JP2004041378A - 輸液容器及び薬剤収容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】輸液容器の液体収容器は、液体収容器本体と、液体収容器本体の口部6を閉鎖する第1の栓体と、液体収容器本体5と第1の栓体とを一体的に接続する脆弱部8を有する。薬剤収容器は、第1の栓体を囲うように液体収容器本体5に固定された筒体15,16,18と、筒体に形成された開口部74を覆う第2の栓体17を有する。そして、筒体は、液体収容器の脆弱部にせん断力を与える手段と、液体収容器の脆弱部に引張力を与える手段を有する。
【選択図】図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸液容器に関する。特に、本発明は、液体と薬剤とを分離して保存しておき、使用に際して液体に薬剤を即時に溶解又は混合できるようにした点滴用輸液を調製しうる輸液容器(例えば、輸液バッグ)に関する。また、本発明は、このような輸液容器に使用する薬剤収容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
凍結乾燥薬剤を収容する薬剤収容室と溶解液を収容する溶解液収容室とを有し、使用前は両収容室を流体的に隔離して凍結乾燥薬剤と溶解液との接触を防止し、使用に際してを両収容室を流体的に連通して凍結乾燥薬剤を溶解液に溶解する輸液容器が、特開2001−161791号公報で開示されている。この輸液容器は、溶解液収容室の口部に接続されたキャップを、溶解液収容室の口部に固定された筒状容器本体と、容器本体の内部空間(薬剤収容空間)と溶解液の内部空間とを開閉する回転式扉と、溶解液収容室から離れた筒状容器本体端部を閉鎖する回転式第1の栓体とで構成し、これら回転式第1の栓体と回転式扉とを機械的に係合させることで、第1の栓体の回転に基づいて回転式扉を回転し、これにより溶解液収容室と薬剤収容室とを連通するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この輸液容器では、回転式の扉を構成する2つの部材がそれぞれ異なる樹脂で成型されており、成型と同時に部分的に接着させるようにしているため、高度の成型技術を必要とする。また、溶解液収容室の溶解液の滅菌にあたっては特別に工夫された装置を用いなければならない。さらには、扉を構成する2つの部材の接着不良は、溶解液収容室と薬剤収容室の連通につながり、使用前に溶解液と薬剤とが接触するおそれがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、新たな輸液容器および輸液容器を構成する薬剤収容器を提供することを目的としてなされたものである。この輸液容器は、液体を収容した液体収容器と薬剤を収容した薬剤収容器とを備え、これら液体収容器と薬剤収容器とを流体的に連通させて液体に薬剤を溶解又は混合させるもので、概略、液体収容器と薬剤収容器とからなる。液体収容器は、液体を収容する液体収容器本体と、液体収容器本体の口部を閉鎖する第1の栓体と、液体収容器本体と第1の栓体とを一体的に接続する脆弱部とを有する。一方、薬剤収容器は、第1の栓体を囲うように前記液体収容器本体の口部に固定された第1の筒体と、第1の筒体に該第1の筒体の中心軸を中心として回転可能に内装された第2の筒体と、第1の筒体と第2の筒体を囲うように前記第1の筒体と第2の筒体に外装され、また第1の筒体の中心軸を中心として第1の筒体に対して回転可能に且つ前記第2の筒体に対して回転不能に設けられた第3の筒体と、液体収容器本体から離れた第3の筒体の一端側を閉鎖する第2の栓体とを有する。第1の筒体は、該第1の筒体が液体収容器本体に固定された状態で前記第1の栓体を収容可能な第1の空間を有する。また、第2の筒体は、第1の空間に位置する第1の栓体と係合し、第1の筒体に対して第2の筒体を回転するとその回転方向の回転力を第1の栓体に与え、これにより脆弱部にせん断力を作用させる回転手段を有する。好ましくは、第1の筒体は、第2の筒体の回転により回転力が与えられた第1の栓体を該第1の栓体の回転と共に液体収容器本体から遠ざかる方向に案内し、これにより脆弱部に引張力を作用させる案内手段を有する。
【0005】
この輸液容器の好ましい形態において、第1の筒体は前記第1の栓体と前記第2の栓体との間に第1の隔壁を有し、第2の筒体は第1の隔壁に対向すると共に第2の栓体との間に第2の空間を形成する第2の隔壁を有し、第1の隔壁と第2の隔壁は、脆弱部に実質的にせん断力と引張力が作用していない状態で第1の空間と第2の空間を遮断し、脆弱部に実質的にせん断力と引張力が作用した状態で第1の空間と第2の空間を流体的に連通する開口部を有する。
【0006】
また、輸液容器の別の好ましい形態において、第1の筒体と第3の筒体は、第3の筒体を第1の筒体に装着した状態で、第1の筒体の中心軸方向に関する第3の筒体の動きを規制する規制部を備えている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。なお、以下の説明において、必要に応じて方向を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、及びそれらを含む別の用語「上部」、「下部」)を用いるが、それは発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の本来の意味によって本発明の範囲が限定されるものでない。
【0008】
1.輸液容器の概略構成
図1に示す本発明の輸液容器1は、概略、液体を収容する液体収容器2と、薬剤を収容する薬剤収容器3で構成されている。なお、理解を容易にするために、図1では液体収容器2を下に表示し、この液体収容器2の上に薬剤収容器3を表示しているが、溶解液に薬剤を溶解して得られた輸液を供給する状態では、液体収容器2が上に位置し、薬剤収容器3が下に位置する。また、以下の説明に用いる図面には図1と同一の方向に輸液容器及びその各要素を向けた状態で表示されており、その表示された状態を参照して各要素の位置関係(例えば、上下関係等)説明する。
【0009】
(1)液体収容器:
液体収容器2は、容器の樹脂成形・液体の無菌充填・密封を連続的に行うブローフィルシール技術によって製造されたもので、図2に示すように、液体4を収容した液体収容器本体5と、該容器本体5の筒状口部6に設けられた栓体7と、これら液体収容器本体5と栓体7との間に形成された薄肉の脆弱部8からなる。この液体収容器2によれば、口部6の中心軸を中心として、液体収容器本体5に対して栓体7を回転する又は捩ることにより(好ましくは液体収容器本体5から離れる方向に栓体7を引っ張りながら回転する又は捩ることにより)、脆弱部8において液体収容器本体5と栓体7が破断して栓体7が液体収容器本体5から分離し、その結果口部6が開放し、液体4の取り出しが可能となる。
【0010】
液体収容器2の容量は、例えば20〜300mlである。液体収容器2内に収容される液体としては、生理食塩水、ブドウ糖液または、システイン、トリプトファンなどを添加したアミノ酸液などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、液体収容器2の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン又はポリプロピレンにエラストマーを加えたもの等の比較的柔らかい合成樹脂が使用でき、成型後の厚みは例えば約0.2〜0.5mmの範囲で設計される。
【0011】
栓体7に加えた回転力(せん断力)が脆弱部8に効率的に伝達するために、栓体7と容器本体5は共にある程度の厚みを有し、多少の外力が作用した場合でも形状を保持できる程度の強度を有する。栓体7は、口部6の外径よりも大きな外径を有する筒状の突部9を有し、突部9の外側には該突部9の中心軸を含む平面(仮想面)に沿って突部9の外側に突出するフランジ10が一体的に形成されている。一方、突部9の内側は、蒸発防止剤が充填されているか、その内部空間がプラスチック、ゴム等で埋められている。また、口部6の下端部は径方向外側に向かって拡大されて円盤状のフランジ12が形成されており、容器本体5の下端(使用状態では上方に位置する)中央には吊り下げ用の孔13が形成されている。
【0012】
(2)薬剤収容器:
薬剤収容器3は、図3、図4、特に図5に示すように、第1の筒体15、第2の筒体16、ゴム栓17、第3の筒体18、及びタンパーフィルム19を備えており、第1〜第3の筒体15、16、18によってキャップ部が形成されている。特に薬剤が収容される第2の筒体16の薬剤収容空間48の容量は前記液体収容器の容量あるいは薬剤の溶解度と関連するが、一般的には、薬剤を液体に混合又は溶解した液の状態で5〜40mlの容量の範囲で適宜設計される。なお、筒体15,16,18の材質は特に限定的ではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、環状ポリオレフィン系樹脂などの合成樹脂(COC、COP樹脂)又はアルミニウム、ステンレス鋼などの金属で形成することができ、好ましくは成形性の面からポリエチレン、ポリプロピレン又は環状ポリオレフィン系樹脂で構成されるのが有利である。また、それら筒体15,16,18の厚みは、例えば約0.5〜2.5mmの範囲で設計される。さらに薬剤収容器の高さは例えば約10〜40mm、直径は例えば約10〜40mmの範囲で設計される。
【0013】
(a)第1の筒体:
図5及び図6(a)、(b)に示すように、第1の筒体15は合成樹脂によって一体的に形成されており、円盤状のフランジ20を有する。フランジ20の上面にはその外周端から所定距離をあけた位置から上方に伸びる環状の外側筒部21が形成されている。この外側筒部21の外周面中段には外側係合突起22が周方向に連続的又は不連続的に形成されており、内周面上端には内側係合突起23が周方向に連続的に又は不連続的に形成されている。外側筒部21の内方には、該外側筒部21と所定の間隔をあけて、円盤状フランジ20の内周端から上方に向かって伸びる環状ガイド部(案内手段)24が形成されている。
【0014】
この環状ガイド部24は、図6(c)に示すように、2つの半円筒ガイド25で構成されている。各半円筒ガイド25において、フランジ20の中心軸26を中心とする円の周方向についてその一端27から他端28に向かって約90度の範囲29の上端部は、フランジ20からの距離(高さ)が次第に大きくなる傾斜ガイド面30を有する。また、一方の半円筒ガイド25の一端27とこれに対向する他方の半円筒ガイド25の他端28との間にはガイド溝31が形成されており、その幅(周方向の距離)32は液体収容器2のフランジ10の厚みよりも僅かに大きくしてある。また、一方のガイド溝31の底部からこれに対向する他方のガイド溝31の底部までの距離(円盤状フランジ20の内径に相当する。)は、液体収容器2のフランジ10の左右方向の幅33(図5参照)よりも僅かに大きくしてある。さらに、図3に示すように液体収容器2と薬剤収容器3とを組み合わせた状態で、ガイド溝31に隣接する傾斜ガイド面30の始端部が液体収容器2のフランジ10の外側下端よりも僅かに下に位置し、傾斜ガイド面30の終端部が該フランジ10の外側下端よりも遥かに上に位置するように、傾斜ガイド面30の高さが設計されている。
【0015】
図5及び図6(c)に示すように、半円筒ガイド25の内側には、傾斜ガイド面30が形成されている領域29以外の領域(即ち、傾斜ガイド面30の終端位置から半円筒ガイド25の他端28までの領域に相当する。)に、上方に伸びる円筒面状の脚部34が中心軸26に対称に2つ設けてある。各脚部34の上端部の位置は、外側筒部21の高さとほぼ等しくしてある。また、2つの脚部34の上端には、半円筒ガイド25の内縁によって描かれる円とほぼ同一の外径を有する円盤状天板35によって連結されている。円盤状天板35には、中心軸26に対して対称に、2つの開口36が形成されている。本実施の形態において、開口36は、約90度の開き角を有する扇形としてあるが、この形状に限定されるものでない。
【0016】
(b)第2の筒体
図5及び図7に示すように、第2の筒体16は第1の筒体15と同様に合成樹脂により一体的に形成されており、円筒状の下部筒40と、該下部筒40の中心軸41と同軸的に配置された円筒状の上部筒42とからなる。下部筒40の寸法は、その外径が第1の筒体15における外側筒部21の内径よりも僅かに小さく、その内径が第1の筒体15における天板35の外径よりも僅かに大きく、その高さが第1の筒体15における外側筒部21の中心軸方向長さよりも短く設計され、図3に示すように、第1の筒体15の外側筒部21と環状ガイド部24との間に装入できる大きさとしてある。下部筒40の外周面には、その外側上端部近傍に第1の筒体15の外側筒部21の内側係合突起23と係合可能な環状の係合溝部43(図7参照)が形成され、該係合溝部43の下方に環状のOリング収容溝44が形成されている。一方、下部筒40の内周面には、中心軸41を挟んで対向するように、上下方向に伸びる2組の係合部45が形成されており、図3に示すように第1の筒体15と組み合わせて液体収容器2に装着した状態で該第2の筒体16を第1の筒体15に対して相対的に回転すると、第1の筒体15の内側に装入された栓体7のフランジ10と係合部45が係合するようにしてある。
【0017】
上部筒42は、その外径が第1の筒体15の外径とほぼ等しく設計されており、上端部には径方向外側に突出する係合部又は環状突起46を有し、該環状突起46の下には周方向に一定の間隔をあけて複数の係合部又はリブ47が形成されている。上部筒42の内部空間48と下部筒40の内部空間49は、両者の間に形成された隔壁50によって上下2室に区画されていると共に、該隔壁50に形成された2つの開口51を介して連通されている。これら開口51は中心軸41を挟んで対称に配置されており、図3に示すように第1の筒体15に第2の筒体16を組み付けた状態で該第2の筒体16を第1の筒体15に対して回転することで、第1の筒体15の開口36と第2の筒体16の開口51とが対向して相互に連通して第1の筒体15と第2の筒体16の内部空間を互いに流体的に連通する位置(開放位置)と、第1の筒体15の開口36と第2の筒体16の開口51とが対向せずに第1の筒体15と第2の筒体16の内部空間を流体的に隔離する位置(閉鎖位置)を取り得るようにしてある。
【0018】
(c)ゴム栓
図5に示すように、ゴム栓17は、注射針が貫通可能な柔らかさのゴムで一体的に形成されており、第2の筒体16における上部筒42の上端外径とほぼ同一の外径を有する円盤状本体60と、該円盤状本体60の下面に設けられ、上部筒42の内径とほぼ同一又は僅かに大きな外径を有する嵌合部61とを有し、図3に示すように第2の筒体16の上部筒42の上端部に嵌合部61を緊密に嵌合して固定できるようにしてある。
【0019】
(d)第3の筒体
図5及び図8に示すように、第3の筒体18は、合成樹脂により一体的に形成されており、第1の筒体15及び第2の筒体16の外径よりも若干大きな内径の本体筒部70と、該本体筒部70の上端から径方向内側に向かって突出した内側フランジ71とを有する。本体筒部70の内面には、内側フランジ71から所定距離離れた位置に周方向に所定の間隔をあけて断続的に上部係合突起72が形成され、下端部近傍に下部係合突起73が形成されている。これら上部係合突起72と下部係合突起73の位置(高さ)は、図3に示すように第1の筒体15、第2の筒体16及びゴム栓17を組み合わせたアセンブリに対して該アセンブリの上方から第3の筒体18を外装したとき、内側フランジ71がゴム栓17を上から押さえた状態で上部係合突起72が第2の筒体16の環状突起46の下に係合し、第1の筒体15に対する第2の筒体16の中心軸方向の動きを規制した状態で下部係合突起73が第1の筒体15の外側係合突起22と係合するようにしてある。また、第3の筒体18において、複数の上部係合突起72の間隔と、隣接する上部係合突起72の間の隙間の周方向幅は、第2の筒体16に設けた複数のリブ47に対応しており、第3の筒体18を上述のアセンブリに外装した状態で各リブ47が隣接する上部係合突起72の間に嵌り込み、第3の筒体18に加えた回転力が上部係合突起72からリブ47を介して第2の筒体16に伝達するようにしてある。
【0020】
(e)タンパーフィルム
タンパーフィルム19は合成樹脂のフィルムからなる。
【0021】
(3)薬剤収容器の組立
このように複数の部材で構成された薬剤収容器3は、次のようにして組み立てられる。まず、第2の筒体16の下部筒40のOリング収容溝44にゴムのOリング52(図7(b)参照)が装着される。次に、第2の筒体16の下部筒40を、第1の筒体15における外側筒部21と脚部34との間に装入し、図3に示すように、第2の筒体16の下部筒40に形成されている外側係合溝部43〔図7(b)〕に第1の筒体15の内側係合突起23を係合する。この状態で、第1の筒体15の外側筒部21と第2の筒体16の下部筒40との間が、Oリング52によって封止される。なお、Oリング52の位置を安定させるために、図3に示すように、第1の筒体15の外側筒部21の内面に環状溝部80を形成してもよい。
【0022】
第1の筒体15と第2の筒体16を組み合わせた状態で、第1の筒体15の開口36と第2の筒体16の開口51は非連通の状態に保たれる。これにより、第2の筒体16の上部筒42の内側に形成されている空間(薬剤収容空間)48は、第1の筒体15の内側に形成されている空間37から遮断される。空間48,37の間の封止を確実にするために、第1の筒体15の円盤状天板35と第2の筒体16の隔壁50との間にアルミニウム箔を介在し、これを高周波加熱することにより両者をシールしてもよい。
【0023】
薬剤収容空間48には、所定の薬剤(図示せず)が所定量充填される。薬剤充填後、上部筒42の薬剤収容空間48は、この上部筒42の上部開口部にゴム栓17を嵌合して封鎖される。次に、第1の筒体15、第2の筒体16及びゴム栓17を組み合わせたアセンブリに第3の筒体18を外装し、第3の筒体18の各内側上部係合突起72を第2の筒体16におけるリブ47とこれに隣接するリブ47との間に位置させた状態で、各内側上部係合突起72を第2の筒体16の環状突起46に係合する。また、第3の筒体18の内側下部係合突起73を第1の筒体15の外側係合突起22に係合する。これにより、第1の筒体15・第2の筒体16・ゴム栓17・第3の筒体18の各要素が他の要素に対して中心軸方向に固定される。最後に、第3の筒体18の上端開口部74をタンパーフィルム19で完全に覆い、第3の筒体18の内側フランジ71で囲まれた開口部74から露出したゴム栓17を保護すると共に、タンパープルーフを保証する。
【0024】
薬剤収容空間48に充填される薬剤は、粉末又は液体のいずれであってもよい。薬剤としては、例えば、凍結乾燥薬剤が利用され、具体的には、抗生剤、抗腫瘍剤、抗潰瘍剤、などが利用される。さらに、具体的には、抗生剤としては、セファゾリンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、塩酸セフォチアム、塩酸セフメノキシム、セファセトリルナトリウム、セファマンドールナトリウム、セファロリジン、セファタキシムナトリウム、セフォテタンナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフスロジンナトリウム、セフテゾールナトリウム、セフピラミドナトリウム、セフメタゾールナトリウム、セフロキシナトリウム、硫酸セフォクレス、フロモキセフナトリウム、塩酸セフカペンピボキシルなどのセフェム系抗生物質、ドリペネムなどのカルバペネム系抗生物質、またアンピシリンナトリウム、カルベニシリンナトリウム、スルベニシリンナトリウム、チカルシリンナトリウムなどのペニシリン系抗生物質、さらには塩酸バンコマイシンなどがある。抗腫瘍剤としては、マイトマイシンC、フルオロウラシル、テガフール、シタラビンなどがある。抗潰瘍剤としては、ファモチジン、塩酸ラニチジン、シメチジンなどがある。
【0025】
(4)液体収容器と薬剤収容器との組立
以上のようにして組み立てられた薬剤収容器3は、液体収容器2における液体収容器本体5の口部6に装着される。このとき、栓体7のフランジ10は第1の筒体15における環状ガイド部24の内側に形成された空間37に位置する。フランジ10を空間37に装入する際、フランジ10、特に左右の端部は、2つの半円筒ガイド25の間に形成されたガイド溝31〔図6(c)〕を通る。そして、装着された状態で、フランジ10の左右の端部は、ガイド溝31の上方であって、傾斜ガイド面30の始端部27よりも僅かに高い位置にある。薬剤収容器3の装着後、この薬剤収容器3における第1の筒体15のフランジ20とこれに接する液体収容器2のフランジ12が加熱接着されて封止される。代わりに、液体収容器2のフランジ12を予め加熱した後、薬剤収容器3を装着してそのフランジ20をフランジ12に加圧接着してもよい。
【0026】
(5)使用方法
液体収容器2と薬剤収容器3とが一体化された輸液容器1を使用する場合、液体収容器2を保持した状態で第3の筒体18を握ってこれを時計周り方向(薬剤収容器の上方から見て時計周り方向)に回転する。その結果、第3の筒体18の上部係合突起72と第2の筒体16のリブ47とが係合して第3の筒体18の回転が第2の筒体16に伝達され、第2の筒体16が第1の筒体15に対して回転する。このとき、第2の筒体16の下部筒内面に形成されている係合部45が、環状ガイド部24の上方で栓体フランジ10の左右端部に係合し、該栓体7に時計回り方向の回転を与える。時計周り方向に回転する栓体7は、フランジ10の左右下端部が傾斜ガイド面30にガイドされるので、その傾斜に沿って上昇し、次第に容器本体5から離れる。したがって、液体収容器2では、液体収容器本体5と栓体7とを連結している脆弱部8に、栓体7を液体収容器本体5に対して回転する回転力(せん断力)と、栓体7を液体収容器本体5から遠ざける引張力が同時に作用し、その結果脆弱部8が破断して栓体7が液体収容器本体5から分離され、口部6が開放される(図4参照)。
【0027】
第2の筒体16の回転は、フランジ10が第1の筒体15の脚部34に接触した時点で規制される。このとき、第1の筒体15の円盤状天板35に形成されている開口36と第2の筒体16の隔壁50に形成されている開口51が相互に向かい合い、第2の筒体16の薬剤収容空間48と第1の筒体15の内部空間37とが流体的に連通する。したがって、図1に示す輸液容器1を逆さまにすると、液体収容器2の液体4が第1の筒体15の内部空間37から開口36,51を介して第2の筒体16の薬剤収容空間48に流れ込み、この薬剤収容空間48に収容されている薬剤を溶解または混合する。このような輸液容器1の倒立・正立操作を数回反復実施して薬剤を液体に完全に溶解または混合した後、タンパーフィルム19を剥ぎ取り、ゴム栓17に点滴用注射針(図示せず)を穿刺して、この注射針を介して薬液(すなわち、輸液)を点滴投与する。
【0028】
このように、本発明の輸液容器1によれば、点滴終了まで、薬液が外気に一切触れることがなく、容器内の無菌性が保証されている。また、ゴム栓以外の容器素材は日局輸液用プラスチック容器試験に記載されているポリエチレン及びポリプロピレン等のプラスチックのみで構成された容器であるため、点滴終了時のガラス、金属の分別廃棄操作も不要である。さらに、液体収容器2と薬剤収容器3を別々に滅菌し、滅菌後に液体収容器2と薬剤収容器3を組み合わせることができるので、滅菌工程が簡単になると共に、防腐剤も不要である。
【0029】
(6)変形例
これまで説明した輸液容器は本発明の一実施形態であって、各部の形状や寸法は、同一の機能を発揮することを条件として、種々改変可能である。例えば、上述の実施形態では第1の筒体15に傾斜ガイド面30を形成し、第3の筒体18を回転することで脆弱部8にせん断力と共に引張力が作用するようにしたが、せん断力だけで脆弱部8が十分に破断できる場合、第1の筒体15から傾斜ガイド面を取り除き、第3の筒体18を回転したときに脆弱部8にせん断力だけが作用するようにしてもよい。
【0030】
また、上述の実施形態では液体収容器2と薬剤収容器3を溶着して一体的に接続したが、例えば液体収容器2のフランジ12に雄ねじ(又は雌ねじ)を形成し、薬剤収容器3のフランジ20に雌ねじ(又は雄ねじ)を形成し、両者を螺合することで連結してもよい。この場合、雄ねじと雌ねじの対向部分を接着剤で封止してもよい。
【0031】
さらに、液体収容器2の脆弱部8に回転力と引張力を同時に作用させるために、第1の筒体15に傾斜ガイド面30を形成すると共に第2の筒体16にフランジ係合部45を形成し、第2の筒体16で回転力を与えながら傾斜ガイド面30上に沿ってフランジ10を移動させる構成を採用したが、脆弱部8に回転力と引張力を同時に加える構成は上述の実施の形態に限るものでない。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る輸液容器によれば、使用前の状態で液体と薬剤は完全に分離されており、薬剤の品質が良好に維持される。また、使用に際して極めて簡単な操作で薬剤を液体に混合又は溶解することができ、点滴用輸液を迅速に調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る輸液容器の正面図。
【図2】図1に示す輸液容器の液体収容器の口部を上方から見た図(a)と、液体収容器の一部を切除した正面図(b)。
【図3】液体収容器に薬剤収容器を装着した状態の断面図。
【図4】液体収容器に薬剤収容器を装着した状態の断面図で、液体収容器の栓体が分離された状態を示す。
【図5】薬剤収容器の一部断面分解斜視図。
【図6】第1の筒体の平面図(a)、VI−VI線に沿った縦断面図(b)、および環状ガイドの斜視図(c)。
【図7】第2の筒体の平面図(a)、VII−VII線に沿った縦断面図(b)。
【図8】第3の筒体のVIIIa−VIIIa線に沿った横断面図(a)、VIIIb−VIIIb線に沿った縦断面図(b)。
【図9】第1の筒体の内部空間に位置する栓体を破断する状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1:輸液容器
2:液体収容器
3:薬剤収容器
4:液体
5:液体収容器本体
6:口部
7:栓体
8:脆弱部
9:突部
10:フランジ
15:第1の筒体
16:第2の筒体
17:ゴム栓
18:第3の筒体
19:タンパーフィルム
Claims (6)
- 液体を収容した液体収容器と薬剤を収容した薬剤収容器とを備え、これら液体収容器と薬剤収容器とを使用時に流体的に連通させて液体に薬剤を溶解又は混合させる輸液容器であって、
前記液体収容器は、
液体を収容する液体収容器本体と、
前記液体収容器本体の口部を閉鎖する第1の栓体と、
前記液体収容器本体と第1の栓体とを一体的に接続する脆弱部とを備え、
前記薬剤収容器は、
前記第1の栓体を囲うように前記液体収容器本体の口部に固定された第1の筒体と、
前記第1の筒体に該第1の筒体の中心軸を中心として回転可能に内装された第2の筒体と、
前記第1の筒体と第2の筒体を囲うように前記第1の筒体と第2の筒体に外装され、また前記第1の筒体の中心軸を中心として前記第1の筒体に対して回転可能に且つ前記第2の筒体に対して回転不能に設けられた第3の筒体と、
前記液体収容器本体から離れた前記第3の筒体の一端側を閉鎖する第2の栓体とを備え、
前記第1の筒体は、該第1の筒体が前記液体収容器本体に固定された状態で前記第1の栓体を収容可能な第1の空間を有し、
前記第2の筒体は、前記第1の空間に位置する第1の栓体と係合し、前記第1の筒体に対して第2の筒体を回転するとその回転方向の回転力を前記第1の栓体に与え、これにより前記脆弱部にせん断力を作用させる回転手段を有することを特徴とする輸液容器。 - 前記第1の筒体はまた、前記第2の筒体の回転により前記回転力が与えられた第1の栓体を該第1の栓体の回転と共に前記液体収容器本体から遠ざかる方向に案内し、これにより前記脆弱部に引張力を作用させる案内手段を有することを特徴とする請求項1に記載の輸液容器。
- 前記第1の筒体は前記第1の栓体と前記第2の栓体との間に第1の隔壁を有し、
前記第2の筒体は前記第1の隔壁に対向すると共に前記第2の栓体との間に第2の空間を形成する第2の隔壁を有し、
前記第1の隔壁と第2の隔壁は、前記脆弱部に実質的にせん断力と引張力が作用していない状態で第1の空間と第2の空間を遮断し、前記脆弱部に実質的にせん断力と引張力が作用した状態で前記第1の空間と第2の空間を流体的に連通する開口部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の輸液容器。 - 前記第1の筒体と前記第3の筒体は、前記第3の筒体を前記第1の筒体に装着した状態で、前記第1の筒体の中心軸方向に関する前記第3の筒体の動きを規制する規制部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の輸液容器。
- 前記液体収容器本体の口部の下端部に径方向外側に向かって拡大された円盤状のフランジを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の輸液容器。
- 薬剤を収容する薬剤収容器であって、液体を収容した液体収容器と組み合わされ、使用時に流体的に連通させて液体に薬剤を溶解又は混合する輸液容器を構成するもので、
前記液体収容器は、
溶解液を収容する液体収容器本体と、
前記液体収容器本体の口部を閉鎖する第1の栓体と、
前記液体収容器本体と第1の栓体とを一体的に接続する脆弱部とを備えたものにおいて、
前記薬剤収容器は、
前記第1の栓体を囲うように前記液体収容器本体の口部に固定された第1の筒体と、
前記第1の筒体に該第1の筒体の中心軸を中心として回転可能に内装された第2の筒体と、
前記第1の筒体と第2の筒体を囲うように前記第1の筒体と第2の筒体に外装され、また前記第1の筒体の中心軸を中心として前記第1の筒体に対して回転可能に且つ前記第2の筒体に対して回転不能に設けられた第3の筒体と、
前記液体収容器本体から離れた前記第3の筒体の一端側を閉鎖する第2の栓体とを備え、
前記第1の筒体は、該第1の筒体が液体収容器本体に固定された状態で前記第1の栓体を収容可能な第1の空間を有し、
前記第2の筒体は、前記第1の空間に位置する第1の栓体と係合し、前記第1の筒体に対して第2の筒体を回転するとその回転方向の回転力を前記第1の栓体に与え、これにより前記脆弱部にせん断力を作用させる回転手段を有することを特徴とする薬剤収容器。
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WO2014107023A1 (ko) * | 2013-01-03 | 2014-07-10 | 주식회사 네스필러피케이지 | 파우더 혼합 에센스 화장품 용기 |
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