JP2004360560A - 内容物放出機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動部材の往復動にともなう弁作用に基づいて内容物を放出する蓄圧式の内容物放出機構の弁を可動部材や放出口部材の一部に形成して、内容物放出機構の部品点数を削減する。
【解決手段】貯留部4の上流側弁を、可動部材6の柱状部6aとスカート部6bの境界部分に形成したスリット6cとした。下流側弁は、放出口部材11に形成した十文字状切込部11aである。静止モードでは、可動部材6は上動し、十文字状切込部11aは閉じて内容物は外部に漏洩しない。可動部材6が下動した作動モードでは、貯留部4の圧力が高まるのでスリット6cは閉じ、十文字状切込部11aが開いて貯留部4の内容物は外部空間に放出される。可動部材6の静止モードへの復帰時には、貯留部4の圧力が下がるので十文字状切込部11aは閉じ、スリット6cが開いて、収納部3の内容物が貯留部4に流入する。
【選択図】 図3
【解決手段】貯留部4の上流側弁を、可動部材6の柱状部6aとスカート部6bの境界部分に形成したスリット6cとした。下流側弁は、放出口部材11に形成した十文字状切込部11aである。静止モードでは、可動部材6は上動し、十文字状切込部11aは閉じて内容物は外部に漏洩しない。可動部材6が下動した作動モードでは、貯留部4の圧力が高まるのでスリット6cは閉じ、十文字状切込部11aが開いて貯留部4の内容物は外部空間に放出される。可動部材6の静止モードへの復帰時には、貯留部4の圧力が下がるので十文字状切込部11aは閉じ、スリット6cが開いて、収納部3の内容物が貯留部4に流入する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動部材の往復動にともなう弁作用により、容器本体の内容物を一旦貯留部に取込んだ上でこれを放出する蓄圧式の内容物放出機構に関し、とくに可動部材の一部分に、例えば当該可動部材が復動するときに開状態となって内容物を貯留部に取り込む上流側弁を形成して、部品点数の削減を図った内容物放出機構に関する。
【0002】
本発明は、押出式, ポンプ式などの蓄圧式の内容物放出機構に適用できるが、以下の説明では操作部材をノックするなどして操作部材とは反対側に設けられた放出口から内容物を放出させる押出式の内容物放出機構について説明する。なお、本明細書では放出口側を「下」、それとは反対側を「上」という。
【0003】
【従来の技術】
従来の押出式内容物放出機構は、
・操作部材のノック操作に連動し、貯留部を形成する可動部材,
・操作部材のノック時(可動部材の往動時)に貯留部の内容物を放出口に送出するための下流側弁,
・可動部材にこれとは別に取り付けられ、操作部材のノック解除時(可動部材の復動時)に容器本体の内容物を貯留部に取込むための上流側弁,
などからなっている(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実開平3−3582号公報(第9頁、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の内容物放出機構には、貯留部に対する上流側弁が可動部材とは別部材のかたちで設けられているので部品点数が増え、その組立に時間がかかるといった問題点があった。
【0006】
そこで、本発明では、可動部材の一部分に上流側弁または下流側弁の一方を形成して部品点数を削減し、組立作業の簡単化を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの課題を次のようにして解決する。
(1)放出操作と連動し、自らの一部分(例えば後述の柱状部とスカート部との境界部分)に一方の弁(例えば後述のスリット6c)を形成した可動部材(例えば後述の可動部材6)と、前記一方の弁に対応して開閉動作する他方の弁(例えば後述の十文字状切込部11a)と、前記他方の弁と前記一方の弁との間に形成される内容物放出用の貯留部(例えば後述の貯留部4)とからなり、前記一方の弁および前記他方の弁の相互作用により、容器本体(例えば後述の内容物収納部)の内容物を一旦前記貯留部に取り込んだ上でこれを外部空間に放出する。
(2)上記(1)において、前記一方の弁が前記貯留部の上流側弁(例えば後述のスリット6c)で、前記他方の弁が前記貯留部の下流側弁(例えば後述の十文字状切込部11a)とする。
(3)上記(2)において、前記可動部材は柱状部(例えば後述の柱状部6a)および当該柱状部に続くスカート部(例えば後述のスカート部6b)からなり、前記上流側弁を前記柱状部と前記スカート部との境界部分に切込部(例えば後述のスリット6c)の態様で形成し、前記下流側弁を放出部(例えば後述の放出口部材11)に切込部(例えば後述の十文字状切込部11a)の態様で形成する。
【0008】
本発明では、上記(1),(2)のように、可動部材の一部分に上流側弁または下流側弁の一方の弁を形成し、これにより内容物放出機構の部品点数を少なくし、組立作業の簡単化を図っている。
【0009】
上記(2)は、操作部材の操作により内容物が当該操作部材とは反対側の放出口から放出される押出式の内容物放出機構へ適用した場合である。
【0010】
また、上記(3)のように、上流側弁を、可動部材に切込部を形成するといった簡単な作業で設け、部品製造の手間を簡単化している。さらに、下流側弁を放出部に形成した切込部としているので、下流側弁を新たに設ける必要がなく、組み立て時間の簡単化を図っている。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
図1は操作部材を押圧していない静止モードであり、(a)はキャップを取り外した状態,(b)はキャップ単体,(c)は放出口部材に形成した十文字状切込部を示している。図2は操作部材を押圧した作動モード、図3は作動モードから静止モードに復帰する途中の様子、をそれぞれ示している。
【0012】
これらの図において、
1は押出式の内容物放出機構,
2は容器本体,2aは小径部,2bは後述の放出口部材11を取付けるための凹状部,
3は内容物収納部,
4は内容物収納部3の内容物を取込んで外部空間に放出するための貯留部,
5は容器本体2に着脱自在であり後述の押出棒8を上下動可能に収容した蓋体,
5aは当該蓋体の下面,5bは容器本体2の内周面に嵌合する環状垂下部,
6は貯留部4に対する上流側弁(スリット6c)を形成した可動部材,6aは当該可動部材の柱状部,6bは容器本体2の小径部2aの内周面に摺動するスカート部,6cは上流側弁を構成するスリット,
7は操作部材,
8は操作部材7に嵌合し可動部材6を下動させる押出棒,8aは後述の隙間9をシールする鍔部,
9は蓋体5と押出棒8に形成される空気取込用の隙間,
10は可動部材6を上方向に付勢するスプリング,
11は放出口部材,11aは貯留部4の下流側弁を兼ねた十文字状切込部,11bは容器本体2の凹状部2bと係合する凸状部,
12は十文字状切込部11aに対するキャップ,12aは放出口部材11の外周面に嵌合する内側筒状部,12bは当該キャップの底部側の平坦面,
Aは容器本体2に取り込まれる外気のルート,
をそれぞれ示している。
【0013】
ここで、
・容器本体、操作部材、押出棒、蓋体やキャップは、ナイロン,ポリエチレン,ポリアセタール,ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレートなどからなり、
・可動部材は、低密度ポリエチレン,エチレン酢酸ビニルコポリマーなどからなり、
・放出口部材は、ネオプレン,クロロプレンゴム,NBR,IIRなどからなっている。
【0014】
図1に示すように、内容物放出機構1の主な特徴は、可動部材6aとスカート部6bとの境界部分に、貯留部4に内容物を取込むための上流側弁(スリット6c)を形成したことである。
【0015】
したがって、従来のように、上流側弁を単独で設ける必要がなく、内容物放出機構1全体の部品点数は少なくなる。また、可動部材6にスリット6cを形成するといった簡単な作業で上流側弁を設けることができる。
【0016】
可動部材6は、そのスカート部6bの下端部が一周に渡って容器本体2の小径部2aに当接する態様で容器本体2に収納されている。
【0017】
そして、スリット6cは、
・可動部材6が下動するときには、スカート部6bが貯留部4や小径部2aから上方向の力を受けるので閉じ、
・可動部材6が上動するときには、貯留部4の容積が大きくなってそこの圧力が低くなるので図3に示すようにスカート部6bが下方に撓んで開状態となる。
【0018】
他の特徴は、放出口部材11の十文字状切込部11aは、貯留部4の下流側弁と放出口とを兼用したことである。
【0019】
放出口部材11は、その凸状部11bが容器本体2の凹状部2bに係止して容器本体2に取り付けられている。
【0020】
十文字状切込部11aは、
・可動部材6が下動するときには、貯留部4の容積が小さくなってそこの圧力が高くなるので開き、
・可動部材6が上動するときには、逆に貯留部4の圧力が下がるので閉じる。
【0021】
図1の静止モードでは、可動部材6はスプリング10の付勢により上動している。
このとき、
・十文字状切込部11aは閉じ、
・押出棒8の鍔部8aは空気取込用の隙間9をシールしているので、
貯留部4の内容物が外部に漏洩することはない。
【0022】
なお、キャップ12を取り付けた状態では、当該キャップの外周面と容器本体2の外周面とは略同一面となり、内容物放出機構1は筒状体となるので、コンパクトである。
【0023】
また、操作部材7が誤って押圧されたときにも内容物の放出が防止されるので、携帯に便利である。さらに、キャップ12の平坦面12bを下側にすると内容物放出機構1を立てて保管することができる。
【0024】
図2に示すように、キャップ12を外して操作部材7を下方に押圧した作動モードでは、スプリング10の付勢に抗して押出棒8が下動し、可動部材6もそのスカート部6bの下端部が容器本体2の小径部2aに摺動するかたちで容器本体2の内部を下動する。
【0025】
この下動により貯留部4の圧力が高まり、スカート部6bは上方向(スリット6cを閉じる方向)の力を受け、スリット6cは閉じたままである。
【0026】
一方、この圧力増加により十文字状切込部11aは開き、貯留部4の内容物は外部空間に放出される。
【0027】
なお、押出棒8の鍔部8aが下動して空気取込用の隙間9が開くので、外気が矢印で示すルートAによって容器本体2の収納部3に流入する。
【0028】
図3に示すように、操作部材7の押圧操作をやめると、可動部材6はスプリング10の付勢によって上動する。
【0029】
この上動にともなって貯留部4の圧力が下がるので、
・十文字状切込部11aは閉じ、
・先端部分が容器本体2(小径部2a)の内周面に摺接しているスカート部6bはそのスリット6cの形成側部分が当該内周面にいわば引き止められるような形となって下方に撓んで、スリット6cが開き、
その結果、収納部3の内容物が貯留部4に流入する。
【0030】
このときにもルートAによって外気が空気取込用の隙間9から容器本体2の収納部3に流入して当該収納部の圧力は外気圧と同じになる。
【0031】
なお、操作部材7を押出棒8から外した上で、蓋体5の垂下部5bと容器本体2との係合を解除すると、蓋体5を容器本体2から取り外して内容物を詰め替えることができ、内容物放出機構1を繰り返し使用することができる。
【0032】
さらに、押出棒8と可動部材6を一体に成形してもよい。この場合も上記と同様な操作で内容物の詰め替えを行うことができる。また、操作部材7と押出棒8を一体に成形した場合には、蓋体5を容器本体2から取外すとともに、押出棒8を可動部材6から取り外した上で内容物の詰め替えを行えばよい。
【0033】
なお、操作部材の側に形成した放出口から内容物を放出する、いわゆるポンプ式の内容物放出機構の場合、可動部材の一部分形成される弁は下流側弁として作用する。
【0034】
本発明が適用される製品としては、調味料などの食品,染毛剤,育毛剤,脱色剤,化粧品,シェービングフォーム,ヘアスタイリングフォーム,医薬品,外用薬,医薬部外品,コンタクトレンズ用品,歯磨き粉,液滴状のもの(ビタミンなど),塗料,園芸用剤,殺虫剤,クリーナー,消臭剤,潤滑剤,洗浄剤,清掃剤,制汗剤,忌避剤(殺虫剤),洗濯のりなどの各種用途のものがある。
【0035】
また、本発明の内容物放出機構の内容物には、液状,ペースト状,ジェル状,泡状,粉状などの各種性状のものがあり、染料,脱色剤,アルカリ剤,金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えばパラフェニレンジアミン,アンモニア,過酸化水素,タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などである。また、安定剤,PH調整剤,紫外線吸収剤,油性原料,界面活性剤,保湿剤,高分子化合物,酸化防止剤,金属イオン封鎖剤なども用いる。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、このように、可動部材の一部分に、貯留部を形成する例えば上流側弁を形成しているので、内容物放出機構の部品点数を少なくでき組立作業を簡単化することができる。
【0037】
また、操作部材の操作により内容物が当該操作部材とは反対側の放出口から放出される押出式の内容物放出機構へ適用することができる。
【0038】
さらに、上流側弁は、可動部材に切込部を形成するだけなので、部品製造の手間を簡単化することができる。
【0039】
また、下流側弁を放出部に形成した切込部としているので、下流側弁を新たに設ける必要がなく、内容物放出機構の部品点数を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、内容物放出機構の静止モードの説明図であり、(a)はキャップを取り外した状態,(b)はキャップ単体,(c)は放出口部材に形成した十文字状切込部を示している。
【図2】本発明の、内容物放出機構の作動モードの説明図である。
【図3】本発明の、作動モードから静止モードに復帰する途中の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1:内容物放出機構
2:容器本体
2a:小径部
2b:凹状部
3:内容物収納部
4:貯留部
5:蓋体
5a:下面
5b:環状垂下部
6:可動部材
6a:柱状部
6b:スカート部
6c:スリット,
7:操作部材,
8:押出棒
8a:鍔部
9:空気取込用の隙間
10:スプリング
11:放出口部材
11a:十文字状切込部
11b:凸状部
12:キャップ
12a:内側筒状部
12b:平坦面
A:外気のルート
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動部材の往復動にともなう弁作用により、容器本体の内容物を一旦貯留部に取込んだ上でこれを放出する蓄圧式の内容物放出機構に関し、とくに可動部材の一部分に、例えば当該可動部材が復動するときに開状態となって内容物を貯留部に取り込む上流側弁を形成して、部品点数の削減を図った内容物放出機構に関する。
【0002】
本発明は、押出式, ポンプ式などの蓄圧式の内容物放出機構に適用できるが、以下の説明では操作部材をノックするなどして操作部材とは反対側に設けられた放出口から内容物を放出させる押出式の内容物放出機構について説明する。なお、本明細書では放出口側を「下」、それとは反対側を「上」という。
【0003】
【従来の技術】
従来の押出式内容物放出機構は、
・操作部材のノック操作に連動し、貯留部を形成する可動部材,
・操作部材のノック時(可動部材の往動時)に貯留部の内容物を放出口に送出するための下流側弁,
・可動部材にこれとは別に取り付けられ、操作部材のノック解除時(可動部材の復動時)に容器本体の内容物を貯留部に取込むための上流側弁,
などからなっている(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実開平3−3582号公報(第9頁、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の内容物放出機構には、貯留部に対する上流側弁が可動部材とは別部材のかたちで設けられているので部品点数が増え、その組立に時間がかかるといった問題点があった。
【0006】
そこで、本発明では、可動部材の一部分に上流側弁または下流側弁の一方を形成して部品点数を削減し、組立作業の簡単化を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの課題を次のようにして解決する。
(1)放出操作と連動し、自らの一部分(例えば後述の柱状部とスカート部との境界部分)に一方の弁(例えば後述のスリット6c)を形成した可動部材(例えば後述の可動部材6)と、前記一方の弁に対応して開閉動作する他方の弁(例えば後述の十文字状切込部11a)と、前記他方の弁と前記一方の弁との間に形成される内容物放出用の貯留部(例えば後述の貯留部4)とからなり、前記一方の弁および前記他方の弁の相互作用により、容器本体(例えば後述の内容物収納部)の内容物を一旦前記貯留部に取り込んだ上でこれを外部空間に放出する。
(2)上記(1)において、前記一方の弁が前記貯留部の上流側弁(例えば後述のスリット6c)で、前記他方の弁が前記貯留部の下流側弁(例えば後述の十文字状切込部11a)とする。
(3)上記(2)において、前記可動部材は柱状部(例えば後述の柱状部6a)および当該柱状部に続くスカート部(例えば後述のスカート部6b)からなり、前記上流側弁を前記柱状部と前記スカート部との境界部分に切込部(例えば後述のスリット6c)の態様で形成し、前記下流側弁を放出部(例えば後述の放出口部材11)に切込部(例えば後述の十文字状切込部11a)の態様で形成する。
【0008】
本発明では、上記(1),(2)のように、可動部材の一部分に上流側弁または下流側弁の一方の弁を形成し、これにより内容物放出機構の部品点数を少なくし、組立作業の簡単化を図っている。
【0009】
上記(2)は、操作部材の操作により内容物が当該操作部材とは反対側の放出口から放出される押出式の内容物放出機構へ適用した場合である。
【0010】
また、上記(3)のように、上流側弁を、可動部材に切込部を形成するといった簡単な作業で設け、部品製造の手間を簡単化している。さらに、下流側弁を放出部に形成した切込部としているので、下流側弁を新たに設ける必要がなく、組み立て時間の簡単化を図っている。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
図1は操作部材を押圧していない静止モードであり、(a)はキャップを取り外した状態,(b)はキャップ単体,(c)は放出口部材に形成した十文字状切込部を示している。図2は操作部材を押圧した作動モード、図3は作動モードから静止モードに復帰する途中の様子、をそれぞれ示している。
【0012】
これらの図において、
1は押出式の内容物放出機構,
2は容器本体,2aは小径部,2bは後述の放出口部材11を取付けるための凹状部,
3は内容物収納部,
4は内容物収納部3の内容物を取込んで外部空間に放出するための貯留部,
5は容器本体2に着脱自在であり後述の押出棒8を上下動可能に収容した蓋体,
5aは当該蓋体の下面,5bは容器本体2の内周面に嵌合する環状垂下部,
6は貯留部4に対する上流側弁(スリット6c)を形成した可動部材,6aは当該可動部材の柱状部,6bは容器本体2の小径部2aの内周面に摺動するスカート部,6cは上流側弁を構成するスリット,
7は操作部材,
8は操作部材7に嵌合し可動部材6を下動させる押出棒,8aは後述の隙間9をシールする鍔部,
9は蓋体5と押出棒8に形成される空気取込用の隙間,
10は可動部材6を上方向に付勢するスプリング,
11は放出口部材,11aは貯留部4の下流側弁を兼ねた十文字状切込部,11bは容器本体2の凹状部2bと係合する凸状部,
12は十文字状切込部11aに対するキャップ,12aは放出口部材11の外周面に嵌合する内側筒状部,12bは当該キャップの底部側の平坦面,
Aは容器本体2に取り込まれる外気のルート,
をそれぞれ示している。
【0013】
ここで、
・容器本体、操作部材、押出棒、蓋体やキャップは、ナイロン,ポリエチレン,ポリアセタール,ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレートなどからなり、
・可動部材は、低密度ポリエチレン,エチレン酢酸ビニルコポリマーなどからなり、
・放出口部材は、ネオプレン,クロロプレンゴム,NBR,IIRなどからなっている。
【0014】
図1に示すように、内容物放出機構1の主な特徴は、可動部材6aとスカート部6bとの境界部分に、貯留部4に内容物を取込むための上流側弁(スリット6c)を形成したことである。
【0015】
したがって、従来のように、上流側弁を単独で設ける必要がなく、内容物放出機構1全体の部品点数は少なくなる。また、可動部材6にスリット6cを形成するといった簡単な作業で上流側弁を設けることができる。
【0016】
可動部材6は、そのスカート部6bの下端部が一周に渡って容器本体2の小径部2aに当接する態様で容器本体2に収納されている。
【0017】
そして、スリット6cは、
・可動部材6が下動するときには、スカート部6bが貯留部4や小径部2aから上方向の力を受けるので閉じ、
・可動部材6が上動するときには、貯留部4の容積が大きくなってそこの圧力が低くなるので図3に示すようにスカート部6bが下方に撓んで開状態となる。
【0018】
他の特徴は、放出口部材11の十文字状切込部11aは、貯留部4の下流側弁と放出口とを兼用したことである。
【0019】
放出口部材11は、その凸状部11bが容器本体2の凹状部2bに係止して容器本体2に取り付けられている。
【0020】
十文字状切込部11aは、
・可動部材6が下動するときには、貯留部4の容積が小さくなってそこの圧力が高くなるので開き、
・可動部材6が上動するときには、逆に貯留部4の圧力が下がるので閉じる。
【0021】
図1の静止モードでは、可動部材6はスプリング10の付勢により上動している。
このとき、
・十文字状切込部11aは閉じ、
・押出棒8の鍔部8aは空気取込用の隙間9をシールしているので、
貯留部4の内容物が外部に漏洩することはない。
【0022】
なお、キャップ12を取り付けた状態では、当該キャップの外周面と容器本体2の外周面とは略同一面となり、内容物放出機構1は筒状体となるので、コンパクトである。
【0023】
また、操作部材7が誤って押圧されたときにも内容物の放出が防止されるので、携帯に便利である。さらに、キャップ12の平坦面12bを下側にすると内容物放出機構1を立てて保管することができる。
【0024】
図2に示すように、キャップ12を外して操作部材7を下方に押圧した作動モードでは、スプリング10の付勢に抗して押出棒8が下動し、可動部材6もそのスカート部6bの下端部が容器本体2の小径部2aに摺動するかたちで容器本体2の内部を下動する。
【0025】
この下動により貯留部4の圧力が高まり、スカート部6bは上方向(スリット6cを閉じる方向)の力を受け、スリット6cは閉じたままである。
【0026】
一方、この圧力増加により十文字状切込部11aは開き、貯留部4の内容物は外部空間に放出される。
【0027】
なお、押出棒8の鍔部8aが下動して空気取込用の隙間9が開くので、外気が矢印で示すルートAによって容器本体2の収納部3に流入する。
【0028】
図3に示すように、操作部材7の押圧操作をやめると、可動部材6はスプリング10の付勢によって上動する。
【0029】
この上動にともなって貯留部4の圧力が下がるので、
・十文字状切込部11aは閉じ、
・先端部分が容器本体2(小径部2a)の内周面に摺接しているスカート部6bはそのスリット6cの形成側部分が当該内周面にいわば引き止められるような形となって下方に撓んで、スリット6cが開き、
その結果、収納部3の内容物が貯留部4に流入する。
【0030】
このときにもルートAによって外気が空気取込用の隙間9から容器本体2の収納部3に流入して当該収納部の圧力は外気圧と同じになる。
【0031】
なお、操作部材7を押出棒8から外した上で、蓋体5の垂下部5bと容器本体2との係合を解除すると、蓋体5を容器本体2から取り外して内容物を詰め替えることができ、内容物放出機構1を繰り返し使用することができる。
【0032】
さらに、押出棒8と可動部材6を一体に成形してもよい。この場合も上記と同様な操作で内容物の詰め替えを行うことができる。また、操作部材7と押出棒8を一体に成形した場合には、蓋体5を容器本体2から取外すとともに、押出棒8を可動部材6から取り外した上で内容物の詰め替えを行えばよい。
【0033】
なお、操作部材の側に形成した放出口から内容物を放出する、いわゆるポンプ式の内容物放出機構の場合、可動部材の一部分形成される弁は下流側弁として作用する。
【0034】
本発明が適用される製品としては、調味料などの食品,染毛剤,育毛剤,脱色剤,化粧品,シェービングフォーム,ヘアスタイリングフォーム,医薬品,外用薬,医薬部外品,コンタクトレンズ用品,歯磨き粉,液滴状のもの(ビタミンなど),塗料,園芸用剤,殺虫剤,クリーナー,消臭剤,潤滑剤,洗浄剤,清掃剤,制汗剤,忌避剤(殺虫剤),洗濯のりなどの各種用途のものがある。
【0035】
また、本発明の内容物放出機構の内容物には、液状,ペースト状,ジェル状,泡状,粉状などの各種性状のものがあり、染料,脱色剤,アルカリ剤,金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えばパラフェニレンジアミン,アンモニア,過酸化水素,タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などである。また、安定剤,PH調整剤,紫外線吸収剤,油性原料,界面活性剤,保湿剤,高分子化合物,酸化防止剤,金属イオン封鎖剤なども用いる。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、このように、可動部材の一部分に、貯留部を形成する例えば上流側弁を形成しているので、内容物放出機構の部品点数を少なくでき組立作業を簡単化することができる。
【0037】
また、操作部材の操作により内容物が当該操作部材とは反対側の放出口から放出される押出式の内容物放出機構へ適用することができる。
【0038】
さらに、上流側弁は、可動部材に切込部を形成するだけなので、部品製造の手間を簡単化することができる。
【0039】
また、下流側弁を放出部に形成した切込部としているので、下流側弁を新たに設ける必要がなく、内容物放出機構の部品点数を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、内容物放出機構の静止モードの説明図であり、(a)はキャップを取り外した状態,(b)はキャップ単体,(c)は放出口部材に形成した十文字状切込部を示している。
【図2】本発明の、内容物放出機構の作動モードの説明図である。
【図3】本発明の、作動モードから静止モードに復帰する途中の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1:内容物放出機構
2:容器本体
2a:小径部
2b:凹状部
3:内容物収納部
4:貯留部
5:蓋体
5a:下面
5b:環状垂下部
6:可動部材
6a:柱状部
6b:スカート部
6c:スリット,
7:操作部材,
8:押出棒
8a:鍔部
9:空気取込用の隙間
10:スプリング
11:放出口部材
11a:十文字状切込部
11b:凸状部
12:キャップ
12a:内側筒状部
12b:平坦面
A:外気のルート
Claims (3)
- 放出操作と連動し、自らの一部分に一方の弁を形成した可動部材と、
前記一方の弁に対応して開閉動作する他方の弁と、
前記他方の弁と前記一方の弁との間に形成される内容物放出用の貯留部とからなり、
前記一方の弁および前記他方の弁の相互作用により、容器本体の内容物を一旦前記貯留部に取り込んだ上でこれを外部空間に放出する、
ことを特徴とする内容物放出機構。 - 前記一方の弁が前記貯留部の上流側弁で、前記他方の弁が前記貯留部の下流側弁である、
ことを特徴とする請求項1記載の内容物放出機構。 - 前記可動部材は柱状部および当該柱状部に続くスカート部からなり、
前記上流側弁を前記柱状部と前記スカート部との境界部分に切込部の態様で形成し、前記下流側弁を放出部に切込部の態様で形成した、
ことを特徴とする請求項2記載の内容物放出機構。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-06-04 JP JP2003159433A patent/JP2004360560A/ja active Pending
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