載の画像表示装置。 - 陰極線管のガラスバルブに取り付けられるコイルユニットであって、
前記ガラスバルブの管軸を挟んで上下の位置に配される一対の消磁コイルと、
前記ガラスバルブの管軸方向における色選別電極の位置と偏向ヨーク取り付け予定位置との間において、前記ガラスバルブの外周を囲むような形状を有する環状コイルとを備え、
前記環状コイルは、ガラスバルブの管軸とほぼ直交する平面内であって、当該ガラスバルブのほぼ上下方向に位置する第1のコイル部と、ガラスバルブのほぼ左右方向に位置し、ネック方向に折り曲げられた第2のコイル部とからなり、
かつ、前記ガラスバルブに取り付けられたときに前記一対の消磁コイルとクロスする位置において予め固定されている
ことを特徴とするコイルユニット。 - 前記ガラスバルブに取り付けられたときに、当該ガラスバルブの下方に来る位置において、前記環状コイルと前記一対の消磁コイルのうち下方の消磁コイルとは、その一方もしくは双方が相互に近接する箇所が少なくとも1箇所設けられており、その近接位置において、環状コイルが消磁コイルに固定されていることを特徴とする請求項15に記載のコイルユニット。
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