JP2004043195A - 低級炭化水素ガスから合成ガスを製造する方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ATR法による合成ガスの製造に際して、反応器内の部分酸化領域で原料ガスと酸化ガスとが良好に混合され、均一な部分酸化反応が進行して煤の生成や過酸化によるホットスポットの発生が抑えられ、長時間の安定運転が可能であるような方法、およびそのための装置を提供する。
【解決手段】低級炭化水素ガスと酸化ガスとを別々に噴出して混合させる上部領域と、混合した低級炭化水素ガスと酸化ガスとによる部分酸化反応を行わせる中部領域と、触媒の存在下にスチームリフォーミング反応を行わせる下部領域からなり、該上部領域は上記2種のガスを該中部領域に向かって噴出する複数の同心二重管ノズルからなるバーナーを有するATR反応器を用い、該同心二重管ノズルの数を4〜300の範囲、該同心二重管ノズルの間隔を5〜20cmの範囲とし、該内側のノズルから噴出されるガスの流速U1を100〜300m/秒の範囲、該外側のノズルから噴出されるガスの流速U2と該流速U1との流速比U2/U1を0.15〜0.5の範囲とする方法。
【選択図】 図2
【解決手段】低級炭化水素ガスと酸化ガスとを別々に噴出して混合させる上部領域と、混合した低級炭化水素ガスと酸化ガスとによる部分酸化反応を行わせる中部領域と、触媒の存在下にスチームリフォーミング反応を行わせる下部領域からなり、該上部領域は上記2種のガスを該中部領域に向かって噴出する複数の同心二重管ノズルからなるバーナーを有するATR反応器を用い、該同心二重管ノズルの数を4〜300の範囲、該同心二重管ノズルの間隔を5〜20cmの範囲とし、該内側のノズルから噴出されるガスの流速U1を100〜300m/秒の範囲、該外側のノズルから噴出されるガスの流速U2と該流速U1との流速比U2/U1を0.15〜0.5の範囲とする方法。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタンや天然ガスなどの低級炭化水素ガスの部分酸化反応とリフォーミング反応を組み合わせたオートサーマルリフォーミング(ATR)法により一酸化炭素(CO)と水素(H2)を含む合成ガスを製造する方法および装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、平面上に配列された複数の同心二重管ノズルからなるバーナーを有するATR反応器を用い、それらの同心二重管ノズルから酸素を含有する酸化ガスと上記低級炭化水素ガスとをその反応器の部分酸化領域に噴出して混合させることにより低級炭化水素ガスを部分酸化し、その部分酸化反応の生成物をさらに触媒層を通してリフォーミングすることにより合成ガスを製造する方法、およびそのために用いる上記ATR反応器に関する。
【0003】
【従来の技術】
ATR法により、メタンや天然ガスなどの低級炭化水素ガスから、アンモニア、メタノール、FT合成の原料となる合成ガス、あるいはオキソガスを製造できることは、従来より広く知られている。ATR法とは、1つの反応器の中で部分酸化(部分燃焼)反応とリフォーミング反応の両反応を逐次的に起こさせることにより、部分酸化反応(発熱反応)で発生する反応熱を吸熱反応であるリフォーミング反応に利用することを特徴とするガスの改質(リフォーミング)法である。
【0004】
たとえば、図1(HYDROCARBON PROCESSING, vol.79, no.3, p.100−Cに掲載された図に基づいて作成)に示す反応器を用いたATR法で、低級炭化水素ガスとしてメタンを原料にする場合には、反応器101内に設けられた部分酸化領域102で、代表的には下記式(2)に示される完全燃焼反応に対し化学量論比以下の酸素を用いた火炎反応によりメタンの一部を部分燃焼させ、引き続いて部分的に酸化された反応生成ガスを反応器下部に設置された固定床の改質触媒層103を通過させることにより、下記式(3)に示すスチームリフォーミング反応と下記式(4)に示すCOシフト反応と下記式(5)に示すCO2リフォーミング反応を起こさせてH2とCO(およびCO2とH2O)からなる合成ガスを製造する。
CH4 + 2O2 ――> CO2 + 2H2O (2)
CH4 + H2O <――> CO + 3H2 (3)
CO + H2O <――> CO2 + H2 (4)
CO2 + CH4 <――> 2CO + 2H2 (5)
【0005】
図1に示すような既存のATR法では、低級炭化水素ガスを含む原料ガス(以下単に「原料ガス」という)と酸素を含む酸化ガス(以下単に「酸化ガス」という)とを、予熱した後に単一の大きな同心円バーナー(あるいは「インジェクター」ともいう)から部分酸化領域に混合噴射することにより、1つの乱流拡散炎を形成して酸化(燃焼)反応を進行させている。しかし、この方法には、反応器の略中央部の燃焼ゾーンでは炭化水素ガスと酸素との混合が不十分なため、酸素に富む部分と酸素不足の部分が混在しながら酸化(燃焼)反応が進行するという本質的欠点がある。そのため酸素不足の部分では煤の生成が避け難く、また局所的に酸素に富む部分では過酸化が生じて温度が2000℃近くの所謂ホットスポットが発生し、これによりバーナー先端部や反応器壁面の熱損傷が生じたり、下流側の改質触媒にシンタリングや構造破壊が生ずるという問題がある。
【0006】
上記の問題を解決するための改良として、特開平5−256420号および米国特許第5492649号は、インジェクションノズルでの渦流の運動効果により乱流拡散炎中に多数の混合点を形成させ、それにより拡散炎中での多量の煤の生成を抑制することを提案している。また、特開平11−314901号および米国特許第5628931号は、ATR工程の操作条件(運転圧力やスチームリフォーミングの温度)を制御することにより、煤の生成を抑制することを提案している。しかしながら、この種の改良法でもなお、拡散炎中での過酸化を完全に抑えることは困難であり、それに起因するインジェクターノズルの熱損傷や改質触媒の熱劣化の問題は残される。
【0007】
一方、上記改良法を含む単一のバーナーノズル使用のATR法に対して、複数のノズルまたはオリフィスからなるマルチノズルバーナーを使用する改良ATR法が、特開平2−25615号および米国特許第5980596号により提案されている。しかし、これらに使用されるマルチノズルバーナーは、特殊な有孔ブロック体を組み合わせた構造体であり、大型のATR工業装置に使用するには構造が複雑すぎて加工・製作が困難であると同時に、高温運転の保持が困難であるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題にかんがみ、ATR法による合成ガスの製造に際して、反応器内の部分酸化領域で原料ガスと酸化ガスとが良好に混合され、均一な部分酸化反応が進行して煤の生成や過酸化によるホットスポットの発生が抑えられ、さらには、部分酸化反応によって生成する高温のガスが触媒層に接するために起こり得る触媒のシンタリングや熱損傷、あるいは部分酸化生成物中に存在するコーク前駆体(アセチレンやエチレンなどの不飽和炭化水素など)による触媒層でのコーク析出による閉塞を防止することができ、長時間の安定運転が可能であるような方法、およびそのための装置を提供することを目的とする。
【0009】
より具体的には、原料ガスと酸化ガスとを別々かつ均等に部分酸化領域に噴出させることができる簡単な構造のマルチノズルバーナーを有するATR反応器を用い、原料ガスと酸化ガスとの均一で良好な混合状態を実現して安定な拡散火炎を形成し、その反応生成物を、好ましくは、耐熱性にすぐれ、かつコーク前駆体の分解能が高い改質触媒の存在下でリフォーミングして効率的に合成ガスを製造する方法、およびそのための上記ATR反応器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、複数の同心二重管ノズルを備えたマルチノズルバーナーを用い、ノズル間隔を適切な範囲に設定し、かつ中心噴流の流速を適切な範囲に設定し、さらに中心噴流の流速に対する環状噴流の流速の比を適切な範囲に設定することにより、煤の生成やホットスポットの発生が少ない安定で均質な部分酸化反応を行うことができることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明は、低級炭化水素ガスと酸化ガスとを別々に噴出して混合させる上部領域と、混合した低級炭化水素ガスと酸化ガスとによる部分酸化反応を行わせる中部領域と、触媒の存在下でリフォーミング反応を行わせる下部領域からなるオートサーマルリフォーミング反応器を用い、上記部分酸化反応と上記リフォーミング反応とにより合成ガスを製造する方法において、
(1)該上部領域は上記2種のガスを内側および外側のノズルから別々に該中部領域に向かって噴出する複数の同心二重管ノズルからなるバーナーを有し、
(2)該内側のノズルから噴出される中心噴流の流速をU1、該外側のノズルから噴出される環状噴流の流速をU2としたとき、U1が100〜300m/秒の範囲にあり、かつ、U2/U1が0.15〜0.5の範囲にあり、
(3)該同心二重管ノズルの数が4〜300、好ましくは50〜100であり、かつ、隣接する同心二重管ノズルの中心間距離が5〜20cm、好ましくは8〜15cmであることを特徴とする方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、低級炭化水素ガスと酸化ガスとを別々に噴出して混合させる上部領域と、混合した低級炭化水素ガスと酸化ガスとによる部分酸化反応を行わせる中部領域と、触媒の存在下でリフォーミング反応を行わせる下部領域からなり、上記部分酸化反応と上記リフォーミング反応とにより合成ガスを製造するためのオートサーマルリフォーミング反応器であって、
(1)該上部領域は上下に分割されて、一方が低級炭化水素ガスの蓄気室、他方が酸化ガスの蓄気室になっており、
(2)下側の蓄気室の下端は複数の孔が形成された多孔板からなり、上側の蓄気室から複数本の管が下側の蓄気室を貫通して該複数の孔の中に達し、
(3)かくして、該下側の蓄気室の下端は複数の同心二重管ノズルが設けられたバーナーチューブシートを形成し、低級炭化水素ガスおよび酸化ガスが別々に噴出されるように構成され、
(4)該同心二重管ノズルの数が4〜300であり、かつ、隣接する同心二重管ノズルの中心間距離が5〜20cmであることを特徴とする反応器を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、低級炭化水素ガスと酸化ガスとを別々に噴出して混合させる上部領域と、混合した低級炭化水素ガスと酸化ガスとによる部分酸化反応を行わせる中部領域と、触媒の存在下でリフォーミング反応を行わせる下部領域からなるオートサーマルリフォーミング反応器を用い、上記部分酸化反応と上記リフォーミング反応とにより合成ガスを製造する方法において、
(1)該上部領域は上記2種のガスを内側および外側のノズルから別々に該中部領域に向かって噴出する複数の同心二重管ノズルからなるバーナーを有し、
(2)該内側のノズルから噴出される中心噴流の流速をU1、該外側のノズルから噴出される環状噴流の流速をU2としたとき、U1が100〜300m/秒の範囲にあり、かつ、U2/U1が0.15〜0.5の範囲にあり、
(3)該同心二重管ノズルの数が4〜300であり、かつ、隣接する同心二重管ノズルの中心間距離が5〜20cmであり、
(4)該下部領域には、実質的に酸化マグネシウムからなる金属酸化物担体にロジウムまたはルテニウムの少なくとも一方からなる触媒金属を担持した触媒が充填されて触媒床を形成し、該触媒は、比表面積が1.0m2/g以下であって、触媒金属の担持量が金属酸化物担体に対して0.001〜0.1mol%であることを特徴とする方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の方法に用いるATR反応器の概略構造を図2に示す。図2からわかるように、本発明の方法に用いるATR反応器の最大の特徴は、原料ガスと酸化ガスとを別々かつ均等に噴出するための複数の同心二重管ノズルを備えたマルチノズルバーナーの構造にあり、その他の部分の構造は図1に示す従来の単一ノズル型ATR反応器と略同じである。すなわち図2の反応器1は、機能上、バーナー部(上部領域)2、気相部分酸化反応部(中部領域)3、および触媒での接触リフォーミング反応部(下部領域)4の3つの領域からなる。なお、図2は原料ガスを中心噴流とし酸化ガスを環状噴流とした場合を示しているが、酸化ガスを中心噴流とし原料ガスを環状噴流としてもよい。その場合には原料ガスと酸化ガスの蓄気室の位置は図2と逆になる。以下の説明は図2に従ったものである。
【0015】
反応器の上部領域を構成するバーナー部2は上下2室に分かれており、上側は原料ガスが供給される原料ガス蓄気室5、下側は酸化ガスが供給される酸化ガス蓄気室6になっている。上側の原料ガス蓄気室5と下側の酸化ガス蓄気室6の間にはガス導入チューブ9が接続する複数の孔を有するチューブシート7が設けられて上下両蓄気室を区分している。また、下側の酸化ガス蓄気室6と気相部分酸化反応部3の間は複数の開口を有するバーナーノズルシート8により区分されている。チューブシート7の複数の孔に接続した各ガス導入チューブ9は酸化ガス蓄気室6の内部を通過し、バーナーノズルシート8の複数の開口の各中心部を貫通する位置まで伸びて環状開口10を形成し、これによりバーナーノズルシート8の面上に配列された複数の同心二重管ノズルを備えたマルチノズルバーナーが構成される。
【0016】
バーナーノズルシート8におけるノズルの構造は、狭い口径の管(中心開口)が広い口径の開口に同心状に取り巻かれて環状開口を形成している同心環状配置である。一方の開口(図2では中心開口)からは原料ガスが噴出され、他方の開口(図2では環状開口)からは酸化ガスが噴出される。このような同心二重管ノズルを複数配列したマルチバーナーの場合には、それぞれの同心ノズルを適切な距離を保って配列することが、安定な火炎の形成とノズル近傍での高温部発生の抑制に効果がある。図3は、同心二重管ノズルの代表的な配列を、部分酸化ゾーン側からみた状態を示す。図3に示すような正方形ピッチ型のノズル配列は原料ガスと酸化ガスとの十分な混合を実現するために非常に有効であり、また均一な部分酸化反応を行うのにも有効である。
【0017】
反応器の中部領域を構成する気相部分酸化反応部3は上記マルチノズルバーナーの下方に位置し、同心二重管ノズルから噴出した原料ガスと酸化ガスとが混合して部分酸化反応を行う空間領域(部分酸化ゾーン)12である。気相部分酸化反応部3の下方には改質触媒が充填された触媒床13からなる接触リフォーミング反応部4が続いており、その間に隔壁はないため部分酸化ゾーン12で生成されたガスはそのまま触媒床13を通過し、その間にリフォーミング反応を行う。
【0018】
本発明の合成ガス製造方法において、原料ガスとしてはメタンや天然ガスなどの低級炭化水素ガスが用いられ、酸化ガスとしては合成ガスの用途によって酸素や空気あるいは酸素富化空気などが用いられる。また、リフォーミングに必要なスチームや部分酸化ゾーンの温度調節用としての二酸化炭素(スチームにも温度調節作用があり、通常、これらのガスを包括的にモデレーターガスとよぶ)は、上記原料ガスと酸化ガスの双方または一方に加えられる。二酸化炭素を含む天然ガスを原料にする場合には、所望の合成ガス組成に応じ、二酸化炭素濃度を調整して供給してもよい。
【0019】
原料ガスは、たとえばモデレーターガスとしての炭酸ガスと混合され予熱された後、バーナー部上側の原料ガス蓄気室5に供給され、そこからガス導入チューブ9を通って部分酸化ゾーン12に噴出する。一方、酸化ガスは、たとえばモデレーターガスとしてのスチームと混合され予熱された後、バーナー部下側の酸化ガス蓄気室6に供給され、バーナーチューブシート8とガス導入チューブ9の間の環状開口10から部分酸化ゾーン12に噴出する。このように複数の同心二重管ノズルからそれぞれ環状噴流および中心噴流として噴出した酸化ガスおよび原料ガスは迅速かつ均一に混合し、その結果、部分酸化ゾーンに乱流拡散炎が形成されて原料ガスの酸化反応により高温の燃焼(部分酸化)ガスが生成する。
【0020】
中心噴流と環状噴流の噴出速度および同心二重管ノズルの間隔(隣接する同心ノズルの中心間距離)は、噴出後の両ガスの速やかな混合と安定した拡散炎の形成にとって非常に重要である。ガス導入チューブ9から噴出する中心噴流の流速U1は100〜300m/秒の範囲にあることが好ましい。また、環状開口から噴出する環状噴流の流速U2と上記中心噴流の流速U1の比は酸化ガスと原料ガスの混合を支配する重要な因子であり、混合効率を最大化するにはU2/U1が0.15〜0.5の範囲にあることが好ましく、0.2〜0.4の範囲にあればさらに好ましい。各流速の測定または計算は、当業者であれば任意の適切な方法で行うことができる。一方、同心二重管ノズルの間隔は、安定な火炎の形成およびノズル近傍の高温化を防ぐため、5〜20cmの範囲にあることが好ましく、8〜15cmであればより好ましい。
【0021】
マルチバーナーの複数のノズルから噴出したガス流は相互に干渉を起こして不安定な火炎とならないようにする必要があるが、そのためには下記式(1)で表される中心噴流と環状噴流から形成される同軸二重噴流の相当直径Dが10〜60mmの範囲にあればよく、30〜50mmの範囲にあればより好ましい。
【数3】
上記式中、M1およびM2はそれぞれ中心噴流および環状噴流の質量流量(kg/秒)を表し、G1およびG2はそれぞれ中心噴流および環状噴流の運動量束=質量流量*流速(kg・m/秒2)を表す。ρは燃焼ガス密度(kg/m3)であり、中心噴流および環状噴流を混合した条件での温度における値として定義されるものとする。
【0022】
部分酸化(燃焼)の温度は、酸素と混合されるモデレーターガスの種類と量によって変わる。炭化水素ガスと酸素の望ましい比は、過酸化による過剰熱の発生や煤の生成を避けるため、常に炭化水素過剰の条件で実施される。本発明において、原料炭化水素ガスの炭素一原子あたりの酸素、スチームおよび二酸化炭素の供給mol比は、
O2/C=0.3〜0.7
H2O/C=0.3〜2.0
CO2/C=0〜2.0
の範囲にあることが好ましい。
【0023】
なお、図2の反応器では、原料ガス蓄気室内に原料ガスの均一分散を促すために多孔分散板11aが設けられている。同様に、酸化ガス蓄気室内にも多孔分散板11bが設けられている。これらの多孔分散板における圧力損失はそれぞれ800〜1000kg/m2程度とすることが好ましい。また、ATR反応器の内壁は高温に絶え得るように、耐火材(煉瓦)14で覆われる。
【0024】
バーナーノズルシート8は、直接高温の火炎にさらされるので溶損やひび割れなどの損傷の可能性があるため、耐熱性で耐食性のある金属材料を使用し、かつバーナーノズルシートに冷却管を埋めこみ、これに冷却水を流して熱を除去する強制冷却手段を採用するのが通例である。典型的には、バーナーノズルシートの内面に1個またはそれ以上の冷却管用の溝を設け、そこに冷却用配管を埋設すればよい。同心二重管ノズルの周りに冷却管を配置することを考慮すると、同心二重管ノズルは正方形ピッチで配列することが好ましい。
【0025】
ノズルの本数は、処理するガス量と規定されるガス噴出時の線速度とによって決まるが、マルチバーナーの特性を生かすためには4本以上、好ましくは16本以上、さらに好ましくは50本以上が適当である。但し、バーナー数が多いと製造コストがかさむ上、チューブシートも大きくなり、荷重によるたわみ等の問題が発生するので、通常は300本以下、好ましくは100本以下とする。
【0026】
部分酸化ゾーンで酸化(燃焼)されたガスは、高温のままATR反応器の下部領域に設けられた固定床の触媒層を通過するため、改質触媒は常時高温のガスと接触して加熱されるが、本発明の方法では極端な高温となる所謂ホットスポットの発生が抑えられ、好ましくは1000℃以上の高温にも耐える耐熱性にすぐれた改質触媒を用いるため、シンタリングや熱損傷を起こすことはほとんどない。また、部分酸化ゾーンでは化学量論以下の酸素の存在下で燃焼が行われるため、そこで生成したガス中には、メタン、スチーム、二酸化炭素などの他に、煤生成の前駆体となるアセチレンやエチレンなどの不飽和炭化水素も含まれることが本質的に避けられないが、本発明の方法で好ましく用いられる改質触媒は、煤やその前駆体を分解除去するので、煤による触媒層の閉塞を起こしにくい。また、下記式(6)、(7)で示されるコーク析出反応を抑制する性質を有するので、これらの問題により運転操作に支障をきたすことがなく、長期にわたって安定な性能を発揮することができる。
CH4 <――> C + 2H2 (6)
2CO <――> C + CO2 (7)
【0027】
改質触媒としては、一般に、周期律表の第VIII族または第VII族から選ばれる1種以上の金属、特に第VIII族の貴金属やニッケルから選ばれる1種以上の金属を担体に担持した触媒が用いられる。これらの触媒金属は、ランタンやセリウムのような他の金属と組み合わせて用いることもできる。金属成分は、通常、熱安定性の高い耐火性無機酸化物からなる担体上に担持される。そのような触媒担体としては、第II族金属の酸化物、希土類金属酸化物、αアルミナ、アルミナ含有酸化物、ヘキサアルミネート、カルシウムアルミネート、マグネシア、マグネシウム−アルミナスピネル、セメントなどがある。触媒粒子は種々の形状であってよいが、円筒形(ラシヒリング)やサドル状、星型などが一般的である。
【0028】
特に好ましい改質触媒は、比表面積が1.0m2/g以下の酸化マグネシウム(MgO)を触媒担体とし、これにロジウムまたはルテニウムの少なくとも一方を含む触媒金属を酸化マグネシウムに対して0.001〜0.1mol%の割合で担持させたものである。MgOは、一般に、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等を1000〜1500℃、好ましくは1050〜1300℃で焼成すれば得られる。
【0029】
得られたMgO粉末を成形するには、成形時の作業性や得られた成形体の強度を向上させることから、成形助剤を用いることが好ましい。成形助剤としては、i)カーボン、ii)炭素数12〜22の脂肪酸またはそのマグネシウム塩、iii)カルボキシメチルセルロース(CMC)またはそのマグネシウム塩、およびiv)ポリビニルアルコールの中から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いるのが好ましい。上記カーボンとしては、グラファイト、カーボンブラック、活性炭などが用いられる。また、上記脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が用いられる。
【0030】
これらの成形助剤は、通常、粉末状で用いられる。典型的には、粉末状のMgOに粉末状の成形助剤を添加し、均一に混合した後、この混合物を所望の形状に成形する。成形助剤の添加量は、MgOと成形助剤の合計量に対して0.1〜5重量%とすることが好ましく、1.0〜4.0重量%であればより好ましい。成形方法としてはプレス成形法が一般的であるが、その他、打錠成形法などを採用してもよい。そうしてタブレット状、円柱状、リング状、中空円筒状などの所望の形状に成形された成形体の寸法は、通常、その長軸長さで3〜30mm、好ましくは5〜25mmとするが、触媒床に応じて適当な寸法を採用すればよい。
【0031】
MgO担体に触媒金属を担持させる方法としては、含浸法、浸漬法、イオン交換法等、慣用の方法を用いることができる。触媒金属はハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩(たとえば酢酸塩)、錯塩(キレート)等といった水溶性化合物の形態に調製され、水溶液としてMgO担体に付与される。こうして触媒金属の水溶性化合物を担持したMgO担体は、次いで、35〜200℃程度の温度で乾燥し、さらに200〜1500℃程度の温度で焼成すればよい。
【0032】
【実施例】
実施例1
図2に示すATR反応器のバーナーノズルシート8を想定した部分酸化反応器(図4)を用い、10cm間隔の正方ピッチで同心二重管ノズルを配置した、4本(2×2)のマルチバーナーを用いて、部分酸化反応を行なった。バーナーノズルシートは酸化ガス蓄気室下部と部分酸化ゾーン上部にそれぞれ設けられたフランジで締め付けて固定した。また同心二重管ノズルの中心配管は内径7mm、肉厚3mmであり、それを取り巻く外側の酸化ガスノズルの孔径は19mmとした。この部分酸化反応試験には、原料ガスである天然ガスを中心噴流として供給し、これと反応させる水蒸気および酸素ガスを環状噴流として供給した。それぞれのガスは操作圧力まで圧縮し、そして操作温度まで予熱して供給した。
【0033】
天然ガスは部分酸化反応器に入れる前に脱硫処理した。脱硫後の原料天然ガスの組成を表1に示す。
[表1]
天然ガス組成(mol%)
N2 0.97
CO2 20.0
CH4 77.48
C2H6 0.97
C3H8 0.29
C4H10 0.29
表1からわかるように、天然ガスには20%のCO2が含まれていた。この天然ガスを、500℃、25kg/cm2G、735Nm3/hで、原料ガス供給ラインから部分酸化反応器に供給した。
【0034】
一方、酸素ガス(純度99.5%)とスチームは、混合して酸化ガス供給ラインから部分酸化反応器に供給した。このときの圧力および温度は、酸素ガスおよびスチームのいずれについても圧力25kg/cm2Gおよび温度300℃とし、酸素ガスは386Nm3/h、スチームは688Nm3/hの供給量で部分酸化反応器に供給した。
【0035】
本試験条件では、マルチバーナーの同心二重管ノズルの内管から噴射される原料ガス含有流体の流速(U1)は144m/sであり、外側の環状開口から噴射される酸素ガス含有流体の流速(U2)とU1との比(U2/U1)は0.28であった。また、(1)式で示される二重噴流の相当直径(D)は11mmであった。
【0036】
部分酸化反応装置の出口におけるガスの温度は約1300℃であり、圧力は25kg/cm2Gであった。出口ガスの組成を表2に示す。
[表2]
出口ガス組成(mol%、乾燥基準)
CH4 6.2
CO2 15.4
H2 52.7
CO 25.7
この部分酸化反応装置の出口ガスを冷却し、精製ガス中の大半のスチームを凝縮分離したが、凝縮液中に煤はほとんど存在せず、また、運転後の反応器を内部点検したところ、マルチバーナーの熱損傷や、反応器内壁の耐火物の異常は認められなかった。
【0037】
実施例2
(1)改質触媒(Rh担持MgO触媒)の調製
純度99.2重量%以上の市販MgO粉末に、滑択材(バインダー)としてカーボンを3.5重量%(MgOとカーボンの合計量に対して)添加混合し、これをタブレット成形して1/8インチペレットとしたものを、空気中1060℃で3時間焼成してMgO担体を得た。次に、このMgO担体にロジウム(III)アセテート水溶液を含浸し、これを空気中35℃で52時間乾燥した後、空気中850℃で3時間焼成してRh/MgO触媒を得た。この触媒は、ロジウム(Rh)をRh金属として担体MgOに対して600重量ppm含有し、その表面積は0.9m2/gであった。
【0038】
(2)リフォーミング性能の確認
ATR反応器の部分酸化領域で生成するガスを想定した模擬ガスを用い、上記で調製した改質触媒の性能を確認した。環状電気炉を3つ縦に並べ、これらを貫通するように長さ700mm、内径16mmの管状反応管を垂直に設置し、反応器の上部、中部、下部がそれぞれ独立に温度制御できるようにした。反応器には上記で調製した改質触媒20ccを充填した。実験に先立ち、反応器に水素を通気して、900℃で1時間、触媒の還元処理を行った。次いで、模擬ガスとして、煤生成の前駆体であるアセチレンとエチレンをそれぞれ1容量%含むメタン/二酸化炭素混合ガス(mol比=1/1)を調製し、これを流量45.5NL/hで反応器に供給した。同時に、蒸留水を気化器でスチームにし、これを流量50g/hで反応器に供給した。こうして、圧力25kg/cm2G、入口ガス温度900℃、出口ガス温度1050℃の反応条件でリフォーミング反応を行った。生成ガスの組成は、乾燥基準で、メタン0.2容量%、二酸化炭素11〜12容量%、水素57〜58容量%、一酸化炭素29〜30容量%であり、この組成は反応開始後100時間にわたりほぼ一定であった。平衡到達率は95〜100%を維持した。運転中、生成物分離器から適時抜き出される凝縮水は無色透明であり、煤などの固形分は観察されなかった。また、実験終了後、反応器を開放して触媒を抜き出し、その状態を調べたが、充填時と変わらず、触媒の損傷やコークの析出は認められなかった。
【0039】
実施例3
(1)改質触媒(Ru担持MgO触媒)の調製
純度98.7重量%以上の市販MgO粉末に、滑択材(バインダー)としてカーボンを3.0重量%(MgOとカーボンの合計量に対して)添加混合し、これをタブレット成形して1/8インチペレットとしたものを、空気中1160℃で3時間焼成してMgO担体を得た。次に、このMgO担体にルテニウム(III)クロライド水溶液を含浸し、これを空気中35℃で10時間乾燥した後、空気中300℃で3時間焼成してRu/MgO触媒を得た。この触媒は、ルテニウム(Ru)をRu金属として担体MgOに対して300重量ppm含有し、その表面積は0.4m2/gであった。
【0040】
(2)リフォーミング性能の確認
反応器に上記で調製したRu/MgO触媒を充填した以外は、実施例2と同様の原料ガスおよび反応条件を用いて連続的にリフォーミング反応を実施した。生成ガスの組成は、乾燥基準で、メタン0.1〜0.2容量%、二酸化炭素11〜12容量%、水素57〜58容量%、一酸化炭素29〜30容量%であり、この組成は反応開始後100時間にわたりほぼ一定であった。平衡到達率は95〜100%を維持した。運転中、生成物分離器から適時抜き出される凝縮水は無色透明であり、煤などの固形分は観察されなかった。また、実験終了後、反応器を開放して触媒を抜き出し、その状態を調べたが、充填時と変わらず、触媒の損傷やコークの析出は認められなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の同心二重管ノズルが適切な間隔で配列されたマルチバーナーを用い、同心二重管ノズルの距離と中心噴流および環状噴流の流速ないし流速比を適切に設定することにより、部分酸化ゾーンへのガス混合体の均一な供給がなされるため、煤の生成やホットスポットによるバーナーノズルの熱損傷が抑制される。かくして、煤の発生のない長期安定なATR運転が達成される。
【0042】
また、本発明の反応器は、その上部領域が上側の蓄気室と下側の蓄気室に分かれており、上側蓄気室から部分酸化反応ゾーンに連通するガス導入チューブが下側蓄気室内を貫通する構造になっており、下側蓄気室下端のバーナーチューブシートの開口と上側蓄気室からのガス導入チューブの先端とで同心二重管ノズルを構成する構造になっており、このような構造は、エネルギー効率が高く、高圧化が可能であり、かつ装置構成が単純でスケールアップが容易であるという利点があり、超大型の合成ガス製造装置への適用を考えた場合における技術的意義はきわめて大きい。
【0043】
さらに、本発明で好適に用いる改質触媒は、きわめて耐熱性が大きく、またコーク前駆体を分解する性質を有するため、触媒の熱損傷やコーク析出による触媒層の閉塞がさらに抑制され、長期にわたって安定な連続運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のATR反応器の代表的構造を模式的に示す。
【図2】本発明のATR反応器の好適な構造を模式的に示す。
【図3】本発明のATR反応器内のバーナーノズルシートにおける同心二重管ノズルの好適な配列を示す。
【図4】実施例1で用いた部分酸化反応装置の模式図を示す。
【符号の説明】
1 ATR反応装置
2 バーナー部(上部領域)
3 部分酸化反応部(中部領域)
4 接触リフォーミング反応部(下部領域)
5 原料ガス蓄気室
6 酸化ガス蓄気室
7 チューブシート
8 バーナーノズルシート
9 ガス導入チューブ
10 環状開口
11a、11b 多孔ガス分散板
12 部分酸化ゾーン
13 触媒層
14 断熱材
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタンや天然ガスなどの低級炭化水素ガスの部分酸化反応とリフォーミング反応を組み合わせたオートサーマルリフォーミング(ATR)法により一酸化炭素(CO)と水素(H2)を含む合成ガスを製造する方法および装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、平面上に配列された複数の同心二重管ノズルからなるバーナーを有するATR反応器を用い、それらの同心二重管ノズルから酸素を含有する酸化ガスと上記低級炭化水素ガスとをその反応器の部分酸化領域に噴出して混合させることにより低級炭化水素ガスを部分酸化し、その部分酸化反応の生成物をさらに触媒層を通してリフォーミングすることにより合成ガスを製造する方法、およびそのために用いる上記ATR反応器に関する。
【0003】
【従来の技術】
ATR法により、メタンや天然ガスなどの低級炭化水素ガスから、アンモニア、メタノール、FT合成の原料となる合成ガス、あるいはオキソガスを製造できることは、従来より広く知られている。ATR法とは、1つの反応器の中で部分酸化(部分燃焼)反応とリフォーミング反応の両反応を逐次的に起こさせることにより、部分酸化反応(発熱反応)で発生する反応熱を吸熱反応であるリフォーミング反応に利用することを特徴とするガスの改質(リフォーミング)法である。
【0004】
たとえば、図1(HYDROCARBON PROCESSING, vol.79, no.3, p.100−Cに掲載された図に基づいて作成)に示す反応器を用いたATR法で、低級炭化水素ガスとしてメタンを原料にする場合には、反応器101内に設けられた部分酸化領域102で、代表的には下記式(2)に示される完全燃焼反応に対し化学量論比以下の酸素を用いた火炎反応によりメタンの一部を部分燃焼させ、引き続いて部分的に酸化された反応生成ガスを反応器下部に設置された固定床の改質触媒層103を通過させることにより、下記式(3)に示すスチームリフォーミング反応と下記式(4)に示すCOシフト反応と下記式(5)に示すCO2リフォーミング反応を起こさせてH2とCO(およびCO2とH2O)からなる合成ガスを製造する。
CH4 + 2O2 ――> CO2 + 2H2O (2)
CH4 + H2O <――> CO + 3H2 (3)
CO + H2O <――> CO2 + H2 (4)
CO2 + CH4 <――> 2CO + 2H2 (5)
【0005】
図1に示すような既存のATR法では、低級炭化水素ガスを含む原料ガス(以下単に「原料ガス」という)と酸素を含む酸化ガス(以下単に「酸化ガス」という)とを、予熱した後に単一の大きな同心円バーナー(あるいは「インジェクター」ともいう)から部分酸化領域に混合噴射することにより、1つの乱流拡散炎を形成して酸化(燃焼)反応を進行させている。しかし、この方法には、反応器の略中央部の燃焼ゾーンでは炭化水素ガスと酸素との混合が不十分なため、酸素に富む部分と酸素不足の部分が混在しながら酸化(燃焼)反応が進行するという本質的欠点がある。そのため酸素不足の部分では煤の生成が避け難く、また局所的に酸素に富む部分では過酸化が生じて温度が2000℃近くの所謂ホットスポットが発生し、これによりバーナー先端部や反応器壁面の熱損傷が生じたり、下流側の改質触媒にシンタリングや構造破壊が生ずるという問題がある。
【0006】
上記の問題を解決するための改良として、特開平5−256420号および米国特許第5492649号は、インジェクションノズルでの渦流の運動効果により乱流拡散炎中に多数の混合点を形成させ、それにより拡散炎中での多量の煤の生成を抑制することを提案している。また、特開平11−314901号および米国特許第5628931号は、ATR工程の操作条件(運転圧力やスチームリフォーミングの温度)を制御することにより、煤の生成を抑制することを提案している。しかしながら、この種の改良法でもなお、拡散炎中での過酸化を完全に抑えることは困難であり、それに起因するインジェクターノズルの熱損傷や改質触媒の熱劣化の問題は残される。
【0007】
一方、上記改良法を含む単一のバーナーノズル使用のATR法に対して、複数のノズルまたはオリフィスからなるマルチノズルバーナーを使用する改良ATR法が、特開平2−25615号および米国特許第5980596号により提案されている。しかし、これらに使用されるマルチノズルバーナーは、特殊な有孔ブロック体を組み合わせた構造体であり、大型のATR工業装置に使用するには構造が複雑すぎて加工・製作が困難であると同時に、高温運転の保持が困難であるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題にかんがみ、ATR法による合成ガスの製造に際して、反応器内の部分酸化領域で原料ガスと酸化ガスとが良好に混合され、均一な部分酸化反応が進行して煤の生成や過酸化によるホットスポットの発生が抑えられ、さらには、部分酸化反応によって生成する高温のガスが触媒層に接するために起こり得る触媒のシンタリングや熱損傷、あるいは部分酸化生成物中に存在するコーク前駆体(アセチレンやエチレンなどの不飽和炭化水素など)による触媒層でのコーク析出による閉塞を防止することができ、長時間の安定運転が可能であるような方法、およびそのための装置を提供することを目的とする。
【0009】
より具体的には、原料ガスと酸化ガスとを別々かつ均等に部分酸化領域に噴出させることができる簡単な構造のマルチノズルバーナーを有するATR反応器を用い、原料ガスと酸化ガスとの均一で良好な混合状態を実現して安定な拡散火炎を形成し、その反応生成物を、好ましくは、耐熱性にすぐれ、かつコーク前駆体の分解能が高い改質触媒の存在下でリフォーミングして効率的に合成ガスを製造する方法、およびそのための上記ATR反応器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、複数の同心二重管ノズルを備えたマルチノズルバーナーを用い、ノズル間隔を適切な範囲に設定し、かつ中心噴流の流速を適切な範囲に設定し、さらに中心噴流の流速に対する環状噴流の流速の比を適切な範囲に設定することにより、煤の生成やホットスポットの発生が少ない安定で均質な部分酸化反応を行うことができることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明は、低級炭化水素ガスと酸化ガスとを別々に噴出して混合させる上部領域と、混合した低級炭化水素ガスと酸化ガスとによる部分酸化反応を行わせる中部領域と、触媒の存在下でリフォーミング反応を行わせる下部領域からなるオートサーマルリフォーミング反応器を用い、上記部分酸化反応と上記リフォーミング反応とにより合成ガスを製造する方法において、
(1)該上部領域は上記2種のガスを内側および外側のノズルから別々に該中部領域に向かって噴出する複数の同心二重管ノズルからなるバーナーを有し、
(2)該内側のノズルから噴出される中心噴流の流速をU1、該外側のノズルから噴出される環状噴流の流速をU2としたとき、U1が100〜300m/秒の範囲にあり、かつ、U2/U1が0.15〜0.5の範囲にあり、
(3)該同心二重管ノズルの数が4〜300、好ましくは50〜100であり、かつ、隣接する同心二重管ノズルの中心間距離が5〜20cm、好ましくは8〜15cmであることを特徴とする方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、低級炭化水素ガスと酸化ガスとを別々に噴出して混合させる上部領域と、混合した低級炭化水素ガスと酸化ガスとによる部分酸化反応を行わせる中部領域と、触媒の存在下でリフォーミング反応を行わせる下部領域からなり、上記部分酸化反応と上記リフォーミング反応とにより合成ガスを製造するためのオートサーマルリフォーミング反応器であって、
(1)該上部領域は上下に分割されて、一方が低級炭化水素ガスの蓄気室、他方が酸化ガスの蓄気室になっており、
(2)下側の蓄気室の下端は複数の孔が形成された多孔板からなり、上側の蓄気室から複数本の管が下側の蓄気室を貫通して該複数の孔の中に達し、
(3)かくして、該下側の蓄気室の下端は複数の同心二重管ノズルが設けられたバーナーチューブシートを形成し、低級炭化水素ガスおよび酸化ガスが別々に噴出されるように構成され、
(4)該同心二重管ノズルの数が4〜300であり、かつ、隣接する同心二重管ノズルの中心間距離が5〜20cmであることを特徴とする反応器を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、低級炭化水素ガスと酸化ガスとを別々に噴出して混合させる上部領域と、混合した低級炭化水素ガスと酸化ガスとによる部分酸化反応を行わせる中部領域と、触媒の存在下でリフォーミング反応を行わせる下部領域からなるオートサーマルリフォーミング反応器を用い、上記部分酸化反応と上記リフォーミング反応とにより合成ガスを製造する方法において、
(1)該上部領域は上記2種のガスを内側および外側のノズルから別々に該中部領域に向かって噴出する複数の同心二重管ノズルからなるバーナーを有し、
(2)該内側のノズルから噴出される中心噴流の流速をU1、該外側のノズルから噴出される環状噴流の流速をU2としたとき、U1が100〜300m/秒の範囲にあり、かつ、U2/U1が0.15〜0.5の範囲にあり、
(3)該同心二重管ノズルの数が4〜300であり、かつ、隣接する同心二重管ノズルの中心間距離が5〜20cmであり、
(4)該下部領域には、実質的に酸化マグネシウムからなる金属酸化物担体にロジウムまたはルテニウムの少なくとも一方からなる触媒金属を担持した触媒が充填されて触媒床を形成し、該触媒は、比表面積が1.0m2/g以下であって、触媒金属の担持量が金属酸化物担体に対して0.001〜0.1mol%であることを特徴とする方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の方法に用いるATR反応器の概略構造を図2に示す。図2からわかるように、本発明の方法に用いるATR反応器の最大の特徴は、原料ガスと酸化ガスとを別々かつ均等に噴出するための複数の同心二重管ノズルを備えたマルチノズルバーナーの構造にあり、その他の部分の構造は図1に示す従来の単一ノズル型ATR反応器と略同じである。すなわち図2の反応器1は、機能上、バーナー部(上部領域)2、気相部分酸化反応部(中部領域)3、および触媒での接触リフォーミング反応部(下部領域)4の3つの領域からなる。なお、図2は原料ガスを中心噴流とし酸化ガスを環状噴流とした場合を示しているが、酸化ガスを中心噴流とし原料ガスを環状噴流としてもよい。その場合には原料ガスと酸化ガスの蓄気室の位置は図2と逆になる。以下の説明は図2に従ったものである。
【0015】
反応器の上部領域を構成するバーナー部2は上下2室に分かれており、上側は原料ガスが供給される原料ガス蓄気室5、下側は酸化ガスが供給される酸化ガス蓄気室6になっている。上側の原料ガス蓄気室5と下側の酸化ガス蓄気室6の間にはガス導入チューブ9が接続する複数の孔を有するチューブシート7が設けられて上下両蓄気室を区分している。また、下側の酸化ガス蓄気室6と気相部分酸化反応部3の間は複数の開口を有するバーナーノズルシート8により区分されている。チューブシート7の複数の孔に接続した各ガス導入チューブ9は酸化ガス蓄気室6の内部を通過し、バーナーノズルシート8の複数の開口の各中心部を貫通する位置まで伸びて環状開口10を形成し、これによりバーナーノズルシート8の面上に配列された複数の同心二重管ノズルを備えたマルチノズルバーナーが構成される。
【0016】
バーナーノズルシート8におけるノズルの構造は、狭い口径の管(中心開口)が広い口径の開口に同心状に取り巻かれて環状開口を形成している同心環状配置である。一方の開口(図2では中心開口)からは原料ガスが噴出され、他方の開口(図2では環状開口)からは酸化ガスが噴出される。このような同心二重管ノズルを複数配列したマルチバーナーの場合には、それぞれの同心ノズルを適切な距離を保って配列することが、安定な火炎の形成とノズル近傍での高温部発生の抑制に効果がある。図3は、同心二重管ノズルの代表的な配列を、部分酸化ゾーン側からみた状態を示す。図3に示すような正方形ピッチ型のノズル配列は原料ガスと酸化ガスとの十分な混合を実現するために非常に有効であり、また均一な部分酸化反応を行うのにも有効である。
【0017】
反応器の中部領域を構成する気相部分酸化反応部3は上記マルチノズルバーナーの下方に位置し、同心二重管ノズルから噴出した原料ガスと酸化ガスとが混合して部分酸化反応を行う空間領域(部分酸化ゾーン)12である。気相部分酸化反応部3の下方には改質触媒が充填された触媒床13からなる接触リフォーミング反応部4が続いており、その間に隔壁はないため部分酸化ゾーン12で生成されたガスはそのまま触媒床13を通過し、その間にリフォーミング反応を行う。
【0018】
本発明の合成ガス製造方法において、原料ガスとしてはメタンや天然ガスなどの低級炭化水素ガスが用いられ、酸化ガスとしては合成ガスの用途によって酸素や空気あるいは酸素富化空気などが用いられる。また、リフォーミングに必要なスチームや部分酸化ゾーンの温度調節用としての二酸化炭素(スチームにも温度調節作用があり、通常、これらのガスを包括的にモデレーターガスとよぶ)は、上記原料ガスと酸化ガスの双方または一方に加えられる。二酸化炭素を含む天然ガスを原料にする場合には、所望の合成ガス組成に応じ、二酸化炭素濃度を調整して供給してもよい。
【0019】
原料ガスは、たとえばモデレーターガスとしての炭酸ガスと混合され予熱された後、バーナー部上側の原料ガス蓄気室5に供給され、そこからガス導入チューブ9を通って部分酸化ゾーン12に噴出する。一方、酸化ガスは、たとえばモデレーターガスとしてのスチームと混合され予熱された後、バーナー部下側の酸化ガス蓄気室6に供給され、バーナーチューブシート8とガス導入チューブ9の間の環状開口10から部分酸化ゾーン12に噴出する。このように複数の同心二重管ノズルからそれぞれ環状噴流および中心噴流として噴出した酸化ガスおよび原料ガスは迅速かつ均一に混合し、その結果、部分酸化ゾーンに乱流拡散炎が形成されて原料ガスの酸化反応により高温の燃焼(部分酸化)ガスが生成する。
【0020】
中心噴流と環状噴流の噴出速度および同心二重管ノズルの間隔(隣接する同心ノズルの中心間距離)は、噴出後の両ガスの速やかな混合と安定した拡散炎の形成にとって非常に重要である。ガス導入チューブ9から噴出する中心噴流の流速U1は100〜300m/秒の範囲にあることが好ましい。また、環状開口から噴出する環状噴流の流速U2と上記中心噴流の流速U1の比は酸化ガスと原料ガスの混合を支配する重要な因子であり、混合効率を最大化するにはU2/U1が0.15〜0.5の範囲にあることが好ましく、0.2〜0.4の範囲にあればさらに好ましい。各流速の測定または計算は、当業者であれば任意の適切な方法で行うことができる。一方、同心二重管ノズルの間隔は、安定な火炎の形成およびノズル近傍の高温化を防ぐため、5〜20cmの範囲にあることが好ましく、8〜15cmであればより好ましい。
【0021】
マルチバーナーの複数のノズルから噴出したガス流は相互に干渉を起こして不安定な火炎とならないようにする必要があるが、そのためには下記式(1)で表される中心噴流と環状噴流から形成される同軸二重噴流の相当直径Dが10〜60mmの範囲にあればよく、30〜50mmの範囲にあればより好ましい。
【数3】
上記式中、M1およびM2はそれぞれ中心噴流および環状噴流の質量流量(kg/秒)を表し、G1およびG2はそれぞれ中心噴流および環状噴流の運動量束=質量流量*流速(kg・m/秒2)を表す。ρは燃焼ガス密度(kg/m3)であり、中心噴流および環状噴流を混合した条件での温度における値として定義されるものとする。
【0022】
部分酸化(燃焼)の温度は、酸素と混合されるモデレーターガスの種類と量によって変わる。炭化水素ガスと酸素の望ましい比は、過酸化による過剰熱の発生や煤の生成を避けるため、常に炭化水素過剰の条件で実施される。本発明において、原料炭化水素ガスの炭素一原子あたりの酸素、スチームおよび二酸化炭素の供給mol比は、
O2/C=0.3〜0.7
H2O/C=0.3〜2.0
CO2/C=0〜2.0
の範囲にあることが好ましい。
【0023】
なお、図2の反応器では、原料ガス蓄気室内に原料ガスの均一分散を促すために多孔分散板11aが設けられている。同様に、酸化ガス蓄気室内にも多孔分散板11bが設けられている。これらの多孔分散板における圧力損失はそれぞれ800〜1000kg/m2程度とすることが好ましい。また、ATR反応器の内壁は高温に絶え得るように、耐火材(煉瓦)14で覆われる。
【0024】
バーナーノズルシート8は、直接高温の火炎にさらされるので溶損やひび割れなどの損傷の可能性があるため、耐熱性で耐食性のある金属材料を使用し、かつバーナーノズルシートに冷却管を埋めこみ、これに冷却水を流して熱を除去する強制冷却手段を採用するのが通例である。典型的には、バーナーノズルシートの内面に1個またはそれ以上の冷却管用の溝を設け、そこに冷却用配管を埋設すればよい。同心二重管ノズルの周りに冷却管を配置することを考慮すると、同心二重管ノズルは正方形ピッチで配列することが好ましい。
【0025】
ノズルの本数は、処理するガス量と規定されるガス噴出時の線速度とによって決まるが、マルチバーナーの特性を生かすためには4本以上、好ましくは16本以上、さらに好ましくは50本以上が適当である。但し、バーナー数が多いと製造コストがかさむ上、チューブシートも大きくなり、荷重によるたわみ等の問題が発生するので、通常は300本以下、好ましくは100本以下とする。
【0026】
部分酸化ゾーンで酸化(燃焼)されたガスは、高温のままATR反応器の下部領域に設けられた固定床の触媒層を通過するため、改質触媒は常時高温のガスと接触して加熱されるが、本発明の方法では極端な高温となる所謂ホットスポットの発生が抑えられ、好ましくは1000℃以上の高温にも耐える耐熱性にすぐれた改質触媒を用いるため、シンタリングや熱損傷を起こすことはほとんどない。また、部分酸化ゾーンでは化学量論以下の酸素の存在下で燃焼が行われるため、そこで生成したガス中には、メタン、スチーム、二酸化炭素などの他に、煤生成の前駆体となるアセチレンやエチレンなどの不飽和炭化水素も含まれることが本質的に避けられないが、本発明の方法で好ましく用いられる改質触媒は、煤やその前駆体を分解除去するので、煤による触媒層の閉塞を起こしにくい。また、下記式(6)、(7)で示されるコーク析出反応を抑制する性質を有するので、これらの問題により運転操作に支障をきたすことがなく、長期にわたって安定な性能を発揮することができる。
CH4 <――> C + 2H2 (6)
2CO <――> C + CO2 (7)
【0027】
改質触媒としては、一般に、周期律表の第VIII族または第VII族から選ばれる1種以上の金属、特に第VIII族の貴金属やニッケルから選ばれる1種以上の金属を担体に担持した触媒が用いられる。これらの触媒金属は、ランタンやセリウムのような他の金属と組み合わせて用いることもできる。金属成分は、通常、熱安定性の高い耐火性無機酸化物からなる担体上に担持される。そのような触媒担体としては、第II族金属の酸化物、希土類金属酸化物、αアルミナ、アルミナ含有酸化物、ヘキサアルミネート、カルシウムアルミネート、マグネシア、マグネシウム−アルミナスピネル、セメントなどがある。触媒粒子は種々の形状であってよいが、円筒形(ラシヒリング)やサドル状、星型などが一般的である。
【0028】
特に好ましい改質触媒は、比表面積が1.0m2/g以下の酸化マグネシウム(MgO)を触媒担体とし、これにロジウムまたはルテニウムの少なくとも一方を含む触媒金属を酸化マグネシウムに対して0.001〜0.1mol%の割合で担持させたものである。MgOは、一般に、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等を1000〜1500℃、好ましくは1050〜1300℃で焼成すれば得られる。
【0029】
得られたMgO粉末を成形するには、成形時の作業性や得られた成形体の強度を向上させることから、成形助剤を用いることが好ましい。成形助剤としては、i)カーボン、ii)炭素数12〜22の脂肪酸またはそのマグネシウム塩、iii)カルボキシメチルセルロース(CMC)またはそのマグネシウム塩、およびiv)ポリビニルアルコールの中から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いるのが好ましい。上記カーボンとしては、グラファイト、カーボンブラック、活性炭などが用いられる。また、上記脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が用いられる。
【0030】
これらの成形助剤は、通常、粉末状で用いられる。典型的には、粉末状のMgOに粉末状の成形助剤を添加し、均一に混合した後、この混合物を所望の形状に成形する。成形助剤の添加量は、MgOと成形助剤の合計量に対して0.1〜5重量%とすることが好ましく、1.0〜4.0重量%であればより好ましい。成形方法としてはプレス成形法が一般的であるが、その他、打錠成形法などを採用してもよい。そうしてタブレット状、円柱状、リング状、中空円筒状などの所望の形状に成形された成形体の寸法は、通常、その長軸長さで3〜30mm、好ましくは5〜25mmとするが、触媒床に応じて適当な寸法を採用すればよい。
【0031】
MgO担体に触媒金属を担持させる方法としては、含浸法、浸漬法、イオン交換法等、慣用の方法を用いることができる。触媒金属はハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩(たとえば酢酸塩)、錯塩(キレート)等といった水溶性化合物の形態に調製され、水溶液としてMgO担体に付与される。こうして触媒金属の水溶性化合物を担持したMgO担体は、次いで、35〜200℃程度の温度で乾燥し、さらに200〜1500℃程度の温度で焼成すればよい。
【0032】
【実施例】
実施例1
図2に示すATR反応器のバーナーノズルシート8を想定した部分酸化反応器(図4)を用い、10cm間隔の正方ピッチで同心二重管ノズルを配置した、4本(2×2)のマルチバーナーを用いて、部分酸化反応を行なった。バーナーノズルシートは酸化ガス蓄気室下部と部分酸化ゾーン上部にそれぞれ設けられたフランジで締め付けて固定した。また同心二重管ノズルの中心配管は内径7mm、肉厚3mmであり、それを取り巻く外側の酸化ガスノズルの孔径は19mmとした。この部分酸化反応試験には、原料ガスである天然ガスを中心噴流として供給し、これと反応させる水蒸気および酸素ガスを環状噴流として供給した。それぞれのガスは操作圧力まで圧縮し、そして操作温度まで予熱して供給した。
【0033】
天然ガスは部分酸化反応器に入れる前に脱硫処理した。脱硫後の原料天然ガスの組成を表1に示す。
[表1]
天然ガス組成(mol%)
N2 0.97
CO2 20.0
CH4 77.48
C2H6 0.97
C3H8 0.29
C4H10 0.29
表1からわかるように、天然ガスには20%のCO2が含まれていた。この天然ガスを、500℃、25kg/cm2G、735Nm3/hで、原料ガス供給ラインから部分酸化反応器に供給した。
【0034】
一方、酸素ガス(純度99.5%)とスチームは、混合して酸化ガス供給ラインから部分酸化反応器に供給した。このときの圧力および温度は、酸素ガスおよびスチームのいずれについても圧力25kg/cm2Gおよび温度300℃とし、酸素ガスは386Nm3/h、スチームは688Nm3/hの供給量で部分酸化反応器に供給した。
【0035】
本試験条件では、マルチバーナーの同心二重管ノズルの内管から噴射される原料ガス含有流体の流速(U1)は144m/sであり、外側の環状開口から噴射される酸素ガス含有流体の流速(U2)とU1との比(U2/U1)は0.28であった。また、(1)式で示される二重噴流の相当直径(D)は11mmであった。
【0036】
部分酸化反応装置の出口におけるガスの温度は約1300℃であり、圧力は25kg/cm2Gであった。出口ガスの組成を表2に示す。
[表2]
出口ガス組成(mol%、乾燥基準)
CH4 6.2
CO2 15.4
H2 52.7
CO 25.7
この部分酸化反応装置の出口ガスを冷却し、精製ガス中の大半のスチームを凝縮分離したが、凝縮液中に煤はほとんど存在せず、また、運転後の反応器を内部点検したところ、マルチバーナーの熱損傷や、反応器内壁の耐火物の異常は認められなかった。
【0037】
実施例2
(1)改質触媒(Rh担持MgO触媒)の調製
純度99.2重量%以上の市販MgO粉末に、滑択材(バインダー)としてカーボンを3.5重量%(MgOとカーボンの合計量に対して)添加混合し、これをタブレット成形して1/8インチペレットとしたものを、空気中1060℃で3時間焼成してMgO担体を得た。次に、このMgO担体にロジウム(III)アセテート水溶液を含浸し、これを空気中35℃で52時間乾燥した後、空気中850℃で3時間焼成してRh/MgO触媒を得た。この触媒は、ロジウム(Rh)をRh金属として担体MgOに対して600重量ppm含有し、その表面積は0.9m2/gであった。
【0038】
(2)リフォーミング性能の確認
ATR反応器の部分酸化領域で生成するガスを想定した模擬ガスを用い、上記で調製した改質触媒の性能を確認した。環状電気炉を3つ縦に並べ、これらを貫通するように長さ700mm、内径16mmの管状反応管を垂直に設置し、反応器の上部、中部、下部がそれぞれ独立に温度制御できるようにした。反応器には上記で調製した改質触媒20ccを充填した。実験に先立ち、反応器に水素を通気して、900℃で1時間、触媒の還元処理を行った。次いで、模擬ガスとして、煤生成の前駆体であるアセチレンとエチレンをそれぞれ1容量%含むメタン/二酸化炭素混合ガス(mol比=1/1)を調製し、これを流量45.5NL/hで反応器に供給した。同時に、蒸留水を気化器でスチームにし、これを流量50g/hで反応器に供給した。こうして、圧力25kg/cm2G、入口ガス温度900℃、出口ガス温度1050℃の反応条件でリフォーミング反応を行った。生成ガスの組成は、乾燥基準で、メタン0.2容量%、二酸化炭素11〜12容量%、水素57〜58容量%、一酸化炭素29〜30容量%であり、この組成は反応開始後100時間にわたりほぼ一定であった。平衡到達率は95〜100%を維持した。運転中、生成物分離器から適時抜き出される凝縮水は無色透明であり、煤などの固形分は観察されなかった。また、実験終了後、反応器を開放して触媒を抜き出し、その状態を調べたが、充填時と変わらず、触媒の損傷やコークの析出は認められなかった。
【0039】
実施例3
(1)改質触媒(Ru担持MgO触媒)の調製
純度98.7重量%以上の市販MgO粉末に、滑択材(バインダー)としてカーボンを3.0重量%(MgOとカーボンの合計量に対して)添加混合し、これをタブレット成形して1/8インチペレットとしたものを、空気中1160℃で3時間焼成してMgO担体を得た。次に、このMgO担体にルテニウム(III)クロライド水溶液を含浸し、これを空気中35℃で10時間乾燥した後、空気中300℃で3時間焼成してRu/MgO触媒を得た。この触媒は、ルテニウム(Ru)をRu金属として担体MgOに対して300重量ppm含有し、その表面積は0.4m2/gであった。
【0040】
(2)リフォーミング性能の確認
反応器に上記で調製したRu/MgO触媒を充填した以外は、実施例2と同様の原料ガスおよび反応条件を用いて連続的にリフォーミング反応を実施した。生成ガスの組成は、乾燥基準で、メタン0.1〜0.2容量%、二酸化炭素11〜12容量%、水素57〜58容量%、一酸化炭素29〜30容量%であり、この組成は反応開始後100時間にわたりほぼ一定であった。平衡到達率は95〜100%を維持した。運転中、生成物分離器から適時抜き出される凝縮水は無色透明であり、煤などの固形分は観察されなかった。また、実験終了後、反応器を開放して触媒を抜き出し、その状態を調べたが、充填時と変わらず、触媒の損傷やコークの析出は認められなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の同心二重管ノズルが適切な間隔で配列されたマルチバーナーを用い、同心二重管ノズルの距離と中心噴流および環状噴流の流速ないし流速比を適切に設定することにより、部分酸化ゾーンへのガス混合体の均一な供給がなされるため、煤の生成やホットスポットによるバーナーノズルの熱損傷が抑制される。かくして、煤の発生のない長期安定なATR運転が達成される。
【0042】
また、本発明の反応器は、その上部領域が上側の蓄気室と下側の蓄気室に分かれており、上側蓄気室から部分酸化反応ゾーンに連通するガス導入チューブが下側蓄気室内を貫通する構造になっており、下側蓄気室下端のバーナーチューブシートの開口と上側蓄気室からのガス導入チューブの先端とで同心二重管ノズルを構成する構造になっており、このような構造は、エネルギー効率が高く、高圧化が可能であり、かつ装置構成が単純でスケールアップが容易であるという利点があり、超大型の合成ガス製造装置への適用を考えた場合における技術的意義はきわめて大きい。
【0043】
さらに、本発明で好適に用いる改質触媒は、きわめて耐熱性が大きく、またコーク前駆体を分解する性質を有するため、触媒の熱損傷やコーク析出による触媒層の閉塞がさらに抑制され、長期にわたって安定な連続運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のATR反応器の代表的構造を模式的に示す。
【図2】本発明のATR反応器の好適な構造を模式的に示す。
【図3】本発明のATR反応器内のバーナーノズルシートにおける同心二重管ノズルの好適な配列を示す。
【図4】実施例1で用いた部分酸化反応装置の模式図を示す。
【符号の説明】
1 ATR反応装置
2 バーナー部(上部領域)
3 部分酸化反応部(中部領域)
4 接触リフォーミング反応部(下部領域)
5 原料ガス蓄気室
6 酸化ガス蓄気室
7 チューブシート
8 バーナーノズルシート
9 ガス導入チューブ
10 環状開口
11a、11b 多孔ガス分散板
12 部分酸化ゾーン
13 触媒層
14 断熱材
Claims (11)
- 低級炭化水素ガスと酸化ガスとを別々に噴出して混合させる上部領域と、混合した低級炭化水素ガスと酸化ガスとによる部分酸化反応を行わせる中部領域と、触媒の存在下でリフォーミング反応を行わせる下部領域からなるオートサーマルリフォーミング反応器を用い、上記部分酸化反応と上記リフォーミング反応とにより合成ガスを製造する方法において、
(1)該上部領域は上記2種のガスを内側および外側のノズルから別々に該中部領域に向かって噴出する複数の同心二重管ノズルからなるバーナーを有し、
(2)該内側のノズルから噴出される中心噴流の流速をU1、該外側のノズルから噴出される環状噴流の流速をU2としたとき、U1が100〜300m/秒の範囲にあり、かつ、U2/U1が0.15〜0.5の範囲にあり、
(3)該同心二重管ノズルの数が4〜300であり、かつ、隣接する同心二重管ノズルの中心間距離が5〜20cmであることを特徴とする方法。 - U2/U1が0.2〜0.4の範囲にある請求項1記載の方法。
- 該同心二重管ノズルの数が50〜100である請求項1または2記載の方法。
- 隣接する同心二重管ノズルの中心間距離が8〜15cmである請求項1〜3のいずれか記載の方法。
- 低級炭化水素ガスと酸化ガスとを別々に噴出して混合させる上部領域と、混合した低級炭化水素ガスと酸化ガスとによる部分酸化反応を行わせる中部領域と、触媒の存在下でリフォーミング反応を行わせる下部領域からなり、上記部分酸化反応と上記リフォーミング反応とにより合成ガスを製造するためのオートサーマルリフォーミング反応器であって、
(1)該上部領域は上下に分割されて、一方が低級炭化水素ガスの蓄気室、他方が酸化ガスの蓄気室になっており、
(2)下側の蓄気室の下端は複数の孔が形成された多孔板からなり、上側の蓄気室から複数本の管が下側の蓄気室を貫通して該複数の孔の中に達し、
(3)かくして、該下側の蓄気室の下端は複数の同心二重管ノズルが設けられたバーナーチューブシートを形成し、低級炭化水素ガスおよび酸化ガスが別々に噴出されるように構成され、
(4)該同心二重管ノズルの数が4〜300であり、かつ、隣接する同心二重管ノズルの中心間距離が5〜20cmであることを特徴とする反応器。 - 該上側の蓄気室および/または該下側の蓄気室内に多孔ガス分散板が設けられた請求項6記載の反応器。
- 該バーナーチューブシートの複数の同心二重管ノズル間に冷却用配管が埋め込まれた請求項6又は7記載の反応器。
- 該複数の同心二重管ノズルが該バーナーチューブシート上で正方ピッチに配置された請求項8記載の反応器。
- 低級炭化水素ガスと酸化ガスとを別々に噴出して混合させる上部領域と、混合した低級炭化水素ガスと酸化ガスとによる部分酸化反応を行わせる中部領域と、触媒の存在下でリフォーミング反応を行わせる下部領域からなるオートサーマルリフォーミング反応器を用い、上記部分酸化反応と上記リフォーミング反応とにより合成ガスを製造する方法において、
(1)該上部領域は上記2種のガスを内側および外側のノズルから別々に該中部領域に向かって噴出する複数の同心二重管ノズルからなるバーナーを有し、
(2)該内側のノズルから噴出される中心噴流の流速をU1、該外側のノズルから噴出される環状噴流の流速をU2としたとき、U1が100〜300m/秒の範囲にあり、かつ、U2/U1が0.15〜0.5の範囲にあり、
(3)該同心二重管ノズルの数が4〜300であり、かつ、隣接する同心二重管ノズルの中心間距離が5〜20cmであり、
(4)該下部領域には、実質的に酸化マグネシウムからなる金属酸化物担体にロジウムまたはルテニウムの少なくとも一方からなる触媒金属を担持した触媒が充填されて触媒床を形成し、該触媒は、比表面積が1.0m2/g以下であって、触媒金属の担持量が金属酸化物担体に対して0.001〜0.1mol%であることを特徴とする方法。
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