JP7336027B2 - 制御方法、投影装置、及び制御プログラム - Google Patents

Description

本発明は、制御方法、投影装置、及び制御プログラムに関する。

特許文献１には、円柱面への投影に係る幾何学補正について、投影範囲のうち画像が含まれる画像領域の範囲を角マーカ等でユーザ指定し、画像領域を円柱の対象領域に一致させるように構成された投影装置が記載されている。

特許文献２には、互いに角度を持って交わっている２つの面にまたがるように画像を投射する場合に、投射される画像を直線で分割して得られる２つの部分の各々を個別に歪み補正するように構成された画像処理装置が記載されている。

日本国特開２０１４－１０３５１８号公報 日本国特開２０１４－１８７５２０号公報

本開示の技術に係る１つの実施形態は、コンテンツ画像を投影する範囲の設定を容易化した制御方法、投影装置、及び制御プログラムを提供する。

本開示の技術に係る１つの実施形態の投影方法は、投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影システムの制御方法であって、上記プロセッサが、上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、ユーザ操作に応じた位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する制御を実行するものである。

本開示の技術に係る１つの実施形態の投影装置は、投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影装置であって、上記プロセッサが、上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、ユーザ操作に応じた位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する制御を実行するものである。

本開示の技術に係る１つの実施形態の制御プログラムは、投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影装置の制御プログラムであって、上記プロセッサに、上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、ユーザ操作に応じた位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する、処理を実行させるためのものである。

本開示の技術に係る１つの実施形態の別の投影方法は、投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影システムの制御方法であって、上記プロセッサが、上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、端部以外の位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する制御を実行するものである。

本開示の技術に係る１つの実施形態の別の投影装置は、投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影装置であって、上記プロセッサが、上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、端部以外の位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する制御を実行するものである。

本開示の技術に係る１つの実施形態の別の制御プログラムは、投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影装置の制御プログラムであって、上記プロセッサに、上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、端部以外の位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する、処理を実行させるためのものである。

本発明によれば、コンテンツ画像を投影する範囲の設定を容易化することのできる制御方法、投影装置、及び制御プログラムを提供することができる。

実施の形態１の投影装置１０の概略構成を示す模式図である。 図１に示す投影部１の内部構成の一例を示す模式図である。 投影装置１０の外観構成を示す模式図である。 図３に示す投影装置１０の光学ユニット１０６の断面模式図である。 投影装置１０によるコンテンツ画像の投影手順の一例を示す図（その１）である。 投影装置１０によるコンテンツ画像の投影手順の一例を示す図（その２）である。 投影装置１０によるコンテンツ画像の投影手順の一例を示す図（その３）である。 投影装置１０によるコンテンツ画像の投影手順の一例を示す図（その４）である。 投影装置１０によるコンテンツ画像の投影手順の一例を示す図（その５）である。 投影装置１０によるコンテンツ画像の投影手順の一例を示す図（その６）である。 投影装置１０によるコンテンツ画像の投影手順の一例を示す図（その７）である。 制御装置４によるコンテンツ画像の投影処理の一例を示すフローチャートである。 投影装置１０によるコンテンツ画像の投影の変形例を示す図である。 投影装置１０による被投影物６の変形例１に対する範囲設定の一例を示す図（その１）である。 投影装置１０による被投影物６の変形例１に対する範囲設定の一例を示す図（その２）である。 投影装置１０による被投影物６の変形例２に対する範囲設定の一例を示す図（その１）である。 投影装置１０による被投影物６の変形例２に対する範囲設定の一例を示す図（その２）である。 投影装置１０による被投影物６の変形例２に対する範囲設定の他の一例を示す図である。 投影装置１０による被投影物６ａ，６ｂに対する範囲設定の一例を示す図（その１）である。 投影装置１０による被投影物６ａ，６ｂに対する範囲設定の一例を示す図（その２）である。 コンテンツ投影範囲をユーザが指示するための第１画像の変形例を示す図（その１）である。 コンテンツ投影範囲をユーザが指示するための第１画像の変形例を示す図（その２）である。 実施の形態２の制御装置４によるコンテンツ画像の投影処理の一例を示すフローチャートである。

以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照して説明する。

（実施の形態１）
＜実施の形態１の投影装置１０の概略構成＞
図１は、実施の形態１の投影装置１０の概略構成を示す模式図である。

投影装置１０は、投影部１と、制御装置４と、操作受付部２と、を備える。投影部１は、例えば液晶プロジェクタ又はＬＣＯＳ（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｏｎ Ｓｉｌｉｃｏｎ）を用いたプロジェクタ等によって構成される。以下では、投影部１が液晶プロジェクタであるものとして説明する。

制御装置４は、各種のプロセッサにより構成される制御部と、各部と通信するための通信インタフェース（図示省略）と、ハードディスク、ＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ Ｓｔａｔｅ Ｄｒｉｖｅ）、又はＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）等の記憶媒体４ａと、を含む装置であり、投影部１を統括制御する。

制御装置４の制御部の各種のプロセッサとしては、プログラムを実行して各種処理を行う汎用的なプロセッサであるＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）、ＦＰＧＡ（Ｆｉｅｌｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｇａｔｅ Ａｒｒａｙ）等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス（Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｌｏｇｉｃ Ｄｅｖｉｃｅ：ＰＬＤ）、又はＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ Ｃｉｒｃｕｉｔ）等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。

これら各種のプロセッサの構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。制御装置４の制御部は、各種のプロセッサのうちの１つで構成されてもよいし、同種又は異種の２つ以上のプロセッサの組み合わせ（例えば、複数のＦＰＧＡの組み合わせ又はＣＰＵとＦＰＧＡの組み合わせ）で構成されてもよい。

操作受付部２は、ユーザからの各種の操作を受け付けることにより、ユーザからの指示（ユーザ指示）を検出する。操作受付部２は、制御装置４に設けられたボタン、キー、ジョイスティック等であってもよいし、制御装置４の遠隔操作を行うリモートコントローラからの信号を受け付ける受信部等であってもよい。

被投影物６は、投影部１によって投影画像が表示される投影面を有する物体である。図１に示す例では、被投影物６は、１面のみが投影装置１０の側に向いた直方体であり、この１面が投影面となる。図１における被投影物６の上下左右が、実際の被投影物６の上下左右であるとする。また、図１の例では、被投影物６の背後（図１の奥方向）に平面上の壁がある。

投影範囲１１は、投影部１により投影光が照射される範囲である。図１に示す例では、投影範囲１１は矩形である。また、図１に示す例では、投影範囲１１は、被投影物６の投影面を含む、被投影物６の投影面より広い範囲になっている。

図１に示す例において、投影範囲１１のうち、投影装置１０がコンテンツ画像を投影するコンテンツ投影範囲をユーザ操作によって設定する場合について説明する。コンテンツ投影範囲は、本発明の第１範囲の一例である。例えば、ユーザは、投影装置１０がコンテンツ画像を投影するコンテンツ投影範囲を、被投影物６の投影面の全域に設定したいものとする。この場合に、投影装置１０に対して、投影範囲１１のうちいずれの範囲が、投影装置１０の投影面に投影されるコンテンツ投影範囲であるかを設定することを要する。

なお、投影部１、制御装置４、及び操作受付部２は、例えば一個の装置により実現される（例えば図３，図４参照）。又は、投影部１、制御装置４、及び操作受付部２は、互いに通信を行うことにより連携する、それぞれ別の装置であってもよい。

＜図１に示す投影部１の内部構成＞
図２は、図１に示す投影部１の内部構成の一例を示す模式図である。

図２に示すように、投影部１は、光源２１と、光変調部２２と、投影光学系２３と、制御回路２４と、を備える。

光源２１は、レーザ又はＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ）等の発光素子を含み、例えば白色光を出射する。

光変調部２２は、光源２１から出射されて図示省略の色分離機構によって赤、青、緑の３色に分離された各色光を、画像情報に基づいて変調して各色画像を出射する３つの液晶パネルによって構成される。この３つの液晶パネルにそれぞれ赤、青、緑のフィルタを搭載し、光源２１から出射された白色光を、各液晶パネルにて変調して各色画像を出射させてもよい。

投影光学系２３は、光源２１及び光変調部２２からの光が入射されるものであり、少なくとも１つのレンズを含む、例えばリレー光学系によって構成されている。投影光学系２３を通過した光は被投影物６に投影される。

制御回路２４は、制御装置４から入力される表示用データに基づいて、光源２１、光変調部２２、及び投影光学系２３を制御することにより、被投影物６にこの表示用データに基づく画像を投影させる。制御回路２４に入力される表示用データは、赤表示用データと、青表示用データと、緑表示用データとの３つによって構成される。

また、制御回路２４は、制御装置４から入力される命令に基づいて、投影光学系２３を変化させることにより、投影部１の投影範囲１１（図１参照）の拡大や縮小を行う。また、制御装置４は、操作受付部２によって受け付けられたユーザからの操作に基づいて投影光学系２３を変化させることにより、投影部１の投影範囲１１の移動を行ってもよい。

また、投影装置１０は、投影光学系２３のイメージサークルを維持しつつ、投影範囲１１を機械的又は光学的に移動させるシフト機構を備える。投影光学系２３のイメージサークルは、投影光学系２３に入射した投影光が、光量落ち、色分離、周辺湾曲などの点から適正に投影光学系２３を通過する領域である。

シフト機構は、光学系シフトを行う光学系シフト機構と、電子シフトを行う電子シフト機構と、の少なくともいずれかにより実現される。

光学系シフト機構は、例えば、投影光学系２３を光軸に垂直な方向に移動させる機構（例えば図３，図４参照）、又は、投影光学系２３を移動させる代わりに光変調部２２を光軸に垂直な方向に移動させる機構である。また、光学系シフト機構は、投影光学系２３の移動と光変調部２２の移動とを組み合わせて行うものであってもよい。

電子シフト機構は、光変調部２２において光を透過させる範囲を変化させることによる疑似的な投影範囲１１のシフトを行う機構である。

また、投影装置１０は、投影光学系２３のイメージサークルとともに投影範囲１１を移動させる投影方向変更機構を備えてもよい。投影方向変更機構は、機械的な回転で投影部１の向きを変更することにより、投影部１の投影方向を変化させる機構である（例えば図３，図４参照）。

＜投影装置１０の機械的構成＞
図３は、投影装置１０の外観構成を示す模式図である。図４は、図３に示す投影装置１０の光学ユニット１０６の断面模式図である。図４は、図３に示す本体部１０１から出射される光の光路に沿った面での断面を示している。

図３に示すように、投影装置１０は、本体部１０１と、本体部１０１から突出して設けられた光学ユニット１０６と、を備える。図３に示す構成において、操作受付部２と、制御装置４と、投影部１における光源２１、光変調部２２、及び制御回路２４と、は本体部１０１に設けられる。投影部１における投影光学系２３は光学ユニット１０６に設けられる。

光学ユニット１０６は、本体部１０１に支持される第一部材１０２と、第一部材１０２に支持された第二部材１０３と、を備える。

なお、第一部材１０２と第二部材１０３は一体化された部材であってもよい。光学ユニット１０６は、本体部１０１に着脱自在に構成（換言すると交換可能に構成）されていてもよい。

本体部１０１は、光学ユニット１０６と連結される部分に光を通すための開口１５ａ（図４参照）が形成された筐体１５（図４参照）を有する。

本体部１０１の筐体１５の内部には、図３に示すように、光源２１と、光源２１から出射される光を入力画像データに基づいて空間変調して画像を生成する光変調部２２（図２参照）を含む光変調ユニット１２と、が設けられている。

光源２１から出射された光は、光変調ユニット１２の光変調部２２に入射され、光変調部２２によって空間変調されて出射される。

図４に示すように、光変調ユニット１２によって空間変調された光によって形成される画像は、筐体１５の開口１５ａを通過して光学ユニット１０６に入射され、投影対象物としての被投影物６に投影されて、画像Ｇ１が観察者から視認可能となる。

図４に示すように、光学ユニット１０６は、本体部１０１の内部と繋がる中空部２Ａを有する第一部材１０２と、中空部２Ａと繋がる中空部３Ａを有する第二部材１０３と、中空部２Ａに配置された第一光学系１２１及び反射部材１２２と、中空部３Ａに配置された第二光学系３１、反射部材３２、第三光学系３３、及びレンズ３４と、シフト機構１０５と、投影方向変更機構１０４と、を備える。

第一部材１０２は、断面外形が一例として矩形の部材であり、開口２ａと開口２ｂが互いに垂直な面に形成されている。第一部材１０２は、本体部１０１の開口１５ａと対面する位置に開口２ａが配置される状態にて、本体部１０１によって支持されている。本体部１０１の光変調ユニット１２の光変調部２２から射出された光は、開口１５ａ及び開口２ａを通って第一部材１０２の中空部２Ａに入射される。

本体部１０１から中空部２Ａに入射される光の入射方向を方向Ｘ１と記載し、方向Ｘ１の逆方向を方向Ｘ２と記載し、方向Ｘ１と方向Ｘ２を総称して方向Ｘと記載する。また、図４において、紙面手前から奥に向かう方向とその逆方向を方向Ｚと記載する。方向Ｚのうち、紙面手前から奥に向かう方向を方向Ｚ１と記載し、紙面奥から手前に向かう方向を方向Ｚ２と記載する。

また、方向Ｘ及び方向Ｚに垂直な方向を方向Ｙと記載し、方向Ｙのうち、図４において上に向かう方向を方向Ｙ１と記載し、図４において下に向かう方向を方向Ｙ２と記載する。図４の例では方向Ｙ２が鉛直方向となるように投影装置１０が配置されている。

図２に示した投影光学系２３は、第一光学系１２１、反射部材１２２、第二光学系３１、反射部材３２、第三光学系３３、及びレンズ３４により構成される。図４には、この投影光学系２３の光軸Ｋが示されている。第一光学系１２１、反射部材１２２、第二光学系３１、反射部材３２、第三光学系３３、及びレンズ３４は、光変調部２２側からこの順に光軸Ｋに沿って配置されている。

第一光学系１２１は、少なくとも１つのレンズを含み、本体部１０１から第一部材１０２に入射された方向Ｘ１に進む光を反射部材１２２に導く。

反射部材１２２は、第一光学系１２１から入射された光を方向Ｙ１に反射させる。反射部材１２２は、例えばミラー等によって構成される。第一部材１０２には、反射部材１２２にて反射した光の光路上に開口２ｂが形成されており、この反射した光は開口２ｂを通過して第二部材１０３の中空部３Ａへと進む。

第二部材１０３は、断面外形が略Ｔ字状の部材であり、第一部材１０２の開口２ｂと対面する位置に開口３ａが形成されている。第一部材１０２の開口２ｂを通過した本体部１０１からの光は、この開口３ａを通って第二部材１０３の中空部３Ａに入射される。なお、第一部材１０２や第二部材１０３の断面外形は任意であり、上記のものには限定されない。

第二光学系３１は、少なくとも１つのレンズを含み、第一部材１０２から入射された光を、反射部材３２に導く。

反射部材３２は、第二光学系３１から入射される光を方向Ｘ２に反射させて第三光学系３３に導く。反射部材３２は、例えばミラー等によって構成される。

第三光学系３３は、少なくとも１つのレンズを含み、反射部材３２にて反射された光をレンズ３４に導く。

レンズ３４は、第二部材１０３の方向Ｘ２側の端部に形成された開口３ｃを塞ぐ形でこの端部に配置されている。レンズ３４は、第三光学系３３から入射された光を被投影物６に投影する。

投影方向変更機構１０４は、第一部材１０２に対して第二部材１０３を回転自在に連結する回転機構である。この投影方向変更機構１０４によって、第二部材１０３は、方向Ｙに延びる回転軸（具体的には光軸Ｋ）の回りに回転自在に構成されている。なお、投影方向変更機構１０４は、光学系を回転させることができればよく、図４に示した配置位置に限定されない。また、回転機構の数も１つに限らず、複数設けられていてもよい。

シフト機構１０５は、投影光学系の光軸Ｋ（換言すると光学ユニット１０６）をその光軸Ｋに垂直な方向（図４の方向Ｙ）に移動させるための機構である。具体的には、シフト機構１０５は、第一部材１０２の本体部１０１に対する方向Ｙの位置を変更することができるように構成されている。シフト機構１０５は、手動にて第一部材１０２を移動させるものの他、電動にて第一部材１０２を移動させるものであってもよい。

図４は、シフト機構１０５によって第一部材１０２が方向Ｙ１側に最大限移動された状態を示している。この図４に示す状態から、シフト機構１０５によって第一部材１０２が方向Ｙ２に移動することで、光変調部２２によって形成される画像の中心（換言すると表示面の中心）と光軸Ｋとの相対位置が変化して、被投影物６に投影されている画像Ｇ１を方向Ｙ２にシフト（平行移動）させることができる。

なお、シフト機構１０５は、光学ユニット１０６を方向Ｙに移動させる代わりに、光変調部２２を方向Ｙに移動させる機構であってもよい。この場合でも、被投影物６に投影されている画像Ｇ１を方向Ｙ２に移動させることができる。

＜投影装置１０によるコンテンツ画像の投影手順＞
図５～図１１は、投影装置１０によるコンテンツ画像の投影手順の一例を示す図である。ここでは、投影装置１０の位置の調整や投影装置１０の投影光学系２３の画角調整により、図１の例と同様に、投影装置１０の投影範囲１１が被投影物６の投影面を含むように調整されているものとする。

図５に示すように、まず、投影装置１０は、コンテンツ投影範囲の設定開始を指示する設定開始操作を操作受付部２から受け付けると、数字画像５１を投影範囲１１に投影する。数字画像５１は、複数の範囲に区切られた第２画像の一例である。

図５の例において、数字画像５１は、３×３のマトリクス状に、９つの範囲に区切られている。また、数字画像５１においては、区切られた複数の範囲のそれぞれに、その範囲をユーザが選択するための識別子が含まれている。図５の例では、数字画像５１は、９つの範囲のそれぞれに「１」～「９」の数字が含まれた画像である。

なお、数字画像５１において、「１」～「９」の数字の並びは任意である。また、数字画像５１の分割数は、９に限らず、２以上の任意の数とすることができる。また、数字画像５１の分割形状は、マトリクス状に限らず、他の分割形状としてもよい。また、識別子は、「１」～「９」のような数字に限らず、「Ａ」～「Ｉ」のようなアルファベット等、互いに重複しない各種の識別子とすることができる。

また、図５の例では、被投影物６は投影範囲１１の中央付近に位置しており、その結果、数字画像５１の中央にある「５」の範囲の全部と、「５」以外の各範囲の一部と、が被投影物６の投影面に投影されている状態である。

次に、図６に示すように、投影装置１０の調整を行うユーザは、数字画像５１を見て、「５」の範囲が被投影物６の投影面の中央付近にあるため、「１」～「９」の中から「５」を選択する操作を操作受付部２に行う。これに対して、投影装置１０は、数字画像５１の「５」の範囲内の所定位置（例えば中央）にカーソル６１を投影する。

図６の例では、投影装置１０は、カーソル６１の投影の際に、図５に示した数字画像５１を非投影にしているが、数字画像５１を投影したままカーソル６１を投影してもよいし、数字画像５１の一部（例えば「５」の数字）のみを非投影にしてカーソル６１を投影してもよい。

カーソル６１は、ユーザ操作に応じて投影画像内で移動する画像である。カーソル６１の投影は、例えば、投影範囲１１に投影する投影画像にカーソル６１を含めることにより行うことができる。これにより、カーソル６１を投影画像に重なるように投影することができる。図９に示す例では、カーソル６１は十字型のカーソルであるが、カーソル６１の形状は、これに限らず、例えば四角形や円形などの各種の形状とすることができる。

このように、投影装置１０は、数字画像５１のうちユーザ操作によって選択された範囲の位置に、カーソル６１を含む投影画像を投影する。これにより、カーソル６１が被投影物６以外の位置に投影されてユーザがカーソル６１を見つけることが困難になることを回避することができる。

特に、被投影物６の背後の壁が被投影物６から離れていたり、被投影物６の背後に壁等の物体がなかったりする場合、カーソル６１が被投影物６以外の位置に投影されると、ユーザはカーソル６１を視認することが困難になる。これに対して、投影装置１０によれば、ユーザは、数字画像５１の各数字のうち被投影物６に投影された数字を選択する操作を行うことにより、カーソル６１が被投影物６に投影されるため、カーソル６１が被投影物６以外の位置に投影されることを回避することができる。

次に、図７に示すように、ユーザは、カーソル６１を移動させる移動操作を操作受付部２に行う。図７の例では、ユーザは、被投影物６の投影面の左下にカーソル６１が移動するように移動操作を行う。これに対して、投影装置１０は、受け付けた移動操作に応じた方向及び量でカーソル６１を移動させる。カーソル６１の移動は、例えば、投影範囲１１に投影する投影画像における、カーソル６１を含める位置を変更することにより行うことができる。

次に、図８に示すように、ユーザは、カーソル６１を複製させる複製操作を操作受付部２に行う。これに対して、投影装置１０は、カーソル６１を複製する。カーソル６１の複製は、例えば、投影範囲１１に投影する投影画像に含めるカーソル６１を追加することにより行うことができる。

複数のカーソル６１が投影されている状態においては、上記の移動操作及び複製操作に応じた処理は、複数のカーソル６１のうち選択カーソルとして選択されているカーソル６１に対して行われる。ユーザは、複数のカーソル６１のうちの選択カーソルを切り替えることを指示する選択カーソル切替操作を操作受付部２に行うことにより、複数のカーソル６１のうちの選択カーソルを切り替えることができる。

次に、図９に示すように、ユーザは、上記の移動操作、複製操作、及び選択カーソル切替操作を含むカーソル操作を繰り返し行うことにより、被投影物６の投影面の四隅にカーソル６１を配置する。

次に、図１０に示すように、ユーザは、現在のカーソル６１によって特定される範囲をコンテンツ投影範囲として確定することを指示する確定操作を操作受付部２に行う。これに対して、投影装置１０は、図９において４つのカーソル６１が配置されていた各位置を四隅とする矩形の範囲をコンテンツ投影範囲１１ａとして設定する。なお、図面においてはコンテンツ投影範囲１１ａを仮想的に太線で図示している。

次に、図１１に示すように、ユーザは、コンテンツ投影範囲１１ａへのコンテンツ画像の投影開始を指示するコンテンツ投影操作を操作受付部２に行う。これに対して、投影装置１０は、設定したコンテンツ投影範囲１１ａに合わせたコンテンツ画像１１１を生成し、生成したコンテンツ画像１１１のコンテンツ投影範囲１１ａへの投影を開始する。

図１１に示す例では、コンテンツ画像１１１は、多数の魚が泳いでいる様子を示す動画像である。ただし、コンテンツ画像１１１は、これに限らず、任意の静止画像又は動画像とすることができる。

＜制御装置４によるコンテンツ画像の投影処理＞
図１２は、制御装置４によるコンテンツ画像の投影処理の一例を示すフローチャートである。制御装置４は、例えば図１２に示す投影処理を実行する。例えば、制御装置４は、上記の設定開始操作を契機として図１２に示す投影処理を開始する。ここでは、図５～図１０の例と同様に、投影装置１０の投影範囲１１が被投影物６の投影面を含むように調整されているものとする。

まず、制御装置４は、投影範囲１１のうち、数字画像５１（第２画像）を投影する範囲を設定する（ステップＳ１２０１）。例えば、制御装置４は、投影部１が投影範囲１１の全範囲を、数字画像５１を投影する範囲として設定する。

又は、制御装置４は、ユーザ操作等に応じて、投影範囲１１の一部の範囲を、数字画像５１を投影する範囲として設定してもよい。例えば、制御装置４は、投影範囲１１のうち、上半分、下半分、右半分、左半分などの一部の範囲の指定を操作受付部２から受け付け、受け付けた範囲を、数字画像５１を投影する範囲として設定してもよい。

このように、投影範囲１１のうちユーザ操作によって選択された範囲に、数字画像５１を投影することにより、投影範囲１１における被投影物６の投影面のおよその位置をユーザが把握している場合に、範囲を限定して数字画像５１を投影し、カーソル６１の初期の表示位置を効率よく設定することができる。

次に、制御装置４は、数字画像５１を生成する（ステップＳ１２０２）。すなわち、制御装置４は、数字画像５１の形状、数字画像５１の範囲の分割数、数字画像５１の各範囲に付す識別子等を設定する。例えば、制御装置４のメモリには数字画像５１の情報が予め記憶されており、制御装置４はこの情報を読み出すことにより数字画像５１を生成する。

又は、制御装置４は、ユーザ操作に応じて区切られた数字画像５１を生成してもよい。例えば、投影装置１０は、数字画像５１の最大数字、又は数字画像５１における範囲の分割数の設定を操作受付部２から受け付けることにより、数字画像５１を生成する。これにより、様々な大きさや形状の被投影物６の投影面に対して柔軟に、ユーザ操作に応じて区切られた数字画像５１を生成することができる。

又は、制御装置４は、投影範囲１１の大きさに基づいて区切られた数字画像５１を生成してもよい。例えば、制御装置４は、投影範囲１１が大きいほど、多くの範囲に区切られた数字画像５１を生成する。これにより、例えば投影範囲１１が大きい場合は多くの範囲に区切られた数字画像５１を投影できるため、数字画像５１の各範囲が大きくなり過ぎてカーソル６１を投影させる範囲の指定が困難になることを回避することができる。

又は、制御装置４は、投影範囲１１の形状に基づいて区切られた数字画像５１を生成してもよい。例えば、制御装置４は、投影範囲１１が縦長の矩形である場合は縦方向の分割数を横方向の分割数より多く（すなわち横方向の区切り線を縦方向の区切り線より多く）した数字画像５１を生成する。また、制御装置４は、投影範囲１１が横長の矩形である場合は横方向の分割数を縦方向の分割数より多くした数字画像５１を生成する。これにより、例えば投影範囲１１が縦長の矩形である場合は縦方向に多くの範囲に区切られた数字画像５１を投影できるため、数字画像５１の各範囲の縦方向に大きくなり過ぎてカーソル６１を投影させる範囲の指定が困難になることを回避することができる。

次に、制御装置４は、投影部１を制御して、ステップＳ１２０１によって決定された範囲に、ステップＳ１２０２によって生成した数字画像５１を投影させる（ステップＳ１２０３）。次に、制御装置４は、ステップＳ１２０３によって投影させた数字画像５１に含まれる数字の中からユーザが選択した数字を、操作受付部２から受け付ける（ステップＳ１２０４）。次に、制御装置４は、投影部１を制御して、数字画像５１の各範囲のうち、ステップＳ１２０４によって受け付けた数字に対応する範囲にカーソル６１（第１画像）を投影させる（ステップＳ１２０５）。

次に、制御装置４は、操作受付部２から、上記の移動操作、複製操作、選択カーソル切替操作などのカーソル操作を受け付けたか否かを判断する（ステップＳ１２０６）。カーソル操作を受け付けた場合（ステップＳ１２０６：Ｙｅｓ）は、制御装置４は、受け付けたカーソル操作に応じたカーソル６１の処理を行い（ステップＳ１２０７）、ステップＳ１２０８へ移行する。

ステップＳ１２０６において、カーソル操作を受け付けていない場合（ステップＳ１２０６：Ｎｏ）は、制御装置４は、操作受付部２から上記の確定操作を受け付けたか否かを判断する（ステップＳ１２０８）。確定操作を受け付けていない場合（ステップＳ１２０８：Ｎｏ）は、制御装置４は、ステップＳ１２０６へ戻る。

ステップＳ１２０８において、確定操作を受け付けた場合（ステップＳ１２０８：Ｙｅｓ）は、制御装置４は、その時点のカーソル６１に基づいてコンテンツ投影範囲（第１範囲）を設定する（ステップＳ１２０９）。

次に、制御装置４は、ステップＳ１２０９によって設定したコンテンツ投影範囲に合わせたコンテンツ画像を生成する（ステップＳ１２１０）。例えば、制御装置４は、オリジナルのコンテンツ画像に対して、拡大、縮小、トリミング等の処理を行うことにより、コンテンツ投影範囲に合わせたコンテンツ画像を生成する。

次に、制御装置４は、投影部１を制御して、ステップＳ１２１０によって生成したコンテンツ画像の、ステップＳ１２０９によって設定したコンテンツ投影範囲への投影を開始させ（ステップＳ１２１１）、一連の処理を終了する。

なお、図１２においてはコンテンツ画像の投影まで行う処理について説明したが、制御装置４は、上記のコンテンツ投影操作を操作受付部２から受け付けてからコンテンツ画像を投影させるようにしてもよい。

また、制御装置４は、例えばステップＳ１２０５によってカーソル６１を投影させた後に、数字の受け付けのやり直しを指示する操作を操作受付部２から受け付け、この操作を受け付けた場合はステップＳ１２０３に戻ってもよい。また、制御装置４は、例えば反射部材１２２によってコンテンツ画像１１１の投影を開始させた後に、コンテンツ投影範囲１１ａの設定のやり直しを指示する操作を操作受付部２から受け付け、この操作を受け付けた場合はステップＳ１２０３又はステップＳ１２０６に戻ってもよい。

＜投影装置１０によるコンテンツ画像の投影の変形例＞
図１３は、投影装置１０によるコンテンツ画像の投影の変形例を示す図である。

図１３に示すように、投影装置１０は、投影範囲１１のうちコンテンツ投影範囲１１ａ以外の周辺範囲１１ｃに、一様に黒色である画像を投影してもよい。例えば、制御装置４は、投影範囲１１に投影する投影画像における、周辺範囲１１ｃに対応する部分を黒色にする。これにより、周辺範囲１１ｃには投影部１から光が投射されず、周辺範囲１１ｃは一様に黒色となる。このため、被投影物６の背後に壁等の物体があっても、コンテンツ画像１１１の範囲を観察者に容易に認識させることができる。

ただし、投影装置１０は、周辺範囲１１ｃに光を透過しないのではなく、周辺範囲１１ｃにコンテンツ画像１１１とは異なる画像を投影させてもよい。例えば、投影装置１０は、投影範囲１１に投影する投影画像における、周辺範囲１１ｃに対応する部分を、一様な色（一例としては灰色）の画像や、一定パターン（例えば細かな格子模様）の画像にしてもよい。これにより、周辺範囲１１ｃには、コンテンツ画像１１１とは異なる画像が投影される。このため、被投影物６の背後に壁等の物体があっても、コンテンツ画像１１１の範囲を観察者に容易に認識させることができる。

＜投影装置１０による被投影物６の変形例１に対する範囲設定＞
図１４及び図１５は、投影装置１０による被投影物６の変形例１に対する範囲設定の一例を示す図である。

被投影物６が直方体である場合について説明したが、被投影物６の形状はこれに限らない。例えば、被投影物６は、図１４に示すように円柱形の物体であってもよい。ここでは、被投影物６のうち、投影装置１０の側から見える側面（曲面）を投影面とする場合について説明する。ユーザは、例えば、投影装置１０に対して、この側面の形状（例えば円柱の側面であること）を投影装置１０に対して設定しておく。

この場合も同様に、投影装置１０は、まず数字画像５１を投影してユーザから数字の指定を受け付けた結果に基づいてカーソル６１を投影する。ユーザは、操作受付部２に対する上記の各種のカーソル操作によって、被投影物６における所望の投影面を囲むようにカーソル６１を配置する。図１４に示す例では、１０個のカーソル６１を用いて、被投影物６のうち、投影装置１０の側から見えるすべての範囲が囲まれている。

この状態において、図１５に示すように、ユーザが上記の確定操作を行うと、投影装置１０は、カーソル６１に囲まれた範囲をコンテンツ投影範囲１１ａとして設定する。例えば、投影装置１０は、複数のカーソル６１の各位置に基づく線形補間を用いて、曲面であるコンテンツ投影範囲１１ａを設定する。

そして、投影装置１０は、コンテンツ画像１１１をコンテンツ投影範囲１１ａに合わせて生成し、生成したコンテンツ画像１１１をコンテンツ投影範囲１１ａに投影する。なお、投影装置１０は、コンテンツ画像１１１を生成する際に、ユーザ操作に応じて、コンテンツ投影範囲１１ａの曲面に合わせた歪み補正を行ってもよい。

＜投影装置１０による被投影物６の変形例２に対する範囲設定＞
図１６及び図１７は、投影装置１０による被投影物６の変形例２に対する範囲設定の一例を示す図である。

図１６に示すように、例えば被投影物６が直方体であり、被投影物６の２つの面が投影装置１０の側を向いており、この２つの面を投影面としてもよい。ユーザは、例えば、投影装置１０に対して、この側面の形状（例えば直方体の隣接する２面であること）を投影装置１０に対して設定しておく。

この場合も同様に、投影装置１０は、まず数字画像５１を投影してユーザから数字の指定を受け付けた結果に基づいてカーソル６１を投影する。ユーザは、操作受付部２に対する上記の各種のカーソル操作によって、被投影物６における所望の投影面を囲むようにカーソル６１を配置する。図１６に示す例では、６個のカーソル６１を用いて、被投影物６のうち、投影装置１０の側から見える２つの面を含む範囲が囲まれている。

この状態において、図１７に示すように、ユーザが上記の確定操作を行うと、投影装置１０は、カーソル６１に囲まれた範囲をコンテンツ投影範囲１１ａとして設定する。そして、投影装置１０は、コンテンツ画像１１１をコンテンツ投影範囲１１ａに合わせて生成し、生成したコンテンツ画像１１１をコンテンツ投影範囲１１ａに投影する。なお、投影装置１０は、コンテンツ画像１１１を生成する際に、ユーザ操作に応じて、コンテンツ投影範囲１１ａに含まれる２つの面のそれぞれの角度に合わせた歪み補正を行ってもよい。

図１８は、投影装置１０による被投影物６の変形例２に対する範囲設定の他の一例を示す図である。

図１６に示した例において、ユーザが上記の確定操作を行うと、投影装置１０は、カーソル６１の各位置に基づいて、２つのコンテンツ画像１１１を投影するためのコンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂを設定してもよい。コンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂは、被投影物６のうち、投影装置１０の側を向いた２つの面である。

そして、投影装置１０は、２つのコンテンツ画像１１１をコンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂに合わせて生成し、生成した２つのコンテンツ画像１１１をそれぞれコンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂに投影する。この２つのコンテンツ画像１１１は、１つのコンテンツ画像の画像を２つに分割した各画像であってもよいし、互いに独立したコンテンツ画像であってもよい。

このように、投影装置１０は、カーソル６１によって複数の第１範囲（例えばコンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂ）を指示可能であり、複数の第１範囲にそれぞれ異なる画像をコンテンツ画像として投影させてもよい。ただし、コンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂに投影される２つのコンテンツ画像１１１は同一のコンテンツ画像であってもよい。

なお、投影装置１０は、２つのコンテンツ画像１１１を生成する際に、ユーザ操作に応じて、コンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂの２つの面のそれぞれの角度に合わせた歪み補正を行ってもよい。

図１６に示した例においてユーザが確定操作を行った場合のコンテンツ投影範囲の設定結果が図１７，図１８のいずれの設定結果となるかが、ユーザ操作に応じて設定可能であってもよい。又は、図１７に示した設定結果と、図１８に示した設定結果と、をユーザ操作に応じて切替可能になっていてもよい。

＜投影装置１０による被投影物６ａ，６ｂに対する範囲設定＞
図１９及び図２０は、投影装置１０による被投影物６ａ，６ｂに対する範囲設定の一例を示す図である。

１つの被投影物６にコンテンツ画像１１１を投影する場合について説明したが、複数の被投影物にコンテンツ画像１１１を投影するようにしてもよい。例えば、投影装置１０は、図１９，図２０に示すように、被投影物６ａ，６ｂのそれぞれ一面に投影を行ってもよい。被投影物６ａ，６ｂは、互いに形状が異なる直方体である。ユーザは、例えば、投影装置１０に対して、この側面の形状（例えば２つの直方体のそれぞれの一面であること）を投影装置１０に対して設定しておく。

この場合も同様に、投影装置１０は、まず数字画像５１を投影してユーザから数字の指定を受け付けた結果に基づいてカーソル６１を投影する。ユーザは、操作受付部２に対する上記の各種のカーソル操作によって、被投影物６ａ，６ｂにおける所望の投影面を囲むようにカーソル６１を配置する。図１９に示す例では、８個のカーソル６１を用いて、被投影物６ａ，６ｂのそれぞれの１つの面が囲まれている。

この状態において、図２０に示すように、ユーザが上記の確定操作を行うと、投影装置１０は、カーソル６１に囲まれた各範囲をコンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂとして設定する。そして、投影装置１０は、２つのコンテンツ画像１１１をコンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂに合わせて生成し、生成した２つのコンテンツ画像１１１をそれぞれコンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂに投影する。なお、投影装置１０は、コンテンツ画像１１１を生成する際に、ユーザ操作に応じて、コンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂの２つの面のそれぞれの角度に合わせた歪み補正を行ってもよい。

＜コンテンツ投影範囲をユーザが指示するための第１画像の変形例＞
図２１及び図２２は、コンテンツ投影範囲をユーザが指示するための第１画像の変形例を示す図である。

コンテンツ投影範囲をユーザが指示するための第１画像としてカーソル６１を例に挙げて説明したが、第１画像はカーソル６１に限らない。例えば、第１画像は、図２１に示す枠画像６２であってもよい。

例えば、図５に示した状態において、ユーザが「５」を選択する操作を操作受付部２に行うと、投影装置１０は、数字画像５１の「５」の範囲内の所定位置（例えば中央）に枠画像６２を投影する。枠画像６２は、ユーザ操作により移動、拡大、拡縮、及び変形等が可能な画像である。

ユーザは、図６に示すように、枠画像６２の操作を操作受付部２に行うことにより、被投影物６の投影面の４辺に枠画像６２を合わせる。この状態でユーザが上記の確定操作を操作受付部２に行うと、投影装置１０は、枠画像６２に囲まれる矩形の範囲をコンテンツ投影範囲１１ａとして設定する。これにより、図１０の例と同様に、被投影物６の投影面がコンテンツ投影範囲１１ａとして設定される。

なお、複数のコンテンツ投影範囲（例えばコンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂ）を設定可能なように、操作受付部２において、枠画像６２を複製するための複製操作が可能であってもよい。

以上説明したように、投影装置１０は、コンテンツ画像を投影する第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、ユーザ操作（例えば数字画像５１に基づく数字の選択操作）に応じた位置に投影画像に重なるように投影部１から投影させ、その第１画像に対するユーザ操作に応じて第１範囲を設定する。これにより、コンテンツ画像を投影する第１範囲をユーザが指示するための第１画像が、被投影物とは異なる位置に投影され、ユーザが第１画像を見つけることが困難になることを回避することができる。このため、コンテンツ画像を投影する範囲の設定を容易化することができる。

なお、上記の各変形例は、組み合わせて実施することも可能である。例えば、図１９，図２０に示した例において、図１３に示したように、投影範囲１１におけるコンテンツ投影範囲１１ａ，１１ｂ以外の周辺範囲１１ｃに対して、投影部１から光を投射させない、又はコンテンツ画像１１１とは異なる画像を投影させるようにしてもよい。

また、複数の範囲に区切られた第２画像として、各範囲に数字などの識別子が付された数字画像５１を例として説明したが、第２画像はこれに限らない。例えば、第２画像は、複数の範囲に区切られた、識別子が付されていない画像であってもよい。この場合、例えば、投影装置１０は、第２画像の複数の範囲のうち１つの範囲を強調表示し、強調する範囲を切り替えることを指示するユーザ操作と、強調表示された範囲を数字画像５１の初期の投影範囲として選択することを指示するユーザ操作と、を受け付ける。これにより、識別子がなくても、数字画像５１の初期の投影範囲を設定することができる。

（実施の形態２）
実施の形態２について、実施の形態１と異なる部分について説明する。実施の形態２においては、コンテンツ画像を投影する第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、投影範囲１１のうち端部以外の位置に、投影画像に重なるように投影部１から投影させる。

＜実施の形態２の制御装置４によるコンテンツ画像の投影処理＞
図２３は、実施の形態２の制御装置４によるコンテンツ画像の投影処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態２において、制御装置４は、例えば図２３に示す投影処理を実行する。例えば、制御装置４は、上記の設定開始操作を契機として図２３に示す投影処理を開始する。ここでは、図５～図１０の例と同様に、投影装置１０の投影範囲１１が被投影物６の投影面を含むように調整されているものとする。

まず、制御装置４は、投影部１を制御して、投影範囲１１の中央にカーソル６１を投影させる（ステップＳ２３１）。この場合に、制御装置４は、上記の数字画像５１を投影する処理を行わなくてもよい。図２３に示すステップＳ２３２～Ｓ２３７は、図１２に示したステップＳ１２０６～Ｓ１２１１と同様である。

このように、投影装置１０は、コンテンツ画像１１１を投影するコンテンツ投影範囲１１ａをユーザが指示するためのカーソル６１（第１画像）を、投影範囲１１の中央に投影する。これにより、投影範囲１１の中心と、被投影物６の投影面の中心と、をおおまかに合わせておくことにより、カーソル６１が被投影物６の投影面以外の位置に投影される。

このため、ユーザがカーソル６１を見つけることが困難になることを回避し、コンテンツ投影範囲１１ａの設定を容易化することができる。また、カーソル６１の投影位置を設定するための操作（例えば数字画像５１に基づく数字の選択操作）をユーザが行わなくてもよいため、コンテンツ画像を投影する範囲の設定をさらに容易化することができる。

なお、カーソル６１の投影位置は、投影範囲１１の中央に限らず、投影範囲１１の中心以外の予め定められた位置（一例としては投影範囲１１の中心からわずかに下の位置）とすることができる。

本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。

（１）
投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影システムの制御方法であって、
上記プロセッサが、
上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、ユーザ操作に応じた位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、
上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する制御を実行する、
制御方法。

（２）
（１）記載の制御方法であって、
上記プロセッサは、
複数の範囲に区切られた第２画像を上記投影部から投影させ、
上記第２画像のうちユーザ操作によって選択された範囲の位置に上記第１画像を含む投影画像を上記投影部から投影させる制御を実行する、
制御方法。

（３）
（２）記載の制御方法であって、
上記第２画像は、上記複数の範囲のそれぞれに、その範囲をユーザが選択するための識別子が含まれる投影画像である、
制御方法。

（４）
（２）又は（３）記載の制御方法であって、
上記第２画像は、ユーザ操作に応じて区切られた投影画像である、
制御方法。

（５）
（２）から（４）のいずれか１つに記載の制御方法であって、
上記第２画像は、上記投影範囲の大きさに応じて区切られた投影画像である、
制御方法。

（６）
（２）から（５）のいずれか１つに記載の制御方法であって、
上記第２画像は、上記投影範囲の形状に応じて区切られた投影画像である、
制御方法。

（７）
（２）から（６）のいずれか１つに記載の制御方法であって、
上記プロセッサは、上記投影範囲のうちユーザ操作によって選択された範囲に、上記第２画像を上記投影部から投影させる制御を実行する、
制御方法。

（８）
（１）から（７）のいずれか１つに記載の制御方法であって、
上記第１画像は、ユーザ操作に応じて上記投影画像内で移動するカーソルを含む、
制御方法。

（９）
（８）記載の制御方法であって、
上記カーソルは、ユーザ操作に応じて上記投影画像内で複製可能なカーソルである、
制御方法。

（１０）
（１）から（９）のいずれか１つに記載の制御方法であって、
上記第１画像によって複数の第１範囲を指示可能であり、
上記プロセッサは、上記複数の第１範囲にそれぞれ異なる画像を上記コンテンツ画像として投影させる制御を実行する、
制御方法。

（１１）
（１）から（１０）のいずれか１つに記載の制御方法であって、
上記プロセッサは、上記投影範囲のうち上記第１範囲とは異なる範囲に対して、上記投影部から光を投射させない、又は上記コンテンツ画像とは異なる画像を投影させる制御を実行する、
制御方法。

（１２）
投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影装置であって、
上記プロセッサが、
上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、ユーザ操作に応じた位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、
上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する制御を実行する、
投影装置。

（１３）
投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影装置の制御プログラムであって、
上記プロセッサに、
上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、ユーザ操作に応じた位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、
上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する、
処理を実行させるための制御プログラム。

（１４）
投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影システムの制御方法であって、
上記プロセッサが、
上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、端部以外の位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、
上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する制御を実行する、
制御方法。

（１５）
投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影装置であって、
上記プロセッサが、
上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、端部以外の位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、
上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する制御を実行する、
投影装置。

（１６）
投影部とプロセッサとを含み、上記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影装置の制御プログラムであって、
上記プロセッサに、
上記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を、端部以外の位置に投影画像に重なるように上記投影部から投影させ、
上記第１画像に対するユーザ操作に応じて上記第１範囲を設定する、
処理を実行させるための制御プログラム。

以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。

なお、本出願は、２０２０年４月２４日出願の日本特許出願（特願２０２０－０７７５３３）に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。

１ 投影部
２ 操作受付部
２Ａ，３Ａ 中空部
２ａ，２ｂ，３ａ，３ｃ，１５ａ 開口
４ 制御装置
４ａ 記憶媒体
６，６ａ，６ｂ 被投影物
１０ 投影装置
１１ 投影範囲
１１ａ，１１ｂ コンテンツ投影範囲
１１ｃ 周辺範囲
１２ 光変調ユニット
１５ 筐体
２１ 光源
２２ 光変調部
２３ 投影光学系
２４ 制御回路
３１ 第二光学系
３２，１２２ 反射部材
３３ 第三光学系
３４ レンズ
５１ 数字画像
６１ カーソル
６２ 枠画像
１０１ 本体部
１０２ 第一部材
１０３ 第二部材
１０４ 投影方向変更機構
１０５ シフト機構
１０６ 光学ユニット
１１１ コンテンツ画像
１２１ 第一光学系
Ｇ１ 画像

Claims (12)

1. 投影部とプロセッサとを含み、前記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影システムの制御方法であって、
   前記プロセッサが、
   複数の範囲に区切られた第２画像を前記投影部から投影させ、
   前記第２画像のうちユーザ操作によって選択された範囲の位置に、前記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を含む画像を投影画像に重なるように前記投影部から投影させ、
   前記第１画像に対するユーザ操作に応じて前記第１範囲を設定する制御を実行する、
   制御方法。
2. 請求項１記載の制御方法であって、
   前記第２画像は、前記複数の範囲のそれぞれに、当該範囲をユーザが選択するための識別子が含まれる画像である、
   制御方法。
3. 請求項１又は２記載の制御方法であって、
   前記第２画像は、ユーザ操作に応じて区切られた画像である、
   制御方法。
4. 請求項１から３のいずれか１項記載の制御方法であって、
   前記第２画像は、前記投影範囲の大きさに応じて区切られた画像である、
   制御方法。
5. 請求項１から４のいずれか１項記載の制御方法であって、
   前記第２画像は、前記投影範囲の形状に応じて区切られた画像である、
   制御方法。
6. 請求項１から５のいずれか１項記載の制御方法であって、
   前記プロセッサは、前記投影範囲のうちユーザ操作によって選択された範囲に、前記第２画像を前記投影部から投影させる制御を実行する、
   制御方法。
7. 請求項１から６のいずれか１項記載の制御方法であって、
   前記第１画像は、ユーザ操作に応じて前記投影画像内で移動するカーソルを含む、
   制御方法。
8. 請求項７記載の制御方法であって、
   前記カーソルは、ユーザ操作に応じて前記投影画像内で複製可能なカーソルである、
   制御方法。
9. 請求項１から８のいずれか１項記載の制御方法であって、
   前記第１画像によって複数の第１範囲を指示可能であり、
   前記プロセッサは、前記複数の第１範囲にそれぞれ異なる画像を前記コンテンツ画像として投影させる制御を実行する、
   制御方法。
10. 請求項１から９のいずれか１項記載の制御方法であって、
    前記プロセッサは、前記投影範囲のうち前記第１範囲とは異なる範囲に対して、前記投影部から光を投射させない、又は前記コンテンツ画像とは異なる画像を投影させる制御を実行する、
    制御方法。
11. 投影部とプロセッサとを含み、前記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影装置であって、
    前記プロセッサが、
    複数の範囲に区切られた第２画像を前記投影部から投影させ、
    前記第２画像のうちユーザ操作によって選択された範囲の位置に、前記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を含む画像を投影画像に重なるように前記投影部から投影させ、
    前記第１画像に対するユーザ操作に応じて前記第１範囲を設定する制御を実行する、
    投影装置。
12. 投影部とプロセッサとを含み、前記投影部の投影範囲のうち設定した第１範囲にコンテンツ画像を投影する投影装置の制御プログラムであって、
    前記プロセッサに、
    複数の範囲に区切られた第２画像を前記投影部から投影させ、
    前記第２画像のうちユーザ操作によって選択された範囲の位置に、前記第１範囲をユーザが指示するための第１画像を含む画像を投影画像に重なるように前記投影部から投影させ、
    前記第１画像に対するユーザ操作に応じて前記第１範囲を設定する、
    処理を実行させるための制御プログラム。

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