JP2007115873A - 電子部品実装方法及び実装装置 - Google Patents

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修一 平田
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昌三 南谷
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直哉 廣田
Hiroyuki Yoshida
浩之 吉田
Takafumi Tsujisawa
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Abstract

【課題】吸着ノズルによって電子部品を吸着してその保持を行った際に生じる上記電子部品の反りやたわみを抑制しながら、確実な吸着保持を行い、高精度かつ確実な電子部品の実装を実現する。
【解決手段】部品供給位置で供給された電子部品を吸着ノズルによって第1吸着力で吸着し、上記電子部品を吸着したまま上記吸着ノズルを上記部品供給位置から回路基板上の部品実装位置の上方へ移動させ、その後、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第1吸着力よりも低い第2吸着力に切り替えて、上記回路基板上に接合材料を介して上記電子部品を配置し、上記回路基板上に上記電子部品を実装する。
【選択図】図11

Description

本発明は、吸着ノズルにより吸着保持された電子部品を、回路基板上における部品実装位置へ配置して、上記吸着保持を解除することにより、上記回路基板へ上記電子部品を実装する電子部品実装方法及び実装装置に関するものであり、特に、反りやたわみが生じ易い薄型の電子部品についての電子部品実装方法及び実装装置に関する。
従来、この種の電子部品実装方法及び実装装置としては、様々な構成のものが知られている。このような電子部品の実装においては、回路基板に実装される電子部品に対して、吸着ノズルより吸着力を付与しながら、当該吸着ノズルに電子部品を確実に吸着保持させて吸着ノズルとともに電子部品を回路基板上へ移動させ、回路基板上に電子部品を配置させた後、吸着解除を行うことで、当該電子部品を回路基板上へ実装するという動作が行われる。従って、従来における電子部品の実装においては、このような吸着保持を確実に行うための様々な工夫が考えられている。
例えば、特許文献1に開示されている電子部品の実装方法においては、反りやたわみが生じ易いという特徴を有するフィルム電子部品の厚さに応じて、最適な吸着力を付与することで、反りやたわみを矯正しながら、当該フィルム電子部品の吸着保持を確実に行うというものである。
また、特許文献2に開示されている電子部品の実装方法においては、吸着ノズルへの電子部品の吸着保持を行う際や、当該吸着ノズルに吸着保持された電子部品が吸着ノズルから開放されるように吸着保持の解除を行う際に、吸着力の付与の開始あるいは付与の停止を行うタイミングを適正化することで、吸着ノズルへの電子部品の吸着・開放動作をより確実に行うというものである。
また、特許文献3に開示されている電子部品の実装方法においては、吸着ノズルによる薄型チップの吸着保持が開始される時点にて、吸着力を低真空状態とすることで無理なく予備的な吸着保持を行い、この予備的吸着が行われた後、吸着力を高真空状態とすることで、吸着ノズルにより吸着保持された薄型チップの移載や移動の際における位置ズレや落下を確実に防止するというものである。
国際公開第WO01/52318号パンフレット 特開平8−298395号公報 特許第3602663号公報
近年、回路基板へ実装される電子部品の種類も益々多様化し、例えば、その厚さが100μmというような薄型チップが電子部品として取り扱われるような場合も増えてきている。このような薄型チップは、薄いペーパ状にて形成され、フレキシブル基板と同様に可撓性を有する反面、反りやたわみが生じやすいという特徴を有している。
このような薄型チップ1が吸着ノズル10の吸着面にて吸着保持された状態を図15の模式説明図に示す。
図15に示すように、吸着保持面10aの中央付近に吸着孔11が形成された吸着ノズル10により、薄型チップ1の吸着保持を行うような場合にあっては、吸着面10aにおいて吸着孔11が形成されている部分だけが吸引され、その周囲の部分は吸引されず、その反りが矯正されないまま、回路基板3に薄型チップ1が実装されてしまうような場合がある。このように反りが残ったままの姿勢では、薄型チップ1の回路基板3への実装精度を高精度なものとすることができないという問題がある。
また、図16(A)に示すように、吸着ノズル10の吸着保持面10aに複数の吸着孔11が形成されているような場合にあっては、それぞれの吸着孔11を通して薄型チップ1に付加される吸着力により、薄型チップ1の被吸着面が部分的にそれぞれの吸着孔11に吸い込まれ、部分的なたわみが生じた状態とされる。当該状態のままで回路基板3へ薄型チップ1が実装されると、図16(B)に示すように、実装された薄型チップ1の図示上面の高さ位置に部分的なバラツキが生じる場合がある。このような場合にあっても、高精度な実装を行うことができないという問題がある。
さらに、図16(A)及び(B)に示すような場合における薄型チップ1と回路基板3との部分拡大模式図を図17に示す。図17に示すように、薄型チップ1の回路基板3への接合側表面に多数のバンプ2が形成されているような場合にあっては、上記部分的に生じたたわみにより、当該バンプ2の一部が、回路基板3側のバンプ4と接触されない状態となり、吸着ノズル10を通しての加熱を十分に行うことができず、部分的な接触不良が発生する場合があるという問題がある。
このような問題に対して、特許文献1に開示された実装方法では、最適な吸着力として、単に吸着孔の部分に生じるたわみを除去するために当該吸着力を低くするだけでは、吸着ノズルの移動の際における電子部品の位置ズレや落下などを伴う場合が生じ得、確実な吸着保持と高精度な実装とを合わせて実現することが困難である。
また、特許文献2に開示された実装方法では、吸着開始動作や開放動作において観点をおくものであり、薄型チップに対する上述の問題点を解決することは困難である。
さらに、特許文献3に開示された実装方法では、高真空状態にて、薄型チップの実装が行われることから、この方法を薄型チップへ適用すると、上述の問題点をさらに顕著なものにしてしまうという問題があり、薄型チップへの適用は困難である。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、吸着ノズルにより吸着保持された電子部品を、回路基板上における部品実装位置へ配置して、上記吸着保持を解除することにより、上記回路基板へ上記電子部品を実装する電子部品実装方法及び実装装置において、上記吸着ノズルによる上記電子部品の吸着保持により生じる上記電子部品の反りやたわみを抑制しながら、確実な吸着保持を行い、高精度かつ確実な実装を実現する部品実装方法及び実装装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、回路基板に電子部品を実装する電子部品実装方法において、
部品供給位置で供給された電子部品を吸着ノズルによって第1吸着力で吸着し、
上記電子部品を吸着したまま上記吸着ノズルを上記部品供給位置から回路基板上の部品実装位置の上方へ移動させ、
その後、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第1吸着力よりも低い第2吸着力に切り替えて、
上記回路基板上に上記電子部品を実装する、ことを特徴とする電子部品実装方法を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記部品実装位置の上方へ上記吸着ノズルを移動させた後、上記回路基板上の上記部品実装位置に接合材料を介して上記電子部品を配置する前に、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力に切り替えて、
その後、上記回路基板上に上記電子部品を実装する、第1態様に記載の電子部品実装方法を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記部品実装位置の上方へ上記吸着ノズルを移動させた後、上記回路基板上の上記部品実装位置に接合材料を介して上記電子部品を配置し、
上記接合材料の加熱溶融が開始されるまでに、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力に切り替えて、
その後、上記接合材料の加熱溶融を行い、上記回路基板上に上記電子部品を実装する、第1態様に記載の電子部品実装方法を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記部品実装位置の上方へ上記吸着ノズルを移動させた後、上記回路基板上の上記部品実装位置に上記電子部品を配置する前に、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力に切り替えて、
その後、上記吸着ノズルによって吸着されている上記電子部品の吸着姿勢の画像データを取得し、
上記画像データを用いた上記吸着姿勢の認識結果に基づいて、上記電子部品の上記吸着姿勢を補正して、上記回路基板上に上記電子部品を実装する、第1態様又は第2態様に記載の電子部品実装方法を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記部品供給位置から移動された上記吸着ノズルが上記部品実装位置の上方へ到着する前に、当該吸着ノズルを部品認識位置に移動させるとともに、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力に切り替えて、上記吸着ノズルによって吸着されている上記電子部品の吸着姿勢の画像データを当該部品認識位置にて取得し、
その後、上記吸着ノズルの吸着力を上記第2吸着力から上記第1吸着力に切り替えて、上記電子部品を上記回路基板上の上記部品実装位置の上方へ移動させ、
再度、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力に切り替えて、
上記画像データを用いた上記吸着姿勢の認識結果に基づいて、上記電子部品の上記吸着姿勢を補正して、上記回路基板上に上記電子部品を実装する、第1態様又は第2態様に記載の電子部品実装方法を提供する。
本発明の第6態様によれば、上記第2吸着力は、上記吸着ノズルが上下に移動される際に生じる慣性力に抗して、上記電子部品が上記吸着ノズルによって吸着された位置で上記電子部品を保持する大きさの力を有し、
上記第1吸着力は、上記吸着ノズルが上下に移動される際に生じる上記慣性力に加えて、上記部品供給位置から上記部品実装位置へ上記吸着ノズルが水平に移動される際に生じる慣性力に抗して、上記電子部品が上記吸着ノズルによって吸着された位置で上記電子部品を保持する大きさの力を有する、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載の電子部品実装方法を提供する。
本発明の第7態様によれば、回路基板における部品実装位置へ電子部品を実装する電子部品実装装置において、
部品供給位置で供給される上記電子部品を吸着する吸着ノズルと、
上記回路基板が載置されるステージと、
上記部品供給位置と上記部品実装位置との間において、上記吸着ノズルを上記回路基板の表面沿いの方向に移動させる移動装置と、
上記電子部品を吸着する吸着力である第1吸着力と、上記第1吸着力よりも低い第2吸着力を、上記吸着ノズルに対して選択的に付与する吸着力付与装置と、
少なくとも上記部品供給位置から上記部品実装位置まで上記移動装置によって上記吸着ノズルが移動される間は、上記吸着ノズルに対して上記第1吸着力が付与され、上記吸着ノズルが上記部品実装位置へ移動した後、上記第1吸着力から上記第2吸着力へ上記吸着ノズルの吸着力を切り替えることによって、上記吸着ノズルに対して上記第2吸着力が付与されるように、上記吸着力付与装置を制御する制御装置とを備える、ことを特徴とする電子部品実装装置を提供する。
本発明の第8態様によれば、回路基板における部品実装位置へ電子部品を実装する電子部品実装装置において、
部品供給位置で供給される上記電子部品を吸着する吸着ノズルと、
上記回路基板が載置されるステージと、
上記部品供給位置と上記部品実装位置との間において、上記吸着ノズルを上記回路基板の表面沿いの方向に移動させる移動装置と、
上記電子部品を吸着する吸着力である第1吸着力と、上記第1吸着力よりも低い第2吸着力を、上記吸着ノズルに対して選択的に付与する吸着力付与装置と、
少なくとも上記部品供給位置から上記部品実装位置まで上記移動装置によって上記吸着ノズルが移動される間は、上記吸着ノズルに対して上記第1吸着力が付与され、上記吸着ノズルが上記部品実装位置へ移動した後、上記回路基板上の上記部品実装位置に接合材料を介して上記電子部品が配置されて、上記接合材料の加熱溶融が開始されるまでに、上記第1吸着力から上記第2吸着力へ上記吸着ノズルの吸着力を切り替えることによって、上記吸着ノズルに対して上記第2吸着力が付与されるように、上記吸着力付与装置を制御する制御装置とを備える、ことを特徴とする電子部品実装装置を提供する。
本発明の第9態様によれば、上記吸着ノズルによって吸着された上記電子部品の吸着姿勢の画像を取得する認識カメラと、
上記取得された画像を基に上記部品の吸着姿勢を認識する認識装置とをさらに備え、
上記制御装置は、上記移動装置によって上記吸着ノズルが上記部品実装位置へ移動された後、上記吸着力付与装置により上記吸着ノズルへ付与される吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力へと切り替えて、上記第2吸着力で上記吸着ノズルによって吸着されている上記電子部品の吸着姿勢の画像が上記認識カメラにより取得され、当該取得された画像に基づいて上記吸着姿勢が上記認識装置によって認識されるように、上記認識カメラ及び上記認識装置を制御する、第7態様又は第8態様に記載の電子部品実装装置を提供する。
本発明の第10態様によれば、上記吸着ノズルによって吸着されている上記電子部品が上記回路基板上に配置されたことによって得られる情報を検出するとともに、当該情報を上記制御装置へ出力する配置検出手段をさらに備え、
上記制御装置は、上記配置検出手段により上記情報が入力されたタイミングで、上記第1吸着力から上記第2吸着力へ上記ノズルの上記吸着力を切り替えるように、上記吸着力付与装置を制御する、第7態様又は第8態様に記載の電子部品実装装置を提供する。
本発明の第11態様によれば、上記第2吸着力は、上記吸着ノズルが上下に移動される際に生じる慣性力に抗して、上記電子部品が上記吸着ノズルによって吸着された位置で上記電子部品を保持する大きさの力を有し、
上記第1吸着力は、上記吸着ノズルが上下に移動される際に生じる上記慣性力に加えて、上記部品供給位置から上記部品実装位置へ上記吸着ノズルが水平に移動される際に生じる慣性力に抗して、上記電子部品が上記吸着ノズルによって吸着された位置で上記電子部品を保持する大きさの力を有する、第7態様から第10態様のいずれか1つに記載の電子部品実装装置を提供する。
本発明の上記態様によれば、吸着ノズルにより吸着された電子部品を、回路基板上における部品実装位置へ配置して、上記吸着を解除することにより、上記回路基板へ上記電子部品を実装する電子部品実装方法及び実装装置において、第1吸着力と当該第1吸着力よりも低い吸着力である第2吸着力とを選択的に切り換えて使い分けることで、上記吸着ノズルによって上記電子部品を吸着した際に生じる上記電子部品の反りやたわみを抑制しながら、当該電子部品を確実に吸着し、高精度かつ確実な電子部品の実装を実現することができる。
具体的には、部品供給位置から部品実装位置までの間の吸着ノズルの移動動作のように、吸着されている上記電子部品に対して比較的大きな慣性力(モーメント)が発生するような移動動作の際には、より高い力である上記第1吸着力を付与することで、保持位置の位置ズレや落下の発生を防止しながら確実な吸着保持を実現するとともに、その後の動作、例えば、電子部品に対する吸着保持姿勢の認識処理や回路基板への接合処理のように、比較的大きな慣性力が発生することの無い動作が行われる際には、より低い力である上記第2吸着力に切り換えて吸着保持を行うことで、上記第1吸着力の付与により上記電子部品に生じていた反り、曲がり、たわみ等を低減させながら、高精度かつ確実な電子部品の実装を実現することができる。
従って、外力の付加により、反り、曲がり、たわみ等の弾性的変形が生じやすいという特性を有するような薄型の電子部品を、吸着ノズルにて吸着して回路基板上へ実装するような薄型の電子部品の実装において、当該弾性的変形を残留させることなく、高精度かつ確実な実装を実現することができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる電子部品実装装置101の構成を示す斜視図を図1に示す。図1に示すように、電子部品実装装置101は、電子部品の一例である薄型のICチップ1(以降、「薄型チップ1」という。)が複数収容されるとともに、当該収容されている薄型チップ1の中から一の薄型チップ1が選択されて供給可能な状態とされる部品供給ユニット装置50と、この部品供給ユニット装置50より供給される薄型チップ1を受け取って、回路基板上の所定の位置に実装する部品実装ユニット装置60との大きく2つのユニット装置に分かれて構成されている。なお、本明細書において、「回路基板」とは、樹脂基板、紙−フェノール基板、セラミック基板、ガラス・エポキシ(ガラエポ)基板、フィルム基板などの回路基板、単層基板若しくは多層基板などの回路基板、電子部品、筐体、又は、フレームなど、回路が形成されている対象物である回路形成体を意味する。従って、上記回路基板にはICチップ等の電子部品も含まれ、チップ・オン・チップの積層チップ実装も、本発明の部品実装方法に含まれる。
図1に示すように、部品供給ユニット装置50は、複数の薄型チップ1が、例えば図示しないウェハシートの上に整列配置され貼付けられた状態で供給可能に収容されるチップ供給装置51と、このチップ供給装置51に収容配置されている複数の薄型チップ1の中から一の薄型チップ1を、その下方から上記ウェハシートを介して上方に向けて突き上げることで、この薄型チップ1を上記ウェハシートから離脱させて、取り出し可能な状態とさせるチップ突き上げ装置52(図1においては図示しない)が備えられている。
さらに、部品供給ユニット装置50は、チップ供給装置51に収容配置されているそれぞれの薄型チップ1のうち、チップ突き上げ装置52により突き上げられて取り出し可能な状態とされた一の薄型チップ1をその上面側より吸着保持するとともに、当該薄型チップ1の表裏面を反転させて、部品実装ユニット装置60への部品供給位置P1へ当該吸着保持された薄型チップ1を搬送する反転ヘッド装置53を備えている。なお、反転ヘッド装置53は、薄型チップ1をその吸着面にて解除可能に吸着保持する機能を有する反転ヘッド54と、この反転ヘッド54を上下方向に昇降させる機能、反転ヘッド54を上下方向に反転させることで、吸着保持されている薄型チップ1の表裏を反転させる機能、及びチップ供給装置51の上方と部品供給位置P1との間で反転ヘッド54を水平移動させる機能を有する反転ヘッド移動装置55を備えている。
また、図1に示すように、部品実装ユニット装置60は、薄型チップ1の実装が行われる部品実装位置P2にて回路基板3を解除可能に保持するステージ61と、電子部品実装装置101に供給される回路基板3をこのステージ61へ搬送するとともに、薄型チップ1の実装処理が実施された回路基板3をステージ61から搬出して、電子部品実装装置101から搬出する基板搬送装置62とを備えている。さらに、部品実装ユニット装置60は、反転ヘッド54により搬送された薄型チップ1を、部品供給位置P1にて吸着保持して受け取るとともに、当該吸着保持した薄型チップ1をステージ61に配置された回路基板3における所定の実装位置へ実装する実装ヘッド63と、この実装ヘッド63の昇降動作を行う機能を有するヘッド昇降装置64と、ヘッド昇降装置64とともに実装ヘッド63を、部品供給位置P1と部品実装位置P2との間で図示X軸方向に水平移動させる機能を有する実装ヘッド移動装置65と、ステージ61が取り付けられるとともに、このステージ61を図示X軸方向又はY軸方向に移動させるXYテーブル66とを備えている。なお、図1においては図示しないが、部品実装ユニット装置60における部品実装位置P2の近傍には、実装ヘッド63により吸着保持された状態の薄型チップ1の吸着保持姿勢の画像を撮像する、すなわち、画像データの取得を行うことにより、当該吸着保持姿勢を認識可能とさせる認識カメラが備えられている。
また、図1に示すように、電子部品実装装置101には、それぞれの構成部の動作、例えば、反転ヘッド装置55の動作、実装ヘッド63の動作等を互いに関連付けながら制御することで、薄型チップ1の回路基板3への実装動作の制御を統括的に行う制御装置69が備えられている。なお、上記認識カメラにて取得された画像データは、制御装置69へ出力され、制御装置69に入力された当該画像データは、制御装置69が備える認識装置(図示しない)により認識処理されて、薄型チップ1の吸着保持姿勢の画像を認識することができる。
次にこのような構成の電子部品実装装置101において、部品供給ユニット装置50より供給された薄型チップ1が、部品実装ユニット装置60にて回路基板3上に実装される一連の動作について説明する。当該説明にあたって、電子部品実装装置101における上記一連の動作を示す模式説明図を図2から図6に示し、これらの図を用いて以下に説明する。なお、以下に説明するそれぞれの動作は、電子部品実装装置101が備える制御装置69によりそれぞれの構成部の動作が互いに関連付けられながら統括的に制御されて行われる。
まず、図2に示すように、部品供給ユニット装置50におけるチップ供給装置51において、ウェハシート上に配置されたそれぞれのチップ部品1の中から一の薄型チップ1が選択されて、チップ突き上げ装置52によってウェハシートの下面から当該薄型チップ1が突き上げられて、ウェハシートからの剥離が行われる。それとともに、反転ヘッド装置53において、反転ヘッド移動装置55により反転ヘッド54と上記選択された薄型チップ1との位置合わせが行われ、その後、反転ヘッド54が下降されて当該薄型チップ1が反転ヘッド54により吸着保持される。なお、それぞれの薄型チップ1は、その回路基板3への実装側の表面であるバンプ形成面を図示上向きとしてウェハシート上に配置されているため、薄型チップ1の上記バンプ形成面が反転ヘッド54により吸着保持されることとなる。
その後、薄型チップ1を吸着保持した状態で反転ヘッド54が上昇されることで、当該薄型チップ1が完全にチップ供給装置51から取り出される。さらに、反転ヘッド移動装置55により反転ヘッド54が上下方向に反転されて、吸着保持されている薄型チップ1の表裏面の反転が行われるとともに、図示X軸方向に沿って反転ヘッド54の水平移動が行われ、部品供給位置P1への移動が行われる。その後、図3に示すように、反転ヘッド54が反転された状態で部品供給位置P1へ到着すると、反転ヘッド54の移動が停止される。
一方、部品実装ユニット装置60においては、図3に示すように、基板搬送装置62により搬入された回路基板3がステージ61に供給され、ステージ61により回路基板3が保持された状態とされている。また、実装ヘッド移動装置65により実装ヘッド63が部品供給位置P1へと移動され、その後、ヘッド昇降装置64により実装ヘッド63が下降されることで、実装ヘッド63の図示下部に装備されている吸着ノズル10の吸着面10aが、反転ヘッド54により吸着保持された状態の薄型チップ1の背面(非実装側表面)に当接する。当該当接の後、薄型チップ1が吸着ノズル10に吸着保持されるとともに、反転ヘッド54による吸着保持が解除されて、反転ヘッド54から実装ヘッド63への薄型チップ1の受け渡しが行われる。
その後、図4Aに示すように、ヘッド昇降装置64により実装ヘッド63が上昇されるとともに、実装ヘッド移動装置65により実装ヘッド63が図示X軸方向に沿って移動されて、薄型チップ1を吸着保持した状態の実装ヘッド63が部品実装位置P2、あるいはその近傍へと移動される。部品実装位置P2、あるいはその近傍においては、認識カメラ67が図示上方向きをその撮像方向として設置されており、当該認識カメラ67と実装ヘッド63との位置合わせが行われる。当該位置合わせが行われた後、吸着ノズル10による薄型チップ1の吸着保持姿勢の画像が認識カメラ67により撮像されることで、その画像データの取得が行われ、当該取得された画像データは例えば制御装置69に入力される。制御装置69では、当該画像データに基づいて、図示しない認識装置により上記吸着保持姿勢の認識処理が行われる。
なお、本第1実施形態は、図4Aに示すように、部品実装位置P2の上方に認識カメラ67が備えられている場合のみに限定されるものではなく、このような場合に代えて、例えば、図4Bに示すように、認識カメラ67が回路基板3の上方より外れた位置に位置されるような場合であってもよい。このような場合にあっては、実装ヘッド63は、まず、認識カメラ67の上方の位置である部品認識位置P3に吸着ノズル10が位置されるようにその移動が行われ、この部品認識位置P3にて認識カメラ67により薄型チップ1の吸着保持姿勢の画像が取得された後、実装ヘッド63の移動が再開されて、実装ヘッド63が部品実装位置P2あるいはその近傍に位置されるようにすることで、吸着保持されている薄型チップ1の吸着保持姿勢の画像の取得、及び薄型チップ1の部品実装位置P2への移動を行うことができる。特に、回路基板3と実装ヘッド63との間に、認識カメラ67を配置させる空間を確保できないような場合には、認識カメラ67が回路基板3の上方より外れた位置(部品認識位置P3)に位置させる場合がある。なお、この部品認識位置P3にて吸着ノズル10の移動を一度停止させてから、薄型チップ1の画像データを取得するような場合だけでなく、部品認識位置P3にて画像データを取得可能な程度に吸着ノズル10の移動速度を減速させて通過させ、当該通過の際に画像データを取得するような場合であってもよい。
その後、当該認識処理の結果情報に基づいて、吸着ノズル10による薄型チップ1の吸着保持姿勢の補正動作が行われながら、XYテーブル66によるステージ61のXY方向の微小量の移動が行われることで、吸着ノズル10により吸着保持されている薄型チップ1と、回路基板3上の所定の実装位置との位置合わせが行われる。
当該位置合わせが行われた後、ヘッド昇降装置64により実装ヘッド63の下降が行われて、図5に示すように、吸着ノズル10により吸着保持された状態の薄型チップ1におけるバンプ形成面が、回路基板3の上記所定の実装位置に当接される、すなわち配置される。当該当接の後、所定の押圧荷重が付加されながら、薄型チップ1に対する加熱が行われて、接合材料の一例であるバンプの加熱溶融が行われ、その後、冷却固化されることにより、薄型チップ1がバンプを介して回路基板3に接合される。当該接合の後(あるいは接合の途中、例えば加熱処理の完了後)、吸着ノズル10による吸着保持が解除され、その後、実装ヘッド63が上昇されて薄型チップ1と吸着ノズル10とが離間される。これにより、薄型チップ1の回路基板3への実装動作が完了する。なお、実装ヘッド63には、吸着ノズル10により吸着保持された状態の薄型チップ1に対して、吸着ノズル10を介して伝熱により加熱を行う加熱手段、例えば加熱ヒータが内蔵されており、この加熱ヒータによる加熱により、それぞれのバンプの加熱溶融が行われる。
なお、上述してそれぞれの手順が繰り返して行われることにより、チップ供給装置51に収容配置されているそれぞれの薄型チップ1の実装動作が順次行われる。
次に、実装ヘッド63において装備されている吸着ノズル10の吸着面10aに薄型チップ1を吸着保持するための吸着力を付与するための構成(すなわち、吸着力付与装置)について、図7に示す模式説明図を用いて以下に説明する。
図7に示すように、吸着ノズル10の吸着面10aの略中央付近には、吸引、例えば真空圧力付与による吸引を行うための吸着孔11が形成されている。図8に示す吸着ノズル10の吸着面10aの模式平面図に示すように、この吸着孔11は、例えば長円形状を有するように形成されているが、その形成数量、大きさ、及び形状については、様々な形態を採用することができる。このような吸着孔の形態としては、例えば、図18Aに示すように、吸着ノズル10の吸着面10aに略十字形状を有するような吸着孔11Aを形成することもでき、さらに、図19Aに示すように、吸着面10aにおいて、格子状に連通された吸着孔11Bを形成することもできる。
また、図7に示すように、吸着ノズル10においては、吸着孔11に連通されるように吸引通路12が設けられており、この吸引通路12は実装ヘッド63を貫通して、実装ヘッド13の外部に設けられた吸引通路13と連通されて、真空源70に接続されている。これにより、真空源70にて発生された真空圧力が、吸引通路13及び12を通して、吸着ノズル10の吸着孔11に伝達させることが可能となっている。なお、このような真空源70としては、真空ポンプのような真空圧力を発生させる装置、あるいは、他の装置あるいは場所にて発生された真空圧力を伝達可能に供給するような、例えば、いわゆる工場圧空源等を適用することができる。
また、図7に示すように、吸引通路13の途中には、真空源70より伝達される真空圧力を所望の吸引圧力に調整するための圧力調整装置の一例である電空真空レギュレータ71が備えられている。このレギュレータ71は、制御装置69からの信号に基づいて所定の吸引圧力に調整する機能を有しており、本実施形態においては、例えば、第1吸引圧力と当該第1吸引圧力よりも低い圧力である第2吸引圧力との2つの吸引圧力に調整する機能を有している。なお、本第1実施形態においては、吸引通路12、13、電空真空レギュレータ71、及び真空源70により吸着力付与装置の一例が構成されている。
このような調整のための具体的な制御を行う構成について説明すると、図7に示すように、制御装置69には、予め上記2種類の吸引圧力に対応するレギュレータ71へのそれぞれの場合の指令値の情報が読み出し可能に記憶された記憶部72と、この記憶部72に記憶されている指令値の情報を読み出して、当該情報に基づいてレギュレータ71の制御を行う処理部73と、処理部73における処理結果等の表示や、必要に応じて手動にて操作を行うための操作・表示部74とが備えられている。
なお、制御装置69において処理部73は、実装ヘッド63の移動動作等も制御する機能を有しており、処理部73が具体的にレギュレータ71の制御を行うタイミングは、例えば実装ヘッド63の移動動作における移動位置情報、あるいは時間情報などに基づいて決定される。
このような構成の実装ヘッド63において、電空真空レギュレータ71により制御された第1吸引圧力が吸引通路13及び12を通して吸着孔11に伝達されることにより、吸着ノズル10の吸着面10aに生じる吸着力を第1吸着力Fとすると、また、第2吸引圧力により吸着面10aに生じる吸着力を第2吸着力Fとすると、例えば、例えば、第1吸着力Fを100%とした場合に、第2吸着力Fはその60〜25%程度に設定される。具体例としては、第1吸着力Fを−80KPa程度と、第2吸着力Fを−20KPa程度と設定することができる。
ここで、このような吸着力を薄型チップ1に対して付与することで、吸着ノズル10のよる薄型チップ1の吸着保持を行うような場合について具体的に説明する。本第1実施形態において「電子部品」とは、薄型の電子部品であって、吸着ノズル10による吸着保持の際に付与される吸着力により、容易に曲がりやたわみが生じ得、また、吸着保持が行われていない状態においても反りやたわみが生じているような場合に、当該吸着力を付与することで、その反りやたわみを変化させて(例えば矯正して)吸着保持を行うことができるような薄型の電子部品のことである。なお、このような電子部品としては、例えば、携帯電話等のモバイル機器に用いられているチップ・オン・チップ積層実装の高集積電子部品や、メモリーカード等に用いられる薄型の電子部品がある。このような電子部品の一例である薄型チップ1が、例えば、薄型チップ1が、チップ厚さが100μm程度の薄型のチップであるような場合にあっては、当該薄型チップ1において、その反り、曲がり、あるいはたわみが生じやすいという特徴を有する。このような特徴により、第1吸着力Fを付加することで、吸着ノズル10による薄型チップ1の吸着保持を行うと、例えば、図9に示すように、約20μmの曲がりやたわみが生じる場合がある。これは、吸着ノズル10の吸着面10aに形成されている吸着孔11に、第1吸着力Fにより薄型チップ1の一部が吸い込まれることで、薄型チップ1に部分的に曲がりやたわみが生じるためである。ただし、この第1吸着力Fは、このように薄型チップ1に曲がりやたわみを生じさせてしまうような力であるが、その一方で、吸着ノズル10の吸着面10aに確実に薄型チップ1を保持させることができるような力でもあり、実装ヘッド63の移動により生じる慣性力(モーメント)にも拘わらず、確実な保持、すなわち、保持位置の位置ズレや落下を生じさせることがないような保持を実現させることができる。
一方、第1吸着力Fよりも弱い力である第2吸着力Fを付与するような場合にあっては、図10に示すように、薄型チップ1に生じていた曲がりやたわみを軽減することができ、例えば、その曲がりやたわみを約5μm程度にまで抑制することができる。この第2吸着力Fは、このように薄型チップ1に曲がりやたわみをできるだけ生じさせないように吸着保持させることができるような力であるが、その一方で、第1吸着力Fよりも小さな力であるため、確実な保持という観点からは、第1吸着力F1よりも劣っており、例えば、実装ヘッド63の高速移動や急激な移動などにより生じる大きなモーメントを受けるような場合には、吸着ノズル10に保持されている薄型チップ1に保持位置の位置ズレや落下等を生じさせる可能性が存在する。
なお、図18Aに示す略十字状の吸着孔11Aでは、図8に示す長孔状の吸着孔11に比して、薄型チップ1に対して吸着力を付与することができる領域が大きく構成されているため、より安定した吸着保持を実現することができ、その結果、図18Bに示すように、吸着保持の際に生じていた反りやたわみの量を図8の長孔状の吸着孔11に比して低減させることができる。さらに、図19Aに示す格子形状の吸着孔11Bでは、図18Aに示す略十字状の吸着孔11Aに比して、薄型チップ1に対して吸着力を付与することができる領域が大きく構成されているため、さらに安定した吸着保持を実現することができ、その結果、図19Bに示すようにその反りやたわみの量のさらに低減することができる。
次に、このような吸着ノズル10により薄型チップ1に対して、高低(強弱)2種類の吸着力である第1吸着力Fと第2吸着力Fと使い分けてその吸着保持を行い、回路基板3上における所定の実装位置へ接合処理を施して実装を行う方法について、具体的に説明する。当該説明にあたって、実装手順のフローチャートを図11に示し、当該それぞれの手順を説明するための模式説明図を図12A、図12B、図12C、及び図12Dに示す。なお、以下の実装方法の説明においては、チップ供給装置51により供給された薄型チップ1が、反転ヘッド54により吸着保持されて、部品供給位置P1へ位置された状態であって、さらに、薄型チップ1を吸着保持していない状態の実装ヘッド63が、部品供給位置P1へ位置されて、その後下降されることにより、吸着ノズル10の吸着面10aが薄型チップ1の背面に当接された状態以降の手順について説明を行うものとする。また、このとき薄型チップ1が実装される回路基板3は、既にステージ61に保持された状態とされている。また、以下に説明する実装手順の説明においては、吸着ノズル10の吸着面10aに1つの大きな吸着孔11が形成されているのではなく、例えば複数の小さな吸着孔11が形成されているような場合(例えば、複数の吸着孔が格子状に連通して形成された図19Aに示す吸着孔11Bが形成されているような場合)について説明するものとする。
まず、図11のフローチャートにおけるステップS1において、吸着ノズル10の吸着孔11に付与される吸着力が第1吸着力Fに設定される。具体的には、図7に示す制御装置69において、記憶部72に記憶されている第1吸引圧力についてのレギュレータ71への指令値の情報が処理部73により読み出されて、当該指令値の情報に基づいて、電空レギュレータ71が制御されて、吸引通路13及び12を通じて吸着ノズル10に伝達される吸引圧力が第1吸引圧力に調整される。
これにより、薄型チップ1の背面に当接されている吸着ノズル10の吸着孔11には、第1吸着力Fが発生し、この第1吸着力Fにて、吸着ノズル10の吸着面10aに薄型チップ1が吸着保持される(ステップS2)。
この吸着ノズル10による吸着保持が行われた後、反転ヘッド54による薄型チップ1のバンプ形成面に対する吸着保持が解除され、その後、ヘッド昇降装置64により実装ヘッド63が上昇されることにより、反転ヘッド54から実装ヘッド63への薄型チップ1の受け渡しが行われる。
このように第1吸着力Fにて、吸着ノズル10に薄型チップ1が吸着保持された状態を図12Aの模式説明図に示す。図12Aに示すように、それぞれの吸着孔11には、第1吸着力Fが生じており、この第1吸着力Fにより薄型チップ1の背面(図示上面)が部分的に各々の吸着孔11内に吸い込まれるように変形されて曲がり(あるいはたわみ)が生じている。また、薄型チップ1のバンプ形成面(図示下面)においては、当該曲がりの発生により、それぞれのバンプ2の形成高さ位置にバラツキが生じていることが判る。一方、吸着ノズル10の吸着面10aにおいては、第1吸着力Fにて薄型チップ1の吸着保持が行われているため、保持位置のズレ等が生じない確実な吸着保持がなされている。
次に、ステップS3において、実装ヘッド移動装置65により実装ヘッド63の図示X軸方向沿いの水平移動が行われ、実装ヘッド63が部品供給位置P1から部品実装位置P2へと移動、より具体的には、部品実装位置P2の近傍における認識カメラ67の上方へと位置されて、認識カメラ67における画像撮像位置と吸着ノズル10に吸着保持された状態の薄型チップ1との位置合わせが行われる。
その後、ステップS4において、吸着ノズル10による薄型チップ1の吸着力が、第1吸着力Fから第2吸着力Fへと切り替えられる。具体的には、制御装置69において、記憶部72に記憶されている第2吸引圧力についてのレギュレータ71の指令値の情報が処理部73により読み出されて、当該指令値の情報に基づいて、電空レギュレータ71が制御されて、吸引通路13及び12を通じて吸着ノズル10に伝達される吸引圧力が、これまでの第1吸引圧力から第2吸引圧力へと切り換えられる。これにより、吸着ノズル10の吸着孔11においては、吸着保持されている薄型チップ1に対して付与される吸着力が、第1吸着力Fから当該第1吸着力Fよりも低い力である第2吸着力Fへと切り換えられることとなる。
このように第2吸着力Fにて吸着ノズル10に吸着保持された状態の薄型チップ1の吸着保持状態の模式説明図を図12Bに示す。図12Bに示すように、吸着面10aにおけるそれぞれの吸着孔11より薄型チップ1の背面に対して第2吸着力Fが付与されているが、第2吸着力Fは第1吸着力Fと比して低い力であるため、図12Aの模式説明図と比較して明らかなように、それぞれの吸着孔11への薄型チップ1が吸い込まれる程度が少なくなっており、薄型チップ1に生じていた曲がりやたわみが少なくなっていることが判る。
このような第2吸着力Fによる吸着保持状態、すなわち、第1吸着力Fが付与されることにより薄型チップ1に生じていた曲がりやたわみが低減された状態にて、認識カメラ67により薄型チップ1の画像を撮像(画像データを取得)し、当該撮像された画像データに基づいて、制御装置69の認識装置にてその吸着保持姿勢の認識を行う(ステップS5)。
その後、XYテーブル66によりステージ61が図示X軸方向又はY軸方向に移動されることにより、このステージ61に保持された状態の回路基板3における所定の実装位置と、吸着ノズル10により吸着保持された状態の薄型チップ1との位置合わせが行われる。このとき、実装ヘッド移動装置65により実装ヘッド63の移動、すなわち吸着ノズル10の水平移動は行われないか、あるいは行われたとしてもその移動距離は微小でありかつ移動速度も低速にて行われるため、吸着ノズル10に対して大きなモーメントが発生することもなく、第1吸着力Fよりも低い力である第2吸着力Fにて薄型チップ1が吸着保持されていても、薄型チップ1の保持位置の位置ズレや落下が生じることはない。
回路基板3上の上記実装位置と薄型チップ1との位置合わせが行われた後、ヘッド昇降装置64により実装ヘッド63が下降され(ステップS6)、薄型チップ1のバンプ形成面におけるそれぞれのバンプ2が回路基板3に当接(配置)された状態とされる。この状態を示すのが図12Cの模式説明図である。図12Cに示すように、第2吸着力Fにて薄型チップ1の吸着保持が行われているため、薄型チップ1において大きな曲がりやたわみが生じることがなく、また、薄型チップ1のバンプ形成面において、それぞれのバンプ2の形成高さ位置も略均一な状態とされている。従って、上記当接により、各々のバンプ2も確実に回路基板3に当接させることができる。
この当接の後、実装ヘッド63によりそれぞれのバンプ2に対する加熱溶融が行われ、その後冷却固化されることにより、薄型チップ1がそれぞれのバンプ2を介して回路基板3における上記所定の実装位置に接合(接合処理)される(ステップS7)。また、この接合処理の際において、それぞれのバンプ2の形成高さ位置にバラツキが生じおらず、確実に回路基板3に当接された状態となっているため、その加熱溶融及び冷却固化により個々のバンプ2を確実に接合させることができる。
この接合処理の後、あるいはバンプ2に対する加熱溶融の後、第2吸着力Fにての吸着ノズル10による薄型チップ1の吸着保持が解除される(ステップS8)。その後、ヘッド昇降装置64により実装ヘッド63が上昇されて、図12Dの模式説明図に示すように、回路基板3に薄型チップ1が実装されたこととなる。また、図12Dに示すように、当該実装された状態において薄型チップ1には大きな曲がりやたわみが生じることもなく、それぞれのバンプ2により確実に接合された状態とされている。
このように、部品実装において、高低2種類の吸着力を使い分けることにより、大きな慣性力が発生するような移動動作が行われる間は、より高い力である第1吸着力Fを用いて、薄型チップ1の吸着保持を行い、部品実装位置P2へ到着した後の動作のように、大きな移動動作が完了した後に、低い力である第2吸着力Fに切り換えることで、吸着保持により薄型チップ1に生じていた曲がりやたわみを低減させた状態で、当該吸着保持を行うことができる。また、このような吸着力の切り替えが、認識カメラ67による吸着保持姿勢の認識の前に行われることにより、実際に回路基板3へ実装される姿勢状態で薄型チップ1の吸着保持姿勢が認識されるため、実装位置精度を高めることができる。
また、上記接合処理が行われる際には、第2吸着力Fにて薄型チップ1の吸着保持が行われているため、それぞれのバンプ2の高さ位置のバラツキも解消された状態とされ、このようなバラツキの発生による接合不良が発生することもない。
従って、薄型の電子部品であって、吸着ノズル10による吸着保持により、曲がりやたわみが生じるような薄型チップ1の実装を、当該曲がりやたわみの発生を低減させながら、高精度かつ確実な実装を実現することができる。
また、第2吸着力Fは第1吸着力Fに対して低い力であるが、まず、最初に第1吸着力Fにて薄型チップ1の吸着保持を行った後に、第2吸着力Fへの切り替えを行っているため、大きなモーメントの付加等が生じない限り、その吸着保持を確実に行うことができる。すなわち、薄型チップ1に対して、最初から第2吸着力Fを付与して吸着保持を行う場合よりも、本第1実施形態のように、初めに大きな吸着力Fで吸着保持したものを小さな吸着力Fに切り換えて行う方が、その吸着保持状態をより確実に維持することができる。
(第2実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本発明の第2の実施形態にかかる電子部品実装方法は、第1吸着力Fと第2吸着力Fとの切り替えのタイミングが、上記第1実施形態の実装方法とは異なっているものの、当該実装は、上記第1実施形態の電子部品実装装置101にて行うことが可能である。以下、この異なる部分についてのみ説明を行う。当該説明にあたって、薄型チップ1の回路基板3への実装手順のフローチャートを図13に示し、当該それぞれの手順を説明するための模式説明図を図14A、図14B、図14C、図14D、及び図14Eに示す。なお、図13は、上記第1実施形態における図11のフローチャートと対応して対比されるものであり、図14A〜図14Eは、上記第1実施形態における図12A〜図12Dの模式説明図と対応して対比されるものである。
まず、図13のフローチャートにおけるステップS11において、吸着ノズル10において発生される吸着力を第1吸着力Fに設定する。以降、ステップS12の薄型チップ1の吸着保持から、ステップ15の薄型チップ1の吸着保持姿勢の認識まで、上記第1実施形態の図11のフローチャートにおけるステップS2〜S5と同様な手順にて順次実施される。すなわち、図14Aに示すように第1吸着力Fにて薄型チップ1の吸着保持が行われ、その後部品供給位置P1から部品実装位置P2へと実装ヘッド63の移動が行われた後、第1吸着力Fから第2吸着力Fへと切り換えられて、その状態にて、図14Bに示すように、認識カメラ67により薄型チップ1の吸着保持姿勢の画像データの取得が行われ、当該画像データの認識が制御装置67にて行われる。
当該認識処理の後、再び第2吸着力Fから第1吸着力Fへの切り換えを行う(ステップS16)とともに、XYテーブル66によりステージ61を図示X軸方向又はY軸方向に移動させて、吸着ノズル10により吸着保持された薄型チップ1と回路基板3における所定の実装位置との位置合わせを行う。
この位置合わせが完了すると、ヘッド昇降装置64により実装ヘッド63の下降が行われる(ステップS17)。その後、吸着ノズル10により吸着保持された薄型チップ1と回路基板3との当接がなされ(すなわち、配置が行われ)(ステップS18)、吸着力の切り替えが再び行われて、第1吸着力Fから第2吸着力Fへ切り換えられる(ステップS19)。まず、図14Cに示すように、第1吸着力Fにて吸着保持された状態においては、当該第1吸着力Fにより薄型チップ1には曲がりやたわみが生じた状態とされており、さらにそれぞれのバンプ2の高さ位置にもバラツキが生じた状態となっている。しかしながら、このような高い力である第1吸着力Fを薄型チップ1に対して付与させた状態で上記当接を行うことにより、元々薄型チップ1に生じていた反りや曲がりを吸着面10aに沿わせるようにして確実に矯正させた状態にて、上記当接を行うことができる。また、このように当接が行われた後、第1吸着力Fから第2吸着力Fへの切り換えが行われることにより、図14Dに示すように、上記当接状態において生じていた薄型チップ1の曲がりやたわみを低減させ、かつ、それぞれのバンプ2の高さ位置を揃えた状態にて、回路基板3への当接を行うことができる。
その後、実装ヘッド63に内蔵されている加熱ヒータにより吸着ノズル10を介してそれぞれのバンプ2の加熱溶融が行われ、その後冷却固化が行われることにより、回路基板3への薄型チップ1の接合処理が行われる(ステップS20)。その後、あるいは上記加熱溶融の後、吸着ノズル10による吸着保持が解除されて(ステップS21)、ヘッド昇降装置64により吸着ノズル10が上昇され(ステップS22)、回路基板3への薄型チップ1の実装が完了する。図14Eに示すように、このように実装された状態の薄型チップ1においては、曲がりやたわみが低減され、かつ、個々のバンプ2が確実に接合された状態とされている。
なお、回路基板3への薄型チップ1の当接の検出(すなわち、薄型チップ1が配置されたことの検出(配置情報))は、例えば、実装ヘッド63に当該当接により生じる当接荷重を検出するロードセル等が備えられていることにより、具体的に実現することができる。また、このようなロードセルが備えられていないような場合であっても、例えば、実装ヘッド63の昇降の高さ位置を検出することによっても、当該当接を検出することが可能である。このようなそれぞれの検出手段が、本実施形態における配置検出手段の一例となっている。
具体的には、図5に示すように、電子部品実装装置101の実装ヘッド63には、上記当接荷重を検出するロードセル91と、実装ヘッド63の昇降高さ位置を検出するリニアスケール92とが備えられている。例えば、ロードセル91において、上記当接荷重が検出されることが予測される高さ位置情報を、予めあるいは最初の当接検出結果に基づいて制御装置69等に記憶させておき、実装ヘッド63が下降されている際に、この高さ位置情報に基づいてリニアスケール92が当接予測情報をロードセル91に対して出力し、当該情報が入力されたタイミングにて、ロードセル91が当接荷重の検出を開始するようにすることができる。このようにすることで、ロードセル91における当接荷重の誤検出を防止することができ、確実な当接荷重の検出を行うことができる。
なお、配置検出手段としてこのようにロードセル91が用いられる場合の他に、実装ヘッド63の上下方向動作の駆動アクチュエータをVCM(ボイスコイルモータ)とするような場合には、VCMの電流値による圧力検出を、配置検出手段とすることもできる。また、配置情報としては、ロードセル等により検出される圧力情報以外に、実装ヘッド63に備えられているリニアスケール92により検出される実装ヘッド63の昇降高さ位置情報が用いられるような場合であってもよい。このような昇降高さ位置情報は、リニアスケール92に限られず、実装ヘッド63の上下方向動作を駆動する駆動アクチュエータに用いられるサーボモータのエンコーダにより検出することもできる。なお、上記駆動アクチュエータは、VCM以外に、上記サーボモータ、サーボモータと空圧シリンダの組み合わせであってもよい。
上記第2実施形態によれば、例えば、薄型の電子部品である薄型チップ1が吸着保持により曲がりやたわみが生じ易いような場合だけでなく、吸着保持を行う前から薄型チップ1に既に曲がりや反りが生じているような場合であっても、より高い力である第1吸着力Fにて吸着保持を行い、上記生じている曲がりや反りを吸着面10aに沿わせるように矯正しながら、回路基板3への当接を行うことができるため、より確実な当接を実施することができる。
また、このような第1吸着力Fの付与により、薄型チップ1にはそれぞれの吸着孔11に吸い込まれるような曲がりやたわみが生じることとなるが、上記確実な当接が行われた後、接合処理の開始前に、第2吸着力Fへの切り替えが行われ、その曲がりやたわみを低減させた状態にて、上記接合処理を行うことができる。
従って、薄型の電子部品に対して、高精度かつ確実な実装を実現することができる。
さらに、上記第1実施形態と同様に、認識カメラ67による薄型チップ1の認識処理の前に第2吸着力Fへの切り換えが行われているため、実際に接合処理が行われる状態と同様な姿勢にて、薄型チップ1の認識を行うことができ、高精度かつ確実な実装を実現することができる。
なお、図13のステップS14及びステップS16における認識処理のための吸着力の切り替えは、必ずしも必須の工程ではなく、例えば、要求される実装位置精度の程度や実装時間の要求などによっては、当該工程が実施されないような場合であってもよい。このような場合であっても、少なくとも吸着保持により薄型チップ1に生じた曲がりやたわみが低減された状態にて実装を行うことは可能である。
また、図4Bに示すように、認識カメラ67が回路基板3の上方より外れた位置に位置されているような場合にあっては、図13のステップS13において、実装ヘッド63を部品実装位置P2へ直接的に移動させるのではなく、認識カメラ67の上方の位置である部品認識位置P3に移動させて、この部品認識位置P3にてステップS14〜S16までのそれぞれの工程を実施した後、ステップS17において、実装ヘッド63を部品認識位置P3から部品実装位置P2へと水平移動させた後、実装ヘッド63の下降を行うようにすることもできる。このようにすることで、認識カメラ67の上方から部品実装位置P2への実装ヘッド63の水平移動が行われる際に、吸着ノズル10により吸着保持された薄型チップ1の保持位置に位置ズレが生じることを確実に防止することができる。
なお、上記それぞれの実施形態においては、薄型チップ1のバンプ形成面にそれぞれのバンプ2が接合材料として形成されているような場合について説明したが、このようにバンプ2が形成されているような場合についてのみ限定されるものではない。このような場合に代えて、接合材料として、予め回路基板3の上記所定の実装位置上に、はんだ等の接合材料が予め形成されているような場合であってもよく、あるいは、上記それぞれのバンプ2がはんだ等の接合材料を介在させて接合されるような場合であってもよい。すなわち、本発明において、「回路基板上の部品実装位置に接合材料を介して電子部品を配置する」とは、回路基板上の部品実装位置に電子部品が配置される際に、電子部品と回路基板との間に接合材料が介入して存在していれば良く、接合材料が予め電子部品側に供給されている場合、回路基板側に予め供給されている場合、さらに電子部品と回路基板との両方に予め供給されている場合のいずれの場合をも含む。また、回路基板上に電子部品が配置される直前に接合材料が両者の間に供給されるような場合であってもよい。
また、上記それぞれの実施形態においては、回路基板3上の部品実装位置P2に接合材料を介して薄型チップ1が配置され、その後、接合材料に対する加熱溶融及び冷却固化が行われることで、当該接合材料を介して薄型チップ1が回路基板3上に実装されるような場合を主として説明したが、このような場合についてのみ限定されるものではない。このような場合に代えて、回路基板3上に接合材料を介して薄型チップ1が配置され、さらに所定の荷重にて接合材料を介して薄型チップ1を回路基板3に対して加圧することで、大きな外力が付加されなければその位置ズレが生じない程度に、薄型チップ1が接合材料を介して回路基板3上に固定された状態、すなわち装着された状態とさせるような場合であってもよい。すなわち、本発明において「実装」とは、接合材料を溶融後、固化させることで薄型チップ1を回路基板3に接合するような場合だけでなく、接合材料が溶融されることなく、薄型チップ1の配置位置を保持できるように装着されているような場合をも含むものである。なお、このように回路基板3に装着された状態の薄型チップ1は、リフロー装置等に搬送されて接合材料に対する加熱溶融処理、すなわちリフロー処理が行われる。
また、上記それぞれの実施形態においては、第1吸着力Fから第2吸着力Fへの切り替えのタイミングが、部品実装位置P2への到着の後であって、認識処理が行われる前までの間、あるいは、薄型チップ1が回路基板3へ当接された後であって、加熱溶融が開始されるまでの間であるような場合について説明したが、このようなタイミングにのみ限定されるものではない。少なくとも、部品実装位置P2へ到着した後であって、加熱溶融が開始されるまでの間のいずれかのタイミングにおいて、第1吸着力Fから第2吸着力Fへの切り換えが行われれば、本発明による効果を得ることが可能である。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明の第1実施形態にかかる電子部品実装装置の構成を示す外観斜視図である。 上記第1実施形態の電子部品実装装置における実装方法の手順を説明するための模式説明図であって、チップ供給装置より薄型チップが取り出されている状態を示す図である。 上記実装方法の手順を説明するための模式説明図であって、部品供給位置にて反転ヘッドから実装ヘッドへと薄型チップの受け渡しが行われている状態を示す図である。 上記実装方法の手順を説明するための模式説明図であって、実装ヘッドにより吸着保持された状態の薄型チップに対して、認識処理が行われている状態を示す図である。 図4Aの変形例を示す模式説明図であって、回路基板の上方から外れた位置に認識カメラが配置されているような場合において、実装ヘッドにより吸着保持された状態の薄型チップに対して、認識処理が行われている状態を示す図である。 上記実装方法の手順を説明するための模式説明図であって、実装ヘッドにより吸着保持された状態の薄型チップが回路基板に当接された状態を示す図である。 上記実装方法の手順を説明するための模式説明図であって、薄型チップが回路基板に実装された状態を示す図である。 上記第1実施形態の電子部品実装装置において、実装ヘッドの吸着ノズルに吸着力を付与するための構成を示す模式説明図である。 上記第1実施形態の実装ヘッドが備える吸着ノズルの吸着面に形成された吸着孔の一形態を示す模式図である。 吸着ノズルより第1吸着力が付与されることにより、薄型チップに生じる曲がり又はたわみの状態を示す模式説明図である。 吸着ノズルより第2吸着力が付与されることにより、薄型チップに生じていた曲がりやたわみが低減された状態を示す模式説明図である。 上記第1実施形態の電子部品実装装置において行われる実装手順の一部を示すフローチャートである。 図11のフローチャートに示す実装手順を説明するための模式説明図であって、第1吸着力により薄型チップが吸着保持されている状態を示す図である。 図11のフローチャートに示す実装手順を説明するための模式説明図であって、第2吸着力に切り換えられた状態にて認識処理が行われている状態を示す図である。 図11のフローチャートに示す実装手順を説明するための模式説明図であって、第2吸着力により吸着保持された状態にて、薄型チップが回路基板に当接された状態を示す図である。 図11のフローチャートに示す実装手順を説明するための模式説明図であって、薄型チップが回路基板に実装された状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる電子部品実装方法の実装手順の一部を示すフローチャートである。 図13のフローチャートに示す実装手順を説明するための模式説明図であって、第1吸着力により薄型チップが吸着保持されている状態を示す図である。 図13のフローチャートに示す実装手順を説明するための模式説明図であって、第2吸着力に切り換えられた状態にて認識処理が行われている状態を示す図である。 図13のフローチャートに示す実装手順を説明するための模式説明図であって、第1吸着力により吸着保持された状態にて、薄型チップが回路基板に当接された状態を示す図である。 図13のフローチャートに示す実装手順を説明するための模式説明図であって、第2吸着力に切り換えられた状態にて、回路基板に対する薄型チップの接合処理が行われている状態を示す図である。 図13のフローチャートに示す実装手順を説明するための模式説明図であって、薄型チップが回路基板に実装された状態を示す図である。 従来における薄型の電子部品の実装方法を示す模式説明図である。 従来における薄型の電子部品の実装方法を示す模式断面図であり、(A)は吸着ノズルにより電子部品が吸着保持されている状態を示す図であり、(B)はこの電子部品が回路基板上に実装された状態を示す図である。 従来における薄型の電子部品の実装方法を示す部分模式断面図である。 上記第1実施形態の実装ヘッドが備える吸着ノズルの吸着面に形成された吸着孔の別の形態(十字状の形態)を示す模式図である。 図18Aの吸着ノズルにより薄型チップが吸着保持されている状態を示す模式図である。 上記第1実施形態の実装ヘッドが備える吸着ノズルの吸着面に形成された吸着孔のさらに別の形態(格子状の形態)を示す模式図である。 図19Aの吸着ノズルにより薄型チップが吸着保持されている状態を示す模式図である。
符号の説明
1 薄型チップ
2 バンプ
3 回路基板
10 吸着ノズル
10a 吸着面
11、11A、11B 吸着孔
12、13 吸引通路
50 部品供給ユニット装置
51 チップ供給装置
52 チップ突き上げ装置
53 反転ヘッド装置
54 反転ヘッド
55 反転ヘッド移動装置
60 部品実装ユニット装置
61 ステージ
62 基板搬送装置
63 実装ヘッド
64 ヘッド昇降装置
65 実装ヘッド移動装置
66 XYテーブル
67 認識カメラ
69 制御装置
70 真空源
71 電空真空レギュレータ
72 記憶部
73 処理部
74 操作・表示部
91 ロードセル
92 リニアスケール
101 電子部品実装装置
P1 部品供給位置
P2 部品実装位置
F1 第1吸着力
F2 第2吸着力

Claims (11)

  1. 回路基板に電子部品を実装する電子部品実装方法において、
    部品供給位置で供給された電子部品を吸着ノズルによって第1吸着力で吸着し、
    上記電子部品を吸着したまま上記吸着ノズルを上記部品供給位置から回路基板上の部品実装位置の上方へ移動させ、
    その後、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第1吸着力よりも低い第2吸着力に切り替えて、
    上記回路基板上に上記電子部品を実装する、ことを特徴とする電子部品実装方法。
  2. 上記部品実装位置の上方へ上記吸着ノズルを移動させた後、上記回路基板上の上記部品実装位置に接合材料を介して上記電子部品を配置する前に、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力に切り替えて、
    その後、上記回路基板上に上記電子部品を実装する、請求項1に記載の電子部品実装方法。
  3. 上記部品実装位置の上方へ上記吸着ノズルを移動させた後、上記回路基板上の上記部品実装位置に接合材料を介して上記電子部品を配置し、
    上記接合材料の加熱溶融が開始されるまでに、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力に切り替えて、
    その後、上記接合材料の加熱溶融を行い、上記回路基板上に上記電子部品を実装する、請求項1に記載の電子部品実装方法。
  4. 上記部品実装位置の上方へ上記吸着ノズルを移動させた後、上記回路基板上の上記部品実装位置に上記電子部品を配置する前に、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力に切り替えて、
    その後、上記吸着ノズルによって吸着されている上記電子部品の吸着姿勢の画像データを取得し、
    上記画像データを用いた上記吸着姿勢の認識結果に基づいて、上記電子部品の上記吸着姿勢を補正して、上記回路基板上に上記電子部品を実装する、請求項1又は2に記載の電子部品実装方法。
  5. 上記部品供給位置から移動された上記吸着ノズルが上記部品実装位置の上方へ到着する前に、当該吸着ノズルを部品認識位置に移動させるとともに、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力に切り替えて、上記吸着ノズルによって吸着されている上記電子部品の吸着姿勢の画像データを当該部品認識位置にて取得し、
    その後、上記吸着ノズルの吸着力を上記第2吸着力から上記第1吸着力に切り替えて、上記電子部品を上記回路基板上の上記部品実装位置の上方へ移動させ、
    再度、上記吸着ノズルの吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力に切り替えて、
    上記画像データを用いた上記吸着姿勢の認識結果に基づいて、上記電子部品の上記吸着姿勢を補正して、上記回路基板上に上記電子部品を実装する、請求項1又は2に記載の電子部品実装方法。
  6. 上記第2吸着力は、上記吸着ノズルが上下に移動される際に生じる慣性力に抗して、上記電子部品が上記吸着ノズルによって吸着された位置で上記電子部品を保持する大きさの力を有し、
    上記第1吸着力は、上記吸着ノズルが上下に移動される際に生じる上記慣性力に加えて、上記部品供給位置から上記部品実装位置へ上記吸着ノズルが水平に移動される際に生じる慣性力に抗して、上記電子部品が上記吸着ノズルによって吸着された位置で上記電子部品を保持する大きさの力を有する、請求項1から5のいずれか1つに記載の電子部品実装方法。
  7. 回路基板における部品実装位置へ電子部品を実装する電子部品実装装置において、
    部品供給位置で供給される上記電子部品を吸着する吸着ノズルと、
    上記回路基板が載置されるステージと、
    上記部品供給位置と上記部品実装位置との間において、上記吸着ノズルを上記回路基板の表面沿いの方向に移動させる移動装置と、
    上記電子部品を吸着する吸着力である第1吸着力と、上記第1吸着力よりも低い第2吸着力を、上記吸着ノズルに対して選択的に付与する吸着力付与装置と、
    少なくとも上記部品供給位置から上記部品実装位置まで上記移動装置によって上記吸着ノズルが移動される間は、上記吸着ノズルに対して上記第1吸着力が付与され、上記吸着ノズルが上記部品実装位置へ移動した後、上記第1吸着力から上記第2吸着力へ上記吸着ノズルの吸着力を切り替えることによって、上記吸着ノズルに対して上記第2吸着力が付与されるように、上記吸着力付与装置を制御する制御装置とを備える、ことを特徴とする電子部品実装装置。
  8. 回路基板における部品実装位置へ電子部品を実装する電子部品実装装置において、
    部品供給位置で供給される上記電子部品を吸着する吸着ノズルと、
    上記回路基板が載置されるステージと、
    上記部品供給位置と上記部品実装位置との間において、上記吸着ノズルを上記回路基板の表面沿いの方向に移動させる移動装置と、
    上記電子部品を吸着する吸着力である第1吸着力と、上記第1吸着力よりも低い第2吸着力を、上記吸着ノズルに対して選択的に付与する吸着力付与装置と、
    少なくとも上記部品供給位置から上記部品実装位置まで上記移動装置によって上記吸着ノズルが移動される間は、上記吸着ノズルに対して上記第1吸着力が付与され、上記吸着ノズルが上記部品実装位置へ移動した後、上記回路基板上の上記部品実装位置に接合材料を介して上記電子部品が配置されて、上記接合材料の加熱溶融が開始されるまでに、上記第1吸着力から上記第2吸着力へ上記吸着ノズルの吸着力を切り替えることによって、上記吸着ノズルに対して上記第2吸着力が付与されるように、上記吸着力付与装置を制御する制御装置とを備える、ことを特徴とする電子部品実装装置。
  9. 上記吸着ノズルによって吸着された上記電子部品の吸着姿勢の画像を取得する認識カメラと、
    上記取得された画像を基に上記部品の吸着姿勢を認識する認識装置とをさらに備え、
    上記制御装置は、上記移動装置によって上記吸着ノズルが上記部品実装位置へ移動された後、上記吸着力付与装置により上記吸着ノズルへ付与される吸着力を上記第1吸着力から上記第2吸着力へと切り替えて、上記第2吸着力で上記吸着ノズルによって吸着されている上記電子部品の吸着姿勢の画像が上記認識カメラにより取得され、当該取得された画像に基づいて上記吸着姿勢が上記認識装置によって認識されるように、上記認識カメラ及び上記認識装置を制御する、請求項7又は8に記載の電子部品実装装置。
  10. 上記吸着ノズルによって吸着されている上記電子部品が上記回路基板上に配置されたことによって得られる情報を検出するとともに、当該情報を上記制御装置へ出力する配置検出手段をさらに備え、
    上記制御装置は、上記配置検出手段により上記情報が入力されたタイミングで、上記第1吸着力から上記第2吸着力へ上記ノズルの上記吸着力を切り替えるように、上記吸着力付与装置を制御する、請求項7又は8に記載の電子部品実装装置。
  11. 上記第2吸着力は、上記吸着ノズルが上下に移動される際に生じる慣性力に抗して、上記電子部品が上記吸着ノズルによって吸着された位置で上記電子部品を保持する大きさの力を有し、
    上記第1吸着力は、上記吸着ノズルが上下に移動される際に生じる上記慣性力に加えて、上記部品供給位置から上記部品実装位置へ上記吸着ノズルが水平に移動される際に生じる慣性力に抗して、上記電子部品が上記吸着ノズルによって吸着された位置で上記電子部品を保持する大きさの力を有する、請求項7から10のいずれか1つに記載の電子部品実装装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4756109B1 (ja) * 2010-09-10 2011-08-24 ヤマハ発動機株式会社 部品実装装置
CN112786518A (zh) * 2020-01-10 2021-05-11 上野精机株式会社 电子零部件处理装置
CN116133253A (zh) * 2022-11-16 2023-05-16 苏州欣铭悦自动化科技有限公司 一种冷热压合一体机

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