JP2004040536A - パケット送信装置および送信タイミング制御方法 - Google Patents
パケット送信装置および送信タイミング制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】送受信部210aは、パケットデータと制御情報を受信する。バッファ220aは、パケットデータを記憶する。多重部230aは、移動局装置300を含む複数の移動局装置へのパケットデータをバッファ220aから読み出して時間多重および符号多重する。無線送受信部240aは、多重されたパケットデータに対して所定の無線送信処理を行い、アンテナを介して送信する。制御情報取得部260aは、制御局装置100によって生成された制御情報を取得する。制御部270aは、制御情報が取得されると、ハンドオーバしそうであると判定された移動局装置300へのパケットデータを優先して時間多重を行うように多重部230aを制御する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケット送信装置および送信タイミング制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パケット通信を行う無線通信システムにおいては、マルチメディアデータなど大容量データの伝送に対応するため、例えば下りのパケットデータを高速に伝送するHSDPA方式の導入が検討されている。
【0003】
図6は、HSDPA方式を導入した無線通信システムの一例を示す図である。
【0004】
図6において、制御局装置10は、パケット通信網からパケットデータを基地局装置20a、20bへ伝送する。基地局装置20aは、伝送されたパケットデータを自装置内のバッファに記憶しておき、複数の移動局装置に対してパケットデータを送信するタイミングを決定するためのスケジューリングを行う。そして、基地局装置20aは、自装置のサービスエリア40a内の移動局装置30と通信を確立するとともに、複数の移動局装置に対するパケットデータをスケジューリングに従って時間多重および符号多重して送信する。基地局装置20aへ伝送されたパケットデータは、バッファに記憶されているため、例えば移動局装置30によって受信されたパケットデータに誤りがある場合、基地局装置20aは、移動局装置30からの再送要求に応じて、パケットデータを再送することができる。また、同様に、基地局装置20bは、自装置のサービスエリア40b内の移動局装置と適宜通信を行う。
【0005】
上記のような無線通信システムにおいては、移動局装置30がサービスエリア40aからサービスエリア40bへ移動してハンドオーバを行う場合、移動局装置30は、基地局装置20a、20bのそれぞれからの信号の受信品質を測定し、その結果を基地局装置20aを介して制御局装置10へを報告する。制御局装置10は、報告された受信品質に基づいてハンドオーバを決定し、移動局装置30へ送信すべきパケットデータをハンドオーバ先であるサービスエリア40bの基地局装置20bに対して伝送し始める。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の無線通信システムにおいては、移動局装置がハンドオーバする際、ハンドオーバ元の基地局装置のバッファ内に記憶されたパケットデータは、移動局装置がハンドオーバしてしまうため、すべて送信されず、破棄されることがある。破棄されたパケットデータは、制御局装置のバッファからハンドオーバ先の基地局装置へ再び伝送されるが、このとき、特に破棄されたパケットデータが多かった場合などは、スループットが低下するという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、パケット通信を行う無線通信システムにおいて、移動局装置がハンドオーバする場合でもスループットの低下を抑制することができるパケット送信装置および送信タイミング制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のパケット送信装置は、移動局へパケットデータを送信するパケット送信装置であって、送信用のパケットデータを記憶する記憶手段と、自装置から他装置へ通信相手を切り替える移動局を検出する検出手段と、前記記憶手段に記憶されたパケットデータのうち前記検出手段によって検出された移動局に対して送信すべきパケットデータを優先して送信する送信手段と、を有する構成を採る。
【0009】
この構成によれば、自装置から他装置へ通信相手を切り替える移動局を検出し、記憶されたパケットデータのうち、当該移動局に対して送信すべきパケットデータを優先して送信するため、ハンドオーバしそうな移動局が実際にハンドオーバする前に、当該移動局宛てのパケットデータを送信することができ、移動局がハンドオーバすることにより破棄されるパケットデータを減らすことができ、スループットの低下を抑制することができる。
【0010】
本発明のパケット送信装置は、前記検出手段は、前記移動局において測定された受信品質を含む受信品質情報を受信する受信部、を有し、受信された受信品質情報に含まれる受信品質と所定の閾値とを比較することにより、通信相手を切り替える移動局を検出する構成を採る。
【0011】
この構成によれば、移動局において測定された受信品質と所定の閾値とを比較して、通信相手を切り替える移動局を検出するため、基地局または制御局において移動局がハンドオーバすることを予測することができる。
【0012】
本発明のパケット送信装置は、前記検出手段は、前記移動局において測定された受信品質であって少なくとも自装置および前記他装置のそれぞれに対応する受信品質を含む受信品質情報を受信する受信部と、受信された受信品質情報に含まれる自装置に対応する受信品質に基づいて閾値を算出する算出部と、を有し、算出された閾値と前記受信品質情報に含まれる前記他装置に対応する受信品質とを比較することにより、通信相手を切り替える移動局を検出する構成を採る。
【0013】
この構成によれば、自装置に対応する受信品質に基づいて閾値を算出し、算出された閾値と他装置に対応する受信品質とを比較して、通信相手を切り替える移動局を検出するため、ハンドオーバ元の基地局において移動局がハンドオーバすることを予測することができる。
【0014】
本発明のパケット送信装置は、前記検出手段は、前記移動局が通信相手を切り替えることを示す制御情報を受信する受信部を有する構成を採る。
【0015】
この構成によれば、通信相手を切り替えることを示す制御情報を受信するため、下位装置や上位装置において移動局がハンドオーバすることが予測された場合でも、その予測結果に基づいてパケットデータの送信タイミングを制御することができる。
【0016】
本発明のパケット送信装置は、前記送信手段は、前記検出手段によって検出された移動局に対して送信すべきパケットデータをすべて送信した場合、送信が完了したことを示す送信完了信号を送信する構成を採る。
【0017】
この構成によれば、検出された移動局に対して送信すべきパケットデータをすべて送信した場合、送信が完了したことを示す送信完了信号を送信するため、移動局は、ハンドオーバすべきタイミングを正確に検知することができる。
【0018】
本発明のパケット送信装置は、前記送信手段は、移動局が自装置から他装置へ通信相手を切り替える際、前記記憶手段に記憶されたパケットデータのうち前記検出手段によって検出された移動局に対して送信すべきパケットデータを前記他装置へ送信する構成を採る。
【0019】
この構成によれば、移動局が自装置から他装置へ通信相手を切り替える際、当該移動局に対して送信すべきパケットデータを新たな通信相手である他装置へ送信するため、移動局がハンドオーバした場合でも、当該移動局へ送信すべきパケットデータをハンドオーバ先のセルにおいて送信することができる。
【0020】
本発明のパケット送信装置は、移動局の通信相手となる基地局を介して前記移動局へパケットデータを送信するパケット送信装置であって、第1の基地局から第2の基地局へ通信相手を切り替える移動局を検出する検出手段と、検出された移動局に対して送信すべきパケットデータを第2の基地局へ送信する送信手段と、を有する構成を採る。
【0021】
この構成によれば、通信相手を第1の基地局から第2の基地局へ切り替える移動局を検出し、検出後は当該移動局に対して送信すべきパケットデータを第2の基地局へ送信するため、移動局がハンドオーバすることが予測されると、ハンドオーバ先の基地局に当該移動局宛てのパケットデータを記憶させることができるとともに、ハンドオーバ元の基地局に必要以上に当該移動局宛てのパケットデータを送信することを防ぐことができ、スループットの低下を抑制することができる。
【0022】
本発明のパケット送信装置は、前記検出手段は、前記移動局において測定された受信品質を含む受信品質情報を受信する受信部、を有し、受信された受信品質情報に含まれる受信品質と所定の閾値とを比較することにより、通信相手を切り替える移動局を検出する構成を採る。
【0023】
この構成によれば、移動局において測定された受信品質と所定の閾値とを比較して、通信相手を切り替える移動局を検出するため、制御局において移動局がハンドオーバすることを予測することができる。
【0024】
本発明のパケット送信装置は、前記検出手段は、前記移動局において測定された受信品質であって少なくとも第1の基地局および第2の基地局のそれぞれに対応する受信品質を含む受信品質情報を受信する受信部と、受信された受信品質情報に含まれる第1の基地局に対応する受信品質に基づいて閾値を算出する算出部と、を有し、算出された閾値と前記受信品質情報に含まれる第2の基地局に対応する受信品質とを比較することにより、通信相手を切り替える移動局を検出する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、第1の基地局に対応する受信品質に基づいて閾値を算出し、算出された閾値と第2の基地局に対応する受信品質とを比較して、通信相手を切り替える移動局を検出するため、制御局において移動局がハンドオーバすることを正確に予測することができる。
【0026】
本発明のパケット送信装置は、前記検出手段は、前記移動局が通信相手を切り替えることを示す制御情報を受信する受信部を有する構成を採る。
【0027】
この構成によれば、通信相手を切り替えることを示す制御情報を受信するため、下位装置や上位装置において移動局がハンドオーバすることが予測された場合でも、その予測結果に基づいてパケットデータの送信タイミングを制御することができる。
【0028】
本発明の基地局装置は、上記のいずれかに記載のパケット送信装置を有する構成を採る。
【0029】
この構成によれば、上記のいずれかのパケット送信装置と同様の作用効果を基地局装置において実現することができる。
【0030】
本発明の制御局装置は、上記のいずれかに記載のパケット送信装置を有する構成を採る。
【0031】
この構成によれば、上記のいずれかに記載のパケット送信装置と同様の作用効果を制御局装置において実現することができる。
【0032】
本発明のルータは、上記のパケット送信装置を有する構成を採る。
【0033】
この構成によれば、上記のパケット送信装置と同様の作用効果をルータにおいて実現することができる。
【0034】
本発明の無線通信システムは、上記の基地局装置、制御局装置、および/またはルータを有する構成を採る。
【0035】
この構成によれば、無線通信システム全体のスループットを増大することができる。
【0036】
本発明の送信タイミング制御方法は、移動局へパケットデータを送信する送信タイミング制御方法であって、通信相手を切り替える移動局を検出するステップと、検出した移動局に対して送信すべきパケットデータであって記憶されているパケットデータを優先して送信するステップと、を有するようにした。
【0037】
この方法によれば、通信相手を切り替える移動局を検出し、記憶されたパケットデータのうち、当該移動局に対して送信すべきパケットデータを優先して送信するため、ハンドオーバしそうな移動局が実際にハンドオーバする前に、当該移動局宛てのパケットデータを送信することができ、移動局がハンドオーバすることにより破棄されるパケットデータを減らすことができ、スループットの低下を抑制することができる。
【0038】
本発明の送信タイミング制御方法は、移動局の通信相手となる基地局を介して前記移動局へパケットデータを送信する送信タイミング制御方法であって、第1の基地局から第2の基地局へ通信相手を切り替える移動局を検出するステップと、検出した移動局に対して送信すべきパケットデータを第2の基地局へ送信するステップと、を有するようにした。
【0039】
この方法によれば、通信相手を第1の基地局から第2の基地局へ切り替える移動局を検出し、検出後は当該移動局に対して送信すべきパケットデータを第2の基地局へ送信するため、移動局がハンドオーバすることが予測されると、ハンドオーバ先の基地局に当該移動局宛てのパケットデータを記憶させることができるとともに、ハンドオーバ元の基地局に必要以上に当該移動局宛てのパケットデータを送信することを防ぐことができ、スループットの低下を抑制することができる。
【0040】
本発明の送信タイミング制御方法は、第1の基地局から第2の基地局へ通信相手を切り替える移動局を検出するステップと、検出した移動局に対して送信すべきパケットデータを第2の基地局へ送信するステップと、検出した移動局に対して送信すべきパケットデータであって第1の基地局に記憶されているパケットデータを優先して送信するステップと、を有するようにした。
【0041】
この方法によれば、通信相手を第1の基地局から第2の基地局へ切り替える移動局を検出し、検出後は当該移動局に対して送信すべきパケットデータを第2の基地局へ送信するとともに、当該移動局に対して送信すべき第1の基地局に記憶されているパケットデータを優先して送信するため、移動局がハンドオーバすることが予測されると、ハンドオーバ先の基地局に当該移動局宛てのパケットデータを記憶させることができるとともに、ハンドオーバ元の基地局に必要以上に当該移動局宛てのパケットデータを送信することを防ぐことができ、かつ、ハンドオーバ前に、ハンドオーバ元の基地局から当該移動局宛てのパケットデータを送信することができ、スループットの低下を抑制することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、移動局装置がハンドオーバしそうであることを予測し、予測後、ハンドオーバ先の基地局装置においては当該移動局装置に対して送信すべきパケットデータを記憶し始め、同時に、ハンドオーバ元の基地局装置においては当該移動局装置へ優先してパケットデータを送信することである。
【0043】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0044】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。図1に示す無線通信システムは、制御局装置100、基地局装置200a、基地局装置200b、および移動局装置300から構成されている。なお、図では省略したが、基地局装置200bの内部構成は、基地局装置200aと同様であるものとする。また、移動局装置300は、基地局装置200aと通信を行っているものとする。
【0045】
図1において、制御局装置100は、バッファ110、送受信部120、閾値算出部130、判定部140、制御情報生成部150、および制御部160から構成されている。バッファ110は、パケット通信網から受信したパケットデータを記憶する。送受信部120は、パケットデータと移動局装置300がまもなくハンドオーバしそうである旨の制御情報とを送信し、移動局装置300における信号の受信品質を示す品質情報を受信する。閾値算出部130は、品質情報から移動局装置300のハンドオーバを予測するための閾値を算出する。判定部140は、算出された閾値を用いて移動局装置300がハンドオーバしそうであるか否かを判定する。制御情報生成部150は、判定部140の判定結果に基づいて、移動局装置300がハンドオーバしそうな場合にその旨の制御情報を生成する。制御部160は、移動局装置300がハンドオーバしそうであると判定された場合、移動局装置300へ送信すべきパケットデータを、ハンドオーバ先の基地局装置200bへ送信するようにバッファ110を制御する。
【0046】
基地局装置200aは、送受信部210a、バッファ220a、多重部230a、無線送受信部240a、品質情報受信部250a、制御情報取得部260a、および制御部270aから構成されている。送受信部210aは、パケットデータと制御情報を受信し、移動局装置300における信号の受信品質を示す品質情報を送信する。バッファ220aは、パケットデータを記憶する。多重部230aは、移動局装置300を含む複数の移動局装置に対するパケットデータをバッファ220aから読み出して時間多重および符号多重する。無線送受信部240aは、多重されたパケットデータに対して所定の無線送信処理を行うとともに、アンテナを介して送信する。また、無線送受信部240aは、アンテナを介して品質情報を受信し、所定の無線受信処理を行う。品質情報受信部250aは、移動局装置300によって生成された品質情報を取得する。制御情報取得部260aは、制御局装置100によって生成された制御情報を取得する。制御部270aは、制御情報が取得されると、ハンドオーバしそうであると判定された移動局装置300へのパケットデータを優先して時間多重を行うように多重部230aを制御する。
【0047】
移動局装置300は、無線送受信部310、受信品質測定部320、および品質情報生成部330から構成されている。無線送受信部310は、アンテナを介してパケットデータを受信し、所定の無線受信処理を行う。また、無線送受信部310は、基地局装置200a,200bからの信号の受信品質を示す品質情報に対して所定の無線送信処理を行うとともに、アンテナを介して送信する。受信品質測定部320は、基地局装置200a,200bから送信されているパイロット信号などから、例えば受信電力などの受信品質を測定する。品質情報生成部330は、測定された受信品質を報告するための品質情報を生成する。
【0048】
次いで、上記のように構成された無線通信システムについて、移動局装置300が基地局装置200aのサービスエリアから基地局装置200bのサービスエリアへハンドオーバする際の動作を説明する。
【0049】
まず、移動局装置300内の受信品質測定部320によって、基地局装置200a,200bそれぞれから送信されているパイロット信号などが用いられることにより、両基地局装置からの信号の受信品質がそれぞれ測定される。この受信品質としては、例えば受信電力などが用いられる。そして、品質情報生成部330によって、測定された受信品質を報告するための品質情報が生成され、無線送受信部310によって、所定の無線送信処理が行われるとともに、アンテナを介して基地局装置200aへ送信される。
【0050】
基地局装置200aにおいては、移動局装置300から送信された品質情報がアンテナを介して無線送受信部240aによって受信され、所定の無線受信処理が行われる。そして、無線受信処理後の品質情報は、品質情報受信部250aによって取得され、送受信部210aから制御局装置100へ送信される。
【0051】
制御局装置100においては、送受信部120によって品質情報が受信される。受信された品質情報には、基地局装置200aから移動局装置300への信号の受信品質と、基地局装置200bから移動局装置300への信号の受信品質とを示す情報が含まれている。そして、閾値算出部130によって、基地局装置200aから移動局装置300への信号の受信品質から、所定の値が減じられることにより、移動局装置300がハンドオーバしそうであるか否かを判定するための閾値が算出される。そして、判定部140によって、算出された閾値と基地局装置200bから移動局装置300への信号の受信品質とが比較され、算出された閾値より基地局装置200bから移動局装置300への信号の受信品質が高ければ、まもなく移動局装置300がハンドオーバしそうであると判定される。
【0052】
移動局装置300がハンドオーバしそうであると判定されると、その旨を示す制御情報が制御情報生成部150によって生成される。この制御情報によって、基地局装置200aから移動局装置300へのパケットデータ送信が制御される。そして、制御部160によってバッファ110が制御されることにより、移動局装置300へ送信すべきパケットデータは、送受信部120から基地局装置200bへ送信されるようになる。また、制御情報生成部150によって生成された制御情報が、送受信部120から基地局装置200aへ送信される。
【0053】
基地局装置200bへ送信されたパケットデータは、図示しない基地局装置200b内のバッファに記憶され、移動局装置300が実際にハンドオーバした後に、基地局装置200bから移動局装置300へ送信される。また、基地局装置200aへ送信された制御情報は、送受信部210aで受信され、制御情報取得部260aによって取得される。移動局装置300がまもなくハンドオーバしそうである旨を示す制御情報が取得されると、制御部270aによって多重部230aが制御されることにより、移動局装置300に対して送信すべきパケットデータが優先して時間多重され、さらに符号多重され、無線送受信部240aからアンテナを介して送信される。
【0054】
このようにすることで、移動局装置300が実際にハンドオーバするまでに、基地局装置200aのバッファ220aに記憶された移動局装置300宛てのパケットデータを先に送信することができる。したがって、移動局装置300がハンドオーバするために送信することができなくなるパケットデータがなくなり、バッファ220aに記憶されたパケットデータを破棄する必要がなくなる。
【0055】
そして、移動局装置300が実際にハンドオーバして基地局装置200bと通信を始めると、図示しない基地局装置200b内のバッファに記憶されているパケットデータが移動局装置300によって受信され始める。
【0056】
次いで、上述した無線通信システムの動作の具体例について、図2を参照して説明する。
【0057】
図2は、移動局装置300の受信品質測定部320によって測定される受信品質の一例を示す図である。同図においては、受信品質として基地局装置200a,200bから送信されたパイロット信号の受信電力を用いた例を示している。また、横軸は時間を示し、縦軸は受信電力を示している。
【0058】
図2において、受信電力曲線400は、移動局装置300が通信中である基地局装置200aからの信号の受信電力の推移を示している。受信電力曲線410は、移動局装置300のハンドオーバ先である基地局装置200bからの信号の受信電力の推移を示している。この図に示すように、移動局装置300が基地局装置200aのサービスエリアから基地局装置200bのサービスエリアへと近づいていく、すなわちハンドオーバが近くなると、基地局装置200aからの受信電力は小さくなっていき、反対に、基地局装置200bからの受信電力が大きくなっていく。
【0059】
受信電力曲線400,410に示されるような受信品質は、随時、品質情報生成部330によって品質情報として生成され、生成された品質情報は、無線送受信部310、基地局装置200a内の無線送受信部240a、品質情報受信部250a、送受信部210a、および制御局装置100内の送受信部120を介して、閾値算出部130へ報告される。そして、閾値算出部130によって、基地局装置200aから移動局装置300への信号の受信品質(ここでは、受信電力曲線400によって示される受信電力)から所定の値Pが減じられることにより、移動局装置300がハンドオーバしそうであるか否かを判定するための閾値が算出される。図2において、破線420は、この閾値の時間推移を示している。
【0060】
そして、判定部140によって、算出された閾値と基地局装置200bから移動局装置300への信号の受信品質(ここでは、受信電力曲線410によって示される受信電力)とが比較され、基地局装置200bから移動局装置300への信号の受信品質の方が大きくなると、まもなく移動局装置300がハンドオーバしそうであると判定される。
【0061】
ここでは、図2に示すように、時間t1において、受信電力曲線410と破線420が交わっているため、判定部140は、この時点でまもなく移動局装置300がハンドオーバしそうであると判定する。
【0062】
そして、判定結果を受け、制御情報生成部150によって、まもなく移動局装置300がハンドオーバしそうである旨の制御情報が生成され、制御局装置100内の送受信部120から基地局装置200aへ送信される。また、同時に、制御部160によってバッファ110が制御され、移動局装置300宛てのパケットデータは、ハンドオーバ先である基地局装置200bへ送信されるようになる。
【0063】
基地局装置200a内の送受信部210aによって制御情報が受信されると、制御部270aによって多重部230aが制御され、移動局装置300宛てのパケットデータが早く送信されるように時間多重および符号多重が行われて、無線送受信部240aからアンテナを介して送信される。
【0064】
このように、本実施の形態の無線通信システムによれば、制御局装置は、移動局装置が報告する受信品質に基づいて移動局装置のハンドオーバを予測し、ハンドオーバすると予測された移動局装置宛てのパケットデータをハンドオーバ先の基地局装置へ送信し始め、ハンドオーバ元の基地局装置は、バッファに記憶されたパケットデータのうちハンドオーバしそうな移動局装置宛てのパケットデータを優先して送信するため、ハンドオーバ元の基地局装置に必要以上にハンドオーバする移動局装置宛てのパケットデータが送信されることがないとともに、記憶されたパケットデータを移動局装置が実際にハンドオーバする前に送信することができ、スループットの低下を抑制することができる。
【0065】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。図3に示す無線通信システムは、ルータ500、基地局装置600a、基地局装置600b、および移動局装置300から構成されている。なお、図では省略したが、基地局装置600bの内部構成は、基地局装置600aと同様であるものとする。また、移動局装置300は、基地局装置600aと通信を行っているものとする。
【0066】
本実施の形態の特徴は、移動局装置300がハンドオーバしそうであるか否かを、移動局装置300の通信相手である基地局装置600aが判定する点である。なお、図3において、図1に示す無線通信システムと同じ部分には同じ符号を付け、その説明を省略する。
【0067】
図3において、ルータ500は、バッファ510、送受信部520、制御情報取得部530、および制御部540から構成されている。バッファ510は、パケット通信網から受信したパケットデータを記憶する。送受信部520は、パケットデータを送信し、移動局装置300がまもなくハンドオーバしそうである旨の制御情報を受信する。制御情報取得部530は、送受信部520が受信した制御情報を取得する。制御部540は、制御情報が取得された場合、移動局装置300へ送信すべきパケットデータを、ハンドオーバ先の基地局装置600bへ送信するようにバッファ510を制御する。
【0068】
基地局装置600aは、送受信部610a、バッファ620a、多重部630a、無線送受信部640a、品質情報受信部650a、判定部660a、制御部670a、および制御情報生成部680aから構成されている。送受信部610aは、パケットデータを受信し、移動局装置300がまもなくハンドオーバしそうである旨の制御情報を送信する。バッファ620aは、パケットデータを記憶する。多重部630aは、移動局装置300を含む複数の移動局装置に対するパケットデータをバッファ620aから読み出して時間多重および符号多重する。無線送受信部640aは、多重されたパケットデータに対して所定の無線送信処理を行うとともに、アンテナを介して送信する。また、無線送受信部640aは、移動局装置300における信号の受信品質を示す品質情報をアンテナを介して受信し、所定の無線受信処理を行う。品質情報受信部650aは、移動局装置300によって生成された品質情報を取得する。判定部660aは、品質情報と所定の閾値とに基づいて移動局装置300がハンドオーバしそうであるか否かを判定する。制御部670aは、移動局装置300がハンドオーバしそうであると判定された場合、移動局装置300へのパケットデータを優先して時間多重を行うように多重部630aを制御する。制御情報生成部680aは、判定部660aの判定結果に基づいて、移動局装置300がまもなくハンドオーバしそうである旨の制御情報を生成する。
【0069】
次いで、上記のように構成された無線通信システムについて、移動局装置300が基地局装置600aのサービスエリアから基地局装置600bのサービスエリアへハンドオーバする際の動作を説明する。
【0070】
まず、実施の形態1と同様に、基地局装置600a,600bそれぞれから送信されているパイロット信号などが用いられて受信品質が測定され、受信品質を報告する品質情報が基地局装置600aへ送信される。
【0071】
基地局装置600aにおいては、移動局装置300から送信された品質情報がアンテナを介して無線送受信部640aによって受信され、所定の無線受信処理が行われる。そして、無線受信処理後の品質情報は、品質情報受信部650aによって取得され、判定部660aへ出力される。この品質情報には、基地局装置600aから移動局装置300への信号の受信品質と、基地局装置600bから移動局装置300への信号の受信品質とを示す情報が含まれている。そして、ハンドオーバ先である基地局装置600bから移動局装置300への信号の受信品質と所定の閾値とが比較され、所定の閾値より基地局装置600bから移動局装置300への信号の受信品質が高ければ、まもなく移動局装置300がハンドオーバしそうであると判定される。
【0072】
移動局装置300がハンドオーバしそうであると判定されると、制御部670aによって多重部630aが制御されることにより、移動局装置300に対して送信すべきパケットデータが優先して時間多重され、さらに符号多重され、無線受信部640aからアンテナを介して送信される。また、制御情報生成部680aによって、まもなく移動局装置300がハンドオーバしそうである旨を示す制御情報が生成される。この制御情報によって、移動局装置300宛てのパケットデータがルータ500からハンドオーバ先の基地局装置600bへ送信されるように切り替えられる。そして、生成された制御情報が送受信部610aからルータ500へ送信される。
【0073】
ルータ500へ送信された制御情報は、送受信部520で受信され、制御情報取得部530によって取得される。移動局装置300がまもなくハンドオーバしそうである旨を示す制御情報が取得されると、制御部540によってバッファ510が制御されることにより、移動局装置300へ送信すべきパケットデータは、送受信部520から基地局装置600bへ送信されるようになる。基地局装置600bへ送信されたパケットデータは、図示しない基地局装置600b内のバッファに記憶される。
【0074】
このようにすることで、移動局装置300が実際にハンドオーバするまでに、基地局装置600aのバッファ620aに記憶された移動局装置300宛てのパケットデータを先に送信することができる。したがって、移動局装置300がハンドオーバするために送信することができなくなるパケットデータがなくなり、バッファ620aに記憶されたパケットデータを破棄する必要がなくなる。
【0075】
そして、移動局装置300が実際にハンドオーバして基地局装置600bと通信を始めると、図示しない基地局装置600b内のバッファに記憶されているパケットデータが移動局装置300によって受信され始める。
【0076】
次いで、上述した無線通信システムの動作の具体例について、図4を参照して説明する。
【0077】
図4は、移動局装置300の受信品質測定部320によって測定される受信品質の一例を示す図である。同図においては、受信品質として基地局装置600a,600bから送信されたパイロット信号の受信電力を用いた例を示している。また、横軸は時間を示し、縦軸は受信電力を示している。
【0078】
図4において、受信電力曲線700は、移動局装置300が通信中である基地局装置600aからの信号の受信電力の推移を示している。受信電力曲線710は、移動局装置300のハンドオーバ先である基地局装置600bからの信号の受信電力の推移を示している。この図に示すように、移動局装置300が基地局装置600aのサービスエリアから基地局装置600bのサービスエリアへと近づいていく、すなわちハンドオーバが近くなると、基地局装置600aからの受信電力は小さくなっていき、反対に、基地局装置600bからの受信電力が大きくなっていく。
【0079】
受信電力曲線700,710に示されるような受信品質は、随時、品質情報生成部330によって品質情報として生成され、生成された品質情報は、無線送受信部310、基地局装置600a内の無線送受信部640a、および品質情報受信部650aを介して、判定部660aへ報告される。そして、判定部660aによって、基地局装置600bから移動局装置300への信号の受信品質(ここでは、受信電力曲線710によって示される受信電力)と所定の閾値Qとが比較され、基地局装置600bから移動局装置300への信号の受信品質の方が大きくなると、まもなく移動局装置300がハンドオーバしそうであると判定される。
【0080】
ここでは、図4に示すように、時間t2において、受信電力曲線710が所定の閾値Qと等しくなるため、判定部660aは、この時点でまもなく移動局装置300がハンドオーバしそうであると判定する。
【0081】
そして、判定結果を受け、制御部670aによって多重部630aが制御され、移動局装置300宛てのパケットデータが早く送信されるように時間多重および符号多重が行われて、無線送受信部640aからアンテナを介して送信される。また、制御情報生成部680aによって、まもなく移動局装置300がハンドオーバしそうである旨の制御情報が生成され、基地局装置600a内の送受信部610aからルータ500へ送信される。
【0082】
ルータ500内の送受信部520によって制御情報が受信されると、制御部540によってバッファ510が制御され、移動局装置300宛てのパケットデータは、ハンドオーバ先である基地局装置600bへ送信されるようになる。
【0083】
このように、本実施の形態の無線通信システムによれば、基地局装置は、移動局装置が報告する受信品質に基づいて移動局装置のハンドオーバを予測し、バッファに記憶されたパケットデータのうちハンドオーバしそうな移動局装置宛てのパケットデータを優先して送信すると同時に、ルータへ移動局装置がハンドオーバしそうである旨を報告し、ルータは、ハンドオーバしそうな移動局装置宛てのパケットデータをハンドオーバ先の基地局装置へ送信し始めるため、ハンドオーバ元の基地局装置に必要以上にハンドオーバする移動局装置宛てのパケットデータが送信されることがないとともに、記憶されたパケットデータを移動局装置が実際にハンドオーバする前に送信することができ、スループットの低下を抑制することができる。
【0084】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。図5に示す無線通信システムは、ルータ500、基地局装置800a、基地局装置800b、および移動局装置900から構成されている。なお、図では省略したが、基地局装置800bの内部構成は、基地局装置800aと同様であるものとする。また、移動局装置900は、基地局装置800aと通信を行っているものとする。
【0085】
本実施の形態の特徴は、移動局装置900がハンドオーバしそうであるか否かを、移動局装置900自身が判定する点である。なお、図5において、図3に示す無線通信システムと同じ部分には同じ符号を付け、その説明を省略する。
【0086】
図5において、基地局装置800aは、送受信部810a、バッファ820a、多重部830a、無線送受信部840a、制御情報受信部850a、および制御部860aから構成されている。送受信部810aは、パケットデータを受信し、移動局装置900がまもなくハンドオーバしそうである旨の制御情報を送信する。バッファ820aは、パケットデータを記憶する。多重部830aは、移動局装置900を含む複数の移動局装置に対するパケットデータをバッファ820aから読み出して時間多重および符号多重する。無線送受信部840aは、多重されたパケットデータに対して所定の無線送信処理を行うとともに、アンテナを介して送信する。また、無線送受信部840aは、移動局装置900がまもなくハンドオーバしそうである旨の制御情報をアンテナを介して受信し、所定の無線受信処理を行う。制御情報受信部850aは、移動局装置900によって生成された制御情報を取得する。制御部860aは、制御情報が取得されると、移動局装置900へのパケットデータを優先して時間多重を行うように多重部830aを制御する。
【0087】
移動局装置900は、無線送受信部910、受信品質測定部920、判定部930、および制御情報生成部940から構成されている。無線送受信部910は、アンテナを介してパケットデータを受信し、所定の無線受信処理を行う。また、無線送受信部910は、移動局装置900がまもなくハンドオーバしそうである旨の制御情報に対して所定の無線送信処理を行うとともに、アンテナを介して送信する。受信品質測定部920は、基地局装置800a,800bから送信されているパイロット信号などから、例えば受信電力などの受信品質を測定する。判定部930は、測定された受信品質と所定の閾値とに基づいて移動局装置900がハンドオーバしそうであるか否かを判定する。制御情報生成部940は、判定部930の判定結果に基づいて、移動局装置900がまもなくハンドオーバしそうである旨の制御情報を生成する。
【0088】
次いで、上記のように構成された無線通信システムについて、移動局装置900が基地局装置800aのサービスエリアから基地局装置800bのサービスエリアへハンドオーバする際の動作を説明する。
【0089】
まず、移動局装置900内の受信品質測定部920によって、基地局装置800a,800bそれぞれから送信されているパイロット信号などが用いられることにより、両基地局装置からの信号の受信品質がそれぞれ測定される。この受信品質としては、例えば受信電力などが用いられる。そして、測定された受信品質のうち、ハンドオーバ先である基地局装置800bからの信号の受信品質と所定の閾値とが判定部930によって比較され、所定の閾値より基地局装置800bからの信号の受信品質が高ければ、まもなく移動局装置900がハンドオーバしそうであると判定される。
【0090】
移動局装置900がハンドオーバしそうであると判定されると、その旨を示す制御情報が制御情報生成部940によって生成される。この制御情報によって、基地局装置800aから移動局装置900へのパケットデータ送信が制御される。そして、生成された制御情報は、無線送受信部910によって、所定の無線送信処理が行われるとともに、アンテナを介して基地局装置800aへ送信される。
【0091】
基地局装置800aにおいては、移動局装置900から送信された制御情報がアンテナを介して無線送受信部840aによって受信され、所定の無線受信処理が行われる。そして、無線受信処理後の制御情報は、制御情報受信部850aによって取得され、送受信部810aからルータ500へ送信される。また、制御情報受信部850aによって制御情報が取得されると、制御部860aによって多重部830aが制御されることにより、移動局装置900に対して送信すべきパケットデータが優先して時間多重され、さらに符号多重され、無線送受信部840aからアンテナを介して送信される。
【0092】
ルータ500へ送信された制御情報は、送受信部520で受信され、制御情報取得部530によって取得される。移動局装置900がまもなくハンドオーバしそうである旨を示す制御情報が取得されると、制御部540によってバッファ510が制御されることにより、移動局装置900へ送信すべきパケットデータは、送受信部520から基地局装置800bへ送信されるようになる。基地局装置800bへ送信されたパケットデータは、図示しない基地局装置800b内のバッファに記憶される。
【0093】
このようにすることで、移動局装置900が実際にハンドオーバするまでに、基地局装置800aのバッファ820aに記憶された移動局装置900宛てのパケットデータを先に送信することができる。したがって、移動局装置900がハンドオーバするために送信することができなくなるパケットデータがなくなり、バッファ820aに記憶されたパケットデータを破棄する必要がなくなる。
【0094】
そして、移動局装置900が実際にハンドオーバして基地局装置800bと通信を始めると、図示しない基地局装置800b内のバッファに記憶されているパケットデータが移動局装置900によって受信され始める。
【0095】
このように、本実施の形態の無線通信システムによれば、移動局装置は、基地局装置から送信されるパイロット信号を用いて受信品質を測定し、測定された受信品質に基づいて自装置のハンドオーバを予測するとともに、その旨を基地局装置およびルータへ報告し、基地局装置は、バッファに記憶されたパケットデータのうちハンドオーバしそうな移動局装置宛てのパケットデータを優先して送信し、ルータは、ハンドオーバしそうな移動局装置宛てのパケットデータをハンドオーバ先の基地局装置へ送信し始めるため、ハンドオーバ元の基地局装置に必要以上にハンドオーバする移動局装置宛てのパケットデータが送信されることがないとともに、記憶されたパケットデータを移動局装置が実際にハンドオーバする前に送信することができ、スループットの低下を抑制することができる。
【0096】
なお、上記各実施の形態においては、移動局装置がハンドオーバすることが予測されると、当該移動局装置宛てのパケットデータがハンドオーバ先の基地局装置のバッファに記憶される構成としたが、制御局装置またはルータのバッファに記憶しておき、移動局装置が実際にハンドオーバした後にハンドオーバ先の基地局装置に送信されるようにしても良い。また、移動局装置が実際にハンドオーバする際に、当該移動局装置宛てのパケットデータがハンドオーバ元の基地局装置のバッファに残っている場合は、ハンドオーバ元の基地局装置は、上位装置である制御局装置またはルータを介して、ハンドオーバ先の基地局装置へ上記のパケットデータを転送するようにしても良い。
【0097】
また、移動局装置がハンドオーバすることを予測する方法として、ハンドオーバ元の基地局装置の受信品質から算出した閾値とハンドオーバ先の基地局装置の受信品質とを比較する方法と、所定の閾値とハンドオーバ先の基地局装置の受信品質とを比較する方法とを用いたが、これに限定されず、他の方法を用いても良い。すなわち、例えば、ハンドオーバ元およびハンドオーバ先の双方の基地局装置の受信品質をそれぞれ所定の閾値と比較する方法などを用いても良い。また、上記各実施の形態においては、パケットデータを優先して送信するために、時間多重および符号多重を行う構成としたが、例えば送信電力、変調方式、または符号化率などを変更することにより、ハンドオーバしそうな移動局装置に対して送信すべきパケットデータについて単位時間あたりの送信データ量を増やすことができれば良い。
【0098】
さらに、移動局装置がハンドオーバすることを予測するのではなく、移動局装置のハンドオーバが例えば制御局装置などの上位装置によって決定された時点で、一時的にハンドオーバを延期し、ハンドオーバ元の基地局装置に記憶されたパケットデータを優先して当該移動局装置に送信し、すべてのパケットデータを送信してからハンドオーバを行うようにしても良い。こうすることで、ハンドオーバしそうな移動局装置が例えばハンドオーバしなかった場合でも通信がとぎれることなく、パケットデータの通信の遅延を少なくすることができる。
【0099】
また、移動局装置がハンドオーバすることを予測した上で、上記各実施の形態のように当該移動局装置宛てのパケットデータを優先して送信し、移動局装置のハンドオーバが例えば制御局装置などの上位装置によって決定された場合でも、一時的にハンドオーバを延期し、当該移動局装置宛てのすべてのパケットデータを送信してからハンドオーバを行うようにしても良い。このような場合は、基地局装置は、上記の移動局装置宛てのすべてのパケットデータを送信した場合に、その旨を示す送信完了信号を各装置へ送信し、各装置は、この送信完了信号に基づいて移動局装置のハンドオーバに伴う動作を行うようにすれば良い。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パケット通信を行う無線通信システムにおいて、移動局装置がハンドオーバする場合でもスループットの低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係る無線通信システムの動作の具体例を説明するための図
【図3】本発明の実施の形態2に係る無線通信システムの構成を示すブロック図
【図4】実施の形態2に係る無線通信システムの動作の具体例を説明するための図
【図5】本発明の実施の形態3に係る無線通信システムの構成を示すブロック図
【図6】従来の無線通信システムの構成の一例を示す図
【符号の説明】
130 閾値算出部
140,660a,930 判定部
150,680a,940 制御情報生成部
220a,620a,820a バッファ
230a,630a,830a 多重部
250a,650a 品質情報受信部
260a,530 制御情報取得部
330 品質情報生成部
850a 制御情報受信部
Claims (17)
- 移動局へパケットデータを送信するパケット送信装置であって、
送信用のパケットデータを記憶する記憶手段と、
自装置から他装置へ通信相手を切り替える移動局を検出する検出手段と、
前記記憶手段に記憶されたパケットデータのうち前記検出手段によって検出された移動局に対して送信すべきパケットデータを優先して送信する送信手段と、
を有することを特徴とするパケット送信装置。 - 前記検出手段は、
前記移動局において測定された受信品質を含む受信品質情報を受信する受信部、を有し、
受信された受信品質情報に含まれる受信品質と所定の閾値とを比較することにより、通信相手を切り替える移動局を検出することを特徴とする請求項1記載のパケット送信装置。 - 前記検出手段は、
前記移動局において測定された受信品質であって少なくとも自装置および前記他装置のそれぞれに対応する受信品質を含む受信品質情報を受信する受信部と、受信された受信品質情報に含まれる自装置に対応する受信品質に基づいて閾値を算出する算出部と、を有し、
算出された閾値と前記受信品質情報に含まれる前記他装置に対応する受信品質とを比較することにより、通信相手を切り替える移動局を検出することを特徴とする請求項1記載のパケット送信装置。 - 前記検出手段は、
前記移動局が通信相手を切り替えることを示す制御情報を受信する受信部を有することを特徴とする請求項1記載のパケット送信装置。 - 前記送信手段は、
前記検出手段によって検出された移動局に対して送信すべきパケットデータをすべて送信した場合、送信が完了したことを示す送信完了信号を送信することを特徴とする請求項1記載のパケット送信装置。 - 前記送信手段は、
移動局が自装置から他装置へ通信相手を切り替える際、前記記憶手段に記憶されたパケットデータのうち前記検出手段によって検出された移動局に対して送信すべきパケットデータを前記他装置へ送信することを特徴とする請求項1記載のパケット送信装置。 - 移動局の通信相手となる基地局を介して前記移動局へパケットデータを送信するパケット送信装置であって、
第1の基地局から第2の基地局へ通信相手を切り替える移動局を検出する検出手段と、
検出された移動局に対して送信すべきパケットデータを第2の基地局へ送信する送信手段と、
を有することを特徴とするパケット送信装置。 - 前記検出手段は、
前記移動局において測定された受信品質を含む受信品質情報を受信する受信部、を有し、
受信された受信品質情報に含まれる受信品質と所定の閾値とを比較することにより、通信相手を切り替える移動局を検出することを特徴とする請求項7記載のパケット送信装置。 - 前記検出手段は、
前記移動局において測定された受信品質であって少なくとも第1の基地局および第2の基地局のそれぞれに対応する受信品質を含む受信品質情報を受信する受信部と、
受信された受信品質情報に含まれる第1の基地局に対応する受信品質に基づいて閾値を算出する算出部と、を有し、
算出された閾値と前記受信品質情報に含まれる第2の基地局に対応する受信品質とを比較することにより、通信相手を切り替える移動局を検出することを特徴とする請求項7記載のパケット送信装置。 - 前記検出手段は、
前記移動局が通信相手を切り替えることを示す制御情報を受信する受信部を有することを特徴とする請求項7記載のパケット送信装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のパケット送信装置を有することを特徴とする基地局装置。
- 請求項7から請求項10のいずれかに記載のパケット送信装置を有することを特徴とする制御局装置。
- 請求項10記載のパケット送信装置を有することを特徴とするルータ。
- 請求項11記載の基地局装置、請求項12記載の制御局装置、および/または請求項13記載のルータを有することを特徴とする無線通信システム。
- 移動局へパケットデータを送信する送信タイミング制御方法であって、
通信相手を切り替える移動局を検出するステップと、
検出した移動局に対して送信すべきパケットデータであって記憶されているパケットデータを優先して送信するステップと、
を有することを特徴とする送信タイミング制御方法。 - 移動局の通信相手となる基地局を介して前記移動局へパケットデータを送信する送信タイミング制御方法であって、
第1の基地局から第2の基地局へ通信相手を切り替える移動局を検出するステップと、
検出した移動局に対して送信すべきパケットデータを第2の基地局へ送信するステップと、
を有することを特徴とする送信タイミング制御方法。 - 第1の基地局から第2の基地局へ通信相手を切り替える移動局を検出するステップと、
検出した移動局に対して送信すべきパケットデータを第2の基地局へ送信するステップと、
検出した移動局に対して送信すべきパケットデータであって第1の基地局に記憶されているパケットデータを優先して送信するステップと、
を有することを特徴とする送信タイミング制御方法。
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