JP2004046070A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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JP2004046070A
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Koji Ichikawa
市川 幸司
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】抜け性、解像度とも良好である感光性樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルターおよび該カラーフィルターを使用した液晶表示装置を提供する。
【解決手段】(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)光重合開始助剤および(E)溶剤を含む感光性樹脂組成物において、(C)光重合開始剤として少なくとも1種のアセトフェノン系化合物を含み、(D)光重合開始助剤として少なくとも1種のアミン系化合物を含み、(C)光重合開始剤および(D)光重合開始助剤の合計量が、(A)バインダーポリマーおよび(B)光重合性化合物の合計量100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下であり、(D)光重合開始助剤が、(C)光重合開始剤1質量部に対して0.6質量部以上10質量部以下である感光性樹脂組成物で形成されたパターンを含むカラーフィルターおよび液晶表示装置。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂組成物およびそれを用いるカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の用途で、半透過型カラーフィルターを用いた液晶パネルが用いられている。半透過型とは、液晶パネルのセル内部に反射型部分と透過型部分の両方が存在することを意味する。半透過型カラーフィルターにおいて、同じカラーレジストを用いて、反射型を基本に半透過型を設計すると、光が2回通る反射部では問題ないが、光が1回だけ通る透過部では、透過部の着色層の色が薄くなってしまうという問題があった。また、透過型を基本に設計すると、透過部では問題ないが、反射部では2回光が通るため着色層の色が濃くなりすぎるという問題があった。そこで、透過型を基本に、反射部の着色層の厚みを薄くし、該反射部の着色層の上または下に透明層を配置して透過部と同じ厚みにして全体の平坦性を付与し、かつ透過部からの透過光の色と反射部からの反射光の色とを同等にする半透過型カラーフィルターが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、反射部の透明層を作成するための従来の透明レジストでは、マスクを通過した斜め入射光がカラーフィルター層の下部にある反射板で斜めに反射し、この斜め反射光によりレジストが露光して、パターンがポストベーク後に順テーパー形状になり、抜け性が悪いという問題があり、露光量を高くするとその傾向が大きくなるという問題があった。順テーパー形状になると反射部と透過部の境で色が異なり、これがカラー液晶表示装置により表示されるカラー画像やカラー固体撮像素子により撮影されるカラー画像などの品質を低下させる。
【0004】
本発明は、露光量を高くしてもパターンを形成することができ、抜け性が良好であり、解像度も良好である感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また本発明の別の目的は、該感光性樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルターおよび該カラーフィルターを使用した液晶表示装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、鋭意検討の結果、光重合開始剤および光重合開始助剤としてそれぞれ特定の構造を有する化合物を特定の割合で含む感光性樹脂組成物を用いると、露光量を高くしてもパターンを形成しうることおよび抜け性が良好であることを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち本発明は、(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)光重合開始助剤および(E)溶剤を含む感光性樹脂組成物において、(C)光重合開始剤として少なくとも1種のアセトフェノン系化合物を含み、(D)光重合開始助剤として少なくとも1種のアミン系化合物を含み、(C)光重合開始剤および(D)光重合開始助剤の合計量が、(A)バインダーポリマーおよび(B)光重合性化合物の合計量100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下であり、(D)光重合開始助剤が、(C)光重合開始剤1質量部に対して0.6質量部以上10質量部以下である感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を、基板または先に形成された着色感光性樹脂組成物の固形分からなる層の上に塗布し、塗布された感光性樹脂組成物層から揮発成分を除去し、フォトマスクを介して該層を露光し、現像するパターンの形成方法、該方法で形成されたパターンを含むカラーフィルターおよび該カラーフィルターを使用した液晶表示装置を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる(A)バインダーポリマーとしては、アクリル系共重合体が使用でき、例えば、カルボキシル基含有モノマーおよびこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0008】
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、不飽和モノカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸などの分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。ここで、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物、具体的には無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などであってもよい。また、不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などであってもよい。不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどであってもよい。これらのカルボキシル基含有モノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0009】
該カルボキシル基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデンなどの芳香族ビニル化合物;
メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル類;
2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和エーテル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;
アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドなどの不飽和アミド類;
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの不飽和イミド類;
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの脂肪族共役ジエン類;
ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類などを挙げることができる。これらのモノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0010】
該共重合体におけるカルボキシル基含有モノマー単位の含有量は、質量分率で通常10〜50質量%程度、好ましくは15〜40質量%程度、とりわけ好ましくは25〜40質量%程度である。
該アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートであることを示す。
【0011】
中でも(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体などが好ましい。
【0012】
該アクリル系重合体は、そのポリスチレン換算重量平均分子量が3,000〜400,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは5,000〜100,000の範囲であり、とりわけ好ましくは20,000〜40,000である。また、酸価は30〜250が好ましく、より好ましくは60〜180の範囲であり、とりわけ好ましくは90〜160の範囲である。ここで酸価はアクリル系重合体1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常は水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
該バインダー樹脂は、感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で通常5質量%以上90質量%以下、好ましくは10質量%以上80質量%以下、とりわけ好ましくは20質量%以上70質量%以下の範囲で用いられる。
【0013】
本発明において用いられる(B)光重合性化合物は、光を照射されることによって光重合開始剤から発生した活性ラジカル、酸などによって重合しうる化合物であって、例えば、重合性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
【0014】
該光重合性化合物は、4官能以上の多官能の光重合性化合物であることが好ましい。4官能以上の多官能の光重合性化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどが挙げられる。該光重合性化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられ、その含有量は感光性樹脂組成物の質量分率で通常5質量%以上90質量%以下、好ましくは10質量%以上80質量%以下、とりわけ好ましくは20質量%以上70質量%以下の範囲で用いられる。
【0015】
本発明において用いられる(C)光重合開始剤は、少なくとも1種のアセトフェノン系化合物を含む。アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オンなどが挙げられる。
また、複数のアセトフェノン系およびその他の光重合開始剤を組み合わせて使用してもよい。
アセトフェノン系以外の光重合開始剤は、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、増感剤などが挙げられる。
活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
【0016】
ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0017】
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0018】
チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0019】
トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0020】
活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。
【0021】
酸発生剤としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などを挙げることができる。
【0022】
また、活性ラジカル発生剤として上記した化合物の中には、活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系光重合開始剤は、酸発生剤としても使用される。
【0023】
本発明において用いられる(D)光重合開始助剤は、光重合開始剤と組み合わせて用いられ、光重合開始剤によって重合が開始された光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物である。光重合開始助剤としては、少なくとも1種のアミン系を含む。
アミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。また、複数のアミン系やその他の光重合開始助剤を組み合わせて使用してもよい。その他の光重合開始助剤としては、例えば、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
【0024】
アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
【0025】
チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0026】
光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば、商品名「EAB−F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0027】
本発明の感光性樹脂組成物における光重合開始剤および光重合開始助剤の組み合わせとしては、ジエトキシアセトフェノン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマー/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組み合わせなどが挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組み合わせが挙げられる。
【0028】
本発明の感光性樹脂組成物における光重合開始剤および光重合開始助剤の使用量は、その合計量がバインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常0.1質量部以上20質量部以下、好ましくは0.5質量部以上15質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上10質量部以下である。また、光重合開始助剤の使用量は、光重合開始剤1質量部あたり0.6質量部以上10質量部以下が好ましく、さらに1質量部以上8質量部以下であることが好ましく、とりわけ1.5質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
【0029】
本発明で用いられる(E)溶剤としては、例えば、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類、アミド類などが挙げられる。
【0030】
エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
その他の溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシドなどが挙げられる。
【0031】
上記の溶剤の中でも、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノンなどが好ましく用いられる。
【0032】
該溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は感光性樹脂組成物における含有量が質量分率で通常50質量%以上90質量%以下、好ましくは60質量%以上85質量%以下となる程度である。
【0033】
本発明の感光性樹脂組成物は、充填剤、バインダーポリマー以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、有機酸、有機アミノ化合物、硬化剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0034】
充填剤としては、例えば、ガラス、アルミナなどの微粒子が挙げられる。
【0035】
バインダーポリマー以外の高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート、分散剤などが挙げられる。
該分散剤としては、例えば、Disperbyk−115、Disperbyk−160、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−163、Disperbyk−164、Disperbyk−166、Disperbyk−167、Disperbyk−169、Disperbyk−170、Disperbyk−171、Disperbyk−174、Disperbyk−182(いずれもBYKChemie社製)などが挙げられる。
【0036】
密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0037】
酸化防止剤としては、例えば、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
【0038】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールなどのトリアジン系などが挙げられる。
【0039】
凝集防止剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0040】
有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸などの脂肪族モノカルボン酸類;
しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルこはく酸、テトラメチルこはく酸、シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸などの脂肪族ジカルボン酸類;
トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸などの脂肪族トリカルボン酸類;
安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸などの芳香族モノカルボン酸類;
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類;
トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸類などが挙げられる。
【0041】
有機アミン化合物としては、例えば、n―プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミンなどのモノアルキルアミン類;
シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミンなどのモノシクロアルキルアミン類;
メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルn−プロピルアミン、エチルn−プロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジi−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジi−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、ジt−ブチルアミン、ジn−ペンチルアミン、ジn−ヘキシルアミンなどのジアルキルアミン類;
メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルモノシクロアルキルアミン類;
ジシクロヘキシルアミンなどのジシクロアルキルアミン類;
ジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、ジエチルn−プロピルアミン、メチルジn−プロピルアミン、エチルジn−プロピルアミン、トリn−プロピルアミン、トリi−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリi−ブチルアミン、トリsec−ブチルアミン、トリt−ブチルアミン、トリn−ペンチルアミン、トリn−ヘキシルアミンなどのトリアルキルアミン類;
ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミンなどのジアルキルモノシクロアルキルアミン類;
メチルジシクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルジシクロアルキルアミン類;
2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノールなどのモノアルカノールアミン類;
4−アミノ−1−シクロヘキサノールなどのモノシクロアルカノールアミン類;ジエタノールアミン、ジn−プロパノールアミン、ジi−プロパノールアミン、ジn−ブタノールアミン、ジi−ブタノールアミン、ジn−ペンタノールアミン、ジn−ヘキサノールアミンなどのジアルカノールアミン類;
ジ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのジシクロアルカノールアミン類;
トリエタノールアミン、トリn−プロパノールアミン、トリi−プロパノールアミン、トリn−ブタノールアミン、トリi−ブタノールアミン、トリn−ペンタノールアミン、トリn−ヘキサノールアミンなどのトリアルカノールアミン類;トリ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのトリシクロアルカノールアミン類;
3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール、4−アミノ−1,3−ブタンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオール、2−ジエチルアミノ−1,3−プロパンジオールなどのアミノアルカンジオール類;
4−アミノ−1,2−シクロヘキサンジオール、4−アミノ−1,3−シクロヘキサンジオールなどのアミノシクロアルカンジオール類;
1−アミノシクロペンタノンメタノール、4−アミノシクロペンタノンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカノンメタノール類;
1−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−ジメチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジエチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジメチルアミノシクロヘキサンメタノール、4−ジエチルアミノシクロヘキサンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカンメタノール類;
β−アラニン、2−アミノ酪酸、3−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、2−アミノイソ酢酸、3−アミノイソ酢酸、2−アミノ吉草酸、5−アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸などのアミノカルボン酸類;
アニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、p−エチルアニリン、p−n−プロピルアニリン、p−i−プロピルアニリン、p−n−ブチルアニリン、p−t−ブチルアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−メチル−N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族アミン類;
o−アミノベンジルアルコール、m−アミノベンジルアルコール、p−アミノベンジルアルコール、p−ジメチルアミノベンジルアルコール、p−ジエチルアミノベンジルアルコールなどのアミノベンジルアルコール類;
o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−ジメチルアミノフェノール、p−ジエチルアミノフェノールなどのアミノフェノール類;
m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸などのアミノ安息香酸類などが挙げられる。
【0042】
硬化剤としては、例えば、加熱されることによってバインダーポリマー中のカルボキシル基と反応してバインダーポリマーを架橋することができる化合物が挙げられる。また、それ単独で重合してパターンを硬化させ得る化合物も挙げられる。該化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0043】
前記のエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、他の芳香族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、エポキシ化油等のエポキシ樹脂や、これらのエポキシ樹脂の臭素化誘導体、エポキシ樹脂およびその臭素化誘導体以外の脂肪族、脂環族または芳香族のエポキシ化合物、ブタジエンの(共)重合体のエポキシ化物、イソプレンの(共)重合体のエポキシ化物、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
【0044】
前記のオキセタン化合物としては、例えば、カーボネートビスオキセタン、キシリレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタンなどが挙げられる。
【0045】
本発明の感光性組成物は、硬化剤としてエポキシ化合物、オキセタン化合物などを含有する場合には、エポキシ化合物のエポキシ基、オキセタン化合物のオキセタン骨格を開環重合させ得る化合物を含んでいてもよい。該化合物としては、例えば、多価カルボン酸類、多価カルボン酸無水物類、酸発生剤などが挙げられる。
【0046】
前記の多価カルボン酸類としては、例えば、フタル酸、3,4−ジメチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸類;
こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸類;
ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸類などが挙げられる。
【0047】
前記の多価カルボン酸無水物類としては、例えば、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物類;
無水イタコン酸、無水こはく酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸無水物類;
無水ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂環族多価カルボン酸無水物類;
エチレングリコールビストリメリテイト酸、グリセリントリストリメリテイト無水物などのエステル基含有カルボン酸無水物類などが挙げられる。
【0048】
前記のカルボン酸無水物類として、エポキシ樹脂硬化剤として市販されているものを用いてもよい。該エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、商品名「アデカハードナーEH−700」(旭電化工業(株)製)、商品名「リカシッドHH」(新日本理化(株)製)、商品名「MH−700」(新日本理化(株)製)などが挙げられる。
【0049】
該硬化剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
本発明の感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成する方法としては、具体的には、本発明の感光性樹脂組成物を、基板または基板の上に先に形成した固体の着色感光性樹脂組成物層(以下、これを基板等ということがある。)の上に塗布し、塗布された感光性樹脂組成物層から溶剤など揮発成分を除去し、フォトマスクを介して揮発成分が除去された層を露光したのち、現像する方法が挙げられる。
【0051】
基板としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、芳香族ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板、Al基板、GaAs基板などの表面が平坦な基板が挙げられる。これらの基板は、シランカップリング剤などの薬品による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング処理、スパッタリング処理、気相反応処理、真空蒸着処理などの前処理が施されていてもよい。基板としてシリコン基板などを用いる場合、該シリコン基板などの表面には電荷結合素子(CCD)、薄膜トランジスタ(TFT、Thin Film Transistor)などが形成されていてもよい。
【0052】
該基板の上に感光性樹脂組成物を塗布するには、例えば、本発明の感光性樹脂組成物を回転塗布法(スピンコート法)、流延塗布法、ロール塗布法、スリットコート法、スリット&スピンコート法などの通常の塗布方法で基板等の上に塗布し、次いで溶剤などの揮発成分を加熱により揮発させればよい。このようにして、基板等の上に感光性樹脂組成物の固形分からなる層が形成される。
【0053】
次いで、感光性樹脂組成物の固形分からなる層(以下、これを感光性樹脂組成物層ということがある。)を露光する。露光するには、例えば、フォトマスクを介して光線を照射すればよい。光線としては通常、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)と呼ばれる紫外線などが用いられる。光線はフォトマスクを介して照射されるが、ここでフォトマスクは、例えば、ガラス板の表面に光線を遮蔽する遮光層が設けられたものである。ガラス板のうちの遮光層が設けられていない部分は光線が透過する透光部であって、この透光部のパターンに従ったパターンで感光性樹脂組成物層が露光されて、光線が照射されなかった未照射領域と、光線が照射された照射領域とが生ずる。照射領域における光線の照射量は、バインダーポリマーの重量平均分子量、単量体比、含有量、光重合性化合物の種類や含有量、光重合開始剤の種類や含有量、光重合開始助剤の種類や含有量などによって適宜選択される。
【0054】
露光後、現像する。現像するには、例えば、露光後の感光性樹脂組成物層を現像液と接触させればよく、具体的にはその表面上に感光性樹脂組成物層が形成された状態の基板を現像液に浸漬すればよい。現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどのアルカリ性化合物の水溶液などが挙げられる。現像によって、感光性樹脂組成物層のうちの光線が照射されなかった未照射領域は除去される。その一方で、光線照射領域はそのまま残ってパターンを構成する。
【0055】
現像後、通常は水洗し、乾燥することにより、目的とするパターンを得ることができる。乾燥後、加熱してもよい。パターンを加熱することによって硬化して、その機械的強度が向上する傾向にあり、感光性樹脂組成物として硬化剤を含有するものを用いた場合には、機械的強度をより向上することができる。加熱温度は通常180℃以上、好ましくは200℃以上であり、通常250℃以下である。
【0056】
このようにして得られるカラーフィルターは、パターンを含むものであり、該カラーフィルターを使用することにより、好適な液晶表示装置が得られる。
【0057】
【実施例】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0058】
本実施例で用いる成分は以下の通りで、以下、省略して表示することがある。
(A)バインダー樹脂:メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体〔メタクリル酸単位とベンジルメタクリレート単位との比は物質量比(モル比)で27:73、酸価は105、重量平均分子量は30,000
(B)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(C)光重合開始剤:2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン
(D)光重合開始助剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
分散剤:BYK−170(固型分30質量%)(BYKChemie社製)
エポキシ化合物:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、「スミエポキシESCN−195XL−80」(住友化学工業(株)製)
【0059】
実施例1
〔感光性樹脂組成物の製造〕
(A)     1.360質量部、
(B)     1.662質量部、
(C)     0.060質量部、
(D)     0.060質量部
(E)    11.250質量部
分散剤     1.007質量部
エポキシ化合物 0.302質量部
を混合して感光性樹脂組成物を得た。
【0060】
〔パターンの形成〕
ガラス基板〔コーニング社製、「#7059」〕、及び、Al基板の上に、上記で得た感光性樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間乾燥して揮発分を揮発させて、感光性樹脂組成物層を形成した。
冷却後、この感光性樹脂組成物層にフォトマスクを介してi線〔波長365nm〕を照射して露光した。i線の光源としては、超高圧水銀ランプを用い、照射光量は150mJ/cmとした。フォトマスクとしては、線幅3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μmおよび100μmの線状の色画素を形成するためのフォトマスクを用いた。
【0061】
次いで露光後のガラス基板、及び、Al基板〔表面には感光性樹脂組成物層が形成されている〕を現像液〔質量分率で水酸化カリウムを0.05%、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムを0.2%それぞれ含む水溶液〕に浸漬して現像し、純水で洗浄した。その後、230℃で20分間加熱して、透明なパターンを形成した。
【0062】
〔評価〕
各線幅のパターンで解像できた最も小さい線幅を解像度とした。また、10μm、20μm、50μm、100μmの各パターンの解像後の線幅を測定した。Al基板上に10μmマスクを使用して形成したパターンの抜け性は良好で、露光量が150mJ/cmの場合、パターンのサイズは14.0μmであった。また、解像度は8μmであった。露光量が300mJ/cmの場合、パターンのサイズは16.2μm、解像度は10μmであった。
【0063】
実施例2〜9
表1に示す組成比で各成分を混合して、感光性樹脂組成物を得て、これを用いて、実施例1と同様にしてパターンを形成した。
〔評価〕
実施例1と同様に評価したところ、表2に記載の結果を得た。
【0064】
比較例1〜4
表1に示す組成比で各成分を混合して、感光性樹脂組成物を得て、これを用いて、実施例1と同様にしてパターンを形成した。
〔評価〕
実施例1と同様に評価したところ、表2に記載の結果を得た。
【0065】
比較例5
表1に示す組成比で各成分を混合して、感光性樹脂組成物を得て、これを用いて、実施例1と同様にしてパターンを形成しようとしたが、現像において、すべて溶解し、パターンを形成することはできなかった。
【表1】
Figure 2004046070
【0066】
【表2】
Figure 2004046070
【0067】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物によれば、露光量を高くしてもパターンを形成することができ、また抜け性が良好であり、解像度も良好であるパターンを形成することができ、カラーフィルター用、特に、カラーフィルターに用いられる透明材料、例えば、オーバーコート、フォトスペーサー、着色パターンの膜厚を合わせるための透明コート層などを形成するのに有用である。

Claims (5)

  1. (A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)光重合開始助剤および(E)溶剤を含む感光性樹脂組成物において、(C)光重合開始剤として少なくとも1種のアセトフェノン系化合物を含み、(D)光重合開始助剤として少なくとも1種のアミン系化合物を含み、(C)光重合開始剤および(D)光重合開始助剤の合計量が、(A)バインダーポリマーおよび(B)光重合性化合物の合計量100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下であり、(D)光重合開始助剤が、(C)光重合開始剤1質量部に対して0.6質量部以上10質量部以下である感光性樹脂組成物。
  2. (C)光重合開始剤であるアセトフェノン系化合物が、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オンであり、(D)光重合開始助剤であるアミン系化合物が4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物を、基板または先に形成された着色感光性樹脂組成物の固形分からなる層の上に塗布し、塗布された感光性樹脂組成物層から揮発成分を除去し、フォトマスクを介して該層を露光し、現像するパターンの形成方法。
  4. 請求項3に記載の方法で形成されたパターンを含むカラーフィルター。
  5. 請求項4に記載されたカラーフィルターを使用した液晶表示装置。
JP2003034711A 2002-02-18 2003-02-13 感光性樹脂組成物 Pending JP2004046070A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007003866A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Toppan Printing Co Ltd 光硬化性樹脂組成物及びカラーフィルタ
JP2008052251A (ja) * 2006-05-31 2008-03-06 Mitsubishi Chemicals Corp 保護膜用熱硬化性組成物、硬化物、及び液晶表示装置
JP2009534488A (ja) * 2006-04-21 2009-09-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 繊維状又は粒状の基材のためのバインダーとしての水性ポリマー組成物の使用

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