JP2004039708A - 荷電粒子線露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マニュピレータ作動時の磁場変動を抑え、パターン形成精度を向上させた荷電粒子線露光装置を提供する。
【解決手段】荷電粒子線露光装置において、前記感応基板及び/又はパターン原版を搬送するマニュピレータ21、27は、第1アーム53、第2アーム59、保持部材63等から構成され、感応基板やパターン原版をXYZ方向に自由に移動させる。第1アーム、第2アーム59、保持部材63等の可動部材は非磁性材料からなり、露光操作時にマニュピレータの可動部材が動いても磁場変動が生じにくくなる。
【選択図】 図1
【解決手段】荷電粒子線露光装置において、前記感応基板及び/又はパターン原版を搬送するマニュピレータ21、27は、第1アーム53、第2アーム59、保持部材63等から構成され、感応基板やパターン原版をXYZ方向に自由に移動させる。第1アーム、第2アーム59、保持部材63等の可動部材は非磁性材料からなり、露光操作時にマニュピレータの可動部材が動いても磁場変動が生じにくくなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイス等のリソグラフィに使用される荷電粒子線露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビームやイオンビーム等の荷電粒子線を用いた露光装置には、感応基板(ウェハ)やパターン原版(レチクル、マスク)を搬送するロボット(マニュピレータ)が備えられている。このマニュピレータは、ウェハやレチクルを、保管庫からロードロック室を経て、真空に維持された装置内に搬入したり、露光が終わったウェハやレチクルをロードロック室を経て外部に搬出する。このマニュピレータは、アーム等の可動部材、ボールネジ、ベアリング等の部品で構成され、その部品の多くは磁性材料で作製される。
【0003】
このような露光装置においては、一般的に、レチクル上のパターンをウェハ上に転写する露光操作と、マニュピレータによるレチクルやウェハの搬送操作とを同時に行い、スループットを向上させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、露光操作時にマニュピレータを作動させると、磁場が発生し、この外乱磁場により荷電粒子線の軌道が曲がり、感応基板上のパターンが歪むことがある。外乱磁場の成分としては、マニュピレータのモータ等に内蔵されている磁性材料からのDC外乱、マニュピレータに通電したときに発生するDC/AC外乱、マニュピレータ駆動時に発生するDC/AC外乱等が挙げられる。この中で、特に、マニュピレータを駆動させた際の、可動部材であるアーム等の磁性部材の動きによる磁場変動の影響が大きい。
【0005】
マニュピレータのモータから発生する磁場の電子光学系への影響は、モータと光学系の光軸との距離の二乗に逆比例して減少する。このため、アームの可動範囲の広いマニュピレータでは、マニュピレータ本体を光軸から離して設置することにより、モータの影響による磁場の外乱を減少させることができる。しかしアーム自体が磁性体である場合は、アームの稼動範囲が広いことと、搬送時にアームが光軸中心に近づくことにより、マニュピレータ本体と光軸との距離に関係なく磁場変動が発生する。
【0006】
図3は、マニュピレータの運動による磁場強度を測定したグラフである。縦軸は出力値、横軸は時間を示す。
このグラフは、ロボット(マニュピレータ)を周期的に上下運動させ、ロボットの中心位置から約300mm離れた位置で磁場強度を測定したものである。ロボットの構成部品の材質はステンレス鋼であり、磁性を持っている。磁場強度の測定は3軸DCセンサー(DC〜5Hz、分解能5μGauss)を用いて行った。
グラフ中の実線は測定点でのX方向、一点鎖線は同点でのY方向、破線は同点でのZ方向の磁場強度の出力値を示す。
【0007】
グラフから、ロボットの上下運動の際に、X方向においては約6.8mG、Y方向には約2.0mG、Z方向には約0.4mGの磁場変動が生じることがわかった。
【0008】
このような外乱磁場の発生を抑えるために、従来よりアクティブ磁場キャンセラーが用いられている。アクティブ磁場キャンセラーは、露光装置の周囲を取り囲むヘルムホルツコイルや、装置の周囲の磁場を測定するガウスメータ等を備えており、ガウスメータの測定値の基づいてコイルへの供給電流を制御して外乱磁場の方向と逆方向の磁場を発生させ、外乱磁場を打ち消している。しかしながら、発生する磁場の強度が大きいことやガウスメータのサイズの制限などにより、ガウスメータを本来磁場キャンセルしたい空間(ターゲット空間)へ設置することが困難であった。そのため、ガウスメータの周囲に小型の補正コイルを巻き、この補正コイルで、ガウスメータの実際の設置位置とターゲット空間との磁場の偏差を補正している。しかし、複数の磁場発生源が順次稼動するようなマニュピレータにおいては、ガウスメータの設置空間の磁場とターゲット空間の磁場とが1対1に対応するとは限らないので、外乱磁場のキャンセルを正確に行うことができなかった。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、マニュピレータ作動時の磁場変動を抑え、パターン形成精度を向上させた荷電粒子線露光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の荷電粒子線露光装置は、 荷電粒子線を感応基板上に選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、 前記感応基板及び/又はパターン原版を搬送するマニュピレータの可動部材が非磁性材料からなることを特徴とする。
マニュピレータの可動部材を非磁性材料としたことにより、露光操作時にマニュピレータの可動部材が動いても磁場変動は生じにくくなる。このため、パターン形成精度を低下させることなく、マニュピレータ稼動と露光操作とを同時に行える荷電粒子線露光装置を提供できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の露光装置を説明する図であり、図1(A)はレチクル搬送部分を模式的に説明する平面図であり、図1(B)はマニュピレータの側面図である。
図2は、図1の露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
まず、図2を参照して、露光装置全体の構成を説明する。
【0012】
電子線露光装置100の上部には、光学鏡筒101が配置されている。光学鏡筒101には、真空ポンプ(図示されず)が接続されており、光学鏡筒101内を真空排気している。
【0013】
光学鏡筒(レチクルチャンバも含む)101の上部には、電子銃103が配置されており、下方に向けて電子線を放射する。電子銃103の下方には、順にコンデンサレンズ104、電子線偏向器105、レチクル(原版パターン)Rが配置されている。光学鏡筒101には、ロードチャンバ11やロードロック室13等から構成されるレチクル搬送機構が接続している。レチクル搬送機構の詳細な構造については後述する。
電子銃103から放射された電子線は、コンデンサレンズ104によって収束される。続いて、偏向器105により図の横方向に順次走査され、光学系の視野内にあるレチクルRの各小領域(サブフィールド)の照明が行われる。なお、照明光学系は、ビーム成形開口やブランキング開口等(図示されず)も有している。
【0014】
レチクルRは、レチクルステージ111の上部に設けられたチャック110に静電吸着等により固定されている。レチクルステージ111は、マウントボディ116に載置されている。
【0015】
レチクルステージ111には、図の左方に示す駆動装置112が接続されている。駆動装置112は、ドライバ114を介して、制御装置115に接続されている。また、レチクルステージ111には、図の右方に示すレーザ干渉計113が設置されている。レーザ干渉計113は、制御装置115に接続されている。
レーザ干渉計113で計測されたレチクルステージ111の正確な位置情報が制御装置115に入力される。それに基づき、制御装置115からドライバ114に指令が送出され、駆動装置112が駆動される。このようにして、レチクルステージ111の位置をリアルタイムで正確にフィードバック制御することができる。
【0016】
マウントボディ116の下方には、ウェハチャンバ106(真空チャンバ)が示されている。ウェハチャンバ106には、真空ポンプ(図示されず)が接続されており、チャンバ内を真空排気している。ウェハチャンバ106には、ロードチャンバ41やロードロック室43等から構成されるウェハ搬送装置が接続している。
ウェハチャンバ106内の投影光学系鏡筒(図示されず)には、コンデンサレンズ124、偏向器125等が配置されている。さらにその下方のウェハチャンバ106の底面上には、ウェハステージ131が載置されている。ウェハステージ131の上部には、チャック130が設けられており、静電吸着等によりウェハ(感応基板)Wが固定されている。
【0017】
レチクルRを通過した電子線は、コンデンサレンズ124により収束される。
コンデンサレンズ124を通過した電子線は、偏向器125により偏向され、ウェハW上の所定の位置にレチクルRの像が結像される。なお、投影光学系は、各種の収差補正レンズやコントラスト開口(図示されず)なども有している。
【0018】
ウェハステージ131には、図の左方に示す駆動装置132が接続されている。駆動装置132は、ドライバ134を介して、制御装置115に接続されている。また、ウェハステージ131には、図の右方に示すレーザ干渉計133が設置されている。レーザ干渉計133は、制御装置115に接続されている。レーザ干渉計133で計測されたウェハステージ131の正確な位置情報が制御装置115に入力される。それに基づき、制御装置115からドライバ134に指令が送出され、駆動装置132が駆動される。このようにして、ウェハステージ131の位置をリアルタイムで正確にフィードバック制御することができる。
【0019】
次に、この露光装置のレチクル搬送機装置を、図1(A)を参照して説明する。レチクル搬送装置は、露光装置外の保管庫(カセット)23に保管されているレチクルRを、遠隔操作により露光装置の光学鏡筒101内のステージ111に搬送する。
露光装置100の光学鏡筒101にはゲートバルブ19を介してロードチャンバ11が連通している。そして、このロードチャンバ11はゲートバルブ17を介してロードロック室13に連通している。ロードロック室13の入口は大気中に接続されており、この入口にはゲートバルブ15が設けられている。ロードロック室13には真空ポンプ(図示されず)が備えられて、室内を真空に引くことができる。
【0020】
レチクルを露光装置100の光学鏡筒101内に搬送するには、まず、露光装置外に設置されているカセット23内のレチクルRをマニュピレータ21で取り出し、プリアライナ25に搬送し、プリアライメントを行う。
【0021】
プリアライメント終了後、マニュピレータ21にてレチクルRをプリアライナ25から取り出す。そして、ロードロック室13のゲートバルブ15を開けて、同マニュピレータ21によってレチクルRをロードロック室13内に搬送する。
その後、ゲートバルブ15を閉め、ロードロック室13内を、目的の真空度に達するまで真空に引く。
なお、図中のハッチング入り矢印は、マニュピレータ21によるレチクルRの搬送経路を示す。
【0022】
ロードロック室13内が所定の真空度に達すると、ロードロック室13とロードチャンバ21間のゲートバルブ17が開かれる。そして、ロードチャンバ11に備えられたマニュピレータ27によって、ロードロック室13からレチクルが取り出され、一旦ロードチャンバ11内に搬送された後、ゲートバルブ17が閉められる。その後、ロードチャンバ11と光学鏡筒101間のゲートバルブ19を開き、マニュピレータ27でレチクルRをロードチャンバ11から光学鏡筒101へ搬送する。光学鏡筒101内のレチクルステージ111にはレチクルホルダ110が備えられており、レチクルRをステージ111に固定する。
なお、図中の白抜き矢印は、マニュピレータ27によるレチクルRの搬送経路を示す。
【0023】
次に、図1(B)を参照してマニュピレータの構造の一例について説明する。
マニュピレータ21、27は、レチクルをXYZ方向に自由に移動させる。マニュピレータ21、27は、主に、ベース51、第1アーム53、第2アーム59、保持部材63などから構成される。第1アーム53の一端は、ベース51上の軸55にXY平面内を回動可能、かつ、Z軸方向に移動可能に取り付けられている。同第1アーム53の他端には、ロッド57によって第2アーム59の一端がXY平面内を回動可能に取り付けられている。さらに、第2アーム59の他端には、ロッド61によって保持部材63がXY平面内を回動可能に取り付けられている。この保持部材63上にレチクル等の被搬送物が載せられる。上述の第1アーム53、第2アーム59、保持部材63、ロッド57、61は非磁性材料で作製されている。
【0024】
マニュピレータは、各アームのXY平面内での回動や、第1アーム53のZ軸方向への伸縮によって、レチクルを搬送する。このとき、可動部材であるアームやロッドは非磁性材料で作製されているため、これらの部材が動いても“動き”に伴う磁場変動が生じにくい。このため、露光操作と搬送操作を同時に行っても、マニュピレータ稼動による磁場変動が発生せず、荷電粒子線の軌道へ影響を与えない。
【0025】
ウェハ搬送装置のマニュピレータも、レチクル搬送装置のマニュピレータと同様の構成・作用を有する。これにより、ウェハ上においても、マニュピレータ稼動による磁場変動が生じにくく、パターンを精度よく転写できる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、マニュピレータを非磁性材料で作製することによって、マニュピレータ作動時の磁場変動を抑えることができる。これにより、スループットを低下させず、パターン形成精度を向上させた荷電粒子線露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置を説明する図であり、図1(A)はレチクル搬送部分を模式的に説明する平面図であり、図1(B)はマニュピレータの側面図である。
【図2】図1の露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
【図3】マニュピレータの運動による磁場強度を測定したグラフである。
【符号の説明】
11 ロードチャンバ 13 ロードロック室
15、17、19 ゲートバルブ 21、27 マニュピレータ
23 保管庫(カセット) 25 プリアライナ
51 ベース 53 第1アーム
55 軸 57 ロッド
59 第2アーム 61 ロッド
63 保持部材
100 露光装置 102 光学鏡筒
110 レチクルホルダ 111 ステージ
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイス等のリソグラフィに使用される荷電粒子線露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビームやイオンビーム等の荷電粒子線を用いた露光装置には、感応基板(ウェハ)やパターン原版(レチクル、マスク)を搬送するロボット(マニュピレータ)が備えられている。このマニュピレータは、ウェハやレチクルを、保管庫からロードロック室を経て、真空に維持された装置内に搬入したり、露光が終わったウェハやレチクルをロードロック室を経て外部に搬出する。このマニュピレータは、アーム等の可動部材、ボールネジ、ベアリング等の部品で構成され、その部品の多くは磁性材料で作製される。
【0003】
このような露光装置においては、一般的に、レチクル上のパターンをウェハ上に転写する露光操作と、マニュピレータによるレチクルやウェハの搬送操作とを同時に行い、スループットを向上させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、露光操作時にマニュピレータを作動させると、磁場が発生し、この外乱磁場により荷電粒子線の軌道が曲がり、感応基板上のパターンが歪むことがある。外乱磁場の成分としては、マニュピレータのモータ等に内蔵されている磁性材料からのDC外乱、マニュピレータに通電したときに発生するDC/AC外乱、マニュピレータ駆動時に発生するDC/AC外乱等が挙げられる。この中で、特に、マニュピレータを駆動させた際の、可動部材であるアーム等の磁性部材の動きによる磁場変動の影響が大きい。
【0005】
マニュピレータのモータから発生する磁場の電子光学系への影響は、モータと光学系の光軸との距離の二乗に逆比例して減少する。このため、アームの可動範囲の広いマニュピレータでは、マニュピレータ本体を光軸から離して設置することにより、モータの影響による磁場の外乱を減少させることができる。しかしアーム自体が磁性体である場合は、アームの稼動範囲が広いことと、搬送時にアームが光軸中心に近づくことにより、マニュピレータ本体と光軸との距離に関係なく磁場変動が発生する。
【0006】
図3は、マニュピレータの運動による磁場強度を測定したグラフである。縦軸は出力値、横軸は時間を示す。
このグラフは、ロボット(マニュピレータ)を周期的に上下運動させ、ロボットの中心位置から約300mm離れた位置で磁場強度を測定したものである。ロボットの構成部品の材質はステンレス鋼であり、磁性を持っている。磁場強度の測定は3軸DCセンサー(DC〜5Hz、分解能5μGauss)を用いて行った。
グラフ中の実線は測定点でのX方向、一点鎖線は同点でのY方向、破線は同点でのZ方向の磁場強度の出力値を示す。
【0007】
グラフから、ロボットの上下運動の際に、X方向においては約6.8mG、Y方向には約2.0mG、Z方向には約0.4mGの磁場変動が生じることがわかった。
【0008】
このような外乱磁場の発生を抑えるために、従来よりアクティブ磁場キャンセラーが用いられている。アクティブ磁場キャンセラーは、露光装置の周囲を取り囲むヘルムホルツコイルや、装置の周囲の磁場を測定するガウスメータ等を備えており、ガウスメータの測定値の基づいてコイルへの供給電流を制御して外乱磁場の方向と逆方向の磁場を発生させ、外乱磁場を打ち消している。しかしながら、発生する磁場の強度が大きいことやガウスメータのサイズの制限などにより、ガウスメータを本来磁場キャンセルしたい空間(ターゲット空間)へ設置することが困難であった。そのため、ガウスメータの周囲に小型の補正コイルを巻き、この補正コイルで、ガウスメータの実際の設置位置とターゲット空間との磁場の偏差を補正している。しかし、複数の磁場発生源が順次稼動するようなマニュピレータにおいては、ガウスメータの設置空間の磁場とターゲット空間の磁場とが1対1に対応するとは限らないので、外乱磁場のキャンセルを正確に行うことができなかった。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、マニュピレータ作動時の磁場変動を抑え、パターン形成精度を向上させた荷電粒子線露光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の荷電粒子線露光装置は、 荷電粒子線を感応基板上に選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、 前記感応基板及び/又はパターン原版を搬送するマニュピレータの可動部材が非磁性材料からなることを特徴とする。
マニュピレータの可動部材を非磁性材料としたことにより、露光操作時にマニュピレータの可動部材が動いても磁場変動は生じにくくなる。このため、パターン形成精度を低下させることなく、マニュピレータ稼動と露光操作とを同時に行える荷電粒子線露光装置を提供できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の露光装置を説明する図であり、図1(A)はレチクル搬送部分を模式的に説明する平面図であり、図1(B)はマニュピレータの側面図である。
図2は、図1の露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
まず、図2を参照して、露光装置全体の構成を説明する。
【0012】
電子線露光装置100の上部には、光学鏡筒101が配置されている。光学鏡筒101には、真空ポンプ(図示されず)が接続されており、光学鏡筒101内を真空排気している。
【0013】
光学鏡筒(レチクルチャンバも含む)101の上部には、電子銃103が配置されており、下方に向けて電子線を放射する。電子銃103の下方には、順にコンデンサレンズ104、電子線偏向器105、レチクル(原版パターン)Rが配置されている。光学鏡筒101には、ロードチャンバ11やロードロック室13等から構成されるレチクル搬送機構が接続している。レチクル搬送機構の詳細な構造については後述する。
電子銃103から放射された電子線は、コンデンサレンズ104によって収束される。続いて、偏向器105により図の横方向に順次走査され、光学系の視野内にあるレチクルRの各小領域(サブフィールド)の照明が行われる。なお、照明光学系は、ビーム成形開口やブランキング開口等(図示されず)も有している。
【0014】
レチクルRは、レチクルステージ111の上部に設けられたチャック110に静電吸着等により固定されている。レチクルステージ111は、マウントボディ116に載置されている。
【0015】
レチクルステージ111には、図の左方に示す駆動装置112が接続されている。駆動装置112は、ドライバ114を介して、制御装置115に接続されている。また、レチクルステージ111には、図の右方に示すレーザ干渉計113が設置されている。レーザ干渉計113は、制御装置115に接続されている。
レーザ干渉計113で計測されたレチクルステージ111の正確な位置情報が制御装置115に入力される。それに基づき、制御装置115からドライバ114に指令が送出され、駆動装置112が駆動される。このようにして、レチクルステージ111の位置をリアルタイムで正確にフィードバック制御することができる。
【0016】
マウントボディ116の下方には、ウェハチャンバ106(真空チャンバ)が示されている。ウェハチャンバ106には、真空ポンプ(図示されず)が接続されており、チャンバ内を真空排気している。ウェハチャンバ106には、ロードチャンバ41やロードロック室43等から構成されるウェハ搬送装置が接続している。
ウェハチャンバ106内の投影光学系鏡筒(図示されず)には、コンデンサレンズ124、偏向器125等が配置されている。さらにその下方のウェハチャンバ106の底面上には、ウェハステージ131が載置されている。ウェハステージ131の上部には、チャック130が設けられており、静電吸着等によりウェハ(感応基板)Wが固定されている。
【0017】
レチクルRを通過した電子線は、コンデンサレンズ124により収束される。
コンデンサレンズ124を通過した電子線は、偏向器125により偏向され、ウェハW上の所定の位置にレチクルRの像が結像される。なお、投影光学系は、各種の収差補正レンズやコントラスト開口(図示されず)なども有している。
【0018】
ウェハステージ131には、図の左方に示す駆動装置132が接続されている。駆動装置132は、ドライバ134を介して、制御装置115に接続されている。また、ウェハステージ131には、図の右方に示すレーザ干渉計133が設置されている。レーザ干渉計133は、制御装置115に接続されている。レーザ干渉計133で計測されたウェハステージ131の正確な位置情報が制御装置115に入力される。それに基づき、制御装置115からドライバ134に指令が送出され、駆動装置132が駆動される。このようにして、ウェハステージ131の位置をリアルタイムで正確にフィードバック制御することができる。
【0019】
次に、この露光装置のレチクル搬送機装置を、図1(A)を参照して説明する。レチクル搬送装置は、露光装置外の保管庫(カセット)23に保管されているレチクルRを、遠隔操作により露光装置の光学鏡筒101内のステージ111に搬送する。
露光装置100の光学鏡筒101にはゲートバルブ19を介してロードチャンバ11が連通している。そして、このロードチャンバ11はゲートバルブ17を介してロードロック室13に連通している。ロードロック室13の入口は大気中に接続されており、この入口にはゲートバルブ15が設けられている。ロードロック室13には真空ポンプ(図示されず)が備えられて、室内を真空に引くことができる。
【0020】
レチクルを露光装置100の光学鏡筒101内に搬送するには、まず、露光装置外に設置されているカセット23内のレチクルRをマニュピレータ21で取り出し、プリアライナ25に搬送し、プリアライメントを行う。
【0021】
プリアライメント終了後、マニュピレータ21にてレチクルRをプリアライナ25から取り出す。そして、ロードロック室13のゲートバルブ15を開けて、同マニュピレータ21によってレチクルRをロードロック室13内に搬送する。
その後、ゲートバルブ15を閉め、ロードロック室13内を、目的の真空度に達するまで真空に引く。
なお、図中のハッチング入り矢印は、マニュピレータ21によるレチクルRの搬送経路を示す。
【0022】
ロードロック室13内が所定の真空度に達すると、ロードロック室13とロードチャンバ21間のゲートバルブ17が開かれる。そして、ロードチャンバ11に備えられたマニュピレータ27によって、ロードロック室13からレチクルが取り出され、一旦ロードチャンバ11内に搬送された後、ゲートバルブ17が閉められる。その後、ロードチャンバ11と光学鏡筒101間のゲートバルブ19を開き、マニュピレータ27でレチクルRをロードチャンバ11から光学鏡筒101へ搬送する。光学鏡筒101内のレチクルステージ111にはレチクルホルダ110が備えられており、レチクルRをステージ111に固定する。
なお、図中の白抜き矢印は、マニュピレータ27によるレチクルRの搬送経路を示す。
【0023】
次に、図1(B)を参照してマニュピレータの構造の一例について説明する。
マニュピレータ21、27は、レチクルをXYZ方向に自由に移動させる。マニュピレータ21、27は、主に、ベース51、第1アーム53、第2アーム59、保持部材63などから構成される。第1アーム53の一端は、ベース51上の軸55にXY平面内を回動可能、かつ、Z軸方向に移動可能に取り付けられている。同第1アーム53の他端には、ロッド57によって第2アーム59の一端がXY平面内を回動可能に取り付けられている。さらに、第2アーム59の他端には、ロッド61によって保持部材63がXY平面内を回動可能に取り付けられている。この保持部材63上にレチクル等の被搬送物が載せられる。上述の第1アーム53、第2アーム59、保持部材63、ロッド57、61は非磁性材料で作製されている。
【0024】
マニュピレータは、各アームのXY平面内での回動や、第1アーム53のZ軸方向への伸縮によって、レチクルを搬送する。このとき、可動部材であるアームやロッドは非磁性材料で作製されているため、これらの部材が動いても“動き”に伴う磁場変動が生じにくい。このため、露光操作と搬送操作を同時に行っても、マニュピレータ稼動による磁場変動が発生せず、荷電粒子線の軌道へ影響を与えない。
【0025】
ウェハ搬送装置のマニュピレータも、レチクル搬送装置のマニュピレータと同様の構成・作用を有する。これにより、ウェハ上においても、マニュピレータ稼動による磁場変動が生じにくく、パターンを精度よく転写できる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、マニュピレータを非磁性材料で作製することによって、マニュピレータ作動時の磁場変動を抑えることができる。これにより、スループットを低下させず、パターン形成精度を向上させた荷電粒子線露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置を説明する図であり、図1(A)はレチクル搬送部分を模式的に説明する平面図であり、図1(B)はマニュピレータの側面図である。
【図2】図1の露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
【図3】マニュピレータの運動による磁場強度を測定したグラフである。
【符号の説明】
11 ロードチャンバ 13 ロードロック室
15、17、19 ゲートバルブ 21、27 マニュピレータ
23 保管庫(カセット) 25 プリアライナ
51 ベース 53 第1アーム
55 軸 57 ロッド
59 第2アーム 61 ロッド
63 保持部材
100 露光装置 102 光学鏡筒
110 レチクルホルダ 111 ステージ
Claims (1)
- 荷電粒子線を感応基板上に選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、
前記感応基板及び/又はパターン原版を搬送するマニュピレータの可動部材が非磁性材料からなることを特徴とする荷電粒子線露光装置。
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