JP2004034138A - 金属吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融金属中の気泡の除去を効率よく行い、かつ材料の有効な利用を図る。
【解決手段】排気弁24aを閉じ、排気弁24bを開ける。そして不活性ガス導入管11aから不活性ガスをタンク2a内に導入する。タンク2aの圧力はタンク2bの圧力よりも高まり、タンク2a内の溶融半田1の液面が下がる。タンク2a,2bの間に圧力差が発生し、溶融半田1が溶融半田室4を介してタンク2a側からタンク2b側へと移動する。気泡25はタンク2bへと移動し、タンク2bにおいて気泡25が除去される。気泡25を除去するに際しては、溶融半田1を半田吐出装置101から排出する必要がなく、溶融半田の材料を有効に利用できる。
【選択図】 図2
【解決手段】排気弁24aを閉じ、排気弁24bを開ける。そして不活性ガス導入管11aから不活性ガスをタンク2a内に導入する。タンク2aの圧力はタンク2bの圧力よりも高まり、タンク2a内の溶融半田1の液面が下がる。タンク2a,2bの間に圧力差が発生し、溶融半田1が溶融半田室4を介してタンク2a側からタンク2b側へと移動する。気泡25はタンク2bへと移動し、タンク2bにおいて気泡25が除去される。気泡25を除去するに際しては、溶融半田1を半田吐出装置101から排出する必要がなく、溶融半田の材料を有効に利用できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は溶融金属を吐出する技術に関し、例えば半田バンプの形成のために溶融半田を吐出する技術に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
図19は従来の半田吐出装置の構造を模式的に例示する断面図である。溶融半田1はタンク2内に格納されており、半田供給路3を介して溶融半田室4に至る。溶融半田室4は、吐出用開口部5が開けられたノズル6を下方から、上方のダイアフラム7へと、押さえ板17によって取り付けることによって形成されている。溶融半田室4にはノズル6と反対側から、即ちダイアフラム7に対して、加圧機構たる圧電素子8が設けられており、溶融半田室4を充填する溶融半田1を加圧する。当該加圧によって溶融半田1が溶融半田室4から吐出用開口部5を介して下方へ吐出される。つまりダイアフラム7は溶融半田1が吐出する方向と反対側からノズル6に取り付けられている。溶融半田1が液体のまま吐出されるように、タンク2はヒータ9で、半田供給路3及び溶融半田室4はヒータ10で、それぞれ加熱される。
【0003】
溶融半田1は吐出用開口部5から吐出される際、雰囲気ガス導入管16から与えられる不活性ガス(但し本出願においては、これは窒素ガスをも含む概念である)が吹き付けられ、溶融半田1の表面が酸化されることを防止する。
【0004】
溶融半田室4にはドレイン穴13が接続されており、両者の間はドレイン蓋14によって開閉される。溶融半田室4において溶融半田1中に気泡が生じた場合、ドレイン穴13から溶融半田1を排出し、別途新たに溶融半田1をタンク2へ供給する。
【0005】
タンク2には不活性ガス導入管11及び不活性ガス排出管12が挿入されており、不活性ガス排出管12には排気弁24が設けられている。タンク2は半田供給路3、不活性ガス導入管11、及び不活性ガス排出管12を除いて密閉されている。不活性ガス排出管12を閉め、ドレイン蓋14を開け、不活性ガス導入管11から不活性ガスを導入することにより、タンク2において溶融半田1が加圧される。当該加圧によって溶融半田1はドレイン穴13から排出半田15として排出され、排出半田回収箱20を用いて回収される。
【0006】
タンク2の一部には透光性の窓、例えばガラス窓18が設けられ、液面検出センサ19によって溶融半田1の表面の光学的な検出を可能としている。これにより、タンク2から溶融半田1の残量を検出し、以て溶融半田1が排出されたか否かを検出することができる。
【0007】
図20はノズル6が押さえ板17によってダイアフラム7へと取り付けられる状態の詳細を示す断面図である。吐出方向側からビス22が押さえ板17及びノズル6を貫通し、ダイアフラム7へとノズル6を締め付けている。ダイアフラム7にはノズル6に向かって開く溝23が設けられており、溝23には弾性体たるOリング21が填められ、上記締め付けの効果を高めている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術によれば、排出半田15をそのまま半田吐出装置に再使用することができない。よって半田の損失が大きかった。また高温の排出半田15を排出することになる。
【0009】
また溶融半田1の液面は酸化して不安定に変色するので、溶融半田1の残量をその液面までの距離の検出によって判断する場合に不正確となる。
【0010】
図21はOリング21近傍の詳細を示す断面図である。ビス22の締め付けに対するOリング21の反発力Gにより、ノズル6が変形して撓みQが生じている。そして撓みQが生じることにより溶融半田室4と溝23が連通し、その結果、溶融半田1は幅Sで伸縮する。このような溶融半田1の伸縮は溶融半田室4を充填する溶融半田1への加圧を妨げる。
【0011】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、溶融金属中の気泡の除去を効率よく行い、かつ材料の有効な利用を第1の目的とする。
【0012】
また、溶融金属の液面を精度よく検出することを第2の目的とする。
【0013】
また、ノズルの変形を防止して溶融金属への加圧を妨げないことを第3の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち請求項1にかかるものは、溶融金属によって充填される溶融金属室と、いずれも前記溶融金属室に連通して前記溶融金属を格納する第1及び第2タンクとを備える金属吐出装置であって、前記第1タンクと前記第2タンクとの間に圧力差を発生させ、前記溶融金属を前記溶融金属室を介して前記第1タンクと前記第2タンクとの間で移動させ、前記溶融金属室において前記溶融金属を加圧して前記溶融金属を吐出する。
【0015】
この発明のうち請求項2にかかるものは、請求項1記載の金属吐出装置であって、それぞれ前記第1及び第2タンクに設けられ、各々がガスを導入する第1及び第2ガス導入管と、それぞれ前記第1及び第2タンクに設けられ、各々が前記第1及び第2タンクの前記ガスを排出する第1及び第2ガス排出管と、それぞれ前記第1及び第2タンクにおける前記溶融金属の液面を検出する第1及び第2液面検出センサと、前記第1及び第2液面検出センサの出力に基づいて、前記第1及び前記第2ガス排出管を介しての前記ガスの排出の可否を制御するコントローラと、を更に備える。
【0016】
この発明のうち請求項3にかかるものは、請求項2記載の金属吐出装置であって、前記第1及び前記第2ガス排出管のいずれかが前記ガスを排出しない場合に、前記第1及び第2タンクを加振する加振機構を更に備える。
【0017】
この発明のうち請求項4にかかるものは、請求項1記載の金属吐出装置であって、前記第2タンクを排気する排気機構を更に備える。
【0018】
この発明のうち請求項5にかかるものは、請求項1記載の金属吐出装置であって、前記第2タンクと前記溶融金属室との間を接続する金属供給路を更に備え、前記金属供給路の途中には隘路が設けられる。
【0019】
この発明のうち請求項6にかかるものは、請求項1記載の金属吐出装置であって、前記溶融金属室を介して前記第1タンクから前記第2タンクへと前記溶融金属を移動させ、前記溶融金属室を経由しない別経路を介して前記第2タンクから前記第1タンクへと前記溶融金属を移動させる。
【0020】
この発明のうち請求項7にかかるものは、請求項6記載の金属吐出装置であって、前記第2タンクは前記第1タンクの上方に配置される。
【0021】
この発明のうち請求項8にかかるものは、溶融金属によって充填される溶融金属室と、前記溶融金属室に連通して前記溶融金属を格納するタンクと、前記タンク内の前記溶融金属の液面に浮遊する浮遊反射板と、前記浮遊反射板の上側の面までの距離を測定する光学的検出器とを備え、前記溶融金属室において前記溶融金属を加圧して前記溶融金属を吐出する、金属吐出装置である。
【0022】
この発明のうち請求項9にかかるものは、請求項8記載の金属吐出装置であって、前記浮遊反射板はその下側の面に突起部を有する。
【0023】
この発明のうち請求項10にかかるものは、溶融金属を吐出する吐出用開口部を有するノズルと、前記溶融金属の吐出方向と反対側から前記ノズルに取り付けられて、前記ノズルと共に、前記溶融金属によって充填される溶融金属室を形成するダイアフラムと、前記ノズルとは反対側から前記溶融金属室に設けられ、前記溶融金属を加圧する加圧機構と、前記ノズルを前記ダイアフラムに取り付ける押さえ板と、前記押さえ板を前記吐出方向側から前記ダイアフラムに締め付けるビスと、前記ダイアフラムに取り付けられる弾性体と、を備える金属吐出装置であって、前記ダイアフラムは、前記加圧機構が設けられて前記吐出方向に突出する中央部と、その周囲とを有し、前記ノズルは前記中央部においてのみ設けられ、前記押さえ板は、前記中央部を受ける凹部と、前記周囲と当接する接触部とを有し、前記ビスは前記接触部と前記周囲とをねじ止めする。
【0024】
この発明のうち請求項11にかかるものは、請求項10記載の金属吐出装置であって、前記中央部の側面と前記凹部との間に連通する真空吸引配管と、前記真空吸引配管に設けられた圧力計とを更に備える。
【0025】
この発明のうち請求項12にかかるものは、請求項10記載の金属吐出装置であって、前記凹部の側面において、前記中央部の側面に向けて開く凹部であるガス溜まり部が設けられ、前記凹部の底において、前記凹部の側面から前記吐出用開口部に向いて伸びる溝が設けられ、前記凹部の側面の高さに配置され、前記ガス溜まり部を介して前記溝に連通し、不活性ガスを導入する雰囲気ガス導入管を更に備える。
【0026】
この発明のうち請求項13にかかるものは、溶融金属を吐出する吐出用開口部を有するノズルと、前記溶融金属の吐出方向と反対側から前記ノズルに取り付けられて、前記ノズルと共に、前記溶融金属によって充填される溶融金属室を形成するダイアフラムと、前記ダイアフラムと前記ノズルとの間に介在する金属シールとを備える金属吐出装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1及び図2は本実施の形態にかかる半田吐出装置101の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【0028】
タンク2a,2bはそれぞれ半田供給路3a,3bを介して溶融半田室4と連通している。溶融半田1はタンク2a,2bに格納され、半田供給路3a,3bを介して溶融半田室4に至り、溶融半田室4を充填する。但し本出願で「溶融半田1が溶融半田室4を充填する」とは溶融半田1の他に気泡25が存在する場合をも含む概念である。気泡25が存在する場合、溶融半田1「中に」気泡25が存在する、との表現をも採用する。
【0029】
タンク2a,2bには、それぞれの内圧を制御する機構が設けられている。当該機構として、タンク2aには不活性ガス導入管11a及び不活性ガス排出管12aが挿入されており、不活性ガス排出管12aには排気弁24aが設けられている。同様に、タンク2bには不活性ガス導入管11b及び不活性ガス排出管12bが挿入されており、不活性ガス排出管12bには排気弁24bが設けられている。タンク2aは半田供給路3a、不活性ガス導入管11a、及び不活性ガス排出管12aを除いて密閉されている。タンク2bは半田供給路3b、不活性ガス導入管11b、及び不活性ガス排出管12bを除いて密閉されている。
【0030】
溶融半田室4において溶融半田1中に気泡25が存在した場合には、例えば排気弁24aを閉じ、排気弁24bを開ける。そして不活性ガス導入管11aから不活性ガスをタンク2a内に導入する。これにより、タンク2aの圧力はタンク2bの圧力よりも高まり、タンク2a内の溶融半田1の液面を押し下げる。このようにしてタンク2a,2bの間に圧力差を発生させ、溶融半田1を溶融半田室4を介してタンク2a側からタンク2b側へと移動させる。これにより気泡25はタンク2bへと移動し、タンク2bにおいて気泡25が除去される(図2)。
しかも気泡25を除去するに際しては、溶融半田1を半田吐出装置101から排出する必要がないので、溶融半田の材料を有効に利用することができる。
【0031】
溶融半田室4には下方から、吐出用開口部5が開けられたノズル6が、押さえ板17によって取り付けられている。溶融半田室4には上方からダイアフラム7が、ダイアフラム7には更に圧電素子8が、それぞれ設けられており、溶融半田室4を充填する溶融半田1を加圧する。当該加圧によって溶融半田1が溶融半田室4から吐出用開口部5を介して吐出される。溶融半田1は吐出用開口部5から吐出される際、雰囲気ガス導入管16から与えられる不活性ガスが吹き付けられ、溶融半田1の表面が酸化されることを防止する。
【0032】
溶融半田1が液体のまま吐出されるように、タンク2a,2bはそれぞれヒータ9a,9bで、半田供給路3a及び溶融半田室4はヒータ10aで、半田供給路3b及び溶融半田室4はヒータ10bで、それぞれ加熱される。ヒータ9a,9bは一体として構成してもよく、またヒータ10a,10bを一体として構成してもよく、更にはヒータ9a,9b,10a,10bを一体として構成してもよい。
【0033】
吐出用開口部5から溶融半田1を吐出する際には、タンク2a内の溶融半田1の液面を押し下げ、タンク2b内の溶融半田1の液面との間に高低差が生じている状態であってよい。もちろん、図1に示された状態から気泡25を取り除いた状態を得てから、排気弁24a,24bを開け、不活性ガス導入管11aからの不活性ガスの導入を停止し、吐出用開口部5から溶融半田1を吐出してもよい。
【0034】
また、気泡25を除去するのに、タンク2a,2bの間に圧力差を発生させ、溶融半田1を溶融半田室4を介してタンク2b側からタンク2a側へと移動させてもよい。この場合には気泡25はタンク2aへと移動し、タンク2aにおいて気泡25が除去される。具体的には、排気弁24bを閉じ、排気弁24aを開ける。そして不活性ガス導入管11bから不活性ガスをタンク2b内に導入する。
これにより、タンク2bの圧力はタンク2aの圧力よりも高まり、タンク2b内の溶融半田1の液面を押し下げる。
【0035】
また、溶融半田1をタンク2aからタンク2bへと、またタンク2bからタンク2aへと、交互に移動させてもよい。このような動作により、気泡25の除去はより効果的に行われる。
【0036】
タンク2a,2bのそれぞれの一部には透光性の窓、例えばガラス窓18a,18bが設けられる。液面検出センサ19a,19bはそれぞれガラス窓18a,18bを通して、タンク2a,2bに格納された溶融半田1の表面を光学的に検出する。排気弁24a,24bの開閉は、液面検出センサ19a,19bによって検出された溶融半田1の液面の高さ、即ちタンク2a,2bにおける溶融半田1が所定の下限値に達したことを契機として採用することができる。
【0037】
実施の形態2.
図3は本実施の形態にかかる半田吐出装置102の構造及び動作を模式的に示す断面図である。吐出装置102は実施の形態1で示された吐出装置101に対して、センサアンプ25、コントローラ26、加振機構27を追加した構成を備えている。
【0038】
センサアンプ25は、液面検出センサ19a,19bによってそれぞれ検出された、タンク2a,2bにおける溶融半田1の液面の高さが、所定の下限値Lに達したとの情報をコントローラ26へ伝達する。コントローラ26は当該情報及び別途に入力する動作指令CNTに基づいて、排気弁24a,24bの開閉、及び加振機構27の動作を制御する。加振機構27は稼働部27aと衝突部27bとを備え、稼働部27aが動作することにより、衝突部27bがタンク2a,2bを囲む壁に衝突し、これを加振する。
【0039】
図4は半田吐出装置102の動作を説明するタイミングチャートである。時刻t1においてコントローラ26へ動作指令CNTが与えられる。時刻t1に至る迄は、液面検出センサ19a,19bはタンク2a,2bにおける溶融半田1の液面の高さがいずれも下限値Lには達していないことを検出している。液面検出センサ19a,19bのこのような状態は図4において「非L」として示されている。また時刻t1よりも前にはバルブ24a,24bが開いており、この状態は図4において「開」として示されている。また時刻t1よりも前には加振機構27も動作しておらず、図4において「停止」として示されている。
【0040】
時刻t1においてコントローラ26が動作指令CNTを受けると、バルブ24aを閉じて不活性ガス排出管12aによるガスの排出をさせない一方、加振機構27を稼働させる。これらの状態は図4においてそれぞれ「閉」、「稼働」として示されている。不活性ガス導入管11aからは不活性ガスがタンク2aに導入されるので、タンク2aの内圧は高まり、タンク2a内の溶融半田1の液面は低下し、溶融半田室4内の溶融半田1はタンク2a側からタンク2b側へと移動する。タンク2a内の溶融半田1の液面が低下し、時刻t2において当該液面が下限値Lに到達する。この状態は液面検出センサ19aによって検出され、図4において「L」として示されている。
【0041】
コントローラ26は、タンク2a内の溶融半田1の液面が所定の下限値Lに達したとの情報を受け、バルブ24aを開いて不活性ガス排出管12aによってタンク2a内のガスを排出させ、加振機構27を停止する。これにより、溶融半田1はタンク2b側からタンク2a側へと戻る。つまり時刻t1乃至時刻t2の期間において、溶融半田室4内の溶融半田1がタンク2a側からタンク2b側へと移動する。検出タンク2a内の溶融半田1の液面が下限値Lに到達していると液面検出センサ19aによって検出される期間Δtaは短く、例えば加振機構27が稼働する時間よりも短い。
【0042】
時刻t2の後、コントローラ26は待機時間Tを待って、時刻t3(=t2+T)においてバルブ24bを閉じて不活性ガス排出管12bによるガスの排出をさせない一方、加振機構27を稼働する。不活性ガス導入管11bからは不活性ガスがタンク2bに導入されるので、タンク2bの内圧は高まり、タンク2b内の溶融半田1の液面は低下し、溶融半田室4内の溶融半田はタンク2b側からタンク2a側へと移動する。タンク2b内の溶融半田1の液面が低下し、時刻t4において当該液面が下限値Lに到達する。この状態は液面検出センサ19bによって検出される。
【0043】
コントローラ26は、タンク2b内の溶融半田1の液面が所定の下限値Lに達したとの情報を受け、バルブ24bを開いて不活性ガス排出管12bによってタンク2b内のガスを排出させ、加振機構27を停止する。これにより、溶融半田1はタンク2a側からタンク2b側へと戻る。つまり時刻t3乃至時刻t4の期間において、溶融半田室4内の溶融半田1がタンク2b側からタンク2a側へと移動する。検出タンク2a内の溶融半田1の液面が下限値Lに到達していると液面検出センサ19aによって検出される期間Δtbは短く、例えば加振機構27が稼働する時間よりも短い。
【0044】
一旦コントローラ26に動作指令CNTを与えることにより、図4で示された動作が行われ、溶融半田1が元の状態に戻る。実施の形態1で既述したような溶融半田1をタンク2aからタンク2bへと、またタンク2bからタンク2aへと、交互に移動させることを自動的に行ってもよい。この場合、気泡25の除去を効率的に行うことができる。
【0045】
なお、本実施の形態において、特に加振機構27を設けなくても上記効果を得ることができる。しかし、溶融半田1の移動時にタンク2a,2bを加振することにより、溶融半田室4の壁面に付着した気泡を、溶融半田1中に浮遊させ、より効率的に気泡25の除去を行うことができる。
【0046】
コントローラ26に動作指令CNTを一旦与えることにより、タンク2aからタンク2bへ、そしてタンク2bからタンク2aへの、溶融半田1の往復動作を複数回行ってもよい。
【0047】
実施の形態3.
図5は本実施の形態にかかる半田吐出装置103の構造を模式的に示す断面図である。吐出装置103は実施の形態1で示された吐出装置101に対して、排気機構28、排気弁29、遮断弁30aを追加した構成を備えている。
【0048】
排気機構28は排気弁29を介して、排気弁24bよりもタンク2b寄りの位置で不活性ガス排出管12bに設けられている。また遮断弁30aは半田供給路3bの途中に設けられている。
【0049】
まず排気弁29を閉じ、遮断弁30aを開き、半田吐出装置103を半田吐出装置101と同じ動作を行わせ得る状態にする。そして実施の形態1に示されたように、排気弁24aを閉じて、排気弁24bが開いた状態で、不活性ガス導入管11aから不活性ガスを導入し、タンク2a側からタンク2b側へと溶融半田1を移動させる。例えばタンク2a内の溶融半田1の液面の高さが、所定の下限値となるまで溶融半田1を移動させる。
【0050】
その後に遮断弁30aを閉じ、更にその後に排気弁24bを閉じ、排気弁29を開ける。これにより、タンク2b内は排気機構28により、排気弁29、不活性ガス排出管12bを介して排気される。かかる排気により、タンク2b内は減圧雰囲気となり、タンク2b内での溶融半田1に含まれる気泡の放出が促進される。
【0051】
かかる排気を一定時間行った後、排気弁29を閉じ、排気弁24bを開けて不活性ガス排出管12bからの大気流入を許し、遮断弁30aを開けて溶融半田1の液面を元の状態に戻す。
【0052】
当該排気を効率よく行うため、排気の際には、不活性ガス導入管11bからの不活性ガスの導入は避ける方が望ましい。
【0053】
排気機構28の構成としては、図5に示されたように、真空ポンプ28a及び、これと排気弁29との間に設けられた排気配管28bを例示することができる。
【0054】
実施の形態4.
図6は本実施の形態にかかる半田吐出装置104の構造を模式的に示す断面図である。吐出装置104は実施の形態1で示された吐出装置101に対して、遮断弁30b、隘路31、リターン配管32、リターン遮断弁33aを追加した構成を有している。但し図6では図面の繁雑を避けるために、ガラス窓18a,18b、液面検出センサ19a,19bの図示を省略している。
【0055】
遮断弁30bは半田供給路3bとタンク2bとの境界近傍に設けられる。また隘路31は半田供給路3bの途中に設けられ、半田供給路3bよりも小径に構成されている。リターン配管32は第1タンク2aと第2タンク2bとの間に接続され、リターン遮断弁33aによって第1タンク2aと第2タンク2bとの間の連通の可否が設定される。リターン配管32の第1タンク2a側の端32aは第1タンクにおいて溶融半田1には接触しない位置に配置される。またリターン配管32の第2タンク2b側の端32bは第2タンクにおいて溶融半田1中に浴する位置に配置される。
【0056】
図7は遮断弁30b近傍の構成を模式的に示す断面図である。遮断弁30bはテーパ面301と、テーパ面301に嵌合する先端部302aを有する桿状体302とを備えている。テーパ面301は、第2タンク2bの底と半田供給路3bとの境界に設けられ、第2タンク2b側から半田供給路3b側に向かって窄まる。桿状体302は先端部302aを支持する支持体302bを更に有している。
桿状体302は、図6及び図7の白抜き矢印で示されたように上下動して、テーパ面301に先端部302aを嵌合させたり、抜き去ったりする。このような動作により、遮断弁30bは半田供給路3bとタンク2bとの連通の可否を設定する。但し遮断弁30bの構成は、図7に例示された構成に限定されることなく、他の公知の構造を採用することができる。
【0057】
図8は遮断弁30bの他の構造を例示する断面図である。桿状体302の先端部302aは平板状であり、タンク2bの底に当接することにより、半田供給路3bの上端を塞ぐ。
【0058】
隘路31は図7に示されるように半田供給路3bと平行な断面を呈していてもよいし、図8に示されるように半田供給路3bに対して傾斜する断面を呈していてもよい。
【0059】
半田吐出装置104の操作は、まずリターン遮断弁33aを閉じ、遮断弁30bを開き、半田吐出装置104を半田吐出装置101と同じ動作を行わせ得る状態にする。そして実施の形態1に示されたように、排気弁24aを閉じて、排気弁24bが開いた状態で、不活性ガス導入管11aから不活性ガスを導入し、タンク2a側からタンク2b側へと溶融半田1を移動させる。例えばタンク2a内の溶融半田1の液面の高さが、所定の下限値となるまで溶融半田1を移動させる。
【0060】
その後、遮断弁30bを閉じて、半田供給路3bから溶融半田室4へと溶融半田1が戻ることを防止する。そして排気弁24aを開けて、タンク2aの内圧を大気圧に戻す。そしてリターン遮断弁33aを開き、排気弁24bを閉じ、不活性ガス導入管11bから不活性ガスを導入する。これによりタンク2bの内圧は高められ、リターン配管32の端32bから端32aへと溶融半田1が移動する。
【0061】
半田吐出装置104では、半田吐出装置101と同様にタンク2aからタンク2bへと溶融半田1を移動させて気泡をタンク2bにおいて放出することに加え、その後にタンク2bからタンク2aへと溶融半田1を戻す際には溶融半田室4を経由しない別経路、即ちリターン配管32を介して溶融半田1を移動させる。
よって気泡が溶融半田室4へと再混入することを防止できる。
【0062】
隘路31は隘路31に至るまでの半田供給路3bにおける溶融半田1の移動速度を抑制する。よって溶融半田1がタンク2aからの気泡を巻き込んだり、半田供給路3a,3bで溶融半田1が途切れることを防止する。隘路31は遮断弁30b、リターン配管32、リターン遮断弁32の存否によらずその効果を与える。よって半田吐出装置104において用いられるのみならず、本実施の形態以外の他の実施の形態で説明される半田吐出装置に適用することができる。
【0063】
実施の形態5.
図9乃至図11は本実施の形態にかかる半田吐出装置105の構造及び動作を模式的に示す断面図である。吐出装置105は実施の形態4で示された吐出装置104に対して、タンク2bをタンク2aよりも上方に配置した変形を行って得られる構造を有している。かかる変形に伴い、タンク2bの壁には貫通孔18cが穿たれている。ガラス窓18a、貫通孔18cを通して、タンク2bの上方に設けられた液面検出センサ19aがタンク2aにおける溶融半田1の液面の高さを検出できる。また、タンク2aと接続されるべく、不活性ガス導入管11a及び不活性ガス排出管12aがタンク2bの壁を貫通している。
【0064】
更に、リターン配管32を流入配管35に、リターン遮断弁33aをリターン遮断弁33bに、それぞれ置換している。リターン遮断弁33bはタンク2bの底に設けられ、遮断弁30bはリターン遮断弁33bよりも上方に、従ってタンク2bの底に対しても上方に、設けられる。
【0065】
図12は遮断弁30b及びリターン遮断弁33b近傍の構成を模式的に示す断面図である。遮断弁30bは実施の形態4と同様に構成され、図7に示された構造を採ることができる。即ち、例えばテーパ面301と桿状体302とを備える。あるいは遮断弁30bは図8に示された構成を採ってもよい。
【0066】
リターン遮断弁33bはテーパ面303と、テーパ面303に嵌合する先端部304aを有する桿状体304とを備えている。テーパ面303はタンク2bの底を貫通して設けられ、流入配管35の上端と連通している。テーパ面303は第2タンク2b側から流入配管35側に向かって窄まる。桿状体304は先端部304aを支持する支持体304bを更に有している。桿状体304は、図9及び図12の白抜き矢印で示されたように上下動して、テーパ面303に先端部304aを嵌合させたり、抜き去ったりする。このような動作により、リターン遮断弁33bは流入配管35とタンク2bとの連通の可否を設定する。但しリターン遮断弁33bの構成は、図12に例示された構成に限定されることなく、他の公知の構造を採用することができる。
【0067】
流入配管35の下端はタンク2aの底近傍に配置され、リターン遮断弁33bが開くことによってタンク2a,2bが流入配管35を介して連通する。
【0068】
次に動作について説明する。通常、溶融半田1を吐出する際には、遮断弁30b、リターン遮断弁33bのいずれをも開く。この際、図9に示されるように溶融半田1の液面はタンク2a内にあり、タンク2aよりも上方に位置するタンク2bには溶融半田1は格納されていない。
【0069】
図10は、気泡を除去するためにタンク2a側からタンク2b側へと溶融半田1を移動させる際の動作を示す。この際にはリターン遮断弁33bを閉じ、遮断弁30bを開け、実施の形態1に示されたように、排気弁24aを閉じて、排気弁24bが開いた状態で、不活性ガス導入管11aから不活性ガスを導入し、タンク2a側からタンク2b側へと溶融半田1を移動させる。例えばタンク2a内の溶融半田1の液面の高さが、所定の下限値となるまで溶融半田1を移動させる。遮断弁30bはタンク2bの底よりも上方に位置するので、溶融半田1は遮断弁30bから流れてタンク2bの底へと至る。
【0070】
図11はタンク2b側からタンク2a側へと溶融半田1を戻す際の動作を示す。実施の形態4に示された操作と同様に、まず遮断弁30bを閉じて、半田供給路3bから溶融半田室4へと溶融半田1が戻ることを防止する。そして排気弁24aを開けて、タンク2aの内圧を大気圧に戻す。そしてリターン遮断弁33bを開き、排気弁24bを閉じ、不活性ガス導入管11bから不活性ガスを導入する。これによりタンク2bの内圧は高められ、流入配管35を介してタンク2aへと溶融半田1が移動する。
【0071】
以上のように、半田吐出装置105も半田吐出装置104と同様に、気泡が溶融半田室4へと再混入することを防止できる。しかも半田吐出装置105は半田吐出装置104と比較して、幅方向の寸法を小さくする設計が可能となる。
【0072】
タンク2a内の溶融半田1の液面の高さを液面検出センサ19aで検出するに際し、浮遊反射板34を用いることも望ましい。浮遊反射板34はタンク2a内の溶融半田1の液面に浮遊し、その上側の面(以下「表面」と称す)の高さを液面検出センサ19aで検出することにより、間接的にタンク2a内の溶融半田1の液面の高さを検出することができる。
【0073】
浮遊反射板34は例えばアルミニウムあるいはその合金、チタンあるいはその合金、ステンレス鋼を材料として形成することができる。これらは溶融半田1よりも比重が軽く、溶融半田1の液面に浮遊する。但しその表面に溶融半田1が載らないように、溶融半田1との濡れ性を悪くすることが望ましい。溶融半田1との濡れ性を悪くするためには、アルミニウムあるいはその合金で浮遊反射板34を形成する場合にはアルマイト処理を行い、チタンあるいはその合金、またはステンレス鋼を材料として形成する場合にはダイアライクカーボンによるコーティングを行うことが望ましい。これらの材料のいずれも酸化膜の状態は溶融半田1の酸化膜よりも安定であり、液面検出センサ19aによる光学的な検出において好適である。
【0074】
また、溶融半田1を得るためにはタンク2a内の温度を半田の融点よりも高く保つ必要があるが、上記の浮遊反射板34の材料は、半田の融点よりも高い融点を有しており、実際の使用上、浮遊反射板34の融点よりも低い温度で操作を行うことができる。
【0075】
浮遊反射板34はその下方(タンク2aの底側)の面(以下「裏面」と称す)に突起部37を有しており、タンク2aから溶融半田1が減少しても、浮遊反射板34の裏面はタンク2aの底には達せず、浮遊反射板34とタンク2aの底とが接触する面積は小さい。これによりタンク2aへと溶融半田1が戻された場合に、浮遊反射板34は容易にタンク2aの底から離れ、溶融半田1の液面に浮遊する。
【0076】
なお、浮遊反射板34の表面が流入配管35の下端に引っかかっては、溶融半田1の液面に浮遊できない場合が考えられる。よって浮遊反射板34がタンク2aの底に達してもその表面が流入配管35の下端よりも上方に位置することが望ましい。換言すれば、浮遊反射板34の突起部37をも含めた高さは、タンク2aの底から流入配管35の下端迄の高さよりも大きいことが望ましい。浮遊反射板34の突起部37をも含めた高さは、浮遊反射板34の表面と裏面との間の厚さや、突起部37の高さによって設定することができる。
【0077】
浮遊反射板34を用いた溶融半田1の液面検出は、溶融半田1をタンク2a,2b間で移動させる技術を前提とするものではなく、例えば図19に示された半田吐出装置において適用することができる。
【0078】
実施の形態6.
図13は本実施の形態にかかる半田吐出装置106の構造を模式的に示す断面図である。図20に示される構成と比較して、ノズル6を圧電素子8の下方近傍にのみ設け、ビス22はダイアフラム7と、押さえ板17を直接に接触させて締め付けている。
【0079】
ダイアフラム7は圧電素子8が設けられる中央部7aが、その周囲7bよりも溶融半田1の吐出方向たる下方に突出している。押さえ板17は中央部7aを受ける凹部17aと、周囲7bと当接する接触部17bとを備えている。Oリング21を受ける溝23は中央部7aの下面7cに設けられ、ノズル6は下面7cにのみ当接するが、周囲7bには当接しない。
【0080】
ビス22は周囲7bと接触部17bとをねじ止めする。接触部17bは凹部17aよりも肉厚に形成され、ビス22の座ぐりを深くすることができる。これによりビス22は、その頭が大きなものを採用することができ、押さえ板17の剛性を高めてノズル6の撓みを抑止することができる。よって溶融半田室4と溝23の間に隙間が生じることもなく、溶融半田1への加圧は良好に行われる。
【0081】
その一方、凹部17aが設けられることにより、ノズル6が有する吐出用開口部5の下方の押さえ板17の厚みは薄く、溶融半田1が吐出されてから吐出対象(図示せず)に至るまでの距離を短くすることができる。よって押さえ板17の剛性を高めつつ、吐出の位置についての精度を悪化させにくいという利点がある。
【0082】
Oリング21の位置は下面7cから離すこともできる。図14は本実施の形態にかかる他の半田吐出装置107の構造を模式的に示す断面図である。接触部17bは、ダイアフラム7の中央部7aと周囲7bとの境界近傍で面取り17cが形成されており、当該面取り17cと、中央部7aと周囲7bとが作る空隙にOリング21が填め込まれている。よって溝23は設けられていない。
【0083】
半田吐出装置107ではOリング21が肉厚の接触部17bでダイアフラム7に押さ付けられるので、Oリング21の反発力に耐えることができ、溶融半田室4の周囲に隙間が生じることがない。
【0084】
例えば更に、接触部17bは上記境界から周囲に向く所定距離だけ、周囲7bと空隙を設けて離れており、凹部17aは中央部7aの側面と空隙91を設けて離れている。
【0085】
実施の形態7.
半田吐出装置に溶融半田を供給する前には、その組み立ての良否を判断することが望ましい。一旦溶融半田を充填した後に組み立てが不良であることが分かった場合には半田吐出装置を再度組み立てなおす必要がある。しかしそれでは溶融半田室4内に対して表面処理を改めて行うことになる。また半田が溶融しているのでその温度を降下させてからでないと再度の組み立てを行うことができず、作業時間が長くなってしまう。
【0086】
図15は本実施の形態にかかる半田吐出装置107aの構造を示す断面図である。半田吐出装置107aは半田吐出装置107(図14)に真空吸引配管38を設けて変形した構造を有している。真空吸引配管38は吐出方向にほぼ直交して接触部17bを貫通し、中央部7aの側面と凹部17aとの間の空隙91に連通している。真空吸引配管38は外部に引き出され、圧力計39が設けられている。
【0087】
半田吐出装置107を組み立てた後に、真空吸引配管38によって空隙91を吸引し、圧力計39の表示を確認する。圧力計39の表示によって空隙91にリークが無いことが検出されければ、ノズル6、ダイアフラム7、押さえ板17は良好に組み立てられていると考えられる。よってその後に溶融半田1を導入しても、ノズル6とダイアフラム7とが形成する溶融半田室4は良好に密閉され、溶融半田1への加圧も良好となる。またリークが検出された場合であっても、溶融半田1をまだ導入していないので、再度の組み立てが容易となる。
【0088】
実施の形態8.
図16は本実施の形態にかかる半田吐出装置107bの構造を示す断面図である。半田吐出装置107bは半田吐出装置107(図14)の雰囲気ガス導入管16の位置を凹部17bの側面の高さにまで引き上げて変形した構成を有している。
【0089】
図17は押さえ板17を吐出方向に沿ってみた場合の平面図である。図17には鎖線でダイアフラム7の中央部7a及び吐出用開口部5の位置を示している。
接触部17bはダイアフラム7に接触する面171と、ダイアフラム7から離れる面172とを有している。面172にはビス22がねじ止めされる孔221が貫通している。図17のPP矢視方向の断面が図16で現れた押さえ板17の断面に相当する。
【0090】
凹部17aの側面には中央部7aの側面に向けて開く凹部である雰囲気ガス溜まり41が形成されており、これを介して雰囲気ガス導入管16は中央部7aの側面と凹部17aとの間の空隙91に連通する。凹部17aの底43には凹部17aの側面から吐出用開口部5に向いて伸びる溝42が設けられており、これは空隙91を介して雰囲気ガス溜まり41に連通する。
【0091】
雰囲気ガス導入管16から導入された(図16の矢印参照)雰囲気ガスは、吐出用開口部5に至るまでに、雰囲気ガス溜まり41及び溝42を経由する(図16の矢印参照)。よって雰囲気ガスの流速が雰囲気ガス溜まり41において低下し、吐出用開口部5へ供給される際に外気を巻き込みにくくする。よって溶融半田1が吐出される際に酸化されにくくなる。
【0092】
またダイアフラム7は図示されないヒータで加熱されており、雰囲気ガス導入管16は従来の場合と比較してダイアフラム7に近く、温められやすい。よって溶融半田1が吐出される際に固化しにくくなる。
【0093】
実施の形態9.
図18は本実施の形態にかかる半田吐出装置108の構造を示す断面図である。半田吐出装置108は、半田吐出装置106(図13)の溝23及びOリング21を金属シール40に置換した構成を有している。つまりダイアフラム7とノズル6との間に金属シール40が介在して取り付けられている。
【0094】
Oリング21は一般に高分子材料で形成され、溶融半田1の濡れ性が悪い。しかし金属シール40は例えばステンレス鋼を材料として形成し、これにNiメッキやAuメッキ等の親半田処理を行って溶融半田1との濡れ性を良好にすることができる。よって溶融半田室4からノズル6とダイアフラム7との境界迄の溶融半田1の濡れ性を良好にすることができ、気泡の発生を抑制することができる。
また溝23を設ける必要がないので、吐出方向に沿っての寸法を短くすることができる。
【0095】
金属シール40の採用は、本件の他の実施の形態の採用を前提とはせず、例えば図19に示された半田吐出装置において適用することができる。
【0096】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1にかかる金属吐出装置によれば、溶融金属室において溶融金属中に気泡が生じた場合、溶融金属を第1タンクと第2タンクとの間で溶融金属室を介して移動させることにより、当該気泡を溶融金属室から容易に除去することができる。しかも溶融金属の材料を外部に排出せずに有効に利用することができる。
【0097】
この発明のうち請求項2にかかる金属吐出装置によれば、第1ガス排出管を介してのガスの排出をさせないことにより、第1タンクの内圧が高まり、溶融金属を第1タンク側から第2タンク側へと移動させることができる。第1タンクにおける溶融金属の液面が所定の下限に到達したことは、第1液面検出センサによってコントローラに伝達される。コントローラは当該伝達によって第1ガス排出管を介してガスを排出させ、液面状態を元に戻す。第2ガス排出管を介してのガスの排出をさせないことにより、第2タンクの内圧が高まり、溶融金属を第2タンク側から第2タンク側へと移動させることができる。第2タンクにおける溶融金属の液面が所定の下限に到達したことは、第2液面検出センサによってコントローラに伝達される。コントローラは当該伝達によって第2ガス排出管を介してガスを排出させ、液面状態を元に戻す。溶融金属を第1タンクと第2タンクとの間で溶融金属室を介して自動的に移動させることにより、気泡を溶融金属室から容易に除去することができる。
【0098】
この発明のうち請求項3にかかる金属吐出装置によれば、溶融金属室の壁面に付着した気泡を、溶融金属中に浮遊させ、より効率的に気泡の除去を行うことができる。
【0099】
この発明のうち請求項4にかかる金属吐出装置によれば、第1タンク側から第2タンク側へと溶融金属を移動させ、第2タンク内での溶融金属の気泡を効率よく放出することができる。
【0100】
この発明のうち請求項5にかかる金属吐出装置によれば、第1タンク側から第2タンク側へと溶融金属を移動させて気泡を放出する際、溶融金属の移動速度を抑制し、溶融金属が第1タンクから気泡を巻き込むことや、移動中の溶融金属が途切れることを防止する。
【0101】
この発明のうち請求項6にかかる金属吐出装置によれば、第1タンク側から第2タンク側へと溶融金属を移動させて気泡を放出した後、気泡が溶融金属室へと再混入することを防止できる。
【0102】
この発明のうち請求項7にかかる金属吐出装置によれば、幅方向の寸法を小さくする設計が可能となる。
【0103】
この発明のうち請求項8にかかる金属吐出装置によれば、浮遊反射板の上側の面までの距離を測定することにより、間接的にタンク内の溶融金属の液面の高さを検出することができる。
【0104】
この発明のうち請求項9にかかる金属吐出装置によれば、タンクから溶融金属が減少しても、浮遊反射板の下側の面はタンクの底には達せず、浮遊反射板とタンクの底とが接触する面積は小さい。これによりタンクへと再び溶融金属が戻された場合に、浮遊反射板は容易にタンクの底から離れ、溶融金属の液面に浮遊する。
【0105】
この発明のうち請求項10にかかる金属吐出装置によれば、接触部を凹部よりも肉厚に形成できるので、座ぐりを深くし、ビスはその頭が大きなものを採用することができる。よって押さえ板の剛性を高めてノズルの撓みを抑止することができる。よって溶融金属室に隙間が生じることもなく、溶融金属への加圧は良好に行われる。その一方、凹部が設けられることにより、ノズルが有する吐出用開口部の下方の押さえ板の厚みは薄く、溶融金属が吐出されてから吐出対象に至るまでの距離を短くすることができる。よって吐出の位置についての精度を悪化させにくい。
【0106】
この発明のうち請求項11にかかる金属吐出装置によれば、圧力計の表示によってリークが無いことが検出されければノズル、ダイアフラム、押さえ板は良好に組み立てられていると考えられる。よってその後に溶融金属を導入しても、ノズルとダイアフラムとが形成する溶融金属室は良好に密閉され、溶融金属への加圧も良好となる。
【0107】
この発明のうち請求項12にかかる金属吐出装置によれば、不活性ガスの流速がガス溜まりにおいて低下し、吐出用開口部へ供給される際に外気を巻き込みにくくする。よって溶融金属が吐出される際に酸化されにくくなる。またダイアフラムは加熱されており、雰囲気ガス導入管は温められやすくなるので、溶融金属が吐出される際に固化しにくくなる。
【0108】
この発明のうち請求項13にかかる金属吐出装置によれば、金属シールは容易に溶融金属との濡れ性を良好にできる。よって溶融金属室からノズルとダイアフラムとの境界迄の溶融金属の濡れ性を良好にすることができ、気泡の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる半田吐出装置の構造を説明するタイミングチャートである。
【図5】本発明の実施の形態3にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態4にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態4にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態4にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態5にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態5にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態5にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態5にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態6にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図14】本発明の実施の形態6にかかる他の半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図15】本発明の実施の形態7にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図16】本発明の実施の形態8にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図17】本発明の実施の形態8にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す平面図である。
【図18】本発明の実施の形態9にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図19】従来の半田吐出装置の構造を模式的に例示する断面図である。
【図20】従来の半田吐出装置の構造を模式的に例示する断面図である。
【図21】従来の半田吐出装置の構造を模式的に例示する断面図である。
【符号の説明】
1 溶融半田、2a,2b タンク、3a,3b 半田供給路、4 溶融半田室、5 吐出用開口部、6 ノズル、7 ダイアフラム、7a 中央部、7b 周囲、8 圧電素子、11a,11b 不活性ガス導入管、12a,12b 不活性ガス排出管、16 雰囲気ガス導入管、17 押さえ板、17a 凹部、17b 接触部、19a,19b 液面検出センサ、21 Oリング、22 ビス、26 コントローラ、27 加振機構、28 排気機構、31 隘路、32 リターン配管、34 浮遊反射板、35 流入配管、37 突起部、38 真空吸引配管、39 圧力計、40 金属シール、41 雰囲気ガス溜まり。
【発明の属する技術分野】
この発明は溶融金属を吐出する技術に関し、例えば半田バンプの形成のために溶融半田を吐出する技術に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
図19は従来の半田吐出装置の構造を模式的に例示する断面図である。溶融半田1はタンク2内に格納されており、半田供給路3を介して溶融半田室4に至る。溶融半田室4は、吐出用開口部5が開けられたノズル6を下方から、上方のダイアフラム7へと、押さえ板17によって取り付けることによって形成されている。溶融半田室4にはノズル6と反対側から、即ちダイアフラム7に対して、加圧機構たる圧電素子8が設けられており、溶融半田室4を充填する溶融半田1を加圧する。当該加圧によって溶融半田1が溶融半田室4から吐出用開口部5を介して下方へ吐出される。つまりダイアフラム7は溶融半田1が吐出する方向と反対側からノズル6に取り付けられている。溶融半田1が液体のまま吐出されるように、タンク2はヒータ9で、半田供給路3及び溶融半田室4はヒータ10で、それぞれ加熱される。
【0003】
溶融半田1は吐出用開口部5から吐出される際、雰囲気ガス導入管16から与えられる不活性ガス(但し本出願においては、これは窒素ガスをも含む概念である)が吹き付けられ、溶融半田1の表面が酸化されることを防止する。
【0004】
溶融半田室4にはドレイン穴13が接続されており、両者の間はドレイン蓋14によって開閉される。溶融半田室4において溶融半田1中に気泡が生じた場合、ドレイン穴13から溶融半田1を排出し、別途新たに溶融半田1をタンク2へ供給する。
【0005】
タンク2には不活性ガス導入管11及び不活性ガス排出管12が挿入されており、不活性ガス排出管12には排気弁24が設けられている。タンク2は半田供給路3、不活性ガス導入管11、及び不活性ガス排出管12を除いて密閉されている。不活性ガス排出管12を閉め、ドレイン蓋14を開け、不活性ガス導入管11から不活性ガスを導入することにより、タンク2において溶融半田1が加圧される。当該加圧によって溶融半田1はドレイン穴13から排出半田15として排出され、排出半田回収箱20を用いて回収される。
【0006】
タンク2の一部には透光性の窓、例えばガラス窓18が設けられ、液面検出センサ19によって溶融半田1の表面の光学的な検出を可能としている。これにより、タンク2から溶融半田1の残量を検出し、以て溶融半田1が排出されたか否かを検出することができる。
【0007】
図20はノズル6が押さえ板17によってダイアフラム7へと取り付けられる状態の詳細を示す断面図である。吐出方向側からビス22が押さえ板17及びノズル6を貫通し、ダイアフラム7へとノズル6を締め付けている。ダイアフラム7にはノズル6に向かって開く溝23が設けられており、溝23には弾性体たるOリング21が填められ、上記締め付けの効果を高めている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術によれば、排出半田15をそのまま半田吐出装置に再使用することができない。よって半田の損失が大きかった。また高温の排出半田15を排出することになる。
【0009】
また溶融半田1の液面は酸化して不安定に変色するので、溶融半田1の残量をその液面までの距離の検出によって判断する場合に不正確となる。
【0010】
図21はOリング21近傍の詳細を示す断面図である。ビス22の締め付けに対するOリング21の反発力Gにより、ノズル6が変形して撓みQが生じている。そして撓みQが生じることにより溶融半田室4と溝23が連通し、その結果、溶融半田1は幅Sで伸縮する。このような溶融半田1の伸縮は溶融半田室4を充填する溶融半田1への加圧を妨げる。
【0011】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、溶融金属中の気泡の除去を効率よく行い、かつ材料の有効な利用を第1の目的とする。
【0012】
また、溶融金属の液面を精度よく検出することを第2の目的とする。
【0013】
また、ノズルの変形を防止して溶融金属への加圧を妨げないことを第3の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち請求項1にかかるものは、溶融金属によって充填される溶融金属室と、いずれも前記溶融金属室に連通して前記溶融金属を格納する第1及び第2タンクとを備える金属吐出装置であって、前記第1タンクと前記第2タンクとの間に圧力差を発生させ、前記溶融金属を前記溶融金属室を介して前記第1タンクと前記第2タンクとの間で移動させ、前記溶融金属室において前記溶融金属を加圧して前記溶融金属を吐出する。
【0015】
この発明のうち請求項2にかかるものは、請求項1記載の金属吐出装置であって、それぞれ前記第1及び第2タンクに設けられ、各々がガスを導入する第1及び第2ガス導入管と、それぞれ前記第1及び第2タンクに設けられ、各々が前記第1及び第2タンクの前記ガスを排出する第1及び第2ガス排出管と、それぞれ前記第1及び第2タンクにおける前記溶融金属の液面を検出する第1及び第2液面検出センサと、前記第1及び第2液面検出センサの出力に基づいて、前記第1及び前記第2ガス排出管を介しての前記ガスの排出の可否を制御するコントローラと、を更に備える。
【0016】
この発明のうち請求項3にかかるものは、請求項2記載の金属吐出装置であって、前記第1及び前記第2ガス排出管のいずれかが前記ガスを排出しない場合に、前記第1及び第2タンクを加振する加振機構を更に備える。
【0017】
この発明のうち請求項4にかかるものは、請求項1記載の金属吐出装置であって、前記第2タンクを排気する排気機構を更に備える。
【0018】
この発明のうち請求項5にかかるものは、請求項1記載の金属吐出装置であって、前記第2タンクと前記溶融金属室との間を接続する金属供給路を更に備え、前記金属供給路の途中には隘路が設けられる。
【0019】
この発明のうち請求項6にかかるものは、請求項1記載の金属吐出装置であって、前記溶融金属室を介して前記第1タンクから前記第2タンクへと前記溶融金属を移動させ、前記溶融金属室を経由しない別経路を介して前記第2タンクから前記第1タンクへと前記溶融金属を移動させる。
【0020】
この発明のうち請求項7にかかるものは、請求項6記載の金属吐出装置であって、前記第2タンクは前記第1タンクの上方に配置される。
【0021】
この発明のうち請求項8にかかるものは、溶融金属によって充填される溶融金属室と、前記溶融金属室に連通して前記溶融金属を格納するタンクと、前記タンク内の前記溶融金属の液面に浮遊する浮遊反射板と、前記浮遊反射板の上側の面までの距離を測定する光学的検出器とを備え、前記溶融金属室において前記溶融金属を加圧して前記溶融金属を吐出する、金属吐出装置である。
【0022】
この発明のうち請求項9にかかるものは、請求項8記載の金属吐出装置であって、前記浮遊反射板はその下側の面に突起部を有する。
【0023】
この発明のうち請求項10にかかるものは、溶融金属を吐出する吐出用開口部を有するノズルと、前記溶融金属の吐出方向と反対側から前記ノズルに取り付けられて、前記ノズルと共に、前記溶融金属によって充填される溶融金属室を形成するダイアフラムと、前記ノズルとは反対側から前記溶融金属室に設けられ、前記溶融金属を加圧する加圧機構と、前記ノズルを前記ダイアフラムに取り付ける押さえ板と、前記押さえ板を前記吐出方向側から前記ダイアフラムに締め付けるビスと、前記ダイアフラムに取り付けられる弾性体と、を備える金属吐出装置であって、前記ダイアフラムは、前記加圧機構が設けられて前記吐出方向に突出する中央部と、その周囲とを有し、前記ノズルは前記中央部においてのみ設けられ、前記押さえ板は、前記中央部を受ける凹部と、前記周囲と当接する接触部とを有し、前記ビスは前記接触部と前記周囲とをねじ止めする。
【0024】
この発明のうち請求項11にかかるものは、請求項10記載の金属吐出装置であって、前記中央部の側面と前記凹部との間に連通する真空吸引配管と、前記真空吸引配管に設けられた圧力計とを更に備える。
【0025】
この発明のうち請求項12にかかるものは、請求項10記載の金属吐出装置であって、前記凹部の側面において、前記中央部の側面に向けて開く凹部であるガス溜まり部が設けられ、前記凹部の底において、前記凹部の側面から前記吐出用開口部に向いて伸びる溝が設けられ、前記凹部の側面の高さに配置され、前記ガス溜まり部を介して前記溝に連通し、不活性ガスを導入する雰囲気ガス導入管を更に備える。
【0026】
この発明のうち請求項13にかかるものは、溶融金属を吐出する吐出用開口部を有するノズルと、前記溶融金属の吐出方向と反対側から前記ノズルに取り付けられて、前記ノズルと共に、前記溶融金属によって充填される溶融金属室を形成するダイアフラムと、前記ダイアフラムと前記ノズルとの間に介在する金属シールとを備える金属吐出装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1及び図2は本実施の形態にかかる半田吐出装置101の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【0028】
タンク2a,2bはそれぞれ半田供給路3a,3bを介して溶融半田室4と連通している。溶融半田1はタンク2a,2bに格納され、半田供給路3a,3bを介して溶融半田室4に至り、溶融半田室4を充填する。但し本出願で「溶融半田1が溶融半田室4を充填する」とは溶融半田1の他に気泡25が存在する場合をも含む概念である。気泡25が存在する場合、溶融半田1「中に」気泡25が存在する、との表現をも採用する。
【0029】
タンク2a,2bには、それぞれの内圧を制御する機構が設けられている。当該機構として、タンク2aには不活性ガス導入管11a及び不活性ガス排出管12aが挿入されており、不活性ガス排出管12aには排気弁24aが設けられている。同様に、タンク2bには不活性ガス導入管11b及び不活性ガス排出管12bが挿入されており、不活性ガス排出管12bには排気弁24bが設けられている。タンク2aは半田供給路3a、不活性ガス導入管11a、及び不活性ガス排出管12aを除いて密閉されている。タンク2bは半田供給路3b、不活性ガス導入管11b、及び不活性ガス排出管12bを除いて密閉されている。
【0030】
溶融半田室4において溶融半田1中に気泡25が存在した場合には、例えば排気弁24aを閉じ、排気弁24bを開ける。そして不活性ガス導入管11aから不活性ガスをタンク2a内に導入する。これにより、タンク2aの圧力はタンク2bの圧力よりも高まり、タンク2a内の溶融半田1の液面を押し下げる。このようにしてタンク2a,2bの間に圧力差を発生させ、溶融半田1を溶融半田室4を介してタンク2a側からタンク2b側へと移動させる。これにより気泡25はタンク2bへと移動し、タンク2bにおいて気泡25が除去される(図2)。
しかも気泡25を除去するに際しては、溶融半田1を半田吐出装置101から排出する必要がないので、溶融半田の材料を有効に利用することができる。
【0031】
溶融半田室4には下方から、吐出用開口部5が開けられたノズル6が、押さえ板17によって取り付けられている。溶融半田室4には上方からダイアフラム7が、ダイアフラム7には更に圧電素子8が、それぞれ設けられており、溶融半田室4を充填する溶融半田1を加圧する。当該加圧によって溶融半田1が溶融半田室4から吐出用開口部5を介して吐出される。溶融半田1は吐出用開口部5から吐出される際、雰囲気ガス導入管16から与えられる不活性ガスが吹き付けられ、溶融半田1の表面が酸化されることを防止する。
【0032】
溶融半田1が液体のまま吐出されるように、タンク2a,2bはそれぞれヒータ9a,9bで、半田供給路3a及び溶融半田室4はヒータ10aで、半田供給路3b及び溶融半田室4はヒータ10bで、それぞれ加熱される。ヒータ9a,9bは一体として構成してもよく、またヒータ10a,10bを一体として構成してもよく、更にはヒータ9a,9b,10a,10bを一体として構成してもよい。
【0033】
吐出用開口部5から溶融半田1を吐出する際には、タンク2a内の溶融半田1の液面を押し下げ、タンク2b内の溶融半田1の液面との間に高低差が生じている状態であってよい。もちろん、図1に示された状態から気泡25を取り除いた状態を得てから、排気弁24a,24bを開け、不活性ガス導入管11aからの不活性ガスの導入を停止し、吐出用開口部5から溶融半田1を吐出してもよい。
【0034】
また、気泡25を除去するのに、タンク2a,2bの間に圧力差を発生させ、溶融半田1を溶融半田室4を介してタンク2b側からタンク2a側へと移動させてもよい。この場合には気泡25はタンク2aへと移動し、タンク2aにおいて気泡25が除去される。具体的には、排気弁24bを閉じ、排気弁24aを開ける。そして不活性ガス導入管11bから不活性ガスをタンク2b内に導入する。
これにより、タンク2bの圧力はタンク2aの圧力よりも高まり、タンク2b内の溶融半田1の液面を押し下げる。
【0035】
また、溶融半田1をタンク2aからタンク2bへと、またタンク2bからタンク2aへと、交互に移動させてもよい。このような動作により、気泡25の除去はより効果的に行われる。
【0036】
タンク2a,2bのそれぞれの一部には透光性の窓、例えばガラス窓18a,18bが設けられる。液面検出センサ19a,19bはそれぞれガラス窓18a,18bを通して、タンク2a,2bに格納された溶融半田1の表面を光学的に検出する。排気弁24a,24bの開閉は、液面検出センサ19a,19bによって検出された溶融半田1の液面の高さ、即ちタンク2a,2bにおける溶融半田1が所定の下限値に達したことを契機として採用することができる。
【0037】
実施の形態2.
図3は本実施の形態にかかる半田吐出装置102の構造及び動作を模式的に示す断面図である。吐出装置102は実施の形態1で示された吐出装置101に対して、センサアンプ25、コントローラ26、加振機構27を追加した構成を備えている。
【0038】
センサアンプ25は、液面検出センサ19a,19bによってそれぞれ検出された、タンク2a,2bにおける溶融半田1の液面の高さが、所定の下限値Lに達したとの情報をコントローラ26へ伝達する。コントローラ26は当該情報及び別途に入力する動作指令CNTに基づいて、排気弁24a,24bの開閉、及び加振機構27の動作を制御する。加振機構27は稼働部27aと衝突部27bとを備え、稼働部27aが動作することにより、衝突部27bがタンク2a,2bを囲む壁に衝突し、これを加振する。
【0039】
図4は半田吐出装置102の動作を説明するタイミングチャートである。時刻t1においてコントローラ26へ動作指令CNTが与えられる。時刻t1に至る迄は、液面検出センサ19a,19bはタンク2a,2bにおける溶融半田1の液面の高さがいずれも下限値Lには達していないことを検出している。液面検出センサ19a,19bのこのような状態は図4において「非L」として示されている。また時刻t1よりも前にはバルブ24a,24bが開いており、この状態は図4において「開」として示されている。また時刻t1よりも前には加振機構27も動作しておらず、図4において「停止」として示されている。
【0040】
時刻t1においてコントローラ26が動作指令CNTを受けると、バルブ24aを閉じて不活性ガス排出管12aによるガスの排出をさせない一方、加振機構27を稼働させる。これらの状態は図4においてそれぞれ「閉」、「稼働」として示されている。不活性ガス導入管11aからは不活性ガスがタンク2aに導入されるので、タンク2aの内圧は高まり、タンク2a内の溶融半田1の液面は低下し、溶融半田室4内の溶融半田1はタンク2a側からタンク2b側へと移動する。タンク2a内の溶融半田1の液面が低下し、時刻t2において当該液面が下限値Lに到達する。この状態は液面検出センサ19aによって検出され、図4において「L」として示されている。
【0041】
コントローラ26は、タンク2a内の溶融半田1の液面が所定の下限値Lに達したとの情報を受け、バルブ24aを開いて不活性ガス排出管12aによってタンク2a内のガスを排出させ、加振機構27を停止する。これにより、溶融半田1はタンク2b側からタンク2a側へと戻る。つまり時刻t1乃至時刻t2の期間において、溶融半田室4内の溶融半田1がタンク2a側からタンク2b側へと移動する。検出タンク2a内の溶融半田1の液面が下限値Lに到達していると液面検出センサ19aによって検出される期間Δtaは短く、例えば加振機構27が稼働する時間よりも短い。
【0042】
時刻t2の後、コントローラ26は待機時間Tを待って、時刻t3(=t2+T)においてバルブ24bを閉じて不活性ガス排出管12bによるガスの排出をさせない一方、加振機構27を稼働する。不活性ガス導入管11bからは不活性ガスがタンク2bに導入されるので、タンク2bの内圧は高まり、タンク2b内の溶融半田1の液面は低下し、溶融半田室4内の溶融半田はタンク2b側からタンク2a側へと移動する。タンク2b内の溶融半田1の液面が低下し、時刻t4において当該液面が下限値Lに到達する。この状態は液面検出センサ19bによって検出される。
【0043】
コントローラ26は、タンク2b内の溶融半田1の液面が所定の下限値Lに達したとの情報を受け、バルブ24bを開いて不活性ガス排出管12bによってタンク2b内のガスを排出させ、加振機構27を停止する。これにより、溶融半田1はタンク2a側からタンク2b側へと戻る。つまり時刻t3乃至時刻t4の期間において、溶融半田室4内の溶融半田1がタンク2b側からタンク2a側へと移動する。検出タンク2a内の溶融半田1の液面が下限値Lに到達していると液面検出センサ19aによって検出される期間Δtbは短く、例えば加振機構27が稼働する時間よりも短い。
【0044】
一旦コントローラ26に動作指令CNTを与えることにより、図4で示された動作が行われ、溶融半田1が元の状態に戻る。実施の形態1で既述したような溶融半田1をタンク2aからタンク2bへと、またタンク2bからタンク2aへと、交互に移動させることを自動的に行ってもよい。この場合、気泡25の除去を効率的に行うことができる。
【0045】
なお、本実施の形態において、特に加振機構27を設けなくても上記効果を得ることができる。しかし、溶融半田1の移動時にタンク2a,2bを加振することにより、溶融半田室4の壁面に付着した気泡を、溶融半田1中に浮遊させ、より効率的に気泡25の除去を行うことができる。
【0046】
コントローラ26に動作指令CNTを一旦与えることにより、タンク2aからタンク2bへ、そしてタンク2bからタンク2aへの、溶融半田1の往復動作を複数回行ってもよい。
【0047】
実施の形態3.
図5は本実施の形態にかかる半田吐出装置103の構造を模式的に示す断面図である。吐出装置103は実施の形態1で示された吐出装置101に対して、排気機構28、排気弁29、遮断弁30aを追加した構成を備えている。
【0048】
排気機構28は排気弁29を介して、排気弁24bよりもタンク2b寄りの位置で不活性ガス排出管12bに設けられている。また遮断弁30aは半田供給路3bの途中に設けられている。
【0049】
まず排気弁29を閉じ、遮断弁30aを開き、半田吐出装置103を半田吐出装置101と同じ動作を行わせ得る状態にする。そして実施の形態1に示されたように、排気弁24aを閉じて、排気弁24bが開いた状態で、不活性ガス導入管11aから不活性ガスを導入し、タンク2a側からタンク2b側へと溶融半田1を移動させる。例えばタンク2a内の溶融半田1の液面の高さが、所定の下限値となるまで溶融半田1を移動させる。
【0050】
その後に遮断弁30aを閉じ、更にその後に排気弁24bを閉じ、排気弁29を開ける。これにより、タンク2b内は排気機構28により、排気弁29、不活性ガス排出管12bを介して排気される。かかる排気により、タンク2b内は減圧雰囲気となり、タンク2b内での溶融半田1に含まれる気泡の放出が促進される。
【0051】
かかる排気を一定時間行った後、排気弁29を閉じ、排気弁24bを開けて不活性ガス排出管12bからの大気流入を許し、遮断弁30aを開けて溶融半田1の液面を元の状態に戻す。
【0052】
当該排気を効率よく行うため、排気の際には、不活性ガス導入管11bからの不活性ガスの導入は避ける方が望ましい。
【0053】
排気機構28の構成としては、図5に示されたように、真空ポンプ28a及び、これと排気弁29との間に設けられた排気配管28bを例示することができる。
【0054】
実施の形態4.
図6は本実施の形態にかかる半田吐出装置104の構造を模式的に示す断面図である。吐出装置104は実施の形態1で示された吐出装置101に対して、遮断弁30b、隘路31、リターン配管32、リターン遮断弁33aを追加した構成を有している。但し図6では図面の繁雑を避けるために、ガラス窓18a,18b、液面検出センサ19a,19bの図示を省略している。
【0055】
遮断弁30bは半田供給路3bとタンク2bとの境界近傍に設けられる。また隘路31は半田供給路3bの途中に設けられ、半田供給路3bよりも小径に構成されている。リターン配管32は第1タンク2aと第2タンク2bとの間に接続され、リターン遮断弁33aによって第1タンク2aと第2タンク2bとの間の連通の可否が設定される。リターン配管32の第1タンク2a側の端32aは第1タンクにおいて溶融半田1には接触しない位置に配置される。またリターン配管32の第2タンク2b側の端32bは第2タンクにおいて溶融半田1中に浴する位置に配置される。
【0056】
図7は遮断弁30b近傍の構成を模式的に示す断面図である。遮断弁30bはテーパ面301と、テーパ面301に嵌合する先端部302aを有する桿状体302とを備えている。テーパ面301は、第2タンク2bの底と半田供給路3bとの境界に設けられ、第2タンク2b側から半田供給路3b側に向かって窄まる。桿状体302は先端部302aを支持する支持体302bを更に有している。
桿状体302は、図6及び図7の白抜き矢印で示されたように上下動して、テーパ面301に先端部302aを嵌合させたり、抜き去ったりする。このような動作により、遮断弁30bは半田供給路3bとタンク2bとの連通の可否を設定する。但し遮断弁30bの構成は、図7に例示された構成に限定されることなく、他の公知の構造を採用することができる。
【0057】
図8は遮断弁30bの他の構造を例示する断面図である。桿状体302の先端部302aは平板状であり、タンク2bの底に当接することにより、半田供給路3bの上端を塞ぐ。
【0058】
隘路31は図7に示されるように半田供給路3bと平行な断面を呈していてもよいし、図8に示されるように半田供給路3bに対して傾斜する断面を呈していてもよい。
【0059】
半田吐出装置104の操作は、まずリターン遮断弁33aを閉じ、遮断弁30bを開き、半田吐出装置104を半田吐出装置101と同じ動作を行わせ得る状態にする。そして実施の形態1に示されたように、排気弁24aを閉じて、排気弁24bが開いた状態で、不活性ガス導入管11aから不活性ガスを導入し、タンク2a側からタンク2b側へと溶融半田1を移動させる。例えばタンク2a内の溶融半田1の液面の高さが、所定の下限値となるまで溶融半田1を移動させる。
【0060】
その後、遮断弁30bを閉じて、半田供給路3bから溶融半田室4へと溶融半田1が戻ることを防止する。そして排気弁24aを開けて、タンク2aの内圧を大気圧に戻す。そしてリターン遮断弁33aを開き、排気弁24bを閉じ、不活性ガス導入管11bから不活性ガスを導入する。これによりタンク2bの内圧は高められ、リターン配管32の端32bから端32aへと溶融半田1が移動する。
【0061】
半田吐出装置104では、半田吐出装置101と同様にタンク2aからタンク2bへと溶融半田1を移動させて気泡をタンク2bにおいて放出することに加え、その後にタンク2bからタンク2aへと溶融半田1を戻す際には溶融半田室4を経由しない別経路、即ちリターン配管32を介して溶融半田1を移動させる。
よって気泡が溶融半田室4へと再混入することを防止できる。
【0062】
隘路31は隘路31に至るまでの半田供給路3bにおける溶融半田1の移動速度を抑制する。よって溶融半田1がタンク2aからの気泡を巻き込んだり、半田供給路3a,3bで溶融半田1が途切れることを防止する。隘路31は遮断弁30b、リターン配管32、リターン遮断弁32の存否によらずその効果を与える。よって半田吐出装置104において用いられるのみならず、本実施の形態以外の他の実施の形態で説明される半田吐出装置に適用することができる。
【0063】
実施の形態5.
図9乃至図11は本実施の形態にかかる半田吐出装置105の構造及び動作を模式的に示す断面図である。吐出装置105は実施の形態4で示された吐出装置104に対して、タンク2bをタンク2aよりも上方に配置した変形を行って得られる構造を有している。かかる変形に伴い、タンク2bの壁には貫通孔18cが穿たれている。ガラス窓18a、貫通孔18cを通して、タンク2bの上方に設けられた液面検出センサ19aがタンク2aにおける溶融半田1の液面の高さを検出できる。また、タンク2aと接続されるべく、不活性ガス導入管11a及び不活性ガス排出管12aがタンク2bの壁を貫通している。
【0064】
更に、リターン配管32を流入配管35に、リターン遮断弁33aをリターン遮断弁33bに、それぞれ置換している。リターン遮断弁33bはタンク2bの底に設けられ、遮断弁30bはリターン遮断弁33bよりも上方に、従ってタンク2bの底に対しても上方に、設けられる。
【0065】
図12は遮断弁30b及びリターン遮断弁33b近傍の構成を模式的に示す断面図である。遮断弁30bは実施の形態4と同様に構成され、図7に示された構造を採ることができる。即ち、例えばテーパ面301と桿状体302とを備える。あるいは遮断弁30bは図8に示された構成を採ってもよい。
【0066】
リターン遮断弁33bはテーパ面303と、テーパ面303に嵌合する先端部304aを有する桿状体304とを備えている。テーパ面303はタンク2bの底を貫通して設けられ、流入配管35の上端と連通している。テーパ面303は第2タンク2b側から流入配管35側に向かって窄まる。桿状体304は先端部304aを支持する支持体304bを更に有している。桿状体304は、図9及び図12の白抜き矢印で示されたように上下動して、テーパ面303に先端部304aを嵌合させたり、抜き去ったりする。このような動作により、リターン遮断弁33bは流入配管35とタンク2bとの連通の可否を設定する。但しリターン遮断弁33bの構成は、図12に例示された構成に限定されることなく、他の公知の構造を採用することができる。
【0067】
流入配管35の下端はタンク2aの底近傍に配置され、リターン遮断弁33bが開くことによってタンク2a,2bが流入配管35を介して連通する。
【0068】
次に動作について説明する。通常、溶融半田1を吐出する際には、遮断弁30b、リターン遮断弁33bのいずれをも開く。この際、図9に示されるように溶融半田1の液面はタンク2a内にあり、タンク2aよりも上方に位置するタンク2bには溶融半田1は格納されていない。
【0069】
図10は、気泡を除去するためにタンク2a側からタンク2b側へと溶融半田1を移動させる際の動作を示す。この際にはリターン遮断弁33bを閉じ、遮断弁30bを開け、実施の形態1に示されたように、排気弁24aを閉じて、排気弁24bが開いた状態で、不活性ガス導入管11aから不活性ガスを導入し、タンク2a側からタンク2b側へと溶融半田1を移動させる。例えばタンク2a内の溶融半田1の液面の高さが、所定の下限値となるまで溶融半田1を移動させる。遮断弁30bはタンク2bの底よりも上方に位置するので、溶融半田1は遮断弁30bから流れてタンク2bの底へと至る。
【0070】
図11はタンク2b側からタンク2a側へと溶融半田1を戻す際の動作を示す。実施の形態4に示された操作と同様に、まず遮断弁30bを閉じて、半田供給路3bから溶融半田室4へと溶融半田1が戻ることを防止する。そして排気弁24aを開けて、タンク2aの内圧を大気圧に戻す。そしてリターン遮断弁33bを開き、排気弁24bを閉じ、不活性ガス導入管11bから不活性ガスを導入する。これによりタンク2bの内圧は高められ、流入配管35を介してタンク2aへと溶融半田1が移動する。
【0071】
以上のように、半田吐出装置105も半田吐出装置104と同様に、気泡が溶融半田室4へと再混入することを防止できる。しかも半田吐出装置105は半田吐出装置104と比較して、幅方向の寸法を小さくする設計が可能となる。
【0072】
タンク2a内の溶融半田1の液面の高さを液面検出センサ19aで検出するに際し、浮遊反射板34を用いることも望ましい。浮遊反射板34はタンク2a内の溶融半田1の液面に浮遊し、その上側の面(以下「表面」と称す)の高さを液面検出センサ19aで検出することにより、間接的にタンク2a内の溶融半田1の液面の高さを検出することができる。
【0073】
浮遊反射板34は例えばアルミニウムあるいはその合金、チタンあるいはその合金、ステンレス鋼を材料として形成することができる。これらは溶融半田1よりも比重が軽く、溶融半田1の液面に浮遊する。但しその表面に溶融半田1が載らないように、溶融半田1との濡れ性を悪くすることが望ましい。溶融半田1との濡れ性を悪くするためには、アルミニウムあるいはその合金で浮遊反射板34を形成する場合にはアルマイト処理を行い、チタンあるいはその合金、またはステンレス鋼を材料として形成する場合にはダイアライクカーボンによるコーティングを行うことが望ましい。これらの材料のいずれも酸化膜の状態は溶融半田1の酸化膜よりも安定であり、液面検出センサ19aによる光学的な検出において好適である。
【0074】
また、溶融半田1を得るためにはタンク2a内の温度を半田の融点よりも高く保つ必要があるが、上記の浮遊反射板34の材料は、半田の融点よりも高い融点を有しており、実際の使用上、浮遊反射板34の融点よりも低い温度で操作を行うことができる。
【0075】
浮遊反射板34はその下方(タンク2aの底側)の面(以下「裏面」と称す)に突起部37を有しており、タンク2aから溶融半田1が減少しても、浮遊反射板34の裏面はタンク2aの底には達せず、浮遊反射板34とタンク2aの底とが接触する面積は小さい。これによりタンク2aへと溶融半田1が戻された場合に、浮遊反射板34は容易にタンク2aの底から離れ、溶融半田1の液面に浮遊する。
【0076】
なお、浮遊反射板34の表面が流入配管35の下端に引っかかっては、溶融半田1の液面に浮遊できない場合が考えられる。よって浮遊反射板34がタンク2aの底に達してもその表面が流入配管35の下端よりも上方に位置することが望ましい。換言すれば、浮遊反射板34の突起部37をも含めた高さは、タンク2aの底から流入配管35の下端迄の高さよりも大きいことが望ましい。浮遊反射板34の突起部37をも含めた高さは、浮遊反射板34の表面と裏面との間の厚さや、突起部37の高さによって設定することができる。
【0077】
浮遊反射板34を用いた溶融半田1の液面検出は、溶融半田1をタンク2a,2b間で移動させる技術を前提とするものではなく、例えば図19に示された半田吐出装置において適用することができる。
【0078】
実施の形態6.
図13は本実施の形態にかかる半田吐出装置106の構造を模式的に示す断面図である。図20に示される構成と比較して、ノズル6を圧電素子8の下方近傍にのみ設け、ビス22はダイアフラム7と、押さえ板17を直接に接触させて締め付けている。
【0079】
ダイアフラム7は圧電素子8が設けられる中央部7aが、その周囲7bよりも溶融半田1の吐出方向たる下方に突出している。押さえ板17は中央部7aを受ける凹部17aと、周囲7bと当接する接触部17bとを備えている。Oリング21を受ける溝23は中央部7aの下面7cに設けられ、ノズル6は下面7cにのみ当接するが、周囲7bには当接しない。
【0080】
ビス22は周囲7bと接触部17bとをねじ止めする。接触部17bは凹部17aよりも肉厚に形成され、ビス22の座ぐりを深くすることができる。これによりビス22は、その頭が大きなものを採用することができ、押さえ板17の剛性を高めてノズル6の撓みを抑止することができる。よって溶融半田室4と溝23の間に隙間が生じることもなく、溶融半田1への加圧は良好に行われる。
【0081】
その一方、凹部17aが設けられることにより、ノズル6が有する吐出用開口部5の下方の押さえ板17の厚みは薄く、溶融半田1が吐出されてから吐出対象(図示せず)に至るまでの距離を短くすることができる。よって押さえ板17の剛性を高めつつ、吐出の位置についての精度を悪化させにくいという利点がある。
【0082】
Oリング21の位置は下面7cから離すこともできる。図14は本実施の形態にかかる他の半田吐出装置107の構造を模式的に示す断面図である。接触部17bは、ダイアフラム7の中央部7aと周囲7bとの境界近傍で面取り17cが形成されており、当該面取り17cと、中央部7aと周囲7bとが作る空隙にOリング21が填め込まれている。よって溝23は設けられていない。
【0083】
半田吐出装置107ではOリング21が肉厚の接触部17bでダイアフラム7に押さ付けられるので、Oリング21の反発力に耐えることができ、溶融半田室4の周囲に隙間が生じることがない。
【0084】
例えば更に、接触部17bは上記境界から周囲に向く所定距離だけ、周囲7bと空隙を設けて離れており、凹部17aは中央部7aの側面と空隙91を設けて離れている。
【0085】
実施の形態7.
半田吐出装置に溶融半田を供給する前には、その組み立ての良否を判断することが望ましい。一旦溶融半田を充填した後に組み立てが不良であることが分かった場合には半田吐出装置を再度組み立てなおす必要がある。しかしそれでは溶融半田室4内に対して表面処理を改めて行うことになる。また半田が溶融しているのでその温度を降下させてからでないと再度の組み立てを行うことができず、作業時間が長くなってしまう。
【0086】
図15は本実施の形態にかかる半田吐出装置107aの構造を示す断面図である。半田吐出装置107aは半田吐出装置107(図14)に真空吸引配管38を設けて変形した構造を有している。真空吸引配管38は吐出方向にほぼ直交して接触部17bを貫通し、中央部7aの側面と凹部17aとの間の空隙91に連通している。真空吸引配管38は外部に引き出され、圧力計39が設けられている。
【0087】
半田吐出装置107を組み立てた後に、真空吸引配管38によって空隙91を吸引し、圧力計39の表示を確認する。圧力計39の表示によって空隙91にリークが無いことが検出されければ、ノズル6、ダイアフラム7、押さえ板17は良好に組み立てられていると考えられる。よってその後に溶融半田1を導入しても、ノズル6とダイアフラム7とが形成する溶融半田室4は良好に密閉され、溶融半田1への加圧も良好となる。またリークが検出された場合であっても、溶融半田1をまだ導入していないので、再度の組み立てが容易となる。
【0088】
実施の形態8.
図16は本実施の形態にかかる半田吐出装置107bの構造を示す断面図である。半田吐出装置107bは半田吐出装置107(図14)の雰囲気ガス導入管16の位置を凹部17bの側面の高さにまで引き上げて変形した構成を有している。
【0089】
図17は押さえ板17を吐出方向に沿ってみた場合の平面図である。図17には鎖線でダイアフラム7の中央部7a及び吐出用開口部5の位置を示している。
接触部17bはダイアフラム7に接触する面171と、ダイアフラム7から離れる面172とを有している。面172にはビス22がねじ止めされる孔221が貫通している。図17のPP矢視方向の断面が図16で現れた押さえ板17の断面に相当する。
【0090】
凹部17aの側面には中央部7aの側面に向けて開く凹部である雰囲気ガス溜まり41が形成されており、これを介して雰囲気ガス導入管16は中央部7aの側面と凹部17aとの間の空隙91に連通する。凹部17aの底43には凹部17aの側面から吐出用開口部5に向いて伸びる溝42が設けられており、これは空隙91を介して雰囲気ガス溜まり41に連通する。
【0091】
雰囲気ガス導入管16から導入された(図16の矢印参照)雰囲気ガスは、吐出用開口部5に至るまでに、雰囲気ガス溜まり41及び溝42を経由する(図16の矢印参照)。よって雰囲気ガスの流速が雰囲気ガス溜まり41において低下し、吐出用開口部5へ供給される際に外気を巻き込みにくくする。よって溶融半田1が吐出される際に酸化されにくくなる。
【0092】
またダイアフラム7は図示されないヒータで加熱されており、雰囲気ガス導入管16は従来の場合と比較してダイアフラム7に近く、温められやすい。よって溶融半田1が吐出される際に固化しにくくなる。
【0093】
実施の形態9.
図18は本実施の形態にかかる半田吐出装置108の構造を示す断面図である。半田吐出装置108は、半田吐出装置106(図13)の溝23及びOリング21を金属シール40に置換した構成を有している。つまりダイアフラム7とノズル6との間に金属シール40が介在して取り付けられている。
【0094】
Oリング21は一般に高分子材料で形成され、溶融半田1の濡れ性が悪い。しかし金属シール40は例えばステンレス鋼を材料として形成し、これにNiメッキやAuメッキ等の親半田処理を行って溶融半田1との濡れ性を良好にすることができる。よって溶融半田室4からノズル6とダイアフラム7との境界迄の溶融半田1の濡れ性を良好にすることができ、気泡の発生を抑制することができる。
また溝23を設ける必要がないので、吐出方向に沿っての寸法を短くすることができる。
【0095】
金属シール40の採用は、本件の他の実施の形態の採用を前提とはせず、例えば図19に示された半田吐出装置において適用することができる。
【0096】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1にかかる金属吐出装置によれば、溶融金属室において溶融金属中に気泡が生じた場合、溶融金属を第1タンクと第2タンクとの間で溶融金属室を介して移動させることにより、当該気泡を溶融金属室から容易に除去することができる。しかも溶融金属の材料を外部に排出せずに有効に利用することができる。
【0097】
この発明のうち請求項2にかかる金属吐出装置によれば、第1ガス排出管を介してのガスの排出をさせないことにより、第1タンクの内圧が高まり、溶融金属を第1タンク側から第2タンク側へと移動させることができる。第1タンクにおける溶融金属の液面が所定の下限に到達したことは、第1液面検出センサによってコントローラに伝達される。コントローラは当該伝達によって第1ガス排出管を介してガスを排出させ、液面状態を元に戻す。第2ガス排出管を介してのガスの排出をさせないことにより、第2タンクの内圧が高まり、溶融金属を第2タンク側から第2タンク側へと移動させることができる。第2タンクにおける溶融金属の液面が所定の下限に到達したことは、第2液面検出センサによってコントローラに伝達される。コントローラは当該伝達によって第2ガス排出管を介してガスを排出させ、液面状態を元に戻す。溶融金属を第1タンクと第2タンクとの間で溶融金属室を介して自動的に移動させることにより、気泡を溶融金属室から容易に除去することができる。
【0098】
この発明のうち請求項3にかかる金属吐出装置によれば、溶融金属室の壁面に付着した気泡を、溶融金属中に浮遊させ、より効率的に気泡の除去を行うことができる。
【0099】
この発明のうち請求項4にかかる金属吐出装置によれば、第1タンク側から第2タンク側へと溶融金属を移動させ、第2タンク内での溶融金属の気泡を効率よく放出することができる。
【0100】
この発明のうち請求項5にかかる金属吐出装置によれば、第1タンク側から第2タンク側へと溶融金属を移動させて気泡を放出する際、溶融金属の移動速度を抑制し、溶融金属が第1タンクから気泡を巻き込むことや、移動中の溶融金属が途切れることを防止する。
【0101】
この発明のうち請求項6にかかる金属吐出装置によれば、第1タンク側から第2タンク側へと溶融金属を移動させて気泡を放出した後、気泡が溶融金属室へと再混入することを防止できる。
【0102】
この発明のうち請求項7にかかる金属吐出装置によれば、幅方向の寸法を小さくする設計が可能となる。
【0103】
この発明のうち請求項8にかかる金属吐出装置によれば、浮遊反射板の上側の面までの距離を測定することにより、間接的にタンク内の溶融金属の液面の高さを検出することができる。
【0104】
この発明のうち請求項9にかかる金属吐出装置によれば、タンクから溶融金属が減少しても、浮遊反射板の下側の面はタンクの底には達せず、浮遊反射板とタンクの底とが接触する面積は小さい。これによりタンクへと再び溶融金属が戻された場合に、浮遊反射板は容易にタンクの底から離れ、溶融金属の液面に浮遊する。
【0105】
この発明のうち請求項10にかかる金属吐出装置によれば、接触部を凹部よりも肉厚に形成できるので、座ぐりを深くし、ビスはその頭が大きなものを採用することができる。よって押さえ板の剛性を高めてノズルの撓みを抑止することができる。よって溶融金属室に隙間が生じることもなく、溶融金属への加圧は良好に行われる。その一方、凹部が設けられることにより、ノズルが有する吐出用開口部の下方の押さえ板の厚みは薄く、溶融金属が吐出されてから吐出対象に至るまでの距離を短くすることができる。よって吐出の位置についての精度を悪化させにくい。
【0106】
この発明のうち請求項11にかかる金属吐出装置によれば、圧力計の表示によってリークが無いことが検出されければノズル、ダイアフラム、押さえ板は良好に組み立てられていると考えられる。よってその後に溶融金属を導入しても、ノズルとダイアフラムとが形成する溶融金属室は良好に密閉され、溶融金属への加圧も良好となる。
【0107】
この発明のうち請求項12にかかる金属吐出装置によれば、不活性ガスの流速がガス溜まりにおいて低下し、吐出用開口部へ供給される際に外気を巻き込みにくくする。よって溶融金属が吐出される際に酸化されにくくなる。またダイアフラムは加熱されており、雰囲気ガス導入管は温められやすくなるので、溶融金属が吐出される際に固化しにくくなる。
【0108】
この発明のうち請求項13にかかる金属吐出装置によれば、金属シールは容易に溶融金属との濡れ性を良好にできる。よって溶融金属室からノズルとダイアフラムとの境界迄の溶融金属の濡れ性を良好にすることができ、気泡の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる半田吐出装置の構造を説明するタイミングチャートである。
【図5】本発明の実施の形態3にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態4にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態4にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態4にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態5にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態5にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態5にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態5にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態6にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図14】本発明の実施の形態6にかかる他の半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図15】本発明の実施の形態7にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図16】本発明の実施の形態8にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図17】本発明の実施の形態8にかかる半田吐出装置の構造を模式的に示す平面図である。
【図18】本発明の実施の形態9にかかる半田吐出装置の構造及び動作を模式的に示す断面図である。
【図19】従来の半田吐出装置の構造を模式的に例示する断面図である。
【図20】従来の半田吐出装置の構造を模式的に例示する断面図である。
【図21】従来の半田吐出装置の構造を模式的に例示する断面図である。
【符号の説明】
1 溶融半田、2a,2b タンク、3a,3b 半田供給路、4 溶融半田室、5 吐出用開口部、6 ノズル、7 ダイアフラム、7a 中央部、7b 周囲、8 圧電素子、11a,11b 不活性ガス導入管、12a,12b 不活性ガス排出管、16 雰囲気ガス導入管、17 押さえ板、17a 凹部、17b 接触部、19a,19b 液面検出センサ、21 Oリング、22 ビス、26 コントローラ、27 加振機構、28 排気機構、31 隘路、32 リターン配管、34 浮遊反射板、35 流入配管、37 突起部、38 真空吸引配管、39 圧力計、40 金属シール、41 雰囲気ガス溜まり。
Claims (13)
- 溶融金属によって充填される溶融金属室と、
いずれも前記溶融金属室に連通して前記溶融金属を格納する第1及び第2タンクと
を備え、
前記第1タンクと前記第2タンクとの間に圧力差を発生させ、前記溶融金属を前記溶融金属室を介して前記第1タンクと前記第2タンクとの間で移動させ、
前記溶融金属室において前記溶融金属を加圧して前記溶融金属を吐出する、金属吐出装置。 - それぞれ前記第1及び第2タンクに設けられ、各々がガスを導入する第1及び第2ガス導入管と、
それぞれ前記第1及び第2タンクに設けられ、各々が前記第1及び第2タンクの前記ガスを排出する第1及び第2ガス排出管と、
それぞれ前記第1及び第2タンクにおける前記溶融金属の液面を検出する第1及び第2液面検出センサと、
前記第1及び第2液面検出センサの出力に基づいて、前記第1及び前記第2ガス排出管を介しての前記ガスの排出の可否を制御するコントローラと、
を更に備える、請求項1記載の金属吐出装置。 - 前記第1及び前記第2ガス排出管のいずれかが前記ガスを排出しない場合に、前記第1及び第2タンクを加振する加振機構
を更に備える、請求項2記載の金属吐出装置。 - 前記第2タンクを排気する排気機構を更に備える、請求項1記載の金属吐出装置。
- 前記第2タンクと前記溶融金属室との間を接続する金属供給路を更に備え、
前記金属供給路の途中には隘路が設けられる、請求項1記載の金属吐出装置。 - 前記溶融金属室を介して前記第1タンクから前記第2タンクへと前記溶融金属を移動させ、
前記溶融金属室を経由しない別経路を介して前記第2タンクから前記第1タンクへと前記溶融金属を移動させる、請求項1記載の金属吐出装置。 - 前記第2タンクは前記第1タンクの上方に配置される、請求項6記載の金属吐出装置。
- 溶融金属によって充填される溶融金属室と、
前記溶融金属室に連通して前記溶融金属を格納するタンクと、
前記タンク内の前記溶融金属の液面に浮遊する浮遊反射板と、
前記浮遊反射板の上側の面までの距離を測定する光学的検出器と
を備え、
前記溶融金属室において前記溶融金属を加圧して前記溶融金属を吐出する、金属吐出装置。 - 前記浮遊反射板はその下側の面に突起部を有する、請求項8記載の金属吐出装置。
- 溶融金属を吐出する吐出用開口部を有するノズルと、
前記溶融金属の吐出方向と反対側から前記ノズルに取り付けられて、前記ノズルと共に、前記溶融金属によって充填される溶融金属室を形成するダイアフラムと、
前記ノズルとは反対側から前記溶融金属室に設けられ、前記溶融金属を加圧する加圧機構と、
前記ノズルを前記ダイアフラムに取り付ける押さえ板と、
前記押さえ板を前記吐出方向側から前記ダイアフラムに締め付けるビスと、
前記ダイアフラムに取り付けられる弾性体と、
を備え、
前記ダイアフラムは、前記加圧機構が設けられて前記吐出方向に突出する中央部と、その周囲とを有し、
前記ノズルは前記中央部においてのみ設けられ、
前記押さえ板は、前記中央部を受ける凹部と、前記周囲と当接する接触部とを有し、
前記ビスは前記接触部と前記周囲とをねじ止めする、金属吐出装置。 - 前記中央部の側面と前記凹部との間に連通する真空吸引配管と、
前記真空吸引配管に設けられた圧力計と
を更に備える、請求項10記載の金属吐出装置。 - 前記凹部の側面において、前記中央部の側面に向けて開く凹部であるガス溜まり部が設けられ、
前記凹部の底において、前記凹部の側面から前記吐出用開口部に向いて伸びる溝が設けられ、
前記凹部の側面の高さに配置され、前記ガス溜まり部を介して前記溝に連通し、不活性ガスを導入する雰囲気ガス導入管
を更に備える、請求項10記載の金属吐出装置。 - 溶融金属を吐出する吐出用開口部を有するノズルと、
前記溶融金属の吐出方向と反対側から前記ノズルに取り付けられて、前記ノズルと共に、前記溶融金属によって充填される溶融金属室を形成するダイアフラムと、
前記ダイアフラムと前記ノズルとの間に介在する金属シールと
を備える金属吐出装置。
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Cited By (1)
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CN104641733A (zh) * | 2012-09-18 | 2015-05-20 | 李同周 | 焊膏供给装置 |
-
2002
- 2002-07-08 JP JP2002198419A patent/JP2004034138A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2015529397A (ja) * | 2012-09-18 | 2015-10-05 | ジュ リ,ドン | ソルダーペースト供給装置 |
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