JP2004037755A - 光制御素子 - Google Patents

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柳生 栄治
Tetsuya Nishimura
西村 哲也
Hitoshi Tada
多田 仁史
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】伝搬損失を軽減した光変調器等の光制御素子を提供する。
【解決手段】この光制御素子は、多重量子井戸層3と、前記多重量子井戸層を、層に垂直な方向から挟む第1及び第2クラッド層2、4と、前記多重量子井戸層の長手方向の両側に接して前記多重量子井戸層を挟む第1半導体領域6、7と、前記多重量子井戸層を、前記長手方向の両側から前記第1半導体領域を介して挟む第2半導体領域8、9とを備え、前記第1半導体領域は、比抵抗が10Ω・cm以上であって、前記第2半導体領域は、互いに異なる2つの導電型半導体領域からなり、前記2つの第2半導体領域から前記第1半導体領域を介して前記多重量子井戸層の層に平行に電界を印加する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光変調器や光スイッチ等の光制御素子に関する。特に、多重量子井戸構造を有する電界吸収型光制御素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の光通信における光強度変調素子としては、電界吸収型光変調器が用いられている。この電界吸収型光変調器では、多重量子井戸層の層に垂直な上下方向から電界を印加し吸収線をシフトさせて、光変調器に入射した光の強度を制御して、出射光の光強度変調を行う。この光変調器の動作限界は、通信に必要な消光比を得るための変調を行う導波路長に応じた素子容量で制限されるため、40Gbit/sec程度での変調が動作限界と考えられる。したがって、より高速な光強度変調素子には、短い変調導波路長で同じ変調を実現する事が求められる。
【0003】
そこで、さらに高速動作可能な光変調器の開発が進められている。例えば、特開平8−248363号公報には、多重量子井戸層の層に平行な両側から層に平行に電界を印加する層方向電界印加型光変調器が記載されている。この光変調器では、層に平行に電界を印加することによって吸収線をブリーチして信号波長での吸収係数を変化させ、光強度変調を行っている。これによって、層に垂直に電界を印加する方法よりも大きな変調度が得られる。その結果、従来方式より短い、およそ100μm以下の変調導波路長としても同等の消光比が得られる。そこで、変調導波路長を短くできるので素子容量を減少させて高速動作が可能となる。また、この光変調器では、多重量子井戸層の層に平行に電界を印加するために、導電型不純物が高濃度に添加された導電型領域が多重量子井戸層に隣接して設けられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような層方向電界印加型光制御素子では、多重量子井戸層を伝搬する光は、多重量子井戸層を両側方向から挟む2つの導電型半導体領域にもしみ出しながら伝搬する。しかし、多重量子井戸層を両側から挟む2つの半導体領域には伝導性を付与する不純物が高濃度に添加されているのでフリーキャリア吸収の効果が大きく、伝搬損失が生じるといった欠点があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、伝搬損失を軽減した光変調器等の光制御素子を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光制御素子は、多重量子井戸層と、
前記多重量子井戸層を、層に垂直な方向から挟む第1及び第2クラッド層と、前記多重量子井戸層の長手方向の両側に接して前記多重量子井戸層を挟む第1半導体領域と、
前記多重量子井戸層を、前記長手方向の両側から前記第1半導体領域を介して挟む第2半導体領域と
を備え、
前記第1半導体領域は、比抵抗が10Ω・cm以上であって、
前記第2半導体領域は、互いに異なる2つの導電型半導体領域からなり、
前記2つの第2半導体領域から前記第1半導体領域を介して前記多重量子井戸層の層に平行に電界を印加することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る光制御素子は、前記光制御素子であって、前記第1半導体領域は、比抵抗が10Ω・cm以上であることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明に係る光制御素子は、前記光制御素子であって、前記第2半導体領域は、前記光制御素子の長手方向の長さより短い範囲に形成されていると共に、
前記第2半導体領域の長手方向の長さに対応して形成された電極をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
またさらに、本発明に係る光制御素子は、前記光制御素子であって、前記長手方向に沿って前記多重量子井戸層を挟む第1及び第2の透明導波層をさらに備え、前記第1の透明導波層から前記多重量子井戸層を介して前記第2透明導波層へ光を伝搬すると共に、
前記第2半導体領域は、前記多重量子井戸層の長手方向の長さに対応して形成されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る光制御素子について、添付図面を用いて説明する。なお、図面において、実質的に同一部材には同一符号を付している。
【0011】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る光変調器について図1から図3を用いて説明する。この光変調器は、多重量子井戸層3の長手方向の両側に接して挟む第1半導体領域6、7と、さらに、長手方向の両側に接して該第1半導体領域6、7を挟む第2半導体領域8、9とを備える。この第1半導体領域6、7は、ノンドープ半導体領域からなる。このノンドープ半導体領域は、比抵抗が10Ω・cm以上である。また、ノンドープ半導体領域は、理想的にはキャリアを全く含まない状態であるが、現状ではキャリア濃度がおよそ1.0×1016/cm以下、好ましくは1.0×1015/cm以下の低濃度である。このように多重量子井戸層の長手方向の両側に接してノンドープ半導体領域6、7で挟んだことによって、多重量子井戸層3からしみ出す光に対するフリーキャリア吸収を低減させ、伝搬損失を低減させることができる。また、第2半導体領域8、9は、異なる2つの導電型半導体領域からなる。この2つの第2半導体領域8、9によって、多重量子井戸層3の層に平行に電界13を印加することができる。
【0012】
この光変調器の具体的な構成について図1から図3を用いて説明する。図1は、この光変調器20の全体構成を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A’線に沿った断面図であり、図3は図1のB−B’線に沿った断面図である。この光変調器は、光を伝搬させる多重量子井戸層3を含む中央部では、図2に示すように、InP基板1上に、ノンドープ下部クラッド層2、ノンドープ多重量子井戸層3、ノンドープ上部クラッド層4の順に積層されている。また、多重量子井戸層3の長手方向の両側に接して挟むノンドープ半導体領域6、7が形成されている。さらに、該ノンドープ半導体領域6、7を、長手方向の両側に接して挟む第2半導体領域8、9が形成されている。この第2半導体領域8、9は、異なる2つの導電型の高伝導性半導体領域からなる。また、第2半導体領域8、9の上面には、コンタクト層5及び電極8、9が順に積層されている。
【0013】
この光変調器においては、多重量子井戸層3の長手方向の両側に接してノンドープ半導体領域からなる第1半導体領域6、7を設けている。この構成による作用について説明する。上記構成において光変調器20に入射された光12は、屈折率の低いクラッド部分に囲まれた屈折率の高いコア部内を主に伝搬する。この屈折率の高いコア部分は、ノンドープ多重量子井戸層3である。一方、屈折率の低いクラッド部は、該コア部を層に垂直な上下方向から挟む下部クラッド層2、上部クラッド層4と、層に平行であって長手方向に垂直な両側方向から挟む第1半導体領域6、7からなる。該クラッド部分の第1半導体領域6、7には不純物を添加していないか、あるいは不純物濃度が非常に低濃度である。そのため、状態密度のバンドギャップ内へのすそ引きや、バンドギャップ内への不純物バンドは生じない。したがって、コア部からクラッド部にしみ出す僅かな伝搬光に対するクラッド部でのフリーキャリア吸収が抑えられ、各クラッド層における伝搬損失を軽減できる。
【0014】
さらに、この光変調器の動作原理について、図4を用いて説明する。図4は、多重量子井戸層3に電界を印加した場合の吸収係数の変化を示すグラフである。この光変調器では、多重量子井戸層3の層方向に平行に電界13を印加して光強度変調を行っている。多重量子井戸層3に外部電界を印加すると、電界方向にエネルギー準位が変化するため、図4に示すように、電界が0の場合(E=0)と比べて吸収係数のピークが小さくなっていく。この吸収係数の変化を利用して光強度変調を行うことができる。まず、多重量子井戸層3は、外部からの電界が印加されていない時(E=0)は、実線で示すように、励起子による吸収線が鋭く、使用波長に対し吸収がほとんどなく透明導波路として考えてよい。一方、外部から電界を印加した際には、小さな電界強度変化であっても効果的に励起子吸収が鈍くなり、点線で示すように、特定波長範囲において吸収係数が増加する。ここで、ノンドープGaInAsP多重量子井戸層3のフォトルミネッセンス波長は、使用する波長帯に適合するように、例えば、1.55μm帯の光を変調する際には1.49μm前後にする。なお、多重量子井戸層3の層方向に平行に電界13を印加することにより、層方向に垂直に電界を印加する場合よりも、短い導波路長で光強度変調の動作に必要な消光比が得られる。このため、導波路長を短くする事ができるので、光変調器の低容量化を実現できると共に、高速応答が可能となる。
【0015】
なお、ここでは光強度変調器として用いる場合について説明したが、その用途は光強度変調器に限られない。例えば、光スイッチとして機能させることもできる。さらに別の光制御素子として用いてもよい。また、同一のInP基板1上に半導体レーザ装置を作製し、該半導体レーザ装置と光変調器とを集積化してもよい。
【0016】
次に、この光変調器の製造方法について説明する。まず、この光変調器において、光を伝搬させる多重量子井戸層3を含む中央部は、以下の手順で作製される。
(a)InP基板1を用意する。
(b)該InP基板1の第1面上に、順に、ノンドープInP下部クラッド層2、ノンドープGaInAsP多重量子井戸層3、ノンドープInP上部クラッド層4を積層する。なお、各層を構成するInP、GaInAsやGaInAsP等の化合物半導体層は、有機金属気相成長法(MO−VPE)や分子線エピタキシャル法(MBE)を用いてエピタキシャル成長させることができる。
【0017】
一方、この光変調器の多重量子井戸層3の長手方向の両側から挟む側面構造は以下の手順で作製される。ここで、側面構造としては、多重量子井戸層3の両側に接して挟む第1半導体領域6、7と、該第1半導体領域6、7をさらに両側から挟む第2半導体領域8、9である。
(a)上部クラッド層4まで形成した後、該上部クラッド層4の上にSiO等の絶縁膜で幅1〜3μmのストライプを形成する。この絶縁膜の幅が光を伝搬する多重量子井戸層3の幅となる。
(b)次いで、該絶縁膜をマスクにしてInP基板1が露出するまでエッチングする。
(c)InP基板1の上に、多重量子井戸層3を長手方向の両側に沿って挟むようにノンドープ半導体領域6、7を形成する。このノンドープ半導体領域6、7は、比抵抗が10Ω・cm以上である。このノンドープ半導体領域6、7は、不純物を含まないように選択再成長させて形成できる。
(d)多重量子井戸層3を挟むノンドープ半導体領域6、7をさらにその外側から挟むように異なる2つの導電型半導体領域8、9を形成する。この場合、それぞれの導電型不純物を拡散やイオン注入などの手法で添加し、導電型半導体領域8、9としてもよい。
(e)導電型領域8、9の上面に、それぞれコンタクト層5を形成する。また、コンタクト層5として、GaInAs層が好ましい。
(f)コンタクト層5の上に、電極10、11を蒸着により形成する。
以上の各工程によりこの光変調器が作製される。
【0018】
ここで、上記下部クラッド層2、上記ノンドープ半導体領域6、7、コンタクト層5等の半導体層は、例えばInP基板1と格子整合する条件下でGaInAsP層の組成比を変化させて形成してもよい。すなわち、組成比を変化させることで、屈折率やバンドギャップを制御できるので、屈折率の低いクラッド層や、バンドギャップの小さな量子井戸層を形成できる。なお、多重量子井戸層に用いる化合物半導体層としては、GaInAsP層に限られない。その他、例えば、InP基板と格子整合しうるAlGaInAs層等の化合物半導体層を用いることができる。この場合、屈折率やバンドギャップ等が所定値を有するものであれば、多重量子井戸層として用いることができる。
【0019】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る光変調器について説明する。この光変調器は、実施の形態1に係る光変調器と比較すると、第1半導体領域が半絶縁性の半導体領域である点で相違する。この半絶縁性の半導体領域は、比抵抗が10Ω・cm以上である。また、比抵抗10Ω・cm以上がさらに好ましい。この半絶縁性の半導体領域は、鉄原子を不純物濃度として1017/cm以上含有している。この半絶縁性の半導体領域は、鉄Fe原子を不純物として添加しながら成長させることにより形成できる。なお、含有する不純物としては鉄原子に限られない。多重量子井戸層の両側のクラッド部として、半絶縁性の半導体領域を用いた場合にも、状態密度のバンドギャップ内へのすそ引きや、バンドギャップ内への不純物バンドの発生が生じない。そのため、該半絶縁性半導体領域へしみ出した光に対するフリーキャリア吸収を低減でき、クラッド部における伝搬損失を軽減できる。
【0020】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る光強度変調器について図5を用いて説明する。この光変調器20aは、実施の形態1に係る光変調器と比較すると、図5に示すように、第2半導体領域8、9は光変調器20aの長手方向の長さより短い範囲に形成されている点で相違する。具体的には、長手方向に沿った所定の2箇所で、長手方向に垂直な両側方向から第2半導体領域8、9が部分的に除去され、溝14が形成され、第1半導体領域6、7が露出している。また、第2半導体領域8、9の長手方向の長さに対応して電極10、11が形成されている。この電極10、11から第2半導体領域8、9及び第1半導体領域6、7とを介して多重量子井戸層3に電界を印加する。これによって多重量子井戸層3の層に平行に電界13を印加する長手方向に沿った長さを第2半導体領域8、9の長さに限定することができる。なお、上記2箇所で2つの第2半導体領域8、9の少なくとも一方が部分的に除去されていればよい。また、第2半導体領域8、9と共に第1半導体領域6、7まで部分的に除去されていてもよい。
【0021】
この光変調器において、第2半導体領域8、9は光変調器の長手方向の長さより短い範囲に形成されている。この構成による作用について説明する。上記構成によって、外部電極10、11から、第2半導体領域8、9を介して多重量子井戸層3に電界を印加した場合、電界が印加される光変調領域、すなわち空乏領域を長手方向の全域にわたらないようにすることができる。上記構成によって、多重量子井戸層3の光制御に寄与する領域を任意に設ける事ができる。すなわち、高速動作に求められる容量低減のために光制御領域を短くする場合にも、全体の素子長を変化させることなく溝14で区切ることで実現できるので、取り扱いが容易である。
【0022】
この光変調器において、長手方向に沿った2箇所で、長手方向に垂直な両側方向から第2半導体領域8、9を部分的に除去し、溝14を形成する方法としては、例えば、ウエットエッチングを用いることができる。ウエットエッチングでは、臭化水素:過酸化水素:水の混合溶液や、臭素:メタノールの混合溶液等を用いることができる。また、上記ウエットエッチングの他、反応性イオンエッチング(RIE)法等のドライエッチングを用いてもよい。
【0023】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る光変調器について、図6から図8を用いて説明する。図6は、この光変調器の全体構成を示す斜視図であり、図7は、図6のC−C’線に沿った断面図であり、図8は、図6のD−D’線に沿った断面図である。この光変調器は、実施の形態3に係る光変調器と比較すると、図6及び図7に示すように、長手方向に沿って多重量子井戸層3を挟む第1及び第2の透明導波層15、16を設けている点で相違する。光変調器20bに入射した光は、第1の透明導波層15から多重量子井戸層3に伝搬し、さらに多重量子井戸層3から第2の透明導波層16に伝搬し、外部へ出射される。この場合、電界が印加される範囲にのみ多重量子井戸層3を用い、それ以外の箇所には多重量子井戸層3より伝搬損失が低い透明導波層15、16を用いることにより、光変調器全体の伝搬損失を低減することができる。
【0024】
また、この光変調器では、多重量子井戸層3と2つの透明導波層15、16との境界近傍の2箇所で、長手方向に垂直な両側方向から第2半導体領域8、9が部分的に除去され、溝14が形成され、第1半導体領域6、7が露出している。これによって多重量子井戸層3の層に平行に電界13を印加する長手方向に沿った長さを限定することができる。このように電界を印加する範囲を限定する方法として、
1)導波方向において、電界を印加しない範囲に第1及び第2の透明導波層15、16を用いる方法
2)第2半導体領域8、9を部分的に除去し、溝14で分離する方法
とを併用している。これにより、光を伝搬させる屈折率が高いコア部分、すなわち、多重量子井戸層3が除去されないので伝搬損失を抑制することができる。
【0025】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る光変調器について説明する。この光変調器は、実施の形態4に係る光変調器と比較すると、第1半導体領域6、7が半絶縁性の半導体領域である点で相違する。この半絶縁性半導体領域は、例えば、鉄Fe原子を不純物として添加しながら成長させることによって形成される。このように多重量子井戸層を半絶縁性の半導体領域で挟んだことによって、多重量子井戸層からしみ出す光に対するフリーキャリア吸収を低減させ、伝搬損失を低減させることができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る光制御素子によれば、多重量子井戸層を長手方向の両側に接して挟む比抵抗が10Ω・cm以上の第1半導体領域を設けている。このように多重量子井戸層を半絶縁性以上の高抵抗を有する第1半導体領域で挟んだことによって、多重量子井戸層からしみ出す光に対するフリーキャリア吸収を低減させ、伝搬損失を低減させることができる。
【0027】
また、本発明に係る光制御素子によれば、第1半導体領域は、比抵抗が10Ω・cm以上であるノンドープ半導体領域であるので、さらにフリーキャリア吸収を低減させ、伝搬損失を低減させることができる。
【0028】
さらに、本発明に係る光制御素子によれば、第2半導体領域は、素子の長手方向の長さより短い範囲に形成されており、該第2半導体領域の長手方向の長さに対応して形成された電極を備える。これにより、多重量子井戸層に電界を印加する範囲を第2半導体領域の長さに限定することができると共に、第2半導体領域間の接合容量を減少させることができ、高速動作させることが可能となる。また、導電型領域を部分的に除去し、光を伝搬させる多重量子井戸層を除去しないので、伝搬損失を小さくすることができる。さらに、電界印加範囲を小さくしても素子サイズを大きく維持できるので取り扱いが容易となる。
【0029】
またさらに、本発明に係る光制御素子によれば、光制御に用いられる範囲にのみ多重量子井戸層を用い、それ以外の箇所には多重量子井戸層より伝搬損失が低い透明導波層を用いている。これにより、光変調器全体の伝搬損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光変調器の斜視図である。
【図2】図1のA−A’線に沿った断面図である。
【図3】図1のB−B’線に沿った断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光変調器の動作を説明する概略図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る光変調器の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る光変調器の斜視図である。
【図7】図6のC−C’線に沿った断面図である。
【図8】図6のD−D’線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 InP基板、2 ノンドープInP下部クラッド層(第1クラッド層)、3ノンドープGaInAsP多重量子井戸層、4 ノンドープInP上部クラッド層(第2クラッド層)、5 GaInAsコンタクト層、6、7 第1半導体領域、8、9 第2半導体領域、10、11 電極、12 レーザ光、13 電界、14 溝、15、16 透明導波層、20 層方向電界印加型光変調器

Claims (4)

  1. 多重量子井戸層と、
    前記多重量子井戸層を、層に垂直な方向から挟む第1及び第2クラッド層と、前記多重量子井戸層の長手方向の両側に接して前記多重量子井戸層を挟む第1半導体領域と、
    前記多重量子井戸層を、前記長手方向の両側から前記第1半導体領域を介して挟む第2半導体領域と
    を備え、
    前記第1半導体領域は、比抵抗が10Ω・cm以上であって、
    前記第2半導体領域は、互いに異なる2つの導電型半導体領域からなり、
    前記2つの第2半導体領域から前記第1半導体領域を介して前記多重量子井戸層の層に平行に電界を印加することを特徴とする光制御素子。
  2. 前記第1半導体領域は、比抵抗が10Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の光制御素子。
  3. 前記第2半導体領域は、前記光制御素子の長手方向の長さより短い範囲に形成されていると共に、
    前記第2半導体領域の長手方向の長さに対応して形成された電極をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の光制御素子。
  4. 前記長手方向に沿って前記多重量子井戸層を挟む第1及び第2の透明導波層をさらに備え、前記第1の透明導波層から前記多重量子井戸層を介して前記第2透明導波層へ光を伝搬すると共に、
    前記第2半導体領域は、前記多重量子井戸層の長手方向の長さに対応して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光制御素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008243954A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 面発光型半導体光デバイス
JP2020500332A (ja) * 2016-11-23 2020-01-09 ロックリー フォトニクス リミテッドRockley Photonics Limited 光電気デバイス

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