JP3416053B2 - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

電解コンデンサおよびその製造方法

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JP3416053B2
JP3416053B2 JP17474698A JP17474698A JP3416053B2 JP 3416053 B2 JP3416053 B2 JP 3416053B2 JP 17474698 A JP17474698 A JP 17474698A JP 17474698 A JP17474698 A JP 17474698A JP 3416053 B2 JP3416053 B2 JP 3416053B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陽極としてアルミニ
ウムやタンタルなどの弁作用を有する金属を用い、弁金
属酸化皮膜を誘電体とし、陰極として導電性ポリマー層
を用いた電解コンデンサおよびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウムやタンタルなどの弁
金属を用いた電解コンデンサは、弁金属多孔体を陽極素
子とし、この弁金属の酸化物皮膜を誘電体層として多孔
体の空孔表面及び外部表面に形成し、陰極には電解質溶
液や無機固体電解質を用い、それぞれ陽極、陰極に接続
する集電体金属部分を設け、外装を形成するのが一般的
であった。たとえばアルミニウム電解コンデンサでは有
機酸を含む有機溶媒等が陰極として用いられ、タンタル
電解コンデンサでは二酸化マンガン等が陰極に用いられ
てきた。
【0003】昨今、回路のディジタル化に対応して電子
部品の高周波応答性が要求され、電解コンデンサにおい
ても低抵抗化による高周波応答性の向上が要求されてい
る。このような状況の中で、電導度の高い導電性高分子
化合物を電解コンデンサの陰極用電解質として用いるこ
とが検討され、開発されてきた。
【0004】電解コンデンサの場合、その構造上の特徴
として多孔質弁金属体の空孔表面および外表面に酸化皮
膜を形成し、その酸化物皮膜を誘電体層とし、芯に残っ
た弁金属を陽極としている。従って、このコンデンサ素
子に陰極を形成する場合、非常に入り組んだ多孔質素子
の空孔表面を効率よく導電性高分子で覆う必要がある。
【0005】導電性高分子を陰極用固体電解質として形
成する際、電解酸化重合法を利用する場合には、非常に
入り組んだ多孔質素子の空孔表面の誘電体層表面を効率
よく導電性高分子で覆うために、絶縁物である誘電体層
表面上に予め導電性を有するプレコート層を形成した
後、プレコート層表面に電解酸化重合用の電極を接触さ
せ、重合により導電性高分子となるモノマーを含む溶液
を導入し、次いで、誘電体表面全体にプレコート層を陽
極として導電性ポリマー層を重合形成し、その後に電解
酸化重合用電極を取り除く方法が取られてきた。化学酸
化重合法を利用する場合には、モノマーと、それを酸化
重合させ得る酸化剤とを誘電体皮膜上で接触させ、誘電
体表面全体に導電性ポリマー層を形成する方法が取られ
てきた。
【0006】また、陰極用電解質が固体の場合、形成し
た固体電解質層(二酸化マンガン層や導電性ポリマー
層)と陰極用集電体金属を接合するために、カーボンペ
ースト層や銀ペースト層を介在させる方法が取られてき
た。陰極用集電体金属は、弁金属多孔体の外形に近接す
るように配され、たとえば積層型アルミニウム電解コン
デンサの場合、図13のように、積層体の側面および上
下面のいずれかあるいは全てに近接するように配される
方法が特開平6−168855に開示されている。ま
た、積層している多孔体一層ごとに陰極用集電体を配置
することもなされる。さらに、導電性ポリマー層に陰極
用集電体金属が直接接合された電解コンデンサを作製す
る方法が特開平4−306427に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
構成の電解コンデンサはいずれも、陰極として電導性の
良い導電性高分子を用いても、インピーダンスを充分低
下させることができず、高周波応答性が低いという問題
点があった。その理由の1つは、陰極用集電体金属と導
電性高分子との接合を図るために種々の層を介在させる
ためである。また、1つには、陰極集電体金属の表面積
が小さく界面接触抵抗が小さくできないためである。ま
た、陰極用集電体金属表面に自然酸化皮膜が形成され、
界面の接触抵抗が高くなる場合もあった。
【0008】本発明の目的は、以上のような課題を解決
し、陰極集電体金属と導電性高分子の接合を低抵抗化
し、インピーダンス特性を向上させ、高周波応答性に優
れた電解コンデンサを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電解コンデンサは、弁金属多孔体を陽極と
し、弁金属多孔体の表面および空孔表面全体に形成した
誘電体酸化皮膜と、誘電体酸化皮膜上に形成した陰極と
しての導電性ポリマー層と、多孔体の金属部分と電気的
に接合された陽極用金属集電体と、導電性ポリマー層に
接合された陰極用金属集電体と、から成る電解コンデン
サにおいて、陰極用金属集電体が、導電性ポリマーと接
する金属表面が粗面化若しくは多孔化され及び/又は該
表面が固定されたカーボンの粒子又は皮膜を有する金属
シート材料であり、陽極用弁金属多孔体が、多孔質弁金
属箔を積層もしくは捲回して形成され、陰極用金属集電
体が、集積した弁金属箔の面方向に垂直に配置されて
るものである。
【0010】この構成により、陰極用集電体と導電性ポ
リマー層の間に種々の中間層(カーボンや銀等のペース
ト層)を介さずに、陰極用集電体を導電性高分子層に接
合し、かつ、陰極用集電体金属と導電性ポリマー層の間
の界面の接触抵抗を小さくして、全体としてのインピー
ダンスの低減を図るものである。
【0011】本発明の電解コンデンサには、陰極用集電
体が弁金属多孔体に相対する面と反対側に弾力性を有す
るゴムまたはプラスチックフィルムを有するものを含
む。これにより、導電性高分子形成以後のストレス等を
緩和することができ、ショート等の少ない信頼性の高い
コンデンサを提供することができる。
【0012】また、本発明の電解コンデンサには、陰極
用金属集電体がプラスチックフィルム上に金属薄膜を積
層したものであるものを含む。これにより、インピーダ
ンスの低減が図れるとともに、万一ショートした場合に
ショート箇所の金属薄膜が消失し、特性が回復するとい
う効果が得られるものである。このような陰極用集電体
が陽極用弁金属箔の両面に対向するように配されたユニ
ットを積層あるいは捲回した構造のものを含む。これは
低インピーダンス化が図れると同時に単位体積あたりの
容量を向上させるものである。
【0013】また、本発明の電解コンデンサには、陰極
用集電体がコンデンサ素子収納ケースの一部であるもの
を含む。これにより、コンデンサの小型化が図れる。さ
らに、本発明の電解コンデンサは、陽極用弁金属多孔体
が多孔質弁金属箔であり、かつ、陰極用集電体が弁金属
箔の片面あるいは両面に対向するように配されて積層あ
るいは捲回されているものを含む。これは、上記効果に
加え、陰極用集電体を陽極弁金属箔に近接して対向して
配することにより、さらにインピーダンスの低減を図る
ものである。
【0014】また、本発明の電解コンデンサには、陰極
用集電体が表裏に貫通した多数の孔を有する箔又は板が
好ましく利用される。また、陽極用多孔体が弁金属箔で
ある場合、陽極弁金属箔も表裏に貫通した多数の孔を有
する箔が好ましく利用される。いずれも、それぞれ、導
電性ポリマー層と陰極集電体との接合性、および導電性
ポリマー層と陽極箔との接合性の向上が図れ、信頼性の
高いコンデンサを提供できるものである。
【0015】上述の電解コンデンサを提供するための製
造方法は、弁金属からなる多孔体の表面および空孔表面
全体に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、多孔体を表面
を粗面化した、あるいは表面にカーボンを形成した陰極
用集電体金属シート(板または箔)に取り付ける工程
と、誘電体皮膜上に導電性ポリマー層を形成する工程と
からなるものである。
【0016】ここで、本発明には、弁金属からなる多孔
体が箔状、ブロック状(積層型、捲回型も含む)いずれ
の場合も含む。
【0017】陰極用集電体を弁金属多孔体に取り付けた
後、導電性ポリマー層を形成することにより、陰極用集
電体と誘電体酸化皮膜の間を導電性高分子で充足させる
ことができる。また、先に導電性ポリマー層を形成した
弁金属多孔体を陰極用集電体に取り付けることによって
も得られる。
【0018】ここで、少なくとも先に陰極用集電体を多
孔体に取り付けた後に導電性ポリマー層を形成する場
合、陰極用集電体の多孔体に対面する表面に導電性ポリ
マー層を予め形成しておく。これにより、取り付け時の
ショート発生を防止する効果が得られる。
【0019】また、本発明の電解コンデンサの製造方法
には、導電性ポリマー層を形成した弁金属多孔体を陰極
用集電体に取り付ける工程の後、多孔体と陰極用集電体
の間隙にさらに導電性高分子を充足させる工程を有する
ものも含む。これにより、陰極用集電体と弁金属多孔体
に形成した導電性高分子の接合性が向上し、低インピー
ダンス化が図れる。
【0020】また、本発明の電解コンデンサの製造方法
には、陰極用集電体が酸化皮膜を有する粗面化された弁
金属箔であり、弁金属陽極箔と陰極箔を、セパレータを
介して積層あるいは捲回して構造体とし、両箔およびセ
パレータと垂直な端面全体に電解酸化重合用の電極を設
け、電解酸化重合により電極から導電性ポリマー層を構
造体内部に成長させ、多孔質構造体の空孔内部に導電性
高分子を充足させるものを含む。これにより、電解酸化
重合により簡便に導電性ポリマー層を均一に形成するこ
とができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の電解コンデンサは、陽極
が弁作用を有する金属であり、誘電体層が弁作用金属の
酸化物層であり、陰極が導電性ポリマー層からなるもの
である。本発明において、陽極は、その内部に外部表面
に連通する多数の空孔ないし細孔を有して、陽極表面積
が著しく拡大されている。弁作用金属としては、好まし
くはタンタルやアルミニウムが利用できる。
【0022】誘電体層は、多孔体内部の空孔表面も含め
た陽極表面に形成された非常に薄い酸化皮膜である。酸
化皮膜は、好ましくは電解液中で化成処理によって形成
される。
【0023】導電性ポリマー層は、内部の空孔も含めて
誘電体層上に形成されて、陰極とされる。陰極を成す導
電性ポリマー層は、モノマーから重合させたポリマー自
体が導電性を発現するようなポリマー層であって、この
ような導電性ポリマーには、例えば、複素環式5員環化
合物のポリマーが使用され、ピロール、チオフェン、3
−アルキルチオフェン、イソチアナフテンなどの重合体
が好ましく使用される。また、 導電性を示す六員環化
合物のポリマー、例えば、ポリパラフェニレン、ポリア
ニリン、ポリパラフェニレンビニレンも利用することが
できる。
【0024】導電性ポリマー層には、このポリマー層の
電導率をさらに高めて抵抗を減ずるために、導電性ポリ
マーにドーパントを含むものが好ましく、このようなド
ーパントには、上記導電性ポリマーに対しては、アルキ
ルナフタレンスルホン酸やパラトルエンスルホン酸など
のアーリルスルホン酸イオン、あるいはアーリル燐酸イ
オンが使用可能である。
【0025】本発明において、陰極用集電体には、主と
して金属からなるシート(板または箔)が利用される。
陰極用集電体の材質は、それ自体の固有抵抗が小さくか
つイオンマイグレーションの少ない金属から、ニッケ
ル、銅、ステンレス鋼、アルミニウムが選ばれることが
好ましい。陰極用集電体は、特に、導電性ポリマー層と
接する表面にカーボン粒子を埋め込んだ金属シートが好
ましく、また、カーボンを表面層に形成した金属シート
も利用できる。カーボン粒子又はカーボン層により、金
属の自然酸化皮膜層を介さずに導電性ポリマーと陰極集
電体金属とを接合させることができ、導電性ポリマー層
と陰極用集電体との界面接触抵抗を減少させることがで
き、さらに低い抵抗で高周波応答性の高い電解コンデン
サが得られる。
【0026】陰極用集電体は、特に、導電性ポリマー層
と接する表面を粗面化した金属シート又は多孔質な金属
シートとすることが好ましく、これによって、導電性ポ
リマー層と陰極用集電体との間の界面抵抗を低減するこ
とができ、さらに低インピーダンス化が図れる。好まし
くは、陰極用集電体は、電解液中で交流エッチングする
ことにより粗面化された多孔質な金属シートを採用する
ことができる。
【0027】また、陰極用集電体として、プラスチック
フィルム上に上記金属シートと同様の構成となる金属薄
膜を形成したものを用いても同様の効果が得られるとと
もに、万一ショートした場合に、ショート箇所の金属薄
膜が消失し、特性が回復するという効果も得られる。
【0028】また、陰極用集電体を、表面から裏面まで
貫通した孔を多数有するものとすることによって、導電
性ポリマー層と陰極用集電体との接合が容易となり、両
者の接合性が向上し、信頼性の高い電解コンデンサを提
供することができる。このような貫通孔を有する陰極用
集電体金属として、金属ネットやパンチングメタルも利
用できる。
【0029】特に、先に陰極用集電体に陽極弁金属多孔
体を取り付けた後に、導電性ポリマー層を化学酸化重合
法で一括形成する場合、貫通孔を有している場合の方が
全体に均一に導電性ポリマー層を形成できるという利点
がある。
【0030】本発明においては、誘電体層上にポリマー
層を形成する方法として、モノマーを含む溶液を誘電体
酸化皮膜上に導入し、溶液中でモノマーを重合可能な酸
化剤で化学酸化重合することにより形成する方法、ある
いは、モノマーを含む溶液を誘電体皮膜上に導入し、溶
液中で電解酸化重合法により形成する方法が採用され
る。また、予め生成された可溶性の導電性高分子あるい
は熱可塑性の導電性高分子を誘電体皮膜上に導入する方
法も採用される。
【0031】本発明の電解コンデンサは、弁金属多孔体
を陽極とし、弁金属多孔体の表面および空孔表面全体に
形成した誘電体酸化皮膜と、誘電体酸化皮膜上に形成し
た陰極としての導電性ポリマー層と、表面に形成された
誘電体酸化皮膜の内部の金属部分と電気的に接合された
陽極用集電体と、および陰極導電性ポリマー層と電気的
に接合された陰極用集電体とを具備する電解コンデンサ
において、陰極用集電体を少なくとも導電性ポリマー層
と接する面の表面部にカーボンを有する、あるいは該表
面が粗面化された金属シートとし、かつ、導電性ポリマ
ー層と物理的に直接接合することにより構成される。こ
れにより、種々の接合層(カーボンペースト層や銀ペー
スト層など)を介在させずに、直接陰極用金属箔と誘電
体酸化皮膜を導電性高分子で接合し、かつ陰極用集電体
金属と導電性ポリマー層との間の界面接触抵抗を低減す
るので、全体としてのインピーダンスの低減を図ること
ができた。また、種々の接合層を有さないので体積効率
が向上し、小型化が図れた。
【0032】(実施の形態1)具体的には、本発明の第
1の電解コンデンサは、図1(A)に示すように、弁金
属多孔体1は、多孔質弁金属箔を積層あるいは捲回して
形成した陽極構造体とし、かつ、陰極用集電体2の表面
を粗面化した金属シートが利用できる。金属シートは、
あるいは図3(B)に示すように表面にカーボン粒子2
2が埋め込まれたものが利用される。金属シートは、図
3(C)のように表面にカーボン薄膜層23が形成され
た金属シートで藻よい。この集電体は、多孔体をなす弁
金属箔の表面に対して直交するように配置されている。
また、本発明の電解コンデンサは、図1(B)に示すよ
うに、弁金属多孔体4を、弁金属粉末を焼結して形成し
た燒結体で構成し、陰極用集電体上に配置されている。
【0033】これらの電解コンデンサはともに、誘電体
層上に導電性高分子を充足するとともに、陰極用集電体
と誘電体層表面を導電性ポリマー層のみで接合し、かつ
導電性ポリマー層と陰極集電体金属との間の界面の接触
抵抗を低減でき、上述の効果が得られた。特に、等価直
列抵抗に相当する高周波での最小インピーダンスの値を
カーボンペースト層や銀ペースト層を有する従来の、あ
るいは陰極集電体表面に処理を施していない場合の約2
/3程度に低減することができた。従って、高周波応答
性の良い電解コンデンサを提供することができた。
【0034】ここで、陰極用集電体が、図1(C)に示
すように、弁金属多孔体に相対する面と反対側に弾力性
を有するゴムまたはプラスチックフィルムを具備するこ
とが好ましい。これにより、導電性高分子形成以後のス
トレス等を緩和することができ、ショート等の少ない信
頼性の高いコンデンサを提供することができる。製品と
してのショート発生率は、従来の約1/2程度に低減で
きる。
【0035】さらに好ましくは、陰極用集電体がコンデ
ンサ素子収納ケースの一部とすることもできる。陰極用
集電体を直接外装ケースとして利用することにより、コ
ンデンサ素子のケース内占有率を高めることができ、さ
らに小型大容量化を達成することができる。
【0036】(実施の形態2)本発明の第2の電解コン
デンサは、図2に示すように、陽極用弁金属多孔体とし
て多孔質弁金属箔1を用い、かつ、弁金属箔に対向する
ように表面を粗面化した、あるいは表層にカーボンを有
した陰極用集電体2を配し、弁金属箔の誘電体酸化皮膜
と陰極用集電体とを導電性ポリマー層を介して接合した
構造が採用できる。
【0037】ここで、多孔質弁金属箔としては電解エッ
チングされたアルミニウム箔あるいはタンタル粉末をシ
ート状に成形後焼結して得られたシート箔が、特に好ま
しく採用できる。この構造は、陰極用集電体2を陽極弁
金属箔1に近接して対向して配するので、全体としての
インピーダンスの低減を図ることができるが、実施の形
態1と同様の陰極構成とすることにより、等価直列抵抗
に相当する高周波での最小インピーダンスの値を従来の
ように多くの接合層を介在させた場合の1/2以下、ま
た陰極集電体表面に処理を施していない場合と比較して
も1/2以下に低減することができる。したがって、高
周波応答性に優れた電解コンデンサを提供することがで
きる。
【0038】また、図4(A、B)に示した本発明の電
解コンデンサは、陽極用弁金属多孔体として多孔質弁金
属箔を用い、多孔質弁金属箔を積層あるいは捲回した構
造とするが、表面を粗面化した、あるいは表層にカーボ
ンを有した陰極用集電体箔2が弁金属箔1の各々の両面
に対向するように配置され、弁金属箔の誘電体酸化皮膜
と陰極用集電体とを導電性ポリマー層3を介して接合し
た構造とする。これも、上記の箔型電解コンデンサと同
様にインピーダンスの低減効果が得られる。
【0039】また、本発明の電解コンデンサは、図5
(A)に示すように、陽極用弁金属多孔体として多孔質
弁金属箔を用い、かつ、1枚の表面を粗面化した、ある
いは表層にカーボンを有した陰極用集電体2を2枚の弁
金属箔1が挟持し、弁金属箔1と陰極用集電体2との間
を導電性ポリマー層3を介して接合した構造を電解コン
デンサユニットとする。このユニットを複数個積層ある
いは捲回した構造を採用することによっても、従来品よ
りも低インピーダンス化を図ることができ、かつ体積あ
たりの容量を大きくすることができる。
【0040】この場合、陰極用集電体と面しない側の陽
極箔の面からも集電する必要があるため、陽極用多孔質
箔が貫通孔を有するものであることが好ましい。
【0041】陰極用集電体は、プラスチックフイルム上
に金属シート薄膜を積層したものであることが好まし
い。これにより、万一ショートした場合に、ショート箇
所の金属薄膜が消失し、特性が回復するという効果が得
られる。
【0042】また、陽極用弁金属箔と陰極用集電体と
を、セパレータを介して対向させると、もれ電流の小さ
な良好な電解コンデンサを得ることができる。
【0043】(実施の形態3)本発明第3の実施の形態
の電解コンデンサは、陽極用弁金属多孔体として多孔質
弁金属箔を用い、陰極用集電体として同種の誘電体酸化
皮膜を形成した多孔質弁金属箔を用いることにより無極
性とし、両箔がセパレータを介して積層あるいは捲回さ
れた構造とし、かつ、導電性ポリマー層を電解酸化重合
法により形成された導電性ポリマー層とする。
【0044】あるいは本発明の電解コンデンサは、陽極
用弁金属多孔体として多孔質弁金属箔を用い、陰極用集
電体として1〜5Vの電圧で化成処理された粗面化され
た弁金属箔を用い、陽極箔と陰極箔とがセパレータを介
して積層あるいは捲回された構造とし、導電性ポリマー
層を電解酸化重合法により形成された導電性ポリマー層
とする。
【0045】これらの電解コンデンサは、形状的には従
来の溶液タイプの捲回型電解コンデンサと同じである
が、従来品よりもインピーダンスが低減する効果が得ら
れた。また、陰極に酸化皮膜を有する弁金属を用いてい
るため、電解酸化重合用の電極から導電性高分子を成長
させる際に、均質に導電性高分子が形成される効果が得
られる。陰極用集電体は表から裏面まで貫通した孔を多
数有することが好ましい。
【0046】また実施形態2、3の電解コンデンサにお
いても、陽極用多孔質弁金属箔は、箔の表面から裏面ま
で貫通した孔を多数有する箔であることが好ましい。こ
れらにより、導電性ポリマー層での陰極箔と陽極箔の接
合が容易となり、両者の接合性が向上し、信頼性の高い
電解コンデンサを安定して製造し提供することができ
る。上述の電解コンデンサを実現するため、以下に示す
種々の製造方法を用いて電解コンデンサを作製すること
ができる。ここで、弁金属の種類はタンタルあるいはア
ルミニウムが好ましい。
【0047】(実施の形態4)以下には、電解コンデン
サの製造方法を示す。ここでは、陽極多孔体が弁金属箔
から形成した構造体又は、弁金属粉末を焼結して形成し
た陽極構造体、多孔質弁金属箔である場合を取り扱う。
【0048】第1の製造方法では、弁金属からなる多孔
体の表面および空孔表面全体に誘電体酸化皮膜を形成し
た後、多孔体に少なくとも導電性ポリマー層と接するこ
とになる表面が粗面化された、あるいは該表面にカーボ
ンを有した板状あるいは箔状の陰極用集電体を所定の位
置関係で固定するように取り付ける。その後、重合によ
り導電性高分子となるモノマーを含む溶液に集電体付き
多孔体を浸漬し、陰極用集電体を電解酸化重合用の陽極
とし、溶液中に配置された別の電極を陰極とし、その間
に電流を流する。電流は、多孔体の空孔内溶液を介して
流れるように調節する。この電流によって、陰極用集電
体上でモノマーが酸化されて重合して、導電性ポリマー
層として直接成長する。この生成された導電性高分子自
体が電気を通じるため、生成された高分子の成長先端で
モノマーが酸化されて重合するので、弁金属多孔体内部
の空孔内に、連続的に導電性ポリマー層が形成される。
これにより、弁金属多孔体内部の誘電体層と陰極用集電
体を導電性高分子で直接接合でき、本発明の電解コンデ
ンサを製造することができる。
【0049】この発明においては、電流を多孔体の連通
する空孔内のモノマー溶液に効率的に流すことが重要
で、このための方法には、溶液内の重合用陰極を、陰極
用集電体(重合用陽極)を取り付けた多孔体側に対置し
て、少なくとも集電体の外面が絶縁され、かつ電流は多
孔体内部を通じてだけ流れるようにすることが好まし
い。弁金属多孔体が焼結体ブロックであっても、箔の積
層体あるいは捲回体であっても、さらには箔状であって
も同様に取り扱うことができるが、例えば弁金属多孔体
が焼結体ブロックである場合、図6(A)及び(B)に
示すように、陰極用集電体2を、絶縁性の、例えば、合
成樹脂製またはセラミックス製のケース7の内底に設置
し、ケースの内側に多孔体4を配置して、ケースに封止
剤8を用いて固定するとともに電流を多孔体の空孔内を
通じて流れるように設定し、導電性ポリマー層の形成を
行うのがよい。
【0050】孔質弁金属箔を積層あるいは捲回して形成
した陽極構造体である場合、例えば図9および図10に
示すように、陰極用集電体は弁金属箔に対して垂直に配
することが好ましく、これにより、容易に導電性ポリマ
ー層を多孔体全体に形成することができる。この場合、
このケースはコンデンサ固定用の外装ケースとしてその
まま使用することができる。このように、陰極用集電体
が、コンデンサ多孔体を収容するケースの一部をなすこ
とにより、コンデンサ多孔体のケース内占有率を高める
ことができ、小型大容量化を達成することができる。こ
こで、予め誘電体表面上に化学酸化重合法により薄い導
電性ポリマー層を設けておくと、細孔深部にまで均質に
導電性高分子を形成させて充足させることができ、容量
出現率の高い良好なコンデンサとすることができる。
【0051】ここで、少なくとも多孔体に対面する陰極
用集電体表面にあらかじめ導電性ポリマー層を形成して
おくと、ショート不良を低減できる。この予め形成する
導電性ポリマー層は、電解酸化重合法で形成されること
が好ましく、これにより、均質に効率よく陰極用集電体
金属表面に形成することができる。また、弁金属多孔体
が箔状の場合、陰極用集電体に取り付ける際に、セパレ
ータを陰極用集電体と陽極用弁金属箔との間に挟むこと
によりショート不良をさらに低減することができる。弁
金属多孔体が箔状の場合、陰極用集電体を取り付けたユ
ニットを、導電性ポリマー層形成後に積層あるいは捲回
しても良い。
【0052】第2の製造方法では、弁金属からなる多孔
体の表面および空孔表面全体に誘電体酸化皮膜を形成し
た後、誘電体酸化皮膜上に導電性を有するプレコート層
を設けた。このプレコート層は、誘電体酸化皮膜全体に
形成された導電性を有する層であればよい。化学酸化重
合法により形成した薄い導電性ポリマー層でも、熱分解
法で形成した二酸化マンガン層でも良い。次に、重合に
より導電性高分子となるモノマーを含む溶液に多孔体を
浸漬し、プレコート層に第3電極を接触させ、プレコー
ト層が電解酸化重合用の陽極となるように、第3電極を
通して電流を流す。これにより、プレコート層を陽極と
して多孔体内の空孔に溶液を通じて電流を流すことがで
き、電解酸化重合により導電性ポリマー層をプレコート
層上に形成することができた。この導電性ポリマー層を
形成した多孔体を少なくとも導電性ポリマー層と接する
面が粗面化された、あるいは該表面部にカーボンを有し
た板状あるいは箔状の陰極用集電体に取り付けることに
より、本発明の電解コンデンサを製造することができ
る。この時、弁金属多孔体が焼結体ブロックであって
も、箔の積層体あるいは捲回体であっても、さらには箔
状であっても同様に取り扱うことができる。箔の場合、
陰極用集電体を取り付けたユニットを積層あるいは捲回
しても良い。
【0053】また、好ましくは導電性ポリマー層を形成
した多孔体を陰極用集電体に取り付けた後、化学酸化重
合法を用いて、導電性ポリマー層と陰極用集電体との間
隙をさらに導電性ポリマー層で充足させるのが良い。こ
れにより、陰極用集電体と誘電体表面の導電性高分子に
よる接合性が向上し、より高周波における応答性が向上
する。
【0054】また、誘電体酸化皮膜を形成した多孔体に
導電性ポリマー層を形成する際に、導電性ポリマー層の
少なくとも最表層部を、柔軟性を有する導電性ポリマー
層(ポリチオフェン等)とすることにより、陰極集電体
に多孔体を取り付けた際の接合性を改善する方法も好ま
しく利用できる。
【0055】さらに、少なくとも多孔体に対面する陰極
用集電体表面にあらかじめ導電性ポリマー層を形成して
おき、好ましくは、この導電性高分子膜の少なくとも最
表層部が柔軟性を有する導電性ポリマー層とすることに
より、陰極用集電体と誘電体表面の接合性等が改善され
るという効果も得られた。この予め形成する導電性ポリ
マー層は、先と同様、電解酸化重合法で形成されるのが
好ましい。
【0056】第3の製造方法は、多孔体への導電性ポリ
マー層の形成方法が、化学酸化重合法により誘電体酸化
皮膜上に導電性ポリマー層を形成する方法であること以
外は、第1の製造方法と同様として、本発明の電解コン
デンサを製造する。
【0057】この時、化学酸化重合は一般に行われてい
るように、酸化剤を含む溶液とモノマーを含む溶液とに
交互に浸漬することにより行っても良く、酸化剤とモノ
マーを両者とも含む溶液に浸漬することによって行って
も良い。この時、弁金属多孔体が焼結体ブロックであっ
ても、箔の積層体あるいは捲回体であっても、さらには
箔状であっても同様に取り扱うことができる。箔の場
合、陰極用集電体を取り付けたユニットを積層あるいは
捲回しても良い。
【0058】ここで、少なくとも多孔体に対面する陰極
用集電体表面にあらかじめ導電性高分子膜を形成してお
くことが重要で、上述と同様にショート不良を低減でき
る。また、弁金属多孔体が箔状の場合、陰極用集電体に
取り付ける際に、セパレータを陰極用集電体と陽極用弁
金属箔との間に挟むことによりショート不良をさらに低
減することができる。
【0059】第4の製造方法では、多孔体への導電性ポ
リマー層の形成方法が、化学酸化重合法により誘電体酸
化皮膜上に導電性ポリマー層を形成する方法であること
以外は第2の製造方法と同様として、電解コンデンサを
得る。この時も、弁金属多孔体は焼結体ブロックであっ
ても、箔の積層体あるいは捲回体であっても、さらには
箔状であっても同様に取り扱うことができる。箔の場
合、陰極用集電体を取り付けたユニットを積層あるいは
捲回しても良い。ここで、化学酸化重合については上述
と同様その方法は限定されない。
【0060】また、導電性ポリマー層と陰極用集電体と
の間隙をさらに充足する方法が、先と同様に好ましく利
用できる。さらに導電性ポリマー層の表層を柔軟化する
方法も、同様に好ましく利用できる。
【0061】第5の製造方法では、導電性ポリマー層の
形成方法が、可溶性の導電性高分子あるいは熱可塑性の
導電性高分子を誘電体酸化皮膜上に導入して、誘電体酸
化皮膜上に導電性ポリマー層を形成する方法とすること
以外は、第1の製造方法と同様として、電解コンデンサ
を得る。この時も、弁金属多孔体は焼結体ブロックであ
っても、箔の積層体あるいは捲回体であっても、さらに
は箔状であっても同様に取り扱うことができる。箔の場
合、陰極用集電体を取り付けたユニットを積層あるいは
捲回しても良い。
【0062】ここでも、少なくとも多孔体に対面する陰
極用集電体表面にあらかじめ導電性高分子膜を形成して
おくことが重要で、先述と同様の効果が得られる。ま
た、弁金属多孔体が箔状の場合、陰極用集電体に取り付
ける際に、セパレータを陰極用集電体と陽極用弁金属箔
との間に挟むことによりショート不良をさらに低減する
ことができる。
【0063】第6の製造方法では、導電性高分子の形成
方法が、可溶性の導電性高分子あるいは熱可塑性の導電
性高分子を誘電体酸化皮膜上に導入して、誘電体酸化皮
膜上に導電性ポリマー層を形成する方法とすること以外
は、第2の製造方法と同様とし、本発明の電解コンデン
サを製造した。この時も、弁金属多孔体は焼結体ブロッ
クであっても、箔の積層体あるいは捲回体であっても、
さらには箔状であっても同様に取り扱うことができる。
箔の場合、陰極用集電体を取り付けたユニットを積層あ
るいは捲回しても良い。また、導電性ポリマー層と陰極
用集電体との間隙をさらに充足する方法が、先と同様に
好ましく利用できる。さらに導電性ポリマー層の表層を
柔軟化する方法も、同様に好ましく利用できる。
【0064】上記の製造方法においては、弁金属多孔体
は、多孔質弁金属箔を積層あるいは捲回して形成した陽
極構造体でも良く、弁金属粉末を焼結して形成した陽極
構造体でも良く、さらには、多孔質弁金属箔であっても
良い。弁金属多孔体が多孔質弁金属箔を積層あるいは捲
回して形成した陽極構造体である場合、陰極用集電体は
弁金属箔に対して垂直に配することが好ましく、これに
より、導電性ポリマーのパスを最短に配置することがで
き、低インピーダンス化を図ることができる。
【0065】(実施の形態5)本発明の第7の製造方法
は、陽極用弁金属多孔体が多孔質弁金属箔であり、陰極
用集電体が1〜5Vの電圧で化成処理された粗面化され
た弁金属箔であり、陽極箔と陰極箔がセパレータを介し
て積層あるいは捲回された構造を有する電解コンデンサ
の製造方法である。
【0066】まず、陽極用多孔質弁金属箔の表面および
空孔表面全体に誘電体酸化皮膜を形成した。一方、陰極
用弁金属箔に1〜5Vの電圧で化成処理を施した。その
後、両箔を、セパレータを介して積層あるいは捲回し、
例えば図11に示すように、両箔およびセパレータと垂
直な端面全体に電解酸化重合用の電極21を取り付け
た。その後、重合により導電性高分子となるモノマーを
含む溶液に、電極を取り付けた弁金属多孔質構造体を浸
漬し、前記の実施の形態4の第1の製造方法と同様にし
て、取り付けた電極を電解酸化重合用の陽極として多孔
質構造体内の間隙内の溶液を通じて電流を流した。これ
により、電解酸化重合を行って導電性ポリマー層を成長
させ、多孔質構造体の空孔内部に導電性高分子を充足さ
せ、本発明の電解コンデンサを製造した。
【0067】第8の製造方法は、陽極用弁金属多孔体が
多孔質弁金属箔であり、陰極用集電体が同種の誘電体酸
化皮膜を形成した多孔質弁金属箔であり、両箔がセパレ
ータを介して積層あるいは捲回された構造を有する無極
性の電解コンデンサの製造方法である。本製造方法で
は、まず、多孔質弁金属箔の表面および空孔表面全体に
誘電体酸化皮膜を形成した後、誘電体酸化皮膜を形成し
た弁金属箔を、セパレータを介して積層あるいは捲回し
た。その後は第7の製造方法と同様にして、本発明の電
解コンデンサを製造した。
【0068】第7、8の製造方法を用いて、捲回型、お
よび積層型電解コンデンサを製造した場合、いずれも、
誘電体層と陰極箔との導電性ポリマー層による接合一体
化が容易に達成でき、低インピーダンスの大容量コンデ
ンサが得られるとともに、液体アルミ電解コンデンサの
欠点である溶媒揮散による劣化を防止し得るコンデンサ
を提供できる。
【0069】第7および第8の製造方法において、好ま
しくは、予め誘電体表面上に化学酸化重合法により薄い
導電性ポリマー層を設けておくのが良い。これにより、
細孔深部にまで均質に導電性高分子を形成させて充足さ
せることができ、容量出現率の高い良好なコンデンサと
することができる。
【0070】本発明においては、弁金属多孔体の表面に
形成された誘電体酸化皮膜の内部の金属部分と、陽極用
集電体とを電気的に接合して、電解コンデンサとしての
部品を提供することができるが、場合によっては、さら
に、陽極用集電体とケース外の陽極外部電極、および陰
極用集電体とケース外の陰極外部電極を電気的に接合す
ることにより、電解コンデンサとしての部品を提供する
ことができる。
【0071】
【実施例】(実施例1)有極性のタンタル電解コンデン
サの製造に関するものである。ます、タンタル粉末をリ
ード線を取り付けて圧縮成型し、次いで、高真空中で焼
成してタンタル多孔質体を作製し、次いで、この焼結体
に硫酸水溶液中で30Vの化成を行い、タンタル電解コ
ンデンサ用素子を作製した。
【0072】本発明のタンタル電解コンデンサは、化成
処理された多孔体素子に、導電性高分子としてのポリピ
ロールを陰極として形成するのに先立ち、まず、図6に
示すように、内面矩形のケース7の底部70には、片側
表面に5μm径のカーボン粒子を圧着して埋め込んだニ
ッケル板を陰極用集電体2として、底部70と反対にカ
ーボンを有する面がくるように配置した。
【0073】この陰極用集電体2上のカーボンを有する
面側に、予め、ドーパントとしてのアーリルナフタレン
スルホン酸イオンを含むポリピロールを電解酸化重合に
より析出させて、約20μm厚さの緻密な導電性ポリマ
ー層3を形成した。その陰極用集電体2の上の導電性ポ
リマー層3上に、上記タンタル焼結体の多孔体素子4を
置き、素子4の外面とケース7の側面71の隙間を合成
樹脂の接着性封止剤8で封止して、素子4の側面をシー
ルドした。
【0074】次いで、重合用モノマーとしてのピロール
と、ドーパントとしてのアーリルナフタレンスルホン酸
イオンと、を含むプロピレンカーボネートとアルコール
との混合溶液を準備し、この溶液90中に、図7に示す
ようにタンタル多孔体素子4を浸漬し、タンタル多孔体
素子4の空孔に溶液を含浸させた後、陰極用集電体2を
陽極とし、液90中に配置した対極10としての白金電
極との間に電流を流して、陰極用集電体2上に予め形成
した導電性ポリマー層3の上に、さらに、導電性ポリピ
ロール層を重合化成長9させた。電解酸化重合によるポ
リピロール層は、陰極用集電体2とコンデンサ多孔体素
子4とを接合するとともに、多孔体内部空孔を充足し
て、タンタル電解コンデンサの陰極となした。その後、
多孔体の上面(陰極集電体2の反対側)をエポキシ樹脂
の接着剤を用いて樹脂板で封じて有極性のタンタル電解
コンデンサを作製した。
【0075】比較例1として、従来のタンタル電解コン
デンサとして、同時に化成処理を施した多孔体素子に、
従来の通り硝酸マンガンの熱分解法を繰り返すことによ
り、二酸化マンガン電解質層を素子内部から表面まで形
成した後、カーボンペーストを表面に塗布し、その上に
銀ペーストを塗布し、陰極リードとの接合をとり、その
後外装樹脂でコーティングし、従来のタンタル電解コン
デンサを作製した。
【0076】また、比較例2として、導電性高分子を陰
極とした従来のタンタル電解コンデンサとして、同時に
化成処理を施した多孔体素子に、従来通り、モノマーを
含む溶液と酸化剤を含む溶液とに多孔体素子を交互に浸
漬するという、一般的な化学酸化重合法を用いて導電性
ポリマー層を形成した後、カーボンペーストを表面に塗
布し、その上に銀ペーストを塗布し、陰極リードとの接
合をとり、その後外装樹脂でコーティングし、従来のタ
ンタル電解コンデンサを作製した。また、比較例3とし
て、ニッケル板にカーボンを介在させないで陰極用集電
体として、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製
した。
【0077】以上のように作製したタンタル電解コンデ
ンサ各々について、120Hzでの静電容量およびイン
ピーダンスの周波数特性を測定した。インピーダンス測
定結果を図8に示す。
【0078】静電容量測定結果は、従来法による二酸化
マンガン電解質品および導電性高分子品では約95μF
であったが、電解酸化重合品では73μFとなり容量達
成率は悪かった。しかしながら、図8に示すように、イ
ンピーダンスは良化し、特に共振点でのインピーダンス
は、二酸化マンガン電解質品の1/4、従来法の導電性
高分子品の2/3に減少した。また、陰極集電体金属表
面にカーボンを介在させなかった場合に比較しても約2
/3に減少した。
【0079】本実施例では、陰極用金属集電体として、
表面にカーボン粒子を圧着して埋め込んだものの例を示
したが、表面にカーボン薄膜層を形成したものでも、ま
た、表面を粗面化したものでも、同様に界面接触抵抗を
低下させ、低インピーダンス化を図ることができた。 (実施例2)実施例1と同様に、有極性のタンタル電解
コンデンサの製造に関するものである。この例では、化
成処理を施したタンタル素子の内部に、予め化学酸化重
合法により導電性高分子ポリピロールをうすく生成させ
たものを準備した。このポリピロールの合成は、以下の
ようにして行った。まず、イソプロピルアルコールを1
0vol%含有する水溶液に0.1mol/lとなるよ
うにピロールを溶解させモノマー溶液とした。イソプロ
ピルアルコールを10vol%含有する水溶液に、硫酸
鉄(III)を0.1mol/lとなるように溶解させ酸
化剤溶液とした。これらのモノマー溶液と酸化剤溶液を
混合し、この混合液中にコンデンサ素子を浸漬すること
により、化学酸化重合を行い、有機酸素のドーパントを
含まないポリピロールをコンデンサ素子の空孔内部およ
び素子表面の誘電体層上に形成した。
【0080】以上のようにして準備した試料を、実施例
1と同等の方法で電解酸化重合によりポリピロールを生
成させてコンデンサを作製した。この結果、他の特性は
実施例1のポリピロール品と同等で、容量のみ96μF
と向上した。すなわち、従来のタンタル電解コンデンサ
と同等の容量が得られ、かつインピーダンスが低く高周
波応答性の良いコンデンサが得られた。
【0081】また、カーボンペースト層や銀ペースト層
を有する従来の10V用100μFのタンタル電解コン
デンサはDサイズ(88mm3)であるが、本発明の1
0V用100μFのサイズは4.5mm×3.2mm×
3.0mm(43mm3)に納めることができ、約1/
2の体積にすることができた。
【0082】(実施例3)実施例1と同様に、有極性の
タンタル電解コンデンサの製造に関するものである。こ
の例では、化成処理を施したタンタル素子の内部に、化
学酸化重合法により導電性高分子ポリピロールを形成し
た。このポリピロールの合成は、以下のようにして行っ
た。
【0083】まず、イソプロピルアルコールを10vo
l%含有する水溶液に1.0mol/lとなるようにピ
ロールを溶解させモノマー溶液とした。モノマー溶液に
はドーパントとしてのアーリルナフタレンスルホン酸イ
オンを添加した。また、イソプロピルアルコールを10
vol%含有する水溶液に、硫酸鉄(III)を0.1m
ol/lとなるように溶解させ酸化剤溶液とした。これ
らのモノマー溶液と酸化剤溶液とに、タンタル素子を交
互に浸漬し、モノマーと酸化剤の接触によりモノマーを
重合化した。これにより、化学酸化重合法によるポリピ
ロールをコンデンサ素子の空孔内部および素子表面の誘
電体層上に形成し、充足させた。
【0084】以上のようにして準備した試料を、カーボ
ン層を表面に焼き付けた陰極集電体としてのNiネット
上に配置し、ピロールモノマーを含む溶液中に浸漬し
た。次いで、化学酸素重合によりポリピロールを陰極集
電体上に形成するとともに、試料と陰極用集電体の隙間
を導電性高分子で充足し接合した。この結果、実施例2
と同等の容量およびインピーダンス特性を有する電解コ
ンデンサが得られた。
【0085】本実施例では、化学酸化重合法により多孔
体空孔内に導電性ポリマー層を形成して充足させたが、
一般的に用いられる電解酸化重合法を用いた場合でも、
さらには可溶性および熱可塑性導電性高分子を充足させ
た場合でも同様の効果が得られることは言うまでもな
い。ここで、図1(C)に示すように、陰極用集電体と
して、多孔体と反対側に位置する面に弾力性を有するゴ
ムまたはプラスチックフィルムを設けたものを使用した
場合、以後のプロセスにおけるストレスを緩和すること
ができた。その結果として、電解コンデンサとしたと
き、ゴムまたはフィルムのない場合のショート発生率が
約1%程度であったのに対し、ゴムまたはフィルムを設
けた場合のショート発生率は0%であった。
【0086】(実施例4)本実施例は、有極性アルミニ
ウム電解コンデンサの製造に関するものである。多孔質
弁金属箔1としての、交流エッチングされた100μm
厚の低電圧用アルミニウムエッチド箔を積層し、図9に
示すように、リード線12を取り付けたアルミニウム金
属板11で圧接することにより弁金属積層多孔体4とし
た多孔質アルミニウムコンデンサ素子を作製した。
【0087】この素子を、リン酸系の水溶液中で30V
の電圧で化成処理した後、実施例2と同様に、素子の内
部および表面の誘電体層上に、ポリピロールの薄い化学
酸化重合膜を形成した。
【0088】次いで、図10に示すように、ケース7の
内面に片側表面をサンドブラストで粗面化したニッケル
板の陰極用集電体2を粗面を上にして配置し、その上に
電解酸化重合によりポリピロールを形成し、その上さら
に柔軟性を有するポリチオフェンを形成し、ポリピロー
ルおよび導電性ポリマー層3とし、この上に上記コンデ
ンサ素子4を、積層面をケース7の底面に対して垂直に
立てておき、素子4とケース7の隙間を封止剤8で封止
した。次いで、実施例1と同様にして、ポリピロール層
を重合化成長9させ、静電容量約70μFの電解コンデ
ンサを作製した。電解酸化重合の方向は、電流を流しモ
ノマーを拡散させる経路を確保するために、図10に示
すように積層方向に垂直な方向から、すなわち、積層面
に平行に、電解酸化重合膜の生成を行った。この結果、
静電容量は平均71μFになり、かつ共振点のインピー
ダンスは約30mΩと良好であった。また、陰極集電体
表面の粗面化は、粗面化による拡面比が見かけ面積の3
倍以上で、低インピーダンス化が図れた。
【0089】(実施例5)本実施例は有極性アルミニウ
ム電解コンデンサの製造に関するものであり、特に、陽
極弁金属多孔体が多孔質箔で構成され、陰極用集電体が
陽極箔に相対するように配されてなる電解コンデンサの
製造に関するものである。
【0090】交流エッチングされた100μm厚の低電
圧用アルミニウムエッチド箔を、りん酸系の水溶液中で
15Vの電圧で化成処理し誘電体皮膜層を形成した。化
成後のアルミニウム箔を、チオフェン系モノマー0.5
mol/lとパラトルエンスルフォン酸鉄(III)1m
ol/lを含むアルコール溶液(重合液)中に浸漬して
溶液を含浸させた後、大気中に引き上げ60℃に加温し
導電性ポリマーを重合形成した。この浸漬、含浸、反応
の操作を10回繰り返し、アルミニウム箔誘電体表面に
導電性ポリマー層を形成した。この導電性ポリマー層を
形成したアルミニウム箔と、あらかじめ両表面にピロー
ル系の導電性高分子膜を電解重合法で形成した陰極用集
電体としての交流エッチングにより多孔質化した10μ
m厚のNi箔を、対向するように重ねあわせた後、再び
先と同様の重合液に浸漬し、溶液を両箔間に含浸させ、
加温反応させチオフェン系の導電性ポリマーを両箔間に
形成した。この操作も5回繰り返した。以上の操作によ
り形成された電解コンデンサユニットを5枚積層し、陽
極引き出し用のアルミニウム金属部をかしめた後、それ
ぞれ陽極アルミニウム金属、陰極用Ni箔を引き出して
樹脂でモールドした。その後引き出した電極と電気的接
合をとるように外部電極を形成し、電解コンデンサとし
た。
【0091】比較のために従来例として、同様に作製し
た導電性ポリマー層形成済みのアルミニウム箔のみを5
枚積層し、導電性ポリマー層を再度形成して陰極全体を
一体化した。その後、図13のように、積層構造体の陰
極外周部に、陰極引き出しのためのカーボンペースト
層、Agペースト層(導電体層13)を形成し、陰極端
子への接合を行った。陽極は引き出し用のアルミニウム
金属部をかしめた。次に陰極端子および陽極アルミニウ
ムを引き出した状態で樹脂にモールドし、引き出した電
極と電気的接合をとるように外部電極を形成し、電解コ
ンデンサとした。今回の実施例では、いずれの電解コン
デンサの場合も1枚のアルミニウム箔の外形面寸法は
3.3mm×3.7mmとした。
【0092】作製した各々の電解コンデンサの高周波応
答性を評価するため、低周波に対する高周波での容量引
き出し率、および等価直列抵抗に相当する高周波でのイ
ンピーダンスを測定した。
【0093】作製した各々の電解コンデンサの120H
zでの容量はいずれも約50μFであった。しかしなが
ら100kHzにおける容量は、従来例の電解コンデン
サでは12μF(容量引き出し率24%)であったのに
対し、本発明の電解コンデンサでは47μF(容量引き
出し率94%)であった。また、400kHzでのイン
ピーダンスは従来例の電解コンデンサでは30mΩであ
ったのに対し、本発明の電解コンデンサでは10mΩで
あった。別の比較例としてNi箔がエッチングされてい
ないこと以外は実施例5と同様にして作製した電解コン
デンサでは、400kHzでのインピーダンスは20m
Ωであった。以上のように、本発明によれば、高周波に
おいて特に、低インピーダンス化が図れ、容量引き出し
率も向上することが確認できた。
【0094】また、本発明の実施例では、導電性高分子
の形成を化学酸化重合法により行ったが、その形成法
は、各種形成法いずれを用いても、同様の効果が得られ
ることは言うまでもない。
【0095】また、本実施例においては、先に導電性ポ
リマー層を形成した後に、導電性高分子を形成した弁金
属陽極箔と陰極用集電体を所定の位置に配し、両者間に
導電性ポリマー層をさらに充足させたが、導電性ポリマ
ー層未形成の陽極箔と陰極用集電体を所定の位置に配し
た後に、導電性ポリマー層を両者間および誘電体皮膜上
全体に一括で導電性ポリマー層を形成しても同様の効果
が得られた。この際、陽極箔および、陰極用集電体は貫
通孔を有していることが好ましかった。
【0096】本発明の実施例では、陰極用集電体として
エッチングにより粗面化されたNi箔を用いたが、電解
液中で交流エッチングすることにより得られた多孔質な
アルミニウム箔でも良く、ニッケルや銅、ステンレス、
アルミニウムの金属箔にカーボン粒子あるいはカーボン
繊維を埋め込んだ箔や、各種金属箔にカーボン層を表面
に形成した箔を用いても同様の効果が得られた。また貫
通箔とすることで、導電性ポリマー層の金属箔からの剥
離が防止でき、信頼性が向上することが確認できた。本
実施例においては、モノマーとしてチオフェン系モノマ
ーを用いたが、そのポリマーが導電性を有するものであ
れば、その種類については限定されるものではない。
【0097】また、本実施例ではドーパントとしてパラ
トルエンスルホン酸イオンを用いたが、他のアーリルス
ルホン酸イオンでも、アーリルリン酸イオンでも同様の
効果が得られた。
【0098】(実施例6)本発明も有極性アルミニウム
電解コンデンサの製造に関するものである。交流エッチ
ングされた100μm厚の低電圧用アルミニウムエッチ
ド箔を、りん酸系の水溶液中で15Vの電圧で化成処理
し誘電体皮膜層を形成した。
【0099】一方、貫通孔を有するプラスチックフィル
ム表面両面にアルミニウムを蒸着し、その上にカーボン
を蒸着形成した陰極用集電体としての金属箔に、あらか
じめ電解重合によりアルキルナフタレンスルホン酸イオ
ンをドーパントとして含有するピロールとチオフェンが
積層された導電性ポリマー層を形成した。次に、化成済
みのアルミニウム箔と、導電性高分子を形成した陰極用
プラスチック付き金属箔を交互に5枚ずつ積層し、陽極
引き出し用のアルミニウム金属部をかしめ、陰極用金属
箔も引き出し部で一体化するよう固定した。
【0100】その後、イソプロピルアルコールを10vo
l %含有する水溶液に0.1mol/lのピロールと、
酸化剤として硫酸鉄(III) を0.1mol/l、ドーパ
ントとしてアルキルナフタレンスルホン酸イオンをNa
塩の形で0.05mol/lとを溶解させた反応溶液を
上記積層体に5℃で含浸させた後、加温して反応を促進
させ、導電性ポリマー層を誘電体表面および陰極用金属
箔と誘電体表面間に重合形成した。その後、導電性ポリ
マー層を形成した積層体を、両極引き出し部を残して樹
脂でモールドし、引き出した両極にそれぞれ外部電極を
形成し、定格6.5Vの電解コンデンサを作製した。
【0101】比較のため、陰極用金属箔として貫通孔を
有するアルミニウム箔にカーボンを蒸着形成したものを
用いた以外は上記と同様とした、電解コンデンサを作製
した。
【0102】この実施例では、いずれの電解コンデンサ
の場合も1枚のアルミニウム箔の外形面寸法は3.3m
m×3.7mmとした。作製した各々の電解コンデンサ
の高周波応答性を評価するため、低周波に対する高周波
での容量引き出し率、および等価直列抵抗に相当する高
周波でのインピーダンスを測定した。
【0103】作製した各々の電解コンデンサの120H
zでの容量はいずれも約50μFであった。また、10
0kHzにおける容量は、いずれも約46μF(容量引
き出し率約90%)であった。また、400kHzでの
インピーダンスは、いずれも約10mΩであった。
【0104】一方、各々の電解コンデンサの信頼性を1
2V負荷で加速的に評価したところ、陰極金属箔にプラ
スチック付き金属薄膜を用いた電解コンデンサでは、1
000時間でのショート不良が0であったのに対し、普
通の金属箔を用いた場合はショート不良が1.5%発生
した。
【0105】以上のように、本発明によれば、高周波に
おいて特に、低インピーダンス化が図れ、高周波応答性
が向上することが確認できた。かつ、陰極用金属箔をプ
ラスチックフィルム付き金属薄膜とすることにより、高
信頼性を確保することができることが確認できた。
【0106】(実施例7)セパレータを介し陽極リード
線12を取り付けた30V化成の陽極箔と、陰極リード
線14を取り付けた2V化成の陰極箔とを重ねて巻きと
って、一般的なアルミニウム電解コンデンサの構造を有
する100μF用のコンデンサ素子を作製した。予め、
素子全体の空孔内部を、化学酸化重合したポリピロール
で薄く被覆した。この素子の底面に図11に示すように
電解酸化重合用の電極21としてのニッケル金属板を取
り付け、全体を実施例1と同様にしてピロールモノマー
を含む重合液中に浸漬し、底面に取り付けたニッケル金
属を重合用の電極として素子の空間部の溶液を通じて電
流を流すことにより、電解酸化重合により導電性ポリマ
ー層で素子の内部の隙間を充足した。
【0107】このコンデンサは120Hzで95μF、
1kHzで93μFの静電容量を示した。また、インピ
ーダンス特性は図12に示すように良化し、特に共振点
におけるインピーダンスは従来のタンタル電解コンデン
サと比較しても1桁低いコンデンサが得られた。
【0108】本実施例では通常のアルミニウム電解コン
デンサと同様に、陽極と陰極の極性を有するコンデンサ
の例を記載したが、無極性にするために、陰極箔のかわ
りに陽極箔を用いることにより、容量は半減するが、同
様に低インピーダンスのコンデンサが得られることは言
うまでもない。
【0109】また、本実施例では捲回型タイプのコンデ
ンサの例を示したが、セパレータを介し陽極箔と陰極箔
とを交互に積層し、各々の陽極箔と各々の陰極箔とを導
電性高分子で電気的に接続させた構造のものを用いても
同様の特性を得ることができる。
【0110】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、陰極集
電体として、少なくとも導電性ポリマー層と接する面が
粗面化した、あるいは該表面にカーボンを形成した金属
シートを用い、該陰極用集電体の該電体層に対面する面
に予め導電性高分子を形成した後、該陰極用集電体と誘
電体層表面を導電性高分子で直接接続させることによ
り、容易にかつ効率よく小型、低インピーダンスな電解
コンデンサを提供することができる。また、予め誘電体
層表面上に導電性高分子を形成した素子を、該陰極用集
電体に導電性ポリマーで接合させることによっても、該
陰極用集電体と誘電体層表面を導電性高分子で直接接続
させることができ、容易にかつ効率よく小型、低インピ
ーダンスな電解コンデンサを提供することができる。ま
た、陰極用集電体金属板を直接外装ケースとして利用す
ることにより、コンデンサ素子のケース内占有率を高
め、小型大容量化を達成することができる。また、本発
明によれば、該陰極用集電体を陽極多孔質弁金属箔に近
接して対向して配することにより、集電面積を拡大し、
さらに、種々の接合層(カーボンペースト層や銀ペース
ト層)を介さずに、直接陰極用金属箔と誘電体酸化皮膜
を導電性高分子で接合することができ、全体としてのイ
ンピーダンスの低減を図ることができる。
【0111】また、陽極多孔質弁金属箔に近接して配す
る陰極用金属箔をプラスチックフィルム上に金属薄膜を
形成したものとすることにより、万一ショートした場合
にショート箇所の金属薄膜が消失し、特性が回復すると
いう効果が得られ、信頼性の高い電解コンデンサを提供
することができる。
【0112】また、本発明によれば、捲回型および積層
型の電解コンデンサにおいて箔およびセパレータと垂直
な面全体に電解酸化重合用の電極を取り付け、取り付け
た電極から直接電解酸化重合により導電性高分子を成長
させ、さらにコンデンサ素子内部にまで導電性高分子を
成長させることにより、素子の空間を容易に導電性高分
子で満たすことができ、低インピーダンスな電解コンデ
ンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る弁金属多孔体と陰極用
集電体とから成る電解コンデンサの構造を示す模式的断
面図(A、B、C)。
【図2】本発明の実施形態に係る弁金属箔と陰極用集電
体とから成る電解コンデンサの構造を示す模式的断面
図。
【図3】本発明の実施形態に係る陰極用集電体の構造を
示す模式的断面図(A、B、C)。
【図4】本発明の他の実施形態に係る弁金属箔と陰極用
集電体とからなる電解コンデンサユニット構造を示す模
式的断面図(A)と、ユニットを積層した積層型電解コ
ンデンサの模式的断面図(B)。
【図5】本発明の他の実施形態に係る図4同様図。
【図6】本発明の実施形態に係る電解酸化重合処理を行
うためのケース(A)と処理の際にこのケースに配置し
たタンタル素子と陰極用集電体の断面図(B)を示す。
【図7】本発明の実施形態におけるケース中でタンタル
素子に電解酸化重合処理を行う際の導電性高分子を形成
する方法を示す配置図。
【図8】本発明の実施形態におけるタンタル電解コンデ
ンサのインピーダンス特性を示すグラフ。
【図9】本発明の実施形態における多孔質アルミニウム
電解コンデンサ素子の斜視図。
【図10】本発明の実施例における多孔質アルミニウム
電解コンデンサ素子への導電性高分子重合形成状態を示
す断面図。
【図11】本発明の実施例における、重合用電極として
の金属板を底面に取り付けた捲回型電解コンデンサの素
子概略図。
【図12】本発明の実施例におけるアルミニウム電解コ
ンデンサのインピーダンス特性を示す図。
【図13】従来例の電解コンデンサの構造を示す模式的
断面図。
【符号の説明】 1 多孔質弁金属箔 2 陰極用集電体 3 導電性ポリマー層 4 弁金属多孔体 5 誘電体酸化皮膜 6 ゴムまたはプラスチックフィルム 22 カーボン粒子 23 カーボン薄膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/028 H01G 9/04

Claims (33)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁金属多孔体を陽極とし、弁金属多孔体
    の表面および空孔表面全体に形成した誘電体酸化皮膜
    と、誘電体酸化皮膜上に形成した陰極としての導電性ポ
    リマー層と、多孔体の金属部分と電気的に接合された陽
    極用金属集電体と、導電性ポリマー層に接合された陰極
    用金属集電体と、から成る電解コンデンサにおいて、 陰極用金属集電体が、導電性ポリマーと接する金属表面
    が粗面化若しくは多孔化され及び/又は該表面が固定さ
    れたカーボンの粒子又は皮膜を有する金属シート材料で
    あり、 陽極用弁金属多孔体が、多孔質弁金属箔を積層もしくは
    捲回して形成され、陰極用金属集電体が、集積した弁金
    属箔の面方向に垂直に配置されている 電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 弁金属多孔体を陽極とし、弁金属多孔体
    の表面および空孔表面全体に形成した誘電体酸化皮膜
    と、誘電体酸化皮膜上に形成した陰極としての導電性ポ
    リマー層と、多孔体の金属部分と電気的に接合された陽
    極用金属集電体と、導電性ポリマー層に接合された陰極
    用金属集電体と、から成る電解コンデンサにおいて、 陰極用金属集電体が、導電性ポリマーと接する金属表面
    が粗面化若しくは多孔化され及び/又は該表面が固定さ
    れたカーボンの粒子又は皮膜を有する金属シート材料で
    あり、 陽極用弁金属多孔体が弁金属粉末の焼結体であり、陰極
    用金属集電体が該焼結体の外表面に近接して配置されて
    いる電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 陰極用金属集電体が、ニッケル、銅、ス
    テンレス鋼もしくはアルミニウムから成る請求項1また
    は2に記載の電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 陰極用金属集電体が、プラスチックフィ
    ルムと該フィルム上に形成された金属薄膜からなるシー
    トである請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 陰極用金属集電体が、表裏に貫通する多
    数の貫通孔を有する請求項1または2に記載の電解コン
    デンサ。
  6. 【請求項6】 陰極用金属集電体が、金属シートに代え
    て金属ネットである請求項1または2に記載の電解コン
    デンサ。
  7. 【請求項7】 陰極用金属集電体には、導電性ポリマー
    と接しない金属面に、弾性的ゴムまたはプラスチックの
    フィルムを取着して成る請求項1または2に記載の電解
    コンデンサ。
  8. 【請求項8】 陰極用金属集電体が、弁金属多孔体を収
    容するコンデンサ素子収納ケースの一部である請求項
    または2に記載の電解コンデンサ。
  9. 【請求項9】 弁金属多孔体を陽極とし、弁金属多孔体
    の表面および空孔表面全体に形成した誘電体酸化皮膜
    と、誘電体酸化皮膜上に形成した陰極としての導電性ポ
    リマー層と、多孔体の金属部分と電気的に接合された陽
    極用金属集電体と、導電性ポリマー層に接合された陰極
    用金属集電体と、から成る電解コンデンサにおいて、 陰極用金属集電体が、導電性ポリマーと接する金属表面
    が固定されたカーボンの粒子又は皮膜を有する金属シー
    ト材料であり、 陽極用弁金属多孔体が多孔質弁金属箔であり、陰極用金
    属集電体が該弁金属箔と対面する箔である電解コンデン
    サ。
  10. 【請求項10】 陽極用弁金属多孔体としての多孔質弁
    金属箔が積層あるいは捲回され、陰極用金属集電体箔が
    該多孔質弁金属箔の両面に対向するように配されている
    請求項9記載の電解コンデンサ。
  11. 【請求項11】 陽極用弁金属多孔体としての多孔質弁
    金属箔が陰極用金属集電体箔の両面に対向するように配
    置された電解コンデンサユニットを、積層もしくは捲回
    してなる請求項9記載の電解コンデンサ。
  12. 【請求項12】 陽極用弁金属箔と陰極用金属集電体箔
    とが、セパレータを介して対向している請求項9〜11
    いずれかに記載の電解コンデンサ。
  13. 【請求項13】 陽極用多孔質弁金属箔が、電解液中で
    エッチングされたアルミニウム箔若しくはタンタル粉末
    をシート状に成形した後に焼結して得られたシートであ
    請求項1、9〜11のいずれかに記載の電解コンデン
    サ。
  14. 【請求項14】 陽極用多孔質弁金属箔が、箔の表裏に
    貫通孔を多数有する請求項1、9〜11のいずれかに記
    載の電解コンデンサ。
  15. 【請求項15】 弁金属からなる陽極用多孔体に誘電体
    酸化皮膜を形成する工程と、陰極用金属集電体の少なく
    とも多孔体に対面する表面に導電性ポリマー層を形成す
    る工程と、多孔体に該導電性ポリマー層を形成した陰極
    用金属集電体を取り付ける工程と、該陰極用金属集電体
    を取り付けた多孔体の誘電体皮膜上に導電性ポリマー層
    を形成すると同時に導電性ポリマー層を介して陰極用金
    属集電体と多孔体を接合する工程と、から成る電解コン
    デンサの製造方法。
  16. 【請求項16】 弁金属からなる陽極用多孔体に誘電体
    酸化皮膜を形成する工程と、多孔体の誘電体皮膜上に導
    電性ポリマー層を形成する工程と、該多孔体に陰極用金
    属集電体を取り付けることにより導電性ポリマー層を介
    して陰極用属集電体と多孔体を接合する工程と、から成
    る電解コンデンサの製造方法。
  17. 【請求項17】 弁金属からなる陽極用多孔体に誘電体
    酸化皮膜を形成する工程と、多孔体の誘電体皮膜上に導
    電性ポリマー層を形成する工程と、陰極用金属集電体の
    少なくとも多孔体に対面する表面に導電性ポリマー層を
    形成する工程と、該多孔体に該陰極用金属集電体を取り
    付けることにより導電性ポリマー層を介して陰極用金属
    集電体と多孔体を接合する工程と、から成り、 該陰極用金属集電体が、導電性ポリマーと接する金属表
    面が粗面化若しくは多孔化され及び/又は該表面が固定
    されたカーボンの粒子又は皮膜を有する金属シート材料
    である電解コンデンサの製造方法。
  18. 【請求項18】 該陰極用金属集電体が、導電性ポリマ
    ーと接する金属表面が粗面化若しくは多孔化され及び/
    又は該表面が固定されたカーボンの粒子又は皮膜を有す
    る金属シート材料である請求項15または16に記載の
    電解コンデンサの製造方法。
  19. 【請求項19】 陰極用金属集電体と多孔体を接合する
    上記工程が、重合により導電子ポリマーとなるモノマー
    を含む溶液に集電体を有する多孔体を浸漬し、多孔体内
    の空孔を通じてのみイオン伝導の電流が流れるように遮
    蔽物を設けることにより、陰極用金属集電体を電解酸化
    重合用の電極として空孔内にだけ溶液を通じて電流を流
    して、電解酸化重合により導電性ポリマー層を陰極用金
    属集電体表面から多孔体空孔内に成長させる請求項15
    記載の電解コンデンサの製造方法。
  20. 【請求項20】 弁金属多孔体の表面および空孔表面全
    体に形成した誘電体酸化皮膜上に、予め化学酸化重合法
    により導電性ポリマー層を形成させた後、陰極用金属集
    電体を電解酸化重合用の電極として、電解酸化重合によ
    り導電性ポリマー層を陰極用金属集電体表面から成長さ
    せ、多孔体内部の空孔に充足させる請求項19記載の電
    解コンデンサの製造方法。
  21. 【請求項21】 上記予め化学酸化重合法により形成さ
    れる導電性ポリマー層が、有機酸系のドーパントを含ま
    ない溶液中でモノマーが化学酸化重合されることにより
    形成される請求項20記載の電解コンデンサの製造方
    法。
  22. 【請求項22】 上記の誘電体皮膜上に導電性ポリマー
    層を形成すると同時に導電性ポリマー層を介して陰極用
    金属集電体と多孔体を接合する工程が、化学酸化重合法
    により誘電体酸化皮膜上、および、陰極用金属集電体と
    多孔体の間隙に導電性ポリマーを形成する過程とを有す
    請求項15記載の電解コンデンサの製造方法。
  23. 【請求項23】 上記の誘電体皮膜上に導電性ポリマー
    層を形成すると同時に導電性ポリマー層を介して陰極用
    金属集電体と多孔体を接合する工程が、可溶性の導電性
    高分子もしくは熱可塑性の導電性高分子を、上記の集電
    体付き多孔体に含浸させ、誘電体酸化皮膜上、および、
    陰極用金属集電体と多孔体の間隙に導電性ポリマーを形
    成する過程とを有する請求項15記載の電解コンデンサ
    の製造方法。
  24. 【請求項24】 導電性ポリマー層を形成した多孔体に
    陰極用金属集電体を取り付ける上記工程の後、さらに、
    化学酸化重合法により、多孔体の導電性ポリマー層と陰
    極用金属集電体との間隙を導電性ポリマー層で充足させ
    る工程を有する請求項16または17に記載の電解コン
    デンサの製造方法。
  25. 【請求項25】 誘電体酸化皮膜を形成した多孔体に形
    成する導電性ポリマー層が、導電性ポリマー層の少なく
    とも最表層部が柔軟性を有する導電性ポリマーである
    求項16または17に記載の電解コンデンサの製造方
    法。
  26. 【請求項26】 陰極用金属集電体表面に予め形成され
    た導電性ポリマー層の少なくとも最表層部が柔軟性を有
    する導電性ポリマー層である請求項15または17記載
    の電解コンデンサの製造方法。
  27. 【請求項27】 陰極用金属集電体表面に予め形成され
    た導電性ポリマー層が、電解酸化重合法により形成され
    請求項15または17に記載の電解コンデンサの製造
    方法。
  28. 【請求項28】 陽極用弁金属多孔体が、多孔質弁金属
    箔を積層あるいは捲回して形成され、かつ、陰極用金属
    集電体を集積した弁金属箔に対して垂直に配される請求
    項15、16、17のいずれかに記載の電解コンデンサ
    の製造方法。
  29. 【請求項29】 陽極用弁金属多孔体が、弁金属粉末を
    焼結して形成された請求項15、16、17のいずれか
    に記載の電解コンデンサの製造方法。
  30. 【請求項30】 陽極用弁金属多孔体が、多孔質弁金属
    箔である請求項15、16、17のいずれかに記載の電
    解コンデンサの製造方法。
  31. 【請求項31】 陽極用多孔質弁金属箔の表面および空
    孔表面全体に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、粗面化
    された陰極用弁金属箔に1〜5Vの電圧で化成処理を施
    す工程と、両箔をセパレータを介して積層あるいは捲回
    する工程と、両箔およびセパレータと垂直な端面全体に
    電解酸化重合用の電極を取り付ける工程と、重合により
    導電性高分子となるモノマーを含む溶液に電極を取り付
    けた弁金属多孔質構造体を浸漬する工程と、取り付けた
    電極を電解酸化重合用の陽極として多孔質構造体内の間
    隙内の溶液を通じて電流を流して、電解酸化重合により
    導電性ポリマー層を成長させ、多孔質構造体の空孔内部
    に導電性高分子を充足させる工程とを有する電解コンデ
    ンサの製造方法。
  32. 【請求項32】 多孔質弁金属箔の表面および空孔表面
    全体に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、誘電体酸化皮
    膜を形成した弁金属箔2枚をセパレータを介して積層あ
    るいは捲回する工程と、両箔およびセパレータと垂直な
    端面全体に電解酸化重合用の電極を取り付ける工程と、
    重合により導電性高分子となるモノマーを含む溶液に電
    極を取り付けた弁金属多孔質構造体を浸漬する工程と、
    取り付けた電極を電解酸化重合用の陽極として多孔質構
    造体内の間隙内の溶液を通じて電流を流して、電解酸化
    重合により導電性ポリマー層を成長させ、多孔質構造体
    の空孔内部に導電性高分子を充足させる工程とを有する
    無極性電解コンデンサの製造方法。
  33. 【請求項33】 弁金属多孔質構造体の弁金属酸化皮膜
    表面全体に、予め化学酸化重合法により導電性ポリマー
    層を形成させた後、電解酸化重合により導電性ポリマー
    層を成長させ、多孔体内部の空孔に充足させる、請求項
    31または32に記載の電解コンデンサの製造方法。
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