JP2004035881A - 船舶コーティング組成物用のトリアリールシリル(メタ)アクリロイル含有ポリマー - Google Patents
船舶コーティング組成物用のトリアリールシリル(メタ)アクリロイル含有ポリマー Download PDFInfo
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Abstract
【課題】有機錫含有防汚塗料の良好な防汚及び自己研磨特性並びに寿命を維持しながら、錫を含有しないフィルム形成性ポリマーを含む改良型の侵食性防汚塗料組成物を提供すること。
【解決手段】トリアリールシリル(メタ)アクリロイル単位を含有するコポリマーは海水中で侵食性であり、船舶用防汚塗料を配合するのに用いることができる。本発明のコポリマーは、トリアリールシリル(メタ)アクリレート単位含有率が低いこと及び海水中での侵食速度が2〜約15μ/月であることを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】トリアリールシリル(メタ)アクリロイル単位を含有するコポリマーは海水中で侵食性であり、船舶用防汚塗料を配合するのに用いることができる。本発明のコポリマーは、トリアリールシリル(メタ)アクリレート単位含有率が低いこと及び海水中での侵食速度が2〜約15μ/月であることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【技術分野】
【0001】
本願は、西暦2003年5月30日付け米国仮出願60/383961号の優先権を主張する。
本発明は、船舶用自己研磨性防汚塗料用のポリマーに関する。より特定的には、本発明は、船舶防汚塗料に用いるのに好適な海水中での侵食速度を提供するコポリマーバインダーに関する。これらのコポリマーバインダーは、船舶用防汚塗料に用いるのに適した海水中での侵食速度を達成するために必要とこれまで信じられてきたレベル(量)より低いレベルでトリアリールシリル(メタ)アクリロイル側基を含有する。これらコポリマーは、約2〜約15μ/月の海水中での侵食速度によって特徴付けられる。
【背景技術】
【0002】
船舶用の自己研磨性防汚塗料を製造するためにこれまでに広く用いられていたポリマーは、有機錫エステル(例えばアクリレート)側基を含有するポリマーである。実際、有機錫アクリレートポリマーをベースとする船舶用防汚塗料は、20年以上もの間市場を支配してきた。有機錫アクリレート含有ポリマーは、塗料中に配合されて船体の底(即ち船殻)に塗布された時に、海水中で加水分解して有機錫化合物(通常はトリブチル錫オキシド)を放出する。この物質は、海洋植物及びその他の生物が船底に付着するのを防止する活性防汚剤{この汚染(即ち船舶表面への生物の望ましくない付着)は抵抗の増大をもたらし、燃料の消費をかなり増大させ、従って運転費用を増大させることがある}である。さらに、水中を通って船体が動くことによって塗料表面が侵食され、常に新たなポリマー表面が海水の加水分解作用に晒される。この定常的な塗料表面の侵食は、船体の浸漬する外面上に平滑な表面を作り出してこれを維持し、このこともまた抵抗を小さくしたり効率を高めたりするのに貢献する。
【0003】
さらに、これらの塗料は、適切に配合されて塗布されると、5年間は有効性を維持する可能性を有する。このことは、大きい船舶(例えばオイルタンカー及び輸送船)は日常メンテナンス及び検査のために5年ごとに乾ドックを受けるので、重要なことである。これらの周期的なメンテナンスの間に船殻外面を再塗装するということは、特に好都合である。
【0004】
有機錫含有ポリマーは効果的ではあるものの、有機錫化合物は海洋環境に対して悪影響を有すると思われているため、船舶塗料中にこれを用いることは非難の的となっていた。米国環境保護局(EPA)は有機錫化合物の継続使用を有意に制限しており、国連の1つのユニットである国際海洋機関の海洋環境保護委員会は近年、防汚塗料中における有機錫含有材料の使用を段階的に廃止してゆくゆくは禁止することという決議案を可決した。
【0005】
その結果、当技術分野には、有機錫含有防汚塗料の良好な防汚及び自己研磨特性並びに寿命を維持しながら、錫を含有しないフィルム形成性ポリマーを含む改良型の侵食性防汚塗料組成物についての要望がある。
【0006】
米国特許第4593055号明細書には、次式:
【化学式1】
(ここで、XはH又はCH3であり、
Rは−SiR´nR´´3―n又は−Si(OR´nR´´3―n)3より成る群から選択され、
ここで、R´及びR´´は独立的に直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキル又はフェニルであり、
nは0〜3である)
のシリルアクリレートコポリマーが船舶用防汚塗料を配合するのに有用であると開示されている。この有機シリルアクリレート化合物は、実施例では20〜40モル%の範囲の量で存在させている。
【0007】
米国特許第5436284号明細書には、シリルアクリレート単位を含有するコポリマーが船舶用防汚剤コーティング組成物を配合するのに有用であると開示されている。その実施例には、アリールシリルアクリレート成分45〜50重量%を含有するアリールシリルアクリレートコポリマーが示されている(表3中のモノマーA4)。
【0008】
ヨーロッパ特許公開第1127925A1号公報には、トリアリールシリルアクリレート基を含有する船舶用防汚剤塗料用のポリマー系バインダーが開示されている。この特許公報には、ポリマーがトリアリールシリル(メタ)アクリレート(即ち(メタ)アクリル酸トリアリールシリル)を20〜70重量%、好ましくは30〜65重量%、より一層好ましくは50〜60重量%含有することが教示されている。
【0009】
米国特許第5795374号明細書には、トリオルガノシリル基を含有するポリマーから配合された船舶用防汚剤塗料が開示されている。モノマーM4はジフェニルt−ブチルシリルアクリレートであり、これはポリマーS4を作るために10重量%の量で用いられている。この重量は約3モル%に相当し、データからもわかるようにこれはポリマーフィルムの適切な侵食のためには低すぎる。
【0010】
米国特許第4593055号明細書には、アクリルシリル残基を含む加水分解性トリオルガノシリル残基を含有するコポリマーから船舶用防汚塗料を配合することができると開示されている。コポリマー中のトリオルガノシリルアクリレート又はメタクリレートの好ましいレベルは、25〜40モル%である。
【0011】
国際出願公開WO91/14743には、オルガノシリル官能基を有するポリマー系バインダーを有する船舶用侵食性防汚剤塗料であって、銅又は亜鉛を含有する防汚剤を含有する場合に高められた貯蔵安定性を有する前記塗料が開示されている。高められた貯蔵安定性は、かかるバインダー及び銅又は亜鉛含有防汚剤に関連したゲル化を防止するモノアミン及び第四級アンモニウム化合物を用いて得られる。
【0012】
船舶用防汚塗料用のバインダーとしてのトリオルガノシリル含有化合物に関する追加の特許には、以下のものがある:
特開昭63−057676号公報:これには、塗料が銅含有防汚剤化合物を有する場合に安定性のためにポリメチルセスキシロキサン粉末を添加することが開示されている;
ヨーロッパ特許公開第714957B1号公報:これには、トリオルガノシリルアクリレート及び必須成分としてのアクリロイルオキシ含有モノマーを含有するコポリマーが開示されている;
ヨーロッパ特許公開第0802243B1号公報:これには、塗料の侵食速度を改善するためにロジン化合物及びオルガノシリルアクリレートベースのポリマー系バインダーを有する船舶用防汚塗料が開示されている。
【0013】
さらに、以下の特許及び特許出願の明細書には、船舶用防汚剤コーティング中のバインダーとして有用なトリオルガノシリル(メタ)アクリロイル側基を含むターポリマーが開示されている:ヨーロッパ特許公開第0646630B1号、同第0775733A1号、同第1016681A2号、同第1127925A1号各公報、特開平8−269389号公報、米国特許第4594365号、同第5436284号、同第5795374号各明細書、国際出願公開WO84/02915号、同WO91/14743号、同WO0077102号各パンフレット。
【考案の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
その結果、当技術分野には、有機錫含有防汚塗料の良好な防汚及び自己研磨特性並びに寿命を維持しながら、錫を含有しないフィルム形成性ポリマーを含む改良型の侵食性防汚塗料組成物についての要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、トリアリールシリル(メタ)アクリレート成分が驚くほど低レベルで存在するトリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマーが自己研磨特性を有する船舶用防汚塗料を製造するのに有用であるという発見に関する。
【0016】
1つの局面において、本発明、トリアリールシリル(メタ)アクリレート(即ち(メタ)アクリル酸トリアリールシリル)の残基及びこのトリアリールシリル(メタ)アクリレート(即ち(メタ)アクリル酸トリアリールシリル)と共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーの残基を含む海水侵食性コポリマーであって、海水中で2〜15μ/月の侵食速度を特徴とする前記コポリマーに関する。
【0017】
ここで用いた場合、用語「コポリマー」には、2種以上の異なるモノマー単位を含むポリマー、例えば3種の異なるモノマー単位を含有するポリマー(ターポリマーとも称される)を包含するものとする。また、本発明を実施するに当たって、コポリマーの混合物を防汚塗料組成物中に用いることもできる。但し、この場合にはトリアリールシリル(メタ)アクリレートの合計がコポリマーの混合物に対して9モル%より多くしかし20モル%より少ないことを条件とする(それぞれの個々のコポリマーはコポリマー中のトリアリールシリル(メタ)アクリレートに対して9モル%超〜20モル%のモル百分率の範囲外にあってもよい)。
【0018】
別の具体例において、本発明は、トリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマー及び毒物を含み、該トリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマーがトリアリールシリル(メタ)アクリロイル成分約9モル%超〜約20モル%を含有する船舶用自己研磨性防汚コーティングであって、約2〜約15μ/月の海水中での侵食速度を特徴とする前記コーティングに関する。
【0019】
別の具体例において、本発明は、トリアリールシリルメタクリロイル成分のモル百分率が9モル%超〜約20モル%の範囲であるトリアリールシリルメタクリレート含有コポリマーに関する。
【0020】
1つの局面において、本発明は、次式:
【化学式2】
(ここで、Aはコポリマーの9モル%超〜約20モル%を占めて、トリアリールシリル(メタ)アクリレートから成り、
BはAと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーの残基を表わす)
のランダム繰返し単位を含む海水侵食性コポリマーであって、2〜約15μ/月の海水中での侵食速度を特徴とする前記コポリマーに関する。
【0021】
別の局面において、本発明は、トリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマー及び毒物を含む船舶用自己研磨性防汚コーティング組成物であって、前記トリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマーが約2〜約15μ/月の海水中での侵食速度を特徴とし且つ次式:
【化学式3】
(ここで、Aは9モル%超〜約20モル%の量で存在し、トリアリールシリル(メタ)アクリレートから成り、
BはAと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーの残基である)
のランダム繰返し単位を含む、前記組成物に関する。
【0022】
本発明のコポリマーは、トリアリールシリル(メタ)アクリレートを該トリアリールシリル(メタ)アクリレートと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーと共に重合させることによって調製される。ここで用いた場合、用語「トリアリールシリル(メタ)アクリレート」とは、トリアリールシリルアクリレート及びトリアリールシリルメタクリレートの両方を包含するものとする。「トリアリールシリル(メタ)アクリロイル」を用いた場合も同じである。
【0023】
ここで用いた場合の用語「アリール」は、海水侵食性コポリマー又は式−[A]−[B]−(ここで、Aはコポリマーの9モル%超〜約20モル%を占める)のコポリマーのランダム繰返し単位の単位Aのトリアリールシリル(メタ)アクリレートを含む置換及び非置換アリール及びヘテロアリール構造を包含し、この「アリール」基は、次のものから選択される:
フェニル、o−メチルフェニル、p−メチルフェニル、4−トリフルオルメチルフェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、o−フルオルフェニル、o−クロルフェニル、o−ブロムフェニル、o−エチルフェニル、m−フルオルフェニル、m−クロルフェニル、m−ブロムフェニル、p−フルオルフェニル、p−クロルフェニル、p−ブロムフェニル、p−エチルフェニル、p−プロピルフェニル、p−n−ブチルフェニル、p−t−ブチルフェニル、2,3−ジフルオルフェニル、2,6−ジフルオルフェニル、2,6−ジクロルフェニル、2,3−ジクロルフェニル、2−メチル−4−フルオルフェニル、2−フルオル−5−メチルフェニル、3−フルオル−4−メチルフェニル、3−メチル−4−フルオルフェニル、2−メチル−3−フルオルフェニル、3,4−ジフルオルフェニル、2,5−ジフルオルフェニル、2,4−ジフルオルフェニル、3,4−ジクロルフェニル、2,4−ジクロルフェニル、2−メチル−4−クロルフェニル、2,5−ジクロルフェニル、3,5−ジフルオルフェニル、3,5−ジブロムフェニル、3,5−ジクロルフェニル、2,3,4−トリフルオルフェニル、2,4,6−トリフルオルフェニル、2,3,5−トリフルオルフェニル、3,4,5−トリフルオルフェニル、2,6−ジクロル−4−トリフルオルメチルフェニル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル、2,4,5−トリフルオルフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル、2,3,5,6−テトラフルオルフェニル、2,3,4,5−テトラフルオルフェニル、2,3,4,6−テトラフルオルフェニル、2,3,5,6−テトラメチルフェニル、ペンタフルオルフェニル、2,3,5,6−テトラフルオル−4−ブロムフェニル、o−トリフルオルメチル、m−トリフルオルメチル、p−トリフルオルメチル、2−クロル−5−トリフルオルメチルフェニル、2−トリフルオルメチル−3−クロルフェニル、2,4−ビス(トリフルオルメチル)フェニル、3,5−ビス(トリフルオルメチル)フェニル、2−ビフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル、2−メチル−3−ビフェニル、2−フルオル−4−ビフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−メチル−1−ナフチル、4−メチル−1−ナフチル、5−アセナフテニル、2−フルオレニル、1−アントラセニル、2−アントラセニル、9−アントラセニル、9−フェナントレニル、1−ピレニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、2−メチル−4−メトキシフェニル、2−メトキシ−5−フルオルフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、2,4−ジフルオル−6−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシ−6−フルオルフェニル、4−フェノキシフェニル、6−メトキシ−2−ナフタレニル、4−ジメチルアミノフェニル、2−トリフルオルメチル−4−ジメチルアミノフェニル、3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]フェニル、4−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]フェニル2−チエニル、3−チエニル、1−メチル−5−イミダゾリル、1−エチル−2−メチル−5−イミダゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−メチル−5−ベンゾオキサゾリル、2−メチル−5−ベンゾチアゾリル、2−ピリジニル、4−メチル−2−ピリジニル、4−ピリジニル、6−メチル−2−ピリジニル、5−トリフルオルメチル−2−ピリジニル、6−(2,2’−ビピリジニル)、4’−(2,2’:6’,2”−ターピリジニル)、2−フルオル−5−トリフルオルメチル−3−ピリジニル、2,3,5,6−テトラフルオルピリジニル、6−メトキシ−2−ピリジニル、6−フェニル−3−ピリダジニル、6−メトキシ−3−ピリダジニル、2−ピリミジニル、5−ピリミジニル、4−トリフルオルメチル−2−ピリミジニル、2,4,6−トリフルオル−5−ピリミジニル、2,4−ジメトキシ−6−ピリミジニル、ピラジニル、2−キノリニル、4−キノリニル、6−キノリニル、8−キノリニル、7−トリフルオルメチル−4−キノリニル、8−トリフルオルメチル−4−キノリニル、2,8−ビス(トリフルオルメチル)−4−キノリニル、3−キノリニル、4−キナルジナリル、7−キナルジナリル、2−レピジニル、4−イソキノリル、5−(1,10−フェナントロリニル)。好ましいアリール基はフェニルである。
【0024】
Bはトリアリールシリル(メタ)アクリレートと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーの残基を表わす。Bを含むモノマー又はモノマーの組合せ物によって親水性又は疎水性官能基を加えることによって、コポリマーの特性を変更することができる。有用なモノマーには、次のものが包含される:
アクリル酸のエステル類、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシ−n−プロピル、アクリル酸ヒドロキシ−i−プロピル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−メトキシプロピル、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、アクリル酸2−エトキシエチル、エトキシジエチレングリコールアクリレート、及びメタクリル酸のエステル類、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−メトキシプロピル、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート及びメタクリル酸2−エトキシエチル、ヒドロキシ−n−プロピル(メタ)アクリレート、メタクリル酸ヒドロキシ−i−プロピル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル。
その他の有用なエチレン性不飽和モノマーには、次のものが包含される:
ネオペンチルグリコールメチルエーテルプロポキシレートアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)メチルエーテルアクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−ブトキシエチル、クロトン酸、ジ(エチレングリコール)2−エチルヘキシルエーテルアクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、3,3−ジメチルアクリル酸、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、2(5H)−フラノン、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メチル−2(5H)−フラノン、trans−3−メトキシアクリル酸メチル、メタクリル酸2−(t−ブチルアミノ)エチル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸3−トリス−(トリメチルシロキシ)シリルプロピル、チグリン酸及びtrans−2−ヘキセン酸。
【0025】
重合可能なモノマーのその他の例には、ビニルエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、マレイン酸エステル類、例えばマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ−n−プロピル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジ−2−メトキシエチル、フマル酸エステル類、例えばフマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジ−n−プロピル、フマル酸ジイソプロピル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン及びアクリロニトリルが包含される。
【0026】
本発明のコポリマーの製造において有用な追加のモノマーには、トリアルキルシリル(メタ)アクリレート、例えばトリメチルシリル(メタ)アクリレート、ジフェニルメチルシリル(メタ)アクリレート、フェニルジメチルシリル(メタ)アクリレート及びトリブチルシリル(メタ)アクリレートが包含される。
【0027】
トリアリールシリル(メタ)アクリレートは、コポリマーの9モル%超〜約20モル%を占める。この範囲は、2〜約15μ/月の海水中での侵食速度を有するコポリマーを提供する。約3〜約9μ/月の侵食速度を有するコポリマーを提供する量でトリアリールシリルアクリレート成分を存在させるのが好ましい。トリアリールシリルアクリレートモノマーの量は、コポリマーの9モル%超〜約20モル%の範囲内で、約2〜約15μ/月、好ましくは約3〜約9μ/月、最適には約3〜約7μ/月の侵食速度を有するコポリマーを提供するように、選択して調節することができる。また、船舶用防汚塗料に理にかなった一定の侵食速度を提供するポリマーが好ましい。
【0028】
ほとんどの先行技術は船舶用防汚塗料の侵食速度の数値を求めているが、本発明はポリマーバインダーの侵食速度を測定する。候補フィルムの侵食速度を60±5日間測定することによって、満足できる塗料の基準となるのには侵食するのが早すぎたり遅すぎたりするポリマーを同定して除外するための基準が提供されることがわかった。図1のデータから、トリフェニルシリルメタクリレートを5モル%、6モル%又は9モル%含有するフィルムが65日間試験に通るには侵食が遅すぎることがわかる。特に、6モル%又は9モル%含有ポリマーの侵食速度は試験の早い時期には2μ/月を越えているものの、だんだん低下していって、約40日後には侵食速度が2μ/月以下になるということが観察される。また、トリフェニルシリルメタクリレートを25モル%以上含有するフィルムは侵食が早すぎることも観察される。25モル%ポリマーの侵食速度は初めは所望の2〜15μ/月の範囲内であるが、25日目までに15μ/月よりかなり上のレベルに上昇してしまった。トリフェニルシリルメタクリレートを16モル%又は20モル%含有するフィルムは、65日間侵食試験の間、約3〜約9μ/月の範囲の侵食速度を示し、これらは、(アトフィナ・ケミカルズ社から)商品として入手できるトリオルガノ錫含有ポリマーであるBIOMET304の侵食性能に匹敵する。かくしてトリアリールシリル(メタ)アクリレート含有率が9モル%超〜約20モル%の範囲であるポリマー組成物は、当産業界の標準である有機錫含有ポリマーのものと匹敵する侵食速度を有する。
【0029】
本発明の評価を容易にするために、図1に示したコポリマー組成物の範囲で、各コポリマーのモル%及び重量%の両方を下記の表に示す。
【表1】
【発明の効果】
【0030】
表1、3及び4のデータから、モノマーAのモル%の範囲が9モル%超〜約20モル%の範囲だと侵食速度試験に合格し従って船舶防汚塗料に用いるのに適した侵食速度を有するポリマーが製造されることが立証される。かかるポリマーは、後記のローター試験に従い60±5日間の試験で測定して約2〜約15μ/月の海水中での侵食速度を有する。かくして、トリアリールシリル(メタ)アクリレートコポリマーがトリオルガノ錫含有コポリマーのものに匹敵する侵食速度を有し従って船舶用防汚塗料における用途に適するのは、9モル%超〜約20モル%の狭いバンドのモル百分率内でのみであるということがわかる。従って、本発明のコポリマーは、航洋船について、トリオルガノ錫含有コポリマーによって達成できる3〜5年の有効寿命と同様の有効寿命を有する船舶用防汚塗料を配合するのに好適である。
【0031】
一般的に、侵食速度はポリマー中の加水分解可能なモノマーの量の関数であると考えられる。実際、海水侵食性シリルアクリレートコポリマーを開示した米国特許第4593055号明細書には、第5欄第43行以降に、優れた侵食速度制御は、目的に合わせてポリマーを化学的に調節して、塗料/水の界面においてポリマー側鎖のある箇所が選択的に弱くなるようにすることに頼ると教示されている。これらの弱い結合は海水によってゆっくり攻撃され、ポリマーが徐々に海水可溶性又は海水膨潤性になる。これによって、ポリマーフィルムの加水分解した表面が、海水の動きがこの層を洗い流して新たな表面を露出させることができるような程度まで、弱くなる。
【0032】
モノマー単位の一部が、弱い部位(即ち海水の存在下で加水分解する傾向がある部位)を提供する官能基を提供する。官能化モノマー対非官能化モノマーの比は、侵食速度の制御を提供するように選択される。
【0033】
図1に示されたような9モル%より下及び約20モル%より上のトリアリールシリル(メタ)アクリレートレベルにおいては侵食速度が満足できるものではないということは、有用なポリマーを得るためには25〜50モル%の範囲のシリルアクリレートレベルを用いるべきだという従来技術の教示から見れば、全く驚くべきことであり、予期しなかったことである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明のコポリマーは、トリアリールシリル(メタ)アクリレート成分9モル%超〜約20モル%及びそれに対応してトリアリールシリル(メタ)アクリレートと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマー91〜約80モル%を含有する。
【0035】
本論中のデータは侵食速度に焦点を合わせているが、1種以上のエチレン性不飽和モノマーと組み合わせて存在するトリアリールシリル(メタ)アクリレートモノマーの量は、フィルムの寿命、侵食速度、侵食速度の均一性、加工の容易さ、配合の容易さ、殺生物剤適合性、貯蔵寿命、接着性、亀裂抵抗、可撓性及び経済性のようなその他の特性に取り組むのに最適化することができる。
【0036】
ランダムトリアリールシリル(メタ)アクリレートコポリマーは、フリーラジカルオレフィン重合開始剤又は触媒の存在下で、当技術分野において広く用いられている既知の方法を用いた溶液重合、塊重合、乳化重合及び懸濁重合のような様々な方法のいずれかを用いて、モノマーの混合物を重合することによって得ることができる。このコポリマーからコーティング組成物を調製するに当たっては、コポリマーを有機溶剤で希釈して都合のよい粘度を有するポリマー溶液を得るのが有利である。このためには、溶液重合法又は塊重合法を用いるのが望ましい。
【0037】
オレフィン重合開始剤の例には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)及びトリフェニルメチルアゾベンゼンのようなアゾ化合物が包含される。アゾビスニトリル類は、ビニル重合のための効果的なフリーラジカル源であり、塊重合、溶液重合、乳化重合及び懸濁重合に用いることができる。2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)に加えて、この類の他のものには、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、1,1’−アゾビス(シアノシクロヘキサン)及び2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルペンタンニトリル)が包含される。また、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、ペルオキシ安息香酸t−ブチル及びペルオキシイソプロピル炭酸t−ブチルのような過酸化物を用いることもできる。
【0038】
有用な有機溶剤の例には、キシレン及びトルエンのような芳香族炭化水素、ヘキサン及びヘプタンのような脂肪族炭化水素、酢酸エチル及び酢酸ブチルのようなエステル類、イソプロピルアルコール及びブチルアルコールのようなアルコール類、ジオキサン及びテトラヒドロフランのようなエーテル類並びにメチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンのようなケトン類が包含される。溶剤は、単独で又は組み合わせて用いられる。
【0039】
こうして得られるトリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマーの望ましい分子量は、1000〜200000の範囲であり、10000〜150000の範囲であるのが好ましい(重量平均分子量)。コポリマーの分子量が低すぎたり高すぎたりすると、正常なコーティングフィルムを形成させるのが難しくなる。分子量が高すぎると、長くて絡み合ったポリマー鎖ができ、これは適切に働かずに、粘性溶液をもたらし、これは単一のコーティング操作で薄いフィルムコーティングが得られるようにするためには溶剤で希釈する必要がある。ポリマーの分子量が低すぎると、複数回のコーティング操作が必要になり、得られるフィルムが完全さに欠けたり適切に働かなかったりすることがある。コポリマーの溶液の粘度は、25℃において200〜6000センチポイズであるのが有利である。これを達成するためには、ポリマー溶液の固体含有率を5〜90重量%の範囲、望ましくは15〜85重量%の範囲の値に調節するのが望ましい。
【0040】
本発明のコーティング組成物中に用いられる毒物は、広範な慣用の既知の毒物の内の任意のものであってよい。既知の毒物は大まかに、無機化合物、金属含有有機化合物及び金属非含有有機化合物に分類される。
【0041】
無機毒物化合物の例には、銅化合物、例えば酸化第一銅、銅粉末、チオシアン酸銅、炭酸銅、塩化銅及び硫酸銅、並びに亜鉛及び銅化合物、例えば硫酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸ニッケル及び銅−ニッケル合金が包含される。
【0042】
金属含有有機毒物化合物の例には、有機銅化合物、有機ニッケル化合物及び有機亜鉛化合物が包含される。有機銅化合物の例には、オキシン銅、銅ノニルフェノールスルホネート、銅ビス(エチレンジアミン)ビス(ドデシルベンゼンスルホネート)、酢酸銅、ナフテン酸銅及び銅ビス(ペンタクロルフェノラート)が包含される。有機ニッケル化合物の例には、酢酸ニッケル及びジメチルジチオカルバミン酸ニッケルが包含される。有機亜鉛化合物の例には、酢酸亜鉛、カルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、亜鉛ピリチオン及び亜鉛エチレンビス(ジチオカルバメート)が包含される。
【0043】
金属非含有有機毒物化合物の例には、N−トリハロメチルチオフタルイミド類、ジチオカルバミン酸類、N−アリールマレイミド類、3−(置換アミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン類、ジチオシアノ化合物類、トリアジン化合物類等が包含される。
【0044】
N−トリハロメチルチオフタルイミド毒物の例には、N−トリクロルメチルチオフタルイミド及びN−フルオルジクロルメチルチオフタルイミドが包含される。ジチオカルバミン酸毒物の例には、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド、N−メチルジチオカルバミン酸アンモニウム及びアンモニウムエチレンビス(ジチオカルバメート)が包含される。
【0045】
アリールマレイミド毒物の例には、N−(2,4,6−トリクロルフェニル)マレイミド、N−4−トリルマレイミド、N−3−クロルフェニルマレイミド、N−(4−n−ブチルフェニル)マレイミド及びN−(アニリノフェニル)マレイミドが包含される。
【0046】
3−(置換アミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン毒物の例には、3−ベンジリデンアミノ−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−4−(メチルベンジリデンアミノ)、1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(2−ヒドロキシベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(4−ジクロルベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン及び3−(2,4−ジクロルベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンが包含される。
【0047】
ジチオシアノ毒物化合物の例には、ジチオシアノメタン、ジチオシアノエタン及び2,5−ジチオシアノチオフェンが包含される。トリアジン化合物の例には、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロ−プロピルアミノ−s−トリアジンが包含される。
【0048】
金属非含有有機毒物化合物のその他の例には、2,4,5,6−テトラクロルイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロルフェニル尿素、4,5−ジクロル−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N,N−ジメチル−N’−フェニル−(N−フルオルジクロルメチルチオ)スルファミド、テトラメチルチウラムジスルフィド、3−ヨード−2−プロピルブチルカルバメート、2−(メトキシカルボニルアミノ)ベンゾイミダゾール、2,3,5,6−テトラクロル−4−(メチルスルホニル)ピリジン及びジヨードメチル−p−トリルスルホンが包含される。
【0049】
前記の毒物から選択することができる1種又はそれ以上の毒物を、防汚剤コーティング組成物中に用いることができる。この毒物は、コーティング組成物の0.1〜80重量%の量で用いられ、1〜60重量%の量で用いられるのが好ましい。毒物レベルが低すぎると防汚効果を生み出せず、毒物レベルが高すぎると形成されるフィルムは亀裂や剥離のような欠陥を生じやすいものとなって効果が低くなることがある。
【0050】
本発明のコーティング組成物中には、随意に添加剤成分を組み込むことができる。かかる添加剤成分の例には、顔料(例えば赤酸化鉄、酸化亜鉛、二酸化チタン、タルク)及び染料のような着色剤、安定剤、除湿剤、並びにコーティング組成物中に通常用いられる添加剤、例えば流れ止め剤、溢れ防止剤、固化防止剤及び消泡剤がある。
【0051】
トリアリールシリル(メタ)アクリレートコポリマー及びこれらのコポリマーから作られるコーティング組成物は、貯蔵の間に粘度が上昇することがある。不満足な粘度上昇を防止するために、「安定剤」と称される物質を、重合の間若しくは後に添加することもでき、コーティング組成物中に組み込むこともできる。安定化用物質には、モレキュラーシーブ又は無水硫酸カルシウムのような無機脱水剤;オルトエステル類のような有機脱水剤;アミノ化合物のような塩基類;アルコキシシラン類のような水反応性物質;トリスノニルフェニルホスファイトのようなキレート化剤;及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)のような立体障害フェノール酸化防止剤が包含される。通常の使用に当たっては、安定剤レベルはコーティング組成物を基準として0.1〜10重量%である。
【0052】
ロジン及びロジン誘導体をバインダー系の一部としてコーティング組成物に添加することができる。コーティングフィルム中への水の浸透を制御するのを補助する目的のためには、ロジン及びロジン誘導体をコポリマーの5〜60重量%の範囲、好ましくは10〜30重量%の範囲で存在させるのが好ましい。
【0053】
本発明のトリアリールシリル(メタ)アクリレートコポリマーから作られた船舶用防汚コーティング組成物を船体の表面に塗布するためには、好適な態様で(例えば刷毛塗りや吹付けによって)表面にコーティング組成物を塗布し、周囲温度において又は加熱しながら溶剤を蒸発させることによって取り除く。この方法によって、船体表面上に容易に好適な厚さの乾燥コーティングを形成させることができる。
【実施例】
【0054】
一般的重合操作
冷却管、不活性ガス/真空ライン連結器、2つの速度可変式シリンジポンプ、セプタム方式の入口、±2℃の温度制御及び機械式撹拌機を備えた小型反応器に、キシレンを注入した。このキシレンを86℃に加熱し、この温度に10分間保った。次いでシリンジポンプのスイッチを入れ、モノマー、開始剤(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル))及びキシレンを1時間かけて添加した。この反応混合物を86℃にさらに3時間保ち、その後温度を110℃に上昇させ、このレベルに10分間保った。次いで加熱をやめ、反応器を室温まで冷ました。この実験におけるモノマーは、メタクリル酸トリフェニルシリル(TPSMA)及びメタクリル酸メチル(MMA)だった。組成を下記の表2にまとめる。
【表2】
【0055】
ローター試験
比較的動いている海水中でのコポリマーの性能を、図2及び3に示した装置を用いて試験した。これらの図中、1は直径8インチのポリ(メチルメタクリレート)円板であり、これに放射状のストライプ部2がコーティングされている。試験に付されるコポリマーは、フィルムを付着させるのに適した塗布機から塗布される。円板1は乾燥させておき、ストライプ部2の厚さをTencorAlphaStep500Profilerを用いた接触粗面測定(contactprofilometry)によって測定した。
【0056】
円板1は、電動モーター4によって駆動される軸3に装着され、入口7及び出口8を有する容器6中に含有された流動海水5中に浸漬される。海水を循環させるために、ポンプ(図示せず)が用いられる。このポンプによる循環によって、海水が出口8からフィルター(図示せず)に通されて入口7から容器6に戻される。海水温度を維持するために、冷却用流体が冷却用コイル10中に循環される。間仕切り9は、水面上部から冷却用コイルのちょうど下までの間に及ぶように設置される。測定円周点(半径8.0cmの位置)における円板1の周速度は17ノットであり、海水温度は20±3℃に保った。試験温度は、きちんと制御できなければいけない。温度が高くなると侵食が速くなってしまい、温度が低いと侵食が遅くなってしまう。
【0057】
この試験の間に、ストライプ部が侵食されて円板から離脱する。ローター試験の間に定期的に各ストライプ部について半径8.0cmの場所でフィルム厚さを測定し、侵食によるポリマー除去速度を測定した。このローター試験を海水中で60±5日間実施し、時間の関数としてのフィルム厚さ測定から、侵食速度をμ/月として計算した。こうして計算される海水中での侵食速度を、本明細書では「侵食速度」と規定し、「65日間侵食速度試験」と称する。図1は、トリアリールシリル(メタ)アクリレートを様々なモル百分率で有するポリマーサンプルについて、侵食速度対時間をプロットしたグラフである。この図1は、トリアリールシリル(メタ)アクリレート含有率が9モル%超〜約20モル%の範囲の時にコポリマーの侵食速度が対照用のトリオルガノ錫含有ポリマーのものに特に近くなるということを示している。
【0058】
メタクリル酸トリフェニルシリル、メタクリル酸メチル及び表に示した第3のモノマーを含む2つの一連のターポリマーについて、ローター試験を実施した。侵食試験の結果を、表3及び表4に示す。表4の結果から、メタクリル酸トリアリールシリル9モル%未満の組成物は満足できる侵食速度を持たないということが示された。逆に、表4の結果から、メタクリル酸トリアリールシリル約10〜約15モル%のポリマーは満足できる侵食速度を持つことが示された。
【0059】
【表3】
【0060】
DEF=フマル酸ジエチル;
PEMA=エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート;
HPA=アクリル酸ヒドロキシプロピル;
DEGEHA=ジ(エチレングリコール)エチルヘキシルアクリレート;
DMAEMA=メタクリル酸(ジメチルアミノ)エチル;
BEA=アクリル酸ブトキシエチル;
HBMA=メタクリル酸ヒドロキシブチル ;
EGMEA=エチレングリコールメチルエーテルアクリレート;
DMAA=3,3−ジメチルアクリル酸;
THFA=アクリル酸テトラヒドロフルフリル。
【0061】
【表4】
【0062】
DEGEEMA=ジ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート;
EGMEA=エチレングリコールメチルエーテルアクリレート;
THFA=アクリル酸テトラヒドロフルフリル;
BEA=アクリル酸ブトキシエチル;
DEF=フマル酸ジエチル;
MAA=メタクリル酸;
HPA=アクリル酸ヒドロキシプロピル;
PEMA=メタクリル酸フェノキシエチル;
HPMA=メタクリル酸ヒドロキシプロピル。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】コポリマー中のトリフェニルシリル(メタ)アクリレート残基とコポリマーの海水中での侵食速度との間の関係を示し、これら侵食速度をトリオルガノ錫をベースとするポリマーのものと比較するグラフである。各フェニル基は、置換若しくは非置換又はヘテロ環式芳香族基であることができ、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【図2】侵食速度を測定するために用いたローター試験装置のローター部分を示す平面図である。
【図3】侵食速度を測定するために用いたローター試験装置の概略図である。
【符号の説明】
【0064】
1・・・円板
2・・・ストライプ部
3・・・軸
4・・・モーター
5・・・海水
6・・・容器
7・・・水入口
8・・・水出口
9・・・間仕切り
10・・・冷却用コイル
【0001】
本願は、西暦2003年5月30日付け米国仮出願60/383961号の優先権を主張する。
本発明は、船舶用自己研磨性防汚塗料用のポリマーに関する。より特定的には、本発明は、船舶防汚塗料に用いるのに好適な海水中での侵食速度を提供するコポリマーバインダーに関する。これらのコポリマーバインダーは、船舶用防汚塗料に用いるのに適した海水中での侵食速度を達成するために必要とこれまで信じられてきたレベル(量)より低いレベルでトリアリールシリル(メタ)アクリロイル側基を含有する。これらコポリマーは、約2〜約15μ/月の海水中での侵食速度によって特徴付けられる。
【背景技術】
【0002】
船舶用の自己研磨性防汚塗料を製造するためにこれまでに広く用いられていたポリマーは、有機錫エステル(例えばアクリレート)側基を含有するポリマーである。実際、有機錫アクリレートポリマーをベースとする船舶用防汚塗料は、20年以上もの間市場を支配してきた。有機錫アクリレート含有ポリマーは、塗料中に配合されて船体の底(即ち船殻)に塗布された時に、海水中で加水分解して有機錫化合物(通常はトリブチル錫オキシド)を放出する。この物質は、海洋植物及びその他の生物が船底に付着するのを防止する活性防汚剤{この汚染(即ち船舶表面への生物の望ましくない付着)は抵抗の増大をもたらし、燃料の消費をかなり増大させ、従って運転費用を増大させることがある}である。さらに、水中を通って船体が動くことによって塗料表面が侵食され、常に新たなポリマー表面が海水の加水分解作用に晒される。この定常的な塗料表面の侵食は、船体の浸漬する外面上に平滑な表面を作り出してこれを維持し、このこともまた抵抗を小さくしたり効率を高めたりするのに貢献する。
【0003】
さらに、これらの塗料は、適切に配合されて塗布されると、5年間は有効性を維持する可能性を有する。このことは、大きい船舶(例えばオイルタンカー及び輸送船)は日常メンテナンス及び検査のために5年ごとに乾ドックを受けるので、重要なことである。これらの周期的なメンテナンスの間に船殻外面を再塗装するということは、特に好都合である。
【0004】
有機錫含有ポリマーは効果的ではあるものの、有機錫化合物は海洋環境に対して悪影響を有すると思われているため、船舶塗料中にこれを用いることは非難の的となっていた。米国環境保護局(EPA)は有機錫化合物の継続使用を有意に制限しており、国連の1つのユニットである国際海洋機関の海洋環境保護委員会は近年、防汚塗料中における有機錫含有材料の使用を段階的に廃止してゆくゆくは禁止することという決議案を可決した。
【0005】
その結果、当技術分野には、有機錫含有防汚塗料の良好な防汚及び自己研磨特性並びに寿命を維持しながら、錫を含有しないフィルム形成性ポリマーを含む改良型の侵食性防汚塗料組成物についての要望がある。
【0006】
米国特許第4593055号明細書には、次式:
【化学式1】
(ここで、XはH又はCH3であり、
Rは−SiR´nR´´3―n又は−Si(OR´nR´´3―n)3より成る群から選択され、
ここで、R´及びR´´は独立的に直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキル又はフェニルであり、
nは0〜3である)
のシリルアクリレートコポリマーが船舶用防汚塗料を配合するのに有用であると開示されている。この有機シリルアクリレート化合物は、実施例では20〜40モル%の範囲の量で存在させている。
【0007】
米国特許第5436284号明細書には、シリルアクリレート単位を含有するコポリマーが船舶用防汚剤コーティング組成物を配合するのに有用であると開示されている。その実施例には、アリールシリルアクリレート成分45〜50重量%を含有するアリールシリルアクリレートコポリマーが示されている(表3中のモノマーA4)。
【0008】
ヨーロッパ特許公開第1127925A1号公報には、トリアリールシリルアクリレート基を含有する船舶用防汚剤塗料用のポリマー系バインダーが開示されている。この特許公報には、ポリマーがトリアリールシリル(メタ)アクリレート(即ち(メタ)アクリル酸トリアリールシリル)を20〜70重量%、好ましくは30〜65重量%、より一層好ましくは50〜60重量%含有することが教示されている。
【0009】
米国特許第5795374号明細書には、トリオルガノシリル基を含有するポリマーから配合された船舶用防汚剤塗料が開示されている。モノマーM4はジフェニルt−ブチルシリルアクリレートであり、これはポリマーS4を作るために10重量%の量で用いられている。この重量は約3モル%に相当し、データからもわかるようにこれはポリマーフィルムの適切な侵食のためには低すぎる。
【0010】
米国特許第4593055号明細書には、アクリルシリル残基を含む加水分解性トリオルガノシリル残基を含有するコポリマーから船舶用防汚塗料を配合することができると開示されている。コポリマー中のトリオルガノシリルアクリレート又はメタクリレートの好ましいレベルは、25〜40モル%である。
【0011】
国際出願公開WO91/14743には、オルガノシリル官能基を有するポリマー系バインダーを有する船舶用侵食性防汚剤塗料であって、銅又は亜鉛を含有する防汚剤を含有する場合に高められた貯蔵安定性を有する前記塗料が開示されている。高められた貯蔵安定性は、かかるバインダー及び銅又は亜鉛含有防汚剤に関連したゲル化を防止するモノアミン及び第四級アンモニウム化合物を用いて得られる。
【0012】
船舶用防汚塗料用のバインダーとしてのトリオルガノシリル含有化合物に関する追加の特許には、以下のものがある:
特開昭63−057676号公報:これには、塗料が銅含有防汚剤化合物を有する場合に安定性のためにポリメチルセスキシロキサン粉末を添加することが開示されている;
ヨーロッパ特許公開第714957B1号公報:これには、トリオルガノシリルアクリレート及び必須成分としてのアクリロイルオキシ含有モノマーを含有するコポリマーが開示されている;
ヨーロッパ特許公開第0802243B1号公報:これには、塗料の侵食速度を改善するためにロジン化合物及びオルガノシリルアクリレートベースのポリマー系バインダーを有する船舶用防汚塗料が開示されている。
【0013】
さらに、以下の特許及び特許出願の明細書には、船舶用防汚剤コーティング中のバインダーとして有用なトリオルガノシリル(メタ)アクリロイル側基を含むターポリマーが開示されている:ヨーロッパ特許公開第0646630B1号、同第0775733A1号、同第1016681A2号、同第1127925A1号各公報、特開平8−269389号公報、米国特許第4594365号、同第5436284号、同第5795374号各明細書、国際出願公開WO84/02915号、同WO91/14743号、同WO0077102号各パンフレット。
【考案の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
その結果、当技術分野には、有機錫含有防汚塗料の良好な防汚及び自己研磨特性並びに寿命を維持しながら、錫を含有しないフィルム形成性ポリマーを含む改良型の侵食性防汚塗料組成物についての要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、トリアリールシリル(メタ)アクリレート成分が驚くほど低レベルで存在するトリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマーが自己研磨特性を有する船舶用防汚塗料を製造するのに有用であるという発見に関する。
【0016】
1つの局面において、本発明、トリアリールシリル(メタ)アクリレート(即ち(メタ)アクリル酸トリアリールシリル)の残基及びこのトリアリールシリル(メタ)アクリレート(即ち(メタ)アクリル酸トリアリールシリル)と共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーの残基を含む海水侵食性コポリマーであって、海水中で2〜15μ/月の侵食速度を特徴とする前記コポリマーに関する。
【0017】
ここで用いた場合、用語「コポリマー」には、2種以上の異なるモノマー単位を含むポリマー、例えば3種の異なるモノマー単位を含有するポリマー(ターポリマーとも称される)を包含するものとする。また、本発明を実施するに当たって、コポリマーの混合物を防汚塗料組成物中に用いることもできる。但し、この場合にはトリアリールシリル(メタ)アクリレートの合計がコポリマーの混合物に対して9モル%より多くしかし20モル%より少ないことを条件とする(それぞれの個々のコポリマーはコポリマー中のトリアリールシリル(メタ)アクリレートに対して9モル%超〜20モル%のモル百分率の範囲外にあってもよい)。
【0018】
別の具体例において、本発明は、トリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマー及び毒物を含み、該トリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマーがトリアリールシリル(メタ)アクリロイル成分約9モル%超〜約20モル%を含有する船舶用自己研磨性防汚コーティングであって、約2〜約15μ/月の海水中での侵食速度を特徴とする前記コーティングに関する。
【0019】
別の具体例において、本発明は、トリアリールシリルメタクリロイル成分のモル百分率が9モル%超〜約20モル%の範囲であるトリアリールシリルメタクリレート含有コポリマーに関する。
【0020】
1つの局面において、本発明は、次式:
【化学式2】
(ここで、Aはコポリマーの9モル%超〜約20モル%を占めて、トリアリールシリル(メタ)アクリレートから成り、
BはAと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーの残基を表わす)
のランダム繰返し単位を含む海水侵食性コポリマーであって、2〜約15μ/月の海水中での侵食速度を特徴とする前記コポリマーに関する。
【0021】
別の局面において、本発明は、トリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマー及び毒物を含む船舶用自己研磨性防汚コーティング組成物であって、前記トリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマーが約2〜約15μ/月の海水中での侵食速度を特徴とし且つ次式:
【化学式3】
(ここで、Aは9モル%超〜約20モル%の量で存在し、トリアリールシリル(メタ)アクリレートから成り、
BはAと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーの残基である)
のランダム繰返し単位を含む、前記組成物に関する。
【0022】
本発明のコポリマーは、トリアリールシリル(メタ)アクリレートを該トリアリールシリル(メタ)アクリレートと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーと共に重合させることによって調製される。ここで用いた場合、用語「トリアリールシリル(メタ)アクリレート」とは、トリアリールシリルアクリレート及びトリアリールシリルメタクリレートの両方を包含するものとする。「トリアリールシリル(メタ)アクリロイル」を用いた場合も同じである。
【0023】
ここで用いた場合の用語「アリール」は、海水侵食性コポリマー又は式−[A]−[B]−(ここで、Aはコポリマーの9モル%超〜約20モル%を占める)のコポリマーのランダム繰返し単位の単位Aのトリアリールシリル(メタ)アクリレートを含む置換及び非置換アリール及びヘテロアリール構造を包含し、この「アリール」基は、次のものから選択される:
フェニル、o−メチルフェニル、p−メチルフェニル、4−トリフルオルメチルフェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、o−フルオルフェニル、o−クロルフェニル、o−ブロムフェニル、o−エチルフェニル、m−フルオルフェニル、m−クロルフェニル、m−ブロムフェニル、p−フルオルフェニル、p−クロルフェニル、p−ブロムフェニル、p−エチルフェニル、p−プロピルフェニル、p−n−ブチルフェニル、p−t−ブチルフェニル、2,3−ジフルオルフェニル、2,6−ジフルオルフェニル、2,6−ジクロルフェニル、2,3−ジクロルフェニル、2−メチル−4−フルオルフェニル、2−フルオル−5−メチルフェニル、3−フルオル−4−メチルフェニル、3−メチル−4−フルオルフェニル、2−メチル−3−フルオルフェニル、3,4−ジフルオルフェニル、2,5−ジフルオルフェニル、2,4−ジフルオルフェニル、3,4−ジクロルフェニル、2,4−ジクロルフェニル、2−メチル−4−クロルフェニル、2,5−ジクロルフェニル、3,5−ジフルオルフェニル、3,5−ジブロムフェニル、3,5−ジクロルフェニル、2,3,4−トリフルオルフェニル、2,4,6−トリフルオルフェニル、2,3,5−トリフルオルフェニル、3,4,5−トリフルオルフェニル、2,6−ジクロル−4−トリフルオルメチルフェニル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル、2,4,5−トリフルオルフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル、2,3,5,6−テトラフルオルフェニル、2,3,4,5−テトラフルオルフェニル、2,3,4,6−テトラフルオルフェニル、2,3,5,6−テトラメチルフェニル、ペンタフルオルフェニル、2,3,5,6−テトラフルオル−4−ブロムフェニル、o−トリフルオルメチル、m−トリフルオルメチル、p−トリフルオルメチル、2−クロル−5−トリフルオルメチルフェニル、2−トリフルオルメチル−3−クロルフェニル、2,4−ビス(トリフルオルメチル)フェニル、3,5−ビス(トリフルオルメチル)フェニル、2−ビフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル、2−メチル−3−ビフェニル、2−フルオル−4−ビフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−メチル−1−ナフチル、4−メチル−1−ナフチル、5−アセナフテニル、2−フルオレニル、1−アントラセニル、2−アントラセニル、9−アントラセニル、9−フェナントレニル、1−ピレニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、2−メチル−4−メトキシフェニル、2−メトキシ−5−フルオルフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、2,4−ジフルオル−6−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシ−6−フルオルフェニル、4−フェノキシフェニル、6−メトキシ−2−ナフタレニル、4−ジメチルアミノフェニル、2−トリフルオルメチル−4−ジメチルアミノフェニル、3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]フェニル、4−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]フェニル2−チエニル、3−チエニル、1−メチル−5−イミダゾリル、1−エチル−2−メチル−5−イミダゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−メチル−5−ベンゾオキサゾリル、2−メチル−5−ベンゾチアゾリル、2−ピリジニル、4−メチル−2−ピリジニル、4−ピリジニル、6−メチル−2−ピリジニル、5−トリフルオルメチル−2−ピリジニル、6−(2,2’−ビピリジニル)、4’−(2,2’:6’,2”−ターピリジニル)、2−フルオル−5−トリフルオルメチル−3−ピリジニル、2,3,5,6−テトラフルオルピリジニル、6−メトキシ−2−ピリジニル、6−フェニル−3−ピリダジニル、6−メトキシ−3−ピリダジニル、2−ピリミジニル、5−ピリミジニル、4−トリフルオルメチル−2−ピリミジニル、2,4,6−トリフルオル−5−ピリミジニル、2,4−ジメトキシ−6−ピリミジニル、ピラジニル、2−キノリニル、4−キノリニル、6−キノリニル、8−キノリニル、7−トリフルオルメチル−4−キノリニル、8−トリフルオルメチル−4−キノリニル、2,8−ビス(トリフルオルメチル)−4−キノリニル、3−キノリニル、4−キナルジナリル、7−キナルジナリル、2−レピジニル、4−イソキノリル、5−(1,10−フェナントロリニル)。好ましいアリール基はフェニルである。
【0024】
Bはトリアリールシリル(メタ)アクリレートと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーの残基を表わす。Bを含むモノマー又はモノマーの組合せ物によって親水性又は疎水性官能基を加えることによって、コポリマーの特性を変更することができる。有用なモノマーには、次のものが包含される:
アクリル酸のエステル類、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシ−n−プロピル、アクリル酸ヒドロキシ−i−プロピル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−メトキシプロピル、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、アクリル酸2−エトキシエチル、エトキシジエチレングリコールアクリレート、及びメタクリル酸のエステル類、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−メトキシプロピル、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート及びメタクリル酸2−エトキシエチル、ヒドロキシ−n−プロピル(メタ)アクリレート、メタクリル酸ヒドロキシ−i−プロピル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル。
その他の有用なエチレン性不飽和モノマーには、次のものが包含される:
ネオペンチルグリコールメチルエーテルプロポキシレートアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)メチルエーテルアクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−ブトキシエチル、クロトン酸、ジ(エチレングリコール)2−エチルヘキシルエーテルアクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、3,3−ジメチルアクリル酸、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、2(5H)−フラノン、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メチル−2(5H)−フラノン、trans−3−メトキシアクリル酸メチル、メタクリル酸2−(t−ブチルアミノ)エチル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸3−トリス−(トリメチルシロキシ)シリルプロピル、チグリン酸及びtrans−2−ヘキセン酸。
【0025】
重合可能なモノマーのその他の例には、ビニルエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、マレイン酸エステル類、例えばマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ−n−プロピル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジ−2−メトキシエチル、フマル酸エステル類、例えばフマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジ−n−プロピル、フマル酸ジイソプロピル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン及びアクリロニトリルが包含される。
【0026】
本発明のコポリマーの製造において有用な追加のモノマーには、トリアルキルシリル(メタ)アクリレート、例えばトリメチルシリル(メタ)アクリレート、ジフェニルメチルシリル(メタ)アクリレート、フェニルジメチルシリル(メタ)アクリレート及びトリブチルシリル(メタ)アクリレートが包含される。
【0027】
トリアリールシリル(メタ)アクリレートは、コポリマーの9モル%超〜約20モル%を占める。この範囲は、2〜約15μ/月の海水中での侵食速度を有するコポリマーを提供する。約3〜約9μ/月の侵食速度を有するコポリマーを提供する量でトリアリールシリルアクリレート成分を存在させるのが好ましい。トリアリールシリルアクリレートモノマーの量は、コポリマーの9モル%超〜約20モル%の範囲内で、約2〜約15μ/月、好ましくは約3〜約9μ/月、最適には約3〜約7μ/月の侵食速度を有するコポリマーを提供するように、選択して調節することができる。また、船舶用防汚塗料に理にかなった一定の侵食速度を提供するポリマーが好ましい。
【0028】
ほとんどの先行技術は船舶用防汚塗料の侵食速度の数値を求めているが、本発明はポリマーバインダーの侵食速度を測定する。候補フィルムの侵食速度を60±5日間測定することによって、満足できる塗料の基準となるのには侵食するのが早すぎたり遅すぎたりするポリマーを同定して除外するための基準が提供されることがわかった。図1のデータから、トリフェニルシリルメタクリレートを5モル%、6モル%又は9モル%含有するフィルムが65日間試験に通るには侵食が遅すぎることがわかる。特に、6モル%又は9モル%含有ポリマーの侵食速度は試験の早い時期には2μ/月を越えているものの、だんだん低下していって、約40日後には侵食速度が2μ/月以下になるということが観察される。また、トリフェニルシリルメタクリレートを25モル%以上含有するフィルムは侵食が早すぎることも観察される。25モル%ポリマーの侵食速度は初めは所望の2〜15μ/月の範囲内であるが、25日目までに15μ/月よりかなり上のレベルに上昇してしまった。トリフェニルシリルメタクリレートを16モル%又は20モル%含有するフィルムは、65日間侵食試験の間、約3〜約9μ/月の範囲の侵食速度を示し、これらは、(アトフィナ・ケミカルズ社から)商品として入手できるトリオルガノ錫含有ポリマーであるBIOMET304の侵食性能に匹敵する。かくしてトリアリールシリル(メタ)アクリレート含有率が9モル%超〜約20モル%の範囲であるポリマー組成物は、当産業界の標準である有機錫含有ポリマーのものと匹敵する侵食速度を有する。
【0029】
本発明の評価を容易にするために、図1に示したコポリマー組成物の範囲で、各コポリマーのモル%及び重量%の両方を下記の表に示す。
【表1】
【発明の効果】
【0030】
表1、3及び4のデータから、モノマーAのモル%の範囲が9モル%超〜約20モル%の範囲だと侵食速度試験に合格し従って船舶防汚塗料に用いるのに適した侵食速度を有するポリマーが製造されることが立証される。かかるポリマーは、後記のローター試験に従い60±5日間の試験で測定して約2〜約15μ/月の海水中での侵食速度を有する。かくして、トリアリールシリル(メタ)アクリレートコポリマーがトリオルガノ錫含有コポリマーのものに匹敵する侵食速度を有し従って船舶用防汚塗料における用途に適するのは、9モル%超〜約20モル%の狭いバンドのモル百分率内でのみであるということがわかる。従って、本発明のコポリマーは、航洋船について、トリオルガノ錫含有コポリマーによって達成できる3〜5年の有効寿命と同様の有効寿命を有する船舶用防汚塗料を配合するのに好適である。
【0031】
一般的に、侵食速度はポリマー中の加水分解可能なモノマーの量の関数であると考えられる。実際、海水侵食性シリルアクリレートコポリマーを開示した米国特許第4593055号明細書には、第5欄第43行以降に、優れた侵食速度制御は、目的に合わせてポリマーを化学的に調節して、塗料/水の界面においてポリマー側鎖のある箇所が選択的に弱くなるようにすることに頼ると教示されている。これらの弱い結合は海水によってゆっくり攻撃され、ポリマーが徐々に海水可溶性又は海水膨潤性になる。これによって、ポリマーフィルムの加水分解した表面が、海水の動きがこの層を洗い流して新たな表面を露出させることができるような程度まで、弱くなる。
【0032】
モノマー単位の一部が、弱い部位(即ち海水の存在下で加水分解する傾向がある部位)を提供する官能基を提供する。官能化モノマー対非官能化モノマーの比は、侵食速度の制御を提供するように選択される。
【0033】
図1に示されたような9モル%より下及び約20モル%より上のトリアリールシリル(メタ)アクリレートレベルにおいては侵食速度が満足できるものではないということは、有用なポリマーを得るためには25〜50モル%の範囲のシリルアクリレートレベルを用いるべきだという従来技術の教示から見れば、全く驚くべきことであり、予期しなかったことである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明のコポリマーは、トリアリールシリル(メタ)アクリレート成分9モル%超〜約20モル%及びそれに対応してトリアリールシリル(メタ)アクリレートと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマー91〜約80モル%を含有する。
【0035】
本論中のデータは侵食速度に焦点を合わせているが、1種以上のエチレン性不飽和モノマーと組み合わせて存在するトリアリールシリル(メタ)アクリレートモノマーの量は、フィルムの寿命、侵食速度、侵食速度の均一性、加工の容易さ、配合の容易さ、殺生物剤適合性、貯蔵寿命、接着性、亀裂抵抗、可撓性及び経済性のようなその他の特性に取り組むのに最適化することができる。
【0036】
ランダムトリアリールシリル(メタ)アクリレートコポリマーは、フリーラジカルオレフィン重合開始剤又は触媒の存在下で、当技術分野において広く用いられている既知の方法を用いた溶液重合、塊重合、乳化重合及び懸濁重合のような様々な方法のいずれかを用いて、モノマーの混合物を重合することによって得ることができる。このコポリマーからコーティング組成物を調製するに当たっては、コポリマーを有機溶剤で希釈して都合のよい粘度を有するポリマー溶液を得るのが有利である。このためには、溶液重合法又は塊重合法を用いるのが望ましい。
【0037】
オレフィン重合開始剤の例には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)及びトリフェニルメチルアゾベンゼンのようなアゾ化合物が包含される。アゾビスニトリル類は、ビニル重合のための効果的なフリーラジカル源であり、塊重合、溶液重合、乳化重合及び懸濁重合に用いることができる。2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)に加えて、この類の他のものには、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、1,1’−アゾビス(シアノシクロヘキサン)及び2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルペンタンニトリル)が包含される。また、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、ペルオキシ安息香酸t−ブチル及びペルオキシイソプロピル炭酸t−ブチルのような過酸化物を用いることもできる。
【0038】
有用な有機溶剤の例には、キシレン及びトルエンのような芳香族炭化水素、ヘキサン及びヘプタンのような脂肪族炭化水素、酢酸エチル及び酢酸ブチルのようなエステル類、イソプロピルアルコール及びブチルアルコールのようなアルコール類、ジオキサン及びテトラヒドロフランのようなエーテル類並びにメチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンのようなケトン類が包含される。溶剤は、単独で又は組み合わせて用いられる。
【0039】
こうして得られるトリアリールシリル(メタ)アクリレート含有コポリマーの望ましい分子量は、1000〜200000の範囲であり、10000〜150000の範囲であるのが好ましい(重量平均分子量)。コポリマーの分子量が低すぎたり高すぎたりすると、正常なコーティングフィルムを形成させるのが難しくなる。分子量が高すぎると、長くて絡み合ったポリマー鎖ができ、これは適切に働かずに、粘性溶液をもたらし、これは単一のコーティング操作で薄いフィルムコーティングが得られるようにするためには溶剤で希釈する必要がある。ポリマーの分子量が低すぎると、複数回のコーティング操作が必要になり、得られるフィルムが完全さに欠けたり適切に働かなかったりすることがある。コポリマーの溶液の粘度は、25℃において200〜6000センチポイズであるのが有利である。これを達成するためには、ポリマー溶液の固体含有率を5〜90重量%の範囲、望ましくは15〜85重量%の範囲の値に調節するのが望ましい。
【0040】
本発明のコーティング組成物中に用いられる毒物は、広範な慣用の既知の毒物の内の任意のものであってよい。既知の毒物は大まかに、無機化合物、金属含有有機化合物及び金属非含有有機化合物に分類される。
【0041】
無機毒物化合物の例には、銅化合物、例えば酸化第一銅、銅粉末、チオシアン酸銅、炭酸銅、塩化銅及び硫酸銅、並びに亜鉛及び銅化合物、例えば硫酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸ニッケル及び銅−ニッケル合金が包含される。
【0042】
金属含有有機毒物化合物の例には、有機銅化合物、有機ニッケル化合物及び有機亜鉛化合物が包含される。有機銅化合物の例には、オキシン銅、銅ノニルフェノールスルホネート、銅ビス(エチレンジアミン)ビス(ドデシルベンゼンスルホネート)、酢酸銅、ナフテン酸銅及び銅ビス(ペンタクロルフェノラート)が包含される。有機ニッケル化合物の例には、酢酸ニッケル及びジメチルジチオカルバミン酸ニッケルが包含される。有機亜鉛化合物の例には、酢酸亜鉛、カルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、亜鉛ピリチオン及び亜鉛エチレンビス(ジチオカルバメート)が包含される。
【0043】
金属非含有有機毒物化合物の例には、N−トリハロメチルチオフタルイミド類、ジチオカルバミン酸類、N−アリールマレイミド類、3−(置換アミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン類、ジチオシアノ化合物類、トリアジン化合物類等が包含される。
【0044】
N−トリハロメチルチオフタルイミド毒物の例には、N−トリクロルメチルチオフタルイミド及びN−フルオルジクロルメチルチオフタルイミドが包含される。ジチオカルバミン酸毒物の例には、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド、N−メチルジチオカルバミン酸アンモニウム及びアンモニウムエチレンビス(ジチオカルバメート)が包含される。
【0045】
アリールマレイミド毒物の例には、N−(2,4,6−トリクロルフェニル)マレイミド、N−4−トリルマレイミド、N−3−クロルフェニルマレイミド、N−(4−n−ブチルフェニル)マレイミド及びN−(アニリノフェニル)マレイミドが包含される。
【0046】
3−(置換アミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン毒物の例には、3−ベンジリデンアミノ−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−4−(メチルベンジリデンアミノ)、1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(2−ヒドロキシベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−(4−ジクロルベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン及び3−(2,4−ジクロルベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンが包含される。
【0047】
ジチオシアノ毒物化合物の例には、ジチオシアノメタン、ジチオシアノエタン及び2,5−ジチオシアノチオフェンが包含される。トリアジン化合物の例には、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロ−プロピルアミノ−s−トリアジンが包含される。
【0048】
金属非含有有機毒物化合物のその他の例には、2,4,5,6−テトラクロルイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロルフェニル尿素、4,5−ジクロル−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N,N−ジメチル−N’−フェニル−(N−フルオルジクロルメチルチオ)スルファミド、テトラメチルチウラムジスルフィド、3−ヨード−2−プロピルブチルカルバメート、2−(メトキシカルボニルアミノ)ベンゾイミダゾール、2,3,5,6−テトラクロル−4−(メチルスルホニル)ピリジン及びジヨードメチル−p−トリルスルホンが包含される。
【0049】
前記の毒物から選択することができる1種又はそれ以上の毒物を、防汚剤コーティング組成物中に用いることができる。この毒物は、コーティング組成物の0.1〜80重量%の量で用いられ、1〜60重量%の量で用いられるのが好ましい。毒物レベルが低すぎると防汚効果を生み出せず、毒物レベルが高すぎると形成されるフィルムは亀裂や剥離のような欠陥を生じやすいものとなって効果が低くなることがある。
【0050】
本発明のコーティング組成物中には、随意に添加剤成分を組み込むことができる。かかる添加剤成分の例には、顔料(例えば赤酸化鉄、酸化亜鉛、二酸化チタン、タルク)及び染料のような着色剤、安定剤、除湿剤、並びにコーティング組成物中に通常用いられる添加剤、例えば流れ止め剤、溢れ防止剤、固化防止剤及び消泡剤がある。
【0051】
トリアリールシリル(メタ)アクリレートコポリマー及びこれらのコポリマーから作られるコーティング組成物は、貯蔵の間に粘度が上昇することがある。不満足な粘度上昇を防止するために、「安定剤」と称される物質を、重合の間若しくは後に添加することもでき、コーティング組成物中に組み込むこともできる。安定化用物質には、モレキュラーシーブ又は無水硫酸カルシウムのような無機脱水剤;オルトエステル類のような有機脱水剤;アミノ化合物のような塩基類;アルコキシシラン類のような水反応性物質;トリスノニルフェニルホスファイトのようなキレート化剤;及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)のような立体障害フェノール酸化防止剤が包含される。通常の使用に当たっては、安定剤レベルはコーティング組成物を基準として0.1〜10重量%である。
【0052】
ロジン及びロジン誘導体をバインダー系の一部としてコーティング組成物に添加することができる。コーティングフィルム中への水の浸透を制御するのを補助する目的のためには、ロジン及びロジン誘導体をコポリマーの5〜60重量%の範囲、好ましくは10〜30重量%の範囲で存在させるのが好ましい。
【0053】
本発明のトリアリールシリル(メタ)アクリレートコポリマーから作られた船舶用防汚コーティング組成物を船体の表面に塗布するためには、好適な態様で(例えば刷毛塗りや吹付けによって)表面にコーティング組成物を塗布し、周囲温度において又は加熱しながら溶剤を蒸発させることによって取り除く。この方法によって、船体表面上に容易に好適な厚さの乾燥コーティングを形成させることができる。
【実施例】
【0054】
一般的重合操作
冷却管、不活性ガス/真空ライン連結器、2つの速度可変式シリンジポンプ、セプタム方式の入口、±2℃の温度制御及び機械式撹拌機を備えた小型反応器に、キシレンを注入した。このキシレンを86℃に加熱し、この温度に10分間保った。次いでシリンジポンプのスイッチを入れ、モノマー、開始剤(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル))及びキシレンを1時間かけて添加した。この反応混合物を86℃にさらに3時間保ち、その後温度を110℃に上昇させ、このレベルに10分間保った。次いで加熱をやめ、反応器を室温まで冷ました。この実験におけるモノマーは、メタクリル酸トリフェニルシリル(TPSMA)及びメタクリル酸メチル(MMA)だった。組成を下記の表2にまとめる。
【表2】
【0055】
ローター試験
比較的動いている海水中でのコポリマーの性能を、図2及び3に示した装置を用いて試験した。これらの図中、1は直径8インチのポリ(メチルメタクリレート)円板であり、これに放射状のストライプ部2がコーティングされている。試験に付されるコポリマーは、フィルムを付着させるのに適した塗布機から塗布される。円板1は乾燥させておき、ストライプ部2の厚さをTencorAlphaStep500Profilerを用いた接触粗面測定(contactprofilometry)によって測定した。
【0056】
円板1は、電動モーター4によって駆動される軸3に装着され、入口7及び出口8を有する容器6中に含有された流動海水5中に浸漬される。海水を循環させるために、ポンプ(図示せず)が用いられる。このポンプによる循環によって、海水が出口8からフィルター(図示せず)に通されて入口7から容器6に戻される。海水温度を維持するために、冷却用流体が冷却用コイル10中に循環される。間仕切り9は、水面上部から冷却用コイルのちょうど下までの間に及ぶように設置される。測定円周点(半径8.0cmの位置)における円板1の周速度は17ノットであり、海水温度は20±3℃に保った。試験温度は、きちんと制御できなければいけない。温度が高くなると侵食が速くなってしまい、温度が低いと侵食が遅くなってしまう。
【0057】
この試験の間に、ストライプ部が侵食されて円板から離脱する。ローター試験の間に定期的に各ストライプ部について半径8.0cmの場所でフィルム厚さを測定し、侵食によるポリマー除去速度を測定した。このローター試験を海水中で60±5日間実施し、時間の関数としてのフィルム厚さ測定から、侵食速度をμ/月として計算した。こうして計算される海水中での侵食速度を、本明細書では「侵食速度」と規定し、「65日間侵食速度試験」と称する。図1は、トリアリールシリル(メタ)アクリレートを様々なモル百分率で有するポリマーサンプルについて、侵食速度対時間をプロットしたグラフである。この図1は、トリアリールシリル(メタ)アクリレート含有率が9モル%超〜約20モル%の範囲の時にコポリマーの侵食速度が対照用のトリオルガノ錫含有ポリマーのものに特に近くなるということを示している。
【0058】
メタクリル酸トリフェニルシリル、メタクリル酸メチル及び表に示した第3のモノマーを含む2つの一連のターポリマーについて、ローター試験を実施した。侵食試験の結果を、表3及び表4に示す。表4の結果から、メタクリル酸トリアリールシリル9モル%未満の組成物は満足できる侵食速度を持たないということが示された。逆に、表4の結果から、メタクリル酸トリアリールシリル約10〜約15モル%のポリマーは満足できる侵食速度を持つことが示された。
【0059】
【表3】
【0060】
DEF=フマル酸ジエチル;
PEMA=エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート;
HPA=アクリル酸ヒドロキシプロピル;
DEGEHA=ジ(エチレングリコール)エチルヘキシルアクリレート;
DMAEMA=メタクリル酸(ジメチルアミノ)エチル;
BEA=アクリル酸ブトキシエチル;
HBMA=メタクリル酸ヒドロキシブチル ;
EGMEA=エチレングリコールメチルエーテルアクリレート;
DMAA=3,3−ジメチルアクリル酸;
THFA=アクリル酸テトラヒドロフルフリル。
【0061】
【表4】
【0062】
DEGEEMA=ジ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート;
EGMEA=エチレングリコールメチルエーテルアクリレート;
THFA=アクリル酸テトラヒドロフルフリル;
BEA=アクリル酸ブトキシエチル;
DEF=フマル酸ジエチル;
MAA=メタクリル酸;
HPA=アクリル酸ヒドロキシプロピル;
PEMA=メタクリル酸フェノキシエチル;
HPMA=メタクリル酸ヒドロキシプロピル。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】コポリマー中のトリフェニルシリル(メタ)アクリレート残基とコポリマーの海水中での侵食速度との間の関係を示し、これら侵食速度をトリオルガノ錫をベースとするポリマーのものと比較するグラフである。各フェニル基は、置換若しくは非置換又はヘテロ環式芳香族基であることができ、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【図2】侵食速度を測定するために用いたローター試験装置のローター部分を示す平面図である。
【図3】侵食速度を測定するために用いたローター試験装置の概略図である。
【符号の説明】
【0064】
1・・・円板
2・・・ストライプ部
3・・・軸
4・・・モーター
5・・・海水
6・・・容器
7・・・水入口
8・・・水出口
9・・・間仕切り
10・・・冷却用コイル
Claims (17)
- 式−[A]−[B]−
{ここで、Aは9モル%超〜約20モル%存在し、XSiR3:
(ここで、各Rは同一であっても異なっていてもよく、置換又は非置換アリール又はヘテロアリール基であり、
Xはアクリルオキシ又はメタクリルオキシ基の残基である)
から成り、
BはAと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーの残基を表わす}
のコポリマーを含む、船舶用防汚塗料中のバインダーとして用いるのに適した海水中での侵食速度を有するポリマー。 - Rの少なくとも1個が非置換アリール、1個以上の塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、アルキル、ペルフルオルアルキル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、アルキルエーテル、置換アルキルエーテル、アリールエーテル、置換アリールエーテル若しくはアミノ置換基で置換されたアリール基又はそれらの混合物であり、海水中での侵食速度が2〜15μ/月であることを特徴とする、請求項1に記載の海水侵食性コポリマー。
- Aがトリフェニルシリルアクリレート又はトリフェニルシリルメタクリレートであり、海水中での侵食速度が2〜15μ/月であることを特徴とする、請求項1に記載の水侵食性コポリマー。
- Rの少なくとも1個が硫黄−、窒素−又は酸素含有ヘテロアリール基である、請求項1又は2に記載の水侵食性コポリマー。
- Bが不飽和有機酸、アクリル酸のエステル、メタクリル酸のエステル、ビニル化合物、マレイン酸エステル及びフマル酸エステルより成る群から選択される、請求項1、2、3又は4に記載の水侵食性コポリマー。
- Bが不飽和有機酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシ−n−プロピル、アクリル酸ヒドロキシ−i−プロピル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−メトキシプロピル、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、アクリル酸2−エトキシエチル、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−メトキシプロピル、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メタクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ−n−プロピル、メタクリル酸ヒドロキシ−i−プロピル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、ネオペンチルグリコールメチルエーテルプロポキシレートアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)メチルエーテルアクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−ブトキシエチル、クロトン酸、ジ(エチレングリコール)2−エチルヘキシルエーテルアクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、3,3−ジメチルアクリル酸、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、2(5H)−フラノン、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メチル−2(5H)−フラノン、trans−3−メトキシアクリル酸メチル、メタクリル酸2−(t−ブチルアミノ)エチル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸3−トリス−(トリメチルシロキシ)シリルプロピル、チグリン酸、trans−2−ヘキセン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ−n−プロピル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジ−2−メトキシエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジ−n−プロピル、フマル酸ジイソプロピル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン及びアクリロニトリルから選択される、請求項5に記載の水侵食性コポリマー。
- 重合触媒又は開始剤の存在下における請求項1又は2に記載のモノマーAと請求項1に記載の基Bの1種以上のエチレン性不飽和モノマーとの反応生成物から成るポリマーであって、該ポリマー中のモノマーAの残基がコポリマーの9モル%超〜約20モル%であることを特徴とする、前記ポリマー。
- モノマーAについてのRが非置換アリール、フェニル、1個以上の塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、アルキル、ペルフルオルアルキル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、アルキルエーテル、置換アルキルエーテル、アリールエーテル、置換アリールエーテル若しくはアミノ置換基で置換されたアリール又はそれらの混合物から選択され、2〜15μ/月の侵食速度を有することを特徴とする、請求項7に記載のポリマー。
- モノマーAがトリフェニルシリルアクリレート又はトリフェニルシリルメタクリレートである、請求項7又は8に記載のポリマー。
- (a)トリアリールシリル(メタ)アクリレートの残基9モル%超〜約20モル%;
(b)Aと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマーのモノマー残基;並びに
(c)前記モノマー残基とは異なる1種以上のモノマーの残基であって、フマル酸ジエチル、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、ジ(エチレングリコール)エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸ヒドロキシブチル、3,3−ジメチルアクリル酸、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸、アクリル酸ヒドロキシプロピル、チグリン酸、アクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸(ジメチルアミノ)エチル、エチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ジ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル及びフマル酸ジエチルより成る群から選択される、前記モノマー残基:
を含む水侵食性ターポリマーであり、
モノマー残基(b)及び(c)の合計モル%が該ターポリマーの約91〜約80モル%であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のポリマー。 - モノマーBがメタクリル酸メチルである、請求項1〜8のいずれかに記載のポリマー。
- モノマーBとして少なくとも2種の異なるモノマーが選択される、請求項1〜8のいずれかに記載のポリマー。
- 脱水剤、ゼオライト、酸中和剤、アミノ含有化合物、酸化防止剤、キレート化剤及びアルコキシシランから選択される安定剤をさらに含む、請求項1〜11のいずれかに記載のポリマー。
- 請求項1〜12のいずれかに記載のポリマー及び毒物を含み、海水中での侵食速度が約2〜15μ/月であることを特徴とする、船舶用自己研磨性防汚コーティング組成物。
- 前記安定剤が前記組成物の重量を基準として0.1〜10重量%の割合で前記組成物中に存在する、請求項13に記載の船舶用自己研磨性防汚コーティング組成物。
- ロジン及びロジン誘導体をさらに含む、請求項14に記載の自己研磨性防汚コーティング組成物。
- ロジン及びロジン誘導体がコポリマーの5〜60重量%の範囲で存在する、請求項15に記載の自己研磨性防汚コーティング組成物。
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