JP2004037997A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Tomoyuki Ichikawa
市川 智之
Hiroshi Nakai
中井 洋志
Hajime Koyama
小山 一
Hisafumi Shoji
庄司 尚史
Takeo Tsukamoto
塚本 武雄
Atsuka Matsuura
松浦 熱河
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】トナー、キャリアよりなる二成分現像剤を搬送しつつ攪拌する搬送攪拌手段を有し、補給トナーを加えつつ搬送攪拌して現像に供する現像剤攪拌搬送室を備えた現像装置において、経時劣化にともない流動性が低下した現像剤を用いた場合においても、トナー補給時の画像上地肌汚れや、ベタ追従性不良の課題が起こらない現像装置及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】補給トナーを含む二成分現像剤に対して超音波振動を与える超音波振動手段12をトナー補給用開口部9よりも現像剤搬送方向の下流側近傍に設置した。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンター等に用いられる現像装置及びこの現像装置を使用した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の複写機、プリンター等に用いられる現像装置において、トナーとキャリアよりなる二成分現像剤を用いるものがあるが、二成分現像剤を用いた現像装置では、特に低画像面積チャート通紙時においてトナー消費が少なく現像剤が装置内で循環する、という場合において、経時的に現像剤が劣化し、このため現像剤の流動性が低下する問題がある。
【0003】
また、現像剤の流動性は主にトナーに外添される添加剤の機能に依るところが大きく、経時の画像通紙においてこの添加剤がトナー内に埋没する所謂添加剤埋没により流動性が低下することが発明者の研究等でも確認されている。低流動化した現像剤を含む現像装置内にトナー補給が行われると、新たな補給トナーと経時の装置内既存の現像剤との帯電が不安定(逆帯電トナーの発生)になり、非画像部に地肌汚れを起こすという問題がある。
【0004】
また、低流動性の現像剤に補給トナーが円滑に混ざりきらない状態で現像剤が現像スリーブ上に不均一に汲みあがることで、黒ベタ画像連続通紙時に画像かすれなどが生じる、所謂、黒ベタ追従性不良の画質低下を起こす問題もある。
【0005】
そこで従来、現像剤の経時的な流動性の低下に起因した地肌汚れ、黒ベタ追従性不良を抑制する技術として、特開平5−119518号公報、特開平11−143115号公報にはトナーに外添する添加剤の埋没を抑制する手段を施すことで、また、特開2001−075304号公報には、経時での添加剤埋没にともなう特性変化の抑制をねらい、初期より添加剤を固定化(埋め込み)する手段を施すことにより、これらの解決を図る提案が開示されている。
【0006】
しかし、前記提案では、添加剤埋没の抑制、あるいは添加剤固定化等はトナーの経験的な処方設計に基づくところが大きく、その制御が容易でない。さらに、添加剤埋没を抑制する手段として現像装置における現像剤への低ストレス化が挙げられるが、現像剤への帯電には現像剤にストレスを与える摩擦帯電を利用しているため、低ストレス化と帯電付与機能低下との両立が難しく、やはり現像剤劣化に起因するトナー補給時の地肌汚れ、黒ベタ追従性低下の抑制には十分であるといえない。
【0007】
これに対し、本発明者らは鋭意研究の結果、前記の地肌汚れ、黒ベタ追従性不良等による画質劣化は、現像装置に補給される新たな補給トナーと現像装置内の現像剤中キャリアとの接触効率を上げることで改善されることを確認した。具体的には、現像装置に対して、補給トナーと現像剤中キャリアの接触をより活性化する手段を講じることになる。特に、補給トナーの流動性が低い場合には、その必要性が高くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、経時劣化にともない流動性が低下した現像剤を用いた場合においても、トナー補給時の画像上地肌汚れや、ベタ追従性不良の課題が起こらない現像装置及び画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を達成するため以下の構成とした。
(1). トナー、キャリアよりなる二成分現像剤を搬送しつつ攪拌する搬送攪拌手段を有し、補給トナーを加えつつ搬送攪拌して現像に供する現像剤攪拌搬送室を備えた現像装置において、
前記補給トナーを含む二成分現像剤に対して超音波振動を与える超音波振動手段を具備していることとした(請求項1)。
(2). (1)記載の現像装置において、前記超音波振動を、前記現像剤攪拌搬送室に設置した(請求項2)。
(3). (1)又は(2)記載の現像装置において、前記現像剤攪拌搬送室には、トナーを補給するトナー補給用開口部が設けられていて、前記超音波振動手段が、前記トナー補給用開口部よりも現像剤搬送方向の下流側近傍に設置されていることとした(請求項3)。
(4). (1)乃至(5)の何れか一つに記載の現像装置において、前記現像剤攪拌搬送室が、前記現像剤担持体を保持する側と前記トナー補給用開口部を有する側の二つに分離独立しており、これら二つの現像剤攪拌搬送室同士が振動吸収手段によって接続されていることとした(請求項4)。
(5). 現像剤を用いて潜像を可視像化することのできる現像装置を潜像担持体のまわりに配置していて、像担持体上に形成した潜像を前記現像装置で可視像化して最終的にシート状媒体に画像を得る画像形成装置において、前記現像装置として前記(1)乃至(4)記載の現像装置を用いていることとした(請求項5)。
(6).(5)記載の画像形成装置において、地肌ポテンシャル|vp1|(=非画像部電位−現像バイアス電位)が現像ポテンシャル|vp2|(=現像バイアス電位−画像部電位)に対して、常に|vp1|<0.45|vp2|の関係を満たすこととした(請求項6)。
【0010】
【発明の実施の形態】
[1]請求項1乃至3に対応する例
図1、2は本発明に係る現像装置の要部構成を示す概略構成図であり図1は現像装置の要部断面図、図2は現像装置の要部平面図をそれぞれ示している。図1において、紙面左側が前、右側が後、紙面を貫く奥側が右、手前側が左、そして、紙面上側が上、下側が下にそれぞれ対応し、図2において、紙面左側が左、右側が右、紙面を貫く奥側が下、手前側が上、そして、紙面上側が前、下側が後、にそれぞれ対応する。
【0011】
これらの図において、この現像装置20はその外形が左右方向に長い直方体状に形成された容器状のハウジング8内に組み立てられて、二成分現像剤を坦持し回転する非磁性体からなる現像スリーブ3aと、この現像スリーブ3aの内部に配設された複数磁極を有する磁石ローラ3bからなる現像ローラ2と、攪拌搬送部材たる第1攪拌搬送スクリュー4及び第2攪拌搬送スクリュー5等を備えている。
【0012】
これらの第1攪拌搬送スクリュー4及び第2攪拌搬送スクリュー5は現像剤を攪拌しながら搬送する機能を有し、これら第1攪拌搬送スクリュー4、第2攪拌搬送スクリュー5を囲むように形成されたハウジング8の内側を現像剤の攪拌搬送室と称する。
【0013】
この攪拌搬送室の前側の部位には現像剤担持体としての現像ローラ2が、ハウジング8の左右側壁部に軸支されて位置している。この現像ローラ2に隣り合い対峙するようにして第1攪拌搬送スクリュー4がハウジング8の左右側壁部に軸支されている。
【0014】
第1攪拌搬送スクリュー4に隣り合い、間に仕切り板11を介在した状態で第2攪拌搬送スクリュー5がハウジング8の左右側壁部に軸支されている。図2において、第1攪拌搬送スクリュー4の左端部であってハウジング8の左側壁に近い部にはパドル4Pが第1攪拌搬送スクリュー4と一体的に設けられている。同様に、第2攪拌搬送スクリュー5の右端部であってハウジング8の右側壁に近い部にはパドル5Pが第1攪拌搬送スクリュー4と一体的に設けられている。仕切り板11は左右方向について、これらパドル4Pとパドル5Pの位置を避け、これらパドル4P、5Pの内側に位置している。
【0015】
第2攪拌搬送スクリュー5は、その左側の端部が第1攪拌搬送スクリュー4の左端端部よりも左方に延びていて、この延びた部位はハウジング8で囲まれていて、この囲んでいるハウジング8の上方の一部に矩形の開口が形成され、この開口を介して外部と連通していて、この開口が新たなトナーを補給するトナー補給用開口部9を構成している。つまり、トナー補給用開口部9の下側に第2攪拌搬送スクリュー5が保持されている。
【0016】
以下、ハウジング8において、第1、第2攪拌搬送スクリュー4、5が配置されている室をそれぞれ第1攪拌搬送室4A、第2攪拌搬送室5Aと称する。ハウジング8の前側の端部は左右方向に沿って開口しており、現像ローラ2はこの前面開口(図1での左側)より露出した像坦持体である感光体ドラム1に臨むようにして所定の現像ギャップGpでハウジング8に軸支されている。
【0017】
現像ローラ2の上部に向けて現像剤の穂高規制部剤であるドクターブレード6がハウジング8より延出していて、その先端部が現像スリーブ3aにドクターギャップDgpで近接するように配置されている。なお図示していないが感光体ドラム1の周囲には、図1では図示を省略しているが、図5で後述するように上記現像装置の他、周知の作像プロセスに用いられる帯電装置151、光走査装置100、転写ローラ161、定着装置165、クリーニング手段157、その他のプロセス部材や装置等が設けられている。
【0018】
上記現像装置20において、第1攪拌搬送スクリュー4は感光体ドラム1の後側であって現像ローラ2の背後に、第2攪拌搬送スクリュー5はこの第1攪拌搬送スクリュー4の背後に、それぞれ位置する関係にあり、これら現像ローラ2、第1、第2攪拌搬送スクリュー4、5の回転軸線O2、O4、O5は互いに左右方向で平行な配置となっている。
【0019】
図2において、現像ローラ2を構成する現像スリーブ3aの回転軸2J、第1攪拌搬送スクリュー4の回転軸4J、第2攪拌搬送スクリュー5の回転軸5Jはそれぞれハウジング8の右側壁より外部に延出しており、この延出部にはそれぞれ、歯車2G、4G、5Gが固定されていて、互いに噛み合っている。
【0020】
これらの歯車の一つは図示しない駆動歯車により駆動され、これにより、図1に矢印で示すように、現像スリーブ3a及び第2攪拌搬送スクリュー5は反時計回り、第1攪拌搬送スクリュー4は時計回りの向きにそれぞれ回転駆動される。
【0021】
図2に示したように、第1、第2攪拌搬送スクリュー4、5は螺旋状の羽根部を有し、その巻き方向は、それぞれ駆動手段により回転される方向との関係で定めてあり、結果的に第1、第2攪拌搬送スクリュー4、5双方のスクリューによる現像剤の搬送方向が互い違いになるようにして現像剤を循環させるようにしている。
【0022】
本例では、第1攪拌搬送スクリュー4の回転により二成分現像剤は矢印で示すように左向きに、第2攪拌搬送スクリュー5の回転により二成分現像剤は矢印で示すように右向きにそれぞ攪拌されつつ搬送される。二成分現像剤は図1に散点状に表示している。図2では繁雑さを避けるため、図示を省略している。
【0023】
第1攪拌搬送室4A、第2攪拌搬送室5Aは仕切板11で殆ど仕切られているが、前記したように、第1、第2攪拌搬送スクリュー4、5の左右方向両端部では、パドル4P、5Pに対応した部位について、現像剤の受け渡しのために仕切られていない構成となっている。
【0024】
これにより二成分現像剤は第1攪拌搬送室4Aの左側ではパドル4Pにより第1攪拌搬送スクリュー4から第2攪拌搬送スクリュー5へ、第2攪拌搬送室5Aの右側ではパドル5Pにより第2攪拌搬送スクリュー5から第1攪拌搬送スクリュー4へ受け渡され、これにより、二成分現像剤は第1、第2攪拌搬送室内を循環する。循環経路は、既存の現像剤(トナー及びキャリア)については、第2攪拌搬送スクリュー5、パドル5P、第1攪拌搬送スクリュー4、パドル4P、第2攪拌搬送スクリュー5の順に辿るループであり、第1攪拌搬送スクリュー4に沿って攪拌搬送される間に、現像ローラ2に担持搬送されてドクターブレード6にて一定量のみが感光体ドラム1側に送られ、その他はドクターブレード6により掻き落とされて循環する。そして、循環の過程でさらに、これら既存の経時現像剤に、適宜トナー補給用開口部9から新たに補給トナーが加えられる。
【0025】
この補給トナーによるトナー補給は、現像に際してのトナー消費によるトナー濃度低下に伴なって行われる。つまり、現像剤のトナー濃度は、第2攪拌搬送スクリュー5が設けられた第2攪拌搬送室5Aの下部に取り付けられたトナー濃度検知用センサとしての磁気センサ10で検知されて、この検知結果に基づき、トナー量が不足していれば、トナー補給用開口部9に連結されたトナーボトルから新たなトナーが補給され、不足していなければ、補給されないように制御される。
【0026】
現像装置20の現像剤に超音波振動を与える手段として、本例では第2攪拌搬送室5A内に超音波振動子12を設置した。設置位置は第2攪拌搬送室5Aの下部で現像剤がトナー補給用開口部9を通過した直後(数十ミリ以内)に到る超音波振動子設置領域内の位置とする。図1に示した例では、ハウジング8の外面に取り付けている。
【0027】
超音波振動子12として、小型の圧電素子などを用い、振動を付与することで補給トナーを含む二成分現像剤の凝集をほぐす。超音波振動子12は攪拌搬送室内5Aの現像剤を振動させて攪拌搬送スクリューの機能と相俟って現像剤を攪拌させ、補給トナーと現像剤(中のキャリア)との混合を活性化して接触帯電を安定化させ、正規な極性に帯電させる。
【0028】
補給トナーと装置内既存の経時現像剤との帯電が安定すること(逆帯電トナーの発生がなくなる。)により、非画像部に地肌汚れを起こすという問題が解消し、また、現像剤の流動性がよくなることから現像剤に補給トナーが円滑に混ざり現像剤が現像スリーブ上に均一に汲みあがることで、黒ベタ画像連続通紙時に画像かすれなどが無くなり、黒ベタ追従性不良の画質低下がなくなる。
【0029】
このように、経時現像剤へのトナー補給による地肌汚れ、黒ベタ追従性不良の抑制の課題に対して、現像装置内に直接、二成分現像剤に対して超音波振動を与える手段を設けることで、流動性の低下した経時現像剤中のキャリアと新たな補給トナーとの接触を活性化させ、帯電を安定化させることで、上記課題を解決できる。特開平5−265324号公報における、トナー塊を分散する構成よりも、経時現像剤中のキャリアに対しても振動が与えられる点で効果が大である。
【0030】
次に、本実施の形態における現像剤、現像条件等について説明する。
【0031】
(a)トナー
トナーとして、以下に示す組成を有するものを用いた。
・スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体(共重合比83/17) 90部
(Mn=12000、Mw/Mn=24、Tg=54°C)
・カーボンブラック                     10部
・フェノール誘導体(ボントロンE89、オリエント化学社製)   2部
・ポリプロピレンワックス(サンワックス660P、三洋化成社製)  2部
これらの混合物をヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロールミルで約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後得られた混練物を粉砕分級し、分級品を得た。また、トナー粒子に外部添加される添加剤としては、酸化チタン、シリカ等の無機微粉体が好ましく、より効率的な帯電付与を与える効果がある。本例においてもこれを使用した。具体的には分級品100部に対しシリコーンオイル処理をしたシリカ微粒子0.8部と酸化チタン微粒子0.2部を添加混合してトナーを得た。トナー粒子については平均粒径が6.8μmのものを使用した。
【0032】
(b) キャリア
キャリアは、フェライトコア材に対し、シリコン樹脂溶液(信越化学社製)200部、カーボンブラック(キャボット社製)3部をトルエン中にて溶解分散させたコート液を流動層式スプレー法にて塗布し、コア材表面を被覆した後、300℃の電気炉で2時間焼成しシリコン樹脂コートキャリアを得た。なお、キャリア粒径については、粒径分布が比較的シャープで平均粒径が55μmのものを用いた。
【0033】
(c) 現像剤
上記のトナーとキャリアを混合し、本例に用いる現像剤を得た。トナーとキャリアの混合比は初期剤においてトナーの重量比が5〜7%の範囲となるよう調整した。この現像剤の帯電量は15〜30μC/g程度に調整した。本現像剤では経時的な現像剤劣化により帯電量が低下する傾向があるが、15μC/g以下となることはないようにした。なお、上記までに記載のトナー、およびキャリアの粒径分布測定は、コールターカウンターTAII型(米国コールターエレクトロニクス社)を使用し、またトナーの重量比、および帯電量の測定は公知のブローオフ測定器を常温常湿の環境で測定した。現像スリーブ上の現像剤より測定を行った。
(d) 現像条件
主な構成条件、現像条件を以下に羅列する。
【0034】
現像スリーブ(3a)の径:18mm、感光体ドラム(1)の径:30mm、現像ギャプ(Gp):0.77mm、ドクターギャップ(Dgp):0.65mm、
現像条件: 感光体ドラム(1)の帯電電位:−700V、画像部電位−100v、非画像部電位−650v、現像バイアス−480v
ここで本例における現像剤の流動性、トナー流動性について記載する。まず、現像剤の流動性であるが、ここでは経時20000枚通紙後の現像剤の流動性を、以下評価法により求めた。
【0035】
最初に現像装置内の攪拌搬送室より計りとった現像剤50gをJIS規格Z2504のカサ比重測定器にセットする。ここでカサ比重測定器についてであるが、現像剤をセットする絶縁性部材からなる円錐状の治具を用いた。該治具には円錐状の最下点にφ6mmの穴があけられており、現像剤セット前には現像剤がこぼれぬよう、ガラス状のすりきり部材がセットされる。このすりきり部材を外した時点から現像剤50gが全て落下しきるまでの時間(秒)をストップウォッチで測定し、その秒数を流動性の判断基準とした。これは砂時計と同じ原理であるので、秒数が大きい方が流動性が悪い、秒数が小さい方が流動性が良いと判断する。本測定では経時20000枚連続通紙後の現像剤なので、流動性が悪いと判断できた。
【0036】
次に、補給するトナーの流動性であるが、公知のパウダーテスター(ホソカワミクロン製)を用い、以下の方法より測定した。まずトナー5.0gを正確に秤量する。振動台に、上から100メッシュ(目開き150μm)、200メッシュ(目開き75μm)、400メッシュ(目開き38μm)の篩を重ねてセットする。秤量した5.0gのトナーを静かに100メッシュの篩上にのせ、振幅1mmで15秒間振動を与える。その後、各篩上に残ったトナー量を精秤する。結果をもとに以下の計算を行った。
【0037】
(100メッシュ上トナー量/5.0)×100=A、
(200メッシュ上トナー量/5.0)×100×(3/5)=B、
(400メッシュ上トナー量/5.0)×100×(1/5)=C、
トナー流動性(凝集度)[%]=A+B+C
上記により導かれるトナー流動性を、▲1▼流動性(凝集度)5%以下、▲2▼流動性(凝集度)5%〜10%、▲3▼流動性(凝集度)20%〜50%以上、の3種類に選んだ。
【0038】
[実験例1、比較例1]
かかる現像剤を搭載した現像装置において、以下要領の通り実験を行い、上記▲1▼〜▲3▼のトナーを補給した場合の「地肌汚れ」「黒ベタ追従性」について評価を行った。
【0039】
まず、補給時地肌汚れの評価であるが、Ricoh製のカラープリンターIpsio8000にて画像面積率6%チャートの連続画像通紙を行い、通紙後画像より目視にて総合的に判断した。評価レベルを○、△、×の3段階で評価した。○は「問題なし」、△は「若干問題がある」、×は「かなり程度が悪い」。とした。また、黒ベタ追従性の評価であるが、Ricoh製の従来複写機にて黒ベタ連続通紙を行った場合の黒ベタ画像の連続通紙枚数、具体的には画像上の黒ベタかすれ具合で判断した。評価レベルを○、△、×の3段階で評価した。○はかすれ発生のない黒ベタ通紙が連続20枚以上、△は連続20枚〜10枚、×は連続10枚以下とした。
【0040】
本実験を実験例1とする。また、これとほぼ同じ構成であり、ただし超音波振動子が設置されてない現像装置を用いて実験を行なった。これを比較例1とする。実験例1、比較例1の結果をまとめて表1に示した。
【0041】
超音波振動子12を用いた実験例1では補給トナー流動性が良くても悪くても、かかるトナー流動性に関わらず地汚れ、黒ベタ追従性ともに○の評価であった。これに対し、超音波振動子を使用しない比較例1では、トナー流動性が高い流動性10%以下の補給トナーを使用した場合には地肌汚れ、黒ベタ追従性共に、〇の評価で超音波振動子12を用いた実験例1との差はないが、トナー流動性がやや落ちる流動性10〜20%の補給トナーを使用した場合には地肌汚れ、黒ベタ追従性共に△の評価に下がり、さらに、トナー流動性が悪い流動性20〜50%の補給トナーを使用した場合には超音波振動子12を用いた実験例1に対して歴然たる差を生じ、地肌汚れ、黒ベタ追従性共に×の評価であった。
【0042】
【表1】
Figure 2004037997
【0043】
このように、補給トナーを含む二成分現像剤に対して超音波振動を与えることにより、補給トナーの流動性に拘わらず、地肌汚れ、黒ベタ追従性などの評価項目について画質の低下を抑制ことができた。
【0044】
これは、超音波振動により、経時の既存現像剤(トナー及びキャリア)、補給トナーの凝集がほぐされ、これらのトナー、キャリア間の接触が活性化されたためと考えられる。かかる接触の活性化により、帯電が安定化し、現像時の画質の低下が抑制されたのである。
【0045】
本例では、超音波振動子12を現像剤の攪拌搬送室に設けた。これにより、二成分現像剤に直接、超音波振動が伝わり攪拌効果が大きい。特に、搬送循環路上、現像ローラ2に到達するまでに距離のある上流側である第2攪拌搬送室5Aの最上流部に設けたトナー補給口9の下流側近傍位置に設けているので、補給トナー及び経時現像剤に対して早い時期に超音波振動が与えられつつこれらトナー及びキャリアが混合されることとなり、ほぐされた補給トナーが経時現像剤に混ざりかつ、長い接触時間を経て十分に攪拌、混合されつつ搬送されることにより、安定した帯電が可能となり、かかる現像剤が第1攪拌搬送室4Aで現像ローラ2に担持されて現像に供される。このように、トナー、キャリアの接触時間が長く、トナーキャリア間の活性化により、帯電が安定化し、現像時の画質の低下が抑制されたのである。
【0046】
かかる補給トナー、経時現像剤の接触時間の点から、補給トナーの補給口、超音波振動子の設置位置は現像ローラ2に対して現像剤の攪拌搬送路上、より上流側が好ましいので、本例でも、図2に示したように、第2攪拌搬送室5Aの上流側にトナー補給用開口部9を設け、その下流側近傍に称音波振動子12を設けた構成としている。これにより、補給の初期の段階で超音波振動により補給トナーがほぐされ、このほぐされた補給トナーが時間をかけて経時の二成分現像剤に混ざるように攪拌搬送されて、混合攪拌が十分に行われ、帯電状態も安定したものとなり、本発明の課題が達成される。
【0047】
このように、表1の実験の結果から、トナー凝集度が20%〜50%のトナーを補給トナーとして用いた場合に発生する従来の地肌汚れ、黒ベタ追従性不良は、超音波振動子を用いて攪拌を活性化させる構成を用いることで改善することができたことがわかる。
【0048】
トナー流動性(凝集度)が20%〜50%の補給トナーとは、即ち、流動性の極めて低いトナーである。このような低流動性の補給トナーを用いた場合には、通常、現像剤中のキャリアへの安定した摩擦接触が行われにくくなり、正規な極性に帯電させることが困難になる。
【0049】
しかしながら、本発明により超音波振動を与えることによって、これら低流動性の補給トナーも凝集がほぐれ、正規な極性への帯電が行われて、地肌汚れ、黒ベタ追従性不良の異常画像が防止されることになる。
【0050】
[2] 請求項4に対応する例
本発明に係る他の現像装置の例を説明する。図3は現像装置の要部断面図、図4は現像装置の要部平面図をそれぞれ示す。図3、4は前記図1、2にそれぞれ示した構成と共通の部材構成を有するので、その共通の構成部分については、前記図1、2における符号と同じ符号を付し可能な限り説明は省略する。
【0051】
図1、2の例のように、第1、第2の二つの攪拌搬送室が一体型になっている構成では、超音波振動子12による振動付与を行なうと同時に現像が行われると、現像ローラ2に、振動に伴なう「ブレ」が生じることがある。
【0052】
従って「超音波振動手段の駆動」と「現像を行なう駆動」のタイミング設定は、制約のある制御を要するので繁雑である。本例はこの問題を解決するものであり、本例の現像装置20’では、現像剤攪拌搬送室が、現像ローラ2を保持する側の第1攪拌搬送室4A’とトナー補給用開口部9を有する側の第2現像剤攪拌搬送室5A’とは二つに分離独立しており、これら二つの現像剤攪拌搬送室4A’、5A’同士が振動吸収手段13a、13bによって接続されている構成としたのが特徴である。
【0053】
図3、4に明かなように、第1攪拌搬送室4A’と第2攪拌搬送室5A’とを分離独立とするため、第1攪拌搬送室4A’を構成するハウジング80は第2攪拌搬送スクリュー4を囲むように構成されていて、図1、2の例で仕切り板11に相当していた部分は外側壁80aを構成している。
【0054】
同様に、第2攪拌搬送室5A’を構成するハウジング81は第2攪拌搬送スクリュー5を囲むように構成されていて、図1、2の例で仕切り板11に相当していた部分は外側壁81aを構成している。これら外側壁80a、81aは図1、2の例における仕切り板11の機能を有している。
【0055】
こうして分離独立した第1攪拌搬送室4Aと第2攪拌搬送室5Aを形成しているこれら外側壁80a、81aは離間した状態で図示しない保持手段にそれぞれ保持されている。これらの保持手段は振動を伝えない、例えば、ゴム製のソフト部材など振動吸収手段からなる。
【0056】
外側壁80a、の左端部、外側壁81aの左側に相当する部位であって、パドル4Pに対応する位置にはそれぞれ開口が形成されていて、これらの開口には、チューブ状の振動吸収手段13aが差し込まれて接続されている。同様に、外側壁80a、81aの右端部に相当する部位であって、パドル5Pに対応する位置にはそれぞれ開口が形成されていて、これらの開口には、チューブ状の振動吸収手段13bが差し込まれて接続されている。
【0057】
ここで、振動吸収手段13a、13bは、ゴム製のソフト部材であり、振動吸収性に優れ耐久、耐熱性に優れる合成ゴムが用いられ、本例においてはポリアリレート繊維ゴム(住友ゴム製)を使用した。なお、振動吸収手段13a、13bの構造としては、二成分現像剤を搬送できるように、円柱状或いは直方体状のゴムブロックの中心部を繰り抜いた如きチューブ状の構成としている。
【0058】
本例の構成とは異なり前記図1、2に示した例のように、第1攪拌搬送室4Aと第2攪拌搬送室5Aと現像ローラ2が一体型で、かつ、駆動系を構成する歯車2G、4G、5Gが噛み合うことで駆動が独立でない構成では、現像を行なうと同時に超音波振動子12による振動付与が行われると現像ローラ2に攪拌搬送室や駆動系の歯車を経て振動が伝わり、この振動による「ブレ」が生じると考えられるので、現像と振動付与のタイミングを正確に制御しなくてはならない。
【0059】
これに対して、本例の構成では、超音波振動子12により第2攪拌搬送室5Aに強い超音波振動を与えても、振動は振動吸収手段13a、13bで振動が吸収され、第1攪拌搬送室4A’に臨ませて設けられた現像ローラ2まで伝達しないので、超音波振動子12による振動付与を自由なタイミングで行なうことができ、その制御が容易となる優位性がある。
【0060】
ここで、第1攪拌搬送室4A’の駆動系である歯車4Gと、第2攪拌搬送室5A’の駆動系である歯車5Gとの噛み合いがなされないように、両歯車は離間させてあり、駆動は別箇にとるようにしている。
【0061】
このように、接続用の振動吸収部材で振動が吸収緩和されるため、トナー補給用開口部9を保持する側の第2攪拌搬送室5A’にのみ超音波振動子の振動が伝わり、現像ローラ2を保持する側の第1攪拌搬送室4A’には振動が伝わらず、超音波振動付与に起因する現像時の現像スリーブ2のブレが回避されて、現像性能が低下するのを回避することができるため、自由なタイミングで超音波振動手段の駆動を行うことができ、さらには、振動が現像ローラ2まで伝達しないので、二成分現像剤に対してより強い振動の付与ができることにもなる。
【0062】
[3] 請求項5に対応する例
前記[1]乃至[2]で説明した現像装置はこれを単体の現像装置として構成し、単色の画像形成装置に用いることができる。図5は、デジタル式の単色の画像形成装置について主要部の断面を示す。この画像形成装置では、図1、2に示したような現像装置20が用いられている。或いは、図3、4に示したような現像装置20’を使用することもできる。
【0063】
像担持体1のまわりには、矢印で示す時計回りの向きの回転方向順に、帯電ローラからなる帯電装置151、光書込み手段としての光走査装置100、現像装置20(20’)、シート状媒体154を保持して搬送する転写搬送ベルト155、像担持体1の周面に摺接するブレード156を具備したクリーニング手段157などが配置されている。
【0064】
像担持体1上であって帯電装置151と現像装置20(20’)1との間の位置には光走査装置100から光ビームLbが像担持体1に向けて照射され軸方向の主走査方向に走査されるようになっている。この光ビームLbの照射位置を露光部158と称する。
【0065】
転写搬送ベルト155は無端状のベルトであって、2つの支持ローラ159、160に支持されている。これら支持ローラ159、160により支持された転写搬送ベルト155の中間の位置には像担持体1の下面が接している。この接している部位が転写部161であり、この転写部161における転写搬送ベルト155の裏側には転写バイアスを印加する転写手段としての転写ローラ162が設けられている。
【0066】
転写搬送ベルト155は矢印で示すように反時計回りの向きに回転駆動されるようになっている。該転写搬送ベルト155の上側ベルト部であってその上流端のさらに上流側の位置には一対のレジストローラ172が設けられている。このレジストローラ172に向けて、図示しない搬送ガイドに案内されて図示しない給紙トレイに収納されたシート状媒体154が給紙コロ164から送り出されるようになっている。転写搬送ベルト155の上側ベルト部における下流端のさらに下流の位置には、定着ローラ165aと加圧ローラ165bとの組み合わせからなる定着装置165が配置されている。
【0067】
転写搬送ベルト155の上側ベルト部における上流端部において該転写搬送ベルト155を支持している支持ローラ160の上方には、該転写搬送ベルト155に当接するようにして吸着手段としてのブラシローラ166が矢印で示す時計回りの向きに回転駆動されるようにして設けられている。
【0068】
ブラシローラ166が回転すると、ブラシは転写搬送ベルト155に摺接する。このブラシローラ166には図示しないバイアス印加手段により、シート状媒体154を転写搬送ベルト155に吸着する極性のバイアス電流を印加するための電位が与えられるようになっている。
【0069】
この現像装置20では、図5に示すように、接地されたバイアス用の電源VPが現像スリーブ3aに接続されていて、電源VPの電圧は、現像スリーブ3aに印加される。一方、像担持体1を構成する最下層の導電性支持体31は接地されている。この電源VPは、直流電圧のみを印加する電源であるが、後述の実験例では直流電圧に交流電圧を重畳させ得る電源として機能する。
【0070】
この画像形成装置において、画像形成は次のようにして行われる。
こうして、現像ローラ2と像担持体1との対向領域には、現像ローラ2上のキャリアから離脱したトナーを像担持体1側へ移動させる電界を形成しておき、トナーを像担持体1側に向けて移動させることに供している。ここでは、現像バイアス電位として、電源VPに−480vを印加する。
【0071】
像担持体1が回転を始め、この回転中に像担持体1が暗中において帯電装置151により均一に帯電され(この帯電電位は例えば後述する[4]における帯電電位―700vに相当する。)、光ビームLbが露光部158に照射、走査されて作成すべき画像に対応した潜像が形成される(この潜像は、例えば後述する[4]における画像部電位―100v、非画像部電位―650vからなる)。この潜像は像担持体1の回転により現像装置20(20’)に至り、ここでトナーにより可視像化されてトナー像が形成される。かかる現像装置20(20’)においてその構成は前記[1]乃至[2]で説明した内容と同じであるので、図5では例として現像装置20についてその概要の構成のみを示している。補給トナーはトナーボトル800から第2攪拌搬送装置5Aに補給され、超音波振動子12により振動が与えられる。
【0072】
一方、給紙コロ164により給紙トレイ上のシート状媒体154の送給が開始され、破線で示す搬送経路を経て一対のレジストローラ172の位置で一旦停止し、像担持体1上のトナー像と転写部161で合致するように送り出しのタイミングを待つ。かかる好適なタイミングが到来するとレジストローラ161に停止していたシート状媒体154はレジストローラ172から送り出される。
【0073】
レジストローラ172から送り出されたシート状媒体154は転写搬送ベルト155とブラシローラ166との間にくわえられ、バイアスによる静電気力およびブラシの弾性力により押されて転写搬送ベルト155に吸着され、転写搬送ベルト155の移動と共に転写部161に向けて搬送される。
【0074】
像担持体1上のトナー像とシート状媒体154とは、転写部161で合致し、転写ローラ162により転写搬送ベルト155に印加されたバイアスと像担持体1との電位差から形成される電界により、トナー像はシート状媒体154上に転写される。
【0075】
こうして像担持体1まわりの画像形成部でトナー像を担持したシート状媒体154は転写搬送ベルト155と共に搬送され、やがて該転写搬送ベルト155の上側部の下流端部で転写搬送ベルト155から分離されて定着装置165に向けて送り出される。シート状媒体154上のトナー像は定着装置165を通過する間にシート状媒体154に定着されて図示省略の排紙部に排紙される。
【0076】
一方、転写部161で転写されずに像担持体1上に残った残留トナーは像担持体1の回転と共にクリーニング装置157に至り、該クリーニング装置157を通過する間に清掃されて次の画像形成に備えられる。
【0077】
このような単色の画像を得る画像形成装置において、トナーボトル800よりトナー補給用開口部9を経て補給される補給トナーの凝集度の高低に拘わらず、超音波振動を与えることにより、画像品質を落とすことなく現像を行い、安定した良好な画像品質を得ることができる。
【0078】
[4] 請求項6に対応する例
本例は、上記説明にかかる[1]乃至[3]における現像装置20、20’などを用いた画像形成装置において、地肌ポテンシャル|vp1|(=非画像部電位−現像バイアス電位)が現像ポテンシャル|vp2|(=現像バイアス電位−画像部電位)に対して、常に|vp1|<0.45|vp2|の関係を満たすときにトナー飛散が抑制され、且つ、画像品質が良好であることを内容とする。
【0079】
発明者らの研究によると、現像過程でのトナー飛散は主に現像スリーブ3のまわりに形成される磁気ブラシの「動き」に起因しており、現像バイアスの電界条件によって、トナー飛散量の発生レベルが異なることが判明した。
【0080】
具体的には、地肌ポテンシャル|vp1|(=非画像部電位−現像バイアス電位)が現像ポテンシャル|vp2|(=現像バイアス電位−画像部電位)に対して常に|vp1|<0.45|vp2|の関係を満たすことによって、トナー飛散の抑制、さらには画像品質低下の防止が実現されることが確認された。
【0081】
以下の表2には、図5の画像形成装置相当の画像形成装置を用いて実験した結果を示す。図5において、、実験例▲1▼の現像条件(帯電電位−700v、画像部電位−100v、非画像部電位−650v、現像バイアス−480v)及び、これに加えて新たに、電界形成条件(直流成分のみ、もしくは交流成分を重畳)、地肌ポテンシャル|vp1|(=帯電電位−現像バイアス電位)、交番電界印加条件(交流成分としてvpp:1000vで周波数:1、2、4KHzの矩形波を重畳)、を変化させて実験を行った場合のトナー飛散、および画像品質の評価結果(実験例▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼)を示す。
【0082】
なお、この場合の現像ポテンシャル|vp2|(=現像バイアス電位−画像部電位)は380Vとなる。トナー飛散の評価法は、Ricoh製のカラープリンターIpsio8000にて画像面積率6%チャートの連続画像通紙を行い、通紙後に現像装置の指定個所に蓄積したトナー飛散量を目視判断し、○、△、×の評価とした。
【0083】
また、画像品質の評価は任意のテストチャートを通紙した後の、画像上の地肌汚れ、キャリア付着、のレベルを目視判断し、それらを総合して○、△、×の評価とした。両評価ともに、○は許容レベル、△は許容であるが程度が低いレベル、×は非許容レベルとした。各実験結果を一覧にして以下表2に示す。
【0084】
現像ポテンシャル|vp2|380Vに対して、実験例▲1▼で交流成分を重畳しないで地肌ポテンシャル|vp1|が170V(現像ポテンシャルに対しての割合比が170/380≒0.447)である場合は、トナー飛散が○の評価であり、また画像品質も○の評価となった。これが地肌ポテンシャル|vp1|が220V(現像ポテンシャルに対しての割合比が220/380≒0.458)になると、トナー飛散は○の評価のままであるが、地肌ポテンシャル(|vp1|)が大きくなったがゆえに地汚れレベルとキャリア付着レベルの余裕度が低下し、画像品質が△の評価となった(図6参照)。
【0085】
これは即ち、|vp1|<0.45|vp2|の関係を満たすことで、画像品質低下が防止されることを意味している。さらに、交流成分を重畳した実験例▲4▼〜▲6▼については、画像品質については評価が○であるものの、トナー飛散の評価が△と悪くなった。特に交流成分の周波数を上げていくと、同じ△の評価でもそのレベルが悪化する傾向があった。これは、交流電界を重畳した交番電界印加時において、磁気ブラシ穂立ち、穂倒れが大きく、現像剤中のキャリアから離脱したトナーが、電界振動に応答することで、現像ニップ下流部からのトナー飛散を起こすことに起因するものである(図7参照)。
【0086】
特に交流成分の周波数が大きくなると、現像ニップ領域内で振動する回数が増えるので、トナー飛散が増加しやすくなるのである。なお、こうした現象は高速ビデオカメラ(フョトロン社製:FASTCAM−XOWLPD−12)を用いて、9000〜40500コマ/秒の撮影速度で撮影した映像により確認した。
【0087】
【表2】
Figure 2004037997
【0088】
現像スリーブ3における磁気ブラシ穂立ち時にキャリアから離脱したクラウドトナーが電界に応答せずに現像領域を外れてトナー飛散となってしまう現象があるが、こうしたトナー飛散現象は、主に現像スリーブ線速が大きい場合で、交流成分を重畳した交番電界印加時の電界振動の影響によって誘発される。
【0089】
|vp1|<0.45|vp2|の関係を常に満たすことは、即ち、交番電界印加がないこと、または、交番電界印加時の振動電界が小さいことを意味している。従って本条件を満たすバイアス条件を設定することで、上記現象を抑制し、トナー飛散をより低減することができる。
【0090】
実験例▲4▼〜▲6▼の場合でも、本発明により補給トナーに振動を与えない場合には評価が△よりも悪化する傾向がある。
【0091】
このように、磁気ブラシ挙動に伴なうトナー飛散防止の課題を超音波振動によりトナー凝集をほぐすことで緩和し、磁気ブラシ中のキャリアから離脱したトナーを適正に電界に応答させ、トナー飛散を抑制することができる。
【0092】
【発明の効果】
請求項1乃至3記載の発明では、補給トナーの流動性に拘わらず、地肌汚れ、黒ベタ追従性などの評価項目について画質の低下を抑制ことができた。
【0093】
請求項4記載の発明では、超音波振動付与に起因する現像時の現像スリーブのブレが回避されて、現像性能が低下するのを回避することができる。
【0094】
請求項5記載の発明では、補給トナーの流動性に拘わらず、地肌汚れ、黒ベタ追従性など画質の低下を抑制し得る画像形成装置を提供できる。
【0095】
請求項6記載の発明では、磁気ブラシ挙動に伴なうトナー飛散防止の課題を解決し、磁気ブラシ中のキャリアから離脱したトナーを適正に電界に応答させ、トナー飛散を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】現像装置の断面図である。
【図2】現像装置の平面図である。
【図3】現像装置の変形例にかかる断面図である。
【図4】現像装置の断面図である。
【図5】画像形成装置の概略構成図である。
【図6】現像時のトナーに作用する電界を模視的に示した図である。
【図7】現像時のトナーに作用する電界を模視的に示した図である。
【符号の説明】
12 超音波振動子

Claims (6)

  1. トナー、キャリアよりなる二成分現像剤を搬送しつつ攪拌する搬送攪拌手段を有し、補給トナーを加えつつ搬送攪拌して現像に供する現像剤攪拌搬送室を備えた現像装置において、
    前記補給トナーを含む二成分現像剤に対して超音波振動を与える超音波振動手段を具備していることを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1記載の現像装置において、
    前記超音波振動手段を、前記現像剤攪拌搬送室に設置したことを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1又は2記載の現像装置において、
    前記現像剤攪拌搬送室には、トナーを補給するトナー補給用開口部が設けられていて、
    前記超音波振動手段が、前記トナー補給用開口部よりも現像剤搬送方向の下流側近傍に設置されていることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1乃至5の何れか一つに記載の現像装置において、
    前記現像剤攪拌搬送室が、前記現像剤担持体を保持する側と前記トナー補給用開口部を有する側の二つに分離独立しており、これら二つの現像剤攪拌搬送室同士が振動吸収手段によって接続されていることを特徴とする現像装置。
  5. 現像剤を用いて潜像を可視像化することのできる現像装置を像担持体のまわりに配置していて、像担持体上に形成した潜像を前記現像装置で可視像化して最終的にシート状媒体に画像を得る画像形成装置において、
    前記現像装置として前記請求項1乃至4記載の現像装置を用いていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5記載の画像形成装置において、地肌ポテンシャル|vp1|(=非画像部電位−現像バイアス電位)が現像ポテンシャル|vp2|(=現像バイアス電位−画像部電位)に対して、常に|vp1|<0.45|vp2|の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
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