JP2004035324A - チタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法 - Google Patents
チタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】溶液の取扱い及び成膜が容易であり、均質な膜を強固に形成でき、さらに従来に比べコストを著しく低減できるチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法を得ることを課題とする。
【解決手段】チタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒に希釈したチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液、及びチタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒により希釈し、これを基板に塗布・乾燥又は塗布・乾燥後、空気中で加熱することを特徴とするチタン化合物薄膜の形成方法。
【解決手段】チタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒に希釈したチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液、及びチタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒により希釈し、これを基板に塗布・乾燥又は塗布・乾燥後、空気中で加熱することを特徴とするチタン化合物薄膜の形成方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液の取扱い及び成膜が容易であり、均質な膜を強固に形成できるチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタン膜は、高温相で形成されるルチル型と低温相で形成されるアナターゼ型があり、約30年ほど前に後者に光触媒作用があることが発見された。
現在、このアナターゼ型酸化チタン膜は、光触媒としての機能以外に、抗菌作用、自動車用ガラスの曇り止め、白ペンキの汚れ防止、ダイオキシンやNOx分解への適用等が考えられており、より有効かつ低コストで生産できるアナターゼ型酸化チタン膜材料の開発が期待されている。
【0003】
従来、アナターゼ型酸化チタン膜を形成する方法として、ゾルゲル成膜法又はこれを変形又は一部改良した多数の技術が提案されている。
このゾルゲル法によるアナターゼ型酸化チタン膜形成の基本は、例えばTi(OR)4、H2O、CH3CH2OHの混合溶液を加水分解及び縮重合させてゾルゲルの前駆体溶液を作成し、これを基板に塗布及び乾燥後、空気中で加熱、酸化して酸化チタン膜とするものである。
【0004】
このようなゾルゲル法を用いたアナターゼ型酸化チタン膜の製法は、Ti(OR)4の扱いのために窒素雰囲気のグローブボックスが必要であること、前駆体溶液の合成は窒素雰囲気中で蒸留装置を用いて80〜120°Cに加熱する必要があること、前駆体溶液の合成に長時間を要すること、前駆体溶液の安定性が悪く長期保存ができないこと、一度の塗布・乾燥・加熱処理によって形成できる膜厚が薄いこと、形成された膜が脆くかつ剥離し易いことなどの多くの欠点を持っている。
例えば、一度の塗布・乾燥・加熱処理によって形成できる膜厚が薄いために、前駆体溶液の塗布、乾燥、焼成という工程を何回も繰返すことにより積層成膜しなければならず、生産効率が著しく悪いという欠点があった。
結果として、アナターゼ型酸化チタン膜が脆弱で、コスト高になるという不利があり、依然として有効なアナターゼ型酸化チタン膜が得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、溶液の取扱い及び成膜が容易であり、均質な膜を強固に形成でき、さらに従来に比べコストを著しく低減できるチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法、特に酸化チタン薄膜形成用前駆体溶液及び酸化チタン薄膜形成方法を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来のゾルゲル法の拠らない前駆体溶液を開発することにより、溶液の取扱い及び成膜が容易であり、均質な膜を強固に形成でき、かつコストを低減できるとの知見を得た。
この知見に基づき本発明は、
1.チタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒に希釈したチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液
2.チタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒により希釈し、これを基板又は基材に塗布・乾燥又は塗布・乾燥後、空気中で加熱することを特徴とするチタン化合物薄膜の形成方法
3.室温(25°C)以上の温度で加熱することを特徴とする前記2記載のチタン化合物薄膜の形成方法。
4.300°C〜650°Cの温度で加熱することを特徴とする前記2記載のチタン化合物薄膜の形成方法
5.相対湿度60%以下の環境下で、塗布・乾燥又は加熱処理を行なうことを特徴とする前記2〜4のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜の形成方法
6.ディップ法、スクリーン印刷法、スピンコート法又はスプレー法によって塗布することを特徴とする前記2〜5記載のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜の形成方法
7.溶媒により5倍〜100倍に希釈することを特徴とする前記1〜6のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液又はチタン化合物薄膜の形成方法
8.溶媒により10倍〜50倍に希釈することを特徴とする前記6に記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法
9.光触媒、ガラス,レンズ,メガネ,鏡等の光学機器用親水性膜、防汚若しくは抗菌膜、紫外線防止膜、光沢若しくは光輝膜、電気絶縁膜、腐食防止膜の少なくとも何れかを、セラミックス、ガラス、樹脂、金属等の基材に形成することを特徴とする前記1〜8のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法
10.チタン化合物が酸化チタンであることを特徴とする前記1〜9のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法
11.基板又は基材への溶媒の塗布時に、基板又は基材を加熱する若しくは温風を吹き当てる又は作業環境を乾燥雰囲気下にすることを特徴とする上記2〜9のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜の形成方法
を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、チタン酸エステル[Ti(OR)4](R:アルキル又はアリール基)を溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒に希釈したチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液を使用することに大きな特徴を有する。
チタン酸エステルは、四塩化チタンとナトリウムアルコキシドを反応させる方法又はアンモニア又はピリジンのような有機塩基の存在で四塩化チタンとアルコールを反応させることによって得ることができる。しかし、このチタン酸エステルは、これらの製法に限定されず、他の製法によって製造しても良い。
本発明に使用するチタン酸エステルの好適な例として、チタンテトライソプロポキシド、チタン−n−ブチルモノマーを挙げることができる。しかし、この例に制限される必要はなく、他のチタン酸エステルを使用することもできる。
【0008】
チタン酸エステル[Ti(OR)4]は、Rがメチルのときは固体で、エチル以上で粘っこい無色ないしは微黄色の油状の液体、Rが長くなるとロウ状の固体となる。チタン酸エステルは水又は湿った空気に合うと急速に加水分解し、同時に縮合するという性質を有する。
本発明においては、このような加水分解を避ける必要があり、加水分解するような条件では、目的を達成することができない。この点は、非常に重要な問題である。
上記に述べた従来の技術であるゾルゲル法によるアナターゼ型酸化チタン膜を形成する方法は、このような加水分解及び縮重合させてゾルゲルの前駆体溶液を作成することを前提とする技術なので、本願発明とは明確に異なるものである。
【0009】
チタン酸エステルは空気中では、徐々に水分を吸収して加水分解する。この過程での加水分解を抑制する方法として、本発明の、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒に希釈することであり、これが極めて重要な役割を有する。
溶媒は水分の浸入を防止するとともに、基板又は基材への塗布作業時に、揮発した溶媒の蒸気が、チタン酸エステルと空気の接触を妨げ、その結果空気中の水分の影響を受け難くする効果を有する。
基板又は基材への塗布作業時の水分の吸収を極力さけるために、相対湿度60%以下の環境下で、塗布・乾燥又は加熱処理を行なうことが望ましい。しかし、この条件は必須なものではなく情況に応じて適宜実施する。
【0010】
また、溶媒の塗布作業に、基板又は基材を加熱し結露を防止することが望まれる。溶媒は揮発するときに気化熱を奪うので、急速に温度が低下し、結露し易い状況となる。結露し水分が入ると、コーティング膜は白濁する。この白濁部を顕微鏡観察すると微細な酸化チタン粒子の塊となっており、これは数ミクロン程度の水滴と濃くなったチタン酸エステルが反応して形成されたものと推定される。溶媒が盛んに揮発するときは、溶媒蒸気に大気中の水分が遮蔽されて結露することがないが、その力が弱くなったときに、結露し易くなる。
【0011】
この場合、例えばスピンコーティングする際に、基板に溶液を滴下させ、基板全面が濡れた状態となった段階で、基板の回転を始めると同時に、微温かつ微風を基板に当てて、結露を防止することができる。厳密に言えば、溶媒の蒸発終了寸前に温風を当てても、結露を防止することができる。
送風の温度は室温よりもやや高め、例えば35°Cの温度で、2〜3m/sの風を適用すると良い。この温度や風速は条件に応じて、適宜設定できるもので70°C程度までの風を送ることができる。強い風は、溶媒の蒸発による遮蔽効果を妨げることになるので、強風を適用する必要はない。
【0012】
加熱方法は、上記のようなやわらかな温風の吹付け以外に、基板又は基材そのものの加熱、あるいは作業場を結露を防止する乾燥雰囲気下にすることによって、同様の効果を達成することができる。
溶媒の蒸発により、コーティングされた膜は干渉色を呈してくる。この色は数十秒で安定するが、この状態になると透明薄膜は白濁する虞がなくなる。
このようにして形成された膜は、空気中で乾燥することにより透明な薄膜が形成される。しかし、一時間程度の空気中乾燥では、膜はエタノール洗浄で除去できる。しかし、数時間の空気中乾燥によりエタノールで不溶となる。アナターゼ型酸化チタン膜の形成を促進させるためには、後述する加熱が望ましい。
【0013】
溶媒としては、水を含まずチタン酸エステルを溶解するものを使用することができる。例えば、エタノール、n−アミルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、2−ブタノール、3−メチルブタノール、メトキシエタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素類等が使用できる。これらは一例であって、他の溶媒も使用することができる。
溶媒は単一のものばかりでなく、水を含まないものであれば何種類かを混合して使用でき、またその混合率には特に制限はない。溶媒そのものは揮発性であることが望ましいが、揮発性の高くないものであっても、揮発性の高い溶媒と混合して使用すれば、同様の効果を得ることができる。
また、溶媒は水を吸収しないものが望ましいが、若干の吸湿性を有するものであっても、それ自体が揮発性であるか、又は揮発性が高くないものであっても、揮発性の高い溶媒と混合使用することにより、同様の効果を得ることができる。本発明は、これらの溶媒の全てを包含する。なお、エタノールはやや吸湿性はあるが、脱水処理を施せば、エタノール単独でも十分に使用できる。
【0014】
チタン酸エステルをこれらの揮発溶媒により5倍〜100倍に希釈して、チタン化合物薄膜形成用前駆体溶液とする。好ましい揮発溶媒による希釈は10倍〜50倍であるが、用途に応じて又は薄膜の厚さあるいはチタン酸エステルの材料に応じて任意に調整することができる。コーティング方法としては、ディップ法、スクリーン印刷法、スピンコート法又はスプレー法を使用することができる。希釈溶媒の量が多すぎると膜厚が薄くなり、また希釈液が濃すぎる場合には、膜の剥離が生じ易くなるので、条件に応じて適宜調整する。
【0015】
チタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒により希釈した後、これを基板又は基材に塗布・乾燥するか又は塗布・乾燥後、空気中で加熱してチタン化合物薄膜を形成する。乾燥した状態でも絶縁膜又は腐食防止膜として使用することができる。
酸化チタン膜を形成する場合には、室温(25°C)以上の温度で加熱する。通常、300°C〜650°Cの温度で加熱して得られる。例えば、600°C3分間の加熱によりアナターゼ型酸化チタン膜が得られる。高温加熱の場合には、短時間加熱が望ましい。このようにして得たチタン薄膜は、薄膜中に亀裂がなく、密着力の大きい、例えば酸化チタンの透明の薄膜を形成することができる。このチタン薄膜は、光触媒、ガラス,レンズ,メガネ,鏡等の光学機器用親水性膜、防汚若しくは抗菌膜、紫外線防止膜、光沢若しくは光輝膜、電気絶縁膜及び腐食防止膜として有用であり、セラミックス、ガラス、樹脂、金属等の基材に形成することができる。
【0016】
前駆体溶液には、この他シリカ等をバインダーとして添加することもできる。本発明は、これらの付加的に添加する材料を包含する。
前記前駆体溶液の合成は、室温及び大気中で行うことができるので、従来のゾルゲル法で必要とされた窒素雰囲気のグローブボックスあるいは窒素雰囲気中で蒸留装置を用いて80〜120°Cに加熱するなどの必要が全くなくなるという著しい効果がある。
また、従来のゾルゲル法では溶液の合成に長時間(10〜24時間)を要していたが、本発明では溶媒で混合・希釈した後に、すぐ使用することができるという優れた特徴を有する。
さらに、このようにして得られた前駆体溶液は液の安定性が良く長期保存ができること、液の粘性を大きくできるので、一度の塗布・乾燥・加熱処理によって形成できる膜厚が厚くできること、形成された膜は亀裂が生じ難く、剥離しにくいなど、多くの利点があり、従来に比べコストを著しく低減できるチタン化合物膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物膜を得ることができるという優れた利点を有する。
【0017】
基材上に酸化チタン膜を形成するに際しては、まず上記の前駆体溶液を、ディップ法、スクリーン印刷法、スピンコート法又はスプレー法によってセラミックス、ガラス、樹脂、金属等の基材に塗布する。塗布後これを乾燥及び加熱し、さらに650°C以下に加熱して基材上に酸化チタン膜を形成する。
熱分析とX線回折によれば、219°Cから有機成分の分解が始まり、418°C付近でアナターゼ型酸化チタンが合成されて、700°Cで1時間加熱するとルチル型酸化チタンとなった。
【0018】
上記焼成温度は、焼成時間、膜厚、基材の種類との兼ね合いで調節する必要はあるが、650°Cを超える温度、例えば700°Cではルチル型酸化チタン膜となり易いので、650°C以下とするのが良い。特に、高温で加熱する際には、短時間加熱が望ましい。この焼成は大気中で行うことができる。
例えば、ガラス板に厚く成膜したものは、極めて均質な黄金色の薄膜となり、亀裂は認められない。また、鉄板に塗布・乾燥・加熱を3回繰り返して成膜したものは、20MΩ(メガオーム)レンジで測定不能な高い絶縁抵抗を示し、また1ヶ月間水道水につけても錆の発生が見られなかった。
【0019】
前記の通り、アナターゼ型酸化チタン膜の利用目的に応じて、例えば、光触媒、ガラス,レンズ,メガネ,鏡等の光学機器用親水性膜、防汚若しくは抗菌膜、紫外線防止膜、光沢若しくは光輝膜あるいは金属の絶縁膜、腐食防止膜を基材上に形成するのに使用できる。
また、基材は平板状のものだけでなく、曲面形状や複雑形状をした基材、繊維、クロス、パイプ、棒、箔、紙状の基材、粉粒、ブロック状体又はシリカゲルやガラス発泡体等の多孔質体に成膜することもできる。
メガネ枠にコーティングして抗菌作用を持たせ、あるいはメガネレンズにコーティングして超親水性による曇り止めとすることもでき、同様にして自動車のフロントガラスやリアガラスにコーティングし、曇り止めとすることができる。
このアナターゼ型酸化チタン膜は光沢若しくは光輝のある膜も形成できるが、これは美的効果があり、装飾用としても使用できる。
さらに、酸化チタンは紫外線を吸収するので、無着色でありながら紫外線防止用膜として使用することもできる。このように、本発明のアナターゼ型酸化チタン膜は多様な用途に適用できるという著しい特徴を有する。
【0020】
【実施例および比較例】
次に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲における他の例、態様あるいは変形等を当然含むものである。
【0021】
(実施例1)
チタン酸エステルとして、チタンテトライソプロポキシドを用い、また揮発性溶媒としてn−アミルアルコールを使用した。このn−アミルアルコールによりチタンテトライソプロポキシドを容積比で10倍に希釈し、前駆体溶液を作成した。そして、ガラス基板及びステンレス基板を回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、前記前駆体溶液を滴下し、塗布した。この時の相対湿度は50%であった。
前駆体溶液を塗布した後、空気中で乾燥した。そして、これを空気中で400°C、10分間加熱した。
この結果、ガラス基板及びステンレス基板に均一な膜が形成された。膜厚は、溶液の濃度、スピンコートの回転数によって調節可能であった。
【0022】
厚い被膜は淡黄金色となり、薄い被膜は無色となった。無色となったものでも光沢が増すので、肉眼でも未処理材とは明確に区別できた。なお、この光沢は、酸化チタンのダイヤモンドよりも大きな屈折力によるものである(アナターゼ型酸化チタンの屈折率は2.55、ダイヤモンドの屈折率は2.42である)。
コーティング膜は、X線回折によってアナターゼ型酸化チタンであることが確認できた。また被膜には亀裂がなく、光学的にも平滑であって、被膜を透過しても像の歪みは認められなかった。
未処理のガラス板と本実施例でコーティングしたガラス板とを冷蔵庫に入れ、冷えた後に取り出すと、未処理材ガラス板では結露によって曇ったが、前記コーティングしたガラス板は超親水性のために、曇りが全くなかった。
さらに、コーティング膜は指で強くこすっても酸化チタンの高い高度のために、傷が付かず、剥離することもなかった。
以上に示す通り、簡単な操作により、アナターゼ型酸化チタン膜が形成できるとともに、優れた特性が得られていることが確認できた。
上記の例において、溶媒としてn−アミルアルコールを使用したが、炭化水素系のヘキサンを使用した場合も同様な結果が得られた。
【0023】
(実施例2)
チタン酸エステルとして、チタン−n−ブチルモノマーを使用し、溶媒としてエタノール、n−アミルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、2−ブタノール、3−メチルブタノール、メトキシエタノール、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、ヘキサン、ベンゼンの15種を使用した。これらを用いて、チタン−n−ブチルモノマーを容積比でそれぞれ10倍に希釈し、15種の前駆体溶液を作成した。
一方、ガラス基板及びステンレス基板を、回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、15種の前記前駆体溶液を滴下し、塗布した。この時の相対湿度は55%であった。
前駆体溶液を塗布した後、空気中で乾燥した。そして、これを空気中で400°C、10分間加熱した。
この結果、ガラス基板(15種)及びステンレス基板(15種)の合計30種に、均一な膜が形成された。膜厚は、溶液の濃度、スピンコートの回転数によって調節可能であった。
【0024】
実施例1と同様に、厚い被膜は淡黄金色となり、薄い被膜は無色となった。無色となったものでも光沢がますので、肉眼でも未処理材とは明確に区別できた。光沢は、酸化チタンのダイヤモンドよりも大きな屈折力によるものである。
このコーティング膜は、X線回折によってアナターゼ型酸化チタンであることが確認できた。被膜には亀裂がなく、光学的にも平滑であって、被膜を透過しても像の歪みは認められなかった。
実施例1と同様に、コーティングした基板は超親水性のために、結露による曇りが全くなかった。また、コーティング膜は指で強くこすっても酸化チタンの高い高度のために、傷が付かず、剥離することもなかった。
【0025】
(実施例3)
チタン酸エステルとして、等量のチタンテトライソプロポキシドとチタン−n−ブチルモノマーを混合して用い、n−アミルアルコールにより容積比で10倍に希釈し、前駆体溶液を作成した。
そして、実施例1と同様に、ガラス基板及びステンレス基板を回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、前記前駆体溶液を滴下し、塗布した。この時の相対湿度は50%であった。
前駆体溶液を塗布した後、空気中で乾燥した。そして、これを空気中で400°C、10分間加熱した。
この結果は、実施例1と全く同じであり、良好なチタン酸化膜が得られた。
【0026】
(実施例4)
チタン酸エステルとして、チタンテトライソプロポキシドとチタン−n−ブチルモノマーを等量混合した。この混合チタン酸エステルを、2ブタノールとn−アミルアルコールを等量混合した溶媒で容積比10倍に希釈した。
この前駆体溶液を用いて、実施例1〜3と同様に、ガラス基板及びステンレス基板を回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、前記前駆体溶液を滴下し、塗布した。この時の相対湿度は50%であった。
前駆体溶液を塗布した後、空気中で乾燥した。そして、これを空気中で400°C、10分間加熱した。
この結果は、実施例1〜3と同じように、均一な透明なチタン酸化膜を得ることができた。
【0027】
(実施例5)
チタン酸エステルとして、チタン−n−ブチルモノマーを使用し、エタノール溶媒で容積比10倍に希釈した。
この前駆体溶液を用いて、実施例1〜3と同様に、ガラス基板及びステンレス基板を回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、前記前駆体溶液を滴下し塗布した。塗布時の相対湿度は83%であった。
スピンコートの際に、溶媒が蒸発すると同時に膜が白濁した。この白濁は、高湿度が原因と考えられる。
この時、回転する基板に35°Cの温風を、2m/sの風速で当てたところ、白濁を防止することができた。エタノールはやや吸湿性があり、湿度の影響を受け易いが、温風で基板を加熱することにより、湿度の影響を抑制することができた。これにより、基板の加熱が有効であることが分かる。
乾燥後、空気中で400°C、10分間加熱した。この結果は、実施例1〜3と同じように、均一な透明なチタン酸化膜を得ることができた。
【0028】
(比較例1)
チタン酸エステルとして、チタンテトライソプロポキシドを用い、また揮発性溶媒としてアセトンを使用した。このアセトンにより容積比で10倍に希釈し、前駆体溶液を作成した。この場合、アセトンは空気中の水分を吸収し、希釈倍率に関係なく液が白濁した。これはチタン酸エステルの加水分解により液が縮合したことによるものである。
そして、実施例1と同様に、ガラス基板及びステンレス基板を回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、前記前駆体溶液を滴下し、塗布した。この時の相対湿度は55%であった。
前駆体溶液を塗布した後、空気中で乾燥した。そして、これを空気中で400°C、10分間加熱した。この結果は、透明感がなく良質なチタン酸化膜は形成されなかった。
【0029】
【発明の効果】
本発明の前駆体溶液の処理は、室温及び大気中で行うことができるので、従来のゾルゲル法で必要とされた窒素雰囲気のグローブボックスあるいは窒素雰囲気中で蒸留装置を用いて80〜120°Cに加熱するなどの必要が全くなくなるという著しい効果がある。
また、従来のゾルゲル法では溶液の合成に長時間(10〜24時間)を要していたが、本発明では、前駆体溶液は混合するだけであり、また加熱処理は1時間以内(数分〜60分程度)なので、短時間で酸化チタン薄膜の形成が達成できるという利点がある。
さらに、液の粘性が調整できるので、一度の塗布・乾燥・加熱処理によって形成できる膜厚が厚くできること、さらに形成された膜は亀裂が生じ難く、剥離しにくいなど、多くの利点があり、従来に比べコストを著しく低減できるという優れた効果を有する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液の取扱い及び成膜が容易であり、均質な膜を強固に形成できるチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタン膜は、高温相で形成されるルチル型と低温相で形成されるアナターゼ型があり、約30年ほど前に後者に光触媒作用があることが発見された。
現在、このアナターゼ型酸化チタン膜は、光触媒としての機能以外に、抗菌作用、自動車用ガラスの曇り止め、白ペンキの汚れ防止、ダイオキシンやNOx分解への適用等が考えられており、より有効かつ低コストで生産できるアナターゼ型酸化チタン膜材料の開発が期待されている。
【0003】
従来、アナターゼ型酸化チタン膜を形成する方法として、ゾルゲル成膜法又はこれを変形又は一部改良した多数の技術が提案されている。
このゾルゲル法によるアナターゼ型酸化チタン膜形成の基本は、例えばTi(OR)4、H2O、CH3CH2OHの混合溶液を加水分解及び縮重合させてゾルゲルの前駆体溶液を作成し、これを基板に塗布及び乾燥後、空気中で加熱、酸化して酸化チタン膜とするものである。
【0004】
このようなゾルゲル法を用いたアナターゼ型酸化チタン膜の製法は、Ti(OR)4の扱いのために窒素雰囲気のグローブボックスが必要であること、前駆体溶液の合成は窒素雰囲気中で蒸留装置を用いて80〜120°Cに加熱する必要があること、前駆体溶液の合成に長時間を要すること、前駆体溶液の安定性が悪く長期保存ができないこと、一度の塗布・乾燥・加熱処理によって形成できる膜厚が薄いこと、形成された膜が脆くかつ剥離し易いことなどの多くの欠点を持っている。
例えば、一度の塗布・乾燥・加熱処理によって形成できる膜厚が薄いために、前駆体溶液の塗布、乾燥、焼成という工程を何回も繰返すことにより積層成膜しなければならず、生産効率が著しく悪いという欠点があった。
結果として、アナターゼ型酸化チタン膜が脆弱で、コスト高になるという不利があり、依然として有効なアナターゼ型酸化チタン膜が得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、溶液の取扱い及び成膜が容易であり、均質な膜を強固に形成でき、さらに従来に比べコストを著しく低減できるチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法、特に酸化チタン薄膜形成用前駆体溶液及び酸化チタン薄膜形成方法を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来のゾルゲル法の拠らない前駆体溶液を開発することにより、溶液の取扱い及び成膜が容易であり、均質な膜を強固に形成でき、かつコストを低減できるとの知見を得た。
この知見に基づき本発明は、
1.チタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒に希釈したチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液
2.チタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒により希釈し、これを基板又は基材に塗布・乾燥又は塗布・乾燥後、空気中で加熱することを特徴とするチタン化合物薄膜の形成方法
3.室温(25°C)以上の温度で加熱することを特徴とする前記2記載のチタン化合物薄膜の形成方法。
4.300°C〜650°Cの温度で加熱することを特徴とする前記2記載のチタン化合物薄膜の形成方法
5.相対湿度60%以下の環境下で、塗布・乾燥又は加熱処理を行なうことを特徴とする前記2〜4のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜の形成方法
6.ディップ法、スクリーン印刷法、スピンコート法又はスプレー法によって塗布することを特徴とする前記2〜5記載のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜の形成方法
7.溶媒により5倍〜100倍に希釈することを特徴とする前記1〜6のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液又はチタン化合物薄膜の形成方法
8.溶媒により10倍〜50倍に希釈することを特徴とする前記6に記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法
9.光触媒、ガラス,レンズ,メガネ,鏡等の光学機器用親水性膜、防汚若しくは抗菌膜、紫外線防止膜、光沢若しくは光輝膜、電気絶縁膜、腐食防止膜の少なくとも何れかを、セラミックス、ガラス、樹脂、金属等の基材に形成することを特徴とする前記1〜8のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法
10.チタン化合物が酸化チタンであることを特徴とする前記1〜9のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法
11.基板又は基材への溶媒の塗布時に、基板又は基材を加熱する若しくは温風を吹き当てる又は作業環境を乾燥雰囲気下にすることを特徴とする上記2〜9のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜の形成方法
を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、チタン酸エステル[Ti(OR)4](R:アルキル又はアリール基)を溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒に希釈したチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液を使用することに大きな特徴を有する。
チタン酸エステルは、四塩化チタンとナトリウムアルコキシドを反応させる方法又はアンモニア又はピリジンのような有機塩基の存在で四塩化チタンとアルコールを反応させることによって得ることができる。しかし、このチタン酸エステルは、これらの製法に限定されず、他の製法によって製造しても良い。
本発明に使用するチタン酸エステルの好適な例として、チタンテトライソプロポキシド、チタン−n−ブチルモノマーを挙げることができる。しかし、この例に制限される必要はなく、他のチタン酸エステルを使用することもできる。
【0008】
チタン酸エステル[Ti(OR)4]は、Rがメチルのときは固体で、エチル以上で粘っこい無色ないしは微黄色の油状の液体、Rが長くなるとロウ状の固体となる。チタン酸エステルは水又は湿った空気に合うと急速に加水分解し、同時に縮合するという性質を有する。
本発明においては、このような加水分解を避ける必要があり、加水分解するような条件では、目的を達成することができない。この点は、非常に重要な問題である。
上記に述べた従来の技術であるゾルゲル法によるアナターゼ型酸化チタン膜を形成する方法は、このような加水分解及び縮重合させてゾルゲルの前駆体溶液を作成することを前提とする技術なので、本願発明とは明確に異なるものである。
【0009】
チタン酸エステルは空気中では、徐々に水分を吸収して加水分解する。この過程での加水分解を抑制する方法として、本発明の、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒に希釈することであり、これが極めて重要な役割を有する。
溶媒は水分の浸入を防止するとともに、基板又は基材への塗布作業時に、揮発した溶媒の蒸気が、チタン酸エステルと空気の接触を妨げ、その結果空気中の水分の影響を受け難くする効果を有する。
基板又は基材への塗布作業時の水分の吸収を極力さけるために、相対湿度60%以下の環境下で、塗布・乾燥又は加熱処理を行なうことが望ましい。しかし、この条件は必須なものではなく情況に応じて適宜実施する。
【0010】
また、溶媒の塗布作業に、基板又は基材を加熱し結露を防止することが望まれる。溶媒は揮発するときに気化熱を奪うので、急速に温度が低下し、結露し易い状況となる。結露し水分が入ると、コーティング膜は白濁する。この白濁部を顕微鏡観察すると微細な酸化チタン粒子の塊となっており、これは数ミクロン程度の水滴と濃くなったチタン酸エステルが反応して形成されたものと推定される。溶媒が盛んに揮発するときは、溶媒蒸気に大気中の水分が遮蔽されて結露することがないが、その力が弱くなったときに、結露し易くなる。
【0011】
この場合、例えばスピンコーティングする際に、基板に溶液を滴下させ、基板全面が濡れた状態となった段階で、基板の回転を始めると同時に、微温かつ微風を基板に当てて、結露を防止することができる。厳密に言えば、溶媒の蒸発終了寸前に温風を当てても、結露を防止することができる。
送風の温度は室温よりもやや高め、例えば35°Cの温度で、2〜3m/sの風を適用すると良い。この温度や風速は条件に応じて、適宜設定できるもので70°C程度までの風を送ることができる。強い風は、溶媒の蒸発による遮蔽効果を妨げることになるので、強風を適用する必要はない。
【0012】
加熱方法は、上記のようなやわらかな温風の吹付け以外に、基板又は基材そのものの加熱、あるいは作業場を結露を防止する乾燥雰囲気下にすることによって、同様の効果を達成することができる。
溶媒の蒸発により、コーティングされた膜は干渉色を呈してくる。この色は数十秒で安定するが、この状態になると透明薄膜は白濁する虞がなくなる。
このようにして形成された膜は、空気中で乾燥することにより透明な薄膜が形成される。しかし、一時間程度の空気中乾燥では、膜はエタノール洗浄で除去できる。しかし、数時間の空気中乾燥によりエタノールで不溶となる。アナターゼ型酸化チタン膜の形成を促進させるためには、後述する加熱が望ましい。
【0013】
溶媒としては、水を含まずチタン酸エステルを溶解するものを使用することができる。例えば、エタノール、n−アミルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、2−ブタノール、3−メチルブタノール、メトキシエタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素類等が使用できる。これらは一例であって、他の溶媒も使用することができる。
溶媒は単一のものばかりでなく、水を含まないものであれば何種類かを混合して使用でき、またその混合率には特に制限はない。溶媒そのものは揮発性であることが望ましいが、揮発性の高くないものであっても、揮発性の高い溶媒と混合して使用すれば、同様の効果を得ることができる。
また、溶媒は水を吸収しないものが望ましいが、若干の吸湿性を有するものであっても、それ自体が揮発性であるか、又は揮発性が高くないものであっても、揮発性の高い溶媒と混合使用することにより、同様の効果を得ることができる。本発明は、これらの溶媒の全てを包含する。なお、エタノールはやや吸湿性はあるが、脱水処理を施せば、エタノール単独でも十分に使用できる。
【0014】
チタン酸エステルをこれらの揮発溶媒により5倍〜100倍に希釈して、チタン化合物薄膜形成用前駆体溶液とする。好ましい揮発溶媒による希釈は10倍〜50倍であるが、用途に応じて又は薄膜の厚さあるいはチタン酸エステルの材料に応じて任意に調整することができる。コーティング方法としては、ディップ法、スクリーン印刷法、スピンコート法又はスプレー法を使用することができる。希釈溶媒の量が多すぎると膜厚が薄くなり、また希釈液が濃すぎる場合には、膜の剥離が生じ易くなるので、条件に応じて適宜調整する。
【0015】
チタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒により希釈した後、これを基板又は基材に塗布・乾燥するか又は塗布・乾燥後、空気中で加熱してチタン化合物薄膜を形成する。乾燥した状態でも絶縁膜又は腐食防止膜として使用することができる。
酸化チタン膜を形成する場合には、室温(25°C)以上の温度で加熱する。通常、300°C〜650°Cの温度で加熱して得られる。例えば、600°C3分間の加熱によりアナターゼ型酸化チタン膜が得られる。高温加熱の場合には、短時間加熱が望ましい。このようにして得たチタン薄膜は、薄膜中に亀裂がなく、密着力の大きい、例えば酸化チタンの透明の薄膜を形成することができる。このチタン薄膜は、光触媒、ガラス,レンズ,メガネ,鏡等の光学機器用親水性膜、防汚若しくは抗菌膜、紫外線防止膜、光沢若しくは光輝膜、電気絶縁膜及び腐食防止膜として有用であり、セラミックス、ガラス、樹脂、金属等の基材に形成することができる。
【0016】
前駆体溶液には、この他シリカ等をバインダーとして添加することもできる。本発明は、これらの付加的に添加する材料を包含する。
前記前駆体溶液の合成は、室温及び大気中で行うことができるので、従来のゾルゲル法で必要とされた窒素雰囲気のグローブボックスあるいは窒素雰囲気中で蒸留装置を用いて80〜120°Cに加熱するなどの必要が全くなくなるという著しい効果がある。
また、従来のゾルゲル法では溶液の合成に長時間(10〜24時間)を要していたが、本発明では溶媒で混合・希釈した後に、すぐ使用することができるという優れた特徴を有する。
さらに、このようにして得られた前駆体溶液は液の安定性が良く長期保存ができること、液の粘性を大きくできるので、一度の塗布・乾燥・加熱処理によって形成できる膜厚が厚くできること、形成された膜は亀裂が生じ難く、剥離しにくいなど、多くの利点があり、従来に比べコストを著しく低減できるチタン化合物膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物膜を得ることができるという優れた利点を有する。
【0017】
基材上に酸化チタン膜を形成するに際しては、まず上記の前駆体溶液を、ディップ法、スクリーン印刷法、スピンコート法又はスプレー法によってセラミックス、ガラス、樹脂、金属等の基材に塗布する。塗布後これを乾燥及び加熱し、さらに650°C以下に加熱して基材上に酸化チタン膜を形成する。
熱分析とX線回折によれば、219°Cから有機成分の分解が始まり、418°C付近でアナターゼ型酸化チタンが合成されて、700°Cで1時間加熱するとルチル型酸化チタンとなった。
【0018】
上記焼成温度は、焼成時間、膜厚、基材の種類との兼ね合いで調節する必要はあるが、650°Cを超える温度、例えば700°Cではルチル型酸化チタン膜となり易いので、650°C以下とするのが良い。特に、高温で加熱する際には、短時間加熱が望ましい。この焼成は大気中で行うことができる。
例えば、ガラス板に厚く成膜したものは、極めて均質な黄金色の薄膜となり、亀裂は認められない。また、鉄板に塗布・乾燥・加熱を3回繰り返して成膜したものは、20MΩ(メガオーム)レンジで測定不能な高い絶縁抵抗を示し、また1ヶ月間水道水につけても錆の発生が見られなかった。
【0019】
前記の通り、アナターゼ型酸化チタン膜の利用目的に応じて、例えば、光触媒、ガラス,レンズ,メガネ,鏡等の光学機器用親水性膜、防汚若しくは抗菌膜、紫外線防止膜、光沢若しくは光輝膜あるいは金属の絶縁膜、腐食防止膜を基材上に形成するのに使用できる。
また、基材は平板状のものだけでなく、曲面形状や複雑形状をした基材、繊維、クロス、パイプ、棒、箔、紙状の基材、粉粒、ブロック状体又はシリカゲルやガラス発泡体等の多孔質体に成膜することもできる。
メガネ枠にコーティングして抗菌作用を持たせ、あるいはメガネレンズにコーティングして超親水性による曇り止めとすることもでき、同様にして自動車のフロントガラスやリアガラスにコーティングし、曇り止めとすることができる。
このアナターゼ型酸化チタン膜は光沢若しくは光輝のある膜も形成できるが、これは美的効果があり、装飾用としても使用できる。
さらに、酸化チタンは紫外線を吸収するので、無着色でありながら紫外線防止用膜として使用することもできる。このように、本発明のアナターゼ型酸化チタン膜は多様な用途に適用できるという著しい特徴を有する。
【0020】
【実施例および比較例】
次に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲における他の例、態様あるいは変形等を当然含むものである。
【0021】
(実施例1)
チタン酸エステルとして、チタンテトライソプロポキシドを用い、また揮発性溶媒としてn−アミルアルコールを使用した。このn−アミルアルコールによりチタンテトライソプロポキシドを容積比で10倍に希釈し、前駆体溶液を作成した。そして、ガラス基板及びステンレス基板を回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、前記前駆体溶液を滴下し、塗布した。この時の相対湿度は50%であった。
前駆体溶液を塗布した後、空気中で乾燥した。そして、これを空気中で400°C、10分間加熱した。
この結果、ガラス基板及びステンレス基板に均一な膜が形成された。膜厚は、溶液の濃度、スピンコートの回転数によって調節可能であった。
【0022】
厚い被膜は淡黄金色となり、薄い被膜は無色となった。無色となったものでも光沢が増すので、肉眼でも未処理材とは明確に区別できた。なお、この光沢は、酸化チタンのダイヤモンドよりも大きな屈折力によるものである(アナターゼ型酸化チタンの屈折率は2.55、ダイヤモンドの屈折率は2.42である)。
コーティング膜は、X線回折によってアナターゼ型酸化チタンであることが確認できた。また被膜には亀裂がなく、光学的にも平滑であって、被膜を透過しても像の歪みは認められなかった。
未処理のガラス板と本実施例でコーティングしたガラス板とを冷蔵庫に入れ、冷えた後に取り出すと、未処理材ガラス板では結露によって曇ったが、前記コーティングしたガラス板は超親水性のために、曇りが全くなかった。
さらに、コーティング膜は指で強くこすっても酸化チタンの高い高度のために、傷が付かず、剥離することもなかった。
以上に示す通り、簡単な操作により、アナターゼ型酸化チタン膜が形成できるとともに、優れた特性が得られていることが確認できた。
上記の例において、溶媒としてn−アミルアルコールを使用したが、炭化水素系のヘキサンを使用した場合も同様な結果が得られた。
【0023】
(実施例2)
チタン酸エステルとして、チタン−n−ブチルモノマーを使用し、溶媒としてエタノール、n−アミルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、2−ブタノール、3−メチルブタノール、メトキシエタノール、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、ヘキサン、ベンゼンの15種を使用した。これらを用いて、チタン−n−ブチルモノマーを容積比でそれぞれ10倍に希釈し、15種の前駆体溶液を作成した。
一方、ガラス基板及びステンレス基板を、回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、15種の前記前駆体溶液を滴下し、塗布した。この時の相対湿度は55%であった。
前駆体溶液を塗布した後、空気中で乾燥した。そして、これを空気中で400°C、10分間加熱した。
この結果、ガラス基板(15種)及びステンレス基板(15種)の合計30種に、均一な膜が形成された。膜厚は、溶液の濃度、スピンコートの回転数によって調節可能であった。
【0024】
実施例1と同様に、厚い被膜は淡黄金色となり、薄い被膜は無色となった。無色となったものでも光沢がますので、肉眼でも未処理材とは明確に区別できた。光沢は、酸化チタンのダイヤモンドよりも大きな屈折力によるものである。
このコーティング膜は、X線回折によってアナターゼ型酸化チタンであることが確認できた。被膜には亀裂がなく、光学的にも平滑であって、被膜を透過しても像の歪みは認められなかった。
実施例1と同様に、コーティングした基板は超親水性のために、結露による曇りが全くなかった。また、コーティング膜は指で強くこすっても酸化チタンの高い高度のために、傷が付かず、剥離することもなかった。
【0025】
(実施例3)
チタン酸エステルとして、等量のチタンテトライソプロポキシドとチタン−n−ブチルモノマーを混合して用い、n−アミルアルコールにより容積比で10倍に希釈し、前駆体溶液を作成した。
そして、実施例1と同様に、ガラス基板及びステンレス基板を回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、前記前駆体溶液を滴下し、塗布した。この時の相対湿度は50%であった。
前駆体溶液を塗布した後、空気中で乾燥した。そして、これを空気中で400°C、10分間加熱した。
この結果は、実施例1と全く同じであり、良好なチタン酸化膜が得られた。
【0026】
(実施例4)
チタン酸エステルとして、チタンテトライソプロポキシドとチタン−n−ブチルモノマーを等量混合した。この混合チタン酸エステルを、2ブタノールとn−アミルアルコールを等量混合した溶媒で容積比10倍に希釈した。
この前駆体溶液を用いて、実施例1〜3と同様に、ガラス基板及びステンレス基板を回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、前記前駆体溶液を滴下し、塗布した。この時の相対湿度は50%であった。
前駆体溶液を塗布した後、空気中で乾燥した。そして、これを空気中で400°C、10分間加熱した。
この結果は、実施例1〜3と同じように、均一な透明なチタン酸化膜を得ることができた。
【0027】
(実施例5)
チタン酸エステルとして、チタン−n−ブチルモノマーを使用し、エタノール溶媒で容積比10倍に希釈した。
この前駆体溶液を用いて、実施例1〜3と同様に、ガラス基板及びステンレス基板を回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、前記前駆体溶液を滴下し塗布した。塗布時の相対湿度は83%であった。
スピンコートの際に、溶媒が蒸発すると同時に膜が白濁した。この白濁は、高湿度が原因と考えられる。
この時、回転する基板に35°Cの温風を、2m/sの風速で当てたところ、白濁を防止することができた。エタノールはやや吸湿性があり、湿度の影響を受け易いが、温風で基板を加熱することにより、湿度の影響を抑制することができた。これにより、基板の加熱が有効であることが分かる。
乾燥後、空気中で400°C、10分間加熱した。この結果は、実施例1〜3と同じように、均一な透明なチタン酸化膜を得ることができた。
【0028】
(比較例1)
チタン酸エステルとして、チタンテトライソプロポキシドを用い、また揮発性溶媒としてアセトンを使用した。このアセトンにより容積比で10倍に希釈し、前駆体溶液を作成した。この場合、アセトンは空気中の水分を吸収し、希釈倍率に関係なく液が白濁した。これはチタン酸エステルの加水分解により液が縮合したことによるものである。
そして、実施例1と同様に、ガラス基板及びステンレス基板を回転数3000rpmの回転台(スピンコート)に載せ、前記前駆体溶液を滴下し、塗布した。この時の相対湿度は55%であった。
前駆体溶液を塗布した後、空気中で乾燥した。そして、これを空気中で400°C、10分間加熱した。この結果は、透明感がなく良質なチタン酸化膜は形成されなかった。
【0029】
【発明の効果】
本発明の前駆体溶液の処理は、室温及び大気中で行うことができるので、従来のゾルゲル法で必要とされた窒素雰囲気のグローブボックスあるいは窒素雰囲気中で蒸留装置を用いて80〜120°Cに加熱するなどの必要が全くなくなるという著しい効果がある。
また、従来のゾルゲル法では溶液の合成に長時間(10〜24時間)を要していたが、本発明では、前駆体溶液は混合するだけであり、また加熱処理は1時間以内(数分〜60分程度)なので、短時間で酸化チタン薄膜の形成が達成できるという利点がある。
さらに、液の粘性が調整できるので、一度の塗布・乾燥・加熱処理によって形成できる膜厚が厚くできること、さらに形成された膜は亀裂が生じ難く、剥離しにくいなど、多くの利点があり、従来に比べコストを著しく低減できるという優れた効果を有する。
Claims (11)
- チタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒に希釈したチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液。
- チタン酸エステルを溶解し、それ自体が揮発性であるか又は揮発性溶媒を含み、かつ水を含まない溶媒により希釈し、これを基板又は基材に塗布・乾燥又は塗布・乾燥後、空気中で加熱することを特徴とするチタン化合物薄膜の形成方法。
- 室温(25°C)以上の温度で加熱することを特徴とする請求項2記載のチタン化合物薄膜の形成方法。
- 300°C〜650°Cの温度で加熱することを特徴とする請求項2記載のチタン化合物薄膜の形成方法。
- 相対湿度60%以下の環境下で、塗布・乾燥又は加熱処理を行なうことを特徴とする請求項2〜4のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜の形成方法。
- ディップ法、スクリーン印刷法、スピンコート法又はスプレー法によって塗布することを特徴とする請求項2〜5記載のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜の形成方法。
- 溶媒により5倍〜100倍に希釈することを特徴とする請求項1〜6のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液又はチタン化合物薄膜の形成方法。
- 溶媒により10倍〜50倍に希釈することを特徴とする請求項6に記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法。
- 光触媒、ガラス,レンズ,メガネ,鏡等の光学機器用親水性膜、防汚若しくは抗菌膜、紫外線防止膜、光沢若しくは光輝膜、電気絶縁膜、腐食防止膜の少なくとも何れかを、セラミックス、ガラス、樹脂、金属等の基材に形成することを特徴とする請求項1〜8のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法。
- チタン化合物が酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜9のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜形成用前駆体溶液及びチタン化合物薄膜の形成方法。
- 基板又は基材への溶媒の塗布時に、基板又は基材を加熱する若しくは温風を吹き当てる又は作業環境を乾燥雰囲気下にすることを特徴とする請求項2〜9のそれぞれに記載のチタン化合物薄膜の形成方法。
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-
2002
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