JP2004032318A - 原稿撮像装置 - Google Patents

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Koichi Shimada
島田 宏一
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Abstract

【課題】種々の原稿の厚さ、剛性の原稿を搬送し安定して原稿を撮像し、調光精度が高く撮像画像が美しい原稿撮像装置を提供する。
【解決手段】原稿の画像情報を読み取る読取手段2aと、イメージセンサの主走査方向と直交する方向にイメージセンサと原稿画像との相対位置を所定の速度で変える副走査手段22と、副走査手段22を通過する原稿の画像面を照明する照明手段2cと、照明手段2cからの光を反射させて、画像面を原稿の背面から照明する背面照明手段25と、原稿と摺動接触する光透過部材と、イメージセンサの感度調整を行うための調光手段とを備える。読取手段と照明手段と背面照明手段と前記光透過部材とを、撮像原稿との光学的関係を一定にしながら、装置の筐体に対して一体的に移動可能とした原稿イコライズ手段を設ける。
【選択図】    図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は原稿撮像装置に関し、詳しくは原稿を自動で搬送しながら当該原稿の画像を読み取って、読み取り後の画像情報からビデオ信号を生成して、プロジェクタ、CRT、液晶ディスプレイ等の外部装置に出力するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば学会や各種イベントにおけるプレゼンテーションの場では、スライドやオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)などを用いて説明者等によるプレゼンテーションが行われてきた。
【0003】
これに対して近年、パーソナルコンピュータの急速な普及とともに、パーソナルコンピュータと液晶プロジェクタとの組み合わせによるプレゼンテーションが行われるようになってきている。この場合でも、補助資料等の印刷物や手書きの資料を使用してプレゼンテーションを行いたいという要求が高く、液晶プロジェクタと組み合わせて使用する原稿撮像装置が求められている。
【0004】
このような要求に応えるものとして、CCDなどのエリアイメージセンサを使用したビデオカメラを用いて原稿台上の原稿等の画像情報を読み取り、イメージデータをビデオ信号として出力する原稿撮像装置、いわゆる書画カメラがあるが、その一例を図33に示す。
【0005】
図33において、133はエリアイメージセンサを使用したビデオカメラ、134はOHP等の透過原稿用の背面照明装置を備えている原稿台、135は原稿台134上の原稿を照らす照明装置である。図33に示すこのような原稿撮像装置は、表示装置としての液晶プロジェクタと接続してプレゼンテーションを行うための装置、或いはテレビ会議装置に接続して画像入力を行う装置として製品化されている。
【0006】
しかしながら、エリアイメージセンサを用いた原稿撮像装置は、もともと動画の撮影用に開発されたビデオカメラを用いた装置である。このため液晶プロジェクタと接続してプレゼンテーションを行う装置として使用する場合、一般に、1画面の原稿が瞬時に取り込めるという特徴がある一方で、以下のような欠点がある。
(1) 一般に、エリアイメージセンサは、比較的解像度が低く、文書原稿などの文字を読み取り出力するための充分な解像度が得られ難い。
(2) 出力のビデオ信号として一般のカラーテレビ等で用いられるNTSC信号やS信号等が用いられているため、伝送経路として液晶プロジェクタなど高画質の表示装置を用いた場合にその特性が生かされない。
(3) 光路が面であるため、多段にわたりミラーなどの反射により光路を屈折して装置を小型化する方法が取り難いため、装置のサイズが動作時及び格納時共に大きくなってしまう。
【0007】
このような理由からエリアイメージセンサに替わり、これよりも高解像度が期待されるリニアイメージセンサを用いた原稿撮像装置が提案されている。
その一例のブロック構成を図34に示す。図34はリニアイメージセンサを用いた従来の原稿撮像装置237のブロック回路図を示しており、202はリニアイメージセンサ、205はリニアイメージセンサ202からの画像情報をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ、208はA/Dコンバータ205からのデータを記憶する表示メモリ、209はビデオ信号発生器、211は装置全体の動作を制御するCPU、212はCPU211の制御プログラムを格納するROM、214は動作方法指定用スイッチ、215は液晶ディスプレイなどの表示装置、216は本装置で読み取る原稿、238は副走査位置検出器、239は副走査駆動機構である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図34で示すリニアイメージセンサを用いた従来の原稿撮像装置237では、読み込んだ原稿のデータを直接的に表示メモリ208に書き込んでいるため、表示中は原稿の読み取りが行なえない。そのため表示中の画面の説明が終了して画面切替えの要求を出した後に次の原稿の読取動作が行われることになり、読み取りから表示に至るまでの時間がすべて待ち時間となってしまう。
【0009】
また、表示時間短縮のために表示メモリ208を複数画面分実装する場合には、事前に複数原稿を取り込んでおくことが可能である。ところがこの場合、前準備としての原稿読取に長時間を要し、また、多くの原稿を使用するためには原稿の枚数に応じた表示メモリの容量が必要であり、大容量のメモリを実装する必要が生じる。
【0010】
また、リニアイメージセンサ202は比較的解像度は高いが、表示装置215は解像度が低いため、原稿216から読み取ったデータは表示メモリ208に転送される段階で間引かれてしまう。そのため表示後に画面の回転変換等が必要になった場合、読み取った元データではなく間引かれたデータから変換を行うことになり、変換する毎に画像が劣化してしまう。
【0011】
また、表示メモリ208は、その回路構成によりデータの構造が決まってしまうため、任意の圧縮を施した画像などを扱うことができず、保存効率が悪い。
また、リニアイメージセンサ208を含む光学系を駆動させて固定された原稿を読み取る方式では、装置が大型化し、運搬移動の容易さや設置場所の選択の自由度がない等の問題がある。
【0012】
また、パーソナルコンピュータとの接続が必要な原稿撮像装置では、撮像してから表示するまでの操作性が悪く、設置した状態で電源をオンにしておくことが多くなり、消費電力が多くなってしまう。
また、携帯性のある装置は衝撃等により事故の確率が高く、故障の発生率が高くならざるを得ない。
【0013】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、原稿を照明して撮像する光学系における省スペース化、低コスト化等を図りながら、調光精度が高く撮像画像が美しい原稿撮像装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る原稿撮像装置の第1の構成は、イメージセンサを有し、原稿の画像情報を読み取る読取手段と、前記イメージセンサの主走査方向と直交する方向に前記イメージセンサと原稿画像との相対位置を所定の速度で変える副走査手段と、前記副走査手段を通過する原稿の画像面に対向位置し、当該画像面を照明する照明手段と、前記副走査手段を通過する原稿の背面に対向位置し、前記照明手段からの光を反射させて、前記画像面を原稿の背面から照明する背面照明手段と、前記イメージセンサと原稿の間に位置し、原稿と摺動接触する光透過部材と、前記イメージセンサの感度調整を行うための調光手段とを備え、前記読取手段と前記照明手段と前記背面照明手段と前記光透過部材とを、撮像原稿との光学的関係を一定にしながら、装置の筐体に対して一体的に移動可能とした原稿イコライズ手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
第1の構成においては、原稿イコライズ(equalize)手段を設けたので、原稿の厚さ、剛性、たわみに応じて読取手段を変化させて原稿を撮像でき、安定して均一な原稿画像を撮像できる。
【0016】
本発明に係る原稿撮像装置の第2の構成は、第1の構成において、前記原稿イコライズ手段は、前記筐体に対して変動し、その変動方向が原稿面の垂直方向であることを特徴とする。
【0017】
第2の構成においては、原稿イコライズ手段は、筐体に対して変動し、その変動方向が原稿面の垂直方向であるので、筐体に対して原稿の厚さ方向(原稿面の垂直方向)に刻々と変動する原稿の挙動に撮像光学系を一定に保ちながら追従することができ、原稿からの反射光の反射角を一定に保ちながら撮像でき、光量ムラのない美しい撮像画を得ることが可能となる。
【0018】
本発明に係る原稿撮像装置の第3の構成は、第1又は第2の構成において、前記原稿イコライズ手段は、一体光学系とこの一体光学系を支持する板状の弾性を有する支持部材と板状の弾性部材からなることを特徴とする。
【0019】
第3の構成においては、一体光学系と一体光学系を支持する板状の弾性を有する支持部材と板状の弾性部材からなるので、複雑な機構を必要とせず、簡易な機構で組み立て性にも優れ、撮像性能の安定した撮像装置を提供することが可能となる。
【0020】
本発明に係る原稿撮像装置の第4の構成は、第3の構成において、前記支持部材は、原稿と摺動接触することを特徴とする。
【0021】
第4の構成においては、支持部材は、原稿と摺動接触するので、光透過部材との摺動を回避でき、光透過部材より摩擦係数の低い材料を選定することが可能となり、搬送性の優れた撮像装置を提供できる。
【0022】
本発明に係る原稿撮像装置の第5の構成は、第3又は第4の構成において、前記支持部材は、前記イメージセンサの読み取り範囲を阻害しない最近接位置であり、原稿搬送の上流位置に設定してなることを特徴とする。
【0023】
第5の構成においては、センサの読み取り範囲を阻害しない最近接位置であり、原稿搬送の上流位置に設定してなるので、ガラス等の光透過部材よりも摺動性の優れた低摩擦係数の部材で構成することが可能になり、原稿搬送の負荷を低減することができる。
【0024】
本発明に係る原稿撮像装置の第6構成は、第3〜第5のいずれか1の構成において、前記支持部材の一部は前記一体光学系に固着され、前記支持部材の一端は、装置の基台となる筐体又は筐体との一体化物に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0025】
第6の構成においては、支持部材の一部は一体光学系に固着され、支持部材の一端は装置の基台となる筐体または筐体との一体化物に着脱可能に取り付けられているので、一体光学系の交換が可能である。
【0026】
本発明に係る原稿撮像装置の第7の構成は、第3〜第6のいずれか1の構成において、前記弾性部材が、前記背面照明手段であることを特徴とする。
【0027】
第7の構成においては、弾性部材が、背面照明手段であるので、1つの部材で原稿イコライズ手段と背面照明手段の2つの機能を構成することができ、部材を増加させずに性能を向上することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明を適用した原稿撮像装置1の概要について説明する。図1は、原稿撮像装置1を用いて構成した画像表示システムの概略を示す外観斜視図である。図2は、原稿撮像装置の使用時の状態について説明する図であり、操作ボタンに向けてリモコンの無線信号を照射する場合について示す外観斜視図である。
【0029】
本発明を適用した原稿撮像装置1は、原稿を1枚ずつ自動で搬送しながら当該原稿の画像を読み取って、読み取り後の画像情報をプロジェクタ、CRT、液晶ディスプレイ等の外部装置に出力するための装置であり、この実施形態では、図1に示すようにプロジェクタである表示装置15及び電源供給装置としてのAC/DC変換器201と接続して使用される。
【0030】
具体的には原稿撮像装置1は、装置本体Cに配置された本実施形態の画像信号出力手段である表示装置接続用コネクタ32に対して表示器通信ケーブル200が接続されることにより表示装置15と接続され、表示装置15に対して各種信号の送受信を行う。
【0031】
また、原稿撮像装置1は、装置本体Cに配置された電源コネクタ34に対してAC/DC変換器201からのプラグが差し込まれることにより、AC/DC変換器201から直流電源を入力する。なお、装置本体Cの表示装置接続用コネクタ32と並んで、画像データを送信可能なパーソナルコンピュータや撮像装置本体C以外の画像信号発生器30から送られてくる画像信号を入力するための画像信号入力用コネクタ35が設けられ、画像データ通信ケーブル202を接続して、画像信号発生装置30から送られてくる画像信号を入力できる。 また、表示装置接続用コネクタ32と画像信号入力用コネクタ35は機械的形状・信号的規格が同一に設定してある。
【0032】
また、その並びの位置には装置本体C以外のパーソナルコンピュータやプロジェクタやマウス等の通信装置36の通信規格に適合したUSB、RS232C、IEEE1394、PS/2等の通信用コネクタ33が設けられ、パーソナルコンピュータ又はプロジェクタと接続できるようになっている。パーソナルコンピュータ、プロジェクタ等との通信による操作が可能であり、例えばUSBコネクタ等を用いれば、随時パソコンのデジタル画像信号を処理して、表示装置接続用コネクタ32を介して表示装置15へ画像信号を送出し、表示装置15での画像表示も可能である。また、PS/2、USBコネクタ等を設けてマウスによる操作を行なえるようにしてもよいし、プロジェクタから装置本体Cの操作を行なえるようにしてもよい。
【0033】
また、図1に示すように本実施形態の原稿撮像装置1は、小型で持ち運びに便利な携帯型のサイズ及び外形となっている。なお、図1では原稿撮像装置1の使用前の状態を示しており、この状態では詳細を後述する原稿トレイ18,118が装置本体Cに収納され外装カバーとして機能している。
【0034】
原稿撮像装置1の使用にあたっては、図2に示すように原稿トレイ18,118を開き、この原稿トレイ18,118の上に原稿の画像面を上向きにしてセットする。ここで、原稿撮像装置1の使用の際には、装置本体Cの上面部に配置された操作ボタン75を押し込むことにより、原稿トレイ18,118が図3に示すように開かれた状態となるとともに、この操作ボタン75が装置本体Cの上面部より上方に突出する。なお、原稿トレイ18,118等についての詳細な構成及び動作についての説明は後述する。
【0035】
そして、原稿撮像装置1の操作については、リモートコントローラ(リモコン79)を用いて遠隔操作できるようになっており、図2に示すようにリモコン79から出力される無線信号を、装置本体Cの上面から突出した操作ボタン75に対して照射することによって、詳細を後述する原稿撮像装置1の各部が動作する。原稿トレイ18,118にセットされた原稿が装置本体Cの内部に送り込まれながら当該原稿の画像が読み取られ、読み取り後の画像情報が表示装置15に供給されるようになっている。そして、この原稿の画像を表示装置15で表示することにより、各種イベント等におけるプレゼンテーションが行われることになる。なお、原稿撮像装置1で使用可能な原稿としては、紙等の不透明のシートのみならず、OHP等に用いられる透明シート、半透明シート等も使用できるようになっており、この詳細については後述する。
【0036】
次に、図3のブロック図を参照して、本実施形態の原稿撮像装置1の回路構成を説明する。原稿撮像装置1は図3に示すように、原稿の画像を読み取る読取手段としてのリニアイメージセンサ2と、原稿の位置を検出する原稿位置検出器3と、原稿の給送、副走査駆動、排出の各動作を行うための原稿駆動機構4と、リニアイメージセンサ2の出力信号をA/D変換するA/Dコンバータ5と、A/Dコンバータ5の出力信号を一時的に記憶する第1のバッファメモリ6と、第1のバッファメモリ6の後段に配置され、表示中及び表示後のデータを、格納または圧縮してから格納しておくための第2のバッファメモリ7と、第1のバッファメモリ6及び第2のバッファメモリ7の後段に配置された表示メモリ8と、表示メモリ8の出力信号から上述の表示装置15に出力するビデオ信号を生成するためのビデオ信号発生器9と、表示装置15から出力される情報を読み出すための表示装置情報読み出し器10と、原稿撮像装置1全体の制御を行う本実施例の画像信号処理手段でもあるCPU11と、CPU11が使用する制御プログラムや制御データを格納するROM12と、表示性能指定用スイッチ13と、動作方法指定用スイッチ14と、画像信号切替手段29と、前記通信装置36の通信方式に準拠する通信手段28と、を備えている。
【0037】
リニアイメージセンサ2は、CCDやコンタクトセンサ等からなる所謂ライン型の読み取りセンサである。原稿位置検出器3は、原稿駆動機構4の動作切替のため、通過する原稿の先端及び後端を検知して、検知信号をCPU11に供給するものである。原稿駆動機構4は、原稿給送機構と副走査駆動機構と原稿排出機構を備えている。詳細を後述する原稿トレイ18,118に保持された多数枚の原稿束17が原稿分離給送機構によって1枚に分離して送り出され、1枚に分離された原稿16が副走査駆動機構によってリニアイメージセンサ2に対して相対的に移動させられる。このときに原稿16の画像がリニアイメージセンサ2で読み取られ、続いて原稿排出機構によってこの原稿16が機外に排出されるようになっている。なお、原稿駆動機構4の各機構の具体的な構成及び動作については後述する。
【0038】
原稿撮像装置1では、リニアイメージセンサ2で読み取られた原稿16の画像の情報が、アナログ信号でA/Dコンバータ5に供給され、A/Dコンバータ5によってデジタルデータに変換された後に、まず第1のバッファメモリ6内に一旦格納される。ここで、第1のバッファメモリ6内に格納されたデジタルデータは、CPU11及び表示メモリ8を介してビデオ信号発生器9に供給されるとともに、CPU11によって、必要があれば圧縮処理等がなされ、処理済みデータの形態で第2のバッファメモリ7内に格納される。そして、ビデオ信号発生器9に供給された表示メモリ8からのデジタルデータは、ビデオ信号発生器9によって逐次ビデオ信号に変換して表示装置15に出力される。
【0039】
一方、第2のバッファメモリ7内に格納されたデータは、ユーザ等の必要に応じて、CPU11による処理(圧縮データの場合は伸張処理)及び表示メモリ8を経て、ビデオ信号発生器9に供給され、ビデオ信号への変換後に表示装置15に出力される。
【0040】
すなわち、この原稿撮像装置1ではCPU11は、第1のバッファメモリ6に貯えられているデータには圧縮伸長等の処理を行わず、第2のバッファメモリ7に貯えられているデータにのみ圧縮伸長等の処理を行うこととしている。第1のバッファメモリ6及び第2のバッファメモリ7は、本実施形態では半導体メモリを用いているが、ハードディスクなどの不揮発性のメモリ装置などを併用してもよい。第1のバッファメモリ6の容量については、原稿1枚分の容量より多くても少なくてもよい。
【0041】
ここで、第1のバッファメモリ6に原稿1枚分以上のデータの蓄積がある場合には、実際の読込動作を伴わずに表示画面の切替えができるため、上述したエリアイメージセンサを用いた従来装置と同等の切替時間を実現できる。また、第1のバッファメモリ6へのデータの蓄積が原稿1枚分に満たない場合でも蓄積量に応じて表示までの時間を短縮することができるが、この実施形態では原稿1枚分の容量よりも大きい容量のものを実装している。
【0042】
一方、第2のバッファメモリ7の容量は、原稿1枚分の容量よりも多いこととすればよいが、本実施形態の原稿撮像装置1では、原稿2枚分の容量よりも大きい容量を実装する。 図30のステップS61で後述するCPU11による空き容量の判定を行う際に、この空き容量が、転送する原稿1枚分の容量に満たないときには、空きが無い(第2のバッファメモリ7が満杯)との判定を行うようにしている。
【0043】
CPU11は、この原稿撮像装置1の各部の制御を司っており、また、A/Dコンバータ5から第1のバッファメモリ6へデータを転送する第1の転送手段、第1のバッファメモリ6から第2のバッファメモリ7へデータを転送する第2の転送手段、第1のバッファメモリ6又は第2のバッファメモリ7から表示メモリ8へデータを所定の表示形式に変換して転送する第3の転送手段としての機能も有している。
【0044】
動作方法指定スイッチ14は、具体的には後述の原稿セット検知器19と、赤外線により遠隔操作を行うためのリモコン79とで構成される。リモコン79は、ユーザにより各種のボタンが押圧操作されることにより、赤外線による操作信号を原稿撮像装置1に出力して、原稿撮像装置1の各部の動作を指定するものである。
【0045】
また、リモコン79は、所定ボタンの押圧操作により、画像信号切替手段29、図29及び図30で後述する新規原稿表示、図31で後述する回転表示、図32で後述する再表示などの動作の指示を行うことができるものである。
画像信号切替手段29は、ユーザに依って操作されるリモコン79のボタン押圧の司令によって、ビデオ信号発生器9からの画像信号か、または装置本体C以外の装置である画像信号発生装置30からの画像信号か、どちらかを選択し表示装置15へ画像信号を送出する。
通信装置36は、前述以外にもスキャナ、ビデオカメラ、デジタルカメラやそれらを応用した装置等の主に画像信号を扱う装置などが考えられる。
【0046】
次に、原稿撮像装置1の機械的構成について、図4乃至図13等を参照して説明する。
図4、図5は本発明の実施形態における原稿撮像装置1の機械的構造を示す断面図である。図5は原稿駆動機構4を図4の反対側から表した断面図である。図6及び図7は原稿駆動機構4を上側から表した平面図であり、図6に原稿オモテ側の機構、図7に原稿ウラ側の機構を分けて表す。図8及び図9は原稿駆動機構4の原稿分離給送動作を説明する図である。また、図9は原稿分離給送動作の主要部を抜粋して表した拡大図である。図10は原稿駆動機構4の副走査動作と排出動作を説明するための図である。図11は、原稿撮像装置において原稿が通過する光学系の箇所を抽出して、原稿が無い場合を示す断面拡大図、図12は、原稿撮像装置において原稿が通過する光学系の箇所を抽出して、原稿が有る場合を示す断面拡大図である。図13は原稿撮像装置における原稿駆動機構の主要部を抜粋して、下方から表した斜視図である。
【0047】
図4に示すように原稿撮像装置1の装置本体Cは、筐体の上面側を形成する部材である上ケース97、中ケース98を有する上側本体Aと、筐体の下面側を形成する部材である下ケース99、補助ローラ基台39を有する下側本体Bとで構成されている。
原稿撮像装置1では、後述する操作ボタン75が上ケース97に対して上下方向に往復移動可能に取り付けられ、また、原稿トレイ18,118が補助ローラ基台39と下ケース99との間の位置に開閉可能に設けられる。
【0048】
図4及び図5に示すように装置本体Cの内部上方には、メイン制御基板31が配置される。このメイン制御基板31は、図3で説明したA/Dコンバータ5、第1のバッファメモリ6、第2のバッファメモリ7、表示メモリ8、ビデオ信号発生器9、表示装置情報読み出し器10、CPU11、ROM12等の主要制御回路や、後述の反射鏡76の反射面と対向位置する後述の受光素子77を搭載している。
【0049】
また、図4に示すようにメイン制御基板31の上面側には、上述した表示装置接続用コネクタ32、通信用コネクタ33、電源コネクタ34、画像信号入力用コネクタ35が接続され、これら各コネクタが装置本体C(詳しくは上側本体A)の側面部に形成されたそれぞれの開口部を介して取り付けられ、さらにリニアイメージセンサ2が、メイン基板31の下面側に配置されている。
【0050】
また、装置本体C(詳しくは上側本体A)の内部下方には、図3で説明した原稿駆動機構4の構成部材として分離ローラ21、給送ローラ20、メインローラ22、排出ローラ23が、上流側からこの順で配置される。給送ローラ20とメインローラ22とメイン制御基板31とで形成される空間に、メインローラ22から給送ローラ20へのみ駆動力を伝達する円筒又は球状の部材である連接ローラ26が遊嵌されている。
【0051】
そして、原稿駆動機構4はこれら各ローラを駆動するための構成部材として、図5、図6に示すように駆動源としての駆動モータ100と、駆動モータ100の出力軸に一体的に構成されたモータ歯車101と、モータ歯車101から駆動力が順次伝達される歯車102,103,108,111,113,114が配置される。なお、この実施形態では、駆動モータ100としてステッピングモータを用いている。
【0052】
ここで、図5に示すようにモータ歯車101と噛み合う伝達歯車102に対して共通形状の2つの伝達歯車103,113がそれぞれ噛み合い、伝達歯車113に対しては、排出ローラ23と同軸上にある排出駆動歯車114が噛み合っている。一方、伝達歯車103に対しては、メインローラ22と同軸上にあるメイン駆動歯車108が噛み合い、このメイン駆動歯車108に対して給送ローラ20と同軸上にある給送駆動歯車111が噛み合っている。これら各歯車は、ギヤ地板119に対して回転可能に取り付けられ、及び各軸は、図6に示す軸受け68,69によって回転可能に支持されている。ここで軸受け68,69は、給送ローラ軸47、メインローラ22、排出ローラ23の各軸に対する軸受けとなっている。
【0053】
また、図13に示すように各歯車のうちのメイン駆動歯車108、給送駆動歯車111及び排出駆動歯車114は、ギヤ地板119によってスラスト方向が規制されている。ギヤ地板119は、上述の各歯車を押さえることによってメインローラ22や排出ローラ23の回転摺動ガタや軸スラストガタをガタ寄せする機能を有している。具体的には、このギヤ地板119はばね性を有する板状部材であり、歯車108,111,114を脱落しないように押さえている。また、ギヤ地板119は、給送駆動歯車111を介して給送ローラ軸47を、メイン駆動歯車108を介してメインローラ22の軸部を、排出駆動歯車114を介して排出ローラ23の軸部を、それぞれ軸スラスト方向にばね圧で押さえている。さらに、ギヤ地板119は図13に示すように、歯車108が取り付けられたメインローラ22の軸部をラジアル方向に付勢する付勢部119aを有しており、メインローラ22に対しては、ラジアル方向にもばね圧がかかるように設定して、メインローラ22の軸部が支持される軸受け69の図示しない摺動嵌合穴との嵌合ガタについてのガタ寄せを行なっている。
【0054】
本実施形態では、このようなガタ寄せ部材としてのギヤ地板119を備えることにより、駆動モータ100の駆動力に対応したガタ寄せが行われることとなり、各歯車の噛み合い部や軸受け69の軸穴の嵌合摺動部等に生ずるガタ振動を押さえ、原稿駆動機構4における静粛な動作が実現される。特に、本実施形態のように駆動モータ100として、ステッピングモータのような振動を伴う駆動源とした場合には、ステッピングモータの振動による駆動源自体の振動、及び駆動源から装置本体C等へ伝わる振動を低減させ、騒音の発生を防止し静粛な原稿駆動が確保されるので、その効果が大きい。
【0055】
図4、図5、図13に示したように本実施形態では、駆動モータ100の駆動力を伝達して駆動するギヤ等の原稿駆動機構4と、原稿の有無や位置を検知するための検知手段(原稿位置検出器3及び原稿セット検知器19)は全て、原稿16を境にして片側(上側本体A)に集中させて構成し、原稿の分離や副走査駆動を行なうための補助的部材や機構をその反対側(下側本体B)に集中させて構成している。
原稿駆動機構4等をこのような構成とすることにより、容易に分離して取り外せる構成にすることが可能となり、さらに原稿駆動機構4の原稿通路等の清掃やメンテナンスを容易にできるようになる。なお、原稿駆動機構4の他の構成部材、及び動作等の詳細については後述する。
【0056】
図4に示すように装置本体Cの内部下方(詳しくは下側本体B)には、原稿束17の先端部セット位置の近接下流に配置された一次分離パッド61、一次分離パッド61の下流側に配置され給送ローラ20と対向位置する二次分離パッド62、メインローラ22に対向位置し、メインローラ22と対で原稿16を駆動するメイン補助ローラ65、排出ローラ23に対向位置し、排出ローラ23と対で原稿16を排出する排出補助ローラ66、メイン補助ローラ65と排出補助ローラ66とをそれぞれ上方に付勢する補助ローラばね37、光学系の構成部材であり、原稿についての背面照明手段とリニアイメージセンサ2の調光手段としても機能する白色板25等の部材が配置される。
【0057】
なお、図4及び図5は、原稿16が搬送されながら読み取られている状態を示している。これら各図から分かるように原稿撮像装置1では、制御基板31、リニアイメージセンサ2、原稿位置検出器3、原稿駆動機構4、本実施形態の画像信号出力手段である表示装置接続用コネクタ32、通信用コネクタ33、電源コネクタ34、本実施形態の画像信号入力手段である画像データ入力用コネクタ35、駆動モータ100の軸、操作ボタン75等は、読み取り中の原稿16を境にして片側(上側)になるように配置される。
【0058】
次に、原稿撮像装置1における光学系の詳細について説明する。
図4に示すイメージセンサ2は、白色板25とガラス部2bとの間を通過した原稿について、光源部2cが照明し、この照明による原稿の反射光を、センサ部2aで受光されるようになっている。この際に白色板25は、光源部2cからの光を反射させた反射光をセンサ部2aに与えるため、原稿が無いとき、その反射光をセンサ部2aが受光する。そして、この際に白色板25の反射光に基づいて、CPU11によるリニアイメージセンサ2の感度調整が行われるので、白色板25とCPU11とで本実施形態の調光手段を構成する。また、上述したOHP用シート等の透過原稿の読み取り時には光源部2cから発した光が透過原稿を通過して白色板25で反射し再び透過原稿を通過してセンサ部2aに受光されるので、白色板25が背面照明手段となる。なお、この実施形態では、光源部2cとして3色LEDを用いている。
【0059】
ガラス部2bは、センサ部2aの光路中の原稿16が当接し摺動させるためのものである。ガラス部2bは、光を均一に透過する透明部材であればよく、また原稿16が摺動するので、耐磨耗性、摺動性、強度が必要十分であれば、特にガラスでなくてもポリカーボネイト等の透明樹脂で構成したり、ポリカーボネイト等の透明樹脂の表面に耐磨耗化、摺動化、強化コーティング等の処理を施して置き換えてもよい。
【0060】
次に、原稿撮像装置1における原稿駆動機構4の動作の詳細について、図5乃至図12を参照して説明する。
原稿撮像装置1の原稿駆動機構4は図8、図9に示すように、原稿分離給送機構の構成部材として分離ローラ21及び給送ローラ20を有し、給送ローラ20の下流側に副走査駆動機構の構成部材としてメインローラ22を有し、さらにメインローラ22の下流側に副走査駆動機構及び原稿排出機構の構成部材として排出ローラ23を有している。なお、排出ローラ23は、原稿駆動機構4における副走査駆動機構と原稿排出機構とを兼ねた部材となっている。また、副走査手段の一部であるメインローラ22と分離給送手段の一部である給送ローラ20との中間に遊嵌されて連接ローラ26が配置され、メインローラ22と給送ローラー20に連接し、連接ローラ26の自重により、メインローラ22と給送ローラー20とによって均等に支持されているので連接ローラ26はメインローラ22と給送ローラ20とを重力方向に均等に付勢している。
【0061】
本実施形態では図9の下方向を鉛直下方として装置本体Cを使用することを前提にしているが、例えば図9の上方向を鉛直下方として使用する場合は、ばね等の弾性部材で連接ローラ26をメインローラ22と給送ローラ20とに対して均等に付勢してもよい。
【0062】
図8において、給送ローラ20と分離ローラ21は、原稿トレイ18(118)に貯えられた原稿束17のうち、1枚の原稿16′ を他から分離して原稿トレイ18(118)から原稿読取部まで給送するための分離給送手段として機能する駆動ローラである。一方、メインローラ22と排出ローラ23は、原稿16をリニアイメージセンサ2に対して相対的に動かす副走査を行うための駆動ローラである。これら各ローラ20,21,22,23及び連接ローラ26は、図5に示す駆動モータ100の駆動力が伝達されることで回転するようになっている。
【0063】
ここで、原稿駆動機構4では、前記原稿分離給送機構と前記副走査駆動機構とが独立して駆動される必要がある。本発明の実施形態では動力源である駆動モータ100の回転方向の切替えと、ばねクラッチ等のワンウェイクラッチや摩擦クラッチ機構および連接ローラ26を組み合わせた構成とすることにより、1つの動力源でこれら2つの機構を独立して駆動できるようになっている。
また、原稿駆動機構4の動作にあたっては、図8,図10,図13に示す原稿セット検知器19及び原稿位置検出器3の出力信号に基づいて、CPU11が駆動モータ100の回転方向及び回転速度を制御することで、原稿駆動機構4の各動作が行われる。
【0064】
ここで、原稿セット検知器19は分離ローラ21の近傍に配置され、原稿トレイ18,118に原稿がセットされた場合にこれを検知するものである。一方、原稿位置検出器3は、搬送時における原稿の先端及び後端の位置を検出するものであり、原稿の搬送時に給送ローラ20とメインローラ22との間もしくは、メインローラ22の上・下流近傍の所定位置を原稿の先端又は後端が通過すると、出力信号が変化するようになっている。
【0065】
次に、各ローラ20〜23および連接ローラ26の取付部等について説明する。
原稿駆動機構4の上流側にある分離給送手段の一部である分離ローラ21は、原稿トレイ18,118上の定位置に複数枚の原稿(原稿束17)が置かれた場合に、最上位の1枚の原稿を分離して給送ローラ20へ突き当てるためのローラであり、分離ローラ軸48に対して取り付けられている。
この分離ローラ軸48には図6に示すように、原稿位置決め用の位置決めレバー45と、位置決めレバー45を左側または右側に押圧する位置決めレバー押しばね58と、位置決めレバー45と摺接する位置決めレバー摩擦板59とが取り付けられている。
【0066】
位置決めレバー45は、原稿駆動機構4の動作時における原稿トレイ18,118上の原稿束17を所定位置で待機させるためのレバーであり、原稿束17の分離開始時及び給送時には、回動して上方に待避することにより、原稿16を通過させ、次の副走査動作時には、逆方向に回動することにより、副走査動作中の原稿を適度に押し付けるとともに、原稿束17の引き込みを防止するようになっており、この動作については後述する。
【0067】
また、図6に示すように分離ローラ軸48は、歯付きタイミングベルトである伝達ベルト53により後述する給送ローラ軸47と同期して回転するようになっている。この伝達ベルト53を掛け渡すための分離プーリ52が取り付けられている。
【0068】
分離ローラ21の下流には、図6及び図9に示すように、一次分離パッド61及び二次分離パッド62が配置される。一次分離パッド61は、分離ローラ21を中心にして原稿幅方向の左右に等間隔で2箇所配置される。二次分離パッド62は、一次分離パッド61の下流側から給送ローラ20の下側にかけて1箇所配置され、図9に示すように二次分離レバー63により保持される。さらにこの二次分離レバー63が分離レバーばね64によって上側に付勢されることにより、給送ローラ20に押しつけられ、給送ローラ20を給送ローラ軸47の方向へ付勢するようになっている。
【0069】
給送ローラ20は、原稿をメインローラ22へ送り込み突き当てるためのローラであり、図4及び図6に示す給送ローラ軸47に対して取り付けられている。この給送ローラ軸47には、上述した伝達ベルト53を掛け渡すための給送プーリ51と、給送ローラ20を一方向のみに回転駆動するためのワンウェイクラッチ機構54が2個と、ストップレバー46が2個と、各々のストップレバー46を図6の右側または左側方向に押圧するストップレバー押しばね55と、各々のストップレバー46と摺接するストップレバー摩擦板56とが取り付けられている。ストップレバー46は、分離ローラ軸48に取り付けられた位置決めレバー45を特定位置で保持するためのレバーであり、この保持の動作については後述する。
【0070】
また、給送ローラ軸47の一端側には、トルクリミッタ112を介して給送駆動歯車111が取り付けられている。トルクリミッタ112は、一定トルク以上のトルク負荷がかかるとすべり始めることで、給送駆動歯車111と給送ローラ軸47の間の負荷を吸収するようになっている。例えば、後述するような原稿をメインローラ22に突き当てる時間を長く設定しなければならない場合には、原稿と給送ローラ20や分離ローラ21との摩擦力と突き当て力が前記一定トルクよりも大きいと、トルクリミッタ112が働いて各ローラは回転が止まり、原稿を傷めることがない。メインローラ22に突き当てる時間が短く設定できる場合にはトルクリミッタ112を省略することも可能である。
【0071】
メインローラ22は、図6及び図13に示すように、その軸部に対して1個取り付けられている。当該軸部の一端側には、ワンウェイクラッチ108aと一体となったメイン駆動歯車108が取り付けられている。このワンウェイクラッチ108aにより、メインローラ22は、図10の時計回り方向の回転駆動力のみ伝達されるようになっている。
【0072】
また、排出ローラ23も同様に、その軸部に対して1個取り付けられており、当該軸部の一端側には、ワンウェイクラッチ114aと一体となった排出駆動歯車114が取り付けられている。このワンウェイクラッチ114aにより、排出ローラ23も、図10の時計回り方向の回転駆動力のみ伝達されるようになっている。また、メインローラ22と排出ローラ23は、相互に同一の部材で構成され、同期して回転するようになっている。
【0073】
次に、主に図8及び図10を参照して、原稿駆動機構4における原稿の分離給送動作、副走査駆動動作、排出動作について説明する。ここで、図8及び図10は原稿の給送動作を説明するための図であり、図8(a)には原稿が規定位置に置かれた状態を、図8(b)には原稿がメインローラ22に突き当たった状態を、図10(a)には副走査駆動中の状態を、図10(b)には排出動作状態を、それぞれ示す。
【0074】
原稿が挿入される前では原稿駆動機構4において、分離ローラ21と位置決めレバー45を支持する分離ローラ軸48は、図8(a)に実線で示す状態にある。この状態では、位置決めレバー45が分離ローラ軸48の下降を抑止し、補助ローラ基台39と分離ローラ21との間に原稿が挿入可能なスペースを確保している。また、原稿が挿入される前では、原稿セット検知器19は、図8(a)に二点鎖線で示す状態にある。
【0075】
ここで、原稿束17が右方から挿入されてくると、図8(a)に示すように、位置決めレバー45の突き当て部が原稿束17の先端に突き当てられて、原稿先端の規定以上の挿入を阻止する。このとき図8(a)に示すように、ストップレバー46が位置決めレバー45の右回転を規定位置にて阻止するように設定してあり、位置決めレバー45の回転を阻止している。このためOHPシート等の腰の強いシートが勢い良く挿入され強い力で位置決めレバー45に突き当てられても、位置決めレバー45が分離ローラ軸48のまわりに回動して逃げるようなことが無く、原稿の挿入位置は常に一定に保たれる。
【0076】
また、原稿の挿入位置が定位置に挿入されると、原稿セット検知器19の腕部が図8(a)の破線で示す位置から時計回り方向に回動することにより、この原稿セット検知器19が作動して、原稿が定位置にセットされたことが検知される。
【0077】
図5、図8において、駆動モータ100が原稿の給送動作方向(図5の右回転すなわち時計回り方向)回転力を、歯車101(図5の右回転),歯車102(同左回転),歯車103(右回転),歯車108(左回転)を介して、給送駆動歯車111(右回転)に伝達すると、駆動力はトルクリミッタ112の規定トルク以下の駆動力を給送ローラ軸47に伝達する。
さらに、上述したストップレバー46も、ストップレバー押しばね55、摩擦板56、給送プーリ51等で構成される摩擦クラッチ機構によって時計回り方向に回転することにより位置決めレバー45との当接が解除される。これにより、位置決めレバー45の回動が可能になる。
【0078】
なお、図5から解るように、給送動作時には歯車103が時計回り方向に回転(右回転)し、メイン駆動歯車108が、また伝達歯車113を介して排出駆動歯車114がそれぞれ反時計回り方向に回転(左回転)する。この際には、メイン駆動歯車108と一体的に構成されたワンウェイクラッチ機構108a、及び排出駆動歯車114と一体的に構成されたワンウェイクラッチ機構114aがともに作動する。このためワンウェイクラッチ機構108aを介してメイン駆動歯車108に連接しているメインローラ22及び、ワンウェイクラッチ機構114aを介して排出駆動歯車114に連接している排出ローラ23は、ともに回転しない。
【0079】
また、給送ローラ軸47に伝達された駆動力によって、給送ローラ軸47は時計回り方向に回転し、給送プーリ51、伝達ベルト53、分離プーリ52へと駆動力を伝達し、分離プーリ52に伝達された駆動力は分離プーリ52と一体的に回転するように構成された分離ローラ21に伝達され、分離ローラ21は図8(b)の時計回り方向に回転する。さらに、分離ローラ21の駆動力は、位置決めレバー押しばね58、摩擦板59、分離プーリ52等で構成される摩擦クラッチ機構によって位置決めレバー45が図8(b)の時計回り方向に回動し、原稿先端の抑止と軸48の下降の抑止を解除し、軸47の回りに回動可能に構成された軸48が時計回り方向に回動し、軸48に支持された分離ローラ21も時計回り方向に回動し、分離ローラ21が原稿束17の1枚に当接し、原稿の給送を開始する。
原稿の給送が開始されると、分離ローラ21と当接している原稿16′が図8における左方向に移動する。
【0080】
ここで、分離ローラ21と原稿16′との間に働く摩擦力が原稿束17と原稿16′との間の摩擦力よりも大きく、かつ原稿束17と原稿束17が当接している部材との摩擦力が原稿束17と原稿16′との間の摩擦力よりも大きいことを条件に、分離ローラ21によって適正に、原稿16′が原稿束17から分離される。分離ローラ21により分離された原稿16′は、原稿束17を引きずりながら一次分離パッド61に当接し、一次分離パッド61の傾斜に沿って進行しながら、先端が先行して送られる。
【0081】
原稿16′の先端は、給送ローラ20に当接し、二次分離パッド62との間に挟み込まれて、さらに図8の左方向に送られる。
このとき給送ローラ20の原稿グリップ面の周速は分離ローラ21の原稿グリップ面の周速よりも大きく設定している。設定の方法は、本実施形態では給送ローラ20の直径を分離ローラ21の直径よりも大きくしている。直径を同じか給送ローラ20の直径が分離ローラ21の直径より小さく設定しなくてはならない場合でも、給送プーリ51と分離プーリ52の径を調整したり、ギヤ等の連結によるギヤ比を調整して前記周速の関係にすることは容易である。
【0082】
さらに、給送ローラ20と分離ローラ21の間の原稿通路には、二次分離パッド62が前述のごとく配置されていて、図9に示すように給送ローラ20と分離ローラ21の原稿グリップ面の周囲を結ぶ接線に対して二次分離パッド62の突出部62aがローラ軸方向にhだけ突出して設定してある。このhは0以上で前記周速差と二次分離パッド62の摩擦力と分離レバーばね64のばね力や原稿の種類等のパラメータを加味して適宜決定される。
【0083】
給送ローラ20と分離ローラ21の周速差の設定によって、給送ローラ20と分離ローラ21の間にある原稿に張力が発生し、該原稿は図9に示す前記接線に倣おうとして前記突出部62aを押し、該原稿が常に二次分離パッド62の突出部62aに当接し、例えば、前記一次分離パッド61を乗り越えて原稿16′に引きずられてくる2枚目以降の原稿束があっても、二次分離パッド62の突出部62aで阻止することができる。
【0084】
続いて、原稿16′ の先端は、原稿位置検出器3の腕部に突き当たり、図8(b)に示すように、この腕部が時計回り方向に回動することにより、原稿位置検出器3を作動させる。これにより原稿位置検出器3により原稿先端が検知され、この実施形態では、原稿位置検出器3により原稿先端が検知されると、一定時間、給送動作を維持する。 そして原稿16′ の先端は、静止状態にあるメインローラ22に当接し、メインローラ22とメイン補助ローラ65との間に挟まれて、左方向への送りが抑止される(図8(b)参照)。
【0085】
原稿16′の先端部をメインローラに均等に突き当てるのに充分な設定時間の経過後に駆動モータ100が逆方向に回転するようにCPU11によって回転方向が切り替えられる。
続いて、上述のように駆動モータ100の回転方向が切り替えられることにより、駆動モータ100が原稿の給送動作方向とは逆方向の回転(図5において左回転すなわち反時計回り方向の回転)になり、駆動モータ100の回転力が歯車101,102,103,108を介して、給送駆動歯車111に伝達されると、駆動力はトルクリミッタ112の規定トルク以下の力で給送ローラ軸47に伝達される。
【0086】
また、このときには歯車103が図5の反時計回り方向に回転(左回転)し、メイン駆動歯車108が、また、伝達歯車113を介して排出駆動歯車114がそれぞれ時計回り方向に回転(右回転)する。
そして、ここではメイン駆動歯車108と一体的に構成されたワンウェイクラッチ機構108a、及び排出駆動歯車114と一体的に構成されたワンウェイクラッチ機構114aがともに作動せず、メインローラ22及び排出ローラ23はともに図5及び図10(a)の時計回り方向に回転し、これにともなってメイン補助ローラ65及び排出補助ローラ66が反時計方向に従動回転する。
【0087】
また、給送ローラ軸47に伝達された左回転駆動力は、クラッチ機構45によって給送ローラ20へは伝達されない。このときにメインローラ22が時計方向に回転すると、メインローラー22に当接する連接ローラー26がメインローラ22の円周上をメインローラ22の軸を中心としてメインローラ22の回転方向へ移動させられ、給送ローラ20に当接する。メインローラ22と給送ローラ20との間の楔状部に入ると連接ローラ26は自身の軸まわりに左回転を始め、さらに連接ローラ26と当接する給送ローラ20は右回転を始める。
【0088】
通常、原稿16′ の先端は、メインローラ22の回転駆動力とメイン補助ローラ65のメインローラ22への押し付け力とによって巻き込まれて図10(a)の左方向に送られるが、巻き込み力が弱い場合でも前記給送ローラー20の右回転によって原稿に駆動力を伝達し、原稿は左方向に確実に送られる。そして、原稿駆動機構4においては、CPU11の制御に基づいて、原稿16′の先端がメインローラ22とメイン補助ローラ65とに巻き込まれてから速やかに一定距離だけ図10(a)の左方向に原稿先端を送った後に、必要な速度で原稿読み取りの副走査動作が開始される。当然、副走査動作中にも、給送ローラ20に当接している原稿には駆動力が伝達され続ける。
【0089】
本実施形態では、連接ローラー26は、円筒又は球状の部材としているが、連接ローラ26のメインローラ22や給送ローラ20との当接面の表面に凹凸のある面を設けたり、ゴム等の摩擦部材を設けたりしてメインローラ22の駆動力を給送ローラ20に高率で伝達する設定も容易に可能である。
例えば、メインローラ22と一体的に動作するギヤと、遊嵌された連接ギヤと、給送ローラ20と一体的に動作するギヤとの関係でもメインローラ22と給送ローラ20の原稿グリップ面の周速が同等になるようにギヤ比を設定すればよい。
【0090】
連接ローラ26は、メインローラ22の駆動力を給送ローラ20へ伝達するが、給送ローラ20の駆動力をメインローラ22へ伝達しない点に特徴がある。
例えば、給送ローラ20が図8(b)に示すように、右回転する場合に、給送ローラ20は連接ローラ26を給送ローラ20の円周上を軸まわりに右回転させ、連接ローラ26は自身の軸まわりに左回転をする。前述のように遊嵌されている連接ローラ26は、メインローラ22から離脱可能なスペースを有しているので、メインローラ22から連接ローラ26が逃げていく力によって連接ローラ26は給送ローラ20の駆動力をメインローラ22に伝達することがない。仮に給送ローラ20の周速がメインローラ22の周速を超えることがあった場合にはメインローラ22から給送ローラ20への駆動力の伝達が解除される。
【0091】
分離給送動作中の駆動モータ100の回転速度は任意であるが、本実施形態では、CPU11が、原稿の分離、給送、反転、給送、副走査、排出の各工程において、それぞれ異なる適正な回転速度となるように駆動モータ100を制御している。
副走査の原稿搬送速度(メインローラ22の周速)は、イメージセンサ2の能力に適合させるものであり、分離・給送・排出の原稿搬送速度(給送ローラ20の周速)は副走査の原稿搬送速度より速く設定し、当然分離給送時と副走査時とで給送ローラ20の周速は異なる。
【0092】
続いて、原稿撮像装置1では原稿の副走査動作に移行するが、以下は分かりやすくするため、原稿16′について、副走査動作に移行した時点から原稿16として説明する。
モータ歯車101、伝達歯車102、113を介して排出駆動歯車114に伝達された駆動モータ100の駆動力は、排出駆動歯車114と一体的に構成されたワンウェイクラッチ機構114aによって、排出駆動歯車114に連接している排出ローラ23を図10(a)に示すように時計回り方向に回転させ、同時に排出補助ローラ66が反時計回り方向に従動回転する。
【0093】
ここで、図5からも分かるように、伝達歯車102からメイン駆動歯車108への伝達経路と伝達歯車102から排出駆動歯車114への伝達経路は同じ回転方向に設定してある。またメイン駆動歯車108と排出駆動歯車114、メインローラ22と排出ローラ23は共通部品にて構成しているので、メインローラ22と排出ローラ23は同じ方向に同期して回転する。
【0094】
原稿駆動機構4では、メイン駆動歯車108から給送駆動歯車111に駆動モータ100の駆動力が伝達される。給送駆動歯車111に伝達された駆動力はさらに、上述のトルクリミッタ112と、不図示のノックピンを介して給送ローラ軸47に伝達されるようになっている。そして、本実施形態では、給送ローラ軸47への伝達経路中に介在するノックピンのガタによって、給送ローラ軸47が必ずメインローラ22に遅れて回転を始めように設定してある。このため図8(b)及び図10(a)において、原稿16′ の先端がメインローラ22とメイン補助ローラ65との間に充分巻き込まれてから給送ローラ軸47の回転が始まるようになっている。
【0095】
そして、給送ローラ軸47に伝達された駆動力によって、給送ローラ軸47は、図10(a)の反時計回り方向に回転する。これに対して給送ローラ20は、ワンウェイクラッチ機構54を介して駆動力を遮断された状態となり、ローラ26との連接関係と、原稿16が左方へ移動する摩擦力を受けて、図10(a)に示すように、時計回り方向に従動回転する。一方、給送ローラ軸47に取り付けられたストップレバー46は、ストップレバー押しばね55、摩擦板56、伝達筒57等で構成される摩擦クラッチ機構によって、図10(a)に示すように反時計回り方向への回動を開始し、原稿16′に当接すると、この反時計回り方向の回動が抑止される。
【0096】
また、給送ローラ軸47が反時計回り方向に回転すると、給送プーリ51、伝達ベルト53、分離プーリ52へと駆動力が伝達される。
ここで、分離プーリ52に伝達された駆動力は、分離プーリ52と一体的に回転するように構成された分離ローラ21に伝達され、図10(a)に示すように分離ローラ21は反時計回り方向に回転する。さらに、分離ローラ21の駆動力が、位置決めレバー押しばね58、摩擦板59等で構成される摩擦クラッチ機構を介して位置決めレバー45に伝達されることによって、図10(a)に示すように、位置決めレバー45が反時計回り方向への回動を開始する。
【0097】
そして、位置決めレバー45は、副走査動作中の原稿16 に当接すると、これ以後は前記摩擦クラッチ機構により反時計回り方向の回動が抑止され、原稿16を適度な力で下方に押し付ける。ここで、位置決めレバー45により、一次分離パッド61と二次分離パッド62を支点とした中間部で適度に原稿16を押し付けていることから、副走査動作中においても原稿束17を下流側に引き込むことが無い。
【0098】
また、給送ローラ軸47に伝達された駆動力によって、給送ローラ軸47の回りに回動可能に構成された分離ローラ軸48が反時計回り方向に回動し、分離ローラ21が原稿16との当接を解除される。上述のように分離ローラ21が反時計回り方向の回転をしていても、原稿16を送り方向から引き戻す力とはならない。
【0099】
そして、図10(b)に示すように、原稿16の後端が位置決めレバー45との当接部及びストップレバー46との当接部を通過してしまうと、原稿16によって反時計回り方向の回動が抑止されていた位置決めレバー45とストップレバー46は、順次反時計回り方向への回動を開始する。ここで、位置決めレバー45は、一次分離パッド61の傾斜の途中にせり上がっていた原稿束17の先端を規定位置まで戻す。一方、ストップレバー46は、位置決めレバー45の時計回り方向の回動を抑止する位置に戻る。そして、原稿16の排出後に駆動モータ100が停止することにより、位置決めレバー45とストップレバー46は、図8(a)の状態に戻る。
【0100】
また、図11、図12を用いて原稿読み取り部の詳細を説明する。
図11は、図4の原稿読み取り部の拡大図であり、図4のウラ側から見た図であって、原稿が無い状態を示している。図12は、図11に対して原稿がある状態を示している。
【0101】
図11において、下側本体Bの部材である白色板25は、弾性を有するシート状の部材で構成されており、その一端側が補助ローラ基台39の斜面部39aに粘着テープ等で固定されている。また、ガラス部2bと原稿16との間にあって、センサ部2aの右側(上流)直前には上側本体Aの部材であり、上側本体Aの筐体である中ケース98に一体的に取り付けられ、弾性を有する板状の部材であるスペーサ24が設置され、原稿16とセンサ部2aの光路中にあるガラス部2bとの隙間を確保している。スペーサ24の端部24dはセンサ部2aの読み取り範囲を阻害しない最近接位置であり、原稿搬送の上流位置に設定されている。
【0102】
ここで、ガラス部2bの下面(原稿との接触面)と斜面部39aとは平行ではなく、斜面部39aが略15°の斜面となっている。また、白色板25は、断面略山状に反った状態でセットされ、自由端がイメージセンサ2の端部2dと当接し、スペーサ24の端部24d部でスペーサ24に当接しているので、白色板25の上面(原稿との接触面)と、ガラス部2bの下面(原稿との接触面)との成す角度が0°にならないβ°に設定されている。
【0103】
さらに、イメージセンサ2のガラス部2bにはスペーサ24の一部が両面テープ等で固着されていて、さらにスペーサ24の一端は中ケース98に着脱可能に取り付けられていて、スペーサ24がイメージセンサ2の上側本体Aへの支持部材となっている。このような構造であれば、イメージセンサ2が不慮の事故で壊れても、後述の上側本体Aと下側本体Bの容易分離構造によれば、イメージセンサ2と支持部材であるスペーサ24を1つのユニットとして構成すれば、容易に交換が可能となる。
【0104】
さらに、スペーサ24の端部24dは厚さ0.05mm〜0.2mm程度の範囲で、原稿の種類、厚さ、剛性等に応じて適宜設定される。
イメージセンサ2は、上述のように、上側本体Aに対して、スペーサ24の弾性で保持されているので、スペーサ24の弾性力とイメージセンサ2の慣性力と白色板25の弾性力との相互作用によって、均衡状態に移動する。イメージセンサ2の周囲には必要な移動範囲のみ移動可能な空間が設けられているので、不必要な移動は規制され、センサの原稿読取可能範囲において原稿板厚方向(原稿面の垂直方向)に移動可能となっている。また、ガラス部2bとスペーサ24との固着部範囲はこの端部24dから略5mm程度の余裕を有し、特に端部24d近傍がガラス2bに密着していなくても固着範囲境界部付近から傾斜を持って浮いていても、前記相互作用による付勢力を受けて端部24dがガラス2bに当接するようにスペーサ24の厚さや剛性を設定すれば良い。
【0105】
このような構成とすることにより、白色板25とガラス部2bとの干渉が防止され、前記相互作用による作用力によって変形するような薄さや剛性を有する原稿は白色板25に原稿16が沿って副走査動作が行われる。これにより白色板25によって反射された光の反射角度(β°)と原稿16によって反射された光の反射角度とが等しくなり、調整されたイメージセンサ2の調整感度との適合性を高め、安定した撮像データを得ることができる。
【0106】
また、前記相互作用による作用力によって変形しないような厚さや剛性を有する原稿では、図12に示すようにイメージセンサ2が図の上方向へ寄せられて、白色板25も原稿16に沿って副走査動作が行われる。これにより白色板25によって反射された光の反射角度(β°)と原稿16によって反射された光の反射角度とが等しく保たれ、調整されたイメージセンサ2の調整感度との適合性を高め、安定した撮像データを得ることができる。
上述のように、読取手段と照明手段と光透過部材とを一体化させた一体光学系であるメージセンサ2と、イメージセンサ2の支持部材であるスペーサ24と、背面照明手段であると共に板状の弾性部材である白色板25とで撮像原稿との光学関係を一定にしながら、様々な撮像原稿の挙動に合わせて、上側本体Aの筐体に対して一体的に移動可能とし、原稿に合わせて移動させる構造である原稿イコライズ(equalize)手段を設けたことによって安定した撮像データを得ることができる。
【0107】
また、ガラス部2bと白色板25との間に楔状の隙間が形成されることにより、原稿16が図12の右側(上流)から左側(下流)に搬送される際に、この楔状の隙間を通過するようになっている。
また、スペーサ24が副走査の上流側に配置されることによって、原稿16が搬送される際には、スペーサ24によって、図12の一点鎖線で示す光路中心部で、先にスペーサ24が原稿と摺動接触しているので、原稿16とガラス部2bとの接触、摺動、摩擦を起こさないようになっている。さらには、ガラス等の光透過部材は光学的性能を重視するために摩擦、摺動性の改善には困難な場合が多い。原稿と摺動接触していたガラス等の光透過部材の接触面をスペーサ24で覆うことによって、ガラス等の光透過部材と原稿との接触面積を減らし、スペーサ24を、ガラス等の光透過部材よりも摺動性の優れた低摩擦係数の部材で構成することが可能になり、原稿搬送の負荷を低減することができる。
【0108】
このように本発明の実施形態の原稿撮像装置1では、原稿を搬送駆動する各ローラ20〜23について、1つの駆動モータ100を駆動源として、この駆動モータ100の正逆転と回転速度が制御されることにより、原稿の分離給送、副走査、排出といった一連の原稿駆動を行なうので、装置の省エネルギー化及び小型化が図られる。
【0109】
また、原稿撮像装置1では、原稿の分離給送、副走査、排出の各動作で駆動モータ100の回転速度を異ならせるように制御しているので、例えば原稿の副走査時よりも原稿排出時の駆動モータ100の回転速度を早く設定することにより、必要な送り速度で副走査を行った後に、原稿を速やかに排出することが可能となる。
【0110】
さらには、原稿撮像装置1では、原稿の分離給送動作時と原稿の副走査時とで、駆動モータ100の回転方向及び回転速度が異なることから、1つの駆動源により、原稿を速やかに分離給送した後に、必要送り速度にて副走査を行なうことができる。
【0111】
また、原稿撮像装置1では、上述のように原稿の分離給送動作から副走査動作に移行する際に、駆動モータ100の回転方向が反転した後の駆動力を、副走査駆動手段であるメインローラ22及び排出ローラ23へ先行して伝達し、メインローラ22の駆動力が連接ローラ26を経由して給送ローラ20に伝達され、メインローラ22と補助ローラ65との間の楔状スペースへ原稿が食い付くのを補助し、メインローラ22での副走査時にはメインローラ22の周速と給送ローラ20の周速は同期し、原稿グリップ面を増加させることが可能で、副走査動作を確実に行なえる。メインローラ22の回転開始後に、分離給送手段である分離ローラ21及び給送ローラ20に伝達するようになっている。1つの駆動モータ100及びこの駆動モータ100の駆動力を伝達する駆動力伝達機構のみで各ローラ20〜23の駆動タイミングを制御でき、簡易な機構でありながら原稿の搬送動作がスムースに行われる。
【0112】
さらに、原稿撮像装置1では、上述のように各ローラ20〜23が、駆動モータ100の駆動力が、その出力軸から歯車列101,102,113,114や歯車列101,102,103,108,111,113,114及び歯付きタイミングベルトである伝達ベルト53によって伝達されるので、簡易機構によって駆動モータ100の駆動力を確実に伝達できる。かつまた、駆動モータ100の正逆転の変換時に、分離給送手段である分離ローラ21及び給送ローラ20と、副走査駆動手段であるメインローラ22及び排出ローラ23との駆動タイミングをずらすことが可能となる。
【0113】
次に、原稿トレイ18,118の構成について、説明する。
図14、図15は本実施の形態の下側本体Bに組み込まれた原稿ガイド手段である原稿トレイ18,118 の開閉動作を説明するための平面図であり、図14(a)、図15(a)は上面図、図14(b)、図15(b)は下面図を表す。そして、図14は原稿トレイ18,118の収納状態、図15は本実施形態の原稿トレイ18,118の使用時状態を示している。
これら各図に示すように、原稿トレイ18,118は、それぞれ外形略扇状の平面形状を有し、支軸部18b,118bを中心として補助ローラ基台39と下ケース99に対して回動可能に構成されている。
【0114】
原稿トレイ18は、略円柱状の支軸部18bと、この支軸部18bと同軸上の穴部18aとを回動中心として有している。下側の穴部18aが下ケース99に設けられた不図示のダボに対して回動可能に嵌め込まれ、支軸部18bが前記補助ローラ基台39に設けられた穴部に対して回動可能に嵌め込まれることにより、下側本体Bに対して回動可能に支持されている。
【0115】
同様に、トレイ118は、略円柱状の支軸部118bと、この支軸部118bと同軸上の穴部118aとを回動中心として有している。下側の穴部118aが下ケース99に設けられた不図示のダボに対して回動可能に嵌め込まれ、支軸部118bが前記補助ローラ基台39に設けられた穴部に対して回動可能に嵌め込まれることにより、下側本体Bに対して回動可能に支持されている。
【0116】
図14(b)及び図15(b)に示すように、原稿トレイ18,118における円弧状の側面部は、それぞれギヤ歯が形成されたラック部18r,118rとなっている。そして、この2つの原稿トレイ18,118は、ラック部18r,118rのギヤ歯と噛み合う2つの噛合歯車60,60′を介して下側本体Bに対して相互に連動して回動するようになっている。噛合歯車60,60′は、それぞれ相互に噛み合っており、また下ケース99に付設された軸とトレイの穴、及びトレイに付設された軸と補助ローラ基台39に付設された穴により回転可能に支持されている。
【0117】
また、図16は、トレイ18のトレイシフト機構を説明するための側断面図である。
図14におけるトレイ18の収納状態(第1の位置)を図16の側面図で二点鎖線で仮想的に表す。トレイ18が二点鎖線で表す状態では、トレイ18の突出部18eの右側斜面が下ケース99の突出部頂上左端に掛かっている状態にあり、トレイ18を左側へ押しのけようとする力が働いている。すなわち図14においてトレイ18を軸18bのまわりに右旋回させようとする付勢力が働いていて、トレイが原稿をセットするための状態方向への回動とは逆方向へ付勢されている。このことは、装置本体を運搬する際に、収納状態にあるトレイ18が不用意に開くことを防止している。
【0118】
図16のトレイ18が二点鎖線で示す状態から実線で示す状態へ移行するトレイ18の動作において、トレイ18の突出部18dが下ケース99の突出部99dに乗り上がっていく過程で、同時に突出部18cが補助ローラ基台の端部39cを押し広げながら移動し、トレイ18が実線の状態に移行し、図15(a)(b)の状態になり、トレイ18の閉じ(収納)方向への戻りを規制されると同時に突出部18cの頂点部が端部39cの端面のエッジ部よりも突出する。この時、端部39cの端面のエッジ部は突出部18cの頂点部よりも左側の斜面の麓付近に乗り上がった状態にあるので、端部39cの端面のエッジ部がトレイ18を右側へ押しのけようとする力が働いている。すなわち図15において、トレイ18を軸18bのまわりに左旋回させようとする付勢力が働いていて、トレイ収納方向への回動とは逆方向へ付勢されている。このことは、不用意なトレイの閉じを防止すると同時に突出部18cを原稿誘導用のレール状とすることで、原稿の先端がレール上を左から右方向へ挿入されてくると、レールの途切れた場所から、補助ローラ基台39の端部39cに設けられた斜面へスムースに移行できるので、原稿のセット時の原稿先端引っ掛かりが防止できる。
また、図15に示すように、トレイ18と左右対称に設定されている、トレイ118についても、トレイ18と同様に設定してある。
【0119】
各原稿トレイ18,118が下側本体B内に収納された状態では、図1に示すように、各原稿トレイ18,118が装置本体Cの一部となり、外装カバーとして機能することになる。これにより、原稿の搬送路に、原稿の駆動や搬送を阻害するようなゴミ等の異物が入り込むのを防止したり、装置本体C内部の各機構の破損を防止することが可能となる。
また、各原稿トレイ18,118が装置本体C内に収納されることにより、この原稿撮像装置1を使用しない場合に装置全体の占有面積及び体積を小さくすることができ、持ち運びが容易になる。
【0120】
また、図16に示すように本実施形態では操作ボタン75は、リモコンスイッチ79の赤外線による操作信号を透過可能な部材で構成している。操作ボタン75の内部上面には、光及び赤外線を反射可能な略円錐形状の反射鏡76が取り付けられている。また、この反射鏡76に対向するメイン制御基板31上の位置には、リモコンスイッチ79の赤外線による操作信号を受信して光電変換する受光素子77が、メイン制御基板31上に装着されている。
【0121】
次に、図17、図18および図19乃至図25を参照して、装置本体Cを構成する上側本体Aと下側本体Bの構成および開放・着脱について説明する。
図17は駆動補助機構と原稿トレイがが組み込まれた下側本体Bの外観斜視図、図18は上側本体Aを構成する原稿駆動ユニットU1の外観斜視図、図19は上側本体Aを構成する制御基板ユニットU2の外観斜視図、図20は上側本体Aを構成する操作ボタンユニットU3の外観斜視図である。
【0122】
図21は上側本体Aと下側本体Bの連接関係による原稿通路の開放状態を示す左側面図、図22は上側本体Aと下側本体Bの連接関係による原稿通路の開放状態を示す右側面図である。
図23、図24、図25は、それぞれヒンジ軸119aの軸嵌合方法を示す第2、第3、第4の実施形態の(a)三面図と(b)斜視図である。
【0123】
図17においてメイン補助ローラ65、排出補助ローラ66、補助ローラばね37、一次分離パッド61、ニ次分離パッド62、二次分離レバー63、分離レバーばね64等の補助駆動機構と、白色板25と、これらを組み込む補助ローラ基台39が、下ケース99に組み込まれた原稿トレイ18,118と原稿トレイ18,118連動の為の噛合歯車60,60′ を閉じ込める形で下ケース99に、ビス等の締結手段により一体的に取り付けられ、下側本体Bを構成している。
【0124】
図18に示す給送ローラ20、分離ローラ21、メインローラ22、排出ローラ23、モータ100、ギヤ地板119等の原稿駆動機構と、イメージセンサ2等の読取手段と、化粧板120等がビス等の締結手段により一体的に構成された原稿駆動ユニットU1と、図19に示す制御基板ユニットU2と、図20に示す操作ボタンユニットU3とで上側本体Aを構成している。
【0125】
制御基板ユニットU2は、原稿駆動ユニットU1にビス等の締結手段によって固着され、操作ボタンユニットU3は、図20に示すように上カバー97に一体的に設けられた弾性を有する部材で構成されたフック爪97a,b,c,d がそれぞれ中カバー98に一体的に設けられた鍵状噛み合い部98a,b,c,dに噛み合うことによって係止され、フック爪97a,b,c,dを撓ませて前記噛み合い部との噛み合いを解除することによって分離される。
【0126】
図21において、上側本体Aの構成部材であるギヤ地板119にダボ等の軸が加締め等の一体化手段により設けられたヒンジ軸119aが、下側本体Bを構成する下ケース99に設けられたU字溝99aにU字溝99uの開放方向から挿入され、軸抜け防止部材82を取り付けることによって回動可能に連結されている。同様に、図22に示す上側本体Aの構成部材である化粧板120にダボ等の軸が加締め等の一体化手段により設けられたヒンジ軸120aが設けられ、下側本体Bを構成する補助ローラ基台39に設けられたU字溝39uにU字溝39uの開放方向から挿入され、軸抜け防止部材82′ を取り付けることによって回動可能に連結されている。また、U字溝99a,39aの開放方向(長手方向)は、原稿面に対して鉛直方向に設定してある。
【0127】
このヒンジ軸119aと120aは略同軸上に設定され、上記嵌合関係により上側本体Aと下側本体Bとは軸119a,120aのまわりに回動し相対位置が変化できるようになっている。また、上側本体Aは、ギヤ地板119や化粧板120が一体的に組み付けられていて、上側本体Aに一体的に設けたヒンジ軸119aと120aは、略同軸上に設定してあるが、回動に対して負荷を与える方法として非同軸とする場合がある。
【0128】
また、図21、図22に示すように上側本体Aにはフック形状の弾性部材であるフック80,80′ が一体的に設けられ、下側本体Bにはフック80,80′と噛み合う鍵状嵌合部39f,39f′ が一体的に設けられ、このフック80,80′ と鍵状嵌合部39f,39f′ が噛み合うことによって、上記相対位置の変化する量が規制される。
【0129】
上側本体Aまたは下側本体Bには、長穴、U字溝、V字溝等のヒンジ軸受け部又は該ヒンジ軸受けと嵌合するヒンジ軸とヒンジ軸を前記ヒンジ軸受けに挿入後にヒンジ軸の抜けを防止する抜け止め手段との組み合わせによる回動可能な連結部を設ける。さらにフック等の鍵状嵌合部を設け、該フック等の鍵状嵌合部は弾性を有し、弾性の力の作用方向は前記ヒンジ軸を中心とするラジアル方向であるように設定し、上側本体Aと下側本体Bとを連結すれば、上側本体A側に軸受け部、下側本体B側に軸部を設定してもよい。
【0130】
上述の構成によって、上側本体Aは図21に示すような姿勢でヒンジ軸が上方より下側本体BのU溝に挿入され、ヒンジ軸のまわり矢印方向(右旋回)に回動させ、上側本体Aに一体的に付設されたフック80 が、下側本体Bに一体的に付設された対フック80の鍵状嵌合部39f に噛み合うことで組み付けられる。軸抜け防止部材82の組み付けはヒンジ軸の挿入直後でも、フック噛み合い後でも、どちらでもよい。
【0131】
また、上側本体Aは図22に示すような姿勢でヒンジ軸が上方より下側本体BのU溝に挿入され、ヒンジ軸のまわり矢印方向(左旋回)に回動させ、上側本体Aに一体的に付設されたフック80′ が、下側本体Bに一体的に付設された対フック80′の鍵状嵌合部39f′ に噛み合うことで組み付けられる。軸抜け防止部材82′ の組み付けはヒンジ軸の挿入直後でも、フック噛み合い後でも、どちらでもよい。
【0132】
U字溝の軸受け構造の場合、軸の抜け止め方法としては、図21で示したような部材82,82′ をビスなどの締結部材で取り付け、U字溝の開放を封止したり、ヒンジ軸受けの第2の実施形態として、図23(a),(b)に示すような封止部材に弾性フック噛み合い部を付設した軸抜け防止フック83と、封止部材とU字溝付設部材に対フック噛み合い用の鍵状嵌合部を設け、別の締結部材を用いずに封止部材を取り付ける方法も可能である。
【0133】
また、封止部材を別途に設けなくても、ヒンジ軸受けの第3の実施形態として図24(a),(b)に示すように、軸受け部を長穴にして、2つの板状の構成部材の間へ押し込んで、軸119aを封止してもよい。
【0134】
また、上述の軸支持方法では軸の着脱に手間がかかるので、ヒンジ軸受けの第4の実施例として、図25(a)(b)に示すように、ヒンジ軸を挿入後に、ヒンジ軸まわりに回動(右旋回)させて、ヒンジ軸挿入方向に対して抜けるのを防止してもよい。この場合、前述のフック80を外し左旋回させれば、装置本体Aと装置本体Cを容易に分離できる。いずれにしても、設計上のスペースファクタに左右されるので、適宜選択すべきものである。
【0135】
使用状態において、上側本体Aと下側本体Bとの間で構成される原稿通路の原稿厚み方向のスペースは、最小スペースを上側本体Aと下側本体Bとの筐体(または各々に一体的に付設された部材)の合わせ面によって確保される。一方、最大スペースは、U字溝99uの長手方向とヒンジ軸119aとの嵌合ガタと、フック80と対フック80用の鍵状噛み合い部39fとの噛み合いガタによって規制される。例えばヒンジ軸部では、軸抜け防止部材82の締結部において軸抜け防止部材82と下側本体Bとの間にスペーサを噛ませて、U字溝の長手方向にヒンジ軸119aとのガタを設定する。また、フック80部においては、フック80の締結部においてフック80と上側本体Aとの間にスペーサを噛ませて、フックの噛み合いガタを設定する。U字溝や長穴の長手方向のガタ方向や、フックの噛み合いガタ方向は原稿面に対して略垂直方向に設定し、原稿読み取りの副走査方向に対してのガタは必要限度に小さくする方向となるように設定する。原稿の厚みが0.05〜0.25mm程度の範囲であれば一定の筐体間スペースでも対応可能であるが、前記以上の厚みを持つ剛性の高い写真原稿とかボール紙などの例えば0.5mm程度の原稿にも対応できるように、原稿厚み方向の上側本体Aと下側本体Bの筐体間スペースを調整可能な構造としている。
【0136】
また、上述のように上側本体Aと下側本体Bは、原稿通路を境にして、容易に2分されるようになっており、2分された上側本体Aと下側本体Bの連接部は、軸嵌合部とフック噛み合い部とによって分離を抑止され、上側本体Aと下側本体Bの着脱が容易で、原稿通路の汚れの清掃、センサの交換等のメンテナンスが容易となる。
【0137】
さらに、設定外厚さの原稿の挿入、搬送時に、厚さに応じて原稿厚み方向の上側本体Aと下側本体Bの筐体間スペースを調整可能な構造によって、上側本体Aと下側本体Bの相対位置が変化するので、設定外の厚さの原稿を挿入・搬送することができ、装置本体の操作者の取扱い間違いに対して許容することが可能となる。
【0138】
一方、上述のヒンジ軸受けの第4の実施例のような軸嵌合部とフック噛み合い部とによって分離を抑止、解除される連接部は、フック噛み合い部の解除により分離可能になるので、分解、センサ交換が容易で、メンテナンスが容易になる。
【0139】
図26は、本実施の形態における原稿撮像装置1の起動後の処理手順を示すフローチャートである。
まず、CPU11は、内部の変数や上述した各機構の初期化を行い(ステップS1乃至ステップS6)、その後に、リモコン79と原稿セット検知器19とからなる動作方法指定用スイッチ14の指示待ちのループ処理に入る(ステップS7乃至ステップS12)。
【0140】
すなわち原稿撮像装置1の起動時には、CPU11は、第1のバッファメモリ6及び第2のバッファメモリ7を初期化し(ステップS1,ステップS2)、CPU11内部の再表示カウンタ及び再表示ポインタを0にリセットし(ステップS3,ステップS4)、表示メモリ8の初期化(ステップS5)を行った後に、図28で後述する原稿排出の処理(ステップS6)を経て、ステップS7乃至ステップS12のループ処理に入る。
【0141】
ステップS3における再表示カウンタは、第2のバッファメモリ7に貯えられている原稿情報の個数を示す変数である。また、ステップS4における再表示ポインタは、第2のバッファメモリ7に貯えられている原稿情報のうち、どの原稿情報を表示メモリ8に転送しているかを示す変数であり、再表示ポインタが0のときには最後に読み込まれた原稿情報であることを示し、1増える毎に、順により古い原稿の情報であることを示す。
なお、ステップS5における表示メモリ8の初期化にあたっては、CPU11は、全面黒や全面白のデータではなく、原稿撮像装置1と表示装置15との接続及び原稿撮像装置1の作動が確認でき、かつ、画面の大きさや画質などを調整することができるデータをROM12から読み出すことによって、又はCPU11自身の演算したデータを用いて、初期化を行う。
【0142】
次に、CPU11は、リモコン79及び原稿セット検知器19の出力信号を監視する。そしてCPU11は、リモコン79からの新規原稿表示、回転表示、再表示などの動作の指示がなく(ステップS7,ステップS8,ステップS9)、かつ、ステップS10の判定で原稿トレイ18,118に原稿がセットされていることが原稿セット検知器19によって検出されたと判定した場合には、第1のバッファメモリ6の容量を確認して(ステップS11)、第1のバッファメモリ6に空きがなくなるまで、または原稿トレイ18に貯えられている原稿束17がなくなるまで、連続して原稿の読み取り(ステップS12)を行う。
【0143】
一方、このループ処理中に、リモコン79のボタンが押下され、新規原稿表示(ステップS7)、回転表示(ステップS8)、再表示(ステップS9)などの動作の指示がなされた場合には、CPUは、当該指示の内容に応じて、図29及び図30で後述する新規原稿表示(ステップS7′)、図31で後述する回転表示(ステップS8′)、図32で後述する再表示(ステップS9′)などの、各処理についての制御を行う。
【0144】
なお、新規原稿表示とは、原稿トレイ18上の原稿について新たに読み込んで表示装置15で表示するための処理であり、回転表示とは、表示装置15で表示中の原稿画像を所定角度で回転して表示させるための処理であり、再表示とは、前に表示したことのある原稿画像を再び表示装置15で表示させるための処理である。
【0145】
本実施形態では、原稿セット検知器19によって原稿トレイ18上に貯えられている原稿束17が検出され(ステップS10)、ステップS11で第1のバッファメモリ6に空きがあると判定した場合には、ステップS12に移行して直ちに原稿束17の読み取りを開始するように構成した。これに限られず、例えばリモコン79から新規原稿表示の指示がされた(ステップS7)ことによって、ステップS11の判定を行わずに原稿トレイ18上に貯えられている原稿束17の連続読み取りを開始するように構成してもよい。
【0146】
図27は、図26のステップS12のサブルーチンであり、原稿の給送及び画像読み取りの処理手順を示すフローチャートである。
ここでは、CPU11はまず光源ランプ24を点灯させ(ステップS21)、分離給送用の給送ローラ20及び分離ローラ21を駆動するように駆動モータ100を回転させる制御(ステップS22)を行う。これにより原稿トレイ18に貯えられている原稿束17のうち1枚の原稿16′が分離給送される。次にCPU11は、原稿位置検出器3の出力を監視し(ステップS23)、原稿16′が原稿位置検出器3に達したタイミングを基準として、当該原稿がメインローラ22に達するタイミングになるまで駆動モータ100の回転を続行する(ステップS24)。
【0147】
そして、CPU11は、原稿16′がメインローラ22に達するタイミングになると、駆動モータ100の回転を副走査方向(逆回転方向)に切り替える制御を行う(ステップS25)。これにより給送ローラ20及び分離ローラ21の駆動が停止すると共に、副走査用のメインローラ22及び排出ローラ23の駆動が開始する。
【0148】
次に、CPU11は、原稿16′(16)が白色板25上の原稿読み取り可能位置まで達した段階で(ステップS26)、CPU11は、A/Dコンバータ5から第1のバッファメモリ6へのデータ転送を開始し(ステップS27)、続くステップS28で原稿1枚分のデータが転送されたと判定すると、第1のバッファメモリ6へのデータ転送を終了させ(ステップS29)、光源部2cを消灯し(ステップS30)、図28で後述する原稿排出処理(ステップS31)の各制御を行う。
【0149】
ここで、図11、12を参照して、原稿画像の読み取り動作について詳述する。原稿16′(16)が白色板25上の読み取り可能位置に達すると、光源部2cより発せられた光は、原稿16の画像情報に応じて、紙等の非透過原稿の場合には原稿16の表面で、OHP用シート等の透過原稿の場合には原稿16の表面及び白色板25の板面で、それぞれ反射し、図11に示すようにリニアイメージセンサ2のセンサ部2aで読み取られる。
【0150】
この際に、CPU11は、原稿16の後端が原稿位置検出器3を通過したタイミングから換算して原稿16が白色板25上の読み取り可能位置から外れるタイミングを検知し、原稿16の読み取りが終了したことを認知する。リニアイメージセンサ2で読み取られた原稿16の画像情報は、A/Dコンバータ5でデジタルデータに変換され、必要に応じてCPU11で階調変換、エッジ強調等の画像処理を行い、第1のバッファメモリ6に格納される。
【0151】
図28は、図26のステップS6及び図27のステップS31のサブルーチン、すなわち原稿撮像装置1の原稿排出の処理手順を示すフローチャートである。原稿排出処理においては、CPU11はまず副走査用のメインローラ22及び排出ローラ23を駆動するように、駆動モータ100を副走査方向に回転させる制御を行い(ステップS51)、原稿位置検出器3の出力を監視する(ステップS52)。そして、原稿位置検出器3が原稿16を検出している間は、まだ原稿16の後端が原稿位置検出器3の位置を通過していないものとして、原稿16の後端が原稿位置検出器3を通過するまで待機する。そして、CPU11は、原稿位置検出器3の出力の変化による原稿16の後端が原稿位置検出器3を通過したタイミングを基準として、原稿16が確実に排出ローラ23から外れるタイミングになるまで駆動モータ100の駆動制御を行い(ステップS53)、排出ローラ23から外れた段階で、駆動モータ100を停止させる制御を行う(ステップS54)。
【0152】
なお、ステップS52の判定で原稿位置検出器3が原稿16を検出できなかったときには(ステップS52)、CPU11は、原稿16の後端が原稿位置検出器3を通過した直後であると仮定して、このタイミングから換算して原稿16が確実に排出ローラ23から外れるまで駆動モータ100を駆動し(ステップS53)、外れた段階で駆動モータ100が停止するように制御を行う(ステップS54)。
【0153】
図29及び図30は、図26のステップS7′のサブルーチン、すなわち原稿撮像装置1の原稿の新規表示の処理手順を示すフローチャートである。
この処理においては、CPU11はまず、第1のバッファメモリ6にデータが格納されているか否かを確認し(ステップS41)、データがある場合には第1のバッファメモリ6内のデータを読み出して、データを処理して第2のバッファメモリ7へデータを転送する(ステップS44)。一方、第1のバッファメモリ6にデータが無い場合には、CPU11は、原稿セット検知器19の出力信号に基づいて、原稿トレイ18に貯えられている原稿があるか否かを確認し(ステップS42)、ある場合には図26のステップS21乃至ステップS31で説明した原稿の読み込み動作を行い(ステップS43)、新たに第1のバッファメモリ6内に格納されたデータを使用して第2のバッファメモリ7へデータをセットする(ステップS44)。一方、CPUは、ステップS42で原稿トレイ18に貯えられている原稿束17が無いと判定した場合には、ステップS44の処理を行わずに、新規原稿表示の指示を無視する。
【0154】
次に、図30のフローチャートを参照して、図29のステップS44のサブルーチンとしての第2のバッファメモリ7へのデータ転送と、表示メモリ8へのデータ転送の処理手順を説明する。
CPU11は、第2のバッファメモリ7にデータ転送できるだけの空き容量があるか否かを確認し(ステップS61)、空き容量が無い満杯状態の場合には、第2のバッファメモリ7内の最も古いデータを第2のバッファメモリ7から削除し(ステップS68)、前述の再表示カウンタをデクリメントし(ステップS69)、再度、第2のバッファメモリ7に空き容量があるかどうかを確認するステップS61の処理に戻る。これは、第2のバッファメモリ7内のデータが圧縮等のデータ処理がされているため、1枚分の圧縮等のデータ処理されたデータを削除しても別の1枚分のデータを格納できるか不明であるためである。
【0155】
CPU11は、このステップS61〜ステップS68〜ステップS69のループ処理を経て、第2のバッファメモリ7に空き容量が確保された段階で、前述の再表示ポインタとCPU11内の回転カウンタを0にリセットする(ステップS62,ステップS63)。ここで、回転カウンタは、表示メモリ8内の画像が第2のバッファメモリ7内の元データに対して何度回転しているかを示す変数であり、回転カウンタの値がnのときには90°×n回転していることを示し、nは0乃至3の整数値をとる。従って、ステップS62,ステップS63の各処理を行うことによって、これから表示メモリ8内に転送される画像データは、第2のバッファメモリ7内の最も新しいデータであり、回転は行われておらず元データと同じ向きであることを示している。
【0156】
続いて、CPU11は、第1のバッファメモリ6内に格納されている最も古いデータについて、必要に応じて解像度変換、階調変換、エッジ強調等の画像処理を行った後に、表示メモリ8に転送する(ステップS64)。次に、CPU11は、当該第1のバッファメモリ6内の最も古いデータについて、圧縮等のデータ処理を施した後に第2のバッファメモリ7の空き領域に転送し(ステップS65)、前述の再表示カウンタをインクリメントして(ステップS66)、第1のバッファメモリ6内の最も古いデータを第1のバッファメモリ6から削除する(ステップS67)。なお、ステップS64で第2のバッファメモリ7ではなく第1のバッファメモリ6のデータを表示メモリ8に転送することとしたのは、第2のバッファメモリ7から表示メモリ8への転送の際には圧縮等のデータ処理が行なわれたデータに対しては伸長等のデータ処理を行う必要があることから、データの余計な伸長等のデータ処理を行わないようにするためである。
【0157】
表示メモリ8に転送されたデータは、ビデオ信号発生器9でビデオ信号に変換されて、表示装置接続用コネクタ32を経由して、逐次、表示装置15に供給され、表示装置15が動作することによって、原稿の画像がパネル等に表示されることになる。ビデオ信号発生器9が発生するビデオ信号は、本実施の形態ではパーソナルコンピュータで使用されるアナログRGB信号が使用されているが、表示装置15に直接接続でき、表示メモリ8のデータの変更を表示装置15に対してリアルタイムで通知でき、表示装置15の表示内容に反映できるものであれば、例えばDFP(Digital Flat Panel Standard )やIEEE1394で規定されているようなデジタル信号で伝送する方式のものであってもよい。
【0158】
図31は、図26のステップS8′のサブルーチン、すなわち原稿撮像装置1の表示中の原稿画面の回転表示の処理手順を示すフローチャートである。
この処理においては、CPU11はまず、再表示カウンタの値が0であるかどうかを確認する(ステップS71)。再表示カウンタの値が0である場合には、第2のバッファメモリ7にデータが無く、原稿読み取りデータの表示がまだ行われていないことを示しているため、この場合、CPU11は、ステップS71〜ステップS80の処理を行うことなく、回転表示の指示を無視する。
【0159】
再表示カウンタの値が0以外である場合には、第2のバッファメモリ7にデータがあるため、CPU11は、回転カウンタをインクリメントした後にモジュロ4(MOD4)の演算を行い(ステップS72)、今回回転すべき角度の回転カウンタの値を求める。このモジュロ演算を行うことにより、360°の指示を0°の指示に戻すことができる。
【0160】
続いて、CPU11は、第2のバッファメモリ7内のデータのうち、再表示ポインタで示すデータを読み出して(ステップS73)、読み出した当該データについての伸長等のデータ処理を行い(ステップS74)、回転カウンタの値を確認して(ステップS75,ステップS76)、この回転カウンタの値に応じた回転変換を行い(ステップS77,ステップS78,ステップS79)、必要に応じて解像度変換、階調変換、エッジ強調等の画像処理を行った後に、表示メモリ8に転送する(ステップS80)。これにより、表示装置15によって表示される原稿の画像が、パネル等で回転して表示されることになる。
【0161】
図32は、図26のステップS8′のサブルーチン、すなわち表示済み原稿の再表示の処理手順を示すフローチャートである。
この処理において、CPU11は、まず、再表示カウンタの値が1以下であるかどうかを確認する(ステップS81)。再表示カウンタの値が1以下である場合には、第2のバッファメモリ7にデータがない(0の場合)か、または、1枚しかなく(1の場合)、原稿読み取りデータの表示がまだ行われていないか、または、現在表示メモリ8に転送されて表示中のデータのみが第2のバッファメモリ7に格納されていることを示しているため、この場合には、CPU11は、以下のステップS82乃至ステップS86の処理を行わずに、リモコンスイッチ79による再表示の指示を無視する。
【0162】
再表示カウンタの値が2以上である場合には、CPU11は、再表示ポインタをインクリメントした後、再表示カウンタの値でモジュロ演算を行い(ステップS82)、今回表示すべき第2のバッファメモリ7内のデータの回転カウンタの値を求める。このモジュロ演算を行うことにより、最も古いデータの次の再表示の順番を最も新しいデータとすることができる。
【0163】
続いて、CPU11は、回転カウンタの値を0にリセットし(ステップS83)、第2のバッファメモリ7内のデータを読み出して(ステップS84)、このデータのうち再表示ポインタで示すデータの伸長等のデータ処理を行い(ステップS85)、必要に応じて解像度変換、階調変換・エッジ強調等の画像処理を行って表示メモリ8に転送する(ステップS86)。
【0164】
このように、実施の形態の原稿撮像装置1では、画像読取手段としてリニアイメージセンサ2を用いるとともに、原稿の画像をリニアイメージセンサ2で読み取り、読み取ったデータを第1のバッファメモリ6に転送するまでの処理と、表示メモリ8のデータをビデオ信号発生器9から出力する処理とを独立して行うこととしている。これにより表示装置15が高画質の場合にその特性を生かしながら、文書原稿などの文字を読み取り出力するための充分な解像度を持ち、表示装置15が表示した表示画面の説明中に、次の原稿の読み取りを行うことができ、表示の切替え時間が短く、さらには表示の前準備が不要で、多くの原稿を一括して扱うことのできる小型で安価な原稿撮像装置が実現する。
【0165】
上述した実施の形態では、図3のように原稿撮像装置1を、表示装置15と接続して使用する独立した別装置として構成した。これに限られず、表示装置15の筐体内に原稿撮像装置1をサブユニットとして内蔵した一体型の原稿撮像表示装置として構成してもよい。
【0166】
なお、各実施の形態において説明した原稿撮像装置1の機能を実現するように、各種のデバイスを動作させるためのプログラムコード自体及びそのプログラムコードをCPU11に供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体を、CPU11の外部記憶手段として設ける構成としても良い。
【0167】
また、各実施の形態において説明した原稿撮像方法を実現するように、例えば図26のステップS1乃至ステップS12の各処理、図27のステップS21乃至ステップS31の各処理、図28のステップS51乃至ステップS54の各処理、図29のステップS41乃至ステップS44の各処理、図30のステップS61乃至ステップS69の各処理、図31のステップS71乃至ステップS80の各処理、図32のステップS81乃至ステップS86の各処理をCPU11に実行させるためのプログラムコード自体及びそのプログラムコードをCPU11に供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記憶媒体を、CPU11の外部記憶手段として別に設ける構成としても良い。
【0168】
このようにCPU11の外部記憶手段を設ける場合には、所定の記憶再生装置を用いて、記憶媒体に格納されているプログラムコードを読み出して、CPU11に供給することにより、CPU11が動作する構成とする。このようなプログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0169】
また、供給されたプログラムコードをCPU11が実行することにより、実施の形態の各機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがCPU11において稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のプログラムと共同して実施の形態の各機能が実現されるようにしても良い。
さらに、供給されたプログラムコードが本撮像装置の機能拡張ボードや本撮像装置に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてCPU11が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって実施の形態の各機能が実現される構成としても良い。
【0170】
また、リニア出力装置を有し、画像情報を出力する出力手段と、前記リニア出力装置の主走査方向と直交する方向に前記リニア出力装置と出力媒体(コピー用紙等)との相対位置を所定の速度で変える副走査手段と、出力媒体を所定の位置にセットする媒体ガイド手段と、前記媒体ガイド手段を収納状態に保持するためのロック手段と、媒体ガイド手段を規定の位置に移動せしめ、保持する移動保持手段と、前記ロック手段を解除する解除手段と、赤外線リモコン信号を受信可能とする受信手段とを有しているイメージスキャナ等の出力装置にも応用は容易である。
【0171】
また、リニア出力装置を有し、画像情報を出力する出力手段と、前記リニア出力装置の主走査方向と直交する方向に前記リニア出力装置と出力媒体との相対位置を所定の速度で変える副走査手段と、出力媒体を所定の位置にセットする2つの媒体ガイド手段と、前記2つの媒体ガイド手段を連動させる連動手段と、前記媒体ガイド手段を収納状態に保持するためのロック手段と、前記媒体ガイド手段を規定の位置に移動せしめ、保持する移動保持手段と、前記ロック手段を解除する解除手段と、赤外線リモコン信号を受信可能とする受信手段とを有しているプリンタ等の出力装置にも応用は容易である。
【0172】
上述のように、本実施の形態によれば、 原稿の画像情報を表示装置15に表示し、その原稿について説明をしている間に、次の原稿の画像情報をバッファメモリに取り込んでおくことができるため、リニアイメージセンサを使用しながら高速に画面切替のできる原稿撮像装置を提供することができる。
また、表示済みの原稿の画像情報を表示装置15に再表示する場合でも、再読み込みすることなく高速に画面を切り替えることができ、また、例えば回転など同じの画像に対して繰り返し変換処理を施す場合にも、繰り返しによる画像劣化の増加のない高画質な原稿撮像装置を提供することができる。
【0173】
また、少ないバッファメモリ容量においても、多くの枚数の原稿を一度にセットして、連続して読み込み表示できる原稿撮像装置を提供することができる。また、少ないバッファメモリ容量においても、多数枚の原稿の情報を格納でき、読み直ししなければならない確率が低い、高速な原稿撮像装置を提供することができる。
【0174】
さらには、実施の形態の原稿撮像装置1によれば、説明者以外に専任の原稿の乗せ替えを行なう者を必要とすることもなく、また、プレゼンテーションの説明者が任意のタイミングで容易に表示画面の切り替え、変換を行うことができるため、説明の流れを崩さずスムーズでより効果的なプレゼンテーションを行うことが可能となる。
また、原稿撮像装置1によれば、別々の機構を1つの動力源で駆動しているため、小型軽量で廉価な原稿撮像装置を提供することができる。
【0175】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、種々の原稿の厚さに対応して原稿を確実に分離給送し、副走査を安定して行なえ、原稿を照明して撮像する光学系における省スペース化、低コスト化等を図りながら、調光精度が高く、撮像画像が美しい原稿撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した原稿撮像装置を用いて構成した画像表示システムの概略を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における原稿撮像装置の使用時の状態について説明する図であり、操作ボタンに向けてリモコンスイッチの無線信号を照射する場合について示す外観斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態における原稿撮像装置の回路構成を説明するためのブロック回路図である。
【図4】本発明の実施形態における原稿撮像装置の機械的構造を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態における原稿撮像装置の機械的構造を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態における原稿撮像装置の原稿駆動部を示す平面図であり、原稿オモテ側の機構を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における原稿撮像装置の原稿駆動部を示す平面図であり、原稿ウラ側の機構を示す図である。
【図8】原稿駆動部における原稿の分離給送動作を説明するための図であり、(a)は原稿束がセットされた状態を、(b)は分離給送動作の開始時の状態を、それぞれ示す図である。
【図9】本発明の実施形態における原稿撮像装置の原稿分離給送動作の主要部を抜粋して表した拡大図である。
【図10】本発明の実施形態における原稿撮像装置の駆動モータが逆方向に切り替えられた後の原稿駆動機構における副走査動作を説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態における原稿撮像装置の原稿が通過する光学系の箇所を抽出して原稿無しの場合を表す断面拡大図である。
【図12】本発明の実施形態における原稿撮像装置の原稿が通過する光学系の箇所を抽出して原稿 有りの場合を表す断面拡大図である。
【図13】本発明の実施形態における原稿撮像装置における原稿駆動機構の主要部を抜粋して、下方から表した斜視図である。
【図14】本発明の実施形態における原稿撮像装置の原稿トレイの収納状態を示す部分平面図であり、(a)が上方から示す図、(b)が下方から示す図である。
【図15】本発明の実施の形態における原稿撮像装置の原稿トレイの使用時状態を示す部分平面図であり、(a)が上方から示す図、(b)が下方から示す図である。
【図16】本発明の実施形態における原稿撮像装置の原稿ガイドの軸方向シフト動作を説明する側断面図である。
【図17】本発明の実施形態における原稿撮像装置の下側本体Bの外観斜視図である。
【図18】本発明の実施形態における原稿撮像装置の駆動機構ユニットU1の外観斜視図である。
【図19】本発明の実施形態における原稿撮像装置の制御基板ユニットU2の外観斜視図である。
【図20】本発明の実施形態における原稿撮像装置の操作ボタンユニットU3の外観斜視図である。
【図21】本発明の実施の形態における原稿撮像装置の上側本体Aと下側本体Bとの連接関係を抽出して示した、ヒンジ軸部の第1実施例を含む側断面図である。
【図22】本発明の実施の形態における原稿撮像装置の上側本体Aと下側本体Bとの連接関係を抽出して示した、ヒンジ軸部の第1実施例を含む側断面図である。
【図23】ヒンジ軸部の第2実施形態の三面図及び斜視図である。
【図24】ヒンジ軸部の第3実施形態の三面図及び斜視図である。
【図25】ヒンジ軸部の第4実施形態の三面図及び斜視図である。
【図26】原稿撮像装置の起動後の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】原稿撮像装置の原稿給送及び読み取りの処理手順を示すフローチャートである。
【図28】原稿撮像装置の原稿排出の処理手順を示すフローチャートである。
【図29】原稿撮像装置の原稿の新規表示の処理手順を示すフローチャートである。
【図30】原稿撮像装置の原稿の新規表示の処理手順を示すフローチャートであり、第2のバッファメモリヘのデータ転送と表示メモリヘのデータ転送の際の処理手順を示す図である。
【図31】原稿撮像装置の回転表示の処理手順を示すフローチャートである。
【図32】原稿撮像装置の表示済み原稿の再表示の処理手順を示すフローチャートである。
【図33】従来のエリアイメージセンサを用いた原稿撮像装置の構造を示す図である。
【図34】従来のリニアイメージセンサを用いた原稿撮像装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 原稿撮像装置、2 リニアイメージセンサ(読取手段)、2a センサ部、2b ガラス部、2c 光源部、3 原稿位置検出器、4 原稿駆動機構(分離給送手段、副走査手段、排出手段)、5 A/Dコンバータ、6 第1のバッファメモリ、7 第2のバッファメモリ、8 表示メモリ、9 ビデオ信号発生器、10 表示装置情報読み出し器、11 CPU(画像信号処理手段、調光手段)、12 ROM、13 表示性能指定用スイッチ、14 動作方法指定用スイッチ、 15 表示装置、16,16′ 原稿、17 原稿束、18,118 原稿トレイ、18a,118a 支軸受け穴部、18b,118b 支軸部、18c,118c ギヤ歯端部、18d,118d ダボ、18r,118r ラック部、19 原稿セット検知器、20 給送ローラ(分離給送手段)、21 分離ローラ (分離給送手段)、22 メインローラ(副走査手段)、23 排出ローラ、24 スペーサ、25 白色板(背面照明手段)、26 連接ローラ、28 通信手段、29 画像信号切替手段、30 パーソナルコンピュータ(画像信号発生装置)、31 メイン制御基板、32 表示装置接続用コネクタ(画像信号出力手段)、33  通信用コネクタ、34 電源コネクタ、35 画像信号入力用コネクタ(画像信号入力手段)、36 通信装置、37 補助ローラばね、39 補助ローラ基台、 39f、39f′ 鍵状嵌合部、45 位置決めレバー、46 ストップレバー 47 給送ローラ軸、48 分離ローラ軸、49,50 トレイばね、51 給送プーリ、52 分離プーリ、53 伝達ベルト、54 ワンウェイクラッチ機構、55 ストップレバー押しばね、56 ストップレバー摩擦板、58 位置決めレバー押しばね、59 位置決めレバー摩擦板、60,60′ 噛合歯車、61 一次分離パッド、62 二次分離パッド、63 二次分離レバー、64 分離レバーばね、65 メイン補助ローラ、66 排出補助ローラ、68、69 軸受け、75 操作ボタン、76 反射鏡、77 受光素子、79 リモコン、80、80′ フック、81 締結部材、82、82′ 軸抜け防止部材、83 軸抜け防止フック、97 上ケース、98 中ケース、99 下ケース、99a U字溝、100 駆動モータ、101モータ歯車、102,103,113 伝達歯車、108 メイン駆動歯車、111 給送駆動歯車、112 トルクリミッタ、114 排出駆動歯車、119 ギヤ地板、119a ヒンジ軸、120化粧板、120a ヒンジ軸、200 表示器通信ケーブル、201 AC/DC変換器、202 画像データ通信ケーブル、A 上側本体、B 下側本体、C   装置本体、U1 原稿駆動ユニット、U2 制御基板ユニット、U3 操作ボタンユニット。

Claims (7)

  1. イメージセンサを有し、原稿の画像情報を読み取る読取手段と、前記イメージセンサの主走査方向と直交する方向に前記イメージセンサと原稿画像との相対位置を所定の速度で変える副走査手段と、前記副走査手段を通過する原稿の画像面に対向位置し、当該画像面を照明する照明手段と、前記副走査手段を通過する原稿の背面に対向位置し、前記照明手段からの光を反射させて、前記画像面を原稿の背面から照明する背面照明手段と、前記イメージセンサと原稿の間に位置し、原稿と摺動接触する光透過部材と、前記イメージセンサの感度調整を行うための調光手段とを備え、
    前記読取手段と前記照明手段と前記背面照明手段と前記光透過部材とを、撮像原稿との光学的関係を一定にしながら、装置の筐体に対して一体的に移動可能とした原稿イコライズ手段を設けたことを特徴とする原稿撮像装置。
  2. 前記原稿イコライズ手段は、前記筐体に対して変動し、その変動方向が原稿面の垂直方向であることを特徴とする請求項1記載の原稿撮像装置。
  3. 前記原稿イコライズ手段は、一体光学系とこの一体光学系を支持する板状の弾性を有する支持部材と板状の弾性部材からなることを特徴とする請求項1又は2記載の原稿撮像装置。
  4. 前記支持部材は、原稿と摺動接触することを特徴とする請求項3記載の原稿撮像装置。
  5. 前記支持部材は、前記イメージセンサの読み取り範囲を阻害しない最近接位置であり、原稿搬送の上流位置に設定してなることを特徴とする請求項3又は4記載の原稿撮像装置。
  6. 前記支持部材の一部は前記一体光学系に固着され、前記支持部材の一端は、装置の基台となる筐体又は筐体との一体化物に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の原稿撮像装置。
  7. 前記弾性部材が、前記背面照明手段であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項記載の原稿撮像装置。
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