JP2004033882A - ダイコータの組立方法及び組立装置並びにダイコータ及びこれを用いた塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダイコータのブロック組立精度を改善し、更に、作業性の改善、作業工数削減、再研削工数の削減をすることと、組立精度の良いダイコータによる塗布安定性の改善及び塗布幅手膜厚分布の改善された塗布方法を提供する。
【解決手段】塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを、少なくとも2組備えた同時重層用ダイコータで構成されるダイコータの組立方法において、上面の平面度が0.1〜10μmの台上で組み立てることを特徴とするダイコータの組立方法及び組立装置、得られたダイコータ、これを用いた塗布方法。
【選択図】 図5
【解決手段】塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを、少なくとも2組備えた同時重層用ダイコータで構成されるダイコータの組立方法において、上面の平面度が0.1〜10μmの台上で組み立てることを特徴とするダイコータの組立方法及び組立装置、得られたダイコータ、これを用いた塗布方法。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真感光材料、熱現像記録材料、アブレーション記録材料、磁気記録媒体、綱板表面処理、電子写真感光体等の塗布液(下引き処理液、上塗り液、裏面層液等を含む)を、搬送される樹脂等のフィルムや紙、ガラス等の基板等の支持体へ塗布する塗布装置に用いるダイコータ及びダイコータの組立方法及び組立装置、これを用いた塗布方法及び塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイコータは、一般に送液された塗布液を塗布幅方向に均一に広げて支持体に塗着させる塗布液の押出ノズルであり、通常、内部にチャンバーあるいはポケット等と呼ばれる塗布幅方向に延設された液溜まり部があり、塗布液は、この幅手中央あるいは任意の位置に供給されて塗布幅方向に広げられた後、スリットあるいはスロット等と呼ばれる平板間の狭い通路を通って、リップあるいはエッジ等と呼ばれる先端より押し出される。単層塗布用ダイコータではこれら液溜まりとスリットが通常1セットで、フロントバー・バックバー等と呼ばれる2本のブロックを組み合わせ、これらのブロック間にスリットやポケットを構成する。複数層同時塗布用ダイコータでは、ブロックの数を増やすことで、液溜まり、スリットを塗布層数だけ構成させる。ダイコータの塗布幅端部は様々な幅規制手段やサイドプレート等で所望の塗布幅を得られるように封止されている。ブロック同士の組立は、通常、台の上にブロックを並べて設置し、ボルト等で固定することで行う。コーターダイス、コーターヘッドまたは単にダイ等と呼ぶこともある。
【0003】
ダイコータを用いて塗布するエクストルージョンコート法に関しては、特開昭56−95363号、同50−142643号、特許第3246960号各公報に開示されている単層での塗布方法、および、特開昭45−12390号、同46−236号に開示されている重層塗布方式に関するものなど、塗布方式および塗布装置に関し多くの特許が出願されている。これらの塗布方法はバックロールで保持されたウェブに対してコーターヘッドを通常1mm以下のクリアランスに保ちながら塗布する方法である。
【0004】
これらバックロールで保持されたウェブへのダイコータでの塗布における薄膜塗布方法として、USP2,681,294号に開示されるように、上流側で減圧して塗布することが行われている。しかし、この方法は塗布液粘度が低い場合にのみ有効で、かつ低粘度においても塗布速度アップが難しく、高粘度液の塗布や高速塗布においては、近年、ウェブ背面がバックロールで支持されないサポートロール間にコーターヘッドを押し付けて塗布を行うエクストルージョン塗布方式が用いられるようになっている。この背面をバックロールで支持しない帯状支持体へ塗布するエクストルージョンコート法に関しては、特開昭50−138036号、同55−165172号、特開平1−288364号各公報に開示されている単層での塗布方法、および、特開平2−251265号、同2−258862号、同5−192627号に開示されている重層塗布方式に関するものなど、塗布方法および塗布装置に関し多くの特許が出願されている。
【0005】
これらの塗布方法及び装置においては、塗布に用いるダイコータの塗布液吐出口(リップ或いはエッジ等とも言う)形状が塗布可否や塗布安定性、高速塗布適性、薄膜塗布適性の改善を行う上で重要なポイントであり、前記公報等で種々検討、報告されている。
【0006】
エッジ形状は、ダイコータの塗布液吐出口を構成している前記各ブロックの先端形状とこれらの相対位置(段差とも言う)で決定される。この内、段差については、従来、各ブロックを研削盤等を用いて加工する際に、研削盤のZ軸位置表示で砥石の切込量を確認しながら、あるいは研削盤のダイコータ設置面からの、ダイコータ研削面高さをハイトゲージ等で測定しながら調整し、最適な段差となるように仕上げるか、あるいは、各ブロックを組立台の上に載せ、組立台とブロックの間にシムと呼ばれる薄く、厚さの均一な板やテープを挿入して高さを調整した後、ブロック同士をボルト固定することで所望の段差を得ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、研削時に各ブロックの高さを合せる方法では、ダイコータの長期使用による磨耗や、エッジ部の傷等を除去するためにエッジ部を再度研削する場合、従来は磨耗や傷の無い他ブロックのエッジも研削して高さを調整する必要があった。
【0008】
又、シムを用いて段差を調整する方法の場合、シムの厚さの精度でしか調整できず、さらに、数十μm以下と薄いシムを使用する場合、シムの切断面のバリや折れ等が影響し、さらには、ゴミ等を一緒に挟み込みやすくなるため、μm単位の高い精度で組み立てることが困難であった。
【0009】
更に、1m以上の広幅塗布においては、ダイコータの塗布幅方向の段差のばらつきが大きくなるため、塗布可否や高速塗布適性、薄膜塗布適性に影響し、安定塗布がしにくくなるという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、ダイコータのブロック組立精度を改善し、更に、作業性の改善、作業工数削減、再研削工数の削減をすることと、組立精度の良いダイコータによる塗布安定性の改善及び塗布幅手膜厚分布の改善された塗布方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0012】
1.塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法において、上面の平面度が0.1〜10μmの台上で組み立てることを特徴とするダイコータの組立方法。
【0013】
2.上面の平面度が0.1〜10μmの台が石或いはセラミック製の定盤であることを特徴とする前記1記載のダイコータの組立方法。
【0014】
3.上面の平面度が0.1〜10μmの台がマグネットチャック式定盤であることを特徴とする前記1記載のダイコータの組立方法。
【0015】
4.上面の平面度が0.1〜10μmの台が平面研削盤のワーク固定用テーブルであることを特徴とする前記1記載のダイコータの組立方法。
【0016】
5.上から抑えながら組み立てることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載のダイコータの組立方法。
【0017】
6.前記5記載のダイコータの組立方法に用いることを特徴とするダイコータの組立装置。
【0018】
7.塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法において、該ポケットと該スリットを構成する1組のブロックの組み合わせ面が組立台と垂直でないダイコータを、横方向あるいは組み合わせ面と垂直な方向に抑えながら組み立てることを特徴とするダイコータの組立方法。
【0019】
8.前記7記載のダイコータの組立方法に用いることを特徴とするダイコータの組立装置。
【0020】
9.塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法に用いるダイコータの組立装置が、少なくとも2以上の定盤で構成され、該定盤の少なくとも1つが昇降する機構を有する定盤であることを特徴とするダイコータの組立装置。
【0021】
10.昇降する機構を有する定盤が平行に昇降することを特徴とする前記9記載のダイコータの組立装置。
【0022】
11.昇降する機構を有する定盤の両端が独立に昇降することを特徴とする前記9記載のダイコータの組立装置。
【0023】
12.昇降する機構を有する定盤の3箇所以上が独立に昇降することを特徴とする前記9記載のダイコータの組立装置。
【0024】
13.塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法において、少なくとも2つ以上の定盤を平行に設置し、該定盤の少なくとも1つを昇降させて組付け、底面に段差を設けることを特徴とするダイコータの組立方法。
【0025】
14.前記13記載のダイコータの組立方法により組付け、底面に段差を設けたことを特徴とするダイコータ。
【0026】
15.塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを1組以上備えたダイコータにおいて、該ポケットと該スリットを構成する2本以上のブロックの各ブロックエッジ部の段差の塗布幅手方向各位置でのバラツキが、塗布幅1m当り2μm以内であることを特徴とするダイコータ。
【0027】
16.前記6、8〜12のいずれか1項記載の組立装置で組み立てたダイコータ及び前記14及び15記載のダイコータから選ばれる少なくとも1つのダイコータを用い、エッジ部に沿って搬送される帯状支持体の、一対のサポートロール間フリースパン部にダイコータの塗布液吐出口を押し付けて塗布することを特徴とするエクスルージョン塗布方法。
【0028】
17.前記6、8〜12のいずれか1項記載の組立装置で組み立てたダイコータ又は前記14、15記載のダイコータから選ばれる少なくとも1つのダイコータを用い、裏面をバックロール巻き回されて搬送される帯状支持体に、所定のギャップを設けてダイコータを近接させて塗布することを特徴とするエクスルージョン塗布方法。
【0029】
18.前記6、8〜12のいずれか1項記載の組立装置で組み立てたダイコータ又は前記14、15記載のダイコータから選ばれる少なくとも1つのダイコータを用ることを特徴とするスライドビード塗布方法。
【0030】
19.前記16〜18のいずれか1項記載の塗布方法を用いることを特徴とする塗布装置。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明を図を用いて説明する。
【0032】
図1は3層塗布用のダイコータの断面を示す模式図である。図中301a、301b、301c、301dはダイコータ3を構成しているブロックを示す。ブロック301a、301b、301c、301dは、それぞれ組み合わせ面305a、305b、305cで組み合わされボルトで固定し構成されている。302a、302b、302c、302dは各ブロックの底面を示す。303a、303b、303cは各ブロックとブロックとの間に出来るスリットを示す。304a、304b、304cはダイコータ3の塗布幅方向に延設されたポケットを示し、塗布液は、この各ポケットの幅手中央あるいは任意の位置に供給されて塗布幅方向に広げられた後、前記各スリットを通って各リップより支持体上に押し出されることで塗布が行われる。同時重層用エクストルージョンコータでは、必要とする塗布層の数に合わせ、ブロックの数を増やすことで、ポケット、スリットを構成させることができる。ダイコータの塗布幅端部は様々な幅規制手段やサイドプレート等で所望の塗布幅を得られるように封止されている。
【0033】
図2は、バックロールで塗布反対面(以下、単に背面という)が保持された支持体の保持部へ、エクストルージョン塗布方式による塗布を示す模式図である。図中1は図中の矢印方向(図中下から上)である上流から下流に向かって連続搬送される支持体を示す。2はバックロールを示し、3は同時重層用エクストルージョンコータ(以下、単にダイコータともいう)を示す。本発明において上流側とは、ダイコータ3を基準として、支持体1の繰り出される側を示し、下流側とは反対側を示す。バックロール2により背面が保持され、搬送される支持体1の保持部に、ダイコータ3より塗布液が押し出され塗布が行われる。この方式の場合は支持体1の背面のバックロール2により支持体の平面性が保持されることで均一な塗布膜厚が得られ易い塗布方式であることが知られている。
【0034】
図3はバックロールで背面が支持されない支持体へ、エクストルージョン塗布方式による塗布を示す模式図である。図中4はサポートロールを示す。
【0035】
サポートロール4とは、支持体の背面がバックロールで支持されていない支持体へ、エクストルージョン塗布方式により塗布する場合、支持体の平面性を保つため、ダイコータの前後の支持体の背面に設置された2本の搬送用ロールを示す。尚、ダイコータより搬送方向上流側のロールは塗布面側にあってもかまわない。
【0036】
ダイコータは組み立てる組立台の平面性精度が重要であり、本発明において、平面度が0.1〜10μmの定盤を用いることで、高精度に組立可能であることを見出した。特に塗布幅1m以上の広幅塗布用の大型のダイコータにおいては、ダイコータの一端から他端までの距離が長いため、組立台の精度が悪いとそれがダイコータのエッジ部の段差不良となって安定な塗布や均一な塗布が出来なくなる。
【0037】
図4にダイコータを組み立てる組立台の斜視図を示す。図4において、定盤4の長さは、組み立てるダイコータの塗布幅方向長さ以上あり、その表面は平面度が0.1〜10μmである。ダイコータ3は1m以上の長さを持っている。組み立てる場合、図4に示すように、ダイコータ3のブロックを定盤4の上に並べエッジ部段差5を正確に出してから2つのブロックをボルトで固定し構成する。
【0038】
この定盤と組み立てるブロックの定盤への設置面は、十分に清掃されて、埃やゴミ等の異物がないことも重要で、できればクリーンルーム等にて、アルコール系やケトン系等の速乾性有機溶剤を使用し、発塵性の無い不織布等で拭き取り清掃することが望ましい。速乾性有機溶剤を使用することで、乾燥するまでの時間が短縮されるため、この間に清掃面に付着する浮遊塵を少なくでき、清掃後短時間でダイコータの設置が可能である。
【0039】
定盤には一般に鋳物定盤と石定盤があるが、鋳物定盤では表面に傷が付いている場合、突起となるため、ダイコータがこの傷で持ち上げられてしまい、精度不良となるため、傷が付いても欠けるだけのことが多い石定盤を用いることが望ましい。また近年精度の高い定盤として製作されるようになった、セラミック製定盤でも同様の効果が得られる。
【0040】
ボルトでブロック同士を固定する際、ボルト締め付け時の回転トルクや、ブロックの微小なネジレや曲がり・反りの影響でブロックが浮き上がり、段差がずれることがある。特に塗布幅の広いダイコータ用のブロックでは、一方の端部が持ち上がり易く、また、塗布幅の狭いダイコータにおいても、ダイコータが小型であるために、重量が軽く、浮き上がり易い。この浮き上がりを防止する手段として、ダイコータの材質を磁性金属で製作し、組立用の定盤をマグネットチャック式の定盤とすることで浮き上がりを防止できることを見出した。
【0041】
このマグネットチャック式定盤を用いる代わりに、一般にダイコータのブロックの製作に使用する平面研削盤のワーク固定用テーブルを用い、あらかじめワーク固定テーブルを研削して平面度を10μm以下としてからダイコータのブロックを設置し、ワーク固定テーブルのマグネットチャックをONにしてからボルト固定を行うことで、より精度の高い組立が可能である。
【0042】
前記ブロックの浮き上がりを防止するため、ブロックを上方から抑える機構を用いても良い。
【0043】
一般に2層以上を同時に塗布するために、2組以上のポケットとスリットを備えたダイコータは、図1に示すようにブロックが3本以上となり、かつ安定に塗布可能とするためには2層以上の各塗布液の流出口(スリット出口)の距離を数mm以内に近付ける必要があるため、中間のブロックの断面形状は略三角形となって、ブロックのいずれかの組み合わせ面が組立台と垂直ではないことが多い。このようなダイコータにおいてはボルトを固定する際、一方が他方にずり上がったり、或いはスリット出口が狭まったりくっついたりする状態で組み立てられてしまうといった問題が生じる。このような問題を解決する手段を検討した結果、ダイコータを横方向あるいは組み合わせ面と垂直な方向に抑えてズレを防止しながら組み立てることが有効であることが判明した。
【0044】
その装置の機構としては、ボルト固定するメネジ側のブロック背面をストッパーへあてがい、もう一方のブロックの背面をエアシリンダ等で構成したズレ防止機構で抑えながらボルトを締める機構等により達成される。
【0045】
前記段差を調整する場合、従来のシムを用いる方法は、非常に薄いシックネステープを極めて慎重に組み立て台とダイコータとの間に挟み込むため、時間を要し、しかもシックネステープが30μm以下と薄い場合には、高価であるが1度使用すると傷や折れが入って再利用が難しく、ロスとなっていた。またこの方法で段差調整した結果、所望の段差になっていない場合には、段差を変更して組み直す必要があるが、1度ブロックを移動させて、シムを変更し、再度清掃やシムの傷・折れ、ダイコータへの傷つけ等に十分な注意を払いながら設置し直す必要があり、熟練作業者の高い注意力・集中力と、膨大な工数が必要であった。これらの問題点を解決する手段を鋭意検討した結果、2以上の定盤で構成され、少なくとも1つが昇降する機構を有するダイコータ組立装置を用いることで、解決可能となった。シム取扱の煩わしさやダイコータの載せ降ろし作業から開放され、熟練作業が必要なくなることで、誰にでも容易に、短時間でダイコータの組立が可能となった。さらに、シムの傷・折れ、ダイコータへの傷つけ、埃等の異物の挟み込み等による段差のズレが発生しないため、極めて高い精度でダイコータの組立が可能となった。定盤を昇降させる機構としては、定盤の下側面をボルトの押し引きで直接昇降させる機構や、より精密に昇降させる場合にはハンドやモーターの回転をギヤを用いて減速させる精密Z軸ステージ用昇降機構やピエゾ素子を用いたり、テーパーコッター、偏芯カム等を用いることが出来るがこれらに限定されるものではなく、定盤及びダイコータの重量に耐えうるものであればその他の位置決め機構も用いることができる。
【0046】
図5に昇降機構を有するダイコータの組立装置の斜視図を示す。昇降機構を有するダイコータの組立装置は固定定盤4aと昇降定盤4bが架台6の上にセットされており、昇降定盤4bは昇降機構7a(左)、昇降機構7b(中央)、昇降機構7c(右)の3つの昇降機構により上下できる。
【0047】
昇降定盤を、隣接する固定定盤に対して平行に昇降させることで、幅手に均一に段差を設けることが可能である。昇降定盤の厚さを150mm以上、望ましくは300mm以上として剛性を十分に高くすれば、昇降定盤の昇降機構を少なくしても平行な昇降が可能で、耐荷重に問題がなければ1箇所でもかまわない。この場合は安価な装置とすることが可能である。
【0048】
ダイコータは、通常、研削加工で非常に高精度に製作されるが、塗布幅が広いコーターにおいてはダイコータの長さが長くなり、特に1m以上の場合には材料の持つ微妙なネジレや反りのためにダイコータ両端で数μm程度の高さのズレが生じてしまう場合がある。このような場合でも、昇降定盤のダイコータ塗布幅手方向両端を、別々に昇降させる機構とし、片側を数μm高くして組み立てることで、段差の均一化が可能となった。この場合、昇降定盤の厚さは150mm以上、望ましくは300mm以上として剛性を十分に高くし、昇降定盤の撓みが発生しないようにする必要がある。
【0049】
逆に昇降定盤の厚さは300mm未満、望ましくは200mm未満として剛性を低くし、昇降定盤に撓み発生可能なようにすることで、ダイコータの塗布幅方向3箇所以上に昇降機構を設けて独立に昇降可能とすることで、ダイコータの曲りや反りに対してより厳密に段差調整が可能となった。
【0050】
これらの組立装置においても、ブロックの浮き上がりやズレを防止するために、上から抑えたり、横方向から抑える機構を併用することが望ましい。
【0051】
前述のダイコータ組立装置にて組付け、底面に段差を設けたダイコータ(図6)を使用することで、μmオーダーの微妙なエッジ段差最適化が可能となったため、エッジ段差の幅手均一性が要求される高速・薄膜塗布用ダイコータを組み立て可能となり、1m以上の幅広での高速塗布、薄膜塗布が可能となった。図6において、底面302a〜302dを正確にずらすことにより、リップ306a〜306dの段差が最適化できる。
【0052】
この広幅・高速・薄膜塗布可能なダイコータとしては、塗布幅1mを単位幅としたときに、各ブロックエッジ部段差の塗布幅手方向各位置での差(ばらつき)が、単位幅当り2μm以内望ましくは1μm以内となるように段差調整可能となった。
【0053】
エッジ部に沿って搬送される帯状支持体の、一対のサポートロール間フリースパン部にダイコータの塗布液吐出口を押し付けて塗布するタイプのエクスルージョン型塗布方式(図3)においては、コーターエッジと支持体間の距離(ギャップ)は、支持体の張力と塗布液の液溜(ビード)保持力のバランスが保たれた非常に狭い間隙となっているため、エッジ段差の塗布の可否や塗布安定性、塗布ムラやスジ等への影響は、従来より検討されているエッジの長さや曲率半径等の形状と同様にたいへん大きい。しかしながら、本発明のダイコータ組立装置を用いて組み立てたダイコータを用いた塗布装置により、たいへん良好な塗布適性を得ることができた。特に、このタイプのエクスルージョン型塗布方式の特徴である高速・薄膜塗布が、塗布幅1m以上の広幅でも安定し、可能となり、しかもたいへん良好な幅手膜厚分布が得られるようになった。
【0054】
裏面をバックロール巻き回されて搬送される帯状支持体に、所定のギャップを設けてダイコータを近接させて塗布するタイプのエクスルージョン型塗布方式(図2)においては、塗布幅手膜厚分布にはコーターエッジと支持体間の液溜部での液圧力の分布が大きく影響することが判明した。この液溜部の塗布幅方向圧力分布は、コーターエッジと支持体間の間隙(ビードギャップともいう)のばらつきが主原因であり、本発明のダイコータ組立装置で組み立てた段差の均一なダイコータを用いることで改善可能であることを見出し、均一な幅手膜厚分布を得ることが可能となった。特に、このタイプのエクスルージョン型塗布方式の特徴である、厚さ100μm以上の剛性が高く、かつ幅1m以上で平面性がやや劣る支持体での塗布においても、極めて均一な幅手膜厚分布の広幅塗布が可能となった。
【0055】
スライドビード型塗布方式においても、隣り合うブロックで形成されるスライド面間の段差が幅手膜厚分布に影響するため、本発明のダイコータ組立装置で組み立てた段差の均一なダイコータを用いることで幅手膜厚分布の改善が可能である。
【0056】
塗布液供給手段の模式図を図7に示す。塗布液供給手段は、供給釜8、配管9、供給ポンプ10で構成され、必要に応じて配管各所にフィルター11、流量計12が設置され、更に図示しないが、バルブ、液排出口、脱泡機、熱交換機、攪拌機等のいずれかを併用する場合が多い。釜や配管は接液部を洗浄しやすいようにフッ素加工等の撥水処理する場合もある。ダイコータは塗布液供給量にて塗布膜厚が決定されるいわゆる前計量型であるため、塗布液供給精度は高い精度を要求され、流量変動を極力低減するため、精密計量型ギヤポンプやプランジャーポンプ等の高精度送液ポンプや流量制御等を用いる場合が多い。
【0057】
本発明で用いられる支持体は、PETベース、TACベース、PENベース等の樹脂フィルムの他、紙、金属、布等、帯状で搬送可能なものであれば何でも良い。これらに表面処理、下引き加工等がなされていても使用可能である。他の液が事前に塗布された支持体上への塗布においても適用可能である。
【0058】
本発明に適用できる塗布液は特に制限無く、例えば、写真感光材料、熱現像記録材料、アブレーション記録材料、磁気記録媒体、綱板表面処理、電子写真感光体等の塗布液(下引き処理液、上塗り液、裏面層液等を含む)の塗布に適用可能である。2層以上を同時に塗布するコーターヘッドにおいても適用可能であり塗布層の数に規定されるものではない。
【0059】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
【0060】
実施例1
以下の例に示すように、有機銀を含有した画像記録媒体の製造を実施し、従来技術と比較した。
【0061】
[下引済み写真用支持体の作製]
〈PET下引済み写真用支持体の作製〉
市販2軸延伸熱固定済みの厚さ100μmPETフィルムの両面に8w/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1とし、また反対側の面に下記帯電防止加工下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて帯電防止加工下引層B−1とした。
【0062】
《下引塗布液a−1》
ブチルアクリレート(30質量%)、t−ブチルアクリレート
(20質量%)、スチレン(25質量%)、
2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%)
の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1リットルに仕上げる
《下引塗布液b−1》
ブチルアクリレート(40質量%)、スチレン(20質量%)、
グリシジルアクリレート(40質量%)の共重合体ラテックス液
(固形分30%) 270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1リットルに仕上げる
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μmになる様に塗設して下引層A−2として、また下引層B−1の上には下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に帯電防止機能をもつ下引層B−2として塗設し、下引済み支持体を作製した。
【0063】
《下引上層塗布液a−2》
ゼラチン 0.4g/m2になる質量
(C−1) 0.2g
(C−2) 0.2g
(C−3) 0.1g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
水で1リットルに仕上げる
《下引上層塗布液b−2》
(C−4) 60g
(C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g
硫酸アンモニウム 0.5g
(C−6) 12g
ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g
水で1リットルに仕上げる
【0064】
【化1】
【0065】
【化2】
【0066】
(支持体の熱処理)
上記の下引済み支持体の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、その後徐々に冷却した。
【0067】
(乳剤Aの調製)
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10−6モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10−4モルを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaOHでpHを5に調整して、平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤に、ゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤を得た。ついで、得られたハロゲン化銀乳剤に、塩化金酸及び無機硫黄で化学増感を施した。
【0068】
(ベヘン酸Na溶液の調製)
945mlの純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5M/Lの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を得た。
【0069】
(ベヘン酸銀とハロゲン化銀Aのプレフォーム乳剤の調製)
上記のベヘン酸Na溶液に前記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に1M/Lの硝酸銀溶液147mlを7分間かけて加え、さらに20分攪拌し限外濾過により水溶性塩類を除去した。できたベヘン酸銀は平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であった。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させた。
【0070】
(感光性乳剤の調製)
上記作製したプレフォーム乳剤に、ポリビニルブチラール(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液(17質量%)544gとトルエン107gを徐々に添加して混合した後、メディア分散機により27.6MPaで分散させた。
【0071】
前記支持体上に以下の各層を順次形成し、試料を作製した。尚、乾燥は各々60℃,15分間で行った。
【0072】
(バック面側塗布)
下記組成のバック面側塗布液を、前記作製した支持体の下引層B−2上に、公知の塗布機を用いて塗布を行った。
【0073】
【0074】
【化3】
【0075】
(感光層面側塗布)
以下組成の感光層塗布液及び表面保護層塗布液を後述する塗布方法にて塗布を行い、熱現像感光材料1〜3を作製した。
【0076】
【0077】
【化4】
【0078】
〈感光面側の塗布〉
バック層を塗布済みの幅2200mmPET支持体の下引層A−2上に、上記調製した感光層塗布液及び表面保護層塗布液を、従来の方法で作製したダイコータと本発明の図5の組立装置を用いて作製したダイコータを図2の塗布方式に適用してそれぞれ同時重層塗布を行い、熱現像感光材料1及び2を作製した。
【0079】
なお、感光層塗布液については、塗布銀量として2.1g/m2になる条件で塗布を行った。
【0080】
《露光及び現像処理》
上記で作製した熱現像感光材料1及び2に、810nmの半導体レーザーを有するイメージャーで露光した。その後ヒートドラムを有する自動現像機を用いて、110℃で15秒熱現像処理した。その際、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行った。
【0081】
《400nmにおける光学透過濃度の測定》
(株)島津製作所製分光光度計UV−1200を用いて、現像後試料未露光部の部分の400nmにおける透過濃度を測定し、その中で、濃度が全体平均値より50%低く、その面積が直径50ミクロンを越える場合その欠陥点を除き、各濃度の変動を塗布幅手方向に10mmピッチで測定し、各測定値の平均値に対する偏差(%)の最大値を濃度変動(%)として表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
表1より明らかなように、本発明に係るダイコータを用いて塗布した熱現像感光材料2は、幅手における濃度変動(濃度ムラ)が低く、極めて高い塗膜均質性を有する塗布物を得ることができた。
【0084】
実施例2
次に上記の方式を100MB以上のディスク状の磁気記録媒体(たとえば、ZIP:米国アイオメガ社、HiFD:ソニー、冨士写真共同)に適応した例を説明する。
【0085】
上記の磁性層塗布液及び非磁性層塗布液について、それぞれ各成分をニーダーで混練した後、磁性層塗布液に所定のダイアモンド微粉を添加した後、サンドミルを使用して分散させた。得られた各分散液に、更にポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製:コロネートL)を非磁性層塗布液には13部、磁性層塗布液には4部を加え、更に各々にシクロヘキサノン40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて、濾過して各層塗布液を調製した。
【0086】
(ディスク状磁気記録材料の作製)
得られた下層塗布液を、乾燥後の厚さが1.5ミクロンになるようにその直後にその上に磁性層の厚さが0.2ミクロンになるように、950mm幅、厚さ62ミクロンで中心平均表面粗さが3nmのポリエチレンテレフタレート支持体上に同時重層塗布を行い、塗布膜がまだ湿潤状態にあるうちに周波数50Hz、磁場強度250ガウスまた周波数50Hz、磁場強度120ガウス2つの交流磁場発生装置の中を通過させランダム配向処理を行い、乾燥後、7段のカレンダーで温度90度C、線圧350kg/cmにて表面平滑化処理を行い、ディスク状態に打ち抜いた後、高温でのサーモ処理(65度C)を24時間実施し、更に研磨テープで表面の微小突起を削る為に表面処理を実施し、媒体を作製した。
【0087】
従来の方法で作製したダイコータを図3の塗布方式に適用して作製した媒体を磁性記録材料1、本発明の方法で作製したダイコータを図3の塗布方式に適用して作製した媒体を磁性記録材料2とし下記の特性評価を行った。
【0088】
(ディスク状磁性記録材料の特性評価)
以上のようにして作製した各ディスク状の磁性記録材料について、製品間の膜厚バラツキ及びエラーレートの測定を行った。
【0089】
膜厚バラツキの測定は、作製した各ディスク状磁性記録材料を、任意に500枚サンプリングし、その小片をメタクリル樹脂で包埋し、その断面をダイアモンドカッターで厚さ約50μmの薄片を切り出し、それを電子顕微鏡にて撮影し、塗布層の膜厚を実測し、その測定値の標準偏差(%)を試料の膜厚バラツキとして評価した。以上の様にして測定した結果を、表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】
表2より明らかなように、本発明に係る塗布方法で作製した磁気記録材料は、製品ごとの膜厚バラツキ巾が小さく、規格アウト品が減少して歩留まりが向上すると共に、エラーレートが飛躍的に向上することが判る。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、ダイコータのブロック組立精度を改善し、更に、作業性の改善、作業工数削減、再研削工数の削減をすることと、組立精度の良いダイコータによる塗布安定性の改善及び塗布幅手膜厚分布の改善された塗布方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同時3層塗布用ダイコータの断面を示す模式図である。
【図2】バックロールで塗布反対面が保持された支持体の保持部へ、エクストルージョン塗布方式による塗布を示す模式図である。
【図3】バックロールで背面が支持されない支持体へ、エクストルージョン塗布方式による塗布を示す模式図である。
【図4】ダイコータを組み立てる組立台の斜視図である。
【図5】本発明の昇降機構を有するダイコータの組立装置の斜視図である。
【図6】底面に段差を設けたダイコータの断面を示す模式図である。
【図7】塗布液供給手段の模式図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 バックロール
3 ダイコータ
4 定盤
4a 固定定盤
4b 昇降定盤
5 エッジ部段差
6 架台
7a、7b、7c 昇降機構
8 供給釜
9 配管
10 供給ポンプ
11 フィルター
12 流量計
301a、301b、301c、301d ブロック
302a、302b、302c、302d 底面
303a、303b、303c スリット
304a、304b、304c ポケット
305a、305b、305c 組み合わせ面
306a、306b、306c、306d リップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真感光材料、熱現像記録材料、アブレーション記録材料、磁気記録媒体、綱板表面処理、電子写真感光体等の塗布液(下引き処理液、上塗り液、裏面層液等を含む)を、搬送される樹脂等のフィルムや紙、ガラス等の基板等の支持体へ塗布する塗布装置に用いるダイコータ及びダイコータの組立方法及び組立装置、これを用いた塗布方法及び塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイコータは、一般に送液された塗布液を塗布幅方向に均一に広げて支持体に塗着させる塗布液の押出ノズルであり、通常、内部にチャンバーあるいはポケット等と呼ばれる塗布幅方向に延設された液溜まり部があり、塗布液は、この幅手中央あるいは任意の位置に供給されて塗布幅方向に広げられた後、スリットあるいはスロット等と呼ばれる平板間の狭い通路を通って、リップあるいはエッジ等と呼ばれる先端より押し出される。単層塗布用ダイコータではこれら液溜まりとスリットが通常1セットで、フロントバー・バックバー等と呼ばれる2本のブロックを組み合わせ、これらのブロック間にスリットやポケットを構成する。複数層同時塗布用ダイコータでは、ブロックの数を増やすことで、液溜まり、スリットを塗布層数だけ構成させる。ダイコータの塗布幅端部は様々な幅規制手段やサイドプレート等で所望の塗布幅を得られるように封止されている。ブロック同士の組立は、通常、台の上にブロックを並べて設置し、ボルト等で固定することで行う。コーターダイス、コーターヘッドまたは単にダイ等と呼ぶこともある。
【0003】
ダイコータを用いて塗布するエクストルージョンコート法に関しては、特開昭56−95363号、同50−142643号、特許第3246960号各公報に開示されている単層での塗布方法、および、特開昭45−12390号、同46−236号に開示されている重層塗布方式に関するものなど、塗布方式および塗布装置に関し多くの特許が出願されている。これらの塗布方法はバックロールで保持されたウェブに対してコーターヘッドを通常1mm以下のクリアランスに保ちながら塗布する方法である。
【0004】
これらバックロールで保持されたウェブへのダイコータでの塗布における薄膜塗布方法として、USP2,681,294号に開示されるように、上流側で減圧して塗布することが行われている。しかし、この方法は塗布液粘度が低い場合にのみ有効で、かつ低粘度においても塗布速度アップが難しく、高粘度液の塗布や高速塗布においては、近年、ウェブ背面がバックロールで支持されないサポートロール間にコーターヘッドを押し付けて塗布を行うエクストルージョン塗布方式が用いられるようになっている。この背面をバックロールで支持しない帯状支持体へ塗布するエクストルージョンコート法に関しては、特開昭50−138036号、同55−165172号、特開平1−288364号各公報に開示されている単層での塗布方法、および、特開平2−251265号、同2−258862号、同5−192627号に開示されている重層塗布方式に関するものなど、塗布方法および塗布装置に関し多くの特許が出願されている。
【0005】
これらの塗布方法及び装置においては、塗布に用いるダイコータの塗布液吐出口(リップ或いはエッジ等とも言う)形状が塗布可否や塗布安定性、高速塗布適性、薄膜塗布適性の改善を行う上で重要なポイントであり、前記公報等で種々検討、報告されている。
【0006】
エッジ形状は、ダイコータの塗布液吐出口を構成している前記各ブロックの先端形状とこれらの相対位置(段差とも言う)で決定される。この内、段差については、従来、各ブロックを研削盤等を用いて加工する際に、研削盤のZ軸位置表示で砥石の切込量を確認しながら、あるいは研削盤のダイコータ設置面からの、ダイコータ研削面高さをハイトゲージ等で測定しながら調整し、最適な段差となるように仕上げるか、あるいは、各ブロックを組立台の上に載せ、組立台とブロックの間にシムと呼ばれる薄く、厚さの均一な板やテープを挿入して高さを調整した後、ブロック同士をボルト固定することで所望の段差を得ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、研削時に各ブロックの高さを合せる方法では、ダイコータの長期使用による磨耗や、エッジ部の傷等を除去するためにエッジ部を再度研削する場合、従来は磨耗や傷の無い他ブロックのエッジも研削して高さを調整する必要があった。
【0008】
又、シムを用いて段差を調整する方法の場合、シムの厚さの精度でしか調整できず、さらに、数十μm以下と薄いシムを使用する場合、シムの切断面のバリや折れ等が影響し、さらには、ゴミ等を一緒に挟み込みやすくなるため、μm単位の高い精度で組み立てることが困難であった。
【0009】
更に、1m以上の広幅塗布においては、ダイコータの塗布幅方向の段差のばらつきが大きくなるため、塗布可否や高速塗布適性、薄膜塗布適性に影響し、安定塗布がしにくくなるという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、ダイコータのブロック組立精度を改善し、更に、作業性の改善、作業工数削減、再研削工数の削減をすることと、組立精度の良いダイコータによる塗布安定性の改善及び塗布幅手膜厚分布の改善された塗布方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0012】
1.塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法において、上面の平面度が0.1〜10μmの台上で組み立てることを特徴とするダイコータの組立方法。
【0013】
2.上面の平面度が0.1〜10μmの台が石或いはセラミック製の定盤であることを特徴とする前記1記載のダイコータの組立方法。
【0014】
3.上面の平面度が0.1〜10μmの台がマグネットチャック式定盤であることを特徴とする前記1記載のダイコータの組立方法。
【0015】
4.上面の平面度が0.1〜10μmの台が平面研削盤のワーク固定用テーブルであることを特徴とする前記1記載のダイコータの組立方法。
【0016】
5.上から抑えながら組み立てることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載のダイコータの組立方法。
【0017】
6.前記5記載のダイコータの組立方法に用いることを特徴とするダイコータの組立装置。
【0018】
7.塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法において、該ポケットと該スリットを構成する1組のブロックの組み合わせ面が組立台と垂直でないダイコータを、横方向あるいは組み合わせ面と垂直な方向に抑えながら組み立てることを特徴とするダイコータの組立方法。
【0019】
8.前記7記載のダイコータの組立方法に用いることを特徴とするダイコータの組立装置。
【0020】
9.塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法に用いるダイコータの組立装置が、少なくとも2以上の定盤で構成され、該定盤の少なくとも1つが昇降する機構を有する定盤であることを特徴とするダイコータの組立装置。
【0021】
10.昇降する機構を有する定盤が平行に昇降することを特徴とする前記9記載のダイコータの組立装置。
【0022】
11.昇降する機構を有する定盤の両端が独立に昇降することを特徴とする前記9記載のダイコータの組立装置。
【0023】
12.昇降する機構を有する定盤の3箇所以上が独立に昇降することを特徴とする前記9記載のダイコータの組立装置。
【0024】
13.塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法において、少なくとも2つ以上の定盤を平行に設置し、該定盤の少なくとも1つを昇降させて組付け、底面に段差を設けることを特徴とするダイコータの組立方法。
【0025】
14.前記13記載のダイコータの組立方法により組付け、底面に段差を設けたことを特徴とするダイコータ。
【0026】
15.塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを1組以上備えたダイコータにおいて、該ポケットと該スリットを構成する2本以上のブロックの各ブロックエッジ部の段差の塗布幅手方向各位置でのバラツキが、塗布幅1m当り2μm以内であることを特徴とするダイコータ。
【0027】
16.前記6、8〜12のいずれか1項記載の組立装置で組み立てたダイコータ及び前記14及び15記載のダイコータから選ばれる少なくとも1つのダイコータを用い、エッジ部に沿って搬送される帯状支持体の、一対のサポートロール間フリースパン部にダイコータの塗布液吐出口を押し付けて塗布することを特徴とするエクスルージョン塗布方法。
【0028】
17.前記6、8〜12のいずれか1項記載の組立装置で組み立てたダイコータ又は前記14、15記載のダイコータから選ばれる少なくとも1つのダイコータを用い、裏面をバックロール巻き回されて搬送される帯状支持体に、所定のギャップを設けてダイコータを近接させて塗布することを特徴とするエクスルージョン塗布方法。
【0029】
18.前記6、8〜12のいずれか1項記載の組立装置で組み立てたダイコータ又は前記14、15記載のダイコータから選ばれる少なくとも1つのダイコータを用ることを特徴とするスライドビード塗布方法。
【0030】
19.前記16〜18のいずれか1項記載の塗布方法を用いることを特徴とする塗布装置。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明を図を用いて説明する。
【0032】
図1は3層塗布用のダイコータの断面を示す模式図である。図中301a、301b、301c、301dはダイコータ3を構成しているブロックを示す。ブロック301a、301b、301c、301dは、それぞれ組み合わせ面305a、305b、305cで組み合わされボルトで固定し構成されている。302a、302b、302c、302dは各ブロックの底面を示す。303a、303b、303cは各ブロックとブロックとの間に出来るスリットを示す。304a、304b、304cはダイコータ3の塗布幅方向に延設されたポケットを示し、塗布液は、この各ポケットの幅手中央あるいは任意の位置に供給されて塗布幅方向に広げられた後、前記各スリットを通って各リップより支持体上に押し出されることで塗布が行われる。同時重層用エクストルージョンコータでは、必要とする塗布層の数に合わせ、ブロックの数を増やすことで、ポケット、スリットを構成させることができる。ダイコータの塗布幅端部は様々な幅規制手段やサイドプレート等で所望の塗布幅を得られるように封止されている。
【0033】
図2は、バックロールで塗布反対面(以下、単に背面という)が保持された支持体の保持部へ、エクストルージョン塗布方式による塗布を示す模式図である。図中1は図中の矢印方向(図中下から上)である上流から下流に向かって連続搬送される支持体を示す。2はバックロールを示し、3は同時重層用エクストルージョンコータ(以下、単にダイコータともいう)を示す。本発明において上流側とは、ダイコータ3を基準として、支持体1の繰り出される側を示し、下流側とは反対側を示す。バックロール2により背面が保持され、搬送される支持体1の保持部に、ダイコータ3より塗布液が押し出され塗布が行われる。この方式の場合は支持体1の背面のバックロール2により支持体の平面性が保持されることで均一な塗布膜厚が得られ易い塗布方式であることが知られている。
【0034】
図3はバックロールで背面が支持されない支持体へ、エクストルージョン塗布方式による塗布を示す模式図である。図中4はサポートロールを示す。
【0035】
サポートロール4とは、支持体の背面がバックロールで支持されていない支持体へ、エクストルージョン塗布方式により塗布する場合、支持体の平面性を保つため、ダイコータの前後の支持体の背面に設置された2本の搬送用ロールを示す。尚、ダイコータより搬送方向上流側のロールは塗布面側にあってもかまわない。
【0036】
ダイコータは組み立てる組立台の平面性精度が重要であり、本発明において、平面度が0.1〜10μmの定盤を用いることで、高精度に組立可能であることを見出した。特に塗布幅1m以上の広幅塗布用の大型のダイコータにおいては、ダイコータの一端から他端までの距離が長いため、組立台の精度が悪いとそれがダイコータのエッジ部の段差不良となって安定な塗布や均一な塗布が出来なくなる。
【0037】
図4にダイコータを組み立てる組立台の斜視図を示す。図4において、定盤4の長さは、組み立てるダイコータの塗布幅方向長さ以上あり、その表面は平面度が0.1〜10μmである。ダイコータ3は1m以上の長さを持っている。組み立てる場合、図4に示すように、ダイコータ3のブロックを定盤4の上に並べエッジ部段差5を正確に出してから2つのブロックをボルトで固定し構成する。
【0038】
この定盤と組み立てるブロックの定盤への設置面は、十分に清掃されて、埃やゴミ等の異物がないことも重要で、できればクリーンルーム等にて、アルコール系やケトン系等の速乾性有機溶剤を使用し、発塵性の無い不織布等で拭き取り清掃することが望ましい。速乾性有機溶剤を使用することで、乾燥するまでの時間が短縮されるため、この間に清掃面に付着する浮遊塵を少なくでき、清掃後短時間でダイコータの設置が可能である。
【0039】
定盤には一般に鋳物定盤と石定盤があるが、鋳物定盤では表面に傷が付いている場合、突起となるため、ダイコータがこの傷で持ち上げられてしまい、精度不良となるため、傷が付いても欠けるだけのことが多い石定盤を用いることが望ましい。また近年精度の高い定盤として製作されるようになった、セラミック製定盤でも同様の効果が得られる。
【0040】
ボルトでブロック同士を固定する際、ボルト締め付け時の回転トルクや、ブロックの微小なネジレや曲がり・反りの影響でブロックが浮き上がり、段差がずれることがある。特に塗布幅の広いダイコータ用のブロックでは、一方の端部が持ち上がり易く、また、塗布幅の狭いダイコータにおいても、ダイコータが小型であるために、重量が軽く、浮き上がり易い。この浮き上がりを防止する手段として、ダイコータの材質を磁性金属で製作し、組立用の定盤をマグネットチャック式の定盤とすることで浮き上がりを防止できることを見出した。
【0041】
このマグネットチャック式定盤を用いる代わりに、一般にダイコータのブロックの製作に使用する平面研削盤のワーク固定用テーブルを用い、あらかじめワーク固定テーブルを研削して平面度を10μm以下としてからダイコータのブロックを設置し、ワーク固定テーブルのマグネットチャックをONにしてからボルト固定を行うことで、より精度の高い組立が可能である。
【0042】
前記ブロックの浮き上がりを防止するため、ブロックを上方から抑える機構を用いても良い。
【0043】
一般に2層以上を同時に塗布するために、2組以上のポケットとスリットを備えたダイコータは、図1に示すようにブロックが3本以上となり、かつ安定に塗布可能とするためには2層以上の各塗布液の流出口(スリット出口)の距離を数mm以内に近付ける必要があるため、中間のブロックの断面形状は略三角形となって、ブロックのいずれかの組み合わせ面が組立台と垂直ではないことが多い。このようなダイコータにおいてはボルトを固定する際、一方が他方にずり上がったり、或いはスリット出口が狭まったりくっついたりする状態で組み立てられてしまうといった問題が生じる。このような問題を解決する手段を検討した結果、ダイコータを横方向あるいは組み合わせ面と垂直な方向に抑えてズレを防止しながら組み立てることが有効であることが判明した。
【0044】
その装置の機構としては、ボルト固定するメネジ側のブロック背面をストッパーへあてがい、もう一方のブロックの背面をエアシリンダ等で構成したズレ防止機構で抑えながらボルトを締める機構等により達成される。
【0045】
前記段差を調整する場合、従来のシムを用いる方法は、非常に薄いシックネステープを極めて慎重に組み立て台とダイコータとの間に挟み込むため、時間を要し、しかもシックネステープが30μm以下と薄い場合には、高価であるが1度使用すると傷や折れが入って再利用が難しく、ロスとなっていた。またこの方法で段差調整した結果、所望の段差になっていない場合には、段差を変更して組み直す必要があるが、1度ブロックを移動させて、シムを変更し、再度清掃やシムの傷・折れ、ダイコータへの傷つけ等に十分な注意を払いながら設置し直す必要があり、熟練作業者の高い注意力・集中力と、膨大な工数が必要であった。これらの問題点を解決する手段を鋭意検討した結果、2以上の定盤で構成され、少なくとも1つが昇降する機構を有するダイコータ組立装置を用いることで、解決可能となった。シム取扱の煩わしさやダイコータの載せ降ろし作業から開放され、熟練作業が必要なくなることで、誰にでも容易に、短時間でダイコータの組立が可能となった。さらに、シムの傷・折れ、ダイコータへの傷つけ、埃等の異物の挟み込み等による段差のズレが発生しないため、極めて高い精度でダイコータの組立が可能となった。定盤を昇降させる機構としては、定盤の下側面をボルトの押し引きで直接昇降させる機構や、より精密に昇降させる場合にはハンドやモーターの回転をギヤを用いて減速させる精密Z軸ステージ用昇降機構やピエゾ素子を用いたり、テーパーコッター、偏芯カム等を用いることが出来るがこれらに限定されるものではなく、定盤及びダイコータの重量に耐えうるものであればその他の位置決め機構も用いることができる。
【0046】
図5に昇降機構を有するダイコータの組立装置の斜視図を示す。昇降機構を有するダイコータの組立装置は固定定盤4aと昇降定盤4bが架台6の上にセットされており、昇降定盤4bは昇降機構7a(左)、昇降機構7b(中央)、昇降機構7c(右)の3つの昇降機構により上下できる。
【0047】
昇降定盤を、隣接する固定定盤に対して平行に昇降させることで、幅手に均一に段差を設けることが可能である。昇降定盤の厚さを150mm以上、望ましくは300mm以上として剛性を十分に高くすれば、昇降定盤の昇降機構を少なくしても平行な昇降が可能で、耐荷重に問題がなければ1箇所でもかまわない。この場合は安価な装置とすることが可能である。
【0048】
ダイコータは、通常、研削加工で非常に高精度に製作されるが、塗布幅が広いコーターにおいてはダイコータの長さが長くなり、特に1m以上の場合には材料の持つ微妙なネジレや反りのためにダイコータ両端で数μm程度の高さのズレが生じてしまう場合がある。このような場合でも、昇降定盤のダイコータ塗布幅手方向両端を、別々に昇降させる機構とし、片側を数μm高くして組み立てることで、段差の均一化が可能となった。この場合、昇降定盤の厚さは150mm以上、望ましくは300mm以上として剛性を十分に高くし、昇降定盤の撓みが発生しないようにする必要がある。
【0049】
逆に昇降定盤の厚さは300mm未満、望ましくは200mm未満として剛性を低くし、昇降定盤に撓み発生可能なようにすることで、ダイコータの塗布幅方向3箇所以上に昇降機構を設けて独立に昇降可能とすることで、ダイコータの曲りや反りに対してより厳密に段差調整が可能となった。
【0050】
これらの組立装置においても、ブロックの浮き上がりやズレを防止するために、上から抑えたり、横方向から抑える機構を併用することが望ましい。
【0051】
前述のダイコータ組立装置にて組付け、底面に段差を設けたダイコータ(図6)を使用することで、μmオーダーの微妙なエッジ段差最適化が可能となったため、エッジ段差の幅手均一性が要求される高速・薄膜塗布用ダイコータを組み立て可能となり、1m以上の幅広での高速塗布、薄膜塗布が可能となった。図6において、底面302a〜302dを正確にずらすことにより、リップ306a〜306dの段差が最適化できる。
【0052】
この広幅・高速・薄膜塗布可能なダイコータとしては、塗布幅1mを単位幅としたときに、各ブロックエッジ部段差の塗布幅手方向各位置での差(ばらつき)が、単位幅当り2μm以内望ましくは1μm以内となるように段差調整可能となった。
【0053】
エッジ部に沿って搬送される帯状支持体の、一対のサポートロール間フリースパン部にダイコータの塗布液吐出口を押し付けて塗布するタイプのエクスルージョン型塗布方式(図3)においては、コーターエッジと支持体間の距離(ギャップ)は、支持体の張力と塗布液の液溜(ビード)保持力のバランスが保たれた非常に狭い間隙となっているため、エッジ段差の塗布の可否や塗布安定性、塗布ムラやスジ等への影響は、従来より検討されているエッジの長さや曲率半径等の形状と同様にたいへん大きい。しかしながら、本発明のダイコータ組立装置を用いて組み立てたダイコータを用いた塗布装置により、たいへん良好な塗布適性を得ることができた。特に、このタイプのエクスルージョン型塗布方式の特徴である高速・薄膜塗布が、塗布幅1m以上の広幅でも安定し、可能となり、しかもたいへん良好な幅手膜厚分布が得られるようになった。
【0054】
裏面をバックロール巻き回されて搬送される帯状支持体に、所定のギャップを設けてダイコータを近接させて塗布するタイプのエクスルージョン型塗布方式(図2)においては、塗布幅手膜厚分布にはコーターエッジと支持体間の液溜部での液圧力の分布が大きく影響することが判明した。この液溜部の塗布幅方向圧力分布は、コーターエッジと支持体間の間隙(ビードギャップともいう)のばらつきが主原因であり、本発明のダイコータ組立装置で組み立てた段差の均一なダイコータを用いることで改善可能であることを見出し、均一な幅手膜厚分布を得ることが可能となった。特に、このタイプのエクスルージョン型塗布方式の特徴である、厚さ100μm以上の剛性が高く、かつ幅1m以上で平面性がやや劣る支持体での塗布においても、極めて均一な幅手膜厚分布の広幅塗布が可能となった。
【0055】
スライドビード型塗布方式においても、隣り合うブロックで形成されるスライド面間の段差が幅手膜厚分布に影響するため、本発明のダイコータ組立装置で組み立てた段差の均一なダイコータを用いることで幅手膜厚分布の改善が可能である。
【0056】
塗布液供給手段の模式図を図7に示す。塗布液供給手段は、供給釜8、配管9、供給ポンプ10で構成され、必要に応じて配管各所にフィルター11、流量計12が設置され、更に図示しないが、バルブ、液排出口、脱泡機、熱交換機、攪拌機等のいずれかを併用する場合が多い。釜や配管は接液部を洗浄しやすいようにフッ素加工等の撥水処理する場合もある。ダイコータは塗布液供給量にて塗布膜厚が決定されるいわゆる前計量型であるため、塗布液供給精度は高い精度を要求され、流量変動を極力低減するため、精密計量型ギヤポンプやプランジャーポンプ等の高精度送液ポンプや流量制御等を用いる場合が多い。
【0057】
本発明で用いられる支持体は、PETベース、TACベース、PENベース等の樹脂フィルムの他、紙、金属、布等、帯状で搬送可能なものであれば何でも良い。これらに表面処理、下引き加工等がなされていても使用可能である。他の液が事前に塗布された支持体上への塗布においても適用可能である。
【0058】
本発明に適用できる塗布液は特に制限無く、例えば、写真感光材料、熱現像記録材料、アブレーション記録材料、磁気記録媒体、綱板表面処理、電子写真感光体等の塗布液(下引き処理液、上塗り液、裏面層液等を含む)の塗布に適用可能である。2層以上を同時に塗布するコーターヘッドにおいても適用可能であり塗布層の数に規定されるものではない。
【0059】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
【0060】
実施例1
以下の例に示すように、有機銀を含有した画像記録媒体の製造を実施し、従来技術と比較した。
【0061】
[下引済み写真用支持体の作製]
〈PET下引済み写真用支持体の作製〉
市販2軸延伸熱固定済みの厚さ100μmPETフィルムの両面に8w/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1とし、また反対側の面に下記帯電防止加工下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて帯電防止加工下引層B−1とした。
【0062】
《下引塗布液a−1》
ブチルアクリレート(30質量%)、t−ブチルアクリレート
(20質量%)、スチレン(25質量%)、
2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%)
の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1リットルに仕上げる
《下引塗布液b−1》
ブチルアクリレート(40質量%)、スチレン(20質量%)、
グリシジルアクリレート(40質量%)の共重合体ラテックス液
(固形分30%) 270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1リットルに仕上げる
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μmになる様に塗設して下引層A−2として、また下引層B−1の上には下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に帯電防止機能をもつ下引層B−2として塗設し、下引済み支持体を作製した。
【0063】
《下引上層塗布液a−2》
ゼラチン 0.4g/m2になる質量
(C−1) 0.2g
(C−2) 0.2g
(C−3) 0.1g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
水で1リットルに仕上げる
《下引上層塗布液b−2》
(C−4) 60g
(C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g
硫酸アンモニウム 0.5g
(C−6) 12g
ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g
水で1リットルに仕上げる
【0064】
【化1】
【0065】
【化2】
【0066】
(支持体の熱処理)
上記の下引済み支持体の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、その後徐々に冷却した。
【0067】
(乳剤Aの調製)
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10−6モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10−4モルを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaOHでpHを5に調整して、平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤に、ゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤を得た。ついで、得られたハロゲン化銀乳剤に、塩化金酸及び無機硫黄で化学増感を施した。
【0068】
(ベヘン酸Na溶液の調製)
945mlの純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5M/Lの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を得た。
【0069】
(ベヘン酸銀とハロゲン化銀Aのプレフォーム乳剤の調製)
上記のベヘン酸Na溶液に前記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に1M/Lの硝酸銀溶液147mlを7分間かけて加え、さらに20分攪拌し限外濾過により水溶性塩類を除去した。できたベヘン酸銀は平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であった。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させた。
【0070】
(感光性乳剤の調製)
上記作製したプレフォーム乳剤に、ポリビニルブチラール(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液(17質量%)544gとトルエン107gを徐々に添加して混合した後、メディア分散機により27.6MPaで分散させた。
【0071】
前記支持体上に以下の各層を順次形成し、試料を作製した。尚、乾燥は各々60℃,15分間で行った。
【0072】
(バック面側塗布)
下記組成のバック面側塗布液を、前記作製した支持体の下引層B−2上に、公知の塗布機を用いて塗布を行った。
【0073】
【0074】
【化3】
【0075】
(感光層面側塗布)
以下組成の感光層塗布液及び表面保護層塗布液を後述する塗布方法にて塗布を行い、熱現像感光材料1〜3を作製した。
【0076】
【0077】
【化4】
【0078】
〈感光面側の塗布〉
バック層を塗布済みの幅2200mmPET支持体の下引層A−2上に、上記調製した感光層塗布液及び表面保護層塗布液を、従来の方法で作製したダイコータと本発明の図5の組立装置を用いて作製したダイコータを図2の塗布方式に適用してそれぞれ同時重層塗布を行い、熱現像感光材料1及び2を作製した。
【0079】
なお、感光層塗布液については、塗布銀量として2.1g/m2になる条件で塗布を行った。
【0080】
《露光及び現像処理》
上記で作製した熱現像感光材料1及び2に、810nmの半導体レーザーを有するイメージャーで露光した。その後ヒートドラムを有する自動現像機を用いて、110℃で15秒熱現像処理した。その際、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行った。
【0081】
《400nmにおける光学透過濃度の測定》
(株)島津製作所製分光光度計UV−1200を用いて、現像後試料未露光部の部分の400nmにおける透過濃度を測定し、その中で、濃度が全体平均値より50%低く、その面積が直径50ミクロンを越える場合その欠陥点を除き、各濃度の変動を塗布幅手方向に10mmピッチで測定し、各測定値の平均値に対する偏差(%)の最大値を濃度変動(%)として表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
表1より明らかなように、本発明に係るダイコータを用いて塗布した熱現像感光材料2は、幅手における濃度変動(濃度ムラ)が低く、極めて高い塗膜均質性を有する塗布物を得ることができた。
【0084】
実施例2
次に上記の方式を100MB以上のディスク状の磁気記録媒体(たとえば、ZIP:米国アイオメガ社、HiFD:ソニー、冨士写真共同)に適応した例を説明する。
【0085】
上記の磁性層塗布液及び非磁性層塗布液について、それぞれ各成分をニーダーで混練した後、磁性層塗布液に所定のダイアモンド微粉を添加した後、サンドミルを使用して分散させた。得られた各分散液に、更にポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製:コロネートL)を非磁性層塗布液には13部、磁性層塗布液には4部を加え、更に各々にシクロヘキサノン40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて、濾過して各層塗布液を調製した。
【0086】
(ディスク状磁気記録材料の作製)
得られた下層塗布液を、乾燥後の厚さが1.5ミクロンになるようにその直後にその上に磁性層の厚さが0.2ミクロンになるように、950mm幅、厚さ62ミクロンで中心平均表面粗さが3nmのポリエチレンテレフタレート支持体上に同時重層塗布を行い、塗布膜がまだ湿潤状態にあるうちに周波数50Hz、磁場強度250ガウスまた周波数50Hz、磁場強度120ガウス2つの交流磁場発生装置の中を通過させランダム配向処理を行い、乾燥後、7段のカレンダーで温度90度C、線圧350kg/cmにて表面平滑化処理を行い、ディスク状態に打ち抜いた後、高温でのサーモ処理(65度C)を24時間実施し、更に研磨テープで表面の微小突起を削る為に表面処理を実施し、媒体を作製した。
【0087】
従来の方法で作製したダイコータを図3の塗布方式に適用して作製した媒体を磁性記録材料1、本発明の方法で作製したダイコータを図3の塗布方式に適用して作製した媒体を磁性記録材料2とし下記の特性評価を行った。
【0088】
(ディスク状磁性記録材料の特性評価)
以上のようにして作製した各ディスク状の磁性記録材料について、製品間の膜厚バラツキ及びエラーレートの測定を行った。
【0089】
膜厚バラツキの測定は、作製した各ディスク状磁性記録材料を、任意に500枚サンプリングし、その小片をメタクリル樹脂で包埋し、その断面をダイアモンドカッターで厚さ約50μmの薄片を切り出し、それを電子顕微鏡にて撮影し、塗布層の膜厚を実測し、その測定値の標準偏差(%)を試料の膜厚バラツキとして評価した。以上の様にして測定した結果を、表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】
表2より明らかなように、本発明に係る塗布方法で作製した磁気記録材料は、製品ごとの膜厚バラツキ巾が小さく、規格アウト品が減少して歩留まりが向上すると共に、エラーレートが飛躍的に向上することが判る。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、ダイコータのブロック組立精度を改善し、更に、作業性の改善、作業工数削減、再研削工数の削減をすることと、組立精度の良いダイコータによる塗布安定性の改善及び塗布幅手膜厚分布の改善された塗布方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同時3層塗布用ダイコータの断面を示す模式図である。
【図2】バックロールで塗布反対面が保持された支持体の保持部へ、エクストルージョン塗布方式による塗布を示す模式図である。
【図3】バックロールで背面が支持されない支持体へ、エクストルージョン塗布方式による塗布を示す模式図である。
【図4】ダイコータを組み立てる組立台の斜視図である。
【図5】本発明の昇降機構を有するダイコータの組立装置の斜視図である。
【図6】底面に段差を設けたダイコータの断面を示す模式図である。
【図7】塗布液供給手段の模式図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 バックロール
3 ダイコータ
4 定盤
4a 固定定盤
4b 昇降定盤
5 エッジ部段差
6 架台
7a、7b、7c 昇降機構
8 供給釜
9 配管
10 供給ポンプ
11 フィルター
12 流量計
301a、301b、301c、301d ブロック
302a、302b、302c、302d 底面
303a、303b、303c スリット
304a、304b、304c ポケット
305a、305b、305c 組み合わせ面
306a、306b、306c、306d リップ
Claims (19)
- 塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法において、上面の平面度が0.1〜10μmの台上で組み立てることを特徴とするダイコータの組立方法。
- 上面の平面度が0.1〜10μmの台が石或いはセラミック製の定盤であることを特徴とする請求項1記載のダイコータの組立方法。
- 上面の平面度が0.1〜10μmの台がマグネットチャック式定盤であることを特徴とする請求項1記載のダイコータの組立方法。
- 上面の平面度が0.1〜10μmの台が平面研削盤のワーク固定用テーブルであることを特徴とする請求項1記載のダイコータの組立方法。
- 上から抑えながら組み立てることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のダイコータの組立方法。
- 請求項5記載のダイコータの組立方法に用いることを特徴とするダイコータの組立装置。
- 塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法において、該ポケットと該スリットを構成する1組のブロックの組み合わせ面が組立台と垂直でないダイコータを、横方向あるいは組み合わせ面と垂直な方向に抑えながら組み立てることを特徴とするダイコータの組立方法。
- 請求項7記載のダイコータの組立方法に用いることを特徴とするダイコータの組立装置。
- 塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法に用いるダイコータの組立装置が、少なくとも2以上の定盤で構成され、該定盤の少なくとも1つが昇降する機構を有する定盤であることを特徴とするダイコータの組立装置。
- 昇降する機構を有する定盤が平行に昇降することを特徴とする請求項9記載のダイコータの組立装置。
- 昇降する機構を有する定盤の両端が独立に昇降することを特徴とする請求項9記載のダイコータの組立装置。
- 昇降する機構を有する定盤の3箇所以上が独立に昇降することを特徴とする請求項9記載のダイコータの組立装置。
- 塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを備えたダイコータの組立方法において、少なくとも2つ以上の定盤を平行に設置し、該定盤の少なくとも1つを昇降させて組付け、底面に段差を設けることを特徴とするダイコータの組立方法。
- 請求項13記載のダイコータの組立方法により組付け、底面に段差を設けたことを特徴とするダイコータ。
- 塗布液を塗布幅方向に広げるポケットと、塗布液をポケットから被塗布物に吐出するスリットを1組以上備えたダイコータにおいて、該ポケットと該スリットを構成する2本以上のブロックの各ブロックエッジ部の段差の塗布幅手方向各位置でのバラツキが、塗布幅1m当り2μm以内であることを特徴とするダイコータ。
- 請求項6、8〜12のいずれか1項記載の組立装置で組み立てたダイコータ及び請求項14及び15記載のダイコータから選ばれる少なくとも1つのダイコータを用い、エッジ部に沿って搬送される帯状支持体の、一対のサポートロール間フリースパン部にダイコータの塗布液吐出口を押し付けて塗布することを特徴とするエクスルージョン塗布方法。
- 請求項6、8〜12のいずれか1項記載の組立装置で組み立てたダイコータ又は請求項14、15記載のダイコータから選ばれる少なくとも1つのダイコータを用い、裏面をバックロール巻き回されて搬送される帯状支持体に、所定のギャップを設けてダイコータを近接させて塗布することを特徴とするエクスルージョン塗布方法。
- 請求項6、8〜12のいずれか1項記載の組立装置で組み立てたダイコータ又は請求項14、15記載のダイコータから選ばれる少なくとも1つのダイコータを用ることを特徴とするスライドビード塗布方法。
- 請求項16〜18のいずれか1項記載の塗布方法を用いることを特徴とする塗布装置。
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JP2006247474A (ja) * | 2005-03-08 | 2006-09-21 | Dainippon Printing Co Ltd | 位置制御ステージ装置及び基板処理装置 |
KR101110008B1 (ko) * | 2007-12-06 | 2012-02-06 | 히라따기꼬오 가부시키가이샤 | 도포헤드의 조립장치 |
-
2002
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