JP2004039802A - 半導体装置の製造方法および半導体製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルム材質等のフレキシブル配線基板に対する半導体チップのボンディングに際して、ボンディング時の熱歪みに基づく位置ズレを抑制する。
【解決手段】フィルム配線基板20a等のフレキシブル配線基板を、ボンディングツール15a等のボンディング手段で、予め加熱、あるいは加熱押圧して熱膨張させる。熱膨張に基づく弛みをボンディングツール15aを押し下げることにより解消する。弛み解消後に、フィルム配線基板20aと半導体チップ30との間に、位置認識用カメラ16aを配置して、両者の位置認識、それに基づく位置調整を行って、両者の位置合わせを高精度に行う。かかる位置合わせ後、ボンディングを行えば、ボンディング時の熱に基づく位置合わせズレを抑制することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】フィルム配線基板20a等のフレキシブル配線基板を、ボンディングツール15a等のボンディング手段で、予め加熱、あるいは加熱押圧して熱膨張させる。熱膨張に基づく弛みをボンディングツール15aを押し下げることにより解消する。弛み解消後に、フィルム配線基板20aと半導体チップ30との間に、位置認識用カメラ16aを配置して、両者の位置認識、それに基づく位置調整を行って、両者の位置合わせを高精度に行う。かかる位置合わせ後、ボンディングを行えば、ボンディング時の熱に基づく位置合わせズレを抑制することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム等の熱膨張するフレキシブル配線基板を中継基板として、この中継基板に半導体チップがボンディングされた構成を有する半導体装置、及びその製造技術に関し、特に、ボンディング時における前記フレキシブル配線基板の熱膨張歪みに基づく半導体チップとの位置合わせのズレを防止するのに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下に説明する技術は、本発明を研究、完成するに際し、本発明者によって検討されたものであり、その概要は次のとおりである。
【0003】
LSI等の半導体装置では、その高集積化、小型化、軽量化の要請に応じて、その実装には、TCP(テープキャリアパッケージ)等の実装技術が採用されている。かかるTCP技術では、例えば、テープ材質としてポリイミド等のフィルムを用いたCOF(チップオンフィルム)実装技術が知られている。
【0004】
かかるCOF実装では、ダイボンディング位置に送られてきたフレキシブル配線基板の半導体チップ実装側の例えばインナーリードに、半導体チップ(ダイ)に設けた例えばバンプ電極を正確に位置合わせして、両者を加熱圧着してボンディングする。
【0005】
フレキシブル配線基板は、インナーリードと半導体チップとのボンディング位置の周囲をクランパ等で把持して、ボンディングに際して極力位置ズレが発生しないようにダイボンディング位置での位置確保が行われる。
【0006】
一方、フレキシブル配線基板にボンディングされる半導体チップは、ダイボンディング位置のフレキシブル配線基板の下方に位置するダイステージに真空吸着等の手段で搭載された状態で待機させられる。
【0007】
このようにフレキシブル配線基板と、半導体チップとが対向した状態で、フレキシブル配線基板の上方からカメラ等の光学系の位置認識手段により、透明なフレキシブル配線基板越しに、ダイステージに搭載され半導体チップの位置確認を行う。
【0008】
かかる位置確認手段に基づく情報により、フレキシブル配線基板の半導体チップ実装側の位置と、ダイステージに搭載されている半導体チップ側との位置を調整して、フレキシブル配線基板の半導体チップ実装側のインナーリードと、ダイステージに搭載された半導体チップ側のパッド上の電極との位置合わせを行う。
【0009】
このようにして、インナーリードと電極との位置合わせが行われた状態で、ボンディングツールをフレキシブル配線基板側に下降させ、併せて、ダイステージも上昇させて、フレキシブル配線基板のインナーリードと半導体チップの電極とをボンディングツールとダイステージとの間に挟んで加熱押圧し、熱圧着によるダイボンディングを行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ダイボンディング技術においては、以下の課題があることを本発明者は見出した。
【0011】
すなわち、上記ダイボンディングの方法では、一旦位置合わせした状態で、ボンディングツールでフレキシブル配線基板を加熱押圧することとなるため、ダイボンディングする際には、フレキシブル配線基板が熱膨張して、折角位置合わせしたフレキシブル配線基板側のインナーリードと半導体チップ側の電極との位置ズレが発生する。
【0012】
多ピン化傾向が一層促進され、インナーリード間、あるいは電極間の狭ピッチ化が進む現状では、かかる位置ズレはショート等重大な不良原因となる。そこで、フレキシブル配線基板の熱膨張が発生しても、位置ズレを起こさないような位置合わせ技術の開発が強く求められている。
【0013】
フレキシブル配線基板は、その材質はポリイミド等のフィルムで形成されている場合には、材質由来の熱可塑性、熱膨張性を有しており、どうしてもボンディングツールによる加熱押圧時の熱膨張歪みを防止することはできない。
【0014】
一方、フレキシブル配線基板にフィルムを使用するのは、その可撓性、薄さ等の種々の使用上の利点があり、今後、益々その需要が増大するものと予想される。例えば、携帯電話等を代表とする小型機器への搭載に際して、折り曲げるようにして実装する場合があるが、硬い基板では破損してしまうが、フィルム基板では破損することなくこの要請に十分に応えることができる。フィルム材質ならではの有利な点であり、フィルム配線基板以外では代替が効かない場合がある。
【0015】
本発明の目的は、熱膨張性を有するフィルム等の材質のフレキシブル配線基板に対する半導体チップのボンディングに際して、ボンディング時の熱歪みに基づく位置ズレを発生させないようにすることにある。
【0016】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0018】
すなわち、本発明では、熱圧着によるボンディング時に熱膨張するフィルム等のフレキシブル配線基板を予め熱膨張させておいて、熱膨張させた状態でフレキシブル配線基板の半導体チップ実装側と、実装する半導体チップ側との位置合わせを行う。そのため、フレキシブル配線基板と半導体チップとのボンディング時における熱圧着に際しては、障害となる程の位置ズレを発生させることがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0020】
以下の説明では、フレキシブル配線基板としてフィルム配線基板を使用した場合を例に挙げて説明する。
【0021】
しかし、本発明は、フィルム以外の材質のフレキシブル配線基板にも、すなわち、ボンディング時の熱圧着において熱膨張が発生する材質のフレキシブル配線基板に有効に適用することができることは言うまでもない。
【0022】
(実施の形態1)
本実施の形態では、フレキシブル配線基板としてのフィルム配線基板にダイボンディングを行うCOFボンダの構成について説明する。
【0023】
尚、以下の説明では、COFボンダを例に挙げて説明するが、ボンディング時の熱圧着において熱膨張するフレキシブル配線基板に半導体チップをボンディングする装置であれば、COFボンダ以外のチップマウンタ等でも本発明の構成はは有効に適用することができる。
【0024】
図1は、COFボンダの概略構成を模式的に示す説明図である。図2は、COFボンダのダイボンディングに際してのフィルム配線基板と半導体チップとの位置合わせを行う機構部の要部を模式的に示す説明図である。
【0025】
COFボンダ10には、中継基板としてフレキシブル配線基板20である多連のフィルム配線基板20a(20)を搬送する搬送処理部と、搬送されるフィルム配線基板20aに半導体チップ30をボンディングするボンディング処理部とが設けられている。
【0026】
搬送処理部は、図1に示すように、ロール状に巻いた多連のフィルム配線基板20aを送り出すローラ11と、ボンディング処理が終了したフィルム配線基板20aを巻き取るローラ12と、ローラ11、12間に設けられ、搬送されるフィルム配線基板20aを案内するガイド13とを有している。
【0027】
ローラ11から送り出されたフィルム配線基板20aは、ガイド13をフィルム配線基板20面に押しつけて所定の張力で弛まないように張った状態でローラ12まで案内され、ローラ12によって巻き取られる。
【0028】
ローラ11、12の間にはボンディング処理部が設けられ、かかるボンディング処理部には、図2に示すように、通過するフィルム配線基板20aをボンディング位置で支持するフレキシブル配線基板保持手段14が設けられている。フレキシブル配線基板保持手段14としては、例えば、クランパ14aに構成しておけばよい。クランパ14aでボンディング位置にフィルム配線基板20aを支持した状態で、半導体チップ30のボンディングを行う。
【0029】
ボンディング処理部には、図1、2に示すように、フィルム配線基板20aを上方から加熱しながら押圧する加熱押圧手段15としてのボンディングツール15a(15)が上下左右、すなわち3次元方向に移動可能に設けられている。ボンディングツール15aには、ヒータ15bが設けられ、ボンディングツール15aの先端側のヘッドで押圧したフィルム配線基板20aを加熱することができるようになっている。
【0030】
かかるボンディングツール15aは、ボンディングに際してのフィルム配線基板20aと半導体チップ30との位置合わせ前に、フィルム配線基板20aを予め加熱して熱膨張させる熱膨張手段としての加熱手段の役割を果たしている。併せて、熱膨張により発生したフィルム配線基板20a側の弛みを解消する弛み解消手段としての役割をも有している。
【0031】
フィルム配線基板20aを間にして、ボンディングツール15aの相対側には、ボンディングに際してフィルム配線基板20aと半導体チップ30の位置合わせを確認する位置認識手段16が設けられている。位置認識手段16としては、例えば、光学系位置認識手段としての位置認識用カメラ16a(16)に構成しておけばよい。
【0032】
位置認識用カメラ16aは、上方のフレキシブル配線基板20aの半導体チップ実装側と、下方に待機させられる半導体チップ30側とを一緒に認識して、その位置確認を行うことができる。
【0033】
位置認識用カメラ16aは、移動可能に構成されており、ボンディング位置でのフレキシブル配線基板20aと半導体チップ30側との位置合わせが完了した時点では、図1の矢印に示すように、ボンディング作業の邪魔にならないようにボンディング作業域外に移動させることができるようになっている。
【0034】
位置認識用カメラ16aには、図2に示すように、それぞれ上下方向に向けられた撮像部16b、16cが設けられている。上方に向けた撮像部16bでは、フィルム配線基板20aの半導体チップ実装側21のインナーリード21aを、下方の撮像部16cでは、フィルム配線基板20aの下方に待機するダイステージ17aに搭載された半導体チップ30の電極31側をそれぞれ撮影している。
【0035】
位置認識手段16としての位置認識用カメラ16aと併せて、位置認識手段16と連携する図示しない位置調整手段も設けられている。すなわち、位置認識用カメラ16により確認されたフィルム配線基板20a、半導体チップ30の位置情報は、図示しない位置調整手段に送られ、正確な位置決めに必要なダイステージ17aの移動補正量を演算する。その演算結果に基づきフィルム配線基板20aと半導体チップ30との位置合わせを精度高く行うことができる。
【0036】
より詳細には、例えば、位置認識用カメラ16でフィルム配線基板20aのインナーリード21aと、これに対応する半導体チップ30の電極31側とを上記要領で撮影し、撮影情報を位置調整用の演算を行う図示しないコンピュータ等の位置調整手段(図示省略)に送る。位置調整手段を構成するコンピュータで正確な位置合わせに必要な移動量のX方向、Y方向の補正量を算出する。
【0037】
演算された算出量に応じて、X−Yテーブル(図示省略)を駆動させて、ダイステージ17aをX軸、Y軸方向に必要量移動して、フィルム配線基板20のインナーリード21aに対しての位置決めを精度高く行うことができる。
【0038】
ボンディング処理部の下方には、図1に示すように、ボンディングする半導体チップ30等を保持して、ボンディング時にはフレキシブル配線基板20側に加熱押圧する半導体チップ保持手段17としてのダイステージ17a(17)が設けられている。ダイステージ17aは、上下左右に、すなわち3次元方向に移動可能に設けられ、フィルム配線基板20aの下方で、半導体チップ30を搭載した状態で待機できるようになっている。
【0039】
ダイステージ17aには、半導体チップ30を真空吸着等で保持するチップ保持手段18が設けられ、併せて、ボンディング時に半導体チップ30側を所定温度に加熱するヒータ19が設けられている。
【0040】
ボンディング処理部では、位置合わせされたフレキシブル配線基板の半導体チップ実装側21と半導体チップ30側とを、ボンディングツール15aとダイステージ17aとで挟むことにより、熱圧着によりダイボンディングできるようになっている。
【0041】
尚、上記説明では、熱膨張手段、弛み解消手段を、ボンディングツール15aに兼用させた場合を示したが、いずれか一方の手段の役割を果たすように、あるいは両手段をボンディングツール15aとは独立してそれぞれ別構成として設けても構わない。
【0042】
熱膨張手段としては、例えば、フィルム配線基板20a面に熱風を吹き付ける熱風吹出装置に構成することもできる。かかる熱風吹出装置は、例えば、フィルム配線基板20aのボンディング位置に入る直前に設ける構成も考えられる。あるいは、クランパ14aに設ける構成も考えられる。
【0043】
弛み解消手段としては、例えば、ボンディングツール15aを用いることなく、クランパ14aで兼用させることもできる。
【0044】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1で説明したCOFボンダを使用して、フィルム配線基板20aからなるフレキシブル配線基板20に半導体チップ30を実装して半導体装置を製造する方法について詳細に説明する。
【0045】
図1に示すように、搬送処理部を構成するロール11からフィルム配線基板20aは送り出される。フィルム配線基板20aには、複数の個別の配線基板が所定ピッチで多連に設けられており、ボンディング位置に順番に送られボンディング処理される。
【0046】
図2に示すように、COFボンダ10のボンディング処理部には、ダイボンディング位置に送られたフィルム配線基板20aを保持するクランパ14aが設けられ、フィルム配線基板20aの半導体チップ実装側21としての、例えば、インナーリード21aの設置領域側を弛まないように把持することができるようになっている。
【0047】
ボンディング位置に順次送られるフィルム配線基板20aは、クランパ14aのカム機構等で昇降可能に構成された把持部14bで、半導体チップ実装側21の周囲が挟持されて、弛まないように張った状態に保持される。
【0048】
把持部14bによるフィルム配線基板20aの把持に際しては、図2に示すように、フィルム配線基板20aに設けた半導体チップ実装側21としてのインナーリード21aの半導体チップ搭載域外を、フィルム配線基板20aと一緒に挟持して把持する。
【0049】
かかる様子を、図3(a)に示した。尚、図3(a)〜(f)では、分かりやすいように、クランパ14aの図示は省略してある。
【0050】
図3(a)のフレキシブル配線基板の位置決め工程に示すように、図示を省略したクランパ14aでボンディング位置に支持したフィルム配線基板20aに向けて、図3(b)の熱膨張工程に示すように、ボンディングツール15aの先端部のヘッドを下降させ、インナーリード21aの実装側の背面に相当するフィルム配線基板20a面にヘッドを当接する。ヘッドの当接により、フィルム配線基板20a、インナーリード21aが共に加熱され膨張させられる。
【0051】
熱膨張したフィルム配線基板20a、インナーリード21aは共に、半導体チップ搭載領域外を図示を省略したクランパ14aで把持されているため弛んだ状態となる。熱膨張により弛んだ状態のかかるフィルム配線基板20aに向けて、図3(c)の弛み解消工程に示すように、弛みがその後の位置合わせに支障がなくなるまで解消されたと見做せるまでボンディングツール15aを押し下げる。
【0052】
ボンディングツール15aの押下げ量は、フィルム配線基板20aの材質、厚み、ボンディングツール15aの先端部の当接範囲、ボンディングツール15aの先端部の加熱温度等により微妙に異なるため、例えば、ボンディング作業開始前に幾つかの試しボンディングを行い、その状況により設定を行えばよい。
【0053】
例えば、幾つかの試しにおいてその内でインナーリード21aと半導体チップ30の電極位置との位置ズレが許容範囲にある場合の押下げ量を、選択すればよい。かかる試しは、作業当初に行うが、1巻のフィルム配線基板20aのロール途中でも、必要に応じて行ってもよい。
【0054】
これは、ロールの送り出し当初と、ロールの途中状況では、ロールの巻き取り張力が異なるため、微妙にフィルム配線基板20aにおける送り出し方向に沿った張力が異なることとなる。そのため、適宜かかるチェックを行うことは、図3(b)に示す熱膨張にかかる影響に配慮することができ好ましい。
【0055】
本発明者の実験では、かかる押し込み量を、例えば、フィルム配線基板20aの厚み相当、あるいはその前後、すなわち厚み相当分程度とすれば好ましいことが分かった。許容範囲を越えて厚みよりも大きく押し込み量を設定すると、インナーリード21aの折れが発生する場合がある。
【0056】
このようにして図3(c)に示すように、フィルム配線基板20aの熱膨張による弛みを解消した状態で、図3(d)の位置合わせ工程に示すように、フィルム配線基板20aとダイステージ17aとの間に、位置認識用カメラ16aを移動してフィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置調整を行う。
【0057】
位置認識用カメラ16aでは、撮像部16b、16cはそれぞれ上下方向に向けて設けられている。上方に向けた撮像部16bでは、フィルム配線基板20aの半導体チップ実装側のインナーリード21aを、下方の撮像部16cでは、フィルム配線基板20aの下方に待機するダイステージ16aに搭載された半導体チップ30の電極側をそれぞれ撮影している。
【0058】
このようにして位置認識用カメラ16により確認されたフィルム配線基板20a、半導体チップ30の位置情報は、位置調整手段に送られ、正確な位置決めに必要なダイステージ17aの移動補正量を演算する。その演算結果に基づきフィルム配線基板20aと半導体チップ30との位置合わせを精度高く行えばよい。
【0059】
より詳細には、例えば、位置認識用カメラ16でフィルム配線基板20aのインナーリード21aと、これに対応する半導体チップ30の電極31側とを上記要領で撮影し、撮影情報を位置調整用の演算を行うコンピュータ等の位置調整手段に送って、必要な移動量のX方向、Y方向の補正量を算出する。
【0060】
演算された算出量に応じて、X−Yテーブル(図示省略)を駆動させて、ダイステージ17aをX軸、Y軸方向に必要量移動して、フィルム配線基板20のインナーリード21aに対しての位置決めを精度高く行えばよい。
【0061】
このように、予めフィルム配線基板20aを熱膨張させて弛ませておき、その弛みを解消した状態で、位置合わせを行うことにより、その後のボンディング時における加熱押圧では、それ以上の熱膨張、弛みが発生しないか、あるいは発生しにくく、ボンディング時における障害となる程の位置ズレを防止することができる。
【0062】
上記要領で高精度の位置合わせを行った状態で、図3(e)のボンディング工程に示すように、ダイボンディング位置から位置認識用カメラ16を移動し、その状態で、ダイステージ17aを上昇させ、フィルム配線基板20aのインナーリード21aと、半導体チップ30の電極31側とを接触させ、ボンディング温度で加熱押圧して熱圧着によりダイボンディングを行う。
【0063】
図3(e)に示すダイボンディングを行った後は、図3(f)のボンディングツール等の復帰工程に示すように、ボンディング終了後のインナーリード21aのフォーミング高さを変化させないように、荷重機能があるボンディングツール15aを先に上昇させ、その後に、ダイステージ17aを下降させる。
【0064】
このようにして半導体チップ30が実装されたフィルム配線基板20aは、その後、ロール12により巻き取られる。巻き取られたフィルム配線基板20aは、例えば、樹脂モールド工程等の別工程に提供され、製品として完成される。
【0065】
上記製造方法により製造された半導体装置の断面図を図4に示す。図4に示す半導体装置40は、チップ・オン・フィルム(COF)構造を有しており、ポリイミドフィルム等で形成されたフィルム配線基板20aのインナーリード21aに、半導体チップ30に設けたバンプ電極としての電極31が熱圧着によりボンディングされている。
【0066】
インナーリード21aは、例えば、銅配線に錫メッキを施して形成しておけばよい。電極31としては、例えば、金電極に形成しておけばよい。かかるインナーリード21a、電極31の構成では、上記COFボンダによる熱圧着によるボンディングでは、金−錫共晶接続が形成されることとなる。
【0067】
このようにインナーリード21aと電極31とが接続されたフィルム配線基板20aと半導体チップ30との間には、樹脂モールド工程で例えばエポキシ樹脂等の封止用樹脂が流し込まれて封止用樹脂部32が設けられている。
【0068】
かかる構成の半導体装置40としては、例えば、LCDドライバ等が挙げられる。近年は、携帯電話等に代表されるように、液晶表示の高精細化、液晶表示装置の小型化が求められ、液晶表示の画素数の増大傾向に合わせてLCDドライバも多ピン化され、ピン間隔も狭細化している。
【0069】
そのため、例えば、フレキシブル配線基板と半導体チップとのボンディングに際しても、インナーリード21aと電極31との位置合わせには高い精度が求められるが、本発明では熱膨張による位置ズレを解消して高精度の位置合わせが可能となり、この意味で本発明は、例えば、上記LCDドライバ、USLC等に対して有効な発明とも言える。
【0070】
尚、図3における説明では、位置認識の工程が明確になるように、位置認識用カメラ16aを、図3(d)の位置合わせ工程でダイボンディング位置に移動させる場合を示しているが、図3(a)〜(f)の一連の工程は短時間で行われるため、図3(a)のフレキシブル配線基板の位置決め工程から、ボンディング位置に位置認識用カメラ16aを配置しておいても一向に構わない。
【0071】
図2に示す場合は、図3(a)における工程で、位置認識用カメラ16aをボンディング位置に配置している状況を示しているが、図3(b)、(c)の熱膨張工程、弛み解消工程の段階から、位置認識用カメラ16aをボンディング位置に配置していても一向に構わない。
【0072】
例えば、図5に示す場合は、図2に示すと同様のCOFボンダの要部構成で、熱膨張工程からボンディング処理部側に位置位置認識用カメラ16aを配置しておいた状態で、ボンディングツール15aがフィルム配線基板20a面に当接して熱膨張させ、さらにその弛みを解消するために下降し始めた状況を示している。
【0073】
図3に示す説明では、フィルム配線基板20aの熱膨張と、その弛みを解消する工程とを、図3(b)、(c)にそれぞれ示すように別工程とする場合を示したが、かかる両工程を1工程で行うようにしても構わない。かかる場合を、図6に示した。尚、図6では、図3の場合と同様に、クランパ14aの図示は省略している。
【0074】
図6(a)は、図3(a)で示すフレキシブル配線基板の位置決め工程に相当する工程である。送られてきたフィルム配線基板20aをクランパ14で支持して、ボンディング位置にフィルム配線基板20aを位置決めする工程である。
【0075】
図6(b)は、図3(b)、(c)の熱膨張工程、弛み解消工程の各々の工程を1工程で行う熱膨張・弛み解消工程を示している。すなわち、ボンディングツール15aを、ボンディング位置に支持したフィルム配線基板20aに向けて下降させ、インナーリード21aの実装側の背面に相当するフィルム配線基板20a側を加熱押圧して、熱膨張により弛んだ状態のフィルム配線基板20aの弛みが発生しない程度までボンディングツール15aを押し下げている状況を示す。
【0076】
押下げ量は、前記の如く、フィルム配線基板20aの材質、厚み、ボンディングツール15aの先端部のヘッドの当接範囲、ボンディングツール15aのヘッドの加熱温度等により微妙に異なるが、例えば、ボンディング作業開始前に幾つかを試してみて最適量を把握した上で、その最適量を一度に押し下げるようにすればよい。
【0077】
かかる押下げ量については、前述の如く、1巻のフィルム配線基板20aのロール途中でも、必要に応じて試しを行ってチェックしてもよい。チエック状況に応じて、図6(b)におけるボンディングツール15aの押下げ量の設定変更を行っても構わない。
【0078】
押し込み量としては、例えば、フィルム配線基板20aの厚み相当、あるいはその前後、すなわち厚み相当分程度としてもよい。
【0079】
図6(c)に示す位置合わせ工程は、図3(d)に示す工程に相当する。すなわち、フィルム配線基板20aとダイステージ17aとの間に、前記説明の要領で、位置認識用カメラ16aを移動してフィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置調整を高精度で行う。
【0080】
このように、予めフィルム配線基板20aを熱膨張させて弛ませておき、その弛みを解消した状態で、位置合わせを行っているため、その後のボンディング時における加熱押圧では、それ以上の熱膨張、弛みが発生しないか、あるいは発生しにくく、ボンディング時における位置ズレ障害となる程の位置合わせズレの発生を防止することができる。
【0081】
図6(d)に示すボンディング工程は、図3(e)に示す工程に相当する。すなわち、図6(c)で高精度の位置合わせを行った状態で、ダイボンディング位置から位置認識用カメラ16を移動し、ダイステージ17aを上昇させ、フィルム配線基板20aのインナーリード21aと、半導体チップ30の電極31側とを接触させ、ボンディング温度で加熱押圧して熱圧着によりダイボンディングを行う。
【0082】
図6(e)に示すボンディングツール等の復帰工程は、図3(f)に示す工程に相当する。すなわち、ボンディング終了後、インナーリード21aのフォーミング高さを変化させないように、荷重機能があるボンディングツール15aを上昇させ、その後に、ダイステージ17aを下降させる工程である。
【0083】
(実施の形態3)
実施の形態2では、フィルム配線基板20aの熱膨張に際しては、ボンディングツール15aを直接フィルム配線基板20aに当接、あるいは加熱押圧する場合について説明したが、本実施の形態では、ボンディングツール15aを用いることなくフィルム配線基板20aを予め熱膨張させる場合について示す。
【0084】
前記実施の形態2では、ボンディング時の熱圧着をボンディングツール15aをフィルム配線基板20aの熱膨張、弛み解消手段として利用していたが、その他の熱膨張手段を用いて、フィルム配線基板20aと半導体チップ30との位置合わせ前に熱膨張させておいても構わない。
【0085】
フィルム配線基板20a側と半導体チップ30側とを位置合わせする前に、ボンディング時の予想される熱膨張を先に行わせておき、ボンディング時に障害となる程の熱膨張を発生させないようにすることが必要である。従って、位置合わせ前にフィルム配線基板20aの熱膨張を行わせることができれば、その手段は特にボンディングツール15aに限る必要はない。
【0086】
ボンディングツール15aをボンディングに使用する以外に、前記の如く、熱膨張手段、弛み解消手段として利用することは、別途かかる熱膨張手段、弛み解消手段を設ける必要がないため、COFボンダの構成を簡単にすることには有用であるが、しかし、両手段をボンディングツール15aにのみ担わせる必要はない。
【0087】
図7で、熱膨張手段にボンディングツール15aを用いない場合の半導体装置の製造方法について各工程を説明した。尚、図7では、特に示す場合を除いては、図を見易くするため、クランパ14aの図示を省略している。
【0088】
図7(a)の熱膨張工程では、加熱手段に構成した熱膨張手段50として、例えば熱風吹出装置50a(50)をクランパ14aに設けた構成を示している。ローラ11から送り出され、ボンディング位置に搬送されたフィルム配線基板20aをクランパ14aで一旦支持する。
【0089】
クランパ14で支持されたフィルム配線基板20aのインナーリード21aの実装側の背面に相当するフィルム配線基板20a面に向けて、熱風吹出装置50aから、図中破線表示するように、熱風を吹き付ける。熱風吹き付けによりフィルム配線基板20aは熱膨張して弛む。
【0090】
その後、図7(b)の弛み解消工程に示すように、熱膨張により弛んだフィルム配線基板20aをクランパ14aを開閉して把持し直す。クランパ14aによる把持し直しにより、弛んだフィルム配線基板20aは弛みが解消されて張った状態にボンディング位置に保持されることとなる。
【0091】
この状態では、熱膨張により十分に伸びた状態となっているため、その後のボンディング工程の熱圧着に際しても重大な位置ズレ障害を発生させる程には、伸びる心配がない。
【0092】
図7(b)の弛み解消工程終了後は、図7(c)の位置合わせ工程に移る。図7(c)に示す位置合わせ工程は、図3(d)に示す工程に相当する。すなわち、フィルム配線基板20aとダイステージ17aとの間に、前記説明の要領で、位置認識用カメラ16aを移動してフィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置調整を高精度で行う。
【0093】
図7(d)では、フィルム配線基板20a側と半導体チップ30側とが位置合わせされている状態で、半導体チップ30を搭載したダイステージ17aを、インナーリード21aの最適のフォーミング高さに合わせて上昇させ、その状態で待機させる。図7(d)は、フォーミング高さ設定工程を示している。
【0094】
図7(e)は、ボンディング工程で、図3(e)に示す工程に相当する。すなわち、図7(c)、(d)により、高精度の位置合わせと、最適なフォーミング高さ設定とを行った状態で、ボンディングツール15aを下降させ、既に待機しているダイステージ17aとの間に、フィルム配線基板20aのインナーリード21aと、半導体チップ30の電極31側とを接触させて、ボンディング温度で加熱押圧して熱圧着によりダイボンディングを行う。
【0095】
かかるダイボンディングに際しては、例えば、ボンディングツール15aのヘッドが下降し、装備した荷重計が所定値に到達し、半導体チップ30に着地したことを検出した後、ボンディング荷重に切り替えて所定の加熱圧着を行うようにすればよい。
【0096】
図7(f)は、ボンディングツール等の復帰工程を示しており、図3(f)に示す工程に相当する。すなわち、ボンディング終了後、インナーリード21aのフォーミング高さを変化させないように、荷重機能があるボンディングツール15aを上昇させ、その後に、ダイステージ17aを下降させる工程である。
【0097】
このように図7(a)〜(f)の一連の工程を経ることにより、フィルム配線基板20aをボンディングツール15aを用いることなく予め熱膨張させておくことにより、その後の位置合わせを高精度に行い、インナーリード21aと電極31との位置ズレ障害のない実装を行うことができる。
【0098】
本実施の形態の上記説明では、熱膨張工程と、弛み解消工程とを、図7(a)、(b)に示すように別工程とした場合を示したが、フィルム配線基板20a面に熱風を吹き付けながらクランパ14aを短時間に開閉して、熱膨張と弛み解消とを1工程で行うようにしても構わない。
【0099】
上記説明では、熱膨張手段としてクランパ14aに設けた熱風吹出装置50aを用いる構成を示したが、それ以外の熱膨張手段を用いても構わない。弛み解消手段も、ボンディングツール15aを下降させて押圧する手段以外の弛み解消手段に構成しても構わない。
【0100】
例えば、熱膨張手段としては、クランパ14aに熱風吹出装置50aを設ける代わりに、クランパ14aにヒータを装備し、クランパ14aで把持した状態でフィルム配線基板20aを加熱して熱膨張させる手段に構成してもよい。
【0101】
あるいは、熱膨張手段としてはクランパ14aを備えるボンディング位置に入る直前に、フィルム配線基板20aの半導体チップ30の実装側に向けてスポット的に上方から熱風を吹き付ける構成とし、弛み解消手段としては、その直後、クランパ14aで弛みを解消すべく把持するように構成しても構わない。
【0102】
熱膨張手段としては、あるいは、内部温度を熱膨張に必要な温度に保った状態の加熱炉中を通過させる構成としてもよい。
【0103】
実施の形態2、3で詳細に説明したように、本発明では、フィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置合わせは、フィルム配線基板20a側を熱膨張させた後に行っているため、熱膨張前に位置合わせ工程を有する場合とは異なり、ショート等の深刻な位置ズレ障害の発生を未然に防止することができる。因みに、熱膨張前に位置合わせ工程を有する場合については、図8、9で示すような状況となる。
【0104】
例えば、フィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置合わせは、図8に示すように、ボンディング位置に搬送されたフィルム配線基板20aをクランパ14で支持した状態で、位置認識用カメラ60で透明なフィルム配線基板20aを通して半導体チップ30側を見通し、両者の位置合わせを行うこととなる。
【0105】
このようにして図8に示すようにフィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置合わせを正確に行った状態で、図9に示すように、ダイステージ17aの上昇、ボンディングツール15aの下降により、フィルム配線基板20a側のインナーリード21aと、半導体チップ30側の電極31とを接触させ、加熱押圧して熱圧着によりボンディングを行う。
【0106】
しかし、かかる状況では、図9に示すように、ボンディングツール15a、ダイステージ17aによりフィルム配線基板20aが加熱されるとき、熱膨張が発生して、それまで正確に位置合わせさせられていたインナーリード21aと、電極31との位置ズレが発生する。
【0107】
しかし、本発明の前記実施の形態で説明したように、予めフィルム配線基板20aを熱膨張させ、熱膨張後の弛みを解消した状態で、位置合わせを行えば、図8、9に示す要領で行う場合とは異なり、ボンディング時における熱でフィルム配線基板20aが障害となる程の深刻な位置ズレを起こす程には熱膨張することがなく、フィルム配線基板20aのインナーリード21aと、半導体チップ30の電極31との位置ズレを未然に防止することができるのである。
【0108】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0109】
前記実施の形態1では、本発明の半導体製造装置としてCOFボンダを例に挙げて説明したが、ボンディング時における熱圧着に際して、熱膨張で障害となる程の位置合わせズレが発生する虞れのある材質に対するボンディング機能を有する構成であれば、COFボンダ以外のチップマウンタ、ダイボンダ、リードボンダ、フリップチップボンダ等においても有効に適用することができる。
【0110】
前記実施の形態2、3では、本発明の半導体装置の製造方法について、半導体装置として、フィルム配線基板に半導体チップを実装するCOF構造を有する場合を例に挙げて説明したが、フィルム配線基板以外でも、ボンディング時における熱膨張する虞のある材質で、位置合わせが必要な構造のCOF構造をも含めたCSP構造の半導体装置等の製造に有効に適用することができる。例えば、LCDドライバ、USLC等のIC製造に有効に適用することができる。
【0111】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下の通りである。
【0112】
すなわち、フレキシブル配線基板とそれに実装する半導体チップとのボンディングに際しての位置合わせを、予めフレキシブル配線基板を熱膨張させた後に行うため、熱圧着によるボンディング時におけるフレキシブル配線基板と半導体チップとの位置合わせズレを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で説明するCOFボンダに構成した半導体製造装置の一例を模式的に示す概略説明図である。
【図2】本発明に関わるCOFボンダのダイボンディングに際してのフィルム配線基板と半導体チップとの位置合わせを行う機構要部を模式的に示す説明図である。
【図3】(a)〜(f)は、本発明の半導体装置の製造方法におけるボンディング処理の各工程状況を示す断面説明図である。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の一例を示す断面説明図である。
【図5】図2に示すCOFボンダの機構要部構成で、ボンディングツールを下降させて、フィルム配線基板を熱膨張させ、さらにその弛みを解消させる状況を示す説明図である。
【図6】(a)〜(e)は、本発明の半導体装置の製造方法におけるボンディング処理の変形例における各工程状況を示す断面説明図である。
【図7】(a)〜(f)は、本発明の半導体装置の製造方法におけるボンディング処理の変形例における各工程状況を示す断面説明図である。
【図8】本発明とは異なり、フレキシブル配線基板を予め熱膨張させることなく、フレキシブル配線基板とそれに実装する半導体チップ側との位置合わせを行う半導体製造装置における上記位置合わせの状況を示す説明図である。
【図9】図8に示す構成で、フレキシブル配線基板とそれに実装する半導体チップ側との位置合わせを行った状態で、ボンディングする状況を示す説明図である。
【符号の説明】
10 COFボンダ
11 ローラ
12 ローラ
13 ガイド
14 フレキシブル配線基板保持手段
14a クランパ
14b 把持部
15 加熱押圧手段
15a ボンディングツール
15b ヒータ
16 位置認識手段
16a 位置認識用カメラ
17 半導体チップ保持手段
17a ダイステージ
18 チップ保持手段
19 ヒータ
20 フレキシブル配線基板
20a フィルム配線基板
21 半導体チップ実装側
21a インナーリード
30 半導体チップ
31 電極
32 封止用樹脂部
40 半導体装置
50 熱膨張手段
50a 熱風吹出装置
60 位置認識用カメラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム等の熱膨張するフレキシブル配線基板を中継基板として、この中継基板に半導体チップがボンディングされた構成を有する半導体装置、及びその製造技術に関し、特に、ボンディング時における前記フレキシブル配線基板の熱膨張歪みに基づく半導体チップとの位置合わせのズレを防止するのに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下に説明する技術は、本発明を研究、完成するに際し、本発明者によって検討されたものであり、その概要は次のとおりである。
【0003】
LSI等の半導体装置では、その高集積化、小型化、軽量化の要請に応じて、その実装には、TCP(テープキャリアパッケージ)等の実装技術が採用されている。かかるTCP技術では、例えば、テープ材質としてポリイミド等のフィルムを用いたCOF(チップオンフィルム)実装技術が知られている。
【0004】
かかるCOF実装では、ダイボンディング位置に送られてきたフレキシブル配線基板の半導体チップ実装側の例えばインナーリードに、半導体チップ(ダイ)に設けた例えばバンプ電極を正確に位置合わせして、両者を加熱圧着してボンディングする。
【0005】
フレキシブル配線基板は、インナーリードと半導体チップとのボンディング位置の周囲をクランパ等で把持して、ボンディングに際して極力位置ズレが発生しないようにダイボンディング位置での位置確保が行われる。
【0006】
一方、フレキシブル配線基板にボンディングされる半導体チップは、ダイボンディング位置のフレキシブル配線基板の下方に位置するダイステージに真空吸着等の手段で搭載された状態で待機させられる。
【0007】
このようにフレキシブル配線基板と、半導体チップとが対向した状態で、フレキシブル配線基板の上方からカメラ等の光学系の位置認識手段により、透明なフレキシブル配線基板越しに、ダイステージに搭載され半導体チップの位置確認を行う。
【0008】
かかる位置確認手段に基づく情報により、フレキシブル配線基板の半導体チップ実装側の位置と、ダイステージに搭載されている半導体チップ側との位置を調整して、フレキシブル配線基板の半導体チップ実装側のインナーリードと、ダイステージに搭載された半導体チップ側のパッド上の電極との位置合わせを行う。
【0009】
このようにして、インナーリードと電極との位置合わせが行われた状態で、ボンディングツールをフレキシブル配線基板側に下降させ、併せて、ダイステージも上昇させて、フレキシブル配線基板のインナーリードと半導体チップの電極とをボンディングツールとダイステージとの間に挟んで加熱押圧し、熱圧着によるダイボンディングを行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ダイボンディング技術においては、以下の課題があることを本発明者は見出した。
【0011】
すなわち、上記ダイボンディングの方法では、一旦位置合わせした状態で、ボンディングツールでフレキシブル配線基板を加熱押圧することとなるため、ダイボンディングする際には、フレキシブル配線基板が熱膨張して、折角位置合わせしたフレキシブル配線基板側のインナーリードと半導体チップ側の電極との位置ズレが発生する。
【0012】
多ピン化傾向が一層促進され、インナーリード間、あるいは電極間の狭ピッチ化が進む現状では、かかる位置ズレはショート等重大な不良原因となる。そこで、フレキシブル配線基板の熱膨張が発生しても、位置ズレを起こさないような位置合わせ技術の開発が強く求められている。
【0013】
フレキシブル配線基板は、その材質はポリイミド等のフィルムで形成されている場合には、材質由来の熱可塑性、熱膨張性を有しており、どうしてもボンディングツールによる加熱押圧時の熱膨張歪みを防止することはできない。
【0014】
一方、フレキシブル配線基板にフィルムを使用するのは、その可撓性、薄さ等の種々の使用上の利点があり、今後、益々その需要が増大するものと予想される。例えば、携帯電話等を代表とする小型機器への搭載に際して、折り曲げるようにして実装する場合があるが、硬い基板では破損してしまうが、フィルム基板では破損することなくこの要請に十分に応えることができる。フィルム材質ならではの有利な点であり、フィルム配線基板以外では代替が効かない場合がある。
【0015】
本発明の目的は、熱膨張性を有するフィルム等の材質のフレキシブル配線基板に対する半導体チップのボンディングに際して、ボンディング時の熱歪みに基づく位置ズレを発生させないようにすることにある。
【0016】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0018】
すなわち、本発明では、熱圧着によるボンディング時に熱膨張するフィルム等のフレキシブル配線基板を予め熱膨張させておいて、熱膨張させた状態でフレキシブル配線基板の半導体チップ実装側と、実装する半導体チップ側との位置合わせを行う。そのため、フレキシブル配線基板と半導体チップとのボンディング時における熱圧着に際しては、障害となる程の位置ズレを発生させることがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0020】
以下の説明では、フレキシブル配線基板としてフィルム配線基板を使用した場合を例に挙げて説明する。
【0021】
しかし、本発明は、フィルム以外の材質のフレキシブル配線基板にも、すなわち、ボンディング時の熱圧着において熱膨張が発生する材質のフレキシブル配線基板に有効に適用することができることは言うまでもない。
【0022】
(実施の形態1)
本実施の形態では、フレキシブル配線基板としてのフィルム配線基板にダイボンディングを行うCOFボンダの構成について説明する。
【0023】
尚、以下の説明では、COFボンダを例に挙げて説明するが、ボンディング時の熱圧着において熱膨張するフレキシブル配線基板に半導体チップをボンディングする装置であれば、COFボンダ以外のチップマウンタ等でも本発明の構成はは有効に適用することができる。
【0024】
図1は、COFボンダの概略構成を模式的に示す説明図である。図2は、COFボンダのダイボンディングに際してのフィルム配線基板と半導体チップとの位置合わせを行う機構部の要部を模式的に示す説明図である。
【0025】
COFボンダ10には、中継基板としてフレキシブル配線基板20である多連のフィルム配線基板20a(20)を搬送する搬送処理部と、搬送されるフィルム配線基板20aに半導体チップ30をボンディングするボンディング処理部とが設けられている。
【0026】
搬送処理部は、図1に示すように、ロール状に巻いた多連のフィルム配線基板20aを送り出すローラ11と、ボンディング処理が終了したフィルム配線基板20aを巻き取るローラ12と、ローラ11、12間に設けられ、搬送されるフィルム配線基板20aを案内するガイド13とを有している。
【0027】
ローラ11から送り出されたフィルム配線基板20aは、ガイド13をフィルム配線基板20面に押しつけて所定の張力で弛まないように張った状態でローラ12まで案内され、ローラ12によって巻き取られる。
【0028】
ローラ11、12の間にはボンディング処理部が設けられ、かかるボンディング処理部には、図2に示すように、通過するフィルム配線基板20aをボンディング位置で支持するフレキシブル配線基板保持手段14が設けられている。フレキシブル配線基板保持手段14としては、例えば、クランパ14aに構成しておけばよい。クランパ14aでボンディング位置にフィルム配線基板20aを支持した状態で、半導体チップ30のボンディングを行う。
【0029】
ボンディング処理部には、図1、2に示すように、フィルム配線基板20aを上方から加熱しながら押圧する加熱押圧手段15としてのボンディングツール15a(15)が上下左右、すなわち3次元方向に移動可能に設けられている。ボンディングツール15aには、ヒータ15bが設けられ、ボンディングツール15aの先端側のヘッドで押圧したフィルム配線基板20aを加熱することができるようになっている。
【0030】
かかるボンディングツール15aは、ボンディングに際してのフィルム配線基板20aと半導体チップ30との位置合わせ前に、フィルム配線基板20aを予め加熱して熱膨張させる熱膨張手段としての加熱手段の役割を果たしている。併せて、熱膨張により発生したフィルム配線基板20a側の弛みを解消する弛み解消手段としての役割をも有している。
【0031】
フィルム配線基板20aを間にして、ボンディングツール15aの相対側には、ボンディングに際してフィルム配線基板20aと半導体チップ30の位置合わせを確認する位置認識手段16が設けられている。位置認識手段16としては、例えば、光学系位置認識手段としての位置認識用カメラ16a(16)に構成しておけばよい。
【0032】
位置認識用カメラ16aは、上方のフレキシブル配線基板20aの半導体チップ実装側と、下方に待機させられる半導体チップ30側とを一緒に認識して、その位置確認を行うことができる。
【0033】
位置認識用カメラ16aは、移動可能に構成されており、ボンディング位置でのフレキシブル配線基板20aと半導体チップ30側との位置合わせが完了した時点では、図1の矢印に示すように、ボンディング作業の邪魔にならないようにボンディング作業域外に移動させることができるようになっている。
【0034】
位置認識用カメラ16aには、図2に示すように、それぞれ上下方向に向けられた撮像部16b、16cが設けられている。上方に向けた撮像部16bでは、フィルム配線基板20aの半導体チップ実装側21のインナーリード21aを、下方の撮像部16cでは、フィルム配線基板20aの下方に待機するダイステージ17aに搭載された半導体チップ30の電極31側をそれぞれ撮影している。
【0035】
位置認識手段16としての位置認識用カメラ16aと併せて、位置認識手段16と連携する図示しない位置調整手段も設けられている。すなわち、位置認識用カメラ16により確認されたフィルム配線基板20a、半導体チップ30の位置情報は、図示しない位置調整手段に送られ、正確な位置決めに必要なダイステージ17aの移動補正量を演算する。その演算結果に基づきフィルム配線基板20aと半導体チップ30との位置合わせを精度高く行うことができる。
【0036】
より詳細には、例えば、位置認識用カメラ16でフィルム配線基板20aのインナーリード21aと、これに対応する半導体チップ30の電極31側とを上記要領で撮影し、撮影情報を位置調整用の演算を行う図示しないコンピュータ等の位置調整手段(図示省略)に送る。位置調整手段を構成するコンピュータで正確な位置合わせに必要な移動量のX方向、Y方向の補正量を算出する。
【0037】
演算された算出量に応じて、X−Yテーブル(図示省略)を駆動させて、ダイステージ17aをX軸、Y軸方向に必要量移動して、フィルム配線基板20のインナーリード21aに対しての位置決めを精度高く行うことができる。
【0038】
ボンディング処理部の下方には、図1に示すように、ボンディングする半導体チップ30等を保持して、ボンディング時にはフレキシブル配線基板20側に加熱押圧する半導体チップ保持手段17としてのダイステージ17a(17)が設けられている。ダイステージ17aは、上下左右に、すなわち3次元方向に移動可能に設けられ、フィルム配線基板20aの下方で、半導体チップ30を搭載した状態で待機できるようになっている。
【0039】
ダイステージ17aには、半導体チップ30を真空吸着等で保持するチップ保持手段18が設けられ、併せて、ボンディング時に半導体チップ30側を所定温度に加熱するヒータ19が設けられている。
【0040】
ボンディング処理部では、位置合わせされたフレキシブル配線基板の半導体チップ実装側21と半導体チップ30側とを、ボンディングツール15aとダイステージ17aとで挟むことにより、熱圧着によりダイボンディングできるようになっている。
【0041】
尚、上記説明では、熱膨張手段、弛み解消手段を、ボンディングツール15aに兼用させた場合を示したが、いずれか一方の手段の役割を果たすように、あるいは両手段をボンディングツール15aとは独立してそれぞれ別構成として設けても構わない。
【0042】
熱膨張手段としては、例えば、フィルム配線基板20a面に熱風を吹き付ける熱風吹出装置に構成することもできる。かかる熱風吹出装置は、例えば、フィルム配線基板20aのボンディング位置に入る直前に設ける構成も考えられる。あるいは、クランパ14aに設ける構成も考えられる。
【0043】
弛み解消手段としては、例えば、ボンディングツール15aを用いることなく、クランパ14aで兼用させることもできる。
【0044】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1で説明したCOFボンダを使用して、フィルム配線基板20aからなるフレキシブル配線基板20に半導体チップ30を実装して半導体装置を製造する方法について詳細に説明する。
【0045】
図1に示すように、搬送処理部を構成するロール11からフィルム配線基板20aは送り出される。フィルム配線基板20aには、複数の個別の配線基板が所定ピッチで多連に設けられており、ボンディング位置に順番に送られボンディング処理される。
【0046】
図2に示すように、COFボンダ10のボンディング処理部には、ダイボンディング位置に送られたフィルム配線基板20aを保持するクランパ14aが設けられ、フィルム配線基板20aの半導体チップ実装側21としての、例えば、インナーリード21aの設置領域側を弛まないように把持することができるようになっている。
【0047】
ボンディング位置に順次送られるフィルム配線基板20aは、クランパ14aのカム機構等で昇降可能に構成された把持部14bで、半導体チップ実装側21の周囲が挟持されて、弛まないように張った状態に保持される。
【0048】
把持部14bによるフィルム配線基板20aの把持に際しては、図2に示すように、フィルム配線基板20aに設けた半導体チップ実装側21としてのインナーリード21aの半導体チップ搭載域外を、フィルム配線基板20aと一緒に挟持して把持する。
【0049】
かかる様子を、図3(a)に示した。尚、図3(a)〜(f)では、分かりやすいように、クランパ14aの図示は省略してある。
【0050】
図3(a)のフレキシブル配線基板の位置決め工程に示すように、図示を省略したクランパ14aでボンディング位置に支持したフィルム配線基板20aに向けて、図3(b)の熱膨張工程に示すように、ボンディングツール15aの先端部のヘッドを下降させ、インナーリード21aの実装側の背面に相当するフィルム配線基板20a面にヘッドを当接する。ヘッドの当接により、フィルム配線基板20a、インナーリード21aが共に加熱され膨張させられる。
【0051】
熱膨張したフィルム配線基板20a、インナーリード21aは共に、半導体チップ搭載領域外を図示を省略したクランパ14aで把持されているため弛んだ状態となる。熱膨張により弛んだ状態のかかるフィルム配線基板20aに向けて、図3(c)の弛み解消工程に示すように、弛みがその後の位置合わせに支障がなくなるまで解消されたと見做せるまでボンディングツール15aを押し下げる。
【0052】
ボンディングツール15aの押下げ量は、フィルム配線基板20aの材質、厚み、ボンディングツール15aの先端部の当接範囲、ボンディングツール15aの先端部の加熱温度等により微妙に異なるため、例えば、ボンディング作業開始前に幾つかの試しボンディングを行い、その状況により設定を行えばよい。
【0053】
例えば、幾つかの試しにおいてその内でインナーリード21aと半導体チップ30の電極位置との位置ズレが許容範囲にある場合の押下げ量を、選択すればよい。かかる試しは、作業当初に行うが、1巻のフィルム配線基板20aのロール途中でも、必要に応じて行ってもよい。
【0054】
これは、ロールの送り出し当初と、ロールの途中状況では、ロールの巻き取り張力が異なるため、微妙にフィルム配線基板20aにおける送り出し方向に沿った張力が異なることとなる。そのため、適宜かかるチェックを行うことは、図3(b)に示す熱膨張にかかる影響に配慮することができ好ましい。
【0055】
本発明者の実験では、かかる押し込み量を、例えば、フィルム配線基板20aの厚み相当、あるいはその前後、すなわち厚み相当分程度とすれば好ましいことが分かった。許容範囲を越えて厚みよりも大きく押し込み量を設定すると、インナーリード21aの折れが発生する場合がある。
【0056】
このようにして図3(c)に示すように、フィルム配線基板20aの熱膨張による弛みを解消した状態で、図3(d)の位置合わせ工程に示すように、フィルム配線基板20aとダイステージ17aとの間に、位置認識用カメラ16aを移動してフィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置調整を行う。
【0057】
位置認識用カメラ16aでは、撮像部16b、16cはそれぞれ上下方向に向けて設けられている。上方に向けた撮像部16bでは、フィルム配線基板20aの半導体チップ実装側のインナーリード21aを、下方の撮像部16cでは、フィルム配線基板20aの下方に待機するダイステージ16aに搭載された半導体チップ30の電極側をそれぞれ撮影している。
【0058】
このようにして位置認識用カメラ16により確認されたフィルム配線基板20a、半導体チップ30の位置情報は、位置調整手段に送られ、正確な位置決めに必要なダイステージ17aの移動補正量を演算する。その演算結果に基づきフィルム配線基板20aと半導体チップ30との位置合わせを精度高く行えばよい。
【0059】
より詳細には、例えば、位置認識用カメラ16でフィルム配線基板20aのインナーリード21aと、これに対応する半導体チップ30の電極31側とを上記要領で撮影し、撮影情報を位置調整用の演算を行うコンピュータ等の位置調整手段に送って、必要な移動量のX方向、Y方向の補正量を算出する。
【0060】
演算された算出量に応じて、X−Yテーブル(図示省略)を駆動させて、ダイステージ17aをX軸、Y軸方向に必要量移動して、フィルム配線基板20のインナーリード21aに対しての位置決めを精度高く行えばよい。
【0061】
このように、予めフィルム配線基板20aを熱膨張させて弛ませておき、その弛みを解消した状態で、位置合わせを行うことにより、その後のボンディング時における加熱押圧では、それ以上の熱膨張、弛みが発生しないか、あるいは発生しにくく、ボンディング時における障害となる程の位置ズレを防止することができる。
【0062】
上記要領で高精度の位置合わせを行った状態で、図3(e)のボンディング工程に示すように、ダイボンディング位置から位置認識用カメラ16を移動し、その状態で、ダイステージ17aを上昇させ、フィルム配線基板20aのインナーリード21aと、半導体チップ30の電極31側とを接触させ、ボンディング温度で加熱押圧して熱圧着によりダイボンディングを行う。
【0063】
図3(e)に示すダイボンディングを行った後は、図3(f)のボンディングツール等の復帰工程に示すように、ボンディング終了後のインナーリード21aのフォーミング高さを変化させないように、荷重機能があるボンディングツール15aを先に上昇させ、その後に、ダイステージ17aを下降させる。
【0064】
このようにして半導体チップ30が実装されたフィルム配線基板20aは、その後、ロール12により巻き取られる。巻き取られたフィルム配線基板20aは、例えば、樹脂モールド工程等の別工程に提供され、製品として完成される。
【0065】
上記製造方法により製造された半導体装置の断面図を図4に示す。図4に示す半導体装置40は、チップ・オン・フィルム(COF)構造を有しており、ポリイミドフィルム等で形成されたフィルム配線基板20aのインナーリード21aに、半導体チップ30に設けたバンプ電極としての電極31が熱圧着によりボンディングされている。
【0066】
インナーリード21aは、例えば、銅配線に錫メッキを施して形成しておけばよい。電極31としては、例えば、金電極に形成しておけばよい。かかるインナーリード21a、電極31の構成では、上記COFボンダによる熱圧着によるボンディングでは、金−錫共晶接続が形成されることとなる。
【0067】
このようにインナーリード21aと電極31とが接続されたフィルム配線基板20aと半導体チップ30との間には、樹脂モールド工程で例えばエポキシ樹脂等の封止用樹脂が流し込まれて封止用樹脂部32が設けられている。
【0068】
かかる構成の半導体装置40としては、例えば、LCDドライバ等が挙げられる。近年は、携帯電話等に代表されるように、液晶表示の高精細化、液晶表示装置の小型化が求められ、液晶表示の画素数の増大傾向に合わせてLCDドライバも多ピン化され、ピン間隔も狭細化している。
【0069】
そのため、例えば、フレキシブル配線基板と半導体チップとのボンディングに際しても、インナーリード21aと電極31との位置合わせには高い精度が求められるが、本発明では熱膨張による位置ズレを解消して高精度の位置合わせが可能となり、この意味で本発明は、例えば、上記LCDドライバ、USLC等に対して有効な発明とも言える。
【0070】
尚、図3における説明では、位置認識の工程が明確になるように、位置認識用カメラ16aを、図3(d)の位置合わせ工程でダイボンディング位置に移動させる場合を示しているが、図3(a)〜(f)の一連の工程は短時間で行われるため、図3(a)のフレキシブル配線基板の位置決め工程から、ボンディング位置に位置認識用カメラ16aを配置しておいても一向に構わない。
【0071】
図2に示す場合は、図3(a)における工程で、位置認識用カメラ16aをボンディング位置に配置している状況を示しているが、図3(b)、(c)の熱膨張工程、弛み解消工程の段階から、位置認識用カメラ16aをボンディング位置に配置していても一向に構わない。
【0072】
例えば、図5に示す場合は、図2に示すと同様のCOFボンダの要部構成で、熱膨張工程からボンディング処理部側に位置位置認識用カメラ16aを配置しておいた状態で、ボンディングツール15aがフィルム配線基板20a面に当接して熱膨張させ、さらにその弛みを解消するために下降し始めた状況を示している。
【0073】
図3に示す説明では、フィルム配線基板20aの熱膨張と、その弛みを解消する工程とを、図3(b)、(c)にそれぞれ示すように別工程とする場合を示したが、かかる両工程を1工程で行うようにしても構わない。かかる場合を、図6に示した。尚、図6では、図3の場合と同様に、クランパ14aの図示は省略している。
【0074】
図6(a)は、図3(a)で示すフレキシブル配線基板の位置決め工程に相当する工程である。送られてきたフィルム配線基板20aをクランパ14で支持して、ボンディング位置にフィルム配線基板20aを位置決めする工程である。
【0075】
図6(b)は、図3(b)、(c)の熱膨張工程、弛み解消工程の各々の工程を1工程で行う熱膨張・弛み解消工程を示している。すなわち、ボンディングツール15aを、ボンディング位置に支持したフィルム配線基板20aに向けて下降させ、インナーリード21aの実装側の背面に相当するフィルム配線基板20a側を加熱押圧して、熱膨張により弛んだ状態のフィルム配線基板20aの弛みが発生しない程度までボンディングツール15aを押し下げている状況を示す。
【0076】
押下げ量は、前記の如く、フィルム配線基板20aの材質、厚み、ボンディングツール15aの先端部のヘッドの当接範囲、ボンディングツール15aのヘッドの加熱温度等により微妙に異なるが、例えば、ボンディング作業開始前に幾つかを試してみて最適量を把握した上で、その最適量を一度に押し下げるようにすればよい。
【0077】
かかる押下げ量については、前述の如く、1巻のフィルム配線基板20aのロール途中でも、必要に応じて試しを行ってチェックしてもよい。チエック状況に応じて、図6(b)におけるボンディングツール15aの押下げ量の設定変更を行っても構わない。
【0078】
押し込み量としては、例えば、フィルム配線基板20aの厚み相当、あるいはその前後、すなわち厚み相当分程度としてもよい。
【0079】
図6(c)に示す位置合わせ工程は、図3(d)に示す工程に相当する。すなわち、フィルム配線基板20aとダイステージ17aとの間に、前記説明の要領で、位置認識用カメラ16aを移動してフィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置調整を高精度で行う。
【0080】
このように、予めフィルム配線基板20aを熱膨張させて弛ませておき、その弛みを解消した状態で、位置合わせを行っているため、その後のボンディング時における加熱押圧では、それ以上の熱膨張、弛みが発生しないか、あるいは発生しにくく、ボンディング時における位置ズレ障害となる程の位置合わせズレの発生を防止することができる。
【0081】
図6(d)に示すボンディング工程は、図3(e)に示す工程に相当する。すなわち、図6(c)で高精度の位置合わせを行った状態で、ダイボンディング位置から位置認識用カメラ16を移動し、ダイステージ17aを上昇させ、フィルム配線基板20aのインナーリード21aと、半導体チップ30の電極31側とを接触させ、ボンディング温度で加熱押圧して熱圧着によりダイボンディングを行う。
【0082】
図6(e)に示すボンディングツール等の復帰工程は、図3(f)に示す工程に相当する。すなわち、ボンディング終了後、インナーリード21aのフォーミング高さを変化させないように、荷重機能があるボンディングツール15aを上昇させ、その後に、ダイステージ17aを下降させる工程である。
【0083】
(実施の形態3)
実施の形態2では、フィルム配線基板20aの熱膨張に際しては、ボンディングツール15aを直接フィルム配線基板20aに当接、あるいは加熱押圧する場合について説明したが、本実施の形態では、ボンディングツール15aを用いることなくフィルム配線基板20aを予め熱膨張させる場合について示す。
【0084】
前記実施の形態2では、ボンディング時の熱圧着をボンディングツール15aをフィルム配線基板20aの熱膨張、弛み解消手段として利用していたが、その他の熱膨張手段を用いて、フィルム配線基板20aと半導体チップ30との位置合わせ前に熱膨張させておいても構わない。
【0085】
フィルム配線基板20a側と半導体チップ30側とを位置合わせする前に、ボンディング時の予想される熱膨張を先に行わせておき、ボンディング時に障害となる程の熱膨張を発生させないようにすることが必要である。従って、位置合わせ前にフィルム配線基板20aの熱膨張を行わせることができれば、その手段は特にボンディングツール15aに限る必要はない。
【0086】
ボンディングツール15aをボンディングに使用する以外に、前記の如く、熱膨張手段、弛み解消手段として利用することは、別途かかる熱膨張手段、弛み解消手段を設ける必要がないため、COFボンダの構成を簡単にすることには有用であるが、しかし、両手段をボンディングツール15aにのみ担わせる必要はない。
【0087】
図7で、熱膨張手段にボンディングツール15aを用いない場合の半導体装置の製造方法について各工程を説明した。尚、図7では、特に示す場合を除いては、図を見易くするため、クランパ14aの図示を省略している。
【0088】
図7(a)の熱膨張工程では、加熱手段に構成した熱膨張手段50として、例えば熱風吹出装置50a(50)をクランパ14aに設けた構成を示している。ローラ11から送り出され、ボンディング位置に搬送されたフィルム配線基板20aをクランパ14aで一旦支持する。
【0089】
クランパ14で支持されたフィルム配線基板20aのインナーリード21aの実装側の背面に相当するフィルム配線基板20a面に向けて、熱風吹出装置50aから、図中破線表示するように、熱風を吹き付ける。熱風吹き付けによりフィルム配線基板20aは熱膨張して弛む。
【0090】
その後、図7(b)の弛み解消工程に示すように、熱膨張により弛んだフィルム配線基板20aをクランパ14aを開閉して把持し直す。クランパ14aによる把持し直しにより、弛んだフィルム配線基板20aは弛みが解消されて張った状態にボンディング位置に保持されることとなる。
【0091】
この状態では、熱膨張により十分に伸びた状態となっているため、その後のボンディング工程の熱圧着に際しても重大な位置ズレ障害を発生させる程には、伸びる心配がない。
【0092】
図7(b)の弛み解消工程終了後は、図7(c)の位置合わせ工程に移る。図7(c)に示す位置合わせ工程は、図3(d)に示す工程に相当する。すなわち、フィルム配線基板20aとダイステージ17aとの間に、前記説明の要領で、位置認識用カメラ16aを移動してフィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置調整を高精度で行う。
【0093】
図7(d)では、フィルム配線基板20a側と半導体チップ30側とが位置合わせされている状態で、半導体チップ30を搭載したダイステージ17aを、インナーリード21aの最適のフォーミング高さに合わせて上昇させ、その状態で待機させる。図7(d)は、フォーミング高さ設定工程を示している。
【0094】
図7(e)は、ボンディング工程で、図3(e)に示す工程に相当する。すなわち、図7(c)、(d)により、高精度の位置合わせと、最適なフォーミング高さ設定とを行った状態で、ボンディングツール15aを下降させ、既に待機しているダイステージ17aとの間に、フィルム配線基板20aのインナーリード21aと、半導体チップ30の電極31側とを接触させて、ボンディング温度で加熱押圧して熱圧着によりダイボンディングを行う。
【0095】
かかるダイボンディングに際しては、例えば、ボンディングツール15aのヘッドが下降し、装備した荷重計が所定値に到達し、半導体チップ30に着地したことを検出した後、ボンディング荷重に切り替えて所定の加熱圧着を行うようにすればよい。
【0096】
図7(f)は、ボンディングツール等の復帰工程を示しており、図3(f)に示す工程に相当する。すなわち、ボンディング終了後、インナーリード21aのフォーミング高さを変化させないように、荷重機能があるボンディングツール15aを上昇させ、その後に、ダイステージ17aを下降させる工程である。
【0097】
このように図7(a)〜(f)の一連の工程を経ることにより、フィルム配線基板20aをボンディングツール15aを用いることなく予め熱膨張させておくことにより、その後の位置合わせを高精度に行い、インナーリード21aと電極31との位置ズレ障害のない実装を行うことができる。
【0098】
本実施の形態の上記説明では、熱膨張工程と、弛み解消工程とを、図7(a)、(b)に示すように別工程とした場合を示したが、フィルム配線基板20a面に熱風を吹き付けながらクランパ14aを短時間に開閉して、熱膨張と弛み解消とを1工程で行うようにしても構わない。
【0099】
上記説明では、熱膨張手段としてクランパ14aに設けた熱風吹出装置50aを用いる構成を示したが、それ以外の熱膨張手段を用いても構わない。弛み解消手段も、ボンディングツール15aを下降させて押圧する手段以外の弛み解消手段に構成しても構わない。
【0100】
例えば、熱膨張手段としては、クランパ14aに熱風吹出装置50aを設ける代わりに、クランパ14aにヒータを装備し、クランパ14aで把持した状態でフィルム配線基板20aを加熱して熱膨張させる手段に構成してもよい。
【0101】
あるいは、熱膨張手段としてはクランパ14aを備えるボンディング位置に入る直前に、フィルム配線基板20aの半導体チップ30の実装側に向けてスポット的に上方から熱風を吹き付ける構成とし、弛み解消手段としては、その直後、クランパ14aで弛みを解消すべく把持するように構成しても構わない。
【0102】
熱膨張手段としては、あるいは、内部温度を熱膨張に必要な温度に保った状態の加熱炉中を通過させる構成としてもよい。
【0103】
実施の形態2、3で詳細に説明したように、本発明では、フィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置合わせは、フィルム配線基板20a側を熱膨張させた後に行っているため、熱膨張前に位置合わせ工程を有する場合とは異なり、ショート等の深刻な位置ズレ障害の発生を未然に防止することができる。因みに、熱膨張前に位置合わせ工程を有する場合については、図8、9で示すような状況となる。
【0104】
例えば、フィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置合わせは、図8に示すように、ボンディング位置に搬送されたフィルム配線基板20aをクランパ14で支持した状態で、位置認識用カメラ60で透明なフィルム配線基板20aを通して半導体チップ30側を見通し、両者の位置合わせを行うこととなる。
【0105】
このようにして図8に示すようにフィルム配線基板20a側と半導体チップ30側との位置合わせを正確に行った状態で、図9に示すように、ダイステージ17aの上昇、ボンディングツール15aの下降により、フィルム配線基板20a側のインナーリード21aと、半導体チップ30側の電極31とを接触させ、加熱押圧して熱圧着によりボンディングを行う。
【0106】
しかし、かかる状況では、図9に示すように、ボンディングツール15a、ダイステージ17aによりフィルム配線基板20aが加熱されるとき、熱膨張が発生して、それまで正確に位置合わせさせられていたインナーリード21aと、電極31との位置ズレが発生する。
【0107】
しかし、本発明の前記実施の形態で説明したように、予めフィルム配線基板20aを熱膨張させ、熱膨張後の弛みを解消した状態で、位置合わせを行えば、図8、9に示す要領で行う場合とは異なり、ボンディング時における熱でフィルム配線基板20aが障害となる程の深刻な位置ズレを起こす程には熱膨張することがなく、フィルム配線基板20aのインナーリード21aと、半導体チップ30の電極31との位置ズレを未然に防止することができるのである。
【0108】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0109】
前記実施の形態1では、本発明の半導体製造装置としてCOFボンダを例に挙げて説明したが、ボンディング時における熱圧着に際して、熱膨張で障害となる程の位置合わせズレが発生する虞れのある材質に対するボンディング機能を有する構成であれば、COFボンダ以外のチップマウンタ、ダイボンダ、リードボンダ、フリップチップボンダ等においても有効に適用することができる。
【0110】
前記実施の形態2、3では、本発明の半導体装置の製造方法について、半導体装置として、フィルム配線基板に半導体チップを実装するCOF構造を有する場合を例に挙げて説明したが、フィルム配線基板以外でも、ボンディング時における熱膨張する虞のある材質で、位置合わせが必要な構造のCOF構造をも含めたCSP構造の半導体装置等の製造に有効に適用することができる。例えば、LCDドライバ、USLC等のIC製造に有効に適用することができる。
【0111】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下の通りである。
【0112】
すなわち、フレキシブル配線基板とそれに実装する半導体チップとのボンディングに際しての位置合わせを、予めフレキシブル配線基板を熱膨張させた後に行うため、熱圧着によるボンディング時におけるフレキシブル配線基板と半導体チップとの位置合わせズレを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で説明するCOFボンダに構成した半導体製造装置の一例を模式的に示す概略説明図である。
【図2】本発明に関わるCOFボンダのダイボンディングに際してのフィルム配線基板と半導体チップとの位置合わせを行う機構要部を模式的に示す説明図である。
【図3】(a)〜(f)は、本発明の半導体装置の製造方法におけるボンディング処理の各工程状況を示す断面説明図である。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の一例を示す断面説明図である。
【図5】図2に示すCOFボンダの機構要部構成で、ボンディングツールを下降させて、フィルム配線基板を熱膨張させ、さらにその弛みを解消させる状況を示す説明図である。
【図6】(a)〜(e)は、本発明の半導体装置の製造方法におけるボンディング処理の変形例における各工程状況を示す断面説明図である。
【図7】(a)〜(f)は、本発明の半導体装置の製造方法におけるボンディング処理の変形例における各工程状況を示す断面説明図である。
【図8】本発明とは異なり、フレキシブル配線基板を予め熱膨張させることなく、フレキシブル配線基板とそれに実装する半導体チップ側との位置合わせを行う半導体製造装置における上記位置合わせの状況を示す説明図である。
【図9】図8に示す構成で、フレキシブル配線基板とそれに実装する半導体チップ側との位置合わせを行った状態で、ボンディングする状況を示す説明図である。
【符号の説明】
10 COFボンダ
11 ローラ
12 ローラ
13 ガイド
14 フレキシブル配線基板保持手段
14a クランパ
14b 把持部
15 加熱押圧手段
15a ボンディングツール
15b ヒータ
16 位置認識手段
16a 位置認識用カメラ
17 半導体チップ保持手段
17a ダイステージ
18 チップ保持手段
19 ヒータ
20 フレキシブル配線基板
20a フィルム配線基板
21 半導体チップ実装側
21a インナーリード
30 半導体チップ
31 電極
32 封止用樹脂部
40 半導体装置
50 熱膨張手段
50a 熱風吹出装置
60 位置認識用カメラ
Claims (5)
- 半導体チップをフレキシブル配線基板に、熱圧着によりボンディングする工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記フレキシブル配線基板を加熱して膨張させた状態で、前記フレキシブル配線基板と前記半導体チップとの位置合わせを行って、ボンディングすることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体チップをフレキシブル配線基板に、熱圧着によりボンディングする工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記フレキシブル配線基板の半導体チップ実装側を加熱して膨張させた状態で、前記半導体チップ実装側と半導体チップ側との位置合わせを行って、ダイボンディングすることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体チップをフレキシブル配線基板に、熱圧着によりボンディングする工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記フレキシブル配線基板をダイボンディング位置に保持し、
前記フレキシブル配線基板の半導体チップ実装側を加熱し、膨張させ、
前記膨張により発生した前記半導体チップ実装側の弛みを解消し、
前記弛みを解消した状態で、前記半導体チップ実装側と半導体チップ側との位置合わせを行ってボンディングすることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体チップをフレキシブル配線基板に、熱圧着によりダイボンディングする工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記フレキシブル配線基板をダイボンディング位置に保持した状態で、前記フレキシブル配線基板の半導体チップ実装側を加熱押圧するボンディング手段と、前記ボンディング手段に対して、前記フレキシブル配線基板を間にして対向位置に設けられ、押圧された状態の前記フレキシブル配線基板の前記半導体チップ実装側と半導体チップ側との位置認識を行う位置認識手段と、
搭載した前記半導体チップを前記半導体チップ実装側に加熱押圧するダイステージとを有する半導体製造装置を用いて、
前記ボンディング手段で前記フレキシブル配線基板の前記半導体チップ実装側を、前記半導体チップ実装側と前記半導体チップ側との位置合わせを行う前に、予め加熱押圧し、
前記位置認識手段からの位置情報に基づいて前記半導体チップ実装側と前記半導体チップ側との位置調整を行い、
前記位置調整の後に、前記ボンディング手段と前記ダイステージとで、前記半導体チップ実装側と前記半導体チップ側とを接触させた状態で加熱押圧して、熱圧着によるダイボンディングを行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体チップがフレキシブル配線基板に熱圧着によりボンディングされている構造の半導体装置を製造する半導体製造装置であって、
前記フレキシブル配線基板の半導体チップ実装側を、前記半導体チップ実装側と半導体チップ側との位置合わせを行う前に、熱膨張させる加熱手段と、
熱膨張により発生した前記半導体チップ実装側の弛みを解消する弛み解消手段と、
弛みが解消された状態の前記半導体チップ実装側と前記半導体チップ側との位置認識を行う位置認識手段と、
前記位置合わせが行われた状態で、前記半導体チップ実装側と前記半導体チップ側との熱圧着によるボンディングを行うボンディング手段とを有することを特徴とする半導体製造装置。
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