JP2004042335A - 発泡製品とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発泡体表面に表皮材を強固に接着した発泡製品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】発泡体21の表面に塗布された接着剤31によって表皮材41が前記発泡体21の表面に接着された発泡製品10において、前記発泡体21の表面には孔形成具58を突き刺すことによって形成された接着剤侵入孔23を設け、前記接着剤侵入孔23に前記発泡体表面の接着剤31を侵入させて表皮材41と発泡体21を接着した。また、発泡製品10の製造は、発泡体21の表面に孔形成具58を突き刺して接着剤侵入孔23を形成し、前記接着剤侵入孔23が存在する発泡体表面に接着剤31を塗布し、その後に前記接着剤31を介して発泡体表面に表皮材41を積層し接着することにより行う。
【選択図】 図2
【解決手段】発泡体21の表面に塗布された接着剤31によって表皮材41が前記発泡体21の表面に接着された発泡製品10において、前記発泡体21の表面には孔形成具58を突き刺すことによって形成された接着剤侵入孔23を設け、前記接着剤侵入孔23に前記発泡体表面の接着剤31を侵入させて表皮材41と発泡体21を接着した。また、発泡製品10の製造は、発泡体21の表面に孔形成具58を突き刺して接着剤侵入孔23を形成し、前記接着剤侵入孔23が存在する発泡体表面に接着剤31を塗布し、その後に前記接着剤31を介して発泡体表面に表皮材41を積層し接着することにより行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発泡体の表面に表皮材が接着された発泡製品とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発泡体の表面に表皮材が接着された発泡製品は、種々の用途に使用されている。また、発泡製品の用途によっては、図9に示すように、基材71の表面に発泡体73が設けられ、その発泡体73の表面に表皮材75が接着された発泡製品70が使用されている。
【0003】
前記発泡製品の製造は、発泡体の表面に接着剤を塗布し、その後、前記接着剤を介在させて発泡体の表面に表皮材を積層し、前記接着剤で表皮材を発泡体に接着することにより行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記発泡製品においては、表皮材の接着強度が充分とは言い難い問題があった。特に、発泡原料をモールド(成形型)内に充填してモールド内形状に発泡させたモールド成形品からなる発泡体を用いた場合には、モールド成形された発泡体の表面が緻密になる等の理由により、あるいはモールド内面に塗布された離型剤が発泡体表面に付着する等の理由により、表皮材と発泡体間で接着強度不足を生じやすかった。
【0005】
この発明は、前記の点に鑑みなされたもので、発泡体表面に表皮材を強固に接着した発泡製品及びその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、発泡体の表面に塗布された接着剤によって表皮材が前記発泡体の表面に接着された発泡製品において、前記発泡体の表面には接着剤侵入孔が形成され、前記接着剤侵入孔に前記発泡体表面の接着剤が侵入していることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記発泡体がモールド成形品からなり、前記接着剤侵入孔が、モールド成形後の前記発泡体表面に対する穴開け加工により形成されたものであることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、発泡体の表面に表皮材を接着した発泡製品の製造方法において、前記発泡体の表面に接着剤侵入孔を形成し、前記接着剤侵入孔が存在する発泡体表面に接着剤を塗布し、その後に前記接着剤を介して発泡体表面に表皮材を積層し接着することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3において、前記発泡体がモールド成形品からなり、モールド成形後の前記発泡体表面に孔開け加工を行うことによって、前記接着剤侵入孔を形成することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明に係る一実施例の発泡製品についてその一部を示す斜視図、図2は図1の拡大断面図、図3はこの発明に係る発泡製品の製造方法について一実施例の製造工程を示す図、図4は同製造方法における発泡体成形時を示す断面図、図5は同製造方法における接着剤侵入孔形成時を示す断面図、図6は接着剤塗布時を示す断面図、図7は孔形成具の他例を示す斜視図、図8は図7の孔形成具で形成された接着剤侵入孔の平面図である。
【0011】
図1及び図2に示すこの発明の一実施例に係る発泡製品10は、自動車内装部品のセィフティパッドとして使用されるものであって、基材11の表面に発泡体21が積層一体化され、前記発泡体21の表面に塗布された接着剤31を介して表皮材41が発泡体21の表面に接着されている。
【0012】
基材11は金属、樹脂等適宜の材質とされるが、射出成形等、公知のプラスチック成形法で成形された樹脂製のものが一般的である。この実施例の基材11は、図5に示すように、円弧状に湾曲した形状からなって膨出面12に発泡体21が形成されるようになっている。なお、前記基材11は、発泡製品の用途によっては不要とされることもある。
【0013】
発泡体21は、適宜の材質で構成され、材質が限定されるものではないが、成形性、コスト面、さらには所望の弾性を得やすい等の理由でポリウレタン発泡体が好ましい。特には、所望形状のものを一定して得やすく、しかも硬さのコントロールが容易なモールド成形品からなる発泡体が好ましい。前記基材11と発泡体21との一体化は、後記するように発泡体のモールド成形時に前記基材11をモールド内にセットして発泡体を成形する、いわゆるインサート成形によって行うのが簡単である。また、前記発泡体21における表皮材接着側表面22は、通常のモールド成形時において多用される離型剤が付着していないのが好ましい。前記離型剤が付着しないようにするには、前記発泡体の配合を離型性の良好なものにしたり、モールド内面を離型剤の不要な材質にしたりして、前記モールド内面に離型剤を塗布しないようにする。
【0014】
前記発泡体21の表皮材接着側表面22には、接着剤侵入孔23が多数形成されている。前記接着剤侵入孔23は、孔開け加工により、例えば針あるいは先端が鋸刃状等となった孔形成具(孔形成用刺通具)を前記発泡体21の表皮材接着側表面22に突き刺すことによって形成されたものである。前記接着剤侵入孔23の形状、サイズ及び間隔(ピッチ)は適宜とされるが、図1及び図2に示す実施例の接着剤侵入孔23にあっては、孔径Dが1.0mm、深さLが5mm、接着剤侵入孔23の間隔Pが3〜4mmである。また、図8に示す他の例の発泡体21Aにおける接着剤侵入孔23Aは、幅D1が1mm、長さD2が2.5mm、深さが5mmの長方形筒状からなり、孔間隔P1が3mmである。
【0015】
接着剤31は、前記発泡体21の表皮材接着側表面22に塗布可能な液状のものとされ、前記発泡体21及び表皮材41の材質等によって最適のものが選択される。前記接着剤31の例としては、プレポリマーからなる1成分湿分硬化型ウレタン系接着剤や、末端NCO基を有する第1成分と活性水素原子を有する第2成分とよりなって両者を混合して使用する2成分反応型のポリウレタン系接着剤等を挙げることができる。前記接着剤31は、前記接着剤侵入孔23の形成された発泡体21の表皮材接着側表面22に塗布され、その際に前記接着剤侵入孔23内に侵入する。これによって、前記発泡体21に対する接着剤31の接着面積が増大し、しかも前記接着剤侵入孔23の部分ではアンカー効果が得られ、前記接着剤31が発泡体21の表皮材接着側表面22と強固に接着する。
【0016】
表皮材41は、ファブリック等、適宜の材質で構成され、前記接着剤31によって前記発泡体21の表皮材側表面22に接着固定されている。なお、前記表皮材41がファブリックの場合には、前記表皮材41の表面へ接着剤31が染み出さないように、ファブリックの織り目を細かくしたり、ファブリックの裏面にプラスチックフィルムを裏打ちしたりすることもある。
【0017】
前記発泡製品の製造方法について、その一例を説明する。図3に前記発泡製品10の製造工程一例を示す。まず、前記発泡製品10に用いられる基材11を、必要に応じて成形する。前記基材11の成形方法は、基材11の材質等に応じて射出成形等、最適なものが選択される。なお、この発泡製品に対する一連の製造工程とは別工程で予め基材を成形しておいてもよい。また、この基材の成形は、製造する発泡製品が基材を有しないものである場合には必要がない。
【0018】
次に前記発泡体21の成形を行う。この例では、図4に示すように、前記基材11をセットしたモールド51内にウレタン原料等の発泡原料Gを所要量充填し、前記発泡原料Gを発泡させることにより、前記発泡体21をモールド成形し、前記発泡体21の発泡成形時における接着性によって発泡体21と基材11とを一体にしている。前記モールド51の内面には、通常、離型剤が塗布されるが、前記発泡原料Gを離型性の良好なものにしたり、前記モールド51の少なくとも内面を離型性の良好なものにしたりして、前記離型剤を塗布しないようにするのが好ましい。図4における符号52はモールドの上型、53はモールドの下型である。なお、前記基材を有しない発泡製品を製造する場合には、前記基材をモールド51内にセットする必要がない。発泡終了後、前記基材11と発泡体21との一体品、あるいは基材1が無い場合には発泡体をモールド51から脱型する。また、前記発泡体21の成形はモールド成形に限られるものではなく、ブロック状に形成された発泡体から裁断等により所定形状の発泡体にしてもよい。
【0019】
前記発泡体の成形後、孔開け加工を行って接着剤侵入孔を形成する。図5の例では、まず、前記基材11と発泡体21との一体品を、前記発泡体21の表皮材接着側表面22が上向きとなるようにして保持台55に保持する。次いで、前記保持台55の上方に位置する昇降装置56に下向き取り付けられた孔形成具(孔形成刺通具)58を、前記発泡体21の表皮材接着側表面22に向けて下降させ、前記発泡体21の表皮材接着側表面22に突き刺すことにより、前記表皮材接着側表面22に前記接着剤侵入孔23を多数形成する。図示の孔形成具58は針状からなり、基板59の下面に多数植設されている。なお、前記孔形成具58は、適宜のサイズとされるが、この例では直径1mmのものが3mm間隔で基板59に植設され、また、前記発泡体21内への侵入深さが5mmとされている。
【0020】
次いで、前記接着剤侵入孔23が形成された前記発泡体21の表皮材接着側表面22に、前記接着剤31の塗布が行われる。前記接着剤31の塗布は、図6のようなスプレー塗布、あるいはロール塗布(図示せず)等、適宜の方法によって行われるが、スプレー塗布が作業性及び設備等の点から好ましい。前記接着剤塗布時、前記接着剤31は、前記発泡体21の表皮材接着側表面22に付着すると共に接着剤侵入孔23に侵入し付着する。
【0021】
その後、表皮材貼り込みを行う。この工程では、予め表皮材41を裁断等によって所要形状及びサイズにしておき、前記接着剤31を介して発泡体21の表皮材接着側表面22に積層し、前記接着剤31の硬化処理を行う。接着剤31の硬化処理は、接着剤31の種類に応じたものが行われる。例えば、前記接着剤31が1成分湿分硬化型ウレタン系接着剤の場合には、空気中の水分によって、あるいは水蒸気等の水分を吹き付けることによって接着剤の硬化が行われる。前記接着剤31の硬化によって図1に示した所望の発泡製品10が得られる。
【0022】
図7に他の孔形成具(孔形成刺通具)61の例を示す。図示の孔形成具61は、垂直な板状体62の下端63を鋸刃状に尖らせたものからなり、スペーサ64を介して所要枚数重ねられ、ボルト等の連結部品65で一体にされて使用される。図8には、前記孔形成具61を発泡体21Aの表皮材接着側表面22Aに突き刺すことによって形成された接着剤侵入孔23Aを示す。
【0023】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明の発泡製品及びその製造方法によれば、接着剤が塗布される発泡体の表面に接着剤侵入孔を形成したため、発泡体と接着剤との接着面積を増大させることができ、しかも接着剤侵入孔に接着剤が侵入し硬化することによって前記接着剤侵入孔部分で接着剤のアンカー効果(係止効果)が得られるので、発泡体表面での表皮材の接着強度を向上させることができる。
【0024】
さらに、発泡体がモールド成形品からなる場合には、従来では発泡体表面が緻密になったり、離型剤が発泡体表面に付着したりする等の理由によって、発泡体に対する表皮材の接着強度が不足しがちであったのが、この発明では、発泡体がモールド成形品であっても、発泡体表面に形成した接着剤侵入孔によって接着強度を高めることができる。特に離型剤が発泡体表面に付着している場合であっても、この発明によれば、モールド成形後の発泡体表面に孔開け加工を行うことによって接着剤侵入孔を形成するため、形成された接着剤侵入孔の内部は離型剤が付着していない状態になり、それによって前記接着剤侵入孔部分で接着剤と発泡体が強固に接着して表皮材と発泡体との接着強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る一実施例の発泡製品についてその一部を示す斜視図である。
【図2】図1の拡大断面図である。
【図3】この発明に係る発泡製品の製造方法について一実施例の製造工程を示す図である。
【図4】同製造方法における発泡体成形時を示す断面図である。
【図5】同製造方法における接着剤侵入孔形成時を示す断面図である。
【図6】接着剤塗布時を示す断面図である。
【図7】孔形成具の他例を示す斜視図である。
【図8】図7の孔形成具で形成された接着剤侵入孔の平面図である。
【図9】従来の発泡製品の断面図である。
【符号の説明】
10 発泡製品
11 基材
21 発泡体
23 接着剤侵入孔
31 接着剤
41 表皮材
58 孔形成具
【発明の属する技術分野】
この発明は、発泡体の表面に表皮材が接着された発泡製品とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発泡体の表面に表皮材が接着された発泡製品は、種々の用途に使用されている。また、発泡製品の用途によっては、図9に示すように、基材71の表面に発泡体73が設けられ、その発泡体73の表面に表皮材75が接着された発泡製品70が使用されている。
【0003】
前記発泡製品の製造は、発泡体の表面に接着剤を塗布し、その後、前記接着剤を介在させて発泡体の表面に表皮材を積層し、前記接着剤で表皮材を発泡体に接着することにより行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記発泡製品においては、表皮材の接着強度が充分とは言い難い問題があった。特に、発泡原料をモールド(成形型)内に充填してモールド内形状に発泡させたモールド成形品からなる発泡体を用いた場合には、モールド成形された発泡体の表面が緻密になる等の理由により、あるいはモールド内面に塗布された離型剤が発泡体表面に付着する等の理由により、表皮材と発泡体間で接着強度不足を生じやすかった。
【0005】
この発明は、前記の点に鑑みなされたもので、発泡体表面に表皮材を強固に接着した発泡製品及びその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、発泡体の表面に塗布された接着剤によって表皮材が前記発泡体の表面に接着された発泡製品において、前記発泡体の表面には接着剤侵入孔が形成され、前記接着剤侵入孔に前記発泡体表面の接着剤が侵入していることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記発泡体がモールド成形品からなり、前記接着剤侵入孔が、モールド成形後の前記発泡体表面に対する穴開け加工により形成されたものであることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、発泡体の表面に表皮材を接着した発泡製品の製造方法において、前記発泡体の表面に接着剤侵入孔を形成し、前記接着剤侵入孔が存在する発泡体表面に接着剤を塗布し、その後に前記接着剤を介して発泡体表面に表皮材を積層し接着することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3において、前記発泡体がモールド成形品からなり、モールド成形後の前記発泡体表面に孔開け加工を行うことによって、前記接着剤侵入孔を形成することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明に係る一実施例の発泡製品についてその一部を示す斜視図、図2は図1の拡大断面図、図3はこの発明に係る発泡製品の製造方法について一実施例の製造工程を示す図、図4は同製造方法における発泡体成形時を示す断面図、図5は同製造方法における接着剤侵入孔形成時を示す断面図、図6は接着剤塗布時を示す断面図、図7は孔形成具の他例を示す斜視図、図8は図7の孔形成具で形成された接着剤侵入孔の平面図である。
【0011】
図1及び図2に示すこの発明の一実施例に係る発泡製品10は、自動車内装部品のセィフティパッドとして使用されるものであって、基材11の表面に発泡体21が積層一体化され、前記発泡体21の表面に塗布された接着剤31を介して表皮材41が発泡体21の表面に接着されている。
【0012】
基材11は金属、樹脂等適宜の材質とされるが、射出成形等、公知のプラスチック成形法で成形された樹脂製のものが一般的である。この実施例の基材11は、図5に示すように、円弧状に湾曲した形状からなって膨出面12に発泡体21が形成されるようになっている。なお、前記基材11は、発泡製品の用途によっては不要とされることもある。
【0013】
発泡体21は、適宜の材質で構成され、材質が限定されるものではないが、成形性、コスト面、さらには所望の弾性を得やすい等の理由でポリウレタン発泡体が好ましい。特には、所望形状のものを一定して得やすく、しかも硬さのコントロールが容易なモールド成形品からなる発泡体が好ましい。前記基材11と発泡体21との一体化は、後記するように発泡体のモールド成形時に前記基材11をモールド内にセットして発泡体を成形する、いわゆるインサート成形によって行うのが簡単である。また、前記発泡体21における表皮材接着側表面22は、通常のモールド成形時において多用される離型剤が付着していないのが好ましい。前記離型剤が付着しないようにするには、前記発泡体の配合を離型性の良好なものにしたり、モールド内面を離型剤の不要な材質にしたりして、前記モールド内面に離型剤を塗布しないようにする。
【0014】
前記発泡体21の表皮材接着側表面22には、接着剤侵入孔23が多数形成されている。前記接着剤侵入孔23は、孔開け加工により、例えば針あるいは先端が鋸刃状等となった孔形成具(孔形成用刺通具)を前記発泡体21の表皮材接着側表面22に突き刺すことによって形成されたものである。前記接着剤侵入孔23の形状、サイズ及び間隔(ピッチ)は適宜とされるが、図1及び図2に示す実施例の接着剤侵入孔23にあっては、孔径Dが1.0mm、深さLが5mm、接着剤侵入孔23の間隔Pが3〜4mmである。また、図8に示す他の例の発泡体21Aにおける接着剤侵入孔23Aは、幅D1が1mm、長さD2が2.5mm、深さが5mmの長方形筒状からなり、孔間隔P1が3mmである。
【0015】
接着剤31は、前記発泡体21の表皮材接着側表面22に塗布可能な液状のものとされ、前記発泡体21及び表皮材41の材質等によって最適のものが選択される。前記接着剤31の例としては、プレポリマーからなる1成分湿分硬化型ウレタン系接着剤や、末端NCO基を有する第1成分と活性水素原子を有する第2成分とよりなって両者を混合して使用する2成分反応型のポリウレタン系接着剤等を挙げることができる。前記接着剤31は、前記接着剤侵入孔23の形成された発泡体21の表皮材接着側表面22に塗布され、その際に前記接着剤侵入孔23内に侵入する。これによって、前記発泡体21に対する接着剤31の接着面積が増大し、しかも前記接着剤侵入孔23の部分ではアンカー効果が得られ、前記接着剤31が発泡体21の表皮材接着側表面22と強固に接着する。
【0016】
表皮材41は、ファブリック等、適宜の材質で構成され、前記接着剤31によって前記発泡体21の表皮材側表面22に接着固定されている。なお、前記表皮材41がファブリックの場合には、前記表皮材41の表面へ接着剤31が染み出さないように、ファブリックの織り目を細かくしたり、ファブリックの裏面にプラスチックフィルムを裏打ちしたりすることもある。
【0017】
前記発泡製品の製造方法について、その一例を説明する。図3に前記発泡製品10の製造工程一例を示す。まず、前記発泡製品10に用いられる基材11を、必要に応じて成形する。前記基材11の成形方法は、基材11の材質等に応じて射出成形等、最適なものが選択される。なお、この発泡製品に対する一連の製造工程とは別工程で予め基材を成形しておいてもよい。また、この基材の成形は、製造する発泡製品が基材を有しないものである場合には必要がない。
【0018】
次に前記発泡体21の成形を行う。この例では、図4に示すように、前記基材11をセットしたモールド51内にウレタン原料等の発泡原料Gを所要量充填し、前記発泡原料Gを発泡させることにより、前記発泡体21をモールド成形し、前記発泡体21の発泡成形時における接着性によって発泡体21と基材11とを一体にしている。前記モールド51の内面には、通常、離型剤が塗布されるが、前記発泡原料Gを離型性の良好なものにしたり、前記モールド51の少なくとも内面を離型性の良好なものにしたりして、前記離型剤を塗布しないようにするのが好ましい。図4における符号52はモールドの上型、53はモールドの下型である。なお、前記基材を有しない発泡製品を製造する場合には、前記基材をモールド51内にセットする必要がない。発泡終了後、前記基材11と発泡体21との一体品、あるいは基材1が無い場合には発泡体をモールド51から脱型する。また、前記発泡体21の成形はモールド成形に限られるものではなく、ブロック状に形成された発泡体から裁断等により所定形状の発泡体にしてもよい。
【0019】
前記発泡体の成形後、孔開け加工を行って接着剤侵入孔を形成する。図5の例では、まず、前記基材11と発泡体21との一体品を、前記発泡体21の表皮材接着側表面22が上向きとなるようにして保持台55に保持する。次いで、前記保持台55の上方に位置する昇降装置56に下向き取り付けられた孔形成具(孔形成刺通具)58を、前記発泡体21の表皮材接着側表面22に向けて下降させ、前記発泡体21の表皮材接着側表面22に突き刺すことにより、前記表皮材接着側表面22に前記接着剤侵入孔23を多数形成する。図示の孔形成具58は針状からなり、基板59の下面に多数植設されている。なお、前記孔形成具58は、適宜のサイズとされるが、この例では直径1mmのものが3mm間隔で基板59に植設され、また、前記発泡体21内への侵入深さが5mmとされている。
【0020】
次いで、前記接着剤侵入孔23が形成された前記発泡体21の表皮材接着側表面22に、前記接着剤31の塗布が行われる。前記接着剤31の塗布は、図6のようなスプレー塗布、あるいはロール塗布(図示せず)等、適宜の方法によって行われるが、スプレー塗布が作業性及び設備等の点から好ましい。前記接着剤塗布時、前記接着剤31は、前記発泡体21の表皮材接着側表面22に付着すると共に接着剤侵入孔23に侵入し付着する。
【0021】
その後、表皮材貼り込みを行う。この工程では、予め表皮材41を裁断等によって所要形状及びサイズにしておき、前記接着剤31を介して発泡体21の表皮材接着側表面22に積層し、前記接着剤31の硬化処理を行う。接着剤31の硬化処理は、接着剤31の種類に応じたものが行われる。例えば、前記接着剤31が1成分湿分硬化型ウレタン系接着剤の場合には、空気中の水分によって、あるいは水蒸気等の水分を吹き付けることによって接着剤の硬化が行われる。前記接着剤31の硬化によって図1に示した所望の発泡製品10が得られる。
【0022】
図7に他の孔形成具(孔形成刺通具)61の例を示す。図示の孔形成具61は、垂直な板状体62の下端63を鋸刃状に尖らせたものからなり、スペーサ64を介して所要枚数重ねられ、ボルト等の連結部品65で一体にされて使用される。図8には、前記孔形成具61を発泡体21Aの表皮材接着側表面22Aに突き刺すことによって形成された接着剤侵入孔23Aを示す。
【0023】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明の発泡製品及びその製造方法によれば、接着剤が塗布される発泡体の表面に接着剤侵入孔を形成したため、発泡体と接着剤との接着面積を増大させることができ、しかも接着剤侵入孔に接着剤が侵入し硬化することによって前記接着剤侵入孔部分で接着剤のアンカー効果(係止効果)が得られるので、発泡体表面での表皮材の接着強度を向上させることができる。
【0024】
さらに、発泡体がモールド成形品からなる場合には、従来では発泡体表面が緻密になったり、離型剤が発泡体表面に付着したりする等の理由によって、発泡体に対する表皮材の接着強度が不足しがちであったのが、この発明では、発泡体がモールド成形品であっても、発泡体表面に形成した接着剤侵入孔によって接着強度を高めることができる。特に離型剤が発泡体表面に付着している場合であっても、この発明によれば、モールド成形後の発泡体表面に孔開け加工を行うことによって接着剤侵入孔を形成するため、形成された接着剤侵入孔の内部は離型剤が付着していない状態になり、それによって前記接着剤侵入孔部分で接着剤と発泡体が強固に接着して表皮材と発泡体との接着強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る一実施例の発泡製品についてその一部を示す斜視図である。
【図2】図1の拡大断面図である。
【図3】この発明に係る発泡製品の製造方法について一実施例の製造工程を示す図である。
【図4】同製造方法における発泡体成形時を示す断面図である。
【図5】同製造方法における接着剤侵入孔形成時を示す断面図である。
【図6】接着剤塗布時を示す断面図である。
【図7】孔形成具の他例を示す斜視図である。
【図8】図7の孔形成具で形成された接着剤侵入孔の平面図である。
【図9】従来の発泡製品の断面図である。
【符号の説明】
10 発泡製品
11 基材
21 発泡体
23 接着剤侵入孔
31 接着剤
41 表皮材
58 孔形成具
Claims (4)
- 発泡体の表面に塗布された接着剤によって表皮材が前記発泡体の表面に接着された発泡製品において、
前記発泡体の表面には接着剤侵入孔が形成され、前記接着剤侵入孔に前記発泡体表面の接着剤が侵入していることを特徴とする発泡製品。 - 前記発泡体がモールド成形品からなり、前記接着剤侵入孔が、モールド成形後の前記発泡体表面に対する穴開け加工により形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の発泡製品。
- 発泡体の表面に表皮材を接着した発泡製品の製造方法において、前記発泡体の表面に接着剤侵入孔を形成し、前記接着剤侵入孔が存在する発泡体表面に接着剤を塗布し、その後に前記接着剤を介して発泡体表面に表皮材を積層し接着することを特徴とする発泡製品の製造方法。
- 前記発泡体がモールド成形品からなり、モールド成形後の前記発泡体表面に孔開け加工を行うことによって、前記接着剤侵入孔を形成することを特徴とする請求項3に記載の発泡製品の製造方法。
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