JP2005164387A - Dnaチップおよびそれを用いたバイオセンサー - Google Patents

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Abstract

【課題】
蛍光物質等の標識をすることなく、特定のDNAを迅速、簡便に検出することが可能で、かつ、小型化された高感度のバイオセンサーを提供する。
【解決手段】
微細加工技術によって1または複数の微小ウェルを電極表面上に配列させ、これら1または複数の微小ウェルの各々にプローブDNAを固定化したバイオ分子アレイチップを作製し、このプローブDNAにターゲットDNAが相互作用したときの酸化還元電流値の変化を高感度で測定することによって、ターゲットDNA中の単一塩基の変異を検出する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、非標識のターゲットDNAを検出するためのバイオチップおよびそれを用いたバイオセンサーに関する。より詳しくは、電気的信号検出によって非標識一塩基多型DNAを認識することができる高感度のバイオセンサーに関する。
近年、遺伝子の研究及び新薬開発プロセス、医療診断等などの分野において、バイオチップが注目され、研究開発が盛んに進められている。
バイオチップとは、固体表面上(固相化担体としては、シリコン基板、ガラス基板、高分子、金基板など)にDNA等の核酸、酵素や抗体のごときタンパク質、ペプチド等のバイオ分子、あるいは細胞等を固定化し、固定化されたバイオ分子等のプローブ物質に特定のターゲット物質が結合したときに生じる特異的な反応を検出するものである。特に、微量のサンプルを用いて大量にハイスループットな検出および解析ができるところから、大量かつ同時並行的な処理を要求されるポストゲノム時代のバイオ分子の機能解析技術にはバイオチップ関連技術が必須となっている。
バイオチップの代表例として、基板上にDNAを高密度に固定化し、ハイブリダイゼーションにより相補的な配列の存在を検出するDNAチップ(DNAマイクロアレイ)や、タンパク質を固定化し相互作用するタンパク質を検出するタンパク質チップ(プロテインチップ)などがある。
また、微細加工技術を利用してシリコン、ガラス等の基板表面上に流路、回路を成形し、微小空間上で反応、分離、検出等を行う装置、器具(ラボ・オン・チップ、μTAS(micro-total analysis system)、バイオMEMS(micro-electro-mechanical systems)等)が実用化され、それらをバイオチップと称することもある。
ゲノムプロジェクトによって、ヒトをはじめとする様々な生物の遺伝子配列情報が蓄積されてきた。今日のポストゲノム時代において、これらの遺伝子配列情報を有効に利用するための最も有効でこれから普及する技術として、バイオチップのなかでもDNAチップが研究されている。DNAチップは、多種類の遺伝子をハイスループットで検査する手法として注目されており、広い分野での基盤技術となると考えられる(非特許文献1)。
DNAチップを用いれば、ある条件下と対象条件下での遺伝子発現量の違いを解析することができるため、遺伝子機能解析分野で広く利用されるようになり、遺伝子診断、新薬開発、臨床診断の分野におけるバイオチップの応用が検討されている。特に、疾患に関与する遺伝子の解析は、病気の早期発見、早期治療を行っていく上で非常に重要であり、今後遺伝子診断への期待はますます高まって行くであろう。
従来、微小なチップ上にDNAを配列させ、固定化するマイクロアレイ技術では、まず、ピン(特許文献1)、インクジェット(特許文献2および3)、フォトリソグラフィー法で多種類のプローブ一本鎖DNAをガラス基板上に高密度で固定化し(DNAアレイの作製);蛍光標識化ターゲット一本鎖DNAをDNAアレイ上でハイブリダイゼーションさせ;次いで、DNAアレイを洗浄・乾燥させている。その後、基板上に結合した蛍光標識化ターゲットDNAを蛍光顕微鏡や蛍光スキャナーで画像化し解析することによってプローブとターゲットとの相互作用を確認する。
また、DNAが負電荷を帯びていることに着目し、プローブDNAの特定位置に正電位をかけることでDNAの固定化を達成するエレクトロニクスアドレッシング技術が開発され、プロープDNAとターゲットDNAとのハイブリダイゼーション時間の短縮化に成功している。しかしながら、この技術も、ハイブリダイゼーションの検出のために蛍光物質を使う。
このように、従来のマイクロアレイ技術は、例えば、ターゲットを蛍光標識し、蛍光発光の有無を光学的に検出することによって、プローブとターゲットとの相互作用を検出してきた。しかしながら、(1)ターゲットDNAを蛍光標識化するための前処理工程および、(2)蛍光標識を励起するためのレーザー装置や発光した蛍光を画像化し解析する装置が必要なため、従来の技術では、作業性および経済性の面から実用化が困難であった。
また、従来の蛍光検出型DNAチップを用いて対象遺伝子の発現を解析するには、数万もの遺伝子断片を用意して基板上に高密度に配置させる必要があるが、製造装置や解析装置にコストがかかるという理由から、一部の研究機関や病院でしか使用されていない。
現在、遺伝子DNA中の一塩基レベルの変異が特定の疾患に関与することから、一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism; SNP)の解析が急速に進んでいるとともに、個人のSNP情報をもとにした新薬開発や、個人差に合わせた医療を行うオーダーメード医療が最も重要な応用分野となっている。
SNPの解析には、安定性の微妙に異なった多種類のDNA二重らせんを同時に測定することが必要であり、所定の温度条件下、特定の溶液中で測定することが必要であるが、乾燥下で測定する従来のDNAマイクロアレイ技術ではこの測定は不可能であった。
特許文献4には、蛍光色素を核酸プローブに標識し、当該プローブに標的核酸がハイブリダイズしたときの蛍光強度の変化量から、標的核酸の多型および/または変異を解析する方法が記載されている。
近年、電気化学的にDNAのハイブリダイゼーションを検出する研究が行われている(非特許文献2および3)。
電気化学的な手法は、蛍光標識等を標識せずに非標識でDNAのハイブリダイゼーションを検出できることから、遺伝子解析の迅速化、解析装置の簡略化および低コスト化が図れるという利点を有している。
そのため、電気化学的DNAチップの研究は近年急激に増加しており(特許文献5,6および7)、単なるDNAセンシングのみでなく、ガンの発生メカニズムを分子生物学的に解析する手段としても研究されている(非特許文献4,5および6)。また、ミケルセン(Mikkelsen)らは、近年報告された電気化学的DNAチップの特性を他の遺伝子検出法と比較して示した(非特許文献7)。
例えば、特許文献5には、インターカレーターが結合されているDNAプローブが固定された電極を有するDNAチップが開示され、このDNAチップを核酸またはタンパク質である標的物質に接触させた後、サイクリックボルタモグラフィー等を用いて、DNA塩基対とインターカレーターとの間の電子移動により生じる電気的信号の入出力を検出している。
これらの研究は、主に、プローブDNAまたはターゲットDNAに酸化還元物質を修飾するか、DNAに特異的に結合するインターカレーターを導入するか(特許文献4,5および6)、または、インジケータフリー(indicator-free)な方法でハイブリダイゼーションを検出している。
したがって、これらの方法には、それぞれ、酸化還元物質を修飾するのでコストが上昇したり、DNAに特異的に結合するインターカレーターを選ばなければならないことや塩基対にインターカレーターが挿入して二重らせん構造に影響を与えるため、SNPの検出には適当ではないという問題がある。また、インジケータフリーな方法では塩基配列中にグアニン(G)の存在が必須であるので、測定可能範囲が限定されるといった問題がある。
さらに近年、医療現場での臨床検査としてポイント・オブ・ケア検査(Point-Of-Care Testing; POCT)の重要性が高まっており、POCT装置の1つとして、携帯型バイオセンサーのような小型化された自動分析システムが有力になると考えられる。
また電気化学的に遺伝子の発現解析を行うことを目的とする場合、数千ないし数万もの微小電極アレイを同時に測定する手法や装置が必要であるが、ケイ・カマン(K. Cammann)らによって報告された手法を応用することにより(非特許文献8および10)、高度に集積化された微小電極アレイ型DNAチップを開発することも可能であると考えられる。
その他、表面プラズモン共鳴センサー、微小水晶振動子上で相互作用を振動周波数の変化として検出する水晶振動子マイクロバランス(特許文献7)等を用いてハイブリダイゼーションによる重量変化を測定する手法、表面の偏光反射光の解析から相互作用を薄膜の厚みの増加として測定する偏光解析、相互作用を認識する抗体を用いた免疫化学的手法などさまざまな原理に基づく手法があるが、携帯型バイオセンサー用に小型化された装置はまだ実用化されていない。
特開2003−279576号公報 特開2001−186880号公報 特開2001−343386号公報 特開2002−191372号公報 特開2003−83968号公報 特開2003−161730号公報 特開2003−287538号公報 Nature Genetics, Vol.21, No. 1 supplement January 1999 S. Takenaka, K. Yamashita, M. Takagi, Y Uto, and H. Kondo, "DNA Sensing on a DNA Probe-Modified Electrode Using Ferrocenylnaphthalene Diimide as the Electrochemically Active Ligand", Anal. Chem, 72, 1334-1341 (2000) M.I. Pividori, A. Merkoci, S. Alegret, "Electrochemical genosensor design: immobilisation of oligonucleotides onto transducer surfaces and detection methods", Biosensors & Bioelectronics, 15, 291-303 (2000) E. Palecek, M. Fojta, M. Tomschik, J. Wang, "Electrochemical biosensors for DNA hybridization and DNA damage", Biosensors & Bioelectronics, 13, 621-628 (1998) D. H. Johnson, K. C. Glasgow, and H. H. Thorp, "Electrochemical Measurement of the Solvent Accessibility of Nucleobases Using Electron Transfer between DNA and Metal Complexes", J. Am. Chem. Soc., 117, 8933-8938 (1995) P. A Ropp and H. H. Thorp, "Site-selective electron transfer from purines to electrocatalysts: voltammetric detection of a biologically relevant deletion in hybridized DNA duplexes", Chem Biol., 6, 599-605 (1999) S. R. Mikkelsen, "Electrochemical Biosensors for DNA Sequence Detection", Electroanalysis, 8, 15-19 (1996) B. Ross, K. Cammann, W. Mokwa, and M. Rospert, "Ultramicroelectrode arrays as transducers for new amperometric oxygen sensors", Sensors and Actuators B, 7, 758-762 (1992) H. Meyer, H. Drewer, J. Krause, K. Cammann, R. Kakerow, Y. Manoli, W. Mokwa, and M. Rospert, "Chemical and biochemical sensor array for two-dimensional imaging of analyte distributions", Sensors and Actuators B, 18-19, 229-234 (1994)
本発明の目的は、従来の蛍光検出型DNAチップの有する問題を解決し、簡便性、携帯性、開発コストの面で優れている微小電極アレイ型DNAチップを開発することにある。
今までに報告された集積型電極チップによる遺伝子検出の例では、微小電極アレイ上へのプローブDNAの固定化法として電気化学的手法を用いているが、最終的には蛍光測定によって遺伝子の検出を行っている。
本発明者らは、DNAのハイブリダイゼーション後の二本鎖DNAを検出するために、DNAが電気活性を持ち、相補的な一本鎖DNA同士が特異的に結合することを利用して非標識DNAを用いたDNAハイブリッド検出法の確立が重要だと考えた。
そこで、本発明者らは、プローブDNAを電極上に固定化する方法を検討し、微小電極アレイ型DNAチップを作製し、一切の標識分子修飾を行うことなく同時に複数のターゲットDNAを電気化学的に検出する新しい「次世代DNAチップ電極アレイシステム」の構築を行った。
そして、本発明の最終的な目的は、本発明によるDNAチップを、迅速かつ簡便な臨床遺伝子検査に応用することにある。
本発明において、微細加工技術によって1または複数の微小ウェルを電極表面上に配列させ、これら1または複数の微小ウェルの各々にプローブバイオ分子を固定化したバイオ分子アレイチップを作製し、このプローブ分子にターゲット分子が相互作用したときの酸化還元電流値の変化を高感度で検出する。
より詳しくは、本発明は、1または複数のプローブ一本鎖DNAが配列して固定化されているバイオチップであって、基板上に1または複数の電極配線が形成され、該1または複数の電極配線は絶縁膜で被覆され、該1または複数の電極配線の各々の一領域上の絶縁膜に、電極表面に達する1または複数の孔を設けることによって1または複数のウェルが形成され、該1または複数のウェルの底部にプローブ一本鎖DNAが固定化されている該バイオチップを提供する。
本発明において、「DNA」とは、生体由来の核酸のみならず、それらの誘導体、模倣体も含むことを意図している。
本発明によるバイオチップにおいて、該プローブ一本鎖DNAの1の端部に第1の分子が結合され、該第1の分子と特異的結合する第2の分子が該ウェルの底部に固定化され、該第1の分子と該第2の分子との間の特異的結合によって該1または複数のウェル底部に該プローブ一本鎖DNAが固定化されている。
特に、本発明によるバイオチップにおいて、該第1の分子がビオチンであって、該第2の分子がストレプトアビジンである。
また、該一本鎖DNAがレプチンをコードするDNAの断片である。
本発明によるバイオチップは、基板上に1または複数の電極配線を形成し、該1または複数の電極配線を絶縁膜で被覆し、該1または複数の電極配線の各々の一領域上の絶縁膜に電極表面に達する1または複数の孔を設けることによって1または複数のウェルを形成し、次いで、該1または複数のウェルの底部にプローブ一本鎖DNAを固定化することによって作製する。
さらに、本発明は、少なくとも、作用電極、対極および参照電極を含むバイオセンサーであって、
ここに、該作用電極は、1または複数のプローブ一本鎖DNAが配列して固定化されているバイオチップであって、基板上に1または複数の電極配線が形成され、該1または複数の電極配線は絶縁膜で被覆され、該1または複数の電極配線の各々の一領域上の絶縁膜に、電極表面に達する1または複数の孔を設けることによって1または複数のウェルが形成され、該1または複数のウェルの底部にプローブ一本鎖DNAが固定化されているバイオチップであり、
処理前に、該バイオチップの第1の電気的信号を測定し;
該バイオチップを試験溶液中で処理した後、該バイオチップの第2の電気的信号を測定し;次いで、
第1の電気的信号と第2の電気的信号との強度差から、試験溶液中に存在する、該1または複数のプローブ一本鎖DNAとハイブリダイズする非標識ターゲットDNAを検出することを特徴とするバイオセンサーを提供する。
ここで、「処理」とは、プローブ一本鎖DNAと非標識ターゲットDNAとをハイブリダイズさせるために必要なプロセスをいう。したがって、処理前、バイオチップにおいては、該1または複数のプローブ一本鎖DNAには非標識ターゲットDNAがハイブリダイズしていない。また、試験溶液中に該非標識ターゲットDNAが存在していれば、この処理によって、該1または複数のプローブ一本鎖DNAに非標識ターゲットDNAがハイブリダイズする。本発明のバイオチップに上記の処理を行う前後で電気的信号を測定し、電気的信号に変化があれば、該試験溶液中に、非標識ターゲットDNAが存在していたことを確認することができる。
すなわち、プローブDNAにターゲットDNAがハイブリダイズしていない系で測定した電気的信号とプローブDNAにターゲットDNAがハイブリダイズした系で測定した電気的信号との間に統計学的に有意な変化があった場合、当該有意な変化をターゲットDNAとプローブDNAとのハイブリダイゼーションに関連付けることができる。
本発明において、特に、電気的信号として酸化還元電流値を用いる。
すなわち、本発明によれば、非標識ターゲットDNAのプローブDNAへのハイブリダイゼーションの有無をバイオチップのバイオ分子アレイ上の酸化還元状態の変化から検出する。したがって、ターゲットDNAに蛍光物質等を標識することなく、酸化還元電流値を測定するだけでハイブリダイゼーションを検出できるので、迅速かつ簡便な測定が可能となる。
本発明によるバイオチップを用いれば、蛍光物質等の標識分子を用いることなくターゲットバイオ分子を検出することができるので、迅速、簡便に測定が可能で、かつ、小型化されたバイオセンサーを構築することができる。
また、本発明によるバイオチップには、複数の電極上に各自異なるプローブDNAを固定化することができるので、複数の遺伝子を同時に検出することができる。
さらに、本発明によるバイオセンサーは非常に高感度であり、SNPを検出することができるので、種々の疾患に関連するSNP遺伝変異の検出から、従来、長時間をかけて培養しなければならなかった病原菌の検出等、さまざまな可能性を秘めている。
実施例1:DNAチップの作製
本発明によるDNAチップの上面図を図1に示す。この実施例では、ガラス基板10上に8本の電極配線13を形成し、一度に8点測定が可能なDNAチップ1を形成した。
電極配線13の一方の端部にはバイオ分子アレイ領域131が形成され、他方の端部にはバイオ分子アレイ領域で検出した電気的信号を取り出すためのパッド132が形成されている。
図2にバイオ分子アレイ領域131の拡大上面図を示す。バイオ分子アレイ領域131上には絶縁性レジスト膜14が形成され、この絶縁膜に1または複数の孔を設けることによって、バイオ分子を固定化するための1または複数のウェル131aが形成されている。
バイオ分子アレイ領域131には、ウェル131aの直径が5μm以上の場合、図2aに示すように単一のウェルを形成することができ、ウェル131aの直径がサブミクロン以下20nm程度までの場合、図2bに示すように複数のウェルを配列させることができる。
バイオ分子アレイ領域131の断面図を図3aに示す。この実施例では、ガラス基板10上に、まず、Ti薄膜13aを形成し、その上にAu薄膜13bを形成することによって、Au/Ti積層薄膜からなる電極配線13を形成した。Au薄膜を直接ガラス基板に形成することもできるが、Au薄膜の接着強度が弱いので、Au薄膜の剥離を防止し、バイオチップの信頼性を向上させるためにTi薄膜を用いた。Ti以外にCrを用いることもできる。
この図が示すように、絶縁性レジスト膜に形成された孔は、下部層の電極配線の表面にまで達している。すなわち、バイオ分子アレイ領域に形成されたウェルの側面は絶縁性レジスト膜14により定められ、ウェルの底部は電極配線の表面により定められている。
この構成を用いて、図3bに示すように、ウェル131aの底部の露出した電極表面上にのみプローブ2となるバイオ分子を固定化する。
本発明のDNAチップを作製するために、半導体製造技術の1つであるフォトファブリケーション技術を用いた。ここでは、「フォトファブリケーション技術」なる用語は、フォトリソグラフィー技術、蒸着技術、エッチング技術などを組み合わせた技術を意味する。
フォトファブリケーション技術はすでにICやLSI製造技術の1つとして確立されているため、従来のDNAチップのように小型化や製造工程の自動化が可能で、チップの大量生産や低コスト化につながる。
図4ないし図9は、本発明のDNAチップを作製する工程を示す概略図である
まず、直径5μm以上の単一ウェル(第1の具体例)を作製する工程について説明する。基板10上にスピンコーターを用いて感光性材料であるフォトレジスト11を塗布し、90℃にて2分間ベーキングする(図4a,4b)。この実施例ではガラス基板を用いたが、アルミナ基板、シリコン基板、または、シリコーン樹脂のごとき樹脂製基板等のいずれの材質の基板も用いることができる。
次いで、フォトマスクを用いて紫外線12aで20秒間露光し(図4c)、フォトレジスト11を現像して電極配線13用の配線パターンを形成する(図4d)。フォトレジストには、露光によって結合が分解して現像液に溶解するもの(ポジ型)と、逆に重合して溶解しないもの(ネガ型)があるが、ここではフォトレジスト11としてポジ型レジスト(AZ1500:クラリアントジャパン株式会社)を用いた。
その後、真空蒸着やRFスパッタリングなどの蒸着技術によって基板上に電極材料となる金属薄膜を形成する(図4e)。
さらに、これをアセトンのごとき有機溶媒中に浸漬して、レジスト11を剥離することによって、ガラス基板10上に電極配線13を形成した(図4f)。電極配線13が形成されたチップの概略上面図を図6aに示す。図6において、一方の端部に円形のバイオ分子アレイ領域131が形成され、他方の端部には電気的信号を取り出すための角型パッド132が形成された電極配線が示されているが、これは電極配線の一例であって、この形状に限定されるものではない。当業者であれば、バイオセンサーに搭載されるバイオチップとして使用できるいずれの形状にも変形することができる。
また、電極配線の本数も、使用の形態に適合させて、適宜増減することができる。
次に、スピンコーターを用いて電極配線13が形成された基板上に絶縁性レジスト14(AZ1500)を塗布し、90℃にて2分間ベーキングする(図5a)。次いで、フォトマスクを用いて紫外線12aで20秒間露光し(図5b)、レジスト14を現像することによって電極表面を露出させて、バイオ分子アレイ領域131上にウェル131aを形成した(図5c)。これを150℃にて5分間ベーキングすることによって、レジスト14を固着させた(図5d)。ウェルが形成されたチップの概略上面図を図6bに示す。
次に、直径がサブミクロン以下のウェルのアレイ(第2の具体例)を作製する工程を説明する。直径5μm以上の単一ウェルを作製したときと同様にして電極配線を形成し(図4)、その後、図5aに示す工程と同様に、スピンコーターを用いて電極配線13が形成された基板上に絶縁性レジスト14(ZEP520:日本ゼオン株式会社)を塗布し、90℃にて2分間ベーキングする(図7a)。次いで、75kVにて電子ビーム15を照射し(図7b)、レジスト14を現像することによって電極表面を露出させて、バイオ分子アレイ領域131上に複数のウェル131aの配列を形成した(図7c)。これを200℃にて5分間ベーキングすることによって、レジスト14を固着させた(図7d)。ウェルが形成されたチップの概略上面図を図8に示す。
従来の半導体製造技術を用いれば、基板上にウェルを形成することができるので、上記の条件に限定されることなく、適宜、当業者によく知られた他の条件でウェルを形成することができる。
次に、生物化学の分野でよく知られている方法を用いて、ウェル底部の電極表面上にストレプトアビジンを固定化した。具体的には、まず、チップをピランハ溶液(H:HSO=1:3[v/v]に10分間浸漬してウェル底部の電極表面上の有機不純物質を除去し、純粋で十分に洗浄し、エタノールで洗浄した後(図9a)、3,3’−ジチオジプロピオン酸(DTDP)のエタノール溶液に浸漬してDTDPをその−S−S−基を介して電極表面に結合させた。次いで、ジオキサンおよび水(9:1[v/v])中のN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)および1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−カルボジイミド塩酸(EDC)の混合溶液にチップを浸漬して、DTDPのカルボキシル基を活性化した。ここに、ストレプトアビジン溶液を添加することによって、そのNH基を介して活性化DTDPにストレプトアビジンを連結させた(図9b)。リン酸バッファ溶液(PBS)で洗浄することによって、ウェル底部に固定化されていない未結合のストレプトアビジンを除去した。
したがって、ウェル底部の電極表面にのみストレプトアビジンが固定化されるように、前記のレジスト14はDTDPの−S−S−基が結合しない材料であることが必要である。
最後に、予めビオチン化したプローブDNA22のPBS溶液にストレプトアビジン固定化チップを浸漬することによって、ストレプトアビジン−ビオチンの特異的結合を介してプローブDNAをウェル底部に固定化した(図9c)。
この実施例において、プローブDNAとしては、配列番号:1:
5'-gag gag ttg ggg gag cac att-3'
で示される21塩基の人工核酸を用いた。生物化学の分野において、18ないし22塩基程度の一本鎖DNA同士であれば、ハイブリダイゼーションを確実に起こすことが知られている。
この人工核酸の5’末端に、よく知られている方法によってビオチンを結合させて、ビオチン化プローブDNA22を作製した。
ストレプトアビジンは、ビオチンと生物学的に最も強固で安定に結合(K=10−15M)するタンパク質であり、4分子のビオチンと結合する。
ストレプトアビジン−ビオチン間の特異的結合を利用して、ストレプトアビジンを修飾した分子と、ビオチンを修飾したもう一つの分子とを結合させる手法が一般的に用いられている。したがって、様々なタンパク質にビオチンを修飾する技術がすでに確立され、そのためのキットも市販されている。また、ビオチン修飾したDNAも商業的に入手可能である。
ストレプトアビジンが基板上に固定化されている場合、ビオチン化DNAの有効結合数は1であることがすでに知られている。固定化によりビオチンが接近可能なストレプトアビジンの結合部位が限定され、さらに、1本のビオチン化DNAがストレプトアビジンに結合した後、DNA同士の静電反発によりさらなるビオチン化DNAがストレプトアビジンに接近できないためと考えられる。特に、本発明の場合、ストレプトアビジンは周囲が壁に囲まれたウェル底部に固定化されているので、1つの固定化ストレプトアビジン21には1本のビオチン化プローブDNA22が結合していると十分に考えられる。
図10は、蛍光を用いた走査型近接場光顕微鏡(Scanning Near-Field Optical Microscopy; SNOM)像を示す。
図10aは、実施例1に記載された方法によりSNOM観察用のマイカ基板上にストレプトアビジンを固定化し、このストレプトアビジンにビオチン化プローブDNAを結合したときのSNOM像である。このプローブDNAには、イソチオシアン酸フロオレセイン(FITC)が標識してある。この図から分かるように、5×5μm角の観察視野全体から蛍光発光が観察された。すなわち、均一にストレプトアビジンが配列されたことが確認された。
図10bは、FITCを標識していないプローブDNAをストレプトアビジンに結合させ、FITC標識ターゲットDNAをハイブリダイズさせたときのSNOM像である。この図から分かるように、観察視野全体から蛍光発光が観察され、ほぼ均一にハイブリダイゼーションが発生したことが確認された。
また、図10cは、FITCを標識していないプローブDNAをストレプトアビジンに結合させ、ターゲットとしてプローブDNAと同一の配列を有するDNAにFITCを標識したものを用いたときのSNOM像である。この図から分かるように、観察視野全体から蛍光発光は全く観察されなかった。これは、ターゲットDNAがプローブDNAと同一の配列を有するので、静電反発によってハイブリダイゼーションが全く発生しないからであるが、さらに、ターゲットDNAがウェル以外のレジスト膜に非特異的に結合しないことを示している。
かくして、本発明の方法によれば、電極表面に均一にプローブを固定化できることが確認された。
実施例2:DNAチップの検出性能評価
実施例1に記載された方法により作製された第1の具体例のDNAチップ1(バイオ分子アレイ領域上、直径200μmの単一ウェル)を用いてバイオセンサーを構築し、ターゲットDNA3の検出実験を行った。
具体的には、5mMのK[Fe(CN)]および100mM KClの混合水溶液中、DNAチップ1を作用電極とし、白金を対極とし、銀/塩化銀を参照電極として電気化学セルを構成して、サイクリックボルタンメトリーによって、DNAチップ1の酸化還元電位を測定した。また、測定は25℃にて行い、電位の掃引速度は50V/秒とした。
まず、対照として、プローブDNA22にターゲットDNA3がハイブリダイズしていないDNAチップを用いて電流電位曲線Aを得た(図11)。
次に、PBS(pH7.4)中のターゲットDNA3溶液(DNA濃度:1μM)に、前記のハイブリダイズしていないDNAチップを30℃にて24時間浸漬し、その後、PBSで数回洗浄して未結合のターゲットDNA3を十分に除去して、プローブDNA22にターゲットDNA3がハイブリダイズしたDNAチップを作製した。このDNAチップを用いて電流電位曲線Bを得た(図11)。
図11に示す電流電位曲線において、ピーク電流値が酸化還元電流値を示している。
この実施例において、ターゲットDNA3としては、配列番号:2:
3'-ctc ctc aac ccc ctc gtg taa-5'
で示される21塩基の人工核酸を用いた。この人工核酸はプローブDNA(配列番号:1)に対して完全に相補的である。
ターゲットDNA3がハイブリダイズしたDNAチップを用いて測定した酸化還元電流値は、平均して、対照DNAチップでの値から40%減少した。すなわち、ターゲットDNA3がプローブDNAにハイブリダイズしたことによる酸化還元電流の平均変化率は−40%である。ここで、酸化還元電流の変化率(ΔI)は、次式:
ΔI=(I−I)/I
(式中、IはターゲットDNA非ハイブリダイズDNAチップで測定された酸化還元電流を意味し;IはターゲットDNAハイブリダイズDNAチップで測定された酸化還元電流を意味する。)を用いて算出した。
次に、ターゲットDNA3をプローブDNA22にハイブリダイズさせるときに用いる溶液のDNA3濃度を変化させて、同様の測定を行なった。酸化還元電流の変化率の測定結果を表1および図12に示す。
Figure 2005164387
上記の結果から、本発明のDNAチップを用いて、サブフェムトモルの感度で各ウェルにおけるプローブDNAとターゲットDNAとのハイブリダイゼーションの有無の検出に成功したことが示された。
実施例3:一塩基多型DNA(SNP)の検出
(1)人工核酸を用いた性能評価
次に、配列番号:2で示されるターゲットDNAに対して、一塩基のみ異なる人工SNP−DNAを用いて、第1の具体例のDNAチップ(バイオ分子アレイ領域上、直径200μmの単一ウェル)を作製し、本発明のDNAチップの検出性能を評価した。
このSNP−DNAは、配列番号:3:
3'-ctc ctc aac cct ctc gtg taa-5'
で示される21塩基の人工核酸である。プローブDNA(配列番号:1)に対して完全に相補的なターゲットDNA(配列番号:2)とSNP−DNA(配列番号:3)とを用いて、実施例2と同様にして、酸化還元電流値を測定した。
酸化還元電流値の変化率を比較した結果の一例を図13に示す。本発明のDNAチップは、8本の電極を有しているので、一度に8点の測定を行うことができる。図13には、1回の測定で得られた8点の測定値のうち5点を示している。
プローブDNAに完全に相補的なターゲットDNAでの酸化還元電流の平均変化率−40%に対して、SNP−DNAでは−7%であった。すなわち、本発明のバイオチップを用いれば、DNA配列中単一の塩基が異なるだけで、酸化還元電流値に有意な差を示し、本発明のDNAチップがSNP検出に非常に有用であることが示された。
また、この実施例においては、複数の電極上に一種類のプローブDNAを固定化して測定を行ったが、図13に示すように、複数の電極のいずれも酸化還元電流値の変化率において完全に相補的なターゲットDNAとSNP−DNAとの間に有意な差が観察されることから、複数の電極の各々に異なる種類のプローブDNAを固定化して複数のSNP−DNAを同時に検出する可能性が明らかとなった。
(2)レプチンを用いた性能評価
レプチンは、脂肪細胞で生合成、分泌され、摂食抑制とエネルギー消費高進をもたらすペプチドホルモンとして知られている。このレプチンに異常があると摂食抑制が正常に機能せず、過食と肥満を引き起こすことが知られている。したがって、レプチンをコードするDNAのSNPを簡便に検出できる手段が確立されれば、肥満の原因解明に役立つものと考えられる。
そこで、生体由来DNAとしてヒトレプチンDNAを用いて、同様の酸化還元測定を行った。ヒトレプチンDNAは、第7染色体長腕に約20kbの領域に広がる遺伝子であるが、この実験では、プローブDNAとして配列番号:4:
5'-aga aga agt gca cga ccg gaa-3'
で示される21塩基のレプチンDNA断片を用いた。このレプチンDNA断片の5’末端に、よく知られている方法によってビオチンを結合させて、ビオチン化プローブDNA22を作製した。ターゲットDNAとして、配列番号:5:
3'-tct tct tca cgt gct ggc ctt-5'
で示される21塩基のレプチンDNA断片を用いた。このDNAはプローブDNA(配列番号:4)に対して完全に相補的である。また、SNP−DNAとして、配列番号:6:
3'-tct tct tca cat gct ggc ctt-5'
で示される21塩基の人工核酸を用いた。
この実験において、完全に相補的なターゲットレプチンDNA(配列番号:5)に対する酸化還元電流値の平均変化率−40%に対して、SNP−DNA(配列番号:6)に対する酸化還元電流値の平均変化率は−9%であった。この測定結果から、本発明のDNAチップは実際の生体由来DNAにおけるSNP検出にも有効であることが示された。
実施例4:ウェル径と検出感度の関係
バイオ分子アレイ領域上に200×200個の配列で直径100nmのウェルを形成した第2の具体例のDNAチップを作製し、実施例2(第1の具体例のDNAチップ)と同様の測定を行って、ウェル径がDNAチップの検出感度に与える影響を調べた。
バイオ分子アレイ領域に100nm径ウェルのアレイを形成し、実施例1に記載された方法で複数のウェル底部の電極表面上にプローブDNA22(配列番号:1)を固定化して(図9)、第2の具体例のDNAチップを作製した。
原子力間顕微鏡(AFM;セイコーインスツルメンツ株式会社SPI3800)を用いてタッピングモードで、第2の具体例のバイオ分子アレイ領域113の表面を観察した(図14)。共振周波数125kHzおよびバネ定数14N/mのシリコン製カンチレバー(セイコーインスツルメンツ株式会社SI−DF−20)を用いた。
このAFM像から、各ウェル(黒色円形に示される領域)にストレプトアビジン(ウェル内、白色で示される物質)が固定化されているのが確認された。また、観察視野全体にわたって、均一にウェル内にストレプトアビジンの存在が確認された。
かくして、プローブDNAがバイオ分子アレイ領域113に形成された複数のウェルに均一に分散して固定化されたDNAチップが得られた。
このDNAチップを用いる以外は、実施例2と同様にして、電気化学セルを構成した。
直径200μmの単一ウェルが形成された第1の具体例のDNAチップを用いた場合、ターゲットDNA(配列番号:2)がプローブDNA22(配列番号:1)にハイブリダイズする前後での酸化還元電流の平均変化率が−40%であったのに対して、直径100nmウェルアレイ(200×200個)が形成された第2の具体例のDNAチップを用いた場合、ハイブリダイズ前後での酸化還元電流値の平均変化率が−60%となり、検出感度が向上した。
ストレプトアビジンの直径は10nm程度であり、直径10nmウェルには単一のストレプトアビジンしか固定化されず、この実施例の場合、40,000個のストレプトアビジンが一つのバイオ分子アレイ領域に存在すると考えられる。
一方、ウェル径が200μmであれば、1つのウェル内に計算上約1018個のストレプトアビジンが存在すると考えられる。
直径10nmウェルのアレイに固定化されるストレプトアビジンの個数が、計算上200μm単一ウェルに固定化されるストレプトアビジンの個数の1014分の1程度でも検出感度が向上したのは、直径200μmの単一ウェルの場合、ウェル内に多数のストレプトアビジンが密集して固定化されているので、ストレプトアビジン同士の会合が起きたり、その結合部位の配向が制御されていないために、ストレプトアビジンにビオチン化プローブDNAが有効に結合していないか、または、プローブDNAが互いに近接しあっているために、ターゲットDNAとプローブDNAとのハイブリダイゼーション効率の低下が起きた一方で、100nmウェルのアレイの場合、1つのウェルに個別にストレプトアビジンが固定化され、高効率でターゲットDNAとプローブDNAとのハイブリダイゼーションが起きたためであると考えられる。
実施例1〜4は、直径200μmの単一ウェルが形成された第1の具体例のDNAチップを用いて行われたものであり、本発明のDNAチップが十分に高いSNPの検出性能を有することを示したが、この実施例の結果から、ウェル径をより小さくして、ストレプトアビジンの配列を制御すればさらに検出感度を増大させることが可能となることが分った。
以上の結果から、本発明によれば、ターゲットDNAを蛍光物質等で標識化する必要がないこと、電解質溶液中での測定が可能なこと、マイクロファブリゲーション法を利用して複数の電極を作製することができることから、迅速かつ簡単な解析を可能にし、コストパフォーマンスに優れた次世代DNAアレイシステムを提供する技術として期待される。
本発明のDNAチップの上面図。 本発明のDNAチップのバイオ分子アレイ領域の上面図。 本発明のバイオ分子アレイ領域の断面図。 本発明の第1の具体例のDNAチップの製造工程を説明する概略図。 本発明の第1の具体例のDNAチップの製造工程を説明する概略図。 本発明の第1の具体例のDNAチップの製造工程を説明する概略図。 本発明の第2の具体例のDNAチップの製造工程を説明する概略図。 本発明の第2の具体例のDNAチップの製造工程を説明する概略図。 本発明のDNAチップの製造工程を説明する概略図。 本発明のDNAチップ本発明のタンパク質チップと同様の構成でマイカ基板に作製したDNAアレイのSNOM像。 本発明の第1の具体例のDNAチップを用いて測定した電流電位曲線。 本発明の第1の具体例のDNAチップを用いて測定した酸化還元電流値の変化率とハイブリダイゼーションにおけるターゲットDNA濃度との関係を説明するグラフ。 本発明の第1の具体例のDNAチップを用いたSNP−DNA検出結果。 本発明の第2の具体例のDNAチップのAFM像。
符号の説明
1・・・バイオチップ(DNAチップ)、10・・・基板、11・・・フォトレジスト、12a・・・紫外線、12b・・・フォトマスク、13・・・電極配線、131・・・バイオ分子アレイ領域、131a・・・ウェル、132・・・パッド、14・・・絶縁性レジスト、15・・・電子ビーム、2・・・プローブ、21・・・ストレプトアビジン、22・・・プローブDNA、3・・・ターゲットDNA。

Claims (6)

  1. 1または複数のプローブ一本鎖DNAが配列して固定化されているバイオチップであって、基板上に1または複数の電極配線が形成され、該1または複数の電極配線は絶縁膜で被覆され、該1または複数の電極配線の各々の一領域上の絶縁膜に、電極表面に達する1または複数の孔を設けることによって1または複数のウェルが形成され、該1または複数のウェルの底部にプローブ一本鎖DNAが固定化されている該バイオチップ。
  2. 該プローブ一本鎖DNAの1の端部に第1の分子が結合され、該第1の分子と特異的結合する第2の分子が該ウェルの底部に固定化され、該第1の分子と該第2の分子との間の特異的結合によって該1または複数のウェル底部に該プローブ一本鎖DNAが固定化されている請求項1記載のバイオチップ。
  3. 該第1の分子がビオチンであって、該第2の分子がストレプトアビジンである請求項2記載のバイオチップ。
  4. 該一本鎖DNAがレプチンをコードするDNAの断片である請求項1記載のバイオチップ。
  5. 少なくとも、作用電極、対極および参照電極を含むバイオセンサーであって、
    ここに、該作用電極は、1または複数のプローブ一本鎖DNAが配列して固定化されているバイオチップであって、基板上に1または複数の電極配線が形成され、該1または複数の電極配線は絶縁膜で被覆され、該1または複数の電極配線の各々の一領域上の絶縁膜に、電極表面に達する1または複数の孔を設けることによって1または複数のウェルが形成され、該1または複数のウェルの底部にプローブ一本鎖DNAが固定化されているバイオチップであり、
    処理前に、該バイオチップの第1の電気的信号を測定し;
    該バイオチップを試験溶液中で処理した後、該バイオチップの第2の電気的信号を測定し;次いで、
    第1の電気的信号と第2の電気的信号との強度差から、試験溶液中に存在する、該1または複数のプローブ一本鎖DNAとハイブリダイズする非標識ターゲットDNAを検出することを特徴とするバイオセンサー。
  6. 該電気的信号が、酸化還元電流値である請求項5記載のバイオセンサー。
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