JP2004042980A - エアゾール容器用の流量調整機構およびこれを備えたエアゾール式製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮ガスのエアゾール容器の流量調整機構において、通路部2a,孔部2bを持つ鞘状部材2の外側に流量調整部材4を配し、スプリング6で上方向に付勢する。静止モードでは、流量調整部材4は図示の上限位置で停止して通路域5が確保される。押しボタン3を下げるとステム1の孔部1aが開き、内容物は孔部2b−通路域5−放出口3eへと流れる。ガス圧が高い初期段階では、流量調整部材4が通路域5の下流側の内容物の圧力で下動して、通路域5が閉じる。いったん閉じると当該圧力が下がって通路域5が再び開くといった動作を繰り返す。使用回数が増えてガス圧が低くなった段階では、通路域5は連続的に開状態となる。空間域7は溝状部2dを介して外部空間と連通する。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、圧縮ガスの作用により内容物を外部空間に放出するエアゾ−ル容器で用いられる流量調整機構に関し、特に、使用初期における容器本体内部のガス圧力が高いときや、その後の使用によって容器本体内部の圧力が低下したときのいずれであっても、単位時間あたりの内容物の放出量が著しく変動しないようにした流量調整機構に関する。
【0002】
一般に、窒素,炭酸ガスや空気などの圧縮ガスによって内部圧力(内容物の圧力)が付与されたエアゾ−ル容器は、使用初期のように当該ガス圧が十分に高い(例えば 7.5kgw/cm2 )場合と、使用量に応じて当該ガス圧が低下(最終的には例えば 3.0kgw/cm2 に低下)した場合とでは、単位時間あたりの内容物の放出量が異なってくる。
【0003】
そこで、この圧縮ガスの圧力変化にともなう放出量の変動を抑え、さらにはそのための流量調整機構の動作の安定化やコストの低減化を図ることが望ましく、本発明はこのような要請に応えるものである。
【0004】
【従来の技術】
図4および図5を参照して、従来の、圧縮ガスを使用した流量調整機能付きエアゾ−ル容器(作動モード)を説明する。
【0005】
これらの図において、
11は容器本体,11aはマウンテンキャップ,
12はハウジング,
13は内容物通過用のパイプ,
14はステム,14aは内容物通過用の孔部,
15はステム14を上方向に付勢するコイルスプリング,
16は孔部14aの弁部材として作動するステムラバー,
17は押しボタン,17aは内側の鞘状部,17bはステム14の下流側に続く内容物通過用の空間域,17cは後述の流量調整部材20の移動に応じて外気が流入出する空間域,
18は内容物の放出口,
19は鞘状部17aと嵌合してステム14を内側に保持する下側筒状部,19aはステム14からの内容物を受けてその流れを図示の左右方向に変える流れ方向規制部,
20は鞘状部17aと嵌合して下側筒状部19とともに空間域17bを形成する上側筒状部,20aは環状の天井面,
21は流量調整部材,21aは鞘状部17aの内周面と摺接しながら上下動するスカート部,21bは天井面20aに対応した環状の段部,21cは上側筒状部20の内周面と摺接しながら上下動する逆スカート部,
22は天井面20aと段部21bとの間の通路域,
23は流量調整部材21を下方向に付勢するコイルスプリング,
24は空間域17cと外部空間との連通孔,
をそれぞれ示している。
【0006】
容器本体11の上端側開口部にはマウンテンキャップ11aが組み付けられ、当該マウンテンキャップの中央部分にはハウジング12がステムラバー16を挟んだ状態で嵌め込まれている。また、ハウジング12の下部にはパイプ13が取り付けらている。
【0007】
ステム14は、コイルスプリング15によって上方に付勢されており、ステムラバー16に保持された状態でハウジング12の内部に設定される。
【0008】
ステム14と、放出口18を備えた押しボタン17とは、下側筒状部19および上側筒状部20を介して一体化している。ステム14の内部通路と放出口18とは空間域17bを介して連通する。
【0009】
静止モード(図示省略:図4,5は作動モード)のとき、ステムラバー16は略水平状態となって孔部14aを閉塞する。また、コイルスプリング23により下方向に付勢された流量調整部材21の段部21bは、上側筒状部20の天井面20aから離れている。すなわち所定間隔の通路域22が形成される。
【0010】
押しボタン17を下方向に押した作動モード(図4,図5参照)では、ステム14も同方向に連動してステムラバー16が内側部分が変形して逆ハの状になり、孔部14aを開状態とする。
【0011】
その結果、容器本体の内容物は、圧縮ガスの作用によりパイプ13−ハウジング12の内部−孔部14a−ステム14の内部通路−空間域17b(段部21bと天井面20aとの間の通路域22)などを経由して、放出口18から外部空間に噴射されていく。
【0012】
このとき、ステム14の内部通路を図示の上方向にいわば直進してきた内容物は下側筒状部19の流れ方向規制部19aにあたってその流れが左右方向に変わり、内容物の流勢も弱まる。
【0013】
この流れ方向を変えた内容物が、上述のように、段部21bと天井面20aとの間の通路域22を通ってから放出口18へと移動する。
【0014】
この移動の際に、流量調整部材21は内容物から上方向への力を受ける。そのため、流量調整部材21は、この上方向の力とコイルスプリング23に基づく下方向の力とを受け、両者の大小関係に応じる形で上下動する。
【0015】
例えば、使用初期のように容器本体11のガス圧が高い場合、流量調整部材21は内容物からの大きな力(=コイルスプリング23に打ち勝つ力)を受けて上方向に移動し、その段部21bが上側筒状部20の天井面20aに当接した状態、すなわち通路域22が完全に閉じた状態になる。
【0016】
この通路域22の閉状態が形成されると、当該通路域の下流側には内容物は供給されないので、流量調整部材21に作用する上方向の全体圧力が低下する。
【0017】
この圧力低下に基づき、コイルスプリング23の下方向の力が勝ることとなり、流量調整部材21は下方向に移動して通路域22が開状態となる。
【0018】
すると内容物は再び通路域22を介してその下流側に供給され、流量調整部材21はこれに基づく上方向への力を受けて上動し、通路域22が閉じる態様へと移行する。
【0019】
容器本体11のガス圧が高い状態では、このような流量調整部材21の間歇的な上下動により、通路域22の開閉を繰り返す。
【0020】
したがって、容器本体11のガス圧が使用初期のように約 7.5kgw/cm2 と高いときの単位時間あたりの放出量は抑えられることになる。もっとも、通路域22が閉塞される一回の時間が短いため、使用者にとっては内容物の連続放出にしかみえない。
【0021】
流量調整部材21の移動に伴って空間域17cの容積が変化するが、これに応じて当該空間域内の空気も連通孔24を介して外部空間との間で入出力するため、流量調整部材21は円滑に移動できる。
【0022】
なお、流量調整部材21が傾いた状態で移動する場合も、当該調整部材のスカート部21aの端部が鞘状部17aの内周面に、また逆スカート部21cの端部が上側筒状部20の内周面にそれぞれ案内されるので、流量調整部材21の段部21bは当該上側筒状部の端部20aに正確に当接する。
【0023】
次に、内容物の放出動作を重ねていくと容器内部の内容物が減り、その分だけ圧縮ガスの収納空間容積が増加する。この容積増加に応じて容器本体内の圧縮ガスの圧力が小さくなる。
【0024】
この圧力減少に対応する形で通路域22の閉回数も少なくなる。これにより当該通路域を経て放出口18から外部空間に噴出される内容物の単位時間あたりの総量が変動しないようにしている。
【0025】
そして、所定回数の内容物の放出動作を行なって容器本体1のガス圧が十分低下した場合(容器本体内部の圧力が約3kgw/cm2 の最終段階も含む)には、流量調整部材21はほとんど移動せず、通路域22が閉じることはない。
【0026】
すなわち、流量調整部材21が図4,図5の状態に維持され、容器本体11の内容物は通路域22を連続的に通過して放出口18から外部に放出される。
【0027】
このとき、通路域22などを通過する内容物の流速が使用初期段階よりも圧力低下に応じた分だけ遅くなるので、内容物の外部空間への単位時間当たりの放出量が著しく変動するようなことはない。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
この流量調整機構は、使用初期でエアゾール容器の圧縮ガスの圧力が十分強い段階から、その後の多数回にわたる使用のために当該圧力が低下した段階まで、当該圧力の大きさに応じて流量調整部材が移動し、当該流量調整部材で特定される内容物通過域のいわば実効断面積を変えることにより、内容物の放出量の変動を抑え、使い勝手をよくしたものである。
【0029】
また、ステムの出力側に設けた流れ方向規制部により流勢を弱めた後の内容物で流量調整部材を駆動している。
【0030】
本発明では、以上の流量調整機構とは異なる技術コンセプトにより、流量調整部材の上流側における内容物の流れ方向を規制する機能と、圧縮ガスの圧力変化に基づいて単位時間あたりの内容物放出量が変動することを抑止する機能とをあわせもつ新たな構造のものを提供し、圧縮ガス形式のエアゾール容器の流量調整機構についての技術の多様化を図ることを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この課題を次のようにして解決する。
(1)圧縮ガスの作用により内容物を外部空間に放出するエアゾール容器用の流量調整機構において、第1の孔部(例えば後述の孔部1a)を介して容器本体内部と連通し、かつ第2の孔部(例えば後述の孔部2b)を介して前記外部空間と連通する、通路部(例えば後述の通路部1b,2a)を有する内容物通過用部材(例えば後述のステム1および鞘状部材2)と、前記第2の孔部の下流側の内容物通過用空間域に設けられ、作動モード時の前記内容物の圧力に基づいて移動することにより、前記内容物通過用部材の当該下流側の外面部分との隙間(例えば後述の通路域5)を調整する流量調整部材(例えば後述の流量調整部材4)と、前記流量調整部材を、前記圧力に基づく移動方向とは逆の方向に付勢する弾性部材(例えば後述のコイルスプリング6)とを備える。
(2)上記(1)において、前記流量調整部材を、その一部(例えば後述の逆スカート部4a)が操作部材(例えば後述の押しボタン3)の鞘状部(例えば後述の鞘状部3a)の内周面に当接して移動する態様で設け、前記内容物通過用部材を、その一部(例えば後述の鞘状部材2)が前記鞘状部と一体化した態様で設け、前記流量調整部材,前記内容物通過用部材および前記鞘状部により特定され、前記流量調整部材の移動に応じてその容積が変化する空間域(例えば後述の閉空間域7)に、前記弾性部材を配し、前記空間域と、前記操作ボタンの下側開口部分とを連通させる。
【0032】
本発明は、上記(1)のように、容器本体の内容物をいったん内容物通過用部材の通路部に供給してそこで当該内容物の流勢を弱め、かつ、この弱めた後の内容物で流量調整部材を駆動して、当該通路部の孔部に続く下流側の当該内容物通過用部材の外面部分と、当該流量調整部材との隙間を調整(隙間=0も含む)し、これにより、流量調整部材の上流側における内容物の流勢を規制するとともに、圧縮ガスの圧力変化に基づいて単位時間あたりの内容物放出量が変動することを抑止するための技術の豊富化を図っている。
【0033】
また、上記(2)のように、流量調整部材の移動にともなって容積が小さくなる空間域のエアを外部空間に排出するための連通路として(操作ボタンの上面孔部ではなく)操作ボタンの下側開口部分を用い、これにより、利用者が上面孔部を塞いでしまって当該排出動作が不十分となることを防止し、さらには操作ボタンを(排気用の上面孔部が存在しない)見栄えのよいものにしている。
【0034】
本発明は、以上の特徴を持つ流量調整機構を対象とするとともに、この流量調整機構を備えたエアゾール式製品も対象にしている。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、流量調整機構の静止モードを示し、
図2は、流量調整機構の作動モード(通路域5のシール作用時)を示し、
図3は、流量調整機構の作動モード(通路域5の連通作用時)を示している。
【0036】
これらの図において、
1はステム,1aは内容物流入用の孔部,1bは当該ステムにおける内容物の通路部,
2はステム1と嵌合する内容物通過用の鞘状部材,2aは当該鞘状部材における内容物の通路部,2bは内容物流出用の孔部,2cは後述の押しボタン3と嵌合する外周面側の環状の凹状部,2dは後述の空間域7を外部空間と連通させるために当該鞘状部材の下側外周面に複数形成したL字状溝状部,2eは当該鞘状部材の上端側外周面に複数形成した内容物通過用の縦方向溝状部,2fはこの縦方向溝状部の下側の環状の内側テーパ面,
3は押しボタン,3aは鞘状部材2と嵌合し、また後述の流量調整部4を案内する鞘状部,3bは嵌合用の凹状部2cと対応した環状の凸状部,3cは当該押しボタンの環状垂下部の下端側部分に複数形成した内容物通過用の横方向溝状部,3dは当該押しボタンにおける内容物の通路部,3eは内容物の放出口,
4は流量調整部材,4aは鞘状部3aの内周面に案内される環状の逆スカート部,4bは内側テーパ面2fと対向する外側テーパ面,
5は鞘状部材2の内側テーパ面2fと流量調整部材4の外側テーパ面4bとの隙間部分からなり、当該流量調整部材の移動によってその間隔が変わる(隙間=0も含む)通路域,
6は流量調整部材4を上方向に付勢するコイルスプリング,
7は鞘状部材2,押しボタン3の鞘状部3aおよび流量調整部材4によって特定され、当該流量調整部材の移動に応じて外気が流入出する空間域,
11aはマウンテンキャップ,
12はハウジング,
16はステムラバー,
をそれぞれ示している。
【0037】
図1乃至図3で新たに用いた参照番号は1〜7およびそれぞれのアルファベット付きの補助番号である。なお、これらの各補助番号で示す部分は概念的にそれぞれ元の参照番号の構成要素に含まれる。
【0038】
ここで、空間域7を外部空間に連通させるために溝状部は鞘状部3aの側(内周面および底面)に形成してもよい。また、鞘状部材2/鞘状部3aに孔部の形で設けてもよい。いずれにしても、この連通用の溝状部および孔部は押しボタン3の下側開口側に形成されるので、利用者からは見えず、当該押しボタンは見栄えのよいものとなる。
【0039】
図1乃至図3の流量調整機構が図4のそれと相違する主な点は、
・ステム1,鞘状部材2のそれぞれに内容物の通路部1b,2aを形成し、
・この通路部2aから孔部2bを経た後の下流側、すなわち鞘状部材2の外側空間域に流量調整部材4を設け、
・この鞘状部材2の内側テーパ面2fと流量調整部材4の外側テーパ面4bとの間の通路域5の間隔が、そこを通過した内容物の圧力(容器内部のガス圧)の大きさ応じて変わる、
ことなどである。
【0040】
図1の静止モードでは、
・ステム1の孔部1aはステムラバー16で閉塞され、
・流量調整部材4は、コイルスプリング6の作用により上方向に移動して、その上端部分が押しボタン3の環状垂下部(横方向溝状部3c)の下端部分に当接した状態に位置し、
・通路域5は開状態となり、
・ステム1の通路部1b−鞘状部材2の通路部2a−鞘状部材2の孔部2b−鞘状部材2の外周面と流量調整部材4の内周面との間の空間域−通路域5−押しボタン3の横方向溝状部3c−押しボタン3の通路部3d−押しボタン3の放出口3eからなる放出用経路の全体が連通している。
【0041】
図2および図3の作動モードでは、
・押しボタン3を押圧して鞘状部材2およびステム1が下動し、
・この下動にともないステムラバー16が図示のように変形して、ステム1の孔部1aが開状態となり、
・容器本体の内容物は、この孔部1aから通路部1bおよび鞘状部材2の通路部2aに流入し、その孔部2bから外側に出て通路域5へと移動する。
【0042】
孔部1aから通路部1b,2aへと移動する内容物は、鞘状部材2の天井面2gなどに当たることにより勢いが弱まり、この弱まった状態で通路域5の方へ流れていく。
【0043】
通路域5から押しボタン3の通路部3d(図1参照)へと進む内容物はその圧力(容器内部のガス圧)で流量調整部材4を下方向に付勢する。
【0044】
流量調整部材4にはこの下方向の力とコイルスプリング6からの上方向の力が作用し、当該流量調整部材はこれら双方の力の差分およびその方向にしたがって上下動する。
【0045】
内容物に基づく下方向の力は、使用初期が最大でその後は内容物の放出動作の程度に応じて小さくなる。一方、コイルスプリング6に基づく上方向の力は略コンスタントな値である。
【0046】
流量調整部材4の上下動に基づく通路域5の間隔(内容物通過用の断面積)の定性的な変化の様子は図4および図5の流量調整機構の場合と同様である。
【0047】
すなわち、使用初期のように容器本体のガス圧が高い場合、流量調整部材4は内容物からの大きな力(=コイルスプリング6に打ち勝つ力)を受けて下方向に移動し、その外側テーパ面4bが鞘状部材2の内側テーパ面2fに当接して通路域5が完全に閉じた状態になる(図2参照)。
【0048】
この通路域5の閉状態が形成されると、当該通路域の下流側には内容物は供給されないので、流量調整部材4に作用する下方向の全体圧力が低下する。
【0049】
この圧力低下に基づき、コイルスプリング6の上方向の力が勝ることとなり、流量調整部材4は上方向に移動して通路域5が開状態となる(図3参照)。
【0050】
すると内容物は再び通路域5を介してその下流側に供給され、流量調整部材4はこれに基づく下方向への力を受けて下動し、通路域5が閉じる態様へと移行する。
【0051】
容器本体のガス圧が高い状態では、このような流量調整部材4の間歇的な上下動により、通路域5の開閉を繰り返す。
【0052】
したがって、容器本体のガス圧が使用初期のように約 7.5kgw/cm2 と高いときの単位時間あたりの放出量は抑えられることになる。
【0053】
流量調整部材4の移動に伴って空間域7の容積が変化するが、こに応じて当該空間域内の空気も鞘状部材2のL字状溝部2dおよび押しボタン3の下側開口部分を介して外部空間との間で入出力するため、流量調整部材4は円滑に移動できる。
【0054】
次に、内容物の放出動作を重ねていくと容器内部の内容物が減り、その分だけ圧縮ガスの収納空間容積が増加する。この容積増加に応じて圧縮ガスの圧力が小さくなる。
【0055】
この圧力減少(内容物の速度低下)に対応する形で通路域5の閉回数も少なくなり、すなわち通路域5の開状態の割合が大きくなって、これにより当該通路域を経て放出口3eから外部空間に噴出される内容物の単位時間あたりの総量の変動を防止している。
【0056】
そして、所定回数の内容物の放出動作を行なって容器本体のガス圧が十分低下した場合(容器本体内部の圧力が約3kgw/cm2 の最終段階も含む)には、流量調整部材4はほとんど移動せず、通路域5が閉じることはない。
【0057】
このような通路域5の内容物通過用のいわば実効断面積を内容物の圧力(容器内のガス圧)に応じて調整することにより、当該ガス圧の変動にかかわらず、外部空間に放出される単位時間あたりの内容物の定量化を図っている。
【0058】
図1乃至図3の流量調整機構としての構成部品は、ステム1,鞘状部材2,流量調整部材4およびコイルスプリング6であり、図4および図5の流量調整機構よりも少なくてすむ。図4および図5の流量調整機構としての構成部品は、ステム14,下側筒状部19,上側筒状部20,流量調整部材21(2ピース)およびコイルスプリング23である。
【0059】
これにより、流量調整機構のコストの低減化を図り、また流量調整機構の組み立て作業を効率的なものにすることができる。
【0060】
以上の流量調整機構を備えたエアゾール式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,忌避剤(殺虫剤),医薬品,医薬部外品,化粧品,洗濯のりなどの製品がある。
【0061】
エアゾール式製品の内容物には、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えばタルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などである。また、紫外線吸収剤,油性原料,界面活性剤,保湿剤,高分子化合物,酸化防止剤,金属イオン封鎖剤なども用いる。
【0062】
【発明の効果】
本発明は、このように、容器本体の内容物をいったん内容物通過用部材の通路部に供給してそこで当該内容物の流勢を弱め、かつ、この弱めた後の内容物で流量調整部材を駆動して、当該通路部の孔部に続く下流側の当該内容物通過用部材の外面部分と、当該流量調整部材との隙間を調整(隙間=0も含む)しているので、流量調整部材の上流側における内容物の流勢を規制するとともに、圧縮ガスの圧力変化に基づいて単位時間あたりの内容物放出量が変動することを抑止するためのの技術の豊富化を図ることができる。
【0063】
また、流量調整部材の移動にともなって容積が小さくなる空間域のエアを外部空間に排出するための連通路として(操作ボタンの上面孔部ではなく)操作ボタンの下側開口部分を用いているので、利用者が上面孔部を塞いでしまって当該排出動作が不十分となることを防止し、さらには操作ボタンを見栄えのよいものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、流量調整機構の静止モードを示す説明図である。
【図2】本発明の、流量調整機構の作動モード(通路域5のシール作用時)を示す説明図である。
【図3】本発明の、流量調整機構の作動モード(通路域5の連通作用時)を示す説明図である。
【図4】従来の、流量調整機構の作動モード(通路域22の連通作用時)を示す説明図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【符号の説明】
1:ステム
1a:内容物流入用の孔部
1b:通路部
2:内容物通過用の鞘状部材
2a:通路部
2b:内容物流出用の孔部
2c:環状の凹状部
2d:L字状溝状部
2e:縦方向溝状部
2f:内側テーパ面
3:押しボタン
3a:鞘状部
3b:環状の凸状部
3c:内容物通過用の横方向溝状部
3d:通路部
3e:内容物の放出口
4:流量調整部材
4a:環状の逆スカート部
4b:外側テーパ面
5:通路域
6:コイルスプリング
7:外気が流入出する空間域
11:容器本体
11a:マウンテンキャップ
12:ハウジング
13:内容物通過用のパイプ
14:ステム
14a:内容物通過用の孔部
15:コイルスプリング
16:ステムラバー
17:押しボタン
17a:内側の鞘状部
17b:内容物通過用の空間域
17c:外気が流入出する空間域
18:内容物の放出口
19:下側筒状部
19a:流れ方向規制部
20:上側筒状部
20a:環状の天井面
21:流量調整部材
21a:スカート部
21b:環状の段部
21c:逆スカート部
22:通路域
23:コイルスプリング
24:連通孔
Claims (3)
- 圧縮ガスの作用により内容物を外部空間に放出するエアゾール容器用の流量調整機構において、
第1の孔部を介して容器本体内部と連通し、かつ第2の孔部を介して前記外部空間と連通する、通路部を有する内容物通過用部材と、
前記第2の孔部の下流側の内容物通過用空間域に設けられ、作動モード時の前記内容物の圧力に基づいて移動することにより、前記内容物通過用部材の当該下流側の外面部分との隙間を調整する流量調整部材と、
前記流量調整部材を、前記圧力に基づく移動方向とは逆の方向に付勢する弾性部材とを備えた、
ことを特徴とするエアゾール容器用の流量調整機構。 - 前記流量調整部材を、その一部が操作部材の鞘状部の内周面に当接して移動する態様で設け、
前記内容物通過用部材を、その一部が前記鞘状部と一体化した態様で設け、
前記流量調整部材,前記内容物通過用部材および前記鞘状部により特定され、前記流量調整部材の移動に応じてその容積が変化する空間域に、前記弾性部材を配し、
前記空間域と、前記操作ボタンの下側開口部分とを連通させた、
ことを特徴とする請求項1記載のエアゾール容器用の流量調整機構。 - 請求項1または2記載の流量調整機構を備え、かつ、放出用ガスおよび内容物を収容したエアゾール式製品。
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WO2012017556A1 (ja) * | 2010-08-06 | 2012-02-09 | 株式会社三谷バルブ | アクチュエータ定量噴射機構および、このアクチュエータ定量噴射機構を備えたエアゾール式製品 |
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