JP2004035945A - セル、電気分解槽及び燃料電池 - Google Patents

セル、電気分解槽及び燃料電池 Download PDF

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Toshihiro Tani
谷 俊宏
Osao Kudome
久留 長生
Tsukasa Yamane
山根 司
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

【課題】セル内に設けられた流路と外部との密閉性の向上。
【解決手段】本発明によるセル1は、第1表面6を有する第1セパレータ3と、第1表面6に対向する第2表面11を有する第2セパレータ4と、第1セパレータ3と第2セパレータ4との間に介設される固体高分子膜2と、固体高分子膜2と第2セパレータ4との間に介設されるシートパッキン21とを具備し、第2表面11は、シートパッキン21に接合される固定用表面14と、シートパッキン21に接合されない溝用表面13とから形成され、固定用表面14には、突起17が設けられている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セル、電気分解槽及び燃料電池に関し、特に、電気化学反応を行う物質を密閉して収容するセル、電気分解槽及び燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
連続して供給される流体物質を密閉して収容し電気化学反応を遂行させるセルが広く利用されている。このようなセルは、燃料電池に適用され、電気分解反応を遂行させる電気分解槽に適用されている。その電気分解槽としては、水を電気分解して水素と酸素とを生成する固体高分子形水電解装置が例示される。このようなセルでは、供給される流体物質が外部に漏洩しない構造が望まれている。
【0003】
図5は、公知の固体高分子形水電解装置を示している。その固体高分子形水電解装置の単位セル101は、シート状の固体高分子膜102が第1セパレータ103と第2セパレータ104とに挟まれている。固体高分子膜102と第2セパレータ104との間には、シートパッキン121が挟まれている。
【0004】
第1セパレータ103は、図6に示されているように、第2セパレータ104に対向している第1表面106を有している。第1表面106は、第1溝107が設けられている溝用表面108と、固体高分子膜102を固定するための固定用表面109とから形成されている。固定用表面109は、溝用表面108と同一の平面に配置されている。固定用表面109は第1表面106の外周域に配置され、溝用表面108は固定用表面109に囲まれた領域に配置されている。
【0005】
第2セパレータ104は、第1セパレータ103に対向している第2表面111を有している。第2表面111は、第1表面106と合同である。第2表面111は、第2溝112が設けられている溝用表面113と、固体高分子膜102を固定するための固定用表面114とから形成されている。固定用表面114は第2表面111の外周域に配置され、溝用表面113は固定用表面114に囲まれた領域に配置されている。固定用表面114は、溝用表面113と同一の平面に配置されている。
【0006】
セパレータの外周枠114と固体高分子膜102との間には、シートパッキン121が設けられている。シートパッキン121は、ゴムに例示される弾性体から形成されている。シートパッキン121は、厚さが均一であるシートである。シートパッキン121の形状はセパレータの外周枠114と相似であり、シートパッキン121の大きさはセパレータの外周枠114と同一またはやや小さい。シートパッキン121は、固体高分子膜102に接する膜側表面122と、第2セパレータに接するセパレータ側表面123とを有している。
【0007】
固体高分子膜102は、単位セル101が組み立てられたときに、第1セパレータ103の溝用表面108と第2セパレータ104の溝用表面113との間に配置される溝部分126と、第1セパレータ103とシートパッキン121とに挟まれる固定部分127とから形成されている。
【0008】
単位セル101は、肉厚方向Aに複数が重ねられて、セルの全体を形成している。単位セル101が組み立てられたときに、シートパッキン121は、固体高分子膜102と第2セパレータ104とに挟まれて弾性変形し、第1溝107と外部とを密閉し、第2溝112と外部とを密閉している。この密閉により、セパレータの縁から水が漏洩することが防止される。
【0009】
このようなセルは、第1溝107と第2溝112とに水が流され、固体高分子膜102の両側に電圧が印加されることにより、第1溝107と第2溝112とのうちの一方に酸素が生成され、他方に水素が生成される。
【0010】
製造偏差によりシートパッキン121は厚さが均一ではなく、固定用表面109またはセパレータの外周枠114は完全な平面ではないことより、このような固体高分子形水電解装置であっても、水が漏洩する。さらに漏洩が発生しない固体高分子形水電解装置が望まれている。
【0011】
第1溝107と第2溝112に流される水の圧力は一定ではなく、常に変動する。この変動により、固体高分子膜102の溝部分126と固定部分127との間には、剪断応力が加わり、寿命を短くする。固体高分子膜102のせん断を防止する固体高分子形水電解装置が望まれている。
【0012】
図7は、固体高分子形燃料電池に適用されるセルを示している。その固体高分子形燃料電池は、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて電力を生成する。その単位セル151は、シート状の固体高分子膜152が燃料極155と酸化剤極160とに挟まれている。燃料極155と酸化剤極160は触媒電極であり、その触媒電極としては、例えば白金が使用される。固体高分子膜152は、燃料極155と酸化剤極160とのさらに外側から第1セパレータ153と第2セパレータ154とに挟まれている。固体高分子膜152と第2セパレータ154との間には、シートパッキン121が挟まれている。
【0013】
第1セパレータ153は、図8に示されているように、第2セパレータ154に対向している第1表面156を有している。第1表面156は、第1溝157が設けられている溝用表面158と、固体高分子膜152を固定するための固定用表面159とから形成されている。固定用表面159は、溝用表面158と同一の平面に配置されている。固定用表面159は第1表面156の外周域に配置され、溝用表面158は固定用表面159に囲まれた領域に配置されている。
【0014】
第2セパレータ154は、第1セパレータ153に対向している第2表面161を有している。第2表面161は、第1表面156と概ね合同である。第2表面161は、第2溝162が設けられている溝用表面163と、固体高分子膜152を固定するための固定用表面164とから形成されている。固定用表面164は第2表面161の外周域に配置され、溝用表面163は固定用表面164に囲まれた領域に配置されている。固定用表面164は、溝用表面163と同一の平面に配置されている。
【0015】
固定用表面164と固体高分子膜152との間には、シートパッキン171が設けられている。シートパッキン171は、ゴムに例示される弾性体から形成されている。シートパッキン171は、厚さが均一であるシートである。シートパッキン171の形状は固定用表面164と相似であり、シートパッキン171の大きさは固定用表面164と同一またはやや小さい。シートパッキン171は、固体高分子膜152に接する膜側表面172と、第2セパレータに接するセパレータ側表面173とを有している。
【0016】
固体高分子膜152は、単位セル151が組み立てられたときに、燃料極155と酸化剤極160とに接合される電極部分176、第1セパレータ153とシートパッキン171とに挟まれる固定部分177および電極部分176と固定部分177との間に配置される部分178から形成されている。
【0017】
単位セル151は、肉厚方向Aに複数が重ねられてスタックを形成している。すなわち、隣り合う単位セル151の第1セパレータ153と第2セパレータ154とは、一体である。単位セル151が組み立てられたときに、シートパッキン171は、固体高分子膜152と第2セパレータ154とに挟まれて弾性変形する。
【0018】
本発明によるセルは、第1溝157に燃料ガスが流され、第2溝162に酸化剤ガスが流されされることにより、燃料極155と酸化剤極160との間に起電力が生成される。このとき、第1溝157と外部とが密閉され、第2溝162と外部とが密閉されていることにより、セパレータの縁から水、燃料ガスまたは酸化剤ガスが漏洩することが防止される。
【0019】
製造偏差によりシートパッキン171は厚さが均一ではなく、固定用表面159または固定用表面164は完全な平面ではないことより、このような燃料電池であっても、水、燃料ガスまたは酸化剤ガスが漏洩する。また、スタック内には、ガス圧が発生する為、これによる水、燃料ガスまたは酸化剤ガスの漏洩も発生する。さらに漏洩が発生しない燃料電池が望まれている。
【0020】
セルに供給される燃料ガスまたは酸化剤ガスの圧力は一定ではなく、常に変動する。この変動により、固体高分子膜152の溝部分176と固定部分177との間には、剪断応力が加わり、固体高分子膜152の寿命を短くする。固体高分子膜152のせん断を防止する燃料電池が望まれている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、セル内に設けられた流路と外部との密閉性を向上させるセル、電気分解槽及び燃料電池を提供することにある。
本発明の他の課題は、セル内に設けられた固体高分子膜のせん断を防止するセル、電気分解槽及び燃料電池を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0023】
本発明によるセル(1,51)は、第1表面(6,56)を有する第1セパレータ(3,53)と、第1表面(6,56)に対向する第2表面(11,61)を有する第2セパレータ(4,54)と、第1セパレータ(3,53)と第2セパレータ(4,54)との間に介設される固体高分子膜(2,52)と、第2表面(11,61)の外周域(14,74)に設けられ固体高分子膜(2,52)と第2セパレータ(4,54)との間に挟まれるシートパッキン(21,71)とを具備している。外周域(14,74)には、突起(17,67)が設けられている。突起(17,67)は、シートパッキン(21,71)と固体高分子膜(2,52)とを介して第1表面(6,56)に接合される。
【0024】
シートパッキン(21,71)が突起(17,67)で押さえられることは、突起がない平面で押さえられることよりシートパッキン(21,71)に加わる圧力が大きい。この結果、シートパッキン(21,71)と第2セパレータ(4,54)とは強固に接合され、シートパッキン(21,71)と第2セパレータ(4,54)との間から流体が漏洩することが防止される。
【0025】
シートパッキン(21,71)は、固体高分子膜(2,52)と突起(17,67)とに挟まれて弾性変形する。セル(1,51)が組み立てられたときに、シートパッキン(21,71)の第2セパレータ(3,53)側の表面(23,73)の突起(17,67)に接する領域には窪みが生じる。この窪みにより、シートパッキン(21,71)の突起(17,67)の近傍の部分(24,74)は大きな応力が加わり、固体高分子膜(2,52)は第1セパレータ(3,53)の突起(17,67)に対向する部分(18,68)とシートパッキン(21,71)の部分(24,74)とに大きな圧力で挟まれる。
【0026】
外周域(14,74)は、中央域(13,63)より第2セパレータ(4,54)の内部寄りに形成され、シートパッキン(21,71)の厚さは、中央域(13,63)と外周域(14,74)との段差(15,65)より厚いまたは同じである。シートパッキン(21)の厚さが段差(15)と同じであるとき、固体高分子膜(2,52)は、第1セパレータ(3)のシートパッキン(21)に接合されない表面(8)と、第2セパレータ(4)の中央域(13)とに挟まれて固定される。このような固定は、固体高分子膜(2)がセル(1)の使用中にせん断することを防止する。
【0027】
中央域(13,63)は、外周域(14,74)に囲まれている。中央域(13,63)の近傍に存在する流体は、外周域(14,74)に配置されているシートパッキン(21,71)により漏洩を防止されている。すなわち、シートパッキン(21,71)は、リング状であることが好ましい。
【0028】
第1セパレータ(3,53)の第1表面(6,56)には第1流体が通過する第1溝(7,57)が設けられ、第2セパレータ(4,54)の第2表面(11,61)には、第2流体が通過する第2溝(12,62)が設けられている。第1溝(12,62)と第2溝(7,57)は、それぞれに供給される第1流体と第2流体とに電気化学反応を遂行させる。その電気化学反応としては、起電力を生成する反応または電気分解が例示される。
【0029】
本発明による電気分解槽は、本発明によるセル(1)を具備していることが好ましい。第1流体と第2流体は、水、特に蒸留水であることが好ましい。
【0030】
本発明による燃料電池は、本発明によるセル(1)を具備している。固体高分子膜(52)の1つの面には、燃料極(55)が設けられ、固体高分子膜(52)の他の1つの面には、酸化剤極(60)が設けられている。第1流体と第2流体とが電気化学反応を遂行する。この電気化学的反応により、本発明による燃料電池は、電力を生成する。
【0031】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明によるセルの実施の形態を説明する。その単位セル1は、図1に示されているように、シート状の固体高分子膜2が第1セパレータ3と第2セパレータ4とに挟まれている。このセルは、電気分解反応を遂行させる電気分解槽に適用され、その電気分解槽としては、水を電気分解して水素と酸素とを生成する固体高分子形水電解装置が例示される。第1セパレータ3は、第2セパレータ4に対向している第1表面6を有している。第1表面6は、第1溝7が設けられている溝用表面8と、固体高分子膜2を固定するための固定用表面9とから形成されている。固定用表面9は、溝用表面8と同一の平面に配置されている。固定用表面9は第1表面6の外周域に配置され、溝用表面8は固定用表面9に囲まれた領域に配置されている。
【0032】
第2セパレータ4は、第1セパレータ3に対向している第2表面11を有している。第2表面11は、第1表面6と概ね合同である。第2表面11は、第2溝12が設けられている溝用表面13と、固体高分子膜2を固定するための固定用表面14とから形成されている。固定用表面14は第2表面11の外周域に配置され、溝用表面13は固定用表面14に囲まれた領域に配置されている。固定用表面14は、溝用表面13より第2セパレータ4の肉厚方向Aに段差15だけ内部寄りに形成されている。溝用表面13と固定用表面14との間には、段差面16が形成されている。固定用表面14には、突起17が設けられている。突起17は固定用表面14に連なって曲線を描いている。突起17は概ね同一の高さで連なり、その高さは段差15より低い。第1セパレータ3の固定用表面9は、突起17に対向する突起対向部分18を有している。
【0033】
固定用表面14と固体高分子膜2との間には、シートパッキン21が設けられている。シートパッキン21は、ゴムに例示される弾性体から形成されている。シートパッキン21は、厚さが均一であるシートであり、その厚さは、段差15と同一または段差15より厚い。シートパッキン21の形状は、固定用表面14と相似であり、シートパッキン21の大きさが固定用表面14と同一またはやや小さい。シートパッキン21は、固体高分子膜2に接する膜側表面22と、第2セパレータに接するセパレータ側表面23とを有し、単位セル1が組み立てられたときに、突起17の近傍に配置される突起近傍部分24とそれ以外の平面部分25とから形成されている。
【0034】
固体高分子膜2は、単位セル1が組み立てられたときに、第1セパレータ3の溝用表面8と第2セパレータ4の溝用表面13との間に配置される溝部分26、第1セパレータ3とシートパッキン21とに挟まれる固定部分27および第1セパレータ3の突起対向部分18とシートパッキン21の突起近傍部分24に挟まれる突起固定部分28から形成されている。
【0035】
単位セル1は、図2に示されているように、肉厚方向Aに複数が重ねられて、本発明によるセルを形成している。単位セル1が組み立てられたときに、シートパッキン21は、固体高分子膜2と第2セパレータ4とに挟まれて弾性変形し、シートパッキン21の膜側表面22は第2セパレータ4の溝用表面13と概ね同一の表面を形成する。同一の平面を形成することにより、固体高分子膜2の溝部分26は第1セパレータ3の溝用表面8と第2セパレータ4の溝用表面13とに挟まれている。
【0036】
単位セル1が組み立てられたときに、さらに、シートパッキン21の突起17に接する領域には窪みが生じる。この窪みにより、突起近傍部分24は大きな応力が加わり、固体高分子膜2は第1セパレータ3の突起対向部分18とシートパッキン21の突起近傍部分24とに大きな圧力で挟まれる。このように固体高分子膜2が挟まれることは、第1溝7と外部とが強固に密閉され、第2溝12と外部とが強固に密閉され、かつ、固体高分子膜2が強固に固定される効果を奏する。
【0037】
第1溝7と外部とが強固に密閉され、第2溝12と外部とが強固に密閉されることは、シートパッキン21に置換してOリングを使用することにより、突起17を使用しなくても達成することができる。Oリングは、全体形状がリング状で円形の断面を有する弾性体である。しかしながら、ゴム製のOリングは、大きなもの(φ40〜60cm)が市販されていないので、仮に製造してもコストが高い。本発明によるセルは、Oリングを用いることなく、セル内部の流体の流路と外部とをより強固に密閉することができる。
【0038】
本発明によるセルは、第1溝7と第2溝12とに水が流され、固体高分子膜2の両側に電圧が印加されることにより、第1溝7と第2溝12とのうちの一方に酸素を生成し、他方に水素を生成する。このとき、第1溝7と外部とが密閉され、第2溝12と外部とが密閉されていることにより、セパレータの縁から水が漏洩することが防止される。
【0039】
本発明によるセルの実施の他の形態は、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて電力を生成する固体高分子形燃料電池に適用される。その単位セル51は、図3に示されているように、シート状の固体高分子膜52が燃料極55と酸化剤極60とに挟まれている。燃料極55と酸化剤極60は触媒電極であり、その触媒電極としては、例えば白金が使用される。シート状の固体高分子膜52は、燃料極55と酸化剤極60とのさらに外側から第1セパレータ53と第2セパレータ54とに挟まれている。第1セパレータ53は、第2セパレータ54に対向している第1表面56を有している。第1表面56は、第1溝57が設けられている溝用表面58と、固体高分子膜52を固定するための固定用表面59とから形成されている。固定用表面59は、溝用表面58と同一の平面に配置されている。固定用表面59は第1表面56の外周域に配置され、溝用表面58は固定用表面59に囲まれた領域に配置されている。
【0040】
第2セパレータ54は、第1セパレータ53に対向している第2表面61を有している。第2表面61は、第1表面56と概ね合同である。第2表面61は、第2溝62が設けられている溝用表面63と、固体高分子膜52を固定するための固定用表面64とから形成されている。固定用表面64は第2表面61の外周域に配置され、溝用表面63は固定用表面64に囲まれた領域に配置されている。固定用表面64は、溝用表面63より第2セパレータ54の肉厚方向Aに段差65だけ内部寄りに形成されている。溝用表面63と固定用表面64との間には、段差面16が形成されている。固定用表面64には、突起67が設けられている。突起67は固定用表面64に連なって曲線を描いている。突起67は概ね同一の高さで連なり、その高さは段差65より低い。第1セパレータ53の固定用表面59は、突起67に対向する突起対向部分68を有している。
【0041】
固定用表面64と固体高分子膜52との間には、シートパッキン71が設けられている。シートパッキン71は、ゴムに例示される弾性体から形成されている。シートパッキン71は、厚さが均一であるシートであり、その厚さは、段差65より厚い。シートパッキン71の形状は固定用表面64と相似であり、シートパッキン71の大きさは固定用表面64と同一またはやや小さい。シートパッキン71は、固体高分子膜52に接する膜側表面72と、第2セパレータに接するセパレータ側表面73とを有し、単位セル51が組み立てられたときに、突起67の近傍に配置される突起近傍部分74とそれ以外の平面部分75とから形成されている。
【0042】
固体高分子膜52は、単位セル51が組み立てられたときに、燃料極55と酸化剤極60とに接合される電極部分76、第1セパレータ53とシートパッキン71とに挟まれる固定部分77および電極部分76と固定部分77との間に配置される部分78から形成されている。
【0043】
単位セル51は、図4に示されているように、肉厚方向Aに複数が重ねられて、本発明によるセルを形成している。単位セル51が組み立てられたときに、シートパッキン71は、固体高分子膜52と第2セパレータ54とに挟まれて弾性変形する。このとき、第1セパレータ53の溝用表面58と第2セパレータ54の溝用表面63との距離は、固体高分子膜52、燃料極55および酸化剤極60の厚さの和になる。このように挟まれることにより、固体高分子膜52の各部分76,77,78は、第1セパレータ53と第2セパレータ54とに対して固定され、せん断されることが防止される。
【0044】
単位セル51が組み立てられたときに、さらに、シートパッキン71の突起67に接する領域には窪みが生じる。この窪みにより、突起近傍部分74は大きな応力が加わり、固体高分子膜52は第1セパレータ53の突起対向部分68とシートパッキン71の突起近傍部分74とに大きな圧力で挟まれる。このように固体高分子膜52が挟まれることは、第1溝57と外部とが強固に密閉され、第2溝62と外部とが強固に密閉され、かつ、固体高分子膜52が強固に固定される効果を奏する。
【0045】
本発明によるセルは、第1溝57に燃料ガスが流され、第2溝62に酸化剤ガスが流されされることにより、燃料極55と酸化剤極60との間に起電力が生成される。このとき、第1溝57と外部とが密閉され、第2溝62と外部とが密閉されていることにより、セパレータの縁から水が漏洩することが防止される。
【0046】
【発明の効果】
本発明によるセル、燃料電池および電気分解槽は、セル内に設けられた流路と外部との密閉性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるセルの実施の形態を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明によるセルの組み立て方法を示す斜軸投影図である。
【図3】図3は、本発明によるセルの実施の他の形態を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明によるセルの組み立て方法を示す斜軸投影図である。
【図5】図5は、公知の水電解セルの組み立て方法を示す斜軸投影図である。
【図6】図6は、公知の水電解セルの単位セルの実施の形態を示す断面図である。
【図7】図7は、公知の燃料電池セルの組み立て方法を示す斜軸投影図である。
【図8】図8は、公知の燃料電池セルの単位セルの実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…単位セル
2…固体高分子膜
3…第1セパレータ
4…第2セパレータ
6…第1表面
7…第1溝
8…溝用表面
9…固定用表面
11…第2表面
12…第2溝
13…溝用表面
14…固定用表面
15…段差
16…段差面
17…突起
18…突起対向部分
21…シートパッキン
22…膜側表面
23…セパレータ側表面
24…突起近傍部分
25…平面部分
26…溝部分
27…固定部分
28…突起固定部分

Claims (8)

  1. 第1表面を有する第1セパレータと、
    前記第1表面に対向する第2表面を有する第2セパレータと、
    前記第1セパレータと前記第2セパレータとの間に介設される固体高分子膜と、
    前記第2表面の外周域に設けられ、前記固体高分子膜と前記第2セパレータとの間に挟まれるシートパッキンとを具備し、
    前記外周域には、突起が設けられ、
    前記突起は、前記シートパッキンと前記固体高分子膜とを介して前記第1表面に接合される
    セル。
  2. 請求項1において、
    前記シートパッキンは、前記固体高分子膜と前記突起とに挟まれて弾性変形する
    セル。
  3. 請求項2において、
    前記外周域は、前記第2表面の中央域より前記第2セパレータの内部寄りに形成され、
    前記シートパッキンの厚さは、前記中央域と前記外周域との段差以上である
    セル。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
    前記中央域は、前記外周域に囲まれている
    セル。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、
    前記第1表面には、第1流体が通過する第1溝が設けられ、
    前記第2表面には、第2流体が通過する第2溝が設けられる
    セル。
  6. 請求項5に記載のセル
    を具備する電気分解槽。
  7. 請求項6において、
    前記第1流体と前記第2流体は、水である
    電気分解槽。
  8. 請求項5に記載のセルを具備し、
    前記固体高分子膜の1つの面には、燃料極が設けられ、
    前記固体高分子膜の他の1つの面には、酸化剤極が設けられ、
    前記第1流体と前記第2流体とが電気化学反応を遂行する
    燃料電池。
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