JP2004042903A - 農用車輪 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボス2と、該ボス2まわりに放射状に設けられる複数本のスポーク3と、これらスポーク3によってリング状に保持されるリム4と、該リム4を弾性材で被覆して形成された弾性輪体5とを有し、該弾性輪体5まわりにラグ6が設けられた農用車輪において、
前記ボス2及びスポーク3が、弾性輪体5によって被覆された後のリム4に対して後付け可能になされている。
【選択図】図4
Description
空気入りタイプの農用車輪では、エア漏れやパンク等に対処する必要があり、管理がやや面倒である。また、ゴム中実タイプに比べ、ゴム焼き付けタイプの農用車輪では、軽量化、製造(加硫)の時間短縮化及び製造コストの低廉化が図れるという利点があるので、最近ではこのゴム焼き付けタイプの農用車輪が主流をなす傾向にある。
この農用車輪の製造過程では、ボス205、スポーク206、リム200、及びスポーク206の補強板211を一体化した、鉄車213と呼ばれる段階のものを製作する場所(工場)と、この鉄車213に対してゴム201を焼き付ける場所(工場)と、完成した農用車輪を管理、販売する場所とは、それぞれ異なっているのが普通である。
また農用車輪においては、作業走行時における泥や土等(以下、泥・土の一方又は双方を指す場合を区別せず、全て「泥土」と言うものとする)の付着・巻き上げをし難くする機能が重視される。すなわち、弾性輪体207が回転するときに耕盤上面へ抜け出た後、比較的低位のうちに泥土の切れ(離れ)をよくして、高位からの泥土の落下を無くすようにし、これによって耕盤に植え付けられた苗等が傷まないようにするものである。この機能は、主として、弾性輪体207における内周側の構造や形状によって左右される。
一方、農用車輪を製造する過程中の、ゴム焼き付け時においては、接着剤がボス205の車軸孔214内に流れ込んで、車軸への嵌め付けができない不良品になるのを防止するため、接着剤の塗布後、その養生のための待ち時間が必要であった。そのため、このことが農用車輪の製造を能率化するうえでネックとなっていた。
すなわち、在庫・販売を行う場所だけで色別の管理を行うとするものである。しかし、この方法では、静電塗装を採用することができないという不具合が生じる。なぜなら、静電塗装は、塗装過程で被塗装品が高温化するので、これをボス205等の塗装方法として採用したとすると、弾性輪体207を形成しているゴム201が劣化してしまうためである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、弾性輪体の形状として最適なものを開発し、また必要に応じて付加構造を採用することにより、第一に、農用車輪としての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び製造コストの低廉化を一層進めるようにし、また第二に、走行時における泥土の付着、巻き上げをし難くする機能を高められるようにし、更に第三に、各部品段階における製品流通上の面倒を解消させつつも、スポーク等における塗膜強度に優れ、且つ所望配色にした製品(農用車輪)とすることができる構造にした農用車輪を提供することを目的とする。
即ち、本発明の農用車輪は、ボスと、該ボスまわりに放射状に設けられる複数本のスポークと、これらスポークによってリング状に保持されるリムと、該リムを弾性材で被覆して形成さた弾性輪体とを有し、該弾性輪体まわりにラグが設けられていることを基本構成としている。
そして、本発明では、上記基本構成に加え、ラグは、弾性輪体の外周面に沿って突出する直進案内部と、該直進案内部の両側へ枝別れ状に張り出す翼部とを有し、該翼部が、回転方向後部に形成させた支え面と前部に形成させた蹴り面とで三角形状乃至台形状の側部張出部を有しており、該側部張出部には、弾性輪体の周方向に沿って開口する切欠部が形成されていることを特徴としている。
また、この切欠部は、走行時において側部張出部の縦方向の圧縮変形を可能にする。この作用は、ラグの翼部に対し、所定の剛性を保持させたままで、ある程度の可撓性は許容させるようになるので、泥土の切れを良好にするという利点に繋がる。
なお、側部張出部は、弾性輪体の両側面に対し、その周方向に所定間隔で多数設けられているが、この全ての側部張出部に切欠部を形成させるようにしてもよいし、又は所定個数おきの側部張出部にだけ、切欠部を形成させるようにしてもよい。
切欠部は、側部張出部の側面に形成された三角形状乃至台形状の凹部に対応する部位では該凹部を中間に挟み、また凹部が無い部位では直接的に、支え面側と蹴り面側とを連通させることが好ましい。
このようにすると、側部張出部において、縦方向の圧縮変形を生じやすくできる利点がある。
このように弾性輪体の内周部の傾斜面に対して段差部を形成させているため、この段差部によって凹んだ容積分だけ、弾性材(ゴム)の使用量は確実に減少する。従って、農用車輪としての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び製造コストの低廉化が図れるようになる。
段差部は、弾性輪体の周方向に連続した溝状に形成するのが好適である。
このようにすると、段差部によって凹まされる容積が大きくなるので、それだけ、更に弾性材(ゴム)の使用量を減らすことができる利点がある。また、付着泥土との間に空隙を生じさせ易くなるという利点がある。
なお、リムの幅が弾性輪体の幅を占める割合は、45%乃至55%とするのが好適である。
このようにすると、リムまわりの弾性材(ゴム)厚が薄くなるので、その分、弾性材(ゴム)の使用量は確実に減少する。従って、農用車輪としての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び製造コストの低廉化が図れるようになる。
請求項1記載の本発明では、上記基本構成に加え、ボス及びスポークが、弾性輪体によって被覆された後のリムに対して後付け可能になされていることを特徴としている。
このようにすると、ボス及びスポークを一体化したものと、リムに対して弾性材を被覆させたもの(即ち、弾性輪体)とを、それぞれ各別の場所(工場)で製作し、これらを集めて組み立てる、という手順を採用することができる。
また一方で、弾性輪体については、ゴムを焼き付ける場所(工場)において、納入先にとらわれることなく共通仕様で大量生産を行うことができる。
また、この方法を採用する場合、ゴムを焼き付ける場所(工場)では、リムだけを対象として接着剤の塗布及び弾性材(ゴム)の焼き付けを行うことができ、このとき、接着剤の養生は不要となる。なぜなら、リムはボスとは別体であり、接着剤がボスの車軸孔内に流れ込むのを防止する必要がないためである。従って、農用車輪の製造を能率化することができる。
スポークは、その径方向外方の端部に連結片部が設けられたものとすることができる。また、リムは、スポークの連結片部に対応する周方向の複数箇所から径方向内方へ突出するフランジ部が設けられたものとすることができる。そして、これら連結片部とフランジ部とを、互いに結合可能にすればよい(請求項3)。
この構成は、ボス及びスポークを一体化したものと、リムに対して弾性材を被覆させたもの(即ち、弾性輪体)とを結合させる一つの構造を具体的に示したものである。
スポークの連結片部は、弾性輪体の周方向に沿って扁平化するのが好適である(請求項4)。
このようにすると、連結片部とフランジ部との接触面をフラット化でき、その結合を容易且つ確実にできることは言うまでもないが、連結片部の厚み(弾性輪体の周方向に直行する寸法)が扁平化によって薄くなっていることに伴い、これによって巻き上げられる泥土量を少なくできるという利点がある。すなわち、走行時に弾性輪体の高位から泥土が落下することが防止されるので、耕盤に植え付けられた苗等が傷められるおそれも少なくなるという利点がある。
このようにすると、例えば水田中の走行時において、スポーク相互間を通って農用車輪の内外を水流や泥土が行き来するのを、隔壁体で防止することができる。そのため、耕盤に植え付けられた苗等が傷められるおそれも少なくなるという利点がある。
また、この隔壁体を前輪として用いられる農用車輪に取り付けた場合、旋回時に隔壁体に泥土がぶつかり、旋回力を高めるように作用するため、この点でも有益なものとなる。
また、この切欠部は、走行時において側部張出部の縦方向の圧縮変形を可能にし、これにより、ラグの翼部に所定の可撓性を許容させることになるので、泥土の切れを良好にするという利点にも繋がる。
本発明では、弾性輪体の内周部に排泥用勾配を有した傾斜面を設け、この傾斜面に、勾配基準線より凹んだ段差部を形成させるようにしているので、段差部によって凹んだ容積分だけ、弾性材の使用量は確実に減少する。従って、農用車輪としての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び製造コストの低廉化が図れるようになる。
また、傾斜面が段差部によって凸凹面になるため、耕盤への沈下時に、この凸凹面と泥土との接触間に空隙が生じ、傾斜面に付着した泥土が少しの振動等でも簡単に剥離するようになる。そのため、泥土の切れがよくなり、高位からの泥土の落下を防止することができるので、これによって耕盤に植え付けられた苗等を傷めることが少なくなる。
本発明では、リムを、弾性輪体の幅の半分を占める幅(45%乃至55%とするのが好適)にしているので、リムまわりの弾性材厚を薄くでき、その分、弾性材の使用量は確実に減少する。従って、農用車輪としての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び製造コストの低廉化が図れるようになる。
そのため、ボスを核とする一体品に対しては、静電塗装等によって所望する色に着色することができるという利点があり、また、少なくとも弾性輪体の独立品に対しては、納入先にとらわれることなく共通仕様で大量生産が行えるという利点がある。従って、各色ごとの管理は、農用車輪の在庫・管理を行う場所だけで済ませる、というようなことも可能になり、流通上の面倒さは殆ど解消できる。
ボスを核とする一体品ではスポークに連結片部を設け、弾性輪体の独立品ではリムにフランジ部を設け、これらを互いに結合させるようにすれば(請求項3)、両者の結合が確実且つ簡単に行える。
このとき、スポークの連結片部を、弾性輪体の周方向に沿って扁平化させれば(請求項4)、連結片部とフランジ部との接触面をフラット化でき、その結合を確実化できるだけでなく、連結片部の厚みを薄くできるのに伴い、これによって巻き上げられる泥土量を少なくできるという利点がある。すなわち、走行時に弾性輪体の高位から泥土が落下することが防止されるので、耕盤に植え付けられた苗等が傷められるおそれも少なくなるという利点がある。
また、この隔壁体を前輪として用いられる農用車輪に取り付けた場合、旋回時に隔壁体に泥土がぶつかり、旋回力を高めるように作用するため、この点でも有益となる。
なお、上記隔壁体は、一体品又は複数部品の連接によってリング状に形成されたものと
することができる(請求項6)が、複数部品によるものとした場合には、着脱作業が容易化となり、また不使用時の収納スペースをコンパクトにできるという利点もある。
図1乃至図3は、本発明に係る農用車輪1の第1実施形態を示している。
この農用車輪1は、基本構成として、ボス2と、このボス2まわりに放射状に設けられる複数本(図例では3本)のスポーク3と、これらスポーク3によってリング状に保持されるリム4と、このリム4をゴム等の弾性材によって被覆することで形成さた弾性輪体5とを有しており、また弾性輪体5のまわりには、ラグ6が設けられたものである。
スポーク3及びリム4は金属製丸パイプにより形成されており、各スポーク3は、ボス2まわりで補強板7によって互いの開き角度が補強されている。
直進案内部8には所定間隔で凹部8aが形成されており、直進性及びエッジ効果が補助的に高められるようになっている。
一方、翼部9は、農用車輪1の回転方向(矢符X参照:なお図1中の白抜き矢符Yは進行方向を示す)に対する後部側に支え面9aが、また前部側に蹴り面9bが、それぞれ形成されており、その全体として、側面形状が三角形状乃至台形状を呈する側部張出部10を構成するようになっている。この側部張出部10の側面部分には、三角形状乃至台形状を呈する凹部11が形成されている。
このため、切欠部14に対応する容積分だけ、弾性材(ゴム)の使用量は確実に減少する。従って、農用車輪1としての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び製造コストの低廉化が図れるようになる。
のみならず、この切欠部14は、走行時において側部張出部10の縦方向の圧縮変形を可能にする。この作用は、ラグ6の翼部9に対し、所定の剛性を保持させたままで、ある程度の可撓性は許容させる、ということに繋がる。そのため、泥土の切れが良好になるという利点が得られることになる。
図3に示すように上記弾性輪体5において、その内周部には、幅方向中心から両側方へ向けて徐々に径大となる排泥用勾配を有した傾斜面16が設けられている。従って、この弾性輪体5の断面形状は、側部張出部10を除いたかたちで扇状を呈するようになっている。
そして、上記傾斜面16には、勾配基準線Pよりも内側へ凹ますようにして、複数の段差部17が形成されている。各段差部17は、弾性輪体5の周方向に連続した溝状を成している。すなわち、傾斜面16は、各段差部17が形成されることによって凸凹面になっている。
また、弾性輪体5が耕盤中へ沈下した場合、傾斜面16と、ここに付着する泥土との接触間に、段差部17に対応した空隙が幾つも生じるようになる。すなわち、このような空隙を生じたままで傾斜面16に付着した泥土は、付着力に乏しく、少しの振動等が加わっただけでも簡単に剥離するようになる。また付着量自体も抑えられるし、例えば農用機械を停止させたときにおける付着泥土の乾燥も早い。
更にこの第1実施形態の農用車輪1において、リム4は、弾性輪体5の幅に対して、その半分、好適例としては45%乃至55%、を占める幅に形成されている。具体的に言えば、弾性輪体5の幅寸法を95mmとするとき、リム4の直径は48.6mm(占有率は約51%)とした。なお、図3中に従来のリム206を二点鎖線で示しているように、従来のリム直径は、27.2mm又は31.8mm程度(弾性輪体5の幅に対する占有率は25%〜35%)であった。
図4乃至図6は、本発明に係る農用車輪1の第2実施形態を示している。
この第2実施形態についても、農用車輪1の基本構成となる部分は第1実施形態と同じであり、ボス2、スポーク3、リム4、弾性輪体5を有している。また弾性輪体5のまわりにはラグ6が設けられている。なお、このラグ6は、図5に示すように第1実施形態とは異なるラグパターンを有しており、直進案内部8に相当する部分及び翼部9に相当する部分のいずれもが、ブロック状に形成されたものとなっている。
この第2実施形態では、ボス2、スポーク3、及び補強板7が溶接により互いに一体化されていると共に、これとは別に、リム4に対して弾性材が被覆されたもの(即ち、弾性輪体5として独立したもの)が一体化されており、これら両者が、それぞれ略完成させられた後に、互いに適宜結合構造によって組み立てられた構成となっている。
ボス2を核とする一体品において、各スポーク3における径方向外方の端部には、弾性輪体5の内周部に沿って部分円弧状にカーブした連結片部20が設けられている。この連結片部20は、図6に示すようにスポーク3の素材とされるパイプ材の先端部を扁平又は径小に絞り、この部分へ平板素材を溶接によって固定することで形成してある。
このボス2を核とする一体品は、その全体が静電塗装等によって所定色(例えば、淡色
系統等)に着色された状態で、色の異なるもの複数種が、製造準備されている。このように静電塗装が施せるため、塗膜強度に優れ、且つ所望の配色にできることは言うまでもない。
これに対し、図4に示すように弾性輪体5の独立品において、その内部に埋設のリム4には、スポーク3の連結片部20に対応する周方向の複数箇所から、その径方向内方へフランジ部24が突設されている。このフランジ部24は、突設形状が連結片部20と略同大・同形状となるように形成されており、連結片部20との接合時に両者が丁度重なり合うようになっている。このフランジ部21は、図6に示すようにリム4の所定箇所に、2枚合わせにした平板素材を溶接によって固定することで形成してある。
フランジ部24の形状について更に詳しく説明すると(図4参照)、弾性輪体5の径方向外方寄りの幅、即ち、リム4の内周面に溶接された根元部の幅W2 は、径方向内方寄りの幅W1 に比べて小さくなるように形成されている。このことは、フランジ部24として使用される平板素材を軽量化しているだけでなく、リム4に弾性材を焼き付ける場合に、フランジ部24の根元部での弾性材の切れ(成形性)をよくするのに役立っている。
なお、弾性輪体5を製造する(即ち、ゴム焼き付けを行う)に際しては、リム4及びフランジ部24の一体品のうち、少なくともフランジ部24を予め着色しておくのが好ましい。このときの色は、ボス2を核とする一体品と同じ色とするのが最も好ましいものではあるが、別段、これに限定されるものではない。なぜなら、上記したようにフランジ部24はその略全部が連結片部20によって隠されるようになるためである。また、着色の方法としては、静電塗装等でもよいし、刷毛塗りや吹き付け塗装でもよい。
このような構成であるため、ボス2を核とする一体品と、弾性輪体5の独立品とは、それぞれ各別の場所(工場)で製作することが可能になる。そのため、少なくとも弾性輪体5を製造するに際しては、納入先にとらわれることなく共通仕様で大量生産を行う、ということができるようになる。従って、農用車輪1としての製造を、大幅に能率化することができる。
である。
のみならず、このように弾性輪体5を製造する場合に用いる加硫型(図示略)として、スポーク3やボス2等を保持させる部分を必要としないので、この加硫型の構造を簡潔化できるという、副次的効果もある。
また、連結片部20の厚み(弾性輪体5の周方向に直行する寸法)が扁平化によって薄くなっていることに伴い、これによって巻き上げられる泥土量を少なくできるという利点がある。すなわち、走行時に弾性輪体5の高位から泥土が落下することが防止されるので、耕盤に植え付けられた苗等が傷められるおそれも少なくなるものである。また、耕盤に対する走行抵抗を減らすうえでも有益となる。
なお、これら図7乃至図9に示した農用車輪1は第3実施形態であって、第2実施形態のものとは、弾性輪体5の内周側傾斜面16に、隔壁体30を嵌める環状内段部31が形成されている点のみが異なる。
この環状内段部31は、弾性輪体5の側面に対して隔壁体30の外周部が突出しないようになるので、隔壁体30が石等にぶつかって変形するのを防止できる利点がある。
隔壁体30は、ボス部2を嵌める中央開口部33を有する円板状に形成されており、その外周部は、上記した弾性輪体5の環状内段部31内に嵌合可能な大きさに形成されている。また、隔壁体30の外周部寄りには、連結片部20やフランジ部24の中央貫通孔21,25と合致可能なねじ孔34が、バーリング処理又はナットの溶着構造等を伴って形成されている。
なお、本実施形態では、補強のため、図7に示すようにボス2まわりに設けた補強板7にも貫通孔38を形成しておくと共に、隔壁板30にも、この貫通孔38に合致するねじ孔を形成し、これらをもボルト39によって結合させるようにした。
このようにして隔壁板30を取り付けると、例えば水田等を走行時において、スポーク3相互間を通って農用車輪1の内外を水流や泥土が行き来するのを、隔壁体30で防止することができる。そのため、この水流等により、耕盤に植え付けられた苗等が傷められるということはなくなる。
更に、図9に示すように農用機械42の前輪として用いられる農用車輪1へ隔壁体30を取り付けた場合には、農用機械42の旋回時に隔壁体30に泥土圧が作用し、この隔壁体30がかじの役目をして旋回力を高めるように作用するため、この点でも有益なものとなる。
図10は、本発明に係る農用車輪1の第4実施形態を示している。この第4実施形態は、第2又は第3実施形態と略同じであるが、スポーク3に対して連結片部20を設ける構造について、唯一、差異がある。
図11及び図12は、本発明に係る農用車輪1の第5実施形態を示している。この第5実施形態は、第2乃至第4実施形態と略同じ構成を有したものであるが、ベースとなる農用車輪1のタイプが、ラグ6として台形ラグ45と羽根ラグ46とを有した後輪用のものとされている点において各実施形態と相違する。その他の構成及び作用については略同じである。
ところで、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、これら以外にも、各種の変更等が可能である。
2 ボス
3 スポーク
4 リム
5 弾性輪体
6 ラグ
8 直進案内部
9 翼部
9a 支え面
9b 蹴り面
10 側部張出部
11 凹部
14 切欠部
16 傾斜面
17 段差部
20 連結片部
24 フランジ部
30 隔壁体
P 勾配基準線
Claims (6)
- ボス(2)と、該ボス(2)まわりに放射状に設けられる複数本のスポーク(3)と、これらスポーク(3)によってリング状に保持されるリム(4)と、該リム(4)を弾性材で被覆して形成された弾性輪体(5)とを有し、該弾性輪体(5)まわりにラグ(6)が設けられた農用車輪において、
前記ボス(2)及びスポーク(3)が、弾性輪体(5)によって被覆された後のリム(4)に対して後付け可能になされていることを特徴とする農用車輪。 - 前記ボス(2)及びスポーク(3)は互いに一体形成されており、所定色に着色されたもの複数種が製造準備されることを特徴とする請求項1記載の農用車輪。
- 前記スポーク(3)には径方向外方の端部に連結片部(20)が設けられており、前記リム(4)には、スポーク(3)の連結片部(20)に対応する周方向の複数箇所から径方向内方へ突出するフランジ部(24)が設けられており、これら連結片部(20)とフランジ部(24)とが互いに結合可能となされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の農用車輪。
- 前記スポーク(3)の連結片部(20)は、弾性輪体(5)の周方向に沿って扁平化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の農用車輪。
- 前記フランジ部(24)を利用して、弾性輪体(5)の内周部に沿った隔壁体(30)が着脱可能になされていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の農用車輪。
- 前記隔壁体(30)は、一体品又は複数部品の連接によってリング状に形成されていることを特徴とする請求項5記載の農用車輪。
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