JP2004039778A - 照明用発光素子 - Google Patents

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Shinji Tokutomi
徳冨 眞治
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Abstract

【課題】導光板に平行な面内において出射光が広い指向性を有し、面発光装置の輝度に斑を生じさせない照明用発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子チップと、発光素子チップを被覆する透明部材3と、発光素子チップからの光が出射する面3a,3b,3c以外の透明部材3の表面を被覆し、透明部材3内部の光を反射する反射部材4と、を備え、発光素子チップを通る少なくとも一の平面内において、発光素子チップから見込む角度が180度以上にわたって透明部材3の表面が露出するように形成する。これにより、当該平面内においては発光素子チップから放射される光は、180度以上の角度をもって広がるため、当該平面内で光の照射されない部分がなくなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイのバックライト等に用いられる面発光素子等で使用する照明用発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等では、小型で消費電力の小さい液晶ディスプレイが広く用いられるようになってきている。かかる液晶ディスプレイにおいては、暗い場所でも文字や画像を明確に見えるようにするため、バックライトを備えている場合が多い。このようなバックライトとしては、面発光素子が使用される。面発光素子は、例えば、特開2001−67918号公報に示されたような、透明平板状の導光板の一端に切り欠き部分を設けて、当該切り欠き部分に照明用発光素子を配設し、この照明用発光素子から導光板にほぼ並行に光を入射して、入射された光を導光板内で乱反射させ、導光板全体にわたって均一に発光させるようにしたものが知られている。
【0003】
図13は従来の照明用発光素子を示す斜視図であり、図14は従来の照明用発光素子を使用した面発光素子を示す平面図であり、図15は図13の照明用発光素子のA−A線矢視断面図であり、図16は従来の照明用発光素子を使用した面発光素子を示す側面図であり、図17は図13の照明用発光素子のB−B線矢視断面図である。
【0004】
図13〜図17において、面発光素子100は、矩形平板状の透明部材からなる導光板101と、2つの照明用発光素子102,102とを備えている。導光板101の一辺には、当該辺の中点に対して対象となる位置に、2つの切り欠き部が形成されており、当該切り欠き部のそれぞれには、照明用発光素子102が嵌め込まれている。
【0005】
照明用発光素子102は、図13に示すように、外形が直方体形状を有しており、その一面の中心付近に偏倚して配設された発光素子チップ103と、発光素子チップ103を被覆する透明部材104とを有している。透明部材104は、ほぼ台形柱状に形成されており、発光素子チップ103が配設された長方形状の第一の面104aと第一の面104aに平行で第一の面104aよりも広い面積を有する長方形状の第二の面104bと、台形柱の傾斜面をなす右側面104c、左側面104d、上側面104e、及び下側面104fを有している。この右側面104c、左側面104d、上側面104e、及び下側面104f、並びに第一の面104aの表面は、反射部材105により被覆されており、透明部材104の内部からこれらの側面に入射した光は反射される。
【0006】
導光板101の底面101aは凹凸のある粗面状に形成され、上面101bは平滑面状に形成されている。従って、照明用発光素子102,102から導光板101に入射された光は導光板101の底面101aで散乱されて導光板101の上面101bから出射するため、導光板101上面からはほぼ一様に光が出射し、導光板101全体に渡ってほぼ一様な光量が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の照明用発光素子では、透明部材104の右側面104c、左側面104d、上側面104e、及び下側面104fが反射部材により被覆されているため、照明用発光素子102から出射される光は、上下左右方向に比較的指向性の狭い光となる。従って、照明用発光素子102から導光板に光を入射した場合、図14に示すように、導光板101の照明用発光素子102の左右の領域に光が入射されない部分(いわゆるダーク)が生じ、このようなダークが生じた場合、バックライトの発光面の輝度に斑が生じるという問題点を有していた。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、導光板に平行な面内において出射光が広い指向性を有し、面発光装置の輝度に斑を生じさせない照明用発光素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の照明用発光装置は、発光素子チップと、前記発光素子チップを被覆する透明部材と、前記発光素子チップからの光が出射する面以外の前記透明部材の表面を被覆し、前記透明部材内部の光を反射する反射部材と、を備え、前記発光素子チップを通る少なくとも一の平面内において、前記発光素子チップから見込む角度が180度以上にわたって前記透明部材の表面が露出していることを特徴とするものである。
【0010】
この構成により、導光板に平行な面内において出射光が広い指向性を有し、面発光装置の輝度に斑を生じさせない照明用発光素子を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の照明用発光素子は、発光素子チップと、前記発光素子チップを被覆する透明部材と、前記発光素子チップからの光が出射する面以外の前記透明部材の表面を被覆し、前記透明部材内部の光を反射する反射部材と、を備え、前記発光素子チップを通る少なくとも一の平面内において、前記発光素子チップから見込む角度が180度以上にわたって前記透明部材の表面が露出していることを特徴とするものであり、この構成により、以下のような作用が得られる。
【0012】
発光素子チップから放射される光は、透明部材内部を放射状に広がりながら進むが、反射部材で被覆された透明部材の表面に達すると、光は反射され、さらに透明部材内部を進む。光が反射部材で被覆されていない透明部材が露出した表面に達すると、光は透明部材内から外部に出射する。ここで、透明部材の表面は、発光素子チップを通る少なくとも一の平面内において、発光素子チップから見込む角度が180度以上にわたって露出しているため、当該平面(以下、「放射平面」という。)内においては、光は180度以上の広がり(ビーム幅)をもって放射される。すなわち、放射平面内においては出射光の指向性を広くすることができる。従って、一側部に切り欠き部分が形成された透明平板状の導光板に、この照明用発光素子を、上記放射平面が導光板の表面と平行となるように、導光板の切り欠き部分に取り付けて、照明用発光素子から導光板に光を入射する場合、光が導光板に入射しない部分(いわゆるダーク)をなくすことが可能となる。
【0013】
ここで、「発光素子チップ」とは、発光ダイオードが形成されたチップをいい、GaAs型、GaAsP型、GaAlAs型、GaN型等の各種発光ダイオードが使用される。「透明部材」としては、ガラス、透光性樹脂等が使用される。「反射部材」とは、光を反射する部材をいう。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の照明用発光素子において、前記透明部材は、前記発光素子チップが埋め込まれた第一の側面と、前記第一の側面に対向する第二の側面と、前記第一の側面から前記第二の側面に向かって拡開する傾斜側面とを有し、前記第一の側面及び前記傾斜側面は、前記反射部材で被覆されていることを特徴とするものである。
【0015】
この構成により、発光素子チップから出射された光は、透明部材内を進むが、第一の側面又は傾斜側面に達すると反射され、さらに透明部材内を進む。光が第二の側面又は透明部材が露出した他の側面に達すると、その側面から光は出射される。従って、一側部に切り欠き部分が形成された透明平板状の導光板に、この照明用発光素子を、上述の放射平面が導光板の表面と平行となるように、導光板の切り欠き部分に取り付けて、照明用発光素子から導光板に光を入射する場合、第一の側面及び傾斜側面の方向には光が漏れないため、発光素子チップから出射される光が効率よく導光板に入射される。
【0016】
ここで、「第一の側面」及び「第二の側面」は、平面に限るものではなく、曲面であってもよい。また、一対の「傾斜側面」も、平面に限るものではなく、第一の側面から第二の側面に向かって外側に膨出しつつ拡開するように形成された曲面であってもよい。すなわち、透明部材の形状としては、第一の側面を上面とし第二の側面を底面とする四角錐台状等の多角錐台状、円錐台状、膨多角錐台状、膨円錐台状等に形成してもよい。
【0017】
以下に本発明の一例を示す実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の斜視図であり、図2は本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の正面図であり、図3は本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の平面図であり、図4は本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の右側面図であり、図5は本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の左側面図であり、図6は本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の底面図であり、図7は本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の背面図であり、図8は図1の照明用発光素子のA−A線矢視断面図である。
【0019】
図1〜図8において、本実施の形態の照明用発光素子1は、外形が略直方体形状を有している。照明用発光素子1の背面付近には、発光素子チップ2が偏倚して配設されており、当該発光素子チップ2を被覆して、倒台形柱状の透明部材3が充填されている。透明部材の左側面3a及び右側面3b、並びに前側面(第二の側面)3c及び後側面(第一の側面)3dは、それぞれ平行な平面状に形成され、上面3e及び下面3fは傾斜状の平面に形成されており、前側面3cの面積は後側面3dの面積に比較して大きくなるように形成されている。透明部材3の上面3e、下面3f及び後側面3dは、反射部材4で被覆されており、透明部材3の内部からこれらの面に入射した光は反射される。照明用発光素子1の底面1aには、発光素子チップ2に電気を供給する一対の電極5a,5bが左右対称に配設されている。この電極5a,5bにより、照明用発光素子1をプリント基板等に面付けすることが可能となる。発光素子チップ2は、透明部材3の後側面3dの中央付近に配設されており、電極5a,5bと電気的に接続されている。
【0020】
図9は本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子が組み込まれた面発光素子の平面図であり、図10は本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の出射光の導光板と平行な平面内での進み方を示す模式図であり、図11は本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子が組み込まれた面発光素子の右側面図であり、図12は本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の出射光の導光板と垂直な平面内での進み方を示す模式図である。
【0021】
図9〜図12において、面発光素子5は、ガラスや樹脂等の透明部材からなる矩形平板状の導光板6の一辺に、当該辺の中心点に対して対称に矩形状の切り欠き部を2つ設け、それぞれの切り欠き部には、本実施の形態に係る照明用発光素子1,1が組み込まれている。照明用発光素子1,1は、その上下面が導光板6に平行になるように配設されており、照明用発光素子1の透明部材3の左右側面3a,3b及び前側面3cは、前記切り欠き部内の導光板6の断面に密着されている。導光板6の上面は平滑平面上に形成されているが、導光板6の下面は、粗面状に形成されており、その表面は反射部材7により被覆されている。従って、導光板内部を通る光は導光板下面で反射されるとともに散乱され、散乱光は導光板上面より外部に出射する。
【0022】
以上のように構成された面発光素子において、まず、電極5a,5bから各照明用発光素子1,1に電気を供給すると、発光素子チップ2が発光し、その光は透明部材3の内部を放射状に広がる。透明部材3の後側面3d又は上下面3e,3fに達した光は、反射部材4により反射され、再び透明部材3の内部を進む。光が透明部材3の前側面3c又は左右側面3a,3bに達すると、光は透明部材3から出て導光板6の断面から導光板6の内部に入る。導光板6の内部に入った光は、導光板6の下面に達すると乱反射されて、導光板6の上面に達し、導光板上面より出射する。これにより、発光素子チップ2から放射される光は、導光板6の全体に渡ってほぼ一様に出射することとなる。
【0023】
このとき、透明部材3の左右側面3a,3bは露出しているため、発光素子チップ2から放射される光は透明部材3の左右側面3a,3bからも出射する。従って、照明用発光素子1は、導光板6と平行な面内においては180度の角度に渡って放射状に光を照射することができ(図10参照)、導光板6内において光が照射されない部分(いわゆるダーク)が生じることがない。すなわち、導光板全体に渡ってほぼ一様に光を入射することが可能となり、面発光素子の発光面の輝度に斑が生じることがなくなる。
【0024】
また、透明部材3の後側面(第一の側面)3d及び上下面(傾斜側面)3e,3fは、反射部材4で被覆されているため、発光素子チップ2から放射される光がこれらの側面から外部に漏れることなく、効率よく導光板6の内部に入射される。従って、少ない消費電力によって、面発光素子5の発光面の輝度を高くすることが可能となる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の照明用発光素子によれば、発光素子チップと、前記発光素子チップを被覆する透明部材と、前記発光素子チップからの光が出射する面以外の前記透明部材の表面を被覆し、前記透明部材内部の光を反射する反射部材と、を備え、前記発光素子チップを通る少なくとも一の平面内において、前記発光素子チップから見込む角度が180度以上にわたって前記透明部材の表面が露出していることを特徴とすることにより、面発光装置において、導光板に光を入射する照明用発光素子として用いる場合に、光が導光板に入射しない部分(いわゆるダーク)をなくすことが可能な照明用発光素子を提供することができる。
【0026】
また、請求項2の発明によれば、請求項1に記載の照明用発光素子において、前記透明部材は、前記発光素子チップが埋め込まれた第一の側面と、前記第一の側面に対向する第二の側面と、前記第一の側面から前記第二の側面に向かって拡開する傾斜側面とを有し、前記第一の側面及び前記傾斜側面は、前記反射部材で被覆されていることを特徴とすることにより、少ない消費電力により必要な方向に高輝度の光を供給することが可能な照明用発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の正面図
【図3】本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の平面図
【図4】本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の右側面図
【図5】本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の左側面図
【図6】本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の底面図
【図7】本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の背面図
【図8】図1の照明用発光素子のA−A線矢視断面図
【図9】本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子が組み込まれた面発光素子の平面図
【図10】本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の出射光の導光板と平行な平面内での進み方を示す模式図
【図11】本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子が組み込まれた面発光素子の右側面図
【図12】本発明の実施の形態1に係る照明用発光素子の出射光の導光板と垂直な平面内での進み方を示す模式図
【図13】従来の照明用発光素子を示す斜視図
【図14】従来の照明用発光素子を使用した面発光素子を示す平面図
【図15】図13の照明用発光素子のA−A線矢視断面図
【図16】従来の照明用発光素子を使用した面発光素子を示す側面図
【図17】図13の照明用発光素子のB−B線矢視断面図
【符号の説明】
1 照明用発光素子
1a 底面
2 発光素子チップ
3 透明部材
3a 左側面
3b 右側面
3c 前側面(第二の側面)
3d 後側面(第一の側面)
3e 上面
3f 下面
4 反射部材
5 面発光素子
5a,5b 電極
6 導光板
7 反射部材

Claims (2)

  1. 発光素子チップと、
    前記発光素子チップを被覆する透明部材と、
    前記発光素子チップからの光が出射する面以外の前記透明部材の表面を被覆し、前記透明部材内部の光を反射する反射部材と、
    を備え、
    前記発光素子チップを通る少なくとも一の平面内において、前記発光素子チップから見込む角度が180度以上にわたって前記透明部材の表面が露出していることを特徴とする照明用発光素子。
  2. 前記透明部材は、
    前記発光素子チップが埋め込まれた第一の側面と、
    前記第一の側面に対向する第二の側面と、
    前記第一の側面から前記第二の側面に向かって拡開する傾斜側面とを有し、
    前記第一の側面及び前記傾斜側面は、前記反射部材で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の照明用発光素子。
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