JP4121761B2 - 改質器および改質方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然ガス等から水素含有ガスを得る改質方法に関する。より詳しくは、改質用の原料ガスを酸化剤および水蒸気と反応させて水素含有ガスを得る改質方法に関する。得られる水素含有ガスは、例えば、燃料電池の燃料として利用することができ、またメタノール合成、アンモニア合成、炭化水素油合成の原料である合成ガスとして利用できる。
【0002】
【従来の技術】
水素含有ガスの製造は、天然ガス等の炭化水素原料と水蒸気の反応を利用した水蒸気改質法、天然ガス等の炭化水素原料と酸素、酸素富化空気あるいは空気等の酸化剤の反応を利用した部分酸化法等が良く知られている。
【0003】
アンモニア合成用の合成ガスの製造は、2段階で行われ、第1段階では天然ガス等の炭化水素原料と水蒸気との反応を利用した水蒸気改質法、第2段階では、第1段階で製造した部分改質ガスの一部と空気等の酸化剤の燃焼を利用し、生成した熱を使用する水蒸気改質法が使われる。
【0004】
第2段階で使用される反応器について、図2を参照して説明する。第2段階で使用される反応器111は、反応器上部にバーナ112が設置された燃焼ゾーン121、下部には水蒸気改質触媒が充填された改質ゾーン122から構成され、反応器111の内側には、高温の火炎に対するため、れんが等の耐火材113が内張りされている。第1段階で生成した水蒸気を含む部分改質ガス101と空気等の酸化剤102がバーナ112で混合し、部分改質ガスの一部が部分燃焼する。この燃焼による熱で、残りの部分改質ガス中の炭化水素と水蒸気が改質ゾーン122を通過する間に水蒸気改質反応を起こし、更に反応を進ませ、水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガス103が製造される。
【0005】
上記部分燃焼に際しては、火炎が形成される。この火炎が下部の改質ゾーン122の触媒に接触すると、千数百℃の高温に達するために触媒が溶融し、またこの結果触媒の活性が低下する等の現象が起きる。これを避けるよう様々な提案がなされている。
【0006】
上記問題点を解決する技術の一つとして、触媒層の温度を均一にする技術が、特開2000−319006号公報に開示されている。この技術は、燃料ガスと水蒸気と酸素含有ガスとの混合ガスを、上流側および下流側に、それぞれに異なった2種類の触媒が充填された反応器に導入して水素含有ガスを生成する燃料改質装置として示されている。この装置では反応器上流側の触媒層の一部に、導入ガスが触媒に接触しない非接触通路が設けられているものである。この構造では、上流側の触媒層において供給された燃料ガスと水蒸気と酸素含有ガスとの混合ガスが反応し、高温の領域を形成し、一方非接触の通路を通る燃料ガスと水蒸気と酸素含有ガスとの混合ガスは、この高温領域とは直接接触しないが非接触通路の壁等を介して高温領域を通り、下流側の触媒へ到達する。このため、非接触通路を通るガスは高温に曝されることとなる。この混合ガスには酸素が含まれ、条件によっては爆鳴気を形成する可能性が大きいという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、千数百℃の高温の燃焼反応の領域を発生させることなく、爆鳴気を形成する可能性の少ない水素含有ガスの製造を行うことができ、水素含有ガスを製造する反応器を低廉化しうる改質器および改質方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、改質用の原料ガスと酸化剤ガスとを(これらガスの少なくとも一方に水蒸気を含ませる)直接触媒層に導入し、発熱反応である燃焼反応と吸熱反応である水蒸気改質反応を併発して進行させることにより、反応温度が低く抑えられることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、改質用の原料ガスを酸化剤ガスおよび水蒸気と反応させて水素含有ガスを得るための、触媒層を備える改質器において、
水蒸気と混合されていても良い原料ガスを供給するための、触媒層中に開口する原料ガス供給管路と、
水蒸気と混合されていても良い酸化剤ガスを供給するための、触媒層中に開口する酸化剤ガス供給管路とを備え、
該原料ガス供給管路の開口と、該酸化剤ガス供給管路の開口が、互いに隣接または二重管構造で配置され、
前記触媒層内部に供給される原料ガスの流速と、前記触媒層内部に供給される酸化剤ガスの流速を、いずれも0.5m/s以上10m/s以下とすることが可能な
ことを特徴とする改質器を提供する。
【0012】
この改質器において、さらに、水蒸気と混合されていても良い酸化剤ガスを供給するための第二の酸化剤ガス供給管路を有し、
該第二の酸化剤ガス供給管路の開口は、前記原料ガス供給管路の開口より下流に配されたことが好ましい。
【0013】
本発明はまた、改質用の原料ガスを酸化剤ガスおよび水蒸気と反応させて水素含有ガスを得るための、触媒層を備える改質器を用いる改質方法において、
原料ガスを触媒層内部において供給し、
酸化剤ガスを、該原料ガスとは別個に触媒層内部において供給し、
ただし、該原料ガスおよび該酸化剤ガスは、互いに隣接または二重管構造で配置された開口を有する管路からそれぞれ供給し、
該原料ガスと該酸化剤ガスの少なくとも一方には水蒸気を混合しておき、
前記触媒層内部に供給される原料ガスの流速と、前記触媒層内部に供給される酸化剤ガスの流速を、いずれも0.5m/s以上10m/s以下として、供給された原料ガスと供給された酸化剤ガスとを触媒層を形成する触媒に接触させることを特徴とする改質方法を提供する。
【0014】
この改質方法において、さらに、前記原料ガスが供給される位置より下流に、水蒸気と混合されていても良い酸化剤ガスを供給することが好ましい。
【0015】
前記原料ガスが、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、メタノール、ジメチルエーテルおよびこれらの部分改質ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むことができる。
【0016】
前記酸化剤ガスが酸素、酸素富化空気または空気であることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
改質用の原料ガスには、改質により水素含有ガスを製造するために使用できる公知の原料、またこれを気化したガスを用いることができる。好適な例として、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、メタノール、ジメチルエーテルおよびこれらの部分改質ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むガスを挙げることができる。
【0019】
一方、酸化剤ガスとしても、改質により水素含有ガスを製造するために使用できる公知の酸化剤ガスを使用できる。好適な例として酸素、酸素富化空気または空気を挙げることができる。
【0020】
本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。天然ガス等の改質用の原料ガス1はライン21を通り、反応器11入口部の原料ガス供給管31へ供給され、酸化剤ガス3は水蒸気2と混合されたうえでライン22を通り、触媒層上流部の酸化剤ガス供給管32および触媒層の中間部に設置された第2の酸化剤ガス供給管33に供給される。
【0021】
ここでは、水蒸気2は、酸化剤ガス3に混合されているが、酸化剤ガス3と混合する必要があるわけではなく、原料ガス1に混合されて供給されても良い。水蒸気2は酸化剤ガスと原料ガスのどちらかあるいは両方に適宜混合することができる。
【0022】
前記原料ガス供給管31へ供給された原料ガスは、触媒層へのガス分配の均一性を考慮して必要に応じて適宜1本または複数本設けられた原料ガス供給管路41に供給される。同様に酸化剤ガス供給管32へ供給された酸化剤ガスも触媒層へのガス分配の均一性を考慮して必要に応じて適宜1本または複数本設けられた酸化剤ガス供給管路42に供給される。
【0023】
反応器11には、触媒が充填され触媒層12を形成する。触媒層の下流にはアルミナボールが充填されることが好ましい。アルミナボールは触媒層を支持し、反応器の圧力損失を均一化するために充填されるもので、生成した合成ガスはアルミナボール層を通り反応器より排出される。
【0024】
触媒層の上部には原料ガス供給管路41の開口51と酸化剤ガス供給管路42の開口52が設置されている。開口部の詳細を図6に示す。図6(a)は開口部近傍の側面図、図6(b)は開口を下から見た下面図である。それぞれの管路41および42が接し、先端部で互いに隣接した開口51および52を構成している。図中、墨付き矢印は原料ガス供給管路41から触媒層12中に供給される原料ガスの流れを示し、白抜き矢印は酸化剤ガス供給管路42から触媒層中に供給される酸化剤ガスの流れを示す。
【0025】
開口部を他の形態とすることもできる。例えば、図7(a)および(b)に示すような2重管構造でも良い。図7では、2重管の内側には原料ガスが供給され、外環に酸化剤ガスが供給されているが、この逆でも良い。さらに、図6のように、各開口が隣接する形態の場合、各ガス用の開口の数が異なってもよく、例えば原料ガスの開口51の両側にそれぞれ一つずつ、合計二つの酸化剤ガスの開口52が隣接するような形態とすることができる。
【0026】
原料ガスおよび酸化剤ガスの開口51および52は、混合促進の観点から、図6や図7のように接していることが好ましいが、必ずしも互いに接する必要はなく、それぞれから流出するガスが速やかに混合する位置に配置されればよい。
【0027】
また、図6および図7には開口から流出するガスの流れが平行である場合を示しているが、開口の配置が他の形態であっても、各ガスを混合させることができる。例えば、原料ガスおよび酸化剤ガスの開口を180度の角度で設ける、すなわちこれらの開口を対面させて配置し、開口から流出するガス流を互いにぶつける形態とすることが可能である。また、両開口を90度の角度で設けて両ガス流を互いに垂直にぶつける形態も可能である。180度、90度以外の角度でも良い。さらに、両ガス流を所定の角度で、かつ適度にずらして噴出させることにより旋回流を発生させる形態も可能である。これら開口の配置については、原料ガスの吹き出し量と酸化剤の吹き出し量などを勘案して、適宜選べばよい。
【0028】
原料ガスおよび酸化剤ガスは、このように近接して設けられた開口51および52から触媒層に入り触媒粒子充填部で物理的に混合しながら触媒作用を受けて燃焼反応と改質反応を併発する。原料ガスと酸化剤ガスとの混合は短時間に十分行うことが好ましい。混合の度合いが低い場合、また混合が遅い場合には、反応の進行度が低いままガスが触媒層を通過し、濃度の局所的ばらつきが強まり、局部的温度上昇が大きくなり、コーク生成などの望ましくない現象が発生する恐れも高まるため不利となる。これらの現象を防止し原料ガスおよび酸化剤ガスの速やかな混合と反応を促進するために、各供給管路から供給される原料ガス及び酸化剤ガスの流速(開口からの吹き出し速度)を0.5m/s以上とすることが好ましく、1m/s以上とすることがより好ましい。
【0029】
一方、供給速度が速くなると、供給ガスの混合速度が遅くなり、混合の度合いが低いまま触媒層を吹き抜ける傾向があるという点で不利であるため、この観点から上記吹き出し速度は10m/s以下とすることが好ましい。
【0030】
また、触媒粒径を小さくすることによりガス混合と反応が促進されるが、一方で圧力損失が増大する傾向がある。また、触媒粒径が大きいと、混合及び反応の進行度合いが低下し、改質反応に較べて燃焼反応が優勢になり、高温の温度ピークが発生しやすくなる傾向があるという点で不利である。これらを勘案すると、触媒粒径としては、代表径で表した場合、2〜30mmが好ましい。ここで代表径とは、触媒の体積と表面積の比が、球形の触媒の体積と表面積の比に等しい径を意味する。すなわち、代表径(Dp)=6×(体積/表面積)で表される。
【0031】
各ガス用開口51および52が近接して設けられた組み合わせ(以下、原料・酸化剤供給口という。)60の設置数は、均一なガス分配を考慮して、適宜決定すればよい。図1においては、原料・酸化剤供給口は二つ示されている。
【0032】
ガス供給管路41および42の材質は、使用条件により適宜決定すればよい。本発明では、従来技術のような高温を避けることができるため、例えばステンレス鋼管等も十分使用可能である。
【0033】
原料・酸化剤供給口60の触媒層12内への設置位置は、原料ガスが触媒層の上の空間へ吹き抜けることを考慮して決定すれば良い。要するに、原料ガスと酸化剤ガスとが未反応のまま触媒層の上の空間に吹き抜け、そこで燃焼反応を起こして高温が発生し反応器容器を傷めることのないような位置に設置すれば良い。
【0034】
改質用原料1、水蒸気2と酸化剤3の混合ガスは、触媒層内に設置された原料・酸化剤供給口60出口で混合し、触媒の存在下で燃焼反応と改質反応とが同時に進行する。燃焼反応が単独で進行すると著しい高温の燃焼領域が形成され、前記のような種々のトラブルの原因となるが、原料・酸化剤供給口60の出口周辺に触媒12が存在するために発熱反応である燃焼反応と吸熱反応である改質反応とが同時に進行し、著しい高温領域を形成することなく、反応温度が比較的低く抑えられることとなる。
【0035】
使用する触媒は、使用条件における耐熱性があり、かつ燃焼反応および改質反応に対して活性を有するものであれば良い。燃焼反応と改質反応の両方に対して活性のある触媒の他に、反応器の形状、所望する合成ガスの性状で、燃焼反応に活性のある酸化触媒と改質反応に活性のある改質触媒の組合せて用いることも可能である。触媒の種類の使い分けは、都度反応器の形状、所望する合成ガスの性状によって、適宜選択すれば良い。
【0036】
触媒層中で、発熱反応である燃焼反応および下に示す吸熱反応である改質反応が起こり、水素、一酸化炭素を主成分とする水素含有ガスを製造することができる。改質反応は、下に示す反応式1および反応式2が同時に起こる同時併発反応である。なお、ここでは改質用原料がメタンである場合を考えている。
【0037】
【化1】
Figure 0004121761
図1に示す形態においては、触媒層上部で燃焼反応と改質反応が起こり、水素を主成分とした部分改質されたガスが生成する。一方、原料ガス供給管路の開口51より下流の触媒層中間部おいて、水蒸気が混合されていても良い酸化剤ガスが、第二の酸化剤供給管33から第二の酸化剤ガス供給管路43を通り、触媒層に供給される。ここで、上記部分改質されたガスが反応し、改質がさらに進行する。ここに示した第二の酸化剤供給は、原料ガスの供給と組み合わされない。
【0038】
第二の酸化剤供給管33には、均一な酸化剤ガス分散を考慮し、必要に応じて1または複数(図1では3つ)の酸化剤供給管路43を接続する。ここでは、酸化剤供給管は、多孔の分岐管を使用しているが、形状は適宜決めることができる。
【0039】
図1には、第二の酸化剤ガスの流れ方向が、触媒層上部で供給されている酸化剤ガスおよび原料ガスの反応器中の流れ方向と平行な場合が示されているが、必ずしも平行とする必要はない。例えば第二の酸化剤供給管路を上方に開口するように設けることも可能であるが、この場合、第二の酸化剤ガスが、触媒層の比較的上の方に達し、原料ガスと第二の酸化剤ガスとの燃焼反応による温度上昇が大きくなる傾向があり、第二の酸化剤ガス供給管路や触媒に対する熱負荷が増大する傾向があるという点で不利になる可能性がある。このような事態は、第二の酸化剤供給の位置やその供給量を調節することにより抑制することができる。
【0040】
供給すべき酸化剤の量は、製品とする水素含有ガスの性状に依存する。したがって、所望の製品ガス性状により酸化剤ガスの必要全体量を決定し、さらに、ピーク温度の条件を考慮して、酸化剤ガス供給管路42からの供給量と第二の酸化剤ガス供給管路43からの供給量との配分を決めれば良い。
【0041】
また、原料ガスの性状により触媒層ピーク温度が高くなるような場合や、ピーク温度を出来るだけ低くしたい場合には、第二の酸化剤供給を多段化することが好ましい。すなわち図1に示した第二の酸化剤ガス供給管および第二の酸化剤ガス供給管路43を、増設する形をとればよい。増設する数は、所望する目的により決めればよい。第二の酸化剤供給の段数が多くなればなるほど、触媒層ピーク温度は低くなるが、反応器11の構造が複雑となり、経済的な効果は期待しにくくなる。また、第二の酸化剤供給の段数が少なければ触媒層ピーク温度が高くなり、反応器11の構造は簡単になるが、条件によっては、高級材料を使う必要があり、高価な反応器となる可能性があるため、これらを勘案して反応器の設計を行う。
【0042】
触媒層12を出た合成ガスは、ライン23を通り製品となる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する。
【0044】
〔実施例1〕
改質用原料としてメタンガス、酸化剤ガスとして水蒸気が混合された酸素を使用し、図1に示す反応器により合成ガスを得た。
【0045】
改質用原料と酸化剤ガスは図1に示すようにそれぞれ別々の供給管を使用し供給した。酸化剤ガスは触媒層上部のみより供給し(酸化剤ガス供給管路42を使用)、第二の酸化剤ガス供給管路43からの第二の酸化剤供給は行わなかった。
【0046】
原料ガス供給管路41として内径6mmのステンレス鋼管を4本、酸化剤ガス供給管路42として内径10mmのステンレス鋼管を4本使用し、それぞれ1本ずつの供給管路を一組とし、図6に示すように、一組の供給管は外周面が接するように固定した。原料ガスおよび酸化剤ガスの開口51および52が組み合わされた原料・酸化剤供給口60は、反応器の触媒層上端から深さ10mmの位置に水平位置をそろえて4箇所等間隔で設置した。
【0047】
使用した反応器は内径53mmのステンレス鋼製のものを使用した。触媒層充填高さは90mmで、触媒は市販のリング形状の改質用触媒(酸化活性を併せ持つもの)を使用した。改質用原料および酸化剤ガスは600℃で反応器に供給した。圧力は1atm(0.10MPa)であった。
【0048】
触媒としては、リング形状触媒を4分割したものを使用した。リング形状触媒は高さ16mm、外径16mm、孔の径5mmのものであり、リング形状触媒としての代表径は12.3mm、分割後の使用状態における代表径は6.2mmであった。
【0049】
以上の条件のもとで、触媒層の最高温度は1250℃であった。反応器内の触媒層温度分布を図3に、ガス流量等の条件および結果を表1に示す。なお、表1中「S/Cモル比」は、スチーム/カーボンモル比であり、酸化剤ガス供給管路から供給した水蒸気量と原料ガス供給管路から供給したメタンに含まれるカーボン量に対するモル比を表す。
【0050】
〔実施例2〕
本例は、実施例1で用いた反応器を使用し、第二の酸化剤ガス供給(一段)を行った場合の実施例である。ただし、図1とは異なり、第二の酸化剤供給において、酸化剤ガス(酸素)は水蒸気と混合せず、単独のラインにより供給した。第二の酸化剤ガス供給管路には内径3mmのステンレス鋼管4本を使用した。酸素の吹き出し速度は、2.3m/sとした。
【0051】
第二の酸化剤ガス供給管路の開口は、触媒層上端から深さ25mmの位置に、水平位置をそろえて等間隔に4カ所配置した。ここで、触媒層上端から深さ25mmまでの触媒層領域を上部層とし、深さ25mmから触媒層下端までの領域を下部層と呼ぶ。
【0052】
上部層における最高温度は1100℃、下部層における最高温度は1020℃であった。反応器内の触媒層温度分布を図4に、ガス流量等の条件および結果を表1に示す。
【0053】
〔比較例1〕
改質用原料としてメタンガス、酸化剤ガスとして酸素と水蒸気の混合ガスを使用し、図2に示す形態の反応容器により合成ガスを得た。反応器へのガスの供給温度は実施例1および2と同じく600℃とした。また、バーナーは、触媒層上部100mmの位置に設置した。反応器内の触媒層温度分布を図5に、ガス流量等の条件および結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0004121761
【0055】
【発明の効果】
実施例1〜2に示すように触媒層のピーク温度は1020〜1250℃であるが、比較例1に示すように従来技術では1600℃に達する。このように本発明によれば反応器内の温度が比較的低温で抑えられ、この結果、高価なれんが等の耐火材を不要とし、廉価な反応容器が製作できる。また触媒の劣化を抑えることもできる。
【0056】
さらに本発明では原料ガスと酸化剤ガスを予混合しないため、爆鳴気が形成される可能性も抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の改質器の一実施形態を示す模式図である。
【図2】従来の改質器を示す模式図である。
【図3】実施例1における触媒層温度分布を示すグラフである。
【図4】実施例2における触媒層温度分布を示すグラフである。
【図5】比較例1における触媒層温度分布を示すグラフである。
【図6】原料ガスおよび酸化剤ガスの触媒層への供給形態につき、一例を示す模式図である。
【図7】原料ガスおよび酸化剤ガスの触媒層への供給形態につき、他の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1:改質用原料(原料ガス)
2:水蒸気
3:酸化剤ガス
4:水素含有ガス
11:反応器
12:触媒層
21、22、23:ライン
31:原料ガス供給管
32:酸化剤ガス供給管
33:酸化剤ガス供給管
41:原料ガス供給管路
42:酸化剤ガス供給管路
43:第二の酸化剤ガス供給管路
51:原料ガス供給管路の開口
52:酸化剤ガス供給管路の開口
60:原料・酸化剤供給口
101:部分改質ガス
102:酸化剤
103:合成ガス
111:反応器
112:バーナー
113:耐火材
121:燃焼ゾーン
122:改質ゾーン

Claims (6)

  1. 改質用の原料ガスを酸化剤ガスおよび水蒸気と反応させて水素含有ガスを得るための、触媒層を備える改質器において、
    水蒸気と混合されていても良い原料ガスを供給するための、触媒層中に開口する原料ガス供給管路と、
    水蒸気と混合されていても良い酸化剤ガスを供給するための、触媒層中に開口する酸化剤ガス供給管路とを備え、
    該原料ガス供給管路の開口と、該酸化剤ガス供給管路の開口が、互いに隣接または二重管構造で配置され、
    前記触媒層内部に供給される原料ガスの流速と、前記触媒層内部に供給される酸化剤ガスの流速を、いずれも0.5m/s以上10m/s以下とすることが可能な
    ことを特徴とする改質器。
  2. さらに、水蒸気と混合されていても良い酸化剤ガスを供給するための第二の酸化剤ガス供給管路を有し、該第二の酸化剤ガス供給管路の開口は、前記原料ガス供給管路の開口より下流に配された請求項記載の改質器。
  3. 改質用の原料ガスを酸化剤ガスおよび水蒸気と反応させて水素含有ガスを得るための、触媒層を備える改質器を用いる改質方法において、
    原料ガスを触媒層内部において供給し、
    酸化剤ガスを、該原料ガスとは別個に触媒層内部において供給し、
    ただし、該原料ガスおよび該酸化剤ガスは、互いに隣接または二重管構造で配置された開口を有する管路からそれぞれ供給し、
    該原料ガスと該酸化剤ガスの少なくとも一方には水蒸気を混合しておき、
    前記触媒層内部に供給される原料ガスの流速と、前記触媒層内部に供給される酸化剤ガスの流速を、いずれも0.5m/s以上10m/s以下として、供給された原料ガスと供給された酸化剤ガスとを触媒層を形成する触媒に接触させることを特徴とする改質方法。
  4. さらに、前記原料ガスが供給される位置より下流に、水蒸気と混合されていても良い酸化剤ガスを供給する請求項記載の改質方法。
  5. 前記原料ガスが、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、メタノール、ジメチルエーテルおよびこれらの部分改質ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つを含む請求項3または4記載の改質方法。
  6. 酸化剤ガスが酸素、酸素富化空気または空気である請求項3〜5のいずれか一項記載の改質方法。
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