JP2004048694A - 投写型画像表示システム、プロジェクタ、プログラム、情報記憶媒体および画像投写方法 - Google Patents
投写型画像表示システム、プロジェクタ、プログラム、情報記憶媒体および画像投写方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】投写対象領域をセンシングしてセンシング情報を出力するセンサー60と、センシング情報に基づき検出情報を出力するエッジ検出部146と、検出情報に基づき投写可能領域を決定する投写可能領域決定部144と、当該投写可能領域から投写領域を選択する投写領域選択部142と、選択された投写領域のセンシング情報に基づいて投写領域の視環境に応じたセンシングデータを生成するセンシングデータ生成部170と、LUTデータを生成するLUTデータ生成部160と、生成されたLUTデータに基づき画像情報を補正する補正部120と、補正された画像情報に基づき投写領域へ向け画像を投写する画像投写部190とを液晶プロジェクタに設ける。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、投写位置を変更可能な投写型画像表示システム、プロジェクタ、プログラム、情報記憶媒体および画像投写方法に関する。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】
液晶プロジェクタ等の投写型画像表示システムは、教室、映画館、会議室、展示場、家庭のリビングルーム等で用いられている。
【0003】
液晶プロジェクタ等を用いて画像を投写する場合、画像投写部と投写面との間に障害物があると、投写光が障害物に当たって影が発生したり、障害物が視界を遮ったりして画像が見づらくなってしまう。
【0004】
例えば、家庭のリビングルームは、液晶プロジェクタ等のユーザーだけでなく、当該ユーザーの家族も使用する。このため、ユーザーが投写領域として壁面に広い領域を確保していた場合であっても、家族が壁面に家具、観葉植物等を配置してしまい、ユーザーが意図していた投写領域の一部が家具等と重なってしまう場合がある。
【0005】
また、例えば、展示場等で製品紹介画像や広告画像を投写する場合、投写領域内の本来意図していない領域に人が入ってしまい、画像が見づらくなってしまう場合がある。
【0006】
このような場合、ユーザーは、液晶プロジェクタ等を移動したり、液晶プロジェクタ等の投写方向を変更したりして障害物を避けて画像を投写するのが一般的であるが、液晶プロジェクタ等の移動には手間がかかる上、キャリブレーションを再実行する必要もある。
【0007】
また、液晶プロジェクタ等を用いて画像を投写する場合、ユーザーは、投写時の状況に応じて自分が表示したい投写領域に画像を投写したい場合もある。
【0008】
例えば、リビングルームとキッチンが一体化した部屋の場合、ユーザーは、通常はリビングルームの壁面に画像を投写し、料理を作る時にはキッチンの壁面に画像を投写したい場合がある。
【0009】
また、例えば、プレゼンテーションを行う場合、利き腕が右のプレゼンターは、観客から見て右側に画像を表示したほうが指示棒で指示しやすく、利き腕が左のプレゼンターは、観客から見て左側に画像を表示したほうが指示棒で指示しやすい。
【0010】
このような場合、より効果的なプレゼンテーションを行うためには、画像の投写位置を変更したほうがよいが、プレゼンターが変わる度に手動でプロジェクタの投写位置を調整したり、キャリブレーションを実行すると手間や時間がかかってしまう。
【0011】
さらに、ユーザーの意図した画像を表示するためには、環境光(照明光や日光等)や投写面の影響を考慮して画像の色や明るさを補正する必要がある。
【0012】
近年では、家庭においても部分照明が採り入れられており、投写位置によって環境光の画像への影響が異なり、同じ設定で投写位置を変更すると、画像の見え方が大きく異なってしまう場合もある。
【0013】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、投写位置の変更が容易な投写型画像表示システム、プロジェクタ、プログラム、情報記憶媒体および画像投写方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る投写型画像表示システムは、投写対象領域をセンシングしてセンシング情報を出力するセンシング手段と、
当該センシング情報に基づき、エッジ検出処理または色分布検出処理を実行してセンシング画像におけるエッジまたはセンシング画像における色分布を示す検出情報を出力する検出手段と、
当該検出情報に基づき、投写対象領域のうち障害物の存在しない投写可能領域を決定する投写可能領域決定手段と、
ユーザーの選択または所定の基準に基づき、当該投写可能領域から投写領域を選択する投写領域選択手段と、
当該投写領域に画像が表示されるように、入力画像情報を調整する調整手段と、
調整後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写する画像投写手段と、
を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るプロジェクタは、投写対象領域をセンシングしてセンシング情報を出力するセンシング手段と、
当該センシング情報に基づき、エッジ検出処理または色分布検出処理を実行してセンシング画像におけるエッジまたはセンシング画像における色分布を示す検出情報を出力する検出手段と、
当該検出情報に基づき、投写対象領域のうち障害物の存在しない投写可能領域を決定する投写可能領域決定手段と、
ユーザーの選択または所定の基準に基づき、当該投写可能領域から投写領域を選択する投写領域選択手段と、
当該投写領域に画像が表示されるように、入力画像情報を調整する調整手段と、
調整後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写する画像投写手段と、
を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、
コンピュータを、
投写対象領域をセンシングしてセンシング情報を出力するセンシング手段と、
当該センシング情報に基づき、エッジ検出処理または色分布検出処理を実行してセンシング画像におけるエッジまたはセンシング画像における色分布を示す検出情報を出力する検出手段と、
当該検出情報に基づき、投写対象領域のうち障害物の存在しない投写可能領域を決定する投写可能領域決定手段と、
ユーザーの選択または所定の基準に基づき、当該投写可能領域から投写領域を選択する投写領域選択手段と、
当該投写領域に画像が表示されるように、入力画像情報を調整する調整手段と、
調整後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写する画像投写手段として機能させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、コンピュータにより読み取り可能なプログラムを記憶した情報記憶媒体であって、
コンピュータを、
投写対象領域をセンシングしてセンシング情報を出力するセンシング手段と、
当該センシング情報に基づき、エッジ検出処理または色分布検出処理を実行してセンシング画像におけるエッジまたはセンシング画像における色分布を示す検出情報を出力する検出手段と、
当該検出情報に基づき、投写対象領域のうち障害物の存在しない投写可能領域を決定する投写可能領域決定手段と、
ユーザーの選択または所定の基準に基づき、当該投写可能領域から投写領域を選択する投写領域選択手段と、
当該投写領域に画像が表示されるように、入力画像情報を調整する調整手段と、
調整後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写する画像投写手段として機能させるためのプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る画像投写方法は、投写対象領域をセンシングしてセンシング情報を出力し、
当該センシング情報に基づき、エッジ検出処理または色分布検出処理を実行してセンシング画像におけるエッジまたはセンシング画像における色分布を示す検出情報を出力し、
当該検出情報に基づき、投写対象領域のうち障害物の存在しない投写可能領域を決定し、
ユーザーの選択または所定の基準に基づき、当該投写可能領域から投写領域を選択し、
当該投写領域に画像が表示されるように、入力画像情報を調整し、
調整後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写することを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、投写型画像表示システム等は、障害物(例えば、机、観客等)が存在しない投写可能領域を自動的に決定することができるため、ユーザーは、投写位置の変更をより簡易に行うことが可能となる。
【0020】
また、前記投写型画像表示システムおよび前記プロジェクタは、前記センシング情報に基づき、視環境に応じて画像を補正するための所定の画像補正用データを生成する画像補正用データ生成手段と、
前記調整手段による調整後の入力画像情報を、前記画像補正用データに基づき補正する補正手段と、
を含み、
前記画像投写手段は、前記補正手段による補正後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写してもよい。
【0021】
また、前記プログラムおよび前記情報記憶媒体は、コンピュータを、前記センシング情報に基づき、視環境に応じて画像を補正するための所定の画像補正用データを生成する画像補正用データ生成手段と、
前記調整手段による調整後の入力画像情報を、前記画像補正用データに基づき補正する補正手段として機能させ、
前記画像投写手段は、前記補正手段による補正後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写してもよい。
【0022】
また、前記画像投写方法は、前記センシング情報に基づき、視環境に応じて画像を補正するための所定の画像補正用データを生成し、
調整後の入力画像情報を、前記画像補正用データに基づき補正し、
補正後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写してもよい。
【0023】
これによれば、投写型画像表示システム等は、投写対象領域のセンシング結果に基づいて画像補正用データを生成し、当該画像補正用データを用いて入力画像情報を補正することにより、投写位置の視環境に応じて画像を補正することが可能となる。
【0024】
また、前記投写型画像表示システム、前記プロジェクタ、前記プログラムおよび前記情報記憶媒体において、前記画像補正用データ生成手段は、前記投写領域選択手段によって選択された投写領域に該当する部分のセンシング情報に基づき、当該投写領域の視環境を把握して前記画像補正用データを生成してもよい。
【0025】
また、前記画像投写方法において、前記画像補正用データ生成手段は、選択した投写領域に該当する部分のセンシング情報に基づき、当該投写領域の視環境を把握して前記画像補正用データを生成してもよい。
【0026】
これによれば、投写型画像表示システム等は、投写位置を変更した場合であっても、当該投写位置の視環境に応じて画像を補正することにより、画像の見え方を一定に保つことができる。
【0027】
また、前記投写型画像表示システム、前記プロジェクタ、前記プログラムおよび前記情報記憶媒体において、前記画像投写手段は、空間光変調器を有し、
前記調整手段は、前記センシング情報に基づく投写対象領域と、前記空間光変調器の画素領域とを対応づけ、画像の位置および大きさの少なくとも一方を調整するように、前記入力画像情報を調整してもよい。
【0028】
また、前記画像投写方法において、前記センシング情報に基づく投写対象領域と、空間光変調器の画素領域とを対応づけ、画像の位置および大きさの少なくとも一方を調整するように、前記入力画像情報を調整してもよい。
【0029】
これによれば、投写型画像表示システム等は、投写対象領域と空間光変調器の画素領域との対応づけを自動的に行うことができるため、適切な画像の大きさで画像を投写することができる。
【0030】
また、前記投写型画像表示システム、前記プロジェクタ、前記プログラムおよび前記情報記憶媒体において、前記センシング手段は、所定のタイミングで繰り返しセンシングしてセンシング情報を出力し、
前記検出手段は、新たなセンシング情報に基づき検出情報を出力し、
前記投写可能領域決定手段は、新たな検出情報に基づき、前記投写可能領域を新たに決定してもよい。
【0031】
また、前記画像投写方法において、所定のタイミングで繰り返しセンシングしてセンシング情報を出力し、
新たなセンシング情報に基づき検出情報を出力し、
新たな検出情報に基づき、前記投写可能領域を新たに決定してもよい。
【0032】
これによれば、投写型画像表示システム等は、所定のタイミングで繰り返しセンシングとエッジ検出を行うことにより、障害物の位置等が変化した場合、具体的には、例えば、投写領域に観客が重なってしまった場合等において、障害物のない投写領域に画像を投写するように自動的に調整することができるため、ユーザーは、投写位置の変更をより簡易に行うことが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、液晶プロジェクタを用いた投写型画像表示システムに適用した場合を例に採り、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を何ら限定するものではない。また、以下の実施形態に示す構成の全てが、特許請求の範囲に記載された発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0034】
(システム全体の説明)
以下、家庭のリビングルームに液晶プロジェクタを配置して壁に画像を投写する場合を例に採り説明する。
【0035】
図1は、本実施形態の一例に係る投写領域40の概略説明図である。
【0036】
壁面を、画像を投写する投写対象領域10として用いる場合、絵画20や観葉植物22等の障害物が存在すると、その部分が影になってしまい、液晶プロジェクタは、画像を適切に投写することができない。
【0037】
特に、リビングルームは、家族の複数のメンバーが使用する場所であるため、メンバーが絵画20や観葉植物22等を移動してしまうことが多く、投写領域40を固定しておくことは難しい。
【0038】
また、蛍光灯50の位置によって画像の見え方は変化する。特に、近年では家庭内での部分照明もなされており、液晶プロジェクタがリビングルーム内のどの位置に画像を投写するかによって画像の見え方は変化する。
【0039】
本実施形態の液晶プロジェクタは、投写対象領域10をCCDセンサーでセンシングしてエッジ検出を行い、所定のアスペクト比を満たす複数の投写領域40−1〜40−3を決定し、ユーザーの選択に基づいて1つの投写領域40を決定して当該投写領域40に画像を投写する。
【0040】
さらに、本実施形態の液晶プロジェクタは、視環境(蛍光灯50からの光の影響や投写領域40の色の影響を受けるような実際に画像を見る環境)における環境光(蛍光灯50からの照明光や日光等)と投影面(投写領域40の色、分光反射率等)の影響を考慮して画像の色と明るさを補正して理想的な画像の見え方を実現している。
【0041】
これにより、ユーザーは、画像の投写位置40を変更する場合であっても、理想的な画像の見え方を再現することができる。
【0042】
(機能ブロックの説明)
次に、このような機能を実現するための液晶プロジェクタに内蔵された投写型画像表示システムの機能ブロックについて説明する。
【0043】
図2は、本実施形態の一例に係る液晶プロジェクタ内の投写型画像表示システムの機能ブロック図である。
【0044】
投写型画像表示システムは、センサー60と、入力信号処理部110と、補正部120と、D/A変換部180と、画像投写部190と、投写領域画素領域対応づけ部130と、投写領域確定部140と、キャリブレーション信号発生部150と、センシングデータ生成部170と、LUTデータ生成部160と、アスペクト比決定部132とを含んで構成されている。
【0045】
入力信号処理部110は、PC(Personal Computer)等から入力される入力画像情報の一種であるアナログ形式のRGB信号を構成するR1信号、G1信号、B1信号を、デジタル形式のR2信号、G2信号、B2信号に変換する。
【0046】
また、入力信号処理部110は、このようなアナログデジタル変換を行うA/D変換部112と、画像の位置と大きさ(位置だけ、大きさだけでもよい。)を調整する調整手段の一部である画像位置サイズ調整部114とを含んで構成されている。
【0047】
なお、投写型画像表示システムにおいてデジタル形式のRGB信号のみを用いる場合、A/D変換部112およびD/A変換部180は不要である。
【0048】
また、キャリブレーション信号発生部150は、キャリブレーション画像の投写に用いられるデジタル形式のR2信号、G2信号、B2信号を生成する。
【0049】
このように、キャリブレーション信号を液晶プロジェクタの内部で生成することにより、PC等の外部入力装置からキャリブレーション信号を液晶プロジェクタに入力することなく、液晶プロジェクタ単体でキャリブレーションを行うことができる。なお、キャリブレーション信号発生部150を設けずに、PC等からキャリブレーション画像信号を入力してもよい。
【0050】
また、補正部120は、3D−LUT(3次元ルックアップテーブル)を記憶する3D−LUT記憶部122と、1D−LUT(1次元ルックアップテーブル)を記憶する1D−LUT記憶部124とを含んで構成されている。補正部120は、3D−LUTを用いて画像の色の補正を行い、1D−LUTを用いて画像の明るさの補正を行う。なお、3D−LUTおよび1D−LUTは、画像補正用データの一種である。画像補正用データとしては、例えばマトリクス等を用いてもよい。
【0051】
また、補正部120は、入力信号処理部110やキャリブレーション信号発生部150からのR2信号、G2信号、B2信号に基づき、画像の色や明るさ等を補正してR3信号、G3信号、B3信号として出力する。
【0052】
また、D/A変換部180は、補正部120からのR3信号、G3信号、B3信号をアナログ形式のR4信号、G4信号、B4信号に変換する。
【0053】
また、画像投写部190は、駆動部191と、空間光変調器192と、光源193と、レンズ195とを含んで構成されている。
【0054】
駆動部191は、D/A変換部180からのR4信号、G4信号、B4信号に基づき、空間光変調器192を駆動する。そして、画像投写部190は、光源193からの光を、空間光変調器192およびレンズ195を介して投写する。
【0055】
さらに、本実施形態では、投写領域選択部142と、投写可能領域決定部144と、エッジ検出部146と、投写範囲把握部148とを含む投写領域確定部140を液晶プロジェクタに設けている。
【0056】
投写範囲把握部148は、投写対象領域10をセンシングするセンシング手段であるセンサー60からのXYZ値(XYZの三刺激値)で表されるセンシング情報に基づき、投写対象領域10の範囲(投写範囲10Aとも言う。)を把握する。なお、ここで、XYZとは、国際照明委員会(CIE)によって定められた国際規格で、機器独立色の一種である。
【0057】
また、図1では、説明の便宜上、投写対象領域10と投写範囲10Aとを同じ大きさで描いている。また、ここで、投写範囲10Aとは、投写光によって照射される投写対象領域10上の範囲のことである。
【0058】
また、エッジ検出部146は、投写対象領域10上の投写範囲10A全体のXYZ値に基づき、エッジ検出処理を実行して検出情報を出力する。
【0059】
また、投写可能領域決定部144は、検出情報とアスペクト比決定部132で決定されたアスペクト比(例えば、16:9、4:3等)に基づき、投写対象領域10上の投写範囲10Aのうち絵画20等の障害物が存在せず、かつ、アスペクト比を満たす一定の大きさ以上の投写領域40−1〜40−3を決定する。図1においては、説明を簡単にするため、代表的な3つの投写領域40−1〜40−3が図示されているが、実際にはより多くの投写領域40が求まり得る。また、投写領域40が1つしか求まらない場合もあり得る。そして、投写可能領域決定部144は、最も外側の投写領域の境界線によって包囲される部分を投写可能領域30として把握する。
【0060】
なお、他の投写領域と重なり合わない投写領域がある場合には、複数の投写可能領域30が把握される。
【0061】
また、投写領域選択部142は、投写可能領域30に含まれる複数の投写領域40−1〜40−3から1つの投写領域40を選択するためのユーザーからの選択指示(例えば、液晶プロジェクタのリモコンによる指示等)に基づき、1つの投写領域40を選択する。
【0062】
また、調整手段の一部である投写領域画素領域対応づけ部130は、投写範囲把握部148で把握された投写対象領域10上の投写範囲10Aと、投写領域選択部142で選択された投写領域40とに基づき、投写対象領域10上の投写範囲10A内の投写領域40と、空間光変調器192の画素領域とを対応づける。具体的には、投写領域画素領域対応づけ部130は、投写対象領域10上の投写範囲10Aと、空間光変調器192の画素領域との比率を求める。
【0063】
また、この手法に代えて、投写領域画素領域対応づけ部130は、投写範囲10A上の座標(センサー60の受光素子上の座標)を投写画像(キャリブレーション画像)上の座標に対応づけてもよい。投写画像上の座標は、所定の変換により空間光変調器192の画素領域上の座標に変換可能だからである。
【0064】
なお、投写画像におけるある画素と、その画素を表示する空間光変調器192の画素部分との対応関係は、画像投写部190にとって既知である。
【0065】
また、画像位置サイズ調整部114は、投写領域画素領域対応づけ部130によって求められた比率と、投写領域選択部142で選択された投写領域40の投写対象領域10上の投写範囲10Aにおける位置情報とに基づき、画像の位置とサイズを調整するように、入力画像情報を調整する。
【0066】
さらに、本実施形態の液晶プロジェクタは、環境光の影響を補正するため、複数種のキャリブレーション画像投写時のセンサー60からの各画素に対するXYZ値のうち、投写領域40内の平均値を演算するセンシングデータ生成部170と、キャリブレーション画像ごとのXYZ値に基づき、3D−LUT記憶部122に記憶された3D−LUTおよび1D−LUT記憶部124に記憶された1D−LUTを更新または生成するLUTデータ生成部160とを含んで構成されている。
【0067】
センシングデータ生成部170は、センサー60からのセンシング情報(XYZ値)と、投写領域確定部140からの投写領域40の領域を示す情報に基づき、当該領域の画素のXYZ値の平均値を演算する。
【0068】
そして、画像補正用データ生成手段であるLUTデータ生成部160は、当該平均値に基づき3D−LUTおよび1D−LUTを生成する。なお、LUTデータ生成部160は、LUTデータ生成部160の内部にデバイスプロファイル等を保持しておき、当該デバイスプロファイル等を用いてデバイスに応じた画像補正用データの生成を行ってもよい。
【0069】
このように、投写領域40を構成する画素のセンシング情報であるXYZ値の平均値に基づいて画像補正用データを生成することにより、投写領域40の視環境に応じた画像情報の補正が可能となる。
【0070】
(画像処理の流れの説明)
次に、これらの各部を用いた画像処理の流れについてフローチャートを用いて説明する。
【0071】
図3は、本実施形態の一例に係る画像投写の手順を示すフローチャートである。
【0072】
まず、キャリブレーション信号発生部150は、複数種(例えば、白色、赤色、緑色、青色、グレー、黒色の6種等)の単色のキャリブレーション画像が表示されるようにキャリブレーション信号を発生し、補正部120は液晶プロジェクタの標準設定に基づいた色温度等の補正を行い、画像投写部190は補正後の画像情報に基づき複数種のキャリブレーション画像を順に投写する。
【0073】
また、センサー60は、投写対象領域10に表示されたキャリブレーション画像の各画素(すなわち、センサー60が当該キャリブレーション画像の測定値を出力するセンサー60内の画素)のXYZ値を計測する(ステップS1)。
【0074】
そして、投写範囲把握部148は、白色のキャリブレーション画像表示時のXYZ値と、黒色のキャリブレーション画像表示時のXYZ値との画素ごとの差分に基づき、投写範囲10Aを把握する(ステップS2)。この場合、例えば、5cd/m2以上の差分を有する画素を、投写対象領域10上の投写範囲10Aに含まれる画素とすればよい。なお、黒色のキャリブレーション画像表示時のセンシング情報(XYZ値)に代えて非表示時の投写対象領域10上の投写範囲10Aのセンシング情報を用いてもよい。
【0075】
エッジ検出部146は、黒色のキャリブレーション画像表示時に計測されたXYZ値に基づき、エッジ検出処理を実行する(ステップS3)。具体的には、エッジ検出部146は、投写範囲把握部148で把握された投写範囲10A内の画素のXYZ値に基づく。
【0076】
そして、投写可能領域決定部144は、アスペクト比決定部132からの画像のアスペクト比と、エッジ検出部146からのエッジ検出データとに基づき、投写可能領域30(つまり、少なくとも1つの投写領域40を含む領域)を決定する。具体的には、投写可能領域決定部144は、投写範囲10A内のエッジ検出データを当該範囲の左上から右下に向かって検出し、所望のアスペクト比を満たす最大の領域(つまり、1つの投写領域40)を特定する。例えば、図1に示す投写可能領域30のように多角形状になっているような場合、複数の投写領域40−1〜40−3を抽出する(ステップS4)。
【0077】
投写領域確定部140は、投写可能領域決定部144で抽出された複数の投写領域40−1〜40−3を示す情報を入力信号処理部110に出力し、画像投写部190は、ユーザーに当該複数の投写領域40−1〜40−3から1つの投写領域40を選択させるための選択用画像を投写する。この場合、入力信号処理部110は、選択用画像を生成するための画像情報を記憶しておけばよい。
【0078】
そして、投写領域選択部142は、所定の基準(例えば、最も上、最も下、最も左、最も右等)またはユーザーの指示に基づき、複数の投写領域40−1〜40−3から1つの投写領域40を選択する(ステップS5)。
【0079】
また、センシングデータ生成部170は、センサー60からのセンシング情報と、投写領域確定部140からの投写領域40を示す情報に基づき、各キャリブレーション画像内の投写領域40を構成する各画素のXYZ値の平均値をそれぞれ演算する。また、LUTデータ生成部160は。当該平均値に基づき、3D−LUTおよび1D−LUTを生成し(ステップS6)、それぞれ3D−LUT記憶部122および1D−LUT記憶部124に記憶することによりLUTデータを更新する(ステップS7)。
【0080】
そして、投写領域画素領域対応づけ部130は、投写領域40と、空間光変調器192の画素領域とを対応づける(ステップS8)。この場合、画像信号で表される画像の全範囲が、選択された投写領域40に投写されるように画像がリサイズされてもよいし、画像信号で表される画像の一部分が、選択された投写領域40に投写されるように画像がトリミングされてもよい。
【0081】
そして、画像位置サイズ調整部114は、この対応づけに基づき、画像の位置およびサイズを調整するように、デジタル変換された入力画像信号を調整してデジタル信号(R2、G2、B2)を出力する。
【0082】
さらに、デジタル信号(R2、G2、B2)に対して、補正部120が投写領域40の視環境に応じた画像の色と明るさとなるように画像情報を補正し、D/A変換部180が補正部120からの画像情報(R3、G3、B3)に対してデジタル変換を行ってアナログ信号(R4、G4、B4)を出力する。
【0083】
駆動部191は、アナログ信号(R4、G4、B4)に基づき、空間光変調器192を駆動し、画像投写部190は、光源193からの光を空間光変調器192およびレンズ195を介して出力して画像を投写する。
【0084】
このようにして、画像投写部190は、画像の色と明るさを補正した画像を投写領域40に投写する(ステップS9)。
【0085】
以上のように、本実施形態によれば、液晶プロジェクタは、障害物(例えば、机、観客等)が存在しない投写可能領域30を自動的に決定することができるため、ユーザーは、投写位置40の変更をより簡易に行うことが可能となる。
【0086】
また、例えば、プレゼンテーションを行う場合、利き腕が右のプレゼンターは、観客から見て右側に画像を表示したほうが指示棒で指示しやすく、利き腕が左のプレゼンターは、観客から見て左側に画像を表示したほうが指示棒で指示しやすい。
【0087】
このような場合においても、本実施形態によれば、ユーザーは、手動でプロジェクタの投写位置を調整する手間をかけることなく、ユーザーにとって好ましい位置に画像を投写することができる。
【0088】
また、本実施形態によれば、液晶プロジェクタは、センサー60からのセンシング情報と、投写領域確定部140からの投写領域40を示す情報に基づき、各キャリブレーション画像内の投写領域40を構成する各画像のXYZ値の平均値をそれぞれ演算してセンシングデータを生成し、このセンシングデータに基づいて生成した画像補正用データを用いることにより、複数の投写可能領域から選択された投写領域40の視環境に合わせて画像の色と明るさを補正して画像を投写することが可能となる。
【0089】
これにより、液晶プロジェクタは、例えば、連続して投写領域40を変更して表示する場合であっても、投写領域40を変更する度にキャリブレーションを実行する手間を省くことができ、投写位置40の変更をより簡易に行うことが可能となる。
【0090】
さらに、本実施形態によれば、液晶プロジェクタは、投写対象領域10上の投写範囲10Aと空間光変調器192の画素領域との対応づけを自動的に行うことができるため、適切な位置に適切な画像の大きさで画像を投写することができる。 (ハードウェアの説明)
図4は、本実施形態の一例に係る液晶プロジェクタ内の投写型画像表示システムのハードウェアブロック図である。
【0091】
例えば、A/D変換部112としては、例えばA/Dコンバーター930等、D/A変換部180としては、例えばD/Aコンバーター940等、駆動部191としては、例えば液晶ライトバルブ駆動ドライバを記憶したROM960等、空間光変調器192としては、例えば液晶パネル920、液晶ライトバルブ等、補正部120、投写領域選択部142、投写可能領域決定部144、エッジ検出部146、投写範囲把握部148、投写領域画素領域対応づけ部130、アスペクト比決定部132、センシングデータ生成部170、LUT生成部160としては、例えば画像処理回路970、CPU910等、キャリブレーション信号発生部150としては例えばRAM950等、センサー60としては例えばCCDセンサー、CMOSセンサー等の多画素センサー等のXYZ値やRGB値等を導出することが可能なセンサーを用いて実現できる。なお、これらの各部は、システムバス980を介して相互に情報をやりとりすることが可能である。また、これらの各部は、回路のようにハードウェア的に実現してもよいし、ドライバのようにソフトウェア的に実現してもよい。
【0092】
また、これらの各部の機能を液晶プロジェクタ内のコンピュータが情報記憶媒体300からプログラムを読み取って実現してもよい。
【0093】
また、情報記憶媒体300としては、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、ROM、RAM、HDD等を適用でき、その情報の読み取り方式は接触方式であっても、非接触方式であってもよい。
【0094】
また、情報記憶媒体300に代えて、上述した各機能を実現するためのプログラムを、ネットワークを介してホスト装置等からダウンロードすることによって上述した各機能を実現してもよい。
【0095】
(変形例)
以上、本発明を適用した好適な実施形態について説明してきたが、本発明の適用は上述した実施例に限定されない。
【0096】
例えば、上述した実施例では、投写可能領域決定部144は、エッジ検出部146からのセンシング画像におけるエッジ検出情報に基づいて投写可能領域30を決定したが、エッジ検出情報以外の情報に基づいて投写可能領域30を決定してもよい。例えば、投写可能領域決定部144は、センシング画像における色分布に基づいて投写可能領域30を決定してもよい。
【0097】
すなわち、例えば、図1において、センシング画像のうち観葉植物22等の障害物の部分のXYZ値と、投写可能領域30のXYZ値とは異なっているため、色を示すXYZ値の分布を把握すれば、投写可能領域30を抽出することができる。以下、色分布に基づく投写可能領域30の抽出手法について具体的に説明する。
【0098】
図5は、本実施形態の他の一例に係る液晶プロジェクタ内の投写型画像表示システムの機能ブロック図である。
【0099】
本実施例では、エッジ検出部146に代え、センサー60からのセンシング画像(センシング画像の全体でも一部でもよい。)における色分布を示す検出情報を出力する色分布検出部147を採用し、投写可能領域決定部144に代え、投写可能領域決定部145を採用している。
【0100】
図3を用いて説明した投写範囲把握部148の処理(ステップS2)後、色分布検出部147は、センシング画像のうち投写範囲10Aが該当する部分のセンシング情報(XYZ値)に基づき投写範囲10Aの色分布を検出する。
【0101】
より具体的には、色分布検出部147は、所定の画像処理単位(例えば、縦横一定の画素で構成される画素ブロック、1画素等)ごとにX値、Y値、Z値のヒストグラム(度数分布)を生成する。
【0102】
そして、色分布検出部147は、X値のヒストグラムにおいて上位の度数のX値の範囲(XP1〜XP2)を検出する。また、色分布検出部147は、Y値、Z値についても同様に、上位の度数のY値の範囲(YP1〜YP2)、上位の度数のZ値の範囲(ZP1〜ZP2)を検出する。なお、この範囲は、任意であり、例えば、X値、Y値、Z値とも同じ範囲であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
【0103】
そして、色分布検出部147は、これらの色分布の検出情報(XP1〜XP2、YP1〜YP2、ZP1〜ZP2)を投写可能領域決定部145に出力する。
【0104】
投写可能領域決定部145は、アスペクト比決定部132からの画像のアスペクト比と、色分布検出部147からの色分布の検出情報に基づき、投写可能領域30を決定する。
【0105】
より具体的には、投写可能領域決定部145は、センシング画像のうち投写範囲10Aが該当する部分のセンシング情報を、色分布検出部147からのX値の範囲(XP1〜XP2)に該当するX値を有する領域AXを抽出する。なお、センシング情報は、座標位置ごとに(縦座標位置、横座標位置、X値、Y値、Z値)を有する。したがって、投写可能領域決定部145は、X値を検索キーとして当該X値を有する座標の縦座標位置および横座標位置を把握できるため、領域AXを抽出することができる。Y値、Z値についても同様に該当する領域AY、AZを抽出する。
【0106】
このような手順により、投写可能領域決定部145は、X値の範囲(XP1〜XP2)に該当するX値を有する領域AX、Y値の範囲(YP1〜YP2)に該当するY値を有する領域AY、Z値の範囲(ZP1〜ZP2)に該当するZ値を有する領域AZを抽出し、領域AX、領域AY、領域AZが重なる領域AA(例えば、図1の投写可能領域30が該当する。)を抽出する。
【0107】
このようにして投写可能領域30を抽出することができる。これ以降の手順は、上述した図3のステップS4以降の処理を行えばよい。
【0108】
このように色の分布に基づく手法を採用することにより、本実施形態の液晶プロジェクタは、投写対象領域10の一部が蛍光灯50等による環境影響を受けている場合であっても、当該環境影響を受けていない(または当該環境影響を受けている)均質な部分のうちアスペクト比を満たす部分を投写領域40として抽出することができる。
【0109】
また、色の分布に基づく手法を採用することにより、エッジ検出を行う必要はないため、本実施形態の液晶プロジェクタはより高速(より効率的)に処理を行うことができる。
【0110】
なお、色の分布の検出手法は上記手法に限定されず、例えば、基準とするX値、Y値、Z値の範囲は、それぞれの値に対して異なる重み付け等を行って決定してもよいし、関数を用いて決定してもよい。また、色の分布を把握するための指標はXYZ値に限定されず、RGB値等を用いてもよい。
【0111】
また、液晶プロジェクタを屋外で用いることによって投写対象領域10の一部が空となってしまったり、液晶プロジェクタを学校の教室で用いることによって投写対象領域10の一部がガラス窓となってしまったりすることにより、投写対象領域10の一部が液晶プロジェクタからの投写光を反射しない場合、液晶プロジェクタは以下の処理を行ってもよい。
【0112】
例えば、液晶プロジェクタは、矩形の画像を投写する場合、当該画像の4隅を示す点や線等の投写と撮像を、投写範囲を狭めながら繰り返し行い、当該4隅の点等をセンサー60が検出した時点で、センシング画像内の当該4隅と、空間光変調器192の4隅の座標との対応づけを行うことにより、上述した投写領域40を決定する処理を適用することができる。
【0113】
また、上述した実施例では、液晶プロジェクタは、エッジ検出等を行う場合に黒の単色のキャリブレーション画像を用いたが、例えば、白の単色のキャリブレーション画像のセンシング画像のXYZ値と、黒の単色のキャリブレーション画像のセンシング画像のXYZ値との差分値を示すセンシング情報を用いてエッジ検出等を行ってもよい。
【0114】
これによれば、液晶プロジェクタは、投写対象領域10内の領域によって環境影響に多少の違いがある場合であっても、その違いを低減した状態で色分布検出等を行うことができる。
【0115】
また、例えば、投写領域40のユーザーによる選択は、液晶プロジェクタの本体のボタンやリモコン操作によってもよいし、ユーザーの動作指示や音声指示を適用してもよい。
【0116】
また、本実施形態の液晶プロジェクタは、画像の投写時に台形歪み補正や自動焦点調整等を行ってもよい。
【0117】
さらに、上述した実施例では、投写領域40は長方形であったが、投写領域40として円形等の長方形以外の形状を採用してもよい。
【0118】
また、本実施形態の液晶プロジェクタは、例えば、図3に示す画像投写処理を所定のタイミング(例えば、所定時間ごと、プレゼンターの変更時等)で繰り返し行ってもよい。
【0119】
これによれば、液晶プロジェクタは、所定のタイミングで繰り返しセンシングとエッジ検出を行うことにより、障害物の位置等が変化した場合、具体的には、例えば、投写領域40に観客が重なってしまった場合等において、障害物のない投写領域40に画像を投写するように自動的に調整することができる。これにより、ユーザーは、投写位置の変更をより簡易に行うことが可能となる。また、液晶プロジェクタは、障害物の位置に応じて投写領域40を決定してもよい。
【0120】
また、本実施形態の液晶プロジェクタは、上記の所定のタイミングで図3の画像処理を繰り返す場合、同図のステップS1からS9までの処理をそのまま繰り返してもよいし、あるいはステップS1の処理で非表示時の投写対象領域10(または黒色キャリブレーション画像の投写像)のセンシングのみを行い、ステップS2の処理を省略してステップS3からS9までの処理を実施するという過程を繰り返してもよい。
【0121】
これによれば、前者の場合、液晶プロジェクタは、例えば、投写領域40に新たな障害物が進入した場合等において、障害物のない投写領域40に画像を投写するように調整できるだけでなく、視環境が変化した場合にも変化後の視環境に適した補正を施して画像を投写することができる。一方、後者の場合、液晶プロジェクタは、非表示時の投写対象領域10のセンシングのみで、障害物のない新たな投写領域40に画像を投写することができるため、観客等の投写画像観察者を有色のキャリブレーション画像表示によって煩わしい思いをさせることなく、投写位置の変更を簡易に行うことが可能となる。
【0122】
また、上述した実施例では、液晶プロジェクタは、最初にアスペクト比を満たす1つ以上の投写領域40を抽出してから最大の投写可能領域30を求めたが、最初にエッジ検出データに基づいて障害物のない投写可能領域30を求めてから投写可能領域30内でアスペクト比を満たす1つ以上の投写領域40を抽出してもよい。
【0123】
また、上述した実施例では、液晶プロジェクタは、投写領域確定部140が投写領域40を確定した後に当該投写領域40のXYZ値の平均値に基づいて画像補正用データを生成したが、選択可能な複数の投写領域(例えば、図1に示す投写領域40−1〜40−3)ごとのXYZ値の平均値に基づいて画像補正用データ(例えば、3D−LUTおよび1D−LUT等)を生成して補正部120に記憶し、投写領域の選択に応じて適用する画像補正用データを切り替えながら入力画像情報を補正してもよい。
【0124】
これによれば、液晶プロジェクタは、例えば、頻繁に投写領域40を変更するような場合であっても、変更の度に画像補正用データを更新する必要がないため、より短時間に視環境に応じた画像補正用データを適用することが可能となる。
【0125】
また、本実施形態の投写型画像表示システムを、上述した液晶プロジェクタ以外にも、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を用いたプロジェクタ等の種々の投写型表示システムに適用してもよい。例えば、上述した空間光変調器としてDMDチップとカラーフィルタを含む機器を用いてもよい。なお、DMDは米国テキサスインスツルメンツ社の商標である。また、プロジェクタは前面投写型のものに限定されず、背面投写型のものであってもよい。
【0126】
また、上述したリビングルーム等の家庭以外にも、ミーティングルーム、医療現場、広告現場、教育現場、映画館、展示場等の業務において画像の投写を行う場合にも本発明は有効である。
【0127】
なお、上述した投写型画像表示システムの機能は、例えば、液晶プロジェクタ単体で実現してもよいし、複数の処理装置で分散して(例えば、液晶プロジェクタとPCとで分散処理)実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の一例に係る投写領域の概略説明図である。
【図2】本実施形態の一例に係る液晶プロジェクタ内の投写型画像表示システムの機能ブロック図である。
【図3】本実施形態の一例に係る画像投写の手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の一例に係る液晶プロジェクタ内の投写型画像表示システムのハードウェアブロック図である。
【図5】本実施形態の他の一例に係る液晶プロジェクタ内の投写型画像表示システムの機能ブロック図である。
【符号の説明】
10 投写対象領域、30 投写可能領域、40 投写領域、60 センサー(センシング手段、センシング部)、114 画像位置サイズ調整部(調整手段)、130 投写領域画素領域対応づけ部(調整手段)、142 投写領域選択部、144、145 投写可能領域決定部、146 エッジ検出部(検出手段)、147 色分布検出部(検出手段)、148 投写範囲把握部、190 画像投写部、192 空間光変調器、300 情報記憶媒体
Claims (9)
- 投写対象領域をセンシングしてセンシング情報を出力するセンシング手段と、
当該センシング情報に基づき、エッジ検出処理または色分布検出処理を実行してセンシング画像におけるエッジまたはセンシング画像における色分布を示す検出情報を出力する検出手段と、
当該検出情報に基づき、投写対象領域のうち障害物の存在しない投写可能領域を決定する投写可能領域決定手段と、
ユーザーの選択または所定の基準に基づき、当該投写可能領域から投写領域を選択する投写領域選択手段と、
当該投写領域に画像が表示されるように、入力画像情報を調整する調整手段と、
調整後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写する画像投写手段と、
を含むことを特徴とする投写型画像表示システム。 - 請求項1において、
前記センシング情報に基づき、視環境に応じて画像を補正するための所定の画像補正用データを生成する画像補正用データ生成手段と、
前記調整手段による調整後の入力画像情報を、前記画像補正用データに基づき補正する補正手段と、
を含み、
前記画像投写手段は、前記補正手段による補正後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写することを特徴とする投写型画像表示システム。 - 請求項2において、
前記画像補正用データ生成手段は、前記投写領域選択手段によって選択された投写領域に該当する部分のセンシング情報に基づき、当該投写領域の視環境を把握して前記画像補正用データを生成することを特徴とする投写型画像表示システム。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記画像投写手段は、空間光変調器を有し、
前記調整手段は、前記センシング情報に基づく投写対象領域と、前記空間光変調器の画素領域とを対応づけ、画像の位置および大きさの少なくとも一方を調整するように、前記入力画像情報を調整することを特徴とする投写型画像表示システム。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記センシング手段は、所定のタイミングで繰り返しセンシングしてセンシング情報を出力し、
前記検出手段は、新たなセンシング情報に基づき検出情報を出力し、
前記投写可能領域決定手段は、新たな検出情報に基づき、前記投写可能領域を新たに決定することを特徴とする投写型画像表示システム。 - 投写対象領域をセンシングしてセンシング情報を出力するセンシング手段と、
当該センシング情報に基づき、エッジ検出処理または色分布検出処理を実行してセンシング画像におけるエッジまたはセンシング画像における色分布を示す検出情報を出力する検出手段と、
当該検出情報に基づき、投写対象領域のうち障害物の存在しない投写可能領域を決定する投写可能領域決定手段と、
ユーザーの選択または所定の基準に基づき、当該投写可能領域から投写領域を選択する投写領域選択手段と、
当該投写領域に画像が表示されるように、入力画像情報を調整する調整手段と、
調整後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写する画像投写手段と、
を含むことを特徴とするプロジェクタ。 - コンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、
コンピュータを、
投写対象領域をセンシングしてセンシング情報を出力するセンシング手段と、
当該センシング情報に基づき、エッジ検出処理または色分布検出処理を実行してセンシング画像におけるエッジまたはセンシング画像における色分布を示す検出情報を出力する検出手段と、
当該検出情報に基づき、投写対象領域のうち障害物の存在しない投写可能領域を決定する投写可能領域決定手段と、
ユーザーの選択または所定の基準に基づき、当該投写可能領域から投写領域を選択する投写領域選択手段と、
当該投写領域に画像が表示されるように、入力画像情報を調整する調整手段と、
調整後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写する画像投写手段として機能させることを特徴とするプログラム。 - コンピュータにより読み取り可能なプログラムを記憶した情報記憶媒体であって、
コンピュータを、
投写対象領域をセンシングしてセンシング情報を出力するセンシング手段と、
当該センシング情報に基づき、エッジ検出処理または色分布検出処理を実行してセンシング画像におけるエッジまたはセンシング画像における色分布を示す検出情報を出力する検出手段と、
当該検出情報に基づき、投写対象領域のうち障害物の存在しない投写可能領域を決定する投写可能領域決定手段と、
ユーザーの選択または所定の基準に基づき、当該投写可能領域から投写領域を選択する投写領域選択手段と、
当該投写領域に画像が表示されるように、入力画像情報を調整する調整手段と、
調整後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写する画像投写手段として機能させるためのプログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。 - 投写対象領域をセンシングしてセンシング情報を出力し、
当該センシング情報に基づき、エッジ検出処理または色分布検出処理を実行してセンシング画像におけるエッジまたはセンシング画像における色分布を示す検出情報を出力し、
当該検出情報に基づき、投写対象領域のうち障害物の存在しない投写可能領域を決定し、
ユーザーの選択または所定の基準に基づき、当該投写可能領域から投写領域を選択し、
当該投写領域に画像が表示されるように、入力画像情報を調整し、
調整後の画像情報に基づき、前記投写領域へ向け画像を投写することを特徴とする画像投写方法。
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