JP2004045201A - 生化学物質固定用基板 - Google Patents

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Munehiko Donpou
鈍宝 宗彦
Hideki Yamamoto
山元 英樹
Kiwamu Yuki
結城 究
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Abstract

【課題】カーボン基板表面とコーティング剤との親和性を改善し、生体関連物質の固定化量の増大した基板を提供する。
【解決手段】カーボン基板表面をハロゲン化し、基板表面とコーテイング剤との親和性の改善された基板を提供する。好ましくは、ハロゲンがフッ素又は塩素である、上記生化学物質固定用基板。基板材料に用いるカーボンとしては、無定形炭素、アモルファスカーボン、グラファイト、ダイアモンドなどが挙げられ、好ましくは、カーボンがアモルファスカーボンである、上記生化学物質固定用基板。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボン材料の表面をハロゲン化した生化学物質固定用基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、DNAチップによる遺伝子解析法が開発され、これによって遺伝子解析の速度が飛躍的に向上すると期待されている。また、DNAチップ法はタンパク質解析にも応用され、プロテインチップとして同種の基板材料が用いられている。こうしたチップは、ガラス、シリコン、カーボン、各種ポリマーなどの基板の表面にDNAやタンパク質を固定化したものである。
基板表面へのDNA等の固定化方法としては、コーティング溶液を用いて物理的に吸着する方法や、基板表面に共有結合を介して固定化する方法などがある。
【0003】
上記の材料のなかでも、カーボンは、寸法安定性、強度、耐薬品性、導電性等の点でDNAチップ基板材料として優れた材料である。WO00/22108には、DNA等を固定化する基体として、非ダイヤモンド炭素を含むダイヤモンド、グラファイト、非晶質炭素、無定形炭素が挙げられている。しかしながら、上記のカーボン材料では、基板表面が疎水性であるか、または親水性が十分ではなかったため、基板に固定化剤を塗布する際に、固定化剤溶液がはじかれて均一に塗布することが困難であるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、生化学物質固定用の基板として優れた特性を有するカーボン材料と、コーティング溶液との親和性を改善するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、カーボン表面をハロゲン化することによって、上記課題が解決され、コーティング溶液のはじきが抑えられ、接着性が向上することを見出し、この知見に基づき、本発明に到達した。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べる。
本発明において用いられる基板はカーボン材料よりなるものである。カーボン材料としては、無定型炭素、非晶質炭素(アモルファスカーボン)、グラファイト、ダイアモンドなどが挙げられるが、加工性と機械物性の点から、アモルファスカーボンが好ましい。
【0007】
本発明の生化学物質固定用基板は、その基板表面がハロゲン化されている必要がある。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、中でもフッ素、塩素が好ましく、フッ素がもっとも好ましい。カーボン表面をハロゲン化する方法は特に限定されないが、例えば、以下のような各種のハロゲン化方法が挙げられる。
【0008】
カーボン表面をフッ素化する方法としては、例えば、加熱または冷却下にフッ素ガスおよびフッ化水素、IF5やWF6、MoF6、ReF6、CoF3、AgF3、CeF4、MnF3、PbF4、KCoF4などの遷移金属フッ化物やリン、砒素、硫黄などのフッ化物、フッ化ハロゲンに接触させる方法や、有機溶剤中で光を触媒に用いながらフルオロキシトリフルオロメタンやフッ化ペリクロリルなどと接触させる方法、液体HF中でフッ素ガスを通じながら反応させる方法等が挙げられるが、最も好ましいのは、加熱下でフッ化水素ガスとフッ素ガスに接触させる方法である。
【0009】
カーボン表面を塩素化する方法としては、例えば、加熱下または紫外線照射下に塩素ガスまたは有機溶剤中で塩素に接触させる方法が挙げられる。この方法では、塩素の代わりに次亜ハロゲン酸t−ブチル、N−ハロゲノスクシンイミド、トリクロロメタンスルホニルハロゲニドなどを用いてもよく、塩素を導入する際にラジカル反応開始剤を用いても良い。また、反応効率の向上のために、リンやヨウ素、重金属塩、活性炭、シリカゲル、酸素、塩化スルフリル、濃硫酸、クロロ硫酸などの触媒などを用いることもできる。別の方法として、カーボン基板を液体塩素中に浸す方法も挙げられる。
【0010】
カーボン表面を臭素化する方法としては、加熱下または紫外線照射下に臭素ガスまたは有機溶剤中で臭素、トリハロゲノメタンスルホニルハロゲニド、トリクロロブロモメタンに接触させる方法などが挙げられ、このとき、ラジカル反応開始剤を用いて臭素を導入してもよい。反応効率の向上のために、リンやヨウ素、臭化アルミニウム、臭化ホウ素、塩素、重金属塩などの触媒などを用いることもできる。
【0011】
カーボン表面にヨウ素を導入する方法としては、加熱下または光照射下において、次亜ヨウ素酸t−ブチルや三塩化ヨウ素四酢酸鉛の存在下にヨウ素と接触させる方法などがある。反応効率の向上のために、希硝酸などの酸化剤を用いても良い。また、ヨウ素−酸化水銀法、ヨウ素−メタ過ヨウ素酸(またはヨウ素酸や過酢酸など)法、ヨウ素−フッ化銀(または過塩素酸銀)法などを用いても良い。
【0012】
上記の方法の他に、カーボン基板表面を他の元素で修飾してから最終的にハロゲンで置換する方法も挙げられる。また、表面のみでなく内部がハロゲン化されていてもよい。
【0013】
上記のような方法でカーボン表面をハロゲン化した後、基板表面にコーティング剤を塗布する。コーティング剤としては、生体関連化合物を固定化できる物質であれば特に限定されないが、例えば、ポリリジンやポリエチレンイミン、ポリアルキルアミンなどのポリ陽イオンポリマーを用いることができる。
【0014】
さらに生体関連化合物であるDNAやタンパク質をスポット状または全面に塗布し、固定化する。生体関連化合物はコーティング剤によって物理的に固定化される。DNAやタンパク質は天然物であっても合成物であってもよいし、生体関連化合物はこれらに限定されるものではない。
【0015】
生体関連化合物を固定化するにはアビジンとビオチンの相互作用を利用しても良い。具体的にはアビジンをグラフト重合したポリマーをコーティング剤として用い、生体関連化合物にはビオチンを結合しておく。また、この逆の組み合わせでもよい。生体関連化合物はアビジンとビオチンの相互作用力によって固定化される。また、アビジン、ビオチン以外の物質の相互作用を利用することもできる。このようにして作製された基板は研究用途や診断用途に使われる。
【0016】
【作用】
本発明の方法によれば、カーボン材料表面と生化学物質固定用のコーティング溶液との親和性が改善される。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。
【0018】
(基板表面のハロゲン導入量の測定)
アルファイバック社製PHI−5600型ESCA分析装置を用いてカーボン基板の表面分析を行った。測定にはMg−Kα線、14kV 400Wを用いた。分析面積は800μmΦであった。各元素特有のピーク強度から存在比率を算出した。
【0019】
実施例1
アモルファスカーボン基板(ユニチカ社製ユニベックス)をアルカリ水溶液(水酸化ナトリウム50g、蒸留水100ml、エタノール200ml)中で振盪しながら2時間洗浄した。その後、蒸留水で洗浄、乾燥した。基板をおいたニッケル製反応管内に、一定時間減圧した後、200℃に保ち、フッ化水素とフッ素ガス(1×10Pa)を導入した。3時間後、窒素ガスを導入してフッ素ガスを除いた後、基板を反応管内から取り出した。
この基板をポリリジン溶液(シグマ社より購入)に浸け、1時間室温で放置した。遠心機で余分な溶液を除いた後、40℃で5分間減圧乾燥した。末端に蛍光色素(Cy3)を導入したヒト遺伝子断片の1μg/μl、3×SSC溶液をAffymetrix 417 Arrayer(Affymetrix社製)のスポッターを用いて、この基板上にスポッテイングした。基板を水蒸気にかざして表面を曇らせた後、95℃のホットプレート上に載せ、曇りを取った。60mJのUVを照射した後、洗浄液(Succinic anhydride 5g、N−methyle−pyrrolidinone 315ml、0.2M sodium borate(pH8) 35ml)及び蒸留水で洗浄し、乾燥した。その後、基板上のスポットを蛍光測定器GTMAS−Scan2(日本レーザー電子社製)を用いて測定した。
【0020】
実施例2
アモルファスカーボン基板(ユニチカ社製ユニベックス)をアルカリ水溶液(水酸化ナトリウム50g、蒸留水100ml、エタノール200ml)中で振盪しながら2時間洗浄した。後、蒸留水で洗浄、乾燥した。反応管中1000℃で塩素ガスを流し、10分間、基板の塩素化を行った。この後、実施例1と同様にポリリジンをコーテイングし、DNA断片のスポッテイング、蛍光強度測定を行った。
【0021】
比較例1
フッ素化工程を行わない以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0022】
実施例3
高純度黒鉛板(東洋炭素社製)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0023】
比較例2
フッ素化工程を行わない以外は実施例3と同様の操作を行った。
【0024】
実施例4
マイクロ波プラズマCVD装置(無機材研型)を用いて、シリコン基板上に厚さ0.1mmのダイヤモンドライクカーボン(DLC)の薄膜を合成した。以下、このDLC基板を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行った。
【0025】
比較例3
塩素化工程を行わない以外は実施例4と同様の操作を行った。
【0026】
【表1】
Figure 2004045201
【0027】
表1の結果から明らかなように、基板表面のハロゲン化を行うことによって、ポリリジン溶液との親和性が向上し、基板表面での溶液の付着状態がよくなった。比較例1〜3では、ポリリジン溶液が表面ではじかれており、固定化量が少なく、不均一な付着状態になっていると考えられる。
また、実施例における蛍光強度は比較例に対して10倍以上の値を示している。蛍光強度は、基板表面に固定化されたDNA断片の量に比例するものであるから、この結果より、ポリリジンのコーティング状態が向上し、DNAの固定化量が劇的に増大していることがわかる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の生化学物質固定用カーボン基板により、コーティング剤との親和性が改良され、生体関連物質の固定化量を増大させることができる

Claims (3)

  1. 表面のハロゲン化されたカーボン材料からなる生化学物質固定用基板。
  2. ハロゲンがフッ素又は塩素である請求項1に記載の生化学物質固定用基板。
  3. カーボンがアモルファスカーボンである請求項1または2に記載の生化学物質固定用基板。
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