JP2004039758A - 固体電解コンデンサ - Google Patents
固体電解コンデンサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004039758A JP2004039758A JP2002192613A JP2002192613A JP2004039758A JP 2004039758 A JP2004039758 A JP 2004039758A JP 2002192613 A JP2002192613 A JP 2002192613A JP 2002192613 A JP2002192613 A JP 2002192613A JP 2004039758 A JP2004039758 A JP 2004039758A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solid electrolytic
- electrolytic capacitor
- layer
- metal
- cathode layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Abstract
【課題】固体電解コンデンサの容量導出抵抗を低減し、高周波応答性の高い固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】表面に誘電体酸化皮膜層2を形成した弁作用金属1からなる陽極体と、誘電体酸化皮膜層上に形成された固体電解質層3と、固体電解質層上に形成された陰極層4とを具備するコンデンサ内部素子を有し、陰極層と電気的に接続された陰極引き出し端子7と、陽極体と陽極リード部6を介して電気的に接続された陽極引き出し端子8とを備える。陰極層が少なくとも導電性粒子と樹脂とを含む導電性ペースト層からなり、陰極層に金属板/箔10を隣接もしくは内在させることで、容量導出抵抗を下げ、陰極層部分の厚み増加を抑え、低インピーダンス化を図り、小型で高周波応答性の高い固体電解コンデンサとする。
【選択図】 図1
【解決手段】表面に誘電体酸化皮膜層2を形成した弁作用金属1からなる陽極体と、誘電体酸化皮膜層上に形成された固体電解質層3と、固体電解質層上に形成された陰極層4とを具備するコンデンサ内部素子を有し、陰極層と電気的に接続された陰極引き出し端子7と、陽極体と陽極リード部6を介して電気的に接続された陽極引き出し端子8とを備える。陰極層が少なくとも導電性粒子と樹脂とを含む導電性ペースト層からなり、陰極層に金属板/箔10を隣接もしくは内在させることで、容量導出抵抗を下げ、陰極層部分の厚み増加を抑え、低インピーダンス化を図り、小型で高周波応答性の高い固体電解コンデンサとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムやタンタル、ニオブなどの弁作用金属を陽極に用い、導電性高分子や二酸化マンガンなどの固体電解質を電解質に用いた固体電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、陽極として弁作用金属を用いた固体電解コンデンサにおいては、まず、表面を粗面化したアルミニウムまたは粉末焼結したタンタルやニオブなどの弁作用金属多孔体を陽極とし、この弁作用金属多孔体の全表面に誘電体酸化皮膜を形成し、次いで、誘電体酸化皮膜表面上に固体電解質層としてポリピロールなどの導電性高分子または二酸化マンガンなどを形成する。続いて、カーボンや銀といった導電性粒子と樹脂などからなる導電性の陰極層を固体電解質層上に形成する。その後、陽極リード部に陽極引き出し端子を溶接等で、陰極層に陰極引き出し端子を導電性接着剤等で取り付け、最後に、陰極引き出し端子および陽極引き出し端子の一部を除く素子全体を外装樹脂で被覆する、もしくは外装ケースに封入して、固体電解コンデンサを得る。
【0003】
近年、電子機器の小型化、高速化、デジタル化に伴って、コンデンサの分野でも小型、大容量で、高周波領域でのインピーダンスが低いコンデンサが強く要求されている。
【0004】
インピーダンスの低減を図るために、固体電解質層の導電率の向上や、固体電解質層と陰極層との接触抵抗の低減が一般的に取り組まれてきた。固体電解質層の導電率向上への取り組みとしては、従来の二酸化マンガンから導電性高分子への変更が良く知られている。固体電解質層と陰極層との接触抵抗低減への取り組みとしては、特許第2765462号公報に開示されているように、固体電解質である導電性高分子層の表面に凹凸を形成し、導電性高分子層とカーボン層との間の密着性を向上させることで接触抵抗を低減する、等の技術開発が進んでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような取り組みにより、コンデンサの抵抗を低減し高周波領域でのインピーダンスの低減がある程度達成できているが、更なる低抵抗化への要求が高くなっている。更なる低い等価直列抵抗(ESR)化のためには、従来非常に低抵抗とされてきた陰極層の低抵抗化も必要となってきた。一般に、その製法の簡便さもあり、陰極層は導電性粒子と樹脂からなる導電性ペースト層からなり、固体電解質層を形成済みのコンデンサ素子を覆うように形成することで得られる。導電性粒子としては第1層目にカーボン、第2層目に銀を用いた陰極層を積層するのが一般的である。陰極層は、コンデンサ素子の表層部から陰極引き出し端子までの導出経路となるので、特に、陰極引き出し端子に直接面していないコンデンサ素子表面からの導出を低抵抗で行うには、抵抗率が小さいことが好ましい。抵抗率は銀ペースト層が10−4〜10−5Ω・cmと小さいので、通常は銀ペースト層がコンデンサ全体から容量を引出す導出抵抗となる。
【0006】
しかしながら、銀ペースト層は導電性粒子同士の接触で導通をとるものであるため、抵抗率としては10−5Ω・cm以下に下げることが難しい。また、銀ペースト層を厚くすることで抵抗を下げることも考えられるが、コンデンサにおける小型化の流れのなかで、抵抗を大きく改善するほど厚みを厚くすることが、現実的に難しい。
【0007】
以上のように、従来技術では、陰極層における低抵抗化が難しく、コンデンサ素子表面からの容量導出を更に低抵抗化し、インピーダンスを低減することが難しかった。
【0008】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、金属の固有抵抗率が10−6Ω・cmオーダーであること利用し、陰極層に金属板/箔を隣接もしくは内在させ、容量導出抵抗を下げようとするものであり、これによって、薄い金属層を共存させるのみで小型のまま低インピーダンス化を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の固体電解コンデンサは、表面に誘電体酸化皮膜層を形成した弁作用金属からなる陽極体と、前記誘電体酸化皮膜層上に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層上に形成された陰極層とを具備するコンデンサ内部素子を備え、前記陰極層と電気的に接続された陰極引き出し端子と、前記陽極体と陽極リード部を介して電気的に接続された陽極引き出し端子とを具備し、前記陰極層が少なくとも導電性粒子と樹脂とを含む導電性ペースト層からなる固体電解コンデンサであって、前記陰極層のいずれかの部分に導電性を補強する金属板および金属箔から選ばれる少なくとも一つの補強部材を配置したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の別の固体電解コンデンサは、コンデンサ内部素子が複数積層された構成を有し、各コンデンサ同士が互いに隣接する面において導電性接着剤で接続されている固体電解コンデンサであって、各コンデンサ内部素子が互いに隣接する面を接続する導電性接着剤の内部に、導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の固体電解コンデンサによれば、陰極層部分の厚み増加を抑えながら容量導出抵抗を低減することができ、小型で高周波応答性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
【0012】
本発明においては、前記補強部材は、前記陰極層の外表面および前記陰極層の内部から選ばれる少なくとも一つの部分に配置されていることが好ましい。
【0013】
また、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔は、前記陰極層が前記陰極引き出し端子に隣接した面部分以外の陰極層表面もしくは内部に配置されていることがさらに好ましい。
【0014】
また、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔は、前記陰極層が前記陰極引き出し端子に面した部分とコンデンサ内部素子の陽極体を挟んで反対側の面における陰極層表面もしくは内部に配置されていてもよい。
【0015】
また、前記コンデンサ内部素子が複数積層された構成を有する固体電解コンデンサであって、各コンデンサ内部素子に前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔が配置されていてもよい。
【0016】
また、前記コンデンサ内部素子が複数積層された構成を有する固体電解コンデンサの各コンデンサ内部素子が互いに隣接する面において、少なくとも一方のコンデンサ内部素子の陰極層表面もしくは内部に、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置してもよい。
【0017】
本発明の別の固体電解コンデンサにおいては、さらに、陰極引き出し端子を下面として最上層に位置するコンデンサ内部素子の、前記陰極引き出し端子が位置する側と反対側の面における陰極層表面もしくは内部に、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置してもよい。
【0018】
前記のいずれの構成においても、導出抵抗の低減には、補強部材を直接陰極引き出し端子と接合する必要はない。一般的に接合に用いられる接着の場合、接触抵抗が大きく抵抗低減効果が小さく、溶接の場合は多少の抵抗低減が図られる。しかしながら、補強部材を引き出し端子部と接触可能な位置まで伸ばして配置し接合するためには、これに要する体積が大きくなり、同一容量では実質コンデンサ自体の体積が大きくなってしまい小型化の点で好ましくない。
【0019】
また、前記導電性を補強する金属板が板両面を貫通する穴を多数有していることがさらに好ましい。ここで、好ましい貫通孔の直径は、陰極層に使用される導電性粒子の径より大きいことが必要であり、好ましくは20μm〜500μm程度が選択できる。また、貫通孔による開孔率は、面あたり10〜50%が好ましく、前記の範囲で多数の貫通孔を形成するのが好ましい。
【0020】
また、前記貫通する穴を多数有する金属板は、パンチングメタルまたはメッシュ状であることが好ましい。パンチングメタルの好ましい貫通孔の直径および単位面積当たりの貫通孔の数は前記と同様である。メッシュの場合の好ましい範囲は、20〜400メッシュの範囲である。
【0021】
また、前記導電性を補強する金属箔は、樹脂フィルムの片面または両面に金属薄膜を形成したものであってもよい。
【0022】
前記金属箔は、箔の両面を貫通する穴を多数有することが好ましい。
【0023】
また、前記金属薄膜は蒸着、スパッタリングまたはメッキで形成されていてもよく、樹脂フィルムに貼り合わせたものでも良い。貫通する穴を多数有する金属箔として、樹脂メッシュの表面にメッキや蒸着で金属膜をコーティングしたものも好ましく利用できる。この場合、メッシュ範囲は、前記同様に20〜400メッシュ程度が好ましい。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1および図2は本発明の導電性補強用の金属板もしくは金属箔の設けられた固体電解コンデンサの一実施例を示す断面模式図である。図3は本発明の比較となる従来の固体電解コンデンサの断面模式図である。図4は従来の固体電解コンデンサの一形態を示す斜視図である。図5は本発明が応用できる積層タイプの固体電解コンデンサの一形態を示す断面模式図である。
【0026】
本発明の固体電解コンデンサにおいては、陽極は弁作用金属1からなり、弁作用金属1としては、好ましくは、アルミニウム、タンタルおよびニオブから選ばれる少なくとも一つが使用される。弁作用金属1は、外面に連通する多数の微細な空孔ないし細孔を有し多孔体となっている。
【0027】
陽極の例として、例えば、アルミニウムの場合は、アルミニウム箔にエッチング処理等の粗面化処理を施して多数の小孔を形成した多孔体であり、場合によっては、この多孔体箔を捲回もしくは積層して形成した多孔体である。タンタルやニオブの場合は、弁作用金属粉末をプレス成形後焼結して多孔体とするか、または弁作用金属シートに弁作用金属粉末を塗布した後焼結して形成した多孔体であり、場合によっては、この多孔体箔を捲回もしくは積層して形成した多孔体である。
【0028】
誘電体層は、陽極である弁作用金属多孔体の表面に陽極酸化により酸化皮膜として形成される。この誘電体酸化皮膜層2は、陽極引き出し端子に接合する陽極リード部6を残して全ての表面に形成され、陽極多孔体の多数の微細な空孔の表面にも形成されている。
【0029】
本発明において、固体電解質には二酸化マンガンや導電性高分子材料が使用できる。この固体電解質層3は誘電体酸化皮膜層2上に形成され、多孔体の多数の微細な空孔内にも形成されている。この導電性高分子としては特に限定されるものではなく、ポリピロールやポリアニリン、ポリチオフェンなど一般的に固体電解コンデンサに用いられているものであれば何でもよい。
【0030】
本発明において、陰極層4はカーボンや銀といった導電性粒子と樹脂成分からなる層であり、固体電解質層3の多孔体素子表面部分の上に形成される。これは、固体電解質層3によって引出される容量を集電するための層であり、この層を介して陰極側の引き出しを行う。陰極層4は、陽極の弁作用金属多孔体が箔状の場合には箔表面に形成されるが、多孔体が箔の捲回タイプまたは積層タイプの場合には、多孔体全体の外表面に形成されることもある。多孔体が粉末焼結タイプの場合にはその外表面に形成される。
【0031】
また、銀接着剤などの導電性接着剤層5により、陰極層4と陰極引き出し端子7との電気的接合が得られる。
【0032】
一方、陽極引き出し端子8と弁作用金属1は、誘電体酸化皮膜層2を形成していない陽極リード部6で、溶接等で接合される。
【0033】
外装樹脂9は、陰極引き出し端子7および陽極引き出し端子8を取り付けたコンデンサ素子の両端子7,8の一部を除いて素子全体を被覆するように形成される。その後、必要に応じて被覆されていない両端子部分を所定の方向に折り曲げて、固体電解コンデンサを得る。この外装樹脂9には、外部との気密性を保持するため、エポキシ系等の樹脂が使用され、モールド成型するか、またはディップ成型することにより形成される。図示はしないが、外装樹脂に替わって、外装ケースを使用する場合も有る。この場合も陰極引き出し端子7および陽極引き出し端子8を取り付けたコンデンサ素子の両端子7,8の一部を除いて素子全体をケースに挿入し封入する。また、図では陰極引き出し端子7および陽極引き出し端子8が外装樹脂9の両端面に導出されているが、構造的にはこれに限定されるものではなく、例えば同一側面に両端子が導出していても良い。
【0034】
本発明の一実施例おいて、導電性を補強する金属板(もしくは金属箔)10は、図1に示すように、陰極層4と陰極引き出し端子7が対面する側と反対側において、陰極層4表面に配置される。
【0035】
また、本発明の一実施例おいて、導電性を補強する金属板(もしくは金属箔)10は、図2に示すように、陰極層4と陰極引き出し端子7が対面する側と反対側において、陰極層4内部に配置される。配置する箇所は、少なくとも図示する位置に配置されているのが好ましい。さらに低抵抗化を図るためには、陰極層表面全体に配置することが好ましいが、図示した箇所への形成の有無が最も抵抗変化率が高い。導電性を補強する金属板(もしくは金属箔)10としては、材質は特に限定されないが、陰極層との接触抵抗を低減するため、銀もしくは金が最も好ましい。また、陰極層4との接合力の点から、金属板(もしくは金属箔)10の表面に凹凸を形成することが好ましい。さらに好ましくは両面を貫通する穴を多数有するものが良い。ここで、接合力と電気的抵抗の低減を両立するには、貫通孔による金属板(もしくは金属箔)の開孔面積比が未開孔時の面積を100として、10〜50の範囲程度が好ましい。パンチングメタルやメッシュが好適である。さらに、樹脂メッシュにメッキや蒸着で金属コートしたものも好ましく利用できる。
【0036】
金属板(もしくは金属箔)10の陰極層表面への配置方法は、特に限定されるものではないが、陰極層としての導電性ペースト層を形成する際に、導電性ペーストを乾燥したり硬化したりする前に貼り付けたり、金属板(もしくは金属箔)10に導電性ペーストを塗布しておいて固体電解質層上に貼り付けるなどの方法が採用できる。
【0037】
金属板(もしくは金属箔)10の陰極層内部への配置方法は、特に限定されるものではないが、陰極層としての導電性ペースト層を形成する際に、導電性ペースト層を乾燥したり硬化したりする前に貼り付けた後にさらに導電性ペーストを上塗りしたり、金属板(もしくは金属箔)10に導電性ペーストを塗布しておいて固体電解質層上に貼り付けた後さらに導電性ペーストを上塗りするなどの方法が採用できる。また、両面に貫通する穴を多数有するものの場合、導電性ペースト層を乾燥したり硬化したりする前に、貼り付けて少し力を加えて押し込むことで、埋没させることができる。
【0038】
金属箔に関しては、その取り扱いの面から、樹脂フィルムで強度補強されていることが好ましい。その形成方法は特に限定されるものではないが、樹脂フィルムに蒸着やスパッタリング、無電解めっき等で形成するのが好ましい。予め形成された金属箔を樹脂フィルムに貼り合わせたものを使用することもできる。これについても両面貫通の穴を多数有するのがさらに好ましい。
【0039】
金属板(もしくは金属箔)10の厚みは、非常に薄くても多少の効果が得られることから特に限定されるものではないが、一般的に陰極層の厚みが数十μmであることから、1〜10μm厚で充分低抵抗化の効果が得られる。金属板(もしくは金属箔)10の好ましい材料は、金、銀、銀メッキ銅板、銅、錫、錫メッキ銅板、ニッケル、パラジウム、白金などの抵抗値が1×10−5Ω・cm以下の金属である。これらの金属であれば、銀ペースト中の銀粒子との接触抵抗を下げることができる。
【0040】
以上のような構成により、陰極層部分の厚み増加を抑えながら容量導出抵抗を低減することができ、小型で高周波応答性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。金属板(もしくは金属箔)10を配置することにより、容量導出を低抵抗化できるので、陰極層を従来品よりも薄くすることも可能であり、素子厚みを維持さらには低減することも可能となる。
【0041】
また、本発明は前記の実施形態に限定されることなく、各種構造の固体電解コンデンサに適用できる。例えば従来の図4−図5に示すようなコンデンサ素子が積層された固体電解コンデンサにも適用できる。図4は従来の固体電解コンデンサの斜視図であり、図5は図4のI−I線の断面図である。
【0042】
図4−図5のようなコンデンサ素子が積層された構造を有する固体電解コンデンサの場合には、導電性を補強する金属板(もしくは金属箔)10は、各コンデンサ内部素子の陰極層全ての部分において、表面または内部に配置する方法が採用できる。また、各コンデンサ内部素子が互いに隣接する各面において、少なくとも一方のコンデンサ内部素子の陰極層表面もしくは内部に、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置する方法も好ましく採用できる。少なくとも一方で良いのは、隣接するコンデンサ素子同士が導電性接着剤で接続されており、上下に配置されたコンデンサ素子の陰極層と導電性接着剤層と陰極層の積層構造全体が、容量導出の抵抗となるためであり、前記該当箇所に少なくとも一枚の金属板もしくは金属箔を配置することで、この積層導出抵抗を低減できるためである。さらなる導出抵抗の低減のためには、隣接するコンデンサ素子の隣接面側において、両コンデンサの陰極層ともに金属板(もしくは金属箔)10を配置すると好ましい。
【0043】
ここで、陰極層の表面もしくは内部が好ましいとしたが、隣接するコンデンサ素子を接合する導電性接着剤層の内部に金属板(もしくは金属箔)10を配置しても同様の効果が発揮できる。
【0044】
さらに隣接するコンデンサ素子間のみならず、前記陰極引き出し端子を下面として最上層に位置するコンデンサ内部素子の、最上層面に該当する陰極層部分において、陰極層表面もしくは内部に、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置すると、さらなる容量導出抵抗の低減が図れる。
【0045】
以上のように、金属板(もしくは金属箔)10を配置することにより、陰極層の厚み増加を抑えながら容量導出抵抗を低減することができ、小型で高周波応答性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。容量導出を低抵抗化できるので、陰極層を従来よりも薄くすることも可能であり、素子厚みを維持さらには低減することも可能となる。
【0046】
【実施例】
以下、詳細な実施例について述べるが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0047】
(比較例1)
本例では、陽極の弁作用金属としてタンタルを使用し、固体電解質としては導電性高分子であるポリピロールを使用した。
【0048】
タンタル粉末をリード6とともに成形焼成して1.4mm×3.0mm×3.8mmの弁作用金属多孔体1を形成した後、リード先端を除いてタンタルの空孔表面を含む全表面に、リン酸水溶液中にて化成電圧30Vで陽極酸化処理を施して誘電体酸化皮膜層2を形成した。その後、細孔内を含む誘電体酸化皮膜層2の全表面上に、ピロールモノマーの化学酸化重合によりポリピロールからなる固体電解質層3を形成した。
【0049】
その後、カーボン層、銀ペースト層を多孔体外層部の固体電解質層3上に積層形成して陰極層4とし、その後、導電性接着剤層5として銀接着剤を用いて陰極引き出し端子7に陰極層4を接着した。陽極側は、陽極リード部6と陽極引き出し端子8を溶接で接合した。その後、外装樹脂9をエポキシ系樹脂のトランスファーモールド成型によって形成し、その後、陰極引き出し端子および陽極引き出し端子を所定の方向に折り曲げ、図3に示すような固体電解コンデンサを得た。
【0050】
図3に示す固体電解コンデンサにおいて、横は7.3mm、奥行きは4.3mm、厚みは2.8mmであった。
【0051】
(実施例1)
陰極層の所定の部分に10μm厚の銀板を配置した以外は比較例1と同様とした、図1に示すような固体電解コンデンサを得た。銀板の配置にあたっては、陰極層かつ接着層として銀ペースト層を塗布後(乾燥厚みで20μm)、銀板を接触させ、ペースト乾燥・硬化と同時に固定を行った。
【0052】
(実施例2)
樹脂フィルム上に蒸着で銀膜を2μm厚で形成した銀箔を、銀膜側をコンデンサ素子側にして陰極層の所定の部分に配置した以外は比較例1と同様とした、図1に示すような固体電解コンデンサを得た。樹脂フィルム付銀箔の配置にあたっては、実施例1と同様に銀ペースト層を塗布後に銀箔を接触させ、ペースト乾燥・硬化と同時に固定を行った。
【0053】
(実施例3)
陰極層の所定の部分に20μm厚の銀メッシュ(メッシュ数150/インチ)を配置した以外は比較例1と同様とした、図2に示すような固体電解コンデンサを得た。銀メッシュの配置にあたっては、実施例1と同様に銀ペースト層を塗布後に銀メッシュを加圧気味で接触させ、ペースト乾燥・硬化と同時に固定を行った。銀メッシュを加圧することにより、銀メッシュは銀ペースト中に埋まり、銀ペーストはやや盛り上がり、これにより銀メッシュと銀ペーストとは一体化された。
【0054】
(比較例2)
本例では、陽極体として多孔化されたアルミ箔を用い、固体電解質としては導電性高分子であるポリピロールを使用した。陰極層形成までのプロセスは比較例1に準じた。陰極層を形成したコンデンサ素子を、陰極引き出し端子7上に導電性接着剤層5で接着しながら積層形成した。陽極引き出し端子8には、陽極リード部6を溶接で接続した。その後、外装樹脂9をエポキシ系樹脂のトランスファーモールド成型によって形成し、その後、陰極引き出し端子および陽極引き出し端子を所定の方向に折り曲げ、図4および図5に示すような固体電解コンデンサを得た。
【0055】
(実施例4)
各コンデンサの隣接する面の陰極層部分と、引き出し端子を最下層としてみた際に最上層となる陰極層の部分に、多数の穴(直径約300μmの穴を面積当たり10%形成)をあけた厚み20μmのポリイミド樹脂フィルム上両面に金膜を蒸着で2μm厚に形成して得た金箔を配置したこと以外は、比較例2と同様とした固体電解コンデンサを得た。樹脂フィルム付金箔の配置にあたっては、実施例1と同様に銀ペースト層を塗布後に金箔を加圧気味で接触させ、ペースト乾燥・硬化と同時に固定を行った。金箔を加圧することにより、金箔は銀ペースト中に埋まり、銀ペーストはやや盛り上がり、これにより金箔と銀ペーストとは一体化された。
【0056】
比較例1、2および実施例1〜4の固体電解コンデンサの100kHzにおけるインピーダンスを100個測定した。測定結果の平均値は次のようになった。比較例1が35mΩ、実施例1が28mΩ、実施例2が29mΩ、実施例3が25mΩであった。また、比較例2が15mΩ、実施例4が11mΩであった。
【0057】
以上の結果から明らかなように、比較例に対して本発明の固体電解コンデンサにおいては、高周波でインピーダンスが低減できることが確認できた。
【0058】
本発明によれば、容量導出経路の電気抵抗を効果的に低減でき、陰極層の厚み増加を抑えながらインピーダンス特性を改善でき、小型で高周波応答性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
【0059】
なお、本実施例においては、主たる固体電解コンデンサの構造として2例挙げたが、これに限定されるものではなく、他の構造の固体電解コンデンサにおいても本発明が開示する技術範囲で同様の効果が得られる。
【0060】
また、本実施例においては固体電解質としてポリピロールを用いた例について示したが、他の導電性高分子でも他の固体電解質でもその効果が得られる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、陰極層に金属板または金属箔を隣接もしくは内在させることで、容量導出抵抗を下げ、これによって、薄い金属層を共存させるのみで小型のまま低インピーダンス化が実現できる。すなわち、陰極層部分の厚み増加を最小限に抑えながら容量導出抵抗を低減することができ、小型で高周波応答性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜2における固体電解コンデンサの断面模式図。
【図2】本発明の実施例3における固体電解コンデンサの断面模式図。
【図3】比較例1における固体電解コンデンサの断面模式図。
【図4】比較例2における固体電解コンデンサの一形態を示す図。
【図5】図4のI−I線断面図。
【符号の説明】
1 弁作用金属体
2 誘電体酸化皮膜層
3 固体電解質層
4 陰極層
5 導電性接着剤層
6 陽極リード
7 陰極引き出し端子
8 陽極引き出し端子
9 外装樹脂
10 補強用金属板(もしくは金属箔)
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムやタンタル、ニオブなどの弁作用金属を陽極に用い、導電性高分子や二酸化マンガンなどの固体電解質を電解質に用いた固体電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、陽極として弁作用金属を用いた固体電解コンデンサにおいては、まず、表面を粗面化したアルミニウムまたは粉末焼結したタンタルやニオブなどの弁作用金属多孔体を陽極とし、この弁作用金属多孔体の全表面に誘電体酸化皮膜を形成し、次いで、誘電体酸化皮膜表面上に固体電解質層としてポリピロールなどの導電性高分子または二酸化マンガンなどを形成する。続いて、カーボンや銀といった導電性粒子と樹脂などからなる導電性の陰極層を固体電解質層上に形成する。その後、陽極リード部に陽極引き出し端子を溶接等で、陰極層に陰極引き出し端子を導電性接着剤等で取り付け、最後に、陰極引き出し端子および陽極引き出し端子の一部を除く素子全体を外装樹脂で被覆する、もしくは外装ケースに封入して、固体電解コンデンサを得る。
【0003】
近年、電子機器の小型化、高速化、デジタル化に伴って、コンデンサの分野でも小型、大容量で、高周波領域でのインピーダンスが低いコンデンサが強く要求されている。
【0004】
インピーダンスの低減を図るために、固体電解質層の導電率の向上や、固体電解質層と陰極層との接触抵抗の低減が一般的に取り組まれてきた。固体電解質層の導電率向上への取り組みとしては、従来の二酸化マンガンから導電性高分子への変更が良く知られている。固体電解質層と陰極層との接触抵抗低減への取り組みとしては、特許第2765462号公報に開示されているように、固体電解質である導電性高分子層の表面に凹凸を形成し、導電性高分子層とカーボン層との間の密着性を向上させることで接触抵抗を低減する、等の技術開発が進んでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような取り組みにより、コンデンサの抵抗を低減し高周波領域でのインピーダンスの低減がある程度達成できているが、更なる低抵抗化への要求が高くなっている。更なる低い等価直列抵抗(ESR)化のためには、従来非常に低抵抗とされてきた陰極層の低抵抗化も必要となってきた。一般に、その製法の簡便さもあり、陰極層は導電性粒子と樹脂からなる導電性ペースト層からなり、固体電解質層を形成済みのコンデンサ素子を覆うように形成することで得られる。導電性粒子としては第1層目にカーボン、第2層目に銀を用いた陰極層を積層するのが一般的である。陰極層は、コンデンサ素子の表層部から陰極引き出し端子までの導出経路となるので、特に、陰極引き出し端子に直接面していないコンデンサ素子表面からの導出を低抵抗で行うには、抵抗率が小さいことが好ましい。抵抗率は銀ペースト層が10−4〜10−5Ω・cmと小さいので、通常は銀ペースト層がコンデンサ全体から容量を引出す導出抵抗となる。
【0006】
しかしながら、銀ペースト層は導電性粒子同士の接触で導通をとるものであるため、抵抗率としては10−5Ω・cm以下に下げることが難しい。また、銀ペースト層を厚くすることで抵抗を下げることも考えられるが、コンデンサにおける小型化の流れのなかで、抵抗を大きく改善するほど厚みを厚くすることが、現実的に難しい。
【0007】
以上のように、従来技術では、陰極層における低抵抗化が難しく、コンデンサ素子表面からの容量導出を更に低抵抗化し、インピーダンスを低減することが難しかった。
【0008】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、金属の固有抵抗率が10−6Ω・cmオーダーであること利用し、陰極層に金属板/箔を隣接もしくは内在させ、容量導出抵抗を下げようとするものであり、これによって、薄い金属層を共存させるのみで小型のまま低インピーダンス化を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の固体電解コンデンサは、表面に誘電体酸化皮膜層を形成した弁作用金属からなる陽極体と、前記誘電体酸化皮膜層上に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層上に形成された陰極層とを具備するコンデンサ内部素子を備え、前記陰極層と電気的に接続された陰極引き出し端子と、前記陽極体と陽極リード部を介して電気的に接続された陽極引き出し端子とを具備し、前記陰極層が少なくとも導電性粒子と樹脂とを含む導電性ペースト層からなる固体電解コンデンサであって、前記陰極層のいずれかの部分に導電性を補強する金属板および金属箔から選ばれる少なくとも一つの補強部材を配置したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の別の固体電解コンデンサは、コンデンサ内部素子が複数積層された構成を有し、各コンデンサ同士が互いに隣接する面において導電性接着剤で接続されている固体電解コンデンサであって、各コンデンサ内部素子が互いに隣接する面を接続する導電性接着剤の内部に、導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の固体電解コンデンサによれば、陰極層部分の厚み増加を抑えながら容量導出抵抗を低減することができ、小型で高周波応答性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
【0012】
本発明においては、前記補強部材は、前記陰極層の外表面および前記陰極層の内部から選ばれる少なくとも一つの部分に配置されていることが好ましい。
【0013】
また、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔は、前記陰極層が前記陰極引き出し端子に隣接した面部分以外の陰極層表面もしくは内部に配置されていることがさらに好ましい。
【0014】
また、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔は、前記陰極層が前記陰極引き出し端子に面した部分とコンデンサ内部素子の陽極体を挟んで反対側の面における陰極層表面もしくは内部に配置されていてもよい。
【0015】
また、前記コンデンサ内部素子が複数積層された構成を有する固体電解コンデンサであって、各コンデンサ内部素子に前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔が配置されていてもよい。
【0016】
また、前記コンデンサ内部素子が複数積層された構成を有する固体電解コンデンサの各コンデンサ内部素子が互いに隣接する面において、少なくとも一方のコンデンサ内部素子の陰極層表面もしくは内部に、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置してもよい。
【0017】
本発明の別の固体電解コンデンサにおいては、さらに、陰極引き出し端子を下面として最上層に位置するコンデンサ内部素子の、前記陰極引き出し端子が位置する側と反対側の面における陰極層表面もしくは内部に、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置してもよい。
【0018】
前記のいずれの構成においても、導出抵抗の低減には、補強部材を直接陰極引き出し端子と接合する必要はない。一般的に接合に用いられる接着の場合、接触抵抗が大きく抵抗低減効果が小さく、溶接の場合は多少の抵抗低減が図られる。しかしながら、補強部材を引き出し端子部と接触可能な位置まで伸ばして配置し接合するためには、これに要する体積が大きくなり、同一容量では実質コンデンサ自体の体積が大きくなってしまい小型化の点で好ましくない。
【0019】
また、前記導電性を補強する金属板が板両面を貫通する穴を多数有していることがさらに好ましい。ここで、好ましい貫通孔の直径は、陰極層に使用される導電性粒子の径より大きいことが必要であり、好ましくは20μm〜500μm程度が選択できる。また、貫通孔による開孔率は、面あたり10〜50%が好ましく、前記の範囲で多数の貫通孔を形成するのが好ましい。
【0020】
また、前記貫通する穴を多数有する金属板は、パンチングメタルまたはメッシュ状であることが好ましい。パンチングメタルの好ましい貫通孔の直径および単位面積当たりの貫通孔の数は前記と同様である。メッシュの場合の好ましい範囲は、20〜400メッシュの範囲である。
【0021】
また、前記導電性を補強する金属箔は、樹脂フィルムの片面または両面に金属薄膜を形成したものであってもよい。
【0022】
前記金属箔は、箔の両面を貫通する穴を多数有することが好ましい。
【0023】
また、前記金属薄膜は蒸着、スパッタリングまたはメッキで形成されていてもよく、樹脂フィルムに貼り合わせたものでも良い。貫通する穴を多数有する金属箔として、樹脂メッシュの表面にメッキや蒸着で金属膜をコーティングしたものも好ましく利用できる。この場合、メッシュ範囲は、前記同様に20〜400メッシュ程度が好ましい。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1および図2は本発明の導電性補強用の金属板もしくは金属箔の設けられた固体電解コンデンサの一実施例を示す断面模式図である。図3は本発明の比較となる従来の固体電解コンデンサの断面模式図である。図4は従来の固体電解コンデンサの一形態を示す斜視図である。図5は本発明が応用できる積層タイプの固体電解コンデンサの一形態を示す断面模式図である。
【0026】
本発明の固体電解コンデンサにおいては、陽極は弁作用金属1からなり、弁作用金属1としては、好ましくは、アルミニウム、タンタルおよびニオブから選ばれる少なくとも一つが使用される。弁作用金属1は、外面に連通する多数の微細な空孔ないし細孔を有し多孔体となっている。
【0027】
陽極の例として、例えば、アルミニウムの場合は、アルミニウム箔にエッチング処理等の粗面化処理を施して多数の小孔を形成した多孔体であり、場合によっては、この多孔体箔を捲回もしくは積層して形成した多孔体である。タンタルやニオブの場合は、弁作用金属粉末をプレス成形後焼結して多孔体とするか、または弁作用金属シートに弁作用金属粉末を塗布した後焼結して形成した多孔体であり、場合によっては、この多孔体箔を捲回もしくは積層して形成した多孔体である。
【0028】
誘電体層は、陽極である弁作用金属多孔体の表面に陽極酸化により酸化皮膜として形成される。この誘電体酸化皮膜層2は、陽極引き出し端子に接合する陽極リード部6を残して全ての表面に形成され、陽極多孔体の多数の微細な空孔の表面にも形成されている。
【0029】
本発明において、固体電解質には二酸化マンガンや導電性高分子材料が使用できる。この固体電解質層3は誘電体酸化皮膜層2上に形成され、多孔体の多数の微細な空孔内にも形成されている。この導電性高分子としては特に限定されるものではなく、ポリピロールやポリアニリン、ポリチオフェンなど一般的に固体電解コンデンサに用いられているものであれば何でもよい。
【0030】
本発明において、陰極層4はカーボンや銀といった導電性粒子と樹脂成分からなる層であり、固体電解質層3の多孔体素子表面部分の上に形成される。これは、固体電解質層3によって引出される容量を集電するための層であり、この層を介して陰極側の引き出しを行う。陰極層4は、陽極の弁作用金属多孔体が箔状の場合には箔表面に形成されるが、多孔体が箔の捲回タイプまたは積層タイプの場合には、多孔体全体の外表面に形成されることもある。多孔体が粉末焼結タイプの場合にはその外表面に形成される。
【0031】
また、銀接着剤などの導電性接着剤層5により、陰極層4と陰極引き出し端子7との電気的接合が得られる。
【0032】
一方、陽極引き出し端子8と弁作用金属1は、誘電体酸化皮膜層2を形成していない陽極リード部6で、溶接等で接合される。
【0033】
外装樹脂9は、陰極引き出し端子7および陽極引き出し端子8を取り付けたコンデンサ素子の両端子7,8の一部を除いて素子全体を被覆するように形成される。その後、必要に応じて被覆されていない両端子部分を所定の方向に折り曲げて、固体電解コンデンサを得る。この外装樹脂9には、外部との気密性を保持するため、エポキシ系等の樹脂が使用され、モールド成型するか、またはディップ成型することにより形成される。図示はしないが、外装樹脂に替わって、外装ケースを使用する場合も有る。この場合も陰極引き出し端子7および陽極引き出し端子8を取り付けたコンデンサ素子の両端子7,8の一部を除いて素子全体をケースに挿入し封入する。また、図では陰極引き出し端子7および陽極引き出し端子8が外装樹脂9の両端面に導出されているが、構造的にはこれに限定されるものではなく、例えば同一側面に両端子が導出していても良い。
【0034】
本発明の一実施例おいて、導電性を補強する金属板(もしくは金属箔)10は、図1に示すように、陰極層4と陰極引き出し端子7が対面する側と反対側において、陰極層4表面に配置される。
【0035】
また、本発明の一実施例おいて、導電性を補強する金属板(もしくは金属箔)10は、図2に示すように、陰極層4と陰極引き出し端子7が対面する側と反対側において、陰極層4内部に配置される。配置する箇所は、少なくとも図示する位置に配置されているのが好ましい。さらに低抵抗化を図るためには、陰極層表面全体に配置することが好ましいが、図示した箇所への形成の有無が最も抵抗変化率が高い。導電性を補強する金属板(もしくは金属箔)10としては、材質は特に限定されないが、陰極層との接触抵抗を低減するため、銀もしくは金が最も好ましい。また、陰極層4との接合力の点から、金属板(もしくは金属箔)10の表面に凹凸を形成することが好ましい。さらに好ましくは両面を貫通する穴を多数有するものが良い。ここで、接合力と電気的抵抗の低減を両立するには、貫通孔による金属板(もしくは金属箔)の開孔面積比が未開孔時の面積を100として、10〜50の範囲程度が好ましい。パンチングメタルやメッシュが好適である。さらに、樹脂メッシュにメッキや蒸着で金属コートしたものも好ましく利用できる。
【0036】
金属板(もしくは金属箔)10の陰極層表面への配置方法は、特に限定されるものではないが、陰極層としての導電性ペースト層を形成する際に、導電性ペーストを乾燥したり硬化したりする前に貼り付けたり、金属板(もしくは金属箔)10に導電性ペーストを塗布しておいて固体電解質層上に貼り付けるなどの方法が採用できる。
【0037】
金属板(もしくは金属箔)10の陰極層内部への配置方法は、特に限定されるものではないが、陰極層としての導電性ペースト層を形成する際に、導電性ペースト層を乾燥したり硬化したりする前に貼り付けた後にさらに導電性ペーストを上塗りしたり、金属板(もしくは金属箔)10に導電性ペーストを塗布しておいて固体電解質層上に貼り付けた後さらに導電性ペーストを上塗りするなどの方法が採用できる。また、両面に貫通する穴を多数有するものの場合、導電性ペースト層を乾燥したり硬化したりする前に、貼り付けて少し力を加えて押し込むことで、埋没させることができる。
【0038】
金属箔に関しては、その取り扱いの面から、樹脂フィルムで強度補強されていることが好ましい。その形成方法は特に限定されるものではないが、樹脂フィルムに蒸着やスパッタリング、無電解めっき等で形成するのが好ましい。予め形成された金属箔を樹脂フィルムに貼り合わせたものを使用することもできる。これについても両面貫通の穴を多数有するのがさらに好ましい。
【0039】
金属板(もしくは金属箔)10の厚みは、非常に薄くても多少の効果が得られることから特に限定されるものではないが、一般的に陰極層の厚みが数十μmであることから、1〜10μm厚で充分低抵抗化の効果が得られる。金属板(もしくは金属箔)10の好ましい材料は、金、銀、銀メッキ銅板、銅、錫、錫メッキ銅板、ニッケル、パラジウム、白金などの抵抗値が1×10−5Ω・cm以下の金属である。これらの金属であれば、銀ペースト中の銀粒子との接触抵抗を下げることができる。
【0040】
以上のような構成により、陰極層部分の厚み増加を抑えながら容量導出抵抗を低減することができ、小型で高周波応答性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。金属板(もしくは金属箔)10を配置することにより、容量導出を低抵抗化できるので、陰極層を従来品よりも薄くすることも可能であり、素子厚みを維持さらには低減することも可能となる。
【0041】
また、本発明は前記の実施形態に限定されることなく、各種構造の固体電解コンデンサに適用できる。例えば従来の図4−図5に示すようなコンデンサ素子が積層された固体電解コンデンサにも適用できる。図4は従来の固体電解コンデンサの斜視図であり、図5は図4のI−I線の断面図である。
【0042】
図4−図5のようなコンデンサ素子が積層された構造を有する固体電解コンデンサの場合には、導電性を補強する金属板(もしくは金属箔)10は、各コンデンサ内部素子の陰極層全ての部分において、表面または内部に配置する方法が採用できる。また、各コンデンサ内部素子が互いに隣接する各面において、少なくとも一方のコンデンサ内部素子の陰極層表面もしくは内部に、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置する方法も好ましく採用できる。少なくとも一方で良いのは、隣接するコンデンサ素子同士が導電性接着剤で接続されており、上下に配置されたコンデンサ素子の陰極層と導電性接着剤層と陰極層の積層構造全体が、容量導出の抵抗となるためであり、前記該当箇所に少なくとも一枚の金属板もしくは金属箔を配置することで、この積層導出抵抗を低減できるためである。さらなる導出抵抗の低減のためには、隣接するコンデンサ素子の隣接面側において、両コンデンサの陰極層ともに金属板(もしくは金属箔)10を配置すると好ましい。
【0043】
ここで、陰極層の表面もしくは内部が好ましいとしたが、隣接するコンデンサ素子を接合する導電性接着剤層の内部に金属板(もしくは金属箔)10を配置しても同様の効果が発揮できる。
【0044】
さらに隣接するコンデンサ素子間のみならず、前記陰極引き出し端子を下面として最上層に位置するコンデンサ内部素子の、最上層面に該当する陰極層部分において、陰極層表面もしくは内部に、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置すると、さらなる容量導出抵抗の低減が図れる。
【0045】
以上のように、金属板(もしくは金属箔)10を配置することにより、陰極層の厚み増加を抑えながら容量導出抵抗を低減することができ、小型で高周波応答性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。容量導出を低抵抗化できるので、陰極層を従来よりも薄くすることも可能であり、素子厚みを維持さらには低減することも可能となる。
【0046】
【実施例】
以下、詳細な実施例について述べるが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0047】
(比較例1)
本例では、陽極の弁作用金属としてタンタルを使用し、固体電解質としては導電性高分子であるポリピロールを使用した。
【0048】
タンタル粉末をリード6とともに成形焼成して1.4mm×3.0mm×3.8mmの弁作用金属多孔体1を形成した後、リード先端を除いてタンタルの空孔表面を含む全表面に、リン酸水溶液中にて化成電圧30Vで陽極酸化処理を施して誘電体酸化皮膜層2を形成した。その後、細孔内を含む誘電体酸化皮膜層2の全表面上に、ピロールモノマーの化学酸化重合によりポリピロールからなる固体電解質層3を形成した。
【0049】
その後、カーボン層、銀ペースト層を多孔体外層部の固体電解質層3上に積層形成して陰極層4とし、その後、導電性接着剤層5として銀接着剤を用いて陰極引き出し端子7に陰極層4を接着した。陽極側は、陽極リード部6と陽極引き出し端子8を溶接で接合した。その後、外装樹脂9をエポキシ系樹脂のトランスファーモールド成型によって形成し、その後、陰極引き出し端子および陽極引き出し端子を所定の方向に折り曲げ、図3に示すような固体電解コンデンサを得た。
【0050】
図3に示す固体電解コンデンサにおいて、横は7.3mm、奥行きは4.3mm、厚みは2.8mmであった。
【0051】
(実施例1)
陰極層の所定の部分に10μm厚の銀板を配置した以外は比較例1と同様とした、図1に示すような固体電解コンデンサを得た。銀板の配置にあたっては、陰極層かつ接着層として銀ペースト層を塗布後(乾燥厚みで20μm)、銀板を接触させ、ペースト乾燥・硬化と同時に固定を行った。
【0052】
(実施例2)
樹脂フィルム上に蒸着で銀膜を2μm厚で形成した銀箔を、銀膜側をコンデンサ素子側にして陰極層の所定の部分に配置した以外は比較例1と同様とした、図1に示すような固体電解コンデンサを得た。樹脂フィルム付銀箔の配置にあたっては、実施例1と同様に銀ペースト層を塗布後に銀箔を接触させ、ペースト乾燥・硬化と同時に固定を行った。
【0053】
(実施例3)
陰極層の所定の部分に20μm厚の銀メッシュ(メッシュ数150/インチ)を配置した以外は比較例1と同様とした、図2に示すような固体電解コンデンサを得た。銀メッシュの配置にあたっては、実施例1と同様に銀ペースト層を塗布後に銀メッシュを加圧気味で接触させ、ペースト乾燥・硬化と同時に固定を行った。銀メッシュを加圧することにより、銀メッシュは銀ペースト中に埋まり、銀ペーストはやや盛り上がり、これにより銀メッシュと銀ペーストとは一体化された。
【0054】
(比較例2)
本例では、陽極体として多孔化されたアルミ箔を用い、固体電解質としては導電性高分子であるポリピロールを使用した。陰極層形成までのプロセスは比較例1に準じた。陰極層を形成したコンデンサ素子を、陰極引き出し端子7上に導電性接着剤層5で接着しながら積層形成した。陽極引き出し端子8には、陽極リード部6を溶接で接続した。その後、外装樹脂9をエポキシ系樹脂のトランスファーモールド成型によって形成し、その後、陰極引き出し端子および陽極引き出し端子を所定の方向に折り曲げ、図4および図5に示すような固体電解コンデンサを得た。
【0055】
(実施例4)
各コンデンサの隣接する面の陰極層部分と、引き出し端子を最下層としてみた際に最上層となる陰極層の部分に、多数の穴(直径約300μmの穴を面積当たり10%形成)をあけた厚み20μmのポリイミド樹脂フィルム上両面に金膜を蒸着で2μm厚に形成して得た金箔を配置したこと以外は、比較例2と同様とした固体電解コンデンサを得た。樹脂フィルム付金箔の配置にあたっては、実施例1と同様に銀ペースト層を塗布後に金箔を加圧気味で接触させ、ペースト乾燥・硬化と同時に固定を行った。金箔を加圧することにより、金箔は銀ペースト中に埋まり、銀ペーストはやや盛り上がり、これにより金箔と銀ペーストとは一体化された。
【0056】
比較例1、2および実施例1〜4の固体電解コンデンサの100kHzにおけるインピーダンスを100個測定した。測定結果の平均値は次のようになった。比較例1が35mΩ、実施例1が28mΩ、実施例2が29mΩ、実施例3が25mΩであった。また、比較例2が15mΩ、実施例4が11mΩであった。
【0057】
以上の結果から明らかなように、比較例に対して本発明の固体電解コンデンサにおいては、高周波でインピーダンスが低減できることが確認できた。
【0058】
本発明によれば、容量導出経路の電気抵抗を効果的に低減でき、陰極層の厚み増加を抑えながらインピーダンス特性を改善でき、小型で高周波応答性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
【0059】
なお、本実施例においては、主たる固体電解コンデンサの構造として2例挙げたが、これに限定されるものではなく、他の構造の固体電解コンデンサにおいても本発明が開示する技術範囲で同様の効果が得られる。
【0060】
また、本実施例においては固体電解質としてポリピロールを用いた例について示したが、他の導電性高分子でも他の固体電解質でもその効果が得られる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、陰極層に金属板または金属箔を隣接もしくは内在させることで、容量導出抵抗を下げ、これによって、薄い金属層を共存させるのみで小型のまま低インピーダンス化が実現できる。すなわち、陰極層部分の厚み増加を最小限に抑えながら容量導出抵抗を低減することができ、小型で高周波応答性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜2における固体電解コンデンサの断面模式図。
【図2】本発明の実施例3における固体電解コンデンサの断面模式図。
【図3】比較例1における固体電解コンデンサの断面模式図。
【図4】比較例2における固体電解コンデンサの一形態を示す図。
【図5】図4のI−I線断面図。
【符号の説明】
1 弁作用金属体
2 誘電体酸化皮膜層
3 固体電解質層
4 陰極層
5 導電性接着剤層
6 陽極リード
7 陰極引き出し端子
8 陽極引き出し端子
9 外装樹脂
10 補強用金属板(もしくは金属箔)
Claims (14)
- 表面に誘電体酸化皮膜層を形成した弁作用金属からなる陽極体と、前記誘電体酸化皮膜層上に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層上に形成された陰極層とを具備するコンデンサ内部素子を備え、
前記陰極層と電気的に接続された陰極引き出し端子と、前記陽極体と陽極リード部を介して電気的に接続された陽極引き出し端子とを具備し、
前記陰極層が少なくとも導電性粒子と樹脂とを含む導電性ペースト層からなる固体電解コンデンサであって、
前記陰極層のいずれかの部分に導電性を補強する金属板および金属箔から選ばれる少なくとも一つの補強部材を配置したことを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 前記補強部材が、前記陰極層の外表面および前記陰極層の内部から選ばれる少なくとも一つの部分に配置されている請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔が、前記陰極層が前記陰極引き出し端子に隣接した面部分以外の陰極層表面もしくは内部に配置されている請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔が、前記陰極層が前記陰極引き出し端子に面した部分とコンデンサ内部素子の陽極体を挟んで反対側の面における陰極層表面もしくは内部に配置されている請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記コンデンサ内部素子が複数積層された構成を有する固体電解コンデンサであって、各コンデンサ内部素子に前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔が配置されている請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記コンデンサ内部素子が複数積層された構成を有する固体電解コンデンサであって、各コンデンサ内部素子が互いに隣接する面において、少なくとも一方のコンデンサ内部素子の陰極層表面もしくは内部に、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置した請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
- コンデンサ内部素子が複数積層された構成を有し、各コンデンサ同士が互いに隣接する面において導電性接着剤で接続されている固体電解コンデンサであって、各コンデンサ内部素子が互いに隣接する面を接続する導電性接着剤の内部に、導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置したことを特徴とする固体電解コンデンサ。
- さらに、前記陰極引き出し端子を下面として最上層に位置するコンデンサ内部素子の、前記陰極引き出し端子が位置する側と反対側の面における陰極層表面もしくは内部に、前記導電性を補強する金属板もしくは金属箔を配置した請求項7に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記導電性を補強する金属板が板両面を貫通する穴を多数有する請求項1〜8のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
- 前記貫通する穴を多数有する金属板が、パンチングメタルまたはメッシュ状である請求項9に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記導電性を補強する金属箔が、樹脂フィルムの片面または両面に金属薄膜を形成したものである請求項1〜8のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
- 前記金属箔が、箔の両面を貫通する穴を多数有すること特徴とする請求項11記載の固体電解コンデンサ。
- 前記金属薄膜が蒸着、スパッタリングまたはメッキで形成されたものである請求項11に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記導電性を補強する金属箔が、樹脂メッシュの表面に金属膜をコーティングしたものである請求項1〜8のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002192613A JP2004039758A (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 固体電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002192613A JP2004039758A (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 固体電解コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004039758A true JP2004039758A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31701825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002192613A Withdrawn JP2004039758A (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 固体電解コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004039758A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107731522A (zh) * | 2017-09-06 | 2018-02-23 | 安徽锐光电子科技有限公司 | 一种云母电容器的制作方法 |
-
2002
- 2002-07-01 JP JP2002192613A patent/JP2004039758A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107731522A (zh) * | 2017-09-06 | 2018-02-23 | 安徽锐光电子科技有限公司 | 一种云母电容器的制作方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3276113B1 (ja) | 固体電解コンデンサ | |
US6310765B1 (en) | Electrolytic capacitor and method for manufacturing the same | |
US6563693B2 (en) | Solid electrolytic capacitor | |
JP2003133183A (ja) | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 | |
JP3416053B2 (ja) | 電解コンデンサおよびその製造方法 | |
JPH11288846A (ja) | 4端子コンデンサ | |
TW200303564A (en) | Solid electrolytic capacitor and manufacturing method for the same | |
JP2003086459A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
WO2021085555A1 (ja) | 電解コンデンサ | |
WO2002078026A1 (fr) | Condensateur a electrolyte solide et son procede de fabrication | |
JP2003178933A (ja) | コンデンサ | |
JP2002050544A (ja) | チップ型積層コンデンサ | |
WO2022163645A1 (ja) | 電解コンデンサ | |
JP2004088073A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JP2002289470A (ja) | 固体電解コンデンサ及びその製造方法 | |
JP2004039758A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JP2002050543A (ja) | チップ型積層コンデンサ | |
JP4599653B2 (ja) | シートコンデンサ | |
JPH11274002A (ja) | チップ型積層固体電解コンデンサ | |
JP5017164B2 (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JP3156655B2 (ja) | 電気二重層コンデンサ及びその製造方法 | |
JP4337423B2 (ja) | 回路モジュール | |
JP3079780B2 (ja) | 積層型固体電解コンデンサおよびその製造方法 | |
JP2002246268A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JPH05326343A (ja) | 積層型固体電解コンデンサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20041224 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060510 |