JP4827557B2 - 特殊形状耐火材を用いた反応器 - Google Patents

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Description

本発明は、天然ガス等の低級炭化水素から接触部分酸化法により合成ガスを製造するのに用いる反応器に関する。
天然ガスは、メタンに代表される低級炭化水素(炭素数1〜5の炭化水素)を主成分とする。近年、天然ガスの改質反応により、水素および一酸化炭素を主成分とする合成ガスを製造する技術の開発や改良がさかんである。合成ガスは、C1化学により各種製品を製造するための原料となり、またメタノール、合成燃料油、ジメチルエーテル(DME)などといったクリーンな燃料等を製造するための原料ともなることから、合成ガスへの改質技術は、天然ガスの有効利用のための根幹をなすものであるといえる。
天然ガスから合成ガスへの改質技術として、従来から、(1)水蒸気改質法、(2)オートサーマルリフォーミング法(ATR:AutoThermal Reforming)、(3)接触部分酸化法(CPOX:Catalytic Partial OXidation)などが知られている。
水蒸気改質法は、天然ガスにスチームを添加し、これを加熱炉中に設置され改質触媒が充填された反応管に通すことにより、水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスに転換するものである。この反応は吸熱反応なので外部から多量の熱を供給する必要があり、そのため熱利用効率が低く反応装置が巨大化するという難点がある。
オートサーマルリフォーミング法は、原料である天然ガスの一部を酸素または空気の添加によりバーナー燃焼させ、生成した高温の燃焼ガスを触媒層に通して改質するものである。すなわち、天然ガス(典型的にはメタン)の燃焼により二酸化炭素と水(スチーム)が生成し、これらが触媒層中でさらにメタンと反応して水素と一酸化炭素を生成する。この方法では、燃焼反応で発生した熱を改質反応(吸熱反応)に利用するので外部から熱を供給する必要がないという利点があるが、バーナーの寿命を維持するために過剰のスチームを供給する必要があり、経済的に最適な条件で運転することが困難であるという難点もある。
接触部分酸化法は、原料天然ガスの一部を酸素または空気の添加により触媒燃焼させ、生成した高温の燃焼ガスをさらに触媒層中で改質するものである。この方法は、オートサーマルリフォーミング法のバーナー燃焼を触媒燃焼に変えたものといえ、機構がシンプルで高い熱効率ないし生産効率が期待できるが、触媒層入口付近に発熱が集中してホットスポットが生成しやすく、高熱による触媒の劣化や反応器の損傷が問題となる。これは、触媒層入口付近では大きな発熱を伴う燃焼反応が先行し、下流部に行くに従って吸熱を伴う改質反応が進行するという、2段階の反応が触媒層内で生ずるからである。
上記のほか、原料天然ガスの一部をバーナー燃焼させ、生成した燃焼ガスから触媒を用いずに改質ガスを製造する(無触媒)部分酸化法(POX)もあるが、煤の生成が著しいこと等から、大規模な合成ガス製造には不向きといわれている。
以上に述べたように、接触部分酸化法は将来的に有望な技術であるが、ホットスポット生成の問題が解決できていないため、未だ研究開発段階にあり実用には至っていない。この問題は、原料天然ガスが二酸化炭素と水にまで完全燃焼せず、一酸化炭素と水素まで酸化された時点で止まるよう(直接的接触部分酸化)にすれば、解決される。メタンを例にとって直接的接触部分酸化反応の反応式を示せば、
CH + 1/2O −−−> 2H + CO ・・・(1)
となる。上記(1)式の発熱量は36kJ/モルであり、メタンの完全燃焼の発熱量(802kJ/モル)と比べて桁違いに小さく、かつ吸熱反応を伴わずに合成ガスを製造するので、ホットスポットが形成されにくい。しかしながら、メタンの酸化を一酸化炭素(と水素)で止めるようにコントロールするには、きわめて高い選択性が触媒に要求される。すなわち、接触部分酸化法の実用化に際しては、上記直接的部分酸化を実現する触媒の開発が第一に必要である。本発明者らは、そのような触媒を既に開発した(特許文献1)。
一方、接触部分酸化法には、反応器内のガス流速が非常に大きくなる(線速度として10〜100m/s)という特徴がある。これは装置のコンパクト化を可能にするという利点である反面、ガス混合後の滞留時間がきわめて短いことから天然ガス等の原料ガスと酸素を含む酸化ガスとの均一混合が困難であるという別の問題を提起する。原料ガスと酸化ガスとの混合が不均一なまま、これが触媒層に供給されると、触媒との接触時間も短いために酸素のすり抜けあるいは原料ガスのすり抜けが起り、特に酸素がすり抜けた場合には生成ガス中に酸素が残存して爆発の危険をもたらす。また、原料ガスの濃度むらが原因となって触媒層の温度むらが生じ、それによりホットスポットが形成されて触媒の劣化(シンタリング)や破壊(部分的な熱膨張による歪みの発生)が生じることにもなる。
従来より、均一混合を行う手段としてインラインミキサーを利用することが提案されているが、この方法では、原料ガスと酸化ガスとの混合部位において一般に渦流れが発生する。渦流れが発生すると原料ガスの滞留が生じ、この滞留が長期間に及ぶと煤の発生が誘引されることになる。また、インラインミキサーには、条件によって振動等が発生しやすいという問題もある。インラインミキサーを利用した反応器としては、Conoco社が提案するものがある(特許文献2、特許文献3)が、本発明者らが検討した限りでは、触媒層への均一な混合ガスの供給を達成することは困難である。
そこで本発明者らは、上記の問題を解決するため、容器内のガス流速が非常に大きく、触媒との接触時間が非常に短いという特徴をもつ接触部分酸化法を実施するための反応器であって、原料ガスと酸化ガスとを均一に混合し均一な流速で触媒層に供給するためのガス混合システムを具えた反応器を既に開発し、別途出願している(特願2004−249489)。
しかしながら、さらなる問題として、接触部分酸化によって製造される合成ガスは、スチームや二酸化炭素の含有量が少ないという利点を持っている反面、この利点が合成ガスの温度が比較的低いという別の特徴と相俟って、下流側でカーボンの析出を生じやすいことがわかった。従来一般に採用されているように、触媒層出口から排熱回収ボイラーに至る流路が長く、複数の配管から構成されていると、その間の滞留時間が長くなるため、カーボンの生成析出は特に著しい。そして、カーボンの生成析出によって、排熱回収ボイラーのチューブが閉塞したり、除熱能力が低下したり、さらには、差圧の発生によって反応器部分の圧力が許容値を超えて装置が停止するといった事態を生じることにもなる。
特開2005−199263号公報 国際公開第01/09032号パンフレット(Conoco) 国際公開第01/28679号パンフレット(Conoco)
以上に鑑み、本発明は、接触部分酸化法を実施するための反応器であって、触媒層出口から排熱回収ボイラーまでの流路がコンパクトで合成ガスの滞留時間が短く、カーボンの生成析出が最小限に抑えられるような反応器を提供しようとするものである。
このとき留意すべきことは、触媒層出口から排熱回収ボイラーに至る間のカーボン析出の多寡は、その間の平均滞留時間によって決まるのではなく、むしろ最大滞留時間によって決まるということである。
そして、接触部分酸化法を実施する反応器の部分を垂直型とし、排熱回収ボイラーを水平型とする典型的構成をとると、必然的に、触媒層出口から垂直に排出される合成ガスの流れを、排熱回収ボイラー入口に水平に導かなければならず、その間の流路はL字型とならざるを得ないことになる。したがって、高速のガス流をL字型の流路を通して流す場合において、ガスの滞留領域を極力なくす構造を提供することが本発明の課題である。
本発明によれば、主として低級炭化水素からなる原料ガスと酸素を含む酸化ガスとをそれぞれ別々に導入して混合し、得られた混合ガスを触媒と接触させることにより水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスに転化し、得られた合成ガスからの熱回収を行うための反応器であって、
ほぼ垂直に立設された筒状容器内に、上から順に、ガス透過層および該ガス透過層を軸方向に貫通し下流に向かって開口する末端を有する複数のチューブからなるガス導入噴出部と、該ガス導入噴出部の下流に形成されたガス混合部と、該ガス混合部の下流に形成された触媒層からなる触媒充填部とを含み、さらに該触媒充填部の下流にガスがほぼ水平に流入する入口を有する排熱回収部を一体的に有してなり、
該容器内に導入された原料ガスは該ガス透過層を通過して該ガス混合部に噴出し、該容器内に導入された酸化ガスは該複数のチューブ開口から該ガス混合部に噴出し、該ガス混合部に噴出した原料ガスと酸化ガスとが相互に混合して実質的に均一な混合ガスが形成され、形成された混合ガスが該触媒層を通過して合成ガスに転化され、得られた合成ガスが該排熱回収部を通過した後、該反応器から排出されるように構成され、
該触媒充填部から該排熱回収部に至る流路が、途中に屈曲部を有するL字型をなし、該触媒充填部出口から該屈曲部に至る第1の区間はほぼ垂直に形成され、該屈曲部から該排熱回収部入口に至る第2の区間はほぼ水平に形成され、該第2の区間は水平断面V字型に広がり軸方向垂直断面が長方形である内部形状を有することを特徴とする反応器が提供される。
図1は、本発明の反応器の好適な一実施形態を示す断面図である。図1に示される反応器は、ほぼ垂直に立設された筒状容器1内に、上から順に、ガス導入噴出部2、ガス混合部3および触媒充填部4を有し、さらに触媒充填部4の下流側には、合成ガス流路5a、5bおよび5cを介して排熱回収部6が水平円筒形の缶7の内部に一体的に形成されている。筒状容器1はほぼ垂直に配置され、排熱回収部6はほぼ水平に配置されているため、それらを接続する合成ガス流路は垂直な第1の区間5aから屈曲部5bを介して水平な第2の区間5cに続くL字型に形成されている。屈曲部5bおよび第2の区間5cは、缶7の内部に耐火材8を充填することにより、その内部形状が規定されている。合成ガス流路の第1の区間5aは垂直円柱状の空間であり、その空間がそのまま下方に延びて屈曲部5bを形成している。屈曲部5bで合成ガス流路は水平に向きを変え、水平断面V字型に広がりながら第2の区間5cを形成する。合成ガス流路の第2の区間5cの先は、チューブシート9aを境にして排熱回収部となる。排熱回収部6はいわゆるシェルアンドチューブ型の熱交換器であり、チューブ側を合成ガスが通過し、シェル側を冷却水が通過する。排熱回収部6の右端はもう一方のチューブシート9bで仕切られる。
図2は、図1に示す反応器の合成ガス流路および排熱回収部の部分だけを模式的に示すものであり、特に、合成ガス流路の内部形状が水平円筒形の缶の内部に充填された耐火材によって規定される様子を示す部分断面図である。図2の(a)は合成ガス流路の内部を真横から見た状態を示し、図2の(b)は合成ガス流路の内部を真上から見た状態を示している。合成ガス流路の第1の区間5aは直径Aの円形断面を有し、下方の屈曲部5bにつながっている。そして、図2の(b)に示すように、屈曲部5bの左半分は、第1の区間5aと滑らかにつながる円筒状内壁を有するが、右半分とそれにつながる第2の区間5cは、排熱回収部6の入口まで水平断面V字型に広がる平面状側壁を有する。缶7の内部は内径B(A<B)の円形断面を有するので、屈曲部5bおよび第2の区間5cが上記の内部形状を有するように、缶7の内部には耐火材8が充填されている。図3は充填された耐火材の形状を示す模式図である。耐火材により側壁が形成されている屈曲部および第2の区間の水平方向長さLは、必然的に第1の区間の内径Aより大きくなるが、Aの2倍を超えないことが好ましい。
耐火材としては、金属化合物およびその混合物、たとえばAl、ZrO,TiO、MgO等を用いることができる。これらの耐火材を缶7の内部に充填して、屈曲部5bおよび第2の区間の内部形状を規定するには、型枠に耐火材材料を流し込むか、ブロック状耐火材を積み上げて目的の形状にすればよい。なお、上に述べたような耐火材を充填する代わりに、耐高温性金属材料からなる耐熱プレートを用いて同様な内部表面を形成してもよい。
触媒充填部出口から排出された生成ガスは、合成ガス流路の第1の区間5aを線速度Vで垂直に通過して缶内の屈曲部5bに入り、そこで進行方向を90度転換して第2の流路5cを水平に進み、排熱回収部6の左端を仕切る管板9aに達する。そして、管板9aに開口する多数の穴から、排熱回収部を構成するシェルアンドチューブ型熱交換器のチューブ側領域に進入し、そこでシェル側領域を流れる冷却水により冷却された後、排熱回収部の右端を仕切る管板9bの穴から流出する。第1の区間を流れるガスの線速度Vは、一般に10〜200m/秒、好ましくは30〜150m/秒、さらに好ましくは50〜100m/秒とする。そして、合成ガス流路内の生成ガスの滞留時間は短いほど好ましい。より具体的には、合成ガス流路内の平均滞留時間は1秒以内、好ましくは0.5秒以内、さらに好ましくは0.3秒以内であればよい。このとき、本発明においては、合成ガス流路が途中に屈曲部を有するL字型をなし、触媒充填部出口から屈曲部に至る第1の区間が垂直に延び、屈曲部から排熱回収部入口に至る第2の区間が水平に延び、第2の区間は水平断面V字型に広がる内部形状を有するので、生成ガス流の滞留領域が非常に少なくなり、合成ガス流路内の生成ガス流の滞留時間分布の幅が小さくなるので、一部の生成ガスが長時間合成ガス流路内にとどまることによるカーボンの析出が効果的に抑えられる。
図4は、本発明の反応器を構成する筒状容器1の内部構造の一例を示す斜視断面図である。図4において、垂直に立設された筒状容器1内に、上から順に、水平に配設されたチューブシート11、チューブシート11から所定距離離れて配設されたガス透過層12、チューブシート11とガス透過層12の間に延在する複数のチューブ13、およびガス透過層12の下端から所定距離離れて配設された触媒層14を有する。チューブシート11の上方には酸化ガス受容空間15が形成されている。チューブシート11とガス透過層12の上面の間には原料ガス受容空間16が形成されており、複数のチューブ13は原料ガス受容空間16の中を垂直に貫通する。また、複数のチューブ13の各上端はチューブシート11に支持され、各下端はガス透過層12を貫通する。ガス透過層12の下面と触媒層14の上面の間にはガス混合空間17が形成されている。ガス透過層12は粒状物の充填層や三次元多孔質体(フォームやハニカムや焼結金属等)や金網やパンチングメタルで構成することができる。図4において、酸化ガス受容空間15、チューブシート11、原料ガス受容空間16、チューブ13およびガス透過層12が、本発明の反応器のガス導入部2を構成する。また、ガス混合空間17および触媒層14が、それぞれ本発明の反応器のガス混合部3および触媒充填部4を構成する。
酸化ガス受容空間15には酸素を含む酸化ガス、たとえば酸素や酸素富化空気が導入される。一方、原料ガス受容空間16には主として低級炭化水素からなる原料ガス、たとえば主としてメタンからなる天然ガスが導入される。酸化ガスは、酸化ガス受容空間15から複数のチューブ13を通ってガス混合空間17内に噴出する。原料ガスは、原料ガス受容空間16からガス透過層12を透過してガス混合空間17内に噴出する。ガス混合空間17内に噴出した酸化ガスおよび原料ガスは速やかに混合し、続いて触媒層14を通過することにより水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスに転化される。
酸化ガスと原料ガスとがガス混合空間17内で速やかに混合し、容器内断面全体にわたって均一濃度および均一速度の混合ガス流を形成することが望ましい。そのためには、まず第1に、酸化ガスおよび原料ガスが、それぞれガス混合空間の断面全体にわたって均等に噴出することが必要である。したがって、チューブ13の配列は均一であることが望ましいわけであるが、このとき同時に、複数のチューブへのガス流れの均等配分が達成されるように考慮しなくてはならない。たとえば、酸化ガス受容空間に導入される酸化ガスの流れが一部(たとえば中心付近)のチューブの上端開口を直撃しないように、バッファープレートを設ける等の対策が必要な場合もある。もっとも、本発明の反応器を用いて接触部分酸化法を実施する場合、チューブ内のガス流速はかなり大きくなる(一般に10m/秒以上)ことから、酸化ガスがチューブを通過する際にかなりの圧損が生じ、それにより各チューブへの流れの均等配分がある程度達成できる。同様なことは、原料ガスについてもいえるわけであり、容器内断面全体にわたる原料ガスの均一な噴出を図るという観点から、ガス透過層を均一に形成するとともに、原料ガスがガス透過層を通過する際に一定の圧損が生じるように設計すべきである。
均一濃度の混合ガス流を形成するには、単に容器内断面全体にわたってガスの均等噴出が達成されるだけでなく、第2の要請として、並んで噴出した酸化ガスと原料ガスとが速やかに乱流混合することが重要である。本発明者らが提供した接触部分酸化法による合成ガスの製造用の反応器(特願2004−249489)は、チューブの配列および本数、ガス混合空間形状、ならびに酸化ガスと原料ガスの各噴出線速、特に噴出線速比が、酸化ガスと原料ガスとの迅速な混合に大きな影響を与えていることを見出したことにより、これらを適切に選定したものである。
具体的には、CFDシミュレーション(商用ソフトであるCD-Adapco社のStar-CDを用いた)により、チューブの配列および本数、ガス混合空間形状、ならびに酸化ガスおよび原料ガスとして想定した酸素およびメタンの線速比を種々変え、それらが2種類のガスの混合にどのように影響するかを検討した。表1はその結果を示すものである。表中、触媒層表面での酸素質量百分率差はチューブ及びガス透過層端から下流1mに設置された触媒層のガス流入側表面におけるメタンと酸素の混合の程度を示す指標であり、値の小さい方が均一に混合していることを示す。また、逆流部分の存在は滞留の存在を意味するものであり、これは存在しないことが望ましい。
上記シミュレーション結果から、次のことがわかる。
(1)ケース1とケース7との比較からわかるように、チューブの配列形態としては、三角ピッチに代表されるような隣接チューブ間の間隔を均一にする均一ピッチ(図5(a)参照)と、複数のチューブを同心円状に配列し、かつ、各チューブの占有面積(すなわち各チューブから噴出するガスの流体断面積)が等しく分配されるように配列する円筒(同心円)ピッチ(図5(b)参照)とがあるが、通常の円筒形容器内に配列する場合には、円筒ピッチが好ましい。これは、三角ピッチ等の均一ピッチでは容器壁面近傍でチューブと壁面との距離が不均一になり、その結果ガスの噴出が不均一になるのに対し、円筒ピッチではそのようなことがなく、中心から壁面近傍に至るまで均一に噴出が生じるからである。
(2)ケース6とケース10〜11との比較からわかるように、ガス混合空間の形状は断面積一定の円筒(直胴)型が好ましく、断面積が拡大するコーン型は好ましくない。これは、断面積が拡大すると(特に壁面近傍で)逆流部分が発生し、その結果、ガスの滞留が生じるからである。
(3)ケース1〜4とケース8との比較からわかるように、チューブ密度は50本/m以上が好ましい。これは、チューブ密度が低いとチューブ間の距離が大きくなり、完全混合に必要な乱流拡散距離が長くなって迅速な混合の達成が困難になるからである。
(4)ケース4〜5とケース9との比較からわかるように、チューブからの酸化ガスの噴出線速Ftとガス透過層からの原料ガスの噴出線速Fsの比Ft/Fsは3以上であることが好ましい。これは、噴出線速比が大きくなると隣接する流体間での乱流混合が促進されるからである。なお、噴出線速比が大きくても各噴出線速があまりに小さいと乱流混合は生じにくいことから、各噴出線速は少なくとも1m/秒以上である必要がある。
触媒層を構成する触媒としては、直接接触部分酸化を確実に行うのであれば、特にそれを考慮した触媒(本発明者らによる出願中の特開2005−199263号(前記特許文献1)に記載されたもの等)を用いるべきである。そのような触媒は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムから選択された少なくとも1種のアルカリ土類金属の酸化物である第1の成分と、スカンジウム、イットリウムおよびランタノイド元素から選択された少なくとも1種の元素の酸化物である第2の成分と、ジルコニアまたはジルコニアを主成分とする固体電解質性を有する物質である第3の成分とを含んでなる担体上に、ロジウムが担持されたものである。この場合において、第1の成分に対する第2の成分のモル比が0.01〜2.5であり、第1の成分に対する第3の成分のモル比が0.1〜2であることが好ましい。また、担体に対するロジウムの担持量は、300〜5000重量ppmであることが好ましい。もっとも、必ずしも直接接触部分酸化が確実に行われなくても、触媒層内で少なくとも半径方向には反応進行の均一化が図られるようにすれば、ホットスポットの生成はかなり抑制される。したがって、従来から使用されてきた触媒を用いても接触部分酸化による合成ガスの製造は可能である。
本発明の反応器を用いて接触部分酸化法により合成ガスを製造する場合、混合ガスと触媒との接触時間を9ms以下とすると、これにより、接触部分酸化法の利点が十分に生かされ、既存の酸化改質法に比べて反応装置を1/100〜1/1000にコンパクト化することができる。なお、混合前に、原料ガスを100〜500℃、酸化ガスを100〜300℃に予め加熱しておくことにより、反応速度を上げて転化率を向上させることができる。
図2に示すように缶内に耐火材を設置した場合を実施例1とし、図6に示すように缶内に耐火材を設置した場合(合成ガス流路部分の容積を実施例1とほぼ等しくした)を比較例1とし、缶内に耐火材を全く設置しなかった場合を比較例2とした。それぞれの場合につき、生成ガスの流れをCFDを用いて計算し図示した結果を図7に示す。図7の(a)は実施例1の計算結果、図7の(b)は比較例1の計算結果、図7の(c)は比較例2の計算結果をそれぞれ示すものである。また、排熱回収部入口に相当する位置の流路断面において、図8に示すように12個の点をとり、各点を通る流線について流路内の滞留時間を計算した結果を表2に示す。
表1より、実施例1は、滞留時間の最大値において優れていることがわかる。比較例1は、平均滞留時間については実施例1と流路部分の体積が等しいので同一であるが、滞留時間の最大値が実施例1より長く、これは、一部のガス流が大きく迂回しているか渦を巻いていることを示唆する。一方、比較例2は、流路部分の体積が実施例1や比較例1より大きいので、平均滞留時間が長くなるのは仕方がないとしても、滞留時間の最大値が実施例1や比較例1に比べて非常に大きく、これはガス流が渦を巻いて流路内に滞留している領域が多く存在していることを示唆する。また、図7の(a)〜(c)を比較すると、図7(c)では、触媒層出口から導入されたガスが真下に流れた後、左右2箇所で旋回流を起こし、滞留部分が生じていることがわかる。
上に示されるように、実施例1は滞留時間の最大値が比較例1や比較例2に比べて小さく、このことは、本発明の構成のように合成ガス流路の内部形状を規定すれば、ガス流の一部ないし全体が迂回したり渦を巻いたりせず、速やかに流路を通過して排熱回収部に送られることを示すものである。
本発明の反応器の好適な一実施形態を模式的に示す断面図である。 図1の反応器の一部である合成ガス流路および排熱回収部を模式的に示す部分断面図である。 図2の流路部分に充填された耐火材の形状を模式的に示す斜視図である。 本発明の反応器を構成する筒状容器の内部構造の一例を示す。 複数のチューブを配列する2種類の方法を示す。 比較例1における合成ガス流路および排熱回収部を模式的に示す。 実施例1、比較例1および比較例2の計算結果を図示する。 実施例1、比較例1および比較例2の滞留時間の計算において選択された流路断面上の点を示す。
符号の説明
1 筒状容器
2 ガス導入噴出部
3 ガス混合部
4 触媒充填部
5a 合成ガス流路の第1の区間
5b 合成ガス流路の屈曲部
5c 合成ガス流路の第2の区間
6 排熱回収部
7 水平円筒形の缶
8 耐火材
9a 排熱回収部入口側管板
9b 排熱回収部出口側管板
11 チューブシート
12 ガス透過層
13 チューブ
14 触媒層
15 酸化ガス受容空間
16 原料ガス受容空間
17 ガス混合空間

Claims (8)

  1. 級炭化水素を主成分とする原料ガスと酸素を含む酸化ガスとをそれぞれ別々に導入して混合し、得られた混合ガスを触媒と接触させることにより水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスに転化し、得られた合成ガスからの熱回収を行うための反応器であって、
    ほぼ垂直に立設された筒状容器内に、上から順に、ガス透過層および該ガス透過層を軸方向に貫通し下流に向かって開口する末端を有する複数のチューブからなるガス導入噴出部と、該ガス導入噴出部の下流に形成されたガス混合部と、該ガス混合部の下流に形成された触媒層からなる触媒充填部とを含み、さらに該触媒充填部の下流に、ガスがほぼ水平に流入する入口を有する排熱回収部を一体的に有してなり、
    該容器内に導入された原料ガスは該ガス透過層を通過して該ガス混合部に噴出し、該容器内に導入された酸化ガスは該複数のチューブ開口から該ガス混合部に噴出し、該ガス混合部に噴出した原料ガスと酸化ガスとが相互に混合して混合ガスが形成され、形成された混合ガスが該触媒層を通過して合成ガスに転化され、得られた合成ガスが該排熱回収部を通過した後、該反応器から排出されるように構成され、
    該触媒充填部から該排熱回収部に至る流路が、途中に屈曲部を有するL字型をなし、該触媒充填部出口から該屈曲部に至る第1の区間はほぼ垂直に形成され、該屈曲部から該排熱回収部入口に至る第2の区間はほぼ水平に形成され、該第2の区間は水平断面V字型に広がり軸方向垂直断面が長方形である内部形状を有することを特徴とする反応器。
  2. 該屈曲部および該第2の区間が、水平円筒型の缶内の一部に耐火材を充填することにより形成されている請求項1記載の反応器。
  3. 該屈曲部および該第2の区間が、該缶内全体に耐火材を充填し、これを該第1の区間に滑らかにつながる空間がほぼ垂直に延びるようにくり貫き、次いで、この垂直に延びる空間から横に延びる空間が水平断面V字型に広がって缶の内径に達するようにくり貫いたときに形成される内部形状を有する請求項2記載の反応器。
  4. 該屈曲部および第2の区間の水平長さが、該第1の区間の内径より大きく、該第1の区間の内径の2倍を超えない請求項3記載の反応器。
  5. 該排熱回収部がシェルアンドチューブ型の排熱回収ボイラーであり、そのシェルが該水平円筒型の缶を構成する請求項2〜4のいずれか記載の反応器。
  6. 該第1の区間が、そこを流れるガスの線速度が10〜200m/秒となる断面積を有する請求項1〜5のいずれか記載の反応器。
  7. 該第1の区間が、そこを流れるガスの線速度が30〜150m/秒となる断面積を有する請求項6記載の反応器。
  8. 該第1の区間が、そこを流れるガスの線速度が50〜100m/秒となる断面積を有する請求項7記載の反応器。
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