JP2004042015A - ヘテロ環状化合物の開環付加反応用重金属触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】エステル交換反応等の副反応の極めて少ない開環付加反応用金属触媒を提供する。
【解決手段】カルボニル基及び/又はチオカルボニル基を含有する活性水素化合物(a)に対するヘテロ環状化合物(b)の開環付加反応用金属触媒であって、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ルテニウム及びオスミウムからなる群より選ばれる重金属元素を有してなることを特徴とする重金属触媒を用いる。なお、活性水素化合物(a)がカルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、イミド、カルボン酸塩、チオカルボン酸、チオカルボン酸エステル、チオカルボン酸アミド、チオカルボン酸イミド、チオカルボン酸塩、カルボセレン酸、カルボセレノチオ酸、カルボセレン酸塩、カルボセレノチオ酸塩及び一般式(1)で表される化合物からなる群より選ばれる化合物であることが好ましい。 R1−CO2(R2Y)n−H (1)
【選択図】なし
【解決手段】カルボニル基及び/又はチオカルボニル基を含有する活性水素化合物(a)に対するヘテロ環状化合物(b)の開環付加反応用金属触媒であって、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ルテニウム及びオスミウムからなる群より選ばれる重金属元素を有してなることを特徴とする重金属触媒を用いる。なお、活性水素化合物(a)がカルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、イミド、カルボン酸塩、チオカルボン酸、チオカルボン酸エステル、チオカルボン酸アミド、チオカルボン酸イミド、チオカルボン酸塩、カルボセレン酸、カルボセレノチオ酸、カルボセレン酸塩、カルボセレノチオ酸塩及び一般式(1)で表される化合物からなる群より選ばれる化合物であることが好ましい。 R1−CO2(R2Y)n−H (1)
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘテロ環状化合物の開環付加反応用重金属触媒に関する。さらに詳しくはカルボニルオキシ基含有活性水素化合物に対するヘテロ環状化合物の高選択的開環付加反応用重金属触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
カルボニルオキシ基含有活性水素化合物(カルボン酸及び活性水素含有カルボン酸エステル等)ヘテロ環状化合物を選択的に開環付加できる触媒としては、ルイス酸触媒(例えば、トリフルオロホウ素、トリクロロアルミニウム、トリクロロバナジウム、テトラクロロチタン、トリクロロ鉄及びテトラクロロジルコニウム等)が知られている{「講座重合反応論6、開環重合I、三枝武夫、化学同人」、「S.Inoue、T.Aida、”Cyclic Ether”、Ring Opening Polymerization、Elservier Applied Science Publishers、London、1984」等}。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら公知のルイス酸触媒を用いても、開環付加反応の選択性が低く、副生成物の含有量が問題となるケースが多い。すなわち、例えば、トリフルオロホウ素を用いて、アクリル酸1モルとエチレンオキシド1モルとを開環付加させると、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)以外に、オキシエチレンジアクリレートが生成物全体の約0.3重量%生成する。よって、例えば、この生成物を重合単量体として使用したとき、所望のポリマーが得られない場合がある。従って、従来の触媒を用いた場合、副生成物を除去するために、蒸留等の煩雑な分離精製操作(特開昭63−41440号公報及び特開昭63−41514号公報等)を行なわなければならないという問題がある。
すなわち、本発明の目的は、カルボニル基若しくはチオカルボニル基を含有する活性水素化合物にヘテロ環状化合物を高選択的に開環付加させ、副生成物の極めて少ない開環付加体を得ることのできる重金属触媒を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の重金属触媒を用いることにより、ヘテロ環状化合物が極めて高い選択性で付加反応し得ることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の重金属触媒の特徴は、カルボニル基及び/又はチオカルボニル基を含有する活性水素化合物(a)に対するヘテロ環状化合物(b)の開環付加反応用金属触媒であって、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ルテニウム及びオスミウムからなる群より選ばれる重金属元素を有してなる点を要旨とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の重金属触媒に含有する重金属元素のうち、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、ルテニウム及びオスミウムが好ましく、さらに好ましくはジルコニウム及びハフニウム、特に好ましくはハフニウムである。
これらの重金属元素を用いると、活性水素化合物(a)とヘテロ環状化合物(b)とが選択的に反応し、エステル交換反応のような副反応が起こりにくい。
【0006】
これらの重金属元素の価数は、0〜7価が好ましく、さらに好ましくは1〜6価、特に好ましくは2〜5価、さらに特に好ましくは3〜4価、最も好ましくは4価である。
重金属元素別に使用できる価数としては、例えば、ジルコニウム(0、I、II、IV)、ハフニウム(0、I、II、IV)、ニオブ(0、I、II、IV、V)、タンタル(0、I、II、IV、V)、モリブデン(0、I、II、IV、V、VI)、タングステン(0、I、II、IV、V、VI、VII)、ルテニウム(0、I、II、IV、V、VI)及びオスミウム(0、I、II、IV、V、VI)等が挙げられる。
【0007】
これらのうち、ジルコニウム(I、II、IV)、ハフニウム(I、II、IV)、ニオブ(I、II、IV)、タンタル(III、IV、V)、モリブデン(II、III、IV、V、VI)、タングステン(II、III、IV、V、VI)、ルテニウム(II、III、IV、V、VI、VII)及びオスミウム(I、II、III、IV、V、VI、VII)が好ましく、さらに好ましくはジルコニウム(II、IV)、ハフニウム(II、IV)、ニオブ(III、V)、タンタル(III、V)、モリブデン(V、VI)、タングステン(V、VI)、ルテニウム(II、III、V)及びオスミウム(II、III、V)、特に好ましくはジルコニウム(IV)、ハフニウム(IV)、ニオブ(V)、タンタル(V)、モリブデン(VI)、タングステン(VI)、ルテニウム(III)及びオスミウム(III)である。なお、これらの金属の価数は、配位子の種類によって配位子の数とは一致しない場合がある。
【0008】
本発明の重金属触媒には、重金属元素以外に、配位子及び/又は対イオン等が含まれていてもよく、配位子及び対イオンが含まれていることが好ましく、配位子が含まれていることがさらに好ましい。なお、配位子とは、重金属触媒(錯体)中で重金属原子に主として配位結合している原子団又は原子を意味する。
一方、対イオンとは、重金属原子に主としてイオン結合している多原子イオン又は単原子イオンを意味する。また、配位結合及びイオン結合といっても、何れか一方の結合のみではなく、これらの結合の両方を含んでいてもよい。
【0009】
配位子としては、無機配位子及び有機配位子の何れの配位子をも使用できる。また、2以上の配位子を使用する場合は、それぞれ同じ配位子でも異なった配位子でもよく、配位子同士がそれぞれ結合していてもよい。
【0010】
無機配位子としては、特に制限なく公知のものが使用でき、例えば、アンミン(NH3)、アクア(H2O)、シアノ(CN)、カルボニル(CO)、ニトロシル(NO)、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、沃素(I)、ヒドロキシ(HO)、チオシアナト(−SCN)及びチオイソシアナト(−NCS)等が挙げられる。
【0011】
有機配位子としては、単座配位子、2座配位子、3座配位子及び4座配位子等が使用できる。
単座配位子としては、置換基タイプの配位子(炭化水素基及びアルコキシル等)及び化合物タイプの配位子{エーテル、不飽和炭化水素(π電子が配位する)及びアミン等}が用いられる。なお、置換基タイプの配位子とは、分子軌道上のオクテットを完成していない遊離基を意味し、ラジカル及びイオンを含む。また、化合物タイプの配位子とは、分子軌道上のオクテットを完成している化合物であって、孤立電子対及び/又はπ電子を有する化合物を意味し、窒素原子、酸素原子、リン原子若しくは硫黄原子及び/又は不飽和結合を有する化合物が含まれる。また、化合物タイプの配位子であっても配位原子に結合した水素原子が除かれたときなどには置換基タイプの配位子として用いることができる。
【0012】
炭化水素基としては、例えば、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル及びシクロアルケニル等が使用できる。
アルキルとしては、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等(アルコキシ及びアリールは、さらにニトロ、シアノ及び/又はハロゲン等で置換されてもよい。以下同じである。)で置換されてもよい炭素数1〜34のアルキル等が用いられ、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、sec−ヘキシル、ヘプチル、sec−ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、sec−オクチル、ノニル、sec−ノニル、デシル、sec−デシル、ウンデシル、sec−ウンデシル、ドデシル、sec−ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、sec−トリデシル、テトラデシル、sec−テトラデシル、ヘキサデシル、sec−ヘキサデシル、ステアリル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル、イソステアリル、パーフルオロブチル、パーフルオロエイコシル、エトキシメチル、シクロヘキセニルエチル、ニトロペンチル、シアノドデシル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル及びトリチル等が挙げられる。
【0013】
アルケニルとしては、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20のアルケニル等が用いられ、例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル、エイコセニル及びジクロロビニル等が挙げられる。
【0014】
アリールとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20のアリール等が用いられ、例えば、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、メシチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、t−ブチルフェニル、1,3,5−トリメチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、p−クミルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、ペンタフルオロフェニル、ヘプチルフルオロナフチル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメチルナフチル、パーフルオロメチルフェニル、3−メチルテトラフルオロフェニル、p−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル、3,5−ジメチルトリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロメチルフェニル、3,5−ジ[t−ブチル]フェニル、2,3,5−トリメチルフェニル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、アセナフチレニル、ビフェニレニル、ナフタセニル、ピレニル、トリフェニレニル及びパーフルオロ3,4,5−トリプロピルフェニル等が挙げられる。
【0015】
シクロアルキルとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数5〜20のシクロアルキル等が用いられ、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、ドデシルシクロへキシル、2,3,4−トリプロピルシクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、3,5−ジメチルシクロヘキシル、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル及びパーフルオロシクロヘキシル等が挙げられる。
【0016】
シクロアルケニルとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数5〜20のシクロアルケニル等が用いられ、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル、ドデシルシクロへキセニル、シクロオクテニル、2,3,4−トリメチルシクロヘキセニル及びジクロロシクロペンチル等が挙げられる。
【0017】
アルコキシルとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20のアルコキシル基等が用いられ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシル、n−オクタデシルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ、シクロヘキシルメトキシ、2−エトキシエトキシ、3−メトキシプロポキシ、3−エトキシプロポキシ、3−n−プロポキシプロポキシ、3−n−ブトキシプロポキシ、3−n−ヘキシルオキシプロポキシ、2−メトキシエトキシエトキシ、2−フェノキシメトキシ、2−フェノキシエトキシ、エイコシルオキシ、3−クロロプロポキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、トリフルオロメトキシ及びパーフルオロデシルオキシ等が挙げられる。
【0018】
エーテルとしては、アルキル、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜60のエーテル等が用いられ、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジn−アミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルn−アミルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテル、アニソール、フェネトール、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェニルベンジルエーテル、α−ナフチルメチルエーテル、β−ナフチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ドデシルフェニルエーテル、ドデシルナフチルエーテル、パークロロジメチルエーテル、エチルシクロヘキセニルエーテル、エチルシアニドメチルエーテル、12−4クラウンエーテル、15−4クラウンエーテル、15−5クラウンエーテル、18−6クラウンエーテル、ジベンゾ−18−6クラウンエーテル、ジ(トリフェナントリル)ジノニル−18−6クラウンエーテル及びペルヒドロジベンゾ−18−6クラウンエーテル等が挙げられる。
【0019】
不飽和炭化水素(π電子が配位する)としては、オレフィン及び芳香族炭化水素等が使用できる。
オレフィンとしては、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20のオレフィン等が用いられ、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、ペンテン、イソペンテン、イソペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、テトラデセン、オクタデセン、エイコセン、ジクロロエチレン、ニトロペンテン、3−シアノシクロヘキセン及びシクロペンテン等が挙げられる。
【0020】
芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン、シクロペンタジエン及びシクロオクテン等が挙げられる。
【0021】
アミンとしては、アルキルアミン及び環状アミン等が使用できる。
アルキルアミンとしては、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭化数1〜20のアルキル基を有するアミン等が用いられ、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジテトラデシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、1−エチルプロピルアミン、テトラクロロジエチルアミン、ジビニルアミン及びニトロベンジルアミン等が挙げられる。
【0022】
環状アミンとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数4〜20のアミン等が用いられ、例えば、アニリン、パラクロロアニリン、o−トルイルアミン、2,3−キシリノアミン、3,4−キシリノアミン、α,α’−ジメチルピロール、ジメチルアニリン、メチルエチルアニリン、ピリジン、ベンゾキノリノアミン、ジフェニルアミン、メチルフェニルアミン、エチルフェニルアミン、3,4−ジペンチルアニリン、1−ピロリジン、3−メチル−1−ピペリジン、1−ピロリン、1−インドリン、1−ピペリジン、1−ピペラジン、4−メチル−1−ピペラジン、1−イミダゾリジン及びモルホリン等が挙げられる。
【0023】
2座配位子としては、化合物タイプの配位子{ジエン、芳香族炭化水素(π電子が配位する)、ジアミン及びアミン変性体等}及び置換基タイプの配位子(ジオキシ等)が用いられ、この他に配位原子が異なる2座配位子等も用いられる。
ジエンとしては、アルコキシ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数4〜20のジエン等が用いられ、例えば、ブタジエン、シクロペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン、シクロオクタジエン、デカジエン、オクタデカジエン及び3−ノニル6−エチルデカ1,9−ジエン等が挙げられる。
【0024】
芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン及びシクロペンタシクロオクテン等が挙げられる。
【0025】
ジアミンとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20のジアミン等が用いられ、例えば、フェナントロリン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、o−トリジン、インダゾール、ビピリジル、バソクプロイン及びベンジジン等が挙げられる。
【0026】
アミン変性体としては、炭素数1〜30のオキシム等が用いられ、ジメチルグリオキシム、シクロヘキサン−1,2−ジオンジオキシム及びベンジル−1,4−ジオンジオキシム等が挙げられる。
【0027】
ジオキシとしては、炭素数2〜20のジオキシ等が用いられ、例えば、エチレングリコキシ、プロピレングリコキシ、ブチレングリコキシ、1,8−オクタンジオキシ、2,8−デカンジオキシ、カテコキシ及び2,18−エイコサンジオキシ等が挙げられる。
【0028】
配位原子の異なる2座配位子としては、配位原子が窒素と酸素、窒素と硫黄、又は硫黄と酸素である配位子等が使用できる。
配位原子が窒素と酸素である配位子(N−O配位子)としては、炭素数3〜20の環状化合物等が用いられ、例えば、化合物タイプの3−キノリン酢酸、N−メチルインデン−2−カルバミド酸、イソキサゾール、フェノキサジン、ベンゾオキサジン、アミノピリジン及びピリドン等が挙げられる。
【0029】
配位原子が窒素と硫黄である配位子(N−S配位子)としては、炭素数3〜20の化合物タイプの配位子等が用いられ、例えば、2−キノリンチオール、1,3−チアゾール、フェニルピペリジニルスルフィド、アミノチオフェノール、アミノピリジン、ベンゾチアゾリン、4,7−ヒドロエピチオインドール及びジチゾン等が挙げられる。
【0030】
配位原子が硫黄と酸素である配位子(S−O配位子)としては、炭素数3〜20の化合物タイプの配位子等が用いられ、例えば、チオホルミル安息香酸、チエノ[2,3−b]フラン及びオエノ[2,3−b]フラン及びオキサチオラン等が挙げられる。
【0031】
3座配位子としては、化合物タイプの配位子{トリエン、芳香族炭化水素(π電子が配位する)及びトリアミン}等が用いられる。
トリエンとしては、炭素数6〜20のトリエン等が用いられ、例えば、ヘキサトリエン、オクタトリエン、シクロオクタトリエン及びエイコサトリエン等が挙げられる。
【0032】
芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン及びシクロペンタシクロオクテン等が挙げられる。
【0033】
トリアミンとしては、炭素数4〜20のトリアミン等が用いられ、例えば、ジエチレントリアミン、N,N’−ジエチルジエチレントリアミン、N,N’−ジフェニルジエチレントリアミン、スペルミジン、2,2’:6’,2”−テルピリジン及び1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0034】
4座配位子としては、化合物タイプの配位子{ポリエーテル、芳香族炭化水素(π電子が配位する)及びテトラアミン}等が用いられる。
ポリエーテルとしては、炭素数8〜60のクラウンエーテル等が用いられ、例えば、12−4クラウンエーテル、15−4クラウンエーテル、15−5クラウンエーテル、18−6クラウンエーテル、ジベンゾ−18−6クラウンエーテル、ジ(トリフェナントリル)ジノニル−18−6クラウンエーテル及びペルヒドロジベンゾ−18−6クラウンエーテル等が挙げられる。
【0035】
芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン及びシクロペンタシクロオクテン等が挙げられる。
【0036】
テトラアミンとしては、炭素数6〜200のテトラアミン等が用いられ、例えば、サイクラム(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン)、ポリフィリン、エチオポルフィリン、メソポルフィリン、プロトポルフィリン、ヘマトポルフィリン、ウロポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、メソテトラフェニルオクタエチルポルフィリン、メソテトラフェニルポルフィリン、α、β−ナフチルオクタエチルポルフィリン、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、1,1,2,2−テトラメチルエチレンジアミン、メソテトラフェナントリル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタデカンカルボン酸ポルフィリン及びフタロシアニン等が挙げられる。
【0037】
これらの有機配位子のうち、炭化水素基、アルコキシル及びエーテルが好ましく、さらに好ましくはアルキル、アルコキシル及びエーテル、特に好ましくはアルコキシル及びエーテル、最も好ましくはエーテルである。
【0038】
対イオンとしては、重金属元素の電荷又は重金属元素を含む錯イオンの電荷と反対の電荷を持つ陽イオン又は陰イオンが用いられる。なお、対イオンは置換基タイプの配位子として配位されてもよく、また対イオンと置換基タイプの配位子とを厳密に区別するものでもない。
【0039】
陽イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、オニウムイオン、錯イオン及び水素イオン(プロトン)等が用いられる。
アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオン等が挙げられる。
アルカリ土類金属イオンとしては、例えば、マグネシウムイオン及びカルシウムイオン等が挙げられる。
【0040】
オニウムイオンとしては、アンモニウムイオン及びホスホニウムイオン等が挙げられる。
アンモニウムイオンとしては、炭素数1〜20の1級アミンから誘導されるアンモニウムイオン(メチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ブチルアンモニウムイオン、イソブチルアンモニウムイオン、フェニルアンモニウムイオン及びベンジルアンモニウムイオン等)、炭素数2〜20の2級アミンから誘導されるアンモニウムイオン(ジメチルアンモニウムイオン、メチルエチルアンモニウムイオン、ブチルエチルアンモニウムイオン、フェニルメチルアンモニウムイオン、ジフェニルアンモニウムイオン及びジナフチルアンモニウムイオン)、炭素数3〜20の3級アミンから誘導されるアンモニウムイオン(トリメチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、メチルジエチルアンモニウムイオン、トリフェニルアンモニウムイオン及びメチルジフェニルアンモニウムイオン等)、並びに炭素数4〜20の4級アンモニウムイオン(テトラメチルアンモニウムイオン、トリメチルエチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、ジエチルジブチルアンモニウムイオン、テトラフェニルアンモニウムイオン、トリフェニルメチルアンモニウムイオン及びトリエチルナフチルアンモニウムイオン等)等が挙げられる。
【0041】
ホスホニウムイオンとしては、炭素数1〜20の1級ホスフィンから誘導されるホスホニウムイオン(メチルホスホニウムイオン、エチルホスホニウムイオン、ブチルホスホニウムイオン、イソブチルホスホニウムイオン、フェニルホスホニウムイオン及びベンジルホスホニウムイオン等)、炭素数2〜20の2級ホスフィンから誘導されるホスホニウムイオン(ジメチルホスホニウムイオン、メチルエチルホスホニウムイオン、ブチルエチルホスホニウムイオン、フェニルメチルホスホムイオン、ジフェニルホスホニウムイオン及びジナフチルホスホニウムイオン)、炭素数3〜20の3級ホスフィンから誘導されるホスホニウムイオン(トリメチルホスホニウムイオン、トリエチルホスホニウムイオン、メチルジエチルホスホニウムイオン、トリフェニルホスホニウムイオン及びメチルジフェニルホスホニウムイオン等)、並びに炭素数4〜20の4級ホスホニウムイオン(テトラメチルホスホニウムイオン、トリメチルエチルホスホニウムイオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラプロピルホスホニウムイオン、ジエチルジブチルホスホニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムイオン、トリフェニルメチルホスホニウムイオン及びトリエチルナフチルホスホニウムイオン等)等が挙げられる。
【0042】
錯イオンとしては、トリメチルアルミニウムクロル酸イオン、テトラクロロ白金酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラン酸イオン等が挙げられる。
これらの陽イオンのうち、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン及びホスホニウムイオンが好ましく、さらに好ましくはアンモニウムイオン及びホスホニウムイオン、最も好ましくはホスホニウムイオンである。
【0043】
陰イオンとしては、ハロゲンイオン、多原子陰イオン、有機酸イオン、錯イオン及び水素イオン(ヒドリド)等が用いられる。
ハロゲンイオンとしては、例えば、フッ素イオン、塩素イオン及び臭素イオン等が挙げられる。
多原子陰イオンとしては、例えば、亜硝酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸イオン、次亜塩素酸イオン、亜臭素酸イオン、ヨウ素酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、リン酸イオン及びリン酸水素イオン等が挙げられる。
【0044】
有機酸イオンとしては、炭素数1〜20のカルボン酸イオン、炭素数1〜20のスルホン酸イオン、炭素数1〜20の硫酸エステルイオン及び炭素数1〜20のリン酸エステルイオン等が用いられる。
カルボン酸イオンとしては、モノカルボン酸イオン(例えば、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、オクタン酸イオン、2−エチルヘキサン酸イオン、オクタデカン酸イオン及びエイコサン酸イオン等)、ジカルボン酸イオン(例えば、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、アジピン酸イオン、セバシン酸イオン及びマレイン酸イオン等)、トリカルボン酸イオン(例えば、ヘキサントリカルボン酸イオン及びベンジルトリカルボン酸イオン等)、テトラカルボン酸イオン(例えば、オクタントリカルボン酸イオン及びトリメリット酸イオン等)、オキシカルボン酸イオン(例えば、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、オキシベンゼンカルボン酸イオン及びオキシナルフタレンカルボン酸イオン等)等が挙げられる。
【0045】
スルホン酸イオンとしては、脂肪族スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、プロピルスルホン酸イオン、iso−ブチルスルホン酸イオン、sec−ブチルスルホン酸イオン、t−ブチルスルホン酸イオン、ペンチルスルホン酸イオン、iso−ペンチルスルホン酸イオン、sec−ペンチルスルホン酸イオン及びトリフルオロメタンスルホン酸イオン等)、及び芳香族スルホン酸イオン(例えば、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ベンゼンジスルホン酸イオン及びナフタレンジスルホン酸イオン等)等が挙げられる。
【0046】
硫酸エステルイオンとしては、芳香族炭化水素基を含有するアルコールとの硫酸エステルイオン(例えばベンジルアルコキシ硫酸エステルイオン、2,4−メチルベンジルアルコキシ硫酸エステルイオン及びナフチルアルコキシ硫酸エステルイオン等) 、脂肪族炭化水素基を含有するアルコールである硫酸エステルイオン(メトキシ硫酸エステルイオン、エトキシ硫酸エステルイオン、ブトキシ硫酸エステルイオン及びiso−ブチルアルコキシ硫酸エステルイオン等)等が挙げられる。
【0047】
リン酸エステルイオンとしては、モノリン酸エステルイオン(例えば、メチルモノリン酸エステルイオン、エチルモノリン酸エステルイオン、プロピルリン酸エステルイオン、ブチルリン酸エステルイオン及びベンジルリン酸エステルイオン等)、リン酸ジエステルイオン(例えば、メチルエチルリン酸エステルイオン、ジエチルリン酸エステルイオン及びジフェニルリン酸エステルイオン等)、次リン酸エステルイオン(例えば、メチル次リン酸エステルイオン、エチル次リン酸エステルイオン、ジメチル次リン酸エステルイオン及びジフェニルリン酸エステルイオン等が挙げられる。
これらの陰イオンのうち、ハロゲンイオン、多原子陰イオン及び有機酸イオンが好ましく、さらに好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機酸イオン、特に好ましくはハロゲンイオン、リン酸イオン及びカルボン酸イオン、最も好ましくはハロゲンイオン及びカルボン酸イオンである。
【0048】
本発明の重金属触媒に配位子を含む場合、重金属触媒の配位構造としては、2配位、3配位、4配位、5配位又は6配位の構造の何れでもよいが、3配位、4配位、5配位又は6配位の構造が好ましく、さらに好ましくは3配位、4配位又は6配位の構造、特に好ましくは4配位又は6配位の構造、最も好ましくは6配位構造である。
【0049】
本発明の金属触媒の具体例を以下に示す。
配位子としてハロゲンを含む3配位重金属錯体としては、例えば、トリフルオロルテニウム、トリフルオロオスミウム、トリクロロルテニウム、トリクロロオスミウム、ジフルオロクロロルテニウム、ジフルオロクロロオスミウム、ジクロロルテニウム酢酸塩及びジクロロオスミウムアクリル酸塩等が挙げられる。
【0050】
配位子として炭化水素基又は不飽和炭化水素を含む3配位重金属錯体としては、例えば、トリメチルルテニウム、トリメチルオスミウム、トリエチルルテニウム、トリエチルオスミウム、トリフェニルルテニウム、トリフェニルオスミウム、トリスペンタフルオロフェニルルテニウム、トリスペンタフルオロフェニルオスミウム、ジフェニルクロロルテニウム、ジフェニルクロロオスミウム、シクロオクタジエニルヒドロキシオスミウム、シクロペンタジエニルクロロオスミウム、ジフェニルフルオロルテニウム及びジフェニルフルオロオスミウム等が挙げられる。
【0051】
配位子としてエーテルを含む3配位重金属錯体としては、例えば、ルテニウムクロライドビステトラヒドロフラン、オスミウムクロライドビステトラヒドロフラン、ジエチル−モノテトラヒドロフランルテニウム、ジエチル−モノテトラヒドロフランオスミウム及び硝酸ルテニウムクラウンエーテル18−6錯体等が挙げられる。
【0052】
配位子としてアルコキシを含む3配位重金属錯体としては、例えば、トリブトキシルテニウム、トリブトキシオスミウム、ジクロロルテニウムターシャリーブトキシド、ジクロロオスミウムターシャリーブトキシド、ヒドロキシエチルオキシオスミウムクロライド及びキノリノキシルテニウムフルオライド等が挙げられる。
【0053】
配位子としてハロゲンを含む四配位重金属錯体としては、例えば、テトラクロロジルコニウム、テトラクロロハフニウム、テトラクロロオスミウム、テトラクロロタンタル、トリクロロジルコニウムアクリル酸塩、トリクロロハフニウムアクリル酸塩、トリクロロオスミウムアクリル酸塩及びトリクロロタンタルメタクリル酸塩等が挙げられる。
【0054】
配位子として炭化水素基を含む四配位重金属錯体としては、例えば、テトラメチルジルコニウム、テトラメチルハフニウム、テトラメチルオスミウム、テトラメチルタンタル、ジクロロジメチルジルコニウム、ジクロロジメチルハフニウム、ジクロロジメチルオスミウム及びジクロロジメチルタンタル等が挙げられる。
【0055】
配位子としてエーテルを含む四配位重金属錯体としては、例えば、トリクロロルテニウムテトラヒドロフラン、トリクロロオスミウムテトラヒドロフラン、ジクロロルテニウムビスジエチルエーテル及びジクロロオスミウムビステトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0056】
配位子としてアルコキシを含む四配位重金属錯体としては、例えば、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシハフニウム、テトラブトキシオスミウム、テトラブトキシタンタル、ヒドロキシエチルオキシハフニウムジクロライド、ジメチルグリオキシムジフェニルジルコニウム、ジシクロペンタジエニルクロロエトキシオスミウム、キノリノキシフェナントロリンモリブデン及びジクロロハフニウムジメトキシ錯体等が挙げられる。
【0057】
配位子としてハロゲンを含む5配位重金属錯体としては、例えば、ペンタクロロニオブ、ペンタクロロタンタル、テトラクロロジルコニウムターシャリーブトキシド、テトラクロロハフニウムターシャリーブトキシド、テトラクロロオスミウムターシャリーブトキシド及びテトラクロロタンタルターシャリーブトキシド及びペンタクロロオスミウム等が挙げられる。
【0058】
配位子として炭化水素基を含む5配位重金属錯体としては、例えば、ジクロロトリメチルニオブ、ジクロロトリメチルタンタル、ジクロロトリメチルオスミウム、トリターシャリーブチルジメトキシニオブ、トリターシャリーブチルジメトキシタンタル及びトリターシャリーブチルジメトキシオスミウム等が挙げられる。
【0059】
配位子としてエーテルを含む5配位重金属錯体としては、例えば、トリクロロ−ビステトラヒドロフランニオブ、トリクロロ−ビステトラヒドロフランタンタル、テトラクロロジルコニウムテトラヒドロフラン、テトラクロロハフニウムテトラヒドロフラン、テトラクロロオスミウムテトラヒドロフラン、テトラクロロタンタルテトラヒドロフラン、テトラクロロジルコニウムジテトラヒドロフラン、テトラクロロハフニウムジテトラヒドロフラン、テトラクロロオスミウムジテトラヒドロフラン及びテトラクロロタンタルジテトラヒドロフラン及びトリクロロ−ビステトラヒドロフランオスミウム等が挙げられる。
【0060】
配位子としてアルコキシを含む5配位重金属錯体としては、例えば、トリクロロジメトキシニオブ、トリクロロジメトキシタンタル、トリクロロジメトキシオスミウム、ペンタブトキシニオブ、ペンタブトキシタンタル、テトラクロロメトキシハフニウム、テトラクロロメトキシジルコニウム及びペンタブトキシオスミウム等が挙げられる。
配位子としてハロゲンを含む6配位重金属錯体としては、例えば、テトラクロロ−ビステトラヒドロフランジルコニウム、テトラクロロ−ビステトラヒドロフランハフニウム、ヘキサクロロモリブデン及びヘキサクロロタングステン等が挙げられる。
【0061】
配位子として炭化水素基を含む6配位重金属錯体としては、例えば、テトラクロロジメチルモリブデン、テトラクロロジメチルタングステン、テトラクロロ−ビスベンジルモリブデン及びテトラクロロ−ビスベンジルタングステン等が挙げられる。
【0062】
配位子としてエーテルを含む6配位重金属錯体としては、例えば、テトラクロロ−ビス(ジヘキシルエーテル)タングステン、テトラクロロ−ビス(ジヘキシルエーテル)タングステン等が挙げられる。
【0063】
配位子としてアルコキシを含む6配位重金属錯体としては、例えば、ヘキサメトキシタングステン、ヘキサメトキシモリブデン、テトラクロロ−ビスブトキシジルコニウム、テトラクロロ−ビスブトキシハフニウム、テトラポルフィリンエチレンジオキシタングステン等が挙げられる。
【0064】
これらのうち、配位子としてハロゲンを含む4配位重金属錯体、配位子としてハロゲンを含む5配位重金属錯体、配位子としてエーテルを含む5配位重金属錯体、配位子としてアルコキシを含む5配位重金属錯体及び配位子としてハロゲンを含む6配位重金属錯体、配位子としてエーテルを含む6配位重金属錯体、配位子としてアルコキシを含む6配位重金属錯体が好ましく、さらに好ましくは配位子としてハロゲンを含む4配位金属錯体、配位子としてハロゲンを含む5配位金属錯体、配位子としてエーテルを含む5配位金属錯体、配位子としてハロゲンを含む6配位金属錯体、配位子としてエーテルを含む6配位金属錯体、特に好ましくは配位子としてハロゲンを含む4配位金属錯体、配位子としてハロゲンを含む6配位金属錯体、配位子としてエーテルを含む6配位金属錯体、最も好ましくは配位子としてハロゲンを含む6配位金属錯体又は配位子としてエーテルを含む6配位金属錯体である。
【0065】
本発明の重金属触媒は、公知の方法によって調整されたもの、又は市販品を使用することができる(「触媒調整および試験法 触媒工学講座5 触媒学会編集株式会社 地人書館」等)。例えば、配位子としてハロゲンを含む重金属錯体(HfCl4等)は市販品(例えば和光純薬株式会社、アルドリッチ社等)が使用できる。また、配位子として炭化水素基を含む重金属触媒(テトラフェニルハフニウム等)は、配位子としてハロゲンを含む重金属錯体と、ハロゲン化炭化水素及びマグネシウムからなるグリニャー試薬とをグリニャー化反応させる方法等で得られる。また、エーテルを配位子とする重金属触媒は、配位子としてハロゲンを含む重金属錯体をエーテル溶液中撹拌する方法等により得られる。また、アルコキシルを配位子とする重金属触媒は、アルコキシナトリウムやアルコキシカリウムと、配位子としてハロゲンを含む重金属錯体とを混合する方法等により得られる。また、2座配位子、3座配位子又は4座配位子を配位子とする重金属触媒は、金属と直接配位子を混合する方法等により得ることができる。
【0066】
カルボニル基及び/又はチオカルボニル基を含有する活性水素化合物(a)としては、カルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、イミド、カルボン酸塩、チオカルボン酸、チオカルボン酸エステル、チオカルボン酸アミド、チオカルボン酸イミド、チオカルボン酸塩、カルボセレン酸、カルボセレノチオ酸、カルボセレン酸塩及びカルボセレノチオ酸塩等が使用できる。
【0067】
カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸等が使用できる。
脂肪族カルボン酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びポリカルボン酸等が用いられる。モノカルボン酸としては、炭素数1〜20のモノカルボン酸等が用いられ、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オクタデカン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びエイコサン酸等が挙げられる。ジカルボン酸としては、炭素数2〜30のジカルボン酸等が用いられ、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びマレイン酸等が挙げられる。ポリカルボン酸としては、炭素数6〜30のポリカルボン酸等が用いられ、例えば、ヘキサントリカルボン酸、オクタントリカルボン酸及びヘキサンテトラカルボン酸等が挙げられ、これらの他に、重量平均分子量100〜2000のポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、メタクリル酸/マレイン酸共重合体及びメチルメタクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0068】
芳香族カルボン酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びポリカルボン酸等が用いられる。モノカルボン酸としては、炭素数7〜20のカルボン酸等が用いられ、例えば、安息香酸、4−メチル安息香酸、2,3,4−トリクロロ安息香酸及びナフタレンカルボン酸等が挙げられる。ジカルボン酸としては、炭素数7〜30のジカルボン酸等が用いられ、例えば、フタル酸、テレフタル酸、トリクロロベンゼンジカルボン酸、m−トルエンジカルボン酸及びナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。ポリカルボン酸としては、炭素数7〜30のポリカルボン酸等が用いられ、例えば、トリメリット酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゼンヘキサカルボン酸及びナフタレンテトラカルボン酸等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボキシスチレン)及びメチルメタクリレート/4−カルボキシスチレン共重合体等が挙げられる。
【0069】
カルボン酸エステルとしては、活性水素含有基(−OH、=NH及び/又は−SH)を分子内に有する炭素数2〜31のカルボン酸エステル等が用いられ、例えば、ヒドロキシエチルモノアセテート、ヒドロキシプロピルモノメタクリレート、β−ハイドロオキシプロピルモノアクリレート、ビス(ジエチレングリコール)安息香酸エステル、グリセリンモノアセタート、トリグリセリンジアセタート及びソルビトールモノメタクリレート等が挙げられる。
【0070】
アミドとしては、炭素数1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10)のアミド等が用いられ、例えば、アセタミド、エチルアミド、プロピルアミド、メチルエチルアミド、ブチルアミド及びベンゾアミド等が挙げられる。
【0071】
イミドとしては、炭素数2〜20(好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10)のイミド等が用いられ、例えば、エチルカルキシミド、ブチルカルボキシミド、シクロヘキサンジカルボキシミド及びスクシンイミド等が挙げられる。
【0072】
カルボン酸塩としては、ジカルボン酸又はポリカルボン酸等とアルカリ金属、アルカリ土類金属又は重金属塩等との塩等が使用できる。ジカルボン酸塩としては、炭素数7〜30のジカルボン酸塩等が用いられ、例えば、フタル酸カリウム、テレフタル酸カリウム、トリクロロベンゼンジカルボン酸リチウム、m−トルエンジカルボン酸ナトリウム及びナフタレンジカルボン酸ナトリウム等が挙げられる。ポリカルボン酸塩としては、炭素数7〜30のポリカルボン酸塩等が用いられ、例えば、トリメリット酸カリウム、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸カリウム、ベンゼンヘキサカルボン酸リチウム及びナフタレンテトラカルボン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボキシスチレン)及びメチルメタクリレート/4−カルボキシスチレン共重合体ナトリウム塩等が挙げられる。なお、これらの塩は、部分塩も使用できる(以下同じ)。
【0073】
チオカルボン酸としては、脂肪族チオカルボン酸及び芳香族チオカルボン酸が使用できる。
脂肪族チオカルボン酸としては、モノチオカルボン酸、ジチオカルボン酸及びポリチオカルボン酸等が用いられる。モノチオカルボン酸としては、炭素数1〜20のモノチオカルボン酸等が用いられ、例えば、チオギ酸、チオ酢酸、チオプロピオン酸、チオオクタン酸、2−エチルチオヘキサン酸、オクタチオデカン酸、チオアクリル酸、チオメタクリル酸及びチオエイコサン酸等が挙げられる。ジチオカルボン酸としては、炭素数2〜30のジチオカルボン酸等が用いられ、例えば、チオシュウ酸、チオコハク酸、チオアジピン酸、チオセバシン酸及びチオマレイン酸等が挙げられる。ポリチオカルボン酸としては、炭素数6〜30のポリチオカルボン酸等が用いられ、例えば、ヘキサントリチオカルボン酸、オクタントリチオカルボン酸及びヘキサンテトラチオカルボン酸等が挙げられ、これらの他に、重量平均分子量100〜2000のポリチオ(メタ)アクリル酸、ポリチオマレイン酸、チオメタクリル酸/チオマレイン酸共重合体及びメチルチオメタクリレート/チオ(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0074】
芳香族チオカルボン酸としては、モノチオカルボン酸、ジチオカルボン酸及びポリチオカルボン酸等が用いられる。モノチオカルボン酸としては、炭素数7〜20のチオカルボン酸等が用いられ、例えば、チオ安息香酸、4−メチルチオ安息香酸、2,3,4−トリクロロチオ安息香酸及びナフタレンチオカルボン酸等が挙げられる。ジチオカルボン酸としては、炭素数7〜30のジチオカルボン酸等が用いられ、例えば、チオフタル酸、チオテレフタル酸、トリクロロベンゼンジチオカルボン酸、m−トルエンジチオカルボン酸及びナフタレンジチオカルボン酸等が挙げられる。ポリチオカルボン酸としては、炭素数7〜30のポリチオカルボン酸等が用いられ、例えば、チオトリメリット酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラチオカルボン酸、ベンゼンヘキサチオカルボン酸及びナフタレンテトラチオカルボン酸等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−チオカルボキシスチレン)及びメチルチオメタクリレート/4−チオカルボキシスチレン共重合体等が挙げられる。
【0075】
チオカルボン酸エステルとしては、活性水素含有基(−OH、−NH2及び−SH)を分子内に有する炭素数2〜31のチオカルボン酸エステル等が用いられ、例えば、ヒドロキシエチルモノチオアセテート、ヒドロキシプロピルモノチオメタクリレート、β−ハイドロオキシプロピルモノチオアクリレート、ビス(ジエチレングリコール)チオ安息香酸エステル、グリセリンモノチオアセタート、トリグリセリンジチオアセタート及びソルビトールモノチオメタクリレート等が挙げられる。
【0076】
チオカルボン酸アミドとしては、炭素数1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10)のチオカルボン酸アミド等が用いられ、チオカルボン酸アミド、メチルエチルチオカルボン酸アミド、ブチルチオカルボン酸アミド及びベンゾチオカルボン酸アミド等が挙げられる。
【0077】
チオカルボン酸イミドとしては、炭素数2〜20(好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10)のイミド等が用いられ、例えば、エチルチオカルキシミド、ブチルチオカルボキシミド、シクロヘキサンジチオカルボキシミド及びチオスクシンイミド等が挙げられる。
【0078】
チオカルボン酸塩としては、ジチオカルボン酸又はポリチオカルボン酸等とアルカリ金属、アルカリ土類金属又は重金属塩等との塩等が使用できる。ジチオカルボン酸塩としては、炭素数7〜30のジチオカルボン酸塩等が用いられ、例えば、チオフタル酸カリウム、チオテレフタル酸カリウム、トリクロロベンゼンジチオカルボン酸リチウム、m−トルエンジチオカルボン酸ナトリウム及びナフタレンジチオカルボン酸ナトリウム等が挙げられる。ポリチオカルボン酸塩としては、炭素数7〜30のポリチオカルボン酸塩等が用いられ、例えば、チオトリメリット酸カリウム、1,2,4,5−ベンゼンテトラチオカルボン酸カリウム、ベンゼンヘキサチオカルボン酸リチウム及びナフタレンテトラチオカルボン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−チオカルボキシスチレン)及びメチルメタクリレート/4−チオカルボキシスチレン共重合体ナトリウム塩等が挙げられる。
【0079】
カルボセレン酸としては、脂肪族カルボセレン酸及び芳香族カルボセレン酸等が使用できる。
脂肪族カルボセレン酸としては、モノカルボセレン酸、ジカルボセレン酸及びポリカルボセレン酸等が用いられる。モノカルボセレン酸としては、炭素数1〜20のモノカルボセレン酸等が用いられ、例えば、メチルセレン酸、エチルセレン酸、プロピオセレン酸、オクタセレン酸、2−エチルヘキサセレン酸、オクタデカセレン酸、アクリルセレン酸、メタクリルセレン酸及びエイコサセレン酸等が挙げられる。ジカルボセレン酸としては、炭素数2〜30のジカルボセレン酸等が用いられ、例えば、エタンセレン二酸、ブタンセレン二酸、ヘキサセレン二酸、1,8−オクタンジカルボセレン酸及びcis−ブタンセレン二酸等が挙げられる。ポリカルボセレン酸としては、炭素数6〜30のポリカルボセレン酸等が用いられ、例えば、ヘキサントリカルボセレン酸、オクタントリカルボセレン酸及びヘキサンテトラカルボセレン酸等が挙げられ、これらの他に、重量平均分子量100〜2000のポリ(メタ)アクリルセレン酸、ポリマレインセレン酸、メタクリルセレン酸/マレインセレン酸共重合体及びメチルメタクリレート/(メタ)アクリルセレン酸共重合体等が挙げられる。
【0080】
芳香族カルボセレン酸としては、モノカルボセレン酸、ジカルボセレン酸及びポリカルボセレン酸等が用いられる。モノカルボセレン酸としては、炭素数7〜20のカルボセレン酸等が用いられ、例えば、ベンゼンカルボセレン酸、4−メチルベンジルカルボセレン酸、2,3,4−トリクロロベンゼンカルボセレン酸及びナフタレンカルボセレン酸等が挙げられる。ジカルボセレン酸としては、炭素数7〜30のジカルボセレン酸等が用いられ、例えば、1,2−ベンゼンジカルボセレン酸、1,4−ベンゼンカルボセレン酸、トリクロロベンゼンジカルボセレン酸、m−トルエンジカルボセレン酸及びナフタレンジカルボセレン酸等が挙げられる。ポリカルボセレン酸としては、炭素数7〜30のポリカルボセレン酸等が用いられ、例えば、1,2,4−ベンセントリカルボセレン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボセレン酸、ベンゼンヘキサカルボセレン酸及びナフタレンテトラカルボセレン酸等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボセレノスチレン)及びメチルメタクリルセレネート/4−カルボセレノスチレン共重合体等が挙げられる。
【0081】
カルボセレノチオ酸としては、脂肪族カルボセレノチオ酸及び芳香族カルボセレノチオ酸等が使用できる。
脂肪族カルボセレノチオ酸としては、モノカルボセレノチオ酸、ジカルボセレノチオ酸及びポリカルボセレノチオ酸等が用いられる。モノカルボセレノチオ酸としては、炭素数1〜20のモノカルボセレノチオ酸等が用いられ、例えば、メチルカルボセレノチオ酸、エチルカルボセレノチオ酸、プロピルカルボセレノチオ酸、オクチルカルボセレノチオ酸、2−エチルヘキシルカルボセレノチオ酸、オクタデカニルカルボセレノチオ酸及びエイコシルカルボセレノチオ酸等が挙げられる。ジカルボセレノチオ酸としては、炭素数2〜30のジカルボセレノチオ酸等が用いられ、例えば、カルボセレノチオシュウ酸、カルボセレノチオコハク酸、カルボセレノチオアジピン酸、カルボセレノチオセバシン酸及びカルボセレノチオマレイン酸等が挙げられる。ポリカルボエレノチオ酸としては、炭素数6〜30のポリカルボセレノチオ酸等が用いられ、例えば、ヘキサントリカルボセレノチオ酸、オクタントリカルボセレノチオ酸及びヘキサンテトラカルボセレノチオ酸等が挙げられ、これらの他に、重量平均分子量100〜2000のポリ(メタ)アクリルセレノチオ酸、ポリマレインセレノチオ酸、メタクリルセレノチオ酸/マレインセレノチオ酸共重合体及びメチルメタクリルセレノチオレート/(メタ)アクリルセレノチオ酸共重合体等が挙げられる。
【0082】
芳香族カルボセレノチオ酸としては、モノカルボセレノチオ酸、ジカルボセレノチオ酸及びポリカルボセレノチオ酸等が用いられる。モノカルボセレノチオ酸としては、炭素数7〜20のカルボセレノチオ酸等が用いられ、例えば、セレノチオ安息香酸、4−メチルセレノチオ安息香酸、2,3,4−トリクロロセレノチオ安息香酸、セレノチオアクリル酸、セレノチオメタクリル酸及びナフタレンカルボセレノチオ酸等が挙げられる。ジカルボセレノチオ酸としては、炭素数7〜30のジカルボセレノチオ酸等が用いられ、例えば、セレノチオフタル酸、セレノチオテレフタル酸、トリクロロベンゼンジカルボセレノチオ酸、m−トルエンジカルボセレノチオ酸及びナフタレンジカルボセレノチオ酸等が挙げられる。ポリカルボセレノチオ酸としては、炭素数7〜30のポリカルボエレノチオ酸等が用いられ、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボセレノチオ酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボセレノチオ酸、ベンゼンヘキサカルボセレノチオ酸及びナフタレンテトラカルボセレノチオ酸等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボセレノチオキシスチレン)及びメチルセレノチオメタクリレート/4−カルボセレノチオキシスチレン共重合体等が挙げられる。
【0083】
カルボセレン酸塩としては、ジカルボセレン酸又はポリカルボセレン酸等とアルカリ金属、アルカリ土類金属又は重金属塩等との塩等が使用できる。
ジカルボセレン酸塩としては、炭素数7〜30のジカルボセレン酸塩等が用いられ、例えば、カルボセレンフタル酸カリウム、カルボセレンテレフタル酸カリウム、トリクロロベンゼンジカルボセレン酸リチウム、m−トルエンジカルボセレン酸ナトリウム及びナフタレンジカルボセレン酸ナトリウム等が挙げられる。ポリカルボセレン酸塩としては、炭素数7〜30のポリカルボセレン酸塩等が用いられ、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボセレン酸カリウム、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボセレン酸カリウム、ベンゼンヘキサカルボセレン酸リチウム及びナフタレンテトラカルボセレン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボキセレノスチレン)及びメチルメタクリレート/4−カルボセレノスチレン共重合体ナトリウム塩等が挙げられる。
【0084】
カルボセレノチオ酸塩としては、ジカルボセレン酸又はポリカルボセレン酸等とアルカリ金属、アルカリ土類金属又は重金属塩等との塩等が使用できる。ジカルボセレン酸塩としては、炭素数7〜30のジカルボセレン酸塩等が用いられ、例えば、1、2−ベンゼンジカルボセレン酸カリウム、1,4−ベンゼンジカルボセレンカリウム、トリクロロベンゼンジカルボセレン酸リチウム、m−トルエンジカルボセレン酸ナトリウム及びナフタレンジカルボセレン酸ナトリウム等が挙げられる。ポリカルボセレン酸塩としては、炭素数7〜30のポリカルボセレン酸塩等が用いられ、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボセレン酸カリウム、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボセレン酸カリウム、ベンゼンヘキサカルボセレン酸リチウム及びナフタレンテトラカルボセレン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボセレノスチレン)及びメチルメタクリレート/4−カルボセレノスチレン共重合体ナトリウム塩等が挙げられる。
【0085】
活性水素化合物(a)として、以上の他に一般式(1)で表される化合物が使用できる。
【0086】
【化3】
【0087】
一般式(1)中、R1は炭素数2〜20のアルキル基又はアルケニル基を表し、アルキル基又はアルケニル基中の水素原子の一部はハロゲン原子及び/又は炭素数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。R2は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、アルキレン基中の水素原子の一部はハロゲン原子又は炭素数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。Yは−O−、−S−、−NH−、−OCOO−、−OCOS−、−COO−、−COS−、−CONH−及び−N=C(−R3)−O−からなる群より選ばれる2価の基を表し、R3は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子及び/若しくは炭素数1〜10のアルキル基を有していてもよい炭素数5〜15のシクロアルキル基、又はハロゲン原子及び/若しくは炭素数1〜10のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。nは1〜100の整数である。
【0088】
一般式(1)で表される化合物としては、以下のようなものが例示できる。
Yが−O−の場合としては、例えば、ヒドロキシエチルホルメート、ヒドロキシプロピルアセテート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(重合度2〜100)及びヒドロキシブチルマレイン酸モノエステル等が挙げられる。
【0089】
Yが−S−の場合、例えば、メルカプトプロピルアセテート、メルカプトエチルアクリレート、メルカプトプロピルメタクリレート、ポリエチレンチオグリコールメタクリレート(重合度2〜100)及びメルカプトブチルマレイン酸モノエステル等が挙げられる。
Yが−NH−の場合、例えば、アミノエチルアクリレート、アミノプロピルメタクリレート、アミノエチルアセテート及びポリ(アミノプロピル)メタクリレート(重合度2〜100)等が挙げられる。
【0090】
Yが−OCOO−の場合、例えば、アセトキシエチルカーボネート(HO−COO−CH2CH2−OCOCH3)、アクリロキシプロピルカーボネート(HO−COO−CH2CH(CH3)−OCOCHCH3)及びアクリロキシポリ(プロピレンカーボネート)(重合度2〜100)等が挙げられる。
【0091】
Yが−OCOS−の場合、アセトキシエチルチオカーボネート(HO−COS−CH2CH2−OCOCH3)、アクリロキシプロピルチオカーボネート(HO−COS−CH2CH(CH3)−OCOCH=CH2)及びアクリロキシポリ(プロピレンチオカーボネート)(重合度2〜100)等が挙げられる。
【0092】
Yが−COO−の場合、3−アセチルオキシプロパン酸(HO−CO−CH2CH2−OCO−CH3)及び3−プロピオニルオキシプロパン酸(HO−CO−CH2CH2CH2−OCO−CH2CH3)等が挙げられる。
【0093】
Yが−COS−の場合、3−アセチルオキシチオプロパン酸(HS−CO−CH2CH2OCO−CH3)及び4−プロピオニルオキシチオブタン酸(HS−CO−CH2CH2CH2−OCO−CH2CH3)等が挙げられる。
【0094】
Yが−CONH−の場合、3−アセチルオキシプロパン酸アミド(H2N−CO−CH2CH2−OCO−CH3)及び4−プロピニルオキシブタン酸アミド(H2N−CO−CH2CH2CH2−OCO−CH2CH3)等が挙げられる。
【0095】
Yが−N=C(−R3)−O−の場合、1−(アセトキシエテノキシ)プロピルアミン(NH2CH(CH2CH3)−O−CH=CH−OCO−CH3)、2−プロピオニルオキシエテノキシ)−プロピルアミン(NH2CH2CH(CH3)−O−CH=CH−OCO−CH2CH3)等が挙げられる。
【0096】
これらの活性水素化合物(a)のうち、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸塩、チオカルボン酸、チオカルボン酸エステル、チオカルボン酸塩、アミド、イミド及び一般式(1)で表される化合物が好ましく、さらに好ましくはカルボン酸、カルボン酸エステル、チオカルボン酸、チオカルボン酸エステル、アミド及び一般式(1)で表される化合物、特に好ましくはカルボン酸、カルボン酸エステル、チオカルボン酸、アミド及び一般式(1)で表される化合物、最も好ましくはカルボン酸、チオカルボン酸、アミド及び一般式(1)で表される化合物である。
【0097】
ヘテロ環状化合物(b)としては、環を構成する原子の一部にヘテロ原子を有する3〜8員環化合物等が使用できる。ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、砒素原子及びセレン原子等が挙げられる。
ヘテロ環状化合物(b)として、例えば、一般式(2)で表される化合物等が用いられる。
【0098】
【化4】
【0099】
一般式(2)中、R4は、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、アルキレン基中の水素原子の一部がハロゲン原子及び/又は炭素数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。Zは、−O−、−S−、−NH−、−OCOO−、−OCOS−、−COO−、−COS−、−CONH−又は−N=C(−R3)−O−で表される2価の基であり、R3は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子及び/若しくは炭素数1〜10のアルキル基を有していてもよい炭素数5〜15のシクロアルキル基、又はハロゲン原子及び/若しくは炭素数1〜10のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。
【0100】
炭素数2〜20のアルキレン基(R4)としては、例えば、エチレン、プロピレン、1,1−ジメチルプロピレン、1,2−ブチレン、1,1−ジメチル1,2−ブチレン、3,4−ブチレン、1,2−ジメチル1,4−ブチレン、1,2−ペンチレン、1,2−ヘキシレン、塩化プロピレン、1,12−ウンデシレン、1,4−ジペンチルオクテン及び2,3−ジデカニル−1−ドデセン等が挙げられる。(炭素数1〜10の炭化水素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、n−ペンチル、エチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノナニル、ベンジル及びn−デカニル等が挙げられる。)
【0101】
炭素数1〜12のアルキル基(R3)としては、例えば、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、デシル、ウンデシル、モノクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、1,2−ジクロロエチル、1,1−ジクロロエチル、1,4−フルオロブチル及び2−エチル−6−フルオロヘキシル等が挙げられる。
【0102】
炭素数5〜15のシクロアルキル基(R3)としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−ヘキシルシクロへキシル、6−イソプロピルシクロオクチル、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)シクロペンチル及びパ−フルオロシクロペンチル等が挙げられる。
【0103】
炭素数6〜12のアリール基(R3)としては、例えば、フェニル、4−クロロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、ナフチル、3,5−メチルナフチル、パーフルオロフェニル、1,3,5−トリス(ターシャリーブチル)フェニル及び2,4,8−トリクロロナフチル等が挙げられる。
【0104】
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、以下の化合物等が例示できる。
(1)環状エーテル(Q:−O−)
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、3,4−ブチレンオキシド、オキセタン、1,2−ジクロロオキセタン、1,2−ペンチレンオキシド、1,2−ヘキシレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル及びフェニルグリシジルエーテル等。
【0105】
(2)環状サルファイド(Q:−S−)
エチレンサルファイド、プロピレンサルファイド、1,2−ブチレンサルファイド、2,3−ブチレンサルファイド、1,2−ペンテンサルファイド、シクロヘキセンサルファイド、スチレンサルファイド、エピクロロチオサルファイド、エピブロモチオサルファイド、パークロロプロピレンサルファイド及びアリルグリシジルチオサルファイド等。
【0106】
(3)環状アミン(Q:−NH−)
エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,2−ペンテンイミン、シクロヘキセンイミン、スチレンイミン、エピクロロイミン、エピブロモイミン、フェニルイミン、トルイルイミン及びアリルグリシジルイミン等。
【0107】
(4)環状カーボネート(Q:−OCOO−)
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、iso−ブチレンカーボネート、フェニレンカーボネート、ヘキセンカーボネート及び1,2−クロロプロピレンカーボネート等。
【0108】
(5)チオカーボネート(Q:−OCOS−)
エチレンチオカーボネート、プロピレンチオカーボネート、iso−ブチレンチオカーボネート及び1,2−クロロプロピレンカーボネート等。
【0109】
(6)ラクトン(Q:−COO−)
ε−カプロラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、クロロε−カプロラクトン及びヘプトラクトン等。
【0110】
(7)チオラクトン(Q:−COS−)
プロピオチオラクトン、ブチルチオラクトン、1−メチル−ブチルチオラクトン、ジクロロプロピルチオラクトン、トリクロロブチルチオラクトン、ペンチルチオラクトン、クロロブチルチオラクトン及びヘキシルチオラクトン等。
【0111】
(8)ラクタム(Q:−CONH−)
ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム、γ−バレロラクタム、δ−バレロラクタム、ヘプトラクタム、グリコシアミジン、オキシンドール、クロロε−カプロラクタム及びイサチン等。
【0112】
(9)環状オキサゾール(Q:−N=C(−R3)−O−)
オキサゾール、メチルオキサゾール、プロピルオキサゾール、ブチルオキサゾール、sec−ブチルオキサゾール、t−ブチルオキサゾール、ペンチルオキサゾール、sec−ペンチルオキサゾール等。
【0113】
これらのヘテロ環状化合物のうち、環状エーテル、環状サルファイド、環状アミン及び環状ラクトンが好ましく、さらに好ましくは環状エーテル及び環状サルファイド、特に好ましくは環状エーテル、さらに特に好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、3,4−ブチレンオキシド、オキセタン、1,2−ジクロロオキセタン、1,2−ペンチレンオキシド、1,2−ヘキシレンオキシド、テトラヒドロフラン、シクロヘキセンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル及びアリルグリシジルエーテル、最も好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、3,4−ブチレンオキシド及びテトラヒドロフランである。
【0114】
本発明の重金属触媒の使用量(重量部)としては特に制限されるものではないが、活性水素化合物(a)とヘテロ環状化合物(b)との合計1000重量部に対し、0.0001以上が好ましく、さらに好ましくは0.0005以上、特に好ましくは0.001以上、最も好ましくは0.05以上であり、また10以下が好ましく、さらに好ましくは5以下、特に好ましくは1以下、最も好ましくは0.5以下である。
【0115】
ヘテロ環状化合物(b)の使用量(モル)は、活性水素化合物(a)1モルに対し、0.5以上が好ましく、さらに好ましくは1以上であり、また100以下が好ましく、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは30以下、最も好ましくは20以下である。
【0116】
本発明の触媒を用いて開環付加反応を行う際に、必要により溶媒を使用することができる。溶媒としては、通常の開環付加反応に使用されるものをそのまま用いることができる。例えば、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSO、キシレン、四塩化炭素及びクロロホルム等が挙げられる。
溶媒を使用する場合、溶媒の使用量(重量%)は、ヘテロ環状化合物(b)の重量に基づいて、10以上が好ましく、さらに好ましくは30以上、特に好ましくは40以上であり、また80以下が好ましく、さらに好ましくは60以下、特に好ましくは50以下である。
【0117】
開環付加反応の反応温度(℃)は、0以上が好ましく、さらに好ましくは20以上、特に好ましくは40以上であり、また100以下が好ましく、さらに好ましくは90以下、特に好ましくは80以下である。また、反応圧力(ゲージ圧、Pa)は、10以上が好ましく、さらに好ましくは20以上、特に好ましくは20以上であり、また100以下が好ましく、さらに好ましくは80以下、特に好ましくは50以下である。
【0118】
本発明の重金属触媒を用いて開環付加反応する方法としては、通常の開環付加反応と同様の方法で行うことができ、例えば、▲1▼ヘテロ環状化合物(b)を、活性水素化合物(a)、本発明の重金属触媒及び必要により使用する溶媒の混合物(あらかじめ反応温度に調製する)に少しずつ加えて開環付加反応させる方法、▲2▼ヘテロ環状化合物(b)、活性水素化合物(a)、本発明の重金属触媒及び必要により使用する溶媒を一気に混合してから、反応温度を調製しながら反応させる方法、▲3▼▲1▼、▲2▼で得られる反応生成物をそのまま釜内に残し、ヘテロ環状化合物を代えてさらに開環付加反応(▲1▼又は▲2▼の方法等)させる方法等が挙げられる。
【0119】
開環付加反応の後、本発明の重金属触媒を、吸着剤(例えば、活性白土、ゼオライト、合成ケイ酸マグネシウム及びイオン交換樹脂等)による吸着除去、又は濾過による除去を行ってもよく、鉱酸、有機酸、アミン又は水酸化アルカリ金属等で中和処理してもよい。
【0120】
本発明の重金属触媒を用いると、ヘテロ環状化合物(b)の付加選択性が極めて高くなるので、目的のヘテロ環状化合物開環付加体が高純度で得ることができる。特にカルボニル基及び/又はチオカルボニル基を含有する活性水素化合物(a)にヘテロ環状化合物(b)を高選択的に開環付加させ、副生成物の極めて少ない開環付加体が得ることができる。従って、本発明の重金属触媒を用いて得られる開環付加体は、必要により重金属触媒を除去又は中和する以外に何ら精製することなく、これを原料とする次工程の反応等にそのまま使用することができる。なお、副生成物の含有量は、通常のガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフィー、HPLC及び分取GPC等により定量することができる。
【0121】
そして、こうして得られる開環付加体は、ポリマー分散ポリオール、イソシアネート基末端プレポリマー、ポリウレタン、ポリオキシアルキレンポリアミン及び該ポリオキシアルキレンポリアミンを原料とするポリウレタンウレア樹脂等の原材料として極めて有益である。さらに、本発明の重金属触媒を用いれば、紫外線硬化性樹脂、帯電防止剤、塗料原料としても有用な(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等も高純度(ジエステル等を含まない)で得ることができる。
【0122】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されない。以下において、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
<実施例1>
撹拌機能及び温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、アクリル酸(AA)360部(5モル部)、テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl4・THF2)0.2部を投入し、混合系内を窒素で置換した。
次いで、オートクレーブ密閉下で、エチレンオキシド(EO)220部(5モル部)を60℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2を維持しつつ導入した後、さらに、60℃で1時間熟成反応させた。
反応生成物に吸着剤(商品名:キョーワード1000、協和化学工業株式会社製)を3部投入し、90℃にて処理後、ろ過することによりエチレンオキシド開環付加体(1)を得た。
【0123】
得られたエチレンオキシド開環付加体(1)は、ガスクロマトグラフィー(以下GCと略記する。)によって収率と副成物を求めた。
<<GC条件>>
装 置 島津社製ガスクロマトグラフGC−17
カ ラ ム SHIN CARBONA(信和化工(株))
気化室温度 200℃
ディテクタ温度 210℃
カラム初期温度 90℃
カラム昇温速度 6℃/分
カラム最終温度 280℃
試料濃度 50%アセトン溶液
【0124】
各生成物はあらかじめGCMSを用いてピーク位置(リテンションタイム)を確認した。
<<GCMS条件>>
装 置 島津社製四重極型質量分析計(GCMS QP−5000)
<GC条件> 上記GC条件と同じ
<MS条件>
測定開始質量範囲 EI 33〜600
走査間隔(I) 1.0sec
しきい値(T) 1000
溶媒溶出時間 0.05min
測定開始時間 0.1min
測定終了時間 40min
スキャンゲイン 1.4KV
【0125】
GC分析の結果、エチレンオキシド開環付加体中、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)の純度は93.3%であり、不純物としてエチレングリコールジアクリレート(EGDA)0.10%、ジエチレングリコールモノアクリレート(DEGA)5.75%、未反応エチレンオキシド0.13%、エチレングリコール(EG)0.28%、ポリエチレングリコールモノアクリレート(PEGA)0.44%を検出した。
【0126】
<実施例2>
アクリル酸(AA)360部(5モル部)をメタクリル酸(MA)430部(5モル部)に、エチレンオキシド(EO)220部(5モル部)をプロピレンオキシド(PO)290部(5モル部)に換えた以外は、実施例1と同様にして、プロピレンオキシド開環付加体(2)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)の純度は91.6%であり、不純物としてプロピレングリコールジメタクリレート(PGDM)0.13%、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPGM)6.17%、未反応プロピレンオキシド(PO)0.21%、プロピレングリコール(PG)0.58%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGM)1.31%を検出した。
【0127】
<実施例3>
テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl4・THF2)0.2部をジメタクリル酸ジクロロハフニウム・(THF)2(DMHfCl2・THF2)0.2部に換えた以外は、実施例2と同様にしてプロピレンオキシド開環付加体(3)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)の純度は92.2%であり、不純物としてプロピレングリコールジメタクリレート(PGDM)0.12%、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPGM)5.48%、未反応プロピレンオキシド(PO)0.29%、プロピレングリコール(PG)0.81%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGM)1.10%であった。
【0128】
<実施例4>
プロピレンオキシド(PO)290部(5モル部)をプロピレンオキシド(PO)580部(10モル部)に換えた以外は、実施例2と同様にしてプロピレンオキシド開環付加体(4)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)の純度は88.58%であり、不純物としてプロピレングリコールジメタクリレート(PGDM)0.13%、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPGM)4.63%、未反応プロピレンオキシド(PO)0.30%、プロピレングリコール(PG)1.04%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGM)5.32%であった。
【0129】
<実施例5>
アクリル酸(AA)360部(5モル部)を酢酸(AC)300部(5モル部)に換えた以外は、実施例1と同様にして、エチレンオキシド開環付加体(5)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシエチルアセテート(HEAC)の純度は89.8%であり、不純物としてエチレングリコールジアセテート(EGDAC)0.14%、ジエチレングリコールモノアセテート(DEGAC)6.20%、未反応エチレンオキシド(EO)0.23%、エチレングリコール(EG)0.63%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PEGAC)3.00%を検出した。
【0130】
<比較例1>
テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl・THF2)0.2部をテトラクロロチタン(TiCl4)0.2部に代えた以外は、実施例1と同様にしてエチレンオキシド開環付加体(6)を得た。
GCによって、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)の純度は87.7%であり、不純物としてエチレングリコールジアクリレート(EGDA)0.28%、ジエチレングリコールモノアクリレート(DEGA)5.96%、未反応エチレンオキシド(EO)0.64%、エチレングリコール(EG)0.89%、ポリエチレングリコールモノアクリレート(PEGA)4.53%であった。
【0131】
<比較例2>
テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl4・THF2)0.2部を三塩化鉄(FeCl3)0.2部に代えた以外は、実施例2と同様にしてプロピレンオキシド開環付加体(7)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)の純度は89.3%、不純物はプロピレングリコールジメタクリレート(PGDM)0.29%、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPGM)6.43%、未反応プロピレンオキシド(PO)0.61%、プロピレングリコール(PG)0.81%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGM)2.56%であった。
【0132】
<比較例3>
テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl4・THF2)0.2部を三塩化鉄(FeCl3)0.2部に代えた以外は、実施例4と同様にしてプロピレンオキシド開環付加体(8)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)の純度は74.55%、不純物はプロピレングリコールジメタクリレート(PGDM))0.49%、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPGM)8.19%、未反応プロピレンオキシド(PO)0.55%、プロピレングリコール(PG)2.86%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGM)13.36%であった。
【0133】
<比較例4>
テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl4・THF2)0.2部を三塩化鉄(FeCl3)0.2部に代えた以外は、実施例5と同様にしてプロピレンオキシド開環付加体(9)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシエチルアセテート(HEAC)の純度は75.01%、不純物はエチレングリコールジアセテート(EGDAC)0.49%、ジエチレングリコールモノアセテート(DEGAC)8.55%、未反応エチレンオキシド(EO)0.62%、エチレングリコール(EG)2.93%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PEGAC)12.41%であった。
【0134】
実施例1〜5及び比較例1〜4で使用した金属触媒、活性水素化合物、ヘテロ環状化合物、アルキレンオキシド開環付加体の純度、不純物含量を表1に記載する。
【0135】
【表1】
【0136】
【発明の効果】
本発明の重金属触媒は、ヘテロ環状化合物に対する付加選択性が極めて高いので、目的の環状化合物開環付加体が高純度で得ることができる。
従って、本発明の重金属触媒を用いて得られる開環付加体は、何ら精製することなく、これを原材料とする次工程の反応等に使用することができる。特に例えば、紫外線硬化性樹脂、帯電防止剤又は塗料原料として有用なポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等も極めて高い純度(ジエステル等を含まない)で得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘテロ環状化合物の開環付加反応用重金属触媒に関する。さらに詳しくはカルボニルオキシ基含有活性水素化合物に対するヘテロ環状化合物の高選択的開環付加反応用重金属触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
カルボニルオキシ基含有活性水素化合物(カルボン酸及び活性水素含有カルボン酸エステル等)ヘテロ環状化合物を選択的に開環付加できる触媒としては、ルイス酸触媒(例えば、トリフルオロホウ素、トリクロロアルミニウム、トリクロロバナジウム、テトラクロロチタン、トリクロロ鉄及びテトラクロロジルコニウム等)が知られている{「講座重合反応論6、開環重合I、三枝武夫、化学同人」、「S.Inoue、T.Aida、”Cyclic Ether”、Ring Opening Polymerization、Elservier Applied Science Publishers、London、1984」等}。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら公知のルイス酸触媒を用いても、開環付加反応の選択性が低く、副生成物の含有量が問題となるケースが多い。すなわち、例えば、トリフルオロホウ素を用いて、アクリル酸1モルとエチレンオキシド1モルとを開環付加させると、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)以外に、オキシエチレンジアクリレートが生成物全体の約0.3重量%生成する。よって、例えば、この生成物を重合単量体として使用したとき、所望のポリマーが得られない場合がある。従って、従来の触媒を用いた場合、副生成物を除去するために、蒸留等の煩雑な分離精製操作(特開昭63−41440号公報及び特開昭63−41514号公報等)を行なわなければならないという問題がある。
すなわち、本発明の目的は、カルボニル基若しくはチオカルボニル基を含有する活性水素化合物にヘテロ環状化合物を高選択的に開環付加させ、副生成物の極めて少ない開環付加体を得ることのできる重金属触媒を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の重金属触媒を用いることにより、ヘテロ環状化合物が極めて高い選択性で付加反応し得ることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の重金属触媒の特徴は、カルボニル基及び/又はチオカルボニル基を含有する活性水素化合物(a)に対するヘテロ環状化合物(b)の開環付加反応用金属触媒であって、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ルテニウム及びオスミウムからなる群より選ばれる重金属元素を有してなる点を要旨とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の重金属触媒に含有する重金属元素のうち、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、ルテニウム及びオスミウムが好ましく、さらに好ましくはジルコニウム及びハフニウム、特に好ましくはハフニウムである。
これらの重金属元素を用いると、活性水素化合物(a)とヘテロ環状化合物(b)とが選択的に反応し、エステル交換反応のような副反応が起こりにくい。
【0006】
これらの重金属元素の価数は、0〜7価が好ましく、さらに好ましくは1〜6価、特に好ましくは2〜5価、さらに特に好ましくは3〜4価、最も好ましくは4価である。
重金属元素別に使用できる価数としては、例えば、ジルコニウム(0、I、II、IV)、ハフニウム(0、I、II、IV)、ニオブ(0、I、II、IV、V)、タンタル(0、I、II、IV、V)、モリブデン(0、I、II、IV、V、VI)、タングステン(0、I、II、IV、V、VI、VII)、ルテニウム(0、I、II、IV、V、VI)及びオスミウム(0、I、II、IV、V、VI)等が挙げられる。
【0007】
これらのうち、ジルコニウム(I、II、IV)、ハフニウム(I、II、IV)、ニオブ(I、II、IV)、タンタル(III、IV、V)、モリブデン(II、III、IV、V、VI)、タングステン(II、III、IV、V、VI)、ルテニウム(II、III、IV、V、VI、VII)及びオスミウム(I、II、III、IV、V、VI、VII)が好ましく、さらに好ましくはジルコニウム(II、IV)、ハフニウム(II、IV)、ニオブ(III、V)、タンタル(III、V)、モリブデン(V、VI)、タングステン(V、VI)、ルテニウム(II、III、V)及びオスミウム(II、III、V)、特に好ましくはジルコニウム(IV)、ハフニウム(IV)、ニオブ(V)、タンタル(V)、モリブデン(VI)、タングステン(VI)、ルテニウム(III)及びオスミウム(III)である。なお、これらの金属の価数は、配位子の種類によって配位子の数とは一致しない場合がある。
【0008】
本発明の重金属触媒には、重金属元素以外に、配位子及び/又は対イオン等が含まれていてもよく、配位子及び対イオンが含まれていることが好ましく、配位子が含まれていることがさらに好ましい。なお、配位子とは、重金属触媒(錯体)中で重金属原子に主として配位結合している原子団又は原子を意味する。
一方、対イオンとは、重金属原子に主としてイオン結合している多原子イオン又は単原子イオンを意味する。また、配位結合及びイオン結合といっても、何れか一方の結合のみではなく、これらの結合の両方を含んでいてもよい。
【0009】
配位子としては、無機配位子及び有機配位子の何れの配位子をも使用できる。また、2以上の配位子を使用する場合は、それぞれ同じ配位子でも異なった配位子でもよく、配位子同士がそれぞれ結合していてもよい。
【0010】
無機配位子としては、特に制限なく公知のものが使用でき、例えば、アンミン(NH3)、アクア(H2O)、シアノ(CN)、カルボニル(CO)、ニトロシル(NO)、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、沃素(I)、ヒドロキシ(HO)、チオシアナト(−SCN)及びチオイソシアナト(−NCS)等が挙げられる。
【0011】
有機配位子としては、単座配位子、2座配位子、3座配位子及び4座配位子等が使用できる。
単座配位子としては、置換基タイプの配位子(炭化水素基及びアルコキシル等)及び化合物タイプの配位子{エーテル、不飽和炭化水素(π電子が配位する)及びアミン等}が用いられる。なお、置換基タイプの配位子とは、分子軌道上のオクテットを完成していない遊離基を意味し、ラジカル及びイオンを含む。また、化合物タイプの配位子とは、分子軌道上のオクテットを完成している化合物であって、孤立電子対及び/又はπ電子を有する化合物を意味し、窒素原子、酸素原子、リン原子若しくは硫黄原子及び/又は不飽和結合を有する化合物が含まれる。また、化合物タイプの配位子であっても配位原子に結合した水素原子が除かれたときなどには置換基タイプの配位子として用いることができる。
【0012】
炭化水素基としては、例えば、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル及びシクロアルケニル等が使用できる。
アルキルとしては、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等(アルコキシ及びアリールは、さらにニトロ、シアノ及び/又はハロゲン等で置換されてもよい。以下同じである。)で置換されてもよい炭素数1〜34のアルキル等が用いられ、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、sec−ヘキシル、ヘプチル、sec−ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、sec−オクチル、ノニル、sec−ノニル、デシル、sec−デシル、ウンデシル、sec−ウンデシル、ドデシル、sec−ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、sec−トリデシル、テトラデシル、sec−テトラデシル、ヘキサデシル、sec−ヘキサデシル、ステアリル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル、イソステアリル、パーフルオロブチル、パーフルオロエイコシル、エトキシメチル、シクロヘキセニルエチル、ニトロペンチル、シアノドデシル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル及びトリチル等が挙げられる。
【0013】
アルケニルとしては、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20のアルケニル等が用いられ、例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル、エイコセニル及びジクロロビニル等が挙げられる。
【0014】
アリールとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20のアリール等が用いられ、例えば、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、メシチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、t−ブチルフェニル、1,3,5−トリメチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、p−クミルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、ペンタフルオロフェニル、ヘプチルフルオロナフチル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメチルナフチル、パーフルオロメチルフェニル、3−メチルテトラフルオロフェニル、p−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル、3,5−ジメチルトリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロメチルフェニル、3,5−ジ[t−ブチル]フェニル、2,3,5−トリメチルフェニル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、アセナフチレニル、ビフェニレニル、ナフタセニル、ピレニル、トリフェニレニル及びパーフルオロ3,4,5−トリプロピルフェニル等が挙げられる。
【0015】
シクロアルキルとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数5〜20のシクロアルキル等が用いられ、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、ドデシルシクロへキシル、2,3,4−トリプロピルシクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、3,5−ジメチルシクロヘキシル、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル及びパーフルオロシクロヘキシル等が挙げられる。
【0016】
シクロアルケニルとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数5〜20のシクロアルケニル等が用いられ、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル、ドデシルシクロへキセニル、シクロオクテニル、2,3,4−トリメチルシクロヘキセニル及びジクロロシクロペンチル等が挙げられる。
【0017】
アルコキシルとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20のアルコキシル基等が用いられ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシル、n−オクタデシルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ、シクロヘキシルメトキシ、2−エトキシエトキシ、3−メトキシプロポキシ、3−エトキシプロポキシ、3−n−プロポキシプロポキシ、3−n−ブトキシプロポキシ、3−n−ヘキシルオキシプロポキシ、2−メトキシエトキシエトキシ、2−フェノキシメトキシ、2−フェノキシエトキシ、エイコシルオキシ、3−クロロプロポキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、トリフルオロメトキシ及びパーフルオロデシルオキシ等が挙げられる。
【0018】
エーテルとしては、アルキル、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜60のエーテル等が用いられ、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジn−アミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルn−アミルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテル、アニソール、フェネトール、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェニルベンジルエーテル、α−ナフチルメチルエーテル、β−ナフチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ドデシルフェニルエーテル、ドデシルナフチルエーテル、パークロロジメチルエーテル、エチルシクロヘキセニルエーテル、エチルシアニドメチルエーテル、12−4クラウンエーテル、15−4クラウンエーテル、15−5クラウンエーテル、18−6クラウンエーテル、ジベンゾ−18−6クラウンエーテル、ジ(トリフェナントリル)ジノニル−18−6クラウンエーテル及びペルヒドロジベンゾ−18−6クラウンエーテル等が挙げられる。
【0019】
不飽和炭化水素(π電子が配位する)としては、オレフィン及び芳香族炭化水素等が使用できる。
オレフィンとしては、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20のオレフィン等が用いられ、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、ペンテン、イソペンテン、イソペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、テトラデセン、オクタデセン、エイコセン、ジクロロエチレン、ニトロペンテン、3−シアノシクロヘキセン及びシクロペンテン等が挙げられる。
【0020】
芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン、シクロペンタジエン及びシクロオクテン等が挙げられる。
【0021】
アミンとしては、アルキルアミン及び環状アミン等が使用できる。
アルキルアミンとしては、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭化数1〜20のアルキル基を有するアミン等が用いられ、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジテトラデシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、1−エチルプロピルアミン、テトラクロロジエチルアミン、ジビニルアミン及びニトロベンジルアミン等が挙げられる。
【0022】
環状アミンとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数4〜20のアミン等が用いられ、例えば、アニリン、パラクロロアニリン、o−トルイルアミン、2,3−キシリノアミン、3,4−キシリノアミン、α,α’−ジメチルピロール、ジメチルアニリン、メチルエチルアニリン、ピリジン、ベンゾキノリノアミン、ジフェニルアミン、メチルフェニルアミン、エチルフェニルアミン、3,4−ジペンチルアニリン、1−ピロリジン、3−メチル−1−ピペリジン、1−ピロリン、1−インドリン、1−ピペリジン、1−ピペラジン、4−メチル−1−ピペラジン、1−イミダゾリジン及びモルホリン等が挙げられる。
【0023】
2座配位子としては、化合物タイプの配位子{ジエン、芳香族炭化水素(π電子が配位する)、ジアミン及びアミン変性体等}及び置換基タイプの配位子(ジオキシ等)が用いられ、この他に配位原子が異なる2座配位子等も用いられる。
ジエンとしては、アルコキシ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数4〜20のジエン等が用いられ、例えば、ブタジエン、シクロペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン、シクロオクタジエン、デカジエン、オクタデカジエン及び3−ノニル6−エチルデカ1,9−ジエン等が挙げられる。
【0024】
芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン及びシクロペンタシクロオクテン等が挙げられる。
【0025】
ジアミンとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20のジアミン等が用いられ、例えば、フェナントロリン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、o−トリジン、インダゾール、ビピリジル、バソクプロイン及びベンジジン等が挙げられる。
【0026】
アミン変性体としては、炭素数1〜30のオキシム等が用いられ、ジメチルグリオキシム、シクロヘキサン−1,2−ジオンジオキシム及びベンジル−1,4−ジオンジオキシム等が挙げられる。
【0027】
ジオキシとしては、炭素数2〜20のジオキシ等が用いられ、例えば、エチレングリコキシ、プロピレングリコキシ、ブチレングリコキシ、1,8−オクタンジオキシ、2,8−デカンジオキシ、カテコキシ及び2,18−エイコサンジオキシ等が挙げられる。
【0028】
配位原子の異なる2座配位子としては、配位原子が窒素と酸素、窒素と硫黄、又は硫黄と酸素である配位子等が使用できる。
配位原子が窒素と酸素である配位子(N−O配位子)としては、炭素数3〜20の環状化合物等が用いられ、例えば、化合物タイプの3−キノリン酢酸、N−メチルインデン−2−カルバミド酸、イソキサゾール、フェノキサジン、ベンゾオキサジン、アミノピリジン及びピリドン等が挙げられる。
【0029】
配位原子が窒素と硫黄である配位子(N−S配位子)としては、炭素数3〜20の化合物タイプの配位子等が用いられ、例えば、2−キノリンチオール、1,3−チアゾール、フェニルピペリジニルスルフィド、アミノチオフェノール、アミノピリジン、ベンゾチアゾリン、4,7−ヒドロエピチオインドール及びジチゾン等が挙げられる。
【0030】
配位原子が硫黄と酸素である配位子(S−O配位子)としては、炭素数3〜20の化合物タイプの配位子等が用いられ、例えば、チオホルミル安息香酸、チエノ[2,3−b]フラン及びオエノ[2,3−b]フラン及びオキサチオラン等が挙げられる。
【0031】
3座配位子としては、化合物タイプの配位子{トリエン、芳香族炭化水素(π電子が配位する)及びトリアミン}等が用いられる。
トリエンとしては、炭素数6〜20のトリエン等が用いられ、例えば、ヘキサトリエン、オクタトリエン、シクロオクタトリエン及びエイコサトリエン等が挙げられる。
【0032】
芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン及びシクロペンタシクロオクテン等が挙げられる。
【0033】
トリアミンとしては、炭素数4〜20のトリアミン等が用いられ、例えば、ジエチレントリアミン、N,N’−ジエチルジエチレントリアミン、N,N’−ジフェニルジエチレントリアミン、スペルミジン、2,2’:6’,2”−テルピリジン及び1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0034】
4座配位子としては、化合物タイプの配位子{ポリエーテル、芳香族炭化水素(π電子が配位する)及びテトラアミン}等が用いられる。
ポリエーテルとしては、炭素数8〜60のクラウンエーテル等が用いられ、例えば、12−4クラウンエーテル、15−4クラウンエーテル、15−5クラウンエーテル、18−6クラウンエーテル、ジベンゾ−18−6クラウンエーテル、ジ(トリフェナントリル)ジノニル−18−6クラウンエーテル及びペルヒドロジベンゾ−18−6クラウンエーテル等が挙げられる。
【0035】
芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン及びシクロペンタシクロオクテン等が挙げられる。
【0036】
テトラアミンとしては、炭素数6〜200のテトラアミン等が用いられ、例えば、サイクラム(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン)、ポリフィリン、エチオポルフィリン、メソポルフィリン、プロトポルフィリン、ヘマトポルフィリン、ウロポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、メソテトラフェニルオクタエチルポルフィリン、メソテトラフェニルポルフィリン、α、β−ナフチルオクタエチルポルフィリン、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、1,1,2,2−テトラメチルエチレンジアミン、メソテトラフェナントリル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタデカンカルボン酸ポルフィリン及びフタロシアニン等が挙げられる。
【0037】
これらの有機配位子のうち、炭化水素基、アルコキシル及びエーテルが好ましく、さらに好ましくはアルキル、アルコキシル及びエーテル、特に好ましくはアルコキシル及びエーテル、最も好ましくはエーテルである。
【0038】
対イオンとしては、重金属元素の電荷又は重金属元素を含む錯イオンの電荷と反対の電荷を持つ陽イオン又は陰イオンが用いられる。なお、対イオンは置換基タイプの配位子として配位されてもよく、また対イオンと置換基タイプの配位子とを厳密に区別するものでもない。
【0039】
陽イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、オニウムイオン、錯イオン及び水素イオン(プロトン)等が用いられる。
アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオン等が挙げられる。
アルカリ土類金属イオンとしては、例えば、マグネシウムイオン及びカルシウムイオン等が挙げられる。
【0040】
オニウムイオンとしては、アンモニウムイオン及びホスホニウムイオン等が挙げられる。
アンモニウムイオンとしては、炭素数1〜20の1級アミンから誘導されるアンモニウムイオン(メチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ブチルアンモニウムイオン、イソブチルアンモニウムイオン、フェニルアンモニウムイオン及びベンジルアンモニウムイオン等)、炭素数2〜20の2級アミンから誘導されるアンモニウムイオン(ジメチルアンモニウムイオン、メチルエチルアンモニウムイオン、ブチルエチルアンモニウムイオン、フェニルメチルアンモニウムイオン、ジフェニルアンモニウムイオン及びジナフチルアンモニウムイオン)、炭素数3〜20の3級アミンから誘導されるアンモニウムイオン(トリメチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、メチルジエチルアンモニウムイオン、トリフェニルアンモニウムイオン及びメチルジフェニルアンモニウムイオン等)、並びに炭素数4〜20の4級アンモニウムイオン(テトラメチルアンモニウムイオン、トリメチルエチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、ジエチルジブチルアンモニウムイオン、テトラフェニルアンモニウムイオン、トリフェニルメチルアンモニウムイオン及びトリエチルナフチルアンモニウムイオン等)等が挙げられる。
【0041】
ホスホニウムイオンとしては、炭素数1〜20の1級ホスフィンから誘導されるホスホニウムイオン(メチルホスホニウムイオン、エチルホスホニウムイオン、ブチルホスホニウムイオン、イソブチルホスホニウムイオン、フェニルホスホニウムイオン及びベンジルホスホニウムイオン等)、炭素数2〜20の2級ホスフィンから誘導されるホスホニウムイオン(ジメチルホスホニウムイオン、メチルエチルホスホニウムイオン、ブチルエチルホスホニウムイオン、フェニルメチルホスホムイオン、ジフェニルホスホニウムイオン及びジナフチルホスホニウムイオン)、炭素数3〜20の3級ホスフィンから誘導されるホスホニウムイオン(トリメチルホスホニウムイオン、トリエチルホスホニウムイオン、メチルジエチルホスホニウムイオン、トリフェニルホスホニウムイオン及びメチルジフェニルホスホニウムイオン等)、並びに炭素数4〜20の4級ホスホニウムイオン(テトラメチルホスホニウムイオン、トリメチルエチルホスホニウムイオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラプロピルホスホニウムイオン、ジエチルジブチルホスホニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムイオン、トリフェニルメチルホスホニウムイオン及びトリエチルナフチルホスホニウムイオン等)等が挙げられる。
【0042】
錯イオンとしては、トリメチルアルミニウムクロル酸イオン、テトラクロロ白金酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラン酸イオン等が挙げられる。
これらの陽イオンのうち、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン及びホスホニウムイオンが好ましく、さらに好ましくはアンモニウムイオン及びホスホニウムイオン、最も好ましくはホスホニウムイオンである。
【0043】
陰イオンとしては、ハロゲンイオン、多原子陰イオン、有機酸イオン、錯イオン及び水素イオン(ヒドリド)等が用いられる。
ハロゲンイオンとしては、例えば、フッ素イオン、塩素イオン及び臭素イオン等が挙げられる。
多原子陰イオンとしては、例えば、亜硝酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸イオン、次亜塩素酸イオン、亜臭素酸イオン、ヨウ素酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、リン酸イオン及びリン酸水素イオン等が挙げられる。
【0044】
有機酸イオンとしては、炭素数1〜20のカルボン酸イオン、炭素数1〜20のスルホン酸イオン、炭素数1〜20の硫酸エステルイオン及び炭素数1〜20のリン酸エステルイオン等が用いられる。
カルボン酸イオンとしては、モノカルボン酸イオン(例えば、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、オクタン酸イオン、2−エチルヘキサン酸イオン、オクタデカン酸イオン及びエイコサン酸イオン等)、ジカルボン酸イオン(例えば、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、アジピン酸イオン、セバシン酸イオン及びマレイン酸イオン等)、トリカルボン酸イオン(例えば、ヘキサントリカルボン酸イオン及びベンジルトリカルボン酸イオン等)、テトラカルボン酸イオン(例えば、オクタントリカルボン酸イオン及びトリメリット酸イオン等)、オキシカルボン酸イオン(例えば、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、オキシベンゼンカルボン酸イオン及びオキシナルフタレンカルボン酸イオン等)等が挙げられる。
【0045】
スルホン酸イオンとしては、脂肪族スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、プロピルスルホン酸イオン、iso−ブチルスルホン酸イオン、sec−ブチルスルホン酸イオン、t−ブチルスルホン酸イオン、ペンチルスルホン酸イオン、iso−ペンチルスルホン酸イオン、sec−ペンチルスルホン酸イオン及びトリフルオロメタンスルホン酸イオン等)、及び芳香族スルホン酸イオン(例えば、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ベンゼンジスルホン酸イオン及びナフタレンジスルホン酸イオン等)等が挙げられる。
【0046】
硫酸エステルイオンとしては、芳香族炭化水素基を含有するアルコールとの硫酸エステルイオン(例えばベンジルアルコキシ硫酸エステルイオン、2,4−メチルベンジルアルコキシ硫酸エステルイオン及びナフチルアルコキシ硫酸エステルイオン等) 、脂肪族炭化水素基を含有するアルコールである硫酸エステルイオン(メトキシ硫酸エステルイオン、エトキシ硫酸エステルイオン、ブトキシ硫酸エステルイオン及びiso−ブチルアルコキシ硫酸エステルイオン等)等が挙げられる。
【0047】
リン酸エステルイオンとしては、モノリン酸エステルイオン(例えば、メチルモノリン酸エステルイオン、エチルモノリン酸エステルイオン、プロピルリン酸エステルイオン、ブチルリン酸エステルイオン及びベンジルリン酸エステルイオン等)、リン酸ジエステルイオン(例えば、メチルエチルリン酸エステルイオン、ジエチルリン酸エステルイオン及びジフェニルリン酸エステルイオン等)、次リン酸エステルイオン(例えば、メチル次リン酸エステルイオン、エチル次リン酸エステルイオン、ジメチル次リン酸エステルイオン及びジフェニルリン酸エステルイオン等が挙げられる。
これらの陰イオンのうち、ハロゲンイオン、多原子陰イオン及び有機酸イオンが好ましく、さらに好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機酸イオン、特に好ましくはハロゲンイオン、リン酸イオン及びカルボン酸イオン、最も好ましくはハロゲンイオン及びカルボン酸イオンである。
【0048】
本発明の重金属触媒に配位子を含む場合、重金属触媒の配位構造としては、2配位、3配位、4配位、5配位又は6配位の構造の何れでもよいが、3配位、4配位、5配位又は6配位の構造が好ましく、さらに好ましくは3配位、4配位又は6配位の構造、特に好ましくは4配位又は6配位の構造、最も好ましくは6配位構造である。
【0049】
本発明の金属触媒の具体例を以下に示す。
配位子としてハロゲンを含む3配位重金属錯体としては、例えば、トリフルオロルテニウム、トリフルオロオスミウム、トリクロロルテニウム、トリクロロオスミウム、ジフルオロクロロルテニウム、ジフルオロクロロオスミウム、ジクロロルテニウム酢酸塩及びジクロロオスミウムアクリル酸塩等が挙げられる。
【0050】
配位子として炭化水素基又は不飽和炭化水素を含む3配位重金属錯体としては、例えば、トリメチルルテニウム、トリメチルオスミウム、トリエチルルテニウム、トリエチルオスミウム、トリフェニルルテニウム、トリフェニルオスミウム、トリスペンタフルオロフェニルルテニウム、トリスペンタフルオロフェニルオスミウム、ジフェニルクロロルテニウム、ジフェニルクロロオスミウム、シクロオクタジエニルヒドロキシオスミウム、シクロペンタジエニルクロロオスミウム、ジフェニルフルオロルテニウム及びジフェニルフルオロオスミウム等が挙げられる。
【0051】
配位子としてエーテルを含む3配位重金属錯体としては、例えば、ルテニウムクロライドビステトラヒドロフラン、オスミウムクロライドビステトラヒドロフラン、ジエチル−モノテトラヒドロフランルテニウム、ジエチル−モノテトラヒドロフランオスミウム及び硝酸ルテニウムクラウンエーテル18−6錯体等が挙げられる。
【0052】
配位子としてアルコキシを含む3配位重金属錯体としては、例えば、トリブトキシルテニウム、トリブトキシオスミウム、ジクロロルテニウムターシャリーブトキシド、ジクロロオスミウムターシャリーブトキシド、ヒドロキシエチルオキシオスミウムクロライド及びキノリノキシルテニウムフルオライド等が挙げられる。
【0053】
配位子としてハロゲンを含む四配位重金属錯体としては、例えば、テトラクロロジルコニウム、テトラクロロハフニウム、テトラクロロオスミウム、テトラクロロタンタル、トリクロロジルコニウムアクリル酸塩、トリクロロハフニウムアクリル酸塩、トリクロロオスミウムアクリル酸塩及びトリクロロタンタルメタクリル酸塩等が挙げられる。
【0054】
配位子として炭化水素基を含む四配位重金属錯体としては、例えば、テトラメチルジルコニウム、テトラメチルハフニウム、テトラメチルオスミウム、テトラメチルタンタル、ジクロロジメチルジルコニウム、ジクロロジメチルハフニウム、ジクロロジメチルオスミウム及びジクロロジメチルタンタル等が挙げられる。
【0055】
配位子としてエーテルを含む四配位重金属錯体としては、例えば、トリクロロルテニウムテトラヒドロフラン、トリクロロオスミウムテトラヒドロフラン、ジクロロルテニウムビスジエチルエーテル及びジクロロオスミウムビステトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0056】
配位子としてアルコキシを含む四配位重金属錯体としては、例えば、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシハフニウム、テトラブトキシオスミウム、テトラブトキシタンタル、ヒドロキシエチルオキシハフニウムジクロライド、ジメチルグリオキシムジフェニルジルコニウム、ジシクロペンタジエニルクロロエトキシオスミウム、キノリノキシフェナントロリンモリブデン及びジクロロハフニウムジメトキシ錯体等が挙げられる。
【0057】
配位子としてハロゲンを含む5配位重金属錯体としては、例えば、ペンタクロロニオブ、ペンタクロロタンタル、テトラクロロジルコニウムターシャリーブトキシド、テトラクロロハフニウムターシャリーブトキシド、テトラクロロオスミウムターシャリーブトキシド及びテトラクロロタンタルターシャリーブトキシド及びペンタクロロオスミウム等が挙げられる。
【0058】
配位子として炭化水素基を含む5配位重金属錯体としては、例えば、ジクロロトリメチルニオブ、ジクロロトリメチルタンタル、ジクロロトリメチルオスミウム、トリターシャリーブチルジメトキシニオブ、トリターシャリーブチルジメトキシタンタル及びトリターシャリーブチルジメトキシオスミウム等が挙げられる。
【0059】
配位子としてエーテルを含む5配位重金属錯体としては、例えば、トリクロロ−ビステトラヒドロフランニオブ、トリクロロ−ビステトラヒドロフランタンタル、テトラクロロジルコニウムテトラヒドロフラン、テトラクロロハフニウムテトラヒドロフラン、テトラクロロオスミウムテトラヒドロフラン、テトラクロロタンタルテトラヒドロフラン、テトラクロロジルコニウムジテトラヒドロフラン、テトラクロロハフニウムジテトラヒドロフラン、テトラクロロオスミウムジテトラヒドロフラン及びテトラクロロタンタルジテトラヒドロフラン及びトリクロロ−ビステトラヒドロフランオスミウム等が挙げられる。
【0060】
配位子としてアルコキシを含む5配位重金属錯体としては、例えば、トリクロロジメトキシニオブ、トリクロロジメトキシタンタル、トリクロロジメトキシオスミウム、ペンタブトキシニオブ、ペンタブトキシタンタル、テトラクロロメトキシハフニウム、テトラクロロメトキシジルコニウム及びペンタブトキシオスミウム等が挙げられる。
配位子としてハロゲンを含む6配位重金属錯体としては、例えば、テトラクロロ−ビステトラヒドロフランジルコニウム、テトラクロロ−ビステトラヒドロフランハフニウム、ヘキサクロロモリブデン及びヘキサクロロタングステン等が挙げられる。
【0061】
配位子として炭化水素基を含む6配位重金属錯体としては、例えば、テトラクロロジメチルモリブデン、テトラクロロジメチルタングステン、テトラクロロ−ビスベンジルモリブデン及びテトラクロロ−ビスベンジルタングステン等が挙げられる。
【0062】
配位子としてエーテルを含む6配位重金属錯体としては、例えば、テトラクロロ−ビス(ジヘキシルエーテル)タングステン、テトラクロロ−ビス(ジヘキシルエーテル)タングステン等が挙げられる。
【0063】
配位子としてアルコキシを含む6配位重金属錯体としては、例えば、ヘキサメトキシタングステン、ヘキサメトキシモリブデン、テトラクロロ−ビスブトキシジルコニウム、テトラクロロ−ビスブトキシハフニウム、テトラポルフィリンエチレンジオキシタングステン等が挙げられる。
【0064】
これらのうち、配位子としてハロゲンを含む4配位重金属錯体、配位子としてハロゲンを含む5配位重金属錯体、配位子としてエーテルを含む5配位重金属錯体、配位子としてアルコキシを含む5配位重金属錯体及び配位子としてハロゲンを含む6配位重金属錯体、配位子としてエーテルを含む6配位重金属錯体、配位子としてアルコキシを含む6配位重金属錯体が好ましく、さらに好ましくは配位子としてハロゲンを含む4配位金属錯体、配位子としてハロゲンを含む5配位金属錯体、配位子としてエーテルを含む5配位金属錯体、配位子としてハロゲンを含む6配位金属錯体、配位子としてエーテルを含む6配位金属錯体、特に好ましくは配位子としてハロゲンを含む4配位金属錯体、配位子としてハロゲンを含む6配位金属錯体、配位子としてエーテルを含む6配位金属錯体、最も好ましくは配位子としてハロゲンを含む6配位金属錯体又は配位子としてエーテルを含む6配位金属錯体である。
【0065】
本発明の重金属触媒は、公知の方法によって調整されたもの、又は市販品を使用することができる(「触媒調整および試験法 触媒工学講座5 触媒学会編集株式会社 地人書館」等)。例えば、配位子としてハロゲンを含む重金属錯体(HfCl4等)は市販品(例えば和光純薬株式会社、アルドリッチ社等)が使用できる。また、配位子として炭化水素基を含む重金属触媒(テトラフェニルハフニウム等)は、配位子としてハロゲンを含む重金属錯体と、ハロゲン化炭化水素及びマグネシウムからなるグリニャー試薬とをグリニャー化反応させる方法等で得られる。また、エーテルを配位子とする重金属触媒は、配位子としてハロゲンを含む重金属錯体をエーテル溶液中撹拌する方法等により得られる。また、アルコキシルを配位子とする重金属触媒は、アルコキシナトリウムやアルコキシカリウムと、配位子としてハロゲンを含む重金属錯体とを混合する方法等により得られる。また、2座配位子、3座配位子又は4座配位子を配位子とする重金属触媒は、金属と直接配位子を混合する方法等により得ることができる。
【0066】
カルボニル基及び/又はチオカルボニル基を含有する活性水素化合物(a)としては、カルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、イミド、カルボン酸塩、チオカルボン酸、チオカルボン酸エステル、チオカルボン酸アミド、チオカルボン酸イミド、チオカルボン酸塩、カルボセレン酸、カルボセレノチオ酸、カルボセレン酸塩及びカルボセレノチオ酸塩等が使用できる。
【0067】
カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸等が使用できる。
脂肪族カルボン酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びポリカルボン酸等が用いられる。モノカルボン酸としては、炭素数1〜20のモノカルボン酸等が用いられ、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オクタデカン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びエイコサン酸等が挙げられる。ジカルボン酸としては、炭素数2〜30のジカルボン酸等が用いられ、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びマレイン酸等が挙げられる。ポリカルボン酸としては、炭素数6〜30のポリカルボン酸等が用いられ、例えば、ヘキサントリカルボン酸、オクタントリカルボン酸及びヘキサンテトラカルボン酸等が挙げられ、これらの他に、重量平均分子量100〜2000のポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、メタクリル酸/マレイン酸共重合体及びメチルメタクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0068】
芳香族カルボン酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びポリカルボン酸等が用いられる。モノカルボン酸としては、炭素数7〜20のカルボン酸等が用いられ、例えば、安息香酸、4−メチル安息香酸、2,3,4−トリクロロ安息香酸及びナフタレンカルボン酸等が挙げられる。ジカルボン酸としては、炭素数7〜30のジカルボン酸等が用いられ、例えば、フタル酸、テレフタル酸、トリクロロベンゼンジカルボン酸、m−トルエンジカルボン酸及びナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。ポリカルボン酸としては、炭素数7〜30のポリカルボン酸等が用いられ、例えば、トリメリット酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゼンヘキサカルボン酸及びナフタレンテトラカルボン酸等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボキシスチレン)及びメチルメタクリレート/4−カルボキシスチレン共重合体等が挙げられる。
【0069】
カルボン酸エステルとしては、活性水素含有基(−OH、=NH及び/又は−SH)を分子内に有する炭素数2〜31のカルボン酸エステル等が用いられ、例えば、ヒドロキシエチルモノアセテート、ヒドロキシプロピルモノメタクリレート、β−ハイドロオキシプロピルモノアクリレート、ビス(ジエチレングリコール)安息香酸エステル、グリセリンモノアセタート、トリグリセリンジアセタート及びソルビトールモノメタクリレート等が挙げられる。
【0070】
アミドとしては、炭素数1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10)のアミド等が用いられ、例えば、アセタミド、エチルアミド、プロピルアミド、メチルエチルアミド、ブチルアミド及びベンゾアミド等が挙げられる。
【0071】
イミドとしては、炭素数2〜20(好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10)のイミド等が用いられ、例えば、エチルカルキシミド、ブチルカルボキシミド、シクロヘキサンジカルボキシミド及びスクシンイミド等が挙げられる。
【0072】
カルボン酸塩としては、ジカルボン酸又はポリカルボン酸等とアルカリ金属、アルカリ土類金属又は重金属塩等との塩等が使用できる。ジカルボン酸塩としては、炭素数7〜30のジカルボン酸塩等が用いられ、例えば、フタル酸カリウム、テレフタル酸カリウム、トリクロロベンゼンジカルボン酸リチウム、m−トルエンジカルボン酸ナトリウム及びナフタレンジカルボン酸ナトリウム等が挙げられる。ポリカルボン酸塩としては、炭素数7〜30のポリカルボン酸塩等が用いられ、例えば、トリメリット酸カリウム、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸カリウム、ベンゼンヘキサカルボン酸リチウム及びナフタレンテトラカルボン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボキシスチレン)及びメチルメタクリレート/4−カルボキシスチレン共重合体ナトリウム塩等が挙げられる。なお、これらの塩は、部分塩も使用できる(以下同じ)。
【0073】
チオカルボン酸としては、脂肪族チオカルボン酸及び芳香族チオカルボン酸が使用できる。
脂肪族チオカルボン酸としては、モノチオカルボン酸、ジチオカルボン酸及びポリチオカルボン酸等が用いられる。モノチオカルボン酸としては、炭素数1〜20のモノチオカルボン酸等が用いられ、例えば、チオギ酸、チオ酢酸、チオプロピオン酸、チオオクタン酸、2−エチルチオヘキサン酸、オクタチオデカン酸、チオアクリル酸、チオメタクリル酸及びチオエイコサン酸等が挙げられる。ジチオカルボン酸としては、炭素数2〜30のジチオカルボン酸等が用いられ、例えば、チオシュウ酸、チオコハク酸、チオアジピン酸、チオセバシン酸及びチオマレイン酸等が挙げられる。ポリチオカルボン酸としては、炭素数6〜30のポリチオカルボン酸等が用いられ、例えば、ヘキサントリチオカルボン酸、オクタントリチオカルボン酸及びヘキサンテトラチオカルボン酸等が挙げられ、これらの他に、重量平均分子量100〜2000のポリチオ(メタ)アクリル酸、ポリチオマレイン酸、チオメタクリル酸/チオマレイン酸共重合体及びメチルチオメタクリレート/チオ(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0074】
芳香族チオカルボン酸としては、モノチオカルボン酸、ジチオカルボン酸及びポリチオカルボン酸等が用いられる。モノチオカルボン酸としては、炭素数7〜20のチオカルボン酸等が用いられ、例えば、チオ安息香酸、4−メチルチオ安息香酸、2,3,4−トリクロロチオ安息香酸及びナフタレンチオカルボン酸等が挙げられる。ジチオカルボン酸としては、炭素数7〜30のジチオカルボン酸等が用いられ、例えば、チオフタル酸、チオテレフタル酸、トリクロロベンゼンジチオカルボン酸、m−トルエンジチオカルボン酸及びナフタレンジチオカルボン酸等が挙げられる。ポリチオカルボン酸としては、炭素数7〜30のポリチオカルボン酸等が用いられ、例えば、チオトリメリット酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラチオカルボン酸、ベンゼンヘキサチオカルボン酸及びナフタレンテトラチオカルボン酸等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−チオカルボキシスチレン)及びメチルチオメタクリレート/4−チオカルボキシスチレン共重合体等が挙げられる。
【0075】
チオカルボン酸エステルとしては、活性水素含有基(−OH、−NH2及び−SH)を分子内に有する炭素数2〜31のチオカルボン酸エステル等が用いられ、例えば、ヒドロキシエチルモノチオアセテート、ヒドロキシプロピルモノチオメタクリレート、β−ハイドロオキシプロピルモノチオアクリレート、ビス(ジエチレングリコール)チオ安息香酸エステル、グリセリンモノチオアセタート、トリグリセリンジチオアセタート及びソルビトールモノチオメタクリレート等が挙げられる。
【0076】
チオカルボン酸アミドとしては、炭素数1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10)のチオカルボン酸アミド等が用いられ、チオカルボン酸アミド、メチルエチルチオカルボン酸アミド、ブチルチオカルボン酸アミド及びベンゾチオカルボン酸アミド等が挙げられる。
【0077】
チオカルボン酸イミドとしては、炭素数2〜20(好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10)のイミド等が用いられ、例えば、エチルチオカルキシミド、ブチルチオカルボキシミド、シクロヘキサンジチオカルボキシミド及びチオスクシンイミド等が挙げられる。
【0078】
チオカルボン酸塩としては、ジチオカルボン酸又はポリチオカルボン酸等とアルカリ金属、アルカリ土類金属又は重金属塩等との塩等が使用できる。ジチオカルボン酸塩としては、炭素数7〜30のジチオカルボン酸塩等が用いられ、例えば、チオフタル酸カリウム、チオテレフタル酸カリウム、トリクロロベンゼンジチオカルボン酸リチウム、m−トルエンジチオカルボン酸ナトリウム及びナフタレンジチオカルボン酸ナトリウム等が挙げられる。ポリチオカルボン酸塩としては、炭素数7〜30のポリチオカルボン酸塩等が用いられ、例えば、チオトリメリット酸カリウム、1,2,4,5−ベンゼンテトラチオカルボン酸カリウム、ベンゼンヘキサチオカルボン酸リチウム及びナフタレンテトラチオカルボン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−チオカルボキシスチレン)及びメチルメタクリレート/4−チオカルボキシスチレン共重合体ナトリウム塩等が挙げられる。
【0079】
カルボセレン酸としては、脂肪族カルボセレン酸及び芳香族カルボセレン酸等が使用できる。
脂肪族カルボセレン酸としては、モノカルボセレン酸、ジカルボセレン酸及びポリカルボセレン酸等が用いられる。モノカルボセレン酸としては、炭素数1〜20のモノカルボセレン酸等が用いられ、例えば、メチルセレン酸、エチルセレン酸、プロピオセレン酸、オクタセレン酸、2−エチルヘキサセレン酸、オクタデカセレン酸、アクリルセレン酸、メタクリルセレン酸及びエイコサセレン酸等が挙げられる。ジカルボセレン酸としては、炭素数2〜30のジカルボセレン酸等が用いられ、例えば、エタンセレン二酸、ブタンセレン二酸、ヘキサセレン二酸、1,8−オクタンジカルボセレン酸及びcis−ブタンセレン二酸等が挙げられる。ポリカルボセレン酸としては、炭素数6〜30のポリカルボセレン酸等が用いられ、例えば、ヘキサントリカルボセレン酸、オクタントリカルボセレン酸及びヘキサンテトラカルボセレン酸等が挙げられ、これらの他に、重量平均分子量100〜2000のポリ(メタ)アクリルセレン酸、ポリマレインセレン酸、メタクリルセレン酸/マレインセレン酸共重合体及びメチルメタクリレート/(メタ)アクリルセレン酸共重合体等が挙げられる。
【0080】
芳香族カルボセレン酸としては、モノカルボセレン酸、ジカルボセレン酸及びポリカルボセレン酸等が用いられる。モノカルボセレン酸としては、炭素数7〜20のカルボセレン酸等が用いられ、例えば、ベンゼンカルボセレン酸、4−メチルベンジルカルボセレン酸、2,3,4−トリクロロベンゼンカルボセレン酸及びナフタレンカルボセレン酸等が挙げられる。ジカルボセレン酸としては、炭素数7〜30のジカルボセレン酸等が用いられ、例えば、1,2−ベンゼンジカルボセレン酸、1,4−ベンゼンカルボセレン酸、トリクロロベンゼンジカルボセレン酸、m−トルエンジカルボセレン酸及びナフタレンジカルボセレン酸等が挙げられる。ポリカルボセレン酸としては、炭素数7〜30のポリカルボセレン酸等が用いられ、例えば、1,2,4−ベンセントリカルボセレン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボセレン酸、ベンゼンヘキサカルボセレン酸及びナフタレンテトラカルボセレン酸等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボセレノスチレン)及びメチルメタクリルセレネート/4−カルボセレノスチレン共重合体等が挙げられる。
【0081】
カルボセレノチオ酸としては、脂肪族カルボセレノチオ酸及び芳香族カルボセレノチオ酸等が使用できる。
脂肪族カルボセレノチオ酸としては、モノカルボセレノチオ酸、ジカルボセレノチオ酸及びポリカルボセレノチオ酸等が用いられる。モノカルボセレノチオ酸としては、炭素数1〜20のモノカルボセレノチオ酸等が用いられ、例えば、メチルカルボセレノチオ酸、エチルカルボセレノチオ酸、プロピルカルボセレノチオ酸、オクチルカルボセレノチオ酸、2−エチルヘキシルカルボセレノチオ酸、オクタデカニルカルボセレノチオ酸及びエイコシルカルボセレノチオ酸等が挙げられる。ジカルボセレノチオ酸としては、炭素数2〜30のジカルボセレノチオ酸等が用いられ、例えば、カルボセレノチオシュウ酸、カルボセレノチオコハク酸、カルボセレノチオアジピン酸、カルボセレノチオセバシン酸及びカルボセレノチオマレイン酸等が挙げられる。ポリカルボエレノチオ酸としては、炭素数6〜30のポリカルボセレノチオ酸等が用いられ、例えば、ヘキサントリカルボセレノチオ酸、オクタントリカルボセレノチオ酸及びヘキサンテトラカルボセレノチオ酸等が挙げられ、これらの他に、重量平均分子量100〜2000のポリ(メタ)アクリルセレノチオ酸、ポリマレインセレノチオ酸、メタクリルセレノチオ酸/マレインセレノチオ酸共重合体及びメチルメタクリルセレノチオレート/(メタ)アクリルセレノチオ酸共重合体等が挙げられる。
【0082】
芳香族カルボセレノチオ酸としては、モノカルボセレノチオ酸、ジカルボセレノチオ酸及びポリカルボセレノチオ酸等が用いられる。モノカルボセレノチオ酸としては、炭素数7〜20のカルボセレノチオ酸等が用いられ、例えば、セレノチオ安息香酸、4−メチルセレノチオ安息香酸、2,3,4−トリクロロセレノチオ安息香酸、セレノチオアクリル酸、セレノチオメタクリル酸及びナフタレンカルボセレノチオ酸等が挙げられる。ジカルボセレノチオ酸としては、炭素数7〜30のジカルボセレノチオ酸等が用いられ、例えば、セレノチオフタル酸、セレノチオテレフタル酸、トリクロロベンゼンジカルボセレノチオ酸、m−トルエンジカルボセレノチオ酸及びナフタレンジカルボセレノチオ酸等が挙げられる。ポリカルボセレノチオ酸としては、炭素数7〜30のポリカルボエレノチオ酸等が用いられ、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボセレノチオ酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボセレノチオ酸、ベンゼンヘキサカルボセレノチオ酸及びナフタレンテトラカルボセレノチオ酸等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボセレノチオキシスチレン)及びメチルセレノチオメタクリレート/4−カルボセレノチオキシスチレン共重合体等が挙げられる。
【0083】
カルボセレン酸塩としては、ジカルボセレン酸又はポリカルボセレン酸等とアルカリ金属、アルカリ土類金属又は重金属塩等との塩等が使用できる。
ジカルボセレン酸塩としては、炭素数7〜30のジカルボセレン酸塩等が用いられ、例えば、カルボセレンフタル酸カリウム、カルボセレンテレフタル酸カリウム、トリクロロベンゼンジカルボセレン酸リチウム、m−トルエンジカルボセレン酸ナトリウム及びナフタレンジカルボセレン酸ナトリウム等が挙げられる。ポリカルボセレン酸塩としては、炭素数7〜30のポリカルボセレン酸塩等が用いられ、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボセレン酸カリウム、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボセレン酸カリウム、ベンゼンヘキサカルボセレン酸リチウム及びナフタレンテトラカルボセレン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボキセレノスチレン)及びメチルメタクリレート/4−カルボセレノスチレン共重合体ナトリウム塩等が挙げられる。
【0084】
カルボセレノチオ酸塩としては、ジカルボセレン酸又はポリカルボセレン酸等とアルカリ金属、アルカリ土類金属又は重金属塩等との塩等が使用できる。ジカルボセレン酸塩としては、炭素数7〜30のジカルボセレン酸塩等が用いられ、例えば、1、2−ベンゼンジカルボセレン酸カリウム、1,4−ベンゼンジカルボセレンカリウム、トリクロロベンゼンジカルボセレン酸リチウム、m−トルエンジカルボセレン酸ナトリウム及びナフタレンジカルボセレン酸ナトリウム等が挙げられる。ポリカルボセレン酸塩としては、炭素数7〜30のポリカルボセレン酸塩等が用いられ、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボセレン酸カリウム、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボセレン酸カリウム、ベンゼンヘキサカルボセレン酸リチウム及びナフタレンテトラカルボセレン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボセレノスチレン)及びメチルメタクリレート/4−カルボセレノスチレン共重合体ナトリウム塩等が挙げられる。
【0085】
活性水素化合物(a)として、以上の他に一般式(1)で表される化合物が使用できる。
【0086】
【化3】
【0087】
一般式(1)中、R1は炭素数2〜20のアルキル基又はアルケニル基を表し、アルキル基又はアルケニル基中の水素原子の一部はハロゲン原子及び/又は炭素数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。R2は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、アルキレン基中の水素原子の一部はハロゲン原子又は炭素数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。Yは−O−、−S−、−NH−、−OCOO−、−OCOS−、−COO−、−COS−、−CONH−及び−N=C(−R3)−O−からなる群より選ばれる2価の基を表し、R3は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子及び/若しくは炭素数1〜10のアルキル基を有していてもよい炭素数5〜15のシクロアルキル基、又はハロゲン原子及び/若しくは炭素数1〜10のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。nは1〜100の整数である。
【0088】
一般式(1)で表される化合物としては、以下のようなものが例示できる。
Yが−O−の場合としては、例えば、ヒドロキシエチルホルメート、ヒドロキシプロピルアセテート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(重合度2〜100)及びヒドロキシブチルマレイン酸モノエステル等が挙げられる。
【0089】
Yが−S−の場合、例えば、メルカプトプロピルアセテート、メルカプトエチルアクリレート、メルカプトプロピルメタクリレート、ポリエチレンチオグリコールメタクリレート(重合度2〜100)及びメルカプトブチルマレイン酸モノエステル等が挙げられる。
Yが−NH−の場合、例えば、アミノエチルアクリレート、アミノプロピルメタクリレート、アミノエチルアセテート及びポリ(アミノプロピル)メタクリレート(重合度2〜100)等が挙げられる。
【0090】
Yが−OCOO−の場合、例えば、アセトキシエチルカーボネート(HO−COO−CH2CH2−OCOCH3)、アクリロキシプロピルカーボネート(HO−COO−CH2CH(CH3)−OCOCHCH3)及びアクリロキシポリ(プロピレンカーボネート)(重合度2〜100)等が挙げられる。
【0091】
Yが−OCOS−の場合、アセトキシエチルチオカーボネート(HO−COS−CH2CH2−OCOCH3)、アクリロキシプロピルチオカーボネート(HO−COS−CH2CH(CH3)−OCOCH=CH2)及びアクリロキシポリ(プロピレンチオカーボネート)(重合度2〜100)等が挙げられる。
【0092】
Yが−COO−の場合、3−アセチルオキシプロパン酸(HO−CO−CH2CH2−OCO−CH3)及び3−プロピオニルオキシプロパン酸(HO−CO−CH2CH2CH2−OCO−CH2CH3)等が挙げられる。
【0093】
Yが−COS−の場合、3−アセチルオキシチオプロパン酸(HS−CO−CH2CH2OCO−CH3)及び4−プロピオニルオキシチオブタン酸(HS−CO−CH2CH2CH2−OCO−CH2CH3)等が挙げられる。
【0094】
Yが−CONH−の場合、3−アセチルオキシプロパン酸アミド(H2N−CO−CH2CH2−OCO−CH3)及び4−プロピニルオキシブタン酸アミド(H2N−CO−CH2CH2CH2−OCO−CH2CH3)等が挙げられる。
【0095】
Yが−N=C(−R3)−O−の場合、1−(アセトキシエテノキシ)プロピルアミン(NH2CH(CH2CH3)−O−CH=CH−OCO−CH3)、2−プロピオニルオキシエテノキシ)−プロピルアミン(NH2CH2CH(CH3)−O−CH=CH−OCO−CH2CH3)等が挙げられる。
【0096】
これらの活性水素化合物(a)のうち、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸塩、チオカルボン酸、チオカルボン酸エステル、チオカルボン酸塩、アミド、イミド及び一般式(1)で表される化合物が好ましく、さらに好ましくはカルボン酸、カルボン酸エステル、チオカルボン酸、チオカルボン酸エステル、アミド及び一般式(1)で表される化合物、特に好ましくはカルボン酸、カルボン酸エステル、チオカルボン酸、アミド及び一般式(1)で表される化合物、最も好ましくはカルボン酸、チオカルボン酸、アミド及び一般式(1)で表される化合物である。
【0097】
ヘテロ環状化合物(b)としては、環を構成する原子の一部にヘテロ原子を有する3〜8員環化合物等が使用できる。ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、砒素原子及びセレン原子等が挙げられる。
ヘテロ環状化合物(b)として、例えば、一般式(2)で表される化合物等が用いられる。
【0098】
【化4】
【0099】
一般式(2)中、R4は、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、アルキレン基中の水素原子の一部がハロゲン原子及び/又は炭素数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。Zは、−O−、−S−、−NH−、−OCOO−、−OCOS−、−COO−、−COS−、−CONH−又は−N=C(−R3)−O−で表される2価の基であり、R3は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子及び/若しくは炭素数1〜10のアルキル基を有していてもよい炭素数5〜15のシクロアルキル基、又はハロゲン原子及び/若しくは炭素数1〜10のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。
【0100】
炭素数2〜20のアルキレン基(R4)としては、例えば、エチレン、プロピレン、1,1−ジメチルプロピレン、1,2−ブチレン、1,1−ジメチル1,2−ブチレン、3,4−ブチレン、1,2−ジメチル1,4−ブチレン、1,2−ペンチレン、1,2−ヘキシレン、塩化プロピレン、1,12−ウンデシレン、1,4−ジペンチルオクテン及び2,3−ジデカニル−1−ドデセン等が挙げられる。(炭素数1〜10の炭化水素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、n−ペンチル、エチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノナニル、ベンジル及びn−デカニル等が挙げられる。)
【0101】
炭素数1〜12のアルキル基(R3)としては、例えば、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、デシル、ウンデシル、モノクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、1,2−ジクロロエチル、1,1−ジクロロエチル、1,4−フルオロブチル及び2−エチル−6−フルオロヘキシル等が挙げられる。
【0102】
炭素数5〜15のシクロアルキル基(R3)としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−ヘキシルシクロへキシル、6−イソプロピルシクロオクチル、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)シクロペンチル及びパ−フルオロシクロペンチル等が挙げられる。
【0103】
炭素数6〜12のアリール基(R3)としては、例えば、フェニル、4−クロロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、ナフチル、3,5−メチルナフチル、パーフルオロフェニル、1,3,5−トリス(ターシャリーブチル)フェニル及び2,4,8−トリクロロナフチル等が挙げられる。
【0104】
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、以下の化合物等が例示できる。
(1)環状エーテル(Q:−O−)
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、3,4−ブチレンオキシド、オキセタン、1,2−ジクロロオキセタン、1,2−ペンチレンオキシド、1,2−ヘキシレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル及びフェニルグリシジルエーテル等。
【0105】
(2)環状サルファイド(Q:−S−)
エチレンサルファイド、プロピレンサルファイド、1,2−ブチレンサルファイド、2,3−ブチレンサルファイド、1,2−ペンテンサルファイド、シクロヘキセンサルファイド、スチレンサルファイド、エピクロロチオサルファイド、エピブロモチオサルファイド、パークロロプロピレンサルファイド及びアリルグリシジルチオサルファイド等。
【0106】
(3)環状アミン(Q:−NH−)
エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,2−ペンテンイミン、シクロヘキセンイミン、スチレンイミン、エピクロロイミン、エピブロモイミン、フェニルイミン、トルイルイミン及びアリルグリシジルイミン等。
【0107】
(4)環状カーボネート(Q:−OCOO−)
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、iso−ブチレンカーボネート、フェニレンカーボネート、ヘキセンカーボネート及び1,2−クロロプロピレンカーボネート等。
【0108】
(5)チオカーボネート(Q:−OCOS−)
エチレンチオカーボネート、プロピレンチオカーボネート、iso−ブチレンチオカーボネート及び1,2−クロロプロピレンカーボネート等。
【0109】
(6)ラクトン(Q:−COO−)
ε−カプロラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、クロロε−カプロラクトン及びヘプトラクトン等。
【0110】
(7)チオラクトン(Q:−COS−)
プロピオチオラクトン、ブチルチオラクトン、1−メチル−ブチルチオラクトン、ジクロロプロピルチオラクトン、トリクロロブチルチオラクトン、ペンチルチオラクトン、クロロブチルチオラクトン及びヘキシルチオラクトン等。
【0111】
(8)ラクタム(Q:−CONH−)
ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム、γ−バレロラクタム、δ−バレロラクタム、ヘプトラクタム、グリコシアミジン、オキシンドール、クロロε−カプロラクタム及びイサチン等。
【0112】
(9)環状オキサゾール(Q:−N=C(−R3)−O−)
オキサゾール、メチルオキサゾール、プロピルオキサゾール、ブチルオキサゾール、sec−ブチルオキサゾール、t−ブチルオキサゾール、ペンチルオキサゾール、sec−ペンチルオキサゾール等。
【0113】
これらのヘテロ環状化合物のうち、環状エーテル、環状サルファイド、環状アミン及び環状ラクトンが好ましく、さらに好ましくは環状エーテル及び環状サルファイド、特に好ましくは環状エーテル、さらに特に好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、3,4−ブチレンオキシド、オキセタン、1,2−ジクロロオキセタン、1,2−ペンチレンオキシド、1,2−ヘキシレンオキシド、テトラヒドロフラン、シクロヘキセンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル及びアリルグリシジルエーテル、最も好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、3,4−ブチレンオキシド及びテトラヒドロフランである。
【0114】
本発明の重金属触媒の使用量(重量部)としては特に制限されるものではないが、活性水素化合物(a)とヘテロ環状化合物(b)との合計1000重量部に対し、0.0001以上が好ましく、さらに好ましくは0.0005以上、特に好ましくは0.001以上、最も好ましくは0.05以上であり、また10以下が好ましく、さらに好ましくは5以下、特に好ましくは1以下、最も好ましくは0.5以下である。
【0115】
ヘテロ環状化合物(b)の使用量(モル)は、活性水素化合物(a)1モルに対し、0.5以上が好ましく、さらに好ましくは1以上であり、また100以下が好ましく、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは30以下、最も好ましくは20以下である。
【0116】
本発明の触媒を用いて開環付加反応を行う際に、必要により溶媒を使用することができる。溶媒としては、通常の開環付加反応に使用されるものをそのまま用いることができる。例えば、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSO、キシレン、四塩化炭素及びクロロホルム等が挙げられる。
溶媒を使用する場合、溶媒の使用量(重量%)は、ヘテロ環状化合物(b)の重量に基づいて、10以上が好ましく、さらに好ましくは30以上、特に好ましくは40以上であり、また80以下が好ましく、さらに好ましくは60以下、特に好ましくは50以下である。
【0117】
開環付加反応の反応温度(℃)は、0以上が好ましく、さらに好ましくは20以上、特に好ましくは40以上であり、また100以下が好ましく、さらに好ましくは90以下、特に好ましくは80以下である。また、反応圧力(ゲージ圧、Pa)は、10以上が好ましく、さらに好ましくは20以上、特に好ましくは20以上であり、また100以下が好ましく、さらに好ましくは80以下、特に好ましくは50以下である。
【0118】
本発明の重金属触媒を用いて開環付加反応する方法としては、通常の開環付加反応と同様の方法で行うことができ、例えば、▲1▼ヘテロ環状化合物(b)を、活性水素化合物(a)、本発明の重金属触媒及び必要により使用する溶媒の混合物(あらかじめ反応温度に調製する)に少しずつ加えて開環付加反応させる方法、▲2▼ヘテロ環状化合物(b)、活性水素化合物(a)、本発明の重金属触媒及び必要により使用する溶媒を一気に混合してから、反応温度を調製しながら反応させる方法、▲3▼▲1▼、▲2▼で得られる反応生成物をそのまま釜内に残し、ヘテロ環状化合物を代えてさらに開環付加反応(▲1▼又は▲2▼の方法等)させる方法等が挙げられる。
【0119】
開環付加反応の後、本発明の重金属触媒を、吸着剤(例えば、活性白土、ゼオライト、合成ケイ酸マグネシウム及びイオン交換樹脂等)による吸着除去、又は濾過による除去を行ってもよく、鉱酸、有機酸、アミン又は水酸化アルカリ金属等で中和処理してもよい。
【0120】
本発明の重金属触媒を用いると、ヘテロ環状化合物(b)の付加選択性が極めて高くなるので、目的のヘテロ環状化合物開環付加体が高純度で得ることができる。特にカルボニル基及び/又はチオカルボニル基を含有する活性水素化合物(a)にヘテロ環状化合物(b)を高選択的に開環付加させ、副生成物の極めて少ない開環付加体が得ることができる。従って、本発明の重金属触媒を用いて得られる開環付加体は、必要により重金属触媒を除去又は中和する以外に何ら精製することなく、これを原料とする次工程の反応等にそのまま使用することができる。なお、副生成物の含有量は、通常のガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフィー、HPLC及び分取GPC等により定量することができる。
【0121】
そして、こうして得られる開環付加体は、ポリマー分散ポリオール、イソシアネート基末端プレポリマー、ポリウレタン、ポリオキシアルキレンポリアミン及び該ポリオキシアルキレンポリアミンを原料とするポリウレタンウレア樹脂等の原材料として極めて有益である。さらに、本発明の重金属触媒を用いれば、紫外線硬化性樹脂、帯電防止剤、塗料原料としても有用な(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等も高純度(ジエステル等を含まない)で得ることができる。
【0122】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されない。以下において、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
<実施例1>
撹拌機能及び温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、アクリル酸(AA)360部(5モル部)、テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl4・THF2)0.2部を投入し、混合系内を窒素で置換した。
次いで、オートクレーブ密閉下で、エチレンオキシド(EO)220部(5モル部)を60℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2を維持しつつ導入した後、さらに、60℃で1時間熟成反応させた。
反応生成物に吸着剤(商品名:キョーワード1000、協和化学工業株式会社製)を3部投入し、90℃にて処理後、ろ過することによりエチレンオキシド開環付加体(1)を得た。
【0123】
得られたエチレンオキシド開環付加体(1)は、ガスクロマトグラフィー(以下GCと略記する。)によって収率と副成物を求めた。
<<GC条件>>
装 置 島津社製ガスクロマトグラフGC−17
カ ラ ム SHIN CARBONA(信和化工(株))
気化室温度 200℃
ディテクタ温度 210℃
カラム初期温度 90℃
カラム昇温速度 6℃/分
カラム最終温度 280℃
試料濃度 50%アセトン溶液
【0124】
各生成物はあらかじめGCMSを用いてピーク位置(リテンションタイム)を確認した。
<<GCMS条件>>
装 置 島津社製四重極型質量分析計(GCMS QP−5000)
<GC条件> 上記GC条件と同じ
<MS条件>
測定開始質量範囲 EI 33〜600
走査間隔(I) 1.0sec
しきい値(T) 1000
溶媒溶出時間 0.05min
測定開始時間 0.1min
測定終了時間 40min
スキャンゲイン 1.4KV
【0125】
GC分析の結果、エチレンオキシド開環付加体中、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)の純度は93.3%であり、不純物としてエチレングリコールジアクリレート(EGDA)0.10%、ジエチレングリコールモノアクリレート(DEGA)5.75%、未反応エチレンオキシド0.13%、エチレングリコール(EG)0.28%、ポリエチレングリコールモノアクリレート(PEGA)0.44%を検出した。
【0126】
<実施例2>
アクリル酸(AA)360部(5モル部)をメタクリル酸(MA)430部(5モル部)に、エチレンオキシド(EO)220部(5モル部)をプロピレンオキシド(PO)290部(5モル部)に換えた以外は、実施例1と同様にして、プロピレンオキシド開環付加体(2)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)の純度は91.6%であり、不純物としてプロピレングリコールジメタクリレート(PGDM)0.13%、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPGM)6.17%、未反応プロピレンオキシド(PO)0.21%、プロピレングリコール(PG)0.58%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGM)1.31%を検出した。
【0127】
<実施例3>
テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl4・THF2)0.2部をジメタクリル酸ジクロロハフニウム・(THF)2(DMHfCl2・THF2)0.2部に換えた以外は、実施例2と同様にしてプロピレンオキシド開環付加体(3)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)の純度は92.2%であり、不純物としてプロピレングリコールジメタクリレート(PGDM)0.12%、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPGM)5.48%、未反応プロピレンオキシド(PO)0.29%、プロピレングリコール(PG)0.81%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGM)1.10%であった。
【0128】
<実施例4>
プロピレンオキシド(PO)290部(5モル部)をプロピレンオキシド(PO)580部(10モル部)に換えた以外は、実施例2と同様にしてプロピレンオキシド開環付加体(4)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)の純度は88.58%であり、不純物としてプロピレングリコールジメタクリレート(PGDM)0.13%、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPGM)4.63%、未反応プロピレンオキシド(PO)0.30%、プロピレングリコール(PG)1.04%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGM)5.32%であった。
【0129】
<実施例5>
アクリル酸(AA)360部(5モル部)を酢酸(AC)300部(5モル部)に換えた以外は、実施例1と同様にして、エチレンオキシド開環付加体(5)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシエチルアセテート(HEAC)の純度は89.8%であり、不純物としてエチレングリコールジアセテート(EGDAC)0.14%、ジエチレングリコールモノアセテート(DEGAC)6.20%、未反応エチレンオキシド(EO)0.23%、エチレングリコール(EG)0.63%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PEGAC)3.00%を検出した。
【0130】
<比較例1>
テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl・THF2)0.2部をテトラクロロチタン(TiCl4)0.2部に代えた以外は、実施例1と同様にしてエチレンオキシド開環付加体(6)を得た。
GCによって、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)の純度は87.7%であり、不純物としてエチレングリコールジアクリレート(EGDA)0.28%、ジエチレングリコールモノアクリレート(DEGA)5.96%、未反応エチレンオキシド(EO)0.64%、エチレングリコール(EG)0.89%、ポリエチレングリコールモノアクリレート(PEGA)4.53%であった。
【0131】
<比較例2>
テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl4・THF2)0.2部を三塩化鉄(FeCl3)0.2部に代えた以外は、実施例2と同様にしてプロピレンオキシド開環付加体(7)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)の純度は89.3%、不純物はプロピレングリコールジメタクリレート(PGDM)0.29%、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPGM)6.43%、未反応プロピレンオキシド(PO)0.61%、プロピレングリコール(PG)0.81%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGM)2.56%であった。
【0132】
<比較例3>
テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl4・THF2)0.2部を三塩化鉄(FeCl3)0.2部に代えた以外は、実施例4と同様にしてプロピレンオキシド開環付加体(8)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)の純度は74.55%、不純物はプロピレングリコールジメタクリレート(PGDM))0.49%、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPGM)8.19%、未反応プロピレンオキシド(PO)0.55%、プロピレングリコール(PG)2.86%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGM)13.36%であった。
【0133】
<比較例4>
テトラクロロハフニウム(IV)・(THF)2(HfCl4・THF2)0.2部を三塩化鉄(FeCl3)0.2部に代えた以外は、実施例5と同様にしてプロピレンオキシド開環付加体(9)を得た。
GCによって、得られたヒドロキシエチルアセテート(HEAC)の純度は75.01%、不純物はエチレングリコールジアセテート(EGDAC)0.49%、ジエチレングリコールモノアセテート(DEGAC)8.55%、未反応エチレンオキシド(EO)0.62%、エチレングリコール(EG)2.93%、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PEGAC)12.41%であった。
【0134】
実施例1〜5及び比較例1〜4で使用した金属触媒、活性水素化合物、ヘテロ環状化合物、アルキレンオキシド開環付加体の純度、不純物含量を表1に記載する。
【0135】
【表1】
【0136】
【発明の効果】
本発明の重金属触媒は、ヘテロ環状化合物に対する付加選択性が極めて高いので、目的の環状化合物開環付加体が高純度で得ることができる。
従って、本発明の重金属触媒を用いて得られる開環付加体は、何ら精製することなく、これを原材料とする次工程の反応等に使用することができる。特に例えば、紫外線硬化性樹脂、帯電防止剤又は塗料原料として有用なポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等も極めて高い純度(ジエステル等を含まない)で得ることができる。
Claims (4)
- カルボニル基及び/又はチオカルボニル基を含有する活性水素化合物(a)に対するヘテロ環状化合物(b)の開環付加反応用金属触媒であって、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ルテニウム及びオスミウムからなる群より選ばれる重金属元素を有してなることを特徴とする重金属触媒。
- 活性水素化合物(a)がカルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、イミド、カルボン酸塩、チオカルボン酸、チオカルボン酸エステル、チオカルボン酸アミド、チオカルボン酸イミド、チオカルボン酸塩、カルボセレン酸、カルボセレノチオ酸、カルボセレン酸塩、カルボセレノチオ酸塩及び一般式(1)で表される化合物からなる群より選ばれる化合物である請求項1記載の重金属触媒。
- 炭化水素基、エーテル、アルコキシル及びアミンからなる群より選ばれる有機配位子、無機配位子並びに/又は有機酸からなる対イオンを有してなる請求項1又は2に記載の重金属触媒。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の重金属触媒(c)の存在下に、一般式(2)で表されるヘテロ環状化合物(b)と活性水素化合物(a)とを反応させる製造工程を含むことを特徴とする開環付加体の製造法。
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