JP2004045496A - 2次元光走査装置及び映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で走査歪みを低減できる2次元光走査装置及びこれを用いた小型省エネルギーの映像表示装置。
【解決手段】光源10と、それからの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニット1と、走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系20とを備えた2次元光走査装置であり、走査光学系20は入射面24と第1反射面23と第2反射面22と射出面21とを備え、入射面24から第1反射面23へ向かう光束と第2反射面22から射出面21へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、入射面24、第1反射面23、第2反射面22、射出面21の少なくとも1面が非回転対称面からなる。
【選択図】 図11
【解決手段】光源10と、それからの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニット1と、走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系20とを備えた2次元光走査装置であり、走査光学系20は入射面24と第1反射面23と第2反射面22と射出面21とを備え、入射面24から第1反射面23へ向かう光束と第2反射面22から射出面21へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、入射面24、第1反射面23、第2反射面22、射出面21の少なくとも1面が非回転対称面からなる。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を生成するための2次元走査を行う2次元光走査装置とそれを用いた映像表示装置に関するものである、特に、ジンバル構造を有する光走査装置において、走査歪みの少ない2次元走査装置及びこれを用いた映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特開2001−174740号公報、特開2001−281583号公報等において光走査装置を提案している。特開2001−174740号公報記載のものは、入射ビームと走査ビームの中心ビームとが略直線状になるようにして光走査装置を小型にするものであった。また、特開2001−281583号公報記載のものは、単一の2次元反射ミラーと偏心プリズムを組み合わせて小型の光走査装置を構成するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの走査装置では、走査歪みが十分補正されているとはいえなかった。
【0004】
本発明は従来技術のこのような現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で走査歪みを低減できる2次元光走査装置及びこれを用いた小型省エネルギーの映像表示装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の2次元光走査装置は、光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系とを備えた2次元光走査装置であって、
前記走査光学系が、前記走査ユニットで走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、前記入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、前記第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、前記第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備え、前記入射面から前記第1反射面へ向かう光束と前記第2反射面から前記射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、前記入射面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記射出面の少なくとも1面が非回転対称面からなることを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の映像表示装置は、光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系と、前記走査光学系により形成された被走査面近傍に配置され前記走査光学系の射出瞳を観察者の瞳近傍に投影する正のパワーを有する接眼光学系とを備えた映像表示装置であって、
前記走査光学系が、前記走査ユニットで走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、前記入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、前記第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、前記第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備え、前記入射面から前記第1反射面へ向かう光束と前記第2反射面から前記射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、前記入射面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記射出面の少なくとも1面が非回転対称面からなることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明において上記構成をとる理由と作用を説明する。
【0008】
図1に、ジンバル構造を有する走査ユニットと、それによる2次元走査の様子を示す。走査ユニット1は、走査ミラー1、中間枠3、外枠4を備えている。走査ミラー2は、x−x軸方向に延びる軸5で中間枠3に連結されている。そして、その中間枠3がx−x軸と直交するy−y軸方向に延びる軸6で固定の外枠4に連結されている。よって走査ミラー2で反射した光は、軸5の周りでの走査ミラー2の揺動により水平走査(X方向走査)され、軸6の周りでの中間枠3と走査ミラー2の揺動により垂直走査(Y方向走査)されるようになっている。軸5、6周りでの揺動は電磁駆動方式、静電駆動方式、圧電素子駆動方式等の各種駆動方式が採用される。また、その揺動は軸5、6の弾性変形での揺動でも、軸5、6周りでの自由回転での揺動でもよい。
【0009】
このようなジンバル構造を有する走査ユニット1を用いた光走査装置において、走査ミラー2の反射面に斜めに入射光ビーム7を入射たとする。この場合、反射光ビーム7の被走査面におけるX方向及びY方向の位置は、x−x軸周りでの回転角θx 、y−y軸周りでの回転角θy に比例して定まるのではない。例えば図1に示すように、回転角θy を固定していても、回転角θx の値によってY方向位置が変化する走査線の歪み(ここでは、円弧状の歪み)が生じる。このような走査線の歪みがあると、被走査面上での像は歪んでしまう。このような歪みを走査歪みと呼ぶ。
【0010】
図2は、入射光ビーム7の入射角が45°のときの、(θx /θx max,θy /θy max )の値に対応する被走査面上におけるビーム位置を(X,Y)で示した図である。なお、x−x軸周りでの回転角θx がゼロのときに、走査ミラー2の法線が入射光ビーム7とx−x軸を含む面内にあるものとしている。走査歪みがないときには、(1,1)−(1,0)−(1,−1)−(0,−1)−(−1,−1)−(−1,0)−(−1,1)−(0,1)−(1,1)を結んだ枠が長方形になる。ところが、図1のようなジンバル構造を有する走査ユニット1を用いた光走査装置では、図2に例示するような走査歪みが発生してしまう。
【0011】
このような走査歪みを補正するために、本発明においては、走査光学系に偏心プリズムを配置している。この偏心プリズムは、2次元走査ミラー1で走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、その入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、その第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、その第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備えている。そして、その入射面から第1反射面へ向かう光束と第2反射面から射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差するように、各面が配置されている。そして、入射面、第1反射面、第2反射面、射出面の少なくとも1面が非回転対称面になっている。
【0012】
このような偏心プリズムを用いると、入射面、第1反射面、第2反射面、射出面のうち、少なくとも1面を非回転対称面で構成しているので、走査歪みを効果的に補正することができる。さらに好ましくは、反射面2面を共を非回転対称面で構成することが好ましい。
【0013】
また、プリズム内の光路が交差光路になっているので、反射面(第1反射面と第2反射面)での入射角度が小さくなり、偏心収差の発生が少ない。また、特開2001−281583号公報で用いているような偏心プリズムに比べて、全反射条件を満足する必要がない。よって、この点でも反射面に入射する光線の傾きを小さくすることが可能となり好ましい。
【0014】
なお、非回転対称な曲面形状としては、限定的でないが、自由曲面を用いることが望ましい。自由曲面は、例えば米国特許第6,124,989号(特開2000−66105号)の(a)式により定義される自由曲面であり、その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
【0015】
また、被走査面から走査ミラー(揺動ミラー)に至る逆光線追跡において、被走査面から順番に少なくとも2つの内部反射面で、軸上主光線(被走査面中心から出て走査ミラー中心に至る光線)が当たる位置での面法線と軸上主光線のなす角度をΘ1、Θ2とするとき、
10°<Θ1<40° ・・・(1)
10°<Θ2<40° ・・・(2)
なる条件を両方満足することが重要である。
【0016】
これらの条件の下限の10°を下回ると、反射面がプリズムの透過面の有効径を遮ってしまい、走査角度を大きくとることができない。また、小型の装置を構成することができない。上限の40°を上回ると、内部反射面で発生する偏心収差が大きく発生してしまい、他の面で補正することが不可能になってしまう。
【0017】
さらに好ましくは、
15°<Θ1<30° ・・・(1−1)
15°<Θ2<30° ・・・(2−1)
なる条件を満足することが好ましい。
【0018】
なお、後記の実施例1〜3においては、軸上主光線が少なくとも2つの内部反射面で反射する場合の面への入射角Θ1、Θ2は、次の通りである。
【0019】
さらに好ましくは、X−Z面又はY−Z面において、少なくとも2つの内部反射面は、被走査面側から負パワー、正パワーの順に配置することが好ましい。これは、この光学系がレトロフォーカスタイプと同じ構成になるため、小さなミラー振れ角で大きな走査角度を得ることができる。なお、面を示す各軸の定義であるが、逆光線追跡において、プリズムで折り曲がる軸上主光線方向をZ軸方向、それに直交する2つの軸をX軸、Y軸としている。
【0020】
さらに好ましくは、走査ミラーが画面中心位置の光線を反射しているときに、光源からの光線が当たる位置での面法線とその位置に入射する光線とのなす角をΘmとすると、
1°<Θm<45° ・・・(3)
なる条件を満足することが好ましい。下限の1°を下回ると、走査ミラーに入射した入射光ビームと、走査ミラーで反射された反射光ビームを分離することができない。また、上限の45°を上回ると、走査歪みが大きくなりすぎる。そのため、プリズム内の光路が交差光路をとる偏心プリズムを用いてもその走査歪みを補正することが難しくなる。
【0021】
さらに好ましくは、
3°<Θm<30° ・・・(3−1)
なる条件を満足することが好ましい。
【0022】
なお、後記の実施例1〜3においては、走査ミラーに対する軸上主光線の入射角度Θmは、次の通りである。
【0023】
また、本発明の映像表示装置は、以上のような本発明の2次元光走査装置において、走査光学系で形成された被走査面近傍に、正のパワーを有する接眼光学系を配置している。この接眼光学系は、射出瞳(通常は虚像)を観察者の瞳近傍に投影するものである。
【0024】
図3にこのような映像表示装置の概念図を示す。接眼光学系30は、走査光学系20の射出瞳を、観察者の眼球E位置近傍に投影する役割を有する。この接眼光学系30を、走査光学系20による被走査面近傍に配置することで、走査光学系20から射出した光束を接眼光学系30により集光させ、観察することが可能となる。これにより、光源10から射出した光束の大部分を、観察者の眼球E近傍に集光することが可能となる。その結果、光源10からの光を有効に観察に使用することが可能となり、少ない消費電力で明るい観察像を観察することが可能となる。なお、図3中、符号11は光源10からの光束をコリメートして走査ミラー2に入射させる照明光学系、40は接眼光学系30によって投影された2次元光走査装置の射出瞳の像である。また、接眼光学系30位置に示したX方向は主走査方向、Y方向は副走査方向を示す。
【0025】
なお、図3では走査光学系20をレンズのように図示してあるが、実際は後記の実施例のように、入射面、第1反射面、第2反射面、射出面からなる偏心プリズムである。
【0026】
そして、被走査面近傍に光拡散性を有する拡散面31を配置することにより、観察者眼球Eで観察可能となる位置を広く設定することが可能となる。完全な散乱特性を有する拡散面は、見る位置からの照度ムラや観察する方向に制約を受けることがなくなり好ましい。しかしながら、省電力、小型化を重視する場合には、拡散角が狭い拡散板を用いるのが好ましい。このうようにすると、光源10からの光の利用効率を向上させることができる。さらに好ましくは、拡散面31による拡散角が、光強度で1/10になる拡散角度を全幅で20°以下にすることが好ましい。
【0027】
また、拡散面31としては、少なくとも2面配置することが好ましい。2面以上の拡散面31を光軸に沿って重ねて配置することにより、同程度の拡散面の粗さでも、ざらつきを低減することが可能となる。
【0028】
ここで、接眼光学系30は、通常の正レンズでもよいし、正パワーのフレネルレンズでも、反射鏡でも、フレネル反射鏡でもよい。これらのレンズ面、反射面は、回転対称面だけでなく、偏心したフレネルレンズ面、フレネル反射面、自由曲面、アナモルフィック面でも構成できる。また、これらの反射鏡は表面鏡でも裏面鏡でもよいが、フレネル反射鏡の場合、裏面鏡として構成し、その裏面鏡部分をフレネル反射鏡とすることが好ましい。
【0029】
そして、このような接眼光学系30の少なくとも1面に拡散作用をする拡散面31を一体に設けるようにすることもできる。フレネルレンズ、フレネル反射鏡で接眼光学系30を構成する場合に、そのフレネル面に拡散作用を分担させることも可能である。
【0030】
本発明の映像表示装置は、接眼光学系30を左右共通とし、2次元光走査装置を左右の眼用に別々に設け、接眼光学系30により左眼用の走査光学系20Lの射出瞳を観察者の左眼ELの瞳近傍に、右眼用の走査光学系20Rの射出瞳を観察者の右眼ERの瞳近傍に投影するように配置し、左右の眼用の光走査装置で左右別々の映像、例えば両眼視差のある映像を表示するようにすることにより、立体像が観察可能な映像表示装置として構成できる。図4にこのような立体像が観察可能な映像表示装置の概念図を示す。映像表示装置は光源10、照明光学系11、走査ミラー2、走査光学系20を備える。また、40は走査光学系20の射出瞳である。そして、左右の眼用を示す“L” 、“R” を符号の後に付加して、それぞれ左右の眼用であることを示している。また、左右の眼球をそれぞれEL、ERで示している。
【0031】
この立体像が観察可能な映像表示装置の場合も、被走査面近傍に配置する拡散面31による拡散角は、光強度で1/10になる拡散角度を全幅で20°以下に設定することが必要である。
【0032】
ところで、本発明において用いる走査光学系は、偏心プリズムを有する。この偏心プリズムは上述のように、走査ミラーに面する入射面、第1反射面、第2反射面、被走査面に面する射出面を有する。そして、そのうちの少なくとも1面を、照明光学系の光学面として兼用させることが好ましい。ここで、照明光学系は、光源からの光を走査ミラーに入射させる光学系である。このような構成にすることにより、光源からの光束を走査ミラーに集光する作用と、走査歪みを補正する作用との両方をこの偏心プリズムに持たせることが可能となる。
【0033】
さらに、この偏心プリズムは、少なくとも1つの反射面を照明光学系の光学面として兼用させることが望ましい。
【0034】
また、本発明の2次元光走査装置及び映像表示装置において用いる光源としては、LED(発光ダイオード)又はLD(レーザダイオード)がある。これらの発光素子を用いることにより光源部分を小型に構成することが可能になる。この結果、装置全体を小型に構成することが可能となる。また、このような光源を用いることにより色再現性が高まり、特に赤色が鮮やかになる。
【0035】
また、光源として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色を含む光源を用いることにより、カラー化できることは言うまでもない。
【0036】
さらに、光源からの光を合成する光合成素子を有することが望ましい。この光合成素子は、R、G、Bの少なくとも3色の光を合成するものである。この光合成素子により、その少なくとも3波長の光束を1本の光束とすることが可能になるので、各波長の走査スポットを1点に集めることが可能である。その例を図5の概念図に示す。この例において、色分散プリズム51が光合成素子である。R、G、Bの3色の光源10R 、10G 、10B からの光束は、色分散プリズム51で1本の光束に合成される。この図では、走査光学系20が照明光学系11を兼ねている。走査光学系20に入射した3つの波長の光は、ここでコリメートされる。そして、コリメートされた3つの波長の光は走査ミラー2に入射し、ここで偏向されて被走査面を2次元走査する。
【0037】
光合成素子としては、色分散プリズム以外に、DOE(回折光学素子)、HOE(ホログラフィー光学素子)、ダイクロイックミラー等で光合成素子を用いることができる。
【0038】
3色の光源10R 、10G 、10B は、図5の場合は、図6(a)に示すように、副走査方向に3色の光源10R 、10G 、10B を並列して配置するのが好ましい。ただし、光源10R 、10G 、10B の大きさが大きく、図6(a)のように副走査方向(Y方向)に直線的に配置できないこともある。このような場合には、図6(b)に示すように、副走査方向(Y方向)に対して斜めに配置すれば良い。そして、主走査方向(X方向)に走査するときに、各光源10R 、10G 、10B に与える映像信号(変調信号)を主走査方向の各光源10R 、10G 、10B の位置ずれに対応する時間だけ遅延させるようにすればよい(電子的色ズレ補正手段)。
【0039】
また、図6(c)に示すように、各色の光源10R 、10G 、10B を複数(図の場合は各々2個)配置して、光合成素子で合成された光束をマルチビームにすることもできる。このようにすると、走査ミラー2で1回走査するときに複数本(図の場合2本)の走査線を発生させるようにすることが可能となり、より高精細な表示が可能となる。
【0040】
さらには、光源の色をR、G、Bの3色だけでなく4色以上にすることもできる。そして、上記のようにそれらの複数の色の光源を図6(a)〜(c)のようにずらして並列配置することにより、より色再現性の良いカラー映像表示を行うことができる。
【0041】
また、本発明は、光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記光源からの光束を前記走査ユニットに入射させる照明光学系と、前記走査ユニットにより走査された光束を被走査面上に入射させる走査光学系と、被走査面近傍に配置され前記走査光学系の射出瞳を観察者の瞳近傍に投影する正のパワーを有する接眼光学系とを備えた映像表示装置であって、
前記光源としてR、G、Bの3色以上の光源からなり、被走査面上における前記3色以上の光源の像が相互にずれるように配置され、前記3色以上の光源の像が被走査面上で描く走査線が時間的に相互にずれて略重なり合うように走査され、その時間的なずれに対応して各色の光線が時間的にずれて映像信号により変調されるようにすることができる。
【0042】
上記のように光合成素子を用いない構成では、R、G、Bの光源をずらして配置し、R、G、Bの光源による被走査面上での走査線を並列して走査させ、R、G、Bの走査線を時間的にずらして1本の走査線に重ね合わせることにより、電気信号的に合成してカラー映像表示を行うことができる。その概念図を図7と図8に示す。図7は光学系の配置を示す図、図8は走査線の様子を示す図である。図7において、走査光学系、照明光学系は図示を省いてある。
【0043】
本構成では、3色の光源10R 、10G 、10B を副走査方向に並列して配置してある。よって、被走査面(接眼光学系30の面)上には、これら光源10R 、10G 、10B の像10R ’ 、10G ’ 、10B ’ が副走査方向(Y方向)に並んで投影される。この状態で走査ミラー2を主走査させると、R、G、Bの走査スポット10R ’ 、10G ’ 、10B ’ はX方向に同時に移動してR、G、Bの走査線を描く。
【0044】
図8に示すように、1回目の走査を行うと、R、G、Bの3本の走査線が相互に1走査線分ずれて描かれる。そのとき、Rは−1本目の走査線の信号で変調し、Gは0本目の走査線の信号で変調し、Bは1本目の走査線の信号で変調する。しかし、走査線の−1本目と0本目には映像信号がないので、1回目の走査におけるR、Gの光源10R 、10Gの点灯はない。よって、1回目の走査はBの光源10B のみで走査を行う。
【0045】
2回目の走査の場合は、Y方向に1走査線分ずらして走査を行う。そのとき、Rは0本目の走査線の信号で変調し、Gは1本目の走査線の信号で変調し、Bは2本目の走査線の信号で変調する。しかし、走査線の0本目には映像信号がないので、2回目の走査におけるRの光源10Rの点灯はない。よって、2回目の走査はGとBの光源10G 、10Bのみで走査を行う。
【0046】
3回目の走査の場合は、Y方向にさらに1走査線分ずらして走査を行う。そのとき、Rには1本目の走査線の信号で変調し、Gは2本目の走査線の信号で変調し、Bは3本目の走査線の信号で変調する。この場合、各光源は点灯している。
【0047】
このように、カラーで走査を行うのに、R、G、Bの3本の走査線をY方向に1走査線分ずつずらして3回走査を行えば、その1本目の走査線のR、G、Bの走査が重なるのでカラー表示をおこなうことができる。以下、2本目以降の走査線についても同じである。このようにして、光源10R 、10G 、10B がずれて配置されていても、走査画面では色ズレのない走査画面を観察することができる。なお、光源10R 、10G 、10B の像10R ’ 、10G ’ 、10B ’ のズレ量と走査線の間隔を被走査面上で一致させておくか、その整数倍にしておくことが好ましい。
【0048】
さらに、光源の色を4つ以上で構成することにより、色再現性をさらに向上させることができる。
【0049】
また、本発明は、光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査する走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系とを備えた2次元光走査装置であって、
前記走査光学系が少なくとも1面以上の反射面を備えた偏心プリズムからなるとともに対称面を有し、
前記走査光学系の光軸と被走査面の交差点を画面原点とした時に前記対称面が前記画面原点を略含むように前記走査光学系を配置し、
1つの走査方向と前記対称面の方向が略一致するように前記走査光学系と前記走査ユニットを配置することもできる。
【0050】
走査光学系の対称面に画面原点(画像中心)が含まれるようにすると、非回転対称な走査歪みの発生方向を対称面の方向と一致させることが可能となり、偏心収差により前記像歪を補正することが可能となり、収差補正が容易になる。
【0051】
ところで、被走査面の画面原点Oに立てた法線を中心として、走査光学系を角度θ回転して配置したとする。例えば、図9では偏心プリズム20の対称面がY方向と一致した状態から、反時計回りに角度θで回転させている。この場合、偏心プリズム20の対称面も、Y方向に対して反時計回りに角度θで回転される。そこで、これに合わせて、偏心プリズム20の光軸を回転軸として、走査ユニットを偏心プリズム20に対して角度θだけ回転する。この時の回転方向は、偏心プリズム20側から見て時計回りである。すなわち、偏心プリズム20に入射する走査光束を、x−x方向からx’ −x’ 方向とすることにより、画面上で偏心プリズム20の回転前と同じX方向、Y方向に走査することができる。そして、このような回転配置をとることにより、1つの接眼光学系30に対して2つの2次元光走査装置を、画面原点Oに立てた法線を含む垂直方向の平面の両側に配置する構成に利用することができる。
【0052】
例えば、図4に示すような立体像が観察可能な映像表示装置の配置にする場合には、同一形状の走査光学系20を2つ用意すればよくなる。この結果、左右の走査光学系20を異なる形状、例えば相互に面対称な形状に構成する場合に比べて、走査光学系20の製造コストを大幅に下げることが可能となる。この場合、当然2つの2次元光走査装置の光源各々は、別々の表示をするように映像信号で変調するようにすることも可能である。また、左右同一の表示を行うために、同じ映像信号で変調するようにすることも可能である。
【0053】
以下に、本発明の2次元光走査装置及び映像表示装置に用いる光学系の実施例1〜3について説明する。
【0054】
実施例1〜3の構成パラメータは後記する。実施例では、光線追跡は、被走査面32から走査光学系を構成する偏心プリズム20、走査ミラー2、照明光学系を構成する偏心プリズム20の兼用面を順に経て光源10に向う順番で、いわゆる逆光線追跡である。また、図10に示すように、被走査面32の中心Oを通り、光学系の瞳を形成する走査ミラー2中心を通り、光源10に至る光線で、軸上主光線28を定義する。そして、逆光線追跡において、被走査面32の中心Oを走査光学系(偏心プリズム)の偏心光学面の原点として、軸上主光線28に沿う方向をZ軸方向とする。また、被走査面32から偏心プリズム20の被走査面32に面した面に向かう方向をZ軸正方向とする。そして紙面に平行な面をY−Z平面とし、原点を通りY−Z平面に直交し、紙面の表から裏へ向かう方向をX軸正方向とする。(X軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をY軸とする。)
偏心面については、光学系の原点の中心Oからその面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、その面の中心軸(自由曲面については、前記(a)式のZ軸)のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させると共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新たな座標系の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
【0055】
また、本発明で用いられる自由曲面の面の形状は、例えば米国特許第6,124,989号(特開2000−66105号)の(a)式により定義される自由曲面である。
【0056】
なお、データの記載されていない自由曲面に関する項は0である。屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。
【0057】
なお、実施例1〜3において、被走査面32の大きさは162.56×121.92mmであり、開口数NAは0.002であり、また、走査ミラー2の回転角θx 、θy は次の通りである。
【0058】
次に、各実施例の光学系の構成を説明する。
【0059】
実施例1の光学系を図10及び図11示す。図10は被走査面32から光源10に至る全体のY−Z断面内の光路図、図11はその主要部のY−Z断面内の光路図である。本実施例では、走査光学系は偏心プリズムで、被走査面32に面して配置されている。偏心プリズム20は、逆光線追跡の順に、射出面を構成する第1面21、第2反射面を構成する第2面22、第1反射面を構成する第3面23、入射面を構成する第4面24を備えている。そして、偏心プリズム20の第4面24に面して、2次元走査ミラー1(図1)の走査ミラー2が配置されている。そして、第1面21の軸上主光線28から離れた偏心位置には、光源10が配置されている。この光源10からの光束は、偏心プリズム20の第1面21を経てプリズム内に入射し、第2面22、第3面23の順で内部反射され、第4面24を経て走査ミラー2に入射する。そして、直交する2つの軸を回転軸として回動する走査ミラー2で反射されて走査された光束は、第4面24を経てプリズム内に入射する。そして、偏心プリズム20の第3面23、第2面24の順で内部反射して、第1面21を経てプリズム外に射出する。偏心プリズム20から射出した光は、遠方に配置された被走査面32上に走査線を形成する。
【0060】
この実施例の偏心プリズム20は、第4面24から第3面23へ向かう光束と第2面22から第1面21へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置となっている。また、第1面21は球面(凹面)から構成されており、第2面22〜第4面24は自由曲面から構成されている。また、第1面21〜第4面24はY−Z面内で偏心している。また、この偏心プリズム20の第1面21〜第4面24は全て走査光学系と照明光学系の光学面を兼ねた構成となっている。
【0061】
実施例2の光学系を図12及び図13示す。図12は被走査面32から光源10に至る全体のY−Z断面内の光路図、図13はその主要部のY−Z断面内の光路図である。本実施例では、走査光学系は偏心プリズムで、被走査面32に面して配置されている。偏心プリズム20は、逆光線追跡の順に、射出面を構成する第1面21、第2反射面を構成する第2面22、第1反射面を構成する第3面23、入射面を構成する第4面24、照明光学系の入射面を構成する第5面25を備えている。そして、偏心プリズム20の第4面24に面して、2次元走査ミラー1(図1)の走査ミラー2が配置されている。また、第5面25に面して光源10が配置されている。この光源10からの光束は、この第5面25を経てプリズム内に入射し、第4面24からプリズム外に出て走査ミラー2に入射する。直交する2つの軸を回転軸として回動する走査ミラー2で反射されて走査された光束は、第4面24を経てプリズム内に入射する。そして、偏心プリズム20の第3面23、第2面24の順で内部反射して、第1面21を経てプリズム外に射出しする。偏心プリズム20から射出した光は、遠方に配置された被走査面32上に走査線を形成する。
【0062】
この実施例の偏心プリズム20は、第4面24から第3面23へ向かう光束と第2面22から第1面21へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置となっている。また、第5面25は第2面22と第3面23の間に配置されている。そして、第1面21は球面(凹面)、第5面25は球面(凸面)から構成されており、また、第2面22〜第4面24は自由曲面から構成されている。また、第1面21〜第5面25はY−Z面内で偏心している。また、この偏心プリズム20の第4面24のみが走査光学系と照明光学系の光学面を兼ねた構成となっている。
【0063】
実施例3の光学系を図14及び図15示す。図14は被走査面32から光源10に至る全体のY−Z面への投影光路図、図15はその主要部のY−Z面への投影光路図、図16はその主要部のX−Y面への投影光路図である。本実施例では、走査光学系は偏心プリズムで、被走査面32に面して配置されている。偏心プリズム20は、逆光線追跡の順に、射出面を構成する第1面21、第2反射面を構成する第2面22、第1反射面を構成する第3面23、入射面を構成する第4面24、照明光学系の入射面を構成する第5面25を備えている。そして、偏心プリズム20の第4面24に面して、2次元走査ミラー1(図1)の走査ミラー2が配置されている。また、第5面25に面して光源10が配置されている。この光源10からの光束は、この第5面25を経てプリズム内に入射し、第4面24からプリズム外に出て走査ミラー2に入射する。直交する2つの軸を回転軸として回動する走査ミラー2で反射されて走査された光束は、第4面24を経てプリズム内に入射し、第3面23、第2面24の順で内部反射して、第1面21を経てプリズム外に射出する。偏心プリズム20から射出した光は、遠方に配置された被走査面32上に走査線を形成する。
【0064】
この実施例の偏心プリズム20は、第4面24から第3面23へ向かう光束と第2面22から第1面21へ向かう光束とを同一平面へ投影したとき、プリズム内で交差する面配置となっているまた、第5面25は第2面22と第3面23の間に配置されている。そして、第1面21は球面(凹面)、第5面25は球面(凸面)から構成されており、また、第2面22〜第4面24は自由曲面から構成されている。また、第1面21〜第5面25は対称面を持たないで3次元的に偏心している。また、この偏心プリズム20の第4面24のみが走査光学系と照明光学系の光学面を兼ねた構成となっている。
【0065】
以下に各実施例の数値データを示すが、以下の表中の“FFS” は自由曲面、“RE” は反射面をそれぞれ示す。また,“絞り面” は走査ミラー2の配置位置に、“像面” は光源10位置に相当する。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
上記実施例1〜3の走査歪みを示す図2と同様の図を、それぞれ図17〜図19に示す。
【0070】
以上の本発明の2次元光走査装置及び映像表示装置は例えば次のように構成することができる。
【0071】
〔1〕 光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系とを備えた2次元光走査装置であって、
前記走査光学系が、前記走査ユニットで走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、前記入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、前記第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、前記第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備え、前記入射面から前記第1反射面へ向かう光束と前記第2反射面から前記射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、前記入射面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記射出面の少なくとも1面が非回転対称面からなることを特徴とする2次元光走査装置。
【0072】
〔2〕 前記偏心プリズムの少なくとも1面が、前記光源からの光を前記走査ユニットに入射させる照明光学系の光学面として兼用していることを特徴とする上記1記載の2次元光走査装置。
【0073】
〔3〕 前記偏心プリズムの少なくとも1つの反射面が、前記光源からの光を前記走査ユニットに入射させる照明光学系の光学面として兼用していることを特徴とする上記2記載の2次元光走査装置。
【0074】
〔4〕 前記走査ユニットは走査ミラーを有し、前記被走査面から前記走査ミラーに至る逆光線追跡において、前記被走査面から順番に少なくとも2つの内部反射面で、軸上主光線(被走査面中心から出て走査ミラー中心に至る光線)が当たる位置での面法線と軸上主光線のなす角度をΘ1、Θ2とするとき、
10°<Θ1<40° ・・・(1)
10°<Θ2<40° ・・・(2)
なる条件を満足することを特徴とする上記1から3の何れか1項記載の2次元光走査装置。
【0075】
〔5〕 前記走査ユニットは走査ミラーを有し、前記走査ミラーが前記被走査面中心位置の光線を反射しているときに、前記光源からの光線が前記走査ミラーに当たる位置での面法線とその位置に入射する光線とのなす角をΘmとすると、
1°<Θm<45° ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする上記1から4の何れか1項記載の2次元光走査装置。
【0076】
〔6〕 前記光源として発光ダイオード又はレーザダイオードを用いることを特徴とする上記1から5の何れか1項記載の2次元光走査装置。
【0077】
〔7〕 前記光源としてR、G、Bの3色以上を含む光源を用いることを特徴とする上記1から6の何れか1項記載の2次元光走査装置。
【0078】
〔8〕 前記光源のR、G、Bの3色以上の光線を合成する光合成素子を備えていることを特徴とする上記7記載の2次元光走査装置。
【0079】
〔9〕 前記光源としてR、G、Bの3色以上の光源からなり、被走査面上における前記3色以上の光源の像が相互にずれるように配置され、前記3色以上の光源の像が被走査面上で描く走査線が時間的に相互にずれて略重なり合うように走査され、その時間的なずれに対応して各色の光線が時間的にずれて変調されることを特徴とする上記7記載の2次元光走査装置。
【0080】
〔10〕 光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査する走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系とを備えた2次元光走査装置であって、
前記走査光学系が少なくとも1面以上の反射面を備えた偏心プリズムからなるとともに対称面を有し、
前記走査光学系の光軸と被走査面の交差点を画面原点とした時に前記対称面が前記画面原点を略含むように前記走査光学系を配置し、
1つの走査方向と前記対称面の方向が略一致するように前記走査光学系と前記走査ユニットを配置したことを特徴とする2次元光走査装置。
【0081】
〔11〕 光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系と、前記走査光学系により形成された被走査面近傍に配置され前記走査光学系の射出瞳を観察者の瞳近傍に投影する正のパワーを有する接眼光学系とを備えた映像表示装置であって、
前記走査光学系が、前記走査ユニットで走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、前記入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、前記第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、前記第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備え、前記入射面から前記第1反射面へ向かう光束と前記第2反射面から前記射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、前記入射面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記射出面の少なくとも1面が非回転対称面からなることを特徴とする映像表示装置。
【0082】
〔12〕 前記被走査面近傍に光拡散性を有する拡散面が配置されていることを特徴とする上記11記載の映像表示装置。
【0083】
〔13〕 前記拡散面による拡散角が、光強度で1/10になる拡散角度が全幅で20°以下であることを特徴とする上記12記載の映像表示装置。
【0084】
〔14〕 拡散面が少なくとも2面配置されていることを特徴とする上記12又は13記載の映像表示装置。
【0085】
〔15〕 前記接眼光学系がフレネルレンズからなることを特徴とする上記11から14の何れか1項記載の映像表示装置。
【0086】
〔16〕 前記接眼光学系がフレネル反射鏡からなることを特徴とする上記11から14の何れか1項記載の映像表示装置。
【0087】
〔17〕 前記接眼光学系がフレネル裏面反射鏡からなることを特徴とする上記16記載の映像表示装置。
【0088】
〔18〕 前記拡散面が前記接眼光学系の少なくとも1面に設けられていることを特徴とする上記12から17の何れか1項記載の映像表示装置。
【0089】
〔19〕 前記偏心プリズムの少なくとも1面が、前記光源からの光を前記走査ミラーに入射させる照明光学系の光学面として兼用していることを特徴とする上記11から18の何れか1項記載の映像表示装置。
【0090】
〔20〕 前記偏心プリズムの少なくとも1つの反射面が、前記光源からの光を前記走査ユニットに入射させる照明光学系の光学面として兼用していることを特徴とする上記19記載の映像表示装置。
【0091】
〔21〕 前記走査ユニットは走査ミラーを有し、前記被走査面から前記走査ミラーに至る逆光線追跡において、前記被走査面から順番に少なくとも2つの内部反射面で、軸上主光線(被走査面中心から出て走査ミラー中心に至る光線)が当たる位置での面法線と軸上主光線のなす角度をΘ1、Θ2とするとき、
10°<Θ1<40° ・・・(1)
10°<Θ2<40° ・・・(2)
なる条件を満足することを特徴とする上記11から20の何れか1項記載の映像表示装置。
【0092】
〔22〕 前記走査ユニットは走査ミラーを有し、前記走査ミラーが前記被走査面中心位置の光線を反射しているときに、前記光源からの光線が前記走査ミラーに当たる位置での面法線とその位置に入射する光線とのなす角をΘmとすると、
1°<Θm<45° ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする上記11から21の何れか1項記載の映像表示装置。
【0093】
〔23〕 前記光源として発光ダイオード又はレーザダイオードを用いることを特徴とする上記11から22の何れか1項記載の映像表示装置。
【0094】
〔24〕 前記光源としてR、G、Bの3色以上を含む光源を用いることを特徴とする上記11から23の何れか1項記載の映像表示装置。
【0095】
〔25〕 前記光源のR、G、Bの3色以上の光線を合成する光合成素子を備えていることを特徴とする上記24記載の映像表示装置。
【0096】
〔26〕 前記光源としてR、G、Bの3色以上の光源からなり、被走査面上における前記3色以上の光源の像が相互にずれるように配置され、前記3色以上の光源の像が被走査面上で描く走査線が時間的に相互にずれて略重なり合うように走査され、その時間的なずれに対応して各色の光線が時間的にずれて映像信号により変調されることを特徴とする上記24記載の映像表示装置。
【0097】
〔27〕 光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記光源からの光束を前記走査ユニットに入射させる照明光学系と、前記走査ユニットにより走査された光束を被走査面上に入射させる走査光学系と、被走査面近傍に配置され前記走査光学系の射出瞳を観察者の瞳近傍に投影する正のパワーを有する接眼光学系とを備えた映像表示装置であって、
前記光源としてR、G、Bの3色以上の光源からなり、被走査面上における前記3色以上の光源の像が相互にずれるように配置され、前記3色以上の光源の像が被走査面上で描く走査線が時間的に相互にずれて略重なり合うように走査され、その時間的なずれに対応して各色の光線が時間的にずれて映像信号により変調されることを特徴とする映像表示装置。
【0098】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、ジンバル構造の走査ミラーを用いて走査歪みの少ない小型の2次元光走査装置と映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジンバル構造を有する走査ユニットとそれによる2次元走査の様子を示す図である。
【図2】図1のジンバル構造を有する走査ユニットを用いた光走査装置の走査歪みを示す図である。
【図3】本発明による映像表示装置の概念図である。
【図4】本発明による立体像が観察可能な映像表示装置の概念図である。
【図5】光合成素子により3波長の光束を1本の光束とする場合の光走査装置の概念図である。
【図6】3色の光源の配置例を示す図である。
【図7】R、G、Bの走査線を時間的にずらして1本の走査線に重ね合わせることにより電気信号的に合成してカラー映像表示を行う映像表示装置の光学系の配置を示す図である。
【図8】図7の場合の走査線の様子を示す図である。
【図9】被走査面中心に対して偏心プリズムを斜め方向に配置する場合の2次元走査ミラーの走査方向を説明するための図である。
【図10】本発明の実施例1の光学系の被走査面から光源に至る全体のY−Z断面内の光路図である。
【図11】実施例1の光学系の主要部のY−Z断面内の光路図である。
【図12】本発明の実施例2の光学系の被走査面から光源に至る全体のY−Z断面内の光路図である。
【図13】実施例2の光学系の主要部のY−Z断面内の光路図である。
【図14】本発明の実施例3の光学系の被走査面から光源に至る全体のY−Z面への投影光路図である。
【図15】実施例3の光学系の主要部のY−Z面への投影光路図である。
【図16】実施例3の光学系の主要部のX−Y面への投影光路図である。
【図17】実施例1の走査歪みを示す図2と同様の図である。
【図18】実施例2の走査歪みを示す図2と同様の図である。
【図19】実施例3の走査歪みを示す図2と同様の図である。
【符号の説明】
1…ジンバル構造を有する走査ユニット
2…走査ミラー
3…中間枠
4…外枠
5…軸
6…軸
7…入射光ビーム
8…反射光ビーム
10、10L、10R、10R 、10G 、10B …光源
10R ’ 、10G ’ 、10B ’ …R、G、Bの走査スポット
11、11L、11R…照明光学系
20、20L、20R…走査光学系(偏心プリズム)
21…第1面
22…第2面
23…第3面
24…第4面
25…第5面
28…軸上主光線
30…接眼光学系
31…拡散面
32…被走査面
40、40L、40R…接眼光学系によって投影された2次元光走査装置の射出瞳の像
51…色分散プリズム
E、EL、ER…観察者眼球
O…被走査面の中心
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を生成するための2次元走査を行う2次元光走査装置とそれを用いた映像表示装置に関するものである、特に、ジンバル構造を有する光走査装置において、走査歪みの少ない2次元走査装置及びこれを用いた映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特開2001−174740号公報、特開2001−281583号公報等において光走査装置を提案している。特開2001−174740号公報記載のものは、入射ビームと走査ビームの中心ビームとが略直線状になるようにして光走査装置を小型にするものであった。また、特開2001−281583号公報記載のものは、単一の2次元反射ミラーと偏心プリズムを組み合わせて小型の光走査装置を構成するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの走査装置では、走査歪みが十分補正されているとはいえなかった。
【0004】
本発明は従来技術のこのような現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で走査歪みを低減できる2次元光走査装置及びこれを用いた小型省エネルギーの映像表示装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の2次元光走査装置は、光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系とを備えた2次元光走査装置であって、
前記走査光学系が、前記走査ユニットで走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、前記入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、前記第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、前記第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備え、前記入射面から前記第1反射面へ向かう光束と前記第2反射面から前記射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、前記入射面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記射出面の少なくとも1面が非回転対称面からなることを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の映像表示装置は、光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系と、前記走査光学系により形成された被走査面近傍に配置され前記走査光学系の射出瞳を観察者の瞳近傍に投影する正のパワーを有する接眼光学系とを備えた映像表示装置であって、
前記走査光学系が、前記走査ユニットで走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、前記入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、前記第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、前記第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備え、前記入射面から前記第1反射面へ向かう光束と前記第2反射面から前記射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、前記入射面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記射出面の少なくとも1面が非回転対称面からなることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明において上記構成をとる理由と作用を説明する。
【0008】
図1に、ジンバル構造を有する走査ユニットと、それによる2次元走査の様子を示す。走査ユニット1は、走査ミラー1、中間枠3、外枠4を備えている。走査ミラー2は、x−x軸方向に延びる軸5で中間枠3に連結されている。そして、その中間枠3がx−x軸と直交するy−y軸方向に延びる軸6で固定の外枠4に連結されている。よって走査ミラー2で反射した光は、軸5の周りでの走査ミラー2の揺動により水平走査(X方向走査)され、軸6の周りでの中間枠3と走査ミラー2の揺動により垂直走査(Y方向走査)されるようになっている。軸5、6周りでの揺動は電磁駆動方式、静電駆動方式、圧電素子駆動方式等の各種駆動方式が採用される。また、その揺動は軸5、6の弾性変形での揺動でも、軸5、6周りでの自由回転での揺動でもよい。
【0009】
このようなジンバル構造を有する走査ユニット1を用いた光走査装置において、走査ミラー2の反射面に斜めに入射光ビーム7を入射たとする。この場合、反射光ビーム7の被走査面におけるX方向及びY方向の位置は、x−x軸周りでの回転角θx 、y−y軸周りでの回転角θy に比例して定まるのではない。例えば図1に示すように、回転角θy を固定していても、回転角θx の値によってY方向位置が変化する走査線の歪み(ここでは、円弧状の歪み)が生じる。このような走査線の歪みがあると、被走査面上での像は歪んでしまう。このような歪みを走査歪みと呼ぶ。
【0010】
図2は、入射光ビーム7の入射角が45°のときの、(θx /θx max,θy /θy max )の値に対応する被走査面上におけるビーム位置を(X,Y)で示した図である。なお、x−x軸周りでの回転角θx がゼロのときに、走査ミラー2の法線が入射光ビーム7とx−x軸を含む面内にあるものとしている。走査歪みがないときには、(1,1)−(1,0)−(1,−1)−(0,−1)−(−1,−1)−(−1,0)−(−1,1)−(0,1)−(1,1)を結んだ枠が長方形になる。ところが、図1のようなジンバル構造を有する走査ユニット1を用いた光走査装置では、図2に例示するような走査歪みが発生してしまう。
【0011】
このような走査歪みを補正するために、本発明においては、走査光学系に偏心プリズムを配置している。この偏心プリズムは、2次元走査ミラー1で走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、その入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、その第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、その第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備えている。そして、その入射面から第1反射面へ向かう光束と第2反射面から射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差するように、各面が配置されている。そして、入射面、第1反射面、第2反射面、射出面の少なくとも1面が非回転対称面になっている。
【0012】
このような偏心プリズムを用いると、入射面、第1反射面、第2反射面、射出面のうち、少なくとも1面を非回転対称面で構成しているので、走査歪みを効果的に補正することができる。さらに好ましくは、反射面2面を共を非回転対称面で構成することが好ましい。
【0013】
また、プリズム内の光路が交差光路になっているので、反射面(第1反射面と第2反射面)での入射角度が小さくなり、偏心収差の発生が少ない。また、特開2001−281583号公報で用いているような偏心プリズムに比べて、全反射条件を満足する必要がない。よって、この点でも反射面に入射する光線の傾きを小さくすることが可能となり好ましい。
【0014】
なお、非回転対称な曲面形状としては、限定的でないが、自由曲面を用いることが望ましい。自由曲面は、例えば米国特許第6,124,989号(特開2000−66105号)の(a)式により定義される自由曲面であり、その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
【0015】
また、被走査面から走査ミラー(揺動ミラー)に至る逆光線追跡において、被走査面から順番に少なくとも2つの内部反射面で、軸上主光線(被走査面中心から出て走査ミラー中心に至る光線)が当たる位置での面法線と軸上主光線のなす角度をΘ1、Θ2とするとき、
10°<Θ1<40° ・・・(1)
10°<Θ2<40° ・・・(2)
なる条件を両方満足することが重要である。
【0016】
これらの条件の下限の10°を下回ると、反射面がプリズムの透過面の有効径を遮ってしまい、走査角度を大きくとることができない。また、小型の装置を構成することができない。上限の40°を上回ると、内部反射面で発生する偏心収差が大きく発生してしまい、他の面で補正することが不可能になってしまう。
【0017】
さらに好ましくは、
15°<Θ1<30° ・・・(1−1)
15°<Θ2<30° ・・・(2−1)
なる条件を満足することが好ましい。
【0018】
なお、後記の実施例1〜3においては、軸上主光線が少なくとも2つの内部反射面で反射する場合の面への入射角Θ1、Θ2は、次の通りである。
【0019】
さらに好ましくは、X−Z面又はY−Z面において、少なくとも2つの内部反射面は、被走査面側から負パワー、正パワーの順に配置することが好ましい。これは、この光学系がレトロフォーカスタイプと同じ構成になるため、小さなミラー振れ角で大きな走査角度を得ることができる。なお、面を示す各軸の定義であるが、逆光線追跡において、プリズムで折り曲がる軸上主光線方向をZ軸方向、それに直交する2つの軸をX軸、Y軸としている。
【0020】
さらに好ましくは、走査ミラーが画面中心位置の光線を反射しているときに、光源からの光線が当たる位置での面法線とその位置に入射する光線とのなす角をΘmとすると、
1°<Θm<45° ・・・(3)
なる条件を満足することが好ましい。下限の1°を下回ると、走査ミラーに入射した入射光ビームと、走査ミラーで反射された反射光ビームを分離することができない。また、上限の45°を上回ると、走査歪みが大きくなりすぎる。そのため、プリズム内の光路が交差光路をとる偏心プリズムを用いてもその走査歪みを補正することが難しくなる。
【0021】
さらに好ましくは、
3°<Θm<30° ・・・(3−1)
なる条件を満足することが好ましい。
【0022】
なお、後記の実施例1〜3においては、走査ミラーに対する軸上主光線の入射角度Θmは、次の通りである。
【0023】
また、本発明の映像表示装置は、以上のような本発明の2次元光走査装置において、走査光学系で形成された被走査面近傍に、正のパワーを有する接眼光学系を配置している。この接眼光学系は、射出瞳(通常は虚像)を観察者の瞳近傍に投影するものである。
【0024】
図3にこのような映像表示装置の概念図を示す。接眼光学系30は、走査光学系20の射出瞳を、観察者の眼球E位置近傍に投影する役割を有する。この接眼光学系30を、走査光学系20による被走査面近傍に配置することで、走査光学系20から射出した光束を接眼光学系30により集光させ、観察することが可能となる。これにより、光源10から射出した光束の大部分を、観察者の眼球E近傍に集光することが可能となる。その結果、光源10からの光を有効に観察に使用することが可能となり、少ない消費電力で明るい観察像を観察することが可能となる。なお、図3中、符号11は光源10からの光束をコリメートして走査ミラー2に入射させる照明光学系、40は接眼光学系30によって投影された2次元光走査装置の射出瞳の像である。また、接眼光学系30位置に示したX方向は主走査方向、Y方向は副走査方向を示す。
【0025】
なお、図3では走査光学系20をレンズのように図示してあるが、実際は後記の実施例のように、入射面、第1反射面、第2反射面、射出面からなる偏心プリズムである。
【0026】
そして、被走査面近傍に光拡散性を有する拡散面31を配置することにより、観察者眼球Eで観察可能となる位置を広く設定することが可能となる。完全な散乱特性を有する拡散面は、見る位置からの照度ムラや観察する方向に制約を受けることがなくなり好ましい。しかしながら、省電力、小型化を重視する場合には、拡散角が狭い拡散板を用いるのが好ましい。このうようにすると、光源10からの光の利用効率を向上させることができる。さらに好ましくは、拡散面31による拡散角が、光強度で1/10になる拡散角度を全幅で20°以下にすることが好ましい。
【0027】
また、拡散面31としては、少なくとも2面配置することが好ましい。2面以上の拡散面31を光軸に沿って重ねて配置することにより、同程度の拡散面の粗さでも、ざらつきを低減することが可能となる。
【0028】
ここで、接眼光学系30は、通常の正レンズでもよいし、正パワーのフレネルレンズでも、反射鏡でも、フレネル反射鏡でもよい。これらのレンズ面、反射面は、回転対称面だけでなく、偏心したフレネルレンズ面、フレネル反射面、自由曲面、アナモルフィック面でも構成できる。また、これらの反射鏡は表面鏡でも裏面鏡でもよいが、フレネル反射鏡の場合、裏面鏡として構成し、その裏面鏡部分をフレネル反射鏡とすることが好ましい。
【0029】
そして、このような接眼光学系30の少なくとも1面に拡散作用をする拡散面31を一体に設けるようにすることもできる。フレネルレンズ、フレネル反射鏡で接眼光学系30を構成する場合に、そのフレネル面に拡散作用を分担させることも可能である。
【0030】
本発明の映像表示装置は、接眼光学系30を左右共通とし、2次元光走査装置を左右の眼用に別々に設け、接眼光学系30により左眼用の走査光学系20Lの射出瞳を観察者の左眼ELの瞳近傍に、右眼用の走査光学系20Rの射出瞳を観察者の右眼ERの瞳近傍に投影するように配置し、左右の眼用の光走査装置で左右別々の映像、例えば両眼視差のある映像を表示するようにすることにより、立体像が観察可能な映像表示装置として構成できる。図4にこのような立体像が観察可能な映像表示装置の概念図を示す。映像表示装置は光源10、照明光学系11、走査ミラー2、走査光学系20を備える。また、40は走査光学系20の射出瞳である。そして、左右の眼用を示す“L” 、“R” を符号の後に付加して、それぞれ左右の眼用であることを示している。また、左右の眼球をそれぞれEL、ERで示している。
【0031】
この立体像が観察可能な映像表示装置の場合も、被走査面近傍に配置する拡散面31による拡散角は、光強度で1/10になる拡散角度を全幅で20°以下に設定することが必要である。
【0032】
ところで、本発明において用いる走査光学系は、偏心プリズムを有する。この偏心プリズムは上述のように、走査ミラーに面する入射面、第1反射面、第2反射面、被走査面に面する射出面を有する。そして、そのうちの少なくとも1面を、照明光学系の光学面として兼用させることが好ましい。ここで、照明光学系は、光源からの光を走査ミラーに入射させる光学系である。このような構成にすることにより、光源からの光束を走査ミラーに集光する作用と、走査歪みを補正する作用との両方をこの偏心プリズムに持たせることが可能となる。
【0033】
さらに、この偏心プリズムは、少なくとも1つの反射面を照明光学系の光学面として兼用させることが望ましい。
【0034】
また、本発明の2次元光走査装置及び映像表示装置において用いる光源としては、LED(発光ダイオード)又はLD(レーザダイオード)がある。これらの発光素子を用いることにより光源部分を小型に構成することが可能になる。この結果、装置全体を小型に構成することが可能となる。また、このような光源を用いることにより色再現性が高まり、特に赤色が鮮やかになる。
【0035】
また、光源として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色を含む光源を用いることにより、カラー化できることは言うまでもない。
【0036】
さらに、光源からの光を合成する光合成素子を有することが望ましい。この光合成素子は、R、G、Bの少なくとも3色の光を合成するものである。この光合成素子により、その少なくとも3波長の光束を1本の光束とすることが可能になるので、各波長の走査スポットを1点に集めることが可能である。その例を図5の概念図に示す。この例において、色分散プリズム51が光合成素子である。R、G、Bの3色の光源10R 、10G 、10B からの光束は、色分散プリズム51で1本の光束に合成される。この図では、走査光学系20が照明光学系11を兼ねている。走査光学系20に入射した3つの波長の光は、ここでコリメートされる。そして、コリメートされた3つの波長の光は走査ミラー2に入射し、ここで偏向されて被走査面を2次元走査する。
【0037】
光合成素子としては、色分散プリズム以外に、DOE(回折光学素子)、HOE(ホログラフィー光学素子)、ダイクロイックミラー等で光合成素子を用いることができる。
【0038】
3色の光源10R 、10G 、10B は、図5の場合は、図6(a)に示すように、副走査方向に3色の光源10R 、10G 、10B を並列して配置するのが好ましい。ただし、光源10R 、10G 、10B の大きさが大きく、図6(a)のように副走査方向(Y方向)に直線的に配置できないこともある。このような場合には、図6(b)に示すように、副走査方向(Y方向)に対して斜めに配置すれば良い。そして、主走査方向(X方向)に走査するときに、各光源10R 、10G 、10B に与える映像信号(変調信号)を主走査方向の各光源10R 、10G 、10B の位置ずれに対応する時間だけ遅延させるようにすればよい(電子的色ズレ補正手段)。
【0039】
また、図6(c)に示すように、各色の光源10R 、10G 、10B を複数(図の場合は各々2個)配置して、光合成素子で合成された光束をマルチビームにすることもできる。このようにすると、走査ミラー2で1回走査するときに複数本(図の場合2本)の走査線を発生させるようにすることが可能となり、より高精細な表示が可能となる。
【0040】
さらには、光源の色をR、G、Bの3色だけでなく4色以上にすることもできる。そして、上記のようにそれらの複数の色の光源を図6(a)〜(c)のようにずらして並列配置することにより、より色再現性の良いカラー映像表示を行うことができる。
【0041】
また、本発明は、光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記光源からの光束を前記走査ユニットに入射させる照明光学系と、前記走査ユニットにより走査された光束を被走査面上に入射させる走査光学系と、被走査面近傍に配置され前記走査光学系の射出瞳を観察者の瞳近傍に投影する正のパワーを有する接眼光学系とを備えた映像表示装置であって、
前記光源としてR、G、Bの3色以上の光源からなり、被走査面上における前記3色以上の光源の像が相互にずれるように配置され、前記3色以上の光源の像が被走査面上で描く走査線が時間的に相互にずれて略重なり合うように走査され、その時間的なずれに対応して各色の光線が時間的にずれて映像信号により変調されるようにすることができる。
【0042】
上記のように光合成素子を用いない構成では、R、G、Bの光源をずらして配置し、R、G、Bの光源による被走査面上での走査線を並列して走査させ、R、G、Bの走査線を時間的にずらして1本の走査線に重ね合わせることにより、電気信号的に合成してカラー映像表示を行うことができる。その概念図を図7と図8に示す。図7は光学系の配置を示す図、図8は走査線の様子を示す図である。図7において、走査光学系、照明光学系は図示を省いてある。
【0043】
本構成では、3色の光源10R 、10G 、10B を副走査方向に並列して配置してある。よって、被走査面(接眼光学系30の面)上には、これら光源10R 、10G 、10B の像10R ’ 、10G ’ 、10B ’ が副走査方向(Y方向)に並んで投影される。この状態で走査ミラー2を主走査させると、R、G、Bの走査スポット10R ’ 、10G ’ 、10B ’ はX方向に同時に移動してR、G、Bの走査線を描く。
【0044】
図8に示すように、1回目の走査を行うと、R、G、Bの3本の走査線が相互に1走査線分ずれて描かれる。そのとき、Rは−1本目の走査線の信号で変調し、Gは0本目の走査線の信号で変調し、Bは1本目の走査線の信号で変調する。しかし、走査線の−1本目と0本目には映像信号がないので、1回目の走査におけるR、Gの光源10R 、10Gの点灯はない。よって、1回目の走査はBの光源10B のみで走査を行う。
【0045】
2回目の走査の場合は、Y方向に1走査線分ずらして走査を行う。そのとき、Rは0本目の走査線の信号で変調し、Gは1本目の走査線の信号で変調し、Bは2本目の走査線の信号で変調する。しかし、走査線の0本目には映像信号がないので、2回目の走査におけるRの光源10Rの点灯はない。よって、2回目の走査はGとBの光源10G 、10Bのみで走査を行う。
【0046】
3回目の走査の場合は、Y方向にさらに1走査線分ずらして走査を行う。そのとき、Rには1本目の走査線の信号で変調し、Gは2本目の走査線の信号で変調し、Bは3本目の走査線の信号で変調する。この場合、各光源は点灯している。
【0047】
このように、カラーで走査を行うのに、R、G、Bの3本の走査線をY方向に1走査線分ずつずらして3回走査を行えば、その1本目の走査線のR、G、Bの走査が重なるのでカラー表示をおこなうことができる。以下、2本目以降の走査線についても同じである。このようにして、光源10R 、10G 、10B がずれて配置されていても、走査画面では色ズレのない走査画面を観察することができる。なお、光源10R 、10G 、10B の像10R ’ 、10G ’ 、10B ’ のズレ量と走査線の間隔を被走査面上で一致させておくか、その整数倍にしておくことが好ましい。
【0048】
さらに、光源の色を4つ以上で構成することにより、色再現性をさらに向上させることができる。
【0049】
また、本発明は、光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査する走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系とを備えた2次元光走査装置であって、
前記走査光学系が少なくとも1面以上の反射面を備えた偏心プリズムからなるとともに対称面を有し、
前記走査光学系の光軸と被走査面の交差点を画面原点とした時に前記対称面が前記画面原点を略含むように前記走査光学系を配置し、
1つの走査方向と前記対称面の方向が略一致するように前記走査光学系と前記走査ユニットを配置することもできる。
【0050】
走査光学系の対称面に画面原点(画像中心)が含まれるようにすると、非回転対称な走査歪みの発生方向を対称面の方向と一致させることが可能となり、偏心収差により前記像歪を補正することが可能となり、収差補正が容易になる。
【0051】
ところで、被走査面の画面原点Oに立てた法線を中心として、走査光学系を角度θ回転して配置したとする。例えば、図9では偏心プリズム20の対称面がY方向と一致した状態から、反時計回りに角度θで回転させている。この場合、偏心プリズム20の対称面も、Y方向に対して反時計回りに角度θで回転される。そこで、これに合わせて、偏心プリズム20の光軸を回転軸として、走査ユニットを偏心プリズム20に対して角度θだけ回転する。この時の回転方向は、偏心プリズム20側から見て時計回りである。すなわち、偏心プリズム20に入射する走査光束を、x−x方向からx’ −x’ 方向とすることにより、画面上で偏心プリズム20の回転前と同じX方向、Y方向に走査することができる。そして、このような回転配置をとることにより、1つの接眼光学系30に対して2つの2次元光走査装置を、画面原点Oに立てた法線を含む垂直方向の平面の両側に配置する構成に利用することができる。
【0052】
例えば、図4に示すような立体像が観察可能な映像表示装置の配置にする場合には、同一形状の走査光学系20を2つ用意すればよくなる。この結果、左右の走査光学系20を異なる形状、例えば相互に面対称な形状に構成する場合に比べて、走査光学系20の製造コストを大幅に下げることが可能となる。この場合、当然2つの2次元光走査装置の光源各々は、別々の表示をするように映像信号で変調するようにすることも可能である。また、左右同一の表示を行うために、同じ映像信号で変調するようにすることも可能である。
【0053】
以下に、本発明の2次元光走査装置及び映像表示装置に用いる光学系の実施例1〜3について説明する。
【0054】
実施例1〜3の構成パラメータは後記する。実施例では、光線追跡は、被走査面32から走査光学系を構成する偏心プリズム20、走査ミラー2、照明光学系を構成する偏心プリズム20の兼用面を順に経て光源10に向う順番で、いわゆる逆光線追跡である。また、図10に示すように、被走査面32の中心Oを通り、光学系の瞳を形成する走査ミラー2中心を通り、光源10に至る光線で、軸上主光線28を定義する。そして、逆光線追跡において、被走査面32の中心Oを走査光学系(偏心プリズム)の偏心光学面の原点として、軸上主光線28に沿う方向をZ軸方向とする。また、被走査面32から偏心プリズム20の被走査面32に面した面に向かう方向をZ軸正方向とする。そして紙面に平行な面をY−Z平面とし、原点を通りY−Z平面に直交し、紙面の表から裏へ向かう方向をX軸正方向とする。(X軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をY軸とする。)
偏心面については、光学系の原点の中心Oからその面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、その面の中心軸(自由曲面については、前記(a)式のZ軸)のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させると共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新たな座標系の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
【0055】
また、本発明で用いられる自由曲面の面の形状は、例えば米国特許第6,124,989号(特開2000−66105号)の(a)式により定義される自由曲面である。
【0056】
なお、データの記載されていない自由曲面に関する項は0である。屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。
【0057】
なお、実施例1〜3において、被走査面32の大きさは162.56×121.92mmであり、開口数NAは0.002であり、また、走査ミラー2の回転角θx 、θy は次の通りである。
【0058】
次に、各実施例の光学系の構成を説明する。
【0059】
実施例1の光学系を図10及び図11示す。図10は被走査面32から光源10に至る全体のY−Z断面内の光路図、図11はその主要部のY−Z断面内の光路図である。本実施例では、走査光学系は偏心プリズムで、被走査面32に面して配置されている。偏心プリズム20は、逆光線追跡の順に、射出面を構成する第1面21、第2反射面を構成する第2面22、第1反射面を構成する第3面23、入射面を構成する第4面24を備えている。そして、偏心プリズム20の第4面24に面して、2次元走査ミラー1(図1)の走査ミラー2が配置されている。そして、第1面21の軸上主光線28から離れた偏心位置には、光源10が配置されている。この光源10からの光束は、偏心プリズム20の第1面21を経てプリズム内に入射し、第2面22、第3面23の順で内部反射され、第4面24を経て走査ミラー2に入射する。そして、直交する2つの軸を回転軸として回動する走査ミラー2で反射されて走査された光束は、第4面24を経てプリズム内に入射する。そして、偏心プリズム20の第3面23、第2面24の順で内部反射して、第1面21を経てプリズム外に射出する。偏心プリズム20から射出した光は、遠方に配置された被走査面32上に走査線を形成する。
【0060】
この実施例の偏心プリズム20は、第4面24から第3面23へ向かう光束と第2面22から第1面21へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置となっている。また、第1面21は球面(凹面)から構成されており、第2面22〜第4面24は自由曲面から構成されている。また、第1面21〜第4面24はY−Z面内で偏心している。また、この偏心プリズム20の第1面21〜第4面24は全て走査光学系と照明光学系の光学面を兼ねた構成となっている。
【0061】
実施例2の光学系を図12及び図13示す。図12は被走査面32から光源10に至る全体のY−Z断面内の光路図、図13はその主要部のY−Z断面内の光路図である。本実施例では、走査光学系は偏心プリズムで、被走査面32に面して配置されている。偏心プリズム20は、逆光線追跡の順に、射出面を構成する第1面21、第2反射面を構成する第2面22、第1反射面を構成する第3面23、入射面を構成する第4面24、照明光学系の入射面を構成する第5面25を備えている。そして、偏心プリズム20の第4面24に面して、2次元走査ミラー1(図1)の走査ミラー2が配置されている。また、第5面25に面して光源10が配置されている。この光源10からの光束は、この第5面25を経てプリズム内に入射し、第4面24からプリズム外に出て走査ミラー2に入射する。直交する2つの軸を回転軸として回動する走査ミラー2で反射されて走査された光束は、第4面24を経てプリズム内に入射する。そして、偏心プリズム20の第3面23、第2面24の順で内部反射して、第1面21を経てプリズム外に射出しする。偏心プリズム20から射出した光は、遠方に配置された被走査面32上に走査線を形成する。
【0062】
この実施例の偏心プリズム20は、第4面24から第3面23へ向かう光束と第2面22から第1面21へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置となっている。また、第5面25は第2面22と第3面23の間に配置されている。そして、第1面21は球面(凹面)、第5面25は球面(凸面)から構成されており、また、第2面22〜第4面24は自由曲面から構成されている。また、第1面21〜第5面25はY−Z面内で偏心している。また、この偏心プリズム20の第4面24のみが走査光学系と照明光学系の光学面を兼ねた構成となっている。
【0063】
実施例3の光学系を図14及び図15示す。図14は被走査面32から光源10に至る全体のY−Z面への投影光路図、図15はその主要部のY−Z面への投影光路図、図16はその主要部のX−Y面への投影光路図である。本実施例では、走査光学系は偏心プリズムで、被走査面32に面して配置されている。偏心プリズム20は、逆光線追跡の順に、射出面を構成する第1面21、第2反射面を構成する第2面22、第1反射面を構成する第3面23、入射面を構成する第4面24、照明光学系の入射面を構成する第5面25を備えている。そして、偏心プリズム20の第4面24に面して、2次元走査ミラー1(図1)の走査ミラー2が配置されている。また、第5面25に面して光源10が配置されている。この光源10からの光束は、この第5面25を経てプリズム内に入射し、第4面24からプリズム外に出て走査ミラー2に入射する。直交する2つの軸を回転軸として回動する走査ミラー2で反射されて走査された光束は、第4面24を経てプリズム内に入射し、第3面23、第2面24の順で内部反射して、第1面21を経てプリズム外に射出する。偏心プリズム20から射出した光は、遠方に配置された被走査面32上に走査線を形成する。
【0064】
この実施例の偏心プリズム20は、第4面24から第3面23へ向かう光束と第2面22から第1面21へ向かう光束とを同一平面へ投影したとき、プリズム内で交差する面配置となっているまた、第5面25は第2面22と第3面23の間に配置されている。そして、第1面21は球面(凹面)、第5面25は球面(凸面)から構成されており、また、第2面22〜第4面24は自由曲面から構成されている。また、第1面21〜第5面25は対称面を持たないで3次元的に偏心している。また、この偏心プリズム20の第4面24のみが走査光学系と照明光学系の光学面を兼ねた構成となっている。
【0065】
以下に各実施例の数値データを示すが、以下の表中の“FFS” は自由曲面、“RE” は反射面をそれぞれ示す。また,“絞り面” は走査ミラー2の配置位置に、“像面” は光源10位置に相当する。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
上記実施例1〜3の走査歪みを示す図2と同様の図を、それぞれ図17〜図19に示す。
【0070】
以上の本発明の2次元光走査装置及び映像表示装置は例えば次のように構成することができる。
【0071】
〔1〕 光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系とを備えた2次元光走査装置であって、
前記走査光学系が、前記走査ユニットで走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、前記入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、前記第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、前記第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備え、前記入射面から前記第1反射面へ向かう光束と前記第2反射面から前記射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、前記入射面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記射出面の少なくとも1面が非回転対称面からなることを特徴とする2次元光走査装置。
【0072】
〔2〕 前記偏心プリズムの少なくとも1面が、前記光源からの光を前記走査ユニットに入射させる照明光学系の光学面として兼用していることを特徴とする上記1記載の2次元光走査装置。
【0073】
〔3〕 前記偏心プリズムの少なくとも1つの反射面が、前記光源からの光を前記走査ユニットに入射させる照明光学系の光学面として兼用していることを特徴とする上記2記載の2次元光走査装置。
【0074】
〔4〕 前記走査ユニットは走査ミラーを有し、前記被走査面から前記走査ミラーに至る逆光線追跡において、前記被走査面から順番に少なくとも2つの内部反射面で、軸上主光線(被走査面中心から出て走査ミラー中心に至る光線)が当たる位置での面法線と軸上主光線のなす角度をΘ1、Θ2とするとき、
10°<Θ1<40° ・・・(1)
10°<Θ2<40° ・・・(2)
なる条件を満足することを特徴とする上記1から3の何れか1項記載の2次元光走査装置。
【0075】
〔5〕 前記走査ユニットは走査ミラーを有し、前記走査ミラーが前記被走査面中心位置の光線を反射しているときに、前記光源からの光線が前記走査ミラーに当たる位置での面法線とその位置に入射する光線とのなす角をΘmとすると、
1°<Θm<45° ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする上記1から4の何れか1項記載の2次元光走査装置。
【0076】
〔6〕 前記光源として発光ダイオード又はレーザダイオードを用いることを特徴とする上記1から5の何れか1項記載の2次元光走査装置。
【0077】
〔7〕 前記光源としてR、G、Bの3色以上を含む光源を用いることを特徴とする上記1から6の何れか1項記載の2次元光走査装置。
【0078】
〔8〕 前記光源のR、G、Bの3色以上の光線を合成する光合成素子を備えていることを特徴とする上記7記載の2次元光走査装置。
【0079】
〔9〕 前記光源としてR、G、Bの3色以上の光源からなり、被走査面上における前記3色以上の光源の像が相互にずれるように配置され、前記3色以上の光源の像が被走査面上で描く走査線が時間的に相互にずれて略重なり合うように走査され、その時間的なずれに対応して各色の光線が時間的にずれて変調されることを特徴とする上記7記載の2次元光走査装置。
【0080】
〔10〕 光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査する走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系とを備えた2次元光走査装置であって、
前記走査光学系が少なくとも1面以上の反射面を備えた偏心プリズムからなるとともに対称面を有し、
前記走査光学系の光軸と被走査面の交差点を画面原点とした時に前記対称面が前記画面原点を略含むように前記走査光学系を配置し、
1つの走査方向と前記対称面の方向が略一致するように前記走査光学系と前記走査ユニットを配置したことを特徴とする2次元光走査装置。
【0081】
〔11〕 光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系と、前記走査光学系により形成された被走査面近傍に配置され前記走査光学系の射出瞳を観察者の瞳近傍に投影する正のパワーを有する接眼光学系とを備えた映像表示装置であって、
前記走査光学系が、前記走査ユニットで走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、前記入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、前記第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、前記第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備え、前記入射面から前記第1反射面へ向かう光束と前記第2反射面から前記射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、前記入射面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記射出面の少なくとも1面が非回転対称面からなることを特徴とする映像表示装置。
【0082】
〔12〕 前記被走査面近傍に光拡散性を有する拡散面が配置されていることを特徴とする上記11記載の映像表示装置。
【0083】
〔13〕 前記拡散面による拡散角が、光強度で1/10になる拡散角度が全幅で20°以下であることを特徴とする上記12記載の映像表示装置。
【0084】
〔14〕 拡散面が少なくとも2面配置されていることを特徴とする上記12又は13記載の映像表示装置。
【0085】
〔15〕 前記接眼光学系がフレネルレンズからなることを特徴とする上記11から14の何れか1項記載の映像表示装置。
【0086】
〔16〕 前記接眼光学系がフレネル反射鏡からなることを特徴とする上記11から14の何れか1項記載の映像表示装置。
【0087】
〔17〕 前記接眼光学系がフレネル裏面反射鏡からなることを特徴とする上記16記載の映像表示装置。
【0088】
〔18〕 前記拡散面が前記接眼光学系の少なくとも1面に設けられていることを特徴とする上記12から17の何れか1項記載の映像表示装置。
【0089】
〔19〕 前記偏心プリズムの少なくとも1面が、前記光源からの光を前記走査ミラーに入射させる照明光学系の光学面として兼用していることを特徴とする上記11から18の何れか1項記載の映像表示装置。
【0090】
〔20〕 前記偏心プリズムの少なくとも1つの反射面が、前記光源からの光を前記走査ユニットに入射させる照明光学系の光学面として兼用していることを特徴とする上記19記載の映像表示装置。
【0091】
〔21〕 前記走査ユニットは走査ミラーを有し、前記被走査面から前記走査ミラーに至る逆光線追跡において、前記被走査面から順番に少なくとも2つの内部反射面で、軸上主光線(被走査面中心から出て走査ミラー中心に至る光線)が当たる位置での面法線と軸上主光線のなす角度をΘ1、Θ2とするとき、
10°<Θ1<40° ・・・(1)
10°<Θ2<40° ・・・(2)
なる条件を満足することを特徴とする上記11から20の何れか1項記載の映像表示装置。
【0092】
〔22〕 前記走査ユニットは走査ミラーを有し、前記走査ミラーが前記被走査面中心位置の光線を反射しているときに、前記光源からの光線が前記走査ミラーに当たる位置での面法線とその位置に入射する光線とのなす角をΘmとすると、
1°<Θm<45° ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする上記11から21の何れか1項記載の映像表示装置。
【0093】
〔23〕 前記光源として発光ダイオード又はレーザダイオードを用いることを特徴とする上記11から22の何れか1項記載の映像表示装置。
【0094】
〔24〕 前記光源としてR、G、Bの3色以上を含む光源を用いることを特徴とする上記11から23の何れか1項記載の映像表示装置。
【0095】
〔25〕 前記光源のR、G、Bの3色以上の光線を合成する光合成素子を備えていることを特徴とする上記24記載の映像表示装置。
【0096】
〔26〕 前記光源としてR、G、Bの3色以上の光源からなり、被走査面上における前記3色以上の光源の像が相互にずれるように配置され、前記3色以上の光源の像が被走査面上で描く走査線が時間的に相互にずれて略重なり合うように走査され、その時間的なずれに対応して各色の光線が時間的にずれて映像信号により変調されることを特徴とする上記24記載の映像表示装置。
【0097】
〔27〕 光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記光源からの光束を前記走査ユニットに入射させる照明光学系と、前記走査ユニットにより走査された光束を被走査面上に入射させる走査光学系と、被走査面近傍に配置され前記走査光学系の射出瞳を観察者の瞳近傍に投影する正のパワーを有する接眼光学系とを備えた映像表示装置であって、
前記光源としてR、G、Bの3色以上の光源からなり、被走査面上における前記3色以上の光源の像が相互にずれるように配置され、前記3色以上の光源の像が被走査面上で描く走査線が時間的に相互にずれて略重なり合うように走査され、その時間的なずれに対応して各色の光線が時間的にずれて映像信号により変調されることを特徴とする映像表示装置。
【0098】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、ジンバル構造の走査ミラーを用いて走査歪みの少ない小型の2次元光走査装置と映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジンバル構造を有する走査ユニットとそれによる2次元走査の様子を示す図である。
【図2】図1のジンバル構造を有する走査ユニットを用いた光走査装置の走査歪みを示す図である。
【図3】本発明による映像表示装置の概念図である。
【図4】本発明による立体像が観察可能な映像表示装置の概念図である。
【図5】光合成素子により3波長の光束を1本の光束とする場合の光走査装置の概念図である。
【図6】3色の光源の配置例を示す図である。
【図7】R、G、Bの走査線を時間的にずらして1本の走査線に重ね合わせることにより電気信号的に合成してカラー映像表示を行う映像表示装置の光学系の配置を示す図である。
【図8】図7の場合の走査線の様子を示す図である。
【図9】被走査面中心に対して偏心プリズムを斜め方向に配置する場合の2次元走査ミラーの走査方向を説明するための図である。
【図10】本発明の実施例1の光学系の被走査面から光源に至る全体のY−Z断面内の光路図である。
【図11】実施例1の光学系の主要部のY−Z断面内の光路図である。
【図12】本発明の実施例2の光学系の被走査面から光源に至る全体のY−Z断面内の光路図である。
【図13】実施例2の光学系の主要部のY−Z断面内の光路図である。
【図14】本発明の実施例3の光学系の被走査面から光源に至る全体のY−Z面への投影光路図である。
【図15】実施例3の光学系の主要部のY−Z面への投影光路図である。
【図16】実施例3の光学系の主要部のX−Y面への投影光路図である。
【図17】実施例1の走査歪みを示す図2と同様の図である。
【図18】実施例2の走査歪みを示す図2と同様の図である。
【図19】実施例3の走査歪みを示す図2と同様の図である。
【符号の説明】
1…ジンバル構造を有する走査ユニット
2…走査ミラー
3…中間枠
4…外枠
5…軸
6…軸
7…入射光ビーム
8…反射光ビーム
10、10L、10R、10R 、10G 、10B …光源
10R ’ 、10G ’ 、10B ’ …R、G、Bの走査スポット
11、11L、11R…照明光学系
20、20L、20R…走査光学系(偏心プリズム)
21…第1面
22…第2面
23…第3面
24…第4面
25…第5面
28…軸上主光線
30…接眼光学系
31…拡散面
32…被走査面
40、40L、40R…接眼光学系によって投影された2次元光走査装置の射出瞳の像
51…色分散プリズム
E、EL、ER…観察者眼球
O…被走査面の中心
Claims (3)
- 光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系とを備えた2次元光走査装置であって、
前記走査光学系が、前記走査ユニットで走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、前記入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、前記第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、前記第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備え、前記入射面から前記第1反射面へ向かう光束と前記第2反射面から前記射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、前記入射面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記射出面の少なくとも1面が非回転対称面からなることを特徴とする2次元光走査装置。 - 光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査する走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系とを備えた2次元光走査装置であって、
前記走査光学系が少なくとも1面以上の反射面を備えた偏心プリズムからなるとともに対称面を有し、
前記走査光学系の光軸と被走査面の交差点を画面原点とした時に前記対称面が前記画面原点を略含むように前記走査光学系を配置し、
1つの走査方向と前記対称面の方向が略一致するように前記走査光学系と前記走査ユニットを配置したことを特徴とする2次元光走査装置。 - 光源と、前記光源からの光束を2次元方向に走査するジンバル構造の走査ユニットと、前記走査ユニットにより走査された光束の走査歪みを補正する作用を持つ非回転対称面を有する走査光学系と、前記走査光学系により形成された被走査面近傍に配置され前記走査光学系の射出瞳を観察者の瞳近傍に投影する正のパワーを有する接眼光学系とを備えた映像表示装置であって、
前記走査光学系が、前記走査ユニットで走査された光束をプリズム内に入射させる入射面と、前記入射面からプリズム内に入射した光束をプリズム内で反射する第1反射面と、前記第1反射面で反射された光束をプリズム内で反射する第2反射面と、前記第2反射面で反射された光束をプリズム外に射出する射出面とを備え、前記入射面から前記第1反射面へ向かう光束と前記第2反射面から前記射出面へ向かう光束とがプリズム内で交差する面配置の偏心プリズムからなり、前記入射面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記射出面の少なくとも1面が非回転対称面からなることを特徴とする映像表示装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051004 |