JP2004036810A - 弾性阻止固定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】雄側部材の爪部分を有した弾性部材を雌側部材の凹部に係合させる構成で、より強固で確実な固定が実現できる固定装置を得ることを第一の目的とし、上記の固定装置を発展させ様々な用途に展開することを第二の目的とする。
【解決手段】まず雄側部材に爪部分を有した弾性部材を備え、爪部分が弾性を持って出没できる爪出没スペースを確保しておく。また雌側部材には凹部を設けておく。さらに爪出没スペースと同じ幅を有する弾性阻止部材を移動可能に連結しておく。爪部分が凹部に嵌合された状態から弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入し、爪部分の弾性移動を完全に阻止することにより両者を固定する。さらに雌側部材および凹部を長尺にて形成し、任意の位置で雄側部材を挿入可能とする構成や、凹部を連続した凹凸部分として形成し、雄側部材を凹凸部分内にて移動させ任意の位置で固定する位置調整機能を有する構成にも発展させる。
【選択図】 図1
【解決手段】まず雄側部材に爪部分を有した弾性部材を備え、爪部分が弾性を持って出没できる爪出没スペースを確保しておく。また雌側部材には凹部を設けておく。さらに爪出没スペースと同じ幅を有する弾性阻止部材を移動可能に連結しておく。爪部分が凹部に嵌合された状態から弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入し、爪部分の弾性移動を完全に阻止することにより両者を固定する。さらに雌側部材および凹部を長尺にて形成し、任意の位置で雄側部材を挿入可能とする構成や、凹部を連続した凹凸部分として形成し、雄側部材を凹凸部分内にて移動させ任意の位置で固定する位置調整機能を有する構成にも発展させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は雄側部材と雌側部材を嵌め合わせて固定する固定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から雄側部材と雌側部材を嵌め合わせて両者を固定する手段は多くあり、その中でも図25に示すような雄側部材1に係止面5と爪部分4とを有した弾性部材3を設け、雌側部材2にも同様に係止面5を設けた構成が良く使用されている。図25(a)に示すように雄側部材1は先端部分に爪部分4を有した二個一対の弾性部材3を有し、爪部分4は水平方向にある程度の弾性を持っており、さらに爪部分4の根元部分に係止面5を設けておく。雌側部材2には側面位置に窓10を設け、完全に爪部分4を差し込んだ図25(b)の状態で爪部分4の係止面5とかかりあうように窓10の端部にも係止面5を備えておく。また二個一対の爪部分4間には、雌側部材2に雄側部材1を挿入した時に両爪部分4が没して弾性部材3先端が互いに当接しない程度の爪出没スペース7を設けておく。
【0003】
上記の構成から雄側部材1を雌側部材2に差し込むと、一旦二個で一対の爪部分4が同時に内側に押されて弾性を持って没し、完全に挿入された図25(b)に示す段階で爪部分4が雌側部材2の窓10に位置することになり、没した爪部分4が弾性により復帰して窓10から突出する。このとき雄側部材1の爪部分4の係止面5と雌側部材2の係止面5が雄側部材1を挿入する方向と直角にかかりあうように構成しておくことにより、互いの係止面5が引っ掛かることになり固定状態が得られ、このままで引っ張っても両者が抜けることは無い。
【0004】
また図25(b)に示す状態では爪部分4が窓10から大きく突出しており、この部分を左右同時に内側に押し込むと両係止面5が外れ、その状態を保持したまま引き抜くと雄側部材1と雌側部材2を離脱させることができる。つまり挿入時には雄側部材1と雌側部材2を差し込む動作だけでよく、離脱時は爪部分4を押込んでから引き抜く動作により固定と解除を実施することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成では両係止面がかかり合った時の直角の度合いが重要であり、この係止面が削れて斜めになったり摩耗して曲面状になったりすると両者を引っ張った時に爪部分が内側に没する方向に力がかかり抜けてしまう恐れがある。したがってこの係止面を極力大きく形成したいのであるが、そうすると今度は離脱させる時に両側の爪部分を大きく押込まないと外せなくなり、爪部分を押込んだ状態を保持しつつ引き抜く動作であるため操作性が悪くなることも考えられる。
【0006】
また雄側部材の爪部分は弾性部材の先端に位置し、常に水平方向には弾性を有しているため、両者を引っ張った状態で不用意に爪部分を押してしまうと外れてしまうことになり、固定状態での確実性という点においてはそれほど完全なものではない。また両者を真っ直ぐに引っ張ると比較的大きな強度を得ることができるのであるが、雌側部材に対して雄側部材を捻るように引っ張ると両爪部分間に爪出没スペースを有しているため、爪部分が斜めになり爪部分の上下のどちらか片方が浮くような現象になり、内側に倒れ込みながらさらに外れやすくなるという問題点も有している。
【0007】
また納まりにおいては、図25のように雄側部材と雌側部材が共に完全に露出している状態であれば問題は無いが、例えばコンセントのような配置で雌側部材が壁面等に嵌り込んでいるような状況においては、離脱の際の爪部分を押込む操作は無理になり上記の構成は使用できないことが挙げられる。またこのような極端な状態ではなくても雌側部材が奥まった位置になり、指で摘んで爪部分を両側から押す動作が困難なような納まりでも上記の構成は操作性上使用しにくいことになる。
【0008】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、雄側部材の爪部分を有した弾性部材を雌側部材の凹部に嵌合させる構成で、より強固で確実な雄側部材と雌側部材の固定が実現でき、雌側部材の納まり場所が制限されることも無い固定装置を得ることを目的とする。さらに上記の固定機構を発展させて、様々な用途に展開可能とすることを併せて次の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記目的を達成するために次の技術手段を設けた。まず互いに嵌合する雄側部材と雌側部材を設け、雄側部材には先端に爪部分を有した弾性部材を備え、爪部分が弾性を持って出没可能となるように爪出没スペースを確保しておく。また雌側部材には前記爪部分と嵌合する形状の凹部を設けておく。さらに雄側部材若しくは雌側部材のどちらか片方に爪出没スペースと同じ幅を有する弾性阻止部材を移動可能に連結しておく。
【0010】
次に雌側部材に雄側部材を差し込むと、弾性部材の先端の爪部分が雌側部材の内面に押されて爪部分は内側に弾性の範囲内で没し、完全に挿入された位置で爪部分が雌側部材の凹部に配置され、弾性により戻り爪部分が凹部に嵌合する。また雌側部材の凹部の係止面及び雄側部材の爪部分の係止面を傾斜面か曲面状にて形成しておくと、この嵌合状態では雄側部材と雌側部材は爪部分と凹部の嵌り合いにより仮保持されているだけであり、このまま両者を引っ張ると再度爪部分が弾性により没して抜けることになる。つまりこの段階では雄側部材と雌側部材はある程度のクリック感を有して抜き差しできる状態になっている。
【0011】
次に雌側部材に雄側部材が挿入され爪部分が凹部に嵌合された状態から、さらに弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入する。すると弾性阻止部材は爪出没スペースと同じ幅であるため、雌側部材内面と弾性阻止部材で弾性部材および爪部分を全く逃げる場所が無い状態で挟み込むことになる。したがって爪部分の弾性は完全に阻止され、この状態から雄側部材と雌側部材を抜こうとしても爪部分は没せず凹部と係止するため抜けることは無く、完全に両者を固定することができることになる。
【0012】
雄側部材と雌側部材のどちらか片方に連結された弾性阻止部材を爪出没可能スペースに挿入する手段は回転移動させるか若しくは直線移動させるかの構成が簡単であり、弾性阻止部材を最後まで移動させた位置で完全に爪出没スペースに嵌り込むようにする。さらにこの位置で弾性阻止部材が一定の力により保持されるように抜け防止用突起を設け、へこみ部や孔に嵌め合わせるように構成しておくとよい。したがってこの抜け防止用突起による保持力は、指で抜き差しできる程度の軽さでよい。
【0013】
また弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入させた固定状態での抜く方向への耐荷重は爪部分の係止面のせん断強度にほぼ等しくなり、例えば弾性部材と爪部分を金属製の板ばね等で構成すると爪部分が小さくとも非常に大きな強度を得ることが可能になる。また固定状態では雌側部材内部に空間はほとんど無く、したがって爪部分や弾性部材が捻れること自体を規制することができ、非常に安定した均一な強度を有することになる。
【0014】
雄側部材と雌側部材を離脱させる操作は、弾性阻止部材を爪出没スペースから抜き取りそのまま両者を引き抜くだけでよく、従来のような爪部分を指で直接押し込みながら引き抜く操作は必要ない。さらには弾性阻止部材の位置を抜き差しさえ簡単に実施可能な場所に配置しておけば、雌側部材の凹部が手や指の届かない奥まった位置に配置されていても何ら問題は無い。
【0015】
また爪部分自体にも弾性を設け、凹部と爪部分の形状を若干異形にし、雄側部材を雌側部材に嵌合させた時に、爪部分の凹部への入り込みが奥方向には若干の余裕を有し、幅方向には爪部分全体が入り切らない状態になるように構成する。すると弾性部材は雌側部材内面から少し浮いた状態になり、爪出没スペースである両爪部分間は弾性阻止部材よりも極僅かに狭くなる。上記の状態から弾性阻止部材を挿入すると、爪部分自体は弾性により凹部内で僅かに変形しながら凹部に沿って押し潰されたような状況で凹部内面に密着し、雌側部材内面に爪部分を含む弾性部材全体が押し付けられることになり、よりがたつきの少ない両者の固定が可能になる。
【0016】
また爪部分を一定長さにて設定し、凹部を爪部分の一定長さより極僅かにのみ長く設定しておくことにより雄側部材を雌側部材に抜き差しする方向との垂直方向のずれを防止することも可能になる。この爪部分と凹部の一定長さが長いほど引き抜き時のせん断強度も増し、がたつきやぐらつきをもさらに減少させることができる。
【0017】
次に雌側部材を長尺な形状にし、凹部も長さ方向に連続しており、常に同一断面形状を有するように形成すると、長尺の雌側部材の任意な位置で一定長さの爪部分を有した雄側部材を挿入でき、かつその位置で固定することが可能になる。この場合は爪出没スペースに弾性阻止部材を差し込んで両者を固定しても雌側部材の長さ方向には完全に止めることはできない。しかし前述のように爪部分自体の弾性にて圧迫させて両者を固定する構成を採用すると、振動や僅かな長尺の雌側部材の傾き程度では長さ方向に雄側部材が移動しないように保持することは可能である。
【0018】
また別の構成としては、雌側部材の凹部を、爪部分を抜き差しする方向に同じ形状にて連続して複数個並べた凹凸部分として形成する。したがって例えば凹部が円弧形状であれば凹凸部分は円弧を連続させて繋いだような波型形状にすればよいことになる。さらにこの凹凸部分に雄側部材の爪部分が嵌合した状態のままで、雄側部材全体を凹凸部分に沿って直線移動できるように構成する。つまり雄側部材の移動により爪部分は出没しながら凹凸部分の個々の凸部を順次乗り越えて移動することになる。また凹凸部分内の任意の位置で雄側部材の移動を停止させると、最も近い凹凸部分内の一ヵ所の凹部に爪部分が嵌合し、その位置で仮保持されることになる。その後弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入すると、雌側部材に対して雄側部材を任意の位置で完全に固定することができる。
【0019】
また弾性阻止部材を雄側部材に限定して連結させておき、爪出没スペースに弾性阻止部材を挿入していない状態で、弾性阻止部材に凹凸部分内で雄側部材全体を移動させるための操作部材としての役割をも兼用させることにより、雄側部材の移動操作と爪出没可能スペースへ挿入する固定動作の両方を弾性阻止部材にて実現でき、両方を一連の動作として実施することにより操作性を大幅に向上させることが可能になる。
【0020】
上記構成においては雌側部材自体の形状は限定されず、様々なものに連続した凹凸部分を設けてその部分を雌側部材として構成し、さらに雄側部材にもあらかじめ移動させたい物を装着しておくと、雌側部材の凹凸部分に雄側部材の爪部分を嵌合させ、凹凸部分内を移動後に任意の位置で両者を固定することが可能になり、つまり二物体間の位置調整及び固定機構として発展させることができ、またこの構成を多様なものに幅広く展開させることも可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。本発明の弾性阻止固定装置は雄側部材1と雌側部材2からなり、雌側部材2に雄側部材1を差し込んで両者を固定する構成であり、本発明の基本的な汎用タイプを第一実施形態として図1〜図5に基づいて説明する。
【0022】
図1は本発明の第一実施形態の斜視図であり、雄側部材1には先端に円弧状の爪部分4を有した二個の弾性部材3を一定の間隔を有して並べた状態で一対として設け、両爪部分4は弾性部材3先端に互いに外側向きに対称な配置で備えられている。また弾性阻止部材8を雄側部材1に移動可能に連結して一体化しておく。さらに両弾性部材3の内側間の空間を爪出没スペース7とし、前記弾性阻止部材8の幅と爪出没スペース7の幅とを同じ寸法に設定しておく。また雌側部材2には両爪部分4が嵌合可能な形状の二個一対の凹部6を対面する配置で備え、さらに弾性阻止部材8を差し込むための孔を設けておく。
【0023】
上記の構成から雌側部材2に雄側部材1を差し込んだ時の弾性部材3と爪部分4の動きを模式図として図2に示す。図2(a)は雄側部材1を差し込んだ初期の段階を示しており、両弾性部材3の爪部分4が雌側部材2内面に当接し両爪部分4が内側に弾性の範囲内で没した状態になっている。このとき両弾性部材3先端内側同士が互いに当たって干渉しないように爪出没スペース7の幅を設定しておく必要がある。さらに雄側部材1を挿入させると図2(b)のように雌側部材2の凹部6に爪部分4が配置され、爪部分4は没した状態から弾性により戻り、爪部分4と凹部6が嵌合される。この図2(b)の状態では爪部分4と凹部6の手前側が係止面5になるのであるが、両係止面5は共に円弧状であるため、このまま両者を引き抜くと再度両爪部分4が没して図2(a)の状態を経て離脱することになる。
【0024】
図3は図2(b)の爪部分4が凹部6に嵌合した状態の斜視図であり、弾性阻止部材8は雄側部材1の端部の極薄い膜状部分で、かろうじて分離せず自由に回転させることができるように連結されており、雌側部材2の弾性阻止部材8を差し込むための孔から爪出没スペース7に挿入できるように配置されている。
【0025】
次に図3の状態から弾性阻止部材8を回転移動させて爪出没スペース7に差し込んだ段階を図2(c)に示す。この段階では爪出没スペース7の幅と弾性阻止部材8の幅が同じであるため、雌側部材2の内面と弾性阻止部材8の外側面で弾性部材3および爪部分4を隙間無く完全に挟み込んだ状態になっている。したがって弾性部材3の弾性は完全に阻止されて爪部分4は全く動けない状態であり、図2(c)の状態から雄側部材1を抜こうとしても両者の係止面5が当接して抜けず、雄側部材1と雌側部材2を完全に固定することが可能になる。
【0026】
図2(c)の段階では爪部分4の係止面5部分を切断しない限り雄側部材1と雌側部材2を離脱させることができないことになり、非常に大きな強度を得ることが可能になる。また雌側部材2と爪部分4を含む弾性部材3と弾性阻止部材8が互いに密着して余分な空間を無くしているため、引っ張った時に爪部分4の凹部6へのかかり具合がばらつかず均等になり両係止面5にバランスよく荷重がかかることになる。その結果雌側部材2内部での爪部分4の捻れ等も防止することができ非常に安定した保持性能が得られることになる。また爪部分4の上下方向の長さ寸法と凹部6の上下方向の長さ寸法を同じになるように設定しておくことにより、雄側部材1と雌側部材2の上下方向のずれも同時に防ぐことができる。この図2(c)に示す、爪出没スペース7に弾性阻止部材8が完全に挿入された状態を固定状態とする。
【0027】
さらに図3に示すように弾性阻止部材8に抜け防止用突起9を設けておき、固定状態で雌側部材2の上面の厚み部分に引っ掛かって保持できるように構成することにより、振動や傾き等による弾性阻止部材8の爪出没スペース7からの抜けを防止することができる。この抜け防止用突起9は弾性阻止部材8の抜き差し操作において適度のクリック感を有する程度の軽い保持力を備えるだけでよい。
【0028】
図4は弾性阻止部材8の爪出没スペース7への挿入動作を回転動作ではなく直線移動動作により実施する場合を示しており、弾性阻止部材8を雌側部材2の側面に連結し弾性阻止部材8を直線方向に押し引きする構成である。また図示はしないが雄側部材1の手前側を中空にしてその間を弾性阻止部材8が直線移動して爪出没スペース7に挿入するような、図4とは逆方向から弾性阻止部材8を移動させる構成も可能である。つまり弾性阻止部材8はどのような方向から回転移動や直線移動させて爪出没スペース7に挿入しても良く、したがって雌側部材2が壁面や奥まった位置に配置されたとしても上記のように弾性阻止部材8の操作を手の届く位置にて可能なように設定することにより雌側部材2の納まりを限定することなく、どのような場所にも幅広く対応することができることになる。
【0029】
以上に本発明の基本構成を第一実施形態として説明してきたが、上記基本構成の一使用例を図5に示す。図5は雄側部材1と雌側部材2の両方に単にベルトを着けただけの状態の斜視図であり、このままでも鞄類の肩掛け用ベルト等として使用可能である。さらに図示はしないが樹脂のボックスケースの開閉用ラッチとしても使用でき、その場合は蓋部分の丁番とは逆側に雄側部材1を、身部分の上部に雌側部材2を設け、互いを差し込んでから固定し、弾性阻止部材8を操作部材としても兼用し、より明確な抜け防止用突起9によるクリック感をもたせて施解錠できるように構成すればよい。つまり不特定多数のものに上記の構成の雄側部材1と雌側部材2を装着し、両者を連結固定することができることになり、非常に幅広い用途に適応可能と考えられる。
【0030】
しかし、本発明の弾性阻止固定装置は固定状態でより大きな強度が得られることが特長であり、次に第二実施形態としてその特長を生かした、壁面収納システムに適応させた場合を図6〜図7に基づいて説明する。図6は第二実施形態の分解斜視図であり、雌側部材2を複数の角スリット孔12を有した長尺の支柱11にて形成し、壁面13に対して垂直に装着する。このとき角スリット孔12が前述の雌側部材2の凹部6に相当することになる。また第二実施形態では爪部分4を有する弾性部材3と弾性阻止部材8を、雄側部材1に相当するフックや棚板用ブラケット等のアクセサリー部品14の支柱11への取り付け側端部に一体化して構成しておく。
【0031】
支柱11は金属製でコの字形状とし、両側面奥位置に一定間隔ごとに角スリット孔12を複数個設ける。図6では支柱11を壁面13に掘り込んで装着した状態を示しているが、壁面13に掘り込まずにそのまま装着する面付けであっても良く、また壁面13以外のどのような場所に取り付けてもよい。
【0032】
アクセサリー部品14の端部に一体化された雄側部材1は第一実施形態とほぼ同様であり、先端に爪部分4を有し二個で一対とした弾性部材3を対称に配置し、弾性阻止部材8を移動可能に連結し、両弾性部材3内側間を爪出没スペース7として設定しておく。爪部分4の上下方向の長さは角スリット孔12よりも極僅かにのみ短い寸法に設定しておき、支柱11の任意の位置の角スリット孔12にアクセサリー部品14の爪部分4を正面から嵌め込む。この状態でアクセサリー部品14はある程度の保持力を有して支柱11に仮保持される。さらに弾性阻止部材8を爪出没スペース7に差し込み完全に挿入することによりアクセサリー部品14を支柱11に完全に固定することができる。
【0033】
上記までは第一実施形態と同じであるが、第二実施形態では棚や比較的重量のあるものを引っ掛けた状態で確実に保持する必要があり、より大きな荷重に対応できる強度が要求される。そこで爪部分4の形状と凹部6の形状を若干異形状にし、さらに爪部分4自体にも弾性を持たせた構成にしておくとよい。図7は弾性を有した爪部分4と角スリット孔12との嵌合の状態を示す模式図である。
【0034】
図7(a)に示すように弾性部材3および爪部分4は金属製の板ばねを円弧状に湾曲させて構成するとよく、このとき爪部分4の湾曲部外側の寸法を、幅方向にA1、突出方向にB1とする。また凹部6に相当する角スリット孔12の寸法を、幅方向にA2奥行き方向(支柱11の厚み寸法になる)にB2とする。そして極僅かにA1>A2、B2>B1となるように設定しておくと、両者を嵌合した状態では図7(b)に示すように角スリット孔12に爪部分4の湾曲部全体が入りきらず、弾性部材3は内側に僅かに倒れ支柱11の内側面から浮いた状態になる。
【0035】
この図7(b)の状態から、自由な状態での爪出没スペース7と同じ幅を有した弾性阻止部材8を挿入すると、爪部分4自体も弾性により角スリット孔12に沿って変形しながら弾性部材3が両側に押し広げられることになり、図7(c)に示すように角スリット孔12の内面に密着してより強固に両者を固定することが可能になる。また強度的には爪部分4の湾曲部のせん断応力が重要になり、このままでは湾曲部内側の空間が弱点となるため、さらに図7(d)に示すように角スリット孔12に変形して挿入された湾曲部の内側の空間をも埋めるような形状の弾性阻止部材8を設け、弾性阻止部材8自体もダイカスト等の金属製にて構成するとさらに強度を高めることが可能となる。図7(d)の形状の弾性阻止部材8を使用する場合は回転移動での挿入は困難であるため直線移動を採用し、先端部を先細りにしておくと図7(b)の状態からでもスムーズに挿入することができる。また弾性阻止部材8を抜き取ると弾性部材3および爪部分4は自然に図7(b)の若干浮いた状態に復帰することになり、アクセサリー部品14の支柱11からの着脱もより簡単に実施可能になる。
【0036】
また支柱11からの持ち出し度合いが小さい場合はアクセサリー部品14にかかる荷重の大半が下方向にかかり爪部分4の下端が角スリット孔12の下端面に当接するため爪部分4の長さも比較的短くてよく、図7(c)のような弾性阻止部材8でも十分な保持強度が得られる。しかしアクセサリー部品14に前方向に持ち出した状態で荷重が掛かる場合では、爪部分4の長さおよび角スリット孔12の長さは長いほど爪部分4の上端と下端の傾き角度を小さくすることができることになり、アクセサリー部品14の先端の垂れ下りを小さくでき、条件的に優れたものになる。さらには爪部分4を長くする手段と併用して図7(d)の爪部分4の湾曲部内面の空間をも埋める形状の弾性阻止部材8を使用するとより有効的である。棚板用ブラケットなどでは持ち出し寸法が非常に大きいため、図6に示すように上下2ヵ所若しくはそれ以上の複数ヵ所にて上記の構成を用いて固定するとよいと考えられる。
【0037】
第二実施形態は爪部分4自体の弾性を利用してより大きな荷重に対応可能とすると共にぐらつきの少ない構成を得られることが特長である。したがって壁面収納システムとしても従来の支柱の正面に配置された角スリット孔にブラケット等の金属の爪を直接ハンマー等で叩き込む固定手段に比べ着脱操作に優れ、かつ上方向に不用意に持ち上げた際の脱落も防止でき、さらには弾性阻止部材8にて左右二ヵ所の爪部分4で支柱11を圧迫して固定するために棚板用ブラケット自体の左右方向への振れをも制限することが可能になる。
【0038】
また第二実施形態での爪部分4自体が弾性を有し、弾性阻止部材8を爪出没スペース7に挿入すると共に爪部分4を雌側部材2内面により密着させて両者を固定する構成を前述の第一実施形態に適応することも当然可能である。
【0039】
次に本発明の第三実施形態を図8と図9にて説明する。第三実施形態は二本の長尺のバー材を直角に交差させ、その交差点にて両者の面を密着させて固定するための金具として本発明の弾性阻止固定装置を適応させたものである。二本のバー材の片方を一方向面の中央部分のみが開口しているC型形状のC型バー材15として形成し、C型バー材15の開口面に他方の相対バー材16を接面させ、かつ直交した状態で両者を配置する。
【0040】
図8に示すように片方のC型バー材15は長尺であり、断面形状は矩形で一方向のみが開口されており、その両端部を少しずつ鋭角に内側に曲げ込んだ形状になっている。またもう一方の相対バー材16はコの字型やパイプ状等どのような形状であっても良く、断面形状に全く制限は無い。このときC型バー材15が前述での雌側部材2に、さらには開口面の曲げ込み部分17が雌側部材2の凹部6に相当することになる。また雄側部材1は第一実施形態での先端に爪部分4を有した二個一対の弾性部材3を二組平行に並べて爪部分4とは逆側を連結した形状のクリップ金具18として構成し、二組の弾性部材3間の連結位置側に相対バー材16を挿入してから爪部分4をC型バー材15の開口部に挿入し、曲げ込み部分17に爪部分4を弾性を持って嵌合させる。したがってクリップ金具18の二組の弾性部材3間の幅や形状を相対バー材16が適切に嵌るような形状に設定しておくとよい。
【0041】
図9は二本の直交するバー材にクリップ金具18を嵌め込んだ状態の正面図であり、図9(a)は爪出没スペース7への弾性阻止部材8の挿入前を、図9(b)は弾性阻止部材8の挿入後を示している。図9(a)の状態では爪部分4の弾性により二本のバー材は仮保持されているが、このままクリップ金具18を引き抜くことにより相対バー材16も着脱自在であり、爪出没スペース7に弾性阻止部材8を挿入した図9(b)の状態で両方のバー材を完全に固定することが可能になる。このときC型バー材15の曲げ込み部分17に爪部分4が完全に嵌合した状態で、C型バー材15の開口面と相対バー材16の上面が隙間無く接面するように設定することにより両者を完全に密着させて強固に固定することができる。
【0042】
第三実施形態の特長は雌側部材2の凹部6に相当するC型バー材15の曲げ込み部分17が長さ方向に連続した構成になっていることであり、クリップ金具18を任意の位置で嵌め込める点にある。またクリップ金具18の内部にC型バー材15との固定を目的とする相対バー材16を配置し、クリップ金具18を介してC型バー材15と相対バー材16を固定する構成としたことも特長として挙げられる。また上記構成では二本のバー材を接面させた状態で保持することを主な目的としているために、クリップ金具18のバー材の長さ方向へのずれを完全に止める構成にはなってはいない。そこで第三実施形態でも前述の爪部分4自体が弾性を有する形態を採用し、図9(a)に示すように爪部分4先端間の幅のみを爪出没スペース7よりも僅かに狭く設定しておくとよい。すると弾性阻止部材8の爪出没スペース7への挿入と同時に図9(b)に示すように爪部分4が外側に倒れてC型バー材15の内面を圧迫し、かつ相対バー16を引き付ける動作が得られ、長さ方向へのずれや移動をもかなり防止することが可能と考えられる。
【0043】
第三実施形態では、直交する二本のバー材にクリップ金具18を嵌め込むとその位置で仮保持でき、そのまま弾性阻止部材8を爪出没スペース7に挿入させるだけで両者を接面させた状態で強固に固定できることになり、非常に簡単な連結固定操作が実現可能になる。したがってこの構成は天井や壁や床の内装工事で使用するスタッドやバーやチャンネルなどの軽量鉄骨下地材を交差させて組付けるための連結固定用建築部品に最も適している。つまり従来の連結固定用建築部品での、嵌め合わせて保持するだけのタイプでは作業性は良いが強度不足であり、ねじを使用して固定するタイプでは強度面では優れているが作業性が悪い等の問題点を解消し、簡単な操作と強度を兼ね備えた形態として利便性を有すると考えられる。
【0044】
次に本発明の弾性阻止固定装置の第四実施形態を図10〜図13にて説明する。図10は、雌側部材2を第三実施形態と類似した長尺なレール19にて形成し、室内の天井面か天井と壁のコーナー部分に装着し、雄側部材1に相当する吊り下げ部材20を下方向から差し込み、吊り下げ部材20にワイアー線やテグス糸や細い針金等を連結し、額縁や絵などを吊り下げて保持するハンガーシステムに適応させた状態を示す斜視図である。
【0045】
吊り下げ部材20は第一実施形態での雄側部材1とほぼ同様の構成であり、弾性阻止部材8は回転移動により爪出没スペース7に挿入するように構成する。雌側部材2に相当するレール19の長手方向に連続した二本で一対の凹部6を面対させた状態で形成する。つまりレール19のどの位置においても凹部6の断面形状は同じになり、また爪部分4自体は第二実施形態と同様に弾性を有する構成にしておく。
【0046】
図11は吊り下げ部材20の爪出没スペース7に弾性阻止部材8を挿入する状態を示す正面図であり、図11(a)では弾性阻止部材8は挿入されておらず、図11(b)は半分弱弾性阻止部材8が挿入されているが爪部分4自体の弾性は未だ働いていない状態であり、図11(c)は完全に挿入されて爪部分4の弾性でレール19内面を圧迫している状態となるように設定しておく。このとき図11(b)に示す状態で、既に爪出没スペース7に挿入されている弾性阻止部材8の半分弱程度の部分の幅を中央から外側に向かって極僅かだけ細くなるように傾斜状にしておくとよい。また図12は吊り下げ部材20の爪部分4をレール19に差し込む時の状態を順に示す断面図であり、図12(a)は爪部分4挿入の初期の段階を、図12(b)は弾性部材3と爪部分4を完全に挿入した段階を、図12(c)はさらに弾性阻止部材8を挿入した段階を示している。
【0047】
第四実施形態の特長はレール19の任意の位置で吊り下げ部材20を差し込むことができ、さらには荷重が掛かっていない時には図12(b)の状態のままで一旦レール19から吊り下げ部材20を抜かずにレール19の長手方向に移動させることができることが挙げられる。また額縁等を吊り下げたままの荷重がかかった状態においても、弾性阻止部材8を図11(b)の状態にすることで爪部分4自体の弾性によるレール19内面への圧迫を解除し、そのままレール19の長手方向に移動させることも可能になる。また弾性阻止部材8に抜け防止用突起9を設け、弾性部材3に2カ所のへこみ部26を設け、図11(b)と図11(c)の段階で一定の力で保持できるようにしておくとよい。したがって額縁等を吊り下げる位置をより簡単に吊り下げ部材20をレール19に挿入したままで長手方向に微調整できることになる。
【0048】
また爪出没スペース7に弾性阻止部材8を完全に挿入した図11(c)および図12(c)の段階では爪部分4自体の弾性によりレール19内面を圧迫することになり、その後にかなりの重量を有する額縁などを吊すと、常に荷重は下方にかかるためさらに条件は良くなり、振動や僅かなレール19の傾き程度においては十分吊り下げ部材20の位置のずれを防止できると考えられる。
【0049】
また意匠面においては、固定状態で図10および図12(c)のように吊り下げ部材20や弾性阻止部材8がレール19内部に入り込み、ほとんど内蔵された状態になるため外観を向上させることができる。またレール19の凹部6は最も奥まった位置に配置されているにもかかわらず弾性阻止部材8を戻す操作はレール19内に指を入れて押し戻すだけで実施でき、吊り下げ部材20の着脱操作も非常に簡単である。
【0050】
従来のハンガーシステムは同様のレール19に長円形の頭部と雄ねじ部分を有した係合部材を挿入し、レール19内部に挿入後90°回転させてレール19の淵に頭部を引っ掛けた状態にして一旦保持し、雌ねじでレール19の淵を挟み込んで固定する構成のものが多く、着脱操作も困難でかつ部品点数も多く高価になりがちである。したがって本発明の第四実施形態と比較すると、吊り下げ部材20一個のみの少ない部品点数と、レール19に差し込んで弾性阻止部材8を回転移動させるだけの簡単な固定操作と、レール19下面に何も突出しないデザイン性とにおいても本発明の有利性は大きいと考えられる。
【0051】
次に本発明の第五実施形態を図13〜図19に基づいて説明する。第五実施形態は、外側アーム21と内側アーム22からなり、互いに重なり合って伸縮する2本のアームを任意の位置で固定する手段に本発明の弾性阻止固定装置を適応させたものであり、雌側部材2の凹部6を、爪部分4を抜き差しする方向に同じ凹部6形状を連続させた凹凸部分23として形成したことが最大の特長である。
【0052】
図13は第五実施形態の分解斜視図であり、雌側部材2を一方向のみを開口したC型形状の長尺の曲げ加工品である外側アーム21として構成し、開口面の長さ方向の両側端に凹部6に相当する連続した凹凸部分23を設けておく。また同様に長尺で、外側アーム21内に挿入してがたつき無く移動できる形状の内側アーム22を設け、爪部分4を有した弾性部材3と弾性阻止部材8をこの内側アーム22の片端部に組み付ける。図14は爪部分4を有した二個一対の弾性部材3だけを内側アーム22の片端部に装着した状態の斜視図である。両弾性部材3先端に設けた円弧状の爪部分4を対称位置に配置し、両爪部分4は常に内側である爪出没スペース7で出没するように構成する。このとき図14に示すように爪部分4の上部分が内側アーム22の開口面上面よりもさらに上側に突出するように設定しておく。
【0053】
外側アーム21の長さ方向に連続して設けられた凹凸部分23の形状は、爪部分4を円弧状とすると、図13に示すような円弧状を連続させた形状である波型でよく、波型の個々の凹部分は爪部分4に嵌合するように形成しておく。次に外側アーム21に、図14の状態での内側アーム22を挿入して両者を長さ方向に伸縮させた場合の正面図を図15に示す。図15(a)は外側アーム21の凹凸部分23の一ヵ所の凹部分に内側アーム22に取り付けた爪部分4が完全に嵌合した状態であり、この状態で両アームは爪部分4の弾性により仮保持される。この図15(a)の状態から両アームを伸縮移動させると、爪部分4は図15(b)に示すように凹凸部分23の凸部分に押されて没し、次の凹凸部分23の凹部分に来ると再度弾性により突出して嵌合することになる。したがって両アームを一気に伸縮させると上記の動作を連続させて実施することになり、凹凸部分23の個々の凸部分を乗り越える度にカチカチとある程度のクリック感をもって移動可能になる。また任意の位置で停止させると爪部分4は最も近い凹凸部分23の一ヵ所の凹部分に嵌合し再度仮保持されることになる。
【0054】
次に内側アーム22端部に装着された弾性部材3の隣の位置に、さらに弾性阻止部材8を組み込んだ状態を図16に示す。第五実施形態での弾性阻止部材8は、前部の爪出没スペース7と同じ幅を有した弾性阻止部分24と、後部の内側アーム22の開口面の端部に嵌り、スライド移動のための案内溝を有した操作部分25から構成し、爪出没スペース7への挿入動作は直線移動を採用する。また前記操作部分25の案内溝内に抜け防止用突起9を、内側アーム22の開口側面に2ヵ所のへこみ部26を設け、へこみ部26に抜け防止用突起9が嵌合することによりクリック感をもって弾性阻止部材8を直線移動できるように構成する。したがって弾性阻止部材8は樹脂の成型品が適しており、図16のように操作部分25中央に大き目の長孔27を設け、この長孔27の両側の案内溝部分に抜け防止用突起9を配置するとよい。
【0055】
図17は図16の状態から弾性阻止部材8を移動させた状態を示す正面図である。前記弾性阻止部分24は内部が詰まったムクの状態にしておくとよく、操作部分25の長孔27に指を入れて移動操作し、図17(a)の状態から図17(b)の状態にすると爪部分4の弾性は完全に阻止されることになる。またこの弾性阻止部材8の移動動作は外側アーム21と内側アーム22の伸縮移動動作とは干渉しないように構成しておく。
【0056】
図18は図16の状態の内側アーム22を外側アーム21に挿入し、両者を組み込んだ第五実施形態の納まり状態を示す斜視図であり、図19は同様の状態を示す正面図である。図18および図19は共に弾性阻止部材8の弾性阻止部分24が爪出没スペース7に挿入しておらず、両アームは爪部分4の出没動作と共に凹凸部分23を順次乗り越えて伸縮移動できる状態を示しており、両アームを任意の位置に移動後弾性阻止部材8を直線移動操作して、爪出没スペース7に弾性阻止部分24挿入させた段階で両アームの位置を完全に固定することが可能になる。
【0057】
つまり第五実施形態の特長は、二個の相対部材を移動させた後停止したその位置で仮保持でき、さらには仮保持の状態から弾性阻止部材8を移動させるだけの極簡単な操作のみでその位置を完全に固定することができる点であり、つまり互いを移動後に任意の位置で固定する、位置調整機能および固定機能を有することになる。また両アームの形状や材質は上記の実施例に限られるわけではなくパイプ形状等でもよく、二本の長尺材を伸縮させてから任意の位置で固定する用途に利用するとすれば、長さ調節付きのモップの柄や伸縮式のポールや開窓の開度調整用のアームなど幅広く様々なものに適応させることができることになる。
【0058】
次に本発明の第六実施形態を図20〜図24にて説明する。第六実施形態は第五実施形態の構成を門扉用の落し錠の上げ下げ操作の機構に適応させたものであり、図20は門扉の戸先縦框28を含む機構部分の分解斜視図を、図21は門扉の戸先縦框28に納まった状態の斜視図を、図22は戸先縦框28に内蔵する落し棒32部分の斜視図を示す。
【0059】
まず門扉の戸先縦框28の厚み方向面に雌側部材2に相当する連続凹凸孔29を上下方向に形成する。また図20に示すように、雄側部材1に相当する金属製の箱型ケース30を設け、上下方向に二個一対の爪部分4を有した弾性部材3を装着し、さらに先端の操作部分25と根元の弾性阻止部分24からなる弾性阻止部材8を上下方向に回転移動できるようにピンで連結して構成する。このとき前述と同様に弾性阻止部分24を爪出没スペース7の幅と同じにしておく。さらに図22に示すように箱型ケース30に落し錠のロッド31と落し棒32を組みつけておく。したがって箱型ケース30と共に落し棒32は移動することになる。
【0060】
次に図22に示す内蔵部分を戸先縦框28内に挿入し、連続凹凸孔29から弾性阻止部材8と爪部分4の側面端部が戸先縦框28の表面側に出ており、連続凹凸孔29の一ヵ所の凹部分に爪部分4が嵌合した状態で箱型ケース30とフロント33を固定する。このとき箱型ケース30の正面の取り付け用雌ねじ部分のみが連続凹凸孔29に入り込み、フロント33と固定した状態でも戸先縦框28の厚み方向面を挟み付けることなく僅かな余裕を有した状態で落し錠全体を上下移動できるように構成しておく。
【0061】
次に図21に示す戸先縦框28内に納まった状態での側面図を図23に、正面図を図24に示す。上記のように構成した状態で弾性阻止部材8の操作部分25が上方向に位置する図23(a)および図24(a)では弾性阻止部分24は爪出没スペース7に挿入しておらず、したがってこのまま操作部分25を持って上下に移動すると爪部分4が連続凹凸孔29内を出没しながら乗り越えて落し棒32を上下移動させることかできる。また任意の位置で停止させると最も近い位置の凹部分に爪部分4が嵌合しその位置で仮保持される。このとき落し錠の自重全体が爪部分4にかかるため仮保持状態で手を離しても下方に移動しない程度に弾性部材3の弾性力を設定しておく必要がある。
【0062】
そして図23(b)及び図24(b)に示すように操作部分25を下方に回転させると弾性阻止部分24が爪出没スペース7に挿入し、箱型ケース30と共に落し棒32の上下位置を完全に固定することができる。つまり操作部分25を上方向に回転させて固定を解除し、そのままの一連の動作により落し棒32の上下移動を実施し、任意の位置で操作部分25を下方に回転させて固定するだけの非常に簡単な上下移動操作を実現できることになる。
【0063】
第六実施形態は構成としては第五実施形態をさらに発展させたものであり、雌側部材2に相当する凹凸部分23を連続凹凸孔29として不特定多数の物体に装備させ、その物体に対して移動させたい相対物を雄側部材1に相当する箱型ケース30に一体化することにより連続凹凸孔29に沿った方向に移動後、任意の位置で完全に固定することを可能としたものである。したがって弾性阻止部材8の爪出没スペース7への挿入動作を回転移動にし、弾性阻止部材8に操作部分25を設けることにより、操作部分25を指で持って相対物全体を移動でき、そのまま一連の操作で強固でより確実な固定が実現できる構成は非常に有効であり、部品点数を少なくすると共に非常に簡単な操作が実現できることが特長に挙げられる。
【0064】
【発明の効果】
弾性を有した雄側部材の爪部分を雌側部材の凹部に嵌合させて両者を固定する際に、弾性により爪部分が没するスペースに着目し、そのスペースと同寸法の弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入し、爪部分を含む弾性部材の弾性による移動を阻止することにより爪部分と凹部が強制的に係止され、両者を引き抜く動作や捻じる動作に対して、高強度でバランスの良い確実な固定を実現することが可能になる。
【0065】
さらに爪部分自体にも弾性を持たせ、弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入する際に、爪部分が雌側部材の凹部の形状に沿って弾性変形して雄側部材と雌側部材を密着させて固定する動作を得、両者を単に抜けないように固定するだけではなく、より圧迫させた状態にてがたつき無く固定することが可能になる。
【0066】
また弾性阻止部材が雄側部材若しくは雌側部材に移動可能に連結されているために部品としては一体として構成でき、より爪出没スペースに弾性阻止部材を挿入する作業が簡単になり、かつ弾性阻止部材を紛失してしまうような危険性も回避できる。さらに弾性阻止部材の移動方向を、スライドによる直線移動か若しくは回す操作による回転移動にて構成することで、爪出没スペースへの弾性阻止部材の挿入動作をより解り易い操作にて実施できる。
【0067】
また雄側部材の弾性部材と爪部分を二個で一対の対称形状にて構成することにより、固定状態で両者を引き抜こうとしたときに両方の爪部分と凹部の係止面に均等にバランスよく荷重がかかり、常に安定した強度が得られると共に、爪部分と凹部の長さを同じにすることにより雄側部材と雌側部材の抜き差し方向に対する垂直方向のずれやがたつきをも防止することが可能になる。
【0068】
また雌側部材及び雌側部材の凹部を長尺にて構成し、長さ方向の全ての位置で同一断面形状とすることにより、雄側部材を雌側部材の任意の位置で嵌合し、その位置で弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入することにより両者を固定することができるようになる。またこの構成に爪部分自体の弾性による雌側部材内面を圧迫して固定する構成を採用するとより効果的であり、振動や雌側部材の僅かな傾き程度では雄側部材をずれない程度に保持することができる。さらには雄側部材を挿入したままの状態で弾性阻止部材による圧迫を若干緩めることにより、雄側部材を雌側部材から抜き取ることなく長さ方向に移動することも可能になる。
【0069】
また雌側部材の凹部を連続して複数個並べた波型の凹凸部分として形成することにより、凹凸部分に沿って円弧状の爪部分が乗り越えながら出没する動作と共に雄側部材を移動させることができ、さらに任意の位置で停止させるとその位置で雄側部材は仮保持され、そのまま弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入することにより完全に固定できることになる。したがってこの構成は雌側部材に対する雄側部材の位置調整機構と任意の位置での固定機構として発展させることが可能になる。さらには弾性阻止部材を雄側部材の移動のための操作部材としても兼用させることにより、部品点数の少ない形態にて非常に簡単な雄側部材の移動および固定操作が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態の爪部分と凹部の嵌合状態を示す模式図である。
【図3】本発明の第一実施形態の弾性阻止部材を回転移動にて構成した斜視図である。
【図4】本発明の第一実施形態の弾性阻止部材を直線移動にて構成した斜視図である。
【図5】本発明の第一実施形態の雄側部材と雌側部材両方にベルトを取り付けた状態の斜視図である。
【図6】本発明の第二実施形態の分解斜視図である。
【図7】本発明の第二実施形態の爪部分自体が弾性を有した構成での凹部との嵌合状態を示す模式図である。
【図8】本発明の第三実施形態の分解斜視図である。
【図9】本発明の第三実施形態の、二本のバーをクリップ金具で固定した状態の爪出没スペースに弾性阻止部材が挿入された状態と挿入されていない状態を示す正面図である。
【図10】本発明の第四実施形態の斜視図である。
【図11】本発明の第四実施形態の弾性阻止部材が爪出没スペースに挿入された状態を示す正面図である。
【図12】本発明の第四実施形態の爪部分と凹部の嵌合状態を示す断面図である。
【図13】本発明の第五実施形態の分解斜視図である。
【図14】本発明の第五実施形態の、内側アームの端部に爪部分を有する弾性部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図15】本発明の第五実施形態の、爪部分が出没しながら凹凸部分を乗り越えて移動する状態を示す正面図である。
【図16】本発明の第五実施形態の、内側アームの端部に爪部分を有する弾性部材と弾性阻止部材を組付けた状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の第五実施形態の、爪出没スペースに弾性阻止部材が挿入された状態と挿入されていない状態とを示す正面図である。
【図18】本発明の第五実施形態の納まり状態を示す斜視図である。
【図19】本発明の第五実施形態の納まり状態を示す正面図である。
【図20】本発明の第六実施形態の分解斜視図である。
【図21】本発明の第六実施形態の納まり斜視図である。
【図22】本発明の第六実施形態の落し棒部分の斜視図である。
【図23】本発明の第六実施形態の、爪出没スペースに弾性阻止部材が挿入された状態と挿入されていない状態を示す側面図である。
【図24】本発明の第六実施形態の、爪出没スペースに弾性阻止部材が挿入された状態と挿入されていない状態を示す正面図である。
【図25】従来の弾性爪と凹部の嵌合による雄側部材と雌側部材の連結固定を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 雄側部材
2 雌側部材
3 弾性部材
4 爪部分
5 係止面
6 凹部
7 爪出没スペース
8 弾性阻止部材
9 抜け防止用突起
23 凹凸部分
【発明の属する技術分野】
本発明は雄側部材と雌側部材を嵌め合わせて固定する固定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から雄側部材と雌側部材を嵌め合わせて両者を固定する手段は多くあり、その中でも図25に示すような雄側部材1に係止面5と爪部分4とを有した弾性部材3を設け、雌側部材2にも同様に係止面5を設けた構成が良く使用されている。図25(a)に示すように雄側部材1は先端部分に爪部分4を有した二個一対の弾性部材3を有し、爪部分4は水平方向にある程度の弾性を持っており、さらに爪部分4の根元部分に係止面5を設けておく。雌側部材2には側面位置に窓10を設け、完全に爪部分4を差し込んだ図25(b)の状態で爪部分4の係止面5とかかりあうように窓10の端部にも係止面5を備えておく。また二個一対の爪部分4間には、雌側部材2に雄側部材1を挿入した時に両爪部分4が没して弾性部材3先端が互いに当接しない程度の爪出没スペース7を設けておく。
【0003】
上記の構成から雄側部材1を雌側部材2に差し込むと、一旦二個で一対の爪部分4が同時に内側に押されて弾性を持って没し、完全に挿入された図25(b)に示す段階で爪部分4が雌側部材2の窓10に位置することになり、没した爪部分4が弾性により復帰して窓10から突出する。このとき雄側部材1の爪部分4の係止面5と雌側部材2の係止面5が雄側部材1を挿入する方向と直角にかかりあうように構成しておくことにより、互いの係止面5が引っ掛かることになり固定状態が得られ、このままで引っ張っても両者が抜けることは無い。
【0004】
また図25(b)に示す状態では爪部分4が窓10から大きく突出しており、この部分を左右同時に内側に押し込むと両係止面5が外れ、その状態を保持したまま引き抜くと雄側部材1と雌側部材2を離脱させることができる。つまり挿入時には雄側部材1と雌側部材2を差し込む動作だけでよく、離脱時は爪部分4を押込んでから引き抜く動作により固定と解除を実施することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成では両係止面がかかり合った時の直角の度合いが重要であり、この係止面が削れて斜めになったり摩耗して曲面状になったりすると両者を引っ張った時に爪部分が内側に没する方向に力がかかり抜けてしまう恐れがある。したがってこの係止面を極力大きく形成したいのであるが、そうすると今度は離脱させる時に両側の爪部分を大きく押込まないと外せなくなり、爪部分を押込んだ状態を保持しつつ引き抜く動作であるため操作性が悪くなることも考えられる。
【0006】
また雄側部材の爪部分は弾性部材の先端に位置し、常に水平方向には弾性を有しているため、両者を引っ張った状態で不用意に爪部分を押してしまうと外れてしまうことになり、固定状態での確実性という点においてはそれほど完全なものではない。また両者を真っ直ぐに引っ張ると比較的大きな強度を得ることができるのであるが、雌側部材に対して雄側部材を捻るように引っ張ると両爪部分間に爪出没スペースを有しているため、爪部分が斜めになり爪部分の上下のどちらか片方が浮くような現象になり、内側に倒れ込みながらさらに外れやすくなるという問題点も有している。
【0007】
また納まりにおいては、図25のように雄側部材と雌側部材が共に完全に露出している状態であれば問題は無いが、例えばコンセントのような配置で雌側部材が壁面等に嵌り込んでいるような状況においては、離脱の際の爪部分を押込む操作は無理になり上記の構成は使用できないことが挙げられる。またこのような極端な状態ではなくても雌側部材が奥まった位置になり、指で摘んで爪部分を両側から押す動作が困難なような納まりでも上記の構成は操作性上使用しにくいことになる。
【0008】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、雄側部材の爪部分を有した弾性部材を雌側部材の凹部に嵌合させる構成で、より強固で確実な雄側部材と雌側部材の固定が実現でき、雌側部材の納まり場所が制限されることも無い固定装置を得ることを目的とする。さらに上記の固定機構を発展させて、様々な用途に展開可能とすることを併せて次の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記目的を達成するために次の技術手段を設けた。まず互いに嵌合する雄側部材と雌側部材を設け、雄側部材には先端に爪部分を有した弾性部材を備え、爪部分が弾性を持って出没可能となるように爪出没スペースを確保しておく。また雌側部材には前記爪部分と嵌合する形状の凹部を設けておく。さらに雄側部材若しくは雌側部材のどちらか片方に爪出没スペースと同じ幅を有する弾性阻止部材を移動可能に連結しておく。
【0010】
次に雌側部材に雄側部材を差し込むと、弾性部材の先端の爪部分が雌側部材の内面に押されて爪部分は内側に弾性の範囲内で没し、完全に挿入された位置で爪部分が雌側部材の凹部に配置され、弾性により戻り爪部分が凹部に嵌合する。また雌側部材の凹部の係止面及び雄側部材の爪部分の係止面を傾斜面か曲面状にて形成しておくと、この嵌合状態では雄側部材と雌側部材は爪部分と凹部の嵌り合いにより仮保持されているだけであり、このまま両者を引っ張ると再度爪部分が弾性により没して抜けることになる。つまりこの段階では雄側部材と雌側部材はある程度のクリック感を有して抜き差しできる状態になっている。
【0011】
次に雌側部材に雄側部材が挿入され爪部分が凹部に嵌合された状態から、さらに弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入する。すると弾性阻止部材は爪出没スペースと同じ幅であるため、雌側部材内面と弾性阻止部材で弾性部材および爪部分を全く逃げる場所が無い状態で挟み込むことになる。したがって爪部分の弾性は完全に阻止され、この状態から雄側部材と雌側部材を抜こうとしても爪部分は没せず凹部と係止するため抜けることは無く、完全に両者を固定することができることになる。
【0012】
雄側部材と雌側部材のどちらか片方に連結された弾性阻止部材を爪出没可能スペースに挿入する手段は回転移動させるか若しくは直線移動させるかの構成が簡単であり、弾性阻止部材を最後まで移動させた位置で完全に爪出没スペースに嵌り込むようにする。さらにこの位置で弾性阻止部材が一定の力により保持されるように抜け防止用突起を設け、へこみ部や孔に嵌め合わせるように構成しておくとよい。したがってこの抜け防止用突起による保持力は、指で抜き差しできる程度の軽さでよい。
【0013】
また弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入させた固定状態での抜く方向への耐荷重は爪部分の係止面のせん断強度にほぼ等しくなり、例えば弾性部材と爪部分を金属製の板ばね等で構成すると爪部分が小さくとも非常に大きな強度を得ることが可能になる。また固定状態では雌側部材内部に空間はほとんど無く、したがって爪部分や弾性部材が捻れること自体を規制することができ、非常に安定した均一な強度を有することになる。
【0014】
雄側部材と雌側部材を離脱させる操作は、弾性阻止部材を爪出没スペースから抜き取りそのまま両者を引き抜くだけでよく、従来のような爪部分を指で直接押し込みながら引き抜く操作は必要ない。さらには弾性阻止部材の位置を抜き差しさえ簡単に実施可能な場所に配置しておけば、雌側部材の凹部が手や指の届かない奥まった位置に配置されていても何ら問題は無い。
【0015】
また爪部分自体にも弾性を設け、凹部と爪部分の形状を若干異形にし、雄側部材を雌側部材に嵌合させた時に、爪部分の凹部への入り込みが奥方向には若干の余裕を有し、幅方向には爪部分全体が入り切らない状態になるように構成する。すると弾性部材は雌側部材内面から少し浮いた状態になり、爪出没スペースである両爪部分間は弾性阻止部材よりも極僅かに狭くなる。上記の状態から弾性阻止部材を挿入すると、爪部分自体は弾性により凹部内で僅かに変形しながら凹部に沿って押し潰されたような状況で凹部内面に密着し、雌側部材内面に爪部分を含む弾性部材全体が押し付けられることになり、よりがたつきの少ない両者の固定が可能になる。
【0016】
また爪部分を一定長さにて設定し、凹部を爪部分の一定長さより極僅かにのみ長く設定しておくことにより雄側部材を雌側部材に抜き差しする方向との垂直方向のずれを防止することも可能になる。この爪部分と凹部の一定長さが長いほど引き抜き時のせん断強度も増し、がたつきやぐらつきをもさらに減少させることができる。
【0017】
次に雌側部材を長尺な形状にし、凹部も長さ方向に連続しており、常に同一断面形状を有するように形成すると、長尺の雌側部材の任意な位置で一定長さの爪部分を有した雄側部材を挿入でき、かつその位置で固定することが可能になる。この場合は爪出没スペースに弾性阻止部材を差し込んで両者を固定しても雌側部材の長さ方向には完全に止めることはできない。しかし前述のように爪部分自体の弾性にて圧迫させて両者を固定する構成を採用すると、振動や僅かな長尺の雌側部材の傾き程度では長さ方向に雄側部材が移動しないように保持することは可能である。
【0018】
また別の構成としては、雌側部材の凹部を、爪部分を抜き差しする方向に同じ形状にて連続して複数個並べた凹凸部分として形成する。したがって例えば凹部が円弧形状であれば凹凸部分は円弧を連続させて繋いだような波型形状にすればよいことになる。さらにこの凹凸部分に雄側部材の爪部分が嵌合した状態のままで、雄側部材全体を凹凸部分に沿って直線移動できるように構成する。つまり雄側部材の移動により爪部分は出没しながら凹凸部分の個々の凸部を順次乗り越えて移動することになる。また凹凸部分内の任意の位置で雄側部材の移動を停止させると、最も近い凹凸部分内の一ヵ所の凹部に爪部分が嵌合し、その位置で仮保持されることになる。その後弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入すると、雌側部材に対して雄側部材を任意の位置で完全に固定することができる。
【0019】
また弾性阻止部材を雄側部材に限定して連結させておき、爪出没スペースに弾性阻止部材を挿入していない状態で、弾性阻止部材に凹凸部分内で雄側部材全体を移動させるための操作部材としての役割をも兼用させることにより、雄側部材の移動操作と爪出没可能スペースへ挿入する固定動作の両方を弾性阻止部材にて実現でき、両方を一連の動作として実施することにより操作性を大幅に向上させることが可能になる。
【0020】
上記構成においては雌側部材自体の形状は限定されず、様々なものに連続した凹凸部分を設けてその部分を雌側部材として構成し、さらに雄側部材にもあらかじめ移動させたい物を装着しておくと、雌側部材の凹凸部分に雄側部材の爪部分を嵌合させ、凹凸部分内を移動後に任意の位置で両者を固定することが可能になり、つまり二物体間の位置調整及び固定機構として発展させることができ、またこの構成を多様なものに幅広く展開させることも可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。本発明の弾性阻止固定装置は雄側部材1と雌側部材2からなり、雌側部材2に雄側部材1を差し込んで両者を固定する構成であり、本発明の基本的な汎用タイプを第一実施形態として図1〜図5に基づいて説明する。
【0022】
図1は本発明の第一実施形態の斜視図であり、雄側部材1には先端に円弧状の爪部分4を有した二個の弾性部材3を一定の間隔を有して並べた状態で一対として設け、両爪部分4は弾性部材3先端に互いに外側向きに対称な配置で備えられている。また弾性阻止部材8を雄側部材1に移動可能に連結して一体化しておく。さらに両弾性部材3の内側間の空間を爪出没スペース7とし、前記弾性阻止部材8の幅と爪出没スペース7の幅とを同じ寸法に設定しておく。また雌側部材2には両爪部分4が嵌合可能な形状の二個一対の凹部6を対面する配置で備え、さらに弾性阻止部材8を差し込むための孔を設けておく。
【0023】
上記の構成から雌側部材2に雄側部材1を差し込んだ時の弾性部材3と爪部分4の動きを模式図として図2に示す。図2(a)は雄側部材1を差し込んだ初期の段階を示しており、両弾性部材3の爪部分4が雌側部材2内面に当接し両爪部分4が内側に弾性の範囲内で没した状態になっている。このとき両弾性部材3先端内側同士が互いに当たって干渉しないように爪出没スペース7の幅を設定しておく必要がある。さらに雄側部材1を挿入させると図2(b)のように雌側部材2の凹部6に爪部分4が配置され、爪部分4は没した状態から弾性により戻り、爪部分4と凹部6が嵌合される。この図2(b)の状態では爪部分4と凹部6の手前側が係止面5になるのであるが、両係止面5は共に円弧状であるため、このまま両者を引き抜くと再度両爪部分4が没して図2(a)の状態を経て離脱することになる。
【0024】
図3は図2(b)の爪部分4が凹部6に嵌合した状態の斜視図であり、弾性阻止部材8は雄側部材1の端部の極薄い膜状部分で、かろうじて分離せず自由に回転させることができるように連結されており、雌側部材2の弾性阻止部材8を差し込むための孔から爪出没スペース7に挿入できるように配置されている。
【0025】
次に図3の状態から弾性阻止部材8を回転移動させて爪出没スペース7に差し込んだ段階を図2(c)に示す。この段階では爪出没スペース7の幅と弾性阻止部材8の幅が同じであるため、雌側部材2の内面と弾性阻止部材8の外側面で弾性部材3および爪部分4を隙間無く完全に挟み込んだ状態になっている。したがって弾性部材3の弾性は完全に阻止されて爪部分4は全く動けない状態であり、図2(c)の状態から雄側部材1を抜こうとしても両者の係止面5が当接して抜けず、雄側部材1と雌側部材2を完全に固定することが可能になる。
【0026】
図2(c)の段階では爪部分4の係止面5部分を切断しない限り雄側部材1と雌側部材2を離脱させることができないことになり、非常に大きな強度を得ることが可能になる。また雌側部材2と爪部分4を含む弾性部材3と弾性阻止部材8が互いに密着して余分な空間を無くしているため、引っ張った時に爪部分4の凹部6へのかかり具合がばらつかず均等になり両係止面5にバランスよく荷重がかかることになる。その結果雌側部材2内部での爪部分4の捻れ等も防止することができ非常に安定した保持性能が得られることになる。また爪部分4の上下方向の長さ寸法と凹部6の上下方向の長さ寸法を同じになるように設定しておくことにより、雄側部材1と雌側部材2の上下方向のずれも同時に防ぐことができる。この図2(c)に示す、爪出没スペース7に弾性阻止部材8が完全に挿入された状態を固定状態とする。
【0027】
さらに図3に示すように弾性阻止部材8に抜け防止用突起9を設けておき、固定状態で雌側部材2の上面の厚み部分に引っ掛かって保持できるように構成することにより、振動や傾き等による弾性阻止部材8の爪出没スペース7からの抜けを防止することができる。この抜け防止用突起9は弾性阻止部材8の抜き差し操作において適度のクリック感を有する程度の軽い保持力を備えるだけでよい。
【0028】
図4は弾性阻止部材8の爪出没スペース7への挿入動作を回転動作ではなく直線移動動作により実施する場合を示しており、弾性阻止部材8を雌側部材2の側面に連結し弾性阻止部材8を直線方向に押し引きする構成である。また図示はしないが雄側部材1の手前側を中空にしてその間を弾性阻止部材8が直線移動して爪出没スペース7に挿入するような、図4とは逆方向から弾性阻止部材8を移動させる構成も可能である。つまり弾性阻止部材8はどのような方向から回転移動や直線移動させて爪出没スペース7に挿入しても良く、したがって雌側部材2が壁面や奥まった位置に配置されたとしても上記のように弾性阻止部材8の操作を手の届く位置にて可能なように設定することにより雌側部材2の納まりを限定することなく、どのような場所にも幅広く対応することができることになる。
【0029】
以上に本発明の基本構成を第一実施形態として説明してきたが、上記基本構成の一使用例を図5に示す。図5は雄側部材1と雌側部材2の両方に単にベルトを着けただけの状態の斜視図であり、このままでも鞄類の肩掛け用ベルト等として使用可能である。さらに図示はしないが樹脂のボックスケースの開閉用ラッチとしても使用でき、その場合は蓋部分の丁番とは逆側に雄側部材1を、身部分の上部に雌側部材2を設け、互いを差し込んでから固定し、弾性阻止部材8を操作部材としても兼用し、より明確な抜け防止用突起9によるクリック感をもたせて施解錠できるように構成すればよい。つまり不特定多数のものに上記の構成の雄側部材1と雌側部材2を装着し、両者を連結固定することができることになり、非常に幅広い用途に適応可能と考えられる。
【0030】
しかし、本発明の弾性阻止固定装置は固定状態でより大きな強度が得られることが特長であり、次に第二実施形態としてその特長を生かした、壁面収納システムに適応させた場合を図6〜図7に基づいて説明する。図6は第二実施形態の分解斜視図であり、雌側部材2を複数の角スリット孔12を有した長尺の支柱11にて形成し、壁面13に対して垂直に装着する。このとき角スリット孔12が前述の雌側部材2の凹部6に相当することになる。また第二実施形態では爪部分4を有する弾性部材3と弾性阻止部材8を、雄側部材1に相当するフックや棚板用ブラケット等のアクセサリー部品14の支柱11への取り付け側端部に一体化して構成しておく。
【0031】
支柱11は金属製でコの字形状とし、両側面奥位置に一定間隔ごとに角スリット孔12を複数個設ける。図6では支柱11を壁面13に掘り込んで装着した状態を示しているが、壁面13に掘り込まずにそのまま装着する面付けであっても良く、また壁面13以外のどのような場所に取り付けてもよい。
【0032】
アクセサリー部品14の端部に一体化された雄側部材1は第一実施形態とほぼ同様であり、先端に爪部分4を有し二個で一対とした弾性部材3を対称に配置し、弾性阻止部材8を移動可能に連結し、両弾性部材3内側間を爪出没スペース7として設定しておく。爪部分4の上下方向の長さは角スリット孔12よりも極僅かにのみ短い寸法に設定しておき、支柱11の任意の位置の角スリット孔12にアクセサリー部品14の爪部分4を正面から嵌め込む。この状態でアクセサリー部品14はある程度の保持力を有して支柱11に仮保持される。さらに弾性阻止部材8を爪出没スペース7に差し込み完全に挿入することによりアクセサリー部品14を支柱11に完全に固定することができる。
【0033】
上記までは第一実施形態と同じであるが、第二実施形態では棚や比較的重量のあるものを引っ掛けた状態で確実に保持する必要があり、より大きな荷重に対応できる強度が要求される。そこで爪部分4の形状と凹部6の形状を若干異形状にし、さらに爪部分4自体にも弾性を持たせた構成にしておくとよい。図7は弾性を有した爪部分4と角スリット孔12との嵌合の状態を示す模式図である。
【0034】
図7(a)に示すように弾性部材3および爪部分4は金属製の板ばねを円弧状に湾曲させて構成するとよく、このとき爪部分4の湾曲部外側の寸法を、幅方向にA1、突出方向にB1とする。また凹部6に相当する角スリット孔12の寸法を、幅方向にA2奥行き方向(支柱11の厚み寸法になる)にB2とする。そして極僅かにA1>A2、B2>B1となるように設定しておくと、両者を嵌合した状態では図7(b)に示すように角スリット孔12に爪部分4の湾曲部全体が入りきらず、弾性部材3は内側に僅かに倒れ支柱11の内側面から浮いた状態になる。
【0035】
この図7(b)の状態から、自由な状態での爪出没スペース7と同じ幅を有した弾性阻止部材8を挿入すると、爪部分4自体も弾性により角スリット孔12に沿って変形しながら弾性部材3が両側に押し広げられることになり、図7(c)に示すように角スリット孔12の内面に密着してより強固に両者を固定することが可能になる。また強度的には爪部分4の湾曲部のせん断応力が重要になり、このままでは湾曲部内側の空間が弱点となるため、さらに図7(d)に示すように角スリット孔12に変形して挿入された湾曲部の内側の空間をも埋めるような形状の弾性阻止部材8を設け、弾性阻止部材8自体もダイカスト等の金属製にて構成するとさらに強度を高めることが可能となる。図7(d)の形状の弾性阻止部材8を使用する場合は回転移動での挿入は困難であるため直線移動を採用し、先端部を先細りにしておくと図7(b)の状態からでもスムーズに挿入することができる。また弾性阻止部材8を抜き取ると弾性部材3および爪部分4は自然に図7(b)の若干浮いた状態に復帰することになり、アクセサリー部品14の支柱11からの着脱もより簡単に実施可能になる。
【0036】
また支柱11からの持ち出し度合いが小さい場合はアクセサリー部品14にかかる荷重の大半が下方向にかかり爪部分4の下端が角スリット孔12の下端面に当接するため爪部分4の長さも比較的短くてよく、図7(c)のような弾性阻止部材8でも十分な保持強度が得られる。しかしアクセサリー部品14に前方向に持ち出した状態で荷重が掛かる場合では、爪部分4の長さおよび角スリット孔12の長さは長いほど爪部分4の上端と下端の傾き角度を小さくすることができることになり、アクセサリー部品14の先端の垂れ下りを小さくでき、条件的に優れたものになる。さらには爪部分4を長くする手段と併用して図7(d)の爪部分4の湾曲部内面の空間をも埋める形状の弾性阻止部材8を使用するとより有効的である。棚板用ブラケットなどでは持ち出し寸法が非常に大きいため、図6に示すように上下2ヵ所若しくはそれ以上の複数ヵ所にて上記の構成を用いて固定するとよいと考えられる。
【0037】
第二実施形態は爪部分4自体の弾性を利用してより大きな荷重に対応可能とすると共にぐらつきの少ない構成を得られることが特長である。したがって壁面収納システムとしても従来の支柱の正面に配置された角スリット孔にブラケット等の金属の爪を直接ハンマー等で叩き込む固定手段に比べ着脱操作に優れ、かつ上方向に不用意に持ち上げた際の脱落も防止でき、さらには弾性阻止部材8にて左右二ヵ所の爪部分4で支柱11を圧迫して固定するために棚板用ブラケット自体の左右方向への振れをも制限することが可能になる。
【0038】
また第二実施形態での爪部分4自体が弾性を有し、弾性阻止部材8を爪出没スペース7に挿入すると共に爪部分4を雌側部材2内面により密着させて両者を固定する構成を前述の第一実施形態に適応することも当然可能である。
【0039】
次に本発明の第三実施形態を図8と図9にて説明する。第三実施形態は二本の長尺のバー材を直角に交差させ、その交差点にて両者の面を密着させて固定するための金具として本発明の弾性阻止固定装置を適応させたものである。二本のバー材の片方を一方向面の中央部分のみが開口しているC型形状のC型バー材15として形成し、C型バー材15の開口面に他方の相対バー材16を接面させ、かつ直交した状態で両者を配置する。
【0040】
図8に示すように片方のC型バー材15は長尺であり、断面形状は矩形で一方向のみが開口されており、その両端部を少しずつ鋭角に内側に曲げ込んだ形状になっている。またもう一方の相対バー材16はコの字型やパイプ状等どのような形状であっても良く、断面形状に全く制限は無い。このときC型バー材15が前述での雌側部材2に、さらには開口面の曲げ込み部分17が雌側部材2の凹部6に相当することになる。また雄側部材1は第一実施形態での先端に爪部分4を有した二個一対の弾性部材3を二組平行に並べて爪部分4とは逆側を連結した形状のクリップ金具18として構成し、二組の弾性部材3間の連結位置側に相対バー材16を挿入してから爪部分4をC型バー材15の開口部に挿入し、曲げ込み部分17に爪部分4を弾性を持って嵌合させる。したがってクリップ金具18の二組の弾性部材3間の幅や形状を相対バー材16が適切に嵌るような形状に設定しておくとよい。
【0041】
図9は二本の直交するバー材にクリップ金具18を嵌め込んだ状態の正面図であり、図9(a)は爪出没スペース7への弾性阻止部材8の挿入前を、図9(b)は弾性阻止部材8の挿入後を示している。図9(a)の状態では爪部分4の弾性により二本のバー材は仮保持されているが、このままクリップ金具18を引き抜くことにより相対バー材16も着脱自在であり、爪出没スペース7に弾性阻止部材8を挿入した図9(b)の状態で両方のバー材を完全に固定することが可能になる。このときC型バー材15の曲げ込み部分17に爪部分4が完全に嵌合した状態で、C型バー材15の開口面と相対バー材16の上面が隙間無く接面するように設定することにより両者を完全に密着させて強固に固定することができる。
【0042】
第三実施形態の特長は雌側部材2の凹部6に相当するC型バー材15の曲げ込み部分17が長さ方向に連続した構成になっていることであり、クリップ金具18を任意の位置で嵌め込める点にある。またクリップ金具18の内部にC型バー材15との固定を目的とする相対バー材16を配置し、クリップ金具18を介してC型バー材15と相対バー材16を固定する構成としたことも特長として挙げられる。また上記構成では二本のバー材を接面させた状態で保持することを主な目的としているために、クリップ金具18のバー材の長さ方向へのずれを完全に止める構成にはなってはいない。そこで第三実施形態でも前述の爪部分4自体が弾性を有する形態を採用し、図9(a)に示すように爪部分4先端間の幅のみを爪出没スペース7よりも僅かに狭く設定しておくとよい。すると弾性阻止部材8の爪出没スペース7への挿入と同時に図9(b)に示すように爪部分4が外側に倒れてC型バー材15の内面を圧迫し、かつ相対バー16を引き付ける動作が得られ、長さ方向へのずれや移動をもかなり防止することが可能と考えられる。
【0043】
第三実施形態では、直交する二本のバー材にクリップ金具18を嵌め込むとその位置で仮保持でき、そのまま弾性阻止部材8を爪出没スペース7に挿入させるだけで両者を接面させた状態で強固に固定できることになり、非常に簡単な連結固定操作が実現可能になる。したがってこの構成は天井や壁や床の内装工事で使用するスタッドやバーやチャンネルなどの軽量鉄骨下地材を交差させて組付けるための連結固定用建築部品に最も適している。つまり従来の連結固定用建築部品での、嵌め合わせて保持するだけのタイプでは作業性は良いが強度不足であり、ねじを使用して固定するタイプでは強度面では優れているが作業性が悪い等の問題点を解消し、簡単な操作と強度を兼ね備えた形態として利便性を有すると考えられる。
【0044】
次に本発明の弾性阻止固定装置の第四実施形態を図10〜図13にて説明する。図10は、雌側部材2を第三実施形態と類似した長尺なレール19にて形成し、室内の天井面か天井と壁のコーナー部分に装着し、雄側部材1に相当する吊り下げ部材20を下方向から差し込み、吊り下げ部材20にワイアー線やテグス糸や細い針金等を連結し、額縁や絵などを吊り下げて保持するハンガーシステムに適応させた状態を示す斜視図である。
【0045】
吊り下げ部材20は第一実施形態での雄側部材1とほぼ同様の構成であり、弾性阻止部材8は回転移動により爪出没スペース7に挿入するように構成する。雌側部材2に相当するレール19の長手方向に連続した二本で一対の凹部6を面対させた状態で形成する。つまりレール19のどの位置においても凹部6の断面形状は同じになり、また爪部分4自体は第二実施形態と同様に弾性を有する構成にしておく。
【0046】
図11は吊り下げ部材20の爪出没スペース7に弾性阻止部材8を挿入する状態を示す正面図であり、図11(a)では弾性阻止部材8は挿入されておらず、図11(b)は半分弱弾性阻止部材8が挿入されているが爪部分4自体の弾性は未だ働いていない状態であり、図11(c)は完全に挿入されて爪部分4の弾性でレール19内面を圧迫している状態となるように設定しておく。このとき図11(b)に示す状態で、既に爪出没スペース7に挿入されている弾性阻止部材8の半分弱程度の部分の幅を中央から外側に向かって極僅かだけ細くなるように傾斜状にしておくとよい。また図12は吊り下げ部材20の爪部分4をレール19に差し込む時の状態を順に示す断面図であり、図12(a)は爪部分4挿入の初期の段階を、図12(b)は弾性部材3と爪部分4を完全に挿入した段階を、図12(c)はさらに弾性阻止部材8を挿入した段階を示している。
【0047】
第四実施形態の特長はレール19の任意の位置で吊り下げ部材20を差し込むことができ、さらには荷重が掛かっていない時には図12(b)の状態のままで一旦レール19から吊り下げ部材20を抜かずにレール19の長手方向に移動させることができることが挙げられる。また額縁等を吊り下げたままの荷重がかかった状態においても、弾性阻止部材8を図11(b)の状態にすることで爪部分4自体の弾性によるレール19内面への圧迫を解除し、そのままレール19の長手方向に移動させることも可能になる。また弾性阻止部材8に抜け防止用突起9を設け、弾性部材3に2カ所のへこみ部26を設け、図11(b)と図11(c)の段階で一定の力で保持できるようにしておくとよい。したがって額縁等を吊り下げる位置をより簡単に吊り下げ部材20をレール19に挿入したままで長手方向に微調整できることになる。
【0048】
また爪出没スペース7に弾性阻止部材8を完全に挿入した図11(c)および図12(c)の段階では爪部分4自体の弾性によりレール19内面を圧迫することになり、その後にかなりの重量を有する額縁などを吊すと、常に荷重は下方にかかるためさらに条件は良くなり、振動や僅かなレール19の傾き程度においては十分吊り下げ部材20の位置のずれを防止できると考えられる。
【0049】
また意匠面においては、固定状態で図10および図12(c)のように吊り下げ部材20や弾性阻止部材8がレール19内部に入り込み、ほとんど内蔵された状態になるため外観を向上させることができる。またレール19の凹部6は最も奥まった位置に配置されているにもかかわらず弾性阻止部材8を戻す操作はレール19内に指を入れて押し戻すだけで実施でき、吊り下げ部材20の着脱操作も非常に簡単である。
【0050】
従来のハンガーシステムは同様のレール19に長円形の頭部と雄ねじ部分を有した係合部材を挿入し、レール19内部に挿入後90°回転させてレール19の淵に頭部を引っ掛けた状態にして一旦保持し、雌ねじでレール19の淵を挟み込んで固定する構成のものが多く、着脱操作も困難でかつ部品点数も多く高価になりがちである。したがって本発明の第四実施形態と比較すると、吊り下げ部材20一個のみの少ない部品点数と、レール19に差し込んで弾性阻止部材8を回転移動させるだけの簡単な固定操作と、レール19下面に何も突出しないデザイン性とにおいても本発明の有利性は大きいと考えられる。
【0051】
次に本発明の第五実施形態を図13〜図19に基づいて説明する。第五実施形態は、外側アーム21と内側アーム22からなり、互いに重なり合って伸縮する2本のアームを任意の位置で固定する手段に本発明の弾性阻止固定装置を適応させたものであり、雌側部材2の凹部6を、爪部分4を抜き差しする方向に同じ凹部6形状を連続させた凹凸部分23として形成したことが最大の特長である。
【0052】
図13は第五実施形態の分解斜視図であり、雌側部材2を一方向のみを開口したC型形状の長尺の曲げ加工品である外側アーム21として構成し、開口面の長さ方向の両側端に凹部6に相当する連続した凹凸部分23を設けておく。また同様に長尺で、外側アーム21内に挿入してがたつき無く移動できる形状の内側アーム22を設け、爪部分4を有した弾性部材3と弾性阻止部材8をこの内側アーム22の片端部に組み付ける。図14は爪部分4を有した二個一対の弾性部材3だけを内側アーム22の片端部に装着した状態の斜視図である。両弾性部材3先端に設けた円弧状の爪部分4を対称位置に配置し、両爪部分4は常に内側である爪出没スペース7で出没するように構成する。このとき図14に示すように爪部分4の上部分が内側アーム22の開口面上面よりもさらに上側に突出するように設定しておく。
【0053】
外側アーム21の長さ方向に連続して設けられた凹凸部分23の形状は、爪部分4を円弧状とすると、図13に示すような円弧状を連続させた形状である波型でよく、波型の個々の凹部分は爪部分4に嵌合するように形成しておく。次に外側アーム21に、図14の状態での内側アーム22を挿入して両者を長さ方向に伸縮させた場合の正面図を図15に示す。図15(a)は外側アーム21の凹凸部分23の一ヵ所の凹部分に内側アーム22に取り付けた爪部分4が完全に嵌合した状態であり、この状態で両アームは爪部分4の弾性により仮保持される。この図15(a)の状態から両アームを伸縮移動させると、爪部分4は図15(b)に示すように凹凸部分23の凸部分に押されて没し、次の凹凸部分23の凹部分に来ると再度弾性により突出して嵌合することになる。したがって両アームを一気に伸縮させると上記の動作を連続させて実施することになり、凹凸部分23の個々の凸部分を乗り越える度にカチカチとある程度のクリック感をもって移動可能になる。また任意の位置で停止させると爪部分4は最も近い凹凸部分23の一ヵ所の凹部分に嵌合し再度仮保持されることになる。
【0054】
次に内側アーム22端部に装着された弾性部材3の隣の位置に、さらに弾性阻止部材8を組み込んだ状態を図16に示す。第五実施形態での弾性阻止部材8は、前部の爪出没スペース7と同じ幅を有した弾性阻止部分24と、後部の内側アーム22の開口面の端部に嵌り、スライド移動のための案内溝を有した操作部分25から構成し、爪出没スペース7への挿入動作は直線移動を採用する。また前記操作部分25の案内溝内に抜け防止用突起9を、内側アーム22の開口側面に2ヵ所のへこみ部26を設け、へこみ部26に抜け防止用突起9が嵌合することによりクリック感をもって弾性阻止部材8を直線移動できるように構成する。したがって弾性阻止部材8は樹脂の成型品が適しており、図16のように操作部分25中央に大き目の長孔27を設け、この長孔27の両側の案内溝部分に抜け防止用突起9を配置するとよい。
【0055】
図17は図16の状態から弾性阻止部材8を移動させた状態を示す正面図である。前記弾性阻止部分24は内部が詰まったムクの状態にしておくとよく、操作部分25の長孔27に指を入れて移動操作し、図17(a)の状態から図17(b)の状態にすると爪部分4の弾性は完全に阻止されることになる。またこの弾性阻止部材8の移動動作は外側アーム21と内側アーム22の伸縮移動動作とは干渉しないように構成しておく。
【0056】
図18は図16の状態の内側アーム22を外側アーム21に挿入し、両者を組み込んだ第五実施形態の納まり状態を示す斜視図であり、図19は同様の状態を示す正面図である。図18および図19は共に弾性阻止部材8の弾性阻止部分24が爪出没スペース7に挿入しておらず、両アームは爪部分4の出没動作と共に凹凸部分23を順次乗り越えて伸縮移動できる状態を示しており、両アームを任意の位置に移動後弾性阻止部材8を直線移動操作して、爪出没スペース7に弾性阻止部分24挿入させた段階で両アームの位置を完全に固定することが可能になる。
【0057】
つまり第五実施形態の特長は、二個の相対部材を移動させた後停止したその位置で仮保持でき、さらには仮保持の状態から弾性阻止部材8を移動させるだけの極簡単な操作のみでその位置を完全に固定することができる点であり、つまり互いを移動後に任意の位置で固定する、位置調整機能および固定機能を有することになる。また両アームの形状や材質は上記の実施例に限られるわけではなくパイプ形状等でもよく、二本の長尺材を伸縮させてから任意の位置で固定する用途に利用するとすれば、長さ調節付きのモップの柄や伸縮式のポールや開窓の開度調整用のアームなど幅広く様々なものに適応させることができることになる。
【0058】
次に本発明の第六実施形態を図20〜図24にて説明する。第六実施形態は第五実施形態の構成を門扉用の落し錠の上げ下げ操作の機構に適応させたものであり、図20は門扉の戸先縦框28を含む機構部分の分解斜視図を、図21は門扉の戸先縦框28に納まった状態の斜視図を、図22は戸先縦框28に内蔵する落し棒32部分の斜視図を示す。
【0059】
まず門扉の戸先縦框28の厚み方向面に雌側部材2に相当する連続凹凸孔29を上下方向に形成する。また図20に示すように、雄側部材1に相当する金属製の箱型ケース30を設け、上下方向に二個一対の爪部分4を有した弾性部材3を装着し、さらに先端の操作部分25と根元の弾性阻止部分24からなる弾性阻止部材8を上下方向に回転移動できるようにピンで連結して構成する。このとき前述と同様に弾性阻止部分24を爪出没スペース7の幅と同じにしておく。さらに図22に示すように箱型ケース30に落し錠のロッド31と落し棒32を組みつけておく。したがって箱型ケース30と共に落し棒32は移動することになる。
【0060】
次に図22に示す内蔵部分を戸先縦框28内に挿入し、連続凹凸孔29から弾性阻止部材8と爪部分4の側面端部が戸先縦框28の表面側に出ており、連続凹凸孔29の一ヵ所の凹部分に爪部分4が嵌合した状態で箱型ケース30とフロント33を固定する。このとき箱型ケース30の正面の取り付け用雌ねじ部分のみが連続凹凸孔29に入り込み、フロント33と固定した状態でも戸先縦框28の厚み方向面を挟み付けることなく僅かな余裕を有した状態で落し錠全体を上下移動できるように構成しておく。
【0061】
次に図21に示す戸先縦框28内に納まった状態での側面図を図23に、正面図を図24に示す。上記のように構成した状態で弾性阻止部材8の操作部分25が上方向に位置する図23(a)および図24(a)では弾性阻止部分24は爪出没スペース7に挿入しておらず、したがってこのまま操作部分25を持って上下に移動すると爪部分4が連続凹凸孔29内を出没しながら乗り越えて落し棒32を上下移動させることかできる。また任意の位置で停止させると最も近い位置の凹部分に爪部分4が嵌合しその位置で仮保持される。このとき落し錠の自重全体が爪部分4にかかるため仮保持状態で手を離しても下方に移動しない程度に弾性部材3の弾性力を設定しておく必要がある。
【0062】
そして図23(b)及び図24(b)に示すように操作部分25を下方に回転させると弾性阻止部分24が爪出没スペース7に挿入し、箱型ケース30と共に落し棒32の上下位置を完全に固定することができる。つまり操作部分25を上方向に回転させて固定を解除し、そのままの一連の動作により落し棒32の上下移動を実施し、任意の位置で操作部分25を下方に回転させて固定するだけの非常に簡単な上下移動操作を実現できることになる。
【0063】
第六実施形態は構成としては第五実施形態をさらに発展させたものであり、雌側部材2に相当する凹凸部分23を連続凹凸孔29として不特定多数の物体に装備させ、その物体に対して移動させたい相対物を雄側部材1に相当する箱型ケース30に一体化することにより連続凹凸孔29に沿った方向に移動後、任意の位置で完全に固定することを可能としたものである。したがって弾性阻止部材8の爪出没スペース7への挿入動作を回転移動にし、弾性阻止部材8に操作部分25を設けることにより、操作部分25を指で持って相対物全体を移動でき、そのまま一連の操作で強固でより確実な固定が実現できる構成は非常に有効であり、部品点数を少なくすると共に非常に簡単な操作が実現できることが特長に挙げられる。
【0064】
【発明の効果】
弾性を有した雄側部材の爪部分を雌側部材の凹部に嵌合させて両者を固定する際に、弾性により爪部分が没するスペースに着目し、そのスペースと同寸法の弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入し、爪部分を含む弾性部材の弾性による移動を阻止することにより爪部分と凹部が強制的に係止され、両者を引き抜く動作や捻じる動作に対して、高強度でバランスの良い確実な固定を実現することが可能になる。
【0065】
さらに爪部分自体にも弾性を持たせ、弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入する際に、爪部分が雌側部材の凹部の形状に沿って弾性変形して雄側部材と雌側部材を密着させて固定する動作を得、両者を単に抜けないように固定するだけではなく、より圧迫させた状態にてがたつき無く固定することが可能になる。
【0066】
また弾性阻止部材が雄側部材若しくは雌側部材に移動可能に連結されているために部品としては一体として構成でき、より爪出没スペースに弾性阻止部材を挿入する作業が簡単になり、かつ弾性阻止部材を紛失してしまうような危険性も回避できる。さらに弾性阻止部材の移動方向を、スライドによる直線移動か若しくは回す操作による回転移動にて構成することで、爪出没スペースへの弾性阻止部材の挿入動作をより解り易い操作にて実施できる。
【0067】
また雄側部材の弾性部材と爪部分を二個で一対の対称形状にて構成することにより、固定状態で両者を引き抜こうとしたときに両方の爪部分と凹部の係止面に均等にバランスよく荷重がかかり、常に安定した強度が得られると共に、爪部分と凹部の長さを同じにすることにより雄側部材と雌側部材の抜き差し方向に対する垂直方向のずれやがたつきをも防止することが可能になる。
【0068】
また雌側部材及び雌側部材の凹部を長尺にて構成し、長さ方向の全ての位置で同一断面形状とすることにより、雄側部材を雌側部材の任意の位置で嵌合し、その位置で弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入することにより両者を固定することができるようになる。またこの構成に爪部分自体の弾性による雌側部材内面を圧迫して固定する構成を採用するとより効果的であり、振動や雌側部材の僅かな傾き程度では雄側部材をずれない程度に保持することができる。さらには雄側部材を挿入したままの状態で弾性阻止部材による圧迫を若干緩めることにより、雄側部材を雌側部材から抜き取ることなく長さ方向に移動することも可能になる。
【0069】
また雌側部材の凹部を連続して複数個並べた波型の凹凸部分として形成することにより、凹凸部分に沿って円弧状の爪部分が乗り越えながら出没する動作と共に雄側部材を移動させることができ、さらに任意の位置で停止させるとその位置で雄側部材は仮保持され、そのまま弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入することにより完全に固定できることになる。したがってこの構成は雌側部材に対する雄側部材の位置調整機構と任意の位置での固定機構として発展させることが可能になる。さらには弾性阻止部材を雄側部材の移動のための操作部材としても兼用させることにより、部品点数の少ない形態にて非常に簡単な雄側部材の移動および固定操作が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態の爪部分と凹部の嵌合状態を示す模式図である。
【図3】本発明の第一実施形態の弾性阻止部材を回転移動にて構成した斜視図である。
【図4】本発明の第一実施形態の弾性阻止部材を直線移動にて構成した斜視図である。
【図5】本発明の第一実施形態の雄側部材と雌側部材両方にベルトを取り付けた状態の斜視図である。
【図6】本発明の第二実施形態の分解斜視図である。
【図7】本発明の第二実施形態の爪部分自体が弾性を有した構成での凹部との嵌合状態を示す模式図である。
【図8】本発明の第三実施形態の分解斜視図である。
【図9】本発明の第三実施形態の、二本のバーをクリップ金具で固定した状態の爪出没スペースに弾性阻止部材が挿入された状態と挿入されていない状態を示す正面図である。
【図10】本発明の第四実施形態の斜視図である。
【図11】本発明の第四実施形態の弾性阻止部材が爪出没スペースに挿入された状態を示す正面図である。
【図12】本発明の第四実施形態の爪部分と凹部の嵌合状態を示す断面図である。
【図13】本発明の第五実施形態の分解斜視図である。
【図14】本発明の第五実施形態の、内側アームの端部に爪部分を有する弾性部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図15】本発明の第五実施形態の、爪部分が出没しながら凹凸部分を乗り越えて移動する状態を示す正面図である。
【図16】本発明の第五実施形態の、内側アームの端部に爪部分を有する弾性部材と弾性阻止部材を組付けた状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の第五実施形態の、爪出没スペースに弾性阻止部材が挿入された状態と挿入されていない状態とを示す正面図である。
【図18】本発明の第五実施形態の納まり状態を示す斜視図である。
【図19】本発明の第五実施形態の納まり状態を示す正面図である。
【図20】本発明の第六実施形態の分解斜視図である。
【図21】本発明の第六実施形態の納まり斜視図である。
【図22】本発明の第六実施形態の落し棒部分の斜視図である。
【図23】本発明の第六実施形態の、爪出没スペースに弾性阻止部材が挿入された状態と挿入されていない状態を示す側面図である。
【図24】本発明の第六実施形態の、爪出没スペースに弾性阻止部材が挿入された状態と挿入されていない状態を示す正面図である。
【図25】従来の弾性爪と凹部の嵌合による雄側部材と雌側部材の連結固定を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 雄側部材
2 雌側部材
3 弾性部材
4 爪部分
5 係止面
6 凹部
7 爪出没スペース
8 弾性阻止部材
9 抜け防止用突起
23 凹凸部分
Claims (6)
- 雄側部材と雌側部材を嵌め合わせて両者を固定する装置であって、凹部を有した雌側部材と、爪部分を有した弾性部材と前記爪部分が弾性移動するための爪出没スペースを有した雄側部材と、弾性阻止部材とからなり、弾性部材の爪部分を凹部に嵌合した状態で前記爪出没スペースに弾性阻止部材を挿入することにより爪部分の弾性移動を阻止し、爪部分と凹部を係止させて雄側部材と雌側部材を固定することを特徴とする弾性阻止固定装置。
- 前記弾性部材の爪部分自体にも弾性を設け、爪部分と凹部の形状を僅かに異形とし、爪部分を凹部に嵌合した状態で弾性阻止部材を爪出没スペースに挿入すると、爪部分が圧迫されて爪部分自体の弾性により凹部の形状に沿って変形した状態で両者を係止し、雄側部材と雌側部材のより密着させた固定が得られることを特徴とする請求項1に記載の弾性阻止固定装置。
- 前記弾性阻止部材は雄側部材または雌側部材のどちらか片方に移動可能に連結されており、前記爪出没スペースに弾性阻止部材を挿入するための移動手段が直線移動若しくは回転移動であり、弾性阻止部材が完全に爪出没スペースに挿入された段階で、弾性阻止部材を一定の力で保持するための抜け防止用突起を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性阻止固定装置。
- 前記雄側部材には二個で一対とした弾性部材を設け、前記弾性部材の先端位置外側向きに一定長さを有した爪部分を対称に配置し、前記雌側部材にも二個で一対とした一定長さの凹部を対面させた状態で配置したことを特徴とする請求項1及至3いずれかに記載の弾性阻止固定装置。
- 前記雄側部材には二個で一対とした弾性部材を設け、前記弾性部材の先端位置外側向きに一定長さを有した爪部分を対称に配置し、雌側部材を長尺形状にて形成し、二本で一対とした長い凹部を長手方向に対面させた状態で連続して配置し、雌側部材の凹部の任意な位置に雄側部材を嵌合させることができ、さらにその位置で雄側部材を固定可能としたことを特徴とする請求項1及至3いずれかに記載の弾性阻止固定装置。
- 前記雄側部材には二個で一対とした弾性部材を設け、前記弾性部材の先端位置外側向きに一定長さを有した爪部分を対称に配置し、雌側部材の凹部を同一形状の凹部を連続して複数個並べた凹凸部分として形成し、雄側部材の爪部分が出没しながら凹凸部分を順次乗り越えて凹凸部分に沿って移動可能なように構成し、任意の位置で停止させると連続した凹凸部分内の一か所の凹部と爪部分が嵌合し、その位置で雄側部材を固定可能としたことを特徴とする請求項1及至3いずれかに記載の弾性阻止固定装置。
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2002
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