JP3918519B2 - 接着シートならびに半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着シート、それを使用した半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材の接合には、銀ペーストが主に使用されていた。ところが、近年の半導体素子の小型化・高性能化に伴い、使用される支持部材にも小型化、細密化が要求されるようになったことから、前記銀ペーストでは、はみ出しや半導体素子の傾きに起因するワイヤボンディング時における不具合の発生、接着剤層の膜厚の制御困難性、および接着剤層のボイド発生などにより前記要求に対処しきれなくなってきている。そのため、近年、フィルム状接着剤が使用されるようになってきた。
【0003】
このフィルム状接着剤は、その使用方法から、個片貼付け方式あるいはウェハ裏面貼付け方式に大別される。ここで、両者の違いを明確にするべく、例として半導体装置を製造する際のそれぞれの使用法を概説する。
【0004】
前者の個片貼付け方式のフィルム状接着剤を用いて半導体装置を製造するには、リール状の接着フィルムをカッティングあるいはパンチングによって個片に切り出した後、その個片を支持部材に接着し;前記フィルム状接着剤付き支持部材にダイシング工程によって個片化された半導体素子を接合して半導体素子付き支持部材を作製し;その後、必要に応じてワイヤボンド工程、封止工程などを経ることによって、半導体装置が得られることとなる。
【0005】
しかし、前記個片貼付け方式のフィルム状接着剤を使用するには、接着フィルムを切り出して支持部材に接着する専用の組立装置が必要であることから、銀ペーストを使用する方法に比べて製造コストが高くなるという問題があった。
【0006】
一方、後者のウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤を用いて半導体装置を製造するには、まず半導体ウェハの裏面にフィルム状接着剤を貼付け、さらにフィルム状接着剤の他面にダイシングテープを貼り合わせ;その後、前記ウェハからダイシングによって半導体素子を個片化し;個片化したフィルム状接着剤付き半導体素子をピックアップし、それを支持部材に接合し;その後の加熱、硬化、ワイヤボンドなどの工程を経ることにより、半導体装置が得られることとなる。
【0007】
このウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤は、フィルム状接着剤付き半導体素子を支持部材に接合するため、フィルム状接着剤を個片化する装置を必要とせず、従来の銀ペースト用の組立装置をそのまま、あるいは熱盤を付加するなどの装置の一部を改良することにより使用できるため、フィルム状接着剤を用いた組立方法の中で、製造コストが比較的安く抑えられる方法として注目されている。
【0008】
このウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤と共に用いられるダイシングテープは、感圧型とUV型ダイシングテープに大別される。
前者の感圧型ダイシングテープは、通常、ポリ塩化ビニル系やポリオレフィン系のベースフィルムに粘着剤を塗布したものである。このダイシングテープは、ダイシング工程における切断時には、ダイシングソウによる回転で各素子が飛散しないような十分な粘着力が求められ、ピックアップ時には、各素子に接着剤が付着することなくまた素子を傷つけないようにするために、ピックアップできる程度の低い粘着力が求められる。
【0009】
ところが、前記のような相反する2つの性能を充分併せ持つ感圧型ダイシングテープがなかったことより、各工程毎にダイシングテープを切替える作業が行われていた。また素子のサイズや加工条件にあった各種の粘着力を有する多種多様のダイシングテープが必要になることから接着シートの在庫管理が複雑化していた。
【0010】
さらに、近年、特にCPUやメモリの大容量化が進んだ結果半導体素子が大型化する傾向にあり、またICカードあるいはメモリーカードなどの製品にあっては使用されるメモリの薄型化が進んでいる。これらの半導体素子の大型化や薄型化に伴い、前記感圧型ダイシングテープでは、ダイシング時の固定力(高粘着力)とピックアップ時の剥離力(低粘着力)という相反する要求を満足できなくなりつつある。
【0011】
一方、UV型ダイシングテープは、ダイシング時には高粘着力を有するものの、ピックアップする前に紫外線(UV)を照射することにより低粘着力になる。
【0012】
そのため、前記感圧型テープが有する課題が改善されることより、ダイシングテープとして広く採用されるに至っている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、UV型ダイシングテープを用いることにより前記感圧型ダイシングテープの課題は改善されるものの、ウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤にはさらに改善すべき課題が残されていた。
即ち、ウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤を用いる方法にあっては、前記ダイシング工程までに、フィルム状接着剤と、ダイシングテープを貼付するといった2つの貼付工程が必要となることから作業が煩雑になるという問題があった。そのため、作業工程の簡略化が求められていた。
【0014】
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑み、ダイシング工程ではダイシングテープとして作用し、半導体素子と支持部材との接合工程では接続信頼性に優れる接着シートとして作用する接着シートを提供することを目的とする。また、本発明は、半導体素子搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に要求される耐熱性および耐湿性を有し、かつ作業性に優れる接着シートを提供することを目的とする。本発明は、さらに、製造工程を簡略化できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【問題を解決するための手段】
本発明は、以下の発明に関する。
<1> 粘接着剤層と、基材層とを備える熱重合性および放射線重合性接着シートであって、
前記粘接着剤層は、(A)ポリイミド樹脂と、(B)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤と、(C)放射線重合性化合物とを含み、
前記基材層は、40mN/cmを超える表面張力を有し、
前記粘接着剤層と前記基材層との界面における放射線照射前の接着強度は、200mN/cm以上であることを特徴とする接着シート。
【0016】
<2> 前記接着シートにおいて、放射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の接着強度比(照射後接着強度/照射前接着強度)が0.5以下である前記<1>記載の接着シート。
【0017】
<3> 前記接着シートにおいて、放射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の接着強度差(照射前接着強度−照射後接着強度)が100mN/cm以上である前記<1>記載の接着シート。
【0018】
<4> 前記粘接着剤層は、前記(A)ポリイミド樹脂を100重量部、前記(B)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を1〜200重量部、および前記(C)放射線重合性化合物を5〜400重量部含有する、前記<1>〜<3>記載の接着シート。
【0019】
<5> 放射線照射後の接着強度が100mN/cm以下である前記<1>〜<4>記載の接着シート。
【0020】
<6> 前記粘接着剤層と基材層との間の接着力は、放射線を照射することにより制御される、前記<1>〜<5>記載の接着シート。
【0021】
<7> 前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の接着シートを用いて、半導体素子と半導体搭載用支持部材とを接着した半導体装置。
【0022】
<8> (a)前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の粘接着剤層と基材層とを有してなる接着シートを、前記粘接着剤層を挟んで半導体ウェハ上に設けることにより接着シート付き半導体ウェハを得る工程と、
(b)前記接着シート付き半導体ウェハをダイシングして接着シート付き半導体素子を得る工程と、
(c)前記接着シートに放射線を照射して前記粘接着剤層の前記基材層に対する接着力を低減し、かつ前記基材層を剥離して粘接着剤層付き半導体素子を得る工程と、
(d)前記粘接着剤層付き半導体素子と半導体素子搭載用の支持部材とを前記粘着剤層を介して接着する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の接着シートについて説明する。
好ましい1実施態様としての、本発明の接着シートは、(A)ポリイミド樹脂を100重量部、前記エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を1〜200重量部、および(C)側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性化合物を5〜400重量部含有する粘接着剤層と、表面張力が40mN/mを超える基材層とを有する。これにより、熱重合性および放射線重合性の両方の性質を備える接着シートを得ることができる。
【0024】
本発明の接着シートは、ダイシング時には半導体素子が飛散しない十分な粘着力を有し、その後放射線を照射して、前記粘接着剤層と基材層との間の接着力を制御することにより、ピックアップ時には各素子を傷つけることがないような低い粘着力を有する、という相反する要求を満足するものであり、ダイシングおよびダイボンドの各工程を、一枚のフィルムで完了することができる。ダイシング時(放射線照射前)の粘着力は、例えば、ダイシングすべき半導体ウェハに上記接着シートを室温または加熱しながら圧着して貼り付けた後、基材層のみを、引張り角度:90°、引張り速度:50mm/minで引張った時のピール剥離力(接着強度)が200mN/cm以上であり、250mN/cm以上であることがより好ましく、300mN/cm以上であることがさらに好ましい。この値が200mN/cmに満たないと、ダイシング時に半導体素子が飛散する可能性がある。
【0025】
また本発明において、射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の前記90°ピール剥離力による接着強度比(照射後接着強度/照射前接着強度)が0.5以下であり、0.4以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。この値が0.5よりも大きいと、ピックアップ時に各素子を傷つける傾向がある。一方、前記接着強度比(照射後接着強度/照射前接着強度)の下限は特に制限されるものではないが、例えば作業性の観点からは、0.0001以上であることが好ましい。
【0026】
また本発明において、放射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の前記90°ピール剥離力による接着強度差(照射前接着強度−照射後接着強度)は100mN/cm以上であり、150mN/cm以上であることがより好ましく、200mN/cmであることがさらに好ましい。この値が100mN/cm未満だと、ピックアップ時に各素子を傷つける傾向がある。
【0027】
本発明のポリイミド樹脂は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを公知の方法で縮合反応させて得ることができる。すなわち、有機溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを等モル又はほぼ等モル用い(各成分の添加順序は任意)、反応温度80℃以下、好ましくは0〜60℃で付加反応させる。反応が進行するにつれ反応液の粘度が徐々に上昇し、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が生成する。
【0028】
上記ポリアミド酸は、50〜80℃の温度で加熱して解重合させることによって、その分子量を調整することもできる。
ポリイミド樹脂は、上記反応物(ポリアミド酸)を脱水閉環させて得ることができる。脱水閉環は、加熱処理する熱閉環法と、脱水剤を使用する化学閉環法で行うことができる。
ポリイミド樹脂の原料として用いられるテトラカルボン酸二無水物としては特に制限は無く、例えば、1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7−(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8−(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9−(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,18−(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、ピロメリット酸ニ無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’、3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパンニ無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパンニ無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタンニ無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタンニ無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ−〔2,2,2〕−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2、−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物等を使用することができ、これらの1種または2種以上を併用することもできる。
【0029】
また、ポリイミドの原料として用いられるジアミンとしては特に制限は無く、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテメタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルフォン、3,5−ジアミノ安息香酸等の芳香族ジアミン、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、下記一般式(I)
【化1】
(式中、R1及びR2は炭素原子数1〜30の二価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R3及びR4は一価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、mは1以上の整数である)
で表されるジアミノポリシロキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、サン テクノケミカル(株)製 ジェファーミン D−230,D−400,D−2000,D−4000,ED−600,ED−900,ED−2001,EDR−148等のポリオキシアルキレンジアミン等の脂肪族ジアミン等を使用することができ、これらの1種または2種以上を併用することもできる。
【0030】
本発明に使用するエポキシ樹脂は、硬化して接着作用を呈するものであれば特に制限は無く、例えば、油化シェルエポキシ(株)製 エピコート807,815,825,827,828,834,1001,1004,1007,1009、ダウケミカル社製 DER−330,301,361、東都化成(株)製 YD8125,YDF8170等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製 エピコート152,154、日本化薬(株)製 EPPN−201、ダウケミカル社製 DEN−438等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬(株)製 EOCN−102S,103S,104S,1012,1025,1027、東都化成(株)製 YDCN701,702,703,704等のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製 Epon 1031S、チバスペシャリティーケミカルズ社製 アラルダイト0163、ナガセ化成(株)製 デナコールEX−611,614,614B,622,512,521,421,411,321等の多官能エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製 エピコート604、東都化成(株)製 YH−434、三菱ガス化学(株)製 TETRAD−X,TETRAD−C、住友化学(株)製 ELM−120等のアミン型エポキシ樹脂、チバスペシャリティーケミカルズ社製 アラルダイトPT810等の複素環含有エポキシ樹脂、UCC社製 ERL4234,4299,4221,4206等の脂環式エポキシ樹脂などを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
【0031】
エポキシ樹脂の硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられているものを使用でき、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三ふっ化ほう素、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であるビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、多官能フェノール及びフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂等のフェノール類などが挙げられるが、特に吸湿時の耐電食性に優れるため、フェノール類を使用するのが好ましい。
【0032】
本発明に使用する(C)放射線重合性化合物には、特に制限は無く、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、ペンテニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,2−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート、下記一般式(II)
【化2】
(式中、R5は水素又はメチル基を示し、q及びrは1以上の整数である)
で表される化合物、ジオール類及び、一般式(III)
【化3】
(式中、nは0〜1の整数であり、R6は炭素原子数が1〜30の2価あるいは3価の有機性基である)
で表されるイソシアネート化合物及び、一般式(IV)
【化4】
(式中、R7は水素又はメチル基であり、R8はエチレン基あるいはプロピレン基である)
で表される化合物からなるウレタンアクリレート又はウレタンメタクリレート、一般式(IV)
【化5】
(式中、R9は炭素原子数が2〜30の2価の有機基を示す)
で表されるジアミン及び、一般式(VI)
【化6】
(式中、nは0〜1の整数であり、R10は炭素原子数が1〜30の2価あるいは3価の有機性基である)
で表されるイソシアネート化合物及び、一般式(VII)
【化7】
(式中、nは0〜1の整数である)
で表される化合物からなる尿素メタクリレート、官能基を含むビニル共重合体に少なくとも1個のエチレン性不飽和基と、オキシラン環、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基等の1個の官能基を有する化合物を付加反応させて得られる側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性共重合等などを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
【0033】
また、本発明の接着剤組成物には、硬化促進剤を添加することもできる。硬化促進剤には、特に制限が無く、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等を用いることができる。これらは1種又は2種以上を併用することもできる。
【0034】
硬化促進剤の添加量は、1分子内に3個以上のグリシジル基を含有し、常温で液状である多官能エポキシ樹脂及び硬化剤との総量100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、0.2〜3質量部がより好ましい。添加量が0.1質量部以下だと硬化性が劣る傾向があり、5質量部以上だと保存安定性が低下する傾向がある。
【0035】
また、本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、活性光の照射によって遊離ラジカルを生成する光重合開始剤を添加することもできる。このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体などを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
【0036】
上記光重合開始剤の使用量としては、特に制限はないが、(C)放射線重合性共重合体100質量部に対して通常0.01〜30重量部である。
【0037】
本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、可とう性や耐リフロークラック性を向上させる目的で、エポキシ樹脂と相溶性がある高分子量樹脂を添加することができる。このような高分子量樹脂としては、特に制限はなく、例えば、フェノキシ樹脂、高分子量エポキシ樹脂、超高分子量エポキシ樹脂などを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
【0038】
エポキシ樹脂と相溶性がある高分子量樹脂の使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、40重量部以下とするのが好ましい。40重量部を超えると、エポキシ樹脂層のTgが低下する傾向がある。
【0039】
また、本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、その取り扱い性向上、熱伝導性向上、溶融粘度の調整及びチキソトロピック性付与等の目的のため、無機フィラーを添加することもできる。無機フィラーとしては、特に制限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が挙げられ、フィラーの形状は特に制限されるものではない。これらのフィラーは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0040】
中でも、熱伝導性向上のためには、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。また、溶融粘度の調整やチキソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカなどが好ましい。
【0041】
無機フィラーの使用量は、粘接着剤層100体積部に対して1〜20体積部が好ましい。1体積部未満だと添加効果が得られない傾向があり、20体積部を超えると、接着剤層の貯蔵弾性率の上昇、接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題を起こす傾向がある。
【0042】
また、本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、異種材料間の界面結合を良くするために、各種カップリング剤を添加することもできる。カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系、アルミニウム系等が挙げられ、中でも効果が高い点でシラン系カップリング剤が好ましい。
【0043】
上記シラン系カップリング剤としては、特に制限はなく、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノプロピルトリメトキシシラン、3−4,5−ジヒドロイミダゾール−1−イル−プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルジメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキエトキシ)シラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、トリメチルシリルイソシアネート、ジメチルシリルイソシアネート、メチルシリルトリイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリイソシアネート、テトライソシアネートシラン、エトキシシランイソシアネートなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
【0044】
また、チタン系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(n−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアエチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタンチリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テタラプロピルオルソチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス−トリエタノールアミノチタネート、オクチレングリコールチタネート、テトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
【0045】
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトイス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウム=モノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−iso−プロポキシド−モノエチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム−sec−ブチレート、アルミニウムエチレート等のアルミニウムアルコレートなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
【0046】
上記カップリング剤の使用量は、その効果や耐熱性及びコストの面から、(A)ポリイミド樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量部とするのが好ましい。
【0047】
本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、さらにイオン捕捉剤を添加することもできる。このようなイオン捕捉剤としては、特に制限はなく、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤等の、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物、ジルコニウム系、アンチモンビスマス系マグネシウムアルミニウム化合物等の無機イオン吸着剤などが挙げられる。
【0048】
上記イオン捕捉剤の使用量は、添加による効果や耐熱性、コスト等の点から、A)ポリイミド樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部が好ましい。
【0049】
本発明接着シートは、接着シートを形成する組成物を溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、基材層としての基材フィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去することによって得ることができる。
【0050】
本発明の接着シートに用いる基材層としては、40dyne/cmを超える表面張力を有するものであれば特に制限は無く、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポイエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0051】
上記溶剤としては、特に制限は無く、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、キシレン、ブチルセルソルブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノールジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノンなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
【0052】
無機フィラーを添加した際のワニスの製造には、無機フィラーの分散性を考慮して、らいかい機、3本ロール、ボールミル及びビーズミルなどを使用するのが好ましく、また、これらを組み合わせて使用することもできる。また、無機フィラーと低分子量の原料をあらかじめ混合した後、高分子量の原料を配合することによって、混合する時間を短縮することもできる。また、ワニスとした後、真空脱気等によってワニス中の気泡を除去することもできる。
【0053】
基材フィルムへのワニスの塗布方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
【0054】
接着シートの厚みは、特に制限はないが、粘接着剤層、基材層ともに5〜250μmが好ましい。5μmより薄いと応力緩和効果が乏しくなる傾向があり、250μmより厚いと経済的でなくなる上に、半導体装置の小型化の要求に応えられない。
【0055】
また、本発明の接着シートは、所望のシート厚を得るために、さらに1又は2以上の接着剤層又は粘接着剤層を半導体ウェハと粘接着剤層との間に挟むように設けてもよい。この場合、前記所望により設けられる粘接着剤層として、前記の方法によって調製されたものの他に、従来公知の方法によって調製されたものを用いることができる。前記所望により設けられる粘接着剤層として、商業的に入手可能な接着シート、例えば、ポリイミド系、シリコンオリゴマー系、ゴム−エポキシ系、エポキシ系接着剤を用いることができる。但し、粘接着剤層同士の剥離が発生しないような貼り合わせ条件を従来公知の技術に基づいて考慮する必要がある。
【0056】
以上説明したような構成を有する接着シートに放射線を照射すると、放射線照射後には粘接着剤層の基材層に対する接着力が大きく低下することとなる。そのため、後に説明するように半導体装置を製造する際のダイシング工程において本発明の接着シートを用いることにより、粘接着剤層と、基材層とが容易に剥離することとなる結果、粘接着剤層を付した半導体素子を好適にピックアップすることができる。
【0057】
続いて、本発明に係る接着シートの使用方法の1実施態様として本発明の接着シートを用いた半導体装置の製造方法について説明する。
(a)まず、接着シート上にダイシング加工すべき半導体ウェハを室温又は加熱しながら圧着して半導体ウェハ上に接着シートを設ける。
(b)その後、従来公知の技術に従って、前記接着シートが表面に設けられた半導体ウェハのダイシング、及び前記ダイシング後に得られる半導体素子の洗浄、乾燥を行う。
この際、半導体ウェハ(素子)は接着シートに充分に接着保持されているので、上記各工程の間に半導体素子が飛び散ったり、また脱落することはない。
(c)次に、紫外線(UV)あるいは電子線(EB)等の放射線を接着シートに照射し、放射線重合性を有する接着シートの粘接着剤層を重合硬化せしめる。
【0058】
接着シートへの放射線照射は、放射線重合性を有する接着シートが重合硬化するのであれば特に制限されることなく、従来法に基づいて行われる。その際、その後のピックアップ作業においてピックアップ装置のレイアウトが自由になりまた作業スペースが広くとれるという観点から、あるいは前記接着シートの粘接着剤層が好適に重合硬化するという観点から、放射線照射は半導体ウェハが設置された作業台の下方から上方に向かって、即ち放射線が前記基材層を介して前記粘接着剤層に達するように照射することが都合がよい。
放射線としてEBを用いる場合には接着シートの基材フィルムは光透過性である必要はないが、放射線としてUVを用いる場合には接着シートの基材フィルムは光透過性である必要がある。
【0059】
(d)その後、ダイシングにより得られた前記粘接着剤層付き半導体素子をピックアップし、この粘接着剤層を付した半導体素子を半導体素子搭載用支持部材上に室温又は加熱しながら圧着する。
この際、前記のように放射線照射後に粘接着剤層の基材層に対する接着力が大きく低下することに起因して基材層が容易に剥離されるため、粘接着剤層を付した半導体素子が好適にピックアップされることとなる。また、加熱によって粘接着剤層は信頼性に耐える接着力を発現し、半導体素子と前記支持部材が接着されることとなる。
【0060】
(e)さらに、従来公知の方法に基づいて、ボンディング、封止等の所定の工程を経ることにより半導体装置が得られることとなる。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。本発明は、これらに限定されるものではない。
[放射線重合性化合物の合成]
(合成例1)
攪拌機、滴下ロート、冷却管及び窒素導入管を備えた四ツ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル90.0質量部及びトルエン60.0質量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、メタクリル酸エチル45.0質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル35.0質量部、メタクリル酸20.0質量部及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)1.0質量部の混合液を4時間かけて均一に滴下した。滴下後、80℃±2℃で6時間攪拌を続けた後、ヒドロキノン0.05質量部を添加した。ヒドロキノン添加後、反応系を100℃に昇温し、0.5時間かけてメタクリル酸グリシジル33.0質量部、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム0.1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.0質量部及びトルエン20.0質量部の混合液を滴下した。滴下後、100℃で20時間攪拌を続けた後、室温に冷却して、重量平均分子量が28,000、ガラス転移温度が約5℃の側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性化合物(A−1)を得た。
【0062】
(合成例2)
攪拌機、滴下ロート、冷却管及び窒素導入管を備えた四ツ口フラスコに、VESTANAT IPDI(ダイセル・ヒュルス(株)製商品名、イソフォロンジイソシアネート)888質量部及び酢酸エチル789質量部を仕込み70℃に昇温後、70〜75℃に保温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート232質量部、PTG650SN(保土ヶ谷化学(株)製商品名、ポリオキシテトラメチレングリコール、数平均分子量約650)1950質量部、ヒドロキノンモノメチルエーテル1.53質量部、L101(東京ファインケミカル(株)製商品名、ジブチル錫ラウレート)1.53質量部及び酢酸エチル526質量部の混合液体を3時間で均一滴下し反応を行った。滴下完了後約5時間反応させ、IR測定によってイソシアネート基が消失したことを確認し反応を終了し、放射線重合性化合物(A−2)を得た。
【0063】
(合成例3)
攪拌機、滴下ロート、冷却管及び窒素導入管を備えた四ツ口フラスコに、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン197.06g(0.48モル)及びγ−ブチロラクトン318.14gを仕込んだ後、30℃に昇温し、30〜40℃に保ちながら、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート50.4g(0.24モル)を少量ずつ滴下した。滴下後、30℃で1時間反応を続けた後、カレンズMOI(昭和電工(株)製商品名、イソシアネートエチルメタクリレート)70.68g(0.456モル)及びヒドロキノンモノメチルエーテル0.318gを、30℃に保ちながら、少量ずつ滴下した。滴下後、30℃以下で2時間反応を続け、放射線重合化合物(A−3)を得た。
【0064】
(実施例1)
(接着シート1の調製)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlフラスコに、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン41.05g(0.1モル)及びN−メチル−2−ピロリドン150gを仕込み攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)52.2g(0.1モル)を少量ずつ添加した。室温で3時間反応させたのち、キシレン30gを加え、窒素ガスを吹き込みながら150℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去した。その反応液を水中に注ぎ、沈殿したポリマーを濾別し、乾燥してポリイミド樹脂を得た。
このポリイミド樹脂50g、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:ESCN−195)10g、フェノールノボラック樹脂(明和化成(株)製、商品名:H−1)5.3g、テトラフェニルホシホニウムテトラフェニルボラート(北興化学(株)製、商品名:TPPK)0.2g、合成例1で得られた側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性化合物(A−1)13.1g及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.2gを、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン200g中に加えて溶解させた。これを良く攪拌し、均一に分散させて接着剤ワニスを得た。この接着剤ワニスを、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:G2−50、表面張力50dyne/cm)上に塗布し、150℃で20分間加熱乾燥して、基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を備えた膜厚が50μmの接着シート(基材を除いた接着シートの厚みが50μm)(接着シート1)を作製した。
【0065】
(半導体装置サンプルの調製)
得られた接着シート1を用いて、半導体チップと、厚み25μmのポリイミドフィルムを基材に用いた配線基板とを接着シートで貼り合せた半導体装置サンプル(片面にはんだボールを形成)を作製した。
即ち、表面酸化膜付きシリコンウェハをダイシングして得られた10mm×10mm×0.33mmtのチップに、あらかじめ10mm×10mmの大きさに切断した接着シート1を仮圧着した後、配線付ポリイミド基板に180℃、0.02MPa、5secの条件で熱圧着した。その後、日立化成工業(株)製封止材(CEL−9120)で180℃、20secの条件で封止し、180℃、5時間硬化して半導体装置(12mm×12mm×0.79mmt)を得た。
【0066】
(評価)
前記半導体装置サンプルについて、以下のようにして耐熱性及び耐湿性を調べた。
耐熱性の評価方法には、耐リフロークラック性と温度サイクル試験を適用した。
【0067】
耐リフロークラック性の評価は、サンプル表面の最高温度が240℃でこの温度を20秒間保持するように温度設定したIRリフロー炉にサンプルを通し、室温で放置することにより冷却する処理を2回繰り返したサンプル中のクラックを目視と超音波顕微鏡で視察した。クラックの発生していないものを○とし、発生していたものを×とした。
耐温度サイクル性は、サンプルを−55℃雰囲気に30分間放置し、その後125℃の雰囲気に30分間放置する工程を1サイクルとして、1000サイクル後において超音波顕微鏡を用いて剥離やクラック等の破壊が発生していないものを○、発生したものを×とした。
また、耐湿性評価は、温度121℃、湿度100%、2.03×105Paの雰囲気(プレッシャークッカ−テスト:PCT処理)で72時間処理後に剥離を観察することにより行った。剥離の認められなかったものを○とし、剥離のあったものを×とした。
【0068】
さらに、接着シート1を用いて、以下のようにしてダイシング時のチップ飛び及びピックアップ性の評価、並びに接着強度の測定を行った。
まず、接着シート1を厚さ150μmのシリコンウェハ上に貼付け、この接着シート1付きシリコンウェハをダイシング装置上に載置した。次いで、シリコンウェハをダイシング装置上に固定して100mm/secの速度で5mm×5mmにダイシングした。その後、(株)オーク製作所製UV−330 HQP−2型露光機を使用して、500mJ/cm2の露光量で接着シート1の支持体フィルム側から露光し、ピックアップ装置にてダイシングしたチップをピックアップした。
その際、ダイシング時のチップ飛びが有ったか否かを観察すると共に、ピックアップ性を評価した。
また、上記接着シート付きシリコンウェハに500mJ/cm2の露光量で接着シートの支持体フィルム側から露光し、露光前後の接着シート/基材層界面の接着強度を、90°ピール強度で測定した(引張り速度:50m/min)。これらの評価結果をまとめて表1に示す。
【0069】
(実施例2)
実施例1において、側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性化合物(A−1)を合成例2で得られた放射線重合性化合物(A−2)にした以外は実施例1と全く同様の操作を行い、基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を備えた膜厚が50μmの接着シート(基材を除いた接着シートの厚みが50μm)(接着シート2)を作製した。
得られた接着シート2を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0070】
(実施例3)
実施例1において、側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性化合物(A−1)を合成例3で得られた放射線重合性化合物(A−3)にした以外は実施例1と全く同様の操作を行い、基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を備えた膜厚が50μmの接着シート(基材を除いた接着シートの厚みが50μm)(接着シート3)を作製した。
【0071】
(比較例1)
実施例1において、接着剤組成物を塗布する基材を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:G2−50、表面張力50dyne/cm)から、片面離型処理ポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、ピュ−レックスS−31、厚さ50μm、表面張力25dyne/cm)にし、その離型処理面に塗布した以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着シート4を得た。得られた接着シート4を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0072】
(比較例2)
実施例2において、接着剤組成物を塗布する基材を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:G2−50、表面張力50dyne/cm)から、片面離型処理ポリエチレンテレフタレート(テイジン(株)製、ピュ−レックスS−31、厚さ50μm、表面張力25dyne/cm)にし、その離型処理面に塗布した以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着シート5を得た。得られた接着シート5を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0073】
(比較例3)
実施例3において、接着剤組成物を塗布する基材を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:G2−50、表面張力50dyne/cm)から、片面離型処理ポリエチレンテレフタレート(テイジン(株)製、ピュ−レックスS−31、厚さ50μm、表面張力25dyne/cm)にし、その離型処理面に塗布した以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着シート6を得た。得られた接着シート6を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0074】
(比較例4)
実施例1において、側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性化合物(A−1)及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを除いた以外は実施例1と全く同様の操作を行い、接着シート7を得た。得られた接着シート7を実施例1と同様の条件で評価した結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
表1から、本発明の接着シートは耐熱性および耐湿性に優れ、ダイシング時のチップ飛びも無く、ピックアップ性も良好である。さらに、露光前後の接着強度差が大きいことから明らかなように、作業条件の許容度が大きいため、作業性に優れるものである。
【0076】
【発明の効果】
本発明の接着シートは、ダイシング工程ではダイシングテープとして、半導体素子と支持部材の接合工程では接続信頼性に優れる接着剤として使用することができる。
本発明の接着シートは、半導体搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に求められる所定の耐熱性、耐湿性を有し、かつ作業性に優れるものである。
また、本発明の接着シートを使用した半導体装置の製造方法は、製造工程を簡略化でき、しかも製造した半導体装置は、半導体搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に必要な耐熱性、耐湿性および作業性を兼ね備えるものである。
Claims (8)
- 粘接着剤層と、基材層とを備える熱重合性および放射線重合性接着シートであって、
前記粘接着剤層は、(A)ポリイミド樹脂と、(B)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤と、(C)放射線重合性化合物とを含み、
前記基材層は、40mN/cmを超える表面張力を有し、
前記粘接着剤層と前記基材層との界面における放射線照射前の接着強度は、200mN/cm以上であることを特徴とする接着シート。 - 前記接着シートにおいて、放射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の接着強度比(照射後接着強度/照射前接着強度)が0.5以下である請求項1記載の接着シート。
- 前記接着シートにおいて、放射線照射前後の粘接着剤層/基材層界面の接着強度差(照射前接着強度−照射後接着強度)が100mN/cm以上である請求項1記載の接着シート。
- 前記粘接着剤層は、前記(A)ポリイミド樹脂を100重量部、前記(B)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を1〜200重量部、および前記(C)放射線重合性化合物を5〜400重量部含有する、請求項1〜3記載の接着シート。
- 放射線照射後の接着強度が100mN/cm以下である請求項1〜4記載の接着シート。
- 前記粘接着剤層と基材層との間の接着力は、放射線を照射することにより制御される、請求項1〜5記載の接着シート。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の接着シートを用いて、半導体素子と半導体搭載用支持部材とを接着した半導体装置。
- (a)請求項1〜6のいずれか1項記載の粘接着剤層と基材層とを有してなる接着シートを、前記粘接着剤層を挟んで半導体ウェハ上に設けることにより接着シート付き半導体ウェハを得る工程と、
(b)前記接着シート付き半導体ウェハをダイシングして接着シート付き半導体素子を得る工程と、
(c)前記接着シートに放射線を照射して前記粘接着剤層の前記基材層に対する接着力を低減し、かつ前記基材層を剥離して粘接着剤層付き半導体素子を得る工程と、
(d)前記粘接着剤層付き半導体素子と半導体素子搭載用の支持部材とを前記粘着剤層を介して接着する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
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