JP2004035777A - 接着シートならびに半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)(A)ポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤(C)放射線照射によって塩基を発生する化合物を含む粘接着剤層、および(2)異なる2種類以上からなる基材フィルム層を備えたことを特徴とする熱重合性および放射線重合性接着シート。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着シート、それを使用した半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材の接合には銀ペーストが主に使用されていた。しかし、近年の半導体素子の小型化・高性能化に伴い、使用される支持部材にも小型化・細密化が要求されるようになってきている。こうした要求に対して、銀ペーストでは、はみ出しや半導体素子の傾きに起因するワイヤボンディング時における不具合の発生、接着剤層の膜厚の制御困難性、および接着剤層のボイド発生などにより前記要求に対処しきれなくなってきている。
そのため、前記要求に対処するべく、近年、フィルム状の接着剤が使用されるようになってきた。
【0003】
このフィルム状接着剤は、個片貼付け方式あるいはウェハ裏面貼付け方式において使用されている。前者の個片貼付け方式のフィルム状接着剤を用いて半導体装置を製造する場合、リール状の接着フィルムをカッティングあるいはパンチングによって個片に切り出した後その個片を支持部材に接着し;前記フィルム状接着剤付き支持部材にダイシング工程によって個片化された半導体素子を接合して半導体素子付き支持部材を作製し;その後必要に応じてワイヤボンド工程、封止工程などを経ることによって半導体装置が得られることとなる。しかし、前記個片貼付け方式のフィルム状接着剤を用いるためには、接着フィルムを切り出して支持部材に接着する専用の組立装置が必要であることから、銀ペーストを使用する方法に比べて製造コストが高くなるという問題があった。
一方、後者のウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤を用いて半導体装置を製造する場合、まず半導体ウェハの裏面にフィルム状接着剤を貼付けさらにフィルム状接着剤の他面にダイシングテープを貼り合わせ;その後前記ウェハからダイシングによって半導体素子を個片化し;個片化したフィルム状接着剤付き半導体素子をピックアップしそれを支持部材に接合し;その後の加熱、硬化、ワイヤボンドなどの工程を経ることにより半導体装置が得られることとなる。このウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤は、フィルム状接着剤付き半導体素子を支持部材に接合するためフィルム状接着剤を個片化する装置を必要とせず、従来の銀ペースト用の組立装置をそのままあるいは熱盤を付加するなどの装置の一部を改良することにより使用できる。そのため、フィルム状接着剤を用いた組立方法の中で製造コストが比較的安く抑えられる方法として注目されている。
【0004】
このウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤と共に用いられるダイシングテープは、感圧型とUV型ダイシングテープに大別される。前者の感圧型ダイシングテープは、通常、ポリ塩化ビニル系やポリオレフィン系のベースフィルムに粘着剤を塗布したものである。このダイシングテープは、ダイシング工程における切断時にはダイシングソウによる回転で各素子が飛散しないような十分な粘着力が求められ、ピックアップ時には各素子に接着剤が付着することなくまた素子を傷つけないようにするためにピックアップできる程度の低い粘着力が求められる。ところが、前記のような相反する2つの性能を充分併せ持つ感圧型ダイシングテープがなかったことより、各工程毎にダイシングテープを切替える作業が行われていた。また素子のサイズや加工条件にあった各種の粘着力を有する多種多様のダイシングテープが必要になることから接着シートの在庫管理が複雑化していた。さらに、近年、特にCPUやメモリの大容量化が進んだ結果半導体素子が大型化する傾向にあり、またICカードあるいはメモリーカードなどの製品にあっては使用されるメモリの薄型化が進んでいる。これらの半導体素子の大型化や薄型化に伴い、前記感圧型ダイシングテープでは、ダイシング時の固定力(高粘着力)とピックアップ時の剥離力(低粘着力)という相反する要求を満足できなくなりつつある。
一方、後者のUV型ダイシングテープはダイシング時には高粘着力を有するものの、ピックアップする前に紫外線(UV)を照射することにより低粘着力になる。そのため、前記感圧型テープが有する課題が改善されることより、ダイシングテープとして広く採用されるに至っている。
このUV型ダイシングテープを用いることにより前記感圧型ダイシングテープの課題は改善されるものの、ウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤にはさらに改善すべき課題が残されていた。即ち、ウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤を用いる方法にあっては、前記ダイシング工程までに、フィルム状接着剤とダイシングテープを貼付するといった2つの貼付工程が必要であったことから、作業工程の簡略化が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上より、ダイシング工程ではダイシングテープとして作用し、半導体素子と支持部材との接合工程では接続信頼性に優れる接着シートが求められていた。
また、半導体素子搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に要求される耐熱性および耐湿性を有し、かつ作業性に優れる接着シートが求められていた。
さらに、半導体装置の製造工程を簡略化できる製造方法が求められていた。
本発明は前記課題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の記載事項に関する。
<1> (1)粘接着剤層と、(2)基材フィルム層とを備える熱重合性および放射線重合性接着シートであって、
前記粘接着剤層は(A)ポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤、(C)放射線照射によって塩基を発生する化合物を含み、
前記基材フィルム層は異なる2種類以上の基材フィルム層で構成されている熱重合性および放射線重合性接着シート。
<2> 前記(1)粘接着剤層は、前記(A)ポリイミド樹脂を100重量部、(B)前記エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を1〜200重量部、および(C)放射線照射によって塩基を発生する化合物0.01〜200重量部含有する前記<1>に記載の接着シート。
<3> 前記(C)放射線照射によって塩基を発生する化合物は、水溶液中におけるpKaが7以上の塩基を放射線照射によって発生する前記<1>または前記<2>に記載の接着シート。
<4> 前記(2)基材フィルム層は、(2−1)25℃で2000MPa以上の引張弾性率を有する基材フィルム層と、(2−2)25℃で1000MPa以下の引張弾性率を有する基材フィルム層とを少なくとも有する前記<1>〜<3>のいずれかに記載の接着シート。
<5> 前記(1)粘接着層と、前記(2―1)基材フィルム層と、および前記(2−2)基材フィルムは、(2−2)基材フィルム層/(2−1)基材フィルム層/粘接着層の順で積層されている前記<1>〜<4>のいずれかに記載の接着シート。
<6> 放射線の照射により、前記粘接着剤層と基材フィルム層との間の接着力が制御される前記<1>〜<5>のいずれかに記載の接着シート。
<7> 前記<1>〜<6>のいずれかに記載の接着シートを用いて、半導体素子と半導体搭載用支持部材とを接着した半導体装置。
<8> 前記<1>〜<6>のいずれかに記載の接着シートを、前記粘接着層を挟んで半導体ウェハに貼り付ける工程と;前記半導体ウェハをダイシングして、粘接着層付き半導体素子を形成する工程と;ダイシング後において前記接着シートに放射線を照射して前記粘接着層を硬化させその後前記基材フィルム層を剥離する工程と;前記粘接着層付き半導体素子と半導体素子搭載用の支持部材とを前記接着シートを介して接着する工程と;を有する半導体装置の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施の形態としての熱重合性および放射線重合性接着シートは、(1)(A)ポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤(C)放射線照射によって塩基を発生する化合物を含む粘接着剤層と、および(2)異なる2種類以上からなる基材フィルム層と、を備えている。
この接着シートは、ダイシング時には半導体素子が飛散しない十分な粘着力を有し、その後放射線を照射して、前記粘接着剤層と基材との間の接着力を制御することにより、ピックアップ時には各素子を傷つけることがないような低い粘着力を有する、という相反する要求を満足するものであり、ダイシングおよびダイボンドの各工程を、一枚のフィルムで完了することができる。
【0008】
本発明のポリイミド樹脂は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを公知の方法で縮合反応させて得ることができる。すなわち、有機溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを等モル又はほぼ等モル用い(各成分の添加順序は任意)、反応温度80℃以下、好ましくは0〜60℃で付加反応させる。反応が進行するにつれ反応液の粘度が徐々に上昇し、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が生成する。
上記ポリアミド酸は、50〜80℃の温度で加熱して解重合させることによって、その分子量を調整することもできる。ポリイミド樹脂は、上記反応物(ポリアミド酸)を脱水閉環させて得ることができる。脱水閉環は、加熱処理する熱閉環法と、脱水剤を使用する化学閉環法で行うことができる。
ポリイミド樹脂の原料として用いられるテトラカルボン酸二無水物としては特に制限は無く、例えば、1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7−(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8−(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9−(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,18−(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、ピロメリット酸ニ無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’、3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパンニ無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパンニ無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタンニ無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタンニ無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ−〔2,2,2〕−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2、−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物等を使用することができ、これらの1種または2種以上を併用することもできる。
【0009】
また、ポリイミドの原料として用いられるジアミンとしては特に制限は無く、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテメタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルフォン、3,5−ジアミノ安息香酸等の芳香族ジアミン、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、下記一般式(I)
【化1】
(式中、R1及びR2は炭素原子数1〜30の二価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R3及びR4は一価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、mは1以上の整数である)
で表されるジアミノポリシロキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、サン テクノケミカル(株)製 ジェファーミン D−230,D−400,D−2000,D−4000,ED−600,ED−900,ED−2001,EDR−148等のポリオキシアルキレンジアミン等の脂肪族ジアミン等を使用することができ、これらの1種または2種以上を併用することもできる。
【0010】
本発明に使用する(B)エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されない。ビスフェノールA型エポキシなどの二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂などを使用することができる。また、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂など、一般に知られているものを適用することができる。
このようなエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製 エピコート807,815,825,827,828,834,1001,1004,1007,1009、ダウケミカル社製 DER−330,301,361、東都化成(株)製 YD8125,YDF8170などが挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製 エピコート152,154、日本化薬(株)製 EPPN−201、ダウケミカル社製 DEN−438などが、また、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬(株)製 EOCN−102S,103S,104S,1012,1025,1027、東都化成(株)製 YDCN701,702,703,704などが挙げられる。多官能エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製 Epon 1031S、チバスペシャリティーケミカルズ社製 アラルダイト0163、ナガセ化成(株)製 デナコールEX−611,614,614B,622,512,521,421,411,321などが挙げられる。アミン型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製 エピコート604、東都化成(株)製 YH−434、三菱ガス化学(株)製 TETRAD−X,TETRAD−C、住友化学(株)製 ELM−120などが挙げられる。複素環含有エポキシ樹脂としては、チバスペシャリティーケミカルズ社製 アラルダイトPT810等の、UCC社製 ERL4234,4299,4221,4206などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独でまたは2種類以上を組み合わせても、使用することができる。
【0011】
本発明に使用する(B)エポキシ樹脂硬化剤としては、通常用いられている公知の硬化剤を使用することができる。たとえば、アミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ビスフェノールA、ビスフェノールF,ビスフェノールSのようなフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂などが挙げられる。特に吸湿時の耐電食性に優れる点で、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂が好ましい。
好ましいフェノール樹脂硬化剤としては、たとえば、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2149、フェノライトVH−4150、フェノライトVH4170などが挙げられる。
【0012】
本発明に使用する(C)放射線照射によって塩基を発生する化合物は、放射線照射時に塩基を発生する化合物であれば特に制限は受けない。発生する塩基としては、反応性、硬化速度の点から強塩基性化合物が好ましい。一般的には、塩基性の指標として酸解離定数の対数であるpKa値が使用され、水溶液中でのpKa値が7以上の塩基が好ましく、さらに9以上の塩基がより好ましい。
このような塩基性を示す例としては、イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン等のピペラジン誘導体、ピペリジン、1,2−ジメチルピペリジン等のピペリジン誘導体、プロリン誘導体、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等のトリアルキルアミン誘導体、4−メチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の4位にアミノ基またはアルキルアミノ基が置換したピリジン誘導体、ピロリジン、n−メチルピロリジン等のピロリジン誘導体、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1(DBU)等の脂環式アミン誘導体、ベンジルメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン等のベンジルアミン誘導体等が挙げられる。
【0013】
前記塩基性化合物を放射線照射によって発生するものとしては、例えば、Journal of Photopolymer Science and Technology 12巻、313〜314項(1999年)やChemistry of Materials 11巻、170〜176項(1999年)等に記載されている4級アンモニウム塩誘導体を用いることができる。これらは、活性光線の照射により高塩基性のトリアルキルアミンを生成するため、エポキシ樹脂の硬化には最適である。
また、Journal of American ChemicalSociety 118巻 12925頁(1996年)やPolymer Journal 28巻 795頁(1996年)等に記載されているカルバミン酸誘導体を用いることができる。
また、活性光線の照射により1級のアミノ基を発生するオキシム誘導体、光ラジカル発生剤として市販されている2−メチル−1(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(Ciba SpecialityChemicals社製イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(Ciba Speciality Chemicals社製イルガキュア369)、ヘキサアリールビスイミダゾール誘導体(ハロゲン、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基等の置換基がフェニル基に置換されていてもよい)、ベンゾイソオキサゾロン誘導体等を用いることができる。
【0014】
前記活性光線による塩基発生剤の他に、光フリース転位、光クライゼン転位(光Cleisen転位)やクルチウス転位(Curtius転位)、スチーブンス転位(Stevens転位)によって塩基性化合物を発生させ、エポキシ樹脂の硬化を行うことができる。
前記塩基発生剤は、分子量500以下の低分子化合物として用いる他、高分子の主鎖及び側鎖に導入した化合物を用いても良い。この場合の分子量としては、粘接着剤としての粘接着性、流動性の観点から重量平均分子量1,000〜100,000が好ましく、より好ましくは5,000〜30,000である。
これらの化合物は、室温で放射線を照射しない状態ではエポキシ樹脂と反応性を示さないため、室温での貯蔵安定性は非常に優れているという特徴を持つ。
【0015】
本発明の接着シートを形成する粘接着層および接着層は、加熱硬化した段階で、貯蔵弾性率が25℃で10〜2000MPaであり、260℃で3〜50MPaであることが好ましい。25℃での弾性率は、20〜1900MPaがより好ましく、50〜1800MPaが特に好ましい。また、260℃での弾性率は、5〜50MPaがより好ましく、7〜50MPaが特に好ましい。貯蔵弾性率がこの範囲にあると、半導体素子と支持部材との熱膨張係数の差によって発生する熱応力を緩和させる効果が保たれ、剥離やクラックの発生を抑制できるとともに、粘接着剤及び接着剤の取り扱い性、粘接着層接着層の厚み精度、リフロークラックの発生を抑制できる。
この貯蔵弾性率は、たとえば、動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4)を使用し、接着剤硬化物に引張荷重をかけて、周波数10Hz、昇温速度5〜10℃/minの条件で−50℃から300℃まで測定する、温度依存性測定モードによって行うことができる。
本発明になる(2)異なる2種類以上からなる基材フィルム層の少なくとも1種類(2−1)の25℃での引張弾性率は2000MPa以上であり、好ましくは2200MPa以上であり、さらに好ましくは2400MPa以上である。また、その他少なくとも1種類(2−2)の25℃での引張弾性率は1000MPa以下であり、好ましくは800MPa以下であり、さらに好ましくは600MPa以下である。この引張弾性率は、JIS K7113号に準じて測定されたものである。
本発明になる接着シートは、(1)粘接着層、(2−1)基材フィルムおよび(2−2)基材フィルムが、(2−2)基材フィルム/(2−1)基材フィルム/(1)粘接着層の順で積層されているが、(2−2)基材フィルムと(2−1)基材フィルムの間にその他の基材フィルムを挟み込むこともできる。
この際、(2−1)基材フィルムの引張弾性率が2000MPa未満、および(2−2)基材フィルムの引張弾性率が1000MPaを超えると、半導体素子のピックアップが困難になる傾向がある。
(2−1)基材フィルムとしては、引張弾性率が上記の値以上であれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム等を使用することができる。
また、(2−2)基材フィルムとしても、引張弾性率が上記の値未満であれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ酢酸ビニル等のフィルムあるいは、これら同士または他の重合成分との共重合フィルム等のポリオレフィン系フィルムを使用することができる。
【0016】
基材フィルム同士の積層方法としては特に制限はないが、例えば基材フィルム同士を粘着剤又は接着剤で張り合わせる方法が挙げられる。また、基材フィルム同士の積層方法として、別々に作製した基材フィルムをラミネートする方法、ある基材フィルム上にもう一方の基材フィルムを押出しラミネートする方法、2種類以上の基材フィルムを押出し塗工しながら貼り合せる方法、ある基材フィルムの原料となるポリマーを溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、別の基材フィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去する方法等、公知の方法を使用することができる。
また、本発明の接着シートを形成する粘接着層には、硬化促進剤を添加することもできる。硬化促進剤には、特に制限が無く、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等を用いることができる。これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
硬化促進剤の添加量は、(B)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜3重量部がより好ましい。添加量がこの範囲にあると、硬化性と保存安定性を両立することができる。
【0017】
本発明の接着シートを形成する粘接着層には、可とう性や耐リフロークラック性を向上させる目的で、エポキシ樹脂と相溶性がある高分子量樹脂を添加することができる。このような高分子量樹脂としては、特に限定されず、たとえばフェノキシ樹脂、高分子量エポキシ樹脂、超高分子量エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
エポキシ樹脂と相溶性がある高分子量樹脂の使用量は、エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、40重量部以下とすることが好ましい。この範囲であると、エポキシ樹脂層のTgを確保できる。
また、本発明の接着シートを形成する粘接着層には、その取り扱い性向上、熱伝導性向上、溶融粘度の調整およびチキソトロピック性付与などを目的として、無機フィラーを添加することもできる。無機フィラーとしては、特に制限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が挙げられ、フィラーの形状は特に制限されるものではない。これらのフィラーは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
中でも、熱伝導性向上のためには、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。また、溶融粘度の調整やチキソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカなどが好ましい。
無機フィラーの使用量は、粘接着層あるいは接着層100重量部に対して1〜20重量部が好ましい。1重量部未満だと添加効果が得られない傾向があり、20重量部を超えると、粘接着層あるいは接着層の貯蔵弾性率の上昇、粘接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題を起こす傾向がある。
【0018】
また、本発明の接着シートを形成する粘接着層には、異種材料間の界面結合を良くするために、各種カップリング剤を添加することもできる。カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系、アルミニウム系等が挙げられ、中でも効果が高い点でシラン系カップリング剤が好ましい。
上記シラン系カップリング剤としては、特に制限はなく、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノプロピルトリメトキシシラン、3−4,5−ジヒドロイミダゾール−1−イル−プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルジメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキエトキシ)シラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、トリメチルシリルイソシアネート、ジメチルシリルイソシアネート、メチルシリルトリイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリイソシアネート、テトライソシアネートシラン、エトキシシランイソシアネートなどを使用することができ、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0019】
また、チタン系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(n−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアエチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタンチリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テタラプロピルオルソチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス−トリエタノールアミノチタネート、オクチレングリコールチタネート、テトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートなどを使用することができ、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0020】
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトイス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウム=モノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−iso−プロポキシド−モノエチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム−sec−ブチレート、アルミニウムエチレート等のアルミニウムアルコレートなどを使用することができ、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。上記カップリング剤の使用量は、その効果や耐熱性及びコストの面から、(B)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、0.01〜10重量部とするのが好ましい。
【0021】
本発明の接着シートを形成する粘接着層には、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、さらにイオン捕捉剤を添加することもできる。このようなイオン捕捉剤としては、特に制限はなく、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤等の、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物、ジルコニウム系、アンチモンビスマス系マグネシウムアルミニウム化合物等の無機イオン吸着剤などが挙げられる。
上記イオン捕捉剤の使用量は、添加による効果や耐熱性、コスト等の点から、(B)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。
本発明接着シートは、接着シートを形成する組成物を溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、基材フィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去することによって得ることができる。
本発明の接着シートは、ダイシング工程終了後、放射線を接着シートに照射し、放射線重合性を有する接着シートを重合硬化せしめ、接着シートと基材層界面の接着力を低下させて半導体素子のピックアップを可能にするものである。
【0022】
本発明において照射する放射線は、150〜750nmの波長域を持つ活性光線であり、紫外線、遠紫外線、近紫外線、可視光線、電子線、赤外線、近赤外線などがある。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプを使用して0.01〜10000J/cm2で照射することができる。
本発明接着シートは、接着シートを形成する組成物を溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、基材フィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去することによって得ることができる。
また、上記のワニス化するための溶剤としては、特に限定されないが、フィルム作製時の揮発性などを考慮すると、たとえば、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどの比較的低沸点の溶媒を使用するのが好ましい。また、塗膜性を向上させるなどの目的で、たとえば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノンなどの比較的高沸点の溶媒を使用することもできる。これらの溶媒は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
無機フィラーを添加した際のワニスの製造には、無機フィラーの分散性を考慮して、らいかい機、3本ロール、ボールミル及びビーズミルなどを使用するのが好ましく、また、これらを組み合わせて使用することもできる。また、無機フィラーと低分子量の原料をあらかじめ混合した後、高分子量の原料を配合することによって、混合する時間を短縮することもできる。また、ワニスとした後、真空脱気等によってワニス中の気泡を除去することもできる。
基材フィルムへのワニスの塗布方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
接着シートの厚みは、特に制限はないが、粘接着層、基材層ともに5〜250μmが好ましい。5μmより薄いと応力緩和効果が乏しくなる傾向があり、250μmより厚いと経済的でなくなる上に、半導体装置の小型化の要求に応えられない。
また、本発明の接着シートは、所望のシート厚を得るために、さらに1又は2以上の粘接着層あるいは接着層を半導体ウェハと基材層との間に挟むように設けてもよい。この場合、前記所望により設けられる粘接着層あるいは接着剤層として、前記の方法によって調製されたものの他に、従来公知の方法によって調製されたものを用いることができる。前記所望により設けられる接着層として、商業的に入手可能な接着シート、例えば、ポリイミド系、シリコンオリゴマー系、ゴム−エポキシ系、エポキシ系接着剤を用いることができる。但し、粘接着剤あるいは接着剤同士、または粘接着剤と接着剤の剥離が発生しないような貼り合わせ条件を従来公知の技術に基づいて考慮する必要がある。
【0023】
以上説明したような構成の接着シートに放射線照射すると、放射線照射後には基材と接着シート界面の粘着力は大きく低下し、容易に半導体素子に粘接着層を保持したまま該接着シートの基材フィルムからピックアップすることができる。本発明の接着シートの粘接着層は、放射線照射のみで基材の接着力を低下させる方法以外に放射線照射と同時あるいは放射線照射後に硬化反応を促進する目的で加熱を併用しても良い。加熱を併用することにより、より低温短時間での接着力低下が可能となる。加熱温度は、粘接着層の分解点以下であれば特に制限は受けないが、50〜170℃の温度が好ましい。
【0024】
続いて、本発明に係る接着シートの使用方法について図1〜図8を参照しながら説明するが、本発明の使用方法が以下の方法に限定されないことはいうまでもない。尚、図中同一の機能を有するものについては同一の符号を付してその説明を省略する。
図1には基材フィルム1と、基材フィルム2とを備える基材フィルム層10が開示されており、図2には前記構成要件に加えてさらに粘着剤3を備える接着シート20が開示されている。
【0025】
2種類の基材フィルム1,2を有する基材フィルム層10(図1)上に粘接着剤3を塗布し、基材フィルム1,2を備えた接着シート20(図2)を作製した後、この粘接着層の上面にダイシング加工すべき半導体ウェハAを貼着する(図3)。
この貼着状態で半導体ウェハAに図4のようにダイシング、洗浄、乾燥の工程が加えられる。この際、粘接着層3により半導体ウェハAは接着シート20に充分に粘着保持されているので、上記各工程の間に半導体ウェハAが脱落することはない。
尚、図4にはダイシングカッター6を用いてウェハAをダイシングすることで太線で示される切込みが設けられ、そして半導体素子A1、A2、A3が得られることが示されている。
次に、図5に示すように、放射線Bを接着シートの粘接着層3に照射し、放射線重合性を有する接着シートの一部又は大部分を重合硬化せしめる。この際、放射線照射と同時あるいは放射線照射後に硬化反応を促進する目的で加熱を併用しても良い。加熱を併用することにより、より低温短時間での接着力低下が可能となる。加熱温度は、粘接着層の熱分解温度以下であれば特に制限は受けないが、50〜170℃の温度が好ましい。
接着シート20への放射線照射は、図5中矢印Bで示されるように接着シート20の粘接着層3が設けられていない面から行う。この場合前述のように、放射線としてUVを用いる場合には基材フィルム1は光透過性であることが必要であるが、放射線としてEBを用いる場合には基材フィルム2は必ずしも光透過性である必要はない。
放射線照射後、ピックアップすべき半導体素子A1、A2、A3を例えば吸引コレット4によりピックアップする。この際、ピックアップすべき半導体素子A1、A2、A3を基材フィルム1、2の下面から、例えば針扞等により突き上げることもできる。半導体素子A1と粘接着層3との間の粘着力は、粘接着層3と基材フィルム2との間の粘着力よりも大きいため、半導体素子A1のピックアップを行うと、粘接着層3は半導体素子A1の下面に付着した状態で剥離する(図7参照)。次いで、半導体素子を粘接着層3を介して半導体素子搭載用支持部材5に載置し加熱する。加熱により粘接着層3は接着力が発現し、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材との接着が完了する(図8参照)。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は、これらに限定されるものではない。
(製造例1)
基材フィルムの作製
エバフレックス EEA−A709(三井デュポンポリケミカル(株)製商品名、エチレン−酢酸ビニル共重合ポリマー)にメチルエチルケトンを加えて攪拌混合し、真空脱気した。このワニスを、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)、テイジンテトロンフィルムG2−16)上に乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布し、80℃で5分間加熱乾燥した後、エバフレックス EEA−A709上にソフタッチ SPA−01(タマポリ(株)製商品名、ポリオレフィン系フィルム、膜厚100μm)を貼り合せて、SPA−01(100μm)/エバフレックス EEA−A709(5μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(16μm)からなる基材フィルム(F−1)を得た。なお、基材フィルム(F−1)を構成する各成分の引張弾性率をJIS K7113号に準じて引張速度:5mm/minで測定したところ、SPA−01:105MPa,エバフレックス EEA−A709:100MPa,ポリエチレンテレフタレートフィルム:2600MPaであった。
(合成例1)
2−ニトロベンジルアルコール30gをテトラヒドロフラン300g中に室温でマグネチックスターラーを用いてかくはんして溶解させた。この溶液に、予め混合しておいた4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート24.5g、テトラヒドロフラン100gからなる溶液を30分かけて滴下し、室温で1時間かくはんした。この後、リービッヒ冷却管をセットし、オイルバスにて60℃に加熱しながら2時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、ロータリーエバポレーターを用いて反応液が半分になるまで濃縮した。
得られた濃縮液を1000重量部のn−へキサン中に添加すると、白色沈殿物を得た。この沈殿物を吸引ろ過し、真空下60℃で一晩乾燥して目的の2−ニトロベンジルカルバミン酸誘導体を得た。収量49.5g(収率91%)であった。
(合成例2)
p−ニトロ安息香酸メチルエステル(2.00g、11mmol)、N,N−ジメチルヒドラジン(0.66g、11mmol)、フェニルグリシジルエーテル(1.66g、11mmol)をtert−ブタノール(15.0g)に添加し、50℃で10時間攪拌した後、さらに室温(25℃)で48時間攪拌したところ、白色沈殿が生成した。これを濾別した後、酢酸エチルで2度洗浄し、真空乾燥機で乾燥させてアミンイミド化合物を得た。収量3.67g、収率85%、融点146−147℃あった。
【0027】
(実施例1)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlフラスコに、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン41.05g(0.1モル)及びN−メチル−2−ピロリドン150gを仕込み攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)52.2g(0.1モル)を少量ずつ添加した。室温で3時間反応させたのち、キシレン30gを加え、窒素ガスを吹き込みながら150℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去した。その反応液を水中に注ぎ、沈殿したポリマーを濾別し、乾燥してポリイミド樹脂を得た。
このポリイミド樹脂50g、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:ESCN−195)10g、フェノールノボラック樹脂(明和化成(株)製、商品名:H−1)5.3g、テトラフェニルホシホニウムテトラフェニルボラート(北興化学(株)製、商品名:TPPK)0.2g、合成例1で得られた2−ニトロベンジルカルバミン酸誘導体0.2gを、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン200g中に加えて溶解させる。これを良く攪拌し、均一に分散させて接着剤ワニスを得た。このワニスを、製造例1で得られた基材フィルム(F−1)のポリエチレンテレフタレート上に塗布し、90℃で15分間加熱乾燥して、膜厚が50μmのBステージ状態のフィルム状粘接着層を備えた接着シート(接着シート1)を得た。
得られた接着シート1を用いて、半導体チップと厚み25μmのポリイミドフィルムを基材に用いた配線基板を接着シートで貼り合せた半導体装置サンプル(片面にはんだボールを形成、半導体チップと接着層、ポリイミドフィルムを基材に用いた配線基板と粘接着層が接するように貼り合せ)を作製し、耐熱性及び耐湿性を調べた。耐熱性の評価方法には、耐リフロークラック性と温度サイクル試験を適用した。耐リフロークラック性の評価は、サンプル表面の最高温度が240℃でこの温度を20秒間保持するように温度設定したIRリフロー炉にサンプルを通し、室温で放置することにより冷却する処理を2回繰り返したサンプル中のクラックを目視と超音波顕微鏡で視察した。クラックの発生していないものを○とし、発生していたものを×とした。耐温度サイクル性は、サンプルを−55℃雰囲気に30分間放置し、その後125℃の雰囲気に30分間放置する工程を1サイクルとして、1000サイクル後において超音波顕微鏡を用いて剥離やクラック等の破壊が発生していないものを○、発生したものを×とした。また、耐湿性評価は、温度121℃、湿度100%、2.03×105Paの雰囲気(プレッシャークッカ−テスト:PCT処理)で72時間処理後に剥離を観察することにより行った。剥離の認められなかったものを○とし、剥離のあったものを×とした。
一方、接着シート1を厚さ150μmのシリコンウェハ上に接着層側がシリコンウェハと接するように貼付け、接着シート付きシリコンウェハをダイシング装置上に載置した。次いで、半導体ウェハをダイシング装置上に固定して100mm/secの速度で5mm×5mmにダイシングし、ダイシング時のチップ飛びを評価した。さらに、(株)オーク製作所製UV−330 HQP−2型露光機を使用して、500mJ/cm2の露光量で接着シートの支持体フィルム側から露光し、基材フィルムをエキスパンド後、ピックアップ装置にてダイシングしたチップをピックアップし、ピックアップ性を評価するとともに、ピックアップ時の垂直方向の剥離力をロードセルによって測定し、ピックアップ荷重とした。
さらに、上記接着シート付きシリコンウェハに500mJ/cm2の露光量で接着シートの支持体フィルム側から露光し、露光前後の接着シート/基材界面の接着強度を、90°ピール強度で測定した(引張り速度 50m/min)。これらの評価結果をまとめて表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
(実施例2)
合成例1で得られた2−ニトロベンジルカルバミン酸誘導体を合成例2で得られたアミンイミド化合物に変えた以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着シート(接着シート2)を得た。
得られた接着シート2を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0030】
(比較例1)
実施例1において、合成例1で得られた2−ニトロベンジルカルバミン酸誘導体を除いた以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着シート(接着層と粘接着層を併せた厚みが51μm)(接着シート3)を得た。
得られた接着シート3を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、基材フィルム(F−1)を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)、テイジンテトロンフィルムG2−50)にした以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着シート(接着シート4)を得た。
得られた接着シート4を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例2において、基材フィルム(F−1)を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)、テイジンテトロンフィルムG2−50)にした以外は実施例2と全く同様の操作を行い、接着シート(接着シート5)を得た。
得られた接着シート5を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0031】
ピックアップ性:ピックアップダイボンダーにより、ダイシング後のチップをピックアップしたときのピックアップできた確率(%/100チップ)を示した。
表1から、本発明の接着シートは耐熱性および耐湿性に優れ、ダイシング時のチップ飛びも無く、ピックアップ性も良好である。また、露光前後の接着強度差が大きいため、作業条件の許容度が大きいため、作業条件の許容度が大きく、作業性に優れるものである。さらに、ダイシング後、チップピックアップの際に基材フィルムをエキスパンドすることによってピックアップ荷重を低減できるので、薄型および大型チップ用の接着シートとしても有用である。
【0032】
【発明の効果】
本発明の接着シートは、ダイシング工程ではダイシングテープとして、半導体素子と支持部材の接合工程では接続信頼性に優れる接着剤として使用することができ、また、半導体搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に必要な耐熱性、耐湿性を有し、かつ作業性に優れるものである。
また、本発明の接着シートを使用した半導体装置の製造方法は、製造工程を簡略化でき、しかも製造した半導体装置は、半導体搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に必要な耐熱性、耐湿性および作業性を兼ね備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接着シートの基材フィルム層の一例の断面図である。
【図2】基材フィルム層と、粘接着層とを備えた本発明に係る接着シートの一例の断面図である。
【図3】本発明に係る接着シートに半導体ウェハを貼着した状態を示す図である。
【図4】本発明に係る接着シートを半導体ウェハのダイシング工程に用いた場合の説明図である。
【図5】図4に示す工程の後、接着シートに、裏面から放射線を照射した状態を示す図である。
【図6】図5に示す工程の後、半導体素子をピックアップする工程を示す図である。
【図7】ピックアップされた半導体素子と粘接着層を示す図である。
【図8】半導体素子を半導体素子搭載用支持部材に熱圧着した状態を示す図である。
【符号の説明】
1…基材フィルム(2−2)
2…基材フィルム(2−1)
3…粘接着層
4…吸引コレット
5…半導体素子搭載用支持部材
6…ダイシングカッター
10…基材フィルム層
20…接着シート
A…半導体ウェハ
A1、A2、A3…半導体素子
B…放射線
Claims (8)
- (1)粘接着剤層と、(2)基材フィルム層とを備える熱重合性および放射線重合性接着シートであって、
前記粘接着剤層は(A)ポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤、(C)放射線照射によって塩基を発生する化合物を含み、
前記基材フィルム層は異なる2種類以上の基材フィルム層で構成されている熱重合性および放射線重合性接着シート。 - 前記(1)粘接着剤層は、前記(A)ポリイミド樹脂を100重量部、(B)前記エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を1〜200重量部、および(C)放射線照射によって塩基を発生する化合物0.01〜200重量部含有する請求項1に記載の接着シート。
- 前記(C)放射線照射によって塩基を発生する化合物は、水溶液中におけるpKaが7以上の塩基を放射線照射によって発生する請求項1または請求項2に記載の接着シート。
- 前記(2)基材フィルム層は、(2−1)25℃で2000MPa以上の引張弾性率を有する基材フィルム層と、(2−2)25℃で1000MPa以下の引張弾性率を有する基材フィルム層とを少なくとも有する請求項1〜3のいずれかに記載の接着シート。
- 前記(1)粘接着層と、前記(2―1)基材フィルム層と、および前記(2−2)基材フィルムは、(2−2)基材フィルム層/(2−1)基材フィルム層/粘接着層の順で積層されている請求項1〜4のいずれかに記載の接着シート。
- 放射線の照射により、前記粘接着剤層と基材フィルム層との間の接着力が制御される請求項1〜5のいずれかに記載の接着シート。
- 前記請求項1〜6のいずれかに記載の接着シートを用いて、半導体素子と半導体搭載用支持部材とを接着した半導体装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の接着シートを、前記粘接着層を挟んで半導体ウェハに貼り付ける工程と;前記半導体ウェハをダイシングして粘接着層付き半導体素子を形成する工程と;ダイシング後において前記接着シートに放射線を照射して前記粘接着層を硬化させその後前記基材フィルム層を剥離する工程と;前記粘接着層付き半導体素子と半導体素子搭載用の支持部材とを前記接着シートを介して接着する工程と;を有する半導体装置の製造方法。
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