JP2004034862A - 運転室内の備品設置構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】備品を容易にガードに取り付けることができ、ガードの間隔寸法の相異に対応できる運転室内の備品設置構造の提供。
【解決手段】右窓の近傍に複数本並設されるガード2、すなわち上側ガード部2a、下側ガード部2bを有する油圧ショベルの第1の運転室1内の、ガード部2a、2bにブラケットを介してモニタ17を設置するものにおいて、ブラケットのうちの第1ブラケット20が、上側ガード部2aに係合する係合部10aと下側ガード部2bが収納され、ガード間の間隔寸法の違いにかかわらず当該ブラケットのガード2への取り付けを許容させる凹部20bを有するとともに、第2ブラケット11はモニタ17が取り付けられる取付具13を保持する張り出し部12aを有し、ブラケット10,11に設けたボルト穴10c,11cに挿通されるボルト12により、これらのブラケット10,11を一体に締結させた。
【選択図】 図3
【解決手段】右窓の近傍に複数本並設されるガード2、すなわち上側ガード部2a、下側ガード部2bを有する油圧ショベルの第1の運転室1内の、ガード部2a、2bにブラケットを介してモニタ17を設置するものにおいて、ブラケットのうちの第1ブラケット20が、上側ガード部2aに係合する係合部10aと下側ガード部2bが収納され、ガード間の間隔寸法の違いにかかわらず当該ブラケットのガード2への取り付けを許容させる凹部20bを有するとともに、第2ブラケット11はモニタ17が取り付けられる取付具13を保持する張り出し部12aを有し、ブラケット10,11に設けたボルト穴10c,11cに挿通されるボルト12により、これらのブラケット10,11を一体に締結させた。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械の運転室の窓の近傍に配置されるガードに、ブラケットを介してスイッチ、モニタ等の所定の備品を設置する運転室内の備品設置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
作業機械例えば油圧ショベルの運転室にあっては、例えば実開平5−1556号公報に示されるように、右窓の近傍に、右窓が破損したときなどにオペレータが頭や手を外部に出さないように安全保護を図るガードが備えられているものがある。
【0003】
従来、このガードを利用して、運転室内にスイッチ、モニタ、扇風機などの所定の備品を設置することが提案されている。すなわち、所定の備品が取りつけられる取付具をブラケットに固定し、このブラケットを前述した右窓の近傍のガードに設置することが提案されている。
【0004】
上述のガードは、例えば上下方向に複数本並設されており、ブラケットの上端を所定のガードに溶接し、下端をすぐその下側に位置する別のガードに溶接し、ブラケットに締結手段を介して取付具を固定し、この取付具に所定の備品を取り付けることにより所定の備品が運転室内の空間に設置される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術では、ブラケットをガードに溶接によって固定してある。したがって、ブラケット及び取付具を含む備品取付構造体のガードへの取付に際し、溶接器具を用意して作業をおこなわなければならず、作業が煩雑になる問題がある。また、ガードに取り付けられた備品取付構造体を新たなものに交換する場合には、一旦溶接部を除去し、その後に再び溶接作業をおこなって新たな備品取付構造体をガードに取り付けなければならず、その交換作業も容易でない。
【0006】
また、油圧ショベルの機種の相異に伴って、運転室内の上下に並設されるガード間の間隔寸法が異なる場合があるが、従来では、間隔寸法が異なるごとに専用のブラケットを設けなければならず、各種油圧ショベルの製作に際し用意すべきブラケットの種類が多くなりがちであった。したがって、ブラケットの製作費が高くなりやすく、ブラケットの管理が面倒になりやすい。
【0007】
また、既に掘削作業などの実績のある既設の油圧ショベルに、ブラケット及び取付具を含む備品取付構造体を新たに取り付ける場合には、ガードの間隔寸法を確認する作業、確認した間隔寸法に適合するブラケットの選択作業が必要であり、煩雑であった。選択したブラケットに誤りがあったときには、取り付けが完了するまでにさらに時間がかってしまうことになる。
【0008】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、備品を容易にガードに取り付けることができ、ガードの間隔寸法の相異に対応できる運転室内の備品設置構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、窓の近傍に複数本並設されるガードを有する作業機械の運転室内の、上記ガードにブラケットを介して所定の備品を設置する運転室内の備品設置構造において、上記ブラケットが、上記ガード間の間隔寸法の違いにかかわらず当該ブラケットの当該ガードへの取り付けを許容させる許容手段を有するとともに、このブラケットを上記ガードに離脱可能に装着させる装着手段を備えた構成にしてある。
【0010】
このように構成した本発明は、作業機械の機種の相異に伴って、運転室内に配置されるガードの間隔寸法に相異を生じていても、ブラケットに含まれる許容手段により、ガードの間隔寸法の相異に対応でき、該当する異なる機種の運転室のガードのそれぞれに同等の形状寸法のブラケットを取り付けることができる。また、このブラケットは装着手段を介してガードに装着させることができ、溶接作業は不要であり、必要に応じて装着手段を介してこのブラケットをガードから離脱させることができる。
【0011】
上記発明において、上記許容手段が、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設され、上記ガード間の間隔寸法の相異にかかわらず当該ガードの収納を可能にさせる凹部から成る構成にしてもよい。
【0012】
このように構成した発明では、作業機械の機種の違いに伴って、運転室内に配置されるガードの間隔寸法に相異を生じていても、凹部内のガードの位置が変わるだけであり、ガードのそれぞれに同等の形状寸法のブラケットを取り付けることができる。
【0013】
上記の場合、上記ブラケットが、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設される第1ブラケットと、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設され、上記ガードを挟むように上記第1ブラケットと対向して配置される第2ブラケットとから成り、上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記ガードのうちの所定のガードに係合する係合部を有し、上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記ガードのうちの別のガードが収納される上記凹部を有し、上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記所定の備品が取り付けられる取付具を保持する張り出し部を有するとともに、上記装着手段が、上記第1ブラケットの上記係合部と、上記第1ブラケットと上記第2ブラケットとを一体に締結する締結手段とから成る構成にしてもよい。
【0014】
このように構成した本発明では、ブラケットをガードに取り付けるに際しては、第1ブラケット及び第2ブラケットの少なくとも一方に設けられる係合部を所定のガードに係合させ、第1ブラケット及び第2ブラケットの少なくとも一方に設けられる凹部内に別のガードを収納させた状態で、第1ブラケットと第2ブラケットとを締結手段によって一体に締結し、第1ブラケット及び第2ブラケットの少なくとも一方に設けられる張り出し部によって所定の備品が取り付けられる取付具を保持させればよい。
【0015】
また、上記発明において、上記ブラケットが、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設される第1ブラケットと、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設され、上記第1ブラケットと対向して配置される第2ブラケットとから成り、上記許容手段が、上記第1ブラケットと上記第2ブラケットとを、これらの第1,第2ブラケットの延設方向の異なる位置で締結可能な締結手段から成り、上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記所定の備品が取り付けられる取付具を保持する張り出し部を有し、上記第1ブラケットが、上記ガードのうちの所定のガードに係合する係合部を有し、上記第2ブラケットが、上記ガードのうちの別のガードに係合する係合部を有するとともに、上記装着手段が、上記係合部のそれぞれと、上記締結手段とから成る構成にしてもよい。
【0016】
このように構成した本発明では、ブラケットをガードに取り付けるに際しては、第1ブラケットの係合部を所定のガードに係合させ、第2ブラケットの係合部を別のガードに係合させた状態で、第1ブラケットと第2ブラケットとを締結手段によって一体に締結し、第1ブラケット及び第2ブラケットの少なくとも一方に設けられる張り出し部によって所定の備品が取り付けられる取付具を保持させればよい。
【0017】
作業機械の機種の違いに伴って、ガードの間隔寸法に相異を生じているときは、第1ブラケットと第2ブラケットとをその延設方向において異なる位置となるように相互に移動させ、すなわち、第1ブラケットの係合部が所定のガードに係合し、第2ブラケットの係合部が別のガードに係合するように、第1ブラケットと第2ブラケットとを相対的に変位させ、その状態において締結手段で第1ブラケットと第2ブラケットとを締結させればよい。また、第1ブラケット、第2ブラケットは、それぞれの係合部及び締結手段を介してガードに装着させることができ、溶接作業は不要であり、必要に応じて締結手段による締結を緩めることにより、これらの第1ブラケット、第2ブラケットをガードから離脱させることができる。
【0018】
上記の場合、上記締結手段が、上記第1ブラケットに形成される複数のボルト穴と、上記第2ブラケットに形成される複数のボルト穴と、上記第1ブラケットの上記ボルト穴、上記第2ブラケットの上記ボルト穴の双方に挿通され、上記第1ブラケットと上記第2ブラケットとを締結するボルトとから成る構成にしてもよい。
【0019】
このように構成した本発明では、ガードの間隔寸法に相異を生じているときは、第1ブラケットと第2ブラケットとを相互にその延設方向に移動させ、第1ブラケットの係合部を所定のガードに係合させ、第2ブラケットを別のガードに係合させ、第1ブラケットのボルト穴と第2ブラケットのボルト穴とを適合させるように位置決めした状態で、互いに適合する第1ブラケットのボルト穴と第2ブラケットのボルト穴の双方にボルトを挿通させて締結すればよい。
【0020】
また、上記各構成において、上記作業機械が油圧ショベルから成るものであってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下,本発明に係る運転室内の備品設置構造の実施形態を図に基づいて説明する。
【0022】
図1は窓にガードを有する油圧ショベルの第1の運転室を示す斜視図、図2は窓にガードを有する油圧ショベルの第2の運転室を示す斜視図、図3は本発明の運転室の備品設置構造の第1実施形態を示す分解斜視図である。
【0023】
本発明の第1実施形態、及び後述する第2実施形態は、作業機械例えば図1,2に示す油圧ショベルの運転室内に設けられるものである。
【0024】
図1に示す第1の運転室1は、その運転室内の右窓の近傍にU字状のガード2,3を上下に配置し、これらのガード2,3をボルト4によって運転室内のフレームに固定してある。これにより、右窓の近傍には、複数本のガードが上下方向に並設される。後述する第1実施形態は、例えばガード2の上側ガード部2a及び下側ガード部2bに取り付けるようにしてある。
【0025】
図2に示す第2の運転室5も、その運転室内の右窓の近傍に、上下方向にわたって複数本のガード6,7,8,9を配置し、それぞれボルト4a等によって運転室内のフレームに固定してある。後述する第1実施形態は、例えばガード6とガード7とにわたって取り付けるようにしてある。
【0026】
図1に示す第1の運転室1と、図2に示す第2の運転室5のそれぞれが設けられる油圧ショベルは、例えば機種の異なるものである。これに伴い、第1の運転室内に設けられるガード2の上側ガード部2aと下側ガード部2bとの間隔寸法は、第2の運転室5内に設けられるガード6とガード7との間隔寸法に比べて、例えば大きく設定されている。
【0027】
図3に示す第1実施形態は、例えば図1に示す第1の運転室1内に配置されるガード2に取り付けられるブラケットが、ガード2、すなわち上側ガード部2a、下側ガード部2bの伸長方向と直交する方向に延設される第1ブラケット10と、上側ガード部2a、下側ガード部2bの伸長方向と直交する方向に延設され、上側ガード部2a、下側ガード部2bを挟むように第1ブラケット10と対向して配置される第2ブラケット11とから成っている。
【0028】
第1ブラケット10及び第2ブラケット11の少なくとも一方、例えば第1ブラケット10は、その上端に所定のガードすなわち上側ガード部2aに係合する係合部10aを有している。
【0029】
第1ブラケット10及び第2ブラケット11の少なくとも一方、例えば第1ブラケット10は、その下端に別のガードすなわち下側ガード部2bが収納される凹部10bを有している。この凹部10bは、ガード間の間隔寸法の違いにかかわらず当該ガードの収納を可能にさせる領域寸法の空間部を、当該第1ブラケット10の延設方向に沿って有している。
【0030】
また、この凹部10bは、ガード間の間隔寸法の違いにかかわらず、第1ブラケット10のガード2への取り付けを許容させる許容手段を構成している。
【0031】
第1ブラケット10及び第2ブラケット11の少なくとも一方、例えば第2ブラケット11は、所定の備品例えばモニタ17が取り付けられる取付具13を保持する張り出し部11aを有している。
【0032】
第1ブラケット10には、係合部10aと凹部10bとの間の上下方向に、複数のボルト穴10cを設けてある。同様に、第2ブラケット11にも、上下方向に、複数のボルト穴11cを設けてある。ボルト穴10cのそれぞれとボルト穴11cの該当するものとは適合可能になっている。
【0033】
これらのボルト穴10c,11cのそれぞれ適合したものにボルト12が挿通可能になっている。すなわちボルト12をボルト穴10c,11cに挿通させ、回転させることにより第1ブラケット10と第2ブラケット11とは一体に締結される。
【0034】
上述した第1ブラケット10のボルト穴10cと、第2ブラケット11のボルト穴11cと、ボルト12とによって、第1ブラケット10と第2ブラケット11とを一体に締結する締結手段が構成されている。
【0035】
また、この締結手段と、上述した第1ブラケット10の係合部10aとによって、第1,第2ブラケット10,11をガード2に離脱可能に装着させる装着手段が構成されている。
【0036】
上述した第2ブラケット11の張り出し部11aにはボルト11bを設けてある。このボルト11bは取付具13に形成した穴に挿通された状態で、ワッシャ14が嵌め込まれ、さらに蝶ねじ15が螺合される。この蝶ねじ15を回転させることにより、取付具13は第2ブラケット11の張り出し部11aに保持される。
【0037】
取付具13にはボルト穴13aを設けてある。このボルト穴13aに、そのボルト穴16aが適合するように取付具13の前面側にスペーサ16が配置され、さらにこのスペーサ16の前面側にモニタ17が配置される。取付具13のボルト穴13a、スペーサ16のボルト穴16a、及びモニタ17の背面に形成されるボルト穴のそれぞれ該当するものにボルト18が挿入され、このボルト18を回転させることによりモニタ17は取付具13に保持される。図示しない電気コードが接続されるハーネス19は、モニタ17に装着される。
【0038】
本発明の第1実施形態を図1に示す第1の運転室1のガード2に取り付ける場合には、上述のようにして取り付けられる。
【0039】
モニタ17を取り付ける取付具13及び第1,第2ブラケット10,11を含む備品取付構造体を、図2に示す第2の運転室5のガード6,7に取り付けることもできる。図3において、二点鎖線で示すガード6,7は図2に示したものである。
【0040】
この場合には、第1ブラケット10の係合部10aをガード6に係合させ、ガード7を第1ブラケット10の凹部10b内に収納させればよい。
【0041】
このとき、前述した第1の運転室1内のガード2の下側ガード部2bに対し、第2の運転室5内のガード7が上方に位置するが、第1ブラケット10の凹部10bによって形成される空間によりガード7を支障なく収納させることができる。
【0042】
このように構成した第1実施形態にあっては、運転室内に配置されるガードの間隔寸法に相異を生じていても、ブラケットに含まれる許容手段、すなわち第1ブラケット10に具備される凹部10bにより、ガードの間隔寸法の相異に対応でき、該当する異なる機種の運転室のそれぞれに、すなわち図1に示す第1の運転室1のガード2、図2に示す第2の運転室5のガード6,7のそれぞれに、同等の形状寸法の第1,第2ブラケット10,11から成るブラケットを取り付けることができる。すなわち、第1の運転室1を有する油圧ショベル、第2の運転室5を有する油圧ショベルの製作を考慮したとき、用意すべきブラケットの種類は一種類で済む。したがって、ブラケットの製作費を安くすることができるとともに、ブラケットの管理が容易になる。
【0043】
また、既に掘削作業などの実績のある既設の油圧ショベルに、第1,第2ブラケット10,11から成るブラケット及び取付具13を含む備品取付構造体を新たに取り付ける場合に、ガードの間隔寸法に適合するブラケットの選択作業が不要になり、簡単である。すなわちブラケットの選択の誤りを生じる懸念がなく、このような選択の誤りに伴う無駄な作業時間を要することがない。
【0044】
また、第1,第2ブラケット10,11から成るブラケットは、係合部10aと、ボルト12等を含む締結手段とから成る装着手段を介して、ガード2に、あるいはガード6,7に取り付けることができ、溶接作業は不要であり、この取付作業を簡単におこなうことができる。また、ボルト12を緩めることにより、ブラケットをガード2から、あるいはガード6,7から簡単に離脱させることができ、交換作業が容易である。
【0045】
図4〜7は本発明の第2実施形態の説明図である。図4は本発明の第2実施形態を図1に示す第1の運転室1のガード2に取り付ける前の状態を示す分解斜視図、図5は図4に示す第2実施形態に備えられるブラケットを第1の運転室1のガード2に取り付けた状態を示す斜視図である。
【0046】
図6は本発明の第2実施形態に備えられるブラケットを図2に示す第2の運転室5のガード6,7に取り付ける前の状態を示す分解斜視図、図7は本発明の第2実施形態に備えられるブラケットを第2の運転室5のガード6,7に取り付けた状態を示す斜視図である。
【0047】
これらの図4〜7に示すように、本発明の第2実施形態は、例えば図1に示す第1の運転室1内に配置されるガード2に取り付けられるブラケットが、ガード2、すなわち上側ガード部2a、下側ガード部2bの伸長方向と直交する方向に延設される第1ブラケット20と、上側ガード部2a、下側ガード部2bの伸長方向と直交する方向に延設され、第1ブラケット20と対向して配置される第2ブラケット21とから成っている。
【0048】
図4に示すように、第1ブラケット20は、上端に所定のガード、すなわち上側ガード部2aに係合する係合部20aを有するとともに、その長手方向に沿って例えば3つのボルト穴20bを有する。第2ブラケット21は、下端に別のガードすなわち下側ガード部2bに係合する係合部21aを有するとともに、その長手方向に沿って例えば3つのボルト穴21bを有する。
【0049】
第1ブラケット20及び第2ブラケット21の少なくとも一方、例えば第1ブラケット20は、所定の備品例えばモニタ17が取り付けられる取付具13を保持する張り出し部20cを有する。この張り出し部20cには取付具13を保持するボルト20dを設けてある。
【0050】
また、第1ブラケット20のボルト穴20b、第2ブラケット21のボルト穴21bの双方に挿通され、第1ブラケット20と第2ブラケット21とを締結するボルト22を例えば2本設けてある。
【0051】
その他の構成は前述した第1実施形態と同等である。
【0052】
上述した第1ブラケット20のボルト穴20bと、第2ブラケット21のボルト穴21bと、ボルト22とによって、第1ブラケット20と第2ブラケット21とを、これらの第1,第2ブラケット20,21の延設方向の異なる位置で締結可能な締結手段が構成されている。
【0053】
また、この締結手段は、運転室内に設けられるガード間の間隔寸法の違いにかかわらず、これらの第1,第2ブラケット20,21から成るブラケットの当該ガードへの取り付けを許容させる許容手段を構成している。
【0054】
さらに、上述した締結手段と、第1ブラケット20の係合部20a、第2ブラケット21の係合部21aとによって、第1,第2ブラケット20,21から成るブラケットを、運転室内に設けられるガードに離脱可能に装着させる装着手段が構成されている。
【0055】
このように構成される第2実施形態を図1に示す第1の運転室1内に設置するには、図4,5に示すように、第1ブラケット20の係合部20aをガード2の上側ガード部2aに係合させ、第2ブラケット21の係合部21aを下側ガード部2bに係合させ、第1ブラケット20の中央に位置するボルト穴20bと第2ブラケット21の上側に位置するボルト穴21bとを適合させて、これらのボルト穴20b,21bに2本のボルト22のうちの1本を挿入し、第1ブラケット20の下側に位置するボルト孔20bと第2ブラケット21の中央に位置するボルト穴21bとを適合させて、これらのボルト穴20b,21bに残りのボルト22を挿入し、これらのボルト22に図示しないナットを螺合させて締結させればよい。図5は、このようにして第1,第2ブラケット20,21を一体に締結させた状態を示している。
【0056】
なお、第1ブラケット20の張り出し部20cに設けられるボルト20dには前述したように取付具13が取り付けられ、この取付具13にはモニタ17が固定される。
【0057】
また、本発明の第2実施形態を図2に示す第2の運転室5内に設置するには、図6,7に示すように、第1ブラケット20の係合部20aをガード6に係合させ、第2ブラケット21の係合部21aをガード7に係合させ、第1ブラケット20の上側に位置するボルト穴20bと第2ブラケット21の上側に位置するボルト穴21bとを適合させて、これらのボルト穴20b,21bに2本のボルト22のうちの1本を挿入し、第1ブラケット20の下側に位置するボルト穴20bと第2ブラケット21の下側に位置するボルト穴21bとを適合させて、これらのボルト穴20b,21bに残りのボルト22を挿入し、これらのボルト22に図示しないナットを螺合させて締結させればよい。図7は、このようにして第1,第2ブラケット20,21を一体に締結させた状態を示している。
【0058】
このように構成した第2実施形態にあっても、前述した第1実施形態におけるのと同等の作用効果が得られる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、装着手段を介して備品を運転室に設けられるガードに離脱可能に容易に取り付けることができ、したがって溶接作業は不要であり、従来に比べて取付作業が簡単になり、交換作業も容易となる。また、許容手段を介してガードの間隔寸法の相異に対応でき、作業機械の複数の機種に対してブラケットの種類を一種類とすることができ、したがってブラケットの製作費を安くすることができるとともに、ブラケットの管理が容易になる。さらに、既設の作業機械に取り付ける場合に、ガードの間隔寸法に適合するブラケットの選択作業が不要になり、簡単である。すなわち、ブラケットの選択の誤りを生じる懸念がなく、このような選択の誤りに伴う無駄な作業時間を要することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】窓にガードを有する油圧ショベルの第1の運転室を示す斜視図である。
【図2】窓にガードを有する油圧ショベルの第2の運転室を示す斜視図である。
【図3】本発明の運転室内の備品設置構造の第1実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態を図1に示す第1の運転室のガードに取り付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【図5】図4に示す第2実施形態に備えられるブラケットを第1の運転室のガードに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に備えられるブラケットを図2に示す第2の運転室のガードに取り付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態に備えられるブラケットを第2の運転室のガードに取り付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 第1の運転室
2 ガード
2a 上側ガード部
2b 下側ガード部
3 ガード
4 ボルト
4a ボルト
5 第2の運転室
6 ガード
7 ガード
8 ガード
9 ガード
10 第1ブラケット
10a 係合部〔装着手段〕
10b 凹部(許容手段)
10c ボルト穴(締結手段)〔装着手段〕
11 第2ブラケット
11a 張り出し部
11b ボルト
11c ボルト穴(締結手段)〔装着手段〕
12 ボルト(締結手段)〔装着手段〕
13 取付具
13a ボルト穴
14 ワッシャ
15 蝶ナット
16 スペーサ
16a ボルト穴
17 モニタ(備品)
18 ボルト
19 ハーネス
20 第1ブラケット
20a 係合部〔装着手段〕
20b ボルト穴(締結手段)〔許容手段〕〔装着手段〕
20c 張り出し部
20d ボルト
21 第2ブラケット
21a 係合部〔装着手段〕
21b ボルト穴(締結手段)〔許容手段〕〔装着手段〕
22 ボルト(締結手段)〔許容手段〕〔装着手段〕
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械の運転室の窓の近傍に配置されるガードに、ブラケットを介してスイッチ、モニタ等の所定の備品を設置する運転室内の備品設置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
作業機械例えば油圧ショベルの運転室にあっては、例えば実開平5−1556号公報に示されるように、右窓の近傍に、右窓が破損したときなどにオペレータが頭や手を外部に出さないように安全保護を図るガードが備えられているものがある。
【0003】
従来、このガードを利用して、運転室内にスイッチ、モニタ、扇風機などの所定の備品を設置することが提案されている。すなわち、所定の備品が取りつけられる取付具をブラケットに固定し、このブラケットを前述した右窓の近傍のガードに設置することが提案されている。
【0004】
上述のガードは、例えば上下方向に複数本並設されており、ブラケットの上端を所定のガードに溶接し、下端をすぐその下側に位置する別のガードに溶接し、ブラケットに締結手段を介して取付具を固定し、この取付具に所定の備品を取り付けることにより所定の備品が運転室内の空間に設置される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術では、ブラケットをガードに溶接によって固定してある。したがって、ブラケット及び取付具を含む備品取付構造体のガードへの取付に際し、溶接器具を用意して作業をおこなわなければならず、作業が煩雑になる問題がある。また、ガードに取り付けられた備品取付構造体を新たなものに交換する場合には、一旦溶接部を除去し、その後に再び溶接作業をおこなって新たな備品取付構造体をガードに取り付けなければならず、その交換作業も容易でない。
【0006】
また、油圧ショベルの機種の相異に伴って、運転室内の上下に並設されるガード間の間隔寸法が異なる場合があるが、従来では、間隔寸法が異なるごとに専用のブラケットを設けなければならず、各種油圧ショベルの製作に際し用意すべきブラケットの種類が多くなりがちであった。したがって、ブラケットの製作費が高くなりやすく、ブラケットの管理が面倒になりやすい。
【0007】
また、既に掘削作業などの実績のある既設の油圧ショベルに、ブラケット及び取付具を含む備品取付構造体を新たに取り付ける場合には、ガードの間隔寸法を確認する作業、確認した間隔寸法に適合するブラケットの選択作業が必要であり、煩雑であった。選択したブラケットに誤りがあったときには、取り付けが完了するまでにさらに時間がかってしまうことになる。
【0008】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、備品を容易にガードに取り付けることができ、ガードの間隔寸法の相異に対応できる運転室内の備品設置構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、窓の近傍に複数本並設されるガードを有する作業機械の運転室内の、上記ガードにブラケットを介して所定の備品を設置する運転室内の備品設置構造において、上記ブラケットが、上記ガード間の間隔寸法の違いにかかわらず当該ブラケットの当該ガードへの取り付けを許容させる許容手段を有するとともに、このブラケットを上記ガードに離脱可能に装着させる装着手段を備えた構成にしてある。
【0010】
このように構成した本発明は、作業機械の機種の相異に伴って、運転室内に配置されるガードの間隔寸法に相異を生じていても、ブラケットに含まれる許容手段により、ガードの間隔寸法の相異に対応でき、該当する異なる機種の運転室のガードのそれぞれに同等の形状寸法のブラケットを取り付けることができる。また、このブラケットは装着手段を介してガードに装着させることができ、溶接作業は不要であり、必要に応じて装着手段を介してこのブラケットをガードから離脱させることができる。
【0011】
上記発明において、上記許容手段が、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設され、上記ガード間の間隔寸法の相異にかかわらず当該ガードの収納を可能にさせる凹部から成る構成にしてもよい。
【0012】
このように構成した発明では、作業機械の機種の違いに伴って、運転室内に配置されるガードの間隔寸法に相異を生じていても、凹部内のガードの位置が変わるだけであり、ガードのそれぞれに同等の形状寸法のブラケットを取り付けることができる。
【0013】
上記の場合、上記ブラケットが、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設される第1ブラケットと、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設され、上記ガードを挟むように上記第1ブラケットと対向して配置される第2ブラケットとから成り、上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記ガードのうちの所定のガードに係合する係合部を有し、上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記ガードのうちの別のガードが収納される上記凹部を有し、上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記所定の備品が取り付けられる取付具を保持する張り出し部を有するとともに、上記装着手段が、上記第1ブラケットの上記係合部と、上記第1ブラケットと上記第2ブラケットとを一体に締結する締結手段とから成る構成にしてもよい。
【0014】
このように構成した本発明では、ブラケットをガードに取り付けるに際しては、第1ブラケット及び第2ブラケットの少なくとも一方に設けられる係合部を所定のガードに係合させ、第1ブラケット及び第2ブラケットの少なくとも一方に設けられる凹部内に別のガードを収納させた状態で、第1ブラケットと第2ブラケットとを締結手段によって一体に締結し、第1ブラケット及び第2ブラケットの少なくとも一方に設けられる張り出し部によって所定の備品が取り付けられる取付具を保持させればよい。
【0015】
また、上記発明において、上記ブラケットが、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設される第1ブラケットと、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設され、上記第1ブラケットと対向して配置される第2ブラケットとから成り、上記許容手段が、上記第1ブラケットと上記第2ブラケットとを、これらの第1,第2ブラケットの延設方向の異なる位置で締結可能な締結手段から成り、上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記所定の備品が取り付けられる取付具を保持する張り出し部を有し、上記第1ブラケットが、上記ガードのうちの所定のガードに係合する係合部を有し、上記第2ブラケットが、上記ガードのうちの別のガードに係合する係合部を有するとともに、上記装着手段が、上記係合部のそれぞれと、上記締結手段とから成る構成にしてもよい。
【0016】
このように構成した本発明では、ブラケットをガードに取り付けるに際しては、第1ブラケットの係合部を所定のガードに係合させ、第2ブラケットの係合部を別のガードに係合させた状態で、第1ブラケットと第2ブラケットとを締結手段によって一体に締結し、第1ブラケット及び第2ブラケットの少なくとも一方に設けられる張り出し部によって所定の備品が取り付けられる取付具を保持させればよい。
【0017】
作業機械の機種の違いに伴って、ガードの間隔寸法に相異を生じているときは、第1ブラケットと第2ブラケットとをその延設方向において異なる位置となるように相互に移動させ、すなわち、第1ブラケットの係合部が所定のガードに係合し、第2ブラケットの係合部が別のガードに係合するように、第1ブラケットと第2ブラケットとを相対的に変位させ、その状態において締結手段で第1ブラケットと第2ブラケットとを締結させればよい。また、第1ブラケット、第2ブラケットは、それぞれの係合部及び締結手段を介してガードに装着させることができ、溶接作業は不要であり、必要に応じて締結手段による締結を緩めることにより、これらの第1ブラケット、第2ブラケットをガードから離脱させることができる。
【0018】
上記の場合、上記締結手段が、上記第1ブラケットに形成される複数のボルト穴と、上記第2ブラケットに形成される複数のボルト穴と、上記第1ブラケットの上記ボルト穴、上記第2ブラケットの上記ボルト穴の双方に挿通され、上記第1ブラケットと上記第2ブラケットとを締結するボルトとから成る構成にしてもよい。
【0019】
このように構成した本発明では、ガードの間隔寸法に相異を生じているときは、第1ブラケットと第2ブラケットとを相互にその延設方向に移動させ、第1ブラケットの係合部を所定のガードに係合させ、第2ブラケットを別のガードに係合させ、第1ブラケットのボルト穴と第2ブラケットのボルト穴とを適合させるように位置決めした状態で、互いに適合する第1ブラケットのボルト穴と第2ブラケットのボルト穴の双方にボルトを挿通させて締結すればよい。
【0020】
また、上記各構成において、上記作業機械が油圧ショベルから成るものであってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下,本発明に係る運転室内の備品設置構造の実施形態を図に基づいて説明する。
【0022】
図1は窓にガードを有する油圧ショベルの第1の運転室を示す斜視図、図2は窓にガードを有する油圧ショベルの第2の運転室を示す斜視図、図3は本発明の運転室の備品設置構造の第1実施形態を示す分解斜視図である。
【0023】
本発明の第1実施形態、及び後述する第2実施形態は、作業機械例えば図1,2に示す油圧ショベルの運転室内に設けられるものである。
【0024】
図1に示す第1の運転室1は、その運転室内の右窓の近傍にU字状のガード2,3を上下に配置し、これらのガード2,3をボルト4によって運転室内のフレームに固定してある。これにより、右窓の近傍には、複数本のガードが上下方向に並設される。後述する第1実施形態は、例えばガード2の上側ガード部2a及び下側ガード部2bに取り付けるようにしてある。
【0025】
図2に示す第2の運転室5も、その運転室内の右窓の近傍に、上下方向にわたって複数本のガード6,7,8,9を配置し、それぞれボルト4a等によって運転室内のフレームに固定してある。後述する第1実施形態は、例えばガード6とガード7とにわたって取り付けるようにしてある。
【0026】
図1に示す第1の運転室1と、図2に示す第2の運転室5のそれぞれが設けられる油圧ショベルは、例えば機種の異なるものである。これに伴い、第1の運転室内に設けられるガード2の上側ガード部2aと下側ガード部2bとの間隔寸法は、第2の運転室5内に設けられるガード6とガード7との間隔寸法に比べて、例えば大きく設定されている。
【0027】
図3に示す第1実施形態は、例えば図1に示す第1の運転室1内に配置されるガード2に取り付けられるブラケットが、ガード2、すなわち上側ガード部2a、下側ガード部2bの伸長方向と直交する方向に延設される第1ブラケット10と、上側ガード部2a、下側ガード部2bの伸長方向と直交する方向に延設され、上側ガード部2a、下側ガード部2bを挟むように第1ブラケット10と対向して配置される第2ブラケット11とから成っている。
【0028】
第1ブラケット10及び第2ブラケット11の少なくとも一方、例えば第1ブラケット10は、その上端に所定のガードすなわち上側ガード部2aに係合する係合部10aを有している。
【0029】
第1ブラケット10及び第2ブラケット11の少なくとも一方、例えば第1ブラケット10は、その下端に別のガードすなわち下側ガード部2bが収納される凹部10bを有している。この凹部10bは、ガード間の間隔寸法の違いにかかわらず当該ガードの収納を可能にさせる領域寸法の空間部を、当該第1ブラケット10の延設方向に沿って有している。
【0030】
また、この凹部10bは、ガード間の間隔寸法の違いにかかわらず、第1ブラケット10のガード2への取り付けを許容させる許容手段を構成している。
【0031】
第1ブラケット10及び第2ブラケット11の少なくとも一方、例えば第2ブラケット11は、所定の備品例えばモニタ17が取り付けられる取付具13を保持する張り出し部11aを有している。
【0032】
第1ブラケット10には、係合部10aと凹部10bとの間の上下方向に、複数のボルト穴10cを設けてある。同様に、第2ブラケット11にも、上下方向に、複数のボルト穴11cを設けてある。ボルト穴10cのそれぞれとボルト穴11cの該当するものとは適合可能になっている。
【0033】
これらのボルト穴10c,11cのそれぞれ適合したものにボルト12が挿通可能になっている。すなわちボルト12をボルト穴10c,11cに挿通させ、回転させることにより第1ブラケット10と第2ブラケット11とは一体に締結される。
【0034】
上述した第1ブラケット10のボルト穴10cと、第2ブラケット11のボルト穴11cと、ボルト12とによって、第1ブラケット10と第2ブラケット11とを一体に締結する締結手段が構成されている。
【0035】
また、この締結手段と、上述した第1ブラケット10の係合部10aとによって、第1,第2ブラケット10,11をガード2に離脱可能に装着させる装着手段が構成されている。
【0036】
上述した第2ブラケット11の張り出し部11aにはボルト11bを設けてある。このボルト11bは取付具13に形成した穴に挿通された状態で、ワッシャ14が嵌め込まれ、さらに蝶ねじ15が螺合される。この蝶ねじ15を回転させることにより、取付具13は第2ブラケット11の張り出し部11aに保持される。
【0037】
取付具13にはボルト穴13aを設けてある。このボルト穴13aに、そのボルト穴16aが適合するように取付具13の前面側にスペーサ16が配置され、さらにこのスペーサ16の前面側にモニタ17が配置される。取付具13のボルト穴13a、スペーサ16のボルト穴16a、及びモニタ17の背面に形成されるボルト穴のそれぞれ該当するものにボルト18が挿入され、このボルト18を回転させることによりモニタ17は取付具13に保持される。図示しない電気コードが接続されるハーネス19は、モニタ17に装着される。
【0038】
本発明の第1実施形態を図1に示す第1の運転室1のガード2に取り付ける場合には、上述のようにして取り付けられる。
【0039】
モニタ17を取り付ける取付具13及び第1,第2ブラケット10,11を含む備品取付構造体を、図2に示す第2の運転室5のガード6,7に取り付けることもできる。図3において、二点鎖線で示すガード6,7は図2に示したものである。
【0040】
この場合には、第1ブラケット10の係合部10aをガード6に係合させ、ガード7を第1ブラケット10の凹部10b内に収納させればよい。
【0041】
このとき、前述した第1の運転室1内のガード2の下側ガード部2bに対し、第2の運転室5内のガード7が上方に位置するが、第1ブラケット10の凹部10bによって形成される空間によりガード7を支障なく収納させることができる。
【0042】
このように構成した第1実施形態にあっては、運転室内に配置されるガードの間隔寸法に相異を生じていても、ブラケットに含まれる許容手段、すなわち第1ブラケット10に具備される凹部10bにより、ガードの間隔寸法の相異に対応でき、該当する異なる機種の運転室のそれぞれに、すなわち図1に示す第1の運転室1のガード2、図2に示す第2の運転室5のガード6,7のそれぞれに、同等の形状寸法の第1,第2ブラケット10,11から成るブラケットを取り付けることができる。すなわち、第1の運転室1を有する油圧ショベル、第2の運転室5を有する油圧ショベルの製作を考慮したとき、用意すべきブラケットの種類は一種類で済む。したがって、ブラケットの製作費を安くすることができるとともに、ブラケットの管理が容易になる。
【0043】
また、既に掘削作業などの実績のある既設の油圧ショベルに、第1,第2ブラケット10,11から成るブラケット及び取付具13を含む備品取付構造体を新たに取り付ける場合に、ガードの間隔寸法に適合するブラケットの選択作業が不要になり、簡単である。すなわちブラケットの選択の誤りを生じる懸念がなく、このような選択の誤りに伴う無駄な作業時間を要することがない。
【0044】
また、第1,第2ブラケット10,11から成るブラケットは、係合部10aと、ボルト12等を含む締結手段とから成る装着手段を介して、ガード2に、あるいはガード6,7に取り付けることができ、溶接作業は不要であり、この取付作業を簡単におこなうことができる。また、ボルト12を緩めることにより、ブラケットをガード2から、あるいはガード6,7から簡単に離脱させることができ、交換作業が容易である。
【0045】
図4〜7は本発明の第2実施形態の説明図である。図4は本発明の第2実施形態を図1に示す第1の運転室1のガード2に取り付ける前の状態を示す分解斜視図、図5は図4に示す第2実施形態に備えられるブラケットを第1の運転室1のガード2に取り付けた状態を示す斜視図である。
【0046】
図6は本発明の第2実施形態に備えられるブラケットを図2に示す第2の運転室5のガード6,7に取り付ける前の状態を示す分解斜視図、図7は本発明の第2実施形態に備えられるブラケットを第2の運転室5のガード6,7に取り付けた状態を示す斜視図である。
【0047】
これらの図4〜7に示すように、本発明の第2実施形態は、例えば図1に示す第1の運転室1内に配置されるガード2に取り付けられるブラケットが、ガード2、すなわち上側ガード部2a、下側ガード部2bの伸長方向と直交する方向に延設される第1ブラケット20と、上側ガード部2a、下側ガード部2bの伸長方向と直交する方向に延設され、第1ブラケット20と対向して配置される第2ブラケット21とから成っている。
【0048】
図4に示すように、第1ブラケット20は、上端に所定のガード、すなわち上側ガード部2aに係合する係合部20aを有するとともに、その長手方向に沿って例えば3つのボルト穴20bを有する。第2ブラケット21は、下端に別のガードすなわち下側ガード部2bに係合する係合部21aを有するとともに、その長手方向に沿って例えば3つのボルト穴21bを有する。
【0049】
第1ブラケット20及び第2ブラケット21の少なくとも一方、例えば第1ブラケット20は、所定の備品例えばモニタ17が取り付けられる取付具13を保持する張り出し部20cを有する。この張り出し部20cには取付具13を保持するボルト20dを設けてある。
【0050】
また、第1ブラケット20のボルト穴20b、第2ブラケット21のボルト穴21bの双方に挿通され、第1ブラケット20と第2ブラケット21とを締結するボルト22を例えば2本設けてある。
【0051】
その他の構成は前述した第1実施形態と同等である。
【0052】
上述した第1ブラケット20のボルト穴20bと、第2ブラケット21のボルト穴21bと、ボルト22とによって、第1ブラケット20と第2ブラケット21とを、これらの第1,第2ブラケット20,21の延設方向の異なる位置で締結可能な締結手段が構成されている。
【0053】
また、この締結手段は、運転室内に設けられるガード間の間隔寸法の違いにかかわらず、これらの第1,第2ブラケット20,21から成るブラケットの当該ガードへの取り付けを許容させる許容手段を構成している。
【0054】
さらに、上述した締結手段と、第1ブラケット20の係合部20a、第2ブラケット21の係合部21aとによって、第1,第2ブラケット20,21から成るブラケットを、運転室内に設けられるガードに離脱可能に装着させる装着手段が構成されている。
【0055】
このように構成される第2実施形態を図1に示す第1の運転室1内に設置するには、図4,5に示すように、第1ブラケット20の係合部20aをガード2の上側ガード部2aに係合させ、第2ブラケット21の係合部21aを下側ガード部2bに係合させ、第1ブラケット20の中央に位置するボルト穴20bと第2ブラケット21の上側に位置するボルト穴21bとを適合させて、これらのボルト穴20b,21bに2本のボルト22のうちの1本を挿入し、第1ブラケット20の下側に位置するボルト孔20bと第2ブラケット21の中央に位置するボルト穴21bとを適合させて、これらのボルト穴20b,21bに残りのボルト22を挿入し、これらのボルト22に図示しないナットを螺合させて締結させればよい。図5は、このようにして第1,第2ブラケット20,21を一体に締結させた状態を示している。
【0056】
なお、第1ブラケット20の張り出し部20cに設けられるボルト20dには前述したように取付具13が取り付けられ、この取付具13にはモニタ17が固定される。
【0057】
また、本発明の第2実施形態を図2に示す第2の運転室5内に設置するには、図6,7に示すように、第1ブラケット20の係合部20aをガード6に係合させ、第2ブラケット21の係合部21aをガード7に係合させ、第1ブラケット20の上側に位置するボルト穴20bと第2ブラケット21の上側に位置するボルト穴21bとを適合させて、これらのボルト穴20b,21bに2本のボルト22のうちの1本を挿入し、第1ブラケット20の下側に位置するボルト穴20bと第2ブラケット21の下側に位置するボルト穴21bとを適合させて、これらのボルト穴20b,21bに残りのボルト22を挿入し、これらのボルト22に図示しないナットを螺合させて締結させればよい。図7は、このようにして第1,第2ブラケット20,21を一体に締結させた状態を示している。
【0058】
このように構成した第2実施形態にあっても、前述した第1実施形態におけるのと同等の作用効果が得られる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、装着手段を介して備品を運転室に設けられるガードに離脱可能に容易に取り付けることができ、したがって溶接作業は不要であり、従来に比べて取付作業が簡単になり、交換作業も容易となる。また、許容手段を介してガードの間隔寸法の相異に対応でき、作業機械の複数の機種に対してブラケットの種類を一種類とすることができ、したがってブラケットの製作費を安くすることができるとともに、ブラケットの管理が容易になる。さらに、既設の作業機械に取り付ける場合に、ガードの間隔寸法に適合するブラケットの選択作業が不要になり、簡単である。すなわち、ブラケットの選択の誤りを生じる懸念がなく、このような選択の誤りに伴う無駄な作業時間を要することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】窓にガードを有する油圧ショベルの第1の運転室を示す斜視図である。
【図2】窓にガードを有する油圧ショベルの第2の運転室を示す斜視図である。
【図3】本発明の運転室内の備品設置構造の第1実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態を図1に示す第1の運転室のガードに取り付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【図5】図4に示す第2実施形態に備えられるブラケットを第1の運転室のガードに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に備えられるブラケットを図2に示す第2の運転室のガードに取り付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態に備えられるブラケットを第2の運転室のガードに取り付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 第1の運転室
2 ガード
2a 上側ガード部
2b 下側ガード部
3 ガード
4 ボルト
4a ボルト
5 第2の運転室
6 ガード
7 ガード
8 ガード
9 ガード
10 第1ブラケット
10a 係合部〔装着手段〕
10b 凹部(許容手段)
10c ボルト穴(締結手段)〔装着手段〕
11 第2ブラケット
11a 張り出し部
11b ボルト
11c ボルト穴(締結手段)〔装着手段〕
12 ボルト(締結手段)〔装着手段〕
13 取付具
13a ボルト穴
14 ワッシャ
15 蝶ナット
16 スペーサ
16a ボルト穴
17 モニタ(備品)
18 ボルト
19 ハーネス
20 第1ブラケット
20a 係合部〔装着手段〕
20b ボルト穴(締結手段)〔許容手段〕〔装着手段〕
20c 張り出し部
20d ボルト
21 第2ブラケット
21a 係合部〔装着手段〕
21b ボルト穴(締結手段)〔許容手段〕〔装着手段〕
22 ボルト(締結手段)〔許容手段〕〔装着手段〕
Claims (6)
- 窓の近傍に複数本並設されるガードを有する作業機械の運転室内の、上記ガードにブラケットを介して所定の備品を設置する運転室内の備品設置構造において、
上記ブラケットが、上記ガード間の間隔寸法の違いにかかわらず当該ブラケットの当該ガードへの取り付けを許容させる許容手段を有するとともに、
このブラケットを上記ガードに離脱可能に装着させる装着手段を備えたことを特徴とする運転室内の備品設置構造。 - 上記許容手段が、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設され、上記ガード間の間隔寸法の違いにかかわらず当該ガードの収納を可能にさせる凹部から成ることを特徴とする請求項1記載の運転室内の備品設置構造。
- 上記ブラケットが、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設される第1ブラケットと、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設され、上記ガードを挟むように上記第1ブラケットと対向して配置される第2ブラケットとから成り、
上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記ガードのうちの所定のガードに係合する係合部を有し、
上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記ガードのうちの別のガードが収納される上記凹部を有し、
上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記所定の備品が取り付けられる取付具を保持する張り出し部を有するとともに、
上記装着手段が、上記第1ブラケットの上記係合部と、上記第1ブラケットと上記第2ブラケットとを一体に締結する締結手段とから成ることを特徴とする請求項2記載の運転室内の備品設置構造。 - 上記ブラケットが、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設される第1ブラケットと、上記ガードの伸長方向と直交する方向に延設され、上記第1ブラケットと対向して配置される第2ブラケットとから成り、
上記許容手段が、上記第1ブラケットと上記第2ブラケットとを、これらの第1,第2ブラケットの延設方向の異なる位置で締結可能な締結手段から成り、
上記第1ブラケット及び上記第2ブラケットの少なくとも一方は、上記所定の備品が取り付けられる取付具を保持する張り出し部を有し、
上記第1ブラケットが、上記ガードのうちの所定のガードに係合する係合部を有し、上記第2ブラケットが、上記ガードのうちの別のガードに係合する係合部を有するとともに、
上記装着手段が、上記係合部のそれぞれと、上記締結手段とから成ることを特徴とする請求項1記載の運転室内の備品設置構造。 - 上記締結手段が、上記第1ブラケットに形成される複数のボルト穴と、上記第2ブラケットに形成される複数のボルト穴と、上記第1ブラケットの上記ボルト穴、上記第2ブラケットの上記ボルト穴の双方に挿通され、上記第1ブラケットと上記第2ブラケットとを締結するボルトとから成ることを特徴とする請求項4記載の運転室内の備品設置構造。
- 上記作業機械が、油圧ショベルから成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の運転室内の備品設置構造。
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2002
- 2002-07-04 JP JP2002196077A patent/JP2004034862A/ja active Pending
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