JP2004038581A - 表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波タッチパネルに固着される圧電体を、超音波伝搬基板上の突起としないことにより、耐衝撃性、耐擦傷性が高く、圧電体固着後の取扱いが容易なタッチパネルを表示用ディスプレイに搭載した表示装置を提供すること。
【解決手段】圧電体2が伝搬基板1に固着されたタッチパネルと、表示用ディスプレイ8からなる表示装置であって、伝搬基板1上面の圧電体2固着部位に、圧電体2の高さより高い溝4を形成し、圧電体2を溝4に収納する構造とする。
【選択図】 図1
【解決手段】圧電体2が伝搬基板1に固着されたタッチパネルと、表示用ディスプレイ8からなる表示装置であって、伝搬基板1上面の圧電体2固着部位に、圧電体2の高さより高い溝4を形成し、圧電体2を溝4に収納する構造とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、時計や携帯機器、電子手帳または、各種装置に使用されている表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波タッチパネルを搭載した表示装置は、非圧電性の超音波伝搬基板(以後、伝搬基板とする)と伝搬基板にとりつけられた圧電体から成る超音波タッチパネルと、液晶ディスプレイやCRTなどの表示装置から成っている。圧電体にはすだれ状電極が形成されており、超音波トランスデューサとして機能する。
【0003】
従来の超音波タッチパネルの例を図7の断面図、図8の斜視図に示す。伝搬基板1上面に圧電体2が対向して固着されている。圧電体2上面には、すだれ状電極3が備えてある。これは、特開平6−46496に示される超音波トランスデューサを伝搬基板1上面に固着した物である。圧電体2は伝搬基板1の各辺に沿って複数個取付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の構造では、タッチパネルは圧電体が伝搬基板上面に固着されているために、圧電体が突起になっている。従って強度上、製造上、外観上不利であった。つまり、圧電体に衝撃を受けやすく、摩擦に弱かった。また該タッチパネル上に偏向板、反射防止フィルムを貼り付ける際の障害となっており、伝搬基板の4辺に突起構造があるために、フィルムと伝搬基板との間に気泡が入りやすくなっていた。また表示装置筐体の該圧電体部を凸状にする必要が有り、デザイン上制約があった。
【0005】
本発明は以上の問題を解決し、取り扱い容易な構造の超音波タッチパネルを搭載した表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体が非圧電性の超音波伝播基板(以後伝搬基板とする)に固着されてなるタッチパネルと、表示用ディスプレイから成る表示装置において、伝搬基板の圧電体を固着する部位に溝もしくは段差が形成されており、圧電体が溝もしくは段差に収納されていることを特徴としている。
【0007】
これにより、圧電体が伝搬基板上で突起にならなくなる。従って衝撃や摩擦を圧電体のみに受ける可能性は低減した。取扱う上では、平板状の非圧電性基板と同様の扱いが出来、偏光板、反射防止フィルムの貼付けが容易になる。外観上突起が無いため、高さ方向のデザインの制約は生じなくなる。伝搬基板外周部に位置する溝、段差の幅は機器筐体内部に入れねばならないが、タッチパネル下部に取付けられる表示用ディスプレイの画像部外周にあるデッドスペースの方が幅が広いため、問題にならない。
【0008】
さらに溝、段差を形成する伝搬基板の構成として、伝搬基板が、圧電体を固着するための非圧電基板と、非圧電基板と略同一の音響インピーダンスを有する基材とから構成されており、圧電体の高さより高い基材が非圧電基板上の圧電体を固着する部位以外に貼り付けられていることを特徴としている。
【0009】
これにより、溝、段差を形成する工程に特別な加工は必要無くなり、二枚の平板の非圧電性基材を貼り付けるのみとなる。超音波タッチパネルの作製や部材コストの面から有利となる。
【0010】
表示用ディスプレイと伝搬基板との位置関係に関しては、伝搬基板の対向するに面a,bの内、タッチパネルに接触するための作用面aに対向する面bと、表示用ディスプレイとが、密着して固着されていることを特徴としている。
【0011】
これにより、表示用ディスプレイと伝搬基板作用面aとの距離が、伝搬基板の厚みとなり、視差を非常に小さくすることが出来る。また、表示用ディスプレイと伝搬基板の間に空隙がある場合、光が多重反射を強く起こし画面が非常に見づらくなるが、本構造によればこの多重反射を低減することが出来る。更に伝搬基板と表示用ディスプレイとが密着して固定されているために、強度を向上することが出来る。
【0012】
更に、圧電体が面bに固着されており、圧電体を固着する部位以外に貼り付けられている基材が樹脂であることを特徴としている。
【0013】
上記では表示装置は基材に密着して取り付けられるため、基材が樹脂であることにより、超音波タッチパネルに強い衝撃が加わった際の表示装置への応力を小さくすることが出来る。
【0014】
超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体が超音波伝搬可能な非圧電基板に固着されてなるタッチパネルと、表示用ディスプレイから成る表示装置であり、非圧電基板の圧電体が固着している板面側に表示用ディスプレイが取付けられている表示装置の製造方法に関しては、非圧電基板と圧電体とを固着する工程と、圧電体と表示用ディスプレイとの間に空隙を設けて表示用ディスプレイと非圧電基板とを固定する工程と、表示用ディスプレイと非圧電基板との間隙に封止剤を注入し硬化する工程とから成ることを特徴としている。
【0015】
これにより、非圧電基板と封止剤とから構成される超音波伝搬基板に、圧電体を取付けるための溝もしくは段差が生じ、圧電体は突起にならなくなる。また超音波伝搬基板と表示用ディスプレイとは密着して固定することが出来るようになる。
【0016】
表示用ディスプレイと非圧電基板とを固定する工程は、例えば、両者を仮固定する取付枠を用いる方法や不要部分に支柱を設けて固定する方法がある。
【0017】
また封止剤注入、硬化工程において、封止剤に紫外線硬化型樹脂を用いると硬化時間が短く出来、製造効率が高くなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図1を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面、つまり、伝搬基板1に固着された面と対向する面には、すだれ状電極3が形成されている。伝搬基板1の圧電体2固着部位は溝4になっており、溝4の深さは圧電体2の厚みより深いため、圧電体2は完全に溝4に収納されている。
【0019】
図2に表示用ディスプレイ8に図1のタッチパネルを搭載した例を示す。図2では、表示用ディスプレイ8を伝搬基板1の圧電体2と対向する面側に密着して取付ける。伝搬基板1と表示用ディスプレイ8との固定は、紫外線硬化型接着剤を用いる。接着剤層11の厚みは10μm程度であり、視差を生じる程の厚みではない。また、表示用ディスプレイ8上には、表示用ディスプレイ駆動ICが固定される。
【0020】
また、圧電体2取付位置を段差5とした例を図3に示す。図1とは、溝4を段差5とした以外は、同様の構造となっている。
【0021】
各々の寸法は、伝搬基板1の厚さを800μm、圧電体2の厚さを300μm、溝4及び段差5の深さを400μmとする。溝4、段差5の形成は、ガラス成形時に行う。
【0022】
尚、本タッチパネルは、矩形の非圧電性の伝搬基板1各辺に沿って、伝搬基板1上面に、矩形の圧電体2が複数個固着されており、圧電体2が固着された各辺に対向した各辺に沿って、同様の圧電体が複数個固着されている。一方の圧電体2のすだれ状電極3に高周波が印加されることにより、逆圧電効果により超音波が発生する。超音波は伝搬基板1上を通った後、対向する圧電体2に伝搬する。対向する圧電体2は、超音波を発生する圧電体2と同様の構造をしており、伝搬した超音波は圧電効果により、電気信号に変換される。伝搬基板1上を接触するなどして伝搬超音波の強度が減衰すると、この電気信号の電圧が低下し、接触を検出することが出来る。
【0023】
本構造では、圧電体2が突起になっていないため、上面からの衝撃を圧電体2のみで受けることが無くなる。また側面からの打撃や鍵状の物での引っかけといった衝撃を受けることも無くなる。また圧電体2上部は、伝搬基板1上面より低い位置にあるため、摩擦で擦傷することも無い。従って非常に取り扱い易くなり、表示用ディスプレイや偏光板、反射防止用フィルムなどの取り付け効率が向上する。
【0024】
[実施の形態2]
図4は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体の構造を図4を用いて説明する。非圧電基板7上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面にはすだれ状電極3が形成されている。非圧電基板7の圧電体2固着部位以外には、非圧電基板7と類似の音響インピーダンスを有する基材6が貼り付けられている。基材6の高さは圧電体2の高さより高い。基材6と非圧電基板7の組合せは図2の伝搬基板1と同義である。本実施の形態では、基材6、非圧電基板7にソーダガラスを用いる。
【0025】
基材6、非圧電基板7は共に平板のソーダガラスであるため、部材コストを低く抑えることが出来る。また実施の形態1と同様に、耐衝撃性、耐擦傷性が高く、製造効率を高くすることが出来る。
【0026】
[実施の形態3]
図5は本発明のタッチパネルを表示用ディスプレイ8に搭載した表示装置の断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図5を用いて説明する。非圧電基板7下部に圧電体2が固着されている。圧電体2の下面には、すだれ状電極3が形成されている。非圧電基板7の圧電体2固着部位以外には、高さが圧電体2より高い基材6が貼り付けられている。更に基材6に密着して、表示用ディスプレイ8が固定されている。本実施の形態では基材6にアクリル系封止剤を用いている。
【0027】
図5の表示装置の製造方法を図6に示す。まず、非圧電基板7に圧電体2を固着する。次に、圧電体2側を表示用ディスプレイ8側にして、非圧電基板7と表示用ディスプレイ8を支持枠10を用いて固定する。その際、圧電体2と表示用ディスプレイ8の間隙を50μmとる。最後に、非圧電基板7と表示用ディスプレイ8との空隙に封止剤を注入し、硬化する。
【0028】
本作製方法では、基材6は圧電体2部位の段差5形成と、タッチパネルと表示用ディスプレイ8の固定を同時に兼ねている。従って基材6の貼付け、各部品の固定を同時に行うことができ、作業効率が向上する。また、強度の高い表示装置を作製することが可能となる。更に、圧電体2は表示用ディスプレイ8を駆動するIC9の上部に位置することになるため、表示スペースを遮ることがない。製品デザインにおいても制約の無い構造となる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、超音波を送受信する機能を有する、すだれ状電極を備えた圧電体が非圧電性の超音波伝播基板(以後伝搬基板とする)に固着されてなるタッチパネルと、表示用ディスプレイから成る表示装置において、伝搬基板の圧電体を固着する部位に溝もしくは段差が形成し、圧電体を溝もしくは段差に収納する。
【0030】
これにより、圧電体が伝搬基板上で突起にならなくなる。従って衝撃や摩擦を圧電体のみに受けにくくなる。また偏光板、反射防止フィルムの貼付けが容易になる。外観上突起が無いため、高さ方向のデザインの制約は生じなくなる。
【0031】
また、溝、段差を、サイズの異なる非圧電基板と非圧電性基材とを貼り合せることにより形成する。
【0032】
これにより部材コストが上がらず、容易に溝、段差を形成することが可能となる。
【0033】
また、以上のタッチパネルを表示用ディスプレイに密着して取付ける。これにより、視差が小さく、光の多重反射が少なく、強度が高い表示装置を簡便に作製することが出来るようになる。
【0034】
圧電体を表示用ディスプレイ側に取付けた場合、非圧電性基材を封止剤で形成する。
【0035】
これにより作業効率が向上し、強度の高い表示装置を得ることが可能となる。
【0036】
以上、耐衝撃性、耐擦傷性が高く、取扱いが容易なタッチパネルを表示用ディスプレイに搭載する表示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態1のタッチパネルの断面図である。
【図2】本発明による実施の形態1の表示装置の断面図である。
【図3】本発明による実施の形態1のタッチパネルの断面図で図1と異なる構造を示す図である。
【図4】本発明による実施の形態2のタッチパネルの断面図である。
【図5】本発明による実施の形態3の表示装置の断面図である。
【図6】本発明による実施の形態3の表示装置の製造方法を示す図である。
【図7】従来のタッチパネルの断面図である。
【図8】従来のタッチパネルの斜視図である。
【符号の説明】
1 伝搬基板
2 圧電体
3 すだれ状電極
4 溝
5 段差
6 基材
7 非圧電基板
8 表示用ディスプレイ
9 表示用ディスプレイ駆動IC
10 支持枠
11 接着剤層
【発明の属する技術分野】
この発明は、時計や携帯機器、電子手帳または、各種装置に使用されている表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波タッチパネルを搭載した表示装置は、非圧電性の超音波伝搬基板(以後、伝搬基板とする)と伝搬基板にとりつけられた圧電体から成る超音波タッチパネルと、液晶ディスプレイやCRTなどの表示装置から成っている。圧電体にはすだれ状電極が形成されており、超音波トランスデューサとして機能する。
【0003】
従来の超音波タッチパネルの例を図7の断面図、図8の斜視図に示す。伝搬基板1上面に圧電体2が対向して固着されている。圧電体2上面には、すだれ状電極3が備えてある。これは、特開平6−46496に示される超音波トランスデューサを伝搬基板1上面に固着した物である。圧電体2は伝搬基板1の各辺に沿って複数個取付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の構造では、タッチパネルは圧電体が伝搬基板上面に固着されているために、圧電体が突起になっている。従って強度上、製造上、外観上不利であった。つまり、圧電体に衝撃を受けやすく、摩擦に弱かった。また該タッチパネル上に偏向板、反射防止フィルムを貼り付ける際の障害となっており、伝搬基板の4辺に突起構造があるために、フィルムと伝搬基板との間に気泡が入りやすくなっていた。また表示装置筐体の該圧電体部を凸状にする必要が有り、デザイン上制約があった。
【0005】
本発明は以上の問題を解決し、取り扱い容易な構造の超音波タッチパネルを搭載した表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体が非圧電性の超音波伝播基板(以後伝搬基板とする)に固着されてなるタッチパネルと、表示用ディスプレイから成る表示装置において、伝搬基板の圧電体を固着する部位に溝もしくは段差が形成されており、圧電体が溝もしくは段差に収納されていることを特徴としている。
【0007】
これにより、圧電体が伝搬基板上で突起にならなくなる。従って衝撃や摩擦を圧電体のみに受ける可能性は低減した。取扱う上では、平板状の非圧電性基板と同様の扱いが出来、偏光板、反射防止フィルムの貼付けが容易になる。外観上突起が無いため、高さ方向のデザインの制約は生じなくなる。伝搬基板外周部に位置する溝、段差の幅は機器筐体内部に入れねばならないが、タッチパネル下部に取付けられる表示用ディスプレイの画像部外周にあるデッドスペースの方が幅が広いため、問題にならない。
【0008】
さらに溝、段差を形成する伝搬基板の構成として、伝搬基板が、圧電体を固着するための非圧電基板と、非圧電基板と略同一の音響インピーダンスを有する基材とから構成されており、圧電体の高さより高い基材が非圧電基板上の圧電体を固着する部位以外に貼り付けられていることを特徴としている。
【0009】
これにより、溝、段差を形成する工程に特別な加工は必要無くなり、二枚の平板の非圧電性基材を貼り付けるのみとなる。超音波タッチパネルの作製や部材コストの面から有利となる。
【0010】
表示用ディスプレイと伝搬基板との位置関係に関しては、伝搬基板の対向するに面a,bの内、タッチパネルに接触するための作用面aに対向する面bと、表示用ディスプレイとが、密着して固着されていることを特徴としている。
【0011】
これにより、表示用ディスプレイと伝搬基板作用面aとの距離が、伝搬基板の厚みとなり、視差を非常に小さくすることが出来る。また、表示用ディスプレイと伝搬基板の間に空隙がある場合、光が多重反射を強く起こし画面が非常に見づらくなるが、本構造によればこの多重反射を低減することが出来る。更に伝搬基板と表示用ディスプレイとが密着して固定されているために、強度を向上することが出来る。
【0012】
更に、圧電体が面bに固着されており、圧電体を固着する部位以外に貼り付けられている基材が樹脂であることを特徴としている。
【0013】
上記では表示装置は基材に密着して取り付けられるため、基材が樹脂であることにより、超音波タッチパネルに強い衝撃が加わった際の表示装置への応力を小さくすることが出来る。
【0014】
超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体が超音波伝搬可能な非圧電基板に固着されてなるタッチパネルと、表示用ディスプレイから成る表示装置であり、非圧電基板の圧電体が固着している板面側に表示用ディスプレイが取付けられている表示装置の製造方法に関しては、非圧電基板と圧電体とを固着する工程と、圧電体と表示用ディスプレイとの間に空隙を設けて表示用ディスプレイと非圧電基板とを固定する工程と、表示用ディスプレイと非圧電基板との間隙に封止剤を注入し硬化する工程とから成ることを特徴としている。
【0015】
これにより、非圧電基板と封止剤とから構成される超音波伝搬基板に、圧電体を取付けるための溝もしくは段差が生じ、圧電体は突起にならなくなる。また超音波伝搬基板と表示用ディスプレイとは密着して固定することが出来るようになる。
【0016】
表示用ディスプレイと非圧電基板とを固定する工程は、例えば、両者を仮固定する取付枠を用いる方法や不要部分に支柱を設けて固定する方法がある。
【0017】
また封止剤注入、硬化工程において、封止剤に紫外線硬化型樹脂を用いると硬化時間が短く出来、製造効率が高くなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図1を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面、つまり、伝搬基板1に固着された面と対向する面には、すだれ状電極3が形成されている。伝搬基板1の圧電体2固着部位は溝4になっており、溝4の深さは圧電体2の厚みより深いため、圧電体2は完全に溝4に収納されている。
【0019】
図2に表示用ディスプレイ8に図1のタッチパネルを搭載した例を示す。図2では、表示用ディスプレイ8を伝搬基板1の圧電体2と対向する面側に密着して取付ける。伝搬基板1と表示用ディスプレイ8との固定は、紫外線硬化型接着剤を用いる。接着剤層11の厚みは10μm程度であり、視差を生じる程の厚みではない。また、表示用ディスプレイ8上には、表示用ディスプレイ駆動ICが固定される。
【0020】
また、圧電体2取付位置を段差5とした例を図3に示す。図1とは、溝4を段差5とした以外は、同様の構造となっている。
【0021】
各々の寸法は、伝搬基板1の厚さを800μm、圧電体2の厚さを300μm、溝4及び段差5の深さを400μmとする。溝4、段差5の形成は、ガラス成形時に行う。
【0022】
尚、本タッチパネルは、矩形の非圧電性の伝搬基板1各辺に沿って、伝搬基板1上面に、矩形の圧電体2が複数個固着されており、圧電体2が固着された各辺に対向した各辺に沿って、同様の圧電体が複数個固着されている。一方の圧電体2のすだれ状電極3に高周波が印加されることにより、逆圧電効果により超音波が発生する。超音波は伝搬基板1上を通った後、対向する圧電体2に伝搬する。対向する圧電体2は、超音波を発生する圧電体2と同様の構造をしており、伝搬した超音波は圧電効果により、電気信号に変換される。伝搬基板1上を接触するなどして伝搬超音波の強度が減衰すると、この電気信号の電圧が低下し、接触を検出することが出来る。
【0023】
本構造では、圧電体2が突起になっていないため、上面からの衝撃を圧電体2のみで受けることが無くなる。また側面からの打撃や鍵状の物での引っかけといった衝撃を受けることも無くなる。また圧電体2上部は、伝搬基板1上面より低い位置にあるため、摩擦で擦傷することも無い。従って非常に取り扱い易くなり、表示用ディスプレイや偏光板、反射防止用フィルムなどの取り付け効率が向上する。
【0024】
[実施の形態2]
図4は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体の構造を図4を用いて説明する。非圧電基板7上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面にはすだれ状電極3が形成されている。非圧電基板7の圧電体2固着部位以外には、非圧電基板7と類似の音響インピーダンスを有する基材6が貼り付けられている。基材6の高さは圧電体2の高さより高い。基材6と非圧電基板7の組合せは図2の伝搬基板1と同義である。本実施の形態では、基材6、非圧電基板7にソーダガラスを用いる。
【0025】
基材6、非圧電基板7は共に平板のソーダガラスであるため、部材コストを低く抑えることが出来る。また実施の形態1と同様に、耐衝撃性、耐擦傷性が高く、製造効率を高くすることが出来る。
【0026】
[実施の形態3]
図5は本発明のタッチパネルを表示用ディスプレイ8に搭載した表示装置の断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図5を用いて説明する。非圧電基板7下部に圧電体2が固着されている。圧電体2の下面には、すだれ状電極3が形成されている。非圧電基板7の圧電体2固着部位以外には、高さが圧電体2より高い基材6が貼り付けられている。更に基材6に密着して、表示用ディスプレイ8が固定されている。本実施の形態では基材6にアクリル系封止剤を用いている。
【0027】
図5の表示装置の製造方法を図6に示す。まず、非圧電基板7に圧電体2を固着する。次に、圧電体2側を表示用ディスプレイ8側にして、非圧電基板7と表示用ディスプレイ8を支持枠10を用いて固定する。その際、圧電体2と表示用ディスプレイ8の間隙を50μmとる。最後に、非圧電基板7と表示用ディスプレイ8との空隙に封止剤を注入し、硬化する。
【0028】
本作製方法では、基材6は圧電体2部位の段差5形成と、タッチパネルと表示用ディスプレイ8の固定を同時に兼ねている。従って基材6の貼付け、各部品の固定を同時に行うことができ、作業効率が向上する。また、強度の高い表示装置を作製することが可能となる。更に、圧電体2は表示用ディスプレイ8を駆動するIC9の上部に位置することになるため、表示スペースを遮ることがない。製品デザインにおいても制約の無い構造となる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、超音波を送受信する機能を有する、すだれ状電極を備えた圧電体が非圧電性の超音波伝播基板(以後伝搬基板とする)に固着されてなるタッチパネルと、表示用ディスプレイから成る表示装置において、伝搬基板の圧電体を固着する部位に溝もしくは段差が形成し、圧電体を溝もしくは段差に収納する。
【0030】
これにより、圧電体が伝搬基板上で突起にならなくなる。従って衝撃や摩擦を圧電体のみに受けにくくなる。また偏光板、反射防止フィルムの貼付けが容易になる。外観上突起が無いため、高さ方向のデザインの制約は生じなくなる。
【0031】
また、溝、段差を、サイズの異なる非圧電基板と非圧電性基材とを貼り合せることにより形成する。
【0032】
これにより部材コストが上がらず、容易に溝、段差を形成することが可能となる。
【0033】
また、以上のタッチパネルを表示用ディスプレイに密着して取付ける。これにより、視差が小さく、光の多重反射が少なく、強度が高い表示装置を簡便に作製することが出来るようになる。
【0034】
圧電体を表示用ディスプレイ側に取付けた場合、非圧電性基材を封止剤で形成する。
【0035】
これにより作業効率が向上し、強度の高い表示装置を得ることが可能となる。
【0036】
以上、耐衝撃性、耐擦傷性が高く、取扱いが容易なタッチパネルを表示用ディスプレイに搭載する表示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態1のタッチパネルの断面図である。
【図2】本発明による実施の形態1の表示装置の断面図である。
【図3】本発明による実施の形態1のタッチパネルの断面図で図1と異なる構造を示す図である。
【図4】本発明による実施の形態2のタッチパネルの断面図である。
【図5】本発明による実施の形態3の表示装置の断面図である。
【図6】本発明による実施の形態3の表示装置の製造方法を示す図である。
【図7】従来のタッチパネルの断面図である。
【図8】従来のタッチパネルの斜視図である。
【符号の説明】
1 伝搬基板
2 圧電体
3 すだれ状電極
4 溝
5 段差
6 基材
7 非圧電基板
8 表示用ディスプレイ
9 表示用ディスプレイ駆動IC
10 支持枠
11 接着剤層
Claims (5)
- 超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体が非圧電性の伝搬基板に固着されてなるタッチパネルと、表示用ディスプレイから成る表示装置であって、前記伝搬基板の前記圧電体を固着する部位に溝もしくは段差が形成されており、前記圧電体が前記溝もしくは前記段差に収納されていることを特徴とする表示装置。
- 前記伝搬基板が、前記圧電体を固着するための非圧電基板と、前記非圧電基板と略同一の音響インピーダンスを有する基材とから構成されており、前記圧電体の高さより高い前記基材が前記非圧電基板上の圧電体を固着する部位以外に貼り付けられていることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記伝搬基板と表示用ディスプレイが対向して配置され、前記伝搬基板の、前記表示用ディスプレイと対向する側の面と、前記表示用ディスプレイとが、密着して固着されていることを特徴とする請求項1もしくは2記載の表示装置。
- 前記圧電体が前記伝搬基板の、前記表示用ディスプレイと対向する側の面に固着されており、前記圧電体を固着する部位以外に貼り付けられている前記基材が樹脂であることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
- 超音波を送受信する機能を有し、すだれ状電極を備えた圧電体が、超音波伝搬可能な非圧電基板に固着されてなるタッチパネルと、表示用ディスプレイから成る表示装置であり、前記非圧電基板の前記圧電体が固着している板面側に前記表示用ディスプレイが取付けられている表示装置の製造方法であって、
前記非圧電基板と前記圧電体とを固着する工程と、
前記圧電体と表示用ディスプレイとの間に空隙を設けて前記表示用ディスプレイと前記非圧電基板とを固定する工程と、
前記表示用ディスプレイと前記非圧電基板との間隙に封止剤を注入し硬化する工程とを含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
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2002
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