JP2004032140A - 色域マッピング方法、色域マッピング装置、プログラム、記憶媒体 - Google Patents

色域マッピング方法、色域マッピング装置、プログラム、記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】色域マッピング装置において、色域マッピング処理による階調逆転などの不具合を防止することができるようにする。
【解決手段】色域外色補正データ算出部200は、色域マッピングによって彩度の逆転ができるだけ発生しないように再現先デバイスの色域外の色信号を主な対象として補正する補正データを作成する。色域マッピングによって起こり得る彩度の逆転をできるだけ防止するためには、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色を対応する再現先デバイスの1次もしくは2次の飽和色に色域マッピングし、元デバイスのカスプを再現先デバイスのカスプに色域マッピングし、元デバイスの色域稜線上の色を対応する再現先デバイスの色域稜線上の色に色域マッピングする。色域マッピング部50は、再現域外色補正処理部20により色再現域が補正された色信号の色再現域をガマット圧縮する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶(LCD)あるいはプリンタなどのカラー画像出力装置における色再現性を向上させるための色変換(カラーマッチング処理あるいはカラーマネジメントともいう)を施す方法および装置、並びにプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体に関する。より詳細には、元デバイスの色信号を再現先デバイスの色域に属する色信号に変換する色域マッピング処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶やCRTを始めとする表示装置は、コントラストや彩度限界(色域)あるいは輝度特性などの違いによって、表示方式ごとに色の見え方が異なる。また、表示装置が設置された環境における照明条件や表示装置を見るときの角度あるいは距離によって色の見え方や感じ方が変わる。さらに、経年変化によってデバイス特性が変化するため、出荷時の特性が同じであったとしても、その後の使われ方によって色再現特性が変化する。
【0003】
さらに、プリンタやスキャナなどの周辺機器とデータをやり取りする際には、入出力特性やそのデバイスの再現可能な色域(Gamut;ガマット;色再現域)が異なるのが当然である。たとえば、インターネットなどを利用した情報処理システムでは、パソコンなどの各端末機器におけるモニター相互間の画像の色合わせあるいはモニターのカラー画像とプリンタによってプリントアウトされたカラー画像との色合わせは重要な課題である。
【0004】
またたとえば、DTP(Desk Top Publishing )などで使用されるシステムでは、通常CRTなどの画像表示装置上で画像の生成および編集を行ない、最終的なドキュメントを印刷するといった形で出力している。用いられる表示装置や出力機器は多種開発され、複数種、複数台の装置が利用されてきている。
【0005】
このような環境においては、たとえば、ディスプレイに表示されている画像の色をプリンタで再現したり、印刷の色をプリンタで再現したり、また、スキャナで写真を読みこんでディスプレイで写真の色を再現したりと、異なるデバイスの間で色を一致させる技術について種々の方法が提案されている。
【0006】
近年、カラー画像を取り扱う分野においては、各装置において出力される色を統一的に管理するために、すなわち、デバイス(カラー画像入力装置やカラー画像出力装置)が異なっても画像(特に色)の見え方が同じであるようにするために、デバイス特性をキャラクタリゼーション(Characterization)して、その特性を記述したプロファイルをデバイスごとに作成することで、元デバイスの色を再現先デバイスの色域内にマッピングし、システム全体としてのカラーマッチング処理を実現する仕組みが考えられている。このような仕組みを設けたシステムを、カラーマネージメントシステム(CMS;Color Management System )という。
【0007】
色域マッピング技術は、たとえばCIE (Commission International de I’Eclairage)で規定されるXYZ表色系あるいはLなどのデバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間で表現された再現先デバイスの色域にすべての色を変換することで行なわれ、無彩色軸(たとえばCIELAB空間ではL軸)上の適切な点に向かって圧縮する方法が一般に知られている。
【0008】
しかし、異なる2つのデバイスの対応する1次や2次の飽和色の色相角と明度は異なっていることが一般的であり、前述したように無彩色軸に向かって単純に圧縮するだけでは、彩度の逆転が起こってしまうという問題がある。
【0009】
ここで1次の飽和色とは、デバイスが使用する複数の基準色の中の有彩色(たとえば印刷におけるイエロ、マゼンタ、シアン、あるいはCRT表示出力における赤、緑、青など)そのもので表現できる色(単色)であって、その単色のカバレッジが100%のもの(100%の1次色)を意味する。また、2次の飽和色とは、1次の飽和色の2つの組み合わせで表現される色(100%の2次色)を意味する。
【0010】
したがって、1次や2次の飽和色とは、たとえば、各色成分のレンジが[0,255]であるRGBデバイスの場合は、R,G,B=[255,0,0](赤),[0,255,0](緑),[0,0,255](青),[255,255,0](イエロ),[0,255,255](シアン),[255,0,255](マゼンタ)の6色である。
【0011】
また、たとえば、各色成分のレンジが[0,100]であるCMYKデバイスの場合は、C,M,Y,K=[100,0,0,0](シアン),[0,100,0,0](マゼンタ),[0,0,100,0](イエロ),[0,100,100,0](赤),[100,0,100,0](緑),[100,100,0,0](青)の6色となる。
【0012】
図12は、色空間上における1次の飽和色(100%の1次色)や2次の飽和色(100%の2次色)、あるいはカスプ(尖点;CUSP)や色域稜線上の色(純色)などの関係を説明する図である。
【0013】
「カスプ」は、ある色相角における最高彩度点を意味し、たとえば図12のCIELAB色空間における仮想的な色域の線分L900(太い実線および点線)で示すラインに相当する。
【0014】
またたとえば、対象のデバイスがRGBデバイスである場合、前述の定義から、1次の飽和色(100%の1次色)は、R=100%,G=100%,B=100%であり、2次の飽和色(100%の2次色)は、C(G=100%,B=100%),M(B=100%,R=100%),Y(G=100%,R=100%)となり、図12中の黒丸“●”で示す色点に相当する。この図から分かるように、1次あるいは2次の飽和色も、カスプの一部となる。
【0015】
「色域稜線上の色」とは、対象となるデバイスの非デバイス依存色空間(たとえば、L色空間やRGB色空間)における色域外郭上のカスプ以外のエッジ(辺)上の色を意味する。たとえば、RGBデバイスの色域稜線上の色とは、RGBデバイス色空間における、Bk=[0,0,0]とR=[255,0,0]とを結ぶ辺、Bk=[0,0,0]とG=[0,255,0]とを結ぶ辺、Bk=[0,0,0]とB=[0,0,255]とを結ぶ辺、W=[255,255,255]とY=[255,255,0]とを結ぶ辺、W=[255,255,255]とC=[0,255,255]とを結ぶ辺、W=[255,255,255]とM=[255,0,255]とを結ぶ辺上の色を意味することになり、図12に示す仮想的な色域の線分L910(細い実線および点線)で示すラインに相当する。
【0016】
図13は、従来の色域マッピングにおける彩度逆転を説明するための図である。図13(A)に示す例では、L−C平面で、元デバイスの色信号の色点P101とP102がそれぞれ再現先デバイスの色信号の色点P201とP202にマッピングされることで、彩度が逆転している(C11>C12,C21<C22)。また、図13(B)に示す例では、a−b平面で、元デバイスの色信号の色点P103とP104がそれぞれ再現先デバイスの色信号の色点P203とP204にマッピングされることで、彩度が逆転している(C13>C14,C23<C24)。
【0017】
この問題を解決する一手法として、たとえば特開平11−313219号には、元デバイスの1次および2次の飽和色の色相角が再現先デバイスの対応する1次および2次の飽和色の色相角に一致するように、色信号を色相角方向に回転させてから、元デバイスのカスプ(尖点;CUSP)が再現先デバイスのカスプに変換されるように色域マッピングする方法が提案されている。
【0018】
この提案されている方法において、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色の色相角が再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角に一致するように色相角面全体を回転することで、図13(B)におけるP103とP104の色相角のずれが無くなって図13(B)で説明した色域マッピングによる彩度逆転が防止でき、元デバイスのカスプが再現先デバイスのカスプに変換されるように色域マッピングすることでCUSPとCUSPの明度差が吸収されて図13(A)で説明した色域マッピングによる彩度逆転が防止できる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−313219号に記載されている方法では、元デバイスの色域の各色相面全体を適切に回転させることで補正するため、再現先デバイスでそのまま再現可能な元デバイスの色信号までも補正してしまい、色再現精度の不必要な低下を招いてしまう虞れがある。
【0020】
また、ある元デバイスの1次もしくは2次の飽和色が再現先デバイスの色域内に存在する場合はその飽和色に対する色域マッピングが必要ないため彩度逆転は発生しないにもかかわらず、特開平11−313219号に記載されている方法では、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色が再現先デバイスの色域の内側にあるか外側にあるに関係なく、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色の色相角が再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角に一致するように、色信号を色相角方向に回転させて補正するため、ここでも色再現精度の不必要な低下を招いてしまう虞れがある。
【0021】
さらに、図示を省略するが、元デバイスの色域が完全に再現先デバイスの色域を包含している場合は元デバイスの1次もしくは2次の飽和色が再現先デバイスのカスプに変換されるように再現先デバイスのカスプと無彩色軸とを結ぶ直線上の点に向かってマッピングすることで彩度の逆転を防止することができるが、元デバイスの色域の一部が再現先デバイスの色域から飛び出ているような場合には彩度の逆転を防止することができないという問題がある。
【0022】
つまり、特開平11−313219号に記載の従来の色域マッピングの手法では、元デバイスと再現先デバイスといった両者の色域のカスプのずれを考慮していないため、色域マッピング(Gamut Mapping)により彩度の逆転が生じてしまう場合があるという問題がある。
【0023】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、彩度の逆転をできるだけ防止してかつ色再現精度の低下を防止しつつ、元デバイスの色信号を再現先デバイスの色域にマッピングするための方法および装置を提供することを目的とする。また、本発明は、色域マッピング方法や装置を、電子計算機を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る色域マッピング方法は、第1デバイスとしてのカラー画像入力装置から入力されるカラー画像を第2デバイスとしてのカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する色域マッピング方法であって、第2デバイスの色域外に存在する第1デバイスに非依存の色信号である第1デバイス非依存色信号を対象として、第1デバイスからのカラー画像を表す色空間である第1デバイス色空間の所定の飽和色(たとえばカスプ)を当該第1デバイス色空間の飽和色に対応する第2デバイスにおけるカラー画像を表す色空間である第2デバイス色空間の飽和色に略一致する方向に補正するとともに、第2デバイスの色域内に存在する第1デバイス非依存色信号は、その第1デバイス非依存色信号を維持する(つまり補正しない)色域外色補正手順を有する。
【0025】
そして、色域マッピング手順においては、前述の色域外色補正手順による処理が施された第1デバイスの色域に属する第1デバイス非依存色信号を第2デバイスの色域に属する当該第2デバイスに非依存の色信号である第2デバイス非依存色信号に変換する。
【0026】
なお、第2デバイスの色域内に存在する第1デバイス非依存色信号についてその第1デバイス非依存色信号を維持する(つまり補正しない)とは、色域内の全てに対して補正を実行しないということを意味するものではない。たとえば、色域内における色域外との境界近傍については、階調逆転や色再現精度などを考慮して、多少の補正を施すことが好ましい。この場合、色域内ほど補正の度合いが弱くなるようにすることが好ましい。
【0027】
本発明に係る色域マッピング装置は、前記本発明に係る色域マッピング方法を実施する装置であって、第2デバイスの色域外に存在する第1デバイスに非依存の色信号である第1デバイス非依存色信号を対象として、第1デバイス色空間の所定の飽和色を当該第1デバイス色空間の飽和色に対応する第2デバイス色空間の飽和色に略一致する方向に補正するとともに、第2デバイスの色域内に存在する第1デバイス非依存色信号は、その第1デバイス非依存色信号を維持する(つまり補正しない)色域外色補正部と、色域外色補正部による処理が施された第1デバイスの色域に属する第1デバイス非依存色信号を第2デバイスの色域に属する第2デバイスに非依存の色信号である第2デバイス非依存色信号に変換する色域圧縮部とを備えた。
【0028】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る色域マッピング装置のさらなる有利な具体例を規定する。さらに、本発明に係るプログラムは、本発明に係る色域マッピング装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0029】
【作用】
上記構成においては、色域圧縮部により色域マッピング処理を実行する前に、色域外色補正部は、第2デバイスの色域外に存在する第1デバイス非依存色信号を対象として、元デバイスの飽和色が再現先デバイスの飽和色に一致する方向にシフトするように再現先デバイスの色域外色を補正し、本来補正を必要としない第2デバイスの色域内に存在する第1デバイス非依存色信号(つまり再現先デバイスでそのまま再現可能な元デバイスの色信号)に対しては補正を施さない。
【0030】
たとえば、色域外色補正部は、色域マッピング処理の対象となる色信号に入力色域(入力ガマット)と出力色域(出力ガマット)の差分に応じた補正を施す。具体的には、色を表す色相角、明度、および彩度の3属性のうち、少なくとも色相角を対象として処理する。たとえば色相角のみを対象とする場合であれば、第1デバイス色空間の飽和色の色相角を第1デバイス色空間の飽和色に対応する第2デバイス色空間の飽和色の色相角に一致する方向に補正する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明に係る色域マッピング装置の第1実施形態の構成例を示すブロック図である。なお、この第1実施形態においては、元デバイスの色空間を、シアンC、マゼンタM、イエロY、ブラックK(纏めてCMYKという)を利用する印刷CMYK、再現先デバイスの色空間をプリンタCMYKとし、この元デバイスのデバイス依存型のCMYK色空間上の色信号を、CIEで規定されるL表現のデバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間上の色信号(以下CIELAB色信号ともいう)に変換してから補正処理を実施し、その補正処理されたCIELAB色信号を再現先デバイスの色域に対して色域マッピングして、その後に色域マッピングされたCIELAB色信号を再現先デバイスのデバイス依存型のCMYK色空間上の色信号に変換する例で説明する。
【0033】
ただし、これに限定されるものではなく、たとえば赤R、緑G、および青B(纏めてRGBという)を利用するディスプレイRGBやスキャナRGBなどのデバイス依存型の色空間、あるいはCIEで規定されるL表現のデバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間上の色信号を使用することもできる。
【0034】
第1実施形態の色域マッピング装置1は、元デバイスの印刷CMYK空間上の色信号SinをL空間上の色信号に変換する色変換部10と、色再現域を補正処理する本発明に係る色域外色補正部の一例である再現域外色補正処理部(ガマット外色補正処理部)20と、この再現域外色補正処理部20により色再現域が補正された色信号の色再現域をガマット圧縮によって変換する色域圧縮部(ガマット圧縮部)の一例である色域マッピング部50と、この色域マッピング部50により色再現域が圧縮されたL空間上の色信号を再現先デバイスのプリンタCMYK空間上の色信号Sout に変換する色変換部70とを備える。色変換部10,70における色変換処理は公知の技術であるので、詳細な説明を割愛する。
【0035】
本実施形態の色域マッピング装置1における主要部である再現域外色補正処理部20は、色域外色補正データ算出処理を実施する色域外色補正データ算出部200と、色域外色補正データ算出部200で作成した補正データに基づいて処理対象となるCIELAB色信号に対して補正を行なう補正データ適用部210とを備える。
【0036】
再現域外色補正処理部20は、色域外色補正データ算出部200で作成した色域外色補正データに基づいて、処理対象となるL空間上の色信号(CIELAB色信号)に対して補正データ適用部210が補正を行なう。たとえば、補正元のL空間上の色信号と補正先のL空間上の色信号とのデータの対を複数作成し、このデータ対から既存の方法でモデルを構築し、このモデルを使用することにより補正を実施する。このため、色域外色補正データ算出部200は、再現先デバイス色域(ガマット)内不変データ対作成部202と、再現先デバイス色域(ガマット)外色データ対作成部204と、色域(ガマット)外色補正モデル作成206とを備える。
【0037】
本実施形態の色域外色補正データ算出部200は、補正元となるL空間上のCIELAB色信号とそのCIELAB色信号に対応する補正先のCIELAB色信号の対を色域外色補正データとして算出する。
【0038】
再現先デバイス色域内不変データ対作成部202は、再現先デバイスの色域(ガマット)内のサンプル点のL値を使用して、それをそのまま補正元L値と補正先L値とする。たとえば、グレイ軸(無彩色軸)および再現先デバイスの色域外郭上の点をサンプル点とするとよい。
【0039】
再現先デバイス色域外色データ対作成部204は、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号をサンプル点、すなわち補正元L値とし、この元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に対応する再現先デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するデバイス非依存色信号と等しい色相角を持ち、対象となっているサンプル点の彩度と等しい点を最大補正先L値とする。そして、サンプル点とこの点に対応する再現先デバイスの色域外郭上の点の彩度差に応じて、前述した補正元L値と最大補正先L値とを結ぶ彩度が等しい円弧上の内分点を補正先L値として、データ対を作成する。
【0040】
色域外色補正モデル作成部206は、再現先デバイス色域内不変データ対作成部202および再現先デバイス色域外色データ対作成部204にて生成された2種類のデータ対集合に基づいて、既存の手法によりモデルを作成する。たとえば、上記2種類のデータ対集合を合わせて、ニューラルネットワークによる学習によりモデルを作成する。
【0041】
補正データ適用部210は、補正処理実行時には、たとえば特開平10−262157号に記載されている色伝達特性予測方法により、色域外色補正データすなわち補正元と補正先のCIELAB色信号の対を用いて、処理対象となるCIELAB色信号から補正されたCIELAB色信号を予測する。
【0042】
この特開平10−262157号に記載されている色伝達特性予測方法は、与えられた複数の補正元と補正先のCIELAB色信号の対に基づいて、複数の補正元と補正先のCIELAB色信号の対の傾向を反映した、任意のCIELAB色信号に対する補正先のCIELAB色信号を予測することができる。そして、任意のCIELAB色信号がCIELAB色空間の中で連続的に変化すると、この予測されるCIELAB色信号もCIELAB色空間の中で連続的に変化するという特性を持ち、非連続な変化や急峻な変化が擬似輪郭などの異常となって生じ易い色空間上における変換に適した方法である。
【0043】
なお、本実施形態では特開平10−262157号に記載されている方法を使用するが、必ずしもこれに限定されるものではない。たとえば、再現先デバイスの色域内の色信号は極力補正せずに、再現先デバイスの色域外の色信号を補正することができ、かつ、補正を実施しても色空間全体の連続性および滑らかさを保つことができる方法ならばどんな方法を使用してもよい。たとえば、色域外色補正データを用いて学習するようなニューラルネットワークを使用してもよい。
【0044】
色域外色補正データ算出部200は、色域マッピングによって彩度の逆転ができるだけ発生しないように、再現先デバイスの色域外の色信号を主な対象として補正する補正データを作成する。色域マッピングによって起こり得る彩度の逆転をできるだけ防止するためには、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色を対応する再現先デバイスの1次もしくは2次の飽和色に色域マッピングし、元デバイスのカスプを再現先デバイスのカスプに色域マッピングすればよい。また、元デバイスの色域稜線上の色を再現先デバイスの色域稜線上の色に色域マッピングすれば、一層好ましい。
【0045】
したがって、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色の色相角を、対応する再現先デバイスの1次もしくは2次の飽和色の色相角と等しく補正する補正データを作成し、この作成した補正データを適用してから、元デバイスの補正されたカスプが再現先デバイスのカスプに色域マッピングされるように色域マッピングを実施することで、できるだけ彩度逆転を防止した色域マッピングを実現できる。
【0046】
また、補正データを作成する際に補正元となるCIELAB色信号が再現先デバイスの色域内であれば、基本的にその補正元のCIELAB色信号に対する色域マッピングは必要なく彩度の逆転は発生しないため、その補正元のCIELAB色信号に対する補正データを作成しないようにする。これは、彩度逆転を防止するという効果が得られないにもかかわらず補正を実施すると、色の再現精度が低下するためである。
【0047】
なお、色域内における色域外との境界近傍については、階調逆転や色再現精度などを考慮して、多少の補正を施してもよい。この場合、色域内ほど補正の度合いが弱くなるようにするとよい。
【0048】
図2は、色域外色補正データ算出部200の再現先デバイス色域外色データ対作成部204における処理概要を説明する図である。本実施形態の再現先デバイス色域外色データ対作成部204は、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号をサンプル点、すなわち補正元L値とし、この元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に対応する再現先デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するデバイス非依存色信号と等しい色相角を持ち、対象となっているサンプル点の彩度と等しい点を最大補正先L値とする。
【0049】
そして、サンプル点とこの点に対応する再現先デバイスの色域外郭上の点の彩度差に応じて、前述した補正元L値と最大補正先L値とを結ぶ彩度が等しい円弧上の内分点を補正先L値として、データ対を作成する。
【0050】
たとえば、図示するように、マゼンタについては、補正元L値としてMS、補正先L値としてMCが算出され、この対がマゼンタに対応するデータ対となる。
【0051】
図3は、第1実施形態の色域外色補正データ算出部200における補正データの算出処理を説明する図である。この図3は、再現先デバイス色域内の色信号に対応する色域外色補正データ算出方法を説明するもので、ここでは、再現先デバイスの色域内のCIELAB色信号を補正元とする場合の補正元となるCIELAB色信号のサンプリング例を示している。
【0052】
本実施形態における色域外色補正データは、再現先デバイスの色域内のCIELAB色信号を補正元色信号および補正先色信号とするデータ対と、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号を補正元色信号とするデータとこの補正元色信号に対応する適切な補正先色信号のデータのデータ対とから構成される。以下では、この2種類の色域外色補正データの算出方法について詳しく説明する。
【0053】
まず、再現先デバイスの色域内のCIELAB色信号を補正元とする場合は、補正先のCIELAB色信号として補正元のCIELAB色信号と同一の色信号を与える。これは、再現先デバイスの色域内のCIELAB色信号は精度よく再現することを目的としているためで、再現先デバイスの色域内はできるだけ補正されないように、補正元と補正先に同じCIELAB色信号を持つデータ対を作成し、補正データとする。
【0054】
図3の実線で囲まれた領域が再現先デバイスの色域であり、点線はその色域境界を相似形状で段階的に縮小したものである。そして、図3中に黒丸で表された複数のCIELAB色信号を補正元および補正先の色信号とする色域外色補正データを作成することができる。この図3で示したサンプリング例は1つの例を示したものであり、再現先デバイスの色域内のCIELAB色信号をまんべんなく補正元および補正先色信号として取得できる方法である限り、どのような方法を用いてもよい。
【0055】
また、ここで作成する補正データ、すなわち再現デバイスの色域内に存在する補正元と補正先のCIELAB色信号をできるだけ補正しないようにするために作成するものであるから、補正データとして選択するCIELAB色信号を調節することで、再現先デバイスの色域内のうちどの部分を補正しないようにするかをある程度コントロールすることができる。たとえば、図3の実線上(再現先デバイスの外郭上)にある黒丸で表されたCIELAB色信号を選択しないようにすれば、再現先デバイスの色域外郭からその内側のある範囲を色域外の補正量(補正の度合い)に合わせて補正することが可能になり、補正データを適用したCIELAB色信号の連続性に問題が生じる場合などに有効である。
【0056】
次に、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号を補正元とする場合は、基本的に再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角と等しくなるように補正先のCIELAB色信号を決定する。ただし、注目している元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号が再現先デバイスの色域内である場合や、再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角と等しくなるように決定した補正先のCIELAB色信号が再現先デバイスの色域内である場合は、再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角と等しくなるように補正先のCIELAB色信号を決定するのではなく、異なる方法により補正先のCIELAB色信号を決定する。これは、再現先デバイスの色域内の色信号は色域マッピングの必要が無く彩度の逆転が生じないため、色域外の色信号と同様に補正してしまうと再現精度が低下してしまうためである。
【0057】
ここで「異なる方法」としては、たとえば、「元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号が再現先デバイスの色域内である場合」は、後述する図4のステップS112の方法を採用する。また、「再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角と等しくなるように決定した補正先のCIELAB色信号が再現先デバイスの色域内である場合」は、後述する図4のステップS134およびS136の方法を採用する。
【0058】
図4は、第1実施形態の色域外色補正データ算出部200における補正データの算出処理を説明する図である。この図4は、再現先デバイス色域外の色信号に対応する色域外色補正データ算出方法を説明するもので、ここでは、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号を補正元とする場合を例示している。
【0059】
補正元のCIELAB色信号である元デバイスの1次もしくは2次の飽和色をTorg=(Lorg,Corg,Horg)とし、対応する再現先デバイスの1次もしくは2次の飽和色をTrep=(Lrep,Crep,Hrep)とする。このとき、再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角と等しくなるようにしたCIELAB色信号(以下、同色相角CIELAB色信号という)は、Trot=(Lrot,Crot,Hrot)=(Lorg,Corg,Hrep)と表すことができる。なお、ここでは説明の便宜上、CIELAB色信号Tを明度L、彩度C、色相角Hで表しているが、実際のCIELAB色信号は明度L,彩度C,色相角Hから既存の方法により算出される各値L,a,bで構成されている。
【0060】
色域外色補正データ算出部200の変換先デバイス色域外色データ対作成部204は、まず、元デバイスの飽和色Torgが再現先デバイスの色域内か否かを判定する(S110)。元デバイスの飽和色Torgが色域内であれば、色域マッピングする必要がないので彩度逆転は発生せず、したがって補正先CIELAB色信号は元デバイスの飽和色Torgと同じものとする(S112)。
【0061】
一方、元デバイスの飽和色Torgが色域外の場合、色域外色補正データ算出部200は、同色相角CIELAB色信号Trotが再現先デバイスの色域内か否かを判定する(S130)。同色相角CIELAB色信号Trotが色域外であれば、補正先CIELAB色信号は同色相角CIELAB色信号Trotと同じものとする(S132)。同色相角CIELAB色信号Trotが色域内であれば、色域外色補正データ算出部200は、元デバイスの飽和色Torgと同色相角CIELAB色信号Trotとで形成される弧と再現先デバイスの色域との交点Tcrsを算出し(S134)、補正先CIELAB色信号は交点Tcrsと同じものとする(S136)。
【0062】
このようにして、再現先デバイスの色域内の色信号はできるだけ補正せずに、再現先デバイスの色域外にある元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号を再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角に向かって補正する色域外色補正データを作成することができる。
【0063】
上記実施形態における色域外色補正データは、色を表す3属性のうちの色相角に着目し、再現先デバイスの色域内のCIELAB色信号を補正元色信号および補正先色信号とするデータ対と、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色(特に色相角)に相当するCIELAB色信号を補正元色信号とするデータとこの補正元色信号に対応する適切な補正先色信号のデータのデータ対とから構成したが、必ずしもこのようなものに限定されない。
【0064】
たとえば、1次もしくは2次の飽和色に加えて、元デバイスの色域稜線上の色(たとえば図12参照)に相当するCIELAB色信号を補正元色信号とし、元デバイスの色域稜線上の色に対応する再現先デバイスの色域稜線上の色に相当するCIELAB色信号を補正先色信号とする補正データを追加してもよい。
【0065】
このように、補正データを追加して色域外色補正を実施してから色域マッピングすることで、元デバイスにおける色域稜線上の色を再現先デバイスでも色域稜線上の色もしくはこれに近い色に変換することができる。そして、再現先デバイスにおいて色は近いけれども2つ以上の色材で再現されたために、色域稜線上の色という元デバイスにおける濁りのない色が濁ってしまうことを避けることができる。この現象は、特に、再現先デバイスがプリンタでイエロなどの明るい色において生じるため、追加する補正データも効果の顕著に出るイエロにあたる色域稜線上の色に対する補正データのみを追加するようにしてもよい。
【0066】
図5は、色域マッピング部50における処理を説明するための図である。ここで、各図は色域マッピングの対象となるCIELAB色信号を含むL−C(明度−彩度)平面を表している。ここで、線分L200で形成される外郭は再現先デバイスの色域境界であり、線分L300で形成される外郭は補正後の元デバイスの色域境界である。
【0067】
図5(A)、図5(B)、および図5(C)は、いずれも再現先デバイスのカスプ(色点P312,P322,P332)が補正後の元デバイスの色域境界の外側に出ており、この場合は補正後の元デバイスのカスプである色点P310,P320,P330をそれぞれ、色点P311および色点P312を結ぶ太い実線で示した線分L311−2、色点P321および色点P322を結ぶ太い実線で示した線分L321−2、色点P331および色点P332を結ぶ太い実線で示した線分L331−2上の適当な点にマッピングし、飽和色カスプの色点P310,320,330と等色相のカスプ以外のCIELAB色信号は、カスプのマッピング先に応じてマッピング先が連続的かつ滑らかに変化するように決定すればよい。
【0068】
このための方法として、たとえば、図5(A)の例では色点P310が太い実線で示した線分L311−2上の適当な点にマッピングされるように補正された元デバイスの線分L300で形成される外郭である色域境界を変形する方法がある。また、この変形においても線形に変換する方法や非線形に変換して再現先デバイスの色域内にある色信号はできるだけ変化させずに色域外にある色信号を大きく変化させる方法が考えられる。
【0069】
前述した太い実線で示した線分上のどこにマッピングするかは、目的により選択することができる。たとえば、できるだけ彩度Cを維持するようにマッピングしたい場合は、図5(A)、図5(B)、および図5(C)に示した矢印の方向にマッピングすればよい。また、再現先デバイスの色域内はできるだけ色再現性を精度よくマッピングしたい場合、色点P310,P320,P330がそれぞれ色点P311,P321,P331に一致するようにマッピングすればよい。
【0070】
図5(D)は、再現先デバイスのカスプの色点P341が補正後の元デバイスの色域境界の内部にある場合の例を示したものである。この場合は、補正された元デバイスのカスプの色点P340が再現先デバイスのカスプの色点P341に一致するようにマッピングし、カスプと等色相のカスプの色点P340以外のCIELAB色信号は、カスプのマッピング先に応じてマッピング先が連続的かつ滑らかに変化するように決定すればよい。このための方法として、たとえば、色点P340と色点P341を通る直線と無彩色軸であるL軸との交点に向かってマッピングする方法がある。
【0071】
なお、色域マッピング部50における色域マッピング処理は、補正された元デバイスのカスプが再現先デバイスのカスプに一致するようにマッピングし、かつ補正された元デバイスのカスプと等色相である色信号はカスプからカスプへのマッピングに応じて連続的かつ滑らかに変換するようにマッピングする方法である限り、どのような方法を用いてもよい。
【0072】
ただし、図5(A)、図5(B)、および図5(C)に示したように、再現先デバイスのカスプが補正された元デバイスの色域境界の外側にある場合は、補正された元デバイスのカスプのマッピング先は再現先デバイスのカスプのみに限定されるものではなく、図5(A)、図5(B)、および図5(C)の太い実線で示すように、ある幅を持った範囲にマッピングすることができる。
【0073】
上記第1実施形態では、色信号の3属性のうちの色相角に着目して、すなわち色相角を補正対象として、第1デバイスである元デバイスのデバイス非依存色信号を対象に、第2デバイスである再現先デバイスの色域内に存在する色信号は殆ど補正せず、再現先デバイスの色域外に存在する色信号は元デバイス色空間の1次もしくは2次の飽和色の色相角を元デバイス色空間の1次もしくは2次の飽和色に対応する再現先デバイス色空間の1次もしくは2次の飽和色の色相角に一致する方向に補正する仕組みについて説明した。
【0074】
この第1実施形態によれば、色域外色補正データ算出部200にて再現先デバイスのほぼ色域外についてのみ着目して色域外色補正データを作成し、補正データ適用部210にて、色域外色補正データ算出部200で作成した色域外色補正データに基づいて処理対象となるCIELAB色信号に対して補正を行ない、色域マッピング部50にて、色域外色補正部210において補正されたCIELAB色信号を再現先デバイスの色域の外郭もしくはその内部にマッピングして再現先デバイスで再現可能な色信号に変換する。すなわち、再現先デバイスの色域外の色信号を補正しかつ色域内の色信号は殆ど補正しないようにしてから色域マッピングを実施する。これにより、再現先デバイスの色域内の色信号はできるだけ補正しないので、補正による再現精度の低下を防止することができ、かつ、色域外の色信号は彩度の逆転ができるだけ発生しないように、色域マッピング処理を実現することができる。
【0075】
図6は、本発明に係る色域マッピング装置の第2実施形態の構成例における色域外色補正データ算出部200の処理手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号を補正元とする場合の補正先CIELAB色信号を決定するための手順を示している。なお、第2実施形態の色域マッピング装置1の機能構成を示すブロック図は第1実施形態のものと同様であるので、図示を省略する。
【0076】
この第2実施形態においては、元デバイスの色空間をディスプレイRGB、再現先(変換先)デバイスの色空間をプリンタCMYKとし、元デバイスのデバイス依存型のRGB色空間上の色信号を、CIE で規定されるL表現のデバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間上の色信号に変換してから色域マッピングの補正処理を実施し、その後に再現先デバイスのデバイス依存型のCMYK色空間上の色信号に変換する例で説明する。
【0077】
ただし、これに限定されるものではなく、たとえばプリンタCMYKやスキャナRGBなどのデバイス依存型の色空間、あるいはCIEで規定されるL表現のデバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間上の色信号を使用することもできる。
【0078】
この第2実施形態の色域マッピング装置1は、色域外色補正データ算出部200、特に変換先デバイス色域外色データ対作成部204の処理機能が第1実施形態と異なる。すなわち、変換先デバイス色域内不変データ対作成部202は、第1実施形態と同様に、再現先デバイスの色域内のCIELAB色信号を補正元とし、補正先のCIELAB色信号として補正元のCIELAB色信号と同一の色信号を与える。
【0079】
一方、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号を補正元とする場合は、基本的に再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角および明度に等しくなるように補正先のCIELAB色信号を決定する。すなわち、第1実施形態では、色相角のみを補正の対象としていたが、第2実施形態では、明度についても補正の対象とする点が異なる。
【0080】
ただし、注目している元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号が再現先デバイスの色域内である場合や、再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角および明度に等しくなるように決定した補正先のCIELAB色信号が再現先デバイスの色域内である場合などは、再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角および明度と等しくなるように補正先のCIELAB色信号を決定するのではなく、異なる方法により補正先のCIELAB色信号を決定する。これは、再現先デバイスの色域内の色信号は色域マッピングの必要が無く彩度の逆転が生じないため、色域外の色信号と同様に補正してしまうと再現精度が低下してしまうためである。
【0081】
ここで「異なる方法」としては、たとえば「1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号が再現先デバイスの色域内である場合」は、図6のステップS212の方法を採用する。また、「再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角および明度に等しくなるように決定した補正先のCIELAB色信号が再現先デバイスの色域内である場合」は、図6のステップS234,S236の方法を採用する。
【0082】
第1実施形態と同様に、補正元のCIELAB色信号である元デバイスの1次もしくは2次の飽和色をTorg=(Lorg,Corg,Horg)とし、対応する再現先デバイスの1次もしくは2次の飽和色をTrep=(Lrep,Crep,Hrep)とする。このとき、元デバイスの飽和色Torgの色相角および明度が補正先CIELAB色信号の色相角および明度と等しくなるようにしたCIELAB色信号(以下、同色相角同明度CIELAB色信号という)は、Tful=(Lrep,Corg,Hrep)と表すことができる。また、元デバイスの飽和色Torgの色相角が補正先CIELAB色信号の位相角と等しくなるようにした同色相角CIELAB色信号は、第1実施形態と同様に、Trot=(Lrot,Crot,Hrot)=(Lorg,Corg,Hrep)と表すことができる。
【0083】
色域外色補正データ算出部200の変換先デバイス色域外色データ対作成部204は、まず、第1実施形態のステップS110と同様に、元デバイスの飽和色Torgが再現先デバイスの色域内か否かを判定する(S210)。元デバイスの飽和色Torgが色域内であれば、色域マッピングする必要がないので彩度逆転は発生せず、したがって第1実施形態のステップS112と同様に、補正先CIELAB色信号は元デバイスの飽和色Torgと同じものとする(S212)。
【0084】
一方、元デバイスの飽和色Torgが色域外の場合は、色域外色補正データ算出部200は、補正先CIELAB色信号の彩度Crepと元デバイスの飽和色Torgの彩度Corgとを比較する(S220)。そして、元デバイスの飽和色Torgの彩度Corgよりも補正先CIELAB色信号の彩度Crepの方が大きいか等しい場合には(S220−NO)、対象としている元デバイスの飽和色Torgは再現先デバイスの色域境界の極近い位置にあると考えられ、あまり大きな補正を行なうと不自然な色再現になってしまう可能性があるため、明度方向の補正を行なわず、第1実施形態のステップS130〜S136に相当する処理を実施し補正先を決定する(S230〜S236)。
【0085】
一方、元デバイスの飽和色Torgの彩度Corgよりも補正先CIELAB色信号の彩度Crepの方が小さい場合には(S220−YES)、色域外色補正データ算出部200は、補正先CIELAB色信号の彩度Crepと元デバイスの飽和色Torgの彩度Corgとの差Cdif(=Corg−Crep)を算出する(S240)。ここで、前記ステップS220における判定処理を行なっているので、差Cdifは必ず正の値をとる。
【0086】
次に色域外色補正データ算出部200は、同色相角CIELAB色信号Trotと元デバイスの飽和色Torgの色差=|Trot−Torg|が、補正先CIELAB色信号の彩度Crepと元デバイスの飽和色Torgの彩度Corgとの差Cdifよりも大きいか否かを調べる(S242)。
【0087】
色差=|Trot−Torg|が差Cdifより大きい場合は(S242−YES)、対象としている元デバイスの飽和色Torgが再現先デバイスの色域境界の比較的近い位置にあると考え、色域外色補正データ算出部200は、明度補正を実施せず、色相角の補正のみを完全に実施した同色相角CIELAB色信号Trotを補正先とする(S232)。これとは反対に、色差=|Trot−Torg|が差Cdifよりも小さいか等しい場合には(S242−NO)、色域外色補正データ算出部200は、同色相角同明度CIELAB色信号Tfulと元デバイスの飽和色Torgとの色差=|Tful−Torg|が差Cdifよりも大きいか否かを調べる(S244)。
【0088】
色差=|Tful−Torg|が差Cdifよりも大きい場合には(S244−YES)、対象としている元デバイスの飽和色Torgが再現先デバイスの色域境界からは比較的離れた位置にあるけれども明度と色相を完全に一致させるにはその離れ度合いが少ないと考え、色域外色補正データ算出部200は、|Trst−Torg|=Cdifを満たし、かつ、彩度は元デバイスの飽和色Torgの彩度Corgで、色相角は再現先デバイスの飽和色Trepの位相角HrepであるようなCIELAB色信号Trstを補正先とする(S246)。逆に、色差=|Tful−Torg|が差Cdif以下の(小さいか等しい)場合には(S244−NO)、対象としている元デバイスの飽和色Torgが再現先デバイスの色域境界から十分離れており、色相角および明度を補正しても色域マッピングによる色の変化量があまり影響を受けないと考え、同色相角同明度CIELAB色信号Tfulを補正先とする(S248)。
【0089】
この第2実施形態では、補正先CIELAB色信号と元デバイスの飽和色Torgの彩度差をそのまま用いて色相角補正を優先した明度方向の補正量(補正の度合い)を算出したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、彩度差に応じて補正量(補正の度合い)を調整してもよい。
【0090】
たとえば、彩度差が小さい場合は補正量を小さくし、彩度差が十分大きい場合は補正先のCIELAB色信号が再現先デバイスの飽和色Trepの色相角と明度に完全に一致するように補正する方法であればどのような方式で補正先CIELAB色信号を決定してもよい。
【0091】
また、たとえば、算出した彩度差をα倍した値を本実施形態で説明した彩度差として使用してもよいし、彩度差がある閾値を超えた場合には色相角と明度が完全に一致するように補正し、閾値を超えない場合は色相角だけを完全に一致するように補正するような方法にしてもよい。
【0092】
また、第1実施形態と同様に、元デバイスの色域稜線上の色に相当するCIELAB色信号を補正元色信号とするデータとこれに対応する色域稜線上の色の補正先色信号とのデータ対からなる補正データを追加してもよい。
【0093】
色域外色補正部210は、色域外色補正データ算出部200で作成した色域外色補正データに基づいて、処理対象となるCIELAB色信号に対して補正を行なう。色域マッピング部50では、色域外色補正部210において補正されたCIELAB色信号を再現先デバイスの色域の外郭もしくはその内部にマッピングして再現先デバイスで再現可能な色信号に変換する。
【0094】
上記第2実施形態では、色信号の3属性のうちの色相角および明度に着目して、すなわち色相角および明度を補正対象として、第1デバイスである元デバイスのデバイス非依存色信号を対象に、第2デバイスである再現先デバイスの色域内に存在する色信号は殆ど補正せず、再現先デバイスの色域外に存在する色信号は、元デバイス色空間の1次もしくは2次の飽和色の明度および色相角を元デバイス色空間の1次もしくは2次の飽和色に対応する再現先デバイス色空間の1次もしくは2次の飽和色の明度および色相角に一致する方向に補正する仕組みについて説明した。
【0095】
つまり、元デバイスと再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の彩度差に基づいて、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色が再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の明度と色相角に一致する方向にシフトするように再現先デバイスの色域外色を補正する。また、対応する1次もしくは2次の飽和色の彩度差が小さい場合は補正量を小さく、対応する1次もしくは2次の飽和色の彩度差が大きい場合は完全に一致するまで補正し、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色の彩度が再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の彩度よりも小さな場合は補正しないようにした。
【0096】
この第2実施形態においても、再現先デバイスの色域内の色信号はできるだけ補正せずに、再現先デバイスの色域外にある元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号を再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の色相角および明度に向かって補正する色域外色補正データを作成することができる。
【0097】
そして、第1実施形態と同様に、再現先デバイスの色域外の色信号を補正しかつ色域内の色信号は殆ど補正しないようにしてから色域マッピングを実施する。これにより、再現先デバイスの色域内の色信号はできるだけ補正しないので、補正による再現精度の低下を防止することができ、かつ、色域外の色信号は彩度の逆転ができるだけ発生しないように、色域マッピング処理を実現することができる。
【0098】
加えて、第2実施形態では、再現先デバイスの色域境界からの距離に準じた値、すなわち元デバイスと再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の彩度差に応じて、元デバイスと再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色の明度差を減じるように補正するため、色域マッピングにおいてカスプからカスプへのマッピングを容易にすることができる。
【0099】
図7は、本発明に係る色域マッピング装置の第3実施形態の構成例を示すブロック図である。第1実施形態では、色相角のみを補正対象としていたが、第3実施形態では、彩度および明度についても補正対象とする点が異なる。なお、この第3実施形態においては、元デバイスの色空間をsRGB(スタンダードRGB)、再現先デバイスの色空間をディスプレイRGBとし、この元デバイスのsRGB色空間上の色信号を、CIEで規定されるL表現のデバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間上の色信号に変換してから色域マッピングの補正処理を実施し、その後に再現先デバイスのデバイス依存型のRGB色空間上の色信号に変換する例で説明する。
【0100】
ただし、これに限定されるものではなく、たとえばプリンタCMYKやスキャナRGBなどのデバイス依存型の色空間、あるいはCIEで規定されるL表現のデバイス非依存型色空間上の色信号を使用することもできる。
【0101】
第3実施形態の色域マッピング装置1は、再現域外色補正処理部20内に、補正量を調整する補正量調整部の一例である最大補正量取得部230を備えている点が第1実施形態と異なる。色域外色補正データ算出部200の変換先デバイス色域外色データ対作成部204は、最大補正量取得部230で指定された最大補正量に基づいて補正量を決定する。
【0102】
たとえば、最大補正量取得部230は、色域外色補正データ算出部200において算出する補正元CIELAB色信号と補正先CIELAB色信号との距離で定義される補正量(補正の度合い)の最大値を取得する。そして、最大補正量取得部230は、この取得した補正量の最大値(最大補正量/補正量の上限)を変換先デバイス色域外色データ対作成部204に渡す。
【0103】
変換先デバイス色域外色データ対作成部204は、最大補正量取得部230から受け取った最大補正量に基づいて、再現先デバイス色域外の色データ、すなわち、再現先デバイス色域外にある元デバイスの1次もしくは2次の飽和色を表す補正もとCIELAB色信号とこれに対応する補正先CIELAB色信号の色データ対を作成する。
【0104】
最大補正量取得部230において最大値を取得する方法は、各色共通の最大値をユーザに指定させてもよいし、1次もしくは2次の飽和色ごとにユーザに指定させてもよい。または、元デバイスと再現先デバイスの彩度差や色差に応じて自動的に決定してもよい。本実施形態では、各色共通の最大値をユーザに指定させて最大補正量Mmaxを決定するものとする。これにより、補正する補正量を制御することができるので、目的に応じて精度(再現精度の低下防止)を優先するか階調性(彩度逆転の防止)を優先するかを選択することができる。
【0105】
色域外色補正データ算出部200は、色域マッピングによって彩度の逆転ができるだけ発生しないように、かつ、元デバイスの色域稜線上の色がそれぞれ対応する再現先デバイスの色域稜線上の色にマッピングされるように補正するための補正データを作成する。ただし、色域外色補正データ算出部200は、補正量が最大補正量取得部230で決定された最大補正量Mmaxを超えないように作成する補正データをコントロールする。
【0106】
また、第3実施形態の色域外色補正データ算出部200は、先ず、無彩色軸に相当するCIELAB色信号を補正元とする場合、補正先のCIELAB色信号として補正元のCIELAB色信号と同一の色信号を与える。これは、無彩色軸近傍の色はできるだけ補正されないように、補正元と補正先に同じCIELAB色信号を持つデータ対を作成し、補正データとする。
【0107】
次に、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号を補正元とする場合は、色域外色補正データ算出部200は、再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色に等しくなるように補正先のCIELAB色信号を決定し、元デバイスの色域稜線上の色に相当するCIELAB色信号を補正元とする場合は再現先デバイスの対応する色域稜線上の色に補正されるように補正先のCIELAB色信号を決定する。ただし、補正元のCIELAB色信号から補正先のCIELAB色信号までの補正量が最大補正量を超える場合は、異なる方法により補正先のCIELAB色信号を決定する。
【0108】
ここで「異なる方法」としては、たとえば「補正元のCIELAB色信号から補正先のCIELAB色信号までの補正量が最大補正量を超える場合」は、後述する図8のステップS306,S308の方法を採用する。
【0109】
以上の補正処理により、第3実施形態での補正データは、無彩色軸に相当するCIELAB色信号を補正元色信号および補正先色信号とするデータ対と、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号を補正元色信号とするデータとこの補正元色信号に対応する適切な補正先色信号のデータとのデータ対と、元デバイスの色域稜線上の色に相当するCIELAB色信号を補正元色信号とするデータと対応する再現先デバイスの色域稜線上の色に相当するCIELAB色信号を補正先色信号とするデータのデータ対とから構成される。
【0110】
図8は、第3実施形態の色域外色補正データ算出部200における処理の一例を示すフローチャートである。この図8は、元デバイスの1次および2次の飽和色に相当する色信号に対する補正データ算出方法を説明するもので、ここでは、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号を補正元とする場合の補正先CIELAB色信号を決定する方法を例示している。
【0111】
第1実施形態と同様に、補正元のCIELAB色信号である元デバイスの1次もしくは2次の飽和色をTorg=(Lorg,Corg,Horg)とし、対応する再現先デバイスの1次もしくは2次の飽和色をTrep=(Lrep,Crep,Hrep)とする。
【0112】
色域外色補正データ算出部200は、まず、再現先デバイスの飽和色Trepと元デバイスの飽和色TorgのCIELAB色空間における距離|Trep−Torg|が、最大補正量取得部230により取得した最大補正量Mmaxよりも大きいか否かを判断する(S302)。距離|Trep−Torg|が最大補正量Mmax以下である(小さいかもしくは等しい)場合には(S302−NO)、補正先を再現先デバイスの飽和色Trepとした補正量が最大補正量Mmaxよりも小さいということになるので、色域外色補正データ算出部200は、補正先CIELAB色信号を再現先デバイスの飽和色Trepと同一のものとする(S304)。
【0113】
一方、距離|Trep−Torg|が最大補正量Mmaxよりも大きい場合(S302−YES)、色域外色補正データ算出部200は、Tmod=α(再現先デバイスの飽和色Trep−元デバイスの飽和色Torg)+元デバイスの飽和色Torgで、かつTmodと元デバイスの飽和色TorgのCIELAB色空間における距離|Tmod−Torg|が最大補正量Mmaxと等しくなるようなTmodを求める(S306)。そしてこの求めたTmodを補正先CIELAB色信号とする(S308)。ただし、係数αは“0”から“1”の範囲([0,1])の値であるとする。
【0114】
ここでは、ステップS302の判定の結果、距離|Trep−Torg|が最大補正量Mmaxよりも大きい場合には(S302−YES)、色相角方向、明度軸方向、彩度軸方向を同等に扱って、すなわちCIELAB色空間における距離に基づいて、最大補正量Mmaxを満足する補正先CIELAB色信号を決定した。しかしながら、第2実施形態の図6で説明したTrepの彩度とTorgの彩度の差Cdifの大きさに応じて色相角方向に補正してから、次に明度軸方向の補正をおこなって補正先のCIELAB色信号を決定したように、ここでも、最大補正量Mmaxの大きさに応じて色相角方向に補正してから、次に明度軸方向の補正を行ない、最後に彩度方向の補正を行なうことで、補正元のCIELAB色信号と算出する補正先のCIELAB色信号との距離である補正量が最大補正量Mmax以下となるような補正先のCIELAB色信号を算出するようにしてもよい。
【0115】
図9は、第3実施形態の色域外色補正データ算出部200における、元デバイスの色域稜線上の色に相当する色信号に対する補正データ算出処理の手順例を示すフローチャートである。ここでは、元デバイスの色域稜線上の色に相当するCIELAB色信号を補正元とする場合の補正先CIELAB色信号を決定するための処理手順を例示している。ここで、補正元のCIELAB色信号である元デバイスの色域稜線上の色信号をT’org =(L’org ,C’org ,H’org )とし、対応する再現先デバイスの色域稜線上の色信号をT’rep =(L’rep ,C’rep ,H’rep )とする。
【0116】
色域外色補正データ算出部200は、まず、補正元のCIELAB色信号である元デバイスの色域稜線上の色信号T’org が補正されるべき補正先CIELAB色信号T’rep を算出する(S300)。本実施形態では、補正元のCIELAB色信号T’org に相当する元デバイスのデバイス色信号(R,G,B)を再現先デバイスの色信号とみなしたときのCIELAB色信号をT’rep とする。しかしながら、補正先CIELAB色信号T’rep は、これに限定されるものではなく、対応する色域稜線上の色の中で適切と考えられるどのようなCIELAB色信号をT’rep としてもよい。たとえば、CIELAB色空間において補正元のCIELAB色信号T’org に最も近い再現先デバイスの対応する色域稜線上の色に相当するCIELAB色信号をT’rep とすることもできる。
【0117】
以下、TorgをT’org に、TrepをT’rep に、TmodをT’mod に、αをβに置き換えて、図8のステップS302〜S308と同様の処理を実行する(S312〜S318)。
【0118】
ここでも、距離|T’rep−T’org|が最大補正量Mmaxよりも大きい場合には、色相角方向、明度軸方向、彩度軸方向を同等に扱って、すなわちCIELAB色空間における距離に基づいて、最大補正量Mmaxを満足する補正先CIELAB色信号を決定したが、上述したように各軸方向に優先順をつけて、色相角方向、明度軸方向、彩度軸方向の順に最大補正量Mmaxを満足する補正先CIELAB色信号を決定してもよい。
【0119】
上記第3実施形態では、色相角、明度、および彩度といった色信号の3属性のすべてに着目して、すなわち色相角、明度、および彩度を補正対象として、第1デバイスである元デバイスのデバイス非依存色信号を対象に、第2デバイスである再現先デバイスの色域内に存在する特に無彩色軸近傍の色信号は殆ど補正せず、再現先デバイスの色域外に存在する色信号は、元デバイス色空間の1次もしくは2次の飽和色の色相角、明度、および彩度を、元デバイス色空間の1次もしくは2次の飽和色に対応する再現先デバイス色空間の1次もしくは2次の飽和色の色相角、明度、および彩度に一致する方向に補正する仕組みについて説明した。
【0120】
そして、この第3実施形態の色域外色補正データ算出部200においては、無彩色軸近傍の色信号はできるだけ補正せずに、元デバイスの1次もしくは2次の飽和色に相当するCIELAB色信号を再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色に向かって補正し、元デバイスの色域稜線上の色に相当するCIELAB色信号を再現先デバイスの対応する色域稜線上の色に向かって補正する補正データを作成することができる。
【0121】
補正データ適用部210は、色域外色補正データ算出部200で作成した補正データに基づいて、処理対象となるCIELAB色信号に対して補正を行なう。
【0122】
色域マッピング部50は、補正データ適用部210において補正されたCIELAB色信号を再現先デバイスの色域の外郭もしくはその内部にマッピングして再現先デバイスで再現可能な色信号に変換する。
【0123】
なお、本実施形態のように、色相角、明度、彩度の全てを補正することにより補正先CIELAB色信号が再現先デバイスの色域外郭上にくるように意図した場合は、補正データ適用部210にて既に擬似的な色域マッピングが行なわれており、この色域マッピング処理におけるマッピング方向は明度と色相角を保存するようなマッピングで十分であることが多い。
【0124】
このように再現先デバイスの色域外の色信号を補正してから色域マッピングを実施することにより、色域外の色信号は彩度の逆転をできるだけ防止し、かつ、元デバイスにおける色域稜線上の色は再現先デバイスにおいても色域稜線上の色もしくはできるだけ、色域稜線上の色に近い色で再現できる色域マッピングを実現することができる。
【0125】
図10は、本発明に係る色域マッピング装置1の他の形態を説明する図である。ここでは、上記第1〜第3実施形態で説明した機能要素の他の形態への組合せ適用例、あるいは他の機能要素の適用例について簡単に説明するに留め、適用方法やそれに伴う処理手順や処理内容の変形方法の具体的内容については、当業者であれば容易に理解できると考えられるので、説明を割愛する。
【0126】
図中、上記実施形態で説明済みのものには“○”を付している。そして、一方の実施形態で説明済みの機能要素あるいは新規な機能要素を他方の実施形態に組み合わせることができるものについては“適用可能”を付している。
【0127】
ここで、補正対象を「外郭内部であって無彩色軸近傍以外」とするとは、第2デバイスである再現先デバイスの色域外および再現先デバイスの色域近傍に存在する第1デバイス色空間である元デバイス色空間のデバイス非依存色信号だけではなく、色再現域の外郭内であって、無彩色軸近傍以外の元デバイス色空間のデバイス非依存色信号をも補正の対象とするということである。
【0128】
なお、色再現域の外郭内であって、この外郭近傍や、さらに無彩色軸近傍以外を対象とする場合、外郭に近いほど補正の度合いが高くなるようにすることが好ましい。これにより、外郭での補正ギャップを生じることなく、かつ元デバイスの色域内部の色信号は無彩色軸近傍ほど補正されずに、元デバイスの色域外および外郭近傍の入力色信号が再現先デバイスの1次もしくは2次の飽和色に合わせて補正されるため、色再現精度を高く保持したまま彩度の逆転などの不具合を防止することができる。
【0129】
また、「再現先デバイス色空間の色域外は再現先デバイス色空間の色域外となるよう補正量を決定」するとは、再現先デバイス色空間の色域外に存在する元デバイス色空間の1次もしくは2次の飽和色に相当する元デバイス非依存色信号が補正によって再現先デバイス色空間の色域内に補正されないように補正量を決定することを意味する。これにより、元デバイスの色域内部の色信号は殆ど補正されずに、元デバイスの色域外の入力色信号が再現先デバイスのカスプに合わせて補正されるため、色再現精度を高く保持したまま彩度の逆転などの不具合を防止することができる。
【0130】
また、補正量の調整の指定に際しての「一致する補正量を100%としたときの補正割合を指定」とは、補正量を調整する指定手段の一例である最大補正量取得部230に代えて、再現先デバイス色空間の色域外に存在する元デバイス色空間の1次および2次の飽和色に相当する元デバイス非依存色信号が対応する再現先デバイス色空間の1次および2次の飽和色に一致する補正量を100%としたときに、どの程度の割合で補正するかを指定する補正割合指定部を設けることを意味する。この場合、色域外色補正データ算出部200は、この補正割合指定部で指定された割合に基づいて補正量を決定する。
【0131】
図11は、色域マッピング装置1の第4実施形態を示すブロック図である。上述した各実施形態の色域マッピング装置1においては、入力画像の個々の色座標値を変換対象の色として変換後の色座標値を1つずつ求め、入力画像全体を色域変換することも可能であるが、処理に時間がかかり、実用的でない。
【0132】
そこで、上述した色域マッピング方法を用いて色域変換のための係数(色変換係数)を生成し、その生成した色変換係数によって入力画像を色域変換するのが、この第4実施形態である。色変換係数は、入力画像の色域内の複数の代表点を変換対象の色として、上述した色域マッピング方法によって変換後の色を求め、その得られた変換対象の色と変換後の色との対応関係から生成する。そして、この色域変換係数を記憶媒体28に書き込んでおく。すなわち、この記憶媒体28には、上述した色域マッピング方法を用いて生成された第1デバイス色空間である元デバイス色空間の色信号を第2デバイス色空間である再現先デバイス色空間の色信号に変換するための色変換係数が書き込まれる。
【0133】
また、入力画像の色域内の複数の代表点を変換対象の色として、上述した色域マッピング方法によって変換後の色を求め、その得られた複数の変換後の色座標値、またはこれを出力装置に依存の色空間に変換した後の色座標値を、入力画像を色域変換するために用いられる多次元変換テーブルに格納される格子点データとして、その格子点データと補間演算とによって入力画像を色域変換することもできる。
【0134】
図11は、入力画像信号SinがRGBデータであり、変換後のデータをカラー画像出力装置の一例であるカラーディスプレイ90に入力する例を示したものである。RGBデータの入力画像信号Sinは、色変換部10によってLデータに変換され、その変換後のLデータが、再現域外色補正処理部20に供給される。
【0135】
上記第1〜第3実施形態の色変換部10、再現域外色補正処理部20、色域マッピング部50、および色変換部70は、3次元テーブル21、および補間演算部22によって構成される。
【0136】
3次元テーブル21は、本発明に係る記憶媒体の一例であって、入力画像信号のRGB色空間における適切な格子点アドレスを上述した色域マッピング方法によって、カラーディスプレイ90(カラー画像出力装置)のRGB色空間の格子点データに変換し、これらの格子点アドレスと格子点データのペアにより作成した3入力3出力のルックアップテーブル(LUT)が、予め格納される。
【0137】
そして、入力画像信号SinのRGBデータの上位ビットによって3次元テーブル21が索引され、3次元テーブル21から格子点データが読み出され、その読み出された格子点データが、補間演算部22において、入力画像信号SinのRGBデータの下位ビットによって補間演算されて、補間演算部22から色域マッピング後のRGBデータRo,Go,Boがディスプレイ90に出力される。
【0138】
補間方法としては、たとえば単位立方体を6つの3角錐に分割して補間演算する方法、単位立方体を2つの3角柱に分割して補間演算する方法、あるいは単位立方体にそのまま補間する方法など、公知の補間処理を適用すればよい。
【0139】
また、本実施形態では、記憶媒体28に格納された3次元テーブル21を使用して、補間により入力画像信号をディスプレイのRGB色信号に変換したが、3次元テーブル21における格子点データ間の線形性を向上させるために、3次元テーブルによる補間を実施する前の各R,G,B信号に対して適用する1次元のLUTを作成して、これらの1次元LUTも記憶媒体28に格納するようにしてもよい。
【0140】
なお、上記の各実施形態は、色変換部10,70、再現域外色補正処理部20、あるいは色域マッピング部50の機能部分をハードウェアにて構成するものとして説明したが、これに限らず、マイコンなどのCPU(中央演算処理装置)やパソコンなどの、いわゆる電子計算装置を利用し、ソフトウェアにて、上記の処理機能を実現することもできる。
【0141】
この場合、マイコンやパソコンなどの電子計算装置は、前述の色変換部10,70、再現域外色補正処理部20、あるいは色域マッピング部50などの各機能部分をソフトウェアとして備える。すなわち、前述の色変換部10,70、再現域外色補正処理部20、あるいは色域マッピング部50などの各機能部分を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(たとえば図示しないRAMなど)から、装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)がプログラムコードを読出し実行することによって、前述の実施形態で述べた効果が達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。なお、プログラムは、記憶媒体を介して提供されるものに限らず、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されるプログラムデータをダウンロードしたものであってもよい。
【0142】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで各機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって各機能が実現される場合であってもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述の実施形態の各機能が実現される場合であってもよい。
【0143】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0144】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0145】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、色域マッピング処理を実行する前に、任意の元デバイスと再現先デバイスが与えられても、その2つのデバイスの色再現域の差に応じて、たとえば再現先デバイスの色再現域内部の色信号は殆ど補正せず、再現先デバイスの色再現域外の入力色信号だけを対象として、あるいは色再現域外に加えて色再現域内の色再現域外との境界近傍までを対象として、再現先デバイスの対応する1次もしくは2次の飽和色に合わせて補正するようにした。つまり、再現先デバイスの色域外色に特に注目して、色域外色を適切に補正してからカスプからカスプへの色域マッピングを行なうようにした。
これにより、色域マッピング処理による階調逆転などの不具合を防止することができる。また、再現先デバイスでそのまま再現可能な色の再現精度の低下を防止した上で彩度の逆転の不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る色域マッピング装置の第1実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】色域外色補正データ算出部の再現先デバイス色域外色データ対作成部における処理概要を説明する図である。
【図3】第1実施形態の色域外色補正データ算出部における、再現先デバイス色域内の色信号に対応する色域外色補正データ算出処理を説明する図である。
【図4】第1実施形態の色域外色補正データ算出部における、再現先デバイス色域外の色信号に対応する色域外色補正データ算出処理の手順例を示したフローチャートである。
【図5】色域マッピング部における処理を説明するための図である。
【図6】本発明に係る色域マッピング装置の第2実施形態における色域外色補正データ算出部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る色域マッピング装置の第3実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図8】第3実施形態の色域外色補正データ算出部における、元デバイスの1次および2次の飽和色に相当する色信号に対する補正データ算出方法を説明するフローチャートである。
【図9】第3実施形態の色域外色補正データ算出部における、元デバイスの色域稜線上の色に相当する色信号に対する補正データ算出処理の手順例を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る色域マッピング装置の他の形態を説明する図である。
【図11】本発明に係る色域マッピング装置の第4実施形態を示すブロック図である。
【図12】色空間上における1次や2次の飽和色、カスプや色域稜線上の色などの関係を説明する図である。
【図13】従来の色域マッピングにおける彩度逆転を説明するための図である。
【符号の説明】
1…色域マッピング装置、10…色変換部、20…再現域外色補正処理部、50…色域マッピング部、70…色変換部、200…色域外色補正データ算出部、202…補正データ算出部、202…再現先デバイス色域内不変データ対作成部、204…再現先デバイス色域外色データ対作成部、206…色域外色補正モデル作成部、210…補正データ適用部、230…最大補正量取得部

Claims (17)

  1. 第1デバイスとしてのカラー画像入力装置から入力されるカラー画像を第2デバイスとしてのカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する色域マッピング方法であって、
    前記第2デバイスの色域外に存在する前記第1デバイスに非依存の色信号である第1デバイス非依存色信号を対象として、前記第1デバイスからの前記カラー画像を表す色空間である第1デバイス色空間の所定の飽和色を当該第1デバイス色空間の飽和色に対応する前記第2デバイスにおける前記カラー画像を表す色空間である第2デバイス色空間の飽和色に略一致する方向に補正するとともに、前記第2デバイスの色域内に存在する前記第1デバイス非依存色信号は、当該第1デバイス非依存色信号を維持する色域外色補正手順と、
    前記色域外色補正手順による処理が施された前記第1デバイスの色域に属する前記第1デバイス非依存色信号を前記第2デバイスの色域に属する当該第2デバイスに非依存の色信号である第2デバイス非依存色信号に変換する色域マッピング手順と
    を有することを特徴とする色域マッピング方法。
  2. 第1デバイスとしてのカラー画像入力装置から入力されるカラー画像を第2デバイスとしてのカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する色域マッピング装置であって、
    前記第2デバイスの色域外に存在する前記第1デバイスに非依存の色信号である第1デバイス非依存色信号を対象として、前記第1デバイスからの前記カラー画像を表す色空間である第1デバイス色空間の所定の飽和色を当該第1デバイス色空間の飽和色に対応する前記第2デバイスにおける前記カラー画像を表す色空間である第2デバイス色空間の飽和色に略一致する方向に補正するとともに、前記第2デバイスの色域内に存在する前記第1デバイス非依存色信号は、当該前記第1デバイス非依存色信号を維持する色域外色補正部と、
    前記色域外色補正部による処理が施された前記第1デバイスの色域に属する前記第1デバイス非依存色信号を前記第2デバイスの色域に属する当該第2デバイスに非依存の色信号である第2デバイス非依存色信号に変換する色域圧縮部と
    を備えたことを特徴とする色域マッピング装置。
  3. 前記色域外色補正部は、前記第1デバイス色空間の1次の飽和色および2次の飽和色のうちの少なくとも一方を前記所定の飽和色として取り扱い前記補正を実行することを特徴とする請求項2に記載の色域マッピング装置。
  4. 前記色域外色補正部は、色を表す3属性のうちの少なくとも色相角を対象として、前記飽和色に一致する方向に前記補正を実行することを特徴とする請求項2または3に記載の色域マッピング装置。
  5. 前記色域外色補正部は、色を表す3属性のうちの明度も対象として、前記飽和色に一致する方向に前記補正を実行することを特徴とする請求項4に記載の色域マッピング装置。
  6. 前記色域外色補正部は、色を表す3属性のうちの彩度も対象として、前記飽和色に一致する方向に前記補正を実行することを特徴とする請求項5に記載の色域マッピング装置。
  7. 前記色域外色補正部は、前記第1デバイス色空間の前記飽和色と略同一の位相角を維持しつつ彩度が異なる色である色域稜線上の色を、対応する前記第2デバイス色空間の前記色域稜線上の色に一致する方向に補正することを特徴とする請求項2から6のうちの何れか1項に記載の色域マッピング装置。
  8. 前記色域外色補正部は、前記第2デバイスの色域内であって前記第2デバイスの色域近傍に存在する前記第1デバイス非依存色信号についても、前記飽和色に一致する方向に前記補正を実行することを特徴とする請求項2から6のうちの何れか1項に記載の色域マッピング装置。
  9. 前記色域外色補正部は、前記第2デバイスの色域の外郭からより色域内に入るほど、前記補正の度合いが弱くなるように、前記飽和色に一致する方向に前記補正を実行することを特徴とする請求項8に記載の色域マッピング装置。
  10. 前記色域外色補正部は、前記第2デバイスの色域内であって無彩色軸近傍以外の前記第1デバイス非依存色信号について、前記第2デバイスの前記色域に合わせた前記補正を実行することを特徴とする請求項2から6のうちの何れか1項に記載の色域マッピング装置。
  11. 前記色域外色補正部は、前記第1デバイス色空間の前記飽和色の彩度から、対応する前記第2デバイス色空間の前記飽和色の彩度を差し引いた差分の大きさに応じて、対応する前記飽和色の近傍についての前記補正の度合いを決定することを特徴とする請求項2から6のうちの何れか1項に記載の色域マッピング装置。
  12. 前記色域外色補正部は、前記第2デバイス色空間の色域外に存在する前記第1デバイス色空間の前記飽和色に相当する前記第1デバイス非依存色信号が前記補正によって前記第2デバイス色空間の色域外に補正されるように前記補正の度合いを決定することを特徴とする請求項2から6のうちの何れか1項に記載の色域マッピング装置。
  13. 前記色域外色補正部は、前記第2デバイス色空間の色域外に存在する前記第1デバイス色空間の前記飽和色に相当する前記第1デバイス非依存色信号が対応する前記第2デバイス色空間の前記飽和色に一致する前記補正の度合いを示す補正量を100%とし当該100%の補正量に対しての割合を指定する補正割合指定部を有し、当該補正割合指定部で指定された前記割合に基づいて、実際の前記補正の度合いを決定することを特徴とする請求項2から6のうちの何れか1項に記載の色域マッピング装置。
  14. 前記色域外色補正部は、前記第2デバイス色空間の色域外に存在する前記第1デバイス色空間の前記飽和色に相当する前記第1デバイス非依存色信号が対応する前記第2デバイス色空間の前記飽和色の方向に前記補正を実行する最大補正量を指定する最大補正量指定部を有し、前記最大補正量指定部で指定された前期最大補正量に基づいて、実際の前記補正の度合いを決定することを特徴とする請求項2から6のうちの何れか1項に記載の色域マッピング装置。
  15. 第1デバイスとしてのカラー画像入力装置から入力されるカラー画像を第2デバイスとしてのカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する色域マッピング処理をするためのプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記第2デバイスの色域外に存在する前記第1デバイスに非依存の色信号である第1デバイス非依存色信号を対象として、前記第1デバイスからの前記カラー画像を表す色空間である第1デバイス色空間の所定の飽和色を当該第1デバイス色空間の飽和色に対応する前記第2デバイスにおける前記カラー画像を表す色空間である第2デバイス色空間の飽和色に略一致する方向に補正するとともに、前記第2デバイスの色域内に存在する前記第1デバイス非依存色信号は、当該前記第1デバイス非依存色信号を維持する色域外色補正部と、
    前記色域外色補正部による処理が施された前記第1デバイスの色域に属する前記第1デバイス非依存色信号を前記第2デバイスの色域に属する当該第2デバイスに非依存の色信号である第2デバイス非依存色信号に変換する色域圧縮部と
    して機能させることを特徴とするプログラム。
  16. 第1デバイスとしてのカラー画像入力装置から入力されるカラー画像を第2デバイスとしてのカラー画像出力装置の色域に合わせて変換する色域マッピング処理をするためのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
    コンピュータに、
    前記第2デバイスの色域外に存在する前記第1デバイスに非依存の色信号である第1デバイス非依存色信号を対象として、前記第1デバイスからの前記カラー画像を表す色空間である第1デバイス色空間の所定の飽和色を当該第1デバイス色空間の飽和色に対応する前記第2デバイスにおける前記カラー画像を表す色空間である第2デバイス色空間の飽和色に略一致する方向に補正するとともに、前記第2デバイスの色域内に存在する前記第1デバイス非依存色信号は、当該前記第1デバイス非依存色信号を維持する色域外色補正行程と、
    前記色域外色補正手順による処理が施された前記第1デバイスの色域に属する前記第1デバイス非依存色信号を前記第2デバイスの色域に属する当該第2デバイスに非依存の色信号である第2デバイス非依存色信号に変換する色域マッピング行程と
    を実行させるプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。
  17. 第1デバイスとしてのカラー画像入力装置から入力されるカラー画像を第2デバイスとしてのカラー画像出力装置の色域に合わせて変換するための色変換係数を格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
    前記第2デバイスの色域外に存在する前記第1デバイスに非依存の色信号である第1デバイス非依存色信号を対象として、前記第1デバイスからの前記カラー画像を表す色空間である第1デバイス色空間の所定の飽和色を当該第1デバイス色空間の飽和色に対応する前記第2デバイスにおける前記カラー画像を表す色空間である第2デバイス色空間の飽和色に略一致する方向に補正するとともに、前記第2デバイスの色域内に存在する前記第1デバイス非依存色信号は、当該前記第1デバイス非依存色信号を維持する色域外色補正行程を含む色域マッピング方法を用いて生成された前記第1デバイス色空間の色信号を前記第2デバイス色空間の色信号に変換するための前記色変換係数を格納したことを特徴とする記憶媒体。
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