JP2004031793A - チップ型複合部品及び複合部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】サーミスタと抵抗を1チップで直列に接続した複合チップ部品及びその製造方法を提供することにより、少ない占有面積でサーミスタ自体の自己発熱があっても周囲の温度検知を正確に行うことが出来るようにする。
【構成】アルミナ基体1の一方端部近傍に内部電極A2を形成し、その上にサーミスタ層3を形成する。サーミスタ層3上部よりアルミナ基体1の他方端部側にかけて内部電極B4を形成する。アルミナ基体1上の内部電極B4を覆うように抵抗体層5を形成する。抵抗体層5上からアルミナ基体1の他方端部にかけて内部電極C6を形成し、サーミスタ層3、内部電極B4、抵抗体層5の上面露出部を保護コート7で覆い、両端部に端子電極A8、端子電極B9を形成する。
【選択図】 図1
【構成】アルミナ基体1の一方端部近傍に内部電極A2を形成し、その上にサーミスタ層3を形成する。サーミスタ層3上部よりアルミナ基体1の他方端部側にかけて内部電極B4を形成する。アルミナ基体1上の内部電極B4を覆うように抵抗体層5を形成する。抵抗体層5上からアルミナ基体1の他方端部にかけて内部電極C6を形成し、サーミスタ層3、内部電極B4、抵抗体層5の上面露出部を保護コート7で覆い、両端部に端子電極A8、端子電極B9を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続してなるチップ型複合部品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一定電圧を印加する回路にて、例えばNTCサーミスタを使用した場合、サーミスタを動作状態とするとサーミスタの電流が流れ、どうしても温度上昇が起きる。温度上昇が起きると、サーミスタの特性からサーミスタの抵抗値が減少するため消費電力が増加し、サーミスタ自体の自己発熱により周囲の温度検知を正確に行うことが出来なくなる。
【0003】
即ち、消費電力(W)={電圧(V)}2/抵抗値(R)であり、温度上昇に伴って抵抗値が減少すればサーミスタに印加される電力が増加してしまう。このためますます温度上昇が進むという悪循環を引き起こしてしまう。
【0004】
従来はこのようなサーミスタに供給される電力の増加を抑えるために直列に抵抗素子を接続して、温度上昇によるサーミスタの抵抗値減少に伴う印加電力の上昇(サーミスタの自己発熟量の上昇)を直列に接続された抵抗に電圧を分圧することにより防ぎ、温度の誤検知を防ぐ方法が取られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は抵抗素子とサーミスタをそれぞれ個別に用意し、例えば基板上に実装することにより直列接続を実現していた。このため、どうしてもサーミスタと抵抗素子それぞれの実装スペースが必要であり、小型化には限界があった。
【0006】
小型化のためにひとつのチップにサーミスタと抵抗素子とを搭載するものもあったが、例えば、特開2000−124008号に記載のように、従来の積層技術ではサーミスタと抵抗素子を並列に接続することが出来るに過ぎなかった。このため、サーミスタと抵抗を直列に接続した複合チップの実現が待たれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決することを目的としてなされたもので、サーミスタと抵抗を1チップで直列に接続した複合チップその製造方法を提供することにより、少ない占有面積でサーミスタ自体の自己発熱があっても周囲の温度検知を正確に行うことが出来るようにすることを目的とする。そして、係る目的を達成し、上述した課題を解決する一手段として例えば以下の構成を備える。
【0008】
即ち、絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品であって、前記基体上の一方端部側に形成されたサーミスタ層と、前記基体の他方端部側に形成された抵抗体層と、前記基体の一方端部端面から前記サーミスタ層の一方面に形成される第1の電極と、前記基体の他方端部端面から前記抵抗体層の一方面に形成される第2の電極と、前記サーミスタ層の他方面と前記抵抗体層の他方面間に形成される第3の電極とを備え、前記第1の電極からサーミスタ層、第3の電極、抵抗体層、第2の電極が直列に接続されていることを特徴とする。
【0009】
そして例えば、前記基体上に前記第1の電極を形成し、前記第1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成し、前記サーミスタ層上から前記基体上に前記第3の電極を形成し、前記第3の電極上から前記基体上に前記抵抗体層を形成し、前記抵抗体層上から前記基体の他方端部に前記第2の電極を形成してなることを特徴とする。
【0010】
また例えば、前記基体上に前記第1の電極及び前記第3の電極を形成し、前記第1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成すると共に、前記第3の電極上から前記基体中央部上に抵抗体層を形成し、前記サーミスタ層上面から前記基体中央部上を経て前記抵抗体層上に前記第2の電極を形成してなることを特徴とする。
【0011】
さらに例えば、前記基体上に前記第2の電極を形成し、前記2の電極の中央部近傍から前記基体の一方端部近傍上に前記サーミスタ層を形成すると共に、前記第2の電極の中央部近傍から前記基体の他方端部近傍上に前記抵抗体層を形成し、前記サーミスタ層上から前記基体一方端部上に前記第1の電極を形成し、前記抵抗体層上から前記基体の他方端部上に前記第3の電極を形成してなることを特徴とする。
【0012】
さらにまた例えば、前記基体上に前記第1の電極、第2の電極、第3の電極をそれぞれ所定間隔をもって列状に形成し、前記1の電極と前記第2の電極をまたいで前記サーミスタ層を形成し、前記第2の電極と前記第3の電極をまたいで前記抵抗体層を形成してなることを特徴とする。
【0013】
また例えば、さらにその上にコート層を形成して保護コートとすると共に、前記第1の電極及び前記第3の電極にそれぞれ接続された外部接続電極を形成することを特徴とする。
【0014】
または、絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、前記基体の一方端部端面から中央に延出する第1の電極を形成する第1電極形成工程と、前記1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、前記サーミスタ層上から前記基体上に前記第3の電極を形成する第3電極形成工程と、前記第3の電極上から前記基体上に抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、前記抵抗体層上から前記基体の他方端部に前記第2の電極を形成する第2電極形成工程とを有するチップ型複合部品の製造方法であることを特徴とする。
【0015】
または、絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、前記基体の一方端部面から中央に延出する第1の電極を形成する第1電極形成工程と、前記基体の他方端部端面から中央に延出するに前記第2の電極を形成する第2電極形成工程と、前記第1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、前記第3の電極上から前記基体中央部上に抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、前記サーミスタ層上面から前記基体中央部上を経て前記抵抗体層上に前記第2の電極を形成する第2電極形成工程を有するチップ型複合部品の製造方法であることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、前記基体の中央部に第2の電極を形成する第2電極形成工程と、前記2の電極の中央部近傍から前記基体一方端部近傍上にサーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、前記第2の電極の中央部近傍から前記基体の他方端部近傍上に前記抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、前記サーミスタ層上から前記基体一方端部上に前記第1の電極を形成する第1電極形成工程と、前記抵抗体層上から前記基体の他方端部上に前記第3の電極を形成する第3電極形成工程を有するチップ型複合部品の製造方法であることを特徴とする。
【0017】
または、絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、前記基体の一方端部端面から中央に延出する第1の電極を形成する第1電極形成工程と、前記基体の中央部に第2の電極を形成する第2電極形成工程と、前記基体の他方端部面から中央に延出する第3の電極を形成する第3電極形成工程と、前記1の電極と前記第2の電極をまたいで前記サーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、前記第2の電極と前記第3の電極をまたいで前記抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程とを有し、前記基体上に形成される前記第1の電極、第2の電極、第3の電極をそれぞれ所定間隔をもって列状に形成されることを特徴とするチップ型複合部品の製造方法とする。
【0018】
そして例えば、上記各チップ型複合部品の製造方法において、さらにその上にコート層を形成して保護コートと形成する保護コート形成工程と、前記第1の電極及び前記第3の電極にそれぞれ接続された外部接続電極を形成する外部電極形成工程とを備えることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る一発明の実施の形態例を詳細に説明する。
〔第1の実施の形態例〕
図1は本発明に係る一発明の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図、図2は本実施の形態例の複合チップの上面図であり、図1のA−A図断面を上面から見た図である。また、図1は図2のB−B面断面図である。
【0020】
本実施の形態例では、複合チップの例として、アルミナ基体の上にサーミスタと抵抗体とを直列に接続した状態にする例を説明する。
【0021】
図において、1は電気絶縁性を有するアルミナ基体であり、アルミナ基体1はアルミナ焼結体により形成されている。本実施の形態例では、複合チップ完成時にほぼ実装面積1.28mm2(1.6mm×0.8mm×0.8mmサイズの複合チップ)程度に成形する。
【0022】
2はアルミナ基体1の一方端部端面より中央部にかけて形成された内部電極A、3は内部電極A2の端部を除く全面を覆うように形成されたサーミスタ層である。本実施の形態例のサーミスタ層3はほぼ正方形状に成形している。
【0023】
4はサーミスタ層3の上面からアルミナ基体1の他方側にかけて形成された内部電極B、5は内部電極B4のアルミナ基体1上の部分を覆うように形成された抵抗体層であり、本実施の形態例では抵抗体層5をほぼ正方形状に成形している。
【0024】
6は抵抗体層5の上面からアルミナ基体1の他方側端部端面まで形成された内部電極Cである。7はサーミスタ層3と抵抗体層5や内部電極をコートする保護コートである。このようにしてアルミナ基体1上にサーミスタ層3と抵抗体層5を内部電極により直列に接続した後、アルミナ基体1の両端部を除いて保護コート7により表面をコートすることにより経年変化などから防ぐことができる。
【0025】
そして最後にアルミナ基体1の両端部に端子電極A8と端子電極B9を形成する。端子電極A8は内部電極A2に接続され、端子電極B9は内部電極C6に接続されている。この結果、図3に示す接続状態となり、サーミスタと抵抗とが直列に接続された1チップ複合部品が実現する。
【0026】
なお、本実施の形態例で用いるアルミナ基体1は、例えば96%Al2O3のアルミナ基板を用い、基板の厚さはチップサイズに合わせて適当な厚さのものを選択することが望ましい。
【0027】
内部電極A2、B4、C6は、Ag、Ag/Pd,Pt、Auなどの任意の貴金属をスパッタリング、スクリーン印刷などにより形成できる。例えば、Ag−Pd−ガラスのメタルグレーズをスクリーン印刷などにより形成することができる。なお、内部電極をAu又はAgで形成してもよい。
【0028】
同じくサーミスタ層3は任意の特性を持つサーミスタペーストをスクリーン印刷などにより形成する。本実施の形態例で用いるサーミスタペーストは、Mn,Ni,Co,Fe,Al,Cuの中より特性に応じて3から4種類選択した複合酸化物を用いる。サーミスタ層3の焼成温度は850度C〜1300度Cとすることができるが、望ましくは1000度C以下とする。
【0029】
焼成温度を低く設定した場合、例えば1000度C以下であるような場合には、低温での焼結性を良くして、内部電極A2やアルミナ基体1への密着性の増大を図るため、サーミスタペースト内にガラス材料を添加する。
【0030】
具体的には、例えば以下の方法で製造する。
【0031】
▲1▼サーミスタ成分比がMn:30〜60mol%、Ni:10〜30mol%、Co:10〜30mol%、Fe:10〜30mol%になる割合の各種金属の酸化物を原料として、溶媒には水又はアルコールを用いて湿式ボールミルにより混合してスラリーを製造する。出発原料として用いる金属酸化物としては、Mn3O4,NiO,Co304,Fe203等とすることが望ましい。
【0032】
▲2▼混合したスラリーを乾燥工程において乾燥させて水分又はアルコールを除去した後、800度C〜1000度Cにて仮焼成を行い、原料粉末を作る。
【0033】
▲3▼仮焼成を行った粉末を湿式ボールミルにより粉砕する。このとき溶媒は水又はアルコールを用いる。
【0034】
▲4▼得られたスラリーを乾燥工程において乾燥させ、水分又はアルコール成分を除去した後、エチルセルロース、α一テルピネオールを加え3本ロールミルを用いてサーミスタペーストを作成する。
【0035】
▲5▼ガラスをサーミスタペースト内に加える場合はホウ珪酸ガラス粉末をサーミスタペースト内に添加して3本ロールミルによりペースト化する。
【0036】
以上のようにしてサーミスタペーストを製造し、このサーミスタペーストをスクリーン印刷でアルミナ基体1に形成することにより、小型でありながら性能のよいサーミスタが製造できる。
【0037】
また、本実施の形態例の抵抗体層5は、任意の特性を持つ抵抗体ペーストをスクリーン印刷で形成するほか、抵抗体材料をスパッタリングなどにより形成してもよい。ここで用いる抵抗体材料はRuO2、SnO2などを用いることができ、抵抗値により任意のものを選択可能である。
【0038】
抵抗体層5をスクリーン印刷により形成する場合は、抵抗体の粉末をペースト化して用いる。この場合の抵抗体層5の焼成温度は600度C〜1000度Cとすることが望ましい。サーミスタ層3と焼成温度を同じとする場合は、サーミスタ層3と抵抗体層3(内部電極B4を含む。)を同時焼成により形成してもよい。
【0039】
端子電極A8、B9は、Ag、Ag/Pd、Ni/Cr,Cuなどの任意の導電材料をディッピング又はスパッタリングなどにより形成し、その上にニッケル、半田又はSnを電界めっきなどにより形成して半田付け性を確保する。
【0040】
保護コート7は、ガラスまたは耐熱性の樹脂のなかから任意に選択してスクリーン印刷などにより形成する。例えば、ホウ珪酸ガラスを用いたペースト又はエポキシ、ポリイミド系の樹脂を用いることができる。
【0041】
このようにして製造した複合チップのサーミスタ特性及び抵抗素子の抵抗値特性は、サーミスタ層、抵抗層又は内部電極のレーザートリミングまたは、内部電極・構造(電間距離)により調整が可能である。
【0042】
次に、以上に構成を説明した複合チップの製造方法を図4乃至図12を参照して説明する。図4乃至図12は本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図であり、各製造工程を模式的に表している。
【0043】
図4は絶縁基板であるアルミナ基体上に内部電極Aを形成する工程を示し、図5はその上にサーミスタ層を形成する工程を示し、図6は内部電極Bを形成する工程を示し、図7はその上に抵抗体層を形成する工程を示し、図8はその上に内部電極Cを形成する工程を示し、図9はさらにその上に保護コートを形成する工程を示し、図10は短冊状の列状集合部品形状に切断する工程を示し、図11はさらに端子電極を形成する工程を示し、図12は短冊状の集合部品を各個別の複合チップ部品に切断する工程を示している。
【0044】
まず、図4に示すように所定大きさのアルミナ焼結体の絶縁基板(以下の説明は12個の複合チップを製造する場合の例を説明する。)101の上に内部電極A102を例えばAg−Pd−ガラスメタルグレーズにより印刷する。
【0045】
続いて図5に示すように、各内部電極A102毎に端部を除く延長部の上面にかけて先の製造方法で製造したサーミスタペースト(例えば、サーミスタ特性を有する粒径数μm程度の複合金属酸化物(CO2O3+NiO+Mn2O3)とガラスフリットと有機質ビヒクルとの塗料)を印刷し、例えば約850度Cで焼成することにより各サーミスタ層103を形成する。
【0046】
次に、図6に示すように、各サーミスタ層103毎にサーミスタ層103上面よりアルミナ基板101上にかけて内部電極B104を例えばAg−Pd−ガラスメタルグレーズにより印刷する。さらに、図7に示すように、各内部電極B104上からアルミナ基板101上にかけて抵抗体ペーストを印刷して各抵抗体層105を形成する。
【0047】
そして図8に示すように各抵抗体層105毎に抵抗体層105上面よりアルミナ基板101上にかけて内部電極C106を例えばAg−Pd−ガラスメタルグレーズにより印刷する。そして、例えば約850度Cで焼成することにより各抵抗体層105を形成する。
【0048】
なお、サーミスタ層103と抵抗体層105を同じ温度で焼成する場合には、サーミスタ層103形成後に焼成するのではなく、最後に一括して焼成してもよい。
【0049】
なお、ここで、抵抗値或いはサーミスタ特性を調整する必要があるときは、内部電極C6をレーザ光により抵抗体層105上で切断し、切溝位置によって抵抗値を調整する。切断の方法はレーザ光による他、サンドブラスト法で調整してもよく、或いは内部電極C106を予めくし形に形成しておき、くし形の連続部を適当位置で切断して調整してもよい。
【0050】
次に、図9に示すように、各内部電極A102と各内部電極C106の両端部を除く内部電極B104、サーミスタ層102、抵抗体層105とを被覆するように、例えば耐熱性エポキシ樹脂を印刷形成し、例えば約130度Cで樹脂を硬化させ保護コート107を形成する。
【0051】
そして図10に示すように、各複合チップ片の長さ方向を幅方向として破線で示す部分(あらかじめ分割溝を形成していてもよい。)から絶縁基板101を分割して短冊様分割体120を得る。
【0052】
次に、図11に示すように、短冊様分割体120の幅方向の両側に連続した端子電極108、109を形成し、一方の端子電極を内部電極102に、他方の端子電極を内部電極C106とをそれぞれ接続する。端子電極108、109の形成は、Ni−Crの真空蒸着による方法、Ag−Pd−ガラスメタルグレーズの塗布、焼成による方法、Agを分散させてエポキシ樹脂塗料の塗布、硬化などの方法によって形成される。
【0053】
最後に短冊様分割体120を各複合チップごとに、例えば図12の破線位置(あらかじめ分割溝を形成していてもよい。)で切断して個別の複合チップを完成させる。
【0054】
以上説明したように本実施の形態例によれば、アルミナ基体1の一方端部近傍に内部電極A2を形成し、その上にサーミスタ層3を形成し、サーミスタ層3上部よりアルミナ基体1の他方端部側にかけて内部電極B4を形成し、アルミナ基体1上の内部電極B4を覆うように抵抗体層5を形成し、抵抗体層5上からアルミナ基体1の他方端部にかけて内部電極C6を形成し、サーミスタ層3、内部電極B4、抵抗体層5の上面露出部を保護コート7で覆い、両端部に端子電極A8、端子電極B9を形成することにより、サーミスタ素子と抵抗素子を同一の小型チップ上に直列に形成することができ、サーミスタ素子の発熱による抵抗値の減少があっても、その影響を最小限に抑えることができる。
【0055】
〔第2の実施の形態例〕
以上の説明においては、内部電極A2の上にサーミスタ層3、その上に内部電極B4、その上に抵抗体層5、その上に内部電極C6というように順次重ねあわせて各層を形成する例について説明した。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、例えば内部電極A2、内部電極C6を共にアルミナ基体1上に形成し、内部電極A2、内部電極C6上にサーミスタ層3と抵抗体層5を形成し、サーミスタ層3と抵抗体層5上に内部電極B4を形成してもよい。このように形成することにより製造工程を簡略化できる。
【0056】
このように形成する本発明に係る第2の実施の形態例を以下図13及び図14を参照して説明する。図13は本発明に係る第2の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図、図14は第2の実施の形態例の複合チップの上面図であり、図13のA−A図断面を上面から見た図である。また、図14は図13のB−B面断面図である。上述した第1の実施の形態例と同様構成には同一番号を付し詳細説明を省略する。
【0057】
第2の実施の形態例では、まず、アルミナ基体上に第1の実施の形態例とほぼ同様形状の内部電極A2を印刷する。続いて第1の実施の形態例と上面積がほぼ同様形状の内部電極C206を印刷する。
【0058】
そして、次に内部電極2の上に第1の実施の形態例とほぼ同様にサーミスタペーストを印刷し、例えば約850度Cで焼成することにより各サーミスタ層3を形成する。次に内部電極C206の上に端部を除いた内部電極C206を覆うように抵抗体ペーストを印刷し、サーミスタ層2と抵抗体層205の少なくとも中央部上面を覆ように内部電極B204を印刷し、例えば約850度Cで焼成する。
【0059】
なお、サーミスタ層3と抵抗体層205を同じ温度で焼成する場合には、サーミスタペースト印刷後に焼成するのではなく、内部電極B204印刷後に一括して焼成してもよい。
【0060】
なお、ここで、抵抗値或いはサーミスタ特性を調整する必要があるときは、内部抵抗B204を例えばレーザ光により抵抗体層105上で切断し、切溝位置によって抵抗値を調整する。切断の方法はレーザ光による他、サンドブラスト法で調整してもよく、或いは内部電極B204を予めくし形に形成しておき、くし形の連続部を適当位置で切断して調整してもよい。
【0061】
その後各内部電極A2、C206の両端部を除くサーミスタ層2、内部電極B204、抵抗体層205露出部分を被覆するように、例えば耐熱性エポキシ樹脂を印刷形成し、例えば約130度Cで樹脂を硬化させ保護コート207を形成する。
【0062】
そして最後にアルミナ基体1の両端部に端子電極A208と端子電極B209を形成する。
【0063】
以上説明したように第2の実施の形態例によれば、電極とサーミスタ層、抵抗体層を形成するのに、3層に形成するのみで複合チップ部品を製造でき、例えば内部電極A、Bを同時に印刷できるなど製造工程の簡略化が実現する。
【0064】
さらに、それぞれの層の形成精度も第1の実施の形態例に比し余裕を待たせることができ、小型チップの製造に非常の大きなメリットが得られる。
【0065】
〔第3の実施の形態例〕
以上に説明した第2の実施の形態例では、まず内部電極A2と内部電極C206をアルミナ基体1上に印刷してその上にサーミスタ層3、抵抗体層205を形成し、その上に内部電極B204を形成する例を説明した。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、例えば最初に内部電極Bを形成してもよい。最初に内部電極Bを形成する本発明に係る第3の実施の形態例を以下図15及び図16を参照して説明する。図15は本発明に係る第3の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図、図16は第3の実施の形態例の複合チップの上面図であり、図15のA−A図断面を上面から見た図である。また、図16は図15のB−B面断面図である。上述した実施の形態例と同様構成には同一番号を付し詳細説明を省略する。
【0066】
第3の実施の形態例では、まず、アルミナ基体の中央部上に図16に示すようにほぼ長方形状の内部電極B304を印刷などにより形成する。
【0067】
続いてこの内部電極B304の少なくとも中央部を除く一方端部を覆うように第1の実施の形態例と上面積がほぼ同様形状にサーミスタペーストを印刷し、例えば約850度Cで焼成することによりサーミスタ層303を形成する。次に内部電極B304の他方端部を覆うように第1の実施の形態例と上面積がほぼ同様形状に抵抗体ペーストを印刷し、さらに、サーミスタ層2と抵抗体層205の少なくとも中央部上面を覆うように内部電極A302と内部電極C306を印刷し、例えば約850度Cで焼成する。
【0068】
なお、サーミスタ層3と抵抗体層205を同じ温度で焼成する場合には、サーミスタペースト印刷後に焼成するのではなく、内部電極A302と内部電極C306を印刷後に一括して焼成してもよい。
【0069】
なお、ここで、抵抗値或いはサーミスタ特性を調整する必要があるときは、内部抵抗C306を例えばレーザ光により抵抗体層305上で切断し、切溝位置によって抵抗値を調整する。切断の方法はレーザ光による他、サンドブラスト法で調整してもよく、或いは内部電極C306を予めくし形に形成しておき、くし形の連続部を適当位置で切断して調整してもよい。
【0070】
その後各内部電極A302、C306の両端部を除くサーミスタ層302、内部電極B304、抵抗体層305露出部分を被覆するように、例えば耐熱性エポキシ樹脂を印刷形成し、例えば約130度Cで樹脂を硬化させ保護コート307を形成する。
【0071】
そして最後にアルミナ基体1の両端部に端子電極A308と端子電極B309を形成する。
【0072】
以上説明したように第3の実施の形態例によれば、第2の実施の形態例と同様に3層に形成するのみで複合チップ部品を製造でき、製造工程の簡略化が実現する。
【0073】
〔第4の実施の形態例〕
以上に説明した第2の実施の形態例では、まず内部電極A2と内部電極C206をアルミナ基体1上に印刷してその上にサーミスタ層3、抵抗体層205を形成し、その上に内部電極B204を形成する例を説明した。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、例えば最初に内部電極A、B、Cを形成してもよい。最初にすべての内部電極を形成する本発明に係る第4の実施の形態例を以下図17及び図18を参照して説明する。図17は本発明に係る第4の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図、図18は第4の実施の形態例の複合チップの上面図であり、図17のA−A図断面を上面から見た図である。また、図17は図18のB−B面断面図である。上述した実施の形態例と同様構成には同一番号を付し詳細説明を省略する。
【0074】
第4の実施の形態例では、まず、アルミナ基体1の中央部に図18に示すように列状に所定間隔で内部電極A402、B404,C406を印刷などにより形成する。
【0075】
続いてこの内部電極A402と内部電極B404をまたいで第1の実施の形態例と上面積がほぼ同様形状にサーミスタペーストを印刷し、例えば約850度Cで焼成することによりサーミスタ層403を形成する。次に内部電極B404と内部電極C406をまたいで第1の実施の形態例と上面積がほぼ同様形状に抵抗体ペーストを印刷し、例えば約850度Cで焼成する。
【0076】
なお、サーミスタ層3と抵抗体層205を同じ温度で焼成する場合には、サーミスタペーストと抵抗体ペーストを連続して、又は同時に印刷し、その後に一括して焼成してもよい。
【0077】
なお、ここで、抵抗値或いはサーミスタ特性を調整する必要があるときは、例えばレーザ光により抵抗体層305の一部を切断し、内部電極との接触位置を(或いは接触面積を)切溝位置によって変更し、抵抗値を調整する。
【0078】
その後サーミスタ層403、抵抗体層405、内部電極B404の上面露出部分を被覆するように、例えば耐熱性エポキシ樹脂を印刷形成し、例えば約130度Cで樹脂を硬化させ保護コート407を形成する。
【0079】
そして最後にアルミナ基体1の両端部に端子電極A408と端子電極B409を形成する。
【0080】
以上説明したように第4の実施の形態例によれば、最初に直接アルミナ基体1上に内部電極を印刷などにより形成するため、電極の形成を平坦面に対して行えばよく、容易に形成できる。また、内部電極を一度に印刷することができ、製造工程を簡略化することができる。また、内部電極上に形成するサーミスタ層403と抵抗体層405も、内部電極の厚さがさほど厚くないため、同じく形成が容易であり、形成すべき位置精度にも余裕があり、容易に小型チップを提供できる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ひとつのチップ上にサーミスタ素子と抵抗素子を直列に形成でき、少ない占有面積で発熱などで特性が変化することの少ない高精度のサーミスタ特性を有する複合チップ部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一発明の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図である。
【図2】本実施の形態例の複合チップの上面図である。
【図3】本実施の形態例の複合チップの接続状態を模式的に示した図である。
【図4】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図5】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図6】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図7】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図8】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図9】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図10】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図11】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図12】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図13】本発明に係る第2の発明の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図である。
【図14】第2の実施の形態例の複合チップの上面図である。
【図15】本発明に係る第3の発明の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図である。
【図16】第3の実施の形態例の複合チップの上面図である。
【図17】本発明に係る第4の発明の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図である。
【図18】第4の実施の形態例の複合チップの上面図である。
【符号の説明】
1、101 アルミナ基体
2、102、302、402 内部電極A
3、103、303、403 サーミスタ層
4、104、204、304、404 内部電極B
5、105、205、305、405 抵抗体層
6、106、206、306、406 内部電極C
7、107、207、307、407 保護コート
8、108、208、308、408 端子電極A
9、109、209、309、409 端子電極B
【発明の属する技術分野】
本発明は基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続してなるチップ型複合部品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一定電圧を印加する回路にて、例えばNTCサーミスタを使用した場合、サーミスタを動作状態とするとサーミスタの電流が流れ、どうしても温度上昇が起きる。温度上昇が起きると、サーミスタの特性からサーミスタの抵抗値が減少するため消費電力が増加し、サーミスタ自体の自己発熱により周囲の温度検知を正確に行うことが出来なくなる。
【0003】
即ち、消費電力(W)={電圧(V)}2/抵抗値(R)であり、温度上昇に伴って抵抗値が減少すればサーミスタに印加される電力が増加してしまう。このためますます温度上昇が進むという悪循環を引き起こしてしまう。
【0004】
従来はこのようなサーミスタに供給される電力の増加を抑えるために直列に抵抗素子を接続して、温度上昇によるサーミスタの抵抗値減少に伴う印加電力の上昇(サーミスタの自己発熟量の上昇)を直列に接続された抵抗に電圧を分圧することにより防ぎ、温度の誤検知を防ぐ方法が取られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は抵抗素子とサーミスタをそれぞれ個別に用意し、例えば基板上に実装することにより直列接続を実現していた。このため、どうしてもサーミスタと抵抗素子それぞれの実装スペースが必要であり、小型化には限界があった。
【0006】
小型化のためにひとつのチップにサーミスタと抵抗素子とを搭載するものもあったが、例えば、特開2000−124008号に記載のように、従来の積層技術ではサーミスタと抵抗素子を並列に接続することが出来るに過ぎなかった。このため、サーミスタと抵抗を直列に接続した複合チップの実現が待たれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決することを目的としてなされたもので、サーミスタと抵抗を1チップで直列に接続した複合チップその製造方法を提供することにより、少ない占有面積でサーミスタ自体の自己発熱があっても周囲の温度検知を正確に行うことが出来るようにすることを目的とする。そして、係る目的を達成し、上述した課題を解決する一手段として例えば以下の構成を備える。
【0008】
即ち、絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品であって、前記基体上の一方端部側に形成されたサーミスタ層と、前記基体の他方端部側に形成された抵抗体層と、前記基体の一方端部端面から前記サーミスタ層の一方面に形成される第1の電極と、前記基体の他方端部端面から前記抵抗体層の一方面に形成される第2の電極と、前記サーミスタ層の他方面と前記抵抗体層の他方面間に形成される第3の電極とを備え、前記第1の電極からサーミスタ層、第3の電極、抵抗体層、第2の電極が直列に接続されていることを特徴とする。
【0009】
そして例えば、前記基体上に前記第1の電極を形成し、前記第1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成し、前記サーミスタ層上から前記基体上に前記第3の電極を形成し、前記第3の電極上から前記基体上に前記抵抗体層を形成し、前記抵抗体層上から前記基体の他方端部に前記第2の電極を形成してなることを特徴とする。
【0010】
また例えば、前記基体上に前記第1の電極及び前記第3の電極を形成し、前記第1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成すると共に、前記第3の電極上から前記基体中央部上に抵抗体層を形成し、前記サーミスタ層上面から前記基体中央部上を経て前記抵抗体層上に前記第2の電極を形成してなることを特徴とする。
【0011】
さらに例えば、前記基体上に前記第2の電極を形成し、前記2の電極の中央部近傍から前記基体の一方端部近傍上に前記サーミスタ層を形成すると共に、前記第2の電極の中央部近傍から前記基体の他方端部近傍上に前記抵抗体層を形成し、前記サーミスタ層上から前記基体一方端部上に前記第1の電極を形成し、前記抵抗体層上から前記基体の他方端部上に前記第3の電極を形成してなることを特徴とする。
【0012】
さらにまた例えば、前記基体上に前記第1の電極、第2の電極、第3の電極をそれぞれ所定間隔をもって列状に形成し、前記1の電極と前記第2の電極をまたいで前記サーミスタ層を形成し、前記第2の電極と前記第3の電極をまたいで前記抵抗体層を形成してなることを特徴とする。
【0013】
また例えば、さらにその上にコート層を形成して保護コートとすると共に、前記第1の電極及び前記第3の電極にそれぞれ接続された外部接続電極を形成することを特徴とする。
【0014】
または、絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、前記基体の一方端部端面から中央に延出する第1の電極を形成する第1電極形成工程と、前記1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、前記サーミスタ層上から前記基体上に前記第3の電極を形成する第3電極形成工程と、前記第3の電極上から前記基体上に抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、前記抵抗体層上から前記基体の他方端部に前記第2の電極を形成する第2電極形成工程とを有するチップ型複合部品の製造方法であることを特徴とする。
【0015】
または、絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、前記基体の一方端部面から中央に延出する第1の電極を形成する第1電極形成工程と、前記基体の他方端部端面から中央に延出するに前記第2の電極を形成する第2電極形成工程と、前記第1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、前記第3の電極上から前記基体中央部上に抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、前記サーミスタ層上面から前記基体中央部上を経て前記抵抗体層上に前記第2の電極を形成する第2電極形成工程を有するチップ型複合部品の製造方法であることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、前記基体の中央部に第2の電極を形成する第2電極形成工程と、前記2の電極の中央部近傍から前記基体一方端部近傍上にサーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、前記第2の電極の中央部近傍から前記基体の他方端部近傍上に前記抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、前記サーミスタ層上から前記基体一方端部上に前記第1の電極を形成する第1電極形成工程と、前記抵抗体層上から前記基体の他方端部上に前記第3の電極を形成する第3電極形成工程を有するチップ型複合部品の製造方法であることを特徴とする。
【0017】
または、絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、前記基体の一方端部端面から中央に延出する第1の電極を形成する第1電極形成工程と、前記基体の中央部に第2の電極を形成する第2電極形成工程と、前記基体の他方端部面から中央に延出する第3の電極を形成する第3電極形成工程と、前記1の電極と前記第2の電極をまたいで前記サーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、前記第2の電極と前記第3の電極をまたいで前記抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程とを有し、前記基体上に形成される前記第1の電極、第2の電極、第3の電極をそれぞれ所定間隔をもって列状に形成されることを特徴とするチップ型複合部品の製造方法とする。
【0018】
そして例えば、上記各チップ型複合部品の製造方法において、さらにその上にコート層を形成して保護コートと形成する保護コート形成工程と、前記第1の電極及び前記第3の電極にそれぞれ接続された外部接続電極を形成する外部電極形成工程とを備えることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る一発明の実施の形態例を詳細に説明する。
〔第1の実施の形態例〕
図1は本発明に係る一発明の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図、図2は本実施の形態例の複合チップの上面図であり、図1のA−A図断面を上面から見た図である。また、図1は図2のB−B面断面図である。
【0020】
本実施の形態例では、複合チップの例として、アルミナ基体の上にサーミスタと抵抗体とを直列に接続した状態にする例を説明する。
【0021】
図において、1は電気絶縁性を有するアルミナ基体であり、アルミナ基体1はアルミナ焼結体により形成されている。本実施の形態例では、複合チップ完成時にほぼ実装面積1.28mm2(1.6mm×0.8mm×0.8mmサイズの複合チップ)程度に成形する。
【0022】
2はアルミナ基体1の一方端部端面より中央部にかけて形成された内部電極A、3は内部電極A2の端部を除く全面を覆うように形成されたサーミスタ層である。本実施の形態例のサーミスタ層3はほぼ正方形状に成形している。
【0023】
4はサーミスタ層3の上面からアルミナ基体1の他方側にかけて形成された内部電極B、5は内部電極B4のアルミナ基体1上の部分を覆うように形成された抵抗体層であり、本実施の形態例では抵抗体層5をほぼ正方形状に成形している。
【0024】
6は抵抗体層5の上面からアルミナ基体1の他方側端部端面まで形成された内部電極Cである。7はサーミスタ層3と抵抗体層5や内部電極をコートする保護コートである。このようにしてアルミナ基体1上にサーミスタ層3と抵抗体層5を内部電極により直列に接続した後、アルミナ基体1の両端部を除いて保護コート7により表面をコートすることにより経年変化などから防ぐことができる。
【0025】
そして最後にアルミナ基体1の両端部に端子電極A8と端子電極B9を形成する。端子電極A8は内部電極A2に接続され、端子電極B9は内部電極C6に接続されている。この結果、図3に示す接続状態となり、サーミスタと抵抗とが直列に接続された1チップ複合部品が実現する。
【0026】
なお、本実施の形態例で用いるアルミナ基体1は、例えば96%Al2O3のアルミナ基板を用い、基板の厚さはチップサイズに合わせて適当な厚さのものを選択することが望ましい。
【0027】
内部電極A2、B4、C6は、Ag、Ag/Pd,Pt、Auなどの任意の貴金属をスパッタリング、スクリーン印刷などにより形成できる。例えば、Ag−Pd−ガラスのメタルグレーズをスクリーン印刷などにより形成することができる。なお、内部電極をAu又はAgで形成してもよい。
【0028】
同じくサーミスタ層3は任意の特性を持つサーミスタペーストをスクリーン印刷などにより形成する。本実施の形態例で用いるサーミスタペーストは、Mn,Ni,Co,Fe,Al,Cuの中より特性に応じて3から4種類選択した複合酸化物を用いる。サーミスタ層3の焼成温度は850度C〜1300度Cとすることができるが、望ましくは1000度C以下とする。
【0029】
焼成温度を低く設定した場合、例えば1000度C以下であるような場合には、低温での焼結性を良くして、内部電極A2やアルミナ基体1への密着性の増大を図るため、サーミスタペースト内にガラス材料を添加する。
【0030】
具体的には、例えば以下の方法で製造する。
【0031】
▲1▼サーミスタ成分比がMn:30〜60mol%、Ni:10〜30mol%、Co:10〜30mol%、Fe:10〜30mol%になる割合の各種金属の酸化物を原料として、溶媒には水又はアルコールを用いて湿式ボールミルにより混合してスラリーを製造する。出発原料として用いる金属酸化物としては、Mn3O4,NiO,Co304,Fe203等とすることが望ましい。
【0032】
▲2▼混合したスラリーを乾燥工程において乾燥させて水分又はアルコールを除去した後、800度C〜1000度Cにて仮焼成を行い、原料粉末を作る。
【0033】
▲3▼仮焼成を行った粉末を湿式ボールミルにより粉砕する。このとき溶媒は水又はアルコールを用いる。
【0034】
▲4▼得られたスラリーを乾燥工程において乾燥させ、水分又はアルコール成分を除去した後、エチルセルロース、α一テルピネオールを加え3本ロールミルを用いてサーミスタペーストを作成する。
【0035】
▲5▼ガラスをサーミスタペースト内に加える場合はホウ珪酸ガラス粉末をサーミスタペースト内に添加して3本ロールミルによりペースト化する。
【0036】
以上のようにしてサーミスタペーストを製造し、このサーミスタペーストをスクリーン印刷でアルミナ基体1に形成することにより、小型でありながら性能のよいサーミスタが製造できる。
【0037】
また、本実施の形態例の抵抗体層5は、任意の特性を持つ抵抗体ペーストをスクリーン印刷で形成するほか、抵抗体材料をスパッタリングなどにより形成してもよい。ここで用いる抵抗体材料はRuO2、SnO2などを用いることができ、抵抗値により任意のものを選択可能である。
【0038】
抵抗体層5をスクリーン印刷により形成する場合は、抵抗体の粉末をペースト化して用いる。この場合の抵抗体層5の焼成温度は600度C〜1000度Cとすることが望ましい。サーミスタ層3と焼成温度を同じとする場合は、サーミスタ層3と抵抗体層3(内部電極B4を含む。)を同時焼成により形成してもよい。
【0039】
端子電極A8、B9は、Ag、Ag/Pd、Ni/Cr,Cuなどの任意の導電材料をディッピング又はスパッタリングなどにより形成し、その上にニッケル、半田又はSnを電界めっきなどにより形成して半田付け性を確保する。
【0040】
保護コート7は、ガラスまたは耐熱性の樹脂のなかから任意に選択してスクリーン印刷などにより形成する。例えば、ホウ珪酸ガラスを用いたペースト又はエポキシ、ポリイミド系の樹脂を用いることができる。
【0041】
このようにして製造した複合チップのサーミスタ特性及び抵抗素子の抵抗値特性は、サーミスタ層、抵抗層又は内部電極のレーザートリミングまたは、内部電極・構造(電間距離)により調整が可能である。
【0042】
次に、以上に構成を説明した複合チップの製造方法を図4乃至図12を参照して説明する。図4乃至図12は本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図であり、各製造工程を模式的に表している。
【0043】
図4は絶縁基板であるアルミナ基体上に内部電極Aを形成する工程を示し、図5はその上にサーミスタ層を形成する工程を示し、図6は内部電極Bを形成する工程を示し、図7はその上に抵抗体層を形成する工程を示し、図8はその上に内部電極Cを形成する工程を示し、図9はさらにその上に保護コートを形成する工程を示し、図10は短冊状の列状集合部品形状に切断する工程を示し、図11はさらに端子電極を形成する工程を示し、図12は短冊状の集合部品を各個別の複合チップ部品に切断する工程を示している。
【0044】
まず、図4に示すように所定大きさのアルミナ焼結体の絶縁基板(以下の説明は12個の複合チップを製造する場合の例を説明する。)101の上に内部電極A102を例えばAg−Pd−ガラスメタルグレーズにより印刷する。
【0045】
続いて図5に示すように、各内部電極A102毎に端部を除く延長部の上面にかけて先の製造方法で製造したサーミスタペースト(例えば、サーミスタ特性を有する粒径数μm程度の複合金属酸化物(CO2O3+NiO+Mn2O3)とガラスフリットと有機質ビヒクルとの塗料)を印刷し、例えば約850度Cで焼成することにより各サーミスタ層103を形成する。
【0046】
次に、図6に示すように、各サーミスタ層103毎にサーミスタ層103上面よりアルミナ基板101上にかけて内部電極B104を例えばAg−Pd−ガラスメタルグレーズにより印刷する。さらに、図7に示すように、各内部電極B104上からアルミナ基板101上にかけて抵抗体ペーストを印刷して各抵抗体層105を形成する。
【0047】
そして図8に示すように各抵抗体層105毎に抵抗体層105上面よりアルミナ基板101上にかけて内部電極C106を例えばAg−Pd−ガラスメタルグレーズにより印刷する。そして、例えば約850度Cで焼成することにより各抵抗体層105を形成する。
【0048】
なお、サーミスタ層103と抵抗体層105を同じ温度で焼成する場合には、サーミスタ層103形成後に焼成するのではなく、最後に一括して焼成してもよい。
【0049】
なお、ここで、抵抗値或いはサーミスタ特性を調整する必要があるときは、内部電極C6をレーザ光により抵抗体層105上で切断し、切溝位置によって抵抗値を調整する。切断の方法はレーザ光による他、サンドブラスト法で調整してもよく、或いは内部電極C106を予めくし形に形成しておき、くし形の連続部を適当位置で切断して調整してもよい。
【0050】
次に、図9に示すように、各内部電極A102と各内部電極C106の両端部を除く内部電極B104、サーミスタ層102、抵抗体層105とを被覆するように、例えば耐熱性エポキシ樹脂を印刷形成し、例えば約130度Cで樹脂を硬化させ保護コート107を形成する。
【0051】
そして図10に示すように、各複合チップ片の長さ方向を幅方向として破線で示す部分(あらかじめ分割溝を形成していてもよい。)から絶縁基板101を分割して短冊様分割体120を得る。
【0052】
次に、図11に示すように、短冊様分割体120の幅方向の両側に連続した端子電極108、109を形成し、一方の端子電極を内部電極102に、他方の端子電極を内部電極C106とをそれぞれ接続する。端子電極108、109の形成は、Ni−Crの真空蒸着による方法、Ag−Pd−ガラスメタルグレーズの塗布、焼成による方法、Agを分散させてエポキシ樹脂塗料の塗布、硬化などの方法によって形成される。
【0053】
最後に短冊様分割体120を各複合チップごとに、例えば図12の破線位置(あらかじめ分割溝を形成していてもよい。)で切断して個別の複合チップを完成させる。
【0054】
以上説明したように本実施の形態例によれば、アルミナ基体1の一方端部近傍に内部電極A2を形成し、その上にサーミスタ層3を形成し、サーミスタ層3上部よりアルミナ基体1の他方端部側にかけて内部電極B4を形成し、アルミナ基体1上の内部電極B4を覆うように抵抗体層5を形成し、抵抗体層5上からアルミナ基体1の他方端部にかけて内部電極C6を形成し、サーミスタ層3、内部電極B4、抵抗体層5の上面露出部を保護コート7で覆い、両端部に端子電極A8、端子電極B9を形成することにより、サーミスタ素子と抵抗素子を同一の小型チップ上に直列に形成することができ、サーミスタ素子の発熱による抵抗値の減少があっても、その影響を最小限に抑えることができる。
【0055】
〔第2の実施の形態例〕
以上の説明においては、内部電極A2の上にサーミスタ層3、その上に内部電極B4、その上に抵抗体層5、その上に内部電極C6というように順次重ねあわせて各層を形成する例について説明した。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、例えば内部電極A2、内部電極C6を共にアルミナ基体1上に形成し、内部電極A2、内部電極C6上にサーミスタ層3と抵抗体層5を形成し、サーミスタ層3と抵抗体層5上に内部電極B4を形成してもよい。このように形成することにより製造工程を簡略化できる。
【0056】
このように形成する本発明に係る第2の実施の形態例を以下図13及び図14を参照して説明する。図13は本発明に係る第2の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図、図14は第2の実施の形態例の複合チップの上面図であり、図13のA−A図断面を上面から見た図である。また、図14は図13のB−B面断面図である。上述した第1の実施の形態例と同様構成には同一番号を付し詳細説明を省略する。
【0057】
第2の実施の形態例では、まず、アルミナ基体上に第1の実施の形態例とほぼ同様形状の内部電極A2を印刷する。続いて第1の実施の形態例と上面積がほぼ同様形状の内部電極C206を印刷する。
【0058】
そして、次に内部電極2の上に第1の実施の形態例とほぼ同様にサーミスタペーストを印刷し、例えば約850度Cで焼成することにより各サーミスタ層3を形成する。次に内部電極C206の上に端部を除いた内部電極C206を覆うように抵抗体ペーストを印刷し、サーミスタ層2と抵抗体層205の少なくとも中央部上面を覆ように内部電極B204を印刷し、例えば約850度Cで焼成する。
【0059】
なお、サーミスタ層3と抵抗体層205を同じ温度で焼成する場合には、サーミスタペースト印刷後に焼成するのではなく、内部電極B204印刷後に一括して焼成してもよい。
【0060】
なお、ここで、抵抗値或いはサーミスタ特性を調整する必要があるときは、内部抵抗B204を例えばレーザ光により抵抗体層105上で切断し、切溝位置によって抵抗値を調整する。切断の方法はレーザ光による他、サンドブラスト法で調整してもよく、或いは内部電極B204を予めくし形に形成しておき、くし形の連続部を適当位置で切断して調整してもよい。
【0061】
その後各内部電極A2、C206の両端部を除くサーミスタ層2、内部電極B204、抵抗体層205露出部分を被覆するように、例えば耐熱性エポキシ樹脂を印刷形成し、例えば約130度Cで樹脂を硬化させ保護コート207を形成する。
【0062】
そして最後にアルミナ基体1の両端部に端子電極A208と端子電極B209を形成する。
【0063】
以上説明したように第2の実施の形態例によれば、電極とサーミスタ層、抵抗体層を形成するのに、3層に形成するのみで複合チップ部品を製造でき、例えば内部電極A、Bを同時に印刷できるなど製造工程の簡略化が実現する。
【0064】
さらに、それぞれの層の形成精度も第1の実施の形態例に比し余裕を待たせることができ、小型チップの製造に非常の大きなメリットが得られる。
【0065】
〔第3の実施の形態例〕
以上に説明した第2の実施の形態例では、まず内部電極A2と内部電極C206をアルミナ基体1上に印刷してその上にサーミスタ層3、抵抗体層205を形成し、その上に内部電極B204を形成する例を説明した。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、例えば最初に内部電極Bを形成してもよい。最初に内部電極Bを形成する本発明に係る第3の実施の形態例を以下図15及び図16を参照して説明する。図15は本発明に係る第3の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図、図16は第3の実施の形態例の複合チップの上面図であり、図15のA−A図断面を上面から見た図である。また、図16は図15のB−B面断面図である。上述した実施の形態例と同様構成には同一番号を付し詳細説明を省略する。
【0066】
第3の実施の形態例では、まず、アルミナ基体の中央部上に図16に示すようにほぼ長方形状の内部電極B304を印刷などにより形成する。
【0067】
続いてこの内部電極B304の少なくとも中央部を除く一方端部を覆うように第1の実施の形態例と上面積がほぼ同様形状にサーミスタペーストを印刷し、例えば約850度Cで焼成することによりサーミスタ層303を形成する。次に内部電極B304の他方端部を覆うように第1の実施の形態例と上面積がほぼ同様形状に抵抗体ペーストを印刷し、さらに、サーミスタ層2と抵抗体層205の少なくとも中央部上面を覆うように内部電極A302と内部電極C306を印刷し、例えば約850度Cで焼成する。
【0068】
なお、サーミスタ層3と抵抗体層205を同じ温度で焼成する場合には、サーミスタペースト印刷後に焼成するのではなく、内部電極A302と内部電極C306を印刷後に一括して焼成してもよい。
【0069】
なお、ここで、抵抗値或いはサーミスタ特性を調整する必要があるときは、内部抵抗C306を例えばレーザ光により抵抗体層305上で切断し、切溝位置によって抵抗値を調整する。切断の方法はレーザ光による他、サンドブラスト法で調整してもよく、或いは内部電極C306を予めくし形に形成しておき、くし形の連続部を適当位置で切断して調整してもよい。
【0070】
その後各内部電極A302、C306の両端部を除くサーミスタ層302、内部電極B304、抵抗体層305露出部分を被覆するように、例えば耐熱性エポキシ樹脂を印刷形成し、例えば約130度Cで樹脂を硬化させ保護コート307を形成する。
【0071】
そして最後にアルミナ基体1の両端部に端子電極A308と端子電極B309を形成する。
【0072】
以上説明したように第3の実施の形態例によれば、第2の実施の形態例と同様に3層に形成するのみで複合チップ部品を製造でき、製造工程の簡略化が実現する。
【0073】
〔第4の実施の形態例〕
以上に説明した第2の実施の形態例では、まず内部電極A2と内部電極C206をアルミナ基体1上に印刷してその上にサーミスタ層3、抵抗体層205を形成し、その上に内部電極B204を形成する例を説明した。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、例えば最初に内部電極A、B、Cを形成してもよい。最初にすべての内部電極を形成する本発明に係る第4の実施の形態例を以下図17及び図18を参照して説明する。図17は本発明に係る第4の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図、図18は第4の実施の形態例の複合チップの上面図であり、図17のA−A図断面を上面から見た図である。また、図17は図18のB−B面断面図である。上述した実施の形態例と同様構成には同一番号を付し詳細説明を省略する。
【0074】
第4の実施の形態例では、まず、アルミナ基体1の中央部に図18に示すように列状に所定間隔で内部電極A402、B404,C406を印刷などにより形成する。
【0075】
続いてこの内部電極A402と内部電極B404をまたいで第1の実施の形態例と上面積がほぼ同様形状にサーミスタペーストを印刷し、例えば約850度Cで焼成することによりサーミスタ層403を形成する。次に内部電極B404と内部電極C406をまたいで第1の実施の形態例と上面積がほぼ同様形状に抵抗体ペーストを印刷し、例えば約850度Cで焼成する。
【0076】
なお、サーミスタ層3と抵抗体層205を同じ温度で焼成する場合には、サーミスタペーストと抵抗体ペーストを連続して、又は同時に印刷し、その後に一括して焼成してもよい。
【0077】
なお、ここで、抵抗値或いはサーミスタ特性を調整する必要があるときは、例えばレーザ光により抵抗体層305の一部を切断し、内部電極との接触位置を(或いは接触面積を)切溝位置によって変更し、抵抗値を調整する。
【0078】
その後サーミスタ層403、抵抗体層405、内部電極B404の上面露出部分を被覆するように、例えば耐熱性エポキシ樹脂を印刷形成し、例えば約130度Cで樹脂を硬化させ保護コート407を形成する。
【0079】
そして最後にアルミナ基体1の両端部に端子電極A408と端子電極B409を形成する。
【0080】
以上説明したように第4の実施の形態例によれば、最初に直接アルミナ基体1上に内部電極を印刷などにより形成するため、電極の形成を平坦面に対して行えばよく、容易に形成できる。また、内部電極を一度に印刷することができ、製造工程を簡略化することができる。また、内部電極上に形成するサーミスタ層403と抵抗体層405も、内部電極の厚さがさほど厚くないため、同じく形成が容易であり、形成すべき位置精度にも余裕があり、容易に小型チップを提供できる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ひとつのチップ上にサーミスタ素子と抵抗素子を直列に形成でき、少ない占有面積で発熱などで特性が変化することの少ない高精度のサーミスタ特性を有する複合チップ部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一発明の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図である。
【図2】本実施の形態例の複合チップの上面図である。
【図3】本実施の形態例の複合チップの接続状態を模式的に示した図である。
【図4】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図5】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図6】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図7】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図8】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図9】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図10】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図11】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図12】本実施の形態例の複合チップの製造方法を説明するための図である。
【図13】本発明に係る第2の発明の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図である。
【図14】第2の実施の形態例の複合チップの上面図である。
【図15】本発明に係る第3の発明の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図である。
【図16】第3の実施の形態例の複合チップの上面図である。
【図17】本発明に係る第4の発明の実施の形態例の複合チップの構成を説明するための断面図である。
【図18】第4の実施の形態例の複合チップの上面図である。
【符号の説明】
1、101 アルミナ基体
2、102、302、402 内部電極A
3、103、303、403 サーミスタ層
4、104、204、304、404 内部電極B
5、105、205、305、405 抵抗体層
6、106、206、306、406 内部電極C
7、107、207、307、407 保護コート
8、108、208、308、408 端子電極A
9、109、209、309、409 端子電極B
Claims (11)
- 絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品であって、
前記基体上の一方端部側に形成されたサーミスタ層と、
前記基体の他方端部側に形成された抵抗体層と、
前記基体の一方端部端面から前記サーミスタ層の一方面に形成される第1の電極と、
前記基体の他方端部端面から前記抵抗体層の一方面に形成される第2の電極と、
前記サーミスタ層の他方面と前記抵抗体層の他方面間に形成される第3の電極とを備え、前記第1の電極からサーミスタ層、第3の電極、抵抗体層、第2の電極が直列に接続されていることを特徴とするチップ型複合部品。 - 前記基体上に前記第1の電極を形成し、前記1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成し、前記サーミスタ層上から前記基体上に前記第3電極を形成し、前記第3の電極上から前記基体上に前記抵抗体層を形成し、前記抵抗体層上から前記基体の他方端部に前記第2の電極を形成してなることを特徴とする請求項1記載のチップ型複合部品。
- 前記基体上に前記第1の電極及び前記第2の電極を形成し、前記1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成すると共に、前記第2の電極上から前記基体中央部上に抵抗体層を形成し、前記サーミスタ層上面から前記基体中央部上を経て前記抵抗体層上に前記第3の電極を形成してなることを特徴とする請求項1記載のチップ型複合部品。
- 前記基体上に前記第3の電極を形成し、前記3の電極の中央部近傍から前記基体の一方端部近傍上に前記サーミスタ層を形成すると共に、前記第3の電極の中央部近傍から前記基体の他方端部近傍上に前記抵抗体層を形成し、前記サーミスタ層上から前記基体一方端部上に前記第1の電極を形成し、前記抵抗体層上から前記基体の他方端部上に前記第2の電極を形成してなることを特徴とする請求項1記載のチップ型複合部品。
- 前記基体上に前記第1の電極、第2の電極、第3の電極をそれぞれ所定間隔をもって列状に形成し、前記1の電極と前記第3の電極をまたいで前記サーミスタ層を形成し、前記第2の電極と前記第3の電極をまたいで前記抵抗体層を形成してなることを特徴とする請求項1記載のチップ型複合部品。
- さらにその上にコート層を形成して保護コートとすると共に、前記第1の電極及び前記第2の電極にそれぞれ接続された外部接続電極を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の複合チップ型部品。
- 絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、
前記基体の一方端部端面から中央に延出する第1の電極を形成する第1電極形成工程と、
前記1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、
前記サーミスタ層上から前記基体上に前記第3の電極を形成する第3電極形成工程と、
前記第3の電極上から前記基体上に抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、
前記抵抗体層上から前記基体の他方端部に前記第2の電極を形成する第2電極形成工程とを有することを特徴とするチップ型複合部品の製造方法。 - 絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、
前記基体の一方端部面から中央に延出する第1の電極を形成する第1電極形成工程と、
前記基体の他方端部端面から中央に延出するに前記第3の電極を形成する第3電極形成工程と、
前記1の電極上から前記基体中央部上に前記サーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、
前記第2の電極上から前記基体中央部上に抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、
前記サーミスタ層上面から前記基体中央部上を経て前記抵抗体層上に前記第3の電極を形成する第3電極形成工程を有することを特徴とするチップ型複合部品の製造方法。 - 絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、
前記基体の中央部に第3の電極を形成する第3電極形成工程と、
前記第3の電極の中央部近傍から前記基体の一方端部近傍上にサーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、
前記第3の電極の中央部近傍から前記基体の他方端部近傍上に前記抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、
前記サーミスタ層上から前記基体一方端部上に前記第1の電極を形成する第1電極形成工程と、
前記抵抗体層上から前記基体の他方端部上に前記第2の電極を形成する第2電極形成工程を有することを特徴とするチップ型複合部品の製造方法。 - 絶縁材料で構成した基体上にサーミスタと抵抗素子を直列に接続するチップ型複合部品の製造方法であって、
前記基体の一方端部端面から中央に延出する第1の電極を形成する第1電極形成工程と、
前記基体の中央部に第3の電極を形成する第3電極形成工程と、
前記基体の他方端部面から中央に延出する第2の電極を形成する第2電極形成工程と、
前記第1の電極と前記第3の電極をまたいで前記サーミスタ層を形成するサーミスタ層形成工程と、
前記第2の電極と前記第3の電極をまたいで前記抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程とを有し、
前記基体上に形成される前記第1の電極、第2の電極、第3の電極をそれぞれ所定間隔をもって列状に形成することを特徴とするチップ型複合部品の製造方法。 - さらにその上にコート層を形成して保護コートと形成する保護コート形成工程と、
前記第1の電極及び前記第2の電極にそれぞれ接続された外部接続電極を形成する外部電極形成工程とを備えることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のチップ型複合部品の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002188150A JP2004031793A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | チップ型複合部品及び複合部品の製造方法 |
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JP2002188150A JP2004031793A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | チップ型複合部品及び複合部品の製造方法 |
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JP (1) | JP2004031793A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103632784A (zh) * | 2013-11-23 | 2014-03-12 | 华中科技大学 | 一种叠层片式热压敏复合电阻器及其制备方法 |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002188150A patent/JP2004031793A/ja not_active Withdrawn
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CN103632784A (zh) * | 2013-11-23 | 2014-03-12 | 华中科技大学 | 一种叠层片式热压敏复合电阻器及其制备方法 |
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