JP2004036647A - 免震構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】製作が容易で製作コストが低いと共に、フランジの周縁部の肉厚精度も良好な免震構造体を提供する。
【解決手段】複数個の剛性を有する硬質板2と粘弾性的性質を有する軟質板3とを交互に貼り合わせてなる積層ゴム4と、該積層ゴム4の両端面にそれぞれ取り付けられたフランジ6Aとを有する免震構造体において、該フランジ6Aに硬質な盤状体10が接合層を介して取り付けられている。盤状体10としては鋼板が好適であり、接合層としては高強度ゴム11が好適である。フランジ6Aは平板よりなる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数個の剛性を有する硬質板2と粘弾性的性質を有する軟質板3とを交互に貼り合わせてなる積層ゴム4と、該積層ゴム4の両端面にそれぞれ取り付けられたフランジ6Aとを有する免震構造体において、該フランジ6Aに硬質な盤状体10が接合層を介して取り付けられている。盤状体10としては鋼板が好適であり、接合層としては高強度ゴム11が好適である。フランジ6Aは平板よりなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数個の硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板とを交互に貼り合わせた積層体と、この積層体の両端面に接合されたフランジとを有する免震構造体に関する。詳しくは、この積層体とフランジとの接合部付近の構成が改良された免震構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板等の硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板(ゴム)とを積層した構造体が、防振性、吸振性等を要求させる支承部材として広く用いられている。
【0003】
このような免震構造体の作用効果は、コンクリート系建築物のような剛体建物と基礎土台との間に、横方向に柔らかい、即ち剪断剛性率の小さい免震構造体を挿入することにより、コンクリート系建物の固有周期を地震の周期からずらすことによる。このため、免震構造体を建物と土台との間に挿入する免震設計により、地震により建物が受ける加速度は非常に小さくなる。
【0004】
第3図は従来の免震構造体の一例を示すものであり、(a)図は平面図(ただし、半分のみを示す。)、(b)図は右半側を断面とした側面図である。第2図はこの免震構造体の断面の拡大図である。
【0005】
この免震構造体1は、複数個の剛性を有する硬質板2とゴムよりなる軟質板3とを交互に貼り合わせてなる円柱状の積層体(以下、積層ゴムという。)4と、この積層ゴム4の両端面に接合されたフランジ6と、積層ゴム4の外周面を被覆する被覆ゴム7とを有する。フランジ6の周縁部には、アンカーボルト等のボルトを挿通するための孔8が周方向に一定間隔をおいて設けられている。
【0006】
このフランジ6の積層ゴム4側の板面のうち周縁部は中央部に比べて低い低段部6aとなっており、この中央部は高段部6bとなっている。前記被覆ゴム7はこの高段部6bの側周面をも覆っている。硬質板2及び軟質板3はいずれも円形であり、それらの直径は高段部6bの直径よりも小さい。被覆層7は、積層ゴム4の外周面とフランジ6の板面との交叉隅部付近では凹に湾曲している。なお、被覆層7は省略されることもある。
【0007】
上記のように高段部6bを設け、積層ゴム4を該高段部6bに取り付けるのは、大地震時等に免震構造体が水平方向に大変形しても、ボルト孔8に通されたボルトの頭部に対し積層ゴム4の外周面あるいは被覆層7が接触しにくくなるようにするためである。
【0008】
従来の免震構造体にあってはフランジ6に低段部6aを切削加工により形成し、これによって高段部6bを形成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように切削加工により高段部6bを形成することは、かなり手間がかかり、免震構造体の製造コストが増加する。
【0010】
また、フランジ6の素板(母材)に反りが存在する場合、上記の切削加工を施すとフランジ周縁部の低段部6aの肉厚のバラツキが生じ、場合によってはフランジを再製作しなければならないこともある。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、製作が容易で製作コストが低いと共に、フランジの周縁部の肉厚精度も良好な免震構造体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の免震構造体は、複数個の剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板とを交互に貼り合わせてなる積層体と、該積層体の両端面にそれぞれ取り付けられたフランジとを有する免震構造体において、該フランジの該積層体の取付面に硬質な盤状体が接合層を介して取り付けられ、該盤状体に該積層体が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0013】
かかる免震構造体は、フランジに接合層を介して盤状体を取り付けることにより高段部が形成されるものであり、両板面が平坦なフランジをそのまま用いることができ、製作に際し切削工程が不要である。そのため、免震構造体の製作コストが安価であると共に、フランジの周縁部の肉厚分布も均一となる。
【0014】
本発明では、盤状体及び接合層は積層体が接合される高段部を構成するものであるから、その厚さの合計は4.5mm〜15mmであることが好ましい。
【0015】
この接合層は、軟質板を構成するゴムよりも剪断弾性係数が大きい高強度ゴムが好適であり、特に剪断弾性係数が10kgf/cm2(9.8×105N/m2)以上の高強度ゴムが好ましい。
【0016】
免震構造体の特性を水平変位方向の全方位にわたって均等化するために、積層体は円柱形であることが好ましい。
【0017】
また、盤状体は円盤形であり、その直径が積層体の直径よりも大きいことが好ましい。この場合、積層体の外周面と盤状体及び接合層の側周面とが被覆ゴム層で被覆されていることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図は実施の形態に係る免震構造体の要部縦断面図であり、前記従来例に係る第2図と同様の部位の断面を示している。
【0019】
この実施の形態においても、免震構造体は、複数個の剛性を有する硬質板2とゴムよりなる軟質板(以下内部ゴムということがある。)3とを交互に貼り合わせてなる円柱状の積層ゴム4と、この積層ゴム4の両端面に接合されたフランジ6Aと、積層ゴム4の外周面を被覆する被覆ゴム7とを有する。フランジ6Aの周縁部には、アンカーボルト等のボルトを挿通するための孔8が周方向に一定間隔をおいて設けられている。
【0020】
この実施の形態においては、フランジ6Aの積層ゴム4側の板面に盤状体10が接合層としての高強度ゴム11を介して接合され、この盤状体10に対し積層ゴム4が接合されている。後述の通り、積層ゴムは硬質板2と軟質板3(内部ゴム)とを加硫接着してなるものであるが、この加硫接着に際し併せて盤状体10の高強度ゴム11によるフランジ6Aへの加硫接着と、内部ゴム3を介しての積層ゴム4と盤状体10との加硫接着とを行う。この加硫接着後に被覆層7を形成する。
【0021】
このように構成された免震構造体は、フランジ6Aに高強度ゴム11を介して盤状体10を加硫接着により取り付けて高段部を形成したものであり、両板面が平坦なフランジ6Aをそのまま用いることができる。従って、製作に際しフランジの切削工程が不要であり、免震構造体の製作コストが安価であると共に、フランジの周縁部の肉厚分布も均一となる。
【0022】
上記の盤状体10は鋼板が好ましく、その厚さは3〜10mm特に3.1〜8mmが好ましい。
【0023】
高強度ゴム11は剪断弾性係数が10kgf/cm2以上特に10〜20kgf/cm2とりわけ12〜18kgf/cm2であることが好ましい。この高強度ゴムの配合は、天然ゴム及び/又は合成ゴム50%以上(例えば50〜75%)、充填剤及び補強剤10%以上(例えば10〜20%)、加硫剤その他40%以下(例えば25〜40%)が好ましい。上記の合成ゴムとしては、後述の軟質板3のゴムが例示される。高強度ゴム11の厚みは、1.5〜7mm程度が好ましい。盤状体10と高強度ゴム11との合計の厚みは4.5mm以上例えば5mm〜10mm程度が好ましい。
【0024】
このような特性及び厚みを有した高強度ゴムよりなる接合層はクリープが小さく、免震構造体のクリープ特性は第2〜3図に示したものと略々同等となる。
【0025】
積層ゴム4を構成する硬質板2の材質としては、金属、セラミックス、プラスチックス、FRP、ポリウレタン、木材、紙板、スレート板、化粧板などを用いることができる。
【0026】
また、軟質板3の材料としては、各種の加硫ゴムが用いられる。ゴムとしては、エチレンプロピレンゴム(EPR、EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。
【0027】
被覆層7は、耐候性に優れたゴム材料が好適である。
【0028】
この被覆ゴム材料としては、耐候性の優れたゴム状ポリマーが望ましく、例えば、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、エチレンプロピレンゴム(ERP及びEPDM)、ハイパロン、塩素化ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム等が挙げられる。これらのうち、特にブチルゴム、ポリウレタン、エチレンプロピレンゴム、ハイパロン、塩素化ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴムが耐候性の面からは効果的である。更に、軟質板を構成するゴムとの接着性を考慮した場合には、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴムが望ましく、とりわけエチレンプロピレンゴムを用いるのが最も好ましい。
【0029】
これらのゴム材料は単独で用いても、2種以上をブレンドして用いても良い。また、伸び、その他の物性を改良するために市販ゴム、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム等とブレンドしても良い。更に、これらのゴム材料には、各種充填剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、オイル等、ゴム材料に一般的な配合剤を混合しても良い。
【0030】
内部ゴム4の具体的な配合例を次の表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
このような本発明の免震構造体を製造するには、例えば、硬質板と未加硫の軟質板とを交互に積層すると共に、この積層体の両端面にさらに盤状体10と未加硫の高強度ゴム11とを介してフランジ6Aを重ね合わせ、これを加硫する方法が好適である。
【0033】
なお、フランジ6Aには盤状体10の位置を示すための線を罫書きなどにより設けておくのが好ましい。
【0034】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、製作が容易で製作コストが低いと共に、フランジの周縁部の肉厚精度も良好な免震構造体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免震構造体の要部を示す縦断面図である。
【図2】従来の免震構造体の要部を示す縦断面図である。
【図3】従来の免震構造体の平面図と側面図である。
【符号の説明】
1 免震構造体
2 硬質板
3 軟質板(ゴム)
4 積層ゴム(積層体)
6,6A フランジ
6a 低段部
6b 高段部
10 盤状体
11 高強度ゴム
【発明の属する技術分野】
本発明は複数個の硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板とを交互に貼り合わせた積層体と、この積層体の両端面に接合されたフランジとを有する免震構造体に関する。詳しくは、この積層体とフランジとの接合部付近の構成が改良された免震構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板等の硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板(ゴム)とを積層した構造体が、防振性、吸振性等を要求させる支承部材として広く用いられている。
【0003】
このような免震構造体の作用効果は、コンクリート系建築物のような剛体建物と基礎土台との間に、横方向に柔らかい、即ち剪断剛性率の小さい免震構造体を挿入することにより、コンクリート系建物の固有周期を地震の周期からずらすことによる。このため、免震構造体を建物と土台との間に挿入する免震設計により、地震により建物が受ける加速度は非常に小さくなる。
【0004】
第3図は従来の免震構造体の一例を示すものであり、(a)図は平面図(ただし、半分のみを示す。)、(b)図は右半側を断面とした側面図である。第2図はこの免震構造体の断面の拡大図である。
【0005】
この免震構造体1は、複数個の剛性を有する硬質板2とゴムよりなる軟質板3とを交互に貼り合わせてなる円柱状の積層体(以下、積層ゴムという。)4と、この積層ゴム4の両端面に接合されたフランジ6と、積層ゴム4の外周面を被覆する被覆ゴム7とを有する。フランジ6の周縁部には、アンカーボルト等のボルトを挿通するための孔8が周方向に一定間隔をおいて設けられている。
【0006】
このフランジ6の積層ゴム4側の板面のうち周縁部は中央部に比べて低い低段部6aとなっており、この中央部は高段部6bとなっている。前記被覆ゴム7はこの高段部6bの側周面をも覆っている。硬質板2及び軟質板3はいずれも円形であり、それらの直径は高段部6bの直径よりも小さい。被覆層7は、積層ゴム4の外周面とフランジ6の板面との交叉隅部付近では凹に湾曲している。なお、被覆層7は省略されることもある。
【0007】
上記のように高段部6bを設け、積層ゴム4を該高段部6bに取り付けるのは、大地震時等に免震構造体が水平方向に大変形しても、ボルト孔8に通されたボルトの頭部に対し積層ゴム4の外周面あるいは被覆層7が接触しにくくなるようにするためである。
【0008】
従来の免震構造体にあってはフランジ6に低段部6aを切削加工により形成し、これによって高段部6bを形成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように切削加工により高段部6bを形成することは、かなり手間がかかり、免震構造体の製造コストが増加する。
【0010】
また、フランジ6の素板(母材)に反りが存在する場合、上記の切削加工を施すとフランジ周縁部の低段部6aの肉厚のバラツキが生じ、場合によってはフランジを再製作しなければならないこともある。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、製作が容易で製作コストが低いと共に、フランジの周縁部の肉厚精度も良好な免震構造体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の免震構造体は、複数個の剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板とを交互に貼り合わせてなる積層体と、該積層体の両端面にそれぞれ取り付けられたフランジとを有する免震構造体において、該フランジの該積層体の取付面に硬質な盤状体が接合層を介して取り付けられ、該盤状体に該積層体が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0013】
かかる免震構造体は、フランジに接合層を介して盤状体を取り付けることにより高段部が形成されるものであり、両板面が平坦なフランジをそのまま用いることができ、製作に際し切削工程が不要である。そのため、免震構造体の製作コストが安価であると共に、フランジの周縁部の肉厚分布も均一となる。
【0014】
本発明では、盤状体及び接合層は積層体が接合される高段部を構成するものであるから、その厚さの合計は4.5mm〜15mmであることが好ましい。
【0015】
この接合層は、軟質板を構成するゴムよりも剪断弾性係数が大きい高強度ゴムが好適であり、特に剪断弾性係数が10kgf/cm2(9.8×105N/m2)以上の高強度ゴムが好ましい。
【0016】
免震構造体の特性を水平変位方向の全方位にわたって均等化するために、積層体は円柱形であることが好ましい。
【0017】
また、盤状体は円盤形であり、その直径が積層体の直径よりも大きいことが好ましい。この場合、積層体の外周面と盤状体及び接合層の側周面とが被覆ゴム層で被覆されていることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図は実施の形態に係る免震構造体の要部縦断面図であり、前記従来例に係る第2図と同様の部位の断面を示している。
【0019】
この実施の形態においても、免震構造体は、複数個の剛性を有する硬質板2とゴムよりなる軟質板(以下内部ゴムということがある。)3とを交互に貼り合わせてなる円柱状の積層ゴム4と、この積層ゴム4の両端面に接合されたフランジ6Aと、積層ゴム4の外周面を被覆する被覆ゴム7とを有する。フランジ6Aの周縁部には、アンカーボルト等のボルトを挿通するための孔8が周方向に一定間隔をおいて設けられている。
【0020】
この実施の形態においては、フランジ6Aの積層ゴム4側の板面に盤状体10が接合層としての高強度ゴム11を介して接合され、この盤状体10に対し積層ゴム4が接合されている。後述の通り、積層ゴムは硬質板2と軟質板3(内部ゴム)とを加硫接着してなるものであるが、この加硫接着に際し併せて盤状体10の高強度ゴム11によるフランジ6Aへの加硫接着と、内部ゴム3を介しての積層ゴム4と盤状体10との加硫接着とを行う。この加硫接着後に被覆層7を形成する。
【0021】
このように構成された免震構造体は、フランジ6Aに高強度ゴム11を介して盤状体10を加硫接着により取り付けて高段部を形成したものであり、両板面が平坦なフランジ6Aをそのまま用いることができる。従って、製作に際しフランジの切削工程が不要であり、免震構造体の製作コストが安価であると共に、フランジの周縁部の肉厚分布も均一となる。
【0022】
上記の盤状体10は鋼板が好ましく、その厚さは3〜10mm特に3.1〜8mmが好ましい。
【0023】
高強度ゴム11は剪断弾性係数が10kgf/cm2以上特に10〜20kgf/cm2とりわけ12〜18kgf/cm2であることが好ましい。この高強度ゴムの配合は、天然ゴム及び/又は合成ゴム50%以上(例えば50〜75%)、充填剤及び補強剤10%以上(例えば10〜20%)、加硫剤その他40%以下(例えば25〜40%)が好ましい。上記の合成ゴムとしては、後述の軟質板3のゴムが例示される。高強度ゴム11の厚みは、1.5〜7mm程度が好ましい。盤状体10と高強度ゴム11との合計の厚みは4.5mm以上例えば5mm〜10mm程度が好ましい。
【0024】
このような特性及び厚みを有した高強度ゴムよりなる接合層はクリープが小さく、免震構造体のクリープ特性は第2〜3図に示したものと略々同等となる。
【0025】
積層ゴム4を構成する硬質板2の材質としては、金属、セラミックス、プラスチックス、FRP、ポリウレタン、木材、紙板、スレート板、化粧板などを用いることができる。
【0026】
また、軟質板3の材料としては、各種の加硫ゴムが用いられる。ゴムとしては、エチレンプロピレンゴム(EPR、EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。
【0027】
被覆層7は、耐候性に優れたゴム材料が好適である。
【0028】
この被覆ゴム材料としては、耐候性の優れたゴム状ポリマーが望ましく、例えば、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、エチレンプロピレンゴム(ERP及びEPDM)、ハイパロン、塩素化ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム等が挙げられる。これらのうち、特にブチルゴム、ポリウレタン、エチレンプロピレンゴム、ハイパロン、塩素化ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴムが耐候性の面からは効果的である。更に、軟質板を構成するゴムとの接着性を考慮した場合には、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴムが望ましく、とりわけエチレンプロピレンゴムを用いるのが最も好ましい。
【0029】
これらのゴム材料は単独で用いても、2種以上をブレンドして用いても良い。また、伸び、その他の物性を改良するために市販ゴム、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム等とブレンドしても良い。更に、これらのゴム材料には、各種充填剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、オイル等、ゴム材料に一般的な配合剤を混合しても良い。
【0030】
内部ゴム4の具体的な配合例を次の表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
このような本発明の免震構造体を製造するには、例えば、硬質板と未加硫の軟質板とを交互に積層すると共に、この積層体の両端面にさらに盤状体10と未加硫の高強度ゴム11とを介してフランジ6Aを重ね合わせ、これを加硫する方法が好適である。
【0033】
なお、フランジ6Aには盤状体10の位置を示すための線を罫書きなどにより設けておくのが好ましい。
【0034】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、製作が容易で製作コストが低いと共に、フランジの周縁部の肉厚精度も良好な免震構造体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免震構造体の要部を示す縦断面図である。
【図2】従来の免震構造体の要部を示す縦断面図である。
【図3】従来の免震構造体の平面図と側面図である。
【符号の説明】
1 免震構造体
2 硬質板
3 軟質板(ゴム)
4 積層ゴム(積層体)
6,6A フランジ
6a 低段部
6b 高段部
10 盤状体
11 高強度ゴム
Claims (8)
- 複数個の剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板とを交互に貼り合わせてなる積層体と、該積層体の両端面にそれぞれ取り付けられたフランジとを有する免震構造体において、
該フランジの該積層体の取付面に硬質な盤状体が接合層を介して取り付けられ、
該盤状体に該積層体が取り付けられていることを特徴とする免震構造体。 - 請求項1において、前記盤状体の厚さ及び接合層の厚さの合計が4.5mm〜15mmであることを特徴とする免震構造体。
- 請求項1又は2において、該軟質板はゴムよりなり、前記接合層は、該軟質板を構成するゴムよりも剪断弾性係数が大きい高強度ゴムよりなることを特徴とする免震構造体。
- 請求項3において、該高強度ゴムの剪断弾性係数は10kgf/cm2以上であることを特徴とする免震構造体。
- 請求項3又は4において、該盤状体及びフランジと該高強度ゴムとは加硫接着されていることを特徴とする免震構造体。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、該積層体は円柱形であり、前記盤状体は円盤形であり、該盤状体の直径は前記積層体の硬質板よりも大径であることを特徴とする免震構造体。
- 請求項6において、該積層体の外周面と、前記盤状体及び接合層の側周面とが被覆ゴム層で被覆されていることを特徴とする免震構造体。
- 請求項1ないし7のいずれか1項において、該フランジの両板面が全体として平坦面よりなることを特徴とする免震構造体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002190589A JP2004036647A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 免震構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002190589A JP2004036647A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 免震構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004036647A true JP2004036647A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31700472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002190589A Pending JP2004036647A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 免震構造体 |
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---|---|
JP (1) | JP2004036647A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100994370B1 (ko) | 2010-03-12 | 2010-11-16 | 주식회사 부흥시스템 | 납 면진받침 및 그 제조방법 |
JP2020204381A (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | 株式会社ブリヂストン | 免震装置 |
JP2020204382A (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | 株式会社ブリヂストン | 免震装置 |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002190589A patent/JP2004036647A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100994370B1 (ko) | 2010-03-12 | 2010-11-16 | 주식회사 부흥시스템 | 납 면진받침 및 그 제조방법 |
JP2020204381A (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | 株式会社ブリヂストン | 免震装置 |
JP2020204382A (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | 株式会社ブリヂストン | 免震装置 |
JP7227858B2 (ja) | 2019-06-18 | 2023-02-22 | 株式会社ブリヂストン | 免震装置 |
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