JP2004037739A - プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

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池末 龍哉
Yosuke Morikawa
森川 陽介
▲吉▼村 公博
Kimihiro Yoshimura
Daisuke Tanaka
田中 大介
Koichi Nakada
中田 浩一
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Abstract

【課題】画像流れ、黒帯、黒スジ、トナー融着、ブレード異音、びびり及びめくれのない高品位で高耐久の電子写真装置及びこの電子写真装置に着脱自在のプロセスカートリッジを提供することにある。
【解決手段】導電性支持体上に少なくとも感光層及び熱硬化樹脂を含有する保護層を有する電子写真感光体を備え、かつ、該電子写真感光体を回転駆動させる手段、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び清掃手段を少なくとも具備する電子写真装置において、該清掃手段は清掃部材としてゴム弾性ブレードを有し、かつ、その300%モジュラスの値が120〜250kg/cmであり、また、該回転駆動手段が転写材の通紙の際に生じる駆動電流値を測定し、更に通紙を継続させた場合の該駆動電流値の最小値をA、最大値をBとすると、B/A≦3である電子写真装置及び該電子写真装置に着脱自在のプロセスカートリッジ。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは、電子写真感光体を特定の清掃部材を選択する清掃手段を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、安全性、高生産性、安価等の理由により、有機光導電性物質を用いた電子写真装置が多く用いられる。従来は、硬度が低いことにより短寿命であったが、研究や開発により機械的特性を向上させ長寿命化がなされつつある。その1つの手段として保護層を設けることが考えられる。
【0003】
しかしながら、保護層を設けることにより、感度低下や残留電位の上昇等の弊害を生じる場合もある。保護層内に含まれた電荷輸送材は、電子写真装置内の雰囲気中に含まれるイオン生成物や窒素酸化物等により劣化を生じ、不具合な画像を生じる場合がある。
【0004】
高寿命化により表面硬度が高くなり、削れ量が減少するため、ある起点をきっかけにトナー成分が融着する場合がある。この削れ量の減少により、種々の生成物が電子写真感光体表面に堆積し易くなり清掃手段の弾性ゴムのクリーニングブレードとの摩擦抵抗が大きくなり、異音発生、びびり、最悪はブレードの反転を生じることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、画像流れ、黒帯、黒スジ、トナー融着、ブレード異音、びびり及びめくれのない高品位で高耐久の電子写真装置を提供することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、上記電子写真装置に用いられるプロセスカートリッジを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性支持体上に少なくとも感光層及び熱硬化樹脂を含有する保護層を有する電子写真感光体を備え、かつ、該電子写真感光体を回転駆動させる手段、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び清掃手段を少なくとも具備する電子写真装置において、該清掃手段は清掃部材としてゴム弾性ブレードを有し、かつ、その300%モジュラスの値が120〜250kg/cmであり、また、該回転駆動手段が転写材の通紙の際に生じる駆動電流値を測定し、更に通紙を継続させた場合の該駆動電流値の最小値をA、最大値をBとすると、B/A≦3であることを特徴とする電子写真装置が提供される。
【0008】
本発明に従って、上記電子写真装置に着脱自在のプロセスカートリッジが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定のバインダーを有する保護層を設けた電子写真感光体と、特定の清掃部材を選択した清掃手段を備えた電子写真装置において、電子写真感光体の駆動装置の駆動電流値を特定範囲内に収めることにより上記の問題を解決するに至った。
【0011】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
【0012】
図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、不図示の駆動モーターにより軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0013】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて搬送された転写材7に、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写手段6により順次転写されていく。
【0014】
トナー画像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0015】
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段8に装着されたゴム弾性ブレード9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0016】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段8等の構成要素のうち、複数のものを容器に収めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段8の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0017】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動又は液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0018】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも幅広く適用し得るものである。
【0019】
上記のような構成、動作状況を行った場合の感光ドラム回転駆動モーターの負荷電流を表したのが図3(I)である。電子写真感光体が回転し始めた直後は、ゴム弾性ブレードとの静止摩擦が高いためモーター負荷電流は図3(I)−iに示すようにかなり急激に高くなるが主にゴム弾性ブレードと電子写真感光体の動摩擦の負荷で回転が安定すると図3(I)−iiに示すよう測定系のノイズ、負荷変動による回転ムラ等よりに変動を生じつつほぼ安定した負荷電流を維持し動作終了と共に電流は0となる。
【0020】
また図3(II)に示した電流値の推移は、ゴム弾性ブレード、帯電ローラ等の電子写真感光体に負荷のない状態でのモーター負荷電流である。このモーターに負荷がない状態での駆動電流値をCとする。
【0021】
本発明における通紙条件は、n数枚(n=1〜10)連続通紙した後、回転駆動手段を停止する時間t(t=0.01〜30秒)を設けることが好ましい。
【0022】
停止時間を設けずに連続通紙を行うと、クリーニングブレードと電子写真感光体の接触している部位に転写残トナー、トナーから遊離した外添剤、感光体の削れ粉等の滑剤に対応する物質が常時存在しているため、感光体及び感光体に接触している手段、主にクリーニングブレードであるが、それらに対しての負荷が低減され有意差が見出されにくくなる。
【0023】
これに対し、本発明のように停止時間を設けると、クリーニングブレードは電子写真感光体の駆動手段が停止するのと同時に駆動手段が動作していた時の定常状態から静止の場合の定常状態に復帰し、その際、上述した滑剤に対応する物質の大部分はクリーニングブレードエッジから、クリーニングユニット内に落ち、エッジにはブレードと感光体のニップ部にわずかにしか残存しない。そのため感光体が駆動を開始するとブレードと感光体間は摩擦抵抗が高くなるため、トルクも一瞬高く測定され、感光体に負荷が大きくかかる。通常、電子写真装置は、作像前後に感光体はクリーニングブレード等に接触し、帯電による履歴を受けつつ回転しているので、感光体に疲労が蓄積され、有意差が見出され易い。
【0024】
更に、電子写真装置で転写材の通紙を継続した場合の負荷電流の数値の推移を示した例が図4〜図8である。図4は、初期から或る通紙枚数までは如々に負荷電流が上昇し、最大値を示した後、負荷電流が下降しある数値で安定化する。図4の場合、最小値は初期の値で本発明でのAであり、最大値を示した数値がBである。初期の負荷電流は低いが、通紙枚数が増えるにつれ帯電生成物の堆積により電子写真感光体とゴム弾性ブレードとの摩擦が大きくなり電子写真感光体モーター負荷電流が上昇する。が、ある程度通紙が進むと帯電ローラの通電、ゴム弾性ブレードの摩擦、転写ローラの通電等により電子写真感光体表面が劣化し、削れ及び面粗れを生じる。面粗れを生じることによりゴム弾性ブレードとの密着性が減少し、負荷電流が減少する。また、電子写真感光体表面の削れた粉体が潤滑材なり得る場合もある。又は、電子写真感光体の初期の面粗さRzが例えば0.2〜1.5μm程度の場合、ゴム弾性ブレードとの密着性が低く負荷電流低い。が、通紙が進むにつれ電子写真感光体が削れ表面の凹凸が減少する。それにつれ電子写真感光体とゴム弾性ブレードとの密着性が上がるため、負荷電流は上昇する。凹凸が減少したある時期以降は、電子写真感光体とゴム弾性ブレードとの摩擦、トナー、紙粉等により電子写真感光体表面に円周方向に傷を生じ、凹凸が増加し、その結果、電子写真感光体とゴム弾性ブレードとの密着性が減少し負荷電流は減少する。
【0025】
図5は、電子写真装置の負荷電流の推移を示す他の例である。図4と同様に初期の負荷電流は低く、また電子写真感光体とゴム弾性ブレードとの摩擦が大きくなることにより、モーター負荷電流は上昇する。通紙枚数が進むと帯電ローラの通電、ゴム弾性ブレードの摩擦、転写ローラの通電等による電子写真感光体表面劣化での削れ及び面粗れ及び帯電生成物の堆積等が均衡を保つことにより負荷電流がほぼ最大値を保ちつつ推移する。
【0026】
図6は、電子写真装置の負荷電流の推移を示す他の例である。初期の負荷電流は低く電子写真感光体の寿命まで負荷電流はほぼ単調に増加する。これは、電子写真感光体の表層が削れにくく、帯電生成物等が電子写真感光体表面に堆積してゆき、その結果、電子写真感光体とゴム弾性ブレードとの摩擦抵抗が序々に上昇するためと思われる。あるいは、電子写真感光体とゴム弾性ブレードが、帯電により静電的に密着し易くなることもありうる。
【0027】
図7は、電子写真装置の負荷電流の推移を示す他の例である。初期の負荷電流が高く、通紙枚数の進行により減少し、その後、上昇するが初期の負荷電流値までは上昇しない。
【0028】
図8は、電子写真装置の負荷電流の推移を示す他の例である。初期の負荷電流が高く、通紙枚数の進行により減少し、その後、上昇に転じ初期の負荷電流値以上となる。
【0029】
何れの場合においても本発明においては駆動電流値の最小値をA、最大値をBとすると、B/A≦3であることが必須であり、より好ましくは2以下である。B/A>3であると、電子写真感光体とクリーニングブレードの摩擦抵抗が高いこととなり、ブレード鳴き、ブレードめくれ等を引き起こすため好ましくない。
【0030】
また、電子写真感光体の回転に負荷を及ぼす部材が離間された状態での電子写真感光体回転モーターの駆動電流値をCとすると、(B−C)/(A−C)≦4であることが好ましい。(B−C)/(A−C)>4であると、電子写真感光体とクリーニングブレードの摩擦抵抗が高いこととなり、ブレード鳴き、ブレードめくれ等を引き起こし易くなるため好ましくない。
【0031】
前露光は、ハロゲンランプ、タングステン又はLED等が用いられる。また、ランプと感光ドラムの間に光の拡散用及び/又は波長カットのためにフィルターを設けてもよい。感光ドラムが有機電子写真感光体の場合は、少なくとも400nm以下の短波長をカットする。それ以上の波長のカットは、電荷発生材や電荷輸送材等の材料により異なるが、概ね600nm以下の波長をカットすることが好ましい。光量は感光ドラムの帯電電位をE(V)とした時にE/10(V)となる光量の3〜30倍が好ましい。
【0032】
電荷発生層がα−Siの場合は、長波長側で光疲労を生じるため、少なくとも750nm以上の波長をカット、より好ましくは700nm以上をカットするとよい。
【0033】
だが、装置の仕様、前露光以外の手段、感光ドラムの特性等のため、前露光が用いられない電子写真装置もありうる。
【0034】
帯電部材3は例として図1に示すようなローラを用いているが、コロナ、ブラシ又はブレード等を用いてもよい。コロナ帯電の場合は、コロトロンやスコロトロンの何れでもよい。電圧が印加されるワイヤには、2〜10KVの電圧が印加される。負帯電の場合は、スコロトロンが主に用いられる。
【0035】
電子写真感光体の表面電位を一定に保つために、エッチング、もしくはワイヤ等によるグリッドが設けられ、300〜1000Vの電圧が印加される。
【0036】
本発明に用いられるゴム弾性ブレードは、300%モジュラスの値が120〜250kg/cmを必須とし、120kg/cm未満では感光体の停止、回転により、ブレードのエッジが動き易く、捲れに弱いことがあり、250kg/cmを超えるとブレードのエッジの動きが少ないため、感光体と接触し易いので傷、削れが多くなる、トナー融着が発生する等となることがある。
【0037】
また、帯電手段がローラ等の接触帯電の場合は、帯電による放電での感光体表面の劣化が大きいため、クリーニングブレードの反発弾性を60%以下、かつ、又はJIS A硬度が70°以上とすることが好ましい。上記の範囲をはずれると傷、削れが増加し易くなる、もしくは、ブレードめくれ、鳴き等を生じ易くなるため好ましくない。
【0038】
帯電手段がコロナ帯電の場合は、クリーニングブレードの反発弾性を20%以下、かつ、又は、JIS A硬度67°以上とすることが好ましい。接触帯電と比較して、電子写真装置内雰囲気は帯電生成物は多く存在するが、感光体に直接の劣化を引き起こすわけではないので、接触帯電のクリーニングブレードの特性とはやや異なる。上記の範囲をはずれると、ブレードめくれ、鳴き等を生じ易くなるため好ましくない。
【0039】
本発明に用いられるゴム弾性ブレードの材質としては、シリコーン、ニトリル、パーフロン、フッ素系、クロロプレン、EPDM、NBR、エピクロルヒドリン又は天然ゴム等が用いられる。また、本発明が述べる300%モジュラスの値が120〜250kg/cmを満足すれば上記以外の材質を用いてもよい。
【0040】
ブレードの形状としては、図2(I)に示すような板状、同じく(II)に示す形状等が用いられ、厚みは0.2〜10mmが好ましく、特には0.7〜4mmが好ましい。
【0041】
ブレードの設定条件としては、線圧は1〜10g/cmが好ましく、特には1.5〜5g/cmが好ましく、自由長は0.5〜20mmが好ましく、特には2〜12mmが好ましい。
【0042】
ブレード表面には樹脂を塗布してもよい。例えば、ブレード材質よりも硬度の高い樹脂、潤滑性を有する樹脂、潤滑性を有する微粒子を添加した樹脂、研磨剤を添加した樹脂又は無機微粒子を添加した樹脂等である。
【0043】
次に、感光層について以下に説明する。
【0044】
本発明の電子写真感光体を用いる電子写真装置は、電子写真感光体の周囲の温度を30〜50℃に制御することが好ましい。更に、本発明の該電子写真装置は、電子写真感光体の周囲の温度30〜50℃、湿度5〜60%RHに制御することが好ましい。該電子写真感光体の環境を制御することにより、該電子写真感光体に蓄積した帯電生成物等による画像流れを防止し易くなり、また、該電子写真感光体に接触しているクリーニング部材もそれにより同雰囲気となるため、該クリーニング部材の特性もより安定し易い。
【0045】
本発明の電子写真感光体は、主に積層構造を有することが好ましい。図9(a)の電子写真感光体は、導電性支持体94の上に電荷発生層93、電荷輸送層92が順に設けており、更に最表面に保護層91を設けている。また、図9(b)及び(c)の様に導電性支持体と電荷発生層の間に、結着層95、更には干渉縞防止等を目的とする下引き層96を設けてもよい。
【0046】
導電性支持体としては、支持体自身が導電性を持つもの、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金及びステンレス等の金属を用いることができ、その他にアルミニウム、アルミニウム合金又は酸化インジウム−酸化スズ合金等を真空蒸着によって被膜形成された層を有する前記導電性支持体やプラスチック、導電性微粒子(例えば、カーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン及び銀粒子等)を適当なバインダーと共にプラスチックや紙に含浸した支持体、導電性バインダーを有するプラスチック等を用いることができる。
【0047】
また、導電性支持体と感光層の間には、バリアー機能と接着機能を持つ結着層(接着層)を設けることができる。
【0048】
結着層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。結着層には、カゼイン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン又は酸化アルミニウム等によって形成できる。結着層の膜厚は、5μm以下が好ましく、0.1〜3μmがより好ましい。
【0049】
本発明に用いられる電荷発生材料としては、(1)モノアゾ、ジスアゾ及びトリスアゾ等のアゾ系顔料、(2)金属フタロシアニン及び非金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、(3)インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ系顔料、(4)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミド等のペリレン系顔料、(5)アンスラキノン及びピレンキノン等の多環キノン系顔料、(6)スクワリリウム色素、(7)ピリリウム塩及びチアピリリウム塩類、(8)トリフェニルメタン系色素、(9)セレン、セレン−テルル及びアモルファスシリコン等の無機物質、(10)キナクリドン顔料、(11)アズレニウム塩顔料、(12)シアニン染料、(13)キサンテン色素、(14)キノンイミン色素、(15)スチリル色素、(16)硫化カドミウム及び(17)酸化亜鉛等が挙げられる。
【0050】
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独、混合あるいは共重合体ポリマーとして1種又は2種以上用いることができる。
【0051】
電荷発生層用塗工液に用いる溶剤は、使用する樹脂や電荷発生材料の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール類、スルホキシド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロゲン化炭化水素類又は芳香族化合物等を用いることができる。
【0052】
電荷発生層は、前記の電荷発生材料を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター又はロールミル等の方法で十分に分散し、塗布、乾燥されて形成される。その厚みは、5μm以下、特には0.01〜1μmの範囲が好ましい。
【0053】
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷発生材料を必要に応じて添加することもできる。
【0054】
用いられる電荷輸送材料としては、各種トリアリールアミン系化合物、各種ヒドラゾン系化合物、各種スチリル系化合物、各種スチルベン系化合物、各種ピラゾリン系化合物、各種オキサゾール系化合物、各種チアゾール系化合物及び各種トリアリールメタン系化合物等が挙げられる。
【0055】
電荷輸送層を形成するのに用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂等から選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。
【0056】
電荷輸送層は一般的には前記の電荷輸送材料と結着樹脂を溶剤に溶解し、塗布して形成する。電荷輸送材料と結着樹脂との混合割合は2:1〜1:2程度である。溶剤としては、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル及び酢酸エチル等のエステル類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、クロロホルム及び四塩化炭素等の塩素系炭化水素類等が用いられる。この溶液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法及びスピンナーコーティング法等のコーティング法を用いることができ、乾燥は10℃〜200℃が好ましく、より好ましくは20℃〜150℃の範囲の温度で、5分〜5時間が好ましく、より好ましくは10分〜2時間の時間で送風乾燥又は静止乾燥下で行うことができる。
【0057】
電荷輸送層は、上述の電荷発生層と電気的の接続されており、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷キャリアを受け取ると共に、これ等の電荷キャリアを保護層との界面まで輸送する機能を有している。この電荷輸送層は電荷キャリアを輸送する限界があるので必要以上に膜厚を厚くすることができないが、5〜40μmが好ましく、特には7〜30μmの範囲が好ましい。
【0058】
更に、電荷輸送層中に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷輸送材料を必要に応じて添加することもできる。
【0059】
本発明では更に、この電荷輸送層の上に前記保護層を塗布、硬化させて成膜することで完成される。
【0060】
本発明における保護層に用いる結着樹脂は熱硬化性樹脂であるが、特には熱硬化性フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂は、一般的にフェノール類とホルムアルデヒドの反応によって得られる樹脂である。フェノール樹脂には2つのタイプがあり、フェノール類に対してホルムアルデヒドを過剰にしてアルカリ触媒で反応させて得られるレゾールタイプと、ホルムアルデヒドに対しフェノール類を過剰にして酸触媒で反応させて得られるノボラックタイプに分けられる。
【0061】
レゾールタイプは、アルコール類やケトン類の溶媒にも可溶であり、加熱することで3次元的に架橋重合して硬化物となる。一方、ノボラックタイプは一般にそのまま加熱しても硬化はしないが、パラホルムアルデヒドやヘキサメチレンテトラミン等のホルムアルデヒド源を加えて加熱することで硬化物を生成する。
【0062】
一般的に工業的には、レゾールは塗料、接着剤、注型品及び積層品用のワニスとして利用され、ノボラックは主として成形材料や結合剤として利用されている。
【0063】
本発明における結着樹脂として利用されるフェノール樹脂は、上記のレゾールタイプ及びノボラックタイプのどちらでも利用可能であるが、硬化剤を加えることなく硬化することや、塗料としての操作性等からレゾールタイプを用いることが好ましい。
【0064】
本発明ではこれらのフェノール樹脂を1種類又は2種類以上混合して用いることができ、また、レゾールタイプとノボラックタイプを混合して用いることも可能である。また、本発明に使用されるフェノール樹脂は、公知のフェノール樹脂であれば如何なるものを用いてもよい。
【0065】
本発明の保護層は、熱硬化性フェノール樹脂を溶剤等で溶解又は希釈して得た塗工液を感光層上に塗工して成形することが好ましく、こうすることで塗工後に重合反応が起きて硬化層を形成する。重合の形態として、熱による付加及び縮合反応により進行し、保護層を塗工後、加熱することで重合反応を起こし高分子硬化層を生成する。
【0066】
本発明の保護層は、フェノール基を少なくとも1つ有する電荷輸送材料、ヒドロキシアルキル基及びヒドロキシアルコキシ基より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する電荷輸送材料のいずれかを少なくとも1種類含有することが好ましい。
【0067】
本発明に用いられるフェノール基を少なくとも1つ有する電荷輸送材料は、下記式(1)〜(3)のいずれかで示される化合物であることが好ましい。
【0068】
【化1】
Figure 2004037739
【0069】
式中、Rは炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を示し、Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいフェニル基を示す。Ar及びArは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を示す。Arは置換基を有してもよいアリーレン基又は2価の置換基を有してもよい複素環基を示す。m及びnはそれぞれ0又は1である。ただし、n=0の時、m=0である。α及びβはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を示す。
【0070】
【化2】
Figure 2004037739
【0071】
式中、Rは炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を示す。Ar及びArは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を示す。γ及びδはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を示す。なお、γ及びδは置換基を介して共同で環をなしてもよい。pは0又は1である。
【0072】
【化3】
Figure 2004037739
【0073】
式中、R及びRはそれぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を示す。Arは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を示す。ε、ζ、η及びθはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を示す。なお、εとζ及びηとθは置換基を介して共同で環をなしてもよい。q及びrはそれぞれ0又は1である。
【0074】
本発明に用いられるヒドロキシアルキル基及びヒドロキシアルコキシ基より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する電荷輸送材料は、下記式(4)〜(6)のいずれかで示される化合物であることが好ましい。
【0075】
【化4】
Figure 2004037739
【0076】
式中、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を示し、ι、κ及びλはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を示し、a、b及びdは0又は1であり、s及びtは0又は1である。
【0077】
【化5】
Figure 2004037739
【0078】
式中、R、R10及びR11はそれぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を示し、μ及びνはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を示し、e、f及びgは0又は1である。u、w及びvは0又は1であり、総てが同時に0になることはない。Z及びZはそれぞれハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を示し、共同で環をなしてもよい。
【0079】
【化6】
Figure 2004037739
【0080】
式中、R12、R13、R14及びR15はそれぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を示し、ξ、π、ρ及びσはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を示し、h、i、j及びkは0又は1であり、x、y及びzは0又は1である。Z及びZはそれぞれハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を示し、共同で環をなしてもよい。
【0081】
上記式(1)〜(6)における置換基等の構造について以下に詳しく説明する。
【0082】
式中、R及びR〜R15はそれぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい、メチレン基、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基等の2価の炭化水素基を示す。Rは水素原子、置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基及びナフチルメチル基等のアラルキル基、又はフェニル基を示す。
【0083】
式中、α、β、γ、δ、ε、ζ、η、θ、ι、κ、λ、μ、ν、ξ、π、ρ及びσが示すベンゼン環が有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有してもよいメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基等のアルコキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基、又は置換基を有してもよいピリジル基、チエニル基、フリル基及びキノリル基等の複素環基を示す。また、γとδ、εとζ、及びηとθは共同でそれぞれが結合している置換基等を介して、フルオレン骨格やジヒドロフェナントレン骨格等の環状構造を形成してもよい。
【0084】
式中、Ar、Ar、Ar、Ar及びArは置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基及びナフチルメチル基等のアラルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基、又は置換基を有してもよいピリジル基、チエニル基、フリル基及びキノリル基等の複素環基を示す。Arは置換基を有してもよいフェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基及びピレニレン基等のアリーレン基、ピリジレン基、又はチエニレン基等の2価の複素環基を示す。
【0085】
式中、Z〜Zはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有してもよいメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基等のアルコキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基、又は置換基を有してもよいピリジル基、チエニル基、フリル基及びキノリル基等の複素環基を示す。ZとZ及びZとZは共同でそれぞれが結合しているビフェニル骨格を介して、フルオレン骨格やジヒドロフェナントレン骨格等の環状構造を形成してもよい。
【0086】
式(1)〜(6)において有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基及びナフチルメチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等の芳香環基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基等が挙げられる。
【0087】
本発明に用いられる電荷輸送材料は、フェノール樹脂と電荷輸送材の相溶性が良好で均一に分散された保護層膜を容易に作製できるが、その相溶性を更に良好にし、高い電荷輸送性を持たせるために、構造式(1)〜(3)に示されるトリフェニルアミン誘導体であることが好ましく、また、フェノール性残基の数が2個以上であることが好ましい。一方、構造式(4)〜(6)中のR〜R15で示される2価の炭化水素基は炭素数4以下であることが好ましく、また、ヒドロキシアルキル基及びヒドロキシアルコキシ基の数が2個以上であることが好ましい。
【0088】
本発明に用いられる一般式(1)〜(6)の特定の構造を有する電荷輸送材料は、保護層を作製するための塗工液中に均一に溶解又は分散させ、塗布して形成する。一般式(1)〜(6)の電荷輸送材料と硬化性フェノール樹脂バインダーの混合割合は、質量比で、電荷輸送材料/フェノール樹脂バインダー=0.1/10〜20/10が好ましく、特には0.5/10〜10/10が好ましい。フェノール樹脂バインダー対して電荷輸送材料が少な過ぎると残留電位低下の効果が小さくなり、多過ぎると保護層の強度を弱める可能性がある。
【0089】
以下に、本発明で用いられるフェノール基を少なくとも1つ有する電荷輸送材料の具体例を示す。ただし、本発明の電荷輸送材料はこれらに限定されるものではない。
【0090】
【化7】
Figure 2004037739
【0091】
【化8】
Figure 2004037739
【0092】
【化9】
Figure 2004037739
【0093】
【化10】
Figure 2004037739
【0094】
【化11】
Figure 2004037739
【0095】
【化12】
Figure 2004037739
【0096】
【化13】
Figure 2004037739
【0097】
【化14】
Figure 2004037739
【0098】
【化15】
Figure 2004037739
【0099】
【化16】
Figure 2004037739
【0100】
【化17】
Figure 2004037739
【0101】
【化18】
Figure 2004037739
【0102】
【化19】
Figure 2004037739
【0103】
【化20】
Figure 2004037739
【0104】
【化21】
Figure 2004037739
【0105】
【化22】
Figure 2004037739
【0106】
【化23】
Figure 2004037739
【0107】
【化24】
Figure 2004037739
【0108】
【化25】
Figure 2004037739
【0109】
【化26】
Figure 2004037739
【0110】
【化27】
Figure 2004037739
【0111】
【化28】
Figure 2004037739
【0112】
【化29】
Figure 2004037739
【0113】
【化30】
Figure 2004037739
【0114】
また以下に、本発明で用いられるヒドロキシアルキル基及びヒドロキシアルコキシ基より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する電荷輸送材料の具体例を示す。ただし、本発明の電荷輸送材料はこれらに限定されるものではない。
【0115】
【化31】
Figure 2004037739
【0116】
【化32】
Figure 2004037739
【0117】
【化33】
Figure 2004037739
【0118】
【化34】
Figure 2004037739
【0119】
【化35】
Figure 2004037739
【0120】
【化36】
Figure 2004037739
【0121】
【化37】
Figure 2004037739
【0122】
【化38】
Figure 2004037739
【0123】
【化39】
Figure 2004037739
【0124】
【化40】
Figure 2004037739
【0125】
【化41】
Figure 2004037739
【0126】
【化42】
Figure 2004037739
【0127】
【化43】
Figure 2004037739
【0128】
【化44】
Figure 2004037739
【0129】
【化45】
Figure 2004037739
【0130】
【化46】
Figure 2004037739
【0131】
【化47】
Figure 2004037739
【0132】
【化48】
Figure 2004037739
【0133】
【化49】
Figure 2004037739
【0134】
【化50】
Figure 2004037739
【0135】
【化51】
Figure 2004037739
【0136】
【化52】
Figure 2004037739
【0137】
【化53】
Figure 2004037739
【0138】
【化54】
Figure 2004037739
【0139】
保護層は、無機微粒子、有機微粒子のいずれか一方、あるいは両方を含有することができ、微粒子としては、保護層の抵抗調整機能を有する導電性の粒子が好ましく、また保護層の耐摩耗性から潤滑性の粒子が好ましい。
【0140】
本発明において、保護層の体積抵抗率を調整する補助的な役割を担うものとして、導電性粒子を用いてもよい。その例としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化アルミナ、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。
【0141】
本発明においては、上述した導電性粒子の中でも透明性の点で金属酸化物を用いることが好ましい。更に、これら金属酸化物の中でも酸化スズを用いることが特に好ましい。酸化スズは、分散性や液安定性を改良する目的で後述の表面処理されていてもよく、抵抗制御性を良くする目的でアンチモンやタンタルをドープされていてもよい。
【0142】
上記の金属や金属酸化物の一部は、保護層に含むことにより、保護層の削れ量低減の効果も同時に示すものがある。
【0143】
本発明において用いられる導電性粒子の平均粒径は、保護層の透明性の点で0.3μm以下が好ましく、特には0.1μm以下が好ましい。
【0144】
本発明において用いられる保護層は、本質的に抵抗体として電荷の移動をさせるものではなく、保護層中に含有させた電荷輸送材料により電荷を移動させて、保護層を施した電子写真感光体の感度を維持し、残留電位を低下させるものである。従って、抵抗体としての体積抵抗率は低く設定する必要はなく、その体積抵抗率として、1×1012Ω・cm以上にすることにより、形成された静電潜像の流れ等を高い次元で抑制することできことを見出した。
【0145】
膜強度的には、導電性粒子の量が増えれば増えるほど弱くなるため、導電性粒子の量は、保護層の体積抵抗及び残留電位が許容できる範囲において、少なくする方が好ましい。
【0146】
本発明においては、保護層の潤滑性を向上させるためにフッ素原子含有樹脂粒子を含んでもよい。その例としては、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量分布や粒径は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
【0147】
このフッ素原子含有樹脂を導電性粒子と共に樹脂溶液中で相互の粒子を凝集させないように、フッ素原子含有化合物を導電性粒子の分散時に添加したり、また、導電性粒子の表面をフッ素原子含有化合物で表面処理するとよい。フッ素原子含有化合物を添加又は導電性粒子に表面処理を行うことにより、フッ素原子含有化合物のない場合に比べて、樹脂溶液中での導電性粒子とフッ素原子含有樹脂粒子の分散性及び分散安定性が格段に向上した。また、フッ素原子含有化合物を添加し導電性粒子を分散した液、又は表面処理を施した導電性粒子を分散した液に、フッ素原子含有樹脂粒子を分散することによって分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも非常に安定した分散性の良好な塗工液が得られる。
【0148】
本発明におけるフッ素原子含有化合物としては、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル及びフッ素系界面活性剤等が挙げられる。以下に、好ましい化合物例を表1〜表3に挙げるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0149】
【表1】
Figure 2004037739
【0150】
【表2】
Figure 2004037739
【0151】
【表3】
Figure 2004037739
【0152】
導電性粒子の表面処理方法としては、導電性粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、表面処理剤を導電性粒子表面に付着させる。分散の方法としては、ボールミルやサンドミル等の通常の分散手段を用いることができる。次に、この分散溶液から溶剤を除去し、導電性粒子表面に固着させればよい。また、必要に応じて、この後更に熱処理を行ってもよい。また、処理液中には反応促進のための触媒を添加することもできる。更に、必要に応じて表面処理後の導電性粒子に更に粉砕処理を施すことができる。
【0153】
導電性粒子に対するフッ素原子含有化合物の割合は、粒子の粒径、形状及び表面積等に影響を受けるが、表面処理済みの導電性粒子全質量に対し、1〜65質量%が好ましく、特には1〜50質量%が好ましい。
【0154】
更に、本発明においては、より環境安定性のある保護層とするために、下記式(7)で示されるシロキサン化合物を導電性粒子分散時に添加したり、又は、下記式(7)で示されるシロキサン化合物で表面処理を施した導電性粒子を混合することにより、更に環境安定性により優れた保護層を得ることができる。
【0155】
【化55】
Figure 2004037739
【0156】
式中、Aは水素原子又はメチル基であり、かつ、Aの全部における水素原子の割合は0.1〜50%の範囲、nは0以上の整数である。
【0157】
このシロキサン化合物を添加後分散した塗工液、又は、これを表面処理した導電性金属酸化物微粒子を溶剤に溶かした結着樹脂中に分散することによって、分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも安定した分散性の良い塗工液が得られ、更にこの塗工液より形成した保護層は透明性が高く、耐環境性に特に優れた膜が得られる。
【0158】
式(7)で示されるシロキサン化合物の分子量は特に制限されるものではないが、表面処理をする場合は、その容易さからは粘度が高過ぎない方がよく、重量平均分子量で数百〜数万程度が適当である。
【0159】
表面処理の方法としては、湿式と乾式の二通りがある。湿式では導電性金属酸化物粒子を式(7)で示されるシロキサン化合物とを溶剤中で分散し、該シロキサン化合物を微粒子表面に付着させる。分散の手段としては、ボールミルやサンドミル等の一般の分散手段を使用することができる。次に、この分散溶液を導電性金属酸化物微粒子表面に固着させる。この熱処理においては、シロキサン中のSi−H結合が熱処理過程において空気中の酸素によって水素原子の酸化が起こり、新たなシロキサン結合ができる。その結果、シロキサンが3次元構造にまで発達し、導電性金属酸化物微粒子表面がこの網状構造で包まれる。このように表面処理は、シロキサン化合物を導電性金属酸化物微粒子表面に固着させることによって完了するが、必要に応じて処理後の微粒子に粉砕処理を施してもよい。乾式処理においては、溶剤を用いずにシロキサン化合物と導電性金属酸化物微粒子とを混合し混練を行うことによってシロキサン化合物を微粒子表面に付着させる。その後は、湿式処理と同様に熱処理と粉砕処理を施して表面処理を完了する。
【0160】
保護層の塗工液を分散する溶剤としては、フェノール樹脂を良く溶解し、導電性微粒子の分散性が良く、式(1)〜(6)で示される電荷輸送材料も良く溶解し、更に本発明に用いるフッ素原子含有化合物、フッ素原子含有樹脂粒子、シロキサン化合物との相溶性や処理性が良好で、更に、保護層の塗工液と接触する電荷輸送層に悪影響を与えない溶剤が好ましい。
【0161】
従って、溶剤としてはメタノール、エタノール及び2−プロパノール等のアルコール類、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル及び酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン及びジクロロメタン等のハロゲン系炭化水素類等が使用可能である。これらの中でも、フェノール樹脂の形態に最も好適な溶剤はメタノール、エタノール及び2−プロパノール等のアルコール類である。
【0162】
本発明の保護層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法等の一般的な塗工方法を用いることができる。
【0163】
本発明の保護層の膜厚は、薄過ぎると電子写真感光体の耐久性を損ない、厚過ぎると保護層を設けたことによる残留電位が上昇するため、適度な厚さにする必要がある。具体的には0.1μm〜10μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5μm〜7μmの範囲である。
【0164】
本発明においては、前記保護層中に、帯電時に発生するオゾンやNOx等の活性物質の付着による表面層の劣化等を防止する目的で、酸化防止剤の添加材を加えてもよい。
【0165】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明の実施の形態は、これらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
【0166】
(実施例1)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM800、東レ製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、熱風乾燥し、膜厚が0.5μmの下引き層を設けた。
【0167】
次に、電荷発生材料として下記式で示されるCuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2゜)の9.6°及び27.2゜に強いピークを有する結晶型であるオキシチタニウムフタロシアニン顔料4部、
【0168】
【化56】
Figure 2004037739
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1積水化学(株)製)2部及びシクロヘキサノン110部を、φ1mmガラスビーズを用いてサンドミルで、4.5時間分散した。その後、酢酸エチル130部で希釈し電荷発生層用塗工液とした。上記塗工液を先の下引き層上に浸漬法で塗布し、熱風乾燥し、膜厚が0.18μmの電荷発生層を形成した。
【0169】
次いで、下記式で示される電荷輸送材料7.5部
【0170】
【化57】
Figure 2004037739
及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z−200、三菱ガス化学製)10部を、モノクロロベンゼン60部/ジクロロメタン20部に溶解した。この溶液を、前記電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0171】
次に保護層として、電荷輸送材料として化合物例No.1−14を18部、樹脂成分として硬化性フェノール樹脂(商品名:PR−53123、住友デュレズ(株)製)60部(不揮発分45%)、エタノールを150部として保護層塗工液とした。この塗工液を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬塗布法により、膜を形成した後、145℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形成した。
【0172】
(実施例2)
電荷輸送層までを実施例1と同様にして作製した。
【0173】
実施例1と同様のフェノール樹脂と電荷輸送材にポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.22μm)15部を加え1時間攪拌して保護層用塗工液とした。この塗工液を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬塗布法により、膜を形成した後、145℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が4.5μmの保護層を形成した。
【0174】
(実施例3)
電荷輸送層までを実施例1と同様にして作製した。
【0175】
実施例1と同様のフェノール樹脂を67部(不揮発分45%)に、電荷輸送材料として化合物例No.2−12を25部とエタノール75部/アセトン10部加え溶解し、4時間攪拌して保護層用塗工液とした。この塗工液を実施例1と同様に電荷輸送層上に浸漬塗布法により、膜を形成した後、155℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形成した。
【0176】
(実施例4)
電荷輸送層までを実施例2と同様にして作製した。
【0177】
保護層として、実施例2のフェノール樹脂を硬化性フェノール樹脂(商品名:PL−2211、群栄化学工業(株)製)35部(不揮発分58%)を使用し、更に電荷輸送材料として化合物例No.1−44を12部溶解し、保護層用塗工液とした。この塗工液を用いて電荷輸送層上に浸漬塗布法により、膜を形成した後、130℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が2μmの保護層を形成した。
【0178】
(実施例5)
電荷輸送層までを実施例1と同様にして作製した。
【0179】
次に、保護層として、実施例2で使用したフェノール樹脂に代えて、レゾール型硬化性フェノール樹脂(商品名:PL−2211、群栄化学工業(株)製)50部(不揮発分58%)を使用し、更に、ヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送材料として化合物例No.4−23を18部溶解し保護層用塗工液とした。この塗工液を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬塗布法により、膜を形成した後、150℃で90分間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形成した。
【0180】
(実施例6)
実施例5において用いたヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送材料の化合物例No.4−23を化合物例No.5−30に代えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体等を作製した。
【0181】
(実施例7)
電荷輸送層までを実施例1と同様にして作製した。
【0182】
実施例1において、アンチモンドープ酸化スズ超微粒子100部を下記式のフッ素原子含有化合物(商品名:LS−1090、信越シリコーン(株)製)7部で表面処理した(処理量7%)、処理済み酸化スズ微粒子35部と
【0183】
【化58】
Figure 2004037739
エタノール150部を、サンドミルにて、66時間かけて分散を行った。その後、実施例1と同様のフェノール樹脂、電荷輸送材料を溶解し、アセトン35部で希釈して保護層用塗工液とした。この塗工液を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬塗布法により、膜を形成した後、145℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が3.5μmの保護層を形成した。
【0184】
(実施例8)
電荷輸送層までを実施例1と同様にして作製した。
【0185】
実施例7と同様な表面処理を施した酸化スズ30部をサンドミルで分散した後、更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.2μm)13部を加えて、更に15時間サンドミルで分散を行った。その後、実施例1と同様のフェノール樹脂、電荷輸送材料を溶解し、アセトン35部で希釈して保護層用塗工液とした。この塗工液を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬塗布法により、膜を形成した後、135℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が1.5μmの保護層を形成した。
【0186】
(比較例1)
電荷輸送層までを実施例1と同様にして作製した。
【0187】
次に、保護層として、実施例1と同様のフェノール樹脂のみとし、これを希釈して塗工液とし、浸漬塗布法により、膜を形成した後、145℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0188】
(比較例2)
電荷輸送層までを実施例1と同様にして作製した。
【0189】
次に、保護層として、実施例4と同様のフェノール樹脂のみとし、これを希釈して塗工液とし、浸漬塗布法により、膜を形成した後、145℃で1時間熱風乾燥し、膜厚3μmの保護層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0190】
(比較例3〜7)
電荷輸送層までを実施例1と同様にして作製した。
【0191】
樹脂成分として、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂5部を用い、更に実施例1において用いた電荷輸送材料(化合物例No.1−14)の代わりに、下記式で示される比較化合物1〜5の15部を溶解し、モノクロベンゼン200部で希釈して保護層用塗工液とした。この塗工液を用いて、先の電荷輸送層上にスプレー塗布法により膜を形成した後、145℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形成した。
【0192】
【化59】
Figure 2004037739
【0193】
(比較例8)
実施例1における保護層の代わりに、樹脂成分として硬化性フェノール樹脂の代わりにPMMA(商品名:J−899、星光化学社製)24部を溶解し、更に、電荷輸送材料として前記化合物No.1−15を15部溶解し、更に1時間サンドミルで分散を行い、1,4−ジオキサン35部で希釈して保護層用塗工液とした。この塗工液を用いて、電荷輸送層上にスプレー塗布法により、膜を形成した後、100℃で30分間熱風乾燥し、膜厚3μmの保護層を形成した。
【0194】
上記のように作製した実施例1〜8及び比較例1〜8の電子写真感光体を以下のような方法で評価した。
【0195】
<評価1>
評価に用いた電子写真装置は、レーザープリンター(商品名:LBP−NX、キヤノン(株)製)を用いた。帯電はローラで、電子写真感光体の表面電位は−600Vに帯電される。
【0196】
清掃部材のゴム弾性ブレードはポリウレタン製、硬度は70°、300%モジュラスは200kg/cmであり、図2(II)に示すような形状をしており、電子写真感光体に接する部位の厚みは1.2mm、線圧は17g/cm、自由長2mmとした。
【0197】
上記のような設定で、1万枚の連続通紙を行った。電子写真装置の駆動電流値は、電子写真感光体の回転モーターより電流を測定した。その結果を表4に示す。
【0198】
なお、電子写真感光体の回転に負荷を及ぼす部材、すなわち、ゴム弾性ブレード、帯電ローラ及び転写ローラを除いて、電子写真感光体のみを回転させた場合のモーターの駆動電流値Cは0.11Aであった。また、通紙は5枚連続通紙した後に、2秒間回転駆動を停止させた。また、このときの電子写真感光体の周囲の雰囲気は、温度が35℃で、湿度が40%RHであった。
【0199】
実施例1〜8の電子写真感光体は1万枚通紙でも何も問題なく鮮明な画像が得られたが、比較例1〜8に電子写真感光体にはブレードめくれ、ドラム傷画像発生等の何らかの不具合な問題が生じた。
【0200】
【表4】
Figure 2004037739
【0201】
<評価2>
評価1において、ゴム弾性ブレードの硬度を77°、300%モジュラスを175kg/cmに変更した以外は、評価1と同様に評価した。その結果を表5に示す。実施例1〜8の電子写真感光体は、1万枚通紙でも何も問題なく鮮明な画像が得られた。
【0202】
【表5】
Figure 2004037739
【0203】
<評価3>
評価1において、ゴム弾性ブレードの300%モジュラスの値を80kg/cmに変更し、実施例1〜8で作製した電子写真感光体を評価した。その結果を表6に示す。
【0204】
【表6】
Figure 2004037739
【0205】
<評価4>
評価1において、ゴム弾性ブレードの300%モジュラスの値を320kg/cmに変更し、実施例1〜8で作製した電子写真感光体を評価した。その結果を表7に示す。
【0206】
【表7】
Figure 2004037739
【0207】
【発明の効果】
以上のように、本発明によって、画像流れ、黒帯、黒スジ、トナー融着、ブレード異音、びびり、めくれのない、高品位で高耐久の電子写真装置を提供することが可能となった。また、該電子写真装置に着脱自在のプロセスカートリッジを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【図2】ゴム弾性ブレードの形状の例を示した図である。
【図3】感光体ドラムの回転駆動モーターの負荷電流の例を示した図である。
【図4】電子写真装置の通紙中の回転駆動モーターの負荷電流の推移の例を示した図である。
【図5】電子写真装置の通紙中の回転駆動モーターの負荷電流の推移の別の例を示した図である。
【図6】電子写真装置の通紙中の回転駆動モーターの負荷電流の推移の別の例を示した図である。
【図7】電子写真装置の通紙中の回転駆動モーターの負荷電流の推移の別の例を示した図である。
【図8】電子写真装置の通紙中の回転駆動モーターの負荷電流の推移の別の例を示した図である。
【図9】本発明の電子写真感光体の層構造の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
91 保護層
92 電荷輸送層
93 電荷発生層
94 導電性支持体
95 結着層
96 下引き層

Claims (8)

  1. 導電性支持体上に少なくとも感光層及び熱硬化樹脂を含有する保護層を有する電子写真感光体を備え、かつ、該電子写真感光体を回転駆動させる手段、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び清掃手段を少なくとも具備する電子写真装置において、該清掃手段は清掃部材としてゴム弾性ブレードを有し、かつ、その300%モジュラスの値が120〜250kg/cmであり、また、該回転駆動手段が転写材の通紙の際に生じる駆動電流値を測定し、更に通紙を継続させた場合の該駆動電流値の最小値をA、最大値をBとすると、B/A≦3であることを特徴とする電子写真装置。
  2. 電子写真感光体の回転に負荷を及ぼす部材を電子写真感光体表面より離脱させた状態での駆動電流値をCとすると、(B−C)/(A−C)≦4である請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも感光層及び熱硬化樹脂を含む保護層を有し、該感光層が少なくとも電荷発生材、電荷輸送材及びそれらを結着する樹脂を含有する請求項1に記載の電子写真装置。
  4. 感光層は少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有する請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 保護層に含まれる熱硬化樹脂がフェノール樹脂である請求項3又は4に記載の電子写真感光体。
  6. 保護層には電荷輸送材料が含まれる請求項3〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 保護層には、フェノール基を少なくとも1つ有する電荷輸送材料、ヒドロキシアルキル基及びヒドロキシアルコキシ基より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する電荷輸送材料のいずれかを少なくとも1種類含有する請求項6に記載の電子写真装置。
  8. 電子写真感光体と該電子写真感光体を帯電させる帯電手段とを一体に支持し、請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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