JP2003172737A - 固体支持体、基体、バイオセンサ、およびそれらを用いた生体物質の解析方法 - Google Patents

固体支持体、基体、バイオセンサ、およびそれらを用いた生体物質の解析方法

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JP2003172737A
JP2003172737A JP2001374764A JP2001374764A JP2003172737A JP 2003172737 A JP2003172737 A JP 2003172737A JP 2001374764 A JP2001374764 A JP 2001374764A JP 2001374764 A JP2001374764 A JP 2001374764A JP 2003172737 A JP2003172737 A JP 2003172737A
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Hiroshi Okamura
浩 岡村
Michifumi Nika
通文 丹花
Kosuke Tashiro
康介 田代
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Toyo Kohan Co Ltd
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Toyo Kohan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水晶振動子の表面に炭素系物質からなる表面
処理層を形成させ、次いで表面処理層を化学修飾した化
学修飾層にオリゴヌクレオチドまたは生理活性物質を優
れた付着強度と高い付着密度で担持させてバイオセンサ
とし、このバイオセンサを用いて高精度でかつ迅速に遺
伝子、蛋白質、ペプチドなどの生体物質を解析する。 【解決手段】 水晶振動子の表面にDLCなどの炭素系
物質からなる表面処理層を形成させてなる固体支持体の
表面処理層を化学修飾してなる基体に、オリゴヌクレオ
チドを強力にかつ高密度に固定して、これにハイブリダ
イズするオリゴヌクレオチドやハイブリダイズしないオ
リゴヌクレオチドの反応を共振周波数の変化として検出
して定量化し、ハイブリッド形成量の相違からSNPs
を解析するか、または上記素子に蛋白質やペプチドなど
の生理活性物質を固定化して、相互作用により結合する
生理活性物質や相互作用により結合しない生理活性物質
の反応を共振周波数の変化として検出して定量化し、相
互作用した量の相違から生理活性物質を解析する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子解析、診
断、治療などに使用される遺伝子、あるいは蛋白質やペ
プチドなどの生体物質の解析に用いられる、固体支持
体、その固体支持体に化学修飾を施した基体、その基体
にオリゴヌクレオチドまたは生理活性物質を固定してな
るバイオセンサ、およびそのバイオセンサを用いる生体
物質の解析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水晶振動子の共振周波数や共振抵
抗の変化を検出することによって、免疫測定などが行わ
れている。免疫測定では、水晶振動子の表面に抗原とな
る生体高分子や微生物を固定して、抗体や病原性微生物
などを測定することなどが行われている。また、DNA
の検出を行うバイオセンサとしては、近年DNAチップ
が注目されている。DNAチップは、表面処理を施した
ガラスチップのスライドグラスの表面に、1万以上のD
NA断片(DNAプローブ)などの遺伝子を載せたバイ
オセンサが、分子生物学、生化学の分野はもとより、病
気の発見など、医療分野でも広く利用されている。そし
て近年、DNAを固定化したバイオセンサが開発され、
遺伝子解析における解析速度が著しく速くなり、これを
応用して、医療分野においては疾病診断等も行われるよ
うになっている。
【0003】このようなバイオセンサを用いて、例えば
あるDNAサンプルの塩基配列を知りたい場合には、バ
イオセンサ上に、塩基配列が予め解明されており、互い
に異なる塩基配列を有する数万本のDNA断片を、位置
が分かるように結合させておいたものを用意し、これに
蛍光標識したDNAサンプルを流すと、DNA断片はバ
イオセンサ上に付けたDNA断片(プローブ)のうちの
相補的な配列を有するプローブとハイブリダイズする。
ハイブリダイズ部分はバイオセンサを蛍光測定すること
により、スポットとして識別可能であり、DNAサンプ
ル中に含まれるDNA断片の配列を解明することができ
る。
【0004】基板上にDNAを固定する方法としては、
スライドガラス或いはシリコン基板表面にポリリジン等
の高分子を塗布した後に固定する方法、フォトリソグラ
フ等の半導体技術を用いて基板上にDNAを合成する方
法等があるが、ポリリジン等の高分子を塗布してDNA
を固定する方法では、DNAの固定化状態が不安定なた
め、ハイブリッド形成工程に加えて洗浄工程や乾燥工程
を経るため、解析に時間を要し、またこれらの工程にお
いてDNAが剥離するといった問題が生じていた。
【0005】この問題を解決するため、本発明者らは化
学修飾を施す基体として、化学的に安定でかつ熱伝導性
に優れたダイヤモンド、DLC(ダイヤモンドライクカ
ーボン、Diamond Like carbon)、グラファイトまたは
それらの混合体などを用いるとDNAが安定して強力に
固定化され、PCR等の加熱冷却を繰り返すヒートサイ
クル時間を効果的に短縮できることを既に見出していた
(特開2000−139532号公報)。しかし、ハイ
ブリッド形成後に洗浄工程や乾燥工程を経るため、解析
に時間を要することや、これらの工程においてDNAが
剥離する可能性は依然として残されていた。
【0006】一方、水晶振動子などの電気−機械変換機
能を有する素子に既知のオリゴヌクレオチドを固定し、
これに検出目的とするDNAをハイブリダイズさせ、そ
れによって生じる周波数の変化を検出してDNA配列を
検出する試みが行われている(特開平6−245754
号公報)。これらの方法によれば、ハイブリッド形成後
の洗浄行程や乾燥行程を経ることなく解析可能であり、
解析時間を短縮できる。また、より高い振動数の水晶振
動子を用いることにより、解析感度を高めることも可能
である。しかしながら、水晶振動子にオリゴヌクレオチ
ドを直接固定化すると、強い付着強度、および高い付着
密度が得られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、水
晶振動子の表面に炭素系物質からなる表面処理層を形成
して固体支持体とし、次いで基体の表面処理層を化学修
飾して基体とし、その基体の化学修飾層にオリゴヌクレ
オチドまたは生理活性物質を優れた付着強度と高い付着
密度で担持させてバイオセンサとし、このバイオセンサ
を用いて高精度でかつ迅速に遺伝子、蛋白質、ペプチド
などの生理活性物質を解析することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の固体支持体は水
晶振動子上に表面処理層が形成されてなる固体支持体で
あり、前記表面処理層が、ダイヤモンド、DLC、グラ
ファイト、炭化物のいずれか、それらの混合物、または
これらを積層してなるものであることを特徴とし、ま
た、本発明の基体は上記の固体支持体表面に化学修飾を
施してなる基体であり、前記固体支持体の表面に、一方
の末端に活性化エステル基が結合した炭化水素基の他方
の末端をアミド結合を介して固定化させたことを特徴と
し、さらに活性化エステル基がN−ヒドロキシスクシン
イミドエステル基、またはp−ニトロフェノールエステ
ル基であることを特徴とする。
【0009】また本発明のバイオセンサは、上記のいず
れかの化学修飾を施した基体上にオリゴヌクレオチドを
固定化してなるバイオセンサ、または上記のいずれかの
化学修飾を施した基体上に生理活性物質を固定化してな
るバイオセンサであり、生理活性物質が蛋白質またはペ
プチドであることを特徴とする。
【0010】さらに本発明の生体物質を解析する方法
は、上記のいずれかのバイオセンサを用いて、遺伝子、
蛋白質、ペプチドなどの生体物質を解析する方法であり
上記のバイオセンサに、該バイオセンサに担持させたオ
リゴヌクレオチドとは異なるヌクレオチドをハイブリダ
イズさせ、そのハイブリダイズの反応を共振周波数の変
化として検出して定量化し、ハイブリッド形成量の相違
から塩基配列を解析する方法、または上記のバイオセン
サに、バイオセンサに担持させた生理活性物質とは異な
る生理活性物質を相互結合させ、その相互結合の反応を
共振周波数の変化として検出して定量化し、相互結合形
成量の相違から生理活性物質を解析する方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においては、化学的に安定
でかつ熱伝導性に優れたダイヤモンド、DLC、グラフ
ァイトまたはそれらの混合体などの炭素系物質からなる
表面処理層を形成させた水晶振動子からなる固体支持体
の表面処理層を化学修飾してなる基体に、オリゴヌクレ
オチドを強力にかつ高密度に固定して、これにハイブリ
ダイズするオリゴヌクレオチドやハイブリダイズしない
オリゴヌクレオチドの反応を、共振周波数の変化として
検出して定量化し、ハイブリッド形成量の相違からSN
Ps(一塩基多型、Single Nucleotide Polymorphism)を
解析したり、また上記素子に蛋白質やペプチドなどの生
理活性物質を固定化して、相互作用により結合する生理
活性物質や相互作用により結合しない生理活性物質の反
応を、共振周波数の変化として検出して定量化し、相互
作用した量の相違から生理活性物質を解析する。
【0012】水晶振動子の表面に形成する表面処理層と
しては、ダイヤモンド、DLC、グラファイト等の炭素
系物質のいずれか、それらの混合物、又はこれらを積層
させたものが好ましい。これらの表面処理層を形成させ
た固体支持体は、DNAプローブを多量に、強固に固定
化させることができる。すなわち、炭素系物質は化学安
定性に優れており、その後の化学修飾や、DNAプロー
ブ等を載せる際の反応等により変化することがないの
で、炭素系物質上に化学修飾を施しDNAなどのプロー
ブを固定化させた際に、図1に示すように炭素原子との
共有結合の状態を示し、DNAプローブを固体支持体表
面に強固に固定化することができる。また、上記のDL
C、ダイヤモンド、グラファイト等の炭素系物質と他の
物質との混合体や積層体、例えば金属やセラミックス等
との混合体や積層体も表面処理層として用いることがで
きる。さらに、DNAなどが固定化されたプローブにお
いては、例えば図1に示すように固体支持体上にDNA
を垂直に林立させることができるので、固体支持体表面
の単位面積あたりのDNAの固定化密度を増大させるこ
とができる。以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】(1)水晶振動子上の表面処理層の形成 本発明において用いる水晶振動子は、基準周波数が1〜
100MHzであり、AT切断した板状のものを用いる
ことが好ましい。この板状の水晶振動子の側面に金の電
極を形成させ、その上に表面処理層を形成させて固体支
持体とする。表面処理層としては、ダイヤモンド、DL
C、グラファイト、炭化物のいずれか、それらの混合
物、またはそれらを積層させたものであることが望まし
い。DLCは、ダイヤモンドやグラファイトと同様に炭
素原子から構成され、ダイヤモンドに類似した特性を有
することからDLC(Diamond like carbon)と呼ばれて
いる。DLC膜の構造はアモルファスである。これらの
表面処理層において、前記のDLCは、メタンガス10
0〜1体積%、残り水素ガス0〜99体積%を含んだ混
合ガス中で、イオン化蒸着法により作成したものである
ことが好ましい。また、これらの表面処理層の厚みは1
nm〜1000nmであることが好ましい。
【0014】表面処理層の形成方法としては、公知の方
法、例えば、マイクロ波プラズマCVD(Chemical Vap
or Deposit)法、ECRCVD(Electric Cyclotron R
esounance Chemical Vapor Deposit)法、IPC(Indu
ctively Coupled Plasma)法、直流スパッタリング法、
ECR(Electric Cyclotron Resounance)スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法、アークイオンプレー
ティング法、EB(electron Beam)蒸着法、抵抗加熱
蒸着法、イオン化蒸着法、アーク式蒸着法、レーザ蒸着
法などによることができる。このようにして本発明の化
学修飾を施す基体に用いる固体支持体が得られる。
【0015】(2)表面処理層の化学修飾 上記のようにして形成させた固体支持体の表面処理層に
さらに化学修飾を施して基体とする。化学修飾の一例と
しては、炭化水素基の末端に活性化エステル基が結合し
た基を、固体支持体の表面処理層にアミド結合を介して
固定化することをいう。このような化学修飾によって、
オリゴヌクレオチドを固体支持体の表面に固定化しやす
くする。その他の化学修飾は、末端に極性基、例えば、
水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、チオ
ール基、イソシアネート基等を有する炭化水素基で固体
支持体表面を置換することによる。前記炭化水素基とし
ては、炭素数が1〜12のもの、中でも1〜6のものが好
ましい。例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのモノ
カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン
酸、フマル酸などのジカルボン酸、トリメリト酸等の多
価カルボン酸が挙げられる。中でも、シュウ酸、コハク
酸が好ましい。炭化水素基の末端に結合する活性エステ
ル基としては、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル
あるいはp−ニトロフェノールエステルが好ましい。化
学修飾方法としては、例えば、塩素ガス中で固体支持体
に紫外線を照射して表面を塩素化し、次いでアンモニア
ガス中で紫外線照射してアミノ化した後、適当な酸クロ
ライドあるいは酸無水物を用いてカルボキシル化する。
次いで、トリメリト酸、ポリアクリル酸等の多価カルボ
ン酸溶液に浸漬することにより、カルボキシル化処理を
施した表面のカルボキシル化してないアミノ基をマスキ
ングする。また、多価カルボン酸溶液に浸漬することに
よって、基板の親水性を向上させ、DNAサンプルの基
板へのなじみを良好にすることができる。その後、カル
ボジイミドなどの脱水縮合剤を用いて活性化し、この化
学修飾を施した基体にオリゴヌクレオチドや生理活性物
質を固定化してバイオセンサとする。
【0016】固体支持体を化学修飾する方法のもう一つ
の例として、DLCからなる表面処理層をプラズマ法で
形成した後、アンモニアガス雰囲気中でプラズマを照射
することにより、DLCからなる表面処理層の表面をア
ミノ化する化学修飾を行うことも可能である。このよう
に、アミノ化した後、適当な酸クロリドあるいは酸無水
物を用いてカルボキシル化する。次いで、多価カルボン
酸溶液に浸漬することにより、表面のカルボキシル化し
ていないアミノ基をマスキングする。この後、上記と同
様に脱水縮合剤を用いて活性化する。
【0017】(3)オリゴヌクレオチドまたは生理活性
物質の固定 オリゴヌクレオチドまたは生理活性物質を固定する場合
は、オリゴヌクレオチドまたは生理活性物質を含有する
水溶液に浸漬してアミド結合により固定化する。このよ
うにして本発明のバイオセンサが得られる。
【0018】(4)生体物質の解析方法 以上のようにして得られたバイオセンサを用いて、解析
を目的とするSNPs、DNA、遺伝子、抗体(免疫グ
ロブリン)、蛋白質などを次のようにして解析する。例
としてまずSNPsを検出する場合を説明する。 [SNPsの検出]オリゴヌクレオチドA(以下、オリゴ
Aという。配列表の配列番号1参照。)とオリゴヌクレ
オチドB(以下、オリゴBという。配列表の配列番号2
参照。)はハイブリッドを形成(ハイブリダイズ)し、
オリゴA同士はハイブリダイズしない。この反応を本発
明のバイオセンサを用いて検出し、定量化する。 i) 固体支持体の作成 直径5mmの円状の金電極が形成された9mm角の水晶
板(基準周波数:9MHz)に、イオン化蒸着法によ
り、メタンガス95体積%、水素ガスを5体積%を混合
したガスを原料として、DLC膜を5nm厚みに形成し
た固体支持体を作成した。 ii) 固体支持体の化学修飾 次に、この固体支持体表面を化学修飾し、活性化させ
た。すなわち、DLC膜形成後、アンモニアガス雰囲気
中でプラズマを10分間照射して表面をアミノ化し、次
いで無水コハク酸溶液に20分間浸漬した。無水コハク
酸溶液は、N−メチル−2−ピロリドンに無水コハク酸
を140mM/L、ホウ酸ナトリウム(pH8)を0.
1M/Lを溶解させて作成した。水洗後、引き続き0.
1%ポリアクリル酸溶液に浸漬しマスキングた。次に、
活性化液に浸漬して直接活性化を行った。活性化液は、
200mL入りのビーカーに、N−ヒドロキシスクシン
イミドを115mgと1−[3−(ジメチルアミノ)プ
ロピル]3−エチルカルボジイミドを959mgを0.
1Mのリン酸バッファー(pH6)50mLに溶解させ
て作成した。この活性化液に浸漬して反応させ、洗浄し
た。
【0019】iii) バイオセンサの作成(オリゴAの基
体への固定化) 上記のようにして得られた化学修飾を施した基体を、1
0ng/μLに調整した200μLのオリゴA溶液に6
0分間浸漬した後、超純水中で3回洗浄し、バイオセン
サとした。 iv) オリゴBとのハイブリダイズ 上記のバイオセンサを、水晶振動子化学計測装置に電気
的に接続した状態で10ng/μLに調整した200μ
lのオリゴB溶液に60分間浸漬しハイブリダイズさせ
た。 v) ハイブリダイズしたオリゴBの定量 バイオセンサをオリゴB溶液に浸漬した直後からの共振
周波数の変化の測定値から、Miller and Bo
lefの式により質量変化に換算し、200ng/枚程
度のオリゴAとハイブリダイズしたオリゴBの量が定量
された。
【0020】vi) ハイブリダイズしたオリゴBの除去 上記のようにしてオリゴBをハイブリダイズしたバイオ
センサを80℃に加熱した洗浄液(2×SSC、0.2
%SDS)中に浸漬してハイブリダイズしたオリゴBを
除去した。 vii) オリゴAとのハイブリダイズ 上記のようにしてオリゴBを除去したバイオセンサを水
晶振動子化学計測装置に電気的に接続した状態で10n
g/μLに調整した200μLのオリゴA溶液に60分
間浸漬しハイブリダイズさせた。 viii) ハイブリダイズしたオリゴAの定量 v)と同様にして、バイオセンサをオリゴA溶液に浸漬し
た直後からの共振周波数の変化の測定値から、Mill
er and Bolefの式により質量変化に換算し、
0ng/枚程度の値が定量され、オリゴA同士はハイブ
リダイズしないことが確認された。 ix) ハイブリダイズしたオリゴAの除去 vi)と同様にして、オリゴAをハイブリダイズしたバイ
オセンサを洗浄液中に浸漬してハイブリダイズしたオリ
ゴBを除去した。
【0021】上記のiv)〜ix)の反応において、例えばオ
リゴBの配列の1つのAがTに変わった、オリゴC(配
列表の配列番号3参照。)を上記と同様にしてハイブリ
ダイズさせると、100ng/枚程度のオリゴAとハイ
ブリダイズしたオリゴCの量が定量された。さらに、オ
リゴBの配列の2つのAがTに変わった、オリゴD(配
列表の配列番号3参照。)を上記と同様にしてハイブリ
ダイズさせると、50ng/枚程度のオリゴAとハイブ
リダイズしたオリゴCの量を定量され、さらにハイブリ
ッドの形成量が減少した。このようにしてSNPsを検
出することができ、同様の手法を用いて、DNAや遺伝
子などを検出することができる。
【0022】[免疫グロブリンの検出]免疫グロブリンG
(以下簡略のため、IgGという)とプロテインAは相
互作用により結合するが、免疫グロブリンA(以下簡略
のため、IgAという)とプロテインAは相互作用によ
り結合しない。この反応を本発明のバイオセンサを用い
て検出し、定量化する。 i) バイオセンサの作成(IgGまたはIgAの基体へ
の固定化) 上記のSNPsの検出におけるi)〜ii)の操作をそのま
ま用い、化学修飾を施した基体を作成した。次いで、
0.5μg/μLに調整したIgG溶液に60分間浸漬
した後、超純水中で3回洗浄し、バイオセンサIとし
た。同様にして0.5μg/μLに調整したIgA溶液
に60分間浸漬した後、超純水中で3回洗浄し、バイオ
センサIIとした。
【0023】ii) プロテインAとの相互作用による結合 上記のバイオセンサIまたはバイオセンサIIを、それぞ
れ水晶振動子化学計測装置に電気的に接続した状態で
0.5μg/μLに調整した200μLのプロテインA
溶液に浸漬して反応させて固定化した。 iii) IgGまたはIgAと相互作用したプロテインA
の定量 バイオセンサIおよびバイオセンサIIをプロテインA溶
液に浸漬した直後からのそれぞれの共振周波数の変化の
測定値から、Miller and Bolefの式によ
り質量変化に換算し、200ng/枚程度のIgGと相
互作用したプロテインAの量、およびが55ng/枚程
度のIgAと相互作用したプロテインAの量定量され
た。このようにして抗体(免疫グロブリン)を検出する
ことができ、同様の手法を用いて、蛋白質、ペプチドな
どの生体物質を検出することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明においては、水晶振動子の表面に
炭素系物質からなる表面処理層を形成して固体支持体と
し、次いで基体の表面処理層を化学修飾して基体とし、
その基体の化学修飾層にオリゴヌクレオチドまたは生理
活性物質を優れた付着強度と高い付着密度で担持させて
バイオセンサとすることができる。即ち、炭素系物質か
らなる表面処理層を形成させた水晶振動子を化学修飾し
てなる基体に、オリゴヌクレオチドを強力にかつ高密度
に固定して、これにハイブリダイズするオリゴヌクレオ
チドやハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドの反応
を、共振周波数の変化として検出して定量化し、ハイブ
リッド形成量の相違からSNPsを解析したり、また基
体に蛋白質やペプチドなどの生理活性物質を固定化し
て、相互作用により結合する生理活性物質や相互作用に
より結合しない生理活性物質の反応を、共振周波数の変
化として検出して定量化し、相互作用した量の相違から
生体物質を解析したりすることにより、ハイブリッド形
成後または相互作用後の洗浄行程や乾燥行程を経ること
なく、高い解析感度で塩基配列や生体物質を解析するこ
とが可能となった。
【0025】 「配列表」 SEQUENCE LISTING <110>Toyo Kohan Co., Ltd. <120>固体支持体、その固体支持体の表面に化学修飾を施した基体、その基体に オリゴヌクレオチドまたは生理活性物質を固定してなるバイオセンサ、およびそ れらを用いた生体物質の解析方法 <130>P3024 <160>4 <210>1 <211>24 <212>DNA <213>artificial sequence <400>1 aaa ggt ttt ttt ttt ttt ttt ttg 24 <210>2 <211>27 <212>DNA <213>artificial sequence <400>2 aat tca aaa aaa aaa aaa aaa aac ctt 27 <210>3 <211>27 <212>DNA <213>artificial sequence <400>3 aat tca aaa aaa ata aaa aaa aac ctt 27 <210>4 <211>27 <212>DNA <213>artificial sequence <400>4 aat tca aaa aaa ata aat aaa aac ctt 27
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化学修飾を施した固体支持体にDNA
プローブを固定化した結合状態を示す概念図。
【符号の説明】 1:化学修飾を施した固体支持体 2:DLC層 3:DNA 4:DNAプローブ固定化固体支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/53 M 33/566 33/566 C12N 15/00 F (72)発明者 田代 康介 福岡県福岡市名島4丁目40番27号 Fターム(参考) 4B024 AA19 CA01 CA11 HA19 4B029 AA07 FA12 4B063 QA13 QQ42 QQ52 QR32 QR35 QR55 QS34

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶振動子上に表面処理層が形成されて
    なることを特徴とする固体支持体。
  2. 【請求項2】 前記表面処理層が、ダイヤモンド、ダイ
    ヤモンドライクカーボン、グラファイト、炭化物のいず
    れか、それらの混合物、またはこれらを積層してなるも
    のであることを特徴とする請求項1に記載の固体支持
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の固体支持体の表面に
    化学修飾を施したことを特徴とする基体。
  4. 【請求項4】 前記固体支持体の表面に、一方の末端に
    活性化エステル基が結合した炭化水素基の他方の末端を
    アミド結合を介して固定化させたことを特徴とする請求
    項3に記載の固体支持体の表面に化学修飾を施した基
    体。
  5. 【請求項5】 前記活性化エステル基がN−ヒドロキシ
    スクシンイミドエステル基であることを特徴とする請求
    項4に記載の固体支持体の表面に化学修飾を施した基
    体。
  6. 【請求項6】 前記活性化エステル基がp−ニトロフェ
    ノールエステル基であることを特徴とする請求項4に記
    載の固体支持体の表面に化学修飾を施した基体。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれかに記載の固体支
    持体の表面に化学修飾を施した基体上にオリゴヌクレオ
    チドを固定化してなることを特徴とするバイオセンサ。
  8. 【請求項8】 請求項3〜6のいずれかに記載の固体支
    持体の表面に化学修飾を施した基体上に生理活性物質を
    固定化してなることを特徴とするバイオセンサ。
  9. 【請求項9】 前記生理活性物質が蛋白質またはペプチ
    ドであることを特徴とする、請求項8に記載のバイオセ
    ンサ。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれかに記載のバイ
    オセンサを用いて、遺伝子、蛋白質、ペプチドなどの生
    体物質を解析することを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載のバイオセンサに、該
    バイオセンサに担持させたオリゴヌクレオチドとは異な
    るヌクレオチドをハイブリダイズさせ、そのハイブリダ
    イズの反応を共振周波数の変化として検出して定量化
    し、ハイブリッド形成量の相違から塩基配列を解析する
    ことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 請求項8または9のバイオセンサに、
    該バイオセンサに担持させた生理活性物質とは異なる生
    理活性物質を相互結合させ、その相互結合の反応を共振
    周波数の変化として検出して定量化し、相互結合形成量
    の相違から生理活性物質を解析することを特徴とする方
    法。
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