JP2006343649A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナーとキャリアとを備える現像剤を用いる現像装置において、現像容器内のトナーの帯電付与を効果的に行なうことのできる現像装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーとキャリアとを備える現像剤を収容する現像容器2と、現像剤を担持して搬送する現像剤担持体3と、現像容器2内の現像剤を攪拌及び搬送する第1、第2の現像剤攪拌搬送部材4、5と、を有し、現像容器2内は、現像剤担持体3に現像剤を供給する第1室6と、トナーが補給される第2室7とに隔壁10により区分されており、第1室6内に設けられた第1の現像剤攪拌搬送部材4と、第2室7内に設けられた第2の現像剤攪拌搬送部材5とにより現像容器2内で現像剤を循環搬送する現像装置1は、第1の現像剤攪拌搬送部材4を超音波振動させる超音波振動発生手段11を有する構成とする。
【選択図】図3
【解決手段】トナーとキャリアとを備える現像剤を収容する現像容器2と、現像剤を担持して搬送する現像剤担持体3と、現像容器2内の現像剤を攪拌及び搬送する第1、第2の現像剤攪拌搬送部材4、5と、を有し、現像容器2内は、現像剤担持体3に現像剤を供給する第1室6と、トナーが補給される第2室7とに隔壁10により区分されており、第1室6内に設けられた第1の現像剤攪拌搬送部材4と、第2室7内に設けられた第2の現像剤攪拌搬送部材5とにより現像容器2内で現像剤を循環搬送する現像装置1は、第1の現像剤攪拌搬送部材4を超音波振動させる超音波振動発生手段11を有する構成とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、電子写真方式、或いは静電記録方式を利用した複写機、プリンター等の画像形成装置に用いられる、トナーとキャリアとを備える2成分現像剤を用いる現像装置、及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
現在、例えば電子写真方式を用いたカラー高速複写機やプリンター等の多くに用いられる現像装置において、トナーとキャリアとを備える2成分現像方式が採用されている。
現像装置においては、画像形成時にトナーが所望の帯電量を有していることが要求される。2成分現像方式の現像装置においては、一般にトナーとキャリアとを、現像容器内の攪拌搬送部材としてのスクリューを回転させて混合し、トナーとキャリアとの間に摩擦を生じさせてトナーに所望の電荷を与える。
スクリューにより現像剤を混合することでのトナーに対する帯電付与は、画像形成時及び非画像形成状態からの立ち上げ時に行なわれる。このうち、非画像形成状態からの立ち上げ時に現像剤の混合が行なわれるのは、以下の理由からである。
トナーの帯電量は、長時間トナーとキャリアとの混合を行なわずに放置することにより減少する。そのため、例えば朝一番など、非画像形成状態が長期にわたった後、トナーを十分キャリアと混合することなく使用して画像形成を行なうと、トナーの帯電不足により濃度ムラやカブリ(白地部、即ち、非画像部にトナーが付着する現象)などの画像不良を引き起こすことになる。
非画像形成状態からの立ち上げ時には、トナーに十分な電荷を与えるために、数分程度スクリューによる現像剤の混合を行ってから、画像形成状態に入る。そのため、立ち上げから画像形成が可能になるまでに時間がかかるという問題を生じることとなる。
こうした状況に対する措置としては、非画像形成状態がある時間経過したときに、定期的にスクリューによる現像剤の混合を行なうことが考えられる。この場合、スクリューの回転は音の発生を伴うため、非画像形成時に現像装置が作動していることがあからさまにユーザーに分かることとなる。こうした状況は、特に夜間などにおいてはユーザビリティーの観点から好ましくない。
本発明者らは、上述の問題に鑑みて鋭意検討した結果、トナーとキャリアとが既に混合された現像剤に超音波振動を印加することにより、トナーとキャリアとの分離を起こすことなく十分にトナーを帯電させられることを見出した。本発明は斯かる本願発明者の新規な知見に基づいてなされたものである。
尚、電子写真方式の画像形成装置の現像部に対して超音波振動を適用した技術の例としては、例えば、特許文献1〜3を挙げることができる。
特許文献1、2は、現像剤の粉体としての特性を利用し振動を与えることで接触或いは飛翔により現像剤を搬送するものである。即ち、これらの技術は、現像剤の帯電を目的としたものではない。
又、特許文献3においては、2成分現像方式を採用する現像装置において、補給直後のトナーと現像剤との混合を促進することを目的として超音波振動を利用している。即ち、特許文献3に記載の方法においては、トナー補給個所直近の現像剤にのみ超音波振動を印加する。又、特許文献3に記載の方法においては、トナーとキャリアがすでに混合された現像剤に超音波振動を印加するものではなく、超音波を印加された現像剤の上部に新規トナーが補給される。この場合、キャリアに対して比重の軽いトナーが、超音波振動により現像剤中に取り込まれずに現像剤上部に残ってしまうという問題が生じる可能性がある。
特開平4−125215号公報
特開平9−62073号公報
特開2004−37997号公報
本発明の目的は、トナーとキャリアとを備える現像剤を用いる現像装置において、現像容器内のトナーの帯電付与を効果的に行なうことのできる現像装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る現像装置及び画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナーとキャリアとを備える現像剤を収容する現像容器と、現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記現像容器内の現像剤を攪拌及び搬送する第1、第2の現像剤攪拌搬送部材と、を有し、前記現像容器内は、前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1室と、トナーが補給される第2室とに隔壁により区分されており、前記第1室内に設けられた前記第1の現像剤攪拌搬送部材と、前記第2室内に設けられた前記第2の現像剤攪拌搬送部材とにより前記現像容器内で現像剤を循環搬送する現像装置において、前記第1の現像剤攪拌搬送部材を超音波振動させる超音波振動発生手段を有することを特徴とする現像装置である。
本発明によれば、現像容器内のトナーの帯電付与を効果的に行なうことができる。
以下、本発明に係る現像装置及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
[画像形成装置の全体構成及び動作]
先ず、図1を参照して、本実施例の画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。本実施例の画像形成装置100は、画像形成装置本体に接続された画像読み取り装置又はパーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報信号に応じて、電子写真方式により記録材(記録用紙、OHPシート、布等)に画像を形成することのできるレーザビームプリンターである。
[画像形成装置の全体構成及び動作]
先ず、図1を参照して、本実施例の画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。本実施例の画像形成装置100は、画像形成装置本体に接続された画像読み取り装置又はパーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報信号に応じて、電子写真方式により記録材(記録用紙、OHPシート、布等)に画像を形成することのできるレーザビームプリンターである。
画像形成装置100は、像担持体としての円筒型の電子写真感光体(感光ドラム)101を回転自在に有する。回転する感光ドラム101は、帯電手段としての一次帯電器102で一様に帯電される。このとき、一次帯電器102には、帯電バイアス出力手段により本実施例では負極性の帯電バイアスが印加される。次に、帯電した感光ドラム101の表面は、露光手段としてのレーザースキャナ103によって、画像情報信号に応じて露光される。これにより、感光ドラム101上に静電像(潜像)が形成される。感光ドラム101に形成された静電像は、現像装置1によってトナー像として可視像化される。本実施例では、現像装置1は、感光ドラム101の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、感光ドラム101上において露光により電位が減衰した部分(露光部)に付着させる。現像装置1については、詳しくは後述する。
次に、感光ドラム101上に形成されたトナー像は、転写手段としての転写帯電器105により、記録材担持体としての搬送シート104により搬送された記録材Pに転写される。このとき、転写帯電器105には、転写バイアス出力手段によりトナーの正規の帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
その後、記録材P上の未定着のトナー像は、定着装置107にて定着されて永久画像となる。又、感光ドラム101上の転写残りトナーは、クリーニング装置106により除去される。
[現像装置]
以下、本実施例の現像装置1について説明する。
以下、本実施例の現像装置1について説明する。
図2及び図3は、本実施例の現像装置1の主要構成を示す。図2は現像装置1の要部断面図である。以下の説明において現像装置1の前後は、それぞれ図2の紙面左側、右側に対応し、現像装置1の左右は、それぞれ紙面手前側、奥側に対応し、又現像装置1の上下は、それぞれ紙面上側、下側に対応する。又、図3は現像装置1の要部平面図である。以下の説明において現像装置1の左右は、それぞれ図3の紙面左側、右側に対応し、現像装置1の上下は、それぞれ紙面手前側、奥側に対応し、又現像装置1の前後は、それぞれ紙面上側、下側に対応する。
感光ドラム101と対向して配置された現像装置1は、現像容器2、現像剤担持体としての現像スリーブ3、現像剤規制部材としてのドクターブレード9を有している。現像装置1の内部は、垂直方向に延在する隔壁10によって現像室(第1室)6と撹拌室(第2室)7とに区画され、隔壁10の上方部は開放されている。現像室6及び撹拌室7には、非磁性トナー(トナー)と磁性キャリア(キャリア)とを含む2成分現像剤(現像剤)が収容されており、現像室6で余分となった現像剤は撹拌室7側に回収される。又、現像室6、撹拌室7内にはそれぞれ、現像剤攪拌搬送部材として、回転軸方向に現像剤を搬送する回転部材である第1、第2のスクリュー4、5が配置されている。以下、更に詳しく説明する。
現像装置1は、その外側が感光ドラム101の回転軸方向と平行な左右方向に長い直方体状に形成されている。現像装置1の前側(感光ドラム101側)には、現像スリーブ3が、現像容器2の左右側壁部に軸支されている。この現像スリーブ3に隣り合うように、第1、第2のスクリュー4、5が、間に隔壁10を介した状態で現像容器2の左右側壁部に軸支されている。第1、第2のスクリュー4、5の回転軸4a、5aの長手方向両端部は、ベアリング(図示せず)を介して現像容器2の側壁部に支持されている。これら現像スリーブ3と第1、第2のスクリュー4、5とは、その回転軸線が互いに平行となるように左右方向に配置されている。
隔壁10により区分された現像容器2のうち、現像室6において現像スリーブ3に対する現像剤の受け渡し(供給)が行なわれる。又、攪拌室7においては、現像容器2内に補給されたトナーが現像容器2内の現像剤に混合される。
即ち、攪拌室7の左側端部の上方には、トナー補給口13が形成されており、新たなトナーの補給はこのトナー補給口13を介して行なわれる。又、現像容器2の前側の端部は左右方向に沿って開口している。現像スリーブ3は、この前面開口より、感光体ドラム101に対して所定のギャップを介して臨むようにして、現像容器2に軸支されている。
現像スリーブ3は非磁性材料で構成され、現像動作時には図示矢印方向に回転する。又、現像スリーブ3の内部には、磁界発生手段である磁石(マグネットロール)8が、現像容器2に対して固定して配置されている。マグネットロール8は、外周に沿って複数の磁極を有する。
現像容器2の現像スリーブ3の下部には、ドクターブレード9が設置されており、これにより現像スリーブ3に担持される現像剤の穂立ちの高さが規制される。
第1、第2のスクリュー4、5は、それぞれ回転軸4a、5aと、搬送部であるらせん状の羽根4b、5bを有する。羽根4a、5bの巻き方向は、それぞれの回転方向との関係で定められている。即ち、第1、第2のスクリュー4、5による現像剤の搬送方向が互い違いになるようにして、現像容器2内、即ち、現像室6と攪拌室7との間で現像剤が循環するようになっている。本実施例においては、現像室6側の第1のスクリュー4の回転により現像剤は左向きに、攪拌室7側の第2のスクリュー5の回転により現像剤は右向きに、それぞれ攪拌されつつ搬送される。尚、現像剤は図2に散点にて表示してあり、図3では図示を省略している。
現像容器2内の現像室6と攪拌室7は、隔壁10にてほとんどの部分が仕切られているが、第1、第2のスクリュー4、5の左右方向両端部は現像剤の受け渡しのために仕切られていない。この隔壁10により仕切られていない部分が、現像室6と攪拌室7との間での現像剤の受け渡し部16、17を構成する。これにより現像剤は、現像室6と攪拌室7とを循環する。現像剤は、現像室6を第1のスクリュー4に沿って攪拌搬送される間に、現像スリーブ3に担持される。現像スリーブ3に担持された現像剤は、ドクターブレード9にて一定量のみが感光体ドラム101側へ送られ、その他はドクターブレード9により掻き落とされて現像容器2内を循環する。
又、感光ドラム101と現像スリーブ3とが対向する現像領域を通過した後の現像剤は、現像室6内に回収され、現像容器2内を循環する。そして、現像容器2内の現像剤は、その循環の過程で、適宜、トナー補給口13から新たなトナーが補給される。トナー補給口13にはトナー補給機構(図示せず)が接続されている。トナー補給機構からのトナー補給量は、光学的或いは電磁気的な手段による現像剤濃度検知手段(図示せず)からの信号に基づいて画像形成装置本体が備える制御部(図示せず)が決定する。
現像スリーブ3上に担持されて現像領域に搬送された現像剤は、マグネット8の発生する磁界により穂立ちし、磁気ブラシを形成する。この磁気ブラシを感光ドラム101に近接又は接触させることにより、感光ドラム101上の静電像に応じて現像剤中のトナーが感光ドラム101上に付着する。こうして感光ドラム101上の静電像はトナー像として現像される。現像効率を向上させるために、現像スリーブ3には、現像バイアス出力手段としての現像バイアス電源15(図1)から、例えば直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアス電圧が印加される。
以下、本実施例にて最も特徴的である、現像剤攪拌搬送部材を超音波振動させる構成について説明する。
本発明は、前述のような従来の問題点に鑑みて成されたものであり、本発明の目的の1つは、トナーとキャリアとを備える現像剤を用いる現像装置において、非画像形成状態からの復帰直後におけるトナーの帯電不足による画像不良の発生を抑制することである。又、本発明の目的の1つは、現像剤攪拌搬送部材の駆動音を発生することなく、非画像形成時に現像剤の混合を行なうことができ、非画像形成状態からの復帰直後におけるトナーの帯電不足による画像不良を抑制することである。
そこで、本実施例によれば、現像装置1は、トナーとキャリアとが既に混合された現像剤に超音波振動を印加する。これにより、トナーとキャリアとの分離を起こすことなく十分にトナーを帯電させる。即ち、本実施例では、トナーとキャリアとを備える現像剤を収容する現像容器2内が、現像スリーブ3に現像剤を供給する現像室6と、トナーが補給される攪拌室7とに隔壁10により区分されており、現像室6及び攪拌室7内にそれぞれ設けられた第1、第2のスクリュー4、5により現像容器2内で現像剤を循環搬送する現像装置1は、現像室6側の第1のスクリュー4を超音波振動させる超音波振動発生手段を有する構成とされる。
更に説明すると、本実施例では、現像室6側の第1のスクリュー4の回転軸4aは、図3に示すように現像容器2の左側外部に突き出している。そして、現像容器2の外部には、超音波振動発生手段として、圧電素子を備える超音波発生装置11が設けられている。本実施例では、超音波発生装置11は、現像容器2の外部に突きだした第1のスクリュー4の回転軸4aの端面に接続されている。
本実施例で用いられる超音波発生装置11は、図4に示すように、2枚の電極としての第1、第2の円環電極21a、21bで、圧電素子であるセラミックス(PZT)22を挟み込んで接着することで構成される。第1、第2の電極21a、21b間に、振動駆動手段としての電源14により交流電圧を印加することで、セラミックス22に径方向の伸縮振動を励起する。その結果生じた超音波振動を、現像室6側の第1のスクリュー4の回転軸4aの長手方向(左右方向)に伝播させることができる。尚、交流電圧の周波数は、セラミックス22の共振周波数に対応させることで振動を生じさせるため、振動の周波数は圧電素子の厚み及び形状を変えることで変化させ得る。
本実施例では、現像スリーブ3及び第1、第2のスクリュー4、5は、第1のスクリュー4のみに超音波振動を与える都合上、それぞれ独立に駆動手段により回転駆動される。
又、現像室6側の第1のスクリュー4には、超音波振動を印加するため、十分強度のある材料、例えば金属材料、樹脂材料を用いる必要がある。一般に、現像剤攪拌搬送部材としては、強度を出すために軸に芯金を通した樹脂性のスクリューを使用する場合が多い。しかし、本実施例においては、超音波振動を印加する都合上、少なくとも第1のスクリュー4としては、単一の材料からなるものが望ましい。本実施例においては、現像室6側の第1のスクリュー4としてステンレス製のスクリューを使用した。
現像剤攪拌搬送部材としてのスクリュー形状としては、回転軸芯のないワイヤー状スクリュー(或いはオーガ)を用いても同様の効果が得られる。この場合、スクリューの材料としては、軸芯がない分より強度が必要となるため、金属類で構成することが望ましい。ワイヤー状スクリューを用いる場合は、スクリューの両端部にのみ回転軸芯を設け、超音波振動装置と回転駆動手段は両端部の回転軸芯のどちらか片側に取り付けることとなる。
第1のスクリュー4が現像容器2に接する部分、即ち、現像室6側の第1のスクリュー4の回転軸端部に周設されたベアリングの外側は、振動吸収部材12a、12bを介して現像容器2に支持されている。これは、現像容器2の全体に超音波振動を印加すると、比重の大きいキャリアが下部へと沈下し、一方比重の小さいトナーが現像剤面へ上昇するため、トナーとキャリアが分離してしまう可能性があるからである。本実施例では、振動吸収部材12a、12bとしては、弾性部材であるNBR(ニトリル−ブタジエンゴム)を用い、Siゴム系(シリコーンゴム系)接着剤で接着した。振動吸収部材12a、12bとしては、NBRの他、ウレタンゴム、Siゴム(シリコーンゴム)、ゲル状樹脂、Siゴム系(シリコーンゴム系)接着剤等が適しており、ゴム硬度を十分小さくすることでほぼ完全に振動を吸収することが可能である。
超音波振動の周波数は、人間の耳で聞くことのできる周波数帯域より十分高い20kHz以上であることが要求される。一方、周波数が高すぎると、第1のスクリュー4と現像剤との間に摩擦熱が生じてトナーが溶融してしま虞がある。或いは、周波数が高すぎると、第1のスクリュー4と振動吸収部材12a、12bとの間に大きなエネルギーがかかることにより、振動吸収部材が劣化してしまうという問題が生じる虞がある。こうした問題を生じない周波数の上限は、約100kHzである。即ち、第1のスクリュー4に印加する超音波振動の周波数は、20kHz〜100kHzであることが好ましい。本実例では、超音波発生装置11として、48kHzの振動を発生するものを適用した。
ここで、スクリューを回転せずに現像剤を混合してトナーに電荷を付与する手段としては、現像容器2の現像剤が入る部分に振動子を設置する方法が考えられる。しかしながら、この場合、現像容器2内に特別な振動子を設置しなければならず、現像容器2内の現像剤を収容し得る容積の減少は避けられない。これに対して、本実施例では、振動子を別個に現像容器2に付帯させるのではなく、現像容器2の現像剤が入る部分に多くの容積をしめるスクリュー自体に振動子の役割を持たせる。又、スクリューの振動周波数は、超音波帯域に設定することにより、音をほとんど発することなく現像剤を混合することが可能となる。
次に、超音波発生装置11の動作について説明する。
ある一定時間非画像形成状態が継続すると、超音波発生装置11が作動して現像室6側の第1のスクリュー4に超音波振動を印加する。このように、第1のスクリュー4には、非画像形成時、即ち、第1のスクリュー4の非駆動時(つまり、回転していないとき)に超音波振動が印加される。第1のスクリュー4が超音波振動すると、現像室6側の現像剤は、この超音波振動により混合される。この混合により、現像剤のトナーとキャリアとの摩擦が生じ、トナーに電荷が付与される。一定時間にわたり第1のスクリュー4の超音波振動による現像剤の混合を行なうことで、トナーの帯電量を所望の値にまで上げることができる。
非画像形成時にどのようなタイミングで超音波振動を印加するかは、非画像形成時に低下するトナーの帯電電荷量と、その帯電電荷量の低下が起こるまでの時間と、非画像形成状態からの復帰時にトナーに必要とされる帯電電荷量との関係から決定することができる。通常、朝一番の立ち上げ時などの、非画像形成時が長期間にわたり連続した後における非画像形成状態からの復帰直後においても、画像の濃度ムラ、カブリを発生しない程度に十分にトナーが帯電していることが好ましい。
例えば、後述する実験例の如く、非画像形成状態が30分継続した場合に1分間、第1のスクリュー4に超音波振動を印加するなど、非画像形成状態において定期的に第1のスクリュー4に超音波振動を印加することができる。このようなタイミングは、現像装置の構成等に応じて適宜選択することができる。
本実施例では、電源14による超音波発生装置11の駆動は、画像形成装置100の動作を統括的に制御する制御部のコントローラ110が制御する。コントローラ110は、それに内蔵又は接続された記憶手段(メモリ)に記憶された超音波振動発生プログラムに従って、非画像形成時に所定のタイミングで、電源14から超音波発生装置11に電圧を印加させ、超音波発生装置11に超音波振動を発生させる。
上述の構成及び作用により、非画像形成時にスクリュー音などの現像剤攪拌搬送部材の駆動音を生じることなく、現像剤のトナー帯電量を画像形成に適した値に保持することが可能となる。
[実験例]
以下、本実施例の効果を実証した実験例について説明する。
以下、本実施例の効果を実証した実験例について説明する。
本実験例では、トナーとして球形の重合トナー(平均粒径6.8μm)を用い、キャリアとして球形の樹脂コートキャリア(平均粒径35μm)を用いる2成分現像剤を使用した。これらトナー、キャリアは共にキヤノン(株)製の上市された複写機に使用されているものである。この2成分現像剤は、総現像剤重量に対するトナー重量比(以下「T/D」という。)が8wt%の場合において、トナー帯電量(比電荷:以下「Q/M」という。)の適正値が−24〜−27[μC/g]である。
先ず、現像装置1を単に放置した場合におけるトナーの帯電量の低下を確認した。
新規トナー及びキャリアを、T/D=8wt%の割合で本実施例の現像装置1の現像容器2に入れ、第1、第2のスクリュー4、5を2分間回転させて混合した。混合後の現像剤を現像室6側から約1g取り出し、トナーのQ/Mを測定した。Q/M=−25.3[μC/g]であった。尚、トナーの帯電量測定には、E−SPART Analyzer(ホソカワミクロン社製)を使用した。
上記の帯電後の現像剤を現像容器2に入れた状態で、温度23℃、湿度50%の室内に半日間放置した。半日放置後の現像剤を現像室6側から約1g取り出し、トナーのQ/Mを測定した。その結果、Q/M=−21.4[μC/g]であり、適正値範囲外に減少していた。
放置後の現像剤を、再び第1、第2のスクリュー4、5を2分間回転させて混合させた。混合後の現像剤を現像室6側から約1g取り出し、トナーのQ/Mを測定した。Q/M=−25.5[μC/g]であった。
次に、本実施例の効果を実証するために、現像装置1の放置中に本実施例に従って第1のスクリュー4に超音波振動を印加した。
先ず、再度新規トナー及びキャリアをT/D=8wt%の割合で現像容器2に入れ、第1、第2のスクリュー4、5を2分間回転させて混合した。混合後の現像剤を現像室6側から約1g取り出し、トナーQ/Mを測定した。Q/M=−25.1[μC/g]であった。
上記の帯電後の現像剤を現像容器2に入れた状態で、再度、上記と同じ温湿度条件下に半日間放置した。ただし、放置中30分に1回、各1分間の割合で、現像室6側の第1のスクリュー4に超音波振動を印加し、現像室6側の現像剤を混合した。この際、第1のスクリュー4への超音波振動印加による混合のときに、スクリュー回転時に生じるような音の発生がないことを確認した。半日間放置後の現像剤を現像室6側から約1g取り出し、トナーQ/Mを測定した。その結果、Q/M=−24.7[μC/g]であり、適正値範囲内に維持されていた。
図5に以上の実験結果をまとめる。本実施例に従って非画像形成状態にて所定タイミングで超音波振動を第1のスクリュー4に印加した場合、非画像形成状態から復帰した際のトナーの帯電電荷量は、非画像形成時からの復帰時にスクリューを回転させる場合と同等であることが分かった。特に、本実施例に従って非画像形成状態にて所定タイミングで超音波振動を第1のスクリュー4に印加する場合には、非画像形成状態からの復帰時にスクリューを回転させるための時間は必要ないので、立ち上げから画像形成が可能になるまでにかかる時間を短縮することができる。又、非画像形成状態においてスクリューを回転させる場合に比べて静音化がなされていることも確認された。
以上、本実施例によれば、スクリュー音を発生することなく、非画像形成時に、例えば定期的に現像剤の混合を行なうことを実現し、非画像形成状態からの立ち上げ直後に画像形成を行う場合にも、トナーの帯電不足によるカブリや濃度ムラなどの画像不良の発生を抑制することができる。即ち、本実施例によれば、非画像形成状態からの復帰直後におけるトナーの帯電不足による画像不良の発生を抑制することができる。又、非画像形成時に現像剤を混合するために現像剤攪拌搬送部材を駆動することにより生じていたような、音の発生を抑制し、ユーザビリティーを向上することができる。
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。例えば、上記実施例では、像担持体と現像装置とを一組有する画像形成装置を例に説明したが、本発明は、複数の像担持体に対してそれぞれ現像装置が対応して設けられるか、或いは単一の像担持体に対して複数の現像装置が設けられて、例えばフルカラー画像の形成が可能なカラー画像形成装置においても等しく適用することができる。複数種類(色)のトナー像を像担持体上で直接重ね合わせたり、転写材上に順次に転写することで転写材上で直接重ね合わせたり、又は中間転写体上で重ね合わせた後に転写材に転写したりすることにより、フルカラー画像等を出力することのできる画像形成装置が斯界にて周知である。又、上記実施例では、超音波振動発生手段は、回転軸方向に現像剤を搬送する現像剤攪拌搬送部材の回転軸端部に接続されて、該現像剤攪拌搬送部材に超音波振動を伝搬させるものとして説明した。これにより、比較的簡易な構成にて現像剤攪拌搬送部材に超音波振動を印加することができ、好ましいが、例えば、現像剤攪拌搬送部材自体が超音波振動発生手段を内蔵するような形態も企図し得る。
1 現像装置
2 現像容器
3 現像スリーブ(現像剤担持体)
4 第1のスクリュー(現像剤攪拌搬送部材)
5 第2のスクリュー(現像剤攪拌搬送部材)
6 現像室(第1室)
7 攪拌室(第2室)
10 隔壁
11 超音波発生装置(超音波振動発生手段)
12 振動吸収部材
101 感光ドラム(像担持体)
2 現像容器
3 現像スリーブ(現像剤担持体)
4 第1のスクリュー(現像剤攪拌搬送部材)
5 第2のスクリュー(現像剤攪拌搬送部材)
6 現像室(第1室)
7 攪拌室(第2室)
10 隔壁
11 超音波発生装置(超音波振動発生手段)
12 振動吸収部材
101 感光ドラム(像担持体)
Claims (9)
- トナーとキャリアとを備える現像剤を収容する現像容器と、現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記現像容器内の現像剤を攪拌及び搬送する第1、第2の現像剤攪拌搬送部材と、を有し、前記現像容器内は、前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1室と、トナーが補給される第2室とに隔壁により区分されており、前記第1室内に設けられた前記第1の現像剤攪拌搬送部材と、前記第2室内に設けられた前記第2の現像剤攪拌搬送部材とにより前記現像容器内で現像剤を循環搬送する現像装置において、
前記第1の現像剤攪拌搬送部材を超音波振動させる超音波振動発生手段を有することを特徴とする現像装置。 - 前記超音波発生手段は、非画像形成時に超音波振動を発生することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記超音波発生手段は、前記第1の現像剤攪拌搬送部材の非駆動時に超音波振動を発生することを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
- 前記超音波振動の振動方向は、前記第1の現像剤攪拌搬送部材による現像剤の搬送方向であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の現像装置。
- 前記第1の現像剤攪拌搬送部材は、振動吸収部材を介して前記現像容器に支持されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の現像装置。
- 前記第1の現像剤攪拌搬送部材は、回転軸方向の両端部が前記現像容器に支持された回転部材であり、前記超音波振動手段は、前記回転軸方向において前記第1の現像剤攪拌搬送部材の一方の端部に接続されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の現像装置。
- 前記超音波振動発生手段は、前記現像容器の外部に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の現像装置。
- 前記第1の現像剤攪拌搬送部材は、回転軸方向に現像剤を搬送するスクリューであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の現像装置。
- 静電像が形成される像担持体と、前記像担持体上に形成された静電像を現像するための請求項1〜8のいずれかの項に記載の現像装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005170884A JP2006343649A (ja) | 2005-06-10 | 2005-06-10 | 現像装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005170884A JP2006343649A (ja) | 2005-06-10 | 2005-06-10 | 現像装置及び画像形成装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006343649A true JP2006343649A (ja) | 2006-12-21 |
Family
ID=37640649
Family Applications (1)
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JP2005170884A Pending JP2006343649A (ja) | 2005-06-10 | 2005-06-10 | 現像装置及び画像形成装置 |
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JP (1) | JP2006343649A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013130869A (ja) * | 2011-12-21 | 2013-07-04 | Xerox Corp | ミキサー装置および現像剤を製造する方法 |
JP2016024247A (ja) * | 2014-07-17 | 2016-02-08 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 現像剤搬送装置、画像形成装置 |
-
2005
- 2005-06-10 JP JP2005170884A patent/JP2006343649A/ja active Pending
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