JP2004297119A - データ転送システムおよび無線基地局管理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】携帯電話機10がデータ通信を開始する際、基地局制御装置11は、無線基地局121でのデータ転送レートを、無線基地局121を介してデータ通信を行っている携帯電話機の台数と、携帯電話機10から送信されたデータ転送レート要求値と、過去のデータ転送レート要求値の平均とから決定する。次に基地局制御装置11は、データ通信を行っている携帯電話機の台数が少なく、決定したデータ転送レートよりよくなると考えられる他の無線基地局の位置情報(推奨方向)を、決定したデータ転送レートと合わせて携帯電話機10に送信する。携帯電話機10はその推奨方向を表示部9に表示する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像データ等を無線パケットネットワークを介して伝送する際のデータ転送システムおよび無線基地局管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、次世代の高速無線通信方式としてcdma2000 1x EV−DO方式が開発されている。cdma2000 1x EV−DO方式では、携帯通信端末から受信した受信状態を通知する情報に基づいて、基地局が当該端末へ送信するデータの変調方式を切り替えることにより、当該端末の受信状態が良好な時は、誤り耐性が低いが高速な通信レート、受信状態が悪いときは、低速だが誤り耐性の高い通信レートを使用することが可能となっている。
【0003】
cdma2000 1x EV−DO方式では、予測や過去の下りデータ伝送の誤り率等の統計データによる補正等を考慮して求められた極めて正確なデータ通信速度を直接的に示す、予測下りデータ通信速度(DRC;Data Rate Control Bit)をテーブルとして端末側が備え、このテーブルに基づいて、上記予測下りデータ通信速度を端末から前記基地局へ通知するようになっている。
基地局では、すべての端末からのDRC情報に基づいてスケジューリングを行い、下りリンクでデータを送信する端末を決定し、要求されたレートでデータを送信する。このスケジューリングとは、同一セクタに複数の端末が存在する場合、それぞれの電波受信状況に応じて、もっともチャネル環境がよい端末にデータを送信することであり、端末数が多いほどセクタ全体でのスループットは増加し、基地局は効率的なデータ送信を行うことができる。これにより、上記した種々の通信レートでのデータ通信が行われる。
【0004】
また、cdma2000 1x EV−DO方式の下り方向(基地局から携帯通信端末への方向)では、時間を1/600秒単位で分割し、その時間内では一つの携帯通信端末だけとの通信を行い、通信相手の携帯通信端末を時間により切り替えることにより複数の携帯通信端末と通信を行う、時分割多重アクセス(TDMA;time division multiplex access)を採用している。これにより、常に、個々の携帯通信端末に対して最大の電力を持ってデータ送信を行うことが可能となり、携帯通信端末間で行うデータ通信を最速の通信速度で行うことができる。
【0005】
このように、上述したcdma2000 1x EV−DO方式は、基地局から携帯通信端末への方向のデータ通信速度が携帯通信端末における受信状態(例えば受信電界強度、搬送波対干渉比=CIR)によって大きく変化する、ベストエフォート型の無線パケットデータ通信システムということができる。
【0006】
しかしながら、前記ベストエフォート型の無線パケットネットワークは、無線通信の特性上、ビットエラー率やパケットロス率、パケット遅延時間などが有線ネットワークのそれと比較して多く、また、適応変調方式を使用した無線パケットネットワークにおいては、データ伝送帯域幅が急激に変動するため、動画像ストリーミング配信に支障をきたすという問題がある。
【0007】
そこで、従来における動画像配信システムは、UDP(User Datagram Protocol)を用いた配信方法が主流である。例えば、ネットワークの帯域幅変動に対処する配信方法として、動画像データに対し送信レートの低いものから高いものまでいくつかの送信パターンを用意し、最も低いレートのものから配信を開始する方法や、配信を開始する前に、いくつかのIPパケットをサーバ−クライアント間で送受することにより、配信可能なデータレートを測定して開始時の配信レートを決定する方法がある。
【0008】
しかし、最も低いレートのものから配信を開始する方法では、受信レベルが良好な場合、すなわち、ネットワークの帯域幅が高い場合にも、最も低いレートから開始しなければならないという欠点があった。そのため、端末側が良好な受信状況にもかかわらず、品質の悪い画像からしか見ることができなかった。
また、配信開始前にデータレートを測定する方法では、余分なパケットの送受が必要であったり、実際の有効データ送出までに時間がかかったりするという欠点があった。
【0009】
一方、配信中のビットレート制御として、受信側で輻輳を検出しなければ、現状よりも高いレートのものに変更し、輻輳を検出すれば、現状よりも低いレートのものへ変更する配信方法がある。輻輳の検出は受信側のパケットロスにより行われる。つまり、受信側でシーケンス番号の抜けを検出した場合や、一定時間を経過しても次のシーケンス番号のデータが受信側に到達せず、シーケンス番号の抜けを検出後サーバーに対して再送を要求したが、一定時間内に対応するシーケンス番号のデータが到着しない場合に、輻輳を検出する(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−300644号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、配信中においては、実際に受信したパケットからシーケンス番号の抜けを検出しデータレートを測定するために、受信レベルが悪い場所から良好な場所へ移動した場合には、輻輳がなくなるために実際に配信されているデータレート以上の帯域幅で、あるところまでしか検出できない。そのため、現状よりも一段、高いレートに切り替えた後、輻輳の状態を検出し、輻輳がなければ、もう一段高いレートという具合に、階段的に配信レートをあげる方法をとり、急激に帯域幅が大きくなった場合には、本来、配信できる最適なレートに到達するまでに時間がかかるという欠点があった。よって、本来ユーザが得られ得る良好な画質の動画像を見るまでに時間がかかり、ともすれば、最適なレートに到達する前に受信レベルが悪くなり、結果として、良好な画質が得られない場合もあった。
【0012】
また、受信レベルが良好な場所から悪いところへ移動した場合には、無線通信の変調方式が変わるために、無線区間の帯域幅が低くなり、パケットの到着時間が遅くなるため、パケットロスなどの検出までに時間がかかるという欠点がある。このため、高いレートの配信データがネットワーク上や無線基地局のキューに溜まってしまうために、切り替えたレートのデータが到達するまでが遅くなる。一方端末側では、ネットワークの帯域幅が低くなっているにもかかわらず、パケットが到達しないので、サーバへ現状の高いレートのパケットを再送要求してしまう。よって不要なデータが多くなり、結果的に実帯域幅よりもかなり低いレートしか有効なデータが通らなくなるため、大きなコマ落ちや画像の停止といった画質劣化が生じるという問題点があった。
この発明はこのような点を鑑みてなされたもので、通信端末の受信レベルを常に最適な状態に保つことができ、安定した動画像配信を行うことのできる、無線パケットネットワークによるデータ転送システムおよび無線基地局管理装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数の携帯端末と、前記複数の携帯端末と接続された複数の無線基地局と、前記複数の無線基地局を管理する無線基地局管理装置とを備えたデータ転送システムであって、前記携帯端末が、現在の位置情報を検出する位置情報検出手段と、前記位置情報検出手段により検出した位置における受信信号の品質を測定する測定手段と、該受信信号の品質により前記無線基地局に対して要求する要求データ転送レートを決定する要求データ転送レート決定手段と、前記位置情報および前記要求データ転送レートを前記無線基地局管理装置に送信し、前記無線基地局管理装置からの誘導方向を受信する通信手段と、前記通信手段により受信した該誘導方向を表示する表示手段とを有し、前記無線基地局管理装置が、各無線基地局に接続されている携帯端末の台数情報を各無線基地局から受信する台数情報受信手段と、該台数情報に基づいて各無線基地局におけるデータ転送レートを算出するデータ転送レート算出手段と、該データ転送レート算出手段により算出された、前記携帯端末が接続している無線基地局のデータ転送レートと、前記携帯端末から受信した前記要求データ転送レートとを比較する比較手段と、前記比較手段の結果から、前記携帯端末が接続している無線基地局のデータ転送レートが前記携帯端末の要求データ転送レートに満たないときに、前記携帯端末が接続している無線基地局よりも高いデータ転送レートを有する他の無線基地局を選択する無線基地局選択手段と、前記無線基地局選択手段により選択した無線基地局の位置情報と、前記携帯端末の位置情報とから誘導方向を生成する誘導方向生成手段とを有する。
【0014】
請求項2記載の発明は、複数の携帯端末が接続された複数の無線基地局を管理する無線基地局管理装置であって、前記携帯端末からの位置情報と要求データ転送レートとを受信する受信手段と、各無線基地局に接続されている携帯端末の台数情報を各無線基地局から受信する台数情報受信手段と、該台数情報に基づいて各無線基地局におけるデータ転送レートを算出するデータ転送レート算出手段と、該データ転送レート算出手段により算出された、前記携帯端末が接続している無線基地局のデータ転送レートと、前記携帯端末から受信した要求データ転送レートとを比較する比較手段と、前記比較手段の結果から、前記携帯端末が接続している無線基地局のデータ転送レートが前記携帯端末の要求データ転送レートに満たないときに、前記携帯端末が接続している無線基地局よりも高いデータ転送レートを有する他の無線基地局を選択する無線基地局選択手段と、前記無線基地局選択手段により選択した無線基地局の位置情報と、前記携帯端末の位置情報とから誘導方向を生成する誘導方向生成手段とを有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るデータ転送システムの概略構成を示すブロック図である。図1において、10は携帯電話機(携帯端末)、11は基地局制御装置(無線基地局管理装置)、121〜123は無線基地局、13はGPS衛星である。
携帯電話機10は、端末各部を制御するCPU1と、電波を送受信し、信号の品質を測定するRF処理部(測定手段、通信手段)2と、位置を測位するGPS処理部(位置情報検出手段)3と、携帯電話機10が現在どの方向の無線基地局と通信しているのかを検知する自端末方向検知部4と、データ転送レート要求値を求めるデータ転送レート演算部(要求データ転送レート決定手段)5と、表示部(表示手段)9とを有する。
RF処理部2は、複数のGPS衛星13からの電波を常に受信し、また複数の無線基地局121〜123と送受信する。GPS処理部3は、RF処理部2で受信したGPS衛星13からの電波より、携帯電話機10の位置を測位し、位置情報を緯度および経度情報として出力する。
基地局制御装置11は、無線基地局121〜123と接続し管理している。無線基地局121〜123は、自基地局を介してデータ通信を行っている複数の携帯電話機の台数をそれぞれ把握している。
【0016】
次に、上記構成のデータ転送システムの動作について図2を用いて説明する。携帯電話機10は無線基地局121と無線接続している。RF処理部2は、携帯電話機10の現在位置において、無線基地局121から送信される電波の強度を毎秒600回測定し、CPU1を介してデータ転送レート演算部5に送る。データ転送レート演算部5は、この電波強度の値からパイロット信号のCIR(Carrier to Interference ratio:搬送波対干渉比)を算出し、そのCIRにあらかじめ対応しているデータ転送レート要求値に置き換える。
携帯電話機10がデータ通信を開始する際、CPU1は基地局制御装置11に、GPS処理部3で求めた自端末の位置情報と、データ転送レート演算部5で算出したデータ転送レート要求値と、コンテンツ・データ要求情報とを無線基地局121を介して送信する(ステップS101)。なお、データ転送レート要求値は専用のチャンネルにて送信する。
【0017】
各情報を受信した基地局制御装置11は、データ通信を行っている携帯電話機の台数情報を、管理している複数の無線基地局121〜123から取得する(ステップS103)。次に、基地局制御装置11は、無線基地局121の携帯電話機10に対するデータ転送レートを、ステップS103で取得した無線基地局121に接続されている携帯電話機10の台数と、ステップS101で受信した現在の携帯電話機10のデータ転送レート要求値と、過去のデータ転送レート要求値を考慮し、携帯電話機10に最適なスロット割り当て(スケジューリング)を行って決定する(ステップS105)。
【0018】
次に、基地局制御装置11は、管理している無線基地局121〜123の中から、データ通信を行っている携帯電話機の台数が少ないため、ステップS105で決定したデータ転送レートよりもよくなると考えられる無線基地局を選択する。本実施形態ではここで選択された無線基地局を122とする。次に、基地局制御装置11は、無線基地局122の位置情報(推奨方向)を、決定したデータ転送レートと合わせて携帯電話機10に送信する(ステップS107)。
なお、ステップS105で決定した無線基地局121のデータ転送レートが、他の無線基地局のデータ転送レートよりも高い場合、基地局制御装置11は無線基地局を変更せず、推奨方向を“0”として送信する。
基地局制御装置11から無線基地局122の位置情報を受信した携帯電話機10のCPU1は、自端末方向検知部4を用いて無線基地局122の方向を検知させ、表示部9に推奨方向を表示させる(ステップS109)。図3はその表示例である。推奨方向があれば(a)、現状維持ならば(b)のように表示される。
携帯電話機10を持つユーザは、表示部9に表示された推奨方向を見て、その方向にある無線基地局に近づくよう移動し、携帯電話機10の通信レベルを良好に保つようにする。
【0019】
以上説明したように、本実施形態によれば、現在通信している無線基地局のデータ転送レートよりもよくなると考えられる他の無線基地局の位置情報を携帯電話機に送信するので、現在の通信レベルが悪化しても携帯電話機の送受信を常に最適な状態に保つことができ、安定した動画像配信を行うことができる。
【0020】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0021】
例えば、上記実施形態において、無線通信機能を備えた携帯型パーソナル・コンピュータ又はPDA(Personal Digital Assistance)に本発明を適用してもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、無線基地局管理装置が、管理する複数の無線基地局のうち、高いデータ転送レートを有する無線基地局を選択して、携帯端末に該無線基地局の誘導方向を表示させる。よって、帯域幅変動が大きなネットワークを使用する動画像配信においても、良好な画質を確保する動画像配信を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るデータ転送システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における携帯電話機10と基地局制御装置11のデータ交換の動作図である。
【図3】同実施形態の携帯電話機10における、推奨方向の表示例である。
【符号の説明】
1…CPU、2…RF処理部、3…GPS処理部、4…自端末方向検知部、5…データ転送レート演算部、9…表示部、10…携帯電話機、11…基地局制御装置、121、122、123…無線基地局、13…GPS衛星
Claims (2)
- 複数の携帯端末と、前記複数の携帯端末と接続された複数の無線基地局と、前記複数の無線基地局を管理する無線基地局管理装置とを備えたデータ転送システムであって、
前記携帯端末が、
現在の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
前記位置情報検出手段により検出した位置における受信信号の品質を測定する測定手段と、
該受信信号の品質により前記無線基地局に対して要求する要求データ転送レートを決定する要求データ転送レート決定手段と、
前記位置情報および前記要求データ転送レートを前記無線基地局管理装置に送信し、前記無線基地局管理装置からの誘導方向を受信する通信手段と、
前記通信手段により受信した該誘導方向を表示する表示手段と
を有し、
前記無線基地局管理装置が、
各無線基地局に接続されている携帯端末の台数情報を各無線基地局から受信する台数情報受信手段と、
該台数情報に基づいて各無線基地局におけるデータ転送レートを算出するデータ転送レート算出手段と、
該データ転送レート算出手段により算出された、前記携帯端末が接続している無線基地局のデータ転送レートと、前記携帯端末から受信した前記要求データ転送レートとを比較する比較手段と、
前記比較手段の結果から、前記携帯端末が接続している無線基地局のデータ転送レートが前記携帯端末の要求データ転送レートに満たないときに、前記携帯端末が接続している無線基地局よりも高いデータ転送レートを有する他の無線基地局を選択する無線基地局選択手段と、
前記無線基地局選択手段により選択した無線基地局の位置情報と、前記携帯端末の位置情報とから誘導方向を生成する誘導方向生成手段と
を有するデータ転送システム。 - 複数の携帯端末が接続された複数の無線基地局を管理する無線基地局管理装置であって、
前記携帯端末からの位置情報と要求データ転送レートとを受信する受信手段と、
各無線基地局に接続されている携帯端末の台数情報を各無線基地局から受信する台数情報受信手段と、
該台数情報に基づいて各無線基地局におけるデータ転送レートを算出するデータ転送レート算出手段と、
該データ転送レート算出手段により算出された、前記携帯端末が接続している無線基地局のデータ転送レートと、前記携帯端末から受信した要求データ転送レートとを比較する比較手段と、
前記比較手段の結果から、前記携帯端末が接続している無線基地局のデータ転送レートが前記携帯端末の要求データ転送レートに満たないときに、前記携帯端末が接続している無線基地局よりも高いデータ転送レートを有する他の無線基地局を選択する無線基地局選択手段と、
前記無線基地局選択手段により選択した無線基地局の位置情報と、前記携帯端末の位置情報とから誘導方向を生成する誘導方向生成手段と
を有する無線基地局管理装置。
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