JP2004043958A - 金メッキ液および金メッキ方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヨウ化物イオン、ヨウ化金錯イオンおよび非水溶媒を含有することを特徴とする金メッキ液。ヨウ素元素含有量が0.5〜50(重量%)であり、非水溶媒がアルコール性水酸基および/またはフェノール性水酸基を有する化合物もしくは非プロトン性有機溶媒であり、さらに水を含有する事もでき、実質的にシアンを含まない電解メッキ液である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金メッキ液に関し、特に非シアン系の電解メッキ液に関する。
【0002】
【従来の技術】
金メッキ液として、古くから、シアン系のメッキ液が知られている。シアン系の金メッキ液を用いると、緻密で平滑といった優れた特性をもつ金メッキ膜を析出させることができる。しかも、シアン系金メッキ液は安定で、管理が容易なため、広く用いられている。しかしながら、シアンは毒性が強く、作業環境、廃液処理などに多くの問題点があった。
【0003】
そこで、非シアンの低毒性金メッキ液が種々提案されている。例えば、亜硫酸金を溶解した金メッキ液が広く用いられている(特許文献1参照)。しかしこの金メッキ液は、その溶液中の亜硫酸イオンが溶存酸素や大気中の酸素によって酸化されやすいので金メッキ液としての寿命が低下しやすい。よって保管時やメッキ作業中に於いても窒素シール等による酸化防止手段を講ずる必要があり、取り扱いにくいという問題があった。
【0004】
また、チオスルファト金錯体、亜硫酸塩、ホウ酸およびエチレングリコールを溶解した金メッキ液も提案されている(特許文献2参照)。しかしこの金メッキ液においても、亜硫酸金を用いた金メッキ液と同様にメッキ液中の亜硫酸イオンは酸化されやすいので、同様な問題があった。
【0005】
さらに、アセチルシステイン金錯体などの種々の金錯体からなる群から選ばれた金化合物および錯化剤であるアセチルシステインを溶解した金メッキ液や、アルカンスルホン酸またはアルカノールスルホン酸の1種以上、金イオン、非イオン系界面活性剤を含有する金メッキ液等が提案されている(特許文献3、4参照)。しかしいずれも亜硫酸金を含む金メッキ液と同じく一価の金イオンを含有しているので、3Au+→2Au+Au3+の反応による金の不安定化の問題がある。
そこで、三価金イオンであるエチレンジアミン金錯体を溶解した金メッキ液が提案されている(特許文献5〜8参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−61480号公報
【特許文献2】特開昭51−47539号公報
【特許文献3】特開平10−317183号公報
【特許文献4】特開平8−41676号公報
【特許文献5】特開平11−293487号公報
【特許文献6】特開2000−204496号公報
【特許文献7】特開2000−355792号公報
【特許文献8】特開2001−110832号公報)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしエチレンジアミンは経皮および吸入暴露による死亡事故例があるなど(化学物質毒性ハンドブック第II巻、II−84、(1999)丸善)、有害性の問題があり、安定で取り扱いの容易な金メッキ液が求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行った。そして金をヨウ化金錯イオンとして溶解する溶液として知られている、ヨウ素(I2)およびヨウ化物イオン(I−)を含有する水溶液に着目した。この水溶液に金を溶解させて得られた金水溶液で電解金メッキ(以下、単に「金メッキ」ということがある。)を行う際、非水溶媒の存在下で金メッキを行うことで、水の電解を抑制し、良好な金メッキ膜が得られることを発見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、ヨウ化物イオン、ヨウ化金錯イオンおよび非水溶媒を含有することを特徴とする金メッキ液、およびこれを用いた金メッキ方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の金メッキ液は、またはヨウ化物イオン(I−)、ヨウ化金錯イオンおよび非水溶媒を含有する。
【0010】
本発明の金メッキ液におけるヨウ化物イオンは、ヨウ化物塩等を用いて調製することが好ましい。ヨウ化物塩のカチオンとしては、金を安定して溶解させ、金メッキに悪影響与えないものであればよい。具体的には、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、1,2,3または4級アルキルアンモニウムイオン、ホスホニウムイオンおよびスルホニウムイオンなどが例示できる。好ましくは、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオンであり、特に好ましくは、カリウムイオンである。これらのカチオンは単独で使用しても、2種類以上のカチオンを組み合わせて用いてもよい。
【0011】
本発明の金メッキ液は、次式(1)又は(2)に従い、調製することが出来る。即ち、ヨウ化物イオンおよび非水溶媒を含有する溶液又はこれに酸化剤を加えた溶液による金を電解溶解により溶解させて調整する方法や、ヨウ化物イオン、非水溶媒及び酸化剤を含む溶液に金を溶解させて調製する方法が挙げられる。
Au + 2I− → [AuI2]− + e− (1)
2Au + I2 + 2I− → 2[AuI2]− (2)
【0012】
酸化剤としてはヨウ素(I2)を直接用い、本発明の金メッキ液を調製してもよいし、またメッキ液中のヨウ化物イオン(I−)を酸化してI2とする酸化剤を添加して調製してもよい。この様な酸化剤としては、メッキ液中のヨウ化物イオン(I−)を酸化してI2とするものであれば任意のものを使用できる。具体的には例えば、ヨウ素酸(HIO3)、過ヨウ素酸(HIO4)やこれらの塩等が挙げられる。なかでも、溶液への溶解性及び液中の安定性等を考慮して本発明の金メッキ液を調製する際は、ヨウ素(I2)を用いることが好ましい。
本発明の金メッキ液におけるヨウ素元素の含有量は、金メッキ液に含有させたいヨウ化金錯イオンの量によって、適宜選択すればよい。つまり、本発明の金メッキ液を調整するに際し、金の所望溶解量に必要とされる、I2等の酸化剤量を必要に応じて選択すればよい。
【0013】
本発明の金メッキ液中におけるヨウ素元素含有量とは、金メッキ液中のヨウ化物イオンやヨウ化金錯イオン、更には金を溶解させるためにI2を用いた際にはその残存量等の合計量を、ヨウ素元素に換算した値を示す。この値は、測定により求めることが出来るが、本発明のメッキ液を調製する際に用いる仕込み原料の量から計算して求めることもできる。本発明の金メッキ液におけるヨウ素元素の含有量は、金メッキ液全体に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上、特に好ましくは5重量%以上である。またこの含有量の上限は通常75重量%以下、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。
【0014】
また、本発明の金メッキ液中にヨウ素(I2)とヨウ化物イオンの両方を含有する際には、ヨウ素(I2)とヨウ化物イオンの重量比(ヨウ素(I2):ヨウ化物イオン)は、金を安定に溶解させることができ、本発明の所期の効果を損なわない限り、特に制限はない。
但し、本発明の金メッキ液におけるヨウ素(I2)含有量が多すぎると、例えば金メッキをするに当たり金(または金合金)膜が積層されたものを陰極として用いる際、金メッキ液中のヨウ素(I2)による電極の溶解が著しく、所望のメッキが行えない場合がある。よって本発明の金メッキ液におけるヨウ素(I2)含有量は金めっき液としての性能を損なわない限りにおいて低い方が好ましく、金源として金、ヨウ素源として、ヨウ素およびヨウ化物イオンを用いる場合は、通常、仕込み時の重量比として(ヨウ素(I2):ヨウ化物イオン)は、1:2〜1:1000、好ましくは1:3〜1:100、さらに好ましくは1:5〜1:30である。
【0015】
本発明の金メッキ液は、更に非水溶媒を含有することを特徴とする。非水溶媒を含有していれば水を含有していてもよい。非水溶媒の種類は、良好にメッキができ、溶質に対する十分な溶解度を持つものであれば特に制限はないが、アルコール性水酸基および/またはフェノール性水酸基を有する化合物若しくは非プロトン性有機溶媒が好ましい。
【0016】
アルコール性水酸基を有する化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール;3価以上の多価アルコールを用いることができる。
中でも、二つ以上のアルコール性水酸基を有するもの、例えば2価アルコールや3価アルコールが好ましく、中でもエチレングリコールやプロピレングリコールが好ましく、特にエチレングリコールが好ましい。
【0017】
フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、1つの水酸基を有する無置換フェノールやo−/m−/p−クレゾール類、キシレノール類等のアルキルフェノール類、また、2つのフェノール性水酸基を有するものとしてはレソルシノール類が、また3つのフェノール性水酸基を有するものとしてはピロガロール類等を用いることが出来る。
分子内にアルコール性水酸基やフェノール性水酸基以外の官能基を有する溶媒も、本発明の所期の効果を阻害しない限り用いることができる。例えば、メチルセロソルブやセロソルブ等のようにアルコール性水酸基とともにアルコキシ基を有する溶媒も用いることができる。
非プロトン性有機溶媒は、極性溶媒であっても非極性溶媒であってもよい。
【0018】
極性溶媒としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒;N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンなどのアミド系溶媒;3−メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリルなどのニトリル系溶媒;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェートなどのリン酸エステル系溶媒を例示することができる。
【0019】
非極性溶媒としては、ヘキサン、トルエン、シリコンオイルなどを例示することができる。
これらの溶媒は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の金メッキ液において、特に好ましい非水溶媒は、エチレングリコールまたはγ−ブチロラクトンの単独、あるいは上述したいずれかの非水溶媒との混合物である。
【0020】
本発明の金メッキ液における非水溶媒の含有量は、金メッキ液全体に対して、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、特に好ましくは55重量%以上であり、通常95重量%以下、好ましくは90重量%以下、さらに好ましくは85重量%以下、特に好ましくは80重量%以下である。
【0021】
金メッキ液が水を含む場合、その含有量は、金メッキ液全体に対して、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは7重量%以上、特に好ましくは10重量%以上であり、通常85重量%以下、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下、特に好ましくは30重量%以下である。
【0022】
非水溶媒に対する水の割合は、好ましくは1重量%以上、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは7重量%以上、特に好ましくは10重量%以上であり、通常90重量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下、特に好ましくは40重量%以下である。
また本発明の金メッキ液は、実質的にシアンを含有していないので、安全性に優れ、且つ廃液処理も容易であり、環境への負荷が低い、優れた金メッキ液である。ここで「実質的にシアンを含まない」とは、シアンを金メッキの目的のために積極的に含有させない事を示し、全く含有しないことが好ましい。例えば、本発明の金メッキ液を調整する際に、不純物としてシアンが混入した場合にも、当然、シアンの含有量は低い方が好ましく、具体的には1重量%以下、中でも0.1重量%以下、特に0.01重量%以下とすることが好ましい。
【0023】
金メッキ液に非水溶媒を含有させることにより金メッキが好適に行えるようになった理由は明らかではないが、非水溶媒の存在により、陰極における水の電解によるガス発生が抑制され、金の還元析出効率が良好になったためと考えられる。
【0024】
本発明の金メッキ液は、メッキ膜の特性を向上させることが可能な添加剤を含有していても良い。添加剤としては、本発明の所期の効果を妨げない限り、公知のシアン系あるいは亜硫酸系のメッキ液で用いられていた添加剤およびそれ以外の物質の中から選択する一種以上の物質を添加して用いることができる。このとき、添加剤の添加量には特段の制限はなく、その効果とコストを勘案して適切な量とすればよい。
【0025】
また本発明においては、金以外の一種以上の金属を本発明の金メッキ液に溶解させることにより、合金メッキを行ってもよい。金以外の金属としては、金合金としてよく知られている銅、銀、スズなどが挙げられるが(古藤田、表面技術、47(2)、142(1996))、本発明の金メッキ液に溶解しうる限り、それ以外の金属を用いることもできる。このとき、本発明の所期の効果を妨げない限り、金以外の金属を溶解させるためにヨウ化物イオン以外の陰イオンを加えることもできる。
【0026】
本発明の金メッキ液の製造方法は、特に制限されないが、金源、ヨウ素源、非水溶媒および必要に応じて他の成分を混合することにより得ることができる。好ましくは、ヨウ素およびヨウ化物イオンおよび非水溶媒を含む溶液に、室温で、または必要に応じて溶液を加熱し、金または金合金を溶解する方法が用いられる。
【0027】
本発明の金メッキ液は、金が次式(2)に従いヨウ素およびヨウ化物イオンを含有する溶液に室温で容易に溶解することからもわかるように、非常に安定であるので、溶存酸素や大気中の酸素に接触しても、金錯体は安定に存在することができる。
2Au + I2 + 2I− → 2[AuI2]− (2)
また、本金メッキ液のヨウ化金錯イオンは液中のヨウ素(I2)濃度に依存した次式(3)の平衡が存在し、前出の不均化反応等による金の析出が起こり難いと考えられる。そして本発明の金メッキ液中のヨウ素濃度及びヨウ化物イオン濃度比より式(3)の平衡は、大きく左に偏っており、金メッキ液中の金イオンとしては主としてヨウ化金(I)錯体イオンとして存在しており、少ない電気量で効率的に電解金メッキを行うことが可能となる。
[AuI2]− +I2 +I− ⇔ [AuI4]− +I− (3)
【0028】
金源としては、金合金、または単体の金などが挙げられるが、メッキ液への不純物混入防止の点から単体の金またはヨウ化金などが好ましく用いられるが、入手のしやすさから、単体の金が望ましい。単体の金は、金メッキ液製造方法に応じて、塊、箔、板、粒、粉等、いずれの形態でも差し支えない。また、同じく、メッキ液組成に及ぼす影響から、合金のメッキ液とする場合は、メッキ膜を得ようとする合金と同様の組成の単体の金属が好ましく用いられる。この場合は、溶解速度を考慮して、合金組成をメッキ膜組成と若干ずれた組成を用いることもある。
【0029】
本発明の金メッキ液は、好ましくはヨウ素とヨウ化物イオンとの両方を含有しているため、金の溶解能力が高い。本発明の金メッキ液を用いた金メッキ方法(電解メッキ方法)では、金が析出しメッキされる側の電極(陰極)とは反対の電極(陽極)の材料に、金もしくは金合金を用いてメッキを行うと、陰極でメッキを行いながら、陽極から金あるいは金合金成分を補給することができ、常に金メッキ液中の金濃度および合金成分濃度を一定にした安定運転が可能となる。このように、陽極として金もしくは金合金を用いることにより、長時間のメッキが可能であり、メッキ液の寿命の延長を図ることができる。陽極として金もしくは金合金を用いる場合は、金メッキ液の分解等を考慮して、組成および形状を適宜調整することが好ましい。
【0030】
本発明の金メッキ液を用いたメッキの方法としては、公知のメッキ方法で行うことができる。通常は、定電流メッキが行われるが、定電圧メッキでも、PR法などのパルスメッキ法でもよい。定電流メッキの場合の電流密度は、通常1〜1000mA/cm2、好ましくは2〜300mA/cm2、さらに好ましくは3〜50mA/cm2、特に好ましくは4〜20mA/cm2である。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、シアン系金メッキ液に匹敵する性能を持ちながら、シアンの毒性を持たない金メッキ液を提供することができる。また、陽極材料に金を用いてメッキを行うと、陽極の金がメッキ液中に溶解し、メッキによって減少した金とバランスした量の金をメッキ液に供給することができるので、安定したメッキを長期間行うことができる。さらに、亜硫酸金系メッキ液では困難であった金合金のメッキを容易に行うことができる。
【0032】
【実施例】
本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本願の実施例では、金は(株)レアメタリック製の純度99.99%のものを用い、ヨウ素、ヨウ化カリウム、およびエチレングリコールは、和光純薬工業(株)製の試薬特級を用いた。また、γ−ブチロラクトンはキシダ化学(株)製の高純度溶媒を用いた。
【0033】
(実施例1)
金2.8g、ヨウ化カリウム25.3g、ヨウ素2.9g、水12.9gを混合した液1.1gにエチレングリコール2.6gを混合し、金2重量%、ヨウ化カリウム17重量%、ヨウ素2重量%、水9重量%、エチレングリコール70重量%の金メッキ液を調製した。この金メッキ液における仕込み時のヨウ化物イオン含有量は13重量%であり、先述のヨウ素含有量と合わせてヨウ素元素含有量は15重量%であった。
【0034】
得られた金メッキ液を用い、白金を対極(陽極)として、5mA/cm2の電流密度で30分、金スパッタ膜(陰極)上にメッキを行ったところ、約2Vの電圧でメッキされた。
得られたメッキ膜と下地のスパッタ膜をオージェ電子分光法により深さ方向の元素分布を分析した結果、メッキ膜は金を主成分とする膜であった。
このとき、メッキ膜と下地を合わせた金膜全体のスパッタに要した時間は、下地に対し約3倍であり、十分な膜厚を有していることも確認された。
【0035】
(実施例2)
実施例1と同様に調製した、金、ヨウ化カリウム、ヨウ素、および水の混合液を1.2g用い、エチレングリコールの代わりに、γ−ブチロラクトン2.7gを用いた他は、実施例1と同様に金メッキ液を調製し、実施例1と同様にメッキを行ったところ、約2Vの電圧でメッキされた。尚、仕込み時のヨウ化物イオン含有量は14重量%であり、ヨウ素(I2)含有量の2重量%と合わせてヨウ素元素含有量は16重量%であった。
【0036】
得られたメッキ膜と下地のスパッタ膜をオージェ電子分光法により深さ方向の元素分布を分析した結果、メッキ膜は金を主成分とする膜であった。
このとき、メッキ膜と下地を合わせた金膜全体のスパッタに要した時間は、下地に対し約4倍であり、十分な膜厚を有していることも確認された。
【0037】
(実施例3)
実施例1において、対極(陽極)として金スパッタ膜を用いた他は実施例1と同様に金メッキ液を調製し、メッキを行ったところ、約2Vの電圧でメッキされた。
さらに、メッキを長時間続けて行ったところ、対極の金スパッタ膜が全て溶解し、下地が露出した。
【0038】
(比較例1)
実施例1と同様に調製した、金、ヨウ化カリウム、ヨウ素、および水の混合液を1.0g用い、エチレングリコールの代わりに、水2.3gを用いた他は、実施例1と同様に金メッキ液を調製した。得られた金メッキ液を用い、白金を対極(陽極)として、5mA/cm2の電流密度で、金スパッタ膜(陰極)上にメッキを行ったところ、1V以下の低い電圧でメッキ液の分解が起こり、メッキを行うことはできなかった。
Claims (10)
- ヨウ素ヨウ化物イオン、ヨウ化金錯イオンおよび非水溶媒を含有することを特徴とする金メッキ液。
- ヨウ素元素含有量が0.5〜50[重量%]であることを特徴とする請求項1に記載の金メッキ液。
- 非水溶媒がアルコール性水酸基および/またはフェノール性水酸基を有する化合物若しくは非プロトン性有機溶媒であることを特徴とする請求項1または2に記載の金メッキ液。
- 非水溶媒が二つ以上のアルコール性水酸基、および/またはフェノール性水酸基を有する化合物若しくは非プロトン性溶媒であることを特徴とする請求項3に記載の金メッキ液。
- 非水溶媒がエチレングリコールまたはγ−ブチロラクトンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の金メッキ液。
- 金メッキ液がさらに水を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の金メッキ液。
- 金メッキ液が実質的にシアンを含まないことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の金メッキ液。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の金メッキ液を用いる金メッキ方法。
- 電解メッキ方法であることを特徴とする請求項8に記載のメッキ方法。
- 陽極に金または金合金を用いることを特徴とする請求項9に記載のメッキ方法。
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