JP2004034361A - 廃液タンクおよび液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃液タンクにおいて、搬送されたインクを確実に保持し、廃液タンクが振動したり傾斜したりした場合であっても、廃液タンク内のインクが飛散したり流出したりするのを防止する。
【解決手段】色素成分および保湿材を含むインクが廃液される廃液タンクであって、前記インクを流すインク廃液流路と、前記インク廃液流路に沿って前記インク廃液流路の側面に設けられ、インクに含まれる保湿材を保持する保湿材保持部とを備える。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃液タンクおよび液体噴射装置に関する。特に本発明は、溶質および保湿材を含む溶液が廃液される廃液タンクおよび液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射装置の一例として、溶質としての色素成分、保湿材およびインク溶媒を含む溶液の一例としてのインクを記録ヘッドの吐出口から吐出することにより記録をするインクジェット式記録装置がある。このインクジェット式記録装置において、記録ヘッドの吐出口の乾燥を防止する等のため、記録制御信号とは別に吐出口からインクを空吐出するいわゆるフラッシング動作がある。また、記録ヘッドの吐出口が目詰まりした場合には、記録ヘッドの吐出口をキャッピング手段で封止し、このキャッピング手段に接続された吸引手段により吐出口からインクを強制的に排出させるいわゆるクリーニング動作がある。
【0003】
フラッシング動作およびクリーニング動作などにより、記録に使用されずに吐出口から吐出されたインクはキャッピング手段に受け取られ、廃液として吸引手段によりインクジェット式記録装置に設けられた廃液タンクに搬送される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、廃液タンクが密閉されていると、廃液されるインクにより廃液タンクはすぐに満杯となる。一方、インクを乾燥させて体積を減らすために、廃液タンクの上面を開放して、トレイ状の容器にすると、インクジェット記録装置が記録中に振動することによりインクが飛散したり、インクジェット記録装置が傾けられることによりインクが流出してしまうことがある。
【0005】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる廃液タンクおよび液体噴射装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、溶質および保湿材を含む溶液が廃液される廃液タンクであって、前記溶液を流す溶液廃棄流路と、前記溶液廃棄流路に沿って前記溶液廃棄流路の側面に設けられ、前記溶液に含まれる保湿材を保持する保湿材保持部とを備える。
【0007】
前記廃液タンクにおいて、前記溶液廃棄流路は、上部の少なくとも一部が開放され、前記溶液を流す方向に傾斜し、前記溶液から溶質を分離してもよい。
【0008】
前記廃液タンクにおいて、前記溶液廃棄流路は、前記保湿材保持部側が低くなる方向にさらに傾斜してもよい。
【0009】
前記廃液タンクは、前記溶液廃棄流路と交差する方向に、前記溶液廃棄流路から前記溶液を誘導する溶液廃棄副流路をさらに備えてもよい。
【0010】
前記廃液タンクにおいて、前記溶液廃棄副流路は、上部の少なくとも一部が開放され、前記溶液廃棄流路から遠くなるほど低くなる傾斜を有し、前記溶液から前記溶質を分離してもよい。
【0011】
前記廃液タンクにおいて、平行して設けられた複数の前記溶液廃棄副流路を有してもよい。
【0012】
前記廃液タンクにおいて、前記保湿材保持部は、前記保湿材を毛細管力により吸収する廃液吸収材を有してもよい。
【0013】
前記廃液タンクにおいて、前記保湿材保持部の吸収面の幅が、前記溶液廃棄流路の前記溶液が流れる下流ほど大きくてもよい。
【0014】
前記廃液タンクにおいて、前記廃液タンクの上面の全体が開放されてもよい。
【0015】
前記廃液タンクにおいて、前記保湿材保持部の少なくとも一部は、前記溶液廃棄流路より低い位置に配されてもよい。
【0016】
本発明の第2の形態によると、液体噴射装置であって、溶液を吐出する吐出口を有する噴射ヘッドと、前記吐出口からの前記溶液を吸引する吸引手段と、前記吸引手段により吸引された前記溶液を廃液として流す溶液廃棄流路、および前記溶液廃棄流路に沿って前記溶液廃棄流路の側面に設けられ、前記溶液に含まれる前記保湿材を保持する保湿材保持部とを有する廃液タンクと、を備える。
【0017】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
図1は、本発明の実施形態にかかる液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置10の内部構成を示す側面概略図である。
【0020】
ここで、インクジェット式記録装置は、液体噴射装置の一例である。また、インクジェット式記録装置の記録ヘッドは、液体噴射装置の液体噴射ヘッドの一例である。記録ヘッドに設けられる吐出口は、液体噴射ヘッドの噴射口の一例である。また、被記録物は、ターゲットの一例である。
【0021】
しかしながら、本発明の形態はこれらの一例に限られない。液体噴射装置の他の例は、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置である。この場合、カラーフィルタ製造装置の色材噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置である。この場合、電極形成装置の電極材(電導ペースト)噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、バイオチップを製造するバイオチップ製造装置である。この場合、バイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッドおよび精密ピペットしての試料噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。本発明の液体噴射装置は、産業用途を有するその他の液体噴射装置も含む。
【0022】
図1に示すように、インクジェット式記録装置10は、複数の被記録物11を保持する載置部12、一の被記録物11を載置部12から取り出して記録するために給送する給送部20、給送部20により給送された被記録物11に給送方向の動力を伝える搬送部30、被記録物11に記録を行う記録部40、及び記録された被記録物11に排出方向の動力を伝える排出部50を、給送方向においてこの順に備える。
【0023】
給送部20は、例えば図示しないモータにより駆動軸とともに回転する給送ローラ22、及び分離パッド24を有する。給紙ローラ22は略扇形であり、駆動軸は扇を構成する円弧の中心に設けられる。給紙ローラ22が回動することにより、給紙ローラ22は分離パッド24に対し、当接状態と乖離状態とを繰り返す。当接状態において、給送ローラ22と分離パッド24は、載置部12から給送部20に給送された被記録物11の束のうち、最上位に位置する被記録物11を互いの間に挟むことで、被記録物11を一つずつ分離して搬送部30に給送する。この給送時の途中のタイミングで、給紙ローラ22及び載置部12の一部であるホッパは互いに離間し、給送されなかった被記録物11を載置部12に戻して整位することができるようにする。
【0024】
搬送部30は、モータ60により回転する搬送ローラ32、搬送ローラ32に連れ回る搬送従動ローラ34を有し、搬送ローラ32と搬送従動ローラ34との当接点に被記録物11を挟むことで、給送部20により給送された被記録物11を印刷部40の下部に給送する。
【0025】
印刷部40は、インクカートリッジを載置するキャリッジ42、キャリッジ42の被記録物11に対向する面に設けられ、インクを吐出する記録ヘッド44、キャリッジ42に設けられた軸穴46、軸穴46を挿通しキャリッジ42を給送方向に対して略垂直な方向にスライド可能に支持するガイド軸48、及び記録の制御を行う記録制御部49を有する。なお、記録ヘッド44は、被記録物11の給送方向に沿って配列された複数のインク吐出口を有する。
【0026】
排出部50は、モータ60により回転する排出ローラ52、及び排出ローラ52に連れ回る排出従動ローラ54を有し、排出ローラ52と排出従動ローラ54との当接点に被記録物11を挟むことで、記録後の被記録物11を排出する。
【0027】
なお、搬送従動ローラ34は、搬送ローラ32の上側に、搬送ローラ32より記録ヘッド44側に設けられる。また、排出従動ローラ54は、排出ローラ52の上側に、排出ローラ52より記録ヘッド44側に設けられる。これにより、被記録物11は、記録部40に対向する位置において下側にたわむ。
【0028】
上記した構成において、インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド44をガイド軸48に沿って往復させつつインクを吐出する。インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド44が一走査する毎に被記録物11を給送することで、被記録物11の全体に記録を行う。なお、記録ヘッド44は、往路及び復路の双方で記録を行う場合もあるし、一方のみで記録を行う場合もある。
【0029】
なお、搬送部30及び排出部50には、モータ60から一本のベルト62を介して動力が伝達される。ベルト62には、テンショナー64により張力が与えられている。モータ60、テンショナー64、搬送部30、及び排出部50は、ベルト62の流れ方向に沿ってこの順に配置される。
【0030】
ここで、インクジェット記録装置10に用いられるインクは、色素成分、インク溶媒および保湿材を含む。色素成分の例は顔料または染料であり、インク溶媒の一例は水である。また、保湿材の一例はエチレングリコールであり、約60%の保湿率を有する。
【0031】
図2は、インクジェット式記録装置10の部分斜視図である。印刷部40は、更にタイミングベルト402、キャリッジモータ404、ブラックインクカートリッジ406及びカラーインクカートリッジ408を有する。
【0032】
キャリッジモータ404がタイミングベルト402を駆動することにより、キャリッジ42は、ガイド軸408に案内されて被記録物11の給送方向対し略直角に往復移動する。キャリッジ42の被記録物に対向する側には、ブラックインク用吐出口及びカラーインク用吐出口を含む記録ヘッド44が搭載される。キャリッジ42の上部には、記録ヘッド44にインクを供給するブラックインクカートリッジ406及びカラーインクカートリッジ408が着脱可能に装着される。
【0033】
インクジェット式記録装置10は、更に、記録ヘッド44から排出されたインクを廃液として搬送するインク廃液搬送部70とワイピング手段80とを備える。
【0034】
インク廃液搬送部70は、記録ヘッド44の吐出口を封止するキャッピング手段72を有する。さらに、インク廃液搬送部70は、吸引手段の一例として、記録ヘッド44の吐出口からキャッピング手段72に接続チューブ74と、チューブ74の一部を弾性変形させ、チューブ74内部のインクを搬送するポンプ76とを有する。インク廃液搬送部70は、さらに、ポンプ76が搬送したインクを蓄積する廃液タンク100を有する。インク廃液搬送部70のキャッピング手段72は、記録領域(被記録物11の給送経路)外の非記録領域(ホームポジション)に配置される。
【0035】
ワイピング手段80は、弾性を有しており、キャッピング手段72の記録領域側の端部近傍に配置される。ワイピング手段80は、二色成形法により、キャッピング手段72と一体に射出成形される。しかし、これに限らずキャッピング手段72とワイピング手段80とは、別体に成形されてもよい。
【0036】
以上の構成において、インクジェット式記録装置10が記録を行わない場合に、キャリッジ42は、記録領域から非記録領域へ移動する。キャリッジ42に設けられた記録ヘッド44が直上に移動してきた場合に、キャッピング手段72は、キャリッジ42側に上昇し、記録ヘッド44の吐出口を有する面を封止する。
【0037】
キャッピング手段72は、記録ヘッド44の吐出口を有する面を封止することにより、記録ヘッド44の吐出口の乾燥を抑えることができる。また、キャッピング手段72は、記録ヘッド44にインク滴を空吐出させるフラッシング時に、空吐出されたインクを受け取る。このフラッシングは、例えば、記録とは関係のない駆動信号を記録ヘッド44に印加して行う。
【0038】
キャッピング手段72が記録ヘッド44を封止している状態において、ポンプ76が記録ヘッド44とキャッピング部材72により形成される内部空間の空気を吸引することにより、記録ヘッド44の吐出口からインクが強制的に吸引排出される。記録ヘッド44の吐出口からインクが強制的に吸引排出されることにより記録ヘッド44がクリーニングされ、吐出口の目詰まりが解消される。
【0039】
キャリッジ42は、非記録領域から記録領域に戻る場合、まずキャッピング手段72から離脱する。さらにキャリッジ42が非記録領域側に移動するのに伴い、ワイピング手段80が記録ヘッド44の移動経路上に進出し、記録ヘッド44のノズル形成面のインクを払拭する。
【0040】
上記クリーニング及びフラッシング等により、キャッピング手段72に受け取られたインクは、インク廃液搬送部70のポンブ76により吸引され、キャッピング手段72に一端が接続されたチューブ74を搬送され、チューブ74の他端に接続された廃液タンク100に廃液される。
【0041】
ここで、廃液タンク100がインク溜部およびそのインク溜部の周囲に配された吸収材を有し、チューブ74から搬送されるインクがこのインク溜部に溜められてから、吸収面により吸収材に吸収されるとする。インクのうちの色素成分は、インク溶媒や保湿材と比較して吸収材に吸収されにくい。特にインクの色素成分が顔料である顔料インクにおいて、インク中であっても顔料は粒子径が例えば染料よりもはるかに大きく、よって、顔料はより吸収材に吸収されにくい。よって、このような廃液タンクにおいて、吸収材に吸収されない色素成分がインク溜部に残留して固化し、次第に堆積していく。これにより、吸収材におけるインク溜部からインクを吸収する吸収面が、次第に堆積した色素成分により覆われ、インクが吸収材に吸収されにくくなる。また、堆積した色素成分の上に新たにインクが搬送されると、新たなインクに含まれる保湿材の働きにより、堆積した色素成分が一部再溶解する。これによりインク溜部に溜められたインクと堆積していた色素成分とが、混ざり合ってゲル状となる。よって、このような廃液タンクにおいては、インクジェット記録装置10が記録中に振動することによりゲル状のインクが飛散したり、インクジェット記録装置10が傾けられることによりこのインクが流出してしまうことがある。
【0042】
そこで本実施形態は、廃液タンク100において、搬送されたインクを確実に保持し、廃液タンク100が振動または傾斜した場合であっても、廃液タンク100内のインクが飛散し、または流出を防止することを目的とする。特に、顔料のように吸収材に吸収されにくい色素成分を含む顔料インクが用いられた場合であっても、廃液タンクにおいて、搬送された顔料インクを確実に保持することを目的とする。
【0043】
図3は、本実施形態にかかるインクジェット式記録装置10の廃液タンク100の一例を示す斜視図である。廃液タンク100は、上面全体が開放される略直方体の本体102を有する。廃液タンク100は、インクを流すインク廃液流路104と、インク廃液流路104に沿ってインク廃液流路104の側面に設けられ、インクに含まれる保湿材を保持する保湿材保持部106とを備える。インク廃液流路104は、上部が開放され、インクを流す方向(図中の矢印Aの方向)に傾斜する。保湿材保持部106は、底面がインク廃液流路104よりも下方に設けられ、上面が開放されるトレイ形状を有する。
【0044】
この廃液タンク100へ、キャッピング手段72からチューブ74を介して、色素成分および保湿材を含むインクが搬送される。このインクは、インク廃液流路104に流されると、インク廃液流路104の傾斜に沿って下方に、すなわち図中の矢印Aの方向へ流れる。このときインクの色素成分は、インク溶媒や保湿材よりも流動性が小さいので、インク廃液流路104を流れる途中でインクから分離してインク廃液流路104上に留まる。このように色素成分は、インクから分離されるとインク廃液流路104上で乾燥し、固化する。インク廃液流路104は傾斜しているので、色素成分はインク廃液流路104に大きく広がる。これにより、インク廃液流路104上の色素成分を乾燥させて固化させやすくすることができ、また、色素成分の固形分の厚さを薄くすることができる。
【0045】
一方、インク溶媒および保湿材は流動性が大きいので、傾斜したインク廃液流路104をさらに下り、保湿材保持部106へ流れ込む。ここで、保湿材保持部106の上方が開放されているので、保湿材保持部106へ流れ込んだインク溶媒および保湿材は蒸発または乾燥して容積を減らし、保湿材保持部106に確実に保持される。よって、インク廃液タンク100が傾斜されたり振動を受けたりすることがあっても、廃液されたインクが廃液タンク100から流出したり飛散したりすることを防ぐことができる。
【0046】
ここで、以上の動作を繰り返すことにより、色素成分がインク廃液流路104のインク流れ方向の下流付近に比較的厚く堆積することがある。しかしこの場合であっても、インク廃液流路104の上流には色素成分が堆積していないため、流動性の高い保湿材およびインク溶媒が保湿材保持部106へ流れ込む。したがって、搬送されたインクを廃液タンク内に確実に保持することができる。
【0047】
図4は、廃液タンクのインク廃液流路の他の例を示す斜視図である。図4に示す廃液タンク120のインク廃液流路124は、保湿材保持部側106が低くなる方向(図中の矢印Bの方向)にさらに傾斜する点で、図3に示す廃液タンク100と異なる。
【0048】
この廃液タンク120のインク廃液流路124は、インクを流す方向(図中の矢印Aの方向)に傾斜しているのに加え、保湿材保持部側106が低くなる方向(図中の矢印Bの方向)にさらに傾斜しているので、インクに含まれる保湿材およびインク溶媒を確実に保湿材保持部106に誘導することができる。
【0049】
図5(a)は、廃液タンクの保湿材保持部の他の例を示す斜視図であり、図5(b)はその側面図である。図5(a)に示す廃液タンク140の保湿材保持部146は、インクの保湿材を毛細管力により吸収する廃液吸収材を有する。本実施形態においては、略直方体形状の廃液吸収材がインク廃液流路104に沿って、その側面に配され、廃液吸収材の一部はインク廃液流路104より低い位置に配される。廃液吸収材の材質は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、レーヨン等の合成繊維、パルプなどを原料とする不繊布、またはスポンジ等の多孔質材である。廃液タンク140の保湿材保持部146は廃液吸収材を有するので、インク廃液流路104により色素成分から分離された保湿材およびインク溶媒が廃液吸収材に流れ込んで毛細管力により確実に保持される。
【0050】
また、図5(b)に示すように、保湿材保持部146の側面147は、インク廃液流路104からのインク保湿材を吸収する吸収面となる。この保湿材保持部146の吸収面の幅は、インク廃液流路104のインクが流れる下流ほど大きい(W<W)。よって、色素成分がインク廃液流路104のインク流れ方向の下流付近に比較的厚く堆積した場合であっても、保湿材保持部146のインク廃液流路104側の側面147が覆われにくい。これにより、流動性の高い保湿材およびインク溶媒が、吸収面としての側面147から保湿材保持部106へ流れ込むことができる。したがって、搬送されたインクを廃液タンク内に確実に保持することができる。また、廃液吸収材の一部がインク廃液流路104より低い位置に配されるので、廃液吸収材へ到達した保湿材およびインク溶媒が広い領域の廃液吸収材の毛細管力により保持される。これにより、保湿材およびインク溶媒が大量に流れ込んでも、保湿材保持部がこの保湿材およびインク溶媒を確実に保持することができる。よって、図5(a)および図5(b)に示すインク廃液タンク140によれば、インク廃液タンク140が傾斜されたり振動を受けたりすることがあっても、廃液されたインクが廃液タンク140から流出したり飛散したりすることを防ぐことができる。
【0051】
図6は、廃液タンクの他の例を示す斜視図である。図6に示す廃液タンク160は、上面が開放される略直方体を有する。廃液タンク160は、インクを流すインク廃液流路164と、インク廃液流路164に沿ってインク廃液流路164の側面に設けられ、インクに含まれる保湿材を保持する保湿材保持部166とを備える。インク廃液流路164は、上部が開放され、インクを流す方向(図中の矢印Aの方向)に傾斜する。
【0052】
廃液タンク160は、インク廃液流路164と交差する方向(図中の矢印Cの方向)にインクを誘導するインク廃液副流路168をさらに備える。図6に示す廃液タンク160において、インク廃液流路164と交差する方向に複数のインク廃液副流路168a、168b、168cが配される。これらインク廃液副流路168a、168b、168cは、上部が開放され、インク廃液流路164から遠くなるほど低くなる傾斜を有する。これにより、インク廃液流路164のみならずインク廃液副流路168も、インクから色素成分を分離する。よって、より確実にインクから色素成分を分離することができるとともに、固化により堆積する色素成分の厚さをより薄くすることができる。図6に示す廃液タンク160によれば、インク廃液タンク160が傾斜されたり振動を受けたりすることがあっても、廃液されたインクが廃液タンク160から流出したり飛散したりすることを防ぐことができる。
【0053】
図7は、廃液タンクのさらに他の例を示す斜視図である。図7に示す廃液タンク180は、保湿材保持部186に廃液吸収材を有する点で、図6に示す廃液タンク160と異なる。保湿材保持部186は、複数のインク廃液副流路188a、188b、188cに対応した溝部168a、168b、168cを有し、これによりインク廃液副流路188の上部を開放する。
【0054】
保湿材保持部186は、さらに各々のインク廃液副流路188の両側に配される。よって、保湿材保持部186のインク廃液副流路188の側面を吸収面として広く確保することができ、固化した色素成分により吸収面全体が覆われにくい。よって、保湿材保持部186の吸収面から保湿材およびインク溶媒をより確実に吸収することができる。よって、インク廃液タンク180が傾斜されたり振動を受けたりすることがあっても、廃液されたインクが廃液タンク180から流出したり飛散したりすることを防ぐことができる。
【0055】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0056】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、廃液タンクにおいて、搬送された溶液のうちの溶質から分離して保湿材を保湿保持部に保持することにより、溶液を廃液タンクに確実に保持する。これにより、廃液タンクが振動しまたは傾斜された場合であっても、溶液が飛散しまたは流出するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置の内部構成を示す側面概略図である。
【図2】インクジェット式記録装置の部分斜視図である。
【図3】本実施形態にかかるインクジェット式記録装置の廃液タンクの一例を示す斜視図である。
【図4】廃液タンクのインク廃液流路の他の例を示す斜視図である。
【図5】(a)は、廃液タンクの保湿材保持部の他の例を示す斜視図であり、(b)はその側面図である。
【図6】廃液タンクの他の例を示す斜視図である。
【図7】廃液タンクのさらに他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 インクジェット記録装置
72 キャッピング手段
74 チューブ
100、120、140、160、180 廃液タンク
104、124、164、184 インク廃液流路
106、146、166、186 保湿材保持部
168、188 インク廃液副流路

Claims (11)

  1. 溶質および保湿材を含む溶液が廃液される廃液タンクであって、
    前記溶液を流す溶液廃棄流路と、
    前記溶液廃棄流路に沿って前記溶液廃棄流路の側面に設けられ、前記溶液に含まれる保湿材を保持する保湿材保持部と
    を備える廃液タンク。
  2. 前記溶液廃棄流路は、上部の少なくとも一部が開放され、前記溶液を流す方向に傾斜し、前記溶液から溶質を分離する請求項1に記載の廃液タンク。
  3. 前記溶液廃棄流路は、前記保湿材保持部側が低くなる方向にさらに傾斜する請求項2に記載の廃液タンク。
  4. 前記溶液廃棄流路と交差する方向に、前記溶液廃棄流路から前記溶液を誘導する溶液廃棄副流路をさらに備える請求項1から3のいずれかに記載の廃液タンク。
  5. 前記溶液廃棄副流路は、上部の少なくとも一部が開放され、前記溶液廃棄流路から遠くなるほど低くなる傾斜を有し、前記溶液から前記溶質を分離する請求項4に記載の廃液タンク。
  6. 平行して設けられた複数の前記溶液廃棄副流路を有する請求項4または5に記載の廃液タンク。
  7. 前記保湿材保持部は、前記保湿材を毛細管力により吸収する廃液吸収材を有する請求項1から5のいずれかに記載の廃液タンク。
  8. 前記保湿材保持部の吸収面の幅が、前記溶液廃棄流路の前記溶液が流れる下流ほど大きい請求項7に記載の廃液タンク。
  9. 前記廃液タンクの上面の全体が開放される請求項1から8のいずれかに記載の廃液タンク。
  10. 前記保湿材保持部の少なくとも一部は、前記溶液廃棄流路より低い位置に配される請求項1から9のいずれかに記載の廃液タンク。
  11. 液体噴射装置であって、
    溶液を吐出する吐出口を有する噴射ヘッドと、
    前記吐出口からの前記溶液を吸引する吸引手段と、
    前記吸引手段により吸引された前記溶液を廃液として流す溶液廃棄流路、および前記溶液廃棄流路に沿って前記溶液廃棄流路の側面に設けられ、前記溶液に含まれる前記保湿材を保持する保湿材保持部とを有する廃液タンクと、
    を備える液体噴射装置。
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